蓄電システム
【課題】 容易に蓄電容量を変更することが容易であって、安全性を担保する蓄電システムを提供する。
【解決手段】 複数のセルモジュールBTと、複数のセルモジュールBTを収容した第2筐体とを備えた電池モジュール20と、配電系統へ交流電流を出力するとともに配電系統から取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換部14と、AC/DC変換部14から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して電池モジュール20へ出力するとともに電池モジュール20から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換してAC/DC変換部14へ出力するDC/DC変換部16と、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16の動作を制御する統括制御装置30と、AC/DC変換部14、DC/DC変換部16、および、統括制御装置30を収容し、第2筐体と共通の大きさである第1筐体と、を備えた制御ユニット10と、を有する蓄電システム。
【解決手段】 複数のセルモジュールBTと、複数のセルモジュールBTを収容した第2筐体とを備えた電池モジュール20と、配電系統へ交流電流を出力するとともに配電系統から取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換部14と、AC/DC変換部14から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して電池モジュール20へ出力するとともに電池モジュール20から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換してAC/DC変換部14へ出力するDC/DC変換部16と、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16の動作を制御する統括制御装置30と、AC/DC変換部14、DC/DC変換部16、および、統括制御装置30を収容し、第2筐体と共通の大きさである第1筐体と、を備えた制御ユニット10と、を有する蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池として、鉛電池や、ニッケル水素電池や、リチウムイオン電池が利用されている。これらの二次電池は、異なる特性を備えている。
例えば鉛電池は、比較的充電に時間を要するが放電を高速に行なうことができ、長期間使用することができる。リチウムイオン電池は、充電および放電を高速に行なうことができるが、高価である。これらの二次電池は、それぞれの特性に合わせて適切に利用されることが望ましい。
【0003】
また、近年、発電時に温室効果ガスを排出しない太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーを利用した発電設備を設置し、電力供給システムの低炭素化が検討されている。再生可能エネルギーを利用した発電は、電力供給量の制御が困難であり、安定した電力供給を実現することが困難である。
【0004】
将来、このような再生可能エネルギーを利用した発電設備の設置数が拡大すると、短期的な電力需給バランスが崩れ、電力の周波数が適正値を逸脱する等、電力の安定供給が困難となり、電力の品質が悪化する恐れがある。
【0005】
そこで、再生可能エネルギーを利用した発電設備での余剰電力を蓄電する二次電池を配電系に設置するほか、需要家等に設置されている蓄電設備を活用して、蓄電や配電を行うことも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−86927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各需要家に設置された蓄電設備は、需要家の規模の拡大又は縮小に応じて必要な蓄電容量が変化する。例えば、蓄電設備が設置された建物が増築された場合には必要な蓄電容量が増加する。このときに、増加した分の蓄電容量を賄うために、新たな蓄電設備を追加すると、設置スペースを確保する必要があるとともに、エネルギーマネジメントシステム(EMS)による設備の管理が煩雑になることがあった。
【0008】
また、蓄電設備が高温になると二次電池のセルから発火する等の危険な状態が生じ得るため、安全性を担保するために蓄電設備をメンテナンスする際等でも停止することなく冷却する機構が備えられることが望ましい。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであって、配置位置および蓄電容量を変更することが容易であって、安全性を担保する蓄電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る蓄電システムは、複数のセルモジュールと、前記複数のセルモジュールを収容した第2筐体とを備えた電池モジュールと、配電系統へ交流電流を出力するとともに前記は配電系統から取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換部と、前記AC/DC変換部から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記電池モジュールへ出力するとともに前記電池モジュールから出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記AC/DC変換部へ出力するDC/DC変換部と、前記AC/DC変換部および前記DC/DC変換部の動作を制御する統括制御装置と、前記AC/DC変換部、前記DC/DC変換部、および、前記統括制御装置を収容し、前記第2筐体と共通の大きさである第1筐体と、を備えた制御ユニットと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る蓄電システムの一構成例を説明するための図である。
【図2】図1に示す蓄電システムの制御ユニットと電池モジュールとの配置位置を変更したときの構成例を説明するための図である。
【図3】実施形態に係る蓄電システムの他の構成例を説明するための図である。
【図4】図3に示す蓄電システムの固定部材の一構成例を示す図である。
【図5】実施形態に係る蓄電システムの他の構成例を説明するための図である。
【図6】図5に示す蓄電システムの固定部材の一構成例を示す図である。
【図7】実施形態に係る蓄電システムの電池モジュールの一構成例を説明するための図である。
【図8】図7に示す電池モジュールのスライド板の一構成例を説明するための図である。
【図9】実施形態に係る蓄電システムの電池モジュールの筐体の一構成例を説明するための図である。
【図10】実施形態に係る蓄電システムの制御ユニットの筐体の一構成例を説明するための図である。
【図11】図9に示す電池モジュールと図10に示す制御ユニットとを組み合わせたときの空冷のための一構成例を説明するための図である。
【図12】実施形態に係る蓄電システムの水冷のための一構成例を説明するための図である。
【図13】図12に示す冷却部の動作の一例を説明するための図である。
【図14】実施形態に係る蓄電システムの水冷のための一構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態に係る蓄電システムの一構成例を示す。本実施形態に係る蓄電システムは、制御ユニット10と、3つの電池モジュール20A、20B、20Cを備えている。
【0013】
制御ユニット10は、冷却部12と、AC/DC変換部14と、DC/DC変換部16とを備えている。冷却部12、AC/DC変換部14、および、DC/DC変換部16は、略直方体形状の筐体1に収容されている。冷却部12は制御ユニット10の上部に配置され、AC/DC変換部14が冷却部12の下に配置され、DC/DC変換部16がAC/DC変換部16の下に配置されている。
【0014】
電池モジュール20A、20B、20Cの筐体2と、制御ユニット10の筐体1とは、幅方向D1、厚さ方向D2、および高さ方向D3の大きさが同じである。したがって、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとは、幅方向D1に並べて配置することもでき、高さ方向D3に並べて配置することもできる。
【0015】
図1に示す場合では、制御ユニット10と電池モジュール20Aとが高さ方向D3に並んで配置され、電池モジュール20Bと電池モジュール20Cとが高さ方向D3に並んで配置されている。また、電池モジュール20Aと電池モジュール20Cとが幅方向D1に並んで配置され、制御ユニット10と電池モジュール20Bとが幅方向D1に並んで配置されている。
【0016】
図2に、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを幅方向D1に並べて配置した一例を示す。
制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの筐体2の大きさが同じであるため、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを幅方向D1あるいは高さ方向D3に並べて配置しても、蓄電システムの外形が凸凹することがない。また、蓄電システムを配置するスペースに応じて、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの位置を変更することができる。
【0017】
制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとは、例えばマグネットチャックの原理を利用して磁力により互いに吸着されて固定されている。制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの筐体2には、磁力をオンおよびオフする切替部22が設けられている。
【0018】
制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの筐体1、2には永久磁石や電磁石等の磁石(図示せず)が内蔵され、磁石と吸着対象の筐体1、2との間に非磁性体(図示せず)と継鉄板(図示せず)とが配置され、切替部22により磁力がオンとなっているときには、磁石からの磁力線は非磁性体を迂回して吸着対象の筐体1、2を経由する経路となる。切替部22により磁力がオフとなっているときには、非磁性体および継鉄板がスライドすることにより、磁石からの磁力線が吸着対象を経由しない経路となる。
【0019】
このように、磁力により制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを互いに固定して、位置決めすることができる。
【0020】
図3に、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを固定する構成の他の例を示す。制御ユニット10および電池モジュール20A、20B、20Cの筐体1、2は、厚さ方向D2に延びる端縁を含む角部に接続部19、29が設けられている。接続部19、29には、固定部材40がネジ止めされる。なお、接続部19、29は、同様の構成であるため、以下では接続部29について説明し接続部19の説明を省略する。
【0021】
接続部29は、4つのネジ穴29Hと、厚さ方向D2における中央部に配置されたコネクタ29Cとを備えている。4つのネジ穴29Hのうち、2つのネジ穴29Hには高さ方向D3にネジ50が挿入され、残りの2つのネジ穴29Hには幅方向D1にネジ50が挿入される。厚さ方向D2における接続部29の中央部分は、幅方向D1および高さ方向D3と交差する方向と厚さ方向D2とを通る平面が設けられ、この平面にコネクタ29Cが配置されている。
【0022】
例えば電池モジュール20が高さ方向D1に並んで配置されたときに、下側の電池モジュール20の上面側に設けられた接続部29と、上側の電池モジュール20の底面側に設けられた接続部29が対向して配置される。2つの接続部29が並んで配置されることにより、厚さ方向D2の中央部に、厚さ方向D2と略直交する面における断面が三角形となるように幅方向D1に凹んだ凹部が形成される。
【0023】
図4に、固定部材40の一構成例を示す。固定部材40は、略直方体形状の板体と、板体の長手方向における中央部から突出し、長手方向と略直交する面における断面が三角形の凸部と、組み合わせた形状である。固定部材40は、板体の4つの角のそれぞれの近傍に配置されたネジ穴42と、凸部の2つの斜面のそれぞれに配置されたコネクタ44と、を備えている。
【0024】
固定部材40の凸部は、2つ並んだ接続部29の凹部と勘合する形状である。固定部材40の凸部と2つの接続部29の凹部とが嵌合するように取り付けられたときに、接続部29のネジ穴29Hと固定部材40のネジ穴42とが連通し、コネクタ29Cとコネクタ44とが電気的に接続される。固定部材40がネジ穴42およびネジ穴29Hに挿入されるネジ50により2つの電池モジュール20を位置決めおよび固定するとともに、2つの電池モジュール20が固定部材40の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続される。
【0025】
このように、固定部材40を接続部19、29に取り付けることにより、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを互いに固定して、位置決めすることができる。また、制御ユニット10の接続部19と電池モジュール20の接続部29との間も同様に、固定部材40の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続されるため、制御ユニット10からの制御信号を各電池モジュール20へ送信することが可能となる。
【0026】
図5に、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを固定する構成の他の例を示す。この例では、制御ユニット10および電池モジュール20A、20B、20Cの筐体1、2は、厚さ方向D2に延びる端縁を含む角部に接続部19´、29´が設けられている。接続部19´、29´には、固定部材40´がネジ止めされる。なお、接続部19´、29´は、同様の構成であるため、以下では接続部29´について説明し接続部19´の説明を省略する。
【0027】
接続部29´は、4つのネジ穴29Hと、2つのコネクタ29Cとを備えている。コネクタ29Cは、幅方向D1に略直交する面と高さ方向に略直交する面とのそれぞれに1つずつ配置されている。4つのネジ穴29Hは、厚さ方向D2におけるコネクタ29Cを挟む4箇所に1つずつ配置されている。4つのネジ穴29Hのうち、2つのネジ穴29Hには高さ方向D3にネジ50が挿入され、残りの2つのネジ穴29Hには幅方向D1にネジ50が挿入される。
【0028】
例えば電池モジュール20が高さ方向D3に並んで配置されたときに、下側の電池モジュール20の上面側に設けられた接続部29と、上側の電池モジュール20の底面側に設けられた接続部29が対向して配置される。2つの接続部29が並んで配置されることにより、幅方向D1に略直方体形状に凹んだ凹部が形成される。
【0029】
図6に、固定部材40´の一構成例を示す。固定部材40´は、略直方体形状の板体である。固定部材40´は、板体の4つの角それぞれの近傍に配置されたネジ穴42と、板体の長手方向中央部に、長手方向と略直交する方向に並んで配置された2つのコネクタ44と、を備えている。コネクタ44の長手方向は板体の長手方向と略平行となるように配置されている。
【0030】
固定部材40´は、2つ並んだ接続部29の凹部と嵌合する形状である。固定部材40´と2つの接続部29の凹部とが嵌合するように取り付けられたときに、接続部29´のネジ穴29Hと固定部材40´のネジ穴42とが連通し、コネクタ29Cとコネクタ44とが電気的に接続される。固定部材40´がネジ穴42およびネジ穴29Hに挿入されるネジ50により2つの電池モジュール20を位置決めおよび固定するとともに、2つの電池モジュール20が固定部材40´の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続される。
【0031】
このように、固定部材40´を接続部19´、29´に取り付けることにより、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを互いに固定して、位置決めすることができる。また、制御ユニット10の接続部19´と電池モジュール20の接続部29´との間も同様に、固定部材40´の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続されるため、制御ユニット10からの制御信号を各電池モジュール20へ送信することが可能となる。
【0032】
図7に、電池モジュール20の一構成例を示す。電池モジュール20の筐体2は、厚さ方向D2に開閉する扉28を備えている。扉28には通気口26が設けられている。電池モジュール20の筐体2内には、複数の二次電池セルを含むセルモジュールBTが複数収容されている。複数のセルモジュールBTは、幅方向D1、厚さ方向D2、および、高さ方向D3に規則的に並んで配置されている。厚さ方向D2に並んだ複数のセルモジュールBTは、厚さ方向D2にスライドする共通のスライド板24上に配置されている。
【0033】
セルモジュールBTを交換するときには、対象のセルモジュールBTが配置されたスライド板24をスライドさせて、対象のセルモジュールBTを取り出し新しいセルモジュールをスライド板24上に配置する。
スライド板24からセルモジュールBTを取り出したときには、取り出したセルモジュールBTの前後のセルモジュールBTが接続される。例えば、取り出したセルモジュールBTの前後のセルモジュールBTは切替手段を介して通電ラインで接続され、対象セルモジュールを取り出したときに切替手段により前後のセルモジュール間が通電するように構成される。切替手段は、例えば電気的に接続を切替える手段であってもよく、機械的に接続を切替える手段であってもよい。
【0034】
上記のように、セルモジュールBTを取り出したときに、前後のセルモジュールBTを接続する手段を設けることにより、対象のセルモジュールBTを交換するときでも他のセルモジュールBTの運転を継続することができ、特性のバラツキが大きくなることを抑制することができる。
【0035】
図8に、スライド板24の一構成例を示す。スライド板24は、4つの角の近傍に配置されたネジ穴24Hを備えた略直方体形状の板体と、長手方向(厚さ方向D2)と略直交する方向における端部に配置されたコネクタ24Cと、を備えている。
【0036】
スライド板24の板体は、長手方向と略直交する方向における端部から突出した凸部を備えている。凸部は、長手方向と略直交する断面が三角形となる三角柱形状であって、長手方向における中央側の面にコネクタ24Cが配置されている。
【0037】
複数のセルモジュールBTがスライド板24上に配置されると、複数のセルモジュールBTとスライド板24とがネジ穴24Hに挿入されるネジ52によって固定される。複数のセルモジュールBTは、コネクタ24Cと対向する位置に設けられたコネクタ(図示せず)を備えている。
【0038】
上記のようにスライド板24のコネクタ24Cと複数のセルモジュールBTのコネクタとを接続することにより、例えば、制御ユニット10から複数のセルモジュールBTを管理する回路基板(図示せず)へ制御信号をスライド板24を介して供給するとともに、制御ユニット10へ複数のセルモジュールBTの電圧や温度等のデータをスライド板24を介して送信することが可能となる。
【0039】
次に、上記の蓄電システムを冷却するための構成について説明する。
図9に、蓄電システムを空冷する構成の一例を示す。電池モジュール20の筐体2は、高さ方向D3に貫通する排気部20Hを備えている。排気部20Hは、電池モジュール20の筐体2の扉と対向する壁に沿って高さ方向D3に貫通した空間である。排気部20Hは、セルモジュールBT間の空間と連通している。電池モジュール20の筐体2に設けられた通気口26から筐体2内に流入した空気は、セルモジュールBT間を通過して、扉28と対向する筐体2の壁に当たって高さ方向D3に導かれ、排気部20Hを通って筐体2の上部に排出される。ここで、通気口26から筐体2内に流入する空気は、電池モジュール20の扉28の通気口26に配置されたファン(図示せず)により強制的に流入させてもよい。
【0040】
図10に、制御ユニット10を空冷する構成の一例を示す。制御ユニット10の筐体1は、高さ方向D3に貫通する排気部10Hを備えている。排気部10Hは、冷却部12内の空間、AC/DC変換部14内の空間、および、DC/DC変換部16内の空間と連通している。排気部10Hは、制御ユニット10の筐体1の背面側の壁に沿って高さ方向D3に貫通した空間である。制御ユニット10の冷却部12は、筐体1内の空気を外部に排出する排気ファン122を備えている。排気ファン122は筐体1の上部に設けられた通気口18から空気を排出するように送風する。
【0041】
排気ファン122が駆動されると、制御ユニット10の底側の排気部10Hの開口から空気が流入し、DC/DC変換部16内の空間、AC/DC変換部14内の空間、および、冷却部12内の空間を空気が循環して、通気口18から排出される。
【0042】
上記のように、電池モジュール20の筐体2および制御ユニット10の筐体1に排気部20H、10Hを設けると、排気部20H、10Hの空間に電気配線を配置することが可能となり、背面側にスペースを設ける必要がなくなる。また、フロントメンテナンス管理を実現することができる。
【0043】
図11に、制御ユニット10と電池モジュール20とを高さ方向D3に並べて配置したときに、蓄電システムを空冷する構成の一例について説明する。電池モジュール20の上に制御ユニット10を乗せると、電池モジュール20の排気部20Hと制御ユニット10の排気部10Hとが連続する。
【0044】
制御ユニット10の排気ファン122が駆動されると、電池モジュール20の通気口26から電池モジュール20の筐体2内に空気が吸引され、空気がセルモジュールBTの間を通過して排気部20Hのから排気部10Hへ流れ、DC/DC変換部16内の空間、AC/DC変換部14内の空間、および、冷却部12内の空間を循環して、通気口18から排出される。
【0045】
上記のように、電池モジュール20の筐体2および制御ユニット10の筐体1に排気部20H、20Hを設けると、高さ方向D3に電池モジュール20および制御ユニット10を並べて配置した場合であっても、セルモジュールBTや制御ユニット10内の発熱源を空冷することができる。なお、上記例では筐体1、2から空気を排気する構成について説明したが、筐体1、2へ空気を吸気する構成であってもよい。
【0046】
次に、蓄電システムを水冷する構成の一例について説明する。
図12に、制御ユニット10および電池モジュール20の一構成例を示す。制御ユニット10は、複数のウォータポンプと、複数のウォータポンプそれぞれへの電源供給を切替える複数のスイッチと、を備えた冷却部12と、AC/DC変換部14と、DC/DC変換部16と、統括制御装置30と、を備えている。なお、統括制御装置30は、制御ユニット10の筐体1の例えばAC/DC変換部14内に配置されていてもよく、筐体1外部に配置されてもよい。
【0047】
統括制御装置30は、制御部32と通信部34とを備えている。通信部34は、各電池モジュール20の電池情報を通信によって取得し、制御部32へ供給する。制御部32は、通信部34から受信した電池情報により各電池モジュール20への充放電量を決定するとともに、冷却部12の動作を制御する。また、制御部32は、センサSS(又はEMS)などからの情報・指令に基づき、蓄電システム全体の統括制御(負荷変動制御、ピークカットなど)を行なう。
【0048】
冷却部12は、排気ファン122と、熱交換器(ラジエータ)124と、第1ウォータポンプ126と、第2ウォータポンプ128と、第1ウォータポンプ126への電源供給を切替えるスイッチSWAと、第2ウォータポンプ128への電源供給を切替えるスイッチSWBとを備えている。スイッチSWA、SWBは、制御部32により動作を制御される。なお、図12には2台のウォータポンプを備える冷却部12を一例として記載しているが、冷却部12のウォータポンプは2台に限定されることはなく、3台以上のウォータポンプを備えていてもよい。
【0049】
AC/DC変換部14は、双方向インバータ142と、双方向インバータ142の動作を制御する制御部144と、統括制御装置30およびDC/DC変換部16と通信する通信部146と、を備えている。
【0050】
AC/DC変換部14の制御部144は、統括制御装置30から送られてきた通信指令を通信部146より受信し、双方向インバータ142を制御し、配電系統との間を接続するACラインとDC/DC変換部16との間を接続する共通DCラインと間の電力変換を行う。
【0051】
DC/DC変換部16は、複数の電池モジュール20の数に対応したDC/DC変換器16A、16B、16Cを備えている。DC/DC変換器16A、16B、16Cは、それぞれ、電圧変換部162と、制御部164と、通信部166と、を備えている。
【0052】
DC/DC変換器16A、16B、16Cは、統括制御装置30又はAC/DC変換部14からの通信指令に基づいて電圧変換部162を制御し、共通DCラインと電池モジュール20A、20B、20C側のDCラインとの間の電圧昇降圧により、複数の電池モジュール20A、20B、20Cの充電および放電を行う。
【0053】
電池モジュール20A、20B、20Cは、電池管理部(BMU:Battery Management Unit)200と、複数のセルモジュールBTを含む二次電池BTUと、を備える。なお、図12では省略しているが、電池モジュール20B、20Cは、電池モジュール20Aとは異なる種類の二次電池BTUを備えていること以外は、電池モジュール20Aと同様の構成である。例えば、電池モジュール20Aは二次電池BTUとしてリチウムイオン電池のセルモジュールBTを備え、電池モジュール20Bは二次電池BTUとしてニッケル水素電池のセルモジュールBTを備え、電池モジュール20Cは二次電池BTUとして鉛電池のセルモジュールBTを備えている。
【0054】
電池管理部200は、二次電池BTUを制御する制御部202と、DC/DC変換部16と通信する通信部204と、二次電池BTUの電圧、電流、温度、SOC(state of charge)、内部抵抗、充放電積算電流等の電池情報を管理する管理部206と、を備えている。
【0055】
電池管理部200は、DC/DC変換部16からの通信指令に基づいて二次電池BTUを制御して電池の充放電を行なう。また、管理部206で管理する情報を上位に送信し、二次電池BTUの異常や寿命の検知を行なう。
【0056】
上記蓄電池システムにおいて、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128から排出された冷却水は、AC/DC変換部14の双方向インバータ142、電圧変換部162、熱交換器124を循環して、再び、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128に戻る。熱交換器124内を通過する冷却水は、排気ファン122により冷却されてから第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128へ供給される。
【0057】
統括制御装置30は、AC/DC変換部14と通信を行なう通信部34と、通信部34から取得した情報から発熱量を演算し、発熱量が閾値よりも大きいときには複数のスイッチSWA、SWBを閉じ、発熱量が閾値以下であるときには複数のスイッチSWA、SWBを制御して複数のウォータポンプ126、128の少なくとも1つへ電源を供給する制御部32とを備えている。統括制御装置30の制御部32は、蓄電システムの発熱量に応じて、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の稼動および停止を切替える。
また、統括制御装置30の制御部32は、複数のウォータポンプ126,128の稼動状況をから複数のウォータポンプ126、128の寿命を演算し、その演算結果に応じて複数のスイッチSWA、SWBを開閉して、複数のウォータポンプ126、128から稼動するものを選択する。
【0058】
図13に、制御部32による第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の運転制御の一例を示す。制御部32は、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16から取得した情報や稼動状況から、蓄電システムの発熱量を演算する。制御部32は、蓄電システムの発熱量が閾値よりも大きいときには、スイッチSWAとスイッチSWBとの両方を閉じて第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128との両方を稼動させて、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16へ排出する冷却水の量を増加させる。制御部32は、蓄電システムの発電量が閾値以下であるときには、スイッチSWAあるいはスイッチSWBを閉じて第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とのいずれか一方を稼動させる。
【0059】
なお、AC/DC変換部14の双方向インバータ142やDC/DC変換器16A〜16Bの電圧変換部162に熱センサを取り付けて、通信により制御部32へ検出結果を送信するようにしてもよい。その場合には、制御部32は、受信した検出結果が閾値よりも大きい場合には、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128との両方を稼動させて、受信した検出結果が閾値以下である場合には、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とのいずれか一方を稼動させる。このように、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とを間欠運転することにより、連続運転するよりも使用期間を長くすることができる。
【0060】
また、制御部32は、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16から取得した情報から第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の稼動時間を監視し、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の寿命を管理する。制御部32は、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の寿命が長い場合には、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とを使用する頻度を均等として、寿命に偏りが生じないようにする。第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の寿命が短くなった場合には、いずれか一方だけを使用し、同時に寿命が無くなることがないように制御する。したがって、両方のポンプが同時に停止することを回避することができ、メンテナンス時にも冷却し続けることができる。
【0061】
図14に、制御ユニット10および電池モジュール20の構成の他の例を示す。図14に示す例では、冷却部12は、水温検知部121と水温表示部123とをさらに備えている。水温検知部121は、DC/DC変換部16から排出された冷却水の温度を検出し、検出結果を水温表示部123および通信部34へ出力する。水温表示部123は、受信した検出結果を数値や画像により表示する。通信部34は受信した検出結果をユーザ等へ送信する。このように水温を表示すると、蓄電システムの異常等をユーザへ通知することができる。
【0062】
上記のように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、配置スペースに合わせて制御ユニットと電池モジュールとの配置位置を容易に変更し、また組み合わせを変更して容易に蓄電容量を変更することが可能な蓄電システムを提供することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る蓄電システムによれば、配置位置や蓄電容量を変更した場合であっても、システムで発生した熱を効果的に空冷または水冷することができるため、安全性を担保した蓄電システムを提供することができる。さらに、上記のように空冷と水冷とを組み合わせることにより、水冷では冷却されない部分も空冷により冷却することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、上記の空冷のみを行なう蓄電システムであってもよく、水冷のみを行なう蓄電システムであってもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
BT…セルモジュール、SS…センサ、SWA…スイッチ(第1スイッチ)、SWB…スイッチ(第2スイッチ)、DC…共通、1…筐体(第1筐体)、2…筐体(第2筐体)、10…制御ユニット、10H…排気部(第1排気部)、12…冷却部、12.AC…冷却部、14…DC変換部、16…DC変換部、16(16A〜16C)…DC/DC変換器、18…通気口、19、29、19´、29´…接続部、20(20A、20B、20C)…電池モジュール、20H…排気部(第2排気部)、22…切替部、24…スライド板、24H…ネジ穴、24C…コネクタ、26…通気口、28…扉、29H…ネジ穴(第2ネジ穴)、29C…コネクタ(第2コネクタ)、30…統括制御装置、32…制御部、34…通信部、40、40´…固定部材、42…ネジ穴(第3ネジ穴)、44…コネクタ(第3コネクタ、第4コネクタ)、50…ネジ、52…ネジ、121…水温検知部、122…排気ファン、123…水温表示部、124…熱交換器(ラジエータ)、126…第1ウォータポンプ、128…第2ウォータポンプ、142…双方向インバータ、144…制御部、146…通信部、162…電圧変換部、164…制御部、166…通信部、200…電池管理部(BMU)、202…制御部、204…通信部、206…管理部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池として、鉛電池や、ニッケル水素電池や、リチウムイオン電池が利用されている。これらの二次電池は、異なる特性を備えている。
例えば鉛電池は、比較的充電に時間を要するが放電を高速に行なうことができ、長期間使用することができる。リチウムイオン電池は、充電および放電を高速に行なうことができるが、高価である。これらの二次電池は、それぞれの特性に合わせて適切に利用されることが望ましい。
【0003】
また、近年、発電時に温室効果ガスを排出しない太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーを利用した発電設備を設置し、電力供給システムの低炭素化が検討されている。再生可能エネルギーを利用した発電は、電力供給量の制御が困難であり、安定した電力供給を実現することが困難である。
【0004】
将来、このような再生可能エネルギーを利用した発電設備の設置数が拡大すると、短期的な電力需給バランスが崩れ、電力の周波数が適正値を逸脱する等、電力の安定供給が困難となり、電力の品質が悪化する恐れがある。
【0005】
そこで、再生可能エネルギーを利用した発電設備での余剰電力を蓄電する二次電池を配電系に設置するほか、需要家等に設置されている蓄電設備を活用して、蓄電や配電を行うことも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−86927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各需要家に設置された蓄電設備は、需要家の規模の拡大又は縮小に応じて必要な蓄電容量が変化する。例えば、蓄電設備が設置された建物が増築された場合には必要な蓄電容量が増加する。このときに、増加した分の蓄電容量を賄うために、新たな蓄電設備を追加すると、設置スペースを確保する必要があるとともに、エネルギーマネジメントシステム(EMS)による設備の管理が煩雑になることがあった。
【0008】
また、蓄電設備が高温になると二次電池のセルから発火する等の危険な状態が生じ得るため、安全性を担保するために蓄電設備をメンテナンスする際等でも停止することなく冷却する機構が備えられることが望ましい。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであって、配置位置および蓄電容量を変更することが容易であって、安全性を担保する蓄電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る蓄電システムは、複数のセルモジュールと、前記複数のセルモジュールを収容した第2筐体とを備えた電池モジュールと、配電系統へ交流電流を出力するとともに前記は配電系統から取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換部と、前記AC/DC変換部から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記電池モジュールへ出力するとともに前記電池モジュールから出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記AC/DC変換部へ出力するDC/DC変換部と、前記AC/DC変換部および前記DC/DC変換部の動作を制御する統括制御装置と、前記AC/DC変換部、前記DC/DC変換部、および、前記統括制御装置を収容し、前記第2筐体と共通の大きさである第1筐体と、を備えた制御ユニットと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る蓄電システムの一構成例を説明するための図である。
【図2】図1に示す蓄電システムの制御ユニットと電池モジュールとの配置位置を変更したときの構成例を説明するための図である。
【図3】実施形態に係る蓄電システムの他の構成例を説明するための図である。
【図4】図3に示す蓄電システムの固定部材の一構成例を示す図である。
【図5】実施形態に係る蓄電システムの他の構成例を説明するための図である。
【図6】図5に示す蓄電システムの固定部材の一構成例を示す図である。
【図7】実施形態に係る蓄電システムの電池モジュールの一構成例を説明するための図である。
【図8】図7に示す電池モジュールのスライド板の一構成例を説明するための図である。
【図9】実施形態に係る蓄電システムの電池モジュールの筐体の一構成例を説明するための図である。
【図10】実施形態に係る蓄電システムの制御ユニットの筐体の一構成例を説明するための図である。
【図11】図9に示す電池モジュールと図10に示す制御ユニットとを組み合わせたときの空冷のための一構成例を説明するための図である。
【図12】実施形態に係る蓄電システムの水冷のための一構成例を説明するための図である。
【図13】図12に示す冷却部の動作の一例を説明するための図である。
【図14】実施形態に係る蓄電システムの水冷のための一構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態に係る蓄電システムの一構成例を示す。本実施形態に係る蓄電システムは、制御ユニット10と、3つの電池モジュール20A、20B、20Cを備えている。
【0013】
制御ユニット10は、冷却部12と、AC/DC変換部14と、DC/DC変換部16とを備えている。冷却部12、AC/DC変換部14、および、DC/DC変換部16は、略直方体形状の筐体1に収容されている。冷却部12は制御ユニット10の上部に配置され、AC/DC変換部14が冷却部12の下に配置され、DC/DC変換部16がAC/DC変換部16の下に配置されている。
【0014】
電池モジュール20A、20B、20Cの筐体2と、制御ユニット10の筐体1とは、幅方向D1、厚さ方向D2、および高さ方向D3の大きさが同じである。したがって、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとは、幅方向D1に並べて配置することもでき、高さ方向D3に並べて配置することもできる。
【0015】
図1に示す場合では、制御ユニット10と電池モジュール20Aとが高さ方向D3に並んで配置され、電池モジュール20Bと電池モジュール20Cとが高さ方向D3に並んで配置されている。また、電池モジュール20Aと電池モジュール20Cとが幅方向D1に並んで配置され、制御ユニット10と電池モジュール20Bとが幅方向D1に並んで配置されている。
【0016】
図2に、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを幅方向D1に並べて配置した一例を示す。
制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの筐体2の大きさが同じであるため、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを幅方向D1あるいは高さ方向D3に並べて配置しても、蓄電システムの外形が凸凹することがない。また、蓄電システムを配置するスペースに応じて、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの位置を変更することができる。
【0017】
制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとは、例えばマグネットチャックの原理を利用して磁力により互いに吸着されて固定されている。制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの筐体2には、磁力をオンおよびオフする切替部22が設けられている。
【0018】
制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとの筐体1、2には永久磁石や電磁石等の磁石(図示せず)が内蔵され、磁石と吸着対象の筐体1、2との間に非磁性体(図示せず)と継鉄板(図示せず)とが配置され、切替部22により磁力がオンとなっているときには、磁石からの磁力線は非磁性体を迂回して吸着対象の筐体1、2を経由する経路となる。切替部22により磁力がオフとなっているときには、非磁性体および継鉄板がスライドすることにより、磁石からの磁力線が吸着対象を経由しない経路となる。
【0019】
このように、磁力により制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを互いに固定して、位置決めすることができる。
【0020】
図3に、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを固定する構成の他の例を示す。制御ユニット10および電池モジュール20A、20B、20Cの筐体1、2は、厚さ方向D2に延びる端縁を含む角部に接続部19、29が設けられている。接続部19、29には、固定部材40がネジ止めされる。なお、接続部19、29は、同様の構成であるため、以下では接続部29について説明し接続部19の説明を省略する。
【0021】
接続部29は、4つのネジ穴29Hと、厚さ方向D2における中央部に配置されたコネクタ29Cとを備えている。4つのネジ穴29Hのうち、2つのネジ穴29Hには高さ方向D3にネジ50が挿入され、残りの2つのネジ穴29Hには幅方向D1にネジ50が挿入される。厚さ方向D2における接続部29の中央部分は、幅方向D1および高さ方向D3と交差する方向と厚さ方向D2とを通る平面が設けられ、この平面にコネクタ29Cが配置されている。
【0022】
例えば電池モジュール20が高さ方向D1に並んで配置されたときに、下側の電池モジュール20の上面側に設けられた接続部29と、上側の電池モジュール20の底面側に設けられた接続部29が対向して配置される。2つの接続部29が並んで配置されることにより、厚さ方向D2の中央部に、厚さ方向D2と略直交する面における断面が三角形となるように幅方向D1に凹んだ凹部が形成される。
【0023】
図4に、固定部材40の一構成例を示す。固定部材40は、略直方体形状の板体と、板体の長手方向における中央部から突出し、長手方向と略直交する面における断面が三角形の凸部と、組み合わせた形状である。固定部材40は、板体の4つの角のそれぞれの近傍に配置されたネジ穴42と、凸部の2つの斜面のそれぞれに配置されたコネクタ44と、を備えている。
【0024】
固定部材40の凸部は、2つ並んだ接続部29の凹部と勘合する形状である。固定部材40の凸部と2つの接続部29の凹部とが嵌合するように取り付けられたときに、接続部29のネジ穴29Hと固定部材40のネジ穴42とが連通し、コネクタ29Cとコネクタ44とが電気的に接続される。固定部材40がネジ穴42およびネジ穴29Hに挿入されるネジ50により2つの電池モジュール20を位置決めおよび固定するとともに、2つの電池モジュール20が固定部材40の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続される。
【0025】
このように、固定部材40を接続部19、29に取り付けることにより、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを互いに固定して、位置決めすることができる。また、制御ユニット10の接続部19と電池モジュール20の接続部29との間も同様に、固定部材40の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続されるため、制御ユニット10からの制御信号を各電池モジュール20へ送信することが可能となる。
【0026】
図5に、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを固定する構成の他の例を示す。この例では、制御ユニット10および電池モジュール20A、20B、20Cの筐体1、2は、厚さ方向D2に延びる端縁を含む角部に接続部19´、29´が設けられている。接続部19´、29´には、固定部材40´がネジ止めされる。なお、接続部19´、29´は、同様の構成であるため、以下では接続部29´について説明し接続部19´の説明を省略する。
【0027】
接続部29´は、4つのネジ穴29Hと、2つのコネクタ29Cとを備えている。コネクタ29Cは、幅方向D1に略直交する面と高さ方向に略直交する面とのそれぞれに1つずつ配置されている。4つのネジ穴29Hは、厚さ方向D2におけるコネクタ29Cを挟む4箇所に1つずつ配置されている。4つのネジ穴29Hのうち、2つのネジ穴29Hには高さ方向D3にネジ50が挿入され、残りの2つのネジ穴29Hには幅方向D1にネジ50が挿入される。
【0028】
例えば電池モジュール20が高さ方向D3に並んで配置されたときに、下側の電池モジュール20の上面側に設けられた接続部29と、上側の電池モジュール20の底面側に設けられた接続部29が対向して配置される。2つの接続部29が並んで配置されることにより、幅方向D1に略直方体形状に凹んだ凹部が形成される。
【0029】
図6に、固定部材40´の一構成例を示す。固定部材40´は、略直方体形状の板体である。固定部材40´は、板体の4つの角それぞれの近傍に配置されたネジ穴42と、板体の長手方向中央部に、長手方向と略直交する方向に並んで配置された2つのコネクタ44と、を備えている。コネクタ44の長手方向は板体の長手方向と略平行となるように配置されている。
【0030】
固定部材40´は、2つ並んだ接続部29の凹部と嵌合する形状である。固定部材40´と2つの接続部29の凹部とが嵌合するように取り付けられたときに、接続部29´のネジ穴29Hと固定部材40´のネジ穴42とが連通し、コネクタ29Cとコネクタ44とが電気的に接続される。固定部材40´がネジ穴42およびネジ穴29Hに挿入されるネジ50により2つの電池モジュール20を位置決めおよび固定するとともに、2つの電池モジュール20が固定部材40´の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続される。
【0031】
このように、固定部材40´を接続部19´、29´に取り付けることにより、制御ユニット10と電池モジュール20A、20B、20Cとを互いに固定して、位置決めすることができる。また、制御ユニット10の接続部19´と電池モジュール20の接続部29´との間も同様に、固定部材40´の2つのコネクタ44を内部で接続する配線により電気的に接続されるため、制御ユニット10からの制御信号を各電池モジュール20へ送信することが可能となる。
【0032】
図7に、電池モジュール20の一構成例を示す。電池モジュール20の筐体2は、厚さ方向D2に開閉する扉28を備えている。扉28には通気口26が設けられている。電池モジュール20の筐体2内には、複数の二次電池セルを含むセルモジュールBTが複数収容されている。複数のセルモジュールBTは、幅方向D1、厚さ方向D2、および、高さ方向D3に規則的に並んで配置されている。厚さ方向D2に並んだ複数のセルモジュールBTは、厚さ方向D2にスライドする共通のスライド板24上に配置されている。
【0033】
セルモジュールBTを交換するときには、対象のセルモジュールBTが配置されたスライド板24をスライドさせて、対象のセルモジュールBTを取り出し新しいセルモジュールをスライド板24上に配置する。
スライド板24からセルモジュールBTを取り出したときには、取り出したセルモジュールBTの前後のセルモジュールBTが接続される。例えば、取り出したセルモジュールBTの前後のセルモジュールBTは切替手段を介して通電ラインで接続され、対象セルモジュールを取り出したときに切替手段により前後のセルモジュール間が通電するように構成される。切替手段は、例えば電気的に接続を切替える手段であってもよく、機械的に接続を切替える手段であってもよい。
【0034】
上記のように、セルモジュールBTを取り出したときに、前後のセルモジュールBTを接続する手段を設けることにより、対象のセルモジュールBTを交換するときでも他のセルモジュールBTの運転を継続することができ、特性のバラツキが大きくなることを抑制することができる。
【0035】
図8に、スライド板24の一構成例を示す。スライド板24は、4つの角の近傍に配置されたネジ穴24Hを備えた略直方体形状の板体と、長手方向(厚さ方向D2)と略直交する方向における端部に配置されたコネクタ24Cと、を備えている。
【0036】
スライド板24の板体は、長手方向と略直交する方向における端部から突出した凸部を備えている。凸部は、長手方向と略直交する断面が三角形となる三角柱形状であって、長手方向における中央側の面にコネクタ24Cが配置されている。
【0037】
複数のセルモジュールBTがスライド板24上に配置されると、複数のセルモジュールBTとスライド板24とがネジ穴24Hに挿入されるネジ52によって固定される。複数のセルモジュールBTは、コネクタ24Cと対向する位置に設けられたコネクタ(図示せず)を備えている。
【0038】
上記のようにスライド板24のコネクタ24Cと複数のセルモジュールBTのコネクタとを接続することにより、例えば、制御ユニット10から複数のセルモジュールBTを管理する回路基板(図示せず)へ制御信号をスライド板24を介して供給するとともに、制御ユニット10へ複数のセルモジュールBTの電圧や温度等のデータをスライド板24を介して送信することが可能となる。
【0039】
次に、上記の蓄電システムを冷却するための構成について説明する。
図9に、蓄電システムを空冷する構成の一例を示す。電池モジュール20の筐体2は、高さ方向D3に貫通する排気部20Hを備えている。排気部20Hは、電池モジュール20の筐体2の扉と対向する壁に沿って高さ方向D3に貫通した空間である。排気部20Hは、セルモジュールBT間の空間と連通している。電池モジュール20の筐体2に設けられた通気口26から筐体2内に流入した空気は、セルモジュールBT間を通過して、扉28と対向する筐体2の壁に当たって高さ方向D3に導かれ、排気部20Hを通って筐体2の上部に排出される。ここで、通気口26から筐体2内に流入する空気は、電池モジュール20の扉28の通気口26に配置されたファン(図示せず)により強制的に流入させてもよい。
【0040】
図10に、制御ユニット10を空冷する構成の一例を示す。制御ユニット10の筐体1は、高さ方向D3に貫通する排気部10Hを備えている。排気部10Hは、冷却部12内の空間、AC/DC変換部14内の空間、および、DC/DC変換部16内の空間と連通している。排気部10Hは、制御ユニット10の筐体1の背面側の壁に沿って高さ方向D3に貫通した空間である。制御ユニット10の冷却部12は、筐体1内の空気を外部に排出する排気ファン122を備えている。排気ファン122は筐体1の上部に設けられた通気口18から空気を排出するように送風する。
【0041】
排気ファン122が駆動されると、制御ユニット10の底側の排気部10Hの開口から空気が流入し、DC/DC変換部16内の空間、AC/DC変換部14内の空間、および、冷却部12内の空間を空気が循環して、通気口18から排出される。
【0042】
上記のように、電池モジュール20の筐体2および制御ユニット10の筐体1に排気部20H、10Hを設けると、排気部20H、10Hの空間に電気配線を配置することが可能となり、背面側にスペースを設ける必要がなくなる。また、フロントメンテナンス管理を実現することができる。
【0043】
図11に、制御ユニット10と電池モジュール20とを高さ方向D3に並べて配置したときに、蓄電システムを空冷する構成の一例について説明する。電池モジュール20の上に制御ユニット10を乗せると、電池モジュール20の排気部20Hと制御ユニット10の排気部10Hとが連続する。
【0044】
制御ユニット10の排気ファン122が駆動されると、電池モジュール20の通気口26から電池モジュール20の筐体2内に空気が吸引され、空気がセルモジュールBTの間を通過して排気部20Hのから排気部10Hへ流れ、DC/DC変換部16内の空間、AC/DC変換部14内の空間、および、冷却部12内の空間を循環して、通気口18から排出される。
【0045】
上記のように、電池モジュール20の筐体2および制御ユニット10の筐体1に排気部20H、20Hを設けると、高さ方向D3に電池モジュール20および制御ユニット10を並べて配置した場合であっても、セルモジュールBTや制御ユニット10内の発熱源を空冷することができる。なお、上記例では筐体1、2から空気を排気する構成について説明したが、筐体1、2へ空気を吸気する構成であってもよい。
【0046】
次に、蓄電システムを水冷する構成の一例について説明する。
図12に、制御ユニット10および電池モジュール20の一構成例を示す。制御ユニット10は、複数のウォータポンプと、複数のウォータポンプそれぞれへの電源供給を切替える複数のスイッチと、を備えた冷却部12と、AC/DC変換部14と、DC/DC変換部16と、統括制御装置30と、を備えている。なお、統括制御装置30は、制御ユニット10の筐体1の例えばAC/DC変換部14内に配置されていてもよく、筐体1外部に配置されてもよい。
【0047】
統括制御装置30は、制御部32と通信部34とを備えている。通信部34は、各電池モジュール20の電池情報を通信によって取得し、制御部32へ供給する。制御部32は、通信部34から受信した電池情報により各電池モジュール20への充放電量を決定するとともに、冷却部12の動作を制御する。また、制御部32は、センサSS(又はEMS)などからの情報・指令に基づき、蓄電システム全体の統括制御(負荷変動制御、ピークカットなど)を行なう。
【0048】
冷却部12は、排気ファン122と、熱交換器(ラジエータ)124と、第1ウォータポンプ126と、第2ウォータポンプ128と、第1ウォータポンプ126への電源供給を切替えるスイッチSWAと、第2ウォータポンプ128への電源供給を切替えるスイッチSWBとを備えている。スイッチSWA、SWBは、制御部32により動作を制御される。なお、図12には2台のウォータポンプを備える冷却部12を一例として記載しているが、冷却部12のウォータポンプは2台に限定されることはなく、3台以上のウォータポンプを備えていてもよい。
【0049】
AC/DC変換部14は、双方向インバータ142と、双方向インバータ142の動作を制御する制御部144と、統括制御装置30およびDC/DC変換部16と通信する通信部146と、を備えている。
【0050】
AC/DC変換部14の制御部144は、統括制御装置30から送られてきた通信指令を通信部146より受信し、双方向インバータ142を制御し、配電系統との間を接続するACラインとDC/DC変換部16との間を接続する共通DCラインと間の電力変換を行う。
【0051】
DC/DC変換部16は、複数の電池モジュール20の数に対応したDC/DC変換器16A、16B、16Cを備えている。DC/DC変換器16A、16B、16Cは、それぞれ、電圧変換部162と、制御部164と、通信部166と、を備えている。
【0052】
DC/DC変換器16A、16B、16Cは、統括制御装置30又はAC/DC変換部14からの通信指令に基づいて電圧変換部162を制御し、共通DCラインと電池モジュール20A、20B、20C側のDCラインとの間の電圧昇降圧により、複数の電池モジュール20A、20B、20Cの充電および放電を行う。
【0053】
電池モジュール20A、20B、20Cは、電池管理部(BMU:Battery Management Unit)200と、複数のセルモジュールBTを含む二次電池BTUと、を備える。なお、図12では省略しているが、電池モジュール20B、20Cは、電池モジュール20Aとは異なる種類の二次電池BTUを備えていること以外は、電池モジュール20Aと同様の構成である。例えば、電池モジュール20Aは二次電池BTUとしてリチウムイオン電池のセルモジュールBTを備え、電池モジュール20Bは二次電池BTUとしてニッケル水素電池のセルモジュールBTを備え、電池モジュール20Cは二次電池BTUとして鉛電池のセルモジュールBTを備えている。
【0054】
電池管理部200は、二次電池BTUを制御する制御部202と、DC/DC変換部16と通信する通信部204と、二次電池BTUの電圧、電流、温度、SOC(state of charge)、内部抵抗、充放電積算電流等の電池情報を管理する管理部206と、を備えている。
【0055】
電池管理部200は、DC/DC変換部16からの通信指令に基づいて二次電池BTUを制御して電池の充放電を行なう。また、管理部206で管理する情報を上位に送信し、二次電池BTUの異常や寿命の検知を行なう。
【0056】
上記蓄電池システムにおいて、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128から排出された冷却水は、AC/DC変換部14の双方向インバータ142、電圧変換部162、熱交換器124を循環して、再び、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128に戻る。熱交換器124内を通過する冷却水は、排気ファン122により冷却されてから第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128へ供給される。
【0057】
統括制御装置30は、AC/DC変換部14と通信を行なう通信部34と、通信部34から取得した情報から発熱量を演算し、発熱量が閾値よりも大きいときには複数のスイッチSWA、SWBを閉じ、発熱量が閾値以下であるときには複数のスイッチSWA、SWBを制御して複数のウォータポンプ126、128の少なくとも1つへ電源を供給する制御部32とを備えている。統括制御装置30の制御部32は、蓄電システムの発熱量に応じて、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の稼動および停止を切替える。
また、統括制御装置30の制御部32は、複数のウォータポンプ126,128の稼動状況をから複数のウォータポンプ126、128の寿命を演算し、その演算結果に応じて複数のスイッチSWA、SWBを開閉して、複数のウォータポンプ126、128から稼動するものを選択する。
【0058】
図13に、制御部32による第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の運転制御の一例を示す。制御部32は、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16から取得した情報や稼動状況から、蓄電システムの発熱量を演算する。制御部32は、蓄電システムの発熱量が閾値よりも大きいときには、スイッチSWAとスイッチSWBとの両方を閉じて第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128との両方を稼動させて、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16へ排出する冷却水の量を増加させる。制御部32は、蓄電システムの発電量が閾値以下であるときには、スイッチSWAあるいはスイッチSWBを閉じて第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とのいずれか一方を稼動させる。
【0059】
なお、AC/DC変換部14の双方向インバータ142やDC/DC変換器16A〜16Bの電圧変換部162に熱センサを取り付けて、通信により制御部32へ検出結果を送信するようにしてもよい。その場合には、制御部32は、受信した検出結果が閾値よりも大きい場合には、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128との両方を稼動させて、受信した検出結果が閾値以下である場合には、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とのいずれか一方を稼動させる。このように、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とを間欠運転することにより、連続運転するよりも使用期間を長くすることができる。
【0060】
また、制御部32は、AC/DC変換部14およびDC/DC変換部16から取得した情報から第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の稼動時間を監視し、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の寿命を管理する。制御部32は、第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の寿命が長い場合には、第1ウォータポンプ126と第2ウォータポンプ128とを使用する頻度を均等として、寿命に偏りが生じないようにする。第1ウォータポンプ126および第2ウォータポンプ128の寿命が短くなった場合には、いずれか一方だけを使用し、同時に寿命が無くなることがないように制御する。したがって、両方のポンプが同時に停止することを回避することができ、メンテナンス時にも冷却し続けることができる。
【0061】
図14に、制御ユニット10および電池モジュール20の構成の他の例を示す。図14に示す例では、冷却部12は、水温検知部121と水温表示部123とをさらに備えている。水温検知部121は、DC/DC変換部16から排出された冷却水の温度を検出し、検出結果を水温表示部123および通信部34へ出力する。水温表示部123は、受信した検出結果を数値や画像により表示する。通信部34は受信した検出結果をユーザ等へ送信する。このように水温を表示すると、蓄電システムの異常等をユーザへ通知することができる。
【0062】
上記のように、本実施形態に係る蓄電システムによれば、配置スペースに合わせて制御ユニットと電池モジュールとの配置位置を容易に変更し、また組み合わせを変更して容易に蓄電容量を変更することが可能な蓄電システムを提供することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る蓄電システムによれば、配置位置や蓄電容量を変更した場合であっても、システムで発生した熱を効果的に空冷または水冷することができるため、安全性を担保した蓄電システムを提供することができる。さらに、上記のように空冷と水冷とを組み合わせることにより、水冷では冷却されない部分も空冷により冷却することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、上記の空冷のみを行なう蓄電システムであってもよく、水冷のみを行なう蓄電システムであってもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
BT…セルモジュール、SS…センサ、SWA…スイッチ(第1スイッチ)、SWB…スイッチ(第2スイッチ)、DC…共通、1…筐体(第1筐体)、2…筐体(第2筐体)、10…制御ユニット、10H…排気部(第1排気部)、12…冷却部、12.AC…冷却部、14…DC変換部、16…DC変換部、16(16A〜16C)…DC/DC変換器、18…通気口、19、29、19´、29´…接続部、20(20A、20B、20C)…電池モジュール、20H…排気部(第2排気部)、22…切替部、24…スライド板、24H…ネジ穴、24C…コネクタ、26…通気口、28…扉、29H…ネジ穴(第2ネジ穴)、29C…コネクタ(第2コネクタ)、30…統括制御装置、32…制御部、34…通信部、40、40´…固定部材、42…ネジ穴(第3ネジ穴)、44…コネクタ(第3コネクタ、第4コネクタ)、50…ネジ、52…ネジ、121…水温検知部、122…排気ファン、123…水温表示部、124…熱交換器(ラジエータ)、126…第1ウォータポンプ、128…第2ウォータポンプ、142…双方向インバータ、144…制御部、146…通信部、162…電圧変換部、164…制御部、166…通信部、200…電池管理部(BMU)、202…制御部、204…通信部、206…管理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルモジュールと、前記複数のセルモジュールを収容した第2筐体とを備えた電池モジュールと、
配電系統へ交流電流を出力するとともに前記配電系統から取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換部と、前記AC/DC変換部から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記電池モジュールへ出力するとともに前記電池モジュールから出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記AC/DC変換部へ出力するDC/DC変換部と、前記AC/DC変換部および前記DC/DC変換部の動作を制御する統括制御装置と、前記AC/DC変換部、前記DC/DC変換部、および、前記統括制御装置を収容し、前記第2筐体と共通の大きさである第1筐体と、を備えた制御ユニットと、を有する蓄電システム。
【請求項2】
前記第1筐体および複数の前記第2筐体は、磁力により吸着固定可能であることを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記第1筐体と前記第2筐体とを固定する固定部材をさらに備え、
前記第1筐体は、前記第1筐体および前記第2筐体が並ぶ方向および前記第1筐体の厚さ方向と直交する方向にネジが挿入される少なくとも2つの第1ネジ穴と、前記第1ネジ穴間に配置された第1コネクタと、を備え、
前記第2筐体は、前記第1筐体および前記第2筐体が並ぶ方向および前記第2筐体の厚さ方向と直交する方向にネジが挿入される少なくとも2つの第2ネジ穴と、前記第2ネジ穴間に配置された第2コネクタと、を備え、
前記固定部材は、前記第1ネジ穴および前記第2ネジ穴と連通してネジ止めされる複数の第3ネジ穴と、前記第1コネクタと電気的に接続される第3コネクタと、前記第2コネクタと電気的に接続される第4コネクタとを備え、前記第3コネクタと前記第4コネクタとが内部で電気的に接続されている請求項1記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記第2筐体は、内部を露出可能とする扉と、前記複数のセルモジュールが固定され前記扉側にスライドするスライド板と、を更に備える請求項1記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記第2筐体は、その高さ方向に延びる壁に設けられた通気口と、前記壁と対向する壁に沿って前記高さ方向に貫通するトンネル状の第2排気部と、をさらに備える請求項1記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記第1筐体は、前記高さ方向に貫通し前記第2筐体上に配置したときに前記第2排気部と連続するように配置された第1排気部と、上面に設けられた排気口とを備え、
前記制御ユニットは、前記第1筐体内部の空気を前記排気口へ排出するファンを含む冷却部と、をさらに備える請求項5記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記AC/DC変換部へ冷却水を排出するウォータポンプと、前記DC/DC変換部から排出された冷却水が流入する熱交換器と、前記熱交換器と前記第1筐体の上面に設けられた排気口との間に配置され前記熱交換器側から前記排気口側へ空気を排出するファンと、を含む冷却部をさらに備え、
前記ウォータポンプから排出された冷却水が前記AC/DC変換部および前記DC/DC変換部を循環する請求項1記載の蓄電システム。
【請求項8】
前記制御ユニットは、複数の前記ウォータポンプと、複数の前記ウォータポンプそれぞれへの電源供給を切替える複数のスイッチと、を備え、
前記統括制御装置は、前記AC/DC変換部と通信を行なう通信部と、前記通信部から取得した情報から発熱量を演算し、発熱量が閾値よりも大きいときには前記複数のスイッチを閉じ、発熱量が前記閾値以下であるときには前記複数のスイッチを制御して前記複数のウォータポンプの少なくとも1つへ電源を供給する制御部と、をさらに備えた請求項7記載の蓄電システム。
【請求項9】
前記制御ユニットは、複数の前記ウォータポンプと、複数の前記ウォータポンプそれぞれへの電源供給を切替える複数のスイッチと、
前記統括制御装置は、複数の前記ウォータポンプの稼動状況をから複数の前記ウォータポンプの寿命を演算し、前記演算の結果に応じて前記複数のスイッチを開閉して、複数の前記ウォータポンプから稼動するものを選択する制御部と、をさらに備えた請求項7記載の蓄電システム。
【請求項1】
複数のセルモジュールと、前記複数のセルモジュールを収容した第2筐体とを備えた電池モジュールと、
配電系統へ交流電流を出力するとともに前記配電系統から取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換部と、前記AC/DC変換部から出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記電池モジュールへ出力するとともに前記電池モジュールから出力された直流電流を所定の大きさの直流電流に変換して前記AC/DC変換部へ出力するDC/DC変換部と、前記AC/DC変換部および前記DC/DC変換部の動作を制御する統括制御装置と、前記AC/DC変換部、前記DC/DC変換部、および、前記統括制御装置を収容し、前記第2筐体と共通の大きさである第1筐体と、を備えた制御ユニットと、を有する蓄電システム。
【請求項2】
前記第1筐体および複数の前記第2筐体は、磁力により吸着固定可能であることを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記第1筐体と前記第2筐体とを固定する固定部材をさらに備え、
前記第1筐体は、前記第1筐体および前記第2筐体が並ぶ方向および前記第1筐体の厚さ方向と直交する方向にネジが挿入される少なくとも2つの第1ネジ穴と、前記第1ネジ穴間に配置された第1コネクタと、を備え、
前記第2筐体は、前記第1筐体および前記第2筐体が並ぶ方向および前記第2筐体の厚さ方向と直交する方向にネジが挿入される少なくとも2つの第2ネジ穴と、前記第2ネジ穴間に配置された第2コネクタと、を備え、
前記固定部材は、前記第1ネジ穴および前記第2ネジ穴と連通してネジ止めされる複数の第3ネジ穴と、前記第1コネクタと電気的に接続される第3コネクタと、前記第2コネクタと電気的に接続される第4コネクタとを備え、前記第3コネクタと前記第4コネクタとが内部で電気的に接続されている請求項1記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記第2筐体は、内部を露出可能とする扉と、前記複数のセルモジュールが固定され前記扉側にスライドするスライド板と、を更に備える請求項1記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記第2筐体は、その高さ方向に延びる壁に設けられた通気口と、前記壁と対向する壁に沿って前記高さ方向に貫通するトンネル状の第2排気部と、をさらに備える請求項1記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記第1筐体は、前記高さ方向に貫通し前記第2筐体上に配置したときに前記第2排気部と連続するように配置された第1排気部と、上面に設けられた排気口とを備え、
前記制御ユニットは、前記第1筐体内部の空気を前記排気口へ排出するファンを含む冷却部と、をさらに備える請求項5記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記AC/DC変換部へ冷却水を排出するウォータポンプと、前記DC/DC変換部から排出された冷却水が流入する熱交換器と、前記熱交換器と前記第1筐体の上面に設けられた排気口との間に配置され前記熱交換器側から前記排気口側へ空気を排出するファンと、を含む冷却部をさらに備え、
前記ウォータポンプから排出された冷却水が前記AC/DC変換部および前記DC/DC変換部を循環する請求項1記載の蓄電システム。
【請求項8】
前記制御ユニットは、複数の前記ウォータポンプと、複数の前記ウォータポンプそれぞれへの電源供給を切替える複数のスイッチと、を備え、
前記統括制御装置は、前記AC/DC変換部と通信を行なう通信部と、前記通信部から取得した情報から発熱量を演算し、発熱量が閾値よりも大きいときには前記複数のスイッチを閉じ、発熱量が前記閾値以下であるときには前記複数のスイッチを制御して前記複数のウォータポンプの少なくとも1つへ電源を供給する制御部と、をさらに備えた請求項7記載の蓄電システム。
【請求項9】
前記制御ユニットは、複数の前記ウォータポンプと、複数の前記ウォータポンプそれぞれへの電源供給を切替える複数のスイッチと、
前記統括制御装置は、複数の前記ウォータポンプの稼動状況をから複数の前記ウォータポンプの寿命を演算し、前記演算の結果に応じて前記複数のスイッチを開閉して、複数の前記ウォータポンプから稼動するものを選択する制御部と、をさらに備えた請求項7記載の蓄電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−84486(P2012−84486A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231878(P2010−231878)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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