説明

船外機の燃料供給システムおよび船外機

【課題】簡単に接続できるジョイントユニットを備えた船外機の燃料供給システム、およびこの燃料供給システムを備えた船外機を提供すること。
【解決手段】燃料供給システムは、燃料供給路と、ジョイントユニットとを含む。ジョイントユニットは、接続および分離可能な第1および第2ジョイント部材と、第1および第2ジョイント部材間をシールするシール部材とを含む。第1ジョイント部材は、第1バルブと、第1嵌合部とを含む。第2ジョイント部材は、第2バルブと、第2嵌合部とを含む。シール部材は、第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、第1および第2バルブが開く以前に、第1および第2嵌合部間をシールするように第1または第2ジョイント部材に保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料タンクと船外機本体とを接続するためのジョイントユニットを備えた船外機の燃料供給システム、およびこの燃料供給システムを備えた船外機に関する。
【背景技術】
【0002】
一つの先行技術に係るジョイントユニットは、特許文献1に記載されている。特許文献1に係るジョイントユニットは、流体が流通できるように構成されたカプラーと、前記カプラーに接続できるように構成された注入ポートとを備えている。
前記カプラーには、前記カプラーの内部に流体を流入させるように構成されたノズルが取り付けられている。また、前記注入ポートの内部には、チェックバルブが設けられている。前記チェックバルブは、前記カプラーと前記注入ポートとが接続された後に、前記カプラーに設けられている押しボタンが押されることにより開くように構成されている。
【0003】
また、前記カプラーには、前記注入ポートを挿入できるように構成されたガイドが設けられている。前記ガイドは、前記注入ポートが挿入される方向に向かって付勢するばね部材によって保持されている。前記ジョイントユニットは、前記注入ポートを前記カプラーの前記ガイドに挿入するとともに、前記ばね部材の付勢力に抗して前記注入ポートを前記ガイドの奥の方に押し込むことにより、接続できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−211818号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の先行技術に係るジョイントユニットでは、作業者は、前記カプラーと前記注入ポートとを接続した後、前記カプラーの押しボタンを押し込むことにより前記注入ポートの前記チェックバルブを開く必要がある。このため、前記ジョイントユニットを接続する際の使用者の作業が煩雑になる。前記ジョイントユニットを燃料タンクと船外機本体とを接続するためのジョイントユニットとして用いる場合にも同様に、前記ジョイントユニットを接続する際の使用者の作業が煩雑になる。
【0006】
また、前述の先行技術に係るジョイントユニットでは、前記注入ポートを前記カプラーと接続する際に、使用者は、前記注入ポートを前記カプラーの前記ガイドに挿入するとともに、前記ばね部材の付勢力に抗して前記注入ポートを前記ガイドの奥の方に押し込む必要がある。このため、前記ジョイントユニットの接続作業が煩わしい。前記ジョイントユニットを燃料タンクと船外機本体とを接続するためのジョイントユニットとして用いる場合にも同様に、前記ジョイントユニットの接続作業が煩わしい。
【0007】
そこで、この発明の目的は、簡単に接続できるジョイントユニットを備えた船外機の燃料供給システム、およびこの燃料供給システムを備えた船外機を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、燃料タンクから船外機本体に燃料を供給するための船外機の燃料供給システムであって、燃料供給路と、前記燃料供給路を前記燃料タンクまたは前記船外機本体に連結するためのジョイントユニットとを含み、前記ジョイントユニットは、接続および分離可能に構成された第1および第2ジョイント部材と、前記第1および第2ジョイント部材間をシールするシール部材とを含み、前記第1ジョイント部材は、燃料が流通する第1流路と、前記第1流路に配置された第1バルブと、前記第1流路を取り囲む筒状の第1嵌合部とを含み、前記第2ジョイント部材は、燃料が流通する第2流路と、前記第2流路に配置された第2バルブと、前記第2流路を取り囲む筒状の第2嵌合部とを含み、前記第1バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が所定の結合方向に接続されるときに前記第2ジョイント部材によって押圧される第1押圧端を有し、前記第1押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第1弁体を含み、前記第2バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が前記結合方向に接続されるときに前記第1ジョイント部材によって押圧される第2押圧端を有し、前記第2押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第2弁体を含み、前記第1および第2嵌合部は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に互いに嵌合するように構成されており、前記シール部材は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に前記第1および第2嵌合部間をシールするように、前記第1または第2ジョイント部材に保持されている、船外機の燃料供給システムである。
【0008】
この発明によれば、前記第1ジョイント部材と前記第2ジョイント部材とを前記結合方向に接続する際に、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材によって押圧される。これにより、前記第1弁体が変位して、前記第1バルブが開く。同様に、前記第2弁体が変位して、前記第1バルブが開く。すなわち、前記第1ジョイント部材と前記第2ジョイント部材とを接続するだけで、前記第1および第2バルブが自動的に開かれる。したがって、前記第1ジョイント部材と前記第2ジョイント部材とを接続する際に、使用者が、別途、前記第1および第2バルブを開く作業を行う必要がない。これにより、ジョイントユニットを接続する際の使用者の作業が煩雑になるのを抑制することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記シール部材は、前記第2嵌合部に保持されており、前記第1嵌合部の先端が前記第1押圧端よりも前記第2ジョイント部材側に位置する場合を正とした場合の前記第1押圧端から前記第1嵌合部の先端までの前記結合方向への距離である第1距離は、前記シール部材が前記第2押圧端よりも前記第1ジョイント部材側に位置する場合を負とした場合の前記第2押圧端から前記シール部材までの前記結合方向への距離である第2距離よりも大きい、請求項1記載の船外機の燃料供給システムである。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記シール部材は、前記第1嵌合部に保持されており、前記シール部材が前記第1押圧端よりも前記第2ジョイント部材側に位置する場合を正とした場合の前記第1押圧端から前記シール部材までの前記結合方向への距離である第3距離は、前記第2嵌合部の先端が前記第2押圧端よりも前記第1ジョイント部材側に位置する場合を負とした場合の前記第2押圧端から前記第2嵌合部の先端までの前記結合方向への距離である第4距離よりも大きい、請求項1記載の船外機の燃料供給システムである。
【0011】
前記第1嵌合部は、単一の部材により筒状に形成されていてもよいし、複数の部材により全体として筒状に形成されていてもよい。同様に、前記第2嵌合部は、単一の部材により筒状に形成されていてもよいし、複数の部材により全体として筒状に形成されていてもよい。具体的には、たとえば請求項4記載の発明のように、前記第1嵌合部は、前記第1流路を取り囲む筒状の内側嵌合部と、前記内側嵌合部の周囲を取り囲む筒状の外側嵌合部とを含んでいてもよい。この場合、前記内側嵌合部および外側嵌合部の各一方端部は、両者の間に前記第2ジョイント部材側から前記第2嵌合部が嵌合できるように構成されており、前記内側嵌合部および外側嵌合部の各他方端は、互いの間が密閉されるように構成されており、前記シール部材は、前記内側嵌合部と前記第2嵌合部との間をシールする第1シールを含んでいてもよい。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記第1嵌合部は、前記第1流路を取り囲む筒状の内側嵌合部と、前記内側嵌合部の周囲を取り囲む筒状の外側嵌合部とを含み、前記内側嵌合部および外側嵌合部の各一方端部は、両者の間に前記第2ジョイント部材側から前記第2嵌合部が嵌合できるように構成されており、前記内側嵌合部および外側嵌合部の各他方端は、互いの間が密閉されるように構成されており、前記シール部材は、前記外側嵌合部と前記第2嵌合部との間をシールする第2シールを含む、請求項1〜4の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システムである。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記ジョイントユニットは、前記第2ジョイント部材に取り付けられ、かつ前記第2ジョイント部材の周囲を取り囲む筒状のカバー部材をさらに含み、前記シール部材は、前記カバー部材の内側において、前記第2ジョイント部材の外周部に保持されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システムである。
請求項7記載の発明は、前記ジョイントユニットは、前記第1および第2ジョイント部材が接続された状態で前記第1ジョイント部材の周囲を取り囲むように構成された筒状の接続部材と、前記第1ジョイント部材の外周部および前記接続部材の内周部の一方に設けられた凸部と、前記第1ジョイント部材の外周部および前記接続部材の内周部の他方に設けられた凹部とをさらに含み、前記凸部および前記凹部は、互いに係合可能で、係合した状態で相対回転可能に構成されており、前記凹部は、一方の回転方向への前記凸部および前記凹部の相対回転に伴って、前記凸部を前記凹部に沿って所定の接続位置に案内するように構成されており、前記第2ジョイント部材および前記接続部材は、前記凸部が前記接続位置に向かって案内されることにより、前記第1ジョイント部材側に一体的に移動するように構成されており、前記第1および第2ジョイント部材は、前記凸部が前記接続位置に配置されることにより、互いに接続されるように構成されている、請求項1〜6の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システムである。
【0014】
請求項8記載の発明は、前記凹部は、1回転未満の前記凸部および前記凹部の相対回転により、前記凸部が前記接続位置に配置されるように構成されている、請求項7記載の船外機の燃料供給システムである。
請求項9記載の発明は、前記凹部は、前記結合方向に対して傾斜するように延びるガイド面を含む、請求項7または8記載の船外機の燃料供給システムである。
【0015】
請求項10記載の発明は、前記ジョイントユニットは、前記凹部とともに前記第1ジョイント部材の外周部および前記接続部材の内周部の一方に設けられ、かつ前記凸部が前記接続位置から移動することを規制する移動規制部をさらに含む、請求項7〜9の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システムである。
請求項11記載の発明は、前記凹部は、前記結合方向に対して傾斜するように延びるガイド溝を含む、請求項7〜10の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システムである。
【0016】
請求項12記載の発明は、前記第2ジョイント部材は、前記第2ジョイント部材の外周部に設けられ、前記第2ジョイント部材の外周部を取り囲むように構成された環状溝をさらに含み、前記接続部材は、前記第2ジョイント部材を取り囲むように構成された筒状部と、前記筒状部から内側に突出するように構成された係合突部とを含み、前記環状溝は、前記結合方向に間隔を隔てて対向する一対の内壁面を含み、前記係合突部は、前記一対の内壁面間に配置されており、前記接続部材は、前記凸部が前記凹部によって前記接続位置に向かって案内されることにより、前記第1ジョイント部材側に移動するように構成されている、請求項7〜11の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システムである。
【0017】
請求項13記載の発明は、前記第1および第2ジョイント部材の一方は、前記燃料タンクまたは前記船外機本体に連結されており、前記第1および第2ジョイント部材の他方は、前記燃料供給路に連結されている、請求項1〜12の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システムである。
請求項14記載の発明は、燃料タンクと、船外機本体と、前記燃料タンクから前記船外機本体に燃料を供給するための燃料供給システムとを含み、前記燃料供給システムは、燃料供給路と、前記燃料供給路を前記燃料タンクまたは前記船外機本体に連結するためのジョイントユニットとを含み、前記ジョイントユニットは、接続および分離可能に構成された第1および第2ジョイント部材と、前記第1および第2ジョイント部材間をシールするシール部材とを含み、前記第1ジョイント部材は、燃料が流通する第1流路と、前記第1流路に配置された第1バルブと、前記第1流路を取り囲む筒状の第1嵌合部とを含み、前記第2ジョイント部材は、燃料が流通する第2流路と、前記第2流路に配置された第2バルブと、前記第2流路を取り囲む筒状の第2嵌合部とを含み、前記第1バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が所定の結合方向に接続されるときに前記第2ジョイント部材によって押圧される第1押圧端を有し、前記第1押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第1弁体を含み、前記第2バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が前記結合方向に接続されるときに前記第1ジョイント部材によって押圧される第2押圧端を有し、前記第2押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第2弁体を含み、前記第1および第2嵌合部は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に互いに嵌合するように構成されており、前記シール部材は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に前記第1および第2嵌合部間をシールするように、前記第1または第2ジョイント部材に保持されている、船外機である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る船外機およびその燃料供給システムの構成を示す側面図である。
【図2】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットを示す断面図である。
【図3】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントの構造を説明するための断面図である。
【図4】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムのホース側ジョイントの構造を説明するための断面図である。
【図5】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットの構造を説明するための断面図である。
【図6】前記ジョイントユニットの一部の図解図である。
【図7】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構造を説明するための断面図である。
【図8】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの内周面の構造を説明するための展開図である。
【図9A】図7の矢印P方向から見た図である。
【図9B】図7の矢印Q方向から見た図である。
【図10】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図11】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図12】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図13】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図14】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図15】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図16】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図17】前記第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。
【図19】前記第2実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構成を説明するための断面図である。
【図20】前記第2実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの内周面の構成を説明するための展開図である。
【図21】前記第3実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントユニットの構成を説明するための断面図である。
【図22】本発明の第3実施形態に係る船外機の燃料供給システムのホース側ジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための断面図である。
【図23】前記第3実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。
【図24】本発明の第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットを示す断面図である。
【図25】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントの構造を説明するための断面図である。
【図26】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムのホース側ジョイントの構造を説明するための断面図である。
【図27】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットの構造を説明するための断面図である。
【図28】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構造を説明するための断面図である。
【図29】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの内周面の構造を説明するための展開図である。
【図30】図28の矢印P方向から見た図である。
【図31】図28の矢印Q方向から見た図である。
【図32】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントにカバー部材を装着した状態を示した断面図である。
【図33】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムのカバー部材の構成を説明するための断面図である。
【図34】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図35】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図36】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図37】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図38】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図39】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図40】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図41】前記第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図42】本発明の第5実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。
【図43】前記第5実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構成を説明するための断面図である。
【図44】前記第5実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの内周面の構成を説明するための展開図である。
【図45】本発明の第6実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの内周面の構成を説明するための展開図である。
【図46】本発明の第7実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの内周面の構成を説明するための展開図である。
【図47】本発明の第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントの構造を説明するための断面図である。
【図48】前記第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムのホース側ジョイントの構造を説明するための断面図である。
【図49】前記第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットの構造を説明するための断面図である。
【図50】前記第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントの外周面の構成を説明するための側面図である。
【図51】前記第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントの外周面の構成を説明するための展開図である。
【図52】図50の矢印X方向から見た図である。
【図53】前記第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図54】前記第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図55】前記第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。
【図56】前記第1〜第3実施形態の変形例による船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。
【図57】前記第1〜第3実施形態の変形例による船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る船外機およびその燃料供給システムの構成を示す側面図である。図2〜図9は、図1に示した船外機およびその燃料供給システムの構成を説明するための図である。以下では、図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態に係る船外機1およびその燃料供給システムの構造を説明する。
【0020】
図1に示すように、船外機1は、船体100の後進方向(矢印BWD方向)側に設けられた船尾板101にクランプブラケット2を介して取り付けられている。船外機1は、本発明の船外機本体の一例である。クランプブラケット2は、船外機1を、チルト軸2aを中心に船体100に対して上下に揺動可能に支持している。また、船体100には、燃料(たとえばガソリン)を貯留するための燃料タンク102が設けられている。燃料タンク102は、外燃料経路50によって、船外機1と接続されている。燃料タンク102は、本発明の燃料タンクの一例である。
【0021】
船外機1は、エンジン10と、ドライブ軸11と、前後進切換機構12と、プロペラ軸13と、プロペラ14とを備えている。ドライブ軸11は、エンジン10の駆動力により回転される。ドライブ軸11は、鉛直方向に延びている。前後進切換機構12は、ドライブ軸11の下端に接続されている。前後進切換機構12は、さらに、水平方向に延びるプロペラ軸13に接続されている。プロペラ14は、プロペラ軸13の後端部に取り付けられている。
【0022】
また、エンジン10は、エンジンカバー15内に収納されている。エンジンカバー15は、アッパーカバー15aおよびロアーカバー15bを含む。また、ドライブ軸11、前後進切換機構12およびプロペラ軸13は、アッパーケース16aおよびロアーケース16b内に収納されている。アッパーケース16aおよびロアーケース16bは、エンジンカバー15の下方に配置されている。
【0023】
エンジンカバー15内には、さらに、燃料タンク102内の燃料をエンジン10に導く内燃料経路20が収納されている。内燃料経路20は、ホース21と、水分離フィルタ22と、低圧ポンプ23と、フィルタ24と、ホース25とを含む。ホース21の一方側は、本体側ジョイント251に取り付けられている。ホース21の他方側は、水分離フィルタ22に接続されている。低圧ポンプ23は、水分離フィルタ22に接続されている。フィルタ24は、低圧ポンプ23から導出される燃料をろ過するように構成されている。ホース25の一方側は、フィルタ24に接続されている。
【0024】
また、内燃料経路20は、さらに、ベーパセパレータタンク26と、複数(たとえば4つ)のインジェクタ27と、デリバリーパイプ28とを含む。ベーパセパレータタンク26には、ホース25の他方側が接続されている。また、デリバリーパイプ28は、ベーパセパレータタンク26に接続されている。デリバリーパイプ28には、4つのインジェクタ27が接続されている。各インジェクタ27は、ベーパセパレータタンク26の燃料をエンジン10の内部で噴射するように構成されている。本実施形態では、内燃料経路20および外燃料経路50によって、本発明の燃料供給システムが構成されている。
【0025】
水分離フィルタ22は、燃料に混入している水を除去するように構成されている。また、低圧ポンプ23は、燃料タンク102の燃料を吸い上げるように構成されている。さらに、低圧ポンプ23は、燃料をベーパセパレータタンク26に送り込むように構成されている。また、ベーパセパレータタンク26は、低圧ポンプ23により汲み上げられた燃料を貯留するように構成されている。さらに、ベーパセパレータタンク26は、ベーパセパレータタンク26の内部に設けられた高圧ポンプ(図示せず)によって、ベーパセパレータタンク26の内部に貯留された燃料をデリバリーパイプ28に送り出すように構成されている。デリバリーパイプ28は、4つのインジェクタ27に燃料を分配するように構成されている。さらに、デリバリーパイプ28は、各インジェクタ27により、燃料をエンジン10の燃焼室(図示せず)に噴射するように構成されている。
【0026】
また、ベーパセパレータタンク26には、ホース29の一方側が接続されている。ホース29の他方側は、空気取入口30に接続されている。ホース29は、ベーパセパレータタンク26内で生成された燃料のベーパ(蒸気)を導出するように構成されている。また、空気取入口30からは、エンジン10に送り込む空気が取り入れられる。空気取入口30は、インテークマニホールド31に接続されている。空気取入口30から取り入れられた空気、およびベーパセパレータタンク26から導出された燃料のベーパは、インテークマニホールド31を介してエンジン10の燃料室に流入される。これにより、ベーパセパレータタンク26内で生成された燃料のベーパをエンジン10内で燃焼させることができる。
【0027】
また、外燃料経路50は、ジョイントユニット51と、ホース52と、プライマーポンプ53と、ホース54と、ジョイントユニット55とを含む。ジョイントユニット51は、燃料タンク102に取り付けられている。ジョイントユニット51は、ホース52によってプライマーポンプ53に接続されている。ホース52の一方側および他方側は、それぞれ、ジョイントユニット51およびプライマーポンプ53に接続されている。また、プライマーポンプ53は、ホース54によってジョイントユニット55に接続されている。ホース54の一方側および他方側は、それぞれ、プライマーポンプ53およびジョイントユニット55に接続されている。ホース52、プライマーポンプ53、およびホース54の内部空間は、本発明の燃料供給路の一例である。また、ジョイントユニット55は、本発明のジョイントユニットの一例である。
【0028】
ジョイントユニット51は、燃料タンク102に取り付けられているタンク側ジョイント511と、タンク側ジョイント511と着脱可能なホース側ジョイント512とにより構成されている。また、プライマーポンプ53は、必要に応じて低圧ポンプ23に燃料を送り込むように構成されている。たとえば低圧ポンプ23に燃料が到達していない場合に、使用者によってプライマーポンプ53が操作されて、プライマーポンプ53から低圧ポンプ23に燃料が送り込まれる。
【0029】
また、図2に示すように、ジョイントユニット55は、エンジンカバー15に取り付けられた本体側ジョイント251と、本体側ジョイント251に接続できるように構成されたホース側ジョイント252とを含む。本体側ジョイント251は、本発明の第1ジョイント部材の一例であり、ホース側ジョイント252は、本発明の第2ジョイント部材の一例である。本体側ジョイント251およびホース側ジョイント252は、前後方向(矢印FWD方向および矢印BWD方向)に接続される。すなわち、本実施形態では、前後方向が本発明の結合方向に相当する。
【0030】
本体側ジョイント251は、ロアーカバー15bの前部(矢印FWD方向側の部分)に設けられた開口部15cに配置されている。本体側ジョイント251におけるホース側ジョイント252側(矢印FWD方向側)の部分は、開口部15cから前方(矢印FWD方向)に突出している。本体側ジョイント251は、ロアーカバー15bに対してたとえばねじ止めされている。
【0031】
また、図3に示すように、本体側ジョイント251は、たとえば樹脂により形成されている。本体側ジョイント251の内部には、燃料を流通可能な前後方向に延びる通路部251aが設けられている。通路部251aは、本発明の第1流路の一例である。通路部251aの矢印BWD方向側は、ホース21(図2参照)と接続されている。また、通路部251aの矢印FWD方向側には、通路部251aよりも大きな径を有する開口部251bが設けられている。開口部251bは、本発明の第1嵌合部および外側嵌合部の一例である。開口部251bは、通路部251aと同様、前後方向に延びるように構成されている。開口部251bにおいて、ホース側ジョイント252と接続される側(矢印FWD方向側)の部分が、開口部251bの先端部(前端部)である。開口部251bの先端部近傍Aは、先端部に向かうにつれて開口部251bの径が大きくなる(広がる)ように構成されている。
【0032】
また、本体側ジョイント251の開口部251bの外周部分251cには、上下一対の凸部251dが形成されている。一対の凸部251dは、本発明の凸部の一例である。一対の凸部251dは、それぞれ、外周部分251cの矢印FWD方向側の端部近傍に設けられている。一対の凸部251dは、それぞれ、外周部分251cから外側に向かって突出している。一対の凸部251dは、それぞれ、たとえば円柱状に形成されている。
【0033】
また、本体側ジョイント251の開口部251bには、バルブユニット253が設けられている。バルブユニット253は、本発明の第1バルブの一例である。バルブユニット253は、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが接続される際に、後述するバルブユニット256に当接するように構成されている。さらに、バルブユニット253およびバルブユニット256は、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが接続される際に、互いに押圧するように構成されている。バルブユニット253およびバルブユニット256は、互いに押圧されることにより開くように構成されている。バルブユニット253は、開口部251bに固定されたケース部材253aと、ケース部材253aの内部に収納されたOリング253bと、開閉可能な弁部材253cと、弁部材253cをOリング253b側(矢印FWD方向側)に付勢するばね部材253dとを含む。
【0034】
ケース部材253aは、大径部253eと、小径部253fと、接続部253gとを含む。大径部253eは、開口部251bの内周面と接するように嵌め込まれている。大径部253eの外周面と開口部251bの内周面との間は密閉されている。また、小径部253fの直径は、大径部253eの直径よりも小さい。大径部253eと小径部253fとは、接続部253gによって接続されている。Oリング253bは、接続部253gと大径部253eとの結合部近傍に配置されている。つまり、Oリング253bは、周方向および矢印FWD方向に移動しないようにケース部材253aによって保持されている。後述するように、ホース側ジョイント252には、開口側スリーブ256dが設けられている。ケース部材253aは、小径部253fの外周面が開口側スリーブ256dの内周面と対向するように構成されている。さらに、ケース部材253aは、ケース部材253aの内部を燃料が流通できるように構成されている。ケース部材253aは、本発明の第1嵌合部および内側嵌合部の一例である。
【0035】
また、弁部材253cは、本体部253hと、突起部253iと、接続部253jとを含む。本体部253hは、ケース部材253aの大径部253eの内部に収納されている。突起部253iは、本体部253hから前方(矢印FWD方向)に延びている。本体部253hと突起部253iとは、接続部253jにより接続されている。接続部253jは、突起部253iに向かって次第に径が小さくなる曲面状に形成されている。接続部253jがOリング253bの内周面に当接すると、弁部材253cとOリング253bとの間が閉じられる。これにより、バルブユニット253内での燃料の流通が止められる。
【0036】
突起部253iは、接続部253jがOリング253bの内周面に当接している状態で、ケース部材253aの小径部253fよりも矢印FWD方向側に突出するように構成されている。突起部253iは、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが接続される際に、ホース側ジョイント252の内部に設けられた球状部材256bと当接するように構成されている。さらに、突起部253iは、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが接続される際に、球状部材256bを押圧するように構成されている。突起部253iは、接続部253jがOリング253bの内周面と当接している場合、または、当接していない場合に関わらず、本体側ジョイント251のホース側ジョイント252側の端部(矢印FWD方向側の端部)よりも外側に突出しないように構成されている。
【0037】
また、弁部材253cの本体部253hの後部(矢印BWD方向部分)には、ばね部材253dが配置されている。ばね部材253dは、たとえばコイルばねにより構成されている。ばね部材253dの矢印BWD方向側の部分は、開口部251bの矢印BWD方向側の端部に保持されている。
一方、図2に示すように、ホース側ジョイント252は、外燃料経路50のホース54に接続されている。また、ホース側ジョイント252は、図4に示すように、たとえば樹脂により形成されている。ホース側ジョイント252の内部には、ホース54(図2参照)と接続された前後方向に延びる通路部252aが設けられている。通路部252aは、本発明の第2流路の一例である。通路部252aの矢印BWD方向側には、通路部252aよりも大きな径を有する開口部252bが設けられている。開口部252bは、通路部252aと同様、前後方向に延びるように構成されている。
【0038】
また、ホース側ジョイント252の開口部252bに対応する外周面252cの径は、本体側ジョイント251の開口部251b(内周面)の径よりも少し小さい。つまり、ホース側ジョイント252の外周面252cは、本体側ジョイント251の開口部251bに挿入(係合)されるように構成されている。
また、ホース側ジョイント252の外周面252cには、外周面252cの周方向に延びる環状の溝部252dが設けられている。溝部252dには、Oリング254が嵌め込まれている。Oリング254は、本体側ジョイント251の開口部251bの内周面と、ホース側ジョイント252の外周面252cとの間(係合部分)をシールするように構成されている。Oリング254は、本発明のシール部材および第2シールの一例である。
【0039】
溝部252dは、外周面252cの本体側ジョイント251側(矢印BWD方向側)の先端部近傍に設けられている。したがって、Oリング254は、ホース側ジョイント252の外周面252cの本体側ジョイント251側(矢印BWD方向側)の先端部近傍に配置されている。
より具体的には、図6に示すように、突起部253iの先端部から開口部251bの内周面の先端部までの前後方向への距離を第1距離B1とする。さらに、球状部材256bの先端からOリング254までの前後方向への距離を第2距離A1とする。第1距離B1は、開口部251bの内周面の先端部が突起部253iの先端部よりもホース側ジョイント252側に位置する場合に正となる。また、第2距離A1は、Oリング254が球状部材256bの先端よりも本体側ジョイント251側に位置する場合に負となる。ジョイントユニット55は、第1距離B1が第2距離A1よりも大きくなるように構成されている(A1<0、B1<0、B1>A1)。なお、開口部251bの内周面の先端部は、円筒面の先端部であり、テーパ部分は含まれない。また、弁部材253cは、本発明の第1弁体の一例であり、突起部253iの先端部は、本発明の第1押圧端の一例である。また、球状部材256bは、本発明の第2弁体の一例であり、球状部材256bの先端は、本発明の第2押圧端の一例である。
【0040】
また、図4に示すように、ホース側ジョイント252の外周面252cには、一対のフランジ部252eが形成されている。一対のフランジ部252eは、それぞれ、円板状に形成されている。一対のフランジ部252eは、溝部252dよりも矢印FWD方向側に配置されている。一対のフランジ部252eは、互いに前後方向に所定の間隔を隔てて対向している。一対のフランジ部252eの間には、外周面252cの周方向に延びる環状溝が形成されている。この環状溝は、本発明の環状溝の一例である。また、一対のフランジ部252eの互いに対向する2つの面は、本発明の一対の内壁面の一例である。
【0041】
図4に示すように、一対のフランジ部252eの間には、ジョイントカバー255の突出部255aが嵌め込まれている。ジョイントカバー255は、本発明のカバー部材および接続部材の一例である。ジョイントカバー255は、たとえば樹脂により形成されている。ジョイントカバー255は、突出部255aと、円筒形状のカバー部255bとを含む。突出部255aは、本発明の係合突起の一例である。また、カバー部255bは、本発明の筒状部の一例である。カバー部255bは、Oリング254を所定の間隔を隔てて覆うように配置されている。つまり、ジョイントカバー255は、Oリング254が露出しないように、Oリング254を覆っている。
【0042】
また、図5に示すように、ジョイントカバー255は、本体側ジョイント251の一対の凸部251dに係合できるように構成されている。具体的には、図5および図7〜図8に示すように、ジョイントカバー255のカバー部255bの内周面には、一対のガイド面255cが形成されている。図7〜図9Aおよび図9Bに示すように、各ガイド面255cは、カバー部255bの内周面に沿ってカバー部255bの周方向に延びている。さらに、各ガイド面255cは、前後方向に対して傾斜している。各ガイド面255cは、矢印FWD方向に向かって開放する曲面状に形成されている。各ガイド面255cは、凸部251dをガイド面255cに沿って収納部255f(接続位置)に案内するように構成されている。一対のガイド面255cは、本発明の凹部およびガイド面の一例である。また、収納部255fは、本発明の移動規制部の一例である。
【0043】
前述のようにジョイントカバー255を構成することによって、本体側ジョイント251の一対の凸部251dをジョイントカバー255のカバー部255bの矢印BWD方向側の開口部255dから挿入することができる。さらに、本体側ジョイント251の一対の凸部251dを、それぞれ、一対のガイド面255cに係合させることができる。そして、この状態で、ジョイントカバー255を矢印FWD方向側から見て左方向(図5のB方向)に170°回転させることにより、各凸部251dを、対応するガイド面255cに当接させながら、当該ガイド面255cに沿って移動させることができる。これにより、図5に示すように、ジョイントカバー255が本体側ジョイント251に対して近づく方向に移動される。したがって、バルブユニット253のばね部材253dおよび後述するバルブユニット256のばね部材256cの反力に抗して、ホース側ジョイント252を、本体側ジョイント251側に移動させることができる。また、図7および図8に示すように、各凸部251dは、対応するガイド面255cの山部255eを越えた後、ばね部材253d、256c(図5参照)の反力により、対応する収納部255fに収納されるように構成されている。ガイド面255cの山部255eと収納部255fとの前後方向の距離α(図7および8参照)は、たとえば約0.5mmである。
【0044】
また、図4に示すように、ホース側ジョイント252の開口部252bには、バルブユニット256が設けられている。バルブユニット256は、Oリング256aと、球状部材256bと、ばね部材256cとを含む。Oリング256aは、ホース側ジョイント252の開口部252bの内周面に沿って配置されている。Oリング256aは、開口部252bの周方向に延びている。球状部材256bは、Oリング256aの全周にわたってOリング256aに線接触できるように構成されている。また、球状部材256bは、ばね部材256cによってOリング256aに向かって付勢されている。バルブユニット256は、本発明の第2バルブの一例である。
【0045】
図4に示すように、Oリング256aは、開口側スリーブ256dとホース側スリーブ256eとの間で保持されている。開口側スリーブ256dは、円筒状に形成されている。開口側スリーブ256dは、開口部252bの矢印BWD方向側の端部に嵌め込まれている。開口側スリーブ256dおよび開口部252bは、全体として筒状に形成されている。図5に示すように、開口側スリーブ256dは、ケース部材253aの小径部253fを挿入できるように構成されている。本実施形態では、開口側スリーブ256dおよび開口部252bによって、本発明の第2嵌合部が形成されている。
【0046】
また、図4に示すように、開口側スリーブ256dの内周面には、Oリング256fが配置されている。Oリング256fは、本発明のシール部材および第1シールの一例である。開口側スリーブ256dのバルブユニット253側の先端側近傍の内周面には、溝部256gが形成されている。Oリング256fは、溝部256g内に配置されている。Oリング256fは、小径部253fの外周面と、開口側スリーブ256dの内周面との間をシールするように構成されている。また、Oリング256fは、バルブユニット256の先端側近傍に配置されている。
【0047】
より具体的には、図6に示すように、突起部253iの先端部から小径部253fの先端部までの前後方向への距離を第1距離B2とする。さらに、球状部材256bの先端からOリング256fまでの前後方向への距離を第2距離A2とする。第1距離B2は、小径部253fの先端部が突起部253iの先端部よりもホース側ジョイント252側に位置する場合に正となる。また、第2距離A2は、Oリング256fが球状部材256bの先端よりも本体側ジョイント251側に位置する場合に負となる。ジョイントユニット55は、第1距離B2が第2距離A2よりも大きくなるように構成されている(A2<0、B2<0、B2>A2)。
【0048】
また、図4に示すように、ホース側スリーブ256eは、円筒状に形成されている。ホース側スリーブ256eは、開口部252bに嵌め込まれている。ホース側スリーブ256eは、開口側スリーブ256dよりも矢印FWD方向側に配置されている。開口側スリーブ256dとホース側スリーブ256eとの間には間隔が設けられている。また、ホース側スリーブ256eは、大径部256hと、小径部256iとを有している。大径部256hは、小径部256iよりも矢印BWD方向側に配置されている。大径部256hの外径と小径部256iの外径とは、ほぼ同じ大きさである。また、大径部256hの内径は、小径部256iの内径よりも大きい。大径部256hの内周面と小径部256iの内周面との間には、段差部256jが形成されている。
【0049】
球状部材256bは、ホース側スリーブ256eの大径部256hの内部に配置されている。球状部材256bは、Oリング256aと、段差部256jとの間を移動できるように構成されている。球状部材256bがOリング256aの全周にわたってOリング256aに線接触することにより、球状部材256bとOリング256aとの間が閉じられる。これにより、ホース側ジョイント252の内部での燃料の流通が止められる。
【0050】
また、ばね部材256cは、たとえば、コイルばねにより構成されている。ばね部材256cの一方側は、ホース側ジョイント252の開口部252bの矢印FWD方向側の端部に支持されている。また、ばね部材256cの他方側は、球状部材256bの矢印FWD方向側の部分を付勢するように構成されている。これにより、球状部材256bが、ばね部材256cによってOリング256aに向かって押圧されている。
【0051】
図5に示すように、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが接続される際に、球状部材256bは、本体側ジョイント251のバルブユニット253の突起部253iによって矢印FWD方向に押圧される。これにより、球状部材256bとOリング256aとが離間して、バルブユニット256が開く。そして、球状部材256bが段差部256jに当接すると、突起部253が球状部材256bによって矢印BWD方向に押圧される。したがって、バルブユニット253の弁部材253cが矢印BWD方向に移動する。これにより、バルブユニット253のOリング253bと弁部材253cとが離間して、バルブユニット253が開く。
【0052】
図10〜図17は、第1実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。まず、図7、図8および図10〜図17を参照して、本発明の第1実施形態に係る船外機1の燃料供給システムの本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とを接続する際の各バルブユニット253および256の動作について説明する。
【0053】
まず、図10に示すように、本体側ジョイント251の開口部251bに、ホース側ジョイント252の開口部252bの矢印BWD方向側の部分を係合させる。さらに、ジョイントカバー255の開口部255dと本体側ジョイント251の凸部251dとを係合させる。前述のように、本体側ジョイント251の開口部251bの先端部(前端部)近傍Aは、先端部に向かうにつれて開口部251bの径が大きくなる(広がる)ように構成されている。したがって、Oリング254は、開口部251bの角部に当たり難い。
【0054】
その後、本体側ジョイント251の凸部251dをジョイントカバー255の開口部255dに係合させた状態で、ジョイントカバー255をB方向に回転させる。これにより、本体側ジョイント251の凸部251dがジョイントカバー255のガイド面255cに沿って移動される。そして、この凸部251dの移動に伴って、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが接続方向に相対的に移動される。
【0055】
その後、図11に示すように、ジョイントカバー255がさらにB方向に回転されると、本体側ジョイント251の開口部251b(内周面)が、ホース側ジョイント252の溝部252dに配置されているOリング254に接触する。また、ケース部材253aの小径部253fの外周面が、溝部256gに配置されているOリング256fに接触する。これにより、本体側ジョイント251の開口部251bと、ホース側ジョイント252の外周面252cとの間がシールされる。また、ケース部材253aの小径部253fの外周面と、開口側スリーブ256dの内周面との間がシールされる。
【0056】
そして、図12および図13に示すように、ジョイントカバー255がさらにB方向に回転されると、バルブユニット253の突起部253iの先端部と、バルブユニット256の球状部材256bとが当接する。さらに、突起部253iの先端部によって球状部材256bが矢印FWD方向側に押圧される。これにより、球状部材256bが、ばね部材256cの付勢力に抗して矢印FWD方向側に移動する。そのため、球状部材256bとOリング256aとの間に隙間が生じる。その結果、バルブユニット256が開かれる。したがって、ホース54側から来た燃料が本体側ジョイント251の開口部251bに流入する。この時、本体側ジョイント251の開口部251bと、ホース側ジョイント252の外周面252cとの間は、Oリング254によってシールされている。したがって、開口部251bに流入した燃料は、実質的に外部に流出しない。
【0057】
その後、図14および図15に示すように、ジョイントカバー255がさらにB方向に回転されると、球状部材256bは、ホース側スリーブ256eの段差部256jに当接する。その結果、弁部材253cが、ばね部材253dの付勢力に抗して矢印BWD方向に移動する。これにより、Oリング253bと弁部材253cの接続部253jとの間に隙間が生じる。その結果、ホース54側から来た燃料および開口部251bに流入した燃料が、通路部251aに流入する。
【0058】
そして、ジョイントカバー255がさらにB方向に回転されると、図7および図8に示すように、本体側ジョイント251の凸部251dがガイド面255cの山部255eに達する。またこの時、図16に示すように、ケース部材253aの小径部253fの外周部とOリング256aとが線接触する。したがって、ホース54側から来た燃料は、ケース部材253aの内部を介して通路部251aに直接的に流入する。
【0059】
その後、ジョイントカバー255がさらにB方向に回転されると、図7および図8に示すように、本体側ジョイント251の凸部251dがガイド面255cの山部255eを越えて収納部255fに収納される。また、このとき、バルブユニット253の弁部材253c(突起部253i)と、バルブユニット256の球状部材256bとは、ばね部材253d、256cの付勢力によって互いに押圧している。したがって、凸部251dは、収納部255fから離間し難い。以上により、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とは、接続される。
【0060】
次に、本発明の第1実施形態に係る船外機およびその燃料供給システムにおける技術的効果を以下に例示する。
第1実施形態では、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とを接続するだけでバルブユニット253および256が自動的に開かれる。したがって、使用者が、別途、本体側ジョイント251およびホース側ジョイント252に燃料を流通させるためにバルブユニット253およびバルブユニット256を開く作業を行う必要がない。これにより、ジョイントユニット55を接続する際の使用者の作業が煩雑になるのを抑制することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、Oリング254、256fは、本体側ジョイント251およびホース側ジョイント252に燃料が流通する以前に、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252との間をシールするように構成されている。すなわち、Oリング254、256fは、バルブユニット253および256が開く以前に、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252との間をシールするように構成されている。これにより、バルブユニット253およびバルブユニット256が開かれた後に、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252との間から燃料が漏れるのを抑制することができる。その結果、ジョイントユニット55を接続する際の使用者の衛生を保つことができる。
【0062】
また、第1実施形態では、Oリング254、256fが外部に露出しないように配置されている。そのため、Oリング254、256fに埃などが付着するのを抑制することができる。これにより、埃などの付着に起因するOリング254、256fのシール性の低下を抑制することができる。さらに、埃などの付着に起因するOリング254、256fの劣化を抑制することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、本体側ジョイント251のバルブユニット253とホース側ジョイント252のバルブユニット256との間をシールするOリング256fが設けられている。したがって、バルブユニット253とバルブユニット256とが開かれた際に、Oリング256fによって、バルブユニット253とバルブユニット256との間から燃料が漏れるのを抑制することができる。
【0064】
また、第1実施形態では、ホース側ジョイント252のバルブユニット256に、開口側スリーブ256dが設けられている。開口側スリーブ256dは、本体側ジョイント251のバルブユニット253を挿入できるように構成されている。さらに、開口側スリーブ256dには、Oリング256fが設けられている。Oリング256fは、開口側スリーブ256dと、バルブユニット253の一部(小径部253f)との間をシールするように構成されている。これにより、容易に、バルブユニット253とバルブユニット256との間から燃料が漏れるのを抑制することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、開口側スリーブ256dの内面においてバルブユニット253に対向する部分に、溝部256gが形成されている。Oリング256fは、溝部256g内に配置されている。したがって、溝部256gにより、Oリング256fが移動するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、Oリング256fがバルブユニット256の先端側近傍に配置されている。したがって、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252との接続が始まった直後に、直ちにバルブユニット253とバルブユニット256との間をシールすることができる。これにより、バルブユニット253およびバルブユニット256の間を両者が開かれる以前に容易にシールすることができる。
【0066】
また、第1実施形態では、ホース側ジョイント252にOリング254が設けられている。Oリング254は、本体側ジョイント251の開口部251bとホース側ジョイント252の外周面252cとの間をシールするように構成されている。したがって、Oリング256fが配置されている部分から燃料が漏れた場合に、この燃料をOリング254により堰き止めることができる。したがって、Oリング256fのみが配置されている場合と比べて、燃料が漏れるのを確実に抑制することができる。
【0067】
また、第1実施形態では、バルブユニット253およびバルブユニット256は、互いに押圧されることにより開くように構成されている。したがって、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とを接続するだけで、バルブユニット253とバルブユニット256とを容易に開くことができる。また、Oリング254、256fは、バルブユニット253およびバルブユニット256が当接する以前に本体側ジョイント251とホース側ジョイント252との間をシールできる位置に配置されている。したがって、バルブユニット253およびバルブユニット256が開かれる以前に、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252との間を容易にシールすることができる。
【0068】
また、第1実施形態では、バルブユニット253の突起部253iが、矢印FWD方向側に突出しないように構成されている。したがって、突起部253iが誤って押圧されるのを抑制することができる。そのため、誤ってバルブユニット253が開かれるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、ジョイントユニット55に、ジョイントカバー255が設けられている。ジョイントカバー255は、Oリング254、256fが外部に露出しないように、ホース側ジョイント252の一部を覆うように構成されている。したがって、Oリング254、256fは、ジョイントカバー255によって確実に保護される。
【0069】
また、第1実施形態では、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが、ジョイントカバー255の所定の方向(B方向)への回転により、互いに接続されるように構成されている。したがって、ジョイントカバー255を所定の方向に回転させるだけで、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とを容易に接続することができる。
【0070】
第2実施形態
図18は、本発明の第2実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。図19および図20は、本発明の第2実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構成を説明するための図である。以下、図18〜図20を参照して、本発明の第2実施形態に係る船外機の燃料供給システムの構成について詳細に説明する。第2実施形態では、前記第1実施形態とは異なり、ジョイントユニット55Aのジョイントカバー355のガイド面355cを溝状に形成した例について説明する。
【0071】
図18に示すように、ホース側ジョイント352の外周面352cには、1つのフランジ部352eが形成されている。フランジ部352eは、円板状に形成されている。フランジ部352eは、溝部352dよりも矢印FWD方向側に配置されている。より具体的には、フランジ部352eは、ホース側ジョイント352の外周面352cの前後方向の略中央に形成されている。ホース側ジョイント352は、本発明の第2ジョイント部材の一例である。
【0072】
フランジ部352eの矢印FWD方向側の面には、ジョイントカバー355の突出部355aが隣接するように配置されている。ジョイントカバー355は、本発明のカバー部材および接続部材の一例である。ジョイントカバー355は、たとえば樹脂により形成されている。ジョイントカバー355は、突出部355aと、円筒形状のカバー部355bとを含む。カバー部355bは、ホース側ジョイント352の溝部352dを所定の間隔を隔てて覆うように配置されている。溝部352dには、Oリング254が配置されている。したがって、ジョイントカバー355は、Oリング254、256fを覆うように配置されている。ジョイントカバー355は、Oリング254、256fが外部に露出しないように、Oリング254、256fを覆っている。
【0073】
また、ジョイントカバー355は、本体側ジョイント251の一対の凸部251dに係合できるように構成されている。具体的には、図18〜図20に示すように、ジョイントカバー355のカバー部355bの内周面には、一対のガイド面355cが形成されている。各ガイド面355cは、溝状に形成されている。各ガイド面355cは、本発明のガイド溝の一例である。各ガイド面355cは、カバー部355bの内周面に沿ってカバー部355bの周方向に延びている。さらに、各ガイド面355cは、前後方向に対して傾斜している。本体側ジョイント251(図18参照)の各凸部251dは、対応するガイド面355cに嵌め込まれた状態で、当該ガイド面355cに係合されるように構成されている。
【0074】
前述のようにジョイントカバー355を構成することによって、本体側ジョイント251の一対の凸部251dをジョイントカバー355のカバー部355bの矢印BWD方向側の開口部355dから挿入することができる。さらに、一対の凸部251dをそれぞれ一対のガイド面355cに係合させることができる。そして、各凸部251dが対応するガイド面355cに係合した状態で、ジョイントカバー355を矢印FWD方向側から見て左方向(図18のB方向)に170°回転させることにより、一対の凸部251dをそれぞれ一対のガイド面355cに沿って移動させることができる。
【0075】
図19および図20に示すように、各凸部251dは、対応するガイド面355cの山部355eを越えた後、ばね部材253d、256c(図18参照)の反力により、対応する収納部355fに収納されるように構成されている。ガイド面355cの山部355eと収納部355fとの前後方向の距離α(図20参照)は、たとえば約0.5mmである。
【0076】
第2実施形態のその他の構造および動作ならびに効果は、前記第1実施形態と同様である。
第3実施形態
図21は、本発明の第3実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントユニットの構成を説明するための断面図である。図22は、本発明の第3実施形態に係る船外機の燃料供給システムのホース側ジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための断面図である。図23は、本発明の第3実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。以下、図21〜図23を参照して、本発明の第3実施形態に係る船外機の燃料供給システムの構成について詳細に説明する。第3実施形態では、前記第1および第2実施形態とは異なり、ジョイントカバー455のカバー部455bの内周面にねじ部455cが設けられている。さらに、第3実施形態では、本体側ジョイント451の外周部分451cに、ねじ部455cに対応するねじ部451dが設けられている。
【0077】
ジョイントユニット55Bは、ねじ部451dを含む。図21に示すように、ねじ部451dは、本体側ジョイント451の開口部451bの外周部分451cに形成されている。本体側ジョイント451は、本発明の第1ジョイント部材の一例である。また、ねじ部451dは、本発明の凸部の一例である。
また図22に示すように、ホース側ジョイント452の外周面452cには、1つのフランジ部452eが形成されている。フランジ部452eは、円板状に形成されている。フランジ部452eは、溝部452dよりも矢印FWD方向側に配置されている。より具体的には、フランジ部452eは、ホース側ジョイント452の外周面452cの前後方向の略中央に形成されている。ホース側ジョイント452は、本発明の第2ジョイント部材の一例である。
【0078】
また、フランジ部452eの矢印FWD方向側の面には、ジョイントカバー455の突出部455aが隣接するように配置されている。ジョイントカバー455は、本発明のカバー部材および接続部材の一例である。ジョイントカバー455は、たとえば樹脂により形成されている。ジョイントカバー455は、突出部455aと、円筒形状のカバー部455bとを含む。カバー部455bは、ホース側ジョイント452の溝部452dを所定の間隔を隔てて覆うように配置されている。溝部452dには、Oリング254が配置されている。したがって、ジョイントカバー455は、Oリング254、256fを覆うように配置されている。ジョイントカバー455は、Oリング254、256fが外部に露出しないように、Oリング254、256fを覆っている。
【0079】
また、ジョイントカバー455は、本体側ジョイント451の外周部分451cのねじ部451d(図21参照)に係合できるように構成されている。具体的には、ジョイントユニット55Bは、ねじ部455cを含む。ねじ部455cは、本発明の凹部の一例である。ねじ部455cは、ジョイントカバー455のカバー部455bの内周面に形成されている。図23に示すように、ねじ部451dは、ねじ部455cと螺合可能に構成されている。図23に示すように、ねじ部451dと、ねじ部455cとを螺合させることにより、本体側ジョイント451とホース側ジョイント452とを接続することができる。
【0080】
第3実施形態のその他の構造ならびに効果は、前記第1実施形態および第2実施形態と同様である。
第4実施形態
図24〜図33は、本発明の第4実施形態に係る船外機およびその燃料供給システムの構成を説明するための図である。以下、図24〜図33を参照して、本発明の第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの構成について詳細に説明する。
【0081】
図24に示すように、ジョイントユニット55Cは、エンジンカバー15に取り付けられた本体側ジョイント551と、本体側ジョイント551に接続できるように構成されたホース側ジョイント552とを含む。本体側ジョイント551は、本発明の第1ジョイント部材の一例であり、ホース側ジョイント552は、本発明の第2ジョイント部材の一例である。本体側ジョイント551およびホース側ジョイント552は、前後方向(矢印FWD方向および矢印BWD方向)に接続される。すなわち、本実施形態では、前後方向が本発明の結合方向に相当する。
【0082】
本体側ジョイント551は、ロアーカバー15bの前部(矢印FWD方向側の部分)に設けられた開口部15cに配置されている。本体側ジョイント551におけるホース側ジョイント552側(矢印FWD方向側)の部分は、開口部15cから前方(矢印FWD方向)に突出している。本体側ジョイント551は、ロアーカバー15bに対してたとえばねじ止めされている。
【0083】
また、本体側ジョイント551は、図25に示すように、たとえば樹脂により形成されている。本体側ジョイント551の内部には、燃料を流通可能な前後方向に延びる通路部551aが設けられている。通路部551aの矢印BWD方向側は、ホース21(図24参照)と接続されている。また、通路部551aの矢印FWD方向側には、通路部551aよりも大きな径を有する開口部551bが設けられている。開口部551bは、通路部551aと同様、前後方向に延びるように構成されている。開口部551bにおいて、ホース側ジョイント552と接続される側(矢印FWD方向側)の部分が開口部551bの先端部551e(前端部)である。開口部551bの先端部551e(前端部)近傍Aは、先端部551eに向かうにつれて開口部551bの径が大きくなる(広がる)ように構成されている。
【0084】
また、本体側ジョイント551の開口部551bの外周部分551cには、一対の凸部551dが形成されている。一対の凸部551dは、外周部分551cの中心軸線まわりに180°間隔で形成されている。また、一対の凸部551dは、それぞれ、外周部分551cの矢印FWD方向側の端部近傍に設けられている。一対の凸部551dは、それぞれ、外周部分551cから外側に向かって突出している。一対の凸部551dは、それぞれ、たとえば円柱状に形成されている。
【0085】
また、本体側ジョイント551の開口部551bには、バルブユニット553が設けられている。バルブユニット553は、本発明の第1バルブの一例である。バルブユニット553は、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続される際に、後述するバルブユニット557と当接するように構成されている。さらに、バルブユニット553およびバルブユニット557は、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続される際に、互いに押圧するように構成されている。バルブユニット553およびバルブユニット557は、互いに押圧されることにより開くように構成されている。バルブユニット553は、開口部551bに固定されたケース部材553aと、ケース部材553aの内部に収納されたOリング553bと、開閉可能な弁部材553cと、弁部材553cをOリング553b側(矢印FWD方向側)に付勢するばね部材553dとを含む。
【0086】
ケース部材553aは、大径部553eと、小径部553fと、接続部553gとを含む。大径部553eは、開口部551bの内周面と接するように嵌め込まれている。大径部553eの外周面と開口部551bの内周面との間は密閉されている。また、小径部553fの直径は、大径部553eの直径よりも小さい。大径部553eと小径部553fとは、接続部553gによって接続されている。Oリング553bは、接続部553gと大径部553eとの結合部近傍に配置されている。Oリング553bは、周方向および矢印FWD方向に移動しないようにケース部材553aによって保持されている。
【0087】
また、弁部材553cは、本体部553hと、突起部553iと、接続部553jとを含む。本体部553hは、ケース部材553aの大径部553eの内部に収納されている。突起部553iは、本体部553hから前方(矢印FWD方向)に延びている。本体部553hと突起部553iとは、接続部553jにより接続されている。接続部553jは、突起部553iに向かって次第に径が小さくなる曲面状に形成されている。接続部553jがOリング553bの内周面に当接することにより、弁部材553cとOリング553bとの間が閉じられる。これにより、バルブユニット553内での燃料の流通が止められる。
【0088】
また、突起部553iは、接続部553jがOリング553bの内周面に当接している状態で、ケース部材553aよりも矢印FWD方向側に突出するように構成されている。突起部553iは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続される際に、ホース側ジョイント552の内部に設けられた球状部材557bと当接するように構成されている。さらに、突起部553iは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続される際に、球状部材557bを押圧するように構成されている。突起部553iは、接続部553jがOリング553bの内周面と当接している場合、または、当接していない場合に関わらず、本体側ジョイント551のホース側ジョイント552側の端部(矢印FWD方向側の端部)よりも外側に突出しないように構成されている。
【0089】
また、弁部材553cの本体部553hの後部(矢印BWD方向部分)には、ばね部材553dが配置されている。ばね部材553dは、たとえばコイルばねにより構成されている。ばね部材553dの矢印BWD方向側の部分は、開口部551bの矢印BWD方向側の端部に保持されている。
また、ホース側ジョイント552は、外燃料経路50のホース54(図24参照)に接続されている。また、図26に示すように、ホース側ジョイント552は、たとえば樹脂により形成されている。ホース側ジョイント552の内部には、ホース54(図24参照)と接続された前後方向に延びる通路部552aが設けられている。また、通路部552aの矢印BWD方向側には、通路部552aよりも大きな径を有する開口部552bが設けられている。開口部552bは、通路部552aと同様、前後方向に延びるように構成されている。
【0090】
また、図27に示すように、ホース側ジョイント552の開口部552bに対応する外周面552cの径は、本体側ジョイント551の開口部551b(内周面)の径よりも少し小さい。つまり、ホース側ジョイント552の外周面552cは、本体側ジョイント551の開口部551bに挿入されるように構成されている。
また、図26に示すように、ホース側ジョイント552の外周面552cには、外周面552cの周方向に延びる環状の溝部552dが設けられている。溝部552dには、Oリング554が嵌め込まれている。Oリング554は、本体側ジョイント551の開口部552bの内周面と、ホース側ジョイント552の外周面552cとの間をシールするように構成されている。Oリング554は、本発明のシール部材および第2シールの一例である。
【0091】
また、溝部552dは、外周面552cの本体側ジョイント551側(矢印BWD方向側)の先端部近傍に設けられている。したがって、Oリング554は、ホース側ジョイント552の外周面552cの本体側ジョイント551側(矢印BWD方向側)の先端部近傍に配置されている。
より具体的には、図25に示すように、突起部553iの先端部から開口部551bの内周面の先端部までの前後方向への距離を第1距離B3とする。さらに、図26に示すように、球状部材557bの先端からOリング554までの前後方向への距離を第2距離A3とする。第1距離B3は、開口部551bの内周面の先端部が突起部553iの先端部よりもホース側ジョイント552側に位置する場合に正となる。また、第2距離A3は、Oリング554が球状部材557bの先端よりも本体側ジョイント551側に位置する場合に負となる。ジョイントユニット55Cは、第1距離B3が第2距離A3よりも大きくなるように構成されている(A3<0、B3<0、B3>A3)。なお、開口部551bの内周面の先端部は、円筒面の先端部であり、テーパ部分は含まれない。また、弁部材553cは、本発明の第1弁体の一例であり、突起部553iの先端部は、本発明の第1押圧端の一例である。また、球状部材557bは、本発明の第2弁体の一例であり、球状部材557bの先端は、本発明の第2押圧端の一例である。
【0092】
また、図26に示すように、ホース側ジョイント552の外周面552cには、一対のフランジ部552e、552fが形成されている。一対のフランジ部552e、552fは、それぞれ、円板状に形成されている。一対のフランジ部552e、552fは、溝部552dよりも矢印FWD方向側に配置されている。一対のフランジ部552e、552fは、互いに前後方向に所定の間隔を隔てて対向している。一対のフランジ部552e、552fの間には、外周面552cの周方向に延びる環状溝が形成されている。この環状溝は、本発明の環状溝の一例である。また、一対のフランジ部552e、552fの互いに対向する2つの面は、本発明の一対の内壁面の一例である。
【0093】
一対のフランジ部552e、552fは、ジョイントカバー555の突出部555aを回転可能に保持するように構成されている。具体的には、一対のフランジ部552e、552fの間には、ジョイントカバー555の突出部555aが嵌め込まれている。ジョイントカバー555は、本発明のカバー部材および接続部材の一例である。フランジ部552eは、突出部555aの矢印BWD方向側の面に当接するように構成されている。さらに、フランジ部552eは、ホース側ジョイント552を本体側ジョイント551との接続方向(矢印BWD方向)に移動させる際に、突出部555aにより矢印BWD方向に向かって押圧されるように構成されている。
【0094】
一方、フランジ部552fは、突出部555aの矢印FWD方向側の面に当接するように構成されている。さらに、フランジ部552fは、ホース側ジョイント552を本体側ジョイント551との接続方向とは反対方向(離間する方向)(矢印FWD方向)に移動させる際に、突出部555aにより矢印FWD方向に向かって押圧されるように構成されている。
【0095】
図26に示すように、ジョイントカバー555は、たとえば樹脂により形成されている。ジョイントカバー555は、突出部555aと、円筒形状のカバー部555bとを含む。図27に示すように、ジョイントカバー555は、本体側ジョイント551の一対の凸部551dに係合できるように構成されている。具体的には、図27〜図29に示すように、ジョイントカバー555のカバー部555bの内周面には、一対のガイド面555cが形成されている。一対のガイド面555cは、本発明の凹部およびガイド面の一例である。図28〜図31に示すように、各ガイド面555cは、カバー部555bの内周面に沿ってカバー部555bの周方向に延びている。さらに、各ガイド面555cは、前後方向に対して傾斜している。各ガイド面555cは、矢印FWD方向に向かって開放する曲面状に形成されている。図28に示すように、各ガイド面555cは、凸部551dをガイド面555cに沿って収納部555f(接続位置)に案内するように構成されている。つまり、本体側ジョイント551の一対の凸部551dは、各凸部551dが対応するガイド面555cに係合された状態でジョイントカバー555が右回り方向(図27のB方向)に回転された場合に、当該ガイド面555cにより矢印FWD方向に向かって押圧されるように構成されている。
【0096】
また、図28〜図31に示すように、カバー部555bの矢印BWD方向側の端部には、一対の開口部555dが形成されている。一対の開口部555dは、本体側ジョイント551の一対の凸部551dに対応するように形成されている。一対の開口部555dは、それぞれ、一対のガイド面555cに接続されている。
また、ガイド面555cは、前方(図28の矢印Q方向)から見て、カバー部555bの内周面を約170°の回転角度(図30参照)に渡って延びるように形成されている。本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とは、ジョイントカバー555が約170°回動されることにより接続される。より具体的には、ジョイントカバー555のガイド面555cを本体側ジョイント551の凸部551dに係合させる。そして、この状態で、ジョイントカバー555を本体側ジョイント551に対して相対的に右回り方向に約170°回動させる。つまり、ジョイントカバー555を1回転(360°)未満で、かつ半回転(180°)未満の角度回動させる。本体側ジョイント551の一対の凸部551dは、ジョイントカバー555の回動に伴って対応する収納部555fに向かって移動し、当該収納部555fに達する。これにより、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続される。
【0097】
また、図28および図29に示すように、各ガイド面555cには、山部555eおよび収納部555fが形成されている。各山部555eは、矢印FWD方向側に突出するように形成されている。各収納部555fは、対応する山部555eに隣接するように形成されている。各収納部555fは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続された際に、本体側ジョイント551の一方の凸部551dを接続位置で収納するように構成されている。さらに、各収納部555fは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続された際に、本体側ジョイント551の一方の凸部551dを接続位置から移動するのを規制するように構成されている。収納部555fは、本発明の移動規制部の一例である。
【0098】
前述のようにジョイントカバー555を構成することによって、本体側ジョイント551の一対の凸部551dをジョイントカバー555のカバー部555bの矢印BWD方向側の開口部555dから挿入させることができる。さらに、本体側ジョイント551の一対の凸部551dを、それぞれ、一対のガイド面555cに係合させることができる。そして、この状態で、ジョイントカバー555を矢印FWD方向側から見て左方向(図27のB方向)に約170°回転させることにより、各凸部551dを、対応するガイド面555cに当接させながら、当該ガイド面555cに沿って移動させることができる。つまり、各ガイド面555cが対応する凸部551dを押圧するのに伴って、ジョイントカバー555が本体側ジョイント551に対して近づく方向に移動される。これにより、ホース側ジョイント552のフランジ部552eがジョイントカバー555の突出部555aによって矢印FWD方向に押圧される。さらに、2つのばね部材553d、557c(図27参照)の反力、すなわち、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが離間する方向の力に抗して、ホース側ジョイント552を、本体側ジョイント551側に移動させることができる。これにより、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続することができる。
【0099】
また、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続されると、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とには、ばね部材553d、557cおよび後述するダンパー556の反力により、互いに離れる方向への力が生じる。したがって、各凸部551dは、対応する収納部555fに対して矢印BWD方向に押し付けられる。そのため、各凸部551dが対応する収納部555fに収納された状態が確実に維持される。ガイド面555cの山部555eと収納部555fとの前後方向の距離α(図28および図29参照)は、たとえば約0.5mmである。
【0100】
図26に示すように、フランジ部552eの矢印BWD方向側には、ダンパー556が設けられている。ダンパー556は、フランジ部552eに隣接している。ダンパー556は、たとえばゴムにより形成されている。ダンパー556は、円板状のフランジ部552eと実質的に同一の形状を有している。ダンパー556は、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続された場合に、本体側ジョイント551の矢印FWD方向側の先端部551e(図25参照)とフランジ部552eとによって挟み込まれる。したがって、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続されると、ダンパー556は、本体側ジョイント551の先端部551eとフランジ部552eとを離間する方向に付勢する。これにより、各凸部551dは、対応するガイド面555cの収納部555fに付勢される。
【0101】
また、図26に示すように、ホース側ジョイント552の開口部552bには、バルブユニット557が設けられている。バルブユニット557は、本発明の第2バルブの一例である。バルブユニット557は、Oリング557aと、球状部材557bと、ばね部材557cとを含む。Oリング557aは、ホース側ジョイント552の開口部552b(内周面)に沿って配置されている。Oリング557aは、開口部552bの周方向に延びている。球状部材557bは、Oリング557aの全周にわたってOリング557aに線接触できるように構成されている。また、球状部材557bは、ばね部材557cによって、Oリング557aに向かって付勢されている。
【0102】
図26に示すように、Oリング557aは、開口側スリーブ557dとホース側スリーブ557eとの間で保持されている。開口側スリーブ557dは、開口部552bに嵌め込まれている。また、ホース側スリーブ557eは、大径部557fと、小径部557gとを有している。大径部557fは、小径部557gよりも矢印BWD方向側に配置されている。大径部557fの外径と、小径部557gの外径とはほぼ同じ大きさである。また、大径部557fの内径は、小径部557gの内径よりも大きい。大径部557fの内周面と小径部557gの内周面との間には、段差部557hが形成されている。
【0103】
球状部材557bは、ホース側スリーブ557eの大径部557fの内部に配置されている。球状部材557bは、Oリング557aと、段差部557hとの間を移動できるように構成されている。球状部材557bがOリング557aの全周にわたってOリング557aに線接触することにより、球状部材557bとOリング557aとの間が閉じられる。これにより、ホース側ジョイント552内での燃料の流通が止められる。
【0104】
また、ばね部材557cは、たとえば、コイルばねにより構成されている。ばね部材557cの一方側は、ホース側ジョイント552の開口部552bの矢印FWD方向側の端部に支持されている。また、ばね部材557cの他方側は、球状部材557bの矢印FWD方向側部分を付勢するように構成されている。これにより、球状部材557bが、ばね部材557cによってOリング557aに向かって押圧されている。
【0105】
図27に示すように、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続される際に、球状部材557bは、本体側ジョイント551のバルブユニット553の突起部553iによって矢印FWD方向に押圧される。これにより、球状部材557bとOリング557aとが離間して、バルブユニット557が開く。そして、球状部材557bが段差部557hに当接すると、突起部553iが球状部材557bによって矢印BWD方向に押圧される。したがって、バルブユニット553の弁部材553cが矢印BWD方向に移動する。これにより、バルブユニット553のOリング553bと弁部材553cとが離間して、バルブユニット553が開く。
【0106】
また、図32に示すように、本体側ジョイント551には、カバー部材558が取り付けられている。カバー部材558は、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが離間している際に、本体側ジョイント551の開口部551bを覆うように構成されている。カバー部材558は、たとえば樹脂製の本体部材558aと、本体部材558aに取付可能なゴム製の蓋部材558bと、蓋部材558bと本体側ジョイント551とを接続する紐部材558cとにより構成されている。
【0107】
図33に示すように、本体部材558aは、円筒形の円筒部558dと、円筒部558dの内側に突出する突出部558eとにより構成されている。円筒部558dは、本体側ジョイント551の一対の凸部551dに係合できるように構成されている。具体的には、本体部材558aの円筒部558dの内周面には、ジョイントカバー555と同様に、一対のガイド面558fが形成されている。各ガイド面558fは、本体部材558aの円筒部558dの内周面に沿って円筒部558dの周方向に延びている。さらに、各ガイド面558fは、前後方向に対して傾斜している。各ガイド面558fは、対応する凸部551dを収納部558i(装着位置)に案内するように構成されている。
【0108】
また、本体部材558aの円筒部558dの矢印BWD方向側の端部には、一対の開口部558gが形成されている。一対の開口部558gは、本体側ジョイント551の一対の凸部551dに対応するように形成されている。また、一対の開口部558gは、それぞれ、一対のガイド面558fに接続されている。
本体側ジョイント551の各凸部551dは、各凸部551dが対応するガイド面558fに係合された状態でカバー部材558が右回り方向に回転されることにより、対応するガイド面558fによって矢印FWD方向(他方側)に向かって押圧されるように構成されている。また、本体側ジョイント551の各凸部551dは、各凸部551dが対応するガイド面558fに係合された状態でカバー部材558が本体側ジョイント551に対して相対的に右回り方向に約170°回動されることにより、装着位置である収納部558iに移動するように構成されている。すなわち、カバー部材558が1回転(360°)未満、かつ半回転(180°)未満回動されることにより、本体側ジョイント551の各凸部551dは、対応する収納部558iに移動する。
【0109】
また、各ガイド面558fには、山部558hおよび収納部558iが形成されている。各山部558hは、矢印FWD方向側に突出するように形成されている。また、各収納部558iは、対応する山部558hに隣接するように形成されている。各収納部558iは、本体側ジョイント551とカバー部材558とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dを収納するように構成されている。さらに、各収納部558iは、本体側ジョイント551とカバー部材558とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dが装着位置から移動するのを規制するように構成されている。
【0110】
図32に示すように、蓋部材558bは、突出部558eの開口部分を覆うように配置されている。具体的には、蓋部材558bは、カバー部材558が本体側ジョイント551に装着された状態で、突出部558eと本体側ジョイント551の先端部551eとの間に挟み込まれている。また、蓋部材558bは、カバー部材558が本体側ジョイント551に装着された状態で、本体側ジョイント551の先端部551eと蓋部材558bが突出部558eとを離間する方向に付勢する。したがって、本体側ジョイント551の凸部551dは、カバー部材558が本体側ジョイント551に装着された状態で、ガイド面558fの収納部558iに付勢される。
【0111】
また、紐部材558cは、本体側ジョイント551と蓋部材558bとを接続している。紐部材558cは、本体部材558aと蓋部材558bとがカバー部材558から脱落するのを抑制している。
図34〜図41は、第4実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。まず、図28、図29および図34〜図41を参照して、本発明の第4実施形態に係る船外機1の燃料供給システムの本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続する際の各バルブユニット553および556の動作について説明する。
【0112】
まず、図34に示すように、本体側ジョイント551の開口部551bに、ホース側ジョイント552の開口部552bを係合させる。さらに、ジョイントカバー555の一対の開口部555dと本体側ジョイント551の一対の凸部551dとそれぞれを係合させる。
その後、一対の凸部551dをそれぞれ一対の開口部555dに係合させた状態で、ジョイントカバー555をB方向に回転させる。これにより、各凸部551dが対応するガイド面555cに沿って移動する。そして、この凸部551dの移動に伴って、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続方向に相対的に移動される。
【0113】
その後、図35に示すように、ジョイントカバー555がさらにB方向に回転されると、本体側ジイント551の開口部551b(内周面)が、ホース側ジョイント552の溝部552dに配置されているOリング554に接触する。これにより、本体側ジョイント551の開口部551bと、ホース側ジョイント552の外周面552cとの間がシールされる。
【0114】
そして、図36および図37に示すように、ジョイントカバー555がさらにB方向に回転されると、突起部553iの先端部と、球状部材557bとが当接する。また、突起部553iの先端部によって球状部材557bが矢印FWD方向側に押圧される。これにより、球状部材557bは、ばね部材557cの付勢力に抗して矢印FWD方向側に移動する。そのため、球状部材557bとOリング557aとの間に隙間が生じる。その結果、ホース側ジョイント552のバルブユニット557が開かれる。したがって、図37に示すように、ホース54側から来た燃料が本体側ジョイント551の開口部551bに流入する。この時、本体側ジョイント551の開口部551bと、ホース側ジョイント552の外周面552cとの間は、Oリング554によってシールされているので、開口部551bに流入した燃料は、実質的に外部に流出しない。
【0115】
その後、図38および図39に示すように、ジョイントカバー555がさらにB方向に回転されると、球状部材557bは、ホース側スリーブ557eの段差部557hに当接する。その結果、突起部553iが矢印BWD方向に押圧される。そのため、弁部材553cは、ばね部材553dの付勢力に抗して矢印BWD方向に移動する。これにより、Oリング553bと弁部材553cの接続部553jとの間に隙間が生じる。その結果、ホース54側から来た燃料および開口部551bに流入した燃料は、通路部551aに流入する。
【0116】
そして、ジョイントカバー555がさらにB方向に回転されると、図28および図29に示すように、本体側ジョイント551の凸部551dがガイド面555cの山部555eに達する。この時、図40に示すように、ケース部材553aの小径部553fの外周部とOリング557aとが線接触され、ホース54側から来た燃料は、ケース部材553aの内部を介して通路部551aに直接的に流入する。さらに、ダンパー556は、ホース側ジョイント552のフランジ部552eの矢印BWD方向側の面と、本体側ジョイント551の矢印FWD方向側の先端部551eとにより挟み込まれる。これにより、ダンパー556が圧縮される。そのため、ダンパー556には、弾性力が発生する。ダンパー556は、この弾性力によって、フランジ部552eの矢印BWD方向側の面と、本体側ジョイント551の先端部551eとを両者が離れる方向に押圧する。これにより、ホース側ジョイント552と本体側ジョイント551とは、互いに離間する方向に付勢される。
【0117】
その後、ジョイントカバー555がさらにB方向に回転されると、図28および図29に示すように、本体側ジョイント551の凸部551dがガイド面555cの山部555eを越えて収納部555fに収納される。また、このとき、バルブユニット553の弁部材553c(突起部553i)と、バルブユニット557の球状部材557bとは、ばね部材553d、557cの付勢力によって互いに押圧している。したがって、凸部551dは、収納部555fから離間し難い。さらに、ダンパー556により、ホース側ジョイント552と本体側ジョイント551とが互いに離間する方向に付勢されている。したがって、凸部551dは、収納部555fに付勢される。そのため、凸部551dは、収納部555fから一層離間し難い。以上により、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とは、接続される。
【0118】
次に、本発明の第4実施形態に係る船外機およびその燃料供給システムにおける技術的効果を以下に例示する。
第4実施形態では、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続するときに、ジョイントカバー555の一対のガイド面555cをそれぞれ本体側ジョイント551の凸部551dと係合させる。そして、この状態で、ジョイントカバー555を本体側ジョイント551に対して相対的に所定の方向(B方向)に所定の角度(約170°)回動させる。これにより、各凸部551dが対応するガイド面555cに沿って接続位置に移動して、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続される。すなわち、ジョイントカバー555を回動するだけで本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続することができる。したがって、使用者は、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを互いに押し込む場合と比べて小さな力で本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続することができる。これにより、ジョイントユニット55Cを接続する際の使用者の作業性を向上させることができる。
【0119】
また、第4実施形態では、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続するときに、ジョイントカバー555を本体側ジョイント551に対して相対的に所定の方向(B方向)に1回転未満の角度(約170°)回動させる。したがって、ジョイントカバー555を複数回回転する場合と異なり、作業者は、ジョイントカバー555を回動させる作業を実質的に1回行うだけで本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続することができる。そのため、作業者の作業性をより向上させることができる。
【0120】
また、第4実施形態では、本体側ジョイント551に、一対の凸部551dが設けられている。さらに、ジョイントカバー555に、本体側ジョイント551の一対の凸部551dとそれぞれ対応する一対のガイド面555cが設けられている。一対の凸部551dは、それぞれ、一対のガイド面555cに係合可能である。したがって、一対の凸部551dを、それぞれ、一対のガイド面555cに係合させることにより、本体側ジョイント551とジョイントカバー555とを強固に係合させることができる。
【0121】
また、第4実施形態では、本体側ジョイント551の一対の凸部551dは、ジョイントカバー555が所定の方向に回動された場合に、ジョイントカバー555の一対のガイド面555cにより本体側ジョイント551に近づく方向に向かって押圧される。これにより、各ガイド面555cが対応する凸部551dにより本体側ジョイント551に近づく方向に向かって押圧される。したがって、ジョイントカバー555を本体側ジョイント551に近づける方向に移動させることができる。また、ジョイントカバー555と共にホース側ジョイント552を本体側ジョイント551に近づける方向に移動させることができる。これにより、容易に、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とを接続することができる。
【0122】
また、第4実施形態では、各ガイド面555cに、収納部555fが設けられている。各収納部555fは、本体側ジョイント551の凸部551dが接続位置に到達して本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続された際に、凸部551dが接続位置から移動するのを規制する。したがって、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続された後、凸部551dが接続位置からガイド面555cに沿って移動するのを抑制することができる。そのため、接続された状態の本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが互いに離間するのを抑制することができる。
【0123】
また、第4実施形態では、ホース側ジョイント552に、一対のフランジ部552e、552fが設けられている。一対のフランジ部552e、552fは、互いに前後方向に所定の間隔を隔てて対向している。ジョイントカバー555の突出部555aは、一対のフランジ部552e、552fの間で保持されている。したがって、ジョイントカバー555が矢印BWD方向に移動するようにジョイントカバー555を回動させると、ジョイントカバー555の突出部555aがフランジ部552eを矢印BWD方向に押圧する。これにより、ホース側ジョイント552を本体側ジョイント551と接続する方向に向かって移動させることができる。また、ジョイントカバー555が矢印FWD方向に移動するようにジョイントカバー555を回動させると、ジョイントカバー555の突出部555aがフランジ部552fを矢印FWD方向に押圧する。これにより、ホース側ジョイント552を本体側ジョイント551と接続する方向とは反対方向に向かって移動させることができる。
【0124】
また、第4実施形態では、ジョイントユニット55Cに、ダンパー556が設けられているダンパー556は、本体側ジョイント551がホース側ジョイント552と接続された後に本体側ジョイント551の凸部551dをガイド面555cの収納部555fに向かって付勢するように構成されている。したがって、本体側ジョイント551がホース側ジョイント552と接続された後に、ダンパー556により、本体側ジョイント551の凸部551dがガイド面555cの収納部555fから離間するのを抑制することができる。これにより、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが離間するのを抑制することができる。
【0125】
また、第4実施形態では、ジョイントユニット55Cに、カバー部材558が設けられている。カバー部材558は、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが離間している際に、本体側ジョイント551の開口部551bを覆うことができる。したがって、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが離間している場合に、本体側ジョイント551の内部に埃などが浸入するのを抑制することができる。
【0126】
第5実施形態
図42は、本発明の第5実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントユニットおよびジョイントカバーの構成を説明するための図である。図43および図44は、本発明の第5実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構成を説明するための図である。以下、図42〜図44を参照して、本発明の第5実施形態に係る船外機の燃料供給システムの構成について詳細に説明する。第5実施形態では、前記第4実施形態とは異なり、ジョイントユニット55Dのジョイントカバー655のガイド面655cを溝状に形成した例について説明する。
【0127】
図42に示すように、ホース側ジョイント652の外周面652cには、1つのフランジ部652eが形成されている。フランジ部652eは、円板状に形成されている。フランジ部652eは、溝部652dよりも矢印FWD方向側に配置されている。より具体的には、フランジ部652eは、ホース側ジョイント652の外周面652cの前後方向の略中央に形成されている。ホース側ジョイント652は、本発明の第2ジョイント部材の一例である。
【0128】
また、フランジ部652eの矢印FWD方向側の面には、ジョイントカバー655の突出部655aが隣接するように配置されている。ジョイントカバー655は、本発明のカバー部材および接続部材の一例である。ジョイントカバー655は、たとえば樹脂により形成されている。ジョイントカバー655は、突出部655aと、円筒形状のカバー部655bとを含む。ホース側ジョイント652の溝部652dには、Oリング554が配置されている。カバー部655bは、Oリング554を所定の間隔を隔てて覆うように配置されている。
【0129】
また、ジョイントカバー655は、本体側ジョイント551の外周部分551cの一対の凸部551dに係合できるように構成されている。具体的には、図42〜図44に示すように、ジョイントカバー655のカバー部655bの内周面には、一対のガイド面655cが形成されている。図43および図44に示すように、各ガイド面655cは、溝状に形成されている。各ガイド面655cは、本発明の凹部およびガイド溝の一例である。各ガイド面655cは、カバー部655bの内周面に沿ってカバー部655bの周方向に延びている。さらに、各ガイド面655cは、前後方向に対して傾斜している。各ガイド面655cは、凸部551d(図42参照)を収納部655f(接続位置)に導くように構成されている。
【0130】
本体側ジョイント551の一対の凸部551d(図42参照)がそれぞれ一対のガイド面655cに係合された状態でジョイントカバー655が右回り方向(図42のB方向)に回転されると、各凸部551dは、対応するガイド面655cの一方側面655gに当接し押圧される。すなわち、ジョイントカバー655は、右回り方向(図42のB方向)に回転されると、矢印BWD方向に移動するように構成されている。これにより、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とを、接続する方向に移動させることができる。
【0131】
一方、本体側ジョイント551の一対の凸部551d(図42参照)がそれぞれ一対のガイド面655cに係合された状態でジョイントカバー655が左回り方向(図42のC方向)に回転されると、各凸部551dは、対応するガイド面655cの他方側面655hに当接し押圧される。すなわち、ジョイントカバー655は、左回り方向(図42のC方向)に回転されると、矢印FWD方向に移動するように構成されている。これにより、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とを離間する方向に移動させることができる。
【0132】
また、カバー部655bの矢印BWD方向側の端部には、一対の開口部655dが形成されている。一対の開口部655dは、本体側ジョイント551の一対の凸部551d(図42参照)に対応するように形成されている。また、一対の開口部655dは、それぞれ、一対のガイド面655cに接続されている。
また、各ガイド面655cは、前方(図43および図44の矢印X方向)から見て、カバー部655bの内周面を約170°の回転角度に渡って延びるように形成されている。本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とは、ジョイントカバー655が約170°回動されることにより接続される。より具体的には、図42に示すように、ジョイントカバー655のガイド面655cを本体側ジョイント551の凸部551dに係合させる。そして、この状態で、ジョイントカバー655を本体側ジョイント551に対して相対的に右回り方向に約170°回動させる。本体側ジョイント551の凸部551dは、ジョイントカバー655の回動に伴って収納部655fに向かって移動し、収納部655f(図43および図44参照)に達する。これにより、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とが接続される。
【0133】
また、図43および図44に示すように、各ガイド面655cには、山部655eおよび収納部655fが形成されている。各山部655eは、矢印FWD方向側に突出するように形成されている。また、各収納部655fは、対応する山部655eに隣接するように形成されている。各収納部655fは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dを接続位置で収納するように構成されている。さらに、各収納部655fは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dが接続位置から移動するのを規制するように構成されている。収納部655fは、本発明の移動規制部の一例である。
【0134】
また、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とが接続されると、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とには、ばね部材553d、557cおよび後述するダンパー656の反力により、互いに離れる方向への力が生じる。したがって、各凸部551d(図43および図44参照)は、対応する収納部655fに対して矢印BWD方向に押し付けられる。そのため、各凸部551dが対応する収納部655fに収納された状態が確実に維持される。図44に示すように、ガイド面655cの山部655eと収納部655fとの前後方向の距離αは、たとえば約0.5mmである。
【0135】
図42に示すように、ホース側ジョイント652のフランジ部652eの矢印BWD方向側には、ダンパー656が配置されている。ダンパー656は、たとえば、ゴムにより形成されている。ダンパー656は、円板状のフランジ部652eと実質的に同一の形状を有している。ダンパー656は、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とが接続された場合に、本体側ジョイント551の先端部551eとフランジ部652eとに挟み込まれる。したがって、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とが接続されると、ダンパー656は、本体側ジョイント551の先端部551eとフランジ部652eとを離間する方向に付勢する。これにより、各凸部551dは、対応するガイド面655cの収納部655f(図43および図44参照)に付勢される。
【0136】
次に、本発明の第5実施形態に係る船外機およびその燃料供給システムにおける技術的効果を以下に例示する。
第5実施形態では、各ガイド面655cが溝状に形成されている。各凸部551dは、溝状のガイド面655cの一方側面655gと他方側面655hとの両面を押圧することができる。したがって、ジョイントカバー655を所定の方向(図42のB方向)に回動させることにより、ジョイントカバー655を一方側方向(矢印BWD方向)に移動させることができる。また、ジョイントカバー655を所定の方向とは反対方向(図42のC方向)に回動させることにより、ジョイントカバー655を他方側方向(矢印FWD方向)に移動させることができる。これにより、容易に本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とを接続および離間させることができる。
【0137】
第5実施形態のその他の構造および動作は、前記第4実施形態と同様である。
第6実施形態
図45は、本発明の第6実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構成を説明するための断面図である。以下、図25、図26および図45を参照して、本発明の第6実施形態に係る船外機の燃料供給システムの構成について詳細に説明する。第6実施形態では、前記第4実施形態とは異なり、図45に示すように、ジョイントカバー755のガイド面755cの収納部755fと山部755eとの間の大きさβが凸部551dの外径と略同じ大きさを有する例について説明する。
【0138】
図45に示すように、各ガイド面755cには、山部755eおよび収納部755fが形成されている。ジョイントカバー755は、本発明の接続部材および接続部材の一例である。また、各ガイド面755cは、本発明の凹部およびガイド面の一例である。各山部755eは、矢印FWD方向側に突出するように形成されている。また、各収納部755fは、対応する山部755eに隣接するように形成されている。各収納部755fは、本体側ジョイント551(図25参照)とホース側ジョイント552(図26参照)とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dを接続位置で収納するように構成されている。さらに、各収納部755fは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント552とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dが接続位置から移動するのを規制するように構成されている。収納部755fは、本発明の移動規制部の一例である。また、ジョイントカバー755のガイド面755cの収納部755fと山部755eとの間の大きさβ(図45参照)は、凸部551dの外径と略同じ大きさを有する。これにより、凸部551dが収納部755fから離間するのを確実に抑制することができる。
【0139】
第6実施形態のその他の構造ならびに効果は、前記第4実施形態と同様である。
第7実施形態
図46は、本発明の第7実施形態に係る船外機の燃料供給システムのジョイントカバーの構成を説明するための断面図である。以下、図42および図46を参照して、本発明の第7実施形態に係る船外機の燃料供給システムの構成について詳細に説明する。第7実施形態では、前記第5実施形態とは異なり、図46に示すように、ジョイントカバー855のガイド面855cの収納部855fと山部855eとの間の大きさβが凸部551dの外径と略同じ大きさを有する例について説明する。
【0140】
図46に示すように、ジョイントカバー855の各ガイド面855cには、山部855eおよび収納部855fが形成されている。ジョイントカバー855は、本発明のカバー部材および接続部材の一例である。また、ガイド面855cは、本発明の凹部およびガイド溝の一例である。各山部855eは、矢印FWD方向側に突出するように形成されている。また、各収納部855fは、対応する山部855eに隣接するように形成されている。各収納部855fは、本体側ジョイント551(図42参照)とホース側ジョイント652(図42参照)とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dを接続位置で収納するように構成されている。さらに、各収納部855fは、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とが接続された際に、本体側ジョイント551の凸部551dを接続位置から移動するのを規制するように構成されている。収納部855fは、本発明の移動規制部の一例である。
【0141】
また、図42に示すように、本体側ジョイント551とホース側ジョイント652とには、ばね部材553d、557cおよびダンパー656の反力により、互いに離れる方向への力が生じる。各凸部551dは、前記離間する力によって、収納部855f(図46参照)に収納される。また、図46に示すように、収納部855fと山部855eとの間の大きさβは、凸部551dの外径と略同じ大きさである。これにより、凸部551dが収納部855fから離間するのを確実に抑制することが可能となる。
【0142】
第7実施形態のその他の構造ならびに効果は、前記第5実施形態と同様である。
第8実施形態
図47〜図52は、本発明の第8実施形態に係る船外機およびその燃料供給システムの構成を説明するための図である。次に、図47〜図52を参照して、本発明の第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの構成について詳細に説明する。第8実施形態では、前記第4〜第7実施形態と異なり、本体側ジョイント951にガイド面951dを設けるとともに、ジョイントカバー955にガイド面951dに係合可能な凸部955cを設ける例について説明する。
【0143】
図49に示すように、ジョイントユニット55Eは、本体側ジョイント951と、本体側ジョイント951に接続できるように構成されたホース側ジョイント952とを含む。本体側ジョイント951は、本発明の第1ジョイント部材の一例であり、ホース側ジョイント952は、本発明の第2ジョイント部材の一例である。
図47に示すように、本体側ジョイント951は、たとえば樹脂により形成されている。本体側ジョイント951の内部には、燃料を流通可能な前後方向に延びる通路部951aが設けられている。また、通路部951aの矢印FWD方向側には、通路部951aよりも大きな径を有する開口部951bが設けられている。開口部951bは、通路部951aと同様、前後方向に延びるように構成されている。開口部951bにおいて、ホース側ジョイント952と接続される側(矢印FWD方向側)の部分が、開口部951bの先端部951g(前端部)である。開口部951bの先端部951g近傍Aは、先端部951gに向かうにつれて開口部951bの径が大きくなる(広がる)ように構成されている。
【0144】
図47および図50〜図52に示すように、本体側ジョイント951の開口部951bの外周部分951cには、一対のガイド面951dが形成されている。各ガイド面951dは、溝状に形成されている。各ガイド面951dは、開口部951bの内側に向かって凹んでいる。各ガイド面951dは、本発明の凹部およびガイド溝の一例である。図50および図51に示すように、各ガイド面951dは、外周部分951cに沿って外周部分951cの周方向に延びている。さらに、各ガイド面951dは、前後方向に対して傾斜している。各ガイド面951dは、凸部955cを収納部951f(接続位置)に導くように構成されている。つまり、各ガイド面951dは、各ガイド面951dが対応する凸部955cと係合された状態でジョイントカバー955が右回り方向(C方向)に回転された場合に、凸部955cを矢印BWD方向に向かって押圧するように構成されている。
【0145】
ジョイントカバー955の凸部955c(図48参照)がガイド面951dに係合された状態でジョイントカバー955が右回り方向(C方向)に回転されると、凸部955cは、ガイド面951dの一方側面951hに当接し押圧される。すなわち、ジョイントカバー955は、右回り方向(C方向)に回転されると、矢印BWD方向に移動するように構成されている。これにより、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とを、接続する方向に移動させることができる。
【0146】
一方、ジョイントカバー955の凸部955c(図48参照)がガイド面951dに係合された状態でジョイントカバー955が左回り方向(C方向と反対方向)に回転されると、凸部955cは、ガイド面951dの他方側面951iに当接し押圧される。すなわち、ジョイントカバー955は、左回り方向(C方向と反対方向)に回転されると、矢印FWD方向に移動するように構成されている。これにより、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とを離間する方向に移動させることができる。
【0147】
また、図50および図51に示すように、ガイド面951dは、開口部951bの外周部分951cを約180°の回転角度に渡って延びるように形成されている。本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とは、ジョイントカバー955が約180°回動されることにより、接続される。より具体的には、図49に示すように、ジョイントカバー955の凸部955cを本体側ジョイント951のガイド面951dに係合させる。そして、この状態で、ジョイントカバー955を本体側ジョイント951に対して相対的に右回り方向(C方向)に約180°回動させる。ジョイントカバー955の凸部955cは、ジョイントカバー955の回動に伴って収納部951fに向かって移動し、収納部951fに達する。これにより、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とが接続される。
【0148】
また、図50および図51に示すように、各ガイド面951dには、山部951eおよび収納部951fが形成されている。各山部951eは、矢印BWD方向側に突出するように形成されている。また、各収納部951fは、対応する山部951eに隣接するように形成されている。各収納部951fは、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とが接続された際に、凸部955cを接続位置で収納するように構成されている。さらに、各収納部951fは、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とが接続された際に、凸部955cが接続位置から移動するのを規制するように構成されている。収納部951fは、本発明の移動規制部の一例である。
【0149】
また、図48に示すように、ホース側ジョイント952は、たとえば樹脂により形成されている。ホース側ジョイント952の内部には、前後方向に延びる通路部952aが設けられている。また、通路部952aの矢印BWD方向側には、通路部952aよりも大きな径を有する開口部952bが設けられている。この開口部952bは、通路部952aと同様、前後方向に延びるように構成されている。
【0150】
また、図48に示すように、ホース側ジョイント952の外周面952cには、一対のフランジ部952eおよび952fが形成されている。一対のフランジ部952eおよび952fは、それぞれ、円板状に形成されている。一対のフランジ部952eおよび952fは、ホース側ジョイント952の外周面952cにおいて、矢印FWD方向側に配置されている。一対のフランジ部952eおよび952fは、互いに前後方向に所定の間隔を隔てて対向している。一対のフランジ部952eおよび952fの間には、外周面952cの周方向に延びる環状溝が形成されている。この環状溝は、本発明の環状溝の一例である。また、一対のフランジ部952eおよび952fの互いに対向する2つの面は、本発明の一対の内壁面の一例である。
【0151】
一対のフランジ部952eおよび952fは、ジョイントカバー955の突出部955aを回転可能に保持するように構成されている。具体的には、一対のフランジ部952eおよび952fの間には、ジョイントカバー955の突出部955aが嵌め込まれている。ジョイントカバー955は、本発明のカバー部材および接続部材の一例である。フランジ部952eは、突出部955aの矢印BWD方向側の面に当接するように構成されている。さらに、フランジ部952eは、ホース側ジョイント952を本体側ジョイント951との接続方向(矢印BWD方向)に移動させる際に、突出部955aにより矢印BWD方向に向かって押圧されるように構成されている。また、フランジ部952fは、突出部955aの矢印FWD方向側の面に当接するように構成されている。さらに、フランジ部952fは、ホース側ジョイント952を本体側ジョイント951との接続方向とは反対方向(離間する方向)(矢印FWD方向)に移動させる際に、突出部955aにより矢印FWD方向に向かって押圧されるように構成されている。
【0152】
また、ジョイントカバー955は、たとえば樹脂により形成されている。ジョイントカバー955は、突出部955aと、円筒形状のカバー部955bと、カバー部955bの矢印BWD方向側の端部の内周面に設けられた一対の凸部955cとを含む。図49に示すように、ジョイントカバー955の一対の凸部955cは、本体側ジョイント951の外周部分951cの一対のガイド面951dに係合できるように構成されている。また、一対の凸部955cは、カバー部955bの中心軸線まわりに約180°間隔で形成されている。
【0153】
本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とが接続されると、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とには、ばね部材553d、957cおよびダンパー556の反力により、互いに離れる方向への力が生じる。各凸部955cは、前記離間する力によって、山部951e(図50参照)よりも矢印FWD方向側に位置する収納部951fに収納される。
【0154】
また、図48に示すように、ホース側ジョイント952の開口部952bには、バルブユニット957が設けられている。バルブユニット957は、本発明の第2バルブの一例である。バルブユニット957は、Oリング957aと、球状部材957bと、ばね部材957cとを含む。Oリング957aは、ホース側ジョイント952の開口部952b(内周面)に沿って配置されている。Oリング957aは、開口部952bの周方向に延びている。球状部材957bは、Oリング957aの全周にわたってOリング957aに線接触できるように構成されている。また、球状部材957bは、ばね部材957cによって、Oリング957aに向かって付勢されている。
【0155】
図48に示すように、Oリング957aは、開口側スリーブ957dとホース側スリーブ957eとの間で保持されている。開口側スリーブ957dは、開口部952bの内周に嵌め込まれている。開口側スリーブ957dは、ケース部材553aの小径部553fを挿入できるように構成されている。開口側スリーブ957dの内周部には、開口側スリーブ957dの周方向に延びる溝部957fが形成されている。溝部957f内には、Oリング957gが配置されている。Oリング957gは、本発明のシール部材および第1シールの一例である。Oリング957gは、開口側スリーブ957dの内周面と小径部553fの外周面との間をシールするように構成されている。
【0156】
また、ホース側スリーブ957eは、大径部957hと、小径部957iとを有している。大径部957hは、小径部557gよりも矢印BWD方向側に配置されている。大径部957hの外径と、小径部957iの外径とは、ほぼ同じ大きさである。また、大径部957hの内径は、小径部957iの内径よりも大きい。大径部957hの内周面と小径部957iの内周面との間には、段差部957jが形成されている。
【0157】
第8実施形態のその他の構造は、前記第4〜第7実施形態と同様である。
図53〜図55は、本発明の第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイントとホース側ジョイントとを接続する際の各バルブユニットの動作を説明するための図である。次に、図49〜図51および図53〜図55を参照して、本発明の第8実施形態に係る船外機の燃料供給システムの本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とを接続する際の各バルブユニット553および957の動作について説明する。
【0158】
まず、図53に示すように、ジョイントカバー955の一対の凸部955cをそれぞれ本体側ジョイント951の一対のガイド面951dに係合させる。そして、ジョイントカバー955をC方向に回転させる。これにより、図50および図51に示すように、ジョイントカバー955の凸部955cが本体側ジョイント951のガイド面951dに沿って移動する。また、この凸部955cの移動に伴って、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とが接続方向に相対的に移動される。
【0159】
その後、ジョイントカバー955がさらにC方向に回転されると、図53に示すように、バルブユニット553のケース部材553aの小径部553fが、開口側スリーブ957dの内周部に保持されたOリング957gに接触する。その結果、開口側スリーブ957dの内周面と小径部553fの外周面との間がシールされる。
そして、図54に示すように、ジョイントカバー955がさらにC方向に回転されると、突起部553iの先端部と、球状部材957bとが当接する。さらに、突起部553iの先端部によって球状部材957bが矢印FWD方向側に押圧される。これにより、球状部材957bは、ばね部材957cの付勢力に抗して矢印FWD方向側に移動する。そのため、球状部材957bとOリング957aとの間に隙間が生じる。その結果、ホース側ジョイント952のバルブユニット957が開かれる。したがって、図54に示すように、燃料が本体側ジョイント951の開口部951bに流入する。この時、開口側スリーブ957dの内周面と小径部553fの外周面との間は、Oリング957gによってシールされているので、開口部951bに流入した燃料は、実質的に外部に流出しない。
【0160】
その後、図55に示すように、ジョイントカバー955がさらにC方向に回転されると、球状部材957bは、ホース側スリーブ957eの段差部957jに当接する。その結果、バルブユニット553の弁部材553cは、ばね部材553dの付勢力に抗して矢印BWD方向に移動する。これにより、Oリング553bと、弁部材553cの接続部553jとの間に隙間が生じる。したがって、燃料は通路部951aに流入される。
【0161】
そして、ジョイントカバー955がさらにC方向に回転されると、図50および図51に示すように、ジョイントカバー955の各凸部955cが対応するガイド面951dの山部951eに達する。この時、図49に示すように、ダンパー556は、フランジ部952eの矢印BWD方向側の面と、本体側ジョイント951の先端部951gとにより、挟み込まれる。これにより、ダンパー556が圧縮される。そのため、ダンパー556には、弾性力が発生する。ダンパー556は、この弾性力によって、フランジ部952eの矢印BWD方向側の面と、本体側ジョイント951の先端部951gとを両者が離れる方向に押圧する。これにより、ホース側ジョイント952と本体側ジョイント951とは、互いに離間する方向に付勢される。
【0162】
その後、ジョイントカバー955がさらにC方向に回転されると、図50および図51に示すように、ジョイントカバー955の凸部955cがガイド面951dの山部951eを越えて収納部951fに収納される。また、このとき、バルブユニット553の弁部材553c(突起部553i)と、バルブユニット957の球状部材957bとは、ばね部材553d、557cの付勢力によって互いに押圧している。したがって、凸部955cは、収納部951fから離間し難い。さらに、ダンパー556により、ホース側ジョイント952と本体側ジョイント951とが互いに離間する方向に付勢されている。そのため、凸部955cは、収納部951fに付勢される。したがって、凸部955cは、収納部951fから一層離間し難い。以上により、本体側ジョイント951とホース側ジョイント952とは、接続される。
【0163】
第8実施形態のその他の効果は、前記第4〜第7実施形態と同様である。
本発明の実施形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、第1〜第8実施形態では、ホース側ジョイントの先端部近傍にOリングが配置されている例について示した。しかし、本体側ジョイントとホース側ジョイントとが接続される際に、本体側ジョイントおよびホース側ジョイントのバルブユニットが互いに当接する以前の位置ならば、Oリングは、本体側ジョイント側の先端部近傍以外の位置に配置されていてもよい。
【0164】
また、第1〜第8実施形態では、ホース側ジョイントと本体側ジョイントとを接続する際に、ホース側ジョイントのバルブユニットの方を先に開くように構成した例について示した。しかし、本体側ジョイントのバルブユニットの方を先に開くように構成してもよい。また、本体側ジョイントのバルブユニットとホース側ジョイントのバルブユニットが同時に開くように構成されていてもよい。
【0165】
また、第1〜第8実施形態では、本体側ジョイントのバルブユニットおよびホース側ジョイントのバルブユニットとして機械的なバルブユニットが用いられている例について示した。しかし、本体側ジョイントのバルブユニットおよびホース側ジョイントのバルブユニットの一方、または両方として、電磁弁などの電気的に制御可能なバルブユニットが用いられてもよい。
【0166】
また、第1〜第3実施形態では、本体側ジョイントとホース側ジョイントとの間をシールするための2つのOリング(Oリング256f、254)が設けられている例について示した。しかし、本体側ジョイントとホース側ジョイントとの間をシールするためのOリングの数は、1つであってもよい。具体的には、たとえば図56に示すジョイントユニット55Fのように、ケース部材253aの小径部253fの外周面と開口側スリーブ256dの内周面との間をシールするOリング256fのみが設けられていてもよい。すなわち、Oリング256fのみが設けられ、本体側ジョイント251の開口部251bの内周面と、ホース側ジョイント252の外周面252cとの間をシールするOリング254が設けられていなくてもよい。この場合、Oリング254のみが設けられている場合に比べて、ジョイントユニット55F内に保持される燃料の量を減少させることができる。したがって、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252との接続を解除したときに、ジョイントユニット55Fから燃料がこぼれ落ちることを抑制することができる。
【0167】
また、第4〜第8実施形態では、本体側ジョイントに一対の凸部またはガイド面のいずれか一方を設けるとともに、ジョイントカバーに一対の凸部またはガイド面のいずれか他方を設けた例について示した。しかし、本体側ジョイントおよびジョイントカバーに、それぞれ、凸部およびガイド面を1つずつのみ設けてもよい。また、本体側ジョイントおよびジョイントカバーに、それぞれ、凸部およびガイド面を3つ以上設けてもよい。
【0168】
また、第4〜第8実施形態では、本体側ジョイントとホース側ジョイントとが、ジョイントカバーを約170°回転させることにより接続されるように構成されている例について示した。しかし、本体側ジョイントとホース側ジョイントとは、ジョイントカバーを約170°よりも小さい角度で回転させることにより接続されるように構成されていてもよい。また、本体側ジョイントとホース側ジョイントとは、ジョイントカバーを約170°より大きい、たとえば、半回転および1回転以上回転させることにより接続されるように構成されていてもよい。
【0169】
また、第4〜第8実施形態では、ゴム製のダンパーが設けられている例について示した。しかし、たとえば、圧縮コイルばね、Oリングなど、ゴム製のダンパー以外の弾性部材を適用してもよい。
また、第5および第7実施形態では、ホース側ジョイントに、ジョイントカバーの突出部が配置されるフランジ部を1つのみ設けた例について示した。しかし、ホース側ジョイントに、ジョイントカバーの突出部を挟み込むように、一対のフランジ部を設けるようにしてもよい。
【0170】
また、第4〜第6実施形態では、本発明のジョイントユニットの一例として、船外機本体とホースとを接続する本体側ジョイントとホース側ジョイントに適用した例について示した。しかし、たとえば、燃料タンクとホースとを接続するタンク側ジョイントとホース側ジョイントに本発明を適用してもよい。すなわち、船外機本体とホースとを接続するジョイントユニット以外のジョイントユニットに本発明を適用してもよい。
【0171】
また、第1〜第8実施形態では、本体側ジョイントとホース側ジョイントとの間をシールするためのOリングがホース側ジョイントに保持されている例について示した。しかし、このOリングは、本体側ジョイントに保持されていてもよい。具体的には、たとえば図57に示すジョイントユニット55Gのように、ケース部材253aの小径部253fの外周部に形成された溝部256kにOリング256fが配置されていてもよい。また、この場合、Oリング256fは、本体側ジョイント251とホース側ジョイント252とが接続される際に、2つのバルブユニット253、256が互いに当接する以前の位置に配置されていることが好ましい。
【0172】
より具体的には、図57に示すように、突起部253iの先端部からOリング256fまでの前後方向への距離を第3距離B4とする。さらに、球状部材256bの先端から開口側スリーブ256dの先端部までの距離を第4距離A4とする。第3距離B4は、Oリング256fが突起部253iの先端部よりもホース側ジョイント252側に位置する場合に正となる。また、第4距離A4は、開口側スリーブ256dの先端部が球状部材256bの先端よりも本体側ジョイント251側に位置する場合に負となる。ジョイントユニット55Gは、第3距離B4が第4距離A4よりも大きくなるように構成されている(A4<0、B4<0、B4>A4)。
【0173】
図57では、第3距離B4および第4距離A4がそれぞれ負である状態を示しているが、第3距離B4および第4距離A4の一方または両方は、正であってもよい。何れの場合であっても、第3距離B4が第4距離A4よりも大きければよい。同様に、第1〜第8実施形態では、第1距離(第1距離B1〜3)および第2距離(第2距離A1〜3)がそれぞれ負である場合について説明したが、第1距離および第2距離の一方または両方は、正であってもよい。何れの場合であっても、第1距離が第2距離よりも大きければよい。
【0174】
また、第1〜第8実施形態では、第1弁体としてニードル状の弁部材が用いられている例について示した。また、第2弁体として球状部材が用いられている例について示した。しかし、第1弁体は、ニードル状以外の形状であってもよい。同様に、第2弁体は、球状以外の形状であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0175】
1 船外機(船外機本体)
20 内燃料経路(燃料供給システムの一部)
50 外燃料経路(燃料供給システムの一部)
52 ホース(燃料供給路の一部)
53 プライマーポンプ(燃料供給路の一部)
54 ホース(燃料供給路の一部)
55 ジョイントユニット
55A〜G ジョイントユニット
102 燃料タンク
251 本体側ジョイント(第1ジョイント部材)
251a 通路部(第1流路)
251b 開口部(第1嵌合部、外側嵌合部)
251d 凸部
252 ホース側ジョイント(第2ジョイント部材)
252a 通路部(第2流路)
252b 開口部(第2嵌合部の一部)
253 バルブユニット(第1バルブ)
253a ケース部材(第1嵌合部、内側嵌合部)
253c 弁部材(第1弁体)
254 Oリング(シール部材、第2シール)
255 ジョイントカバー(カバー部材、接続部材)
255a 突出部(係合突起)
255b カバー部(筒状部)
255c ガイド面(凹部)
255f 収納部(移動規制部)
256 バルブユニット(第2バルブ)
256b 球状部材(第2弁体)
256d 開口側スリーブ(第2嵌合部の一部)
256f Oリング(シール部材、第1シール)
352 ホース側ジョイント(第2ジョイント部材)
355 ジョイントカバー(カバー部材、接続部材)
355c ガイド面(ガイド溝)
451 本体側ジョイント(第1ジョイント部材)
451d ねじ部(凸部)
452 ホース側ジョイント(第2ジョイント部材)
455 ジョイントカバー(カバー部材、接続部材)
455c ねじ部(凹部)
551 本体側ジョイント(第1ジョイント部材)
552 ホース側ジョイント(第2ジョイント部材)
553 バルブユニット(第1バルブ)
553c 弁部材(第1弁体)
554 Oリング(シール部材、第2シール)
555 ジョイントカバー(カバー部材、接続部材)
555c ガイド面(凹部、ガイド面)
555f 収納部(移動規制部)
557 バルブユニット(第2バルブ)
557b 球状部材(第2弁体)
652 ホース側ジョイント(第2ジョイント部材)
655 ジョイントカバー(カバー部材、接続部材)
655c ガイド面(凹部、ガイド溝)
655f 収納部(移動規制部)
755 ジョイントカバー(接続部材、接続部材)
755c ガイド面(凹部)
755f 収納部(移動規制部)
855 ジョイントカバー(カバー部材、接続部材)
855c ガイド面(凹部、ガイド溝)
855f 収納部(移動規制部)
951 本体側ジョイント(第1ジョイント部材)
951d ガイド面(凹部、ガイド溝)
951f 収納部(移動規制部)
952 ホース側ジョイント(第2ジョイント部材)
955 ジョイントカバー(カバー部材、接続部材)
957 バルブユニット(第2バルブ)
957g Oリング(シール部材、第1シール)
A1〜3 第2距離
A4 第4距離
B1〜3 第1距離
B4 第3距離
BWD 後進方向(結合方向)
FWD 前進方向(結合方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクから船外機本体に燃料を供給するための船外機の燃料供給システムであって、
燃料供給路と、
前記燃料供給路を前記燃料タンクまたは前記船外機本体に連結するためのジョイントユニットとを含み、
前記ジョイントユニットは、接続および分離可能に構成された第1および第2ジョイント部材と、前記第1および第2ジョイント部材間をシールするシール部材とを含み、
前記第1ジョイント部材は、燃料が流通する第1流路と、前記第1流路に配置された第1バルブと、前記第1流路を取り囲む筒状の第1嵌合部とを含み、
前記第2ジョイント部材は、燃料が流通する第2流路と、前記第2流路に配置された第2バルブと、前記第2流路を取り囲む筒状の第2嵌合部とを含み、
前記第1バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が所定の結合方向に接続されるときに前記第2ジョイント部材によって押圧される第1押圧端を有し、前記第1押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第1弁体を含み、
前記第2バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が前記結合方向に接続されるときに前記第1ジョイント部材によって押圧される第2押圧端を有し、前記第2押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第2弁体を含み、
前記第1および第2嵌合部は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に互いに嵌合するように構成されており、
前記シール部材は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に前記第1および第2嵌合部間をシールするように、前記第1または第2ジョイント部材に保持されている、船外機の燃料供給システム。
【請求項2】
前記シール部材は、前記第2嵌合部に保持されており、
前記第1嵌合部の先端が前記第1押圧端よりも前記第2ジョイント部材側に位置する場合を正とした場合の前記第1押圧端から前記第1嵌合部の先端までの前記結合方向への距離である第1距離は、前記シール部材が前記第2押圧端よりも前記第1ジョイント部材側に位置する場合を負とした場合の前記第2押圧端から前記シール部材までの前記結合方向への距離である第2距離よりも大きい、請求項1記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項3】
前記シール部材は、前記第1嵌合部に保持されており、
前記シール部材が前記第1押圧端よりも前記第2ジョイント部材側に位置する場合を正とした場合の前記第1押圧端から前記シール部材までの前記結合方向への距離である第3距離は、前記第2嵌合部の先端が前記第2押圧端よりも前記第1ジョイント部材側に位置する場合を負とした場合の前記第2押圧端から前記第2嵌合部の先端までの前記結合方向への距離である第4距離よりも大きい、請求項1記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項4】
前記第1嵌合部は、前記第1流路を取り囲む筒状の内側嵌合部と、前記内側嵌合部の周囲を取り囲む筒状の外側嵌合部とを含み、
前記内側嵌合部および外側嵌合部の各一方端部は、両者の間に前記第2ジョイント部材側から前記第2嵌合部が嵌合できるように構成されており、
前記内側嵌合部および外側嵌合部の各他方端は、互いの間が密閉されるように構成されており、
前記シール部材は、前記内側嵌合部と前記第2嵌合部との間をシールする第1シールを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項5】
前記第1嵌合部は、前記第1流路を取り囲む筒状の内側嵌合部と、前記内側嵌合部の周囲を取り囲む筒状の外側嵌合部とを含み、
前記内側嵌合部および外側嵌合部の各一方端部は、両者の間に前記第2ジョイント部材側から前記第2嵌合部が嵌合できるように構成されており、
前記内側嵌合部および外側嵌合部の各他方端は、互いの間が密閉されるように構成されており、
前記シール部材は、前記外側嵌合部と前記第2嵌合部との間をシールする第2シールを含む、請求項1〜4の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項6】
前記ジョイントユニットは、前記第2ジョイント部材に取り付けられ、かつ前記第2ジョイント部材の周囲を取り囲む筒状のカバー部材をさらに含み、
前記シール部材は、前記カバー部材の内側において、前記第2ジョイント部材の外周部に保持されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項7】
前記ジョイントユニットは、前記第1および第2ジョイント部材が接続された状態で前記第1ジョイント部材の周囲を取り囲むように構成された筒状の接続部材と、前記第1ジョイント部材の外周部および前記接続部材の内周部の一方に設けられた凸部と、前記第1ジョイント部材の外周部および前記接続部材の内周部の他方に設けられた凹部とをさらに含み、
前記凸部および前記凹部は、互いに係合可能で、係合した状態で相対回転可能に構成されており、
前記凹部は、一方の回転方向への前記凸部および前記凹部の相対回転に伴って、前記凸部を前記凹部に沿って所定の接続位置に案内するように構成されており、
前記第2ジョイント部材および前記接続部材は、前記凸部が前記接続位置に向かって案内されることにより、前記第1ジョイント部材側に一体的に移動するように構成されており、
前記第1および第2ジョイント部材は、前記凸部が前記接続位置に配置されることにより、互いに接続されるように構成されている、請求項1〜6の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項8】
前記凹部は、1回転未満の前記凸部および前記凹部の相対回転により、前記凸部が前記接続位置に配置されるように構成されている、請求項7記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項9】
前記凹部は、前記結合方向に対して傾斜するように延びるガイド面を含む、請求項7または8記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項10】
前記ジョイントユニットは、前記凹部とともに前記第1ジョイント部材の外周部および前記接続部材の内周部の一方に設けられ、かつ前記凸部が前記接続位置から移動することを規制する移動規制部をさらに含む、請求項7〜9の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項11】
前記凹部は、前記結合方向に対して傾斜するように延びるガイド溝を含む、請求項7〜10の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項12】
前記第2ジョイント部材は、前記第2ジョイント部材の外周部に設けられ、前記第2ジョイント部材の外周部を取り囲むように構成された環状溝をさらに含み、
前記接続部材は、前記第2ジョイント部材を取り囲むように構成された筒状部と、前記筒状部から内側に突出するように構成された係合突部とを含み、
前記環状溝は、前記結合方向に間隔を隔てて対向する一対の内壁面を含み、
前記係合突部は、前記一対の内壁面間に配置されており、
前記接続部材は、前記凸部が前記凹部によって前記接続位置に向かって案内されることにより、前記第1ジョイント部材側に移動するように構成されている、請求項7〜11の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項13】
前記第1および第2ジョイント部材の一方は、前記燃料タンクまたは前記船外機本体に連結されており、
前記第1および第2ジョイント部材の他方は、前記燃料供給路に連結されている、請求項1〜12の何れか一項に記載の船外機の燃料供給システム。
【請求項14】
燃料タンクと、
船外機本体と、
前記燃料タンクから前記船外機本体に燃料を供給するための燃料供給システムとを含み、
前記燃料供給システムは、燃料供給路と、前記燃料供給路を前記燃料タンクまたは前記船外機本体に連結するためのジョイントユニットとを含み、
前記ジョイントユニットは、接続および分離可能に構成された第1および第2ジョイント部材と、前記第1および第2ジョイント部材間をシールするシール部材とを含み、
前記第1ジョイント部材は、燃料が流通する第1流路と、前記第1流路に配置された第1バルブと、前記第1流路を取り囲む筒状の第1嵌合部とを含み、
前記第2ジョイント部材は、燃料が流通する第2流路と、前記第2流路に配置された第2バルブと、前記第2流路を取り囲む筒状の第2嵌合部とを含み、
前記第1バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が所定の結合方向に接続されるときに前記第2ジョイント部材によって押圧される第1押圧端を有し、前記第1押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第1弁体を含み、
前記第2バルブは、前記第1および第2ジョイント部材が前記結合方向に接続されるときに前記第1ジョイント部材によって押圧される第2押圧端を有し、前記第2押圧端が押圧されることにより変位するように構成された第2弁体を含み、
前記第1および第2嵌合部は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に互いに嵌合するように構成されており、
前記シール部材は、前記第1および第2ジョイント部材が接続されるときに、前記第1および第2押圧端がそれぞれ前記第2および第1ジョイント部材に当接する以前に前記第1および第2嵌合部間をシールするように、前記第1または第2ジョイント部材に保持されている、船外機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【公開番号】特開2010−101488(P2010−101488A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206146(P2009−206146)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】