説明

蓄熱床構造および蓄熱床施工方法

【課題】蓄熱材の輻射熱による暖房だけでは、室内を効果的に暖房できない場合に、室内を効果的に暖房でき、かつ、暖房の無駄を抑えることができる蓄熱床構造および蓄熱床施工方法を提供する。
【解決手段】断熱材15が設けられた、床パネル11上に通気根太16が配置されており、この通気根太16上に発熱可能な床暖房パネル21が敷設されており、床暖房パネル21と床パネル11との間に、蓄熱材17と温風通路20とこの温風通路20に通じるとともに、温風を流入させる温風導入部26が設けられている。したがって、室内を床暖房パネル21と蓄熱材17によって効果的に暖房でき、かつ、床暖房パネル21の暖房の無駄を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床に蓄熱材を設けてなる蓄熱床構造および蓄熱床施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
床に蓄熱材を設けてなる蓄熱床構造の一例として特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、太陽熱集熱装置により集熱された熱を蓄熱する蓄熱材を、床パネルの表面材の下方に備え、前記蓄熱材に蓄熱された熱により床暖房を行うものである。
【特許文献1】特開2004−11336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記の従来技術では、冬季において蓄熱材の輻射熱による暖房だけでは、室内を効果的に暖房できない場合がある。この場合、室内に暖房器具を設置することによって、室内を十分に暖房するようにしているが、暖かい空気は上昇するので、室内の床近傍が十分に暖房できないという不満があるばかりか、上昇した暖かい空気が室内の暖房としては比較的無駄なものとなってしまい、暖房の無駄が大きくなるという問題がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、蓄熱材の輻射熱による暖房だけでは、室内を効果的に暖房できない場合に、室内を効果的に暖房でき、かつ、暖房の無駄を抑えることができる蓄熱床構造および蓄熱床施工方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、蓄熱材を有する蓄熱床構造であって、
床10を構成する床パネル11内に断熱材15が設けられており、
前記床パネル11上に、通気部16aを有する通気根太16が配置されており、この通気根太16上に発熱可能な床暖房パネル21が敷設されており、
前記床暖房パネル21と前記床パネル11との間に、蓄熱材17と温風通路20とこの温風通路20に通じるとともに、温風を流入させる温風導入部26が設けられていることを特徴とする。
【0006】
前記床暖房パネルとしては、例えば、フローリング材の内部に温水パイプを通したフローリングや、内部に電熱線を配置した電気カーペット等が使用される。温水パイプに流通させる温水としては、深夜電力による電気温水器からのものを好適に使用できる。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、蓄熱材17からの輻射熱によって室内の暖房を行うが、床パネル11上に、通気部16aを有する通気根太16が配置されており、この通気根太16上に発熱可能な床暖房パネル21が敷設されているので、蓄熱材17の輻射熱による暖房だけでは、室内を効果的に暖房できない場合に、床暖房パネル21によって室内を十分に暖房できる。
また、床暖房パネル21からの放熱によって、室内が暖房されるが、その一部は床暖房パネル21の下側にある蓄熱材17に蓄熱されるので、床暖房パネル21の暖房の無駄を抑えることができる。
さらに、床パネル11上に、通気根太16を配置し、この通気根太16上に発熱可能な床暖房パネル21を敷設するとともに、床暖房パネル21と床パネル11との間に、蓄熱材17と温風通路20とこの温風通路20に通じるとともに、温風を流入させる温風導入部26を設けるので、つまり、床パネル11上での蓄熱構造であるので、床パネル11下の断熱等の施工が必要なく、コスト安を図れるとともに、リフォームにも対応し易い。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓄熱床構造において、
前記蓄熱材17の下面には脚17aが固定されており、この脚17aが前記床パネル11上に設置されることによって、前記蓄熱材17の下面と前記床パネル11の上面との間に、前記温風通路20の一部を構成する第1隙間S1が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、蓄熱材17の下面に固定された脚17aが床パネル11上に設置されることによって、蓄熱材17の下面と床パネル11の上面との間に、第1隙間S1が設けられるので、温風導入部26から導入した温風を温風通路20、第1隙間S1を通して、蓄熱材17の表面に効果的に接触させて、蓄熱できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の蓄熱床構造において、
前記蓄熱材17の上面と前記床暖房パネル21の下面との間に、前記温風通路20の一部を構成する第2隙間S2が設けられており、
この第2隙間S2は前記第1隙間S1より狭いことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、蓄熱材17の上面と床暖房パネル21の下面との間に、温風通路20の一部を構成する第2隙間S2が設けられているので、温風導入部26から導入した温風を温風通路20、第1隙間S1、第2隙間S2を通して、蓄熱材17の表面に効果的に接触させて、蓄熱できる。
また、第2隙間S2は第1隙間S1より狭いので、蓄熱材17は床暖房パネル21に近づくことになる。したがって、床暖房パネル21からの放熱を効果的に蓄熱材に蓄熱できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄熱床構造において、
前記床パネル11上に、前記通気根太16が所定間隔で平行に配置されており、
隣り合う前記通気根太16,16間に、前記蓄熱材17が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、床パネル11上に所定間隔で平行に配置され、隣り合う通気根太16,16間に蓄熱材17が設けられているので、蓄熱材17を所定の位置に位置決めして配置できるとともに、通気根太16の通気部16aを通過してきた温風を蓄熱材17に満遍なく接触させることができ、効果的な蓄熱を図れる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、断熱材15が設けられた床パネル11上に、通気部16aを有する通気根太16を所定間隔で平行に配置し、
次に、隣り合う通気根太16,16間に、脚付きの蓄熱材17をその脚17aを前記床パネル11上に設置するとともに、温風通路20を形成するようにして配置し、
次に、前記通気根太16上に発熱可能な床暖房パネル21を敷設するとともに、前記温風通路20に通じている温風導入部26に温風を流入させるエアダクト4を接続することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、蓄熱材17の輻射熱と床暖房パネル21によって室内を十分に暖房できるとともに、床暖房パネル21の暖房の無駄を抑えることができる蓄熱床構造を容易に施工できる。
また、床パネル11上での施工であるので、床パネル下の断熱等の施工が必要なく、コスト安を図れるとともに、リフォームにも対応し易い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、床パネル上に、通気部を有する通気根太が配置されており、この通気根太上に発熱可能な床暖房パネルが敷設されており、前記床暖房パネルと前記床パネルとの間に、蓄熱材と温風通路が設けられているので、蓄熱材の輻射熱による暖房だけでは、室内を効果的に暖房できない場合に、床暖房パネルによって室内を十分に暖房できる。
また、床暖房パネルからの放熱によって室内が暖房されるが、その一部は床暖房パネルの下側にある蓄熱材に蓄熱されるので床暖房パネルの暖房の無駄を抑えることができる。
さらに、床パネル上に、通気根太を配置し、この通気根太上に発熱可能な床暖房パネルを敷設するとともに、床暖房パネルと床パネルとの間に、蓄熱材と温風通路と温風導入部を設けるので、つまり、床パネル上での蓄熱構造であるので、床パネル下の断熱等の施工が必要なく、コスト安を図れるとともに、リフォームにも対応し易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る蓄熱床構造を備えた建物を示す断面図、図2は本発明に係る蓄熱床構造を示す断面図、図3は同斜視図である。
図1に示す建物は、周知のパネル工法によって構築されたものである。パネル工法は、建物の躯体を構成する床、壁、屋根等を予め工場等で、床パネル、壁パネル、屋根パネル等の木質パネルとして製造しておき、これら木質パネルを現場で組み立てることによって建物を構築する方法である。木質パネルは、框材を矩形枠状に組み立てるとともに、この矩形枠内に必要に応じて桟材を縦横に組み付け、さらに矩形枠の少なくとも一方の面に、合板等からなる面材を取り付けて形成されたものである。床パネル、屋根パネルは矩形枠の上面にのみ面材が取り付けられており、壁パネルは矩形枠の両面にそれぞれ面材が取り付けられている。
【0018】
前記建物1の屋根2は屋根パネルを複数敷設することによって構成されている。南側を向く屋根2には太陽光集熱装置3が取り付けられている。この太陽光集熱装置3は、太陽熱で集熱媒体である空気を加熱して集熱するものである。
太陽光集熱装置3には筒状パイプで形成されたエアダクト4の一端部が接続されている。エアダクト4は屋根2を貫通して、小屋裏5に導入され、さらに天井6、2階床7を貫通して1階の床まで延出されている。
エアダクト4には送風機8が小屋裏5において取り付けられており、この送風機8によって太陽光集熱装置3からの温風がエアダクト4内を下方に向けて流通するようになっている。
また、エアダクト4には、送風機8と太陽光集熱装置3との間(送風機8より上流側)において流入部4aが設けられており、この流入部4aから小屋裏5内の暖かい空気を取り入れるようになっている。さらに、エアダクト4には送風機8より下流側において、ダンパー9が設けられており、このダンパー9によって夜間の空気の逆流を防止している。
【0019】
建物1の1階の床10は複数の床パネル11を敷設することによって構成されている。床パネル11はその長手方向両端部が、それぞれ布基礎12,12によって支持されており、中間部が束基礎13によって支持されている。
床パネル11は、図2に示すように、框材11aを矩形枠状に組み立てて矩形枠を構成するとともに、この矩形枠内に補強桟材11bを縦横に組み付け、さらに、矩形枠の上面に合板等からなる面材11cを貼着したものである。なお、床パネル11は台輪14を介して布基礎12,12上に設置されている。
床パネル11内には断熱材15が充填されている。つまり、床パネル11の面材11cの下面と、框材11a、補強桟材11bで囲まれた凹部に断熱材15が充填されたうえで固定されている。
【0020】
床パネル11の面材11cの上面には、床パネル11の幅方向に長尺な複数の通気根太16・・・が所定間隔で平行に配置されており、隣り合う通気根太16,16間に蓄熱材17が設けられている。
前記通気根太16はその下面に、複数の切欠部16a・・・が通気根太16の長手方向に所定間隔で形成されたものであり、該切欠部16a・・・を空気が流通することによって、床パネル11の長手方向に通気可能とするものである。切欠部16aは通気根太16の下面を、該通気根太16の長手方向と直交する方向に切欠いてなるものである。
なお、通気根太16としては、前記切欠部16aの代わりに通気根太16にその長手方向と直交する方向に貫通する貫通孔を、通気根太16の長手方向に所定間隔で形成したものを使用してもよいし、通気根太16の下面を凹凸状に切欠いたものを使用してもよい。
【0021】
前記蓄熱材17は、矩形板状に形成されており、その厚さは前記通気根太16の上下の厚さより小さくなっている。蓄熱材17は潜熱蓄熱材であり、例えば、硫酸ナトリウム10水塩、塩化カルシウム6水塩などの無機塩水和物を用いることができる。
蓄熱材17は、隣り合う通気根太16,16間において、床パネル11の面材11cに設置固定されているが、この状態において、蓄熱材17と通気根太16,16との間には所定の隙間が設けられており、また、通気根太16,16間において左右に隣り合う蓄熱材17,17間にも所定の隙間が設けられている。そして、これら隙間が温風通路20の一部を構成している。
さらに、蓄熱材17の下面の四隅部にはそれぞれ脚17aが固定されており、これら脚17aが床パネル11の面材11c上に設置されることによって、蓄熱材17の下面と床パネル11の上面(面材11cの上面)との間に、前記温風通路20の一部を構成する第1隙間S1が設けられている。
なお、脚17aの代わりに、脚17aの高さを同等の高さを有する根太を床パネル11の上に所定間隔で配置してもよい。
【0022】
また、前記通気根太16・・・上には、発熱可能な床暖房パネル21が敷設されている。この床暖房パネル21は、下地合板22と、この下地合板22に重ねられて固定された発熱パネル23とから構成されている。発熱パネル23はフローリング材の内部に温水パイプ23aを通したものであり、温水パイプ23に温水を流すことによって、床暖房パネル21として発熱するようになっている。
前記床暖房パネル21の下面と、蓄熱材17の上面との間には、前記温風通路20の一部を構成する第2隙間S2が設けられており、この第2隙間S2は前記第1隙間S1より狭くなっている。したがって、蓄熱材17は床パネル11より床暖房パネル21側に寄って配置されている。
【0023】
前記床パネル11の面材11cの両端部には、根太25,25が前記通気根太16と平行に配置固定されている。この根太25は通気根太16と異なり、切欠部は形成されておらず、通気根太16と等しい高さのものである。そして、根太25,25には、前記床暖房パネル21の両端部が設置されている。
一方の根太25とこれに隣り合う通気根太16との間には、蓄熱材17は設けられておらず、空間となっている。そしてこの空間が温風導入部26となっている。この温風導入部26上に位置する床暖房パネル21には導入口21aが形成されており、この導入口21aに前記エアダクト4の他端部が接続されている。また、温風導入部26は前記通気根太16に設けられた切欠部16aを介して前記温風通路20に通じている。
他方の根太25とこれに隣り合う通気根太16との間には、蓄熱材17は設けられておらず、空間となっている。そしてこの空間が温風導出部27となっている。この温風導出部27上に位置する床暖房パネル21には導出口21bが形成されており、この導出口21bは建物内に開放されている。
また、温風導出部27は前記通気根太16に設けられた切欠部16aを介して前記温風通路20に通じている。
【0024】
次に、上記構成の蓄熱床構造を施工する方法について説明する。
まず、布基礎12,12および束基礎13上に床パネル11を設置して固定する。なお、床パネル11内には予め断熱材15が充填されている。
次に、床パネル11の面材11cの上面に、複数の通気根太16・・・を所定間隔で平行に配置して固定するとともに、面材11cの上面の両端部に根太25,25を前記通気根太16と平行に配置して固定する。
【0025】
次に、隣り合う通気根太16,16間に、脚付きの蓄熱材17をその脚17aを床パネル11の面材11cの上面に設置するとともに、温風通路20を形成するようにして配置する。温風通路20を形成するようにして配置するには、蓄熱材17を通気根太16,16との間に所定の隙間を設けるように、かつ、通気根太16,16間において左右に隣り合う蓄熱材17,17間にも所定の隙間が設けるように配置する。
次に、前記通気根太16・・・と根太25,25上に床暖房パネル21を敷設して固定するとともに、床暖房パネル21に設けられた導入口21aに、エアダクト4の他端部を接続して、施工を終了する。
なお、エアダクト4の施工は、蓄熱床構造の施工と同時に行ってもよいし、施工前あるいは施工後に行ってもよい。
【0026】
次に、上記構成の蓄熱床構造の作用について説明する。
冬季の昼間、太陽熱集熱装置3によって内部の空気が暖められるので、この暖められた空気を前記送風機8によってエアダクト4内を下方に温風として流通させる。また、小屋裏5の暖められた空気も送風機8によって流入口4aから流入され、エアダクト4内を下方に温風として流通させる。
【0027】
エアダクト4内を下方に流通した温風は、温風導入部26に流入され、この温風導入部26から最初の通気根太16の切欠部16aを通して温風通路20を流通する。これによって温風は蓄熱材17の上面、下面、側面等を通るので、その間に温風の熱の一部が蓄熱材17に蓄熱される。さらに、温風は各通気根太16の切欠部16aを通して温風通路20を流通しながら、温風の熱の一部が次々に蓄熱材17に蓄熱されていき、最後に温風導出部27に至って、導出口21bから放出される。導出口21bから放出される温風は蓄熱材17によって熱の一部が吸収されているので、温度がある程度低下しているが、冬季において室内の暖房を行える程度の温度となっている。
なお、昼間でも室内の温度が低い場合は、床暖房パネル21を起動してこれによっても室内の暖房を行う。床暖房パネル21の下方には蓄熱材17があるので、床暖房パネル21の放射熱の一部は蓄熱材17に蓄熱される。
さらに、建物1には南面に窓1aが設けられており、この窓1aから太陽光が差し込んできて、床暖房パネル21に照射されるが、このときに床暖房パネル21からの太陽光により輻射熱の一部は蓄熱材17に蓄熱される。
このようにして、蓄熱材17には昼間の間に十分に蓄熱される。十分に蓄熱された蓄熱材17は次の日の朝も温度を高く保つことになり、結果として床暖房に投入されるエネルギーを削減する効果がある。
【0028】
冬季の夜間は、前記送風機8を停止する。蓄熱材17には昼間に蓄熱されているので、この蓄熱材17から放射される輻射熱と、床暖房パネル21の放射熱とによって室内の暖房を行う。なお、エアダクト4にはダンパー9が設けられているので、夜間の空気の逆流を防止できる。
【0029】
本実施の形態によれば、蓄熱材17からの輻射熱によって室内の暖房を行うが、床パネル11上に、通気部(切欠部16a)を有する通気根太16が配置されており、この通気根太16上に発熱可能な床暖房パネル21が敷設されているので、蓄熱材17の輻射熱による暖房だけでは、室内を効果的に暖房できない場合に、床暖房パネル21によって室内を十分に暖房できる。
また、床暖房パネル21からの放熱によって、室内が暖房されるが、その一部は床暖房パネル21の下側にある蓄熱材17に蓄熱されるので、床暖房パネル21の暖房の無駄を抑えることができる。
さらに、床パネル11上に、通気根太17を配置し、この通気根太17上に床暖房パネル21を敷設するとともに、床暖房パネル21と床パネル11との間に、蓄熱材17と温風通路20とこの温風通路20に通じるとともに、温風を流入させる温風導入部26を設けるので、つまり、床パネル11上での蓄熱構造であるので、床パネル下の断熱等の施工が必要なく、コスト安を図れるとともに、リフォームにも対応し易い。
【0030】
また、蓄熱材17の下面に固定された脚17aが床パネル11上に設置されることによって、蓄熱材17の下面と床パネル11の上面との間に、第1隙間S1が設けられるので、温風導入部26から導入した温風を温風通路20、第1隙間S1を通して、蓄熱材17の表面に効果的に接触させて、蓄熱できる。
加えて、蓄熱材17の上面と床暖房パネル21の下面との間に、温風通路20の一部を構成する第2隙間S2が設けられているので、温風導入部26から導入した温風を温風通路20、第1隙間S1、第2隙間S2を通して、蓄熱材17の表面に効果的に接触させて、蓄熱できる。
また、第2隙間S2は第1隙間S1より狭いので、蓄熱材17は床暖房パネ21に近づくことになる。したがって、床暖房パネル21からの放熱を効果的に蓄熱材17に蓄熱できる。
また、床パネル11上に所定間隔で平行に配置され、隣り合う通気根太16,16間に蓄熱材17が設けられているので、蓄熱材17を所定の位置に位置決めして配置できるとともに、通気根太16の通気部(切欠部16a)を通過してきた温風を蓄熱材17に満遍なく接触させることができ、効果的な蓄熱を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る蓄熱床構造を備えた建物の一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る蓄熱床構造の一例を示すもので、その断面図である。
【図3】同、斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
3 太陽光集熱装置
4 エアダクト
10 床
11 床パネル
16 通気根太
16a 切欠部(通気部)
15 断熱材
17 蓄熱材
17a 脚
20 温風通路
21 床暖房パネル
26 温風導入部
S1 第1隙間
S2 第2隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄熱材を有する蓄熱床構造であって、
床を構成する床パネル内に断熱材が設けられており、
前記床パネル上に、通気部を有する通気根太が配置されており、この通気根太上に発熱可能な床暖房パネルが敷設されており、
前記床暖房パネルと前記床パネルとの間に、蓄熱材と温風通路とこの温風通路に通じるとともに、温風を流入させる温風導入部が設けられていることを特徴とする蓄熱床構造。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄熱床構造において、
前記蓄熱材の下面には脚が固定されており、この脚が前記床パネル上に設置されることによって、前記蓄熱材の下面と前記床パネルの上面との間に、前記温風通路の一部を構成する第1隙間が設けられていることを特徴とする蓄熱床構造。
【請求項3】
請求項2に記載の蓄熱床構造において、
前記蓄熱材の上面と前記床暖房パネルの下面との間に、前記温風通路の一部を構成する第2隙間が設けられており、
この第2隙間は前記第1隙間より狭いことを特徴とする蓄熱床構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄熱床構造において、
前記床パネル上に、前記通気根太が所定間隔で平行に配置されており、
隣り合う前記通気根太間に、前記蓄熱材が設けられていることを特徴とする蓄熱床構造。
【請求項5】
断熱材が設けられた床パネル上に、通気部を有する通気根太を所定間隔で平行に配置し、
次に、隣り合う通気根太間に、脚付きの蓄熱材をその脚を前記床パネル上に設置するとともに、温風通路を形成するようにして配置し、
次に、前記通気根太上に発熱可能な床暖房パネルを敷設するとともに、前記温風通路に通じている温風導入部に温風を流入させるエアダクトを接続することを特徴とする蓄熱床施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−103352(P2009−103352A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274923(P2007−274923)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】