説明

蒸着装置

【課題】連続運転しても、蒸着材料の劣化を防止することで、蒸着膜の品質低下を防止できる蒸着装置を提供する。
【解決手段】蒸発容器11内に充填された蒸着材料Lを蒸発させて蒸着容器内に保持された基板に蒸着させる蒸着装置であって、蒸発容器11を保持して冷却する容器保持具12と、蒸着材料Lの表面部分を加熱用ランプ16及び反射板17で加熱する加熱装置15と、蒸着材料Lの表面位置を検出し得るレーザセンサ19とを具備し、容器保持具12を、蒸発容器11の底部を支持する載置部21と、蒸発容器11の側部を覆うと共に加熱用ランプ16及び反射板17が取り付けられた外周部23とから構成し、載置部21を昇降させる昇降装置14を設け、且つレーザセンサ19で検出された蒸着材料Lの表面位置に基づき昇降装置14を制御して加熱用ランプ16及び反射板17と上記表面位置とを所定距離に維持する制御装置9を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば基板の表面に金属材料、有機材料などの蒸着材料を蒸着させるための蒸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイなどの製造には、例えばガラス基板の表面に、金属材料、有機材料などの蒸着材料を蒸着させて薄膜を形成するが、通常、蒸着材料はるつぼで加熱され、この蒸発した蒸発材料は真空容器内に導かれるとともに当該真空容器内に配置された被蒸着部材の表面に放出されて蒸着が行われている。
【0003】
このような蒸着に用いられる蒸着装置では、蒸着材料を入れたるつぼ全体を、長時間に亘って加熱するものであった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−2112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した蒸着装置を、ディスプレイなどの量産で連続運転に用いる場合には、さらに長時間(1週間程度)有機材料を高温にする必要がある。しかし、有機材料は熱劣化を起こしやすく、長時間高温にされることで材料分解が生ずる。したがって、上述した蒸着装置は、連続運転に用いる場合に製造したディスプレイなどが所定の性能を発揮できないおそれがあり、量産には適さないものであった。
【0006】
そこで本発明では、連続運転しても、蒸着材料の劣化を防止することで、蒸着膜の品質低下を防止できる蒸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る蒸着装置は、蒸発容器内に充填された蒸着材料を蒸発させて蒸着容器内に保持された基板に蒸着させる蒸着装置であって、
上記蒸発容器を保持して冷却する容器保持手段と、上記蒸発容器内に充填された蒸着材料の上面部分を加熱部により加熱する加熱手段と、上記蒸発容器内の蒸着材料の上面位置を検出し得る上面検出手段とを具備し、
上記容器保持手段を、上記蒸発容器の底部を支持する載置部と、上記蒸発容器の側部を覆うとともに少なくとも加熱部が取り付けられた外周部とから構成し、
この載置部または外周部を上下に昇降させる昇降手段を設け、
且つ上面検出手段にて検出された上面位置に基づき上記昇降手段を制御して上記加熱部と蒸発容器内の蒸着材料の上面位置とを所定距離に維持する制御手段を設けたものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る蒸着装置は、請求項1に記載の蒸着装置において、加熱部を、蒸発容器側に光を照射する光照射器と、この光照射器から蒸発容器とは反対側に照射される光を蒸発容器側に反射させる反射板とから構成し、
且つ上記蒸発容器の構成材料として、上記光照射器からの光を透過させ得る透過性材料を用いたものである。
【0009】
さらに、本発明の請求項3に係る蒸着装置は、請求項1または2に記載の蒸着装置において、容器保持手段に、冷却媒体を通過させて蒸発容器を冷却する冷却媒体通路を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
上記蒸着装置によると、蒸発容器内の蒸着材料が蒸発して蒸着材料の上面位置が低下しても、昇降手段および制御手段により加熱部と蒸着材料の上面位置とを常に所定距離に維持することで、加熱部により蒸着材料の上面が加熱されるとともに、加熱部が取り付けられた蒸発容器冷却用の外周部により蒸着材料の上面以外が冷却されるので、連続運転しても、蒸着材料は長時間高温にならないため劣化せず、基板に生成する蒸着膜の品質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1に係る蒸着装置の概略構成を示す全体側面図である。
【図2】同蒸着装置における蒸着ユニットおよび昇降装置を示す要部拡大図である。
【図3】同蒸着装置における制御装置を示すブロック図である。
【図4】同蒸着装置における載置部の上昇制御を示す動作説明図であり、(a)は蒸着開始直後の図、(b)は蒸発により蒸着材料の表面高さが低下した際の図である。
【図5】本発明の実施例2に係る蒸着装置の概略構成を示す全体側面図である。
【図6】同蒸着装置における蒸着ユニットおよび昇降装置を示す要部拡大図である。
【図7】同蒸着装置における制御装置を示すブロック図である。
【図8】同蒸着装置における外周部の下降制御を示す動作説明図であり、(a)は蒸着開始直後の図、(b)は蒸発により蒸着材料の表面高さが低下した際の図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の実施例1に係る蒸着装置を、図1〜図4に基づき説明する。
この蒸着装置は、図1に示すように、被蒸着部材である基板Kを保持する保持具3が内部の上壁部に設けられるとともに基板Kを交換するための開口部4およびこの開口部4を開閉する基板交換用バルブ5が側壁部に設けられた蒸着容器2と、この蒸着容器2の内部の側壁部に配置されて基板Kに生成した蒸着膜の厚さを検出する膜厚センサ6と、蒸着容器2の内部の底壁部に配置されて液状の蒸着材料Lを蒸発させる蒸発ユニット7と、この蒸発ユニット7と保持具3との間に配置されて当該蒸発ユニット7からの蒸発した蒸着材料L(以下、蒸発した蒸着材料Lを「蒸発材料V」という)を必要に応じて遮るシャッター装置8と、蒸発ユニット7を適切に制御する制御装置(制御手段の一例である)9とから構成される。
【0013】
以下、この蒸発ユニット7について詳しく説明する。
蒸発ユニット7は、図2に示すように、底部を有する円筒形状であって内部に蒸着材料Lを充填するための透明の蒸発容器(ルツボとも言う)11と、この蒸発容器11を外周側および底部側から冷却する容器保持具(容器保持手段の一例である)12と、この容器保持具12を支持する保持具支持台13と、容器保持具12を昇降させる昇降装置(昇降手段の一例である)14とから構成される。
【0014】
この容器保持具12は、蒸発容器11の底部を支持する円板形状の載置部21と、蒸発容器11の側部および載置部21を覆う筒状の外周部23とから構成されており、例えば、この外周部23には上下方向のガイド溝部24が形成されるとともに当該ガイド溝部24に案内される凸部22が載置部21に形成されて、当該載置部21は外周部23に対して上下方向に相対移動が可能な構造にされている。
【0015】
載置部21および外周部23には、それぞれの内部に冷却媒体通路25a,25bが形成されており、冷却媒体(例えば冷却水)を通過させることで、載置部21で支持した蒸発容器11を側部および底部から冷却できる構造である。具体的に説明すると、外周部23については、外側面の下部に冷却媒体導入口26bを設けるとともに、外側面の上部に冷却媒体導出口27bを設け、この冷却媒体導入口26bから冷却媒体導出口27bへ向けて下から上への螺旋状に冷却媒体通路25bが形成されている。一方、載置部21については、下面の外縁部に冷却媒体導入口26aおよび冷却媒体導出口27aが設けられているが、冷却媒体導入口26aと冷却媒体導出口27aは、載置部21の円中心を対称の中心とした点対称の位置に配置される。また、載置部21の冷却媒体通路25aは、冷却媒体導入口26aから載置部21の上面近くまで形成されるとともに、上から下への螺旋状に形成されて、冷却媒体導出口27aへ接続するように形成されている。なお、全ての冷却媒体導入口26a,26bおよび冷却媒体導出口27a,27bには、冷却媒体を通過させるチューブ28が接続されており、これらチューブ28は蒸着容器2の外部まで導かれ、図示しない冷却媒体用のポンプおよびタンク(以下、冷却装置という)に接続されている。
【0016】
さらに、外周部23には、蒸着容器2内に充填された蒸着材料Lを蒸発させるために加熱する加熱装置(加熱手段の一例である)15が設けられている。この加熱装置15は、外周部23の上方に配置されるとともに蒸着材料Lの表面を光で照射して加熱するリング形状の加熱用ランプ(光照射器の一例である)16と、この加熱用ランプ16から蒸発容器11とは反対側に照射される光を蒸発容器11側に反射させる反射板17と、加熱用ランプ16および反射板17(これらを加熱部ともいう)を上端側で保持するとともに下端側が外周部23の外側面の上部に取り付けられたアーム部18とから構成される。なお、蒸発容器11は、加熱用ランプ16および反射板17から蒸着材料Lを照射する光を透過させるために、石英など透過性材料が用いられる。
【0017】
また、外周部23の上端にはレーザセンサ(上面検出手段の一例である)19が設けられており、このレーザセンサ19により外周部23の上端高さでの蒸着材料Lの有無を検出できる。このレーザセンサ19は、外周部23の上端から蒸発容器11へ水平にレーザを発射する発射体19aと、この発射体19aからのレーザであって蒸発容器11を通過したものを検知する検知体19bとから構成される。また検知体19bは、発射体19aからのレーザが蒸着材料Lで遮られて当該レーザを検知できなければ「非検知」の信号を制御装置9へ発信し、レーザが蒸着材料Lで遮られずに当該レーザを検知できれば「検知」の信号を制御装置9へ発信するものである。
【0018】
ここで、容器保持具12を支持する保持具支持台13は、厚肉の円筒形状で、軸心が鉛直方向となるように配置されて、下端が蒸着容器2の内部の底壁部に固定されるとともに、上端で外周部23の下端を支持している。また、この保持具支持台13には、昇降装置14の一部(具体的には水平支持材32であり後述する)を通過させる鉛直切欠部が形成されている。
【0019】
また、昇降装置14は、保持具支持台13の内側で載置部21を支持する昇降台座31と、一端側の上面が昇降台座31の下端に取り付けられて当該昇降台座31を支持するとともに他端側が保持具支持台13の鉛直切欠部を通過して保持具支持台13の外側に配置された水平支持材32と、保持具支持台13の外側に配置された水平支持材32端部に水平に取り付けられた連結板33と、この連結板33に鉛直方向で貫通して取り付けられたリニアブッシュ34およびボールナット36と、このボールナット36に螺挿された鉛直方向のボールネジ37と、このボールネジ37の下端部に接続されて当該ボールネジ37を回転させることでボールナット36を昇降させる昇降モータ38と、上記リニアブッシュ34を鉛直方向に案内し得るとともに下端部が蒸着容器2の内部の底壁部に取り付けられた鉛直方向のガイドシャフト35とから構成される。
【0020】
ところで、図1に示すシャッター装置8は、保持具3の下方に水平に配置されて基板Kを下方から覆う遮蔽板41と、この遮蔽板41の外縁近くの下面から垂直(すなわち鉛直)に取り付けられて当該遮蔽板41を支持するとともに回転させることで蒸発材料Vの遮断/非遮断を切り換え得る回転軸42と、この回転軸42を駆動する駆動部(図示しないが、例えばモータなどである)とから構成される。
【0021】
一方、制御装置9は、蒸着容器2の外側に設けられるとともに、図3に示すように、レーザセンサ19および昇降モータ38と電気的に接続されており、主として、レーザセンサ19で検知された蒸着材料Lの表面の高さ(残量)に応じて自動的に蒸発容器11を上昇させて、蒸着材料Lの表面位置と外周部23上端とを鉛直方向において所定距離に維持するものである。具体的に説明すると、制御装置9は、レーザセンサ19の検知体19bに接続されて当該検知体19bからの信号を受信することにより外周部23の上端高さでの蒸着材料Lの有無を検出する検出部51と、この検出部51で蒸着材料Lが検出されなければ蒸発容器11の要上昇を判断するとともに蒸着材料Lが検出されると蒸発容器11の要停止を判断する判断部52と、この判断部52での判断に従って昇降モータ38を作動させる昇降指示部53と、ボタン操作で昇降モータ38を作動させて蒸発容器11を昇降させ得る昇降ボタン54とを有する。なお、図示しないが、制御装置9には、加熱装置15や冷却装置のON/OFFの切り換えを行う操作ボタン、基板交換用バルブ5を開閉する開閉ボタン、シャッター装置8を操作して蒸発材料Vの遮断/非遮断の切り換えを行う遮蔽ボタンも具備されている。
【0022】
以下、この蒸着装置1の動作について説明する。
予め、制御装置9の開閉ボタンにより、基板交換用バルブ5を開にし、蒸着容器2の開口部4から基板Kを入れて、保持具3に当該基板Kを保持させる。そして同様に、開閉ボタンにより基板交換用バルブ5を閉にする。一方、容器保持具12に保持させた蒸発容器11には、蒸着材料Lを充填しておく。
【0023】
そして、蒸着材料Lは、表面が加熱装置15により加熱されるとともに、側面および底面が冷却装置により冷却される必要があるので、蒸発容器11に充填された蒸着材料Lの表面が外周部23の上端高さに位置するまで、制御装置9の昇降ボタン54により蒸発容器11を昇降させる。一方、制御装置9の遮蔽ボタンにより、シャッター装置8を操作して非遮断に切り換え、蒸発容器11からの蒸発材料Vが基板Kに到達できる状態にしておく。
【0024】
上述した準備を行った後は、まず、制御装置9の操作ボタンにより、加熱装置15および冷却装置をOFFからONに切り換える。すると、蒸着材料Lは、表面が、加熱装置15の加熱用ランプ16および反射板17の光の照射により加熱されるとともに、側面および底面が、容器保持具12の冷却媒体通路25a,25bを通過する冷却媒体により冷却される。具体的に説明すると、加熱装置15の加熱用ランプ16および反射板17からの光が、直接または透明の蒸発容器11を透過して蒸着材料Lの表面に照射されて、この蒸着材料Lの表面が加熱される。一方、冷却媒体が、冷却装置からチューブ28ならびに載置部21および外周部23の各冷却媒体導入口26a,26bを通過するとともに、載置部21および外周部23の各冷却媒体通路25a,25bを通過して、チューブ28により冷却装置まで導かれるが、冷却媒体が各冷却媒体通路25a,25bを通過する際に蒸着材料Lの側面および底面から熱を奪うことで、この蒸着材料Lを側面および底面から冷却する。したがって、蒸着材料Lは、蒸発する表面で加熱されるが、蒸発しない表面より下では側面および底面から冷却されるので、表面部以外では高温にならず、品質が維持される。
【0025】
上述した加熱により、蒸発容器11内の蒸着材料Lが表面から蒸発していき、蒸発した蒸着材料L(すなわち蒸発材料V)がシャッター装置8に遮断されることなく基板Kへ到達し、基板Kに蒸着膜が生成される。
【0026】
このとき、図4に示すように、蒸発容器11に充填された蒸着材料Lは(図4(a)参照)、蒸発により次第に減少して表面の高さが低下していくので、この表面が加熱用ランプ16および反射板17から離れるとともに外周部23により冷却されることで、蒸発の効率が低下することになる。しかし、この蒸発効率の低下を防ぐため、蒸着材料Lの表面高さが低下すれば、その低下分だけ載置部21を介して蒸発容器11を上昇させて蒸着材料Lの表面高さが維持される(図4(b)参照)。
【0027】
すなわち、蒸着材料Lの表面が外周部23の上端高さより低下すれば、レーザセンサ19の発射体19aからのレーザが蒸着材料Lに妨げられなくなり、レーザセンサ19の検知体19bから「検知」の信号が制御装置9へ発信される。制御装置9の検出部51でこの信号を受信して蒸着材料Lが検出されなくなると、判断部52で蒸発容器11の上昇が必要と判断され、昇降指示部53で蒸発容器11を上昇させるように昇降モータ38を作動させる。昇降モータ38によりボールネジ37が回転すると、図4に示すように、ボールネジ37を螺挿したボールナット36が上昇し、このボールナット36と一体の連結板33、リニアブッシュ34、水平支持材32および昇降台座31も上昇するとともに、昇降台座31に押し上げられて載置部21および載置部21に支持された蒸発容器11も上昇する。
【0028】
ここで、レーザセンサ19および制御装置9の検出部51による蒸着材料Lの検出は続けられており、蒸発容器11が上昇することで、蒸発容器11に充填された蒸着材料Lの表面が外周部23の上端高さまで上昇すると、レーザセンサ19の検知体19bから「非検知」の信号が制御装置9へ発信される。制御装置9の検出部51でこの信号を受信して蒸着材料Lが検出されると、判断部52で蒸発容器11の上昇停止が必要と判断され、昇降指示部53で昇降モータ38を停止させる。
【0029】
この制御により、図4(a)および(b)に示すように、蒸着材料Lの表面高さは一定に維持されることで、蒸着材料Lの表面と加熱用ランプ16および反射板17との距離が一定に維持されるとともに、蒸着材料Lの表面より下の箇所が載置部21および外周部23で冷却される。また、蒸着材料Lの表面と基板Kとの距離も一定に維持される。
【0030】
そして、所定厚さの蒸着膜が得られると、シャッター装置8を遮断に切り換えて基板Kへの蒸発材料Vを遮断し、基板交換用バルブ5を開いて開口部4から蒸着膜が生成された基板Kを取り出して、新たな基板Kと交換する。なお、蒸着膜の上記所定厚さは、膜厚センサ6により知ることができる。
【0031】
このように、蒸着材料の表面と加熱用ランプおよび反射板との距離が一定に維持されるとともに、蒸着材料の表面と基板との距離も一定に維持されるので、安定して蒸着膜を生成することができる。また、蒸着材料の表面より下では、常に冷却されて高温にならないので、蒸着材料の劣化が防止されて、基板に生成する蒸着膜の品質低下を防止することができる。
【0032】
なお、本実施例1の蒸着装置の構成を簡単に説明すると、以下の通りである。
すなわち、この蒸着装置は、蒸発容器内に充填された蒸着材料を蒸発させて蒸着容器内に保持された基板に蒸着させる蒸着装置であって、
上記蒸発容器を保持して冷却する容器保持手段と、上記蒸発容器内に充填された蒸着材料の上面部分を加熱部により加熱する加熱手段と、上記蒸発容器内の蒸着材料の上面位置を検出し得る上面検出手段とを具備し、
上記容器保持手段を、上記蒸発容器の底部を支持する載置部と、上記蒸発容器の側部を覆うとともに少なくとも加熱部が取り付けられた外周部とから構成し、
この載置部を外周部に対して上下に昇降させる昇降手段を設け、
且つ上面検出手段にて検出された上面位置に基づき上記昇降手段を制御して上記加熱部と蒸発容器内の蒸着材料の上面位置とを所定距離に維持するとともに、上記蒸着容器内に保持された基板と当該蒸着材料の上面位置とを所定距離に維持する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【実施例2】
【0033】
次に、本発明の実施例2に係る蒸着装置について図5〜図8に基づき説明する。蒸着材料の表面が蒸発により低下するのに対して、この表面と加熱用ランプおよび反射板との距離を一定に維持するために、実施例1では載置部21(蒸着材料Lを充填した蒸発容器11を支持)を上昇させるものであったが、本実施例2では外周部(加熱用ランプおよび反射板を具備)を下降させるものである。
【0034】
この蒸着装置は、図5に示すように、被蒸着部材である基板Kを保持する保持具103が内部の上壁部に設けられるとともに基板Kを交換するための開口部104およびこの開口部104を開閉する基板交換用バルブ105が側壁部に設けられ且つ底壁部に蒸発材料(蒸発した蒸着材料Lをいう)Vを導入するための連通開口部110aが形成された蒸着容器102と、この蒸着容器102の内部の底壁部に取り付けられて連通開口部110aと連通する導入口147が下端に形成されるとともに当該連通開口部110aから蒸発材料Vを導入して拡散用空間148で均一に拡散し上面に形成された複数の放出口149から放出する拡散容器146と、上記蒸着容器102の内部の側壁部に配置されて基板Kに生成した蒸着膜の厚さを検出する膜厚センサ106と、蒸着容器102の下方に配置されて上壁部に連通開口部110bが形成されるとともに液状の蒸着材料Lを蒸発させる蒸発ユニット107が内部に配置された蒸発室100と、蒸着容器102とこの蒸発室100の各連通開口部110a,110bを接続して蒸発室100における蒸発ユニット107からの蒸発材料Vを蒸着容器102に導入する連通管144と、この連通管144を開閉する連通バルブ(バルブ本体とバルブ本体を駆動するバルブ駆動機構とから構成される)145と、上記拡散容器146と保持具103との間に配置されて当該蒸発ユニット107からの蒸発材料Vを必要に応じて遮るシャッター装置108と、蒸発ユニット107を適切に制御する制御装置(制御手段の一例である)109とから構成される。
【0035】
また上記連通管144は、図6に示すように、上記蒸発室100の上壁部に形成された連通開口部110bに挿し込まれており、この挿し込まれた連通管144の下端部144bは、透明な弾性材料(例えばゴム)から構成されて、蒸発室100内に配置された蒸発容器(蒸発ユニット7の構成部材であり後述する)111の上端と密着させ、蒸発容器111からの蒸発材料Vを漏らさず拡散容器146へ導入するものである。さらに、図5では図示を省略しているが、蒸着容器の連通開口部110aにおける拡散容器146の導入口147と連通管144の上端部との接続は、フランジ継手により行われる。
【0036】
以下、この蒸発ユニット107について詳しく説明する。
蒸発ユニット107は、図6に示すように、底部を有する円筒形状であって内部に蒸着材料Lを充填するための透明の蒸発容器(ルツボとも言う)111と、この蒸発容器111を外周側および底部側から冷却する容器保持具(容器保持手段の一例である)112と、この容器保持具112を支持する保持具支持台113と、容器保持具112を昇降させる昇降装置(昇降手段の一例である)114とから構成される。
【0037】
この容器保持具112は、蒸発容器111の底部を支持する円板形状の載置部121と、蒸発容器111の側部および載置部121を覆う筒状の外周部123とから構成されており、例えば、この外周部123には上下方向のガイド溝部124が形成されるとともに当該ガイド溝部124に案内される凸部122が載置部121に形成されて、当該外周部123は載置部121に対して上下方向に相対移動が可能な構造にされている。
【0038】
載置部121および外周部123には、それぞれの内部に冷却媒体通路125a,125bが形成されており、冷却媒体(例えば冷却水)を通過させることで、載置部121で支持した蒸発容器111を側部および底部から冷却できる構造である。具体的に説明すると、外周部123については、外側面の下部に冷却媒体導入口126bを設けるとともに、外側面の上部に冷却媒体導出口127bを設け、この冷却媒体導入口126bから冷却媒体導出口127bへ向けて下から上への螺旋状に冷却媒体通路125bが形成されている。一方、載置部121については、下面の外縁部に冷却媒体導入口126aおよび冷却媒体導出口127aが設けられているが、冷却媒体導入口126aと冷却媒体導出口127aは、載置部121の円中心を対称の中心とした点対称の位置に配置される。また、載置部121の冷却媒体通路125aは、冷却媒体導入口126aから載置部121の上面近くまで形成されるとともに、上から下への螺旋状に形成されて、冷却媒体導出口127aへ接続するように形成されている。なお、全ての冷却媒体導入口126a,126bおよび冷却媒体導出口127a,127bには、冷却媒体を通過させるチューブ128が接続されており、これらチューブ128は蒸着容器102の外部まで導かれ、図示しない冷却媒体用のポンプおよびタンク(以下、冷却装置という)に接続されている。
【0039】
さらに、外周部123には、蒸着容器102内に充填された蒸着材料Lを蒸発させるために加熱する加熱装置(加熱手段の一例である)115が設けられている。この加熱装置115は、外周部123の上方に配置されるとともに蒸着材料Lの表面を光で照射して加熱するリング形状の加熱用ランプ(光照射器の一例である)116と、この加熱用ランプ116から蒸発容器111とは反対側に照射される光を蒸発容器111側に反射させる反射板117と、加熱用ランプ116および反射板117(これらを加熱部ともいう)を上端側で保持するとともに下端側が外周部123の外側面の上部に取り付けられたアーム部118とから構成される。なお、蒸発容器111は、加熱用ランプ116および反射板117から蒸着材料Lを照射する光を透過させるために、石英など透過性材料が用いられる。
【0040】
また、外周部123の上端にはレーザセンサ(上面検出手段の一例である)119が設けられており、このレーザセンサ119により外周部123の上端高さでの蒸着材料Lの有無を検出できる。このレーザセンサ119は、外周部123の上端から蒸発容器111へ水平にレーザを発射する発射体119aと、この発射体119aからのレーザであって蒸発容器111を通過したものを検知する検知体119bとから構成される。また検知体119bは、発射体119aからのレーザが蒸着材料Lで遮られて当該レーザを検知できなければ「非検知」の信号を制御装置109へ発信し、レーザが蒸着材料Lで遮られずに当該レーザを検知できれば「検知」の信号を制御装置109へ発信するものである。
【0041】
ここで、容器保持具112を支持する保持具支持台113は、軸心が鉛直方向となるように配置された円柱形状の台であり、下端が蒸発室100の内部の底壁部に固定されるとともに、上端で載置部121の下面を支持している。
【0042】
また、昇降装置114は、一端側が外周部123の外側面に取り付けられて当該外周部123を支持するとともに他端側が連結板133に水平に取り付けられた水平支持材132と、この連結板133に鉛直方向で貫通して取り付けられたリニアブッシュ134およびボールナット136と、このボールナット136に螺挿された鉛直方向のボールネジ137と、このボールネジ137の下端部に接続されて当該ボールネジ137を回転させることでボールナット136を昇降させる昇降モータ138と、上記リニアブッシュ134を鉛直方向に案内し得るとともに下端部が蒸発室100の内部の底壁部に取り付けられた鉛直方向のガイドシャフト135とから構成される。
【0043】
ところで、図5に示すシャッター装置108は、保持具103の下方に水平に配置されて基板Kを下方から覆う遮蔽板141と、この遮蔽板141の外縁近くの下面から垂直(すなわち鉛直)に取り付けられて当該遮蔽板141を支持するとともに回転させることで蒸発材料Vの遮断/非遮断を切り換え得る回転軸142と、この回転軸142を駆動する駆動部(図示しないが、例えばモータなどである)とから構成される。
【0044】
一方、制御装置109は、蒸着容器102および蒸発室100の外側に設けられるとともに、図7に示すように、レーザセンサ119、昇降モータ138、膜厚センサ106および連通バルブ145と電気的に接続されており、主として、レーザセンサ119で検知された蒸着材料Lの表面の高さ(残量)に応じて自動的に外周部123を下降させて、蒸着材料Lの表面位置と外周部123上端とを鉛直方向において所定距離に維持するものである。具体的に説明すると、制御装置109は、レーザセンサ119の検知体119bに接続されて当該検知体119bからの信号を受信することにより外周部123の上端高さでの蒸着材料Lの有無を検出する検出部151と、この検出部151で蒸着材料Lが検出されなければ外周部123の要下降を判断するとともに蒸着材料Lが検出されると外周部123の要停止を判断する判断部152と、この判断部152での判断に従って昇降モータ138を作動させる昇降指示部153と、ボタン操作で昇降モータ138を作動させて外周部123を昇降させ得る昇降ボタン154とを有する。また制御装置109には、さらに、膜厚センサ106と電気的に接続されて膜厚センサ106で検出した蒸着膜の厚さを計測する膜厚計155と、この膜厚計155で計測された膜厚が所定厚さ以上になれば上記バルブ駆動機構により連通バルブ145を閉にするバルブ開閉部156とを有する。なお、図示しないが、制御装置109には、加熱装置115や冷却装置のON/OFFの切り換えを行う操作ボタン、基板交換用バルブ105を開閉する開閉ボタン、シャッター装置108を操作して蒸発材料Vの遮断/非遮断の切り換えを行う遮蔽ボタンも具備されている。
【0045】
以下、この蒸着装置101の動作について説明する。
予め、制御装置109の開閉ボタンにより、基板交換用バルブ105を開にし、蒸着容器102の開口部104から基板Kを入れて、保持具103に当該基板Kを保持させる。そして同様に、開閉ボタンにより基板交換用バルブ105を閉にする。一方、容器保持具112に保持させた蒸発容器111には、蒸着材料Lを充填しておく。
【0046】
そして、蒸着材料Lは、表面が加熱装置115により加熱されるとともに、側面および底面が冷却装置により冷却される必要があるので、蒸発容器111に充填された蒸着材料Lの表面が外周部123の上端高さに位置するまで、制御装置109の昇降ボタン154により外周部123を昇降させる。一方、制御装置109の遮蔽ボタンにより、シャッター装置108を操作して非遮断に切り換え、蒸発容器111からの蒸発材料Vが基板Kに到達できる状態にしておく。
【0047】
上述した準備を行った後は、まず、制御装置109の操作ボタンにより、加熱装置115および冷却装置をOFFからONに切り換える。すると、蒸着材料Lは、表面が、加熱装置115の加熱用ランプ116および反射板117の光の照射により加熱されるとともに、側面および底面が、容器保持具112の冷却媒体通路125a,125bを通過する冷却媒体により冷却される。具体的に説明すると、加熱装置115の加熱用ランプ116および反射板117からの光が、直接または透明の蒸発容器111を透過して蒸着材料Lの表面に照射されて、この蒸着材料Lの表面が加熱される。一方、冷却媒体が、冷却装置からチューブ128ならびに載置部121および外周部123の各冷却媒体導入口126a,126bを通過するとともに、載置部121および外周部123の各冷却媒体通路125a,125bを通過して、チューブ128により冷却装置まで導かれるが、冷却媒体が各冷却媒体通路125a,125bを通過する際に蒸着材料Lの側面および底面から熱を奪うことで、この蒸着材料Lを側面および底面から冷却する。したがって、蒸着材料Lは、蒸発する表面で加熱されるが、蒸発しない表面より下では側面および底面から冷却されるので、表面部以外では高温にならず、品質が維持される。
【0048】
上述した加熱により、蒸発容器111内の蒸着材料Lが表面から蒸発していき、蒸発した蒸着材料L(すなわち蒸発材料V)は、蒸発容器111と連通管144の下端部144bが密着しているため蒸発室100の連通管144外に漏れることなく拡散容器146に導入され、さらに拡散容器146の拡散用空間148で均一に拡散した後に放出口149から放出されて、シャッター装置108に遮断されることなく基板Kへ到達し、基板Kに蒸着膜が生成される。
【0049】
このとき、図8に示すように、蒸発容器111に充填された蒸着材料Lは(図8(a)参照)、蒸発により次第に減少して表面の高さが低下していくので、この表面が加熱用ランプ116および反射板117から離れるとともに外周部123により冷却されることで、蒸発の効率が低下することになる。しかし、この蒸発効率の低下を防ぐため、蒸着材料Lの表面高さが低下すれば、その低下分だけ外周部123を介して加熱装置115を下降させて蒸着材料Lの表面と加熱用ランプ116および反射板117との距離が一定に維持される(図8(b)参照)。
【0050】
すなわち、蒸着材料Lの表面が外周部123の上端高さより低下すれば、レーザセンサ119の発射体119aからのレーザが蒸着材料Lに妨げられなくなり、レーザセンサ119の検知体119bから「検知」の信号が制御装置109へ発信される。制御装置109の検出部151でこの信号を受信して蒸着材料Lが検出されなくなると、判断部152で外周部123の下降が必要と判断され、昇降指示部153で外周部123を下降させるように昇降モータ138を作動させる。昇降モータ138によりボールネジ137が回転すると、図8に示すように、ボールネジ137を螺挿したボールナット136が下降し、このボールナット136と一体の連結板133、リニアブッシュ134および水平支持材132も下降するとともに、水平支持材132に引き下げられて外周部123ならびに外周部123に設けられた加熱用ランプ116および反射板117も下降する。
【0051】
ここで、レーザセンサ119および制御装置109の検出部151による蒸着材料Lの検出は続けられており、外周部123が下降することで、外周部123の上端高さが蒸発容器111に充填された蒸着材料Lの表面まで下降すると、レーザセンサ119の検知体119bから「非検知」の信号が制御装置109へ発信される。制御装置109の検出部151でこの信号を受信して蒸着材料Lが検出されると、判断部152で外周部123の下降停止が必要と判断され、昇降指示部153で昇降モータ138を停止させる。
【0052】
この制御により、図8(a)および(b)に示すように、蒸着材料Lの表面と加熱用ランプ116および反射板117との距離が一定に維持されるとともに、蒸着材料Lの表面より下の箇所が載置部121および外周部123で冷却される。
【0053】
そして、所定厚さの蒸着膜を得られたことが膜厚センサ106を介して膜厚計155で検出されると、バルブ開閉部156により連通バルブ145が閉にされ、基板Kへの蒸発材料Vが遮断される。その後は、シャッター装置108で確実に蒸発材料Vを遮断し、基板交換用バルブ105を開いて開口部104から蒸着膜が生成された基板Kを取り出して、新たな基板Kと交換する。
【0054】
このように、蒸着材料の表面と加熱用ランプおよび反射板との距離が一定に維持されるとともに、拡散容器で蒸発材料が均一に拡散して基板へ到達するので、さらに安定して蒸着膜を生成することができる。また、蒸着材料の表面より下では、常に冷却されて高温にならないので、蒸着材料の劣化が防止されて、基板に生成する蒸着膜の品質低下を防止することができる。
【0055】
なお、本実施例2の蒸着装置の構成を簡単に説明すると、以下の通りである。
すなわち、蒸着装置は、蒸発容器内に充填された蒸着材料を蒸発させて蒸着容器内に保持された基板に蒸着させる蒸着装置であって、
上記蒸発容器を保持して冷却する容器保持手段と、上記蒸発容器内に充填された蒸着材料の上面部分を加熱部により加熱する加熱手段と、上記蒸発容器内の蒸着材料の上面位置を検出し得る上面検出手段とを具備し、
上記容器保持手段を、上記蒸発容器の底部を支持する載置部と、上記蒸発容器の側部を覆うとともに少なくとも加熱部が取り付けられた外周部とから構成し、
この外周部を載置部に対して上下に昇降させる昇降手段を設けるとともに、
蒸着容器内に配置されて蒸発した蒸着材料を拡散する拡散容器と、この拡散容器と上記蒸発容器とを接続する連通管とを具備し、
且つ上面検出手段にて検出された上面位置に基づき上記昇降手段を制御して上記加熱部と蒸発容器内の蒸着材料の上面位置とを所定距離に維持する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0056】
ところで、上記実施例1および2において、加熱手段は加熱用ランプを有する加熱装置として説明したが、この加熱装置に限定されるものではなく、レーザ照射装置など他の加熱手段であってもよい。
【0057】
また、上記実施例1および2では、蒸発容器に充填された蒸着材料の表面を検出するものとしてレーザセンサを例に挙げたが、他の光学センサであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
K 基板
L 蒸着材料
V 蒸発材料
1 蒸着装置
4 開口部
7 蒸発ユニット
8 シャッター装置
11 蒸発容器
14 昇降装置
15 加熱装置
16 加熱用ランプ
17 反射板
19 レーザセンサ
19b 検知体
21 載置部
22 凸部
23 外周部
24 ガイド溝部
28 チューブ
32 水平支持材
33 連結板
34 リニアブッシュ
36 ボールナット
100 蒸発室
144 連通管
145 連通バルブ
146 拡散容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発容器内に充填された蒸着材料を蒸発させて蒸着容器内に保持された基板に蒸着させる蒸着装置であって、
上記蒸発容器を保持して冷却する容器保持手段と、上記蒸発容器内に充填された蒸着材料の上面部分を加熱部により加熱する加熱手段と、上記蒸発容器内の蒸着材料の上面位置を検出し得る上面検出手段とを具備し、
上記容器保持手段を、上記蒸発容器の底部を支持する載置部と、上記蒸発容器の側部を覆うとともに少なくとも加熱部が取り付けられた外周部とから構成し、
この載置部または外周部を上下に昇降させる昇降手段を設け、
且つ上面検出手段にて検出された上面位置に基づき上記昇降手段を制御して上記加熱部と蒸発容器内の蒸着材料の上面位置とを所定距離に維持する制御手段を設けたことを特徴とする蒸着装置。
【請求項2】
加熱部を、蒸発容器側に光を照射する光照射器と、この光照射器から蒸発容器とは反対側に照射される光を蒸発容器側に反射させる反射板とから構成し、
且つ上記蒸発容器の構成材料として、上記光照射器からの光を透過させ得る透過性材料を用いたことを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項3】
容器保持手段に、冷却媒体を通過させて蒸発容器を冷却する冷却媒体通路を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−21194(P2012−21194A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160158(P2010−160158)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】