説明

菓子用の食用脂ベースのシェルを製造するための方法及び装置並びにそれにより製造された菓子

本発明は、その容積を画定する所望の形状を有する包装用支持体の表面に食用脂ベースのシェルを形成するための方法及び装置に関する。この包装用支持体の表面に、ある量の食用シェル形成組成物の量から、一貫した厚さの1つ又は複数の壁が形成される。この組成物は1種又は数種の脂肪を含み、支持体の表面にシェルを形成する前に、約10から40ポイズの塑性粘度及び約50から250ダイン/cmの降伏価を有する。この食用脂ベースのシェルの壁は、カップ、コーン又は頂部が開いた他の容器の形状を有することが好ましく、その中に充填物が少なくとも部分的に保持される。このシェルは本発明の他の実施形態を表す。製品を消費する前に包装用支持体は取り外される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子(confectionery)、好ましくは冷凍菓子ノベルティ(frozen confectionery novelty)などのさまざまな品目を保持するための食用容器として使用するための食用脂ベースのシェルを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
相補的な組合せの異なる食用材料から形成された複合製品を求める消費者需要がますます高まっている。異なる成分をその中に含むさまざまな組合せのチョコレートシェル(chocolate shell)が存在する。チョコレート菓子の他に、多くの冷凍菓子製品が知られている。1つの望ましい組合せはアイスクリームとチョコレートの組合せである。しかし、人の関心を引く新規の製品を費用効果的な一貫した方法で製造するために、これらの材料を、さまざまな形状及びサイズで統合し包装することには、製造上及び包装上のかなりの困難が伴う。
【0003】
チョコレート又は他の脂肪ベースのコーティングで冷凍菓子製品をコーティングし又はライニング(lining)するための既存の方法には、ディッピング(dipping)、エンロービング(enrobing)、スプレーイング(spraying)及びフォーミング(forming)が含まれる。当技術分野においてよく知られているように、ディッピング及びエンロービングは、コーン(cone)並びに他の食用及び非食用の形状の内側をライニングする目的には適さない。伝統的にアイスクリームコーンは、霧状の脂肪ベースのコーティングをコーンに吹き付ける(spraying)ことによって(「ホローコーンスプレー(hollow−cone spray)」技法として知られている)、或いは霧化されていないコーティングの1つ又は複数のジェットをコーンに吹き付けることによって、ライニングされた。しかし、許容される被覆率を達成するためには、このようなコーティングの脂肪含量が40%を超える必要があり、これは一般に50%以上である。本物のチョコレート(real chocolate)は脂肪含量が低すぎ、適切に霧化するためには粘度が高すぎるため、このプロセスに対してほとんどの本物のチョコレートは使用することができない。したがって、このプロセスでは高脂肪含量の複合コーティングが使用され、このコーティングの高い脂肪含量は味わいを低下させる。高い脂肪含量はさらに、急速なランダウン(rundown)を引き起こし、コーンの上縁の壁が最も薄く、コーンの底に向かうにつれて厚くなる一貫しないコーンの厚さを与え、コーンの先端にチョコレートの大きな塊を生み出す。
【0004】
最近になって、空のコーンスリーブ(cone sleeve)の中に脂肪ベースのコーティングシェルを注型する、冷凍コーン技術(「フォーミング」技術としても知られている)が使用されている。この冷凍コーン法は、冷却された雌型コーン型と冷却された雄型コーンダイからなる。雌型コーン型の中に溶かしたチョコレートを注ぎ入れ、この液体チョコレートの中に雄型コーンダイを押し込む。チョコレートは硬化して中空のコーンとなる。この技法の1つの欠点は、このプロセスには実施上の多くの制限が伴うため、本物のチョコレート、すなわちカカオバターから作られたチョコレートを使用したレシピ(recipe)はそのうちのほんの一部しか使用することができないことである。さらにこの技法は、円錐形などの次第に細くなる形状のライニングにしか使用することができない。
【0005】
これらの技法の変形には、溶かしたチョコレートを雌型に注ぎ込み又は吹き付け、次いで過剰のチョコレートを型から注ぎ落とし、それによって型の内面に残った材料が固まり、これを自立型のチョコレートシェルとして取り出すことができるようにすることが含まれる。しかし、この技法の1つの欠点は、型に付着する材料の量、したがって型から注ぎ落とされる過剰の材料の量を正確に調節することが難しいことである。したがって、この製造プロセスにおいてチョコレートが消費される速度、並びに完成品の壁の厚さ及び質量を予測することが難しい。他の問題は、溶かしたチョコレートが型の最下部にたまることによって、この方法がしばしば、製品の壁厚を不均一にすることである。
【0006】
GB1017480は、吹付け穴を有するノズルを使用してコーン又は容器の内面にチョコレートコーティング材料を吹き付ける方法を開示している。この方法では、コーン又は容器の内面全体にチョコレートを吹き付けるため、ノズルが、間隔を置いて配置されたいくつかの穴を含む。この技法の1つの欠点は、製造されるコーンの厚さが一貫しないことである。比較的に厚いコーンが所望の場合、コーンの上部に吹き付けられたコーティング材料は重力によって必然的に底に向かって滴り落ち、その結果得られるコーンは、上縁が最も薄く底に向かうにつれて増大する厚さを有する。このドリッピング(dripping)は、コーンの先端を大きなチョコレートの塊で埋める。そのため、うまく製造されたコーンは、コーンの先端にチョコレートがたまることを防ぐため比較的に薄い。
【0007】
既存のチョコレートコーン製造技術の他の欠点は、フラットトップコーン(flat−top cone)の製造だけにしか使用されないことである。フラットトップコーンでは、チョコレートコーンが包装用スリーブ(packaging sleeve)の内側に作られるが、包装用スリーブの上縁からコーティング材料をあふれさせることなくスリーブの内面全体をコーティングすることが技術的に難しいため、チョコレートがスリーブの内面全体を覆わない。したがって、スリーブの最上部はコーティングされずに残され、包装用スリーブをはずすと、コーンの上に裸のアイスクリーム塊が露出する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、他の食用品目又は成分を支持し又は担持するために使用される食用容器を形成することができるさまざまな材料から、均一な厚さのシェルを製造するための方法が求められている。さらに、包装用スリーブの内面全体を食用コーティング材料でコーティングするための方法も求められている。本発明は、さまざまな低脂肪及び高脂肪コーティング材料を取り扱うことができ、一貫した厚さを有する任意の形状の製品を製造することができる新規の技法を提供することによって、従来技術のこれらの問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、食用脂ベースのシェルを製造するための方法に関し、この方法は、その容積を画定する所望の形状の包装用支持体を用意すること、及びこの包装用支持体の表面に、ある量の食用シェル形成組成物を直接にシャワリング又はポアリングすることを含み、この組成物は、固まって、包装用支持体の表面に一貫した厚さのシェルを形成し、この組成物は1種又は数種の脂肪を含み、シャワリング又はポアリング中に、約10から40ポイズの塑性粘度及び約50から250ダイン/cmの降伏価を有する。このシェルは、シェルの形成のために必要な量に等しい量のシェル形成組成物から形成され、これにより、この方法は、このようなシェルを非常に効率的に製造する。有利には、この組成物が、複数のストリームから、包装用支持体の表面にシャワリングされる。
【0010】
このシェルは、カップ、コーン又は頂部が開いた他の容器の形状を有することができ、このシェルに充填物を部分的に又は完全に充填することができる。充填物は、菓子、又はアイスクリーム、フローズンヨーグルト、シャーベット、ウォーターアイスなどのアイス菓子とすることができ、消費を容易にするために露出した塊として提供されるように、シェルの開いた頂部を越えて延びる量で存在することができる。
【0011】
シェル形成組成物はさらに、レシチン、アンモニウムホスファチド、ポリグリセリルポリリシノレアート、モノグリセリドのクエン酸エステルなどの組成物の1重量%以下の乳化剤、及び砂糖、乾燥ハチミツ、コーンシロップ固形物、ラクトース、無水デキストロース、マリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ポリデキストロース、アセスルフェーム K、スクラロース、アスパルテームなどの甘味料を含むことができる。
【0012】
この方法では、包装用支持体及びシェルをそれぞれコーンとして形成することができ、シェルは不規則な上縁を有するように形成することができる。一実施形態では、シェルが、角度がつけられ、ずれ、又は凹凸を有する上縁を有するように形成される。シェルの内面に、ナッツ、クッキー片、シリアル、果実片、チョコレートチップ、キャンディ片、ココナツなどの含有物を提供することができ、脂肪ベースのシェルの中にケーキ又はウェハコーンを埋め込むことができる。包装用支持体は、紙、箔、透明プラスチック、半透明プラスチック又は不透明プラスチック、或いはこれらの積層物を含む食品グレードの非吸収性材料から作ることができる。
【0013】
シェル形成組成物は、複数のストリームから、包装用支持体の表面にシャワリングすることができる。この複数のストリームは、シェルの均一な上縁を提供するように配置することができ、上縁は本質的に水平であり、又は本質的に均一な凹凸を有し、この複数のストリームは或いは、シェルの想像上の縦の中心線のまわりに均一に配置することができる。或いは、少なくとも1つの前記複数のストリームを、シェルの想像上の縦の中心線からずらすことができ、そのためシェルの不均一な上縁が提供される。不均一な上縁は、角度がつけられ、傾斜させ又は2重に傾斜させることができる。
【0014】
一実施形態では、シェルが、異なる色又は対照的な色の縦の帯を有する。視覚的効果のため、シェルは、その外面にパターン又は斑点を有するように形成することができる。シェルはさらに、内面に粒子状含有物を含むことができる。
【0015】
本発明はさらに、下方へ開いた位置に支持体が保持されている間に、シェル形成組成物を包装用支持体の表面に吹き付けることに関する。この倒立シャワープロセスによれば、包装用支持体及びシェルの上縁にコーティングを提供するために、包装用支持体及びシェルの開端を、液体チョコレート、液体カラメルなどの脂肪ベースの液体材料の供給源の中に浸すことができる。次いで、脂肪ベースの液体材料の中に浸したシェルの上縁を、挽き砕いたナッツ、クッキー片、シリアル、果実片、チョコレートチップ、キャンディ片又はココナツの供給源の中に浸すことができる。
【0016】
本発明はさらに、食用脂ベースのシェルを製造するための装置に関し、この装置は、その容積を画定する所望の形状の包装用支持体と、包装用支持体の表面に、本明細書に記載したタイプの食用シェル形成組成物をシャワリングするための複数の穴を有するノズルとを含み、この組成物は固まってシェルを形成し、この装置はさらに、包装用支持体の表面にこの組成物を適切にシャワリングするための動作位置に、ノズル及び包装用支持体を配置するための位置決め装置を含む。
【0017】
この装置では、好ましくはノズルが、シェルの形成に必要な量に等しい量のシェル形成組成物を分配するように操作され、有利には、包装用支持体がカップ、コーン又は頂部が開いた他の容器の形状を有し、シェルが支持体と共形となる。包装用スリーブに対して90度未満の角度に向けられたストリームを提供するように、前記穴をノズルに配置することができ、好ましくはノズルの穴を約25から35度傾けることによって、前記穴をノズルに配置することができる。
【0018】
この装置は、均一な配置の複数のストリームをシェルの表面に導き、シェルの均一な上縁を提供するために、ノズルの位置をシェルの想像上の縦の中心線に合わせるノズル取付けアセンブリをさらに含むことができる。或いは、このノズル取付けアセンブリは、不均一な配置の複数のストリームをシェルの表面に導き、角度がつけられ、傾斜し又は2重に傾斜したシェルの不均一な上縁を提供するために、ノズルの位置をシェルの想像上の縦の中心線からずらすことができる。
【0019】
この装置はさらに、シェル形成組成物が包装用支持体の中へ吹き付けられている間、下方へ開いた位置に包装用支持体を保持する手段を含むことができる。この装置はさらに、脂肪ベースの液体材料の供給源を保持するためのリザーバと、包装用支持体及びシェルの上縁にコーティングを提供するために、包装用支持体及びシェルの開端を脂肪ベースの液体材料の中に浸す手段とを含むことができる。
【0020】
本発明の方法及び装置によって形成された食用脂ベースのシェルは他の実施形態を表す。このシェルは、その容積を画定する所望の形状を有する包装用支持体と、本明細書に開示したタイプのある量の食用シェル形成組成物から包装用支持体の表面に直接に形成された一貫した厚さの1つ又は複数の壁とを含む。この食用脂ベースのシェルの壁は、カップ、コーン又は頂部が開いた他の容器の形状を有することが好ましく、その中に充填物が少なくとも部分的に保持される。充填物は一般に菓子材料のアイスクリームである。製品を消費する前に包装用支持体は取り外される。
【0021】
次に、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を例示的に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、冷凍又は非冷凍菓子(confection)などの食品を充填することができる新規の食用脂ベースのシェルを提供する。具体的には本発明は、さまざまなレシピのコーティング材料から作られた均一な厚さのコーティングでコーティングされた冷凍菓子製品を製造することに関し、従来の食用容器形成プロセスに代わる有用且つ費用効果的な代替プロセスを提供する。
【0023】
本発明の新規の「シャワー(shower)」又は「シャワーコーン(shower cone)」技術は、高脂肪含量の低粘度材料と本物のチョコレート及び他の低脂肪コーティングを含む高粘度材料の両方の使用を可能にし、したがって、この技術は、さまざまなレシピの本物のチョコレート並びに広範囲のさまざまなタイプの複合コーティングを取り扱うことができる。コーティング組成物中で使用されるチョコレートは、一般に認められた規制に基づく通常の又は本物のチョコレートとすることができ、或いは砂糖、乳由来の成分並びに植物又はカカオ源からの脂肪及び固形物をさまざまな割合で含む、脂肪含有菓子複合材料とすることができる。この脂肪含有材料は、カカオバター代用物、ステアリン、やし油、パーム油、バター又はこれらの混合物を含むチョコレート代用品;ピーナッツバター、ピーナッツ脂などのナッツペースト;プラリーヌ(praline);カカオバターの代わりにより安価な非テンパリング脂(non−tempering fat)が使用された、ケーキを覆うために使用される、通常はチョコレート類似物を含むコンフェクショナコーティング(confectionaer’s coating);或いはNestle社によって販売されている、非カカオバター脂、砂糖及び乳を含む「Caramac」とすることができる。さらに、これらのコーティング材料は、同様の結果を有するポアリング(pouring)技法によっても適用することができる。最適制御に関しては、コーティング材料のこの適用よりも、ノズルを用いたシャワリング(showering)のほうが好ましい。
【0024】
高脂肪から低脂肪までのさまざまなシェル形成組成物の使用を可能にすることによって、本発明のシャワー技術は、異なる材料から形成され、さまざまな風味(flavor)を有する複合冷凍菓子製品を求める消費者需要を満たす。さらに、このプロセスは周囲温度で実施することができるため、その結果得られる冷凍菓子製品は、従来のフォーミングプロセスによって製造される製品よりもわずかにソフトであり、より望ましいテクスチャ(texture)及び風味を有することができる。というのも、より暖かい運転温度は、チョコレート又は他の複合コーティングの結晶化に影響を及ぼすからである。
【0025】
このシャワー技法は、中空物体の内面にノズルを使用してシャワリングすることを含むので、この技法を使用して、任意の形状の表面にコーティングを適用することができる。保護包装紙又は包装用スリーブに直接に適用すると、生産効率が向上し、包装前の露出した製品の損傷及び汚染を防ぐことができる。
【0026】
このシャワー技術の重要な他の利点は、資本費及び運転費の低減である。本発明のプロセスは、周囲温度で実施することができ、冷却された機器を必要としないため、より効率的且つ費用効果的である。フォーミングプロセスに必要なブライン系及び空気脱湿機器も排除することができる。本発明のプロセスの製造上の複雑さの低さ、及び費用効果は、従来の技術を利用する経済的余裕がなかった人が、風味豊かで変化に富む冷凍菓子製品を製造することを可能にするであろう。
【0027】
以下の説明では、コーティング材料中の「低脂肪」又は「より低脂肪」が38%以下の脂肪含量を指す。用語「複合コーティング」は、乳脂肪及びやし油、パーム核油、大豆油、これらの油のブレンドなどの植物性脂肪を含む、カカオバター以外の脂肪に基づくコーティングを指す。用語「ランダウン(rundown)」は、アイス菓子を充填することによってコーティング材料が固まるまでに、シェルの底まで流れ落ちるコーティング材料を記述するために使用される。用語「包装用スリーブ」及び「包装用支持体(packaging support)」は相互に交換可能に使用される。用語「フラットトップコーン」は、コーティング材料が包装用支持体又はスリーブの内面全体を覆っていないコーン又はシェルを記述するために使用される。フラットトップコーンの中の菓子充填物の頂部は平らでなくてもよく、包装用スリーブの上縁よりも上に延びず、スリーブの上に、製品を完全に覆うためのふたが置かれる。用語「ボールトップコーン(ball−top cone)」は、その包装用支持体又はスリーブの内面がコーティング材料で完全に覆われたコーン又はシェルを記述する。ボールトップコーンの頂部の菓子充填物は、ボール形であっても又はそうでなくてもよいが、通常、コーンの上縁よりも上に延びる。
【0028】
本発明は、チョコレート又は複合コーティングでライニングされた冷凍ノベルティ及び菓子製品を製造するために使用されることが好ましい。この新規のシャワリング技術は、本物のチョコレート或いは他の低脂肪又は高脂肪の複合コーティングを含む多種多様なコーティング材料からシェルを調製するために使用される。その縁に沿って置かれたある角度を有する複数の穴を備えたノズルを使用することによって、このコーティング組成物を、離散的なストリームとしてシャワリングすることができ、ノズルの角度及びサイズは、所望のコーティング効果を達成するように調整することができる。コーティング材料のストリームをノズルからシャワリングすることによってさらに、その上縁に特徴的な凹凸(crenelation)を有するコーンなど、独特な外観が得られる。
【0029】
例としてコーン形のシェルが最も頻繁に記述されるが、本発明は、椀、カップ、ボール、円筒、角錐、錐台、花及び動物の形状を含むさまざまな形状の中空シェルを包含することを理解されたい。同様に、チョコレートコーティングが一例として使用されるが、任意のタイプの複合コーティングを使用することができる。さらに、充填物としてアイスクリームを使用すると述べられたときには、フローズンヨーグルト、シャーベット又はウォーターアイス(water ice)などの他のアイス又は冷凍菓子充填材料を使用することもできる。したがって、当業者は、多種多様な組合せを使用して、シェルに充填された菓子ノベルティーを生み出すことができる。
【0030】
本発明の一態様は、チョコレート又は複合コーティングを用いて、アイスクリーム又は他の冷凍菓子材料を保持するためのシェルを形成することに関する。このシェルは、従来のウェハコーンの代わりに包装用スリーブの内側に形成することができ、或いはウェハコーン又は他の食用表面の内側に形成することができる。包装用支持体は、紙、箔、透明プラスチック、半透明プラスチック、不透明プラスチック、これらの積層物などの食品グレードの非吸収性材料から作ることができる。コーティング組成物は、カカオバター及び植物性脂肪を含むさまざまな食用材料に基づくことができる。シェル形成組成物が、38%以下の脂肪を含む低脂肪の組成物である場合、より味の良いシェルが得られ、このことはある種の最終製品にとって望ましい。
【0031】
本発明のシャワー技法の柔軟性は、このプロセスとともに使用することができるコーティングレシピの範囲によって理解される。従来の「フォーミング」プロセスでは、粒径、脂肪の総量、遊離乳脂肪及びレシチンの量などの因子の厳密な制御が必要だが、本発明のプロセスではこれらの因子を厳密に制御する必要がなく、このことはしたがってより多様なレシピの適応を可能にする。
【0032】
例えば、シャワープロセスでは遊離乳脂肪の総量が従来の方法ほどには重要でない。実際、遊離乳脂肪の相対量は、シャワープロセスに全く影響を及ぼさず、乳脂肪100%の脂肪相で作られたコーティングを使用することが可能である。この総脂肪の量は特徴的な他の因子である。総脂肪含量には、粉乳、カカオパウダー及びカカオリカー、レシチン及び油又は脂肪100%の他の原料成分を含む、脂肪を含む全ての成分の脂肪含量が含まれる。38%以下の総脂肪含量の使用が望ましいシェル厚を生み出すと考えられるが、シャワリングがわずかに低い温度で実行され、又は他の方法でランダウンの量が制御される場合には、50重量%以上の脂肪含量を使用することもできる。したがって本発明は低脂肪のコーティング材料の使用を可能にし、さらに、より高脂肪のコーティング材料の使用も可能にする。しかし、脂肪含量が低いほど製品の味がよくなるため、製品の風味を向上させるためには、総脂肪の量を38%までに制限することが好ましい。
【0033】
さらに、カカオバターから作られた本物のチョコレートしか使用できないフォーミングプロセスとは対照的に、このシャワリングプロセスは、やし油、パーム核油、ダイズ油、これらの油のブレンドなどの植物性脂肪から作られたコーティングの使用を可能にする。さらに、低脂肪から高脂肪までに及び、カカオバターから植物性脂肪までに至る、本発明のプロセスとともに使用することができる可能なコーティング材料の範囲は、本発明のプロセスが、霧状の高脂肪コーティング材料しか処理できない中空コーンスプレー技法よりもかなり改善されていることを明白に示している。
【0034】
コーティングの最適シャワリングを達成するために乳化剤の量は重要である。乳化剤は、組成物の粘度及び/又は降伏価を低下させるために使用される。乳化剤はランダウンを加速させるため、乳化剤の総量は約1%までに制限することが好ましい。乳化剤は、レシチン、アンモニウムホスファチド、ポリグリセリルポリリシノレアート(polyglyceryl polyricinoleate:PGPR)、又はモノグリセリドのクエン酸エステルを含むことができ、乳化剤は、ノズルに通す前にコーティング組成物に加えることが好ましい。1種又は数種の乳化剤を使用することができ、組成物の約0.05から0.65重量%の量で使用することが好ましい。
【0035】
組成物はさらに、天然又は人工甘味料を含むことができる。例えば、砂糖、乾燥ハチミツ、コーンシロップ固形物、ラクトース又は無水デキストロースを甘味料として使用することができ、或いは、マリトール(malitol)、キシリトール、ラクチトール(lactitol)、マンニトール又はポリデキストロースなどの人工甘味料を使用することができる。甘味料はさらに、アセスルフェーム K(acesulfame K)、スクラロース(sucralose)、アスパルテームなどの高強度甘味料とすることができる。使用されるとき、甘味料は、約25から60重量%の量で組成物中に存在する。実施例1から3では、シャワーコーンを作るために使用することができる2つのレシピを提供することによって、好ましい組成物を例を挙げてさらに説明する。
【0036】
このシャワー法は、連続多重運転に対して適合されており、生産ラインに適用することができる。この生産ラインは割出しされ(indexed)、いくつかのステーション及び包装用スリーブを輸送する自動コンベヤを含む。ラインはステーションごとに一時停止し、その後、次のステーションへ進む。最初に、包装用スリーブは1つのステーションを通過し、そこで、ノズルが、溶かしたチョコレート又は他の複合コーティング材料をスリーブの中へシャワリングする。ラインは次いで別のステーションまで進み、そこでシェルに充填物が充填される。
【0037】
好ましい一実施形態では、ノズルを含むチョコレート体積測定分配装置が、チョコレートコーティング材料を所望の生産出力で送達する。この装置は、ノズル又は包装用スリーブを動かすためのリフティング(lifting)ステーションを含むことができる。
【0038】
生産ラインは、ノズル又は包装用シェルスリーブが生産ラインに沿って移動するように組み立てることができる。一例では、ノズルが固定され、スリーブがノズルまで移動してシャワリングされる。他の例では、スリーブが固定され、ノズルがスリーブまで移動して、所望のシェルサイズに対応する所望の高さでシャワリングする。アイスクリームコーン生産ラインは一般に、ノズルが包装用スリーブの中に移動して、チョコレートをポアリング又はシャワリングすることができるリフトステーションを有する。本発明の技法では、機器が使用可能な場合にはこのようなリフトステーションを使用することができ、或いはノズルまでスリーブを持ち上げるためのスリーブリフトステーションを使用することもできる。
【0039】
この装置中のシャワーノズルは、さまざまなタイプのシェル形成機器に適合させるために容易に変更することができる。さらに、高さ調整又はセッティング調整を必要とすることなく同じノズルを使用することができるように、この機器を、特定の角度の穴を有するノズルに対して固定することもできる。
【0040】
本発明の他の実施形態では、連続するシャワリング適用間にノズルから組成物が滴り落ちることを防ぐために、コーティング組成物が、連続ストリームとしてシャワーノズルから流れず、ノズルを通してシャワリングされる組成物の量が調整される。コーティング体積測定計量装置を使用することができ、それぞれのシャワリングの終わりに短い「吸い戻し(suck−back)」ステップを組み込んで、小規模の滴下をさらに防ぐことができる。これによって、シェルの形成に必要な量に正確に等しい量のシェル形成組成物を分配するようにノズルを操作することができる。余分なコーティング材料が分配されないため、シェルの壁厚は制御された厚さを持つ。このことは、コーンの底の壁厚がコーンの最上部の壁厚の200%以下であり、コーンの壁厚が最上部で少なくとも1mmから約6mmであることを意味する。
【0041】
約30mlの小さなコーンは、一度にコーティング組成物を約6から15グラム付着させる1つのノズルを用いて作ることができ、約120mlの大きなコーンは、2つのデポジタ(depositor)を用いた連続する2回のシャワリングによって作ることができる。例えば、それぞれのデポジタがコーティング組成物を約6から15グラムをシャワリングする場合、約14から22グラムのより大きなシェルは、連続する2回のシャワリングが適用されるダブルシャワープロセスによって作ることができる。
【0042】
本発明は、ノズルによってシャワリング又はポアリングモードで分配するための好ましい流動特性を有するコーティング組成物を提供する。コーティング組成物はシャワープロセス中に包装用スリーブの最上部に射出され、下に向かって滴り落ちてシェルを形成しなければならないため、シェルを適切に形成するためには、塑性粘度、降伏価などの適当な流動特性を適用温度で達成することが重要である。組成物があまりに濃厚で粘性が大きすぎる場合には、ランダウンが不十分になり、コーティングの被覆が不均一になり、さらにシェルの表面に窓又は亀裂が生じる可能性もある。一方、あまりに薄い組成物ではランダウンが大きくなりすぎ、薄く崩れやすい壁が得られる。適当な粘度を有する組成物は、冷凍菓子が充填される前に包装紙の壁に沿って均一に流下する。
【0043】
最適な流動特性を得るためには、シャワリングされる温度でシェル形成組成物が、約10〜40ポイズ(1〜4パスカル秒)の塑性粘度、及び約50〜250ダイン毎平方センチメートル(5〜25パスカル)の降伏価を有しなければならない。このような流動特性は、包装用スリーブの表面にシャワリングされた後に、所望の形状の均一な厚さのシェルが形成される望ましい速度でコーティング組成物が下方へ滴り落ちることを可能にする。粘度及び降伏価は、SC4−18スピンドルを有するBrookfield RV粘度計を用いて読まれた複数のトルクの読みから、チョコレート粘度法のために修正されたCasson式を使用して計算することができる。
【0044】
コーティング組成物はシャワーノズルの穴を通してシャワリングされるため、組成物の粒径は、穴を十分に通過する大きさでなければならない。コーティング組成物が穴径よりも大きな粒子を含む場合、穴の閉塞又は目詰まりが生じる可能性がある。目詰まりはさらに、かなりの数の粒子が穴径の1/3より大きいときに引き起こされる可能性がある。粒子どうしが架橋して閉塞を引き起こす可能性があるためである。シャワリングの前にコーティン組成物をろ過することはこのような目詰まりを防ぐ。シャワリングプロセスが停止されたときに、ノズルを取り外して洗浄することも穴の目詰まりを防ぐのに役立つ。
【0045】
本発明の好ましい一例では、直径約1mmのノズル穴に対して組成物の粒径が約50ミクロン以下である。さらに、大きな粒径はランダウンを増大させ、シェルの舌触りを粗くする可能性があるため、小さな粒径は好ましい。
【0046】
ノズル穴の目詰まりをさらに防ぐため、コーティング組成物は、その主要な脂肪の融点(組成物の「凝固点」)よりも高い温度でシャワリングされることが好ましい。組成物の温度がその凝固点よりも低くなる可能性がある場合には、固体のコーティング塊が生じ、ノズル穴を閉塞する可能性がある。したがってこのような閉塞を防ぐためにコーティング組成物は、その凝固点よりも高い温度でシャワリングされ、凝固点よりも高い温度に維持されることが好ましい。例えば、このシャワープロセスは、本物のミルクチョコレートから作られたコーティング組成物に対して約42℃から48℃、より好ましくは約45℃で実施されることが好ましい。より低い融点の脂肪を使用する場合には、シャワリング温度をさらに適当に調整することができる。他の例では、組成物の主要な脂肪がやし油を含むときに、シャワリングを、約32℃から38℃、より好ましくは約35℃で実施することができる。しかし、非常に厳密な温度制限を必要とする従来の形成プロセスとは違い、組成物の凝固点よりも高く維持される限りにおいて、厳密な処理温度は重要ではない。
【0047】
本発明の1つの特徴は、その縁に沿って配置されたオリフィス又は穴を有するシャワーノズルの使用である。これらの穴は、ノズルの縁に沿って置かれており、ノズルの中心にはない。表面に対して射出されるとき、組成物は、ノズルの縁に対応する表面に帯を形成する。その後、シャワリングされた組成物は中心に向かって流下し、1点に集まって閉じたシェルが形成される。このプロセス中に適切な流動特性を組成物に与えることは、所望の均一な厚さを有するシェルを形成するのに重要である。
【0048】
一実施形態では、ノズルが、0.65インチの直径及び20から24個の穴を有する設定される。このようなノズルに対しては穴の直径が約0.04インチであることが好ましい。穴の直径は、ノズルの閉塞が排除されるように組成物の流動特性を変更することなく増大させることができる。好ましい他の実施形態では、約48個の穴を有するより大きなノズルを使用して、約120mlの容量を有する大きなコーンを作ることができる。より大きなノズルを使用すると、コーンの最上部の外観がより均一になる。
【0049】
複数の穴又はオリフィスを有するノズルを使用する他の利点は、その結果得られるシェルが非常に特徴的で独特な外観を有することである。図1に示すように、ノズル1の穴3からチョコレートコーティング材料を離散的なストリーム5として射出し、包装用スリーブ又は形状の内壁に付着させると、チョコレート材料はそれぞれの穴の下に徐々に蓄積しながら固まり、したがってそれぞれの穴の下にマウンドを形成する。結果は、「凹凸」として特徴づけることができる特徴的なパターンを有する不均一な上縁である。例えば、図1を再び参照すると、24個の穴3を有するシャワーノズルを使用すると、24個のそれぞれの穴3の下にチョコレートが蓄積し、生み出されたコーン7は、上縁に24個の「山と谷」を有し、山9はそれぞれ、穴3の下に蓄積したチョコレートであり、谷11はそれぞれ、チョコレートストリームが合体する隣接する2つの穴の間の領域である。
【0050】
好ましい一実施形態では、本発明が、包装用支持体、シェル及び少なくとも部分的にシェルによって支持された充填物を含む複合冷凍菓子アイテムに関する。シェルは一貫した厚さを有し、脂肪、乳化剤及び甘味料を含む食用シェル形成組成物から支持体の表面に直接に形成される。シェル形成組成物は有利には、望ましい好ましい流動特性を得るために、約10から40ポイズの塑性粘度及び約50から250ダイン/cmの降伏価を有する。シェルはコーンの形状を有することが好ましいが、コーンの上縁に凹凸をつけて、視覚的に特徴的なパターンを提供することができる。
【0051】
充填物は、任意の菓子とすることができるが、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、シャーベット、ウォーターアイスなどのアイス菓子を含むことが好ましく、充填物はシェルを部分的に満たし、又はシェルを完全に満たし、又はシェルからあふれる。シェルからあふれるときにはシェルの外側に塊が露出する。充填物がコーン縁を越えて延び、消費を容易にするためにコーンの上に露出することが好ましい。
【0052】
本発明の他の好ましい実施形態では、シェルが、その内面に、挽き砕いたナッツ、クッキー片、シリアル、果実片、チョコレートチップ、キャンディ片、ココナツなどの食用含有物を含む。
【0053】
本発明によれば、ノズル穴の適当な位置合せによって、従来型の縁のコーンと凹凸を有するコーンの両方を形成することができる。図2A及び2Bに、シャワープロセスによって作られ、アイス菓子13が充填された、このような凹凸状コーン7をさらに示す。比較のため図2Cには、フォーミングプロセスによって作られたコーン8が示されている。
【0054】
他の有利な実施形態では、さまざまなシャワリング効果を達成するために穴をさまざまな角度に向ける。ノズルは、コーティング組成物が包装用スリーブに対して90度でシャワリングされるようにまっすぐ下を向いた穴を有することができ、又は、コーティング組成物が包装用スリーブに対して90度未満でシャワリングされるように穴を配置することができる。それぞれの穴は、所定の量の融解したコーティング組成物を包装用スリーブの表面に射出するので、下向きの(90度)位置から27度上を向いた穴を有するノズルは、より幅の広いシャワー適用範囲を達成し、下向きの位置から22度離れた穴を有するノズルは、より狭い領域の相対的により集中したシャワー適用範囲を提供するだろう。ほとんどの場合、ノズルは、コーンの先端又は下部にコーティング組成物を直接に導く穴を含まない。これは、コーティング材料が先端にたまり、ついには先端に栓が形成される可能性があるからである。
【0055】
好ましい一実施形態では、24個の穴を有する27度ノズル、すなわち穴が90度位置から27度離れた角度に向けられたノズルを使用して、高さ約100mm、上縁のところの直径約35mmの約30mlの小さなコーンを作る。この27度ノズルを用いて作られた小コーンは、その上縁に王冠形の特徴的な「凹凸」を有する。さらに、27度ノズル又は22度ノズルを使用して、高さ約170mmの約120mlのより大きなコーンを作ることができる。より大きなコーンの上縁の凹凸はより顕著となる可能性があり、それぞれのコーンが独特のパターンを有する。
【0056】
所望のサイズのコーンで完全且つ均一なコーティングを実施するためにノズルの角度を変更することができる。この効果は、コーンスリーブを持ち上げて適切に配置するようにリフトステーションを調整することによっても達成することができる。特定の製品に対してノズル穴の角度を変更することは、製造ダウンタイムの短縮に帰着する。コーンの最上部の近くにコーティング材料をシャワリングすると、コーティングがシャワリングされたスリーブ又は型の中を流下することによって、コーティング材料がコーンを形成する。
【0057】
シャワリング角度を調整する他に、シャワリング圧力を調整して所望のシャワー効果を達成することもできる。一実施形態では、デポジタに約1〜2バールの圧力をかけて、約30mlの小さいコーンを作る。
【0058】
このシャワープロセスを繰り返して、同じ量又は異なる量のコーティング材料が包装用スリーブに2回以上シャワリングされるようにすることができる。ノズルの角度及びシャワリングの高さを調整することにより、このような数回のシャワープロセスを使用して、より大きなシェルを生み出す。シャワリングステップを繰り返すことによって、シェルの追加の層を順番に積み上げることができることも理解されたい。後続の層は、同じコーティング材料から、又は異なるコーティング材料から形成することができる。さらに、連続するシャワリングとシャワリングの間にコーンを追加することによって、ケーキ又はウェハコーンをコーン形シェルの中に埋め込むことができる。
【0059】
さらに、本発明のシャワープロセスを用いて、対照的な色及び/又は風味の縦線を有する新規のシェルを生み出すことができる。対照的なシェード(shade)又は色並びに/或いは風味のチョコレートコーティング又は植物性脂肪ベースの複合コーティングを使用して2回以上のシャワーを連続的に適用することによって、1つ又は複数の対照的な色又はシェードの縦線を有するシェルを生み出すことができる。シャワーノズルの放射状の配置は、このようなシェルを形成する際の本発明の有利な特徴である。
【0060】
一実施形態では、第1のシャワーが、包装用スリーブの内側に、空間によって分離された小さないくつかの個別のコーティング付着物を適用する。例えば、コーティング材料6グラムを12個の穴を有するノズルを通してシャワリングするとき、12個のコーティング付着物0.5グラムはそれぞれ、スリーブの内側に放射状のパターンを生み出す。次いで第2のシャワーを適用して、第1のシャワーの付着物と付着物の間に形成された空間にコーティング材料を付着させる。第3のシャワーがある場合、第3のシャワーは、第1及び第2のシャワーによる付着物と付着物の間に形成された空間にコーティング材料を付着させる。コーティング材料付着物間にコーティングされていない空間がある限り、このシャワープロセスを繰り返すことができる。以前のシャワリングによってすでに付着されたコーティング付着物の上に付着物を適用させてはならない。このように適用された付着物は、重力によって包装用スリーブの底まで流下し、異なるコーティング、したがって対照的な色及び/又は風味が交互に現れる縦の帯からなるシェルを生み出す。
【0061】
対照的な色/風味の縦の帯を有するシェルは、本発明に基づく1回のシャワーだけで生み出すこともできる。この実施形態では、2つ以上の異なるシェード、色又は風味のコーティング(例えばコーティングA及びコーティングB)のシャワーを同時に分配することができるようにシャワーノズルが設計される。綿密に設計された内部キャビティによって、ノズルの穴のいくつかにコーティングAが供給され、他の穴にノズルBが供給される。具体的には、コーティングAが供給される穴とコーティングBが供給される穴とが交互に配置される。シャワリングが実行されると、コーティングA及びBの付着物が同時に適用され、包装用スリーブの底まで流下して、コーティングA及びコーティングBの交互の縦の帯を有するシェルを形成する。
【0062】
このような縦のパターニングを使用して、チョコレートシェル又は複合シェルの視覚的な訴求力を改めることができ、このような縦のパターニングは、シェルを持つように作られた菓子の魅力を高めることができる。
【0063】
本発明の他の実施形態では、ノズルを、包装用支持体を通る想像上の縦の中心線に沿って配置するのではなしに、この中心線からはずして、且つ/又はこの中心線から傾けて配置することができる。ノズルの方向又は配置をこのように調整することにより、コーティング材料の1回又は数回のシャワーを包装用支持体の上縁に対して傾けて適用して、シェルが、片側がより大きな高さを有するように角度がつけられ又は傾斜した縁を有するシェルを生み出すことができる。2つ以上のノズルが使用すると、包装用支持体に対して同一のノズル位置又は方向から連続するシャワーを適用して、角度がつけられ又は傾斜した縁を有するシェルを生み出すことができる。或いは、異なるノズル配置又は方向で連続するシャワーを適用して、2つの以上ピーク(「2重に傾斜した」又は「多重傾斜した」縁)を有するシェルが生み出されるようにすることもできる。さらに、視覚的に且つ/又はテクスチャ的に対照的な部分からなるシェルを生み出すために、連続するシャワーが、異なる色、シェード又はテクスチャのコーティング材料を適用することもできる。
【0064】
図3A〜Cでは、異なるノズル位置を有するシャワリングプロセスを示し比較する。図3Aでは、コーティング材料19のストリームを射出するときに、シャワーノズル15が、想像上の縦の中心線23に沿って包装17の中心に置かれ、その結果、完成したコーンが、凹凸を有する水平な上縁21を有する。図3Bでは、傾斜した上縁27を有するコーンを生み出すために、ノズル25が、想像上の縦の中心線23からずれている。図3Cに示すように、中心をはずれた異なる位置に置かれたノズル25、29を用いてコーティング材料19が連続的に適用される場合には、2重に傾斜した縁31が生み出される。このように、ノズル穴の角度並びにノズルの位置及び/又は方向を調整することによって、異なる形状、パターン及び凹凸を有するコーン及びシェルを生み出すことができる。
【0065】
本発明はさらに、チョコレートコーン又はシェル或いは複合コーン又はシェルに、挽き砕いたナッツ、キャンディ片などの粒子状含有物を従来の方法で追加することを提供する。粒子がシャワーノズルの小さな穴を閉塞する可能性があるため、粒子状含有物は、(倒立シャワープロセスとは対照的に)下向きのシャワリングプロセス中には追加してはならないが、それらはその後にシェルの内壁に追加することができる。粒子状含有物は、重力によって、又は含有物に速度及び移動方向を与える機械的装置によって、シェルの中に振りかけ又は他の方法で導入することができる。粒子状含有物は、2回の連続するシャワリング間に追加することもできる。後に実施例6及び7で説明するように、挽き砕いたナッツ、シリアル、カリカリにした米、クッキー細粒、キャンディ片、チョコレート、菓子スプリンクル(sprinkle)、複合チップ又はチャンク(chunk)、果実片及びココナツを含むいくつかの異なる粒子状材料を、チョコレートコーン又は複合コーンに導入することができる。
【0066】
この粒子状含有物の方法は、チョコレートコーティング又は複合コーティングが、粒子がそれに十分に付着する軟らかさ又は粘着性を維持する限りにおいて、さまざまなコーン形成プロセスと組み合わせて適用することができることを理解されたい。したがって、粒子状含有物の上記の方法を使用して、菓子製品のテクスチャ特性、栄養特性又は風味特性を変更し又は改善し、より大きな多様性を導入し、消費者に対する菓子の訴求力を高めることができる。
【0067】
さらに、対照的な色、シェード及び/又は風味のチョコレート又は植物性脂肪ベースの複合材料の線、斑点又は他のパターンで、本発明のチョコレートシェル又は複合シェルを装飾することができる。装飾パターンは、シェルが形成される前に包装用スリーブの内面に適用される。
【0068】
例えば、包装用スリーブの内壁にホワイトチョコレートコーティング材料を最初に適用して不規則な線又はパターンを形成し、次いで、ミルクチョコレートコーティング材料をスリーブの表面にシャワリングすることができる。スリーブを取り外すと、ホワイトチョコレートの装飾パターンを有するミルクチョコレートシェルが現れる。他の例では、暗褐色の斑点がスリーブ上に形成されるように、植物性脂肪ベースのカカオ風味の黒い複合コーティングを包装用スリーブの内壁に適用することができる。次いでこのスリーブに白い複合コーティング材料をシャワリングして、暗褐色の斑点で装飾された白いシェルを形成する。装飾されたこのようなシェルの例が図4A及び4Bに示されている。図4Aは、ホワイトチョコレートの線35を有するミルクチョコレートコーン33を示し、図4Bは、暗褐色の斑点39を有する白い複合コーン37を示す。
【0069】
このようなシェル装飾法は、さまざまなコーン形成プロセスと組み合わせて適用することができることを理解されたい。したがって、チョコレート又は複合コーティング材料を用いてシェルを装飾するこの方法を使用して、さまざまな菓子製品の視覚的な特性又は風味特性を変更し又は改善することができる。さらに、装飾されたシェルに粒子状含有物を導入して、多様な視覚的、栄養的及び風味的訴求力を有する広範囲の菓子を可能にすることもできる。本発明の他の実施形態では、シェル又はコーンを、倒立シャワープロセスによって製造する。この倒立シャワープロセス中、包装用スリーブ41は、図5に示すように逆さに保持され、スリーブの開口が下を向き、とがった先端が一番上にあり、包装用スリーブの内面が、コーティング材料45のストリームを上向きに射出する倒立したノズル43によって下側からコーティングされる。同じ又は異なるコーティング材料を連続的に適用して、より厚いシェル或いは対照的な色又はテクスチャパターンを有するシェルを作ることができる。逆さにした包装用スリーブにシャワリングし、余分なコーティング材料をスリーブから滴り落とさせた後、包装用スリーブをひっくり返し、スリーブの閉端が下を向くようにする。下向きシャワープロセスと同様に、コーティング材料の流動特性はコーティングの厚さに影響する。流動特性に影響を及ぼす因子には、温度、脂肪含量、粒径、乳化剤のタイプ及び含量、含水量、並びにコーティング材料中で使用される脂肪の融点が含まれる。
【0070】
他の例では、この倒立シャワープロセスによって形成された包装用スリーブ及びシェルを、液体チョコレート、液体カラメルなどの脂肪ベースの液体材料の供給源の中に浸して、シェルの上縁にコーティングを提供することができる。次いでシェルの上縁を、菓子スプリンクル、挽き砕いたナッツ、シリアル、ココナツ、キャンディ片、クッキー片又は果実片の供給源の中に浸して、装飾された外観及び多様な風味を有するシェルが提供されるようにすることができる。
【0071】
この倒立シャワープロセスは、従来のウェハコーンの代わりにチョコレート又は他の脂肪ベースのコーティングで作られた魅力的なボールトップコーンを作ることを可能にするため、特に有利である。既存のチョコレートコーン製造技術では、フラットトップコーンしか作ることができず、そのため、図6Aに示すように、包装用スリーブ47の最上部がコーティング材料49でコーティングされずに残り、その結果、コーン49と上ぶた53の間に魅力のない裸のアイスクリームの塊51が露出する。有利には、この倒立シャワープロセスは、包装用スリーブ又は包装用支持体の表面全体をコーティングすることを可能にし、したがって、視覚的により魅力的なボールトップコーンを製造することを可能にする。図6Bを参照すると、チョコレートコーティング55が包装用スリーブ47の最上部まで完全に延びており、本発明の倒立シャワープロセスに従って作られた包装用スリーブのボールトップコーンの内面全体を覆っており、包装用スリーブの上にアイスクリーム充填物51が露出していない。
【0072】
さらに、この倒立シャワープロセスは、シャワリングプロセス中の食用粒子のコーティング材料中への包含を可能にし、したがって、コーティング材料をシャワリングした後に別個に粒子を適用する必要なしに、1回のシャワー適用で粒子状含有物を有するシェルを作ることを可能にする。倒立シャワーで使用されるノズル穴の直径は、下向きシャワープロセスのノズル穴のサイズに比べて相対的に大きいので、倒立シャワープロセスでは、粒子とコーティング材料を混合してシャワリングすることが可能である。下向きシャワープロセスでは、ずっと小さなノズル穴が使用されるため粒子状含有物とコーティング材料を混合することができない。
【0073】
コーティング材料中の粒子の最大径及び最大濃度は、粒子のサイズ及び物理的特性並びにノズル穴の直径によって制限される。例えば、ノズル穴の直径の1/3よりも小さな粒子(例えば直径10mmのノズル穴に対して3mmまでの粒子)は、ノズル穴の閉塞を引き起こすことなく使用することができる。
【0074】
本発明の最終成果は、菓子充填物が充填されたシェルを含む菓子製品である。適当な装飾トッピング又は相補的なトッピングを導入することができ、シェルはさらに粒子状含有物を含むことができる。コーティング組成物の流動特性及び新規のシャワーノズルを利用することによって、本発明の方法は、所望の厚さを有するシェルの均一なコーティング被覆を達成し、菓子又は冷凍菓子材料を充填することができるさまざまな形状のシェルを生み出す独特の方法を提供する。さらに、本発明のシャワー法には、従来の方法で可能な範囲よりも広い範囲のコーティング材料を組み込むことができ、このシャワー技法によって製造されるシェル、具体的にはコーンは、消費者に訴える特徴的な外観を有する。
【0075】
さらに、周囲温度で実施することができ、冷却された機器又は空気脱湿機器の必要性を排除する本発明のシャワー技術は、従来のフォーミングプロセスに比べて操作が単純且つ容易であることを製造業者は理解しよう。この意味において、このシャワープロセスは、資本費及び運転費を低減させるので、従来のシェル形成プロセスよりも実用的である。具体的には、本物のチョコレートを使用してシェルを形成すると、シェルは室温まで冷えると固まり、シェルを固めるための冷却又はアイス菓子の低温が必要ない。これらの特徴は、マシュマロ、ファッジ(fudge)、ゼリー、ピーナッツバター、他のチョコレート組成物、他の菓子成分などの他の菓子に対してシェルを使用することも可能にする。したがって、本発明において使用する目的にはアイス菓子が好ましいが、その他の広範囲の充填物も適当である。
【実施例】
【0076】
以下の実施例では、本発明の応用の好ましい実施形態の一部を説明する。特定の実施例に関して説明されるが、本発明には多くの他の形態及び実施形態にあることを当業者は理解されたい。
【0077】
(実施例1)
本物のミルクチョコレートベースのコーティングのためのシャワーコーンレシピ(重量%)
砂糖 44.3
カカオリカー 15
カカオバター 19.5
全乳粉 20
無水バター脂肪 1
バニリン 0.05
レシチン 0.15
【0078】
(実施例2)
植物性脂肪ベースのコーティングのためのシャワーコーンレシピ(重量%)
砂糖 44.5
カカオパウダー 9
やし油 28.3
全乳粉 18
バニリン 0.05
レシチン 0.15
【0079】
(実施例3)
シャワリングによって製造されたミルクチョコレートコーン
24個の穴からなる放射対称のシャワーノズルを使用して、脂肪含量33重量%の正確に6グラムの本物のチョコレートを、空の110mmコーンスリーブの中へ送達した。次いで、形成されたミルクチョコレートコーンにバニラアイスクリームを充填し、凍らせた。この製品の最終消費者はスリーブを取り除いて、アイスクリームが充填されたミルクチョコレートコーンノベルティーを露出させる。
コーティングレシピ(重量%):砂糖52.1、全乳粉12、カカオリカー13、カカオバター21.4、無水バター脂肪1、大豆レシチン0.3、バニラ0.2
総脂肪含量:33重量%
粒径:24〜26ミクロン
【0080】
(実施例4)
シャワリングによって製造された本物のミルクチョコレートでライニングされたウェハコーン
実施例3と同様の方法で、シュガーウェハコーンの中に本物のミルクチョコレートをシャワリングすることができる。次いでこのコーンにアイスクリームを充填し、凍らせる。脂肪を33%しか含まない本物のミルクチョコレートは、アイスクリームコーンをライニングするために通常使用される高脂肪コーティングと比べようもない独特の風味及びテクスチャを有する。
【0081】
(実施例5)
シャワリングによって製造された複合ブタ
脂肪含量32重量%のピンク色の複合材料15グラムを、プラスチック製の小さな空のブタの中へシャワリングする。次いでこのブタにマシュマロ風味のピンクのシャーベットを充填し、凍らせる。任意選択で、ブタの開いた頂部に、ピンク色のコーティング1又は2グラムをトッピングしてシャーベットを封じ込めることができる。消費者は、外側のプラスチックのおおいを取り除いて、シャーベットが充填されたピンクのブタを露出させる。
コーティングレシピ(重量%):砂糖58.5、脱脂粉乳6、ホエーパウダー3、やし油31.7、大豆レシチン0.2、PGPR乳化剤0.1、二酸化チタン0.1、red40レーキ0.1、香料0.3
総脂肪含量:32重量%
粒径:28〜30ミクロン
【0082】
(実施例6)
刻んだアーモンドの小片を含むミルクチョコレートシャワーコーン
脂肪34重量%の本物のミルクチョコレート7グラムを、直径1mmの24個の穴を有するノズルを使用して小さなコーンスリーブの中へシャワリングすることによって、小さなコーンを作る。細かく刻んだアーモンド0.8グラムを粒子アプリケータに載せる。次いでこのアプリケータをコーンの中へ降ろし、約100〜200rpmで急速に回転させて、アーモンドをアプリケータからコーンの壁の中へ飛ばす。
【0083】
この粒子の適用後、コーンは約10重量%のアーモンドを含む。アプリケータを引き上げ、コーンにアイスクリーム14グラムを充填する。追加のアイスクリーム及び/又はソース及び/又はスプリンクルでアイスクリームコーンの頂部を装飾してもよい。これに、アーモンド、チョコレートチップなどの追加の粒子を振りかけてもよい。
【0084】
粒子状含有物の組込みは、コーン製品の風味に他の複雑さを加え、ザクザクしたテクスチャを与える。
【0085】
(実施例7)
チョコレートクッキー細粒を含むホワイトチョコレートシャワーコーン
実施例(上記)に記載された方法に従ってアイスクリームコーンを作る。ただし、脂肪含量35重量%のホワイトチョコレートでコーンを作り、粒子状含有物はチョコレートクッキー細粒とする。消費者は、このアイスクリームコーンを食べたときにより変化に富んだ風味及びザクザクしたテクスチャを経験する。
【0086】
(実施例8)
ミルクチョコレートとホワイトチョコレートの交互の縦線からなるコーン
第1のシャワー適用のためのシャワーノズルの下に、コーン形の小さなペーパースリーブを通す。ノズルの放射状に配置された12個の穴を通してスリーブの内面にホワイトチョコレート3.5グラムをシャワリングして、スリーブの内面の上部に沿って、12個の等しい空間によって分離された、ホワイトチョコレートの等しい12個の付着物を配置する。
【0087】
次いでこのスリーブを第2のシャワーノズルの下に通す。このノズルは、放射状に配置された12個の穴を通してスリーブの内面の上部に沿ってミルクチョコレート3.5グラムをシャワリングする。この第2のノズルは、ホワイトチョコレートの第1のシャワー適用によって形成された空間に、ミルクチョコレートの等しい12個の付着物を適用する。
【0088】
ホワイトチョコレート及びミルクチョコレートの24個の付着物は重力によってスリーブの底まで流下し、重さ7グラムのコーン形のシェルを生み出す。このコーンは、ホワイトチョコレートとミルクチョコレートの交互の縦の帯を有する。
【0089】
このコーンに、バニラアイスクリームなどの充填物を充填することができる。アイスクリームコーンの頂部を、追加のアイスクリーム、クリーム及び/又はソースで装飾し、且つ/又はスプリンクル、アーモンド片、キャンディ片又はチョコレートチップなどの粒子を頂部に振りかけてもよい。凍らせた後、スリーブを取り除いて、ホワイトチョコレートとミルクチョコレートの交互の帯からなるコーンを露出させることができる。
【0090】
(実施例9)
赤、白及び青の植物性脂肪ベースの複合コーン
放射状に配置された8つの穴を有する第1のシャワー適用のための第1のシャワーノズルの下にコーン形のペーパースリーブを通す。第1のシャワーノズルからスリーブの内面の上部に、白い植物性脂肪ベースのコーティング材料6グラムをシャワリングし、スリーブの上部に沿って、8つの等しい空間によって分離された8つの等しい白色コーティング材料の付着物を配置する。
【0091】
次いでこのスリーブを、放射状に配置された8つの穴を有する第2のシャワーノズルの下に通し、このノズルを通して、スリーブの内面の上部に赤いコーティング材料6グラムをシャワリングする。第1のシャワリングによる白いコーティング付着物間に形成された空間に、スリーブの内面の上部に沿って、8つの等しい赤いコーティング材料の付着物が配置される。
【0092】
次いでこのスリーブを、放射状に配置された8つの穴を有する第3のシャワーノズルの下に通し、このノズルを通して、スリーブの内面の上部に青いコーティング材料6グラムをシャワリングする。第1及び第2のシャワーノズルによって付着された白及び赤のコーティング間に形成された空間に、スリーブの内面の上部に沿って、8つの等しい青いコーティング材料の付着物が配置される。
【0093】
これらのコーティング材料の24個の付着物は重力によってスリーブの底まで流下し、重さ18グラムのコーン形シェルを生み出す。
【0094】
次いでこのコーンに、チェリーソースを波形にかけたチーズケーキ風味のフローズンヨーグルトを充填し、グラハムクラッカー(graham cracker)の小片でコーンの頂部を装飾する。
【0095】
凍らせた後、スリーブを取り除いて、赤、白及び青のコーティングの交互の縦の帯からなるコーンを露出させることができる。
【0096】
(実施例10)
ホワイトチョコレートからなる不規則な水平線で装飾されたミルクチョコレートコーン
最初に、ホワイトチョコレートコーティング(脂肪含量38重量%)0.8グラムを空の小さなコーンスリーブの内面に、このホワイトチョコレートコーティングがスリーブの内壁に不規則な水平線を形成するようにして適用する。次いで、直径1mmの24個の穴を有するノズルを通して、この小コーンスリーブに、本物のミルクチョコレート(脂肪含量34%)7グラムをシャワリングする。
【0097】
次いでこのスリーブにバニラアイスクリームを充填する。アイスクリームの頂部を追加のアイスクリーム、クリーム及び/又はソースで装飾し、且つ/又はアーモンド片、チョコレートチップなどの粒子を頂部に振りかけてもよい。凍らせた後、コーンスリーブを取り除いて、ホワイトチョコレートの不規則な水平線で装飾されたミルクチョコレートコーンを露出させることができる。
【0098】
(実施例11)
植物性脂肪ベースの暗褐色の複合コーティングからなる斑点で装飾された植物性脂肪ベースの白い複合コーン
白い複合コーティング(脂肪含量35%)を用いてコーンを作り、植物性脂肪ベースのカカオ風味の黒い複合コーティング(脂肪含量45%)を用いた装飾を実施する他は、実施例10のとおりにコーンを製造する。カカオ風味の黒い複合コーティングを空の小さいコーンスリーブに、スリーブの内壁に斑点が形成されるようにして適用する。凍らせた後、コーンスリーブを取り除くと、暗褐色の斑点で装飾された白いコーンが現れる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】コーティング組成物を射出して凹凸のあるコーン形のシェルを形成するノズルの断面図である。
【図2A】本発明のシャワー法によって形成された凹凸のあるコーンの一例を示す図である。
【図2B】本発明のシャワー法によって形成された凹凸のあるコーンの他の例を示す図である。
【図2C】従来のフォーミング法によって製造されたコーンの比較例を示す図である。
【図3A】包装用支持体を通る想像上の縦の中心線上にノズルが配置された本発明のシャワー法の一例を示す図である。
【図3B】包装用支持体を通る想像上の縦の中心線をはずしてノズルが配置された本発明のシャワー法の一例を示す図である。
【図3C】包装用支持体を通る想像上の縦の中心線をはずしてノズルが配置された本発明のシャワー法の他の例を示す図である。
【図4A】シャワリングの前に線で装飾された、本発明のシャワー法によって形成されたコーンの一例を示す図である。
【図4B】シャワリングの前に斑点で装飾された、本発明のシャワー法によって形成されたコーンの一例を示す図である。
【図5】逆さにしたコーン形包装用スリーブの表面にコーティング組成物を射出する倒立シャワーノズルの断面図である。
【図6A】フラットトップアイスクリームコーンの断面図である。
【図6B】倒立シャワー法によって調製されたボールトップアイスクリームコーンの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その容積を画定する所望の形状を有する包装用支持体と、
1種又は数種の脂肪を含むある量の食用シェル形成組成物から前記包装用支持体の表面に直接に形成された一貫した厚さの1つ又は複数の壁と
を含み、
前記支持体の表面にシェルを形成する前に前記組成物が、約10から40ポイズの塑性粘度及び約50から250ダイン/cmの降伏価を有する
食用脂ベースのシェル。
【請求項2】
前記壁がカップ、コーン又は頂部が開いた他の容器の形状を有し、シェルの中に少なくとも部分的に保持され又はシェルを完全に満たす充填物をさらに含み、前記充填物が菓子又はアイス菓子である、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項3】
前記アイス菓子が、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、シャーベット又はウォーターアイスを含み、前記アイス菓子が、消費を容易にするために露出した塊として提供されるように、前記容器の開いた頂部を越えて延びる量で存在し、前記組成物が任意選択で、前記組成物の1重量%以下の乳化剤又は甘味料或いはその両方を含む、請求項2に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項4】
乳化剤及び甘味料が存在し、前記乳化剤が、レシチン、アンモニウムホスファチド、ポリグリセリルポリリシノレアート、モノグリセリドのクエン酸エステル又はこれらの組合せを含み、前記甘味料が、砂糖、乾燥ハチミツ、コーンシロップ固形物、ラクトース、無水デキストロース、マリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ポリデキストロース、アセスルフェーム K、スクラロース、アスパルテーム又はこれらの組合せを含み、さらに前記脂肪が約15から38重量%存在し、前記乳化剤が約0.05から0.65重量%存在し、前記甘味料が約25から60重量%存在する、請求項3に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項5】
コーンの形状と、本質的に水平であり或いは任意選択で不規則又は凹凸状である上縁とを有する、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項6】
傾斜し又は2重に傾斜した上縁を有する、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項7】
内面に含有物を含み、前記含有物が、ナッツ、クッキー片、シリアル、果実片、チョコレートチップ、キャンディ片又はココナツを含む、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項8】
シェルの脂肪ベースの材料の中に埋め込まれたケーキ又はウェハコーンをさらに含む、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項9】
包装用支持体及びシェルの上縁にコーティングを提供するために、前記支持体及びシェルの開端が脂肪ベースの液体材料の供給源の中に浸され、前記脂肪ベースの液体材料が液体チョコレート又は液体カラメルである、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項10】
前記脂肪ベースの液体材料に浸された後に、包装用支持体及びシェルの開端が、ナッツ、クッキー片、シリアル、果実片、チョコレートチップ、キャンディ片又はココナツの供給源の中に浸される、請求項9に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項11】
シェルの壁が異なる色の縦の帯を含むように、異なる色の食用シェル形成組成物から形成された、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項12】
シェルの壁に装飾用の線、パターン又は斑点が形成された、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項13】
2種以上の食用シェル形成組成物から形成された2層以上の壁をさらに含む、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項14】
包装用支持体が、紙、箔、透明プラスチック、半透明プラスチック又は不透明プラスチック、或いはこれらの積層物を含む食品グレードの非吸収性材料である、請求項1に記載の食用脂ベースのシェル。
【請求項15】
食用脂ベースのシェルを製造するための方法であって、
その容積を画定する所望の形状の包装用支持体を用意すること、及び
前記包装用支持体の上に、ある量の食用シェル形成組成物を直接にシャワリング又はポアリングすること
を含み、
組成物が、固まって、前記包装用支持体の表面に一貫した厚さのシェルを形成し、前記組成物が1種又は数種の脂肪を含み、前記シャワリング又はポアリング中に前記組成物が、約10から40ポイズの塑性粘度及び約50から250ダイン/cmの降伏価を有する
方法。
【請求項16】
シェルが、シェルの形成のために必要な量に等しい量のシェル形成組成物から形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
シェルがカップ、コーン又は頂部が開いた他の容器の形状を有し、シェルの中に少なくとも部分的に保持され又はシェルを完全に満たす充填物を提供することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記充填物が菓子又はアイス菓子である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記充填物が、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、シャーベット又はウォーターアイスを含むアイス菓子であり、消費を容易にするために露出した塊として提供されるように、シェルの開いた頂部を越えて延びる量で存在する、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物がさらに、前記組成物の1重量%以下の乳化剤及び甘味料を含み、前記乳化剤が、レシチン、アンモニウムホスファチド、ポリグリセリルポリリシノレアート、モノグリセリドのクエン酸エステル又はこれらの組合せを含み、前記甘味料が、砂糖、乾燥ハチミツ、コーンシロップ固形物、ラクトース、無水デキストロース、マリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ポリデキストロース、アセスルフェーム K、スクラロース、アスパルテーム又はこれらの組合せを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
包装用支持体及びシェルがそれぞれコーンとして形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
シェルが不規則な上縁を有するように形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
シェルが、角度がつけられ、ずれ、又は凹凸を有する上縁を有するように形成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
シェルの内面に含有物を提供することをさらに含み、前記含有物が、ナッツ、クッキー片、シリアル、果実片、チョコレートチップ、キャンディ片又はココナツを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
包装用支持体が、紙、箔、透明プラスチック、半透明プラスチック又は不透明プラスチック、或いはこれらの積層物を含む食品グレードの非吸収性材料である、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、複数のストリームから、包装用支持体の表面にシャワリングされる、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記複数のストリームが、シェルの均一な上縁を提供するように配置され、前記上縁が本質的に水平であり、又は本質的に均一な凹凸を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記複数のストリームが、シェルの想像上の縦の中心線のまわりに均一に配置される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの前記複数のストリームが、シェルの想像上の縦の中心線からずらされ、そのため、角度がつけられ、傾斜し又は2重に傾斜したシェルの不均一な上縁が提供される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
シャワリング中にシェルの中にケーキ又はウェハコーンを埋め込むことをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
下方へ開いた位置に前記支持体が保持されている間に、シェル形成組成物が包装用支持体の表面に吹き付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項32】
包装用支持体及びシェルの上縁にコーティングを提供するために、包装用支持体及びシェルの開端を脂肪ベースの液体材料の供給源の中に浸すことをさらに含み、前記脂肪ベースの液体材料が液体チョコレート又は液体カラメルである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記脂肪ベースの液体材料に浸された後に、包装用支持体及びシェルの開端を、ナッツ、クッキー片、シリアル、果実片、チョコレートチップ、キャンディ片又はココナツの供給源の中に浸すことをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
異なる色の縦の帯を有するシェルを形成するために、異なる色の食用シェル形成組成物をシャワリングすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項35】
シェルの外面に装飾用の線、パターン又は斑点を形成することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項36】
食用脂ベースのシェルを製造するための装置であって、
その容積を画定する所望の形状の包装用支持体と、
前記包装用支持体の表面に食用シェル形成組成物をシャワリングするための複数の穴を有するノズルと
を含み、
前記組成物が固まってシェルを形成し、前記組成物が1種又は数種の脂肪を含み、前記組成物が、シャワリング中に約10から40ポイズの塑性粘度及び約50から250ダイン/cmの降伏価を有し、
さらに、
前記包装用支持体の表面に前記組成物を適切にシャワリングするための動作位置に、前記ノズル及び包装用支持体を配置するための位置決め装置
を含む装置。
【請求項37】
ノズルが、シェルの形成に必要な量に等しい量のシェル形成組成物を分配するように操作される、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
包装用支持体がカップ、コーン又は頂部が開いた他の容器の形状を有し、シェルが前記支持体の形状と共形となる、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記包装スリーブに対して90度未満の角度に向けられたストリームを提供するように、前記穴がノズルに配置された、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
ノズルの穴が約25から35度傾いている、請求項36に記載の装置。
【請求項41】
均一な配置の複数のストリームをシェルの表面に導き、シェルの均一な上縁を提供するために、ノズルの位置をシェルの想像上の縦の中心線に合わせるノズル取付けアセンブリをさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項42】
不均一な配置の複数のストリームをシェルの表面に導き、角度がつけられ、傾斜し又は2重に傾斜したシェルの不均一な上縁を提供するために、ノズルの位置をシェルの想像上の縦の中心線からずらすノズル取付けアセンブリをさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項43】
シェル形成組成物が包装用支持体の中へ吹き付けられている間、下方へ開いた位置に包装用支持体を保持する手段をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項44】
脂肪ベースの液体材料の供給源を保持するためのリザーバと、包装用支持体及びシェルの上縁にコーティングを提供するために、包装用支持体及びシェルの開端を脂肪ベースの液体材料の中に浸す手段とをさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項45】
2種以上の食用シェル形成組成物をノズルが同時に分配するような内部キャビティ手段をノズルが含む、請求項36に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2007−528729(P2007−528729A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502217(P2007−502217)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001447
【国際公開番号】WO2005/094601
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】