説明

蒸着装置及び蒸着方法並びに有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法

【課題】高品質の薄膜を形成することができる蒸着装置及び蒸着方法並びに有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】蒸着装置2は、基板12の蒸着面12aに、開口パターンを有したマスク14を配置し、基板12の蒸着面12aに所定のパターンの成膜を行う蒸着装置であって、チャンバ18と、チャンバ18内に設けられ、マスク14の基板12と接触する第1の面を、基板12の蒸着面12aと対向する位置に、変位させるマスク保持部36と、マスク保持部36の作動を制御する機能を有する制御部38と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着装置及び蒸着方法並びに有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
真空に排気した容器中で成膜しようとする材料を加熱・蒸発させ、基板上に凝結・固化させることにより、目的とする薄膜を形成する方法として、真空蒸着法が知られている。かかる真空蒸着法で使用される真空蒸着装置(蒸着装置)は、真空容器(チャンバ)の内部において、加熱部(蒸着源)に取付けた膜材料を加熱して蒸発させ、蒸着分子を基板の表面に蒸着させる。その際、基板の蒸着面にマスクを配置してマスク蒸着を行うことで蒸着薄膜を任意形状にパターニングすることができる。
【0003】
次世代ディスプレイとして開発が進められている有機エレクトロルミネッセンス(EL)装置、特に低分子有機EL装置の製造には、上述の真空蒸着技術が使用されている。又、有機EL装置をフルカラー化するにはRGBの発光素子を各発光画素上に形成する必要があるので、高精細マスクを用いたマスク蒸着が広く用いられている。
【0004】
この場合、基板に微小(1μm程度)なパーティクルが付着すると、そのパーティクルが原因で、(1)その画素の陽極と陰極とがショートし、その画素が暗点となる、(2)基板上に形成される蒸着パターンが不鮮明になる、(3)隣接する画素にも蒸着される、(4)蒸着膜の膜厚が不均一になる等の問題が生じる。基板にパーティクルが付着しないようにする方法として、マスク開口部が有機膜と接触しない方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−5189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、真空蒸着法で成膜する場合、基板の成膜面が下側を向いているためマスクストック室から成膜室にマスクを搬送する場合や、成膜室で基板が搬送される間など、マスクの基板接触面は上側を向いている状態である。そのためマスクの搬送或いは基板の搬送中などに発生するパーティクルが、マスクの基板接触面に付着する場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]基板の蒸着面に、開口パターンを有したマスクを配置し、前記基板の前記蒸着面に所定のパターンの成膜を行う蒸着装置であって、チャンバと、前記チャンバ内に設けられ、前記マスクの前記基板と接触する第1の面を、前記基板の前記蒸着面と対向する位置に、変位させるマスク保持部と、前記マスク保持部の作動を制御する機能を有する制御部と、を含むことを特徴とする蒸着装置。
【0009】
これによれば、マスクの基板接触面が成膜時以外は下側を向いているため、マスクの基板接触面にパーティクルが付着することを防止できる。これにより、高品質の薄膜を形成することができる蒸着装置を提供する。
【0010】
[適用例2]上記蒸着装置であって、前記制御部は、前記基板の前記蒸着面側に前記マスクを配置する直前に、前記マスクの前記第1の面を、前記基板の前記蒸着面と対向する位置に変位させることを特徴とする蒸着装置。
【0011】
これによれば、基板にマスクを配置する直前に、マスクを変位させるので、よりマスクの基板接触面にパーティクルが付着することを防止できる。
【0012】
[適用例3]上記蒸着装置であって、前記制御部は、前記マスクを、前記マスクの前記第1の面と、前記基板の前記蒸着面と、が並行になるまで変位させることを特徴とする蒸着装置。
【0013】
これによれば、基板とマスクとの密着力を強化できる。
【0014】
[適用例4]上記蒸着装置であって、前記マスク保持部は、前記マスクを、前記マスクの短手方向の略中央を通り前記マスクの長手方向に延びる直線を回転軸として、回転駆動させることを特徴とする蒸着装置。
【0015】
これによれば、必要最小限のスペースでマスクを変位できる。
【0016】
[適用例5]基板の蒸着面側に、開口パターンを有したマスクを配置し、前記基板の前記蒸着面に所定のパターンの成膜を行う蒸着方法であって、前記基板の前記蒸着面側に前記マスクを配置する前に、前記マスクの前記基板と接触する第1の面を前記基板の蒸着面と対向する位置に変位させることを特徴とする蒸着方法。
【0017】
これによれば、マスクの基板接触面が成膜時以外は下側を向いているため、マスクの基板接触面にパーティクルが付着することを防止できる。これにより、高品質の薄膜を形成することができる蒸着方法を提供する。
【0018】
[適用例6]上記蒸着方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、前記蒸着源から飛散する蒸着材料によって少なくとも発光層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
【0019】
これによれば、マスクの基板接触面が成膜時以外は下側を向いているため、マスクの基板接触面にパーティクルが付着することを防止できる。これにより、高品質の薄膜を形成することができる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態では、蒸着装置としての真空蒸着装置について説明する。尚、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。尚、この実施形態により発明が限定されるものではない。
【0021】
図1は、本実施形態に係る真空蒸着装置2の概略構成を示す模式的な断面図である。本実施形態に係る真空蒸着装置2は、真空チャンバ(チャンバ)18と、真空チャンバ18内を真空排気する真空ポンプ20と、真空ポンプ20の排気口22と、膜材料16を加熱する加熱抵抗を有する加熱部(蒸着源)24と、加熱部24に電力を供給する電源26と、基板12と蒸着マスク(マスク)14の密着力を強化するためのマグネット28と、マグネット28を下方に保持してマグネット28を上下方向に移動させるマグネット昇降機構30と、基板12とマグネット28間に配される補強板32と、基板12を保持し、基板12を上下・左右・回転方向に移動させる基板保持部34と、真空チャンバ18の内周面に取付けられ、蒸着マスク14を保持し、蒸着マスク14を変位させるマスク保持部36と、マスク保持部36の作動を制御する機能を有する制御部38と、を含んでいる。
真空蒸着装置2は、基板12の蒸着面12aに、開口パターンを有した蒸着マスク14を配置し、基板12の蒸着面12aに加熱部24の膜材料16により所定のパターンの成膜を行う。
【0022】
基板12は、例えば、ガラス材料からなり、基板保持部34に保持されている。
蒸着マスク14は、磁性金属材料で形成されており、真空チャンバ18の内周面に取付けられたマスク保持部36に保持されている。
【0023】
真空チャンバ18内の下部には、膜材料16を載置して加熱により蒸発させる加熱部24が設けられている。この加熱部24には電力供給ライン26aを通じて電力を供給する電源26が、真空チャンバ18の外部に設けられている。ここで、膜材料16としては、例えば、金属材料や有機材料を使用することができる。真空チャンバ18内における加熱部24の上方には、膜形成対象の基板12が設置されており、加熱部24と基板12との間に蒸着マスク14が設置されている。
【0024】
基板12の背面側(蒸着面12aと反対側)には、補強板32が載置又は貼着されている。基板12の撓みを防止するためには、補強板32を基板12の背面側に貼着するのが望ましい。補強板32としては、蒸着マスク14に作用するマグネット28の吸着力(磁場)を阻害せず、且つ、剛性/放熱性が高い材料が望ましく、例えば、透明なガラス・プラスチック、Al23焼結体/WC/SiC/SiN/窒化アルミ/ジルコニア等の常磁性セラミック材料、Al/Cu等の常磁性金属材料を使用することができる。更に、補強板32の上方には、マグネット昇降機構30に保持されたマグネット28が配置されている。マグネット28としては、例えば、OX300、アルミニウム−ニッケル−コバルト合金(AlNiCo)、及びサマリウム−コバルト合金(SmCo)等を使用することができる。
【0025】
蒸着マスク14の両サイドには、蒸着マスク14を変位させるマスク保持部36が設けられている。マスク保持部36は、蒸着マスク14の基板12と接触する第1の面(基板接触面14a)を、基板12の蒸着面12aと対向する位置に変位させる。マスク保持部36は、蒸着マスク14を回転駆動させることにより蒸着マスク14の状態を変位させる。マスク保持部36は、蒸着マスク14を、蒸着マスク14の短手方向の略中央を通り蒸着マスク14の長手方向に延びる直線を回転軸42とする回転機構により、回転駆動させる。蒸着マスク14は成膜時以外、基板接触面14aを下に向けている。成膜時に、蒸着マスク14が180度回転し、基板接触面14aが上を向く。
【0026】
このマスク保持部36には、その回転駆動を制御する制御部38が、真空チャンバ18の外部に設けられている。制御部38は、基板12の蒸着面12a側に蒸着マスク14を配置する前に、蒸着マスク14の基板接触面14aを、基板12の蒸着面12aと対向する位置に、回転駆動させるよう構成されている。又、制御部38は、蒸着マスク14を、蒸着マスク14の基板接触面14aと、基板12の蒸着面12aと、が並行になるまで、回転駆動させるように構成されている。
【0027】
上記構成の真空蒸着装置2による蒸着方法を説明する。
図2は、本実施形態に係る真空チャンバ18内の基板12と蒸着マスク14の動きを説明する図である。まず、マスクストック室(図示せず)に基板接触面14aが下向きに置いてある蒸着マスク14を、そのままの状態で搬送ロボット(図示せず)により真空チャンバ18に搬送する(図2(A)に示す)。
【0028】
続いて真空チャンバ18に補強板32を載置又は貼着した基板12を蒸着面12aが下向きの状態で搬送する(図2(B)に示す)。
【0029】
次に、真空ポンプ20の駆動によって排気口22から真空チャンバ18内を真空排気し、真空チャンバ18の内部を高真空状態とする。
【0030】
次に、真空チャンバ18に搬送済みの蒸着マスク14を、180度回転し、基板接触面14aを上向きにする(図2(B)〜図2(C)に示す)。つまり、基板12の蒸着面12a側に蒸着マスク14を配置する前に、蒸着マスク14の基板接触面14aを基板12の蒸着面12aと対向する位置に回転駆動させる。
【0031】
次に、基板12を基板保持部34により下降させて、基板12と蒸着マスク14と密着させる(図2(D)に示す)。又、必要であれば基板12と蒸着マスク14のアライメント動作を行う。その後、マグネット昇降機構30によりマグネット28を下降させて、補強板32と密着させる。
【0032】
この後、電源26からの電力により加熱部24を発熱させる。これにより、膜材料16が加熱され、膜材料16固有の蒸発温度に達した時点で蒸発分子16aとなって上方へ飛び出す。飛び出した蒸発分子16aは蒸着マスク14のスリットを通過して基板12の表面に付着し、次第に堆積する。この場合、上述したように、蒸着マスク14が全面に亘って基板12に十分に密着しているため、蒸着マスク14のスリットを通過した蒸発分子16aが拡散することはなく、スリット幅と同一幅の蒸着膜が形成される。
【0033】
次に、基板12と蒸着マスク14の吸着状態を解除する方法を説明する。図1において、基板12の蒸着が終了した場合には、電源26の加熱部24に対する電力の供給を停止して、加熱部24の発熱を停止させる。そして、マグネット昇降機構30によりマグネット28を上昇させて、基板12と蒸着マスク14の吸着状態が解除される。この後、基板保持部34により基板12及び補強板32を上昇させて、蒸着マスク14との密着状態を解除する。
【0034】
次に、蒸着マスク14を、180度回転し、基板接触面14aを下向きにする。
続いて真空チャンバ18から蒸着が終了した基板12を蒸着面12aが下向きの状態で搬出する。以降、真空チャンバ18に新たな基板12を蒸着面12aが下向きの状態で搬送し、作業が繰り返される。つまり、基板12の蒸着面12a側に蒸着マスク14を配置する成膜時以外は、蒸着マスク14の基板接触面14aは下向きの状態で待機しているので、蒸着マスク14の基板接触面14aにパーティクルが付着することを防止する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、蒸着マスクの基板接触面が成膜時以外は下側を向いているため、蒸着マスクの基板接触面にパーティクルが付着することを防止できる。これにより、高品質の薄膜を形成することができる。尚、本実施形態の真空蒸着装置2では、抵抗加熱法を使用しているが、これに限られるものではなく、電子衝撃法や高周波誘導加熱法等を使用してもよい。
【0036】
(有機EL表示装置の製造方法)
上記構成の真空蒸着装置2による有機EL表示装置の製造方法を図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る有機EL表示装置の製造工程を説明する図であり、3色のフルカラー有機EL表示装置の製造工程を示したものである。図3に示す有機EL表示装置の製造工程は、(1)画素電極形成工程と、(2)隔壁形成工程と、(3)正孔注入/輸送層形成工程と、(4)発光層形成工程と、(5)陰極形成工程等から構成される。以下の有機EL表示装置の製造工程では、少なくとも発光層形成工程(4)で真空蒸着装置2を使用して膜形成を行う。
【0037】
[画素電極形成工程]
透明基板50は、必要に応じてTFTやTFDのスイッチング素子が形成されている。この透明基板50は、支持体であると同時に光を取り出す面として機能する。従って、透明基板50は、光の透過特性や熱的安定性を考慮して選択される。透明基板50の材料としては、例えばガラス基板、透明プラスチック等が挙げられる。まず、図3(A)に示すように、透明基板50上に、画素電極52,54,56を形成する。画素電極の形成方法としては、フォトリソグラフィー、真空蒸着、スパッタリング法、パイロゾル法等を使用することができるが、フォトリソグラフィーによることが好ましい。画素電極としては透明画素電極が好ましく、透明画素電極を構成する材料としては、酸化スズ膜、ITO膜、酸化インジウムと酸化亜鉛との複合酸化物膜等が挙げられる。
【0038】
[隔壁形成工程]
次に、図3(A)に示すように、各画素領域を隔てる隔壁(バンク)58を感光性ポリイミド等で形成し、上記の各透明画素電極間を埋めた。これによりコントラストの向上、発光材料の混色の防止、画素と画素との間から光漏れ等を防止することができる。隔壁(バンク)58は、上記材料にカーボンブラック等を混入してブラックレジストとしてもよい。又、隔壁(バンク)58は、次工程以降の真空蒸着法により正孔注入/輸送層60や赤色発光層62等の機能層を形成する際に、蒸着マスク14と当該機能層を形成する基板12の蒸着面12aとが直接接触しないようにする役割を果たす。蒸着マスク14が当該機能層を形成する画素電極52等の表面と直接接触しないようにすることにより、更に蒸着マスク14による基板12の蒸着面12aへの汚染を抑制することができる。又、蒸着マスク14と基板12とが蒸着により密着性が高くなり、互いを剥離できなくなるのを防止する役割も果たす。この隔壁(バンク)58の形成方法としては、例えばフォトリソグラフィー等が挙げられる。この後、上記基板をウェット・ドライ洗浄する。
【0039】
[正孔注入/輸送層形成工程]
次に、図3(A)に示すように、画素電極52,54,56の開口部に正孔注入/輸送層60を真空蒸着法により形成した。正孔注入/輸送層形成工程では、真空蒸着装置2を使用することにしてもよい。正孔注入/輸送層60の材料としては、低分子有機材料を用いることができ、例えば、アリールアミン類、フタロシアニン類、ルイス酸ドープ有機層等を使用することができる。
【0040】
[発光層形成工程]
更に、図1の真空蒸着装置2を使用して真空蒸着法により、図3(B)に示すように、正孔注入/輸送層60上に、赤色発光層62、緑色発光層64、青色発光層66を形成した。赤色発光層62、緑色発光層64、青色発光層66としては、低分子有機EL材料を使用することができる。発光層形成工程では、図1の真空蒸着装置2を使用しているので、蒸着マスク14を透明基板50に十分に密着させて高精度に発光層を形成でき、又、マグネット28を引き離す場合にも透明基板50を損傷させることなく、そのハンドリングを容易に行うことができる。
【0041】
[陰極形成工程]
最後に、図3(C)に示すように、陰極(対向電極)68を形成した。陰極68としては、金属薄膜電極が好ましく、陰極68を構成する金属としては、例えば、Mg、Ag、Al、Li等が挙げられる。このような陰極68は、蒸着法及びスパッタ法等により形成することができる。更に、陰極68の上に保護膜を形成してもよい。
【0042】
本実施形態によれば、蒸着マスクの基板接触面が成膜時以外は下側を向いているため、蒸着マスクの基板接触面にパーティクルが付着することを防止できる。これにより、高品質の薄膜を形成することができる蒸着装置を提供する。
【0043】
(電子機器への適用例)
次に、本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を用いて製造された有機EL表示装置を適用可能な電子機器について図4を参照して説明する。図4(A)は、本実施形態に係る有機EL表示装置を可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)100の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ100は、キーボード102を備えた本体部104と、本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を用いて製造された有機EL表示装置を適用した表示部106とを備えている。図4(B)は、本実施形態に係る有機EL表示装置を携帯電話機200の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機200は、複数の操作ボタン202のほか、受話口204、送話口206と共に、本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を用いて製造された有機EL表示装置を適用した表示部208を備えている。
【0044】
本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を用いて製造された有機EL表示装置は、上述した携帯電話機やノートパソコン以外にも、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、パーソナルコンピュータ。ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、テレビ電話機、及びPOS端末機などの電子機器に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態に係る真空蒸着装置の概略構成を示す模式的な断面図。
【図2】本実施形態に係る真空チャンバ内の基板と蒸着マスクの動きを説明する図。
【図3】本実施形態に係る有機EL表示装置の製造工程を説明する図。
【図4】本実施形態に係る有機EL表示装置を電子機器の表示部に適用した例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0046】
2…真空蒸着装置(蒸着装置) 12…基板 12a…蒸着面 14…蒸着マスク(マスク) 14a…基板接触面 16…膜材料 16a…蒸発分子 18…真空チャンバ(チャンバ) 20…真空ポンプ 22…排気口 24…加熱部(蒸着源) 26…電源 26a…電力供給ライン 28…マグネット 30…マグネット昇降機構 32…補強板 34…基板保持部 36…マスク保持部 38…制御部 42…回転軸 50…透明基板 52,54,56…画素電極 58…隔壁(バンク) 60…正孔注入/輸送層 62…赤色発光層 64…緑色発光層 66…青色発光層 68…陰極(対向電極) 100…パーソナルコンピュータ 102…キーボード 104…本体部 106…表示部 200…携帯電話機 202…操作ボタン 204…受話口 206…送話口 208…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の蒸着面に、開口パターンを有したマスクを配置し、前記基板の前記蒸着面に所定のパターンの成膜を行う蒸着装置であって、
チャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、前記マスクの前記基板と接触する第1の面を、前記基板の前記蒸着面と対向する位置に、変位させるマスク保持部と、
前記マスク保持部の作動を制御する機能を有する制御部と、
を含むことを特徴とする蒸着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蒸着装置において、
前記制御部は、前記基板の前記蒸着面側に前記マスクを配置する直前に、前記マスクの前記第1の面を、前記基板の前記蒸着面と対向する位置に変位させることを特徴とする蒸着装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蒸着装置において、
前記制御部は、前記マスクを、前記マスクの前記第1の面と、前記基板の前記蒸着面と、が並行になるまで変位させることを特徴とする蒸着装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸着装置において、
前記マスク保持部は、前記マスクを、前記マスクの短手方向の略中央を通り前記マスクの長手方向に延びる直線を回転軸として、回転駆動させることを特徴とする蒸着装置。
【請求項5】
基板の蒸着面側に、開口パターンを有したマスクを配置し、前記基板の前記蒸着面に所定のパターンの成膜を行う蒸着方法であって、
前記基板の前記蒸着面側に前記マスクを配置する前に、前記マスクの前記基板と接触する第1の面を前記基板の蒸着面と対向する位置に変位させることを特徴とする蒸着方法。
【請求項6】
請求項5に記載の蒸着方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
前記蒸着源から飛散する蒸着材料によって少なくとも発光層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−24215(P2009−24215A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187943(P2007−187943)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】