説明

苦痛、うつ病及び(又は)不安障害の治療に使用するための飽和及び不飽和3−ピリジル−ベンゾシクロアルキルメチル−アミン類

本発明は、飽和及び不飽和3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン, その製造方法, この化合物を含む医薬及び飽和及び不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミンを医薬の製造に使用する方法並びに苦痛、うつ病及び(又は)不安障害の治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飽和及び不飽和3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン類, その製造方法, この化合物を含む医薬及び飽和及び不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン類を医薬の製造に使用する方法並びに苦痛(Schmerzen)、うつ病及び(又は)不安障害の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性及び非慢性苦痛状態の治療は、医療において重要な意味を有する。十分に有効な苦痛治療が世界的に要求されている。慢性及び非慢性苦痛状態の患者に合い、かつ目的にかなった治療への研究(但しこの場合これは患者に対して効果があり、そして満足のいく苦痛治療を意味する)が強く要求されている。この研究は適用される鎮痛剤の分野で又は侵害受容に関する基礎研究の分野で最近発行されている多数の科学文献中に提示されている。
【0003】
モルヒネのような古典的なオピオイドは強い苦痛ないし極めて強い苦痛の治療に十分に有効である。しかしその適用は、公知の副作用, たとえば呼吸抑制, 嘔吐, 鎮静, 便秘及び耐薬性発現によって制限される。さらにこの使用は神経障害性又は偶発的な(inzidentiellen) 苦痛(特にこの障害に悩む腫瘍患者)においてあまり有効でない。
【0004】
改善された治療目的で、クリニックでしばしば慢性苦痛 (特に炎症性苦痛, 腫瘍苦痛)において、アヘン剤とモノアミン セロトニン (5-HT)及び(又は)ノルアドレナリン (NA)の再取り込み阻害剤との組み合わせが使用される (非特許文献1)。 更にまた 慢性苦痛が不安障害又はうつ病の患者の多くに共存するので, μ-オピエート受容体-アンタゴニスト性質を有する物質を臨床的に 関連するセロトニン- 及び(又は)ノルアドレナリン-再取り込み阻害剤との組み合わせるのが特に有益である。
【0005】
さらにノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害剤は、また臨床上単剤治療に慢性苦痛状態で使用される (非特許文献2)。 モノアミン再取り込み阻害剤は、 低下する苦痛阻害経路を脊髄領域で活性化することによって独自の鎮痛作用を持つ。
【0006】
モノアミン再取り込み阻害剤の使用は、 副作用、たとえば調節障害, セロトニン症候群又はQT-延長によって制限される。 以前として、特に慢性苦痛の、患者にあった治療に対して切迫した要求がある。
【0007】
うつ病及び不安障害の治療にノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害剤が、広範に臨床上使用されている(非特許文献3及び非特許文献4)。
【0008】
うつ病は、抑うつ性症候群が問題となる情動障害である。この際、これは不機嫌に気が滅入るか又は悲しい気分になることである。抑うつ性疾患に、精神錯乱のある又は精神錯乱のない単極性重度うつ病,中程度のうつ病, 軽度うつ病, 気分変調症, メランコリー, 双極性うつ病 (双極性障害I, 躁病及び重度うつ病; 双極性障害II, 軽躁病及び重度うつ病; 循環気質人格-障害, 軽躁病 )及び軽度のうつ病 が含まれる。 不安障害は、全般性不安障害, パニック障害, 強迫性障害(obessessive compulsive disorders, OCD), 社会不安障害, 単一恐怖, 広場恐怖, 心的外傷後ストレス障害 (posttraumatic stress disorders, PTSD) に分けられる。
【0009】
一般に、 モノアミン再取り込み阻害剤の投与によってうつ病 又は不安障害に悩む患者において良好な治療成果を得ることができる。それにもかかわらず患者の約30 % が難治性であり、そして 再発率が高いので、この限られた治療成果及びモノアミン再取り込み阻害剤の上記の頻発する副作用の故に、成果のある、そして患者にあった、うつ病及び不安障害の治療に切迫した要求がある。
【非特許文献1】Sindrup, in: Yaksh, T.L., et al., Anesthesia. Biological foundations. Philadelphia: Lippincott-Raven, 1997, 987-997
【非特許文献2】Sindrup, in: Yaksh, T.L., et al., Anesthesia. Biological foundations. Philadelphia: Lippincott-Raven, 1997, 987-997
【非特許文献3】Pacher, P., Kohegyi, E., Kecskemeti, V., Furst, S., Current Medicinal Chemistry 2001, 8, 89-100
【非特許文献4】Goddard, A. W., Coplan, J.D., Gorman, J. M., Charney, D. S., In: Neurobiology of mental illness, Charney, D.S., Nestler, E.J., Bunney, B.S. (Hrsg.), Oxford University Press, New York, 1999, S. 548-563
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が基礎とする課題は、苦痛, うつ病及び(又は) 不安障害の治療に適する新規化合物を提供することである。更にこれらの化合物は、モノアミン再取り込み阻害剤の副作用、たとえば調節障害, セロトニン症候群又はQT-延長、又は アヘン剤(Opiate)の副作用、たとえば呼吸抑制, 嘔吐, 鎮静, 便秘及び耐薬性発現を可能なかぎり少なく示さねばならない。その他の課題は、偏頭痛, 尿失禁, 線維筋痛, 摂食障害, 過食症, 多動性, 薬物依存, -中毒及び-禁断症状, トリコチロマニー, ツレット症候群, 皮膚疾患、たとえばヘルペス後神経痛及び掻痒症, 精神病, 記憶障害, 認知障害及び(又は)アルツハイマー病の治療用有効物質を提供することにある。
【0011】
本発明者は、下記一般式 I で表わされる誘導体がμ-オピエート受容体に対する高い親和性を示し及び(又は)ノルアドレナリン及び(又は)セロトニンの再取り込みを阻害することを見出した。この物質は顕著な抗侵害受容作用, 抗うつ作用及び抗不安作用を有し、したがってうつ病, 不安障害及び苦痛の治療に適する。本発明の化合物は、特に抑うつ的不機嫌又は不安障害と共存する慢性苦痛状態の治療に可能性を有する。更に、この物質は偏頭痛, 尿失禁, 線維筋痛, 摂食障害, 過食症, 多動性, 薬物依存, -中毒及び -禁断症状, トリコチロマニー, ツレット症候群, 皮膚疾患、たとえばヘルペス後神経痛及び掻痒症, 精神病, 記憶障害, 認知障害及び(又は)アルツハイマー病の治療に適する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明の対象は、そのラセミ化合物、そのエナンチオマー、そのジアステレオマー, 特にそのエナンチオマー又はそのジアステレオマーの混合物又は個々のエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物並びにその遊離塩基又はその生理学的に許容し得る酸との共に形成される塩の形でもある、下記一般式 Iで表わされる飽和及び不飽和3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン類である:
【0013】
【化1】

【0014】
{式中、
W はCH2, O, S, SO 又はSO2 であり、そしてn は 0 - 3であり,
R1及びR2 は相互に無関係に H, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又はC3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O 又は NR3'
<式中、 R3' は、H, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又は C2-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない);アルキルアリール(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); アリール(一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。]
から選ばれるか, 又は
R1及びR2 は一緒になって C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない)を形成するか又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O 又は NR4'
<式中、 R4' は、H, C1-C10-アルキル, C3-C10-アルケニル又は C2-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。]
を形成し、そして
R3 〜 R6 は相互に無関係にH 又は他方の縮合環以外の任意の残基から選ばれる。
【0015】
本発明の範囲においてこの残基は、少なくとも1個の水素基が、F, Cl, Br, I, CN, CF3, OCF3, NO2, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又はC3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない), 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子はS, O 又は NR5'
<式中、R5'
H, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又は C2-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。],
OR6', OC(O)R6', OC(S)R6又は S(O2)R6'
《式中、 R6'はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル 又は C2-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない), 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O又は NR7
<式中、R7 はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又はC3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。]、
アルキルアリール(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); アリール又はヘテロアリール(それぞれ一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。》、
NR8R9, C(O)NR8R9 又は S(O2)NR8R9
《式中、 R8 及び R9 は相互に無関係に
H, C1-C18-アルキル, C2-C18-アルケニル 又は C3-C18-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない), 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O又はNR10
<式中、R10 はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル 又は C3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない), から選ばれる。>
によって置換されている。],
アルキルアリール, (飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); アリール又はヘテロアリール(それぞれ一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれるか、
あるいは
R8 及び R9 は一緒になってC3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない)を形成するか, 又は又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O又はNR10
<式中、R10 はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル 又は C3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。],
アルキルアリール, アリール 又はヘテロアリール((それぞれ一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。》
によって置換されていることを意味する。
【0016】
一般式 Iにおいて、Xが同時にHである場合,YはH又はOHから選ばれるか, あるいはX及びYが一緒になって結合を形成する。
【0017】
"置換された"という概念は、本発明の範囲において、少なくとも1個の水素基がF, Cl, Br, I, NH2, SH 又はOH, OCH3 によって置換されていることを意味し、この際“多数回置換された”基とは、異なる及び同一の原子に多数回、たとえば2又は3回置換されている基を意味し、たとえば3回、たとえばCFの場合のように同一のC−原子が置換されている基、あるいは-CH(OH)-CH=CH-CHCl2 の場合のように異なる位置で置換されている基を意味する。
【0018】
用語“C1-C10-アルキル” は、本発明の範囲において、1〜10個の炭素原子を有する炭化水素を意味する。たとえば置換されていない又は1回以上置換されているメチル, エチル, プロピル, イソプロピル, n-ブタン, s- ブチル, tert. ブチル, n-ペンタン, ネオペンチル, n-ブタン, s- ブチル, tert. ブチル, n-ヘキサン, n-ヘプタン, n-オクタン, n-ノナン, n-デカンが挙げられる。
【0019】
用語“C2-C10-アルケニル”又は“C2-C10-アルキニル” は、本発明の範囲において、2〜10個の炭素原子を有する炭化水素を意味する。たとえば置換されていない又は1回以上置換されているエテニル, プロペニル, ブテニル, ペンテニル, ヘキセニル, ヘプテニル, オクテニル、又は置換されていない又は1回以上置換されているエチニル, プロピオニル, ブチニル, ペンチニル, ヘキシニル, ヘプチニル, オクチニルが挙げられる。
【0020】
用語“C3-C7-シクロアルキル” は本発明の意味において3 〜7個の炭素原子を有する環状炭化水素を意味する。 たとえば飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていないシクロプロピル, シクロブチル, シクロペンチル, シクロヘキシル, シクロヘプチル, シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルが挙げられる。この場合本発明の範囲において、 “対応するヘテロ環” とは、環中の少なくとも1個のC-原子がS, O 又はNによって置換された C3-C7-シクロアルキルを意味する。これに関する例として、ピロリジン, ピラン, チオラン, ピペリジン又はテトラヒドロフランが挙げられえる。
【0021】
用語“アリール”は、本発明の範囲においてフェニル類又はナフチル類を意味する。
【0022】
用語“アルキルアリール” は、本発明の範囲において C1-C10-アルキレン置換されたアリールを意味し, この場合用語アリール及びアルキルは上述の意味を有する。
【0023】
用語“ヘテロアリール” は、本発明の範囲において5- 又は6-員の,場合により縮合アリール系を有する, 芳香族化合物を意味し、これは 窒素, 酸素及び(又は)イオウより成る群から選ばれたヘテロ原子1又は2個を含む 。このグループに たとえばフラン, チオフェン, ピロール, ピリジン, ピリミジン, キノリン, イソキノリン, フタラジン又はキナゾリンが挙げられる。
【0024】
生理学に許容し得る酸と形成される塩の概念は、本発明の範囲において、それぞれの有効物質と、生理学的に−−特にヒト及び(又は)哺乳類に使用した場合−−−許容し得る無機酸又は有機酸との塩を意味する。
【0025】
一般式 Iで表わされる化合物(式中、 n < 3である。)が好ましい。
【0026】
一般式 Iで表わされる化合物(式中、 W = CH2 であり、そしてn < 3である。)が特に好ましい。
【0027】
一般式 Iで表わされる化合物(式中、W = CH2 であり, n < 3 であり, R1 及びR2= メチルであり、そして R5 及びR6= H である。)が、さらに特に好ましい。
【0028】
更に、下記の本発明の化合物及びその塩が好ましい:
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (1)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (2)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (3)、
ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-インダン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (4)、
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (5)、
(6-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (6)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-3H-インデン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (7)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (8)、
ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (9)、
ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (10)
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (11)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (12)、
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (13)、
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (14)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (15)、
ジメチル-(1-オキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-1H-1λ4-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (16)、
4-ジメチルアミノメチル-1,1-ジオキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1λ6-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (17)、
2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (18)、
(6-フルオロ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (19)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (20)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメトキシ-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (21)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメチル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (22)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメチル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (23)、
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (24)、
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (25)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-4-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (26)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-クロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (27)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-クロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (28)、
ジメチル-(4-ピリジン-3-イル-2H-クロメン-3-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (29)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-チオクロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (30)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-チオクロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (31)、
ジメチル-(4-ピリジン-3-イル-2H-チオクロメン-3-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (32)、
2-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (33)、
2-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (34)、
(5-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (35)、
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (36)、
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (37)、
(5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (38)及び
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-7,8-ジヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (39)。
【0029】
これらのリストから、下記化合物が更に特に好ましい:
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (3)、
(6-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (6)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-3H-インデン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (7)、
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (11)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (12)、
(6-フルオロ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (19)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメトキシ-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (21)、
(5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (38)及び
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-7,8-ジヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (39)。
【0030】
本発明のもう一つの対象は、上記一般式 Iで表わされる飽和及び 不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミンの製造方法である。
【0031】
一般式 I で表わされる3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミンを次のように製造する:先ず、一般式 IIで表わされるシクロアルカノン を式 IIIで表わされるインモニウム塩と 又はパラホルムアルデヒド及び式 IVで表わされるアミンと反応させる。 式 IIIで表わされるインモニウム塩の代わりに、その製造に通常使用される試薬, たとえば ビス-(ジメチルアミノ)-メタン及びアセチルクロライド も公知の方法で使用することができる(A. Geronikaki et al. Pharmazie 1989, 44, 349)。 R10 はR1 と同様な意味を有し, R11 は R2 と同様な意味を有する。 一般式 IIで表わされるシクロアルカノンは市場で得られるか、又は当業者に周知の方法にしたがって製造することができる。
【0032】
ついでこのようにして得られたマンニッヒ-塩基を、式 Vで表わされる金属有機化合物(式中、 Z はリチウムを意味する。)と反応させる。マンニッヒ-塩基と式 Vで表わされるリチウム有機化合物(式中、ZはLiを意味する。)との反応を,脂肪族エーテル、たとえばジエチルエーテル及び(又は) テトラヒドロフラン中にで -70℃〜60℃の温度で実施することができる。 R10 又は R11 が、あるいは双方が同時に水素である場合, マンニッヒ反応に一般式 III又は IVで表わされる化合物(式中、R10 又は R11 あるいは R10 及び R11 はベンジル基である。)を使用する。このベンジル基を反応工程の適当な段階で、対応する化合物と触媒活性な水素と反応させることによって除去する。この際、担体、たとえば活性炭に担持された白金又はパラジウムを触媒として使用する。
【0033】
【化2】

【0034】
式 Vで表わされる化合物(式中、 Zは リチウム又はマグネシウム-ハロゲニドを意味する。)を、式 VIで表わされるハロゲン化合物 (式中、 A はCl, Br 又は I を意味する。)、たとえばn-ブチルリチウム/ヘキサン-溶液 とのハロゲン-リチウム交換による反応によって得ることができる。式 Vで表わされる化合物を、たとえばセリウム(III)ハロゲニドの存在下に 式 II で表わされる化合物と反応させることもできる。
【0035】
このようにして、先ず一般式 VIIで表わされる生成物(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そしてR11 はR2 と同様な意味を有する。)が得られる。一般式 VIIで表わされる化合物を チオニルクロライド と反応させ、ついで塩基性後処理することによって、 式 IXで表わされる化合物が得られる。多くの場合、一般式VIII 及びIXで表わされる化合物 (式中、R10 はR1 と同様な意味を有し、そして R11 はR2 と同様な意味を有する 。)からなる混合物が生じる。これらをカラムクロマトグラフィーによって又は 結晶化によって分離することができる。一般式 IXで表わされる化合物を、一般式 VIIで表わされる化合物と強酸, たとえば塩酸又は臭化水素酸との反応によって適切に得ることができる。同時にメトキシ-基 R3 〜 R6 の脱メチル化を達成する場合、臭化水素酸を使用するのが好ましい。あるいは一般式 IXで表わされる化合物に関して、後続の反応工程において,メトキシ-基R3 〜 R6の脱メチル化に関する当業者に周知の別の方法、 たとえば過剰のジイソブチルアルミニウムヒドリドの存在下、たとえばトルエン中で、又はジフェニルホスフィン及びアルキルリチウム化合物の使用下、たとえばトルエン/テトラヒドロフラン中で加熱する方法を適用することができる。
【0036】
ついで、触媒活性化された水素を用いて、一般式 VIIIで表わされる化合物の水素添加分解性離脱又は 一般式 IXで表わされる化合物(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そして R11 はR2 と同様な意味を有する。)の水素添加して, 式 Xで表わされる化合物(式中、R10 はR1 と同様な意味を有し、そしてR11 はR2 と同様な意味を有する。)とする。この場合担体、たとえば活性炭上に担持された白金又はパラジウムを触媒として使用する。水素添加を溶剤、たとえば酢酸エチルエステル又はC1 - C4-アルキルアルコール 中で0,1 〜10 バールの圧力で、20℃〜80℃の温度で実施する。
【0037】
W がSである場合, これらの化合物を反応工程の適当な段階で酸化剤、たとえばH2O2を用いて対応するSO- 又は SO2 -化合物に移行させることができる。
【0038】
【化3】

【0039】
上記一般式 Iで表わされる不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン(式中、X 及び Y は一緒になって結合を形成する。)の別の製造方法は、一般式 XIIで表わされる化合物[式中、G1 はCl, Br, I 又は B(ORx)2(式中、 Rx は H又はアルキルから選ばれる。)を意味する。]を用いる、一般式 XIで表わされる化合物(式中、G2 は Cl, Br, I, Sn(アルキル)3 又は OSO2CF3 を意味する。)の遷移金属-触媒によるクロスカップリングである。この際上記反応を、塩基の存在又は不在下で、そしてリガンドの存在又は不在下で実施することができる。これに関する例は、一般式 XIで表わされる化合物(式中、G2 はOSO2CF3 を意味する。)と一般式 XIIで表わされる化合物(式中、G1 はB(OAlkyl)2 を意味する。)とを、酢酸パラジウム(II), ホスフィンリガンド 並びに塩基の存在下にスズキ-カップリングすることである。
【0040】
【化4】

【0041】
上記一般式 Iで表わされる不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン(式中、 X 及びYは一緒になって結合を形成し、W はO 又はS であり、そして n = 1である。)のその他の別の製造方法は、一般式 XIIIで表わされるオルト-ハロゲン置換されたフェノール/チオフェノール (式中、 Hal は Br, I, OSO2CF3から選ばれる。) を 一般式 XIV で表わされる置換されたプロパルギルアミンあるいは一般式 XVで表わされる プロパルギルアルコール又はその誘導体 (式中、 Ro は H又は保護基から選ばれる。)を用いて, たとえばジクロロビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム (II), ヨウ化銅(I) 及びトリエチルアミンの存在下に処理することにある。一般式 XVで表わされる プロパルギルアルコール又はその誘導体の場合、官能基 ORo を後続に反応工程で当業者に周知の方法にしたがってアミノ官能基 NR1R2 に変える。
【0042】
【化5】

【0043】
上記反応条件下で、OH-、 SH 及び NH2-基は、望まれない副反応を生じうる。したがって、これらを保護基で保護するか、又はNH2 の場合NO2 で置換し、ついで最後の反応工程で保護基を離脱させるか又はNO2-基 を還元させるのが好ましい。したがって本発明のもう一つの対象は、上記の方法の変法である。この方法によれば、式 I中に含まれる、少なくとも1個のOH-基を OSi(Ph)2tert.ブチル基によって, 少なくとも1個の SH-基をS-p-メトキシベンジル基によって及び(又は)少なくとも1個の NH2-基をNO2-基によって置換し、全反応工程の終了後OSi(Ph)2tert.ブチル基を テトラブチルアンモニウムフルオリドを用いて テトラヒドロフラン中で及び(又は)少なくとも1個の p-メトキシベンジル基を金属アミン, 好ましくはナトリウムアミンで離脱させるか及び(又は) 少なくとも1個の NO2-基を還元してNH2 とする。
【0044】
更に、 カルボン酸- 又はチオカルボン酸-基は、ブチルリチウム-反応の条件下で事情によっては安定でなく, その結果そのメチルエステルを反応させ 、ついでブチルリチウム-反応からの目的生成物を、最後の反応工程で KOH-溶液又は NaOH-溶液を用いてメタノール中で 40℃ - 60℃でけん化するのが好ましい。したがって、本発明の別の対象は上記方法の変法である。この方法によれば、ブチルリチウム-反応の後、少なくとも1個の C(O)OCH3- 及び(又は) C(S)OCH3-基を有する目的生成物を、 KOH-溶液又は NaOH-溶液を用いてメタノール中で40℃- 60℃でけん化する。
【0045】
個々の反応工程で得られる化合物の精製は、結晶化又はカラムクロマトグラフィーによって行われる。
【0046】
式 Iで表わされる化合物を、生理学的に許容し得る塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、グルタミン酸及び(又は)アスパラギン酸を用いて公知の方法でその塩に変えることができる。塩の形成を溶剤、たとえばジイソプロピルエーテル, 酢酸アルキルエステル, アセトン及び(又は)2-ブタノン中で行うのが好ましい。その塩酸塩の製造のために、水含有溶液の形にある トリメチルクロロシラン が特に適する。
【0047】
本発明の一般式 Iで表わされる飽和及び不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミンは毒物学的に危険がなく、したがって医薬中の医薬有効物質として適当である。
【0048】
したがって本発明の別の対象は、少なくとも1種 の一般式 I で表わされる本発明の化合物及び場合により生理学的に許容し得る助剤を含む医薬である。
【0049】
本発明の医薬は、好ましくは苦痛 (特に慢性苦痛, 神経障害性苦痛、炎症性苦痛), 偏頭痛, 線維筋痛の克服に、又はうつ病 (単極性, 精神錯乱のある又は精神錯乱のない単極性重度うつ病,中程度のうつ病, 軽度うつ病, メランコリー, 双極性うつ病 、双極性障害I (躁病及び重度うつ病)、 双極性障害II(軽躁病及び重度うつ病)、 循環気質人格-障害(軽躁病 及び軽度のうつ病サブタイプ)、不安障害(サブタイプ全般性不安障害, パニック障害, 強迫性障害, 社会不安障害, 恐怖症, PTSD)、睡眠障害, 尿失禁 (ストレス- 及び 切迫-), 摂食障害, 過食症, 注意欠陥多動性障害, 中毒及び依存, トリコチロマニー, ツレット症候群, 皮膚疾患、たとえばヘルペス後神経痛及び掻痒症 ,精神病, 記憶障害, 認知障害及び(又は)アルツハイマー病の治療に適する。
【0050】
少なくとも1種の一般式 Iで表わされる化合物を、苦痛 (特に慢性苦痛, 神経障害性苦痛、炎症性苦痛), 偏頭痛, 線維筋痛の克服用医薬、又はうつ病 (単極性, 精神錯乱のある又は精神錯乱のない単極性重度うつ病,中程度のうつ病, 軽度うつ病, メランコリー, 双極性うつ病 、双極性障害I (躁病及び重度うつ病)、 双極性障害II(軽躁病及び重度うつ病)、 循環気質人格-障害(軽躁病 及び軽度のうつ病サブタイプ)、不安障害(サブタイプ全般性不安障害, パニック障害, 強迫性障害, 社会不安障害, 恐怖症, PTSD)、睡眠障害, 尿失禁 (ストレス- 及び 切迫-), 摂食障害, 過食症, 注意欠陥多動性障害, 中毒及び依存, トリコチロマニー, ツレット症候群, 皮膚疾患、たとえばヘルペス後神経痛及び掻痒症 ,精神病, 記憶障害, 認知障害及び(又は)アルツハイマー病の治療用医薬の製造への使用は、同様に本発明の対象である。
【0051】
本発明の医薬を、液状医薬として注射用溶液、滴剤、又は液剤の形で、半固形医薬として液状, 半固形又は固形医薬形として、 たとえば注射用溶液、滴剤, 液剤, シロップ, スプレー, 懸濁液, 錠剤, パッチ, カプセル, 硬膏剤, 座薬, 軟膏, クリーム, ローション, ジェル, エマルション, エアゾールの形で又は多粒子形で、 たとえばペレット又は顆粒の形で存在することができ、そしてそのまま投与することもできる。
【0052】
少なくとも1種の一般式 I で表わされる化合物と共に、 本発明の医薬は通常その他の生理学的に許容し得る医薬助剤を含む。担体材料, 増量剤, 溶剤、 希釈剤, 界面活性剤, 染料, 保存剤, 砕解剤, 湿潤剤、滑沢剤, 芳香物及び結合剤より成る群から選ばれるのが好ましい。
【0053】
生理学的に許容し得る助剤の選択及びその使用されうる量は、その医薬が経口、皮下、腸管外、静脈内、腹腔内、経皮、筋肉内、鼻腔内、バッカル、直腸又は局所に、たとえば皮膚の、粘膜の及び眼の感染媒体に投与されねばならないかどうかに依存する。経口投与に、たとえば錠剤、糖衣錠、カプセル、顆粒、ペレット、滴剤、液剤及びシロップの形の製剤、非経口、外用及び吸入投与に、溶液、懸濁液、容易に再構成可能な乾燥調製物並びにスプレーの形の製剤が最適である。場合により皮膚浸透を促進する剤の添加下に溶解された形でデポ剤としての又は硬膏剤としての本発明の一般式 Iで表わされる化合物は、適当な経皮適用調合物である。経口又は経皮投与可能な調合物形態は、本発明の一般式 Iで表わされる化合物を遅延された状態で遊離することができる。
【0054】
本発明の医薬及び薬学的調合物の製造は薬学的調合物の技術分野で周知の手段、装置、方法及び処理を用いて行われる。たとえばこれは“Remington's Pharmaceutical Sciences ”, Hrsg. A.R. Gennaro, 17. Ed., Mack Publishing Company,Easton, Pa. (1985),特にTeil 8, Kapitel 76-93 に記載されている。対応する文献名をここに参考として援用し、開示したものとみなす。
【0055】
患者に投与すべき、その都度の一般式 Iで表わされる本発明の飽和又は不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミンの量を変化させることがで、それはたとえば患者の体重又は年齢及び投与の種類、症状及び病気の重さに依存して変化する。少なくとも1種の本発明の置換されたシクロヘキシル-1,4-ジアミン誘導体を、通常 0,00005〜50 mgの/kg, 好ましくは0,001 〜0,5 mgの/kg投与することができる。通常、患者の体重kgあたり0,005 〜500 mg, 好ましくは0,05〜 5 mgの一般式Iで表わされる本発明の化合物少なくとも1種を投与する。
【0056】
更に、本発明は、本発明により使用される化合物を用いる苦痛, うつ病及び(又は)不安障害の治療方法にも関する。
【実施例】
【0057】
下記例に、本発明の化合物及びその製造方法及びこれをを用いて行われる有効性試験を示す。
【0058】
この際一般に次の事項が関連する:
製造された化合物の収率は最適化されていない。
【0059】
全ての温度は未修正である。
【0060】
カラムクロマトグラフィーの固定相として、シリカゲル(シリカゲル 60)(0.040〜0.063mm)(E.メルク社、ダルムシュタット)を使用した。
【0061】
薄層クロマトグラフィー分析は、HPTLC−既製プレート(HPTLC−既成プレート,シリカゲル 60 F 254,E.メルク社,ダルムシュタット)を用いて実施した。
【0062】
クロマトグラフィー分析のための溶離剤の混合比は常に容量/容量で表示した。
【0063】
用語“エーテル”はジエチルエーテルを意味する。
【0064】
例 1:
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 塩酸塩
130mlの ジエチルエーテル(高純度)中に8,8mlの 3-ブロモピリジンを有する溶液に、 -35 〜-40℃の温度で 37mlの n-ブチルリチウム溶液 (ヘキサン中に2,5 mol/l) を滴下する。この温度で更に60分後、 絶えず冷却しながら、 約20mlの ジエチルエーテル(高純度)中に溶解された11,1gのインダン-1-オンを滴下し、一晩室温になるまで加温する。ついで0 〜10℃で約30mlの 水を添加し, 相を分離し, 水相を2回 テトラヒドロフラン/ジイソプロピルエーテルで抽出し, 一緒にされた有機相を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。得られた粗生成物 (19,9g) をメタノール/酢酸エチルエステル(V/V = 5:1) を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。7,0gの予備精製された生成物が得られ, これを メタノール/酢酸エチルエステル (V/V = 0:1 〜5:1)を用いて再度シリカゲルでクロマトグラフィー分離する。3,54g の2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オールの非極性異性体が得られ, これを約140mlの アセトンに溶解させ、約 0,5mlの 水 及び約3,7mlの クロロトリメチルシランを用いて 対応する塩酸塩に変え、約30mlの 無水エタノールで洗浄し、 減圧 (約50ミリバール)で乾燥させる (収量2,64g, 融点195℃〜196℃ (分解))。1,71gの混合分画と共に、0,86g の2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オールの極性異性体が得られる。 後者を約90mlの アセトンに溶解させ、約0,13mlの水及び約0,90mlの クロロトリメチルシランを用いて 対応する塩酸塩に変える (収量 0,76 g, 融点194℃〜195℃(分解))。
【0065】
これによって、例1及び 2の 2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 塩酸塩が示された。
【0066】
同様に例8, 13及び14の化合物が得られる。
【0067】
例 3:
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩
2,17gの2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール (ジアステレオマーの混合物)に、 多量のガス発生下に2,6mlの チオニルクロライドを滴下し、混合物を攪拌下に 2,5 時間65℃に加熱し、ついで水流ポンプ減圧で濃縮する。 冷却後、まず 水を, ついで1M炭酸ナトリウム溶液を添加し、ついで テトラヒドロフラン/酢酸エチルで抽出し, 一緒にされた抽出物を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。得られた粗生成物 (1,4g)を約17 mlの 無水エタノールに 溶解させ、 水 及びクロロトリメチルシランを用いて対応する塩酸塩に変える。沈殿した固体を 吸引濾取し, 少量の無水エタノールで洗浄し、 120℃で 減圧 (約 50mbar)乾燥させる。1,74gのジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩が融点156℃〜159℃で得られる。
【0068】
これによって例 3のジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩が示された。
【0069】
同様に例9の化合物が得られる。
【0070】
例 4:
ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-インダン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩
1,25gのジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩 を約13mlの メタノールに溶解させ, 窒素下で獣炭(Tierkohole)に担持された、0,63gの10%パラジウム を添加して、2 バールの水素雰囲気下で 8時間室温で攪拌する。ついで 窒素下で 吸引濾取して、濃縮する。残留物を約12 mlの 無水エタノール中で 結晶化する。
【0071】
濾液を1M 炭酸ナトリウム溶液及び ジクロロメタンを用いてその遊離塩基に変え、メタノール/ジクロロメタン (V/V = 1:2) を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離し, それによって混合分画及び純粋な分画 を得る。混合分画を再度メタノール/ジクロロメタン (V/V = 1:2)を用いて シリカゲルでクロマトグラフィー分離する。全体で0,52gの 2- ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-インダン-2-イルメチル)-アミンが得られ, これを約 5mlの アセトンに溶解させ、水 及びクロロトリメチルシランを用いて対応する塩酸塩に変え、 (収量 0,36g, 融点 189℃〜191℃)。
【0072】
これによって 例 4の ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-インダン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩が示された。
【0073】
同様に、例 10の化合物が得られる。
【0074】
例 5:
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 塩酸塩
約125mlの ジエチルエーテル(高純度)中に7,3mlの 3-ブロモピリジンを有する溶液に、 -30 〜 -35℃の温度で 47mlの n-ブチル-リチウム溶液 (n-ヘキサン中に1,6 mol/l ) を滴下する。 この温度で更に20分後、絶えず冷却しながら ジエチルエーテル(高純度)に溶解させた11gの 2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-インダン-1-オンを滴下し, 40分この温度で再攪拌し、一晩 室温になるまで加温する。ついで -10 〜0℃で 46mlの 水を添加し、 相を分離し, 水相をジエチルエーテルで 抽出し (薄層クロマトグラフィーコントロール), 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 で洗浄し、 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。得られた粗生成物を 酢酸エチルエステル/25%アンモニア溶液 (V/V = 98:2)を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。7,06gの2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オールを得, これを約125mlの 2-ブタノン (高純度)に溶解させ、冷却下に 約 0,3mlの 水及び 約4,2mlの クロロトリメチルシランを用いて 対応する塩酸塩に変え、,これを 空気の遮断下で吸引濾取し、減圧 (約 50ミリバール)で乾燥させる (収量 6,79 gの, 2つのジアステレオマーの混合物)。
【0075】
これによって例 5の 2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール塩酸塩が示された。
【0076】
同様に例 27, 28, 30, 31, 33 及び34の化合物が得られる。
【0077】
例 6:
(6-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 塩酸塩
0,837gの 2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 塩酸塩 (ジアステレオマーの混合物)に、室温で 約 9mlの 37%塩酸を添加し, 一晩攪拌し、 ついで70℃で減圧で濃縮する。残留物を 2回 ジクロロメタン 中に取り、再度濃縮する。油状褐色残留物を40mlの アセトン中に取り、攪拌し, それによって結晶性固体が生じる。2,5 日にわたって再度攪拌後、空気の遮断下で吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、オイルポンプ減圧で乾燥させる。0,603gの (6-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 塩酸塩 が得られる。
【0078】
これによって例6の 6-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 塩酸塩 が示された。
【0079】
同様に例 15, 19, 23, 26, 29, 32 及び35の化合物が得られる。
【0080】
例 7:
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-3H-インデン-5-オール 塩酸塩
0,84gの 2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 塩酸塩 (ジアステレオマーの混合物)を、酢酸中にの約 13mlの 33% 臭化水素酸に溶解させ 、ついで100-110℃で3時間 還流下で攪拌する。反応混合物を減圧で濃縮し、32%水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし, 酢酸エチルエステルで抽出し, 一緒にされた有機相を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, 活性炭と共に攪拌し, ろ過して、濃縮する。0,62gの 2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-3H-インデン-5-オールを得、これを約22mlの 2-ブタノン/アセトン (V/V = 1:2) 溶解させ、冷却下に 約 0,04mlの 水 及び約 0,58mlの クロロトリメチルシランで対応する塩酸塩に変え、,これを空気の遮断下で吸引濾取し, ジイソプロピルエーテルで洗浄し、ついで減圧 (約 50ミリバール)で乾燥させる (収量 0,631g)。
【0081】
これによって 例 7の 2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-3H-インデン-5-オール 塩酸塩が示された。
【0082】
例 11:
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オール 塩酸塩
約 180mlの ジエチルエーテル(高純度) 中に12,0mlの 3-ブロモピリジンの溶液に、-35 〜 -40℃の温度で 50mlの n-ブチル-リチウム溶液 (ヘキサン中に2,5 mol/l )を 滴下する。この温度で更に60分後、 絶えず冷却しながら、約 70 mlの ジエチルエーテル(高純度)に溶解させた、 14,2gの 6-ジメチルアミノメチル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ベンゾシクロヘプタン-5-オンを滴下し、一晩 室温になるまで加温する。ついで 0 〜 10℃で 約 30mlの水を添加し, 相を分離し, 水相を 2回テトラヒドロフラン/ ジイソプロピルエーテルで 抽出し, 一緒にされた有機相を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。得られた粗生成物 (25,9gの) をメタノール/酢酸エチルエステル (V/V = 1:1) を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。17,9gの 生成物を得, これを無水エタノールに溶解させ、約 2,2mlの 水 及び約 15,5mlの クロロトリメチルシラン で対応する塩酸塩に変え、これを減圧 (約 50ミリバール)で乾燥させる (収量 6,6g, 融点 260℃ (分解))。
【0083】
これによって 例 11の 6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オール 塩酸塩が示された。
【0084】
例 12:
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イルメチル)-アミン 塩酸塩
5,5gの 6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オール 塩酸塩に、多量のガスの発生下に 12mlの チオニルクロライドを滴下し、混合物を2時間攪拌下に 50℃に加熱し、ついで 水流ポンプ減圧で濃縮する。冷却後、 まず2N水酸化ナトリウム溶液を添加し、 ついでテトラヒドロフラン/酢酸エチルエステルで抽出し, 一緒にされた抽出物を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。得られた粗生成物 (2,1gの) をメタノール/酢酸エチルエステル (V/V = 1:1)を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。2,01gの予備精製された生成物を得, これをメタノール/酢酸エチルエステル/n-ヘキサン (V/V/V = 1:1:1)を用いて再度シリカゲルでクロマトグラフィー分離する。1,25 gの生成物を得, これを約 10 mlの 無水エタノ−ル/ジイソプロピルエーテル (V/V = 1:1)に溶解させ、 約 0,16 mlの水及び約1,15 mlのクロロトリメチルシランで対応する塩酸塩に変える。沈殿した固体を 吸引濾取し, 少量の無水エタノールで洗浄し、 減圧 (約 50ミリバール)で乾燥させる。0,449gのジメチル-(5-ピリジン-3-イル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イルメチル)-アミン 塩酸塩(融点 259℃〜260℃)が得られる。
【0085】
これによって例12の ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イルメチル)-アミン 塩酸塩が示された。
【0086】
例16:
ジメチル-(1-オキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-1H-1λ4-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミン 塩酸塩
0,5 gのジメチル-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミン 塩酸塩 を2,5 mlの 酢酸に 溶解させ, 攪拌下に 室温で 0,29 mlの 35%過酸化水素-溶液を滴下し、24 時間再度攪拌する。反応混合物の上層に、冷却下で酢酸エチルエステルを入れ, 32%水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし, 3回 酢酸エチルエステルで抽出し, 一緒にされた有機相を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, 濾過し、ついで減圧で濃縮する。0,35gの粗生成物を得, これを分取 HPLC (Hypercarb 5μm 120×4mm, 0,5ml/分, アセトニトリル/水 (V/V = 70:30 + 0,1% ジメチルアミン))を用いて精製する。MF-ミリポア-MCE-膜 (混合されたセルロースエステル; 0,45μm) によって濾過した後、0,102gのジメチル-(1-オキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-1H-1λ4-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミンを得, これを 3mlの 2-アセトン(高純度)に 溶解させ、 冷却下に 約 0,003mlの 水 及び約 0,041mlの クロロトリメチルシランで対応する塩酸塩に変え、,これを減圧 (約 50ミリバール)で乾燥させる (収量 0,1g)。
【0087】
これによって例16の ジメチル-(1-オキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-1H-1λ4-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミン 塩酸塩 が示された。
【0088】
例 17:
4-ジメチルアミノメチル-1,1-ジオキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1λ6-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 塩酸塩
0,5gの 4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 塩酸塩を、2,5mlの 酢酸に溶解させ, 攪拌下に室温で 約0,23mlの 35% 過酸化水素-溶液を滴下し、24 時間 再度攪拌する。反応混合物の上層に冷却下で 酢酸エチルエステルを入れ, 32%水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし, 2回酢酸エチルエステルで抽出し, 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し, 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, 濾過し、ついで減圧で濃縮する。0,38gの 粗生成物が得られ, これを酢酸エチルエステル/25%アンモニア溶液 (V/V = 98:2)を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。0,15gの 混合分画及び0,13gのジメチル-(1-オキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-1H-1λ4-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミンが得られる。後者を6mlの 2-アセトン(高純度)に溶解させ、ついで冷却下に約 0,004mlの水及び約 0,043mlの クロロトリメチルシランを用いて対応する塩酸塩に変え, これは減圧 (約 50ミリバール)で乾燥させる (収量0,09gの 白色固体)。
【0089】
これによって、例17の4-ジメチルアミノメチル-1,1-ジオキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1λ6-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 塩酸塩が示された。
【0090】
例 18:
2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール; 塩酸塩
工程 1:
2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-インダン-1-オン塩酸塩
2gの 5-フルオロ-インダン-1-オンを、10,5mlの アセトニトリルに溶解させ, 1,84 mlの ビスジメチルアミノメタンを添加し、0,95 mlの アセチルクロライドを 0〜 10℃で滴下する。3 時間50℃で、ついで 18 時間室温で攪拌する。生じた沈殿をろ過し, 1回アセトニトリル/イソプロピルエーテル (V/V = 1:1) で、ついで2回アセトンで洗浄し、減圧で乾燥させる (収量 2,9 g)。
【0091】
工程 2:
2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-インダン-1-オン
2,8 gの 2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-インダン-1-オン塩酸塩を水に溶解させ, 冷却下に32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH 12に調整し, 3回ジクロロメタンで抽出し、一緒にされた有機相を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, 濾過し、ついで減圧で濃縮する。
【0092】
工程 3:
2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール; 塩酸塩
約 28mlのジエチルエーテル(高純度)中に1,55mlの 3-ブロモピリジンを有する溶液に、 -35 〜 -40℃の温度で約 10mlの n-ブチルリチウム溶液 (1,6 mol/l in n-ヘキサン中に1,6 mol/l )を滴下する。 この温度で更に20後、 絶えず冷却しながら、工程2からの、ジエチルエーテル(高純度)に溶解された生成物2,2gを滴下し、 40分この温度で 再度攪拌し、ついで一晩室温になるまで加温する。ついで-10 〜 0℃で 10,5mlの 水を添加し, 相を分離し, 水相を3回ジエチルエーテルで 抽出し (薄層クロマトグラフィーコントロール), 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。得られた粗生成物を、酢酸エチルエステル/25%アンモニア溶液 (V/V = 98:2)を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。1,5gの 2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オールを得, これを約 50mlの アセトン(高純度)に溶解させ und 冷却下に 約 0,047mlの 水及び約 0,665mlの クロロトリメチルシランを用いて対応する塩酸塩に変え、これを空気の遮断下で吸引濾取し、ついで減圧 (約50ミリバール)で乾燥させる (収量 1,05gの, 2つのジアステレオマーの混合物)。
【0093】
これによって、例 18の2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 塩酸塩が示された。
【0094】
例 19:
(6-フルオロ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン塩酸塩
0,5 gの 2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 塩酸塩 (ジアステレオマーの混合物)に、室温で 約 5,4 mlの 37%塩酸を添加し, 一晩攪拌し、ついで 減圧で濃縮する。残留物を 2回ジクロロメタン中に取り、ついで再度攪拌する。残留物を15 mlのアセトン中に取り、2 時間攪拌し、そこで結晶性固体が生じ、これを空気の遮断下で吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、ついでオイルポンプ減圧で60℃で乾燥させる。0,39 gの (6-フルオロ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 塩酸塩が得られる。
【0095】
これによって、例19の (6-フルオロ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 塩酸塩が示された。
【0096】
例 20:
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール 塩酸塩
5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オンを、文献(名国特許第6159996 A1号明細書, 2000年12月12日)に反して下記のように製造する:
工程 1:
3-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-プロピオン酸
約125mlの 酢酸エチルエステル(高純度)中の15 gの 3-(トリフルオロメトキシ)-ケイヒ酸に、窒素雰囲気下で 活性炭上に担持された、0,69 gの 5% パラジウムを添加し、ついで 18 時間 室温で2 バールの水素圧で水素添加する。ついで 珪藻土を介してろ過し、3回酢酸エチルエステルで洗浄し、一緒にされた濾液を25 〜 40℃で減圧で濃縮する (収量 15,8 g)。
【0097】
工程 2:
5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オン
工程 1からの12,4 gの 生成物に、約 5℃で攪拌下に 約 37mlの トリフルオロメタンスルホン酸を添加し、ついで 18 時間 室温で攪拌する。ついで 砕かれた氷を入れ、ジエチルエーテルで抽出する。一緒にされた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液, 水 及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過し、減圧で25 〜 40℃で濃縮する (収量 10,1 g)。
【0098】
工程 3:
2-ジメチルアミノメチル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オン 塩酸塩
37 mlの アセトニトリル中に工程 2からの生成物10,1 gを有する溶液に、6,4 mlの ビス-(ジメチルアミノ)-メタンを添加し、0 〜 10℃で3,3 mlの 酢酸クロライド 滴下し, さらに25 mlの アセトニトリルを添加し, 3 時間50℃で、ついで 18 時間 室温で攪拌する。生じた固体を吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、 ついで減圧で乾燥させる (収量 12,4 g)。
【0099】
工程 4:
2-ジメチルアミノメチル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オン
工程 3からの生成物14 gを水に溶解させ, 冷却下に32%水酸化ナトリウム溶液 で pH 12に調整し, 3回ジクロロメタンで抽出し、一緒にされた有機相を硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, 濾過し、ついで減圧で濃縮する。
【0100】
工程 5:
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール
約108mlの ジエチルエーテル(高純度)中に6,0mlの 3-ブロモピリジンを有する溶液に、-35 〜 -40℃の温度で39mlの n-ブチルリチウム溶液 (1,6 mol/l in n-ヘキサン)を滴下する。この温度で更に20後、絶えず冷却しながら、ジエチルエーテル(高純度) に溶解させた、工程4からの11,3gの 生成物を滴下し、40分この温度で再度攪拌し、一晩 室温になるまで加温する。ついで -10 〜 0℃で41mlの 水を添加し, 相を分離し, 水相を 3回ジエチルエーテルで抽出し (薄層クロマトグラフィーコトロール), 一緒にされた有機相を 飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。得られた粗生成物を酢酸エチルエステル/25%アンモニア溶液 (V/V = 98:2) を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。2-ジメチルアミノ-メチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール非極性ジアステレオマー3,4g及び2-ジメチルアミノ-メチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オールの非極性及び極性ジアステレオマーの混合物8,7 g(酢酸アミドで不純化されている)が得られる。この不純なジアステレオマー混合物を50 mlの ジエチルエーテル中に取り, 20分40℃で攪拌し, 冷却下に再度攪拌し、生じた沈殿を吸引濾取する。母液を15 mlの ジエチルエーテルで溶解させ、生じた沈殿を吸引濾取する。母液を20 mlの ジエチルエーテル/n-ヘキサン (V/V = 1:1)に溶解させ, MF-ミリポア-MCE-膜 (混合セルロースエステル; 0,45 μm)を介して濾過し、ついで減圧で濃縮する。2-ジメチルアミノ-メチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オールの純粋なジアステレオマー混合物6,3 gが得られ, これを 約 80mlの アセトン(高純度)に溶解させ、冷却下に それぞれ4つの分けて 約 0,322 mlの 水 及び約 4,54mlの クロロトリメチルシランで対応する塩酸塩に変え, これを減圧 (約50ミリバール)で乾燥させる (収量 6,6gの 2-ジメチルアミノ-メチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール 塩酸塩 (ジアステレオマーの混合物))。
【0101】
これによって、 例20の2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール 塩酸塩が示された。
【0102】
例 21:
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメトキシ-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩
1,2gの 2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール塩酸塩 (ジアステレオマーの混合物)に、室温で 約10,8mlの 37%塩酸を添加し, 一晩攪拌し、15 mlの アセトン(高純度)を添加し、2 時間 攪拌する。 油状,一部結晶性の沈殿が生じ、これから上澄みをデカンテーション除去する。残留物を 約 40 mlの アセトン(高純度)中に取り、攪拌し、そこで微細な結晶が生じ, これを空気の遮断下で吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、 オイルポンプ減圧で25 〜 60 °Cで乾燥させる。1,17gのジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメトキシ-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン塩酸塩が得られる。
【0103】
これによって、 例 21のジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメトキシ-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 塩酸塩が示された。
【0104】
例 22:
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメチル-インダン-1-オール 塩酸塩
例18 のインダノンを5-トリフルオロメチル-インダン-1-オンに変え、例 18, 工程 1においてパラホルムアルデヒド 及びジメチルアンモニウムクロライドを使用し, そして例 18, 工程2 〜 3に記載した方法を適用した場合, 目的化合物が得られる。.
5-トリフルオロメチル-インダン-1-オンが、例 20, 工程 1で 3-(トリフルオロメトキシ)-ケイヒ酸を 3-(トリフルオロメチル)-ケイヒ酸に変え、そして例 20, 工程1 〜 2に記載された方法の適用下で, 並びに7-トリフルオロメチル-インダン-1-オンの引き続きのカラムクロマトグラフィー分離によって得られる。
【0105】
これによって例 22の2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメチル-インダン-1-オール 塩酸塩が示された。
【0106】
例 24:
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-5-オール 塩酸塩
例18でインダノンを3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b]オキセピン-5-オンに変え、目的化合物が得られる。
【0107】
3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b]オキセピン-5-オンを、文献 (A. Orita, J. Yaruva, J. Otera Angew. Chem. 1999, 111, 2397)に反して フェノキシ酪酸とポリリン酸との反応によって有利に得られる。
【0108】
これによって例24 及び 25の 4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-5-オール 塩酸塩が示された。
【0109】
例 36:
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 塩酸塩
工程 1:
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ナフタレン-1-オン塩酸塩
12 mlの アセトニトリル中に5 gの5-メトキシ-1-テトラロンを有する溶液に、 3,9 mlの ビス-(ジメチルアミノ)-メタンを添加し, 0 〜10℃で2,0 mlの 酢酸クロライド を滴下し, 別の10 mlの アセトニトリルを添加し, 3時間50℃で、ついで 18時間室温で 攪拌する。生じた固体を吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、 減圧 で乾燥させる(収量 6,4 g)。
【0110】
工程 2:
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ナフタレン-1-オン
工程 1 からの生成物16gを水に 溶解させ, 冷却下に 32%水酸化ナトリウム溶液 で pH 12に調整し, 3回 ジクロロメタンで抽出し、一緒にされた有機相を硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, 濾過し、ついで減圧で濃縮する。.
工程 3:
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 塩酸塩
約 180mlの ジエチルエーテル(高純度) 中に 10,0mlの 3-ブロモピリジンを有する溶液に、-35〜-40℃の温度で、約 65mlの n-ブチル-リチウム溶液(n-ヘキサン中に1,6 mol/l ) を滴下する。この温度で更に20分後、絶えず冷却しながら、ジエチルエーテル(高純度)中に溶解させた、工程2からの生成物16gを滴下し、40 分この温度で再攪拌し、一晩 室温になるまで加温する。 ついで -10〜0℃で 68mlの 水を添加し, 相を分離し, 水相を 2回ジエチルエーテルで 抽出し (薄層クロマトグラフィーコントロール), 一緒にされた有機相を 飽和塩化ナトリウム溶液 で洗浄し、硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。
【0111】
得られた粗生成物を、まずジエチルエーテル/25%アンモニア溶液 (V/V = 98:2) で洗浄し、ついでジエチルエーテル/メタノール/25%アンモニア溶液 (V/V/V = 93:5:2) を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。
【0112】
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オールの非極性異性体2,59gを得, これを約 100mlの アセトンに 溶解させ、約 0,075mlの水及び約 1,05mlのクロロトリメチルシランで対応する塩酸塩に変える。その塩酸塩を、空気の遮断下で吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、 減圧で 室温で 、ついでデシケーター中でオイルポンプ減圧でシカサイド (不活性ケイ粉担体材料上に担持された硫酸)を介して乾燥させる(収量 2,4 g)。
【0113】
更に2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール極性異性体6,9gが得られ, これを約 200mlのアセトンに溶解させ、約 0,25mlの水及び約3,5mlの クロロトリメチルシランをそれぞれ3つに分けて添加し、ついで1,5 時間 室温で攪拌することによって対応する塩酸塩に変える。この塩酸塩を、空気の遮断下で吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、 減圧で室温で、ついで デシケーター中でオイルポンプ減圧でシカサイドを介して乾燥させる (収量7,9g)。
【0114】
これによって、例36 及び37の2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール塩酸塩が示された。
【0115】
例 38:
(5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 塩酸塩
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オールの極性異性体1,2gに、 室温で約12 mlの 37%塩酸を添加し, 一晩 室温で 並びに2時間 50℃で攪拌し、ついで70℃で減圧で濃縮する。残留物を 2回ジクロロメタン中に取り、再度濃縮する。油状褐色残留物を4 mlの アセトン(高純度)中に取り、 攪拌し, それによって結晶性固体が生じる。これを空気の遮断下で吸引濾取し, 2回ジエチルエーテルで洗浄し、油圧ポンプ減圧で乾燥させる。
【0116】
固体に再度37% 塩酸を添加し、一晩45℃で攪拌し、ついで70℃で減圧で濃縮する。残留物を2回ジクロロメタン中に取り、再度濃縮する。ベージュ色の固体を40 mlの アセトン(高純度)中に取り、2時間攪拌し、空気の遮断下で吸引濾取し 、ついで25〜60℃でオイルポンプ減圧で乾燥させる (収量 0,68 gの)。
【0117】
これによって、例 38の (5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン塩酸塩 が開示された。
【0118】
例 39:
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-7,8-ジヒドロ-ナフタリン-1-オール 塩酸塩
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オールの極性異性体1,25 gの を、酢酸中の33% 臭化水素酸約16mlに溶解させ、 5時間還流下で、ついで 18時間加熱せずに攪拌する。反応混合物を減圧で濃縮し, 残留物を氷水中に取り、水相をジエチルエーテルで洗浄する。水相を32%水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし, 酢酸エチルエステルで抽出し, 一緒にされた有機相を 硫酸マグネシウムを介して乾燥させ, ろ過して、濃縮する。
【0119】
得られた粗生成物を、 酢酸エチルエステル/25%アンモニア溶液 (V/V = 98:2) を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー分離する。0,86gの6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-7,8-ジヒドロ-ナフタリン-1-オールを得, これを約20mlのアセトン (高純度)に溶解させ、冷却下に 約0,027mlの 水 及び約 0,380mlのクロロトリメチルシランを用いて対応する塩酸塩に変え、これを空気の遮断下で吸引濾取し、減圧 (約50ミリバール)で乾燥させる (収量 0,67)。
【0120】
これによって例 39の 6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-7,8-ジヒドロ-ナフタリン-1-オール 塩酸塩 が開示された。
【0121】
薬理試験
a)ヒトμ-オピエート受容体対する親和性及び 5-HT- 及び NA-再取り込み阻害の測定方法
ヒトμ-オピエート受容体に対する親和性の試験
ヒト μ-オピエート受容体に対する受容体親和性を、マイクロタイタープレート中の均質な混合物の形で測定する。このためにCHO-K1-細胞-------- これはヒトμ-オピエート受容体 を発現する(RB-HOM-receptor membran-Praparation、NEN社, Zaventem, ベルギー)-------- の受容体膜調製物 (250 μlの インキュベーション混合物あたり15-40 μg の蛋白質)を用いて希釈された供試化合物の系統的希釈物を、1 nmol/l の 放射性リガンド [3H]-ナロキソン (NET719, NEN社, Zaventem, ベルギー) 並びに1 mgのWGA-SPA-Beads (Wheat germ agglutinin SPA Beads、Amersham/Pharmacia社, フライブルグ, ドイツ)の存在下に全容量 250 μlで 90 分間室温でインキュベートする。インキュベーション緩衝液として、0,05 重量%ナトリウムアジド及び 0,06 重量% ウシ血青アルブミンが補充された50 mmol/l のトリス-HClを使用する。非特異性結合の測定のために、更に25 μmol/l のナロキソンを添加する。90分のインキュベート時間の終了後、マイクロタイタープレートを20 分間1000 gで遠心分離し、放射能をβ-カウンター (Microbeta-Trilux, PerkinElmer Wallac社, フライブルグ, ドイツ) で測定する。放射性リガンドの置換率(die prozentuale Verdraengung)をヒトμ-オピエート受容体へのその結合から1 μmol/l の供試化合物濃度で測定し、特異結合の阻害率 (%阻害)として示す。供試化合物の種々の濃度による百分率変位(Verdraegung)から出発して、放射性リガンドの50-%置換を生じさせる IC50阻害濃度を計算する。Cheng-Prusoff-式を用いて換算することによって供試化合物に対するKi-値が得られる(Cheng及びPrusoff 1973)。
【0122】
5-HT- 及びNA-再取り込み阻害試験
この試験管内試験を実施するために、シナプトゾームをラット脳領域から新たに単離する。それぞれいわゆる“P ”-フラクションを使用する。これは正確にGray, E.G. 及び Whittaker, V.P.の規定(1962, J. Anat. 76, 79-88)にしたがって調製する。NA- 再取り込みに関しては、この小胞性粒子を雄性ラット脳の視床下部から、そして5-HT- 再取り込みに関しては、脊髄+橋-領域(Medulla + Pons-Region)から単離する。
【0123】
次の特有値をそのNA- 及び 5HT-取り込み阻害について検出した:
NA-再取り込み: Km = 0,32±0,11 μM
5-HT-再取り込み: Km = 0,084±0,011μM
(それぞれN=4,すなわち平均値±SEM (これは三重-パラレル試験で実施された 4 つの独立した試験法から得られる))。
【0124】
詳細な方法の説明は、文献:Frink, M. Ch., Hennies, H.H., Englberger, W. et al. (1996, Arzneim.-Forsch./Drug Res. 46(III) 11, 1029-1036))にある (その開始をマイクロタイタープレート(250 μl /ウエル) 上で室温で行うこともできる。)。
【0125】
評価:
一定の供試化合物濃度 (たとえば調製物中に1x10-6M又は1x10-5M)での%阻害と共に, 薬用量依存性を調べる。この場合、IC50-値が得られ、これは“Cheng-Prusoff 方程式” (Cheng 及び Prusoff, 1973)にしたがって 阻害定数(Ki) で換算することができる。 このIC50 値はコンピュータ-プログラム“Figure P” (Version 6.0, Biosoft, ケンブリッジ, 英国)を用いて得られる。Km-値は Lineweaver及び Burk (1934)にしたがって算出される。 KD-値を示すために、コンピュータ-プログラム“ Ligand”(Version 4, Biosoft, 英国) を利用する。
【0126】
本発明の化合物に関して、μ-オピエート受容体に対する明らかな親和性及び(又は)セロトニン- 又は ノルアドレナリン再取り込みの明らかな阻害が測定される。
例の結果並びに比較物質 ベンラファキシン及びデユロキセチンに対する結果を次の表に表す。
【0127】
【表1】

【0128】
a) マウス及びラットでのホルマリンテストでの鎮痛作用試験
ホルマリンテスト (Dubuisson, D. and Dennis, S.Gの., 1977, Pain, 4, 161 - 174) は、急性並びに慢性苦痛に対するモデルである。
【0129】
後足の背側部位に1回ホルマリン注射して、自由に動き回る実験動物において二段階侵害受容反応を誘発させる。この反応は3つの明らかに相互に異なる挙動パターンの観察によって認識される。反応を二段階: 段階 1 = すぐに反応 (期間 〜 10分; 足を震わす, 舐める), 段階 2 = 遅れて反応 (静止段階の後; 同様に足を震わす, 舐める; 期間 〜 60分)。 第一段階は,高い脊髄侵害受容インプット又はグルタマート放出 (急性苦痛段階)で末梢侵害受容センサーの直接刺激を反映する; 第二段階は、 脊髄及び末梢の感覚過敏増加(慢性苦痛段階)を反映する。ここの提示する試験で、慢性苦痛要素 (段階 2)を評価する。
【0130】
ラットでのホルマリンテスト:
ホルマリンを、50μLの容量及び5 % の濃度で各動物の右後足の背側部位に皮下投与する。特異的挙動変化, たとえば 足を少し持ち上げる及び震わす, 動物の体重移動並びに噛む- 及び舐める反応を、ホルマリン注射後 21 〜 27 分の観察期間で観察し、記録する。種々の挙動発現の概要は、いわゆるPain-Rate (PR)で行われる。これは各3分の間隔に対して、平均侵害受容反応を算出する。PR の算出は、観察された挙動発現 (挙動スコア1, 2, 3に相当)の数値による評価(= それぞれファクタ 1, 2, 3)に基づいて行われ、そして下記式を用いて算出する:
PR = [(T0 x 0) + (T1 x 1) + (T2 x 2) + (T3x 3)] / 180
この場合、 T0, T1, T2 及び T3 はそれぞれ時間(秒)に相当し, ここで動物は挙動発現0, 1, 2 又は3を示す。グループの大きさは動物10匹である (n=10)。
【0131】
マウスのホルマリンテスト:
ホルマリンを、20μLの容量及び1 % の濃度で各動物の右後足の背側部位に皮下投与する。特異的挙動変化, たとえば 足を少し持ち上げる及び震わす(スコア3)を、ホルマリン注射後 21 〜 24 分の観察期間で観察し、記録する。グループの大きさは動物10匹である (n=10)。
【0132】
PR-計算に基づき、 物質の作用をコントロールに対する変化として百分率で算出する。ED50-測定は回帰分析を用いて行われる。
【0133】
本発明の化合物並びに比較物質ベンラファキシン及びデュロキセチンに関して侵害受容挙動の阻害を観察する。その結果を下記表に示す。
【0134】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのラセミ化合物、そのエナンチオマー、そのジアステレオマー, 特にそのエナンチオマー又はそのジアステレオマーの混合物又は個々のエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物並びにその遊離塩基又はその生理学的に許容し得る酸との共に形成される塩の形でもある、一般式I
【化1】

{式中、
W はCH2, O, S, SO 又はSO2 であり、そしてn は 0 - 3であり,
R1 及びR2 は相互に無関係に H, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又はC3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O 又は NR3'
<式中、 R3' は、H, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又は C2-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない);アルキルアリール(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); アリール(一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。]
から選ばれるか, 又は
R1 及びR2 は一緒になって C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない)を形成するか又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O 又は NR4'
<式中、 R4' は、H, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又は C3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。]
を形成し、
そして
R3 〜R6は相互に無関係にH 又は他方の縮合環以外の任意の残基から選ばれ,
この残基は F, Cl, Br, I, CN, CF3, OCF3, NO2, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又はC3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない), 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子はS, O 又は NR5'
<式中、R5'
H, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又は C2-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。],
OR6', OC(O)R6', OC(S)R6', C(O)R6', C(O)OR6', C(S)R6', C(S)OR6', SR6', S(O)R6' 又は S(O2)R6'
《式中、 R6' はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル 又は C2-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない), 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O又は NR7
<式中、R7 はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル又はC3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。]、
アルキルアリール(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); アリール又はヘテロアリール(それぞれ一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。》、
NR8R9, C(O)NR8R9 又は S(O2)NR8R9
《式中、 R8 及び R9 は相互に無関係に
H, C1-C18-アルキル, C2-C18-アルケニル 又は C3-C18-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない), 又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O又はNR10
<式中、R10 はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル 又は C3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない), から選ばれる。>
によって置換されている。],
アルキルアリール, (飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない); アリール又はヘテロアリール(それぞれ一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれるか、
あるいは
R8 及び R9 は一緒になってC3-C7-シクロアルキル(飽和又は不飽和, 一回以上置換されているか又は置換されていない)を形成するか, 又は又は対応するヘテロ環
[この環中のC-原子は、S, O又はNR10
<式中、R10 はH, C1-C10-アルキル, C2-C10-アルケニル 又は C3-C10-アルキニル(それぞれ分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。>
によって置換されている。],
アルキルアリール, アリール 又はヘテロアリール(それぞれ一回以上置換されているか又は置換されていない)から選ばれる。》
を意味し、
そしてXが同時にHである場合,YはH又はOHから選ばれるか, あるいはX及びYが一緒になって結合を形成する。}
で表わされる飽和及び不飽和3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン類。
【請求項2】
n < 3である、請求項1記載の一般式Iで表わされる化合物。
【請求項3】
W = CH2 であり、そしてn < 3である、請求項1又は2記載の一般式Iで表わされる化合物。
【請求項4】
W = CH2 であり, n < 3であり, R1 及びR2 = メチルであり、そして R5 及びR6 = H を意味する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の一般式Iで表わされる化合物。
【請求項5】
化合物が、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (1)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (2)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (3)、
ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-インダン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (4)、
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (5)、
(6-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (6)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-3H-インデン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (7)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (8)、
ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (9)、
ジメチル-(1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (10)、
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (11)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (12)
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-5-オール及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (13)、
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (14)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (15)、
ジメチル-(1-オキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-1H-1λ4-ベンゾ[b]チエピン-4-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (16)、
4-ジメチルアミノメチル-1,1-ジオキソ-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1λ6-ベンゾ[b]チエピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (17)、
2-ジメチルアミノメチル-5-フルオロ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (18)、
(6-フルオロ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (19)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメトキシ-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (20)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメトキシ-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (21)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-5-トリフルオロメチル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性及び非極性ジアステレオマー) (22)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメチル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン及びその対応する塩酸塩 (23)、
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (24)、
4-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-5-オール及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (25)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]オキセピン-4-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (26)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-クロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (27)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-クロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (28)、
ジメチル-(4-ピリジン-3-イル-2H-クロメン-3-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (29)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-チオクロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (30)、
3-ジメチルアミノメチル-4-ピリジン-3-イル-チオクロマン-4-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (31)、
ジメチル-(4-ピリジン-3-イル-2H-チオクロメン-3-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (32)、
2-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (33)、
2-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-インダン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (34)、
(5-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (35)、
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (非極性ジアステレオマー) (36)、
2-ジメチルアミノメチル-5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (極性ジアステレオマー) (37)、
(5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (38)及び
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-7,8-ジヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (39)
から選ばれる、請求項1又は2記載の一般式Iで表わされる化合物。
【請求項6】
化合物が、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (3)、
(6-メトキシ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (6)、
2-ジメチルアミノメチル-1-ピリジン-3-イル-3H-インデン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (7)、
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オール 及びその対応する塩酸塩 (11)、
ジメチル-(5-ピリジン-3-イル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (12)、
(6-フルオロ-3-ピリジン-3-イル-1H-インデン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (19)、
ジメチル-(3-ピリジン-3-イル-6-トリフルオロメトキシ-1H-インデン-2-イルメチル)-アミン 及びその対応する塩酸塩 (21)、
(5-メトキシ-1-ピリジン-3-イル-3,4-ジヒドロ-ナフタリン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン 及びその対応する塩酸塩 (38)及び
6-ジメチルアミノメチル-5-ピリジン-3-イル-7,8-ジヒドロ-ナフタリン-1-オール 及びその対応する塩酸塩 (39)
から選ばれる、請求項1、2又は5記載の化合物。
【請求項7】
一般式 I で表わされる化合物又はその薬学的に許容し得る塩の製造にあたり, 一般式 II で表わされるシクロアルカノンを 式 IIIで表わされるインモニウム塩(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そしてR11 はR2 と同一の意味を有する。)と又は パラホルムアルデヒド 及び式 IV で表わされるアミン(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そしてR11 はR2 と同一の意味を有する。)と反応させ, 得られたマンニッヒ-塩基を式 Vで表わされる金属有機化合物(式中、 Zは Liを意味する。)と-70°C〜60°Cの溶剤中で反応させ、
但し、この際R10 又はR11 あるいは双方が同時に水素である場合, マンニッヒ-反応に一般式 III又はIVで表わされる化合物(式中、R10 又は R11 あるいはR10 及び R11 はベンジル基であり、これは水素との接触反応で除去される。)を使用し, そして式 Vで表わされる化合物(式中、Zはリチウム又はマグネシウム-ハロゲニドを意味する。)を、式 VIで表わされるハロゲン化合物(式中、 A はCl, Br又はI を意味する。)、好ましくは n-ブチルリチウム/ヘキサン-溶液とハロゲン-リチウム交換反応させることによって製造するか,
あるいは
式 Vで表わされる化合物を、セリウム(II)ハロゲニドの存在下に式 II で表わされる化合物 と反応させ, それによって一般式 VIIで表わされる生成物(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そして R11 は R2 と同様な意味を有する。)を得, これをチオニルクロライドと反応させ、ついで後処理して、一般式 IXで表わされる化合物又は一般式VIII 及びIXで表わされる化合物(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そして R11 は R2 と同様な意味を有する。)からなる混合物を得て, これらの化合物を分離するか,
又は
一般式 IXで表わされる化合物を一般式 VIIで表わされる化合物 と強酸との反応によって製造し, ついで一般式 VIIIで表わされる化合物の水素添加分解性離脱又は 一般式 IXで表わされる化合物(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そして R11 は R2 と同様な意味を有する。)の水素添加を, 溶剤中で 圧力0,1〜10バール及び温度20℃〜80℃で、水素との接触反応によって実施して、式 Xで表わされる化合物(式中、 R10 はR1 と同様な意味を有し、そして R11 は R2 と同様な意味を有する。)とし、それによって一般式 Iで表わされる化合物(式中、W はSO 又はSO2 を示す。)を対応する化合物 (式中、W はSを示す。)の酸化によって製造することを特徴とする、上記一般式Iで表わされる化合物の製造方法。
【請求項8】
一般式 Iで表わされる不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン類(式中、X 及びYは一緒になって結合を形成する。)の製造方法において、一般式 XIで表わされる化合物(式中、 G2 はCl, Br, I, Sn(アルキル)3 又はOSO2CF3 を示す。)と、一般式 XIIで表わされる化合物[式中、G1 はCl, Br, I 又は B(ORx)2 (式中、Rx は H 又はアルキルから選ばれる。)を示す。]との遷移金属-触媒によるクロスカップリングを行い, この際この反応を塩基の存在下又は不在下に、そしてリガンドの存在下又は不在下に実施することができることを特徴とする、上記一般式Iで表わされる化合物の製造方法。
【請求項9】
一般式 Iで表わされる 不飽和 3-ピリジル-ベンゾシクロアルキルメチル-アミン類(式中、 X 及びY は一緒になって結合を形成し、W はO 又は Sであり、そしてn = 1である。)の製造方法において、一般式 XIIIで表わされるオルト-ハロゲン置換されたフェノール/チオフェノール(式中、ハロゲンはBr, I, OSO2CF3から選ばれる。)を、 一般式 XIV で表わされる置換されたプロパルギルアミンと又は一般式 XV で表わされるプロパルギルアルコール又はその誘導体(式中、Ro はH 又は保護基から選ばれる。)と反応させ, この際一般式 XV で表わされるプロパルギルアルコール又はその誘導体を使用する場合、 官能基 ORoを後続の反応工程で公知の方法にしたがってアミノ官能基 NR1R2 に変えることを特徴とする、上記一般式Iで表わされる化合物の製造方法。
【請求項10】
式 I に含まれるOH-基少なくとも1個をOSi(Ph)2tert.ブチル基によって, SH-基少なくとも1個をS-p-メトキシベンジル基によって、及び(又は)NH2-基少なくとも1個をNO2-基によって置換し、ついで全反応工程の終了後OSi(Ph)2tert.ブチル基 をテトラフラン中でテトラブチルアンモニウムフルオリドで及び(又は)p-メトキシベンジル基少なくとも1個を金属アミン, 好ましくは ナトリウムアミンで離脱させるか, 及び(又は) NO2-基少なくとも1個を還元してNH2 とする、請求項7, 8 又は 9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
ブチルリチウム-反応の後、少なくとも1個の C(O)OCH3- 及び(又は) C(S)OCH3-基 を有する目的生成物をKOH-溶液又はNaOH-溶液を用いて メタノール中で 40℃〜60℃でけん化する、請求項7, 8, 9 又は10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1種の 一般式 I で表わされる化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む、医薬。
【請求項13】
一般式 Iで表わされる化合物又はその薬学的に許容し得る塩の苦痛, うつ病及び(又は) 不安障害の治療用医薬の製造への使用。
【請求項14】
一般式 Iで表わされる化合物又はその薬学的に許容し得る塩 の 偏頭痛, 尿失禁, 線維筋痛, 摂食障害, 過食症, 多動性, 薬物依存, -中毒及び -禁断症状, トリコチロマニー, ツレット症候群, 皮膚疾患、たとえばヘルペス後神経痛及び掻痒症, 精神病, 記憶障害, 認知障害及び(又は)アルツハイマー病の治療用医薬の製造への使用。
【請求項15】
一般式Iで表わされる化合物少なくとも1種又はその薬学的に許容し得る塩のうちの1種並びに少なくとも1種の医薬用助剤を含む、医薬調合物。
【請求項16】
治療上有効な量の一般式 Iで表わされる化合物又はその薬学的に許容し得る塩のうちの1種を投与することを特徴とする、 哺乳類及び(又は)ヒトにおける苦痛状態及び(又は)うつ病及び(又は)不安障害を治療する方法。

【公表番号】特表2008−503523(P2008−503523A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517174(P2007−517174)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006624
【国際公開番号】WO2005/123681
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】