説明

蒸着方法及び蒸着装置

【課題】熱の伝達効率が悪いテンションマスクを効率的に冷却し、高精細なパターン形成を可能にする。
【解決手段】マスク箔を用いるテンションマスクであるマスク5を介して基板4に成膜材料を付着させることによりパターン形成を行う蒸着方法において、蒸着後のマスクを冷却することなく再使用可能であるか否かを判定する工程を設ける。再使用可能である限り複数枚の基板に対して同じマスクを繰り返し使用し、再使用不可と判定した場合は、冷却ユニット14を有するマスクストック室2に搬送し、冷却した後に蒸着室1に戻して再使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク箔とこれを支持するマスクフレームとを備えたテンションマスクを用いて蒸着する蒸着方法及び蒸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子の有機発光層、電極パターンを真空蒸着で形成する手法として、シャドウマスクを用いたマスク蒸着法が広く採用されている。蒸着源からの輻射熱によるマスクの温度上昇に関しては、特許文献1に開示されたように、マスクに冷却水を流す構成が知られている。近年、画素パターンの高精細化の要求にともない、精細な開口パターンを有する薄いマスク箔をフレームに貼り付けたテンションマスクが広く用いられている。
【0003】
テンションマスクは、図5に示すように、マスクフレーム101及びマスク箔102を備え、両者は溶接部103によって溶接され、マスク箔102はマスク開口104を有する。マスクフレーム101の幅L1と比べてマスク全体の幅L2は小さく、マスクフレーム101の厚さt1は、構造体としての強度を保つため概ね5〜30mm程度である。マスク箔102の厚さt2は、マスクの開口104のサイズによるが100μm以下である。テンションマスクは、あらかじめテンションをかけることで、蒸着中の熱膨張によるマスク箔の撓みが防止できるため高精度のパターニング蒸着が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−008859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、テンションマスクのパターニング精度は高いもののマスク箔が非常に薄いため、蒸着源からの輻射熱によりマスク箔の温度は上昇しやすい。マスク箔が昇温したテンションマスクで蒸着を行うと、接触したマスク箔から基板へ熱が移動することにより、基板が熱膨張を起こし、蒸着されるパターン形状の変化や、パターニング精度の悪化が生じるという課題がある。
【0006】
特に、高精細パターンを形成した薄膜であるマスク箔をマスクフレームに貼り付けたテンションマスクでは、マスク箔の厚さが薄く断面積が小さいため、熱の伝達効率が悪い。従って、特許文献1に開示されたように、冷却水をマスクフレームに流してもマスク箔の中央部まで均一に冷却することは困難である。
【0007】
本発明は、薄膜状のマスク箔を有するテンションマスクを用いたマスク蒸着において、マスクを効率良く均一に冷却し、高精細なパターン形成を安定的に行うことのできる蒸着方法及び蒸着装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の蒸着方法は、マスクを介して基板にパターン形成を行う蒸着方法において、マスクを介して基板に成膜材料を蒸着する工程と、蒸着後のマスクを基板から分離して、冷却することなく再使用可能か不可かを判定する工程と、再使用不可と判定されたマスクを冷却手段によって冷却し、新たな基板の蒸着に用いる工程と、を有し、再使用可能と判定されたマスクは冷却することなく、新たな基板の蒸着に用いることを特徴とする。
【0009】
本発明の蒸着装置は、マスクを介して基板にパターン形成を行う蒸着装置において、基板とマスクの位置合わせを行う手段と、マスクを介して成膜材料を基板に蒸着するための蒸着源と、蒸着後のマスクを接触させて冷却する冷却手段と、前記基板とマスクの位置合わせを行う手段及び前記蒸着源を収容する蒸着室と、前記蒸着室に隣接し、蒸着後のマスクを収容するマスクストック室と、を有し、前記冷却手段は前記マスクストック室に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
真空蒸着においては、高温になった蒸着源からの輻射熱によるマスクの昇温は避けられない。そこで、マスクが高温にならないように、マスクの使用回数などを決めて適宜冷却することによりマスクが高温になることを防ぐ。これにより、基板の熱膨張に起因するパターン形状の変形や、パターニング精度の悪化を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態による蒸着方法を説明するフローチャートである。
【図2】蒸着装置を示す模式図である。
【図3】図2のマスクストック室内のストッカー1段分の動作を説明する工程図である。
【図4】実施例及び比較例1、2の実験結果を示すグラフである。
【図5】テンションマスクを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1(a)は、一実施形態に係る蒸着方法を示すフローチャートである。工程フローに沿って説明すると、基板の出し入れステップS01を経て蒸着室に導入された基板とマスクは、位置合わせステップS02において精密アライメント作業が行われる。両者が所定の位置関係になったところで基板とマスクを重ね合わせて、表面が互いに接触した状態にする。次に、蒸着ステップS03において成膜材料がマスクのパターン開口部を通って基板に堆積(蒸着)する。マスクを介して所望の厚さのパターン形成を行った後に、蒸着後のマスクを冷却するかどうか判定するステップS04を経て、必要があればマスクを冷却するステップS05に移行する。必要がなければ次の基板の出し入れステップS01に戻って、同じマスクを用いて新たな基板に蒸着するプロセスを継続する。本発明の特徴は、マスクを冷却することなく再使用可能か不可かを判定するステップS04と、再使用不可と判定されたマスクを冷却手段によって冷却するステップS05を有していることである。
【0013】
マスクを冷却するかどうか判断する方法は複数の実施アプローチがある。例えば、蒸着回数をカウントする方法、積算の蒸着膜厚をモニタする方法、マスクの温度をモニタする方法などが挙げられる。
【0014】
テンションマスクにおけるマスク箔とマスクフレームの材質は、用途に応じて適宜選択されるが、張力をかけてマスク箔をマスクフレームに固定するテンションマスクの場合は、溶接できる材料同士であることが好ましい。また、開口精度と配列精度を保つ観点から熱膨張の小さい材料であることが好ましい。従って、熱膨張係数が小さいインバーなどが用いられる。
【0015】
精密な位置合わせを行う上では、アライメント作業は蒸着を行う蒸着室において行うことが望ましい。アライメント作業は、蒸着の直前に行うことが望ましい。
【0016】
複数枚の基板を処理するごとにマスクを冷却する冷却手段は、蒸着を行う蒸着室内に配置してもよいが、蒸着作業の邪魔にならないように蒸着室に隣接する別の部屋を設けて、そこに基板から分離されたマスクを収容し、冷却手段を配置してもよい。マスクの寿命が短く頻繁にマスクの交換を要する場合には、あらかじめ複数のマスクを収容して真空引き状態に保管しておくマスクストック室を設けて、そこに冷却手段を配置してもよい。
【0017】
冷却手段としては、水やフレオンなどの冷媒を流した冷却ユニットにマスクを接触させる形態が効率的である。この場合、テンションマスクを冷却ユニットに接触させる圧力や、テンションマスクと冷却ユニットの平行度を精密に管理しないと、非常に薄いマスク箔とマスクフレームからなるテンションマスクの場合には破壊が生じる恐れがある。従って、基板を擬似的に冷却ユニットとして代用するダミー基板を接触させることで冷却するのが望ましい。ダミー基板であれば、テンションマスクに接触させる時の取扱は通常の基板と同じであるため、特に精密な加圧力の制御や平行度の管理が必要ない。機構上は、テンションマスクとそれぞれのダミー基板を独立に操作できるようにする必要があるが、数mmの直線運動が可能なリニアエンコーダやプッシュロッド等を用いれば比較的容易に設計することができる。さらに蒸着する成膜材料が金属の場合、マスク箔が基板と接触する面に対して、予めダミー基板に同じ金属を蒸着しておくと、ガラス等の絶縁体と比べて熱伝導がよいため効率良く冷却することが可能になる。
【0018】
マスク箔の冷却には、可能な限りマスク箔全面で均一な温度になるように冷却することが望ましい。ここで述べる「均一」とは設定温度±5℃、より望ましくは設定温度±2.5℃のレベルを指す。測定方法としては、φ0.3mm程度の極細の熱電対をマスク箔表面に可能な限り小さなスポットで接着する方法が挙げられ、これによりレスポンスがよい測定ができる。テンションマスクにおいては、フレームとマスク箔の厚さが著しく異なることから熱容量が大きく異なる。このため一旦テンションマスクの温度が上昇すると冷却時にフレームとマスク箔の溶接部に過大な応力がかかることから可能な限り室温付近で使用することが望ましい。
【0019】
図1(b)は、(a)に示す工程に改良を加えた、マスクストック室を用いる場合を示すフローチャートである。破線で囲んだ部分がマスクストック室における工程フローS10であり、マスクを冷却するかどうか判断するステップS04に加えて、マスク寿命を判断するステップS06を有している。
【0020】
基板の出し入れステップS01を経て蒸着室に導入された基板とマスクは、位置合わせステップS02において精密アライメント作業が行われる。両者が所定の位置関係になったところで基板とマスクは重ね合わせ、表面が互いに接触した状態になる。次に、蒸着ステップS03を経ることで所望の成膜材料がマスクのパターン開口部を通って基板に堆積する。所望の厚さまで蒸着した後に、マスクを冷却するかどうか判断するステップS04と、マスクの寿命判断を行うステップS06とを経由して、マスクが寿命に達していなければ、マスクの冷却ステップS05に移行する。寿命に達していれば次のマスク交換ステップS09に移行する。マスク交換ステップS09においては、冷却済みマスクがあればマスクの冷却ステップS05からマスクを取り出して蒸着室へ導入する。冷却済みマスクが存在しない場合は、新マスク選択ステップS07を経て、マスク交換ステップS09を実施する。また、寿命に達したマスクに関しては、使用済みマスク保管ステップS08に移行する。また、基板の方は、基板の出し入れステップS01に戻ってプロセスが継続される。
【0021】
例えば、基板数10枚ごとに冷却のためにマスクを交換し、処理基板数が20枚に達したマスクは寿命に達すると設定する。このとき基板出し入れステップS01、位置合わせステップS02、蒸着ステップS03を10回繰り返した後、冷却判断ステップS04、寿命判断ステップS06に進み、マスク冷却ステップS05を実行する。
【0022】
1枚目のマスクを使用している際は、冷却済みのマスクが存在しないことから、新マスク選択ステップS07、マスク交換ステップS09を経て新マスクが蒸着室にセットされる。この状態で改めて、10回基板に対する蒸着が繰り返される。10回目に到達したところで、冷却判断ステップS04、寿命判断ステップS06を進みマスク冷却ステップS05を実行する。
【0023】
2枚目のマスクを使用した後は、冷却済みの1枚目のマスクが存在していることから、冷却ステップS05、マスク交換ステップS09を経て1枚目のマスクが蒸着室にセットされる。
【0024】
この状態で改めて、10回基板に対する蒸着が繰り返される。10回目に到達したところで、冷却判断ステップS04、寿命判断ステップS06を経て使用済みマスク保管ステップS08に移行する。また、冷却済みの2枚目のマスクが存在していることから、冷却ステップS05、マスク交換ステップS09を経て2枚目のマスクが蒸着室にセットされる。以下、同じ要領で繰り返していくことで冷却ステップを盛り込みながら蒸着することができる。
【0025】
図2は、マスクストック室を使ってマスク箔を冷却する蒸着装置を示すもので、蒸着室1とマスクストック室2が仕切り弁3を介して接続されている。蒸着室内には成膜材料12を放出する蒸着源13が下方に設けられ、その上方にはシャッター11、防着板9、10が設けられている。シャッター11の直上にはマスク5及び基板4が設置され、基板4は支持体6によって上方から保持されている。また、蒸着室1にはマスク5と基板4の位置合わせを行うためのセンサー7、8が設けられている。
【0026】
マスクストック室2には破線で示すようにマスクストック棚があり、例えば5つのテンションマスクであるマスク15を各棚に収納する構造となっている。マスク1枚を収納するマスクストック棚1段ごとに支持体18、アクチュエ−タ16、17、冷却ユニット14があり、冷却ユニット14をマスク15に接触させることによりマスク15のマスク箔の冷却を行う。
【0027】
図3は、図2に示すマスクストック室における冷却プロセスを説明するもので、(a)は、マスク15が冷却ユニット14と接触して冷却された状態を示す。図2においては、マスク15は紙面に平行に左右方向に動かすことでマスクストック棚への収納が行われる。一方、図3においては、図2と90度異なる断面を示し、紙面垂直方向にマスク15を動かすことによりマスクストック棚への収納が行われる。
【0028】
図3(a)に示すように、マスクストック棚の支柱に、マスク15及び冷却ユニット14、アクチュエ−タ16,17を支える棚板である支持体18が配置されている。この冷却状態から以下の動作でマスク15を取り出す。まず、図3(b)に示すように、アクチュエ−タ16,17から伸張した部分が冷却ユニット14を支えることでマスク15と冷却ユニット14が分離される。次に、図3(c)に示すように、ロボットアーム20が紙面垂直方向から延伸してきてマスク15をピックアップする。そして、マスク15の搬送が終了すると、図3(d)に示すように、新たなマスクを冷却できる状態になる。
【0029】
アクチュエ−タ16、17及びマスクストック棚の支柱の上下動、ロボットアーム20の延伸動を使うことで、複数あるマスクストック場所へのマスク15の収納と、冷却のための冷却ユニット14との接触を実施することができる。
【0030】
マスクストック室を用いる冷却ステップを中心に説明を行ったが、蒸着室内に冷却機構を設け、そこでマスク箔の冷却を行ってもよい。量産装置の場合には、頻繁に蒸着室内に入ってくる基板との干渉を避ける場所にテンションマスクを退避し、マスク箔全面を冷却する冷却手段と接触させる構造をとることもできる。
【実施例】
【0031】
大きさ360mmx460mm、厚さ2mmのガラス基板上に、厚さ200nmのアルミニウムをマスク蒸着した。用いたテンションマスクは、10mmx510mm、厚さ20mmのマスクフレームに、厚さ50μmのマスク箔を溶接した構造のもので、材質はいずれもインバーである。マスク箔にはライン状の開口(線幅50μm、長さ500μm)が多面取り形成されている。
【0032】
蒸着のプロセスは図1(b)に示すフローに沿う形で実施し、マスクの交換及び寿命の判断は、蒸着回数で決定した(マスク交換は蒸着10回、マスク寿命は蒸着50回とした)。
【0033】
ここで、テンションマスクはマスクストック室に2枚セットし、ガラス基板は不図示のガラス基板供給ユニットから100枚供給できるようにした。そして、蒸着ごとの基板温度を1枚おきにサーモラベル(Wahlテンププレート)を用いて評価した。サーモラベルは不可逆タイプのもので、ガラス基板のテンションマスクと接触する側中央に1点配置した。なお該当箇所はテンションマスクに開口はないため、基板の温度上昇は蒸着源からの輻射熱による直接加熱ではなく、マスク箔の温度が上昇したことによるマスク箔からの輻射熱及び接触による熱伝達である。
【0034】
マスクストック室に設置する冷却ユニットはダミー基板とした。誘導加熱型の蒸着源にアルミナ製のるつぼをセットし80gのアルミニウム材を投入し、蒸着室を10−4Pa以下の真空度まで真空ポンプを用いて真空引きを行った。次に蒸着源に50kHz交流電源を印加し、出力を3時間かけて1400Wまで徐々に上げアルミニウムを溶融状態にした。蒸着速度が検出可能なレベルに達したら交流電源をレート制御モードに移行して2nm/secで安定したところで基板への蒸着を開始した。蒸着の開始と終了はシャッターで行い、基板交換やマスク交換の際はシャッターを閉じた状態で行った。
【0035】
図4に実験結果を示す。サーモラベルは4点表示タイプ(37−43−48−54℃)であり、37℃が反応しない場合は30℃とした。実験の結果、本実施例のプロセスに従って10枚の基板への蒸着ごとにマスク交換を実施すると、基板の温度は30〜37℃までの範囲に抑制されることがわかった。これはパターン精度を保つ上で許容できる温度上昇である。
【0036】
(比較例1)
上記実施例と同じ装置を用いて、マスク交換をせずに蒸着を続けた場合の基板温度についてサーモラベルを用いて評価した実験結果を図4に示す。マスク交換をせずに蒸着を続けた場合には、基板温度は投入基板ごとに温度上昇を続け、50枚経過後には54℃に達していた。マスクフレームからチャンバー側へ熱の移動があるために54℃以上の温度は記録されなかった。しかしながら初期の温度に対し24℃の温度上昇をしており、パターン精度上無視できない温度上昇であることがわかった。
【0037】
(比較例2)
上記実施例と同じ装置を用いて、マスク交換は10枚ごとに実施するがマスクストック室に冷却ユニットがない場合の基板温度についてサーモラベルを用いて評価した実験結果を図4に示す。マスク交換を実施することで、マスク交換をせずに蒸着を続けた比較例1と比べて温度上昇は抑制されていた。しかしながら、冷却ユニットがない場合は、マスクストック室内においてテンションマスクは真空断熱状態であることから、マスク箔の温度はほとんど変化しない。そのため、徐々に基板の温度は上昇し50枚目には48℃に達していた。50枚でマスクが寿命に達しているために、51枚目からは次のマスクに交換している。この場合、比較例1よりは温度上昇が抑制できるものの、初期の温度に対し18℃の温度上昇をしており、パターン精度上無視できない温度上昇であることがわかった。
【0038】
テンションマスクのストック数を増やし、交換までのサイクルを延ばすことで温度上昇を抑制することは実現可能であるが、マスクストック数の増加は装置の大型化ひいては装置コストの上昇につながるため現実的ではない。
【0039】
以上説明したように、テンションマスクを用いて蒸着を行う場合、マスク箔が著しく高温にならないよう使用回数などを決めて適宜冷却するステップを導入することにより、高温となったマスク箔から基板への熱移動を抑制することができる。これによって、基板の熱膨張に起因するパターン形状の変形や、パターニング精度の悪化を防止することできる。
【符号の説明】
【0040】
1 蒸着室
2 マスクストック室
4 基板
5、15 マスク
6、18 支持体
7、8 センサー
14 冷却ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを介して基板にパターン形成を行う蒸着方法において、
マスクを介して基板に成膜材料を蒸着する工程と、
蒸着後のマスクを基板から分離して、冷却することなく再使用可能か不可かを判定する工程と、
再使用不可と判定されたマスクを冷却手段によって冷却し、新たな基板の蒸着に用いる工程と、を有し、
再使用可能と判定されたマスクは冷却することなく、新たな基板の蒸着に用いることを特徴とする蒸着方法。
【請求項2】
マスクを介して基板にパターン形成を行う蒸着装置において、
基板とマスクの位置合わせを行う手段と、
マスクを介して成膜材料を基板に蒸着するための蒸着源と、
蒸着後のマスクを接触させて冷却する冷却手段と、
前記基板とマスクの位置合わせを行う手段及び前記蒸着源を収容する蒸着室と、
前記蒸着室に隣接し、蒸着後のマスクを収容するマスクストック室と、を有し、
前記冷却手段は前記マスクストック室に配置されていることを特徴とする蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−265497(P2010−265497A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116201(P2009−116201)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】