説明

蓄電システム

【課題】蓄電池を含むバッテリーシステムに保護制御手段を備えているだけでなく、別途独立した保護制御手段を備えた、2重安全を確保した蓄電システムを提供する。
【解決手段】本発明の蓄電システム10は、蓄電池13を含むバッテリーシステムと、電力変換装置15に接続された制御回路20と、を備えており、制御回路20は、バッテリーシステム14から送信される蓄電池13の電圧情報、電流情報及び充電深度情報のいずれか1つに基いて蓄電池13の過充電の判定に用いる第1の電圧値Vo及び蓄電池の過放電の判定に用いる第2の電圧値Vuの少なくとも一方を求め、バッテリーシステム14からの電圧情報に基づく電圧Vが、第1の電圧値Voを上回った場合又は第2の電圧値Vuを下回った場合に、バッテリーシステム14の充放電を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電システムに関し、詳しくは、バッテリーシステムの蓄電池に過充電状態、過放電状態ないし過電流状態が生じたことを検知したバッテリーシステムの充放電を停止する保護機能を強化した蓄電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、商用電源(系統)と各負荷との間の配線に蓄電システムを接続し、この蓄電システムを通信システムやコンピュータシステム等の停電時のバックアップ電源として使用することが行われていた。近年に至り、大型の太陽電池、風力発電機、波力発電機等、発電量の変動する電源から得られる発電電力を蓄電システムに貯蔵し、必要に応じて配線へ放電することが行われるようになってきている。
【0003】
さらに、各家庭に設置された太陽電池やマイクロ風力発電機によって発電された電力を一時的に蓄電システムに貯蔵し、家庭内でエアコンや電子レンジ等の使用で大電力の消費が予想されるときの補助電力として使用したり、余った電力を系統に供給したりすることも考えられるようになってきている。このようなシステムを採用すると、商用電源からから供給される電力が一時的に増加することを抑制し、商用電源の電力の使用量の平準化が図れるようになると共に、余剰の電力を系統に逆潮流させることができるようになり、しかも、商用電源が停電を起こした場合には、蓄電システムに貯蔵した電力を家庭内の使用機器の電力として用いる非常用電源ないし無停電電源装置として使用することもできるようになる。
【0004】
このような蓄電システムは、例えば下記特許文献1及び2にも示唆されているように、電力変換装置(パワーコンディショナとも称される)及び制御回路を用いて蓄電池の充放電が制御されている。従来の蓄電システム50は、図5に示したように、複数の直並列された蓄電池51を備えるバッテリーシステム(バッテリーパックとも称される)52と、電力変換装置53(パワーコンディショナとも称される)とを備えている。電力変換装置53は、商用電力の系統54に接続され、さらに、家庭内の一般負荷55にも接続されている。また、バッテリーシステムには、適宜太陽電池等の直流電源がPV用電力変換装置(いずれも図示省略)を介して接続されていてもよいものである。
【0005】
そして、このような蓄電システム50で用いられるバッテリーシステム52には、多数の蓄電池が直列ないし直並列に接続されて数kWh程度もの大電力の充放電が可能となされているものもあるため、例えば下記特許文献2にも示されているように、過充電状態、過放電状態ないし過電流状態が生じた場合に、蓄電池51の充放電を停止するための保護制御手段56が組み込まれている。保護制御手段56は、例えば下記特許文献2にも示されているように、制御回路57、放電遮断用スイッチング素子58及び充電遮断用スイッチング素子59を備えている。制御回路57は、蓄電池51の充電電流、放電電流、電圧等を検知し、これらの検知信号に基いて過充電状態、過放電状態ないし過電流状態が検知されると、適宜放電遮断用スイッチング素子58ないし充電遮断用スイッチング素子59を制御して蓄電池51の充放電を停止すると共に、電力変換装置53に対して蓄電池51の充放電の制御状態を示す信号を送信する。そして、電力変換装置53は、制御回路57から過充電状態、過放電状態ないし過電流状態を表す信号が送信されると、電力変換装置53の動作を停止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−187532号公報
【特許文献2】特開2010−104175号公報
【0007】
上述した従来の蓄電システム50によれば、制御回路57によって蓄電池51に過充電状態、過放電状態ないし過電流状態が生じたことが検知されると、放電遮断用スイッチング素子58ないし充電遮断用スイッチング素子59が駆動されて蓄電池51への充放電が停止されると共に、電力変換装置53の動作が停止されるので、蓄電池51への充放電は実質的に完全に停止されるため、蓄電池51の劣化の進行を抑制するという効果を奏する。
【0008】
しかしながら、従来の蓄電システム50によれば、蓄電池51に生じた過充電状態、過放電状態ないし過電流状態の検知は、バッテリーシステム52に内蔵された制御回路57によって行われているため、この制御回路57に不都合が生じて過充電状態、過放電状態ないし過電流状態を検知できなくなると、蓄電池51に対する保護制御が働かなくなるという課題が存在する。バッテリーシステム52は、大電力用途に使用するため、複数個が並列に接続されて使用されることも多いことから、いずれかのバッテリーシステム52における制御回路57に不都合が生じる可能性は大きくなる。
【0009】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明は、従来の蓄電システムの構成を見直し、蓄電池を含むバッテリーシステムに過充電状態、過放電状態ないし過電流状態が生じたことを検知した場合に充放電を停止する保護制御手段を備えているだけでなく、別途独立した保護制御手段を備え、2重安全を確保した蓄電システムを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の蓄電システムは、
蓄電池を含むバッテリーシステムと系統からの電力を用いる前記蓄電池の充電動作及び前記蓄電池から放電される電力を変換して前記系統及び負荷に供給する放電動作を有する電力変換装置と、を備える蓄電システムにおいて、
前記蓄電池の電圧情報、電流情報及び充電深度情報等に基いて前記蓄電池の過充電の判定に用いる第1の電圧値(Vo)及び前記蓄電池の過放電の判定に用いる第2の電圧値(Vu)の少なくとも一方を算出し、
前記電圧情報に基づく電圧(V)が、前記第1の電圧値(Vo)を上回った場合又は前記第2の電圧値(Vu)を下回った場合には前記バッテリーシステムの充電動作もしくは放電動作を停止させる制御回路を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明の蓄電システムにおいては、バッテリーシステムに対する充電動作及び放電動作を制御する制御回路が設けられ、この制御回路にバッテリーシステムに過充電状態、過放電状態ないし過電流状態が生じたことが検出された場合に充放電を停止する機能が設けられている。そのため、本発明の蓄電システムによれば、バッテリーシステムに不都合が生じてバッテリーシステム自体が蓄電池の充放電を停止することができない場合でも、電力変換装置の制御回路が独自に過充電状態、過放電状態ないし過電流状態を検知してバッテリーシステムの充放電を停止することができるから、いわゆる2重の安全を確保した蓄電システムを提供することができる。
【0012】
また、蓄電池は充放電サイクルを繰り返すと充放電特性が初期状態から変化する。本発明の蓄電システムにおいては、制御回路によって、このような蓄電池の経時変化によらずに正確にバッテリーシステムに過充電状態や過放電状態が生じたことを検知することができるようにするため、バッテリーシステムからの電圧情報、電流情報及び充電深度SOC(State of Charge)情報等に基いて、過充電の判定に用いる第1の電圧値Vo及び過放電の判定に用いる第2の電圧値Vuの少なくとも一方を求めている。この第1の電圧値Vo及び第2の電圧値Vuは、それぞれ測定時のバッテリーシステムにおける過充電状態に至る直前の状態及び過放電状態に至る直前の状態と判定するための基準電圧であり、過去の充放電時の電位変化あるいは充電深度情報SOCに基いて定めることができる。なお、充電深度情報SOCとは、満充電状態に対する充電割合を表すものであり、充放電時の電力量に基いて容易に求めることができる。
【0013】
すなわち、蓄電池の充電動作時及び放電動作時には、充電動作及び放電動作の進行に伴い電池電圧が変化するが、過去の充電動作時及び放電動作時の電池電圧の変化を記憶しておくことにより、過充電状態に至る直前の状態の判定に用いる第1の電圧値Vo及び過放電状態に至る直前の状態の判定に用いる第2の電圧値Vuを求めることができる。また、予め充電深度情報SOCを求めておけば、充電時ないし放電時の電池電圧から充電深度情報SOCが分かるので、充電深度情報SOCから過充電状態に至る直前の状態の判定に用いる第1の電圧値Vo及び過放電状態に至る直前の状態の判定に用いる第2の電圧値Vuを求めることができる。なお、これらの第1の電圧値Voないし第2の電圧値Vuを求めるための過去の充電動作時及び放電動作時の電池電圧ないし充電深度情報SOCとしては、蓄電池の充放電特性は必ずしも急激に劣化するものではないから、直前の充放電に基づくものでなくてもよく、過去の適宜期間における測定値や平均値であってもよい。
【0014】
そして、本発明の蓄電システムによれば、バッテリーシステムからの電圧情報に基づく電圧Vが、第1の電圧値Voを上回った場合には過充電状態に至る直前の状態であると判断され、また、第2の電圧値Vuを下回った場合には過放電状態に至る直前の状態であると判断されるので、バッテリーシステムに蓄電池の劣化をもたらす現象が生じる直前の状態を制御回路が容易に検出することができ、信頼性の高い蓄電システムが得られる。なお、バッテリーシステムからの電流情報が予め定めた過電流値を超えた場合には、直ちに蓄電池の充電動作ないし放電動作を停止すればよい。
【0015】
また、本発明の蓄電システムにおいては、前記制御回路は、前記バッテリーシステムから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られた場合には、前記バッテリーシステムの充電動作もしくは放電動作を停止させる機能を備えていることが好ましい。
【0016】
バッテリーシステムから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られた場合には、バッテリーシステム内の蓄電池に劣化をもたらす現象が生じていることを示すものである。本発明の蓄電システムにおいては、バッテリーシステムから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られた場合、たとえ制御回路が独自に過充電状態、過放電状態又は過電流状態であることを検知していなくても、制御回路が独自にバッテリーシステムの充電動作もしくは放電動作を停止させることができるので、安全性がより向上する。
【0017】
また、本発明の蓄電システムにおいては、前記制御回路は、前記バッテリーシステムから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られていない場合には、前記バッテリーシステムに接続されている直流母線の電圧値を検出して前記蓄電池が過充電状態であるか過放電状態であるかを判定すると共に、前記直流母線に流れる電流値を検出して前記蓄電池が過電流状態であるか否かを判定し、過充電状態、過放電状態又は過電流状態であると判定された際には、前記バッテリーシステム充電動作もしくは放電動作を停止させる機能を備えているものとすることが好ましい。
【0018】
本発明の蓄電システムによれば、バッテリーシステムに何らかの不都合が生じてバッテリーシステムから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られていなくても、制御回路が独自にバッテリーシステムに接続されている直流母線の電気的状態を検知することによって、蓄電池が過充電状態、過放電状態又は過電流状態にあると判定された場合には、バッテリーシステムの充電動作もしくは放電動作を停止することができるので、さらに安全性が確保された蓄電システムが得られる。
【0019】
また、本発明の蓄電システムにおいては、前記制御回路は、前記電力変換装置内に備えられていることが好ましい。
【0020】
電力変換装置は、系統からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池を充電する充電動作及び蓄電池から放電される電力を変換して系統及び負荷に供給する放電動作を切り替える機能を備えている。本発明の蓄電システムによれば、制御回路の電圧値又は電流値を検出する検出装置が電力変換装置内に備えられているので、外部に露出される配線が少なくなると共に、蓄電池の充電動作もしくは放電動作に伴う電圧低下の少ない状態での測定値が得られるから、信頼性が高い蓄電システムが得られる。
【0021】
また、本発明の蓄電システムにおいては、前記制御回路は、前記バッテリーシステムと前記電力変換装置とを接続する直流母線に配置されたシステムコントローラに備えられているものとすることができる。
【0022】
制御システムを電力変換装置とは別のシステムコントローラ内に備えられているものとすれば、既設のバッテリーシステムと電力変換装置に対して、本発明の適用が容易となり、容易に2重の安全を確保した蓄電システムを提供することができるようになる。
【0023】
また、本発明の蓄電システムにおいては、前記制御回路は、前記バッテリーシステムと前記電力変換装置とを接続する直流母線に配置されたシステムコントローラに備えられて前記制御回路での判定を前記電力変換装置に送信する機能を備え、前記電力変換装置は、前記制御装置から過充電状態、過放電状態又は過電流状態であることを示す判断が得られない場合には、前記バッテリーシステムに接続されている直流母線の電圧値を検出して過充電状態であるか過放電状態であるかを判定すると共に、前記バッテリーシステムに接続されている直流母線に流れる電流値を検出して過電流状態であるか否かを判定し、過充電状態、過放電状態又は過電流状態であると判定された際には、前記バッテリーシステムに対する充電動作もしくは放電動作を停止するものとすることができる。
【0024】
本発明の蓄電システムによれば、システムコントローラに何らかの不都合が生じてシステムコントローラから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られていなくても、電力変換装置が独自にバッテリーシステムに接続されている直流母線の電気的状態を検知することによって、過充電状態、過放電状態又は過電流状態であると判定された場合に、バッテリーシステムの充電動作もしくは放電動作を停止することができるので、さらに安全性が確保された蓄電システムが得られる。
【0025】
また、本発明の蓄電システムにおいては、
前記電力変換装置は、昇降圧部及び交流/直流の双方向変換部を備え、
前記昇降圧部は、前記蓄電池から出力される直流電力を所定の電圧に昇圧して前記交流/直流の双方向変換部に出力する機能と、前記交流/直流の双方向変換部の直流出力を所定の電圧に降圧して前記蓄電池を充電する機能とを備え、
前記交流/直流の双方向変換部は、前記系統からの交流電力を直流電力に変換して前記昇降圧部に出力する機能と、前記昇降圧部からの直流電力を交流電力に変換して前記系統に供給する機能とを備えているものとすることができる。
【0026】
本発明の電力変換装置によれば、容易に系統の交流高電圧を蓄電池の充電用直流電力に変換することができるとともに、蓄電池の直流電力を系統と同じ交流高電圧に変換できるいわゆる双方向電力変換装置(双方向パワーコンディショナ)として作動させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態に係る蓄電システムの概略回路図である。
【図2】図1の電力変換装置の回路図である。
【図3】図1の制御回路の動作を説明するフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係る蓄電システムの概略回路図である。
【図5】従来例の蓄電システムの概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について、各実施形態及び図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下に示す各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための蓄電システムの一例を説明するものであって、本発明をこれらの実施形態に記載された蓄電システムに特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0029】
[第1実施形態]
最初に図1を参照して、第1実施形態の蓄電システム10の構成について説明する。第1実施形態の蓄電システム10は、商用電力の系統11に家庭内の一般負荷12が接続されており、複数の蓄電池13を含むバッテリーシステム14から電力変換装置15を経由して出力された交流電力が一般負荷12の消費量を超えないようになされて、系統11側にこの出力が逆潮流しないようになされている。また、複数の蓄電池13は、夜間などの予め定めた時間帯に充電するため、系統11から電力変換装置15を介して充電電力がバッテリーシステ14へ供給されるようになっている。すなわち、電力変換装置15は、蓄電池13から系統11に供給し得る交流電力を生成できるだけでなく、逆に系統11から蓄電池13の充電用の直流電力を生成することができるものであり、双方向電力変換装置ないし双方向パワーコンディショナとも称されている。
【0030】
バッテリーシステム14は、複数個の蓄電池13とバッテリーコントローラー16とを備えている。複数個の蓄電池13は所定の電圧及び容量となるように直列接続ないし直平列接続されている。また、バッテリーコントローラー16は、制御回路17とこの制御回路17によって制御され、蓄電池13への充放電を遮断するための放電遮断用スイッチング素子18及び充電遮断用スイッチング素子19を備えている。
【0031】
バッテリーコントローラー16の制御回路17は、たとえば複数個の蓄電池13のそれぞれの電圧値や複数個が直列接続された電池モジュール毎の電圧値ないし充放電電流値を測定して、電圧情報、電流情報及び充電深度情報SOCを検出し、適宜これらの情報に対応する信号を電力変換装置15に接続されている制御回路20に送信する。また、制御回路17は、たとえば複数個の蓄電池13のそれぞれの電圧値や複数個が直列接続された電池モジュール毎の電圧値ないし充放電電流値を測定して過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であるか否かを判定し、過充電状態、過放電状態ないし過電流状態ではないと判定された際には放電遮断用スイッチング素子18又は充電遮断用スイッチング素子19をON状態として適時充放電が行われるように制御し、また、過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であると判定された際には放電遮断用スイッチング素子18及び充電遮断用スイッチング素子19をOFF状態として蓄電池13の充放電が停止されるように制御すると共に、電力変換装置15に接続されている制御回路20に対して蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態にあることを示す信号も送信する。
【0032】
また、蓄電池13と電力変換装置15との間には一対の直流電力供給母線の少なくとも一方に第1開閉部21が配置され、電力変換装置15と系統11との間には交流配線に開閉切片22が配置されている。この第1開閉部21としてはリレーの切片又は電力用半導体素子のON/OFF状態を用いることができ、開閉切片22としてはリレーの切片が用いられる。第1開閉部21及び開閉切片22は、いずれも制御回路20によってON/OFFが制御されるようになっている。ここでは、蓄電池13が充電モード、放電モード及び待機モードである場合には、両者ともON状態となされ、蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であるときは両者ともOFF状態とされるようになっている。第1開閉部21及び開閉切片22は少なくとも一方が設けられていれば、蓄電池13の充放電を停止する際に、確実に充放電を停止することができる。なお、蓄電池13の充放電の停止条件については後述する。
【0033】
なお、系統11の停電時には系統11への接続を遮断し、電力変換装置15を蓄電池13に充電されていた電力を利用していわゆる無停電電源装置として作動させることもできる。また、電力変換装置15に接続されている制御回路20は、適宜外部からの指令によって、夜間には系統11から蓄電池13への充電制御を行い、昼間には蓄電池13に蓄電された電力を適宜に放電制御することによって系統11から負荷への入力電力のピークカット機能を有することができる。
【0034】
次に、図2を用いて電力変換装置15の概略構成を説明する。電力変換装置15は、昇降圧部31及び双方向コンバータ部32を備えている。昇降圧部31は、蓄電池13側に接続されたコンデンサC1及びインダクタL1とからなるLC回路34と、このLC回路34に接続されたスイッチング素子35a及びスイッチング素子35aに並列に逆方向に接続されたダイオード35bを2組備えたハーフブリッジ回路35を備えている。この昇降圧部31は、双方向コンバータ部32から得られた高電圧の直流電力を低電圧の直流電力に変換して蓄電池13の充電用に供することができるほか、蓄電池13からの低電圧の直流電圧を高電圧の直流電圧に変換して双方向コンバータ部32に供給することができる。そのため、電力変換装置15の昇降圧部31は、蓄電池13の充電時には充電電圧制御回路及び充電電流制御回路として作動し、放電時には直流電圧昇圧回路として作動する。
【0035】
また、双方向コンバータ部32は、昇降圧部31との間に並列に接続されたコンデンサC2と、スイッチング素子36a及びスイッチング素子36aに並列に逆方向に接続されたダイオード36bを4組備えたフルブリッジ回路36と、このフルブリッジ回路36と系統11との間に接続されたインダクタL2、L3とを備えている。この双方向コンバータ部32は、系統11から供給された高電圧の交流電力を高電圧の直流電力に変換して昇降圧部31に供給することができるほか、昇降圧部31から供給された高電圧の直流電力を系統11と略同一周波数で略同一位相の高電圧の交流電圧に変換することができる。そのため、電力変換装置15の双方向コンバータ部32は、蓄電池13の充電時には整流回路として作動し、放電時には系統連携インバータとして作動することもできる。
【0036】
それ故、電力変換装置15は双方向電力変換装置として作動する。なお、昇降圧部31の2つのスイッチング素子35a及び双方向コンバータ部32の4つのスイッチング素子36aは、それぞれ電力変換装置15内にある制御回路によって制御される。なお、これらのスイッチング素子35a及び36aの具体的制御方式は、既に周知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0037】
このような構成の蓄電システム10によれば、バッテリーシステム14の制御回路17によって、蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であると判定された際には、放電遮断用スイッチング素子18ないし充電遮断用スイッチング素子19がOFF状態とされ、さらに電力変換装置15に接続されている制御回路20によって第1開閉部21及び開閉切片22がOFF状態とされるため、蓄電池13の充放電は停止される。しかしながら、バッテリーシステム14に何らかの異常が生じて、蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であるにもかかわらず、バッテリーシステム14の制御回路17が蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であることを検出することができない場合がある。このような場合には、放電遮断用スイッチング素子18ないし充電遮断用スイッチング素子19はON状態のままであり、しかも、電力変換装置15に接続されている制御回路20には蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であることの信号が送信されないため、第1開閉部21及び開閉切片22が共にON状態のままとなり、蓄電池13に対して充放電が継続されてしまうこととなる。
【0038】
そのため、第1実施形態の蓄電システム10では電力変換装置15に接続されている制御回路20において、直流母線23の電圧値ないし電流値を測定することにより、バッテリーシステム14の蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であるか否かを検知している。この検知方法を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0039】
最初に、ステップS1において、バッテリーシステム14が、蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であることを検知しているかが判断される。この判断は、電力変換装置15に接続されている制御回路20がバッテリーシステム14の制御回路17から蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であることを示す信号を受信しているかいないかによって判断される。電力変換装置15に接続されている制御回路20が、バッテリーシステム14の制御回路17から蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であることを示す信号を受信している場合(YES)、バッテリーシステム14の放電遮断用スイッチング素子18及び充電遮断用スイッチング素子19の状態の如何にかかわらず、ステップS2において、第1開閉部21及び開閉切片22の少なくとも一方がOFF状態とされて蓄電池13の充放電が強制的に停止される。本実施形態では第1開閉部21及び開閉切片22のいずれかの動作不良を考慮して、これら両方も全てOFF状態としている。
【0040】
電力変換装置15に接続されている制御回路20が、バッテリーシステム14の制御回路17から蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であることを示す信号を受信していない場合(NO)、ステップS3において、バッテリーシステム14からの電圧情報、電流情報及び充電深度情報SOC等に基いて、過充電の判定に用いる第1の電圧値Vo及び過放電の判定に用いる第2の電圧値Vuの少なくとも一方が算出される。この第1の電圧値Vo及び第2の電圧値Vuは、それぞれ測定時のバッテリーシステムにおける過充電状態に至る直前の状態及び過放電状態に至る直前の状態と判定するための基準電圧であり、過去の充放電時の電位変化あるいは充電深度情報SOCに基いて定めることができる。また、ステップS3の演算は、その都度行われるものではなく、第1の電圧値Vo及び第2の電圧値Vuが一度算出されていれば、周期的に実行されていればよい。
【0041】
すなわち、蓄電池13の充放電時には、充放電の進行に伴い電池電圧が変化するが、過去の充放電時の電池電圧の変化を充電深度情報SOCに対応して制御回路20に記憶しておくことにより、過充電状態に至る直前の状態の判定に用いる第1の電圧値Vo及び過放電状態に至る直前の状態の判定に用いる第2の電圧値Vuを充電深度情報SOCに応じて求めることができる。第1の電圧値Voは充電深度情報SOCが過充電状態を示す値の数%手前の値に対応する電圧であり、同様に第2の電圧値Vuも求めることができる。また、充電電流、放電電流の演算と充電深度情報SOCとの対応から、過放電、過充電の電流積算値を得て、この積算値で判断してもよい。
【0042】
次いで、電力変換装置15において、電力変換装置15が検出した電圧Vと第1の電圧値Vo及び第2の電圧値Vuとの大小を比較する。電圧Vが第1の電圧値Voよりも大であれば過充電状態ないし直ぐに過充電状態となることを示し、電圧Vが第2の電圧値Vuよりも小さければ過放電状態ないし直ぐ過放電状態となることを示すものである。そのため、ステップS4においてV>Vo又はV<Vuであると判定された場合(YES)は、ステップS2において、充放電を停止する。また、充放電が停止されたことは、電力変換装置15から制御回路20に伝わり、制御回路20は第1開閉部21及び開閉切片22の少なくとも一方(両方でもよい)をOFFにする。
【0043】
また、V<Vo又はV>Vuであると判定された場合(NO)は、ステップS5において、電力変換装置15が検出した電流Iが予め定められた過電流値Iよりも大きいか小さいかが判定される。電流情報Iが蓄電池13に対応して予め定められた過電流値Iよりも大きい場合(YES)は、蓄電池3は過充電状態又は過放電状態であるから、ステップS2において充放電を停止する。また、充放電が停止されたことは電力変換装置15から制御回路20に伝わり、制御回路20は第1開閉部21及び開閉切片22の少なく共一方をOFFにする。また、電流情報Iが予め定められた過電流値Iよりも小さい場合(NO)は、そのままの蓄電池13の充放電が行われる状態が継続される。
【0044】
第1実施形態の蓄電システム10によれば、電力変換装置15によって、蓄電池13に過充電状態や過放電状態が生じたこと、さらには過電流状態が生じたことを検知することができるので、バッテリーシステム14に蓄電池の劣化をもたらす現象が生じる直前の状態を電力変換装置15が容易に検出することができるようになるので、信頼性の高い蓄電システムが得られる。この際、電力変換装置15で算出される過充電の判定に用いる第1の電圧値Vo及び過放電の判定に用いる第2の電圧値Vuについて、過放電ないし過充電となるまでにある程度の余裕を持たせた値を選択すれば、より蓄電池の劣化を抑制することができるようになる。
【0045】
なお、上記の電力変換装置15に接続されている制御回路20による制御は、バッテリーシステム14から蓄電池の電圧情報、電流情報及び充電深度情報のいずれかが正常に送信されてきている場合の処理である。しかしながら、バッテリーシステム14に何らかの不都合が生じている場合は、バッテリーシステム14の制御回路17から何らの信号も電力変換装置15に接続されている制御回路20に送信されてこない場合がある。このような場合は、電力変換装置15は、直流母線23から直接電圧値ないし電流値を検出し、この電圧値ないし電流値に基いて、直流母線23に流れている電力が過充電状態であるか、過放電状態であるか、或いは過電流状態であるかを判定する。なお、電力変換装置15も過去の充放電時の電圧値や電流値を適宜記憶して、蓄電池13の経時変化を補正するようにすれば、より正確に過充電状態であるか、過放電状態であるか、或いは過電流状態であるかを検出することができる。
【0046】
このような構成を採用すれば、たとえバッテリーシステム14に何らかの不都合が生じている場合は、バッテリーシステム14の制御回路17から何らの信号も電力変換装置15に接続されている制御回路20に送信されてこなくても、蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態にあることを検知することができるから、蓄電池13をより安全に保護することができるようになる。
【0047】
[第2実施形態]
第1実施形態では、電力変換装置15によってバッテリーシステム14から制御回路20を経由して送信される蓄電池13の電圧情報、電流情報及び充電深度情報のいずれか1つに基いて蓄電池13の過充電の判定に用いる第1の電圧値Vo及び蓄電池の過放電の判定に用いる第2の電圧値Vuの少なくとも一方を求め、電力変換装置15が検出した電圧Vが、第1の電圧値Voを上回った場合又は第2の電圧値Vuを下回った場合にはバッテリーシステム14の充放電を停止するものとした例を示した。このような構成であると、電力変換装置15に上述のような特殊な処理を実現できる機能を備えているものを用いる必要がある。
【0048】
そのため、現在、既に多くの蓄電システムが作動しているが、上記のような電力変換装置15では、そのまま既設のシステムに用いることはできない。そこで、第2実施形態の蓄電システム10Aでは、バッテリーシステム14と電力変換装置15との間にシステムコントローラ25を設け、システムコントローラ25に実施形態1における電力変換装置15の特殊な処理を実現できる機能を備えさせた。この第2実施形態の蓄電システム10Aを図4を用いて説明する。ただし、実施形態1の蓄電システム10と同一構成の部分には同一の参照符号を付与して、その詳細な説明は省略する。
【0049】
第2実施形態の蓄電システム10Aのシステムコントローラ25は、バッテリーシステム14と電力変換装置15との間の直流母線に配置され、制御回路26及び一対の直流母線23の少なくとも一方に配置された第2開閉部27とを備えている。制御回路26は、バッテリーシステム14の制御回路17と電力変換装置15に接続されている制御回路20との間で各種信号の通信を行うようになされていると共に、第2開閉部27のON/OFFを制御する機能を備えている。加えて、制御回路26は、第1実施形態の蓄電システム10の電力変換装置15と同様に、バッテリーシステム14から送信される蓄電池13の電圧情報、電流情報及び充電深度情報のいずれか1つに基いて蓄電池13の過充電の判定に用いる第1の電圧値Vo及び蓄電池の過放電の判定に用いる第2の電圧値Vuの少なくとも一方を求め、バッテリーシステム14からの電圧情報に基づく電圧Vが、第1の電圧値Voを上回った場合又は第2の電圧値Vuを下回った場合にはバッテリーシステム14の充電動作もしくは放電動作を停止する機能を備えている。
【0050】
この制御回路26のバッテリーシステム14の充電動作もしくは放電動作を停止する操作は第2開閉部27をOFF状態とすることにより行われるが、第1の電圧値Voの算出及び第2の電圧値Vuの算出方法は、第1実施形態の蓄電システム10の電力変換装置15の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。また、制御回路26は、第1実施形態の蓄電システム10の電力変換装置15の場合と同様に、直流母線28の電圧値ないし電流値を検出し、この電圧値ない電流値に基いて、直流母線28に流れている電力が過充電状態であるか、過放電状態であるか、或いは過電流状態であるかを判定する機能も備えている。
【0051】
このような第2実施形態の蓄電システム10Aによれば、バッテリーシステム14の制御回路17によって、蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であると判定された際には、放電遮断用スイッチング素子18ないし充電遮断用スイッチング素子19がOFF状態とされ、さらにシステムコントローラ25の制御回路26によって第2開閉部27がOFF状態とされるため、蓄電池13の充電動作もしくは放電動作は停止される。しかも、バッテリーシステム14に何らかの異常が生じて、蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であるにもかかわらず、バッテリーシステム14の制御回路17が蓄電池13の充電動作もしくは放電動作を停止できず、しかも、システムコントローラ25の制御回路26に蓄電池13が過充電状態、過放電状態ないし過電流状態であることの信号が得られなくても、システムコントローラ25の制御回路26自体が単独で直流母線28に流れている電力が過充電状態であるか、過放電状態であるか、或いは過電流状態であるかを判定する機能をそなえているから、蓄電池13の充電動作もしくは放電動作を停止することができる。
【0052】
なお、第2実施形態の蓄電システム10Aにおいては、電力変換装置15は単に電力変換装置15の機能を備えているものであってもよい。しかしながら、電力変換装置15が、第1実施形態の蓄電システム10の場合と同様に、システムコントローラ25の制御回路26から過充電状態、過放電状態又は過電流状態であることを示す信号が得られていない場合に、バッテリーシステム14に接続されている直流母線23の電圧値を検出して過充電状態であるか過放電状態であるかを判定すると共に、バッテリーシステムに接続されている直流母線に流れる電流値を検出して過電流状態であるか否かを判定し、過充電状態、過放電状態又は過電流状態であると判定された際には、充放電機能を停止し、また、充放電が停止されたことは電力変換装置15から制御回路20に伝わり、制御回路20は第1開閉部21及び開閉切片22の少なくとも一方をOFFする。このような構成を採用すれば、より安全性に優れた蓄電システム10Aが得られる。
【0053】
なお、第1実施形態の蓄電システム10及び第2実施形態の蓄電システム10Aでは、電力変換装置15に接続されている制御回路20として電力変換装置15とは別体に配置されているものを示したが、電力変換装置15の内部に備えられているものとしてもよい。このような構成を採用すれば、制御回路20の電圧値又は電流値を検出する検出装置が電力変換装置15内に収容されていることになるので、外部に露出される配線が少なくなると共に、蓄電池13の充電動作もしくは放電動作に伴う電圧低下の少ない状態での測定値が得られるから、信頼性が高い蓄電システムが得られる。
【符号の説明】
【0054】
10、10A…蓄電システム 11…系統 12…一般負荷 12a…特定負荷 13…蓄電池 14…バッテリーシステム 15…電力変換装置 16…バッテリーコントローラー 17…(バッテリーコントローラーの)制御回路 18…放電遮断用スイッチング素子 19…充電遮断用スイッチング素子 20…(電力変換装置に接続されている)制御回路 21…第1開閉部 22…開閉切片 23…直流母線 25…システムコントローラ 26…(システムコントローラの)制御回路 27…第2開閉部 28…直流母線 31…DC/DCコンバータ部 32…AC/DCコンバータ部 34…ローパスフィルタ回路 35…ハーフブリッジ回路 35a…スイッチング素子 35b…ダイオード 36…フルブリッジ回路 36a…スイッチング素子 36b…ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を含むバッテリーシステムと系統からの電力を用いる前記蓄電池の充電動作及び前記蓄電池から放電される電力を変換して前記系統及び負荷に供給する放電動作を有する電力変換装置と、を備える蓄電システムにおいて、
前記蓄電池の電圧情報、電流情報及び充電深度情報等に基いて前記蓄電池の過充電の判定に用いる第1の電圧値(Vo)及び前記蓄電池の過放電の判定に用いる第2の電圧値(Vu)の少なくとも一方を算出し、
前記電圧情報に基づく電圧(V)が、前記第1の電圧値(Vo)を上回った場合又は前記第2の電圧値(Vu)を下回った場合には前記バッテリーシステムの充電動作もしくは放電動作を停止させる制御回路を備えていることを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
前記制御回路は、前記バッテリーシステムから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られた場合には、前記バッテリーシステムの充電動作もしくは放電動作を停止させる機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記制御回路は、前記バッテリーシステムから過充電信号、過放電信号又は過電流信号が得られていない場合には、前記バッテリーシステムに接続されている直流母線の電圧値を検出して前記蓄電池が過充電状態であるか過放電状態であるかを判定すると共に、前記直流母線に流れる電流値を検出して前記蓄電池が過電流状態であるか否かを判定し、過充電状態、過放電状態又は過電流状態であると判定された際には、前記バッテリーシステム充電動作もしくは放電動作を停止させる機能を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記制御回路は、前記電力変換装置内に備えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記バッテリーシステムと前記電力変換装置とを接続する直流母線に配置されたシステムコントローラに備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記バッテリーシステムと前記電力変換装置とを接続する直流母線に配置されたシステムコントローラに備えられて前記制御回路での判定を前記電力変換装置に送信する機能を備え、
前記電力変換装置は、前記制御装置から過充電状態、過放電状態又は過電流状態であることを示す判断が得られない場合には、前記バッテリーシステムに接続されている直流母線の電圧値を検出して過充電状態であるか過放電状態であるかを判定すると共に、前記バッテリーシステムに接続されている直流母線に流れる電流値を検出して過電流状態であるか否かを判定し、過充電状態、過放電状態又は過電流状態であると判定された際には、前記バッテリーシステムに対する充電動作もしくは放電動作を停止することを特徴とする請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記電力変換装置は、昇降圧部及び交流/直流の双方向変換部を備え、
前記昇降圧部は、前記蓄電池から出力される直流電力を所定の電圧に昇圧して前記交流/直流の双方向変換部に出力する機能と、前記交流/直流の双方向変換部の直流出力を所定の電圧に降圧して前記蓄電池を充電する機能とを備え、
前記交流/直流の双方向変換部は、前記系統からの交流電力を直流電力に変換して前記昇降圧部に出力する機能と、前記昇降圧部からの直流電力を交流電力に変換して前記系統に供給する機能とを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の蓄電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−175864(P2012−175864A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37271(P2011−37271)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】