説明

蒸気タービン駆動機、並びに、蒸気タービン駆動機を備えた船舶及びガス液化装置

【課題】設置スペースの増大を招かずに2軸化を図った上で、簡便な構成によって2つの出力軸を独立に駆動できる蒸気タービン駆動機を提供する。
【解決手段】蒸気が供給されて駆動される前進用高圧タービン7と、前進用高圧タービン7によって駆動される第1駆動軸4と、前進用高圧タービン7から排気された蒸気が供給されて駆動される前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13と、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13によって駆動される第2駆動軸14とを備えた蒸気タービン駆動機1Aであって、前進用高圧タービン7から排気されて前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13に供給される蒸気の圧力を制御する蒸気ダンプ配管33及び減圧弁35を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの駆動軸を有する蒸気タービン駆動機、並びに、蒸気タービン駆動機を備えた船舶及びガス液化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船舶のプロペラを回転させる蒸気タービンとして、ボイラから導かれた過熱蒸気が供給されて回転する高圧タービンと、高圧タービンから排気された過熱蒸気が供給されて回転する低圧タービンとを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。この舶用蒸気タービンは、高圧タービンと低圧タービンが船幅方向に並んで配置されており、これらタービンから得られたそれぞれの回転出力を減速機によって結合し、1つのプロペラを回転させる。
船舶の大型化などにより、プロペラを回転させる出力軸の2軸化が要求された場合、特許文献1に記載された蒸気タービンを適用しようとすると、出力軸ごとに高圧タービンおよび低圧タービンが必要となる。しかし、機関室には設置スペース(特に船幅方向)に制約があり、設置することが困難である。
したがって、船舶の2軸化が要求された場合には、低速ディーゼル主機直結方式や電動モーター推進方式が主として採用される。
【0003】
このような蒸気タービンの設置スペースの問題を解決するために、下記特許文献2に記載された蒸気タービンが提案されている。この蒸気タービンは、高圧タービン及び低圧タービンを船幅方向に並べて配置し、一方の出力軸を高圧タービンで駆動するとともに、他方の出力軸を低圧タービンで駆動することで、設置スペースの増大を回避している。
しかし、高圧タービンから排出された過熱蒸気によって低圧タービンを駆動する過熱蒸気の単一フロー形式を採用しているので、高圧タービン出力と低圧タービン出力の不均衡が不可避的に生じる。これを解決するために、同文献に記載された蒸気タービンは、各出力軸に軸発電機や電動機を設けて互いに電気的に接続することで、それぞれの出力の不均衡を解消している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−17007号公報([0027],図1)
【特許文献2】特開2009−56868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載された蒸気タービンは、各出力軸の出力アンバランスを解消できる点で優れているが、軸発電機や電動機を設ける必要があり、施設の複雑化やコストの増大を招いてしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、設置スペースの増大を招かずに2軸化を図った上で、簡便な構成によって2つの出力軸を独立に駆動できる蒸気タービン駆動機、並びに、蒸気タービン駆動機を備えた船舶及びガス液化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の蒸気タービン駆動機、並びに、蒸気タービン駆動機を備えた船舶及びガス液化装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる蒸気タービン駆動機は、蒸気が供給されて駆動される高圧側タービンと、該高圧側タービンによって駆動される第1駆動軸と、前記高圧タービンから排気された蒸気が供給されて駆動される低圧側タービンと、該低圧側タービンによって駆動される第2駆動軸とを備えた蒸気タービン駆動機であって、前記高圧側タービンから排気されて前記低圧側タービンに供給される蒸気の圧力を制御する圧力制御手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
蒸気タービン駆動機は、高圧側タービンによって駆動される第1駆動軸と、高圧側タービンから排気された蒸気が供給されて駆動される低圧側タービンによって駆動される第2駆動軸とを採用することとし、蒸気の単一フローによって2軸化を図ることで、設置スペースの増大を招かずに2軸化を実現する。
そして、高圧側タービンから排気されて低圧側タービンに供給される蒸気の圧力を制御する圧力制御手段を備えることとし、低圧側タービンに流入する蒸気の圧力を、高圧側タービンの運転条件に影響を受けずに設定できることとした。これにより、高圧側タービンの出力と低圧側タービンの出力を独立して制御することができる。このように、圧力制御手段を追加するという簡便な構成で2軸の独立制御が実現できる。
なお、高圧側タービンとしては、ボイラから高圧過熱蒸気が導かれて駆動される高圧タービンを1つ備えた構成や、この高圧タービンに加えて、高圧タービンからの排気蒸気をボイラで再熱して得られた過熱蒸気によって駆動される中圧タービンを備えた構成が含まれる。
また、蒸気タービン駆動機の各駆動軸の出力は、例えば、船舶のプロペラ駆動用に用いられてもよいし、ガスを液化するための圧縮機の動力として用いられてもよいし、あるいは、発電機の駆動用として用いられてもよい。
【0009】
さらに、本発明の蒸気タービン駆動機では、前記圧力制御手段は、前記高圧側タービンから排気された蒸気の一部を分岐して復水器へと導く蒸気ダンプ経路と、該蒸気ダンプ経路を流れる蒸気を減圧する減圧弁と、前記低圧側タービンへと流れる蒸気が所定圧力となるように前記減圧弁を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
高圧側タービンから排気された蒸気の一部を、蒸気ダンプ経路を介して復水器へと導くことにより、低圧側タービンへと導かれる蒸気の圧力を減じる。この際に、蒸気ダンプ経路を流れる蒸気を減圧する減圧弁を制御部によって制御し、低圧側タービンへと流れる蒸気の圧力を所定値とする。これにより、高圧側タービンの排気圧力に関わらず、低圧側タービンの入口蒸気圧を独立に制御することができる。
【0011】
さらに、本発明の蒸気タービン駆動機では、前記低圧側タービンには、前記高圧側タービンの排気系統とは異なる別系統から導かれる蒸気が供給されることを特徴とする。
【0012】
低圧側タービンに対して、別系統の過熱蒸気を供給することとして、低圧側タービンの出力増大を図る。これにより、高圧側タービンとは独立して出力の加減ができるので、低圧側タービンを安定して制御することができる。
別系統から導かれる蒸気としては、例えば、ボイラ緩熱蒸気ラインから導かれるユーティリティ蒸気が挙げられる。これにより、主タービン系から独立させることができ、さらなる安定運用が期待できる。
【0013】
さらに、本発明の蒸気タービン駆動機では、前記低圧側タービンは、前記高圧側タービンから供給される過熱蒸気に対して並列に設けられた第1低圧タービンおよび第2低圧タービンの2つの低圧タービンから構成され、前記第1低圧タービンのみに対して、前記別系統から蒸気が供給されることを特徴とする。
【0014】
低圧側タービンを2つの低圧タービンに分け、一方の第1低圧タービンにのみに対して、別系統から蒸気を供給することとした。これにより、低圧側タービンの制御性が向上する。
【0015】
さらに、本発明の蒸気タービン駆動機では、前記第1低圧タービンの入口側と前記高圧側タービンの排気側とを接続する蒸気供給経路には、該第1低圧タービンから該高圧側タービン側への蒸気の逆流を防止する逆止弁が設けられていることを特徴とする。
【0016】
第1低圧タービンに別系統からの蒸気が供給されるので、高圧側タービンから排気される過熱蒸気の圧力条件によっては(すなわち圧力制御手段の設定圧力値によっては)、別系統から供給される蒸気の圧力が相対的に大きくなり、第1低圧タービンから高圧側タービン側へと蒸気が逆流するおそれがある。そこで、この逆流を防止するために逆止弁を設けることとし、安定的な運転を実現する。
【0017】
また、本発明の船舶は、上記のいずれかに記載の蒸気タービン駆動機と、前記第1駆動軸によって回転駆動される第1プロペラと、前記第2駆動軸によって回転駆動される第2プロペラとを備えていることを特徴とする。
【0018】
上述した蒸気タービン駆動機を用いて、2軸を独立に駆動できる蒸気タービン駆動機を用いて2つのプロペラを有する二軸船を実現することができるので、設置性およびコスト的に有利な船舶を提供することができる。
なお、高圧側タービンおよび低圧側タービンは、前進用タービンだけでなく後進用タービンにも適用することができる。
【0019】
また、本発明のガス液化装置は、上記のいずれかに記載の蒸気タービン駆動機と、前記第1駆動軸によって回転駆動される第1圧縮機と、前記第2駆動軸によって回転駆動される第2圧縮機と、前記第1圧縮機によって圧縮された冷媒を膨張させて冷熱を得る第1冷熱出力部と、前記第2圧縮機によって圧縮された冷媒を膨張させて冷熱を得る第2冷熱出力部とを備え、前記第1冷熱出力部および前記第2冷熱出力部によって液化ガスを冷却して液化することを特徴とする。
【0020】
2軸を独立に駆動できる蒸気タービン駆動機を用いて、2台の圧縮機を独立に駆動し、2つの膨張サイクルを得ることで液化ガスを液化することとした。これにより、設置性およびコスト的に有利なガス液化装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
高圧側タービンから排気されて低圧側タービンに供給される過熱蒸気の圧力を制御する圧力制御手段を備えることとしたので、簡便な構成で、高圧側タービンの出力と低圧側タービンの出力を独立して制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる蒸気タービン駆動機を示した概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる蒸気タービン駆動機を示した概略構成図である。
【図3】本発明の蒸気タービン駆動機をガス液化装置に適用した例を示した概略構成図である。
【図4】既存の一軸船からFSRUへ改造した場合に、本発明の蒸気タービン駆動機を適用した例を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1には、プロペラを2つ備えた二軸船に用いられる蒸気タービン駆動機1Aが示されている。蒸気タービン駆動機1Aは、右舷機3と左舷機5を備えている。
【0024】
右舷機3は、前進用高圧タービン(高圧側タービン)7と後進用タービン9とを備えている。
前進用高圧タービン7には、図示しない舶用ボイラから高圧過熱蒸気とされた主駆動蒸気が主蒸気配管8を介して導かれるようになっている。主蒸気配管8には、図示しない制御部によって開度制御が行われる主蒸気弁10が設けられており、これにより高圧タービン7の出力が制御されるようになっている。主蒸気弁10は、前進の時に開度調整が行われ、後進の際には全閉とされる。
後進用タービン9には、後進時に、図示しない舶用ボイラから高圧過熱蒸気とされた主駆動蒸気が導かれるようになっている。
前進用高圧タービン7及び後進用タービン9は、同一の第1駆動軸4上に取り付けられており、その出力は減速機20を介して減速された後に、スラスト軸受22に支持されたプロペラ軸24へと伝達される。プロペラ軸24の先端には、図示しない右舷側プロペラが取り付けられており、船舶に対して推進力を与える。
【0025】
左舷機5は、前進用第1低圧タービン(低圧側タービン)11と、前進用第2低圧タービン(低圧側タービン)13と、後進用タービン15とを備えている。これら前進用第1低圧タービン11、前進用第2低圧タービン13及び後進用タービン15は、同一の第2駆動軸14上に取り付けられており、その出力は減速機21を介して減速された後に、スラスト軸受23に支持されたプロペラ軸25へと伝達される。プロペラ軸25の先端には、図示しない左舷側プロペラが取り付けられており、船舶に対して推進力を与える。
前進用第1低圧タービン11と後進用第2低圧タービンとは、差し向かいとなるように同軸上に設置されており、膨張プロセスが並列となっている。
【0026】
前進用高圧タービン7の排気側には、排気蒸気管27が接続され、さらにその下流側には、前進用第1低圧タービン11の蒸気入口へと接続される第1供給配管29と、前進用第2低圧タービン13の入口へと接続される第2供給配管31と、図示しない復水器へと接続される蒸気ダンプ配管(蒸気ダンプ経路)33とが接続されている。蒸気ダンプ配管33には、全閉から全開までの範囲で開度調整が可能とされた減圧弁35が設けられている。減圧弁35の開度は、図示しない制御部によって制御される。これら蒸気ダンプ配管33、減圧弁35及び減圧弁35を制御する制御部によって、各低圧タービン11,13に供給される過熱蒸気の圧力を制御する圧力制御手段が構成される。
【0027】
前進用第1低圧タービン11の蒸気入口には、低圧駆動蒸気配管37が接続されており、ボイラ緩熱蒸気ラインから導かれるユーティリティ蒸気とされた低圧駆動蒸気が供給されるようになっている。低圧駆動蒸気配管37には、図示しない制御部によって開度調整が行われる低圧駆動蒸気弁38が設けられている。したがって、前進用第1低圧タービン11は、前進用高圧タービン7から排気された蒸気に加え、低圧駆動蒸気配管37からの低圧駆動蒸気が供給されるようになっている。
【0028】
上記構成の蒸気タービン駆動機1Aは、以下のように動作する。
舶用ボイラから高圧過熱蒸気とされた主駆動蒸気が前進用高圧タービン7に供給され、前進用高圧タービン7が回転駆動される。これにより、第1駆動軸4及び減速機20を介してプロペラ軸24が駆動され、右舷側プロペラが回転して前進推力を発生する。右舷側プロペラの出力は、主蒸気弁10の開度によって調整される。
【0029】
前進用高圧タービン7から排気された過熱蒸気は、排気蒸気管27を流れ、並列に設けられた第1供給配管29及び第2供給配管31を流れる。第1供給配管29を流れた過熱蒸気は、前進用第1低圧タービン11へと導かれ、前進用第1低圧タービン11を回転駆動する。同様に、第2供給配管31を流れた過熱蒸気は、前進用第2低圧タービン13へと導かれ、前進用第2低圧タービン13を回転駆動する。
このように各低圧タービン11,13へ供給される過熱蒸気の圧力は、蒸気ダンプ配管33に設けた減圧弁35によって調整される。すなわち、減圧弁35の開度を大きくすることにより、蒸気ダンプ配管33を通り復水器へと導かれる蒸気量が増大するので、各低圧タービン11,13へ導かれる過熱蒸気の圧力が下がり、これとは逆に、減圧弁35の開度を小さくすることにより、蒸気ダンプ配管33を通り復水器へと導かれる蒸気量が減少するので、各低圧タービン11,13へ導かれる過熱蒸気の圧力が上がる。この減圧弁35の開度制御は、図示しない制御部によって行われ、左舷側プロペラに必要な推力に応じて調整される。
【0030】
前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13が回転駆動されると、第2駆動軸14及び減速機21を介してプロペラ軸25が駆動され、左舷側プロペラが回転して前進推力を発生する。左舷側プロペラの出力は、上述したように、減圧弁35の開度によって調整される。
左舷側プロペラの出力が不足する場合には、低圧駆動蒸気配管37から導かれる低圧駆動蒸気を前進用第1低圧タービン11へと供給する。供給される低圧駆動蒸気の圧力は、低圧駆動蒸気弁38によって制御される。
前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13を回転駆動させて仕事を終えた蒸気は、排気蒸気として復水器へと導かれる。
【0031】
後進時には、主駆動蒸気が各後進用タービン9,15へ供給され、これらタービン9,15を回転駆動する。これにより、右舷側プロペラおよび左舷側プロペラが逆方向に回転し、後進推力を発生する。各後進用タービン9.15を回転駆動させて仕事を終えた蒸気は、排気蒸気として復水器へと導かれる。
【0032】
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
前進用高圧タービン7によって駆動される第1駆動軸4と、高圧タービン7から排気された蒸気が供給されて駆動される前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13によって駆動される第2駆動軸14とを採用することとし、蒸気の単一フローによって2軸化を図ることで、設置スペースの増大を招かずに2軸化を実現できる。
【0033】
そして、前進用高圧タービン7から排気されて前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13に供給される蒸気の圧力を制御するために、蒸気ダンプ配管33及び減圧弁35を備えることとした。これにより、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13に流入する蒸気の圧力を、前進用高圧タービン7の運転条件に影響を受けずに設定できる。したがって、前進用高圧タービン7の出力と、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13との出力を独立して制御することができる。このように、蒸気ダンプ配管33、減圧弁35及び減圧弁を制御する制御部を追加するという簡便な構成で2軸の独立制御が実現できる。
【0034】
前進用高圧タービン7の排気蒸気が導かれる第1供給配管29及び第2供給配管31とは異なる別系統の過熱蒸気供給系統として、低圧駆動蒸気配管37から低圧駆動蒸気を供給することとした。これにより、前進用高圧タービン7に導かれる主蒸気系統とは独立して、前進用第1低圧タービン11の出力増大を図ることができる。これにより、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13によって駆動される左舷機5を安定して制御することができる。
また、低圧側タービンを2つの低圧タービン(前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13)に分け、一方の前進用第1低圧タービン11にのみに対して、低圧駆動蒸気配管37から蒸気を供給することとした。これにより、低圧側タービン(前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13)の制御性が向上する。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図2を用いて説明する。本実施形態は、第1実施形態の構成をさらに発展させたものである。したがって、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の蒸気タービン駆動機1Bの右舷機5には、前進用高圧タービン7と同じ第1駆動軸4に取り付けられた前進用中圧タービン40が設けられている。これら前進用高圧タービン7及び前進用中圧タービン40によって、高圧側タービンが構成されている。前進用中圧タービン40は、前進用高圧タービン7からの排気蒸気を再熱器42により再加熱して得られた過熱蒸気によって駆動される。具体的には、高圧タービン7の排気側の排気蒸気管27からバイパス配管44が分岐され、このバイパス配管44によって一部の排気蒸気が再熱器42に導かれて再加熱され、再熱蒸気供給管46によって前進用中圧タービン40へと再熱蒸気が導かれる。再熱器42へとバイパスされる蒸気流量は、前進用高圧タービン7側の排気蒸気管27に設けたバイパス弁49の開度調整によって決定される。バイパス弁49の開度は、第1制御部52に与えられた所定の関数に基づいて制御される。例えば、符号52で示した図形に示されているように、前進回転数(RPM(AHEAD))が低い場合はバイパス弁49の開度を大きくして再熱器42側にバイパスする蒸気流量を減少させ、前進回転数が高い場合はバイパス弁49の開度を小さくして再熱器42側にバイパスする蒸気流量を増大させる。なお、再熱器42は、一般的に、図示しない舶用ボイラの一部として構成される。
【0036】
第1制御部52は、主蒸気弁10も制御する。例えば、符号22で示した図形に示されているように、前進回転数(RPM(AHEAD))の回転数の増大に応じて開度が大きくなるように、すなわちスロットルを与えるようになっている。
【0037】
前進用中圧タービン40から排気された過熱蒸気は、排気蒸気管48を通り、合流点50にて前進用高圧タービン7から導かれた排気蒸気と合流する。合流した後の合流排気蒸気管54から、蒸気ダンプ配管33へ分岐し、さらに、並列に接続された第1供給配管29及び第2供給配管31へと分岐する点は第1実施形態と同様である。
合流排気蒸気管54には、蒸気ダンプ配管33に設けた減圧弁35によって減圧された蒸気圧力を計測するための圧力センサ56が設けられている。この圧力センサ56も、本発明の圧力制御手段の一部を構成する。圧力センサ56によって計測された計測圧力値PVは、第2制御部58へと送られる。第2制御部58では、外部から与えられた設定圧力値SVと計測圧力値PVとを比較し、設定圧力値SVとなるように例えばPID制御によって減圧弁35に指令値OPを出力する。減圧弁35は、この指令値OPに基づいて、その開度が制御される。
減圧弁35を通過して減圧された後のダンプ蒸気は、復水器60へと導かれる。
【0038】
以上のように圧力制御された後の過熱蒸気が、第1供給配管29及び第2供給配管31を介して、それぞれ、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13へと導かれる。この点は、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、第1供給配管29に逆止弁62が設けられている。この逆止弁62は、前進用第1低圧タービン11から高圧側タービン側(前進用高圧タービン7及び前進用中圧タービン40)への蒸気の逆流を防止するものである。
前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13にて仕事を終えた蒸気は、復水器60へと導かれる。
【0039】
低圧駆動蒸気配管37には、ユーティリティ蒸気圧力を一定に制御する減圧弁64が設けられている。減圧弁64を通過した低圧駆動蒸気は、分岐点66にて分岐した後に低圧駆動蒸気弁38へと導かれる。低圧駆動蒸気弁38は、第3制御部68によって、その開度が制御される。具体的には、前進回転数(RPM(AHEAD))が増大するに従い、その開度が増大するようになっている。これにより、低圧側タービン(前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13)の出力不足を主蒸気とは独立して補うようになっている。低圧駆動蒸気弁38は、前進の際には上述のように開度制御されるが、後進の際には全閉とされる。
【0040】
さらに、本実施形態では、第1実施形態では共に主蒸気によって駆動されていた後進用タービン9,15に代えて、右舷側の高圧後進タービン70と、この高圧後進タービン70の排気蒸気によって駆動される低圧後進タービン72とを採用している。
高圧後進タービン70は、主蒸気配管8から分岐した後進用主蒸気配管74から導かれた主蒸気によって回転駆動される。
後進用主蒸気配管74には、主蒸気弁76が設けられており、第4制御部78によって、その開度が制御される。主蒸気弁76は、後進の際に開度制御が行われ、前進の際には全閉とされる。
高圧後進タービン70から排気された過熱蒸気は、後進用の排気蒸気管78を通り、蒸気ダンプ配管80へと分岐する。蒸気ダンプ配管80には、減圧弁82が設けられている。
後進用の排気蒸気管78には、減圧弁82によって減圧された蒸気圧力を計測するための圧力センサ84が設けられている。圧力センサ84によって計測された計測圧力値PVは、第5制御部86へと送られる。第5制御部86では、外部から与えられた設定圧力値SVと計測圧力値PVとを比較し、設定圧力値SVとなるように例えばPID制御によって減圧弁82に指令値OPを出力する。減圧弁82は、この指令値OPに基づいて、その開度が制御される。
このように、後進用の蒸気ダンプ配管80、減圧弁82、圧力センサ84及び第5制御部86は、本発明の圧力制御手段を構成する。
減圧弁82を通過して減圧された後のダンプ蒸気は、復水器60へと導かれる。
【0041】
蒸気ダンプ配管80へと分岐せずに後進用の排気蒸気管78を流れた過熱蒸気は、供給配管88を通過して、低圧後進タービン72へと導かれる。排気蒸気管78には、低圧蒸気弁90が設けられている。この低圧蒸気弁90は、第6制御部92によって、その開度が制御されるようになっている。例えば、符号92で示した図形に示されているように、後進回転数(RPM(ASTERN))の回転数の増大に応じて開度が大きくなるように、すなわちスロットルを与えるようになっている。
【0042】
低圧駆動蒸気配管37の分岐点66から分岐して、合流点94にて後進用の供給配管88に合流する後進用の低圧駆動蒸気管96が設けられている。この低圧駆動蒸気管96には、後進用の低圧駆動蒸気弁98が設けられている。低圧駆動蒸気弁98は、第6制御部92によって、その開度が制御される。例えば、符号92で示した図形に示されているように、後進回転数(RPM(ASTERN))の回転数が低い場合は全閉とされ、所定の回転数を超えた場合に、出力増大を図るように開度が漸次増大するようになっている。
なお、後進用の低圧蒸気弁90及び低圧駆動蒸気弁98は、前進の際には全閉とされる。
【0043】
上記構成の蒸気タービン駆動機1Bは、以下のように動作する。
前進の際には、後進用の主蒸気弁76、低圧蒸気弁90及び低圧駆動蒸気弁98は、全閉とされる。
そして、舶用ボイラから高圧過熱蒸気とされた主駆動蒸気が前進用高圧タービン7に供給され、前進用高圧タービン7が回転駆動される。これにより、第1駆動軸4及び減速機20を介してプロペラ軸24が駆動され、右舷側プロペラが回転して前進推力を発生する。右舷側プロペラの出力は、第1制御部52によって制御される主蒸気弁10の開度によって調整される。
【0044】
前進用高圧タービン7から排気された過熱蒸気は、排気蒸気管27を流れ、第1制御部52によって制御されるバイパス弁49の開度に応じて、一部がバイパス配管44へと分岐され、残部が排気蒸気管27の下流側へと流れる。バイパス配管44を流れた過熱蒸気は、再熱器42にて再加熱されて再熱蒸気となり、再熱蒸気供給管46を通り前進用中圧タービン40へと導かれる。前進用中圧タービン40を回転駆動させて仕事を終えた過熱蒸気は、排気蒸気管48を通り、合流点50にて前進用高圧タービン7から導かれた排気蒸気と合流する。そして、過熱蒸気は、並列に設けられた第1供給配管29及び第2供給配管31を流れる。第1供給配管29及び逆止弁29を流れた過熱蒸気は、前進用第1低圧タービン11へと導かれ、前進用第1低圧タービン11を回転駆動する。同様に、第2供給配管31を流れた過熱蒸気は、前進用第2低圧タービン13へと導かれ、前進用第2低圧タービン13を回転駆動する。
【0045】
このように各低圧タービン11,13へ供給される過熱蒸気の圧力は、蒸気ダンプ配管33に設けた減圧弁35によって調整される。すなわち、圧力センサ56の計測圧力値PVに基づいて制御する第2制御部58によって、設定圧力値SVとなるように減圧弁35の開度が調整される。具体的には、減圧弁35の開度を大きくすることにより、蒸気ダンプ配管33を通り復水器60へと導かれる蒸気量が増大するので、各低圧タービン11,13へ導かれる過熱蒸気の圧力が下がり、これとは逆に、減圧弁35の開度を小さくすることにより、蒸気ダンプ配管33を通り復水器へと導かれる蒸気量が減少するので、各低圧タービン11,13へ導かれる過熱蒸気の圧力が上がる。ここで、第2制御部58に与える設定圧力値SVは、可変としておき、無駄に蒸気をダンプしないようにしておくことが好ましい。
【0046】
前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13が回転駆動されると、第2駆動軸14及び減速機21を介してプロペラ軸25が駆動され、左舷側プロペラが回転して前進推力を発生する。左舷側プロペラの出力は、上述したように、減圧弁35の開度によって調整される。
左舷側プロペラの出力が不足する場合には、低圧駆動蒸気配管37から導かれる低圧駆動蒸気を前進用第1低圧タービン11へと供給する。供給される低圧駆動蒸気の圧力は、第3制御部68によって制御される低圧駆動蒸気弁38によって調整される。
前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13を回転駆動させて仕事を終えた蒸気は、排気蒸気として復水器60へと導かれる。
【0047】
後進時には、前進用の主蒸気弁10、低圧駆動蒸気弁38が全閉とされる。
後進時は、前進時と同様の動作を行うので、その説明を省略する。すなわち、主駆動蒸気によって高圧後進タービン70が駆動され、高圧後進タービン70の排気蒸気によって低圧後進タービン72が駆動される点や、蒸気ダンプ配管80、減圧弁83、圧力センサ84及び第5制御部86によって圧力制御する点、低圧駆動蒸気弁98によって調整された低圧駆動蒸気によって低圧後進タービン72がアシスト駆動される点は、前進の場合の同様である。
【0048】
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
前進用高圧タービン7及び前進用中圧タービン40によって駆動される第1駆動軸4と、高圧タービン7から排気された蒸気が供給されて駆動される前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13によって駆動される第2駆動軸14とを採用することとし、蒸気の単一フローによって2軸化を図ることで、設置スペースの増大を招かずに2軸化を実現できる。
【0049】
そして、前進用高圧タービン7及び前進用中圧タービン40から排気されて前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13に供給される蒸気の圧力を制御するために、蒸気ダンプ配管33及び減圧弁35を備えることとした。これにより、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13に流入する蒸気の圧力を、前進用高圧タービン7の運転条件に影響を受けずに設定できる。したがって、前進用高圧タービン7の出力と、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13との出力を独立して制御することができる。このように、蒸気ダンプ配管33、減圧弁35及び減圧弁を制御する制御部を追加するという簡便な構成で2軸の独立制御が実現できる。
また、後進タービン70,72についても前進用と同様に、低圧後進タービン72に供給される蒸気の圧力を制御するために、蒸気ダンプ配管80及び減圧弁82を備えることとし、前進用と同様の作用効果を得るようにした。
【0050】
前進用高圧タービン7及び前進用中圧タービン40の排気蒸気が導かれる第1供給配管29及び第2供給配管31とは異なる別系統の過熱蒸気供給系統として、低圧駆動蒸気配管37から低圧駆動蒸気を供給することとした。これにより、前進用高圧タービン7及び前進用中圧タービン40に導かれる主蒸気系統とは独立して、前進用第1低圧タービン11の出力増大を図ることができる。これにより、前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13によって駆動される左舷機5を安定して制御することができる。
また、低圧側タービンを2つの低圧タービン(前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13)に分け、一方の前進用第1低圧タービン11にのみに対して、低圧駆動蒸気配管37から蒸気を供給することとした。これにより、低圧側タービン(前進用第1低圧タービン11及び前進用第2低圧タービン13)の制御性が向上する。
さらに、第1低圧タービン11に供給される低圧駆動蒸気が、高圧側タービン7,40から排気される過熱蒸気の圧力条件によっては(すなわち第2制御部58の設定圧力値SVによっては)、低圧駆動蒸気の圧力が相対的に大きくなり、第1低圧タービン11から高圧側タービン7,40側へと蒸気が逆流するおそれがあるので、第1供給配管29に逆止弁62を設けることとした。これにより、安定的な運転が実現される。
【0051】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について、図3を用いて説明する。第1実施形態及び第2実施形態では、蒸気タービン駆動機1A,1Bを二軸船へ適用することを前提としたが、本実施形態は、蒸気タービン駆動機の他の用途として、ガス液化装置100について示している。
ガス液化装置100は、例えばLNG(液化天然ガス)等の液化ガスの原料となる天然ガス(NG)を冷却して液化するものである。ガス液化装置100は、上述した蒸気タービン駆動機1A,1Bを、冷凍サイクルを構成する圧縮機の駆動源とする。なお、同図において、蒸気タービン駆動機1A,1Bが概略的に示されているが、高圧側タービン102、低圧側タービン103、圧力制御手段(図示せず)、低圧駆動蒸気によるアシスト駆動(図示せず)、第1駆動軸105及び第2駆動軸107については、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成とされている。
【0052】
ガス液化装置100は、第1駆動軸105によって回転駆動される第1圧縮機109と、第2駆動軸107によって回転駆動される第2圧縮機111とを備えている。各圧縮機109,111は、それぞれ、駆動軸105,107によって回転駆動される同軸上に設けられた二段圧縮部を備えており、圧縮後の冷媒(例えば窒素)は、図示しない冷凍サイクルへと導かれる。
【0053】
図示しない冷凍サイクルでは、第1圧縮機109によって圧縮された冷媒を膨張させて冷熱を得る第1冷熱出力部と、第2圧縮機111によって圧縮された冷媒を膨張させて冷熱を得る第2冷熱出力部とが設けられている(いわゆるダブルエクスパンジョンサイクル(double expansion cycle))。そして、第1冷熱出力部および第2冷熱出力部によって、LNGの原料となる天然ガスなどが冷却されて液化されるようになっている。
【0054】
本実施形態のように、2つの膨張部を有する冷凍サイクルを実現するために、2軸を独立して制御することができる蒸気タービン駆動機1A,1Bを適用することで、設置性およびコスト的に有利なガス液化装置を提供することができる。また、各駆動軸を独立に制御できるので、一方の圧縮機を高圧用、他方の圧縮機を低圧用とすることができ、高効率な液化を実現することができる。
【0055】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について、図4を用いて説明する。第1実施形態及び第2実施形態では、蒸気タービン駆動機1A,1Bを二軸船へ適用することを前提としたが、本実施形態は、蒸気タービン駆動機の他の用途として、船舶の推進装置として用いられた蒸気タービン駆動機を、発電用の駆動機として変換する例を示したものである。
【0056】
既存の1軸の蒸気タービン船には、蒸気タービン駆動機の出力先、すなわち各駆動軸205,207の出力側に、減速機、プロペラ軸等で構成される出力機構部201が設けられている。このような蒸気タービン船を、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)のような推進器を必要としない浮体に変更する場合、出力機構部201が不要となる。
そこで、本実施形態では、出力機構部201を取り外し、第1実施形態及び第2実施形態と同様の蒸気タービン駆動機1A,1Bに改造する。具体的には、既存の高圧側タービン202と低圧側タービン203との間に、蒸気ダンプ配管33、減圧弁35等の圧力制御手段と、ユーティリティ蒸気等の低圧駆動蒸気を導くための低圧駆動蒸気配管37や低圧駆動蒸気弁38等のアシスト駆動系とを追設する。そして、第1駆動軸205及び第2駆動軸207のそれぞれに対して、これらの回転を得て駆動される第1発電機209及び第2発電機211を接続する。
【0057】
本実施形態のように、既存の1軸の蒸気タービン船をFSRUのような浮体に変更する場合であっても、既存の推進装置を改造して発電機の駆動用として用いることができる。また、蒸気タービン駆動機1A,1Bは、各駆動軸205,207が独立して制御することができるので、各発電機209,211の発電量を任意に調整することができ、電力需要に対して柔軟に対応することができる。
【符号の説明】
【0058】
1A,1B 蒸気タービン駆動機
4 第1駆動軸
7 前進用高圧タービン(高圧側タービン)
11 前進用第1低圧タービン(低圧側タービン)
13 前進用第2低圧タービン(低圧側タービン)
14 第2駆動軸
33,80 蒸気ダンプ配管(圧力制御手段)
35,82 減圧弁(圧力制御手段)
37 低圧駆動蒸気配管
56,84 圧力センサ(圧力制御手段)
58 第2制御部(圧力制御手段)
62 逆止弁
86 第5制御部(圧力制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気が供給されて駆動される高圧側タービンと、
該高圧側タービンによって駆動される第1駆動軸と、
前記高圧タービンから排気された蒸気が供給されて駆動される低圧側タービンと、
該低圧側タービンによって駆動される第2駆動軸と、
を備えた蒸気タービン駆動機であって、
前記高圧側タービンから排気されて前記低圧側タービンに供給される蒸気の圧力を制御する圧力制御手段を備えていることを特徴とする蒸気タービン駆動機。
【請求項2】
前記圧力制御手段は、
前記高圧側タービンから排気された蒸気の一部を分岐して復水器へと導く蒸気ダンプ経路と、
該蒸気ダンプ経路を流れる蒸気を減圧する減圧弁と、
前記低圧側タービンへと流れる蒸気が所定圧力となるように前記減圧弁を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン駆動機。
【請求項3】
前記低圧側タービンには、前記高圧側タービンの排気系統とは異なる別系統から導かれる蒸気が供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービン駆動機。
【請求項4】
前記低圧側タービンは、前記高圧側タービンから供給される過熱蒸気に対して並列に設けられた第1低圧タービンおよび第2低圧タービンの2つの低圧タービンから構成され、
前記第1低圧タービンのみに対して、前記別系統から蒸気が供給されることを特徴とする請求項3に記載の蒸気タービン駆動機。
【請求項5】
前記第1低圧タービンの入口側と前記高圧側タービンの排気側とを接続する蒸気供給経路には、該第1低圧タービンから該高圧側タービン側への蒸気の逆流を防止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービン駆動機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の蒸気タービン駆動機と、
前記第1駆動軸によって回転駆動される第1プロペラと、
前記第2駆動軸によって回転駆動される第2プロペラと、
を備えていることを特徴とする船舶。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の蒸気タービン駆動機と、
前記第1駆動軸によって回転駆動される第1圧縮機と、
前記第2駆動軸によって回転駆動される第2圧縮機と、
前記第1圧縮機によって圧縮された冷媒を膨張させて冷熱を得る第1冷熱出力部と、
前記第2圧縮機によって圧縮された冷媒を膨張させて冷熱を得る第2冷熱出力部と、
を備え、
前記第1冷熱出力部および前記第2冷熱出力部によってガスを冷却して液化することを特徴とするガス液化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−176691(P2012−176691A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40717(P2011−40717)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】