説明

蒸着方法

【課題】
本発明は、15cm角程度の小さな基板から30cm以上の大きな基板に対して、基板内の膜厚分布が良好であり、且つステップカバレッジの悪化によるピンホールが生じにくい蒸着膜を、蒸着材料の利用効率が高く形成することを課題としたものである。
【解決手段】
該蒸着ボートの蒸発孔を2つ以上の直径の異なる同心円の円周上に配置し、且つ、該蒸着ボートの両端の電極板部から通電し、容器部を加熱することにより該容器部内の蒸着材料を蒸発させ、基板上に薄膜形成を行なう蒸着方法であって、蒸発孔を配置した2つ以上の円周の少なくとも一つが基板に内接する円を垂直投影したときの円周上または円周内側にあり、且つ、少なくとも一つが基板に外接する円を垂直投影したときの円周上または円周外側にあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は昇華性材料または有機材料等を抵抗加熱式蒸着ボートで蒸着する際に昇華や突沸による大きな粒子の飛散を防ぐためのカバーが付いた抵抗加熱式昇華性材料用金属製蒸着ボート、および該蒸着ボートを通電加熱するための電極ジグユニット、およびそれらを有する蒸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機デバイスの研究開発が盛んになり、機能性の有機薄膜が用いられている。真空蒸着法で機能性の薄膜を形成する際に用いる材料は昇華性または溶融蒸発性の材料がある。実験室レベルでの簡易的な小型蒸着装置を用いて200〜600℃で蒸着可能な有機物、GeO、SiO、LiF等の1000℃以下で蒸着可能な材料を蒸着する場合は、2つ以上穴の開いた中板と1つ穴を開けたカバーが付いた金属製抵抗加熱式の蒸着ボートが使用されている。
【0003】
従来の蒸着ボートの模式図を図5に示す。蒸着ボートは蒸着材料を入れる容器部(1)を有する底板(2)、蒸発物が通る2つの直系1mm程度の穴の開いた中板(3)、直径1mm程度の蒸発孔の空いたカバーを順に重ね合わせた構造になっている。中板と、カバーの役割は粉末の蒸着材料がこぼれ難くすることと、蒸着物自体の粉末やその溶融物、または蒸着物の酸化皮膜や分解物等のふわふわとした綿状の不純物が蒸着膜中に入り込み膜質劣化や、ピンホールを生じさせることを防ぐためである。蒸着ボートの材質はタンタル、タングステン、モリブデンから選ばれた高温での蒸気圧が低い高融点金属からできている。
【0004】
底板(2)にある容器部(1)は長さ3cm〜4cm、幅9mm〜16mm、深さ3mm〜5mmであり、容器部(1)の両側に平板上の長さ3cm程度の電極板部(6)がある。また、底板には容器部(1)の長さと同じか数mm長く、中板とカバーを差し込むためのガイド部(8)が両脇に作られている。底板の上に中板とカバーを重ねてガイド部に差し込み、さらにガイド部(8)を折り込むことにより底板に中板とカバーを挟み込み密着させることができるようになっている。
【0005】
図6に従来の蒸着ボートを電極に装着した模式図を示した。電極板部(6)はその両方を電極ジグ(7)に挟み込まれ、通電加熱され使用される。また、熱電対(10)がバネ機構により容器部底に接し、蒸着温度を測定できるようになっている。
【0006】
有機ELディバイスは電極にはさまれた有機発光層を含む有機発光媒体層に電流を流し込むことによって発光させるものである。カラーELデバイスの有機発光媒体層の種類はすくなくとも正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、緑色発光層、赤色発光層の5種類の層が使われることが多い。
【0007】
また、有機発光層は発光効率を上げるためホスト材料とドーパント材料の2種類を2元共蒸着し構成する場合が多い。発光層のホスト材料を共通に使った場合でも8種類の材料が必要になる。さらに、電子輸送層を積層したり、赤色の変換効率を上げるために黄色と赤のドーパント材料を2種類使い3元共蒸着を行う場合には10種類の材料が必要となる。有機ELデバイス中の有機発光層を真空蒸着で作製する場合、作製効率を上げるため、また大気中の水分やオゾン、一酸化窒素、室内光に触れて劣化しやすい材料を扱う場合は劣化を避けるために、層形成途中においてできるだけ大気や光に晒さず連続で蒸着できる装置を用いることが望ましい。
【0008】
また陰極にLi、LiF、CsF、Ca、Ba、Al、Ag等の電子注入材料や陰極金属材料で2−3種類、封止層の成膜にさらにSiO、MgO、GeO等の酸化物絶縁材料が必要となる。金属陰極蒸着以降のプロセスは、金属微粒子や酸化物微粒子の有機膜中への混入による電気短絡を防ぐために有機層蒸着と別の真空蒸着装置やCVD装置、スパッタ装置等を用いることが望ましい。
【0009】
生産型の蒸着装置では各材料層毎に真空蒸着室を別にして作製を行うことも可能だが、予算とスペースが限られる実験室用の蒸着装置では有機層と金属陰極、封止層を2〜3つ程度の小型真空チャンバーに分け、有機層蒸着ではできるだけ多数の蒸着ボートや大容量の坩堝を有するクヌードセンセル(Kセル)等を真空チャンバーのベースプレート(17)上に配置し実験を行っている。
【0010】
しかし、Kセルは高価であり、使うるつぼも高価であるため、材料毎にるつぼを準備することは困難であった。使い捨てが可能な安価な金属製抵抗加熱式蒸着ボートを使って蒸着したいという要望が多かったが、溶接ではなくプレス成型で作った安価な蒸着ボートは蒸着材料を入れられる容量が少なく1−2回の蒸着しかできず連続蒸着作業が困難であった。
【0011】
蒸着装置で用いる基板の大きさは、蒸着装置の大きさや形成される膜膜厚分布の均一性、マスク蒸着の精度の制限から10cm角から30cm角程度までの基板を用い、基板を回転させながら蒸着する装置が多い。しかし、それらの装置の蒸着ボートの配置は、電極ジグがベースプレートまたはフィードスルーカラーから導入された電極ジグに固定されていて容易に変えられず、またKセル等の蒸着源の場合は、予め設定された基板での膜厚分布が良くなるよう導入ポートの位置と角度が固定されているために、基板が大きくなった場合には膜厚分布が悪くなったり、基板が小さい場合には蒸着材料の無駄になる割合が増す問題があった。
【0012】
本発明者が正方形基板に蒸着する場合の膜厚分布を鋭意検討を行ったところ、膜厚を均一にするためには蒸着ボートと基板の距離を基板の1辺の長さの3倍とし、基板を回転させながら基板に内接する円を蒸着ボート上へ垂直射影した円ラインに交わる位置に蒸発孔を配置し蒸着材料を蒸着すると、±3%以内の膜厚分布で蒸着を行えることが分かった。膜厚分布が±3%より大きい場合は、ELディスプレイの輝度ムラや特性のバラつきが生じる原因になるためできるだけ±3%以内にしたい要望があった。なお、膜厚分布の値の計算は基板内の(最高膜厚−最小膜厚)×(最高膜厚+最低膜厚)/100で計算した。
【0013】
しかし、このように蒸発孔を配置した場合、基板の内接円の外側では常に内側から蒸着材料が付着するため、基板上の微小な凸凹に対するステップカバレッジが悪くなってしまう。すなわち、凹凸の影になった部分においてピンホールや膜が薄い部分が生じショートの原因になるという問題があった。
【0014】
そこで、ショートを防止するために、蒸発孔を基板の外接円の外側の円ラインに配置し、基板と蒸着ボートの距離を配置した円ラインの直径の3倍の距離とし、蒸着膜の形成を行なった場合、ステップカバレッジは向上し、膜厚分布も維持される。しかし、蒸発孔が基板の外接円の外側にあるため、蒸着材料が基板に付着しない割合が増え、場合によっては1g当たり数万円から数十万円する高価な有機蒸着材料が無駄になってしまい、蒸着材料の利用効率が低下するという問題があった。そのため、基板の大きさが変わっても膜厚分布と蒸着材料の利用効率を適正にでき、かつ、膜にピンホールが生じ難い蒸着方法が求められていた。
【0015】
また、従来の昇華性材料用の市販の蒸着ボートの大きさは、大きいもので長さ10cm、幅16mm程度であり、従来の電極ジグ(7)は上面から見て長さ15cm、幅3cm程度となる。図8に従来の蒸着装置における蒸着ボートの配置例の模式図を示した。図8示すように15cm角程度の基板に蒸着する場合を考えると、15cm角基板に内接する円を蒸着ボート上へ垂直射影した円(19)と交わる位置に配置できる蒸着ボートの数は実用上の大きさで4つが限度であった。
【0016】
図9に8つの蒸着ボートを放射状に配置した場合の模式図を示した。25cm基板の場合で考えると蒸着ボートの中心にある蒸発孔の電極ジグの端からの位置は7.5cmのところになり、蒸着ボート間の材料の付着を防ぐ仕切板(12)等の内部ジグに電極ジグ(7)が接触しない配置を考えると蒸発孔の位置は放射配列の中心から約12.5cm以上離す必要があった。その場合25cm角以上の基板サイズの場合でないと基板に内接する円が垂直投影された円に交わる位置に配置するのは困難であった。
【0017】
一方、従来の蒸着ボートでは蒸着ボートの幅D1が16mm〜18mmの大きさのボートであっても容器部の深さH2は3mm〜5mmであった。蒸着材料を入れる容器部の深さが十分でないと入れられる蒸着材料の量が制限され、小まめに蒸着装置の真空を破り材料を足す必要が生じ、連続で蒸着ができない問題があった。
【0018】
蒸着ボートの容器部の幅D2を大きくすれば、深さH2が浅くても入れられる蒸着材料の量を増やせるが、蒸着ボートの幅は狭くし、基板の回転範囲の垂直投影面内に多数の蒸着ボートを並べて連続して蒸着を行いたい要望があった。そのため、できるだけH2/D1およびH2/D2の比を大きい蒸着ボートを用いて蒸着材料を多く入れたいという要求があった。
【0019】
しかし、従来の蒸着材料に用いられている、タンタル、モリブデン、タングステンから選ばれる高融点金属の引っ張り試験における伸びは高々5%〜40%程度であり、0.1mm〜0.3mm厚の薄板のプレス加工で容器部の深さH2を容器部の幅D2以上に深絞りプレス加工しようとすると亀裂が生じる場合があったため深い容器部を形成することはできなかった。
【0020】
特許文献1では従来の昇華性材料用の蒸着ボートに網目付中板を取り付けた例について述べている。蒸着ボートの材質としてタンタル、モリブデン、タングステン、白金、ニッケル等を用いることができると記載がある。また、網目の材料にはNiステンレスを用いても良い記載がある。しかし、容器部の深さに関する記載はなく、このような従来の蒸着ボートに入れられる蒸着材料の量が少ない問題や、蒸着に用いる場合の蒸着装置内での蒸着ボートの配列についての問題の記載は無かった。
【0021】
特許文献2では量産型の大口径基板用真空蒸着装置向けに、カーボングラファイト製等の坩堝型の蒸発源を用いることが記載されている。しかし、大きさ等の記述は無く、このような大型蒸着装置向けの坩堝型の蒸発源は一般的に非常に高価である。またその熱容量が大きいことと、間接加熱で応答性が悪いため設定温度以上に加熱されるオーバーシュートが生じ易く温度の急速な昇温は困難であった。そのため蒸着温度に達するまでに1時間以上かかる問題があった。
【0022】
直接通電加熱する蒸着ボートは安価で、一般的に熱容量も小さく設定温度までの分単位の急速な昇温が可能で簡便であるため、より多くの材料を仕込める蒸着ボートが望まれていた。
【特許文献1】特開平7−126838号公報
【特許文献2】特開平11−50233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、15cm角程度の小さな基板から30cm以上の大きな基板に対して、基板内の膜厚分布が良好であり、且つステップカバレッジの悪化によるピンホールが生じにくい蒸着膜を、蒸着材料の利用効率よく形成することを課題としたものである。さらに、多数の蒸着源を配置でき、蒸着材料の注ぎ足しや蒸着ボートの交換頻度を減らし多層成膜における連続蒸着作業の効率を上げることを課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、少なくとも蒸着材料を入れる容器部を有する底板と蒸発孔を有するカバーからなる抵抗加熱式昇華性材料用金属製蒸着ボートを用い、該蒸着ボートの両端の電極板部から通電し、容器部を加熱することにより該容器部内の蒸着材料を蒸発させ、基板上に薄膜形成を行なう蒸着方法において、蒸着ボートの蒸発孔を2つ以上の直径の異なる同心円の円周上に配置し、該蒸発孔を配置した2つ以上の円周の少なくとも1つが基板に内接する円を垂直投影したときの円周上または円周内側にあり、且つ、少なくとも1つが基板に外接する円を垂直投影したときの円周上または円周外側にあることを特徴とする蒸着方法とした。
【0025】
請求項2に係る発明は、前記蒸着ボートの電極板部の少なくとも一方が底板側にL字型に折り曲げ加工されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蒸着方法とした。
【0026】
請求項3に係る発明は、前記蒸着ボートのカバーが2つ以上の蒸発孔を有していることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の蒸着方法とした。
【0027】
請求項4に係る発明は、前記蒸着ボートの底板にある容器部において、該容器部の深さをH2、容器部幅をD2としたときにH2/D2が1以上4以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸着方法とした。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、小さい基板から大きい基板まで広い範囲のサイズの基板に対し、膜厚分布が良好で、基板上の凹凸によるピンホール欠陥の無い蒸着膜を蒸着材料の損失を少なく形成することができた。
【0029】
電極板部の一方をL型に直角に曲げた蒸着ボートを用いることにより、より多くの蒸着ボートを配置することが可能となった。また、蒸発孔を2つ以上有するカバーからなる蒸着ボートを用いることにより、より多くの蒸発孔を配置することが可能となった。また、蒸着ボートの容器部を深くすることにより、蒸着材料を多く入れることができ、試料交換または補充の無い連続蒸着が可能になった。以上より、信頼性の高い有機EL素子や光電池、トランジスタ等のデバイスを作製することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の抵抗加熱式の金属製蒸着ボートは、それぞれ厚さ0.05mm〜0.5mmの金属製薄板からなる蒸着材料を入れる容器部を有する底板、少なくとも2つの穴またはメッシュ状の穴の開いた中板、少なくとも1つ以上の蒸発孔が開いたカバーの3枚を順に重ね、または底板とカバーの2枚を重ね組み立てられている。図3及び図4に蒸着ボートの模式図を示した。図3では蒸着ボートは蒸発孔を1つ有し、電極板部の一方がL字型に折り曲げ加工をしたものである。図4では蒸着ボートは蒸発孔を3つ有し、電極板部の一方がL字型に折り曲げ加工をしたものである。なお、電極板部の両方をL字加工にすることも可能である。
【0031】
これらの蒸着ボートは電極ジグユニットに固定され通電加熱される。図14、図15に蒸着ボートを電極ジグユニット(7−3)に取り付けた例の模式図を示した。L字形に曲げた電極板部を上方から垂直に電極ジグに挿入でき、側方からではなく上方からネジまたはボルトで蒸着ボートを固定でき、かつ蒸着ボートの底にバネによる温度測定用の熱電対押し付け機構が付き、かつ1対の電極ジグと熱電対押し付け機構が単位となってスライドできる。
【0032】
L字型に曲げた電極版部は電極ジグの差込口(7−4)に上から差込まれ、穴の開いた三角柱のコマ(7−5)をネジまたはボルト(7−6)で締めこむことにより締め付け固定される。蒸着装置のベースプレート(17)からは蒸着ジグの数に対応した銅製の凹型断面の電極レール(7−7)が放射状に取り付けてあり、銅製の角材でできた電極ジグの1対の電極棒(7−8)をこの溝(7−9)に差し込む。
【0033】
図14の場合は1台の電極ジグユニットをレール上でスライドできる。図15の場合は30cm角以上といった大きな基板に対応して2台の電極ジグユニットをスライドして蒸着ボートの位置を調整できるようにした場合である。中央のレールはアースに接続され2台の電極ジグユニットで共通に使われる。レールの側面には2cm間隔程度で固定穴(7−10)が開けてあり、放射方向にスライドさせ適当な位置で電極ジグをボルトで固定できる。電極レールの長さは8cm程度であり5cmから6cm程度スライドすることができる。
【0034】
図7に本発明の蒸着装置の模式図を示した。蒸着ボート(18)と基板(13)との距離は、蒸着する基板の長辺の2倍から3倍に基板回転上下装置(14)の高さを調整する。これより高さが低い場合は膜厚分布が悪くなり、±3%以内の分布になり難い。これより距離が高い場合は基板以外に付着する割合が増え材料の無駄が多くなる。基板回転速度は毎分5回転から60回転程度で行う。多元蒸着を行う場合は、膜厚方向での組成が均一になるように蒸着速度は毎秒0.1nm程度に遅めにし、回転速度は毎分20回転以上にすることにより均一な組成になる。
【0035】
2元蒸着の場合、回転数が遅い場合は蒸着している蒸着ボートに近い方の材料が蒸着膜中で濃く蒸着されることにより不均一になる。基板の上下は基板回転上下装置の回転軸をベローズに通し空気圧、またはサーボモーターを使ったアクチェーターで上下に動かす。
【0036】
基板は通常基板ホルダーに入れ基板回転上下装置に固定される。基板の必要な部分にのみ蒸着にされるよう蒸着マスクを重ねて固定しても良い。蒸着による輻射熱による温度上昇を防ぐために基板回転上下装置には通常水冷機構をつけ、伝熱性の高いゴムシートを冷却表面に貼り付け接触性を良くし基板を冷却する。
【0037】
各蒸着ボートを仕切板で区切り蒸着センサー(15)を設置することにより個別の蒸着ボートからの蒸着速度を制御することができ、各蒸着材料の蒸着速度を独自の制御し3元共蒸着も容易に行なえる(図7参照)。直径60cm程度の真空蒸着装置の場合は30cm角程度までの基板に蒸着することができ、蒸着ボートを放射状に8方向に配置が可能だが、より大きな基板に蒸着を行う場合には蒸着装置の直径をさらに大きくし、設置できる蒸着ボートの数を10以上に増やすこともできる。
【0038】
本発明の基板回転式蒸着装置における蒸着ボートの配置例の模式図を図10、図11、図12、図13に示した。仕切り板や膜厚センサー等は省いて図示してある。ベースプレート上に蒸着ボートをセットした蒸着ジグユニットを放射状に1つ以上配置し、基板の大きさに合わせて位置を移動できるようにしてある。
【0039】
図10は容器部の中央からずらした蒸発孔を1つ有する8つの蒸着ボートを放射状に配置した模式図である。蒸発孔を容器部の中央からずらすことにより蒸発孔の位置を中心近くに配置することが可能であり、15cm以下の小さいサイズの基板を蒸着する場合有利である。また、30cm角程度以上の大きいサイズの基板を蒸着する場合には電極ジグユニットを逆向きに取り付けることにより蒸発孔の位置を蒸着装置の側壁に近づけることも可能となる。
【0040】
8つある蒸着ボートのうち4つの蒸着ボートの蒸発孔を蒸着ボート上で回転する基板に内接する円を垂直投影した円周上に配置し、さらに、残り4つの蒸着ボートの蒸発孔を基板に外接する円を垂直投影した円周上に配置することで、基板の凹凸による影を無くしピンホールの発生を防ぐことができ、且つ膜厚分布のよい蒸着膜を得ることができる。
【0041】
図11は蒸発孔を2つ有している8つの蒸着ボートを放射状に配置した模式図である。これは主に基板の大きさが30cm角以下の場合に用いられる。蒸着ボートと基板間の距離は基板の長辺の2倍から3倍離す。蒸着ボート上の蒸発孔の一方を蒸着ボート上で回転する基板に内接する円を垂直投影した円周上に配置し、さらに、蒸発孔のもう一方を基板に外接する円を垂直投影した円周上に配置することで、基板の凹凸による影を無くしピンホールの発生を防ぐことができ、且つ膜厚分布のよい蒸着膜を得ることができる。
【0042】
図12は中央の蒸発孔の直径が他の蒸発孔の直径よりも大きくした蒸着ボートを放射状に配置した模式図である。蒸着ボートと基板間の距離は基板の長辺の2倍程度離す。直径1mmから1.5mmの内側の蒸発孔(9−3)を蒸着ボート上で回転する基板に内接する円を蒸着ボートのある面上に垂直投影した円周内に配置することで材料の利用効率を高めることができる。直径1.5mmから3mmの大きい中央の蒸発孔(9−1)を蒸着ボート上で回転する基板に内接する円を蒸着ボートのある面上に垂直投影した円周上に配置することで膜厚分布を良くすることができる。
【0043】
直径1mmから1.5mmの外側の蒸発孔(9−2)を蒸着ボート上で回転する基板に外接する円を蒸着ボートのある面上に垂直投影した円上または円外に配置することで膜厚分布をさらに良くし、かつ蒸着の影を無くしピンホールの発生を防ぐことができる。
【0044】
図13は16個の蒸着ボートを放射状に配置した模式図である。これは主に基板の大きさが30cm角以上の場合に用いられる。蒸着ボートと基板間の距離は基板の長辺の2倍から3倍離す。8つの蒸着ボートの蒸発孔を蒸着ボート上で回転する基板に内接する円を垂直投影した円周上に配置し、さらに、残り8つの蒸着ボートの蒸発孔を基板に外接する円を垂直投影した円周上に配置することで、基板の凹凸による影を無くしピンホールの発生を防ぐことができ、且つ膜厚分布のよい蒸着膜を得ることができる。
【0045】
図10、図11、図12、図13において蒸発孔の直径および蒸発孔の配置は膜厚分布、材料利用効率、ショート防止を考慮して決定される。なお、蒸発孔の直径が2mm以上大きい場合は、内部の粉体が蒸着中に飛び出し易くなるため、中板の穴の直径を蒸発孔より小さめにし数を増やすか、またはメッシュ状にするのが好ましい。また、図10や図13のように蒸発孔が1つである蒸着ボートを用い、各蒸発孔を個別に制御した方が蒸発孔の位置の調節が容易である。
【0046】
蒸着ボートに用いられる金属は好ましくは600℃以上の耐熱性と実用強度を持つ材料から選ばれ、より好ましくはモリブデン、タンタル、ニオブ、ニッケル、ステンレス、超塑性金属から選ばれる。
【0047】
蒸着ボートの深さと幅の比H2/D2を1以上4以下とすることで、従来の高融点金属薄板をプレス成型して底板容器部の凹部を形成したH2/D2値0.4以下の従来の蒸着ボートと比べ3倍〜10倍程度蒸着材料を入れることが可能となる。
【0048】
本発明の蒸着ボートに用いる底板用材料としては、粉末冶金法で製造した99.9%以上の超高純度のニッケル270の薄板、または、700℃から1000℃における引っ張り試験での伸びが300%以上の超塑性金属の薄板、ランクフォード値が2以上、好ましくは2.5以上の低炭素フェライト系ステンレスの薄板等から選んで使うことができ、それらの材料はヒビ割れの無い超深絞りプレス成型加工が可能である。
【0049】
H2/D2が2以上の場合は好ましくは超塑性金属の板を高温プレスすることにより成型する。本発明で用いる超塑性金属は高温での引っ張り試験で300%以上伸びる金属材料である。例えばFe 26.2重量%、Cr 34.9重量%、Ti0.58重量%を含むNi合金板(795℃から855℃での伸び率1000%以上)やFe65質量%、Cr25質量%、Ni7質量%、Mo3質量%からなる1μm以下のフェライト相とオーステナイト相が混合した0.5mm厚の2相ステンレス板(1000℃で伸び率1000%)等を用いることができる。
【0050】
また、有機物を蒸着する場合の加熱温度は通常200℃から400℃程度であるので、材料成分中に400℃で10−11Torr以上の蒸気圧があるZnや金属化合物等は含むべきではない。より好ましくはAg、Al、Bi、Cu、Mg、Mn、Zn等のように有機物を蒸着する場合の上限温度と考えられる600℃で10−11Torr以上の蒸気圧を示す高蒸気圧成分を含まない材料が好ましい。
【0051】
H2/D2を4より大きくした場合はヒビや亀裂が入る場合があり、また容器部の底付近を流れる電流が低下し容器部底の温度が上部より低くなり、蒸着ボート中の蒸着材料が少なくなるにつれ高温の上部で材料が熱分解する問題が生じる。
【実施例1】
【0052】
以下、本発明を有機発光層を蒸着する場合において詳しく説明するが、本発明の方法を用いることにより、他の正孔輸送層、陰極層、封止層を蒸着する場合においてもを同様に行なうことができ、膜厚分布の良いピンホール欠陥の少ない膜をスピーディーに得ることができた。図1に蒸発孔を3つ有し、電極板部の一方にL字折り曲げ加工を行なった蒸着ボートの模式図を示した。
【0053】
0.1mm厚のMo板を金型を使って絞りプレス成型加工、切断、曲げ加工を行ない図1の模式図の底板(2)を作製した。0.1mm厚のカバー(4)および0.05mm厚の中板(3)を同じ材質でプレス成型加工し、切断、曲げ加工、穴あけ、電解研磨を行ない組み立て本発明の蒸着ボートを作製した。蒸着ボートの寸法は、図1の模式図においてL1=100mm、L2=60mm、L3=40mm、L4=15mm、L5=10mm、D1=18mm、D2=14mm、H1=3mm、H2=5mm、H3=20mmとした。カバーの中心に直径1.5mmの穴をドリルで1ヶ所開け蒸発孔とした。中板には直径1.5mmを2ヶ所あけた。
【0054】
該蒸着ボートに(化1)に示す有機発光材料の粉体を0.4g入れ、電極ジグユニットにセットし、ターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径60cm、蒸着ボートと基板間の高さ75cm)のベースプレートに図10の蒸着ボート(21)に示すように蒸発孔の位置が内側と外側の2種類になるように放射状に並べた。各蒸着ボートの温度はボートの底にシース熱電対をバネで押し当て測定した。0.0004Pa下、蒸着ボートにサイリスタ式交流蒸着電源から通電し250℃に加熱した。
【0055】
【化1】

【0056】
水晶振動式膜厚計で蒸着速度をモニターし、蒸着速度が安定後基板を覆っていたシャッターを開け、ITO透明電極パターンの上にN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)ベンジジンからなる正孔輸送層を50nm形成した25cm角の基板を基板回転上下装置に取り付け、蒸着ボート上75cmの高さで毎分10回転させた。蒸発孔が内側と外側に設置した蒸着ボートを各1つ選び同時に0.1nm/秒で約100nmの厚さに真空蒸着を行ったところ±3%以内の膜厚分布であった。その後陰極としてLiFを0.5nm、Alを200nm積層してEL素子を作製したが基板の周辺部においてもショートは無かった。蒸着1回分で蒸着ボート内の材料はほぼ無くなった。
【実施例2】
【0057】
図2に蒸発孔を2つ有し、電極板部の一方にL字に折り曲げ加工を行なった蒸着ボートの模式図を示した。なお、図1、図2には寸法記号を記載した。0.05mm厚のNb板を金型を使って絞りプレス成型加工、切断、曲げ加工を行ない図2の模式図の底板(2)を作製した。0.1mm厚のカバー(4)および0.05mm厚の中板(3)を同じ材質でプレス成型加工し、切断、曲げ加工、穴あけ、電解研磨を行ない組み立て本発明の蒸着ボートを作製した。
【0058】
蒸着ボートの寸法は、図2の模式図においてL1=100mm、L2=80mm、L3=60mm、L4=30mm、L5=10mm 、L7=50mm、D1=18mm、D2=14mm、H1=3mm、H2=5mm、H3=20mmとした。カバー、中板には直径1.5mmを各2ヶ所ドリルであけた。
【0059】
該蒸着ボートに(化1)に示す有機発光材料の粉体を0.4g入れ、図15に示す電極ジグユニットにセットし、ターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径60cm、蒸着ボートと基板間の高さ45cm)のベースプレートに図11の蒸着ボート(21)に示すように蒸発孔の位置を調節し放射状に並べた。蒸着ボートの温度はボートの底にシース熱電対をバネで押し当て測定した。0.0004Pa下、蒸着ボートにサイリスタ式交流蒸着電源から通電し250℃に加熱した。
【0060】
水晶振動式膜厚計で蒸着速度をモニターし、蒸着速度が安定後基板を覆っていたシャッターを開け、ITO透明電極パターンの上にN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)ベンジジンからなる正孔輸送層を50nm形成した15cm角の基板を基板回転上下装置に取り付け、蒸着ボート上45cmの高さで毎分10回転させた。0.1nm/秒で約100nmの厚さに真空蒸着を行ったところ±3%以内の膜厚分布であった。その後陰極としてLiFを0.5nm、Alを200nm積層してEL素子を作製したが基板の周辺部においてもショートは無かった。蒸着3回分で蒸着ボート内の材料はほぼ無くなった。
【実施例3】
【0061】
0.1mm厚のTa板を金型を使って絞りプレス成型加工を行ない実施例1と同様の寸法にプレス成型で底板、中板、カバーを作製した。さらにL6=25mmの位置に直径1.0mmの穴をドリルで開けた。中板には直径2mmの穴をドリルで2ヶ所開けた。
【0062】
該蒸着ボートに(化1)に示す有機発光材料の粉体を0.4g入れ、図14に示す電極ジグユニットにセットし、ターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径60cm、蒸着ボートと基板間の高さ45cm)のベースプレートに図12の蒸着ボート(21)に示すように蒸発孔の位置を調節し放射状に並べた。蒸着ボートの温度はボートの底にシース熱電対をバネで押し当て測定した。0.0004Pa下、蒸着ボートにサイリスタ式交流蒸着電源から通電し250℃に加熱した。
【0063】
水晶振動式膜厚計で蒸着速度をモニターし、蒸着速度が安定後基板を覆っていたシャッターを開け、ITO透明電極パターンの上にN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)ベンジジンからなる正孔輸送層を50nm形成した15cm角の基板を基板回転上下装置に取り付け、蒸着ボート上45cmの高さで毎分10回転させた。0.1nm/秒で約100nmの厚さに真空蒸着を行ったところ±3%以内の膜厚分布であった。その後陰極としてLiFを0.5nm、Alを200nm積層してEL素子を作製したが基板の周辺部においてもショートは無かった。蒸着7回分で蒸着ボート内の材料はほぼ無くなった。
【実施例4】
【0064】
Ni38.3重量%、Fe26.2重量%、Cr34.9重量%、Ti0.58重量%からなる超塑性Ni合金の0.5mm厚の板を850℃において金型を使って深絞りプレス成型加工を行ない図2の模式図の穴開け前の底板(2)を作製した。0.1mm厚のカバー(4)および0.05mm厚の中板(3)を同じ材質でプレス成型加工し切断、曲げ加工、穴あけ、電解研磨後本発明の蒸着ボートを作製した。
【0065】
蒸着ボートの寸法は、図2の模式図においてL1=80mm、L2=60mm、L3=40mm、L4=20mm、L5=10mm、D1=18mm、D2=14mm、H1=3mm、H2=14mm、H3=20mmとした。カバーの中心に直径2mmの穴を1ヶ所開け蒸発孔とした。中板には直径1.5mmを2ヶ所ドリルであけた。
【0066】
該蒸着ボート内に(化1)に示す有機発光材料の粉体をプレスし4g入れ、図15に示す電極ジグユニットにセットし、ターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径60cm、蒸着ボートと基板間の高さ90cm)のベースプレートに図13の蒸着ボート(21)に示すように蒸発孔の位置を調節し放射状に並べた。蒸着ボートの温度はボートの底にシース熱電対をバネで押し当て測定した。0.0004Pa下、蒸着ボートにサイリスタ式交流蒸着電源から通電し250℃に加熱した。
【0067】
水晶振動式膜厚計で蒸着速度をモニターし、蒸着速度が安定後基板を覆っていたシャッターを開け、ITO透明電極パターンの上にN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)ベンジジンからなる正孔輸送層を50nm形成した40cm×30cm角の基板を基板回転上下装置に取り付け、蒸着ボート上90cmの高さで毎分10回転させた。内側と外側の蒸着ボートから各1つ選びそれぞれ0.1nm/秒の蒸着速度で基板上に100nmの厚さに真空蒸着を行ったところ±3%以内の膜厚分布であった。
【0068】
その後、陰極としてLiFを金属製蒸着ボート0.5nm、AlをPBNコート付カーボンボートから200nm有機発光材料の蒸着時と同様な蒸着ボート配列で真空蒸着を行い積層し封止した。得られたEL素子は基板の周辺部においてもショートやダークスポット発生は無かった。蒸着15回分で蒸着ボート内の材料はほぼ無くなった。ボートは内側、外側を組みにして8組以上設置できるので同じ材料を蒸着する場合には120回以上の連続蒸着が可能である。また、8組とも同じ材料で同時に蒸着を行なえば、8分の1の時間で蒸着を行なうこともできる。
【0069】
(比較例1)
実施例4において、内側に配置した蒸着ボートからのみ有機正孔輸送層、発光層、陰極層の蒸着を行った以外は同様にEL素子を作製した。得られた素子は基板に内接する円の外側の周辺部分で作製された素子において印加電圧を上げていくとショートしやすい素子が生じた。また、基板に内接する円の外側の周辺部分で作製された素子において陰極のピンホールによるダークスポットが発生した。
【産業上の利用可能性】
【0070】
上述の発明は、有機エレクトロルミネッセント素子やディスプレレイ、有機半導体、有機太陽電池等の研究開発の際の薄膜形成のための真空蒸着方法として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】は本発明の蒸着ボートの模式図である。
【図2】は本発明の蒸着ボートの模式図である。
【図3】は本発明の蒸着ボートの斜視図である。
【図4】は本発明の蒸着ボートの斜視図である。
【図5】は従来の蒸着ボートの斜視図である
【図6】は従来の蒸着ボートを電極ジグに取り付けた電極ジグユニットの模式図である。
【図7】は本発明の蒸着装置の模式図である。
【図8】は従来の蒸着ボートの配置例の模式図である。
【図9】は従来の蒸着ボートの配置例の模式図である。
【図10】は本発明の蒸着ボートの配置例の模式図である。
【図11】は本発明の蒸着ボートの配置例の模式図である。
【図12】は本発明の蒸着ボートの配置例の模式図である。
【図13】は本発明の蒸着ボートの配置例の模式図である。
【図14】は本発明の蒸着ボートをを電極ジグに取り付けた電極ジグユニットの模式図である。
【図15】は本発明の蒸着ボートをを電極ジグに取り付けた電極ジグユニットの模式図である。
【符号の説明】
【0072】
1・・・容器部
2・・・底板
3・・・中板
4・・・カバー
5・・・蒸着材料
6・・・電極板部
7・・・電極ジグ
7−2、7−3・・・電極ジグユニット
7−4・・・差込口
7−5・・・コマ
7−6・・・ネジまたはボルト
7−7・・・電極レール
7−8・・・電極棒
7−9・・・溝
7−10・・・穴
8・・・ガイド部
9、9−1、9−2、9−3・・・・蒸発孔
10・・・熱電対
11・・・絶縁板
12・・・仕切り板
13・・・基板
14・・・基板回転上下装置
15・・・水晶振動式膜厚センサー
16・・・真空着チャンバー
17・・・ベースプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも蒸着材料を入れる容器部を有する底板と蒸発孔を有するカバーからなる抵抗加熱式昇華性材料用金属製蒸着ボートを用い、該蒸着ボートの両端の電極板部から通電し、容器部を加熱することにより該容器部内の蒸着材料を蒸発させ、基板上に薄膜形成を行なう蒸着方法において、蒸着ボートの蒸発孔を2つ以上の直径の異なる同心円の円周上に配置し、該蒸発孔を配置した2つ以上の円周の少なくとも1つが基板に内接する円を垂直投影したときの円周上または円周内側にあり、且つ、少なくとも1つが基板に外接する円を垂直投影したときの円周上または円周外側にあることを特徴とする蒸着方法。
【請求項2】
前記蒸着ボートの電極板部の少なくとも一方が底板側にL字型に折り曲げ加工されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蒸着方法。
【請求項3】
前記蒸着ボートのカバーが2つ以上の蒸発孔を有していることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の蒸着方法。
【請求項4】
前記蒸着ボートの底板にある容器部において、該容器部の深さをH2、容器部幅をD2としたときにH2/D2が1以上4以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸着方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−299372(P2006−299372A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126298(P2005−126298)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】