蓋部材
【課題】蓋部材のスライド変位操作および回転変位操作の同時操作を不可能とする。
【解決手段】蓋部材Lは、第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を規制し、スライドロッド70の操作に連動して該第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を許容する第1ロック機構E1と、第1蓋構成体20の倒伏姿勢において該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を規制し、オープンロッド71の操作に連動して該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を許容する第2ロック機構E2とを備える。スライドロッド70には、該スライドロッド70の操作時に第2ロック機構E2の動作を規制する第1規制機構F1が設けられる。第2ロック機構E2には、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70のスライド変位を規制する第2規制機構F2が設けられる。
【解決手段】蓋部材Lは、第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を規制し、スライドロッド70の操作に連動して該第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を許容する第1ロック機構E1と、第1蓋構成体20の倒伏姿勢において該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を規制し、オープンロッド71の操作に連動して該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を許容する第2ロック機構E2とを備える。スライドロッド70には、該スライドロッド70の操作時に第2ロック機構E2の動作を規制する第1規制機構F1が設けられる。第2ロック機構E2には、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70のスライド変位を規制する第2規制機構F2が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上方に開口する物品収納部を画成した本体部材の上部に支持された第1蓋構成体と、第1蓋構成体の上部にスライド変位可能に配設された第2蓋構成体とを備える蓋部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車には、乗員室内における前部シート間(運転席と助手席との間)のフロアに、身辺携帯品や車載常備品等(以下「物品」と云う)を出入れ可能に収納し得るコンソールボックスを設置したものがある。このコンソールボックスは、ボックス本体に上方に開口する物品収納部が画成され、ボックス本体の上部に、物品収納部を開閉可能な蓋部材を備えたものが実用化されている。そして蓋部材は、前部シート用のアームレストとして使用するよう構成したものもある。
【0003】
一方、自動車には、乗員室内における後部シートのシートバック(シートの背もたれ)に、シートクッションの上面へ回転させながら引き出して使用されるアームレストを装備したものもある。このアームレストは、シートバックに回転可能に取り付けられたアームレスト本体に、使用状態において上方に開口する物品収納部を画成したものがあり、腕を載せる腕受部材を蓋部材として物品収納部を開閉可能としている。
【0004】
図20(a)は、コンソールボックスCBに設けられた蓋部材L1を示す概略斜視図である。この蓋部材L1は、上方に開口する物品収納部130を画成した本体部材B1の上部に回転変位可能に配設された第1蓋構成体131と、この第1蓋構成体131の上面に前方へスライド変位可能に配設されてアームレストとして機能する第2蓋構成体132とを備えている。第1蓋構成体131の前端部には、本体部材B1に係脱可能な開閉操作ノブ133が配設され(図20(b))、第2蓋構成体132の前端部には、第1蓋構成体131に係脱可能なスライド操作ノブ134が配設されている(図20(c))。従って、開閉操作ノブ133を操作することで、第1蓋構成体131を第2蓋構成体132と共に回転変位させて本体部材B1の物品収納部130を開放することができ(図21(a))、スライド操作ノブ134を操作することで、第1蓋構成体131に対して第2蓋構成体132を前方へスライドさせて、該第2蓋構成体132の位置調整を行ない得る(図21(b))。
【0005】
また、本体部材の上部に回転変位可能に配設された第1蓋構成体の上面に、コンソールボックスの後方へスライド変位可能に配設した第2蓋構成体を備えた蓋部材も提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示されたコンソールボックスの蓋部材は、ボックス本体に回転可能に配設された第1蓋構成体としてのベースおよび該ベースにスライド可能に配設された第2蓋構成体としての蓋体とからなる。そして、蓋体の前端部に配設された第1ロック解除装置を操作することで、ボックス本体とベースとのロックを解除して該ベースを回転させることが可能であり、該蓋体に前端部に配設された第2ロック解除装置を操作することで、ベースと蓋体とのロックを解除して該蓋体を後方へスライドさせることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−237476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図20および図21に示す蓋部材L1では、図20(a)の状態で開閉操作ノブ133およびスライド操作ノブ134が横並びに配設される。しかし、両操作ノブ133,134を同時に操作することが可能となっており、第2蓋構成体132のスライド変位および第1蓋構成体131の回転変位が同時になされることを防止できない問題があった。一方、特許文献1のコンソールボックスにおける蓋部材も、図20および図21に示す蓋部材L1と同様に、開閉操作ノブとスライド操作ノブとを同時操作することが可能であり、蓋体の回転変位およびベースのスライド変位が同時になされることを防止し得ない問題を内在している。
【0008】
そこで本発明では、スライド変位操作を行なう第1操作部材と回転変位操作を行なう第2操作部材との同時操作を不能とした蓋部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明は、
上方に開口する物品収納部を有する本体部材の上部に、該物品収納部を開閉可能に配設された蓋部材であって、
前記本体部材の上部に回転可能に支持され、前記物品収納部に対して倒伏または起立する第1蓋構成体と、
前記第1蓋構成体の上側に該第1蓋構成体に沿ってスライド変位可能に配設され、該第1蓋構成体の回転変位に伴って回転変位する第2蓋構成体と、
前記第2蓋構成体にスライド変位可能に配設された第1操作部材と、
前記第2蓋構成体に、前記第1操作部材と横並びに位置して該第1操作部材と同一方向にスライド変位可能に配設された第2操作部材と、
前記第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を規制し、前記第1操作部材の操作に連動して該第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を許容する第1ロック機構と、
前記第1蓋構成体の倒伏姿勢において該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を規制し、前記第2操作部材の操作に連動して該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を許容する第2ロック機構と、
前記第1操作部材に設けられ、該第1操作部材の操作時に前記第2ロック機構の動作を規制する第1規制機構と、
前記第2ロック機構に設けられ、前記第2操作部材の操作時に前記第1操作部材のスライド変位を規制する第2規制機構とを備えたことを特徴とする。
【0010】
従って、請求項1に係る発明によれば、第1操作部材を操作した際には第2操作部材の操作が不能となり、第1操作部材を操作して第2蓋構成体をスライド変位させる際に、第1蓋構成体が本体部材に対して回転変位することがない。また、第2操作部材を操作した際には第1操作部材の操作が不能となり、第2操作部材を操作して第2蓋構成体を第1蓋構成体と共に回転変位させる際に、第2蓋構成体が第1蓋構成体に対してスライド変位することがない。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第1規制機構は、前記第1操作部材の非操作時に前記連係部材の揺動経路から外れ、第1操作部材の操作時に前記第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動方向に位置して該連係部材の揺動変位を阻むように延在する揺動阻止部を該第1操作部材に備えることを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、第1操作部材の非操作時には第2操作部材の操作が許容され、第1操作部材の操作時には、第1操作部材に備えた揺動阻止部により連係部材の揺動変位を阻むことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第2規制機構は、前記第2操作部材の非操作時に前記第1操作部材のスライド変位経路から外れ、第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動変位により第1操作部材のスライド変位経路に位置して該第1操作部材のスライド変位を阻むスライド阻止部を前記連係部材に備えることを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、第2操作部材の非操作時には第1操作部材の操作が許容され、第2操作部材の操作時には、連結部材に備えたスライド阻止部により第1操作部材のスライド変位を阻むことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第1規制機構の揺動阻止部は、前記第1操作部材の操作時に連係部材の上方変位する部位の上側に位置する第1係合部と、第1操作部材の操作時に連係部材の下方変位する部位の下側に位置する第2係合部とを有することを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、第1操作部材の操作時には、上側に位置する第1係合部および下側に位置する第2係合部からなる2つの係合部により、連係部材の揺動変位を確実に阻むことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第2規制機構のスライド阻止部は、前記第2操作部材の操作時に前記連係部材の上方変位する部位に設けられ、前記第1操作部材のスライド変位方向に位置する第1係止部と、該連係部材の下方変位する部位に設けられ、第1操作部材に設けられた係止受部に係止する第2係止部とを有することを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、第2操作部材の操作時には、第1操作部材のスライド変位方向に位置する第1係止部および第2操作部材に設けた係止受部に係止する第2係止部からなる2つの係止部により、第1操作部材のスライド変位を確実に阻むことができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、
前記第1ロック機構は、前記第1操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に揺動可能に設けられたスライドロック部材と、前記第1蓋構成体に設けられ、前記スライドロック部材に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合可能なロック部とを備え、
前記第1ロック機構は、前記スライドロック部材が第1操作部材の非操作時に前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合するよう保持される一方、第2操作部材の操作に連動して前記スライドロック部材が揺動して、前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向から外れて退避するよう構成されることを要旨とする。
従って、請求項6に係る発明によれば、第1操作部材の非操作時には、スライドロック部材とロック部とが係合して、第1蓋構成体に対する第2蓋構成体のスライド変位が規制される。また、第1操作部材の操作時には、スライドロック部材とロック部との係合が解除され、第1蓋構成体に対する第2蓋構成体のスライド変位が可能である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、
前記第2蓋構成体は、第1位置と、該第1位置から第1蓋構成体の回転支持側に向けて変位した第2位置との間でスライド変位するよう構成され、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に上下方向に揺動可能に設けられた連係部材と、第1位置にある第2蓋構成体の前記連係部材に重なる位置に配置して第1蓋構成体に設けられ、本体部材に対して係脱可能な開閉ロック部材とを備え、
前記第2ロック機構は、第2操作部材の非操作時に開閉ロック部材が本体部材に係合するよう保持される一方、第2操作部材の操作に連動して揺動する前記連係部材に開閉ロック部材が当接すると共に連結部材の揺動につれて該開閉ロック部材が本体部材から退避するよう構成されることを要旨とする。
従って、請求項7に係る発明によれば、第2操作部材の非操作時には、開閉ロック部材と本体部材とが係合して、本体部材に対する第1蓋構成体の回転変位が規制される。また、第2操作部材の操作時には、開閉ロック部材と本体部材との係合が解除され、本体部材に対する第1蓋構成体の回転変位が可能である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、
前記連係部材は、前記第2蓋構成体の前記第1位置以外において、前記開閉ロック部材と重なる位置から退避することを要旨とする。
従って、請求項8に係る発明によれば、第2蓋構成体が第1位置以外にある場合に、第2操作部材を操作しても開閉ロック部材と本体部材との係合が解除されず、第2蓋構成体のスライド変位時における第1蓋構成体の回転変位を規制し得る。
【0018】
請求項9に記載の発明は、
前記第1規制機構によって第1操作部材の操作時に第2操作部材の動作を規制するタイミングは、前記第2規制機構によって第2操作部材の操作時に第1操作部材の動作を規制するタイミングより早くなるように設定された設定されたことを要旨とする。
従って、請求項9に係る発明によれば、第1操作部材と第2操作部材とを同時に操作した場合には、第1操作部材の操作が許容されると共に第2操作部材の操作が不能となり、本体部材に対する第1蓋構成体の回転変位が規制されて、第1蓋構成体に対する第2蓋構成体をスライド変位だけが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る蓋部材によれば、第1操作部材の操作時には第2操作部材の操作が規制され、第2操作部材の操作時には第1操作部材の操作が規制されるので、蓋部材の回転変位およびスライド変位が同時になされることを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例の蓋部材を装備したアームレストの概略斜視図である。
【図2】アームレストに装備した蓋部材を、トップパネルを省略した状態で示す平面図である。
【図3】スライドアッパーパネルおよびスライドロアパネルと、第1ロック機構および第2ロック機構、第1規制機構および第2規制機構、補助解除機構を構成する各部材を示す斜視図である。
【図4】第1ロック機構および第2ロック機構、第1規制機構および第2規制機構、補助解除機構の構成を概略的に示す説明図である。
【図5】スライドロッドを操作することで、第1ロック機構が解除されると共に、オープンロッドが操作不能となった状態を示す説明図である。
【図6】(a)は、図5のVIa−VIa線断面図であり、(b)は、図5のVIb−VIb線断面図である。
【図7】オープンロッドを操作することで、第2ロック機構が解除されると共に、スライドロッドが操作不能になった状態を示す説明図である。
【図8】(a)は、図7のVIIIa−VIIIa線断面図であり、(b)は、図7のVIIIb−VIIIb線断面図である。
【図9】(a)は、図4のIXa−IXa線断面図であり、(b)は、図7のIXb−IXb線断面図である。
【図10】第2蓋構成体が通常位置にある場合の補助解除機構の状態を示す平面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】第2蓋構成体が延出位置にある場合の補助解除機構の状態を示す平面図である。
【図13】図12のY−Y線断面図である。
【図14】第2蓋構成体の延出位置で本体部材を回転変位させることで、補助解除機構により第1ロック機構が解除され、第2蓋構成体が通常位置へスライド変位することを示す説明図である、
【図15】図14のZ−Z線断面図である。
【図16】(a)は、アームレストを使用姿勢に引き出した状態を示す斜視図であり、(b)は、アームレストを収容部へ収容した状態を示す斜視図である。
【図17】(a)は、アームレストを収容部へ収容した状態を示す断面図であり、(b)は、アームレストを使用姿勢に引き出した状態を示す断面図である。
【図18】(a)は、蓋部材の第1蓋構成体を第2蓋構成体と共に回転変位させた状態を示す断面図であり、(b)は、蓋部材の第2蓋構成体を後方へスライド変位させた状態を示す断面図である。
【図19】(a)は、蓋部材の第2蓋構成体を後方へスライド変位させた状態で本体部材を回転変位させることで、補助解除機構の当接ロッドが収容部に当接することを示す断面図であり、(b)は、当接ロッドにより第1ロック機構が解除されて、第2蓋構成体が通常位置へ変位する状態を示す断面図である。
【図20】(a)は、スライド操作ノブおよび開閉操作ノブを備えた従来の蓋部材の一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)のWa−Wa線断面図であり、(c)は、(a)のWb−Wb線断面図である。
【図21】(a)第1蓋構成体を第2蓋構成体共に回転変位させた状態を示す断面図であり、(b)は、第1蓋構成体に対して第2蓋構成体を前方へスライドさせた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る蓋部材につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、図16に示すように、自動車の後部シートSにおけるシートバック(シートの背もたれ)S1の前側に配設されるアームレストARを例示し、このアームレストARに配設された蓋部材Lを例示する。なお、実施例においてアームレストARの前後とは、後部シートSにおけるシートクッションS2の座面上へ略水平状態に載置された状態における車両の前後方向を基準として指称し、左右とは、車両の前進方向を基準として指称する。すなわち図16(a)では、図中左下側が車両の前側で、図中右上側が車両の後側である。
【実施例】
【0022】
図1、図16および図17に示すように、実施例に係るアームレストARは、上方に開口する物品収納部10を画成すると共にスイッチボックスSUを配設した本体部材Bと、この本体部材Bの上部に配設される蓋部材Lとを備えている。蓋部材Lは、後述するように、本体部材Bに回転可能に支持された第1蓋構成体20と、この第1蓋構成体20の上側に該第1蓋構成体20に沿って本体部材Bの後方へのスライド変位が可能に配設され、該第1蓋構成体20と共に回転変位する第2蓋構成体21とを備えている。従って第2蓋構成体21は、第1蓋構成体20の本体部材Bへの倒伏状態において、前記物品収納部10およびスイッチボックスSUを閉成する「通常位置(第1位置)」(図17(b))と、この通常位置から後方(シートバックS1側)へスライド変位して、スイッチボックスSUを開放すると共に後端が本体部材Bの後端から後方へ延出した「延出位置(第2位置)」(図18(b))とに変位する。また蓋部材Lは、第1蓋構成体20の起立状態において物品収納部10を開放する「開放位置」(図18(a))に変位し得る。そしてアームレストARは、本体部材Bの後側下部が、左右側方へ延出した回転支軸11でシートバックS1に対して枢支されており、シートバックS1に設けた収容部12に収容した収容姿勢(図16(b)、図17(a))と、収容姿勢から引き出してシートクッションS2の座面に載置して略水平姿勢で前方へ延出する使用姿勢(図16(a)、図17(b))との間で回転可能となっている。
【0023】
本体部材Bは、図1および図9に示すように、略矩形の箱体状に構成され、前側部分に飲料容器を収容保持可能な容器ホルダCH,CHが形成され、これら容器ホルダCH,CHの後側にスイッチボックスSUが配設されている。そして、スイッチボックスSUの後方には、上方に開口した前記物品収納部10が画成されている。なお、容器ホルダCH,CHは蓋部材Lに覆蓋されず、スイッチボックスSUおよび物品収納部10が蓋部材Lに覆蓋されるようになっている。従って、容器ホルダCH,CHが配設された本体部材Bの前側部分は、スイッチボックスSUおよび物品収納部10が配設および画成された部分より上方へ突出している。
【0024】
蓋部材Lは、図1〜図9に示すように、本体部材Bの上部後端側に回転軸22で回転可能に配設された前記第1蓋構成体20と、この第1蓋構成体20の上部にスライドレールRを介して配設され、該第1蓋構成体20に沿って本体部材Bの前後方向へのスライド変位が可能な前記第2蓋構成体21とを備えている。
【0025】
第1蓋構成体20は、図3、図6、図9および図11に示すように、本体部材Bに回転軸22を介して枢支される金属製のアンダープレート23と、このアンダープレート23の上面に取り付けられる合成樹脂製のスライドロアパネル(ロアパネル)24とを備えている。アンダープレート23は、スチール等の板材からプレス成形されたトレー形状の部材であり、物品収納部10の上部開口に臨む底板部23Aと、この底板部23Aの前端縁から斜め上方へ折曲されて左右に延在する前板部23Bと、底板部23Aの左右両端縁から上方へ折曲されて前後方向へ延在する側板部23C,23Cとを有している(図6、図9参照)。左右の側板部23C,23Cの前側部分には、後述するオープンロックピン(開閉ロック部材)110,110の係合突部113,113が挿通する開口部25,25が形成されている(図9)。
【0026】
スライドロアパネル24は、図3および図6に示すように、合成樹脂素材からインジェクション成形されたトレー状の成形部材であり、アンダープレート23の底板部23Aに上方から整合する底板部24Aと、その前縁部および左右側縁部にリブが形成されている。底板部24Aの左端近傍および右端近傍には、上方へ膨出すると共に前後方向へ延在するレール取付部26,26が形成されている。これらレール取付部26,26の上面には、前後方向へ延在する第1スライドレールR1,R1が敷設されている。また、底板部24Aの左右中央には、前後方向へ延在するリブ壁27が突設されており、このリブ壁27の前端近傍には、後述するスライドロックアーム(スライドロック部材)90の係合ピン94が係合する第1係合部(ロック部)28が形成され、該リブ壁27の前後方向における中央やや後方には、該係合ピン94が係合する第2係合部(ロック部)29が形成されている。すなわち、第1係合部28および第2係合部29は、第2蓋構成体21のスライド変位方向と交差する左右方向へ延在している。また、リブ壁27の右縁には、前後方向へ延在するラックギア30が形成されており、後述するスライドアッパーパネル(アッパーパネル)40に設けたピニオンギア62が噛合するようになっている。なお、リブ壁27の前端部には、第1係合部28から左側方へ延長形成したストッパ部34が形成されている。
【0027】
そして、スライドロアパネル24の前端における左右両側の隅角部には、底板部24Aおよび側方へ開口した挿通口31,31が形成されている。また、スライドロアパネル24の前端における両挿通口31,31間には、各々の挿通口31,31に隣接する支持リブ32,32が形成されている。これら支持リブ32,32には、図3および図9に示すように、オープンロックピン110の支持ピン114が上方から左右方向へ延在する向きで嵌合するようになっている。従って、各々の支持リブ32に支持ピン114を嵌合させた状態で配設された各オープンロックピン110は、図9に示すように、支持ピン114の延在方向である左右方向へスライド変位が可能となっている。なお支持リブ32内には、図3に示すように、支持ピン114に外挿された圧縮コイルバネ33が配設されており、両オープンロックピン110,110は、互いに離間する左右の側外方へ付勢されている。
【0028】
第2蓋構成体21は、図1〜図3および図11に示すように、前記スライドロアパネル24にスライドレールRを介して配設される合成樹脂製の前記スライドアッパーパネル40と、このスライドアッパーパネル40の上面に取り付けられる合成樹脂製のトップパネル41とを備えている。スライドアッパーパネル40は、図3に示すように、合成樹脂素材からインジェクション成形されたトレー状の成形部材であり、スライドロアパネル24に上方から対向する底板部40Aと、この底板部40Aの外周縁に沿って形成されたリブ40Bとを備えている。底板部40Aの左右上面や中央上面には格子状のリブが形成されており、アームレストとして機能する際に必要な剛性が確保されている。底板部40Aの左端近傍および右端近傍には、上方へ膨出すると共に前後方向へ延在するレール取付部42,42が形成されている。これらレール取付部42,42の底面には第2スライドレールR2,R2が敷設されており、これら第2スライドレールR2,R2は、スライドロアパネル24に設けた前記第1スライドレールR1,R1にスライド可能に係合する。従ってスライドアッパーパネル40は、第1スライドレールR1,R1および第2スライドレールR2,R2の摺動により、スライドロアパネル24に対して前後方向へのスライド変位が可能となっている。
【0029】
スライドアッパーパネル40の前側部分は、横長の前面開口部43が形成されている。そして、底板部40Aの前側部分には、後述するスライドロッド(第1操作部材)70を配設する第1配設領域44およびオープンロッド(第2操作部材)71を配設する第2配設領域45が、横並びに確保されている(図3参照)。第1配設領域44には、底板部40Aの前記前面開口部43に臨む部位に、上方へ突出すると共に前後方向へ延在するよう設けた第1ガイドリブ49と、底板部40Aにおける第1ガイドリブ49の後方に、左右方向および前後方向へ離間して配置された合計4個の第1ガイド溝部50とが設けられている。また第2配設領域45には、底板部40Aの前記前面開口部43に臨む部位に、上方へ突出すると共に前後方向へ延在するよう設けた第2ガイドリブ51と、底板部40Aにおける第2ガイドリブ51の後方に、左右方向に離間して配設され合計2個の第2ガイド溝部52とが設けられている。従ってスライドロッド70は、第1ガイドリブ49および各第1ガイド溝部50に係合することで、スライドアッパーパネル40の前後方向へのスライド変位が可能に配設されると共に、オープンロッド71は、第2ガイドリブ51および各第2ガイド溝部52に係合することで、スライドアッパーパネル40の前後方向へのスライド変位が可能に配設される。
【0030】
底板部40Aの略中央には、後述する第1ロック機構E1を構成するスライドロックアーム(スライドロック部材)90を配設する第3配設領域46が設けられている(図3参照)。この第3配設領域46には、スライドロックアーム90を回転可能に支持する第1支持ピン53が立設されていると共に、該スライドロックアーム90に設けた係合ピン94が挿通する開口部54が形成されている。そして、スライドロックアーム90を係合姿勢に位置決めする位置決めリブ55が形成されている。また、底板部40Aにおける第1配設領域44の右側および第2配設領域45の左側(底板部40Aの左右両端近傍)には、後述する第2ロック機構E2を構成するオープンアーム(連係部材)100を配設する第4配設領域47が設けられている。この第4配設領域47には、オープンアーム100を揺動可能に支持する揺動支持部56,56が立設されている。また、底板部40Aにおける前記第1ガイド溝部50と第2ガイド溝部52との間には、オープンアーム100に遊嵌状態で係合する第2支持ピン57が立設されている。更に、各レール取付部42,42の前端側方には、オープンアーム100に設けた当接片105,105が遊嵌状態で挿通可能な開口部65,65が形成されている。
【0031】
底板部40Aの後側部分における左右略中央(第3配設領域46の後方)には、後述する補助解除機構Gを構成する当接ロッド120が配設される第5配設領域48が設けられている。この第5配設領域48は、左右方向に離間して前後方向へ延在する第3ガイド溝部58,58が設けられると共に、第3配設領域46に臨む部位に挿通口59が形成されている。従って当接ロッド120は、第3ガイド溝部58,58に係合すると共に挿通口59に挿通した状態で、スライドアッパーパネル40の前後方向へのスライド変位が可能に配設される。図3中の符号60,60は、後述する引張りコイルバネ61,61の一端側を掛止する掛止ピンである。更に、第3配設領域46と第4配設領域47の境界部分における右側には、前記ピニオンギア62が配設されている。また、図2に示すように、底板部40Aにおける左右両側の前端近傍には、第2蓋構成体21がスライド変位する際に本体部材Bの上面を転動する回転体63,63が回転自在に配設されている。なお符号64は、スライドロアパネル24の前部左側に設けた固定部66に連結される公知の定張力バネ(図示省略)を構成する巻取回転体であり、延出位置に保持されていた第2蓋構成体21を、この定張力バネの付勢力により通常位置へ一定速度で自動的にスライド変位させ得る。
【0032】
トップパネル41は、スライドアッパーパネル40を全体的に被覆する大きさに形成された合成樹脂製の成形部材であり、該スライドアッパーパネル40に対しビス等により取り付けられている。トップパネル41の上面には、ウレタンウォームやスポンジ等の弾性体15が配設されると共に、この弾性体15の外面には、合成樹脂製、編布、織布、不織布または本革等からなる表皮材16が配設されている。従ってトップパネル41は、腕を載せるためのアームレスト部として機能する。
【0033】
実施例のアームレストARにおける蓋部材Lは、図2〜図9に示すように、第1操作部材としての前記スライドロッド70が、第2蓋構成体21にスライド変位可能に配設されると共に、該第2蓋構成体21には、スライドロッド70と横並びに位置する第2操作部材としての前記オープンロッド71が、該スライドロッド70と同一方向にスライド変位可能に配設されている。そして蓋部材Lは、第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を規制し、スライドロッド70の操作に連動して該第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を許容する第1ロック機構E1を備えている。また蓋部材Lは、第1蓋構成体20の倒伏姿勢において該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を規制し、オープンロッド71の操作に連動して該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を許容する第2ロック機構E2を備えている。更に蓋部材Lは、スライドロッド70に設けられ、該スライドロッド70の操作時に第2ロック機構E2の前記オープンアーム100の姿勢変位を規制する第1規制機構F1を備えている。更に蓋部材Lは、第2ロック機構E2のオープンアーム100に設けられ、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70のスライド変位を規制する第2規制機構F2を備えている。また更に蓋部材Lは、第2蓋構成体21が収容部12に当接した際に第1ロック機構E1を解除する補助解除機構Gを備えている。
【0034】
スライドロッド70は、図3および図4に示すように、略矩形状の本体部72と、本体部72の後端から後方へ延出したロッド部73とを備えている。本体部72の前側には、操作時に指先に接触するカバー部材74が装着されている。本体部72の底部には、スライドアッパーパネル40の第1配設領域44に設けた前記第1ガイドリブ49に摺接可能な第1ガイド溝75が、スライドロッド70の前後方向へ延在するよう形成されている(図4)。更に、本体部72の後端上部には、前記オープンアーム100の前端縁に設けた当接端部(第1係止部)108に当接および係合が可能な係合突片部(第1係合部)76が、該本体部72から後方へ延出した状態に形成されている。この係合突片部76は、第1規制機構F1を構成する。
【0035】
一方、スライドロッド70のロッド部73の左右側端には、スライドアッパーパネル40の第1配設領域44に設けた前記第1ガイド溝部50に摺接可能な第1ガイド突片77,77が、左右側方へ延出すると共にスライドロッド70の前後方向へ延在するよう形成されている(図3、図4)。また、ロッド部73の後部に形成された膨出部73Aの左側面には、前記スライドロックアーム90に設けた第1当接部92に当接可能な当接突端部78が、左外方へ延出した状態に形成されている。すなわち当接突端部78は、ロッド部73の後端から前方に向かうにつれて左外方へ徐々に延出する傾斜状に形成されている。更に、ロッド部73における膨出部73Aの前方には、係合リブ(第2係合部)79が設けられている。この係合リブ79は、後述するようにオープンアーム100に設けた突状係合部(第2係止部)107と当接および係合可能となっている。
【0036】
このように構成されたスライドロッド70は、第1ガイド溝75を第1ガイドリブ49に係合させると共に、左右の各第1ガイド突片77,77を対応する第1ガイド溝部50,50へ係合させることで、カバー部材74が前面開口部43の右側開口部分に整合した状態でスライドアッパーパネル40の第1配設領域44に配設される(図3)。そしてスライドロッド70は、非操作姿勢(図4)と、非操作姿勢から後方へスライド変位した操作姿勢(図5)との間で、スライド変位可能となっている。
【0037】
オープンロッド71は、図3および図4に示すように、略横長矩形状の本体部82と、本体部82の後端から後方へ延出したロッド部83とを備えている。本体部82の前側には、操作時に指先に接触するカバー部材84が装着されている。本体部82の底部には、スライドアッパーパネル40の第2配設領域45に設けた前記第2ガイドリブ51に摺接可能な第2ガイド溝85が、オープンロッド71の前後方向へ延在するよう形成されている(図4)。更に、本体部82の後端上部には、図4および図6(b)に示すように、前記オープンアーム100の下面前端に突設した当接突部102,102が当接可能な当接面部86,86が、後方に向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜状に形成されている。一方、ロッド部83の左右側端には、スライドアッパーパネル40の第2配設領域45に設けた前記第2ガイド溝部52に摺接可能な第2ガイド突片87が、左右側方へ延出すると共にオープンロッド71の前後方向へ延在するよう形成されている(図3、図4)。
【0038】
このように構成されたオープンロッド71は、第2ガイド溝85を第2ガイドリブ51に係合させると共に、左右の各第2ガイド突片87,87を対応する第2ガイド溝部52,52へ係合させることで、カバー部材84が前面開口部43の左側開口部分に整合した状態でスライドアッパーパネル40の第2配設領域45に配設される(図3)。そしてオープンロッド71は、非操作姿勢(図4)と、非操作姿勢から後方へスライド変位した操作姿勢(図7)との間で、スライド変位可能となっている。
【0039】
第1ロック機構E1は、スライドロッド70のスライド変位経路上に位置して、第2蓋構成体21のスライドアッパーパネル40に揺動可能に設けられた前記スライドロックアーム90と、第1蓋構成体20のスライドロアパネル24に設けられ、スライドロックアーム90に対して第2蓋構成体21のスライド変位方向で係合可能な第1係合部28および第2係合部29とを備えている。スライドロックアーム90は、図3および図4に示すように、前端側が前記第1支持ピン53に枢支されたアーム本体91と、アーム本体91の右端に設けた第1当接部92と、アーム本体91の後端に設けた第2当接部93と、アーム本体91の下面後端側に下方へ突出した状態に設けた係合ピン94を備えている。アーム本体91の前端側には、第1支持ピン53が挿通する支持孔95が形成されている。従ってスライドロックアーム90は、第1支持ピン53を中心として水平方向への揺動変位が可能に配設され、係合ピン94と各係合部28,29とが第2蓋構成体21のスライド変位方向に係合する係合姿勢(図4、図7)と、スライドロッド70の操作に連動して係合姿勢から後端が左側へ変位するよう揺動して、各係合部28,29に対して第2スライド変位方向より外れて退避する非係合姿勢(図5、図14)との間で変位する。
【0040】
第1当接部92は、図4および図5に示すように、スライドロッド70に設けた傾斜状の前記当接突端部78に対応して、スライドロックアーム90の前端から後端に向かうにつれて右外方へ延出する傾斜状に形成されている。そして第1当接部92は、図4に示すように、スライドロックアーム90の係合姿勢において、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位における当接突端部78の移動経路に交差するように設けられている。また第1当接部92は、スライドロックアーム90の係合姿勢およびスライドロッド70の非操作姿勢において、当接突端部78と対向して当接するように設けられている。従って、スライドロッド70を非操作姿勢から操作姿勢へスライド変位させると、当接突端部78と第1当接部92との当接下に、スライドロックアーム90が係合姿勢から非係合姿勢へ揺動変位する(図5)。
【0041】
第2当接部93は、図4および図10に示すように、前記補助解除機構Gを構成する当接ロッド120に設けた傾斜状の前端当接部(第2当接部)124に対応して、スライドロックアーム90の後端から前方に向かうにつれて右外方へ延出する傾斜状に形成されている。そして第2当接部93は、図4および図14に示すように、スライドロックアーム90の係合姿勢から非係合姿勢までの間において、当接ロッド120の前進位置へのスライド変位における前端当接部124の移動経路に交差するように設けられている。従って、当接ロッド120が後進位置から前進位置へスライド変位する際に、前端当接部124と第2当接部93との当接下に、スライドロックアーム90が係合姿勢から非係合姿勢へ揺動変位するようになる(図14)。
【0042】
係合ピン94は、図4および図11等に示すように、スライドアッパーパネル40の底板部40Aに設けた前記開口部54を介し、スライドロアパネル24の底板部40Aに向けて下方へ延出している。開口部54は、係合姿勢および非係合姿勢の間をスライドロックアーム90が揺動変位する際に、これに伴って移動する係合ピン94と接触しない形状、サイズに形成されている。係合ピン94は、第2蓋構成体21が通常位置にある場合で、スライドロックアーム90の係合姿勢においては、スライドロアパネル24に設けた前記第1係合部28の前側に位置し(図4)、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第1係合部28の前側から左側へ退避する(図5)。従って、第2蓋構成体21が通常位置にある場合で、スライドロックアーム90の係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第1係合部28と交差するので、該第2蓋構成体21の延出位置へのスライド変位が規制される。また、第2蓋構成体21が通常位置にある場合で、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第1係合部28と交差しないので、該第2蓋構成体21の延出位置へのスライド変位が許容される。
【0043】
また係合ピン94は、第2蓋構成体21が延出位置にある場合で、スライドロックアーム90が係合姿勢においては、スライドロアパネル24に設けた前記第2係合部29の後側に位置し(図12)、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第2係合部29の後側から左側へ退避する(図14)。従って、第2蓋構成体21が延出位置にある場合で、スライドロックアーム90の係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第1係合部28と交差するので、該第2蓋構成体21の通常位置へのスライド変位が規制される。また、第2蓋構成体21が延出位置にある場合で、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第2係合部29と交差しないので、該第2蓋構成体21の通常位置へのスライド変位が許容される。
【0044】
第1支持ピン53には、スライドロックアーム90を係合姿勢に向けて付勢する捻りバネ96が配設されている。この捻りバネ96の一方の脚部は、スライドロアパネル24の底板部40Aに係止され、該捻りバネ96の他方の脚部は、スライドロックアーム90の右端に係止されている。すなわち捻りバネ96は、スライドロックアーム90を係合姿勢に向けて付勢している。なお、捻りバネ96の付勢力によりスライドロックアーム90が係合姿勢に向けて付勢されることで、スライドロッド70が非操作姿勢に付勢保持される。
【0045】
第2ロック機構E2は、オープンロッド71のスライド変位上に位置して第2蓋構成体21に上下方向に揺動可能に設けられた前記オープンアーム100と、通常位置(第1位置)にある第2蓋構成体21のオープンアーム100に重なる位置に配置して第1蓋構成体20に設けられ、オープンアーム100と連結可能で本体部材Bに対して係合可能な前記オープンロックピン110,110とを備えている。オープンアーム100は、図2〜図4に示すように、スライドアッパーパネル40の左右方向に延在し、横長の本体部100Aと該本体部100Aの左側後端および右側後端から後方へ夫々延出したアーム部100B,100Bとが一体的に形成された横長のプレート状部材である。そして、本体部100Aの左側端縁および右側端縁の前後中間部には、左外方および右外方へ夫々延出する揺動支持ピン101,101が、左右方向の同一軸線状に形成されている。これら揺動支持ピン101,101は、スライドアッパーパネル40に設けた前記揺動支持部56,56の支持孔56A,56Aに夫々挿通支持される。これによりオープンアーム100は、スライドロッド70およびオープンロッド71の上方で両ロッド70,71のスライド変位経路上に配置されて、揺動支持ピン101,101を揺動中心としてスライドロッド70のスライド変位方向に離間する前端縁および後端縁が互いに反対側に揺動するように支持される。すなわちオープンアーム100は、略水平状態の連結姿勢(図6)と、この連結姿勢から本体部100Aの揺動支持ピン101より前側部分が上方変位する共に該本体部100Aの揺動支持ピン101より後側部分が下方変位した後下がり傾斜状態の連結解除姿勢(図8)との間で、上下方向に揺動変位が可能となっている。なお、オープンアーム100の連結姿勢とは、後述するように、係合突部113と本体部材Bの係合段部116とが連結した状態とする姿勢であり、オープンアーム100の連結解除姿勢とは、係合突部113と係合段部116との連結が解除された状態とする姿勢である。
【0046】
図3および図6(b)に示すように、オープンアーム100の下面前縁においてオープンロッド71に対向する位置には、当接突部102,102が下方へ突出した状態に形成されており、これら当接突部102,102は、該オープンロッド71の当接面部86,86に当接するようになっている。各当接突部102,102は、図6(b)に示すように、前記揺動支持ピン101の揺動中心より前方に位置している。そして各当接突部102,102は、オープンロッド71の非操作姿勢で、かつオープンアーム100の連結姿勢において、対応する当接面部86,86の下縁近傍に当接する(図6(b))。また各当接突部102,102は、オープンロッド71の操作姿勢で、かつオープンアーム100の連結解除姿勢において、対応する当接面部86,86の上縁近傍に当接する(図8(b))。従って、オープンロッド71を非操作姿勢から操作姿勢へスライド変位させると、各当接突部102,102が対応する当接面部86,86の傾斜面に当接しながら上方へ摺動して、オープンアーム100が連結姿勢から連結解除姿勢へ揺動するようになっている。
【0047】
また、オープンアーム100の後端における左右中央には、三角庇状に後方へ延出した作用片部103が形成されている。作用片部103の後端近傍には挿通孔103Aが形成されており、スライドアッパーパネル40に突設した前記第2支持ピン57が、該挿通孔103Aに遊嵌状態で挿通している。この作用片部103は、オープンアーム100の連結姿勢において後方へ略水平に延出し(図6(b))、オープンアーム100の連結解除姿勢において後下方へ傾斜した状態に延出し(図8(b))、第2支持ピン57の位置での該作用片部103と底板部40Aとの間隔は連結解除姿勢において最小となる。そして第2支持ピン57には、図3および図6(b)に示すように、作用片部103および底板部40Aとにより圧縮状態とされた圧縮コイルバネ104が配設されている。すなわち圧縮コイルバネ104は、作用片部103を介してオープンアーム100を連結解除姿勢に向けて付勢するようになる。なお、圧縮コイルバネ104の付勢力によりオープンアーム100が連結姿勢に付勢されることで、オープンロッド71が非操作姿勢に付勢保持される。
【0048】
前記アーム部100B,100Bの下面後端には、図3、図4および図6(b)に示すように、スライドアッパーパネル40に設けた前記開口部65,65を介して、前記オープンロックピン110,110に向け延出する当接片105,105が突設されている。これら当接片105,105は、図9(a)に示すように、オープンアーム100の連結姿勢において、対応のオープンロックピン110,110の傾斜当接面112,112の上方に位置するようになっている。従って各オープンロックピン110,110は、オープンアーム100の連結姿勢で、係合突部113が本体部材Bの係合段部116に係合した状態に保持される。また当接片105,105は、図9(b)に示すように、オープンアーム100の連結解除姿勢において、アーム部100B,100B先端の下方への変位により、対応のオープンロックピン110,110の傾斜当接面112,112に上方から当接する。これにより各オープンロックピン110,110は、当接片105,105の下方への移動に伴って互いに近接する方向へスライドし、係合突部113と本体部材Bの係合段部116との係合が解除された状態に移動する。すなわち第2ロック機構E2は、オープンロッド71の非操作時に、オープンロックピン110,110が本体部材Bに係合するよう保持される一方、オープンロッド71の操作に連動して揺動変位したオープンアーム100がオープンロックピン110,110に連結することで、該オープンロックピン110,110と本体部材Bとの連結を解除するよう構成されている。
【0049】
また、オープンアーム100の後端右側には、図3および図4に示すように、後方へ延出した延出片部106が形成されている。そして、延出片部106の後端には、下方へ鉤状に突出した突状係合部107が形成されている。この突状係合部107は、図6(a)に示すように、スライドロッド70の非操作姿勢において、該スライドロッド70に設けた前記係合リブ79の後方(スライドロッド70のスライド方向前側)に位置する孔(係止受部)80に上方から整合する。また突状係合部107は、図8(a)に示すように、スライドロッド70の操作姿勢において、係合リブ79に上方から対向的に整合するようになっている。
【0050】
前記オープンロックピン110は、図3および図9に示すように、前記傾斜当接面112を備えた本体部111の下方に、本体部材Bの係合段部116に向けて延出する係合突部113を備える。また、本体部111の上方に、係合突部113と反対方向へ延出する支持ピン114を備えている。そして、図9に示すように、アンダープレート23に設けた開口部25に係合突部113が係合すると共に、スライドロアパネル24に設けた支持リブ32に係止ピン114が嵌合することで、オープンロックピン110は第1蓋構成体20にスライド変位可能に支持される。
【0051】
実施例の蓋部材Lでは、スライドロッド70の操作時にオープンロッド71の動作を規制する前記第1規制機構F1を構成する揺動阻止部として、スライドロッド70の本体部72に設けた前記係合突片部(第1係合部)76と、同じくスライドロッド70のロッド部73に設けた前記係合リブ(第2係合部)79とを備えている。係合突片部76は、図4および図8(a)に示すように、スライドロッド70の非操作時(非操作姿勢時)に、オープンアーム100の揺動経路から外れるようになり、オープンロッド71の操作によるオープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を許容する。また係合突片部76は、図5および図6(a)に示すように、スライドロッド70の操作時(操作姿勢時)に、オープンアーム100の揺動方向上側に位置して、該オープンアーム100の当接端部108と上下方向において交差するように延在する。従って係合突片部76は、オープンアーム100が連結姿勢から連結解除姿勢に向けて揺動変位する途中において、該オープンアーム100の前端部における当接端部108に上方から当接して、オープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を阻む。
【0052】
また係合リブ79は、図4および図8(a)に示すように、スライドロッド70の非操作時に、オープンアーム100に設けた突状係合部107の揺動経路から外れるようになり、オープンロッド71の操作によるオープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を許容する。また係合リブ79は、図5および図6(a)に示すように、スライドロッド70の操作時に、オープンアーム100の揺動方向下側に位置して、突状係合部107と上下方向において交差(対向)するように延在する。従って係合リブ79は、オープンアーム100が連結姿勢から連結解除姿勢に向けて揺動変位する途中において突状係合部107に当接して、オープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を阻む。
【0053】
従って実施例の蓋部材Lは、前記第1規制機構F1を設けたことで、スライドロッド70の操作時に、オープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を阻止して、オープンロッド71の操作を規制することができる。すなわち、スライドロッド70を操作して第2蓋構成体21を後方へスライド変位させた際には、オープンロッド71を操作して第1蓋構成体20が本体部材Bに対して回転変位することを不可能とする。しかも、係合突片部76および係合リブ79からなる2つの係合部により、オープンアーム100の揺動変位を阻むようになっているので、スライドロッド70の操作時にオープンロッド71の操作を確実に不能とし得る。
【0054】
また、実施例の蓋部材Lでは、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70の動作を規制する前記第2規制機構F2を構成するスライド阻止部として、オープンアーム100の前端部に設けた当接端部(第1係止部)108と、同じくオープンアーム100に設けた前記突状係合部107(第2係止部)とを備えている。当接端部108は、図4および図6(a)に示すように、オープンロッド71の非操作時に、オープンアーム100が連結姿勢に保持されることで、スライドロッド70に設けた前記係合突片部76のスライド変位経路から外れるようになり、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を許容する。また当接端部108は、図7および図8(a)に示すように、オープンロッド71の操作時に、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70の係合突片部76のスライド変位経路に位置して、該係合突片部76と前後方向において交差するように延在する。従って当接端部108は、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70を操作した場合にスライドロッド70の係合突片部76が該当接端部108に当接して、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を阻む。
【0055】
また突状係合部107は、図4および図6(a)に示すように、オープンロッド71の非操作時に、オープンアーム100が連結姿勢に保持されることで、スライドロッド70に設けた前記係合リブ79のスライド変位経路から外れるようになり、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を許容する。また突状係合部107は、図7および図8(a)に示すように、オープンロッド71の操作時に、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70の前記孔80に突入して係合リブ79のスライド変位経路に位置し、該係合リブ79と前後方向において交差するように延在する。従って突状係合部107は、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70を操作した場合にスライドロッド70の係合リブ79が該突状係合部107に当接して、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を阻む。
【0056】
従って実施例の蓋部材Lは、前記第2規制機構F2を設けたことで、オープンロッド71の操作時に、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位して、スライドロッド70の操作を規制することができる。すなわち、オープンロッド71を操作して第1蓋構成体20を本体部材Bから回転変位させる際には、スライドロッド70を操作して第2蓋構成体21を後方へスライド変位させることが不可能となる。しかも、当接端部108および突状係合部107からなる2つの係止部により、スライドロッド70のスライド変位を阻むようになっているので、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70の操作を確実に不能とし得る。
【0057】
そして、第1規制機構F1によってスライドロッド70の操作時にオープンロッド71の動作を規制するタイミングは、第2規制機構F2によってオープンロッド71の操作時にスライドロッド70の動作を規制するタイミングより早くなるように設定されている。すなわち、スライドロッド70とオープンロッド71とを、同時に操作開始すると共に同一速度でスライド変位させた場合に、スライドロッド70の係合突状部76がオープンアーム100の当接端部108と上下方向において交差するように延在するタイミングが、オープンアーム100の当接端部108がスライドロッド70の係合突片部76のスライド変位経路に位置するタイミングより早くなる。これは、スライドロッド70の非操作時における該スライドロッド70の係合突状部76後端とオープンアーム100の当接端部108前端との前後方向でのクリアランスC1が微小であるのに対し(図2、図4参照)、オープンロッド71の非操作時におけるオープンアーム100の当接端部108上端とスライドロッド70の係合突状部76下端との上下方向でのクリアランスC2を、前記クリアランスC1より大きく設定してあるためである(図6)。従って、スライドロッド70とオープンロッド71とを、同時に操作開始すると共に同一速度でスライド変位させた場合には、オープンロッド71の操作が不能となるのに対し、スライドロッド70の操作は規制されないので、第1ロック機構E1のみが解除されて、第1蓋構成体20に対する第2蓋構成体21のスライド変位のみが可能となるよう構成されている。
【0058】
前記補助解除機構Gは、図2および図3に示すように、スライドアッパーパネル40に設けた第5配設領域48にスライド変位可能に設けられた当接ロッド120を備えている。この当接ロッド120は、合成樹脂素材からインジェクション成形された角棒状の一体成形部材であって、スライドアッパーパネル40の前後長の約1/2程度の長さに形成されている。より具体的には、図14に示すように、第1ロック機構E1の係合ピン94と第2係合部29との係合を解除する位置まで該当接ロッド120が前方へスライド変位した状態において、該当接ロッド120の後端部が第2蓋構成体21の後端から外方へ突出するように、当接ロッド120の長さが設定されている。
【0059】
当接ロッド120における左右の側端部には、第5配設領域48に設けた前記第3ガイド溝部58,58に係合するよう側外方へ延出したスライド片部121,121が、該当接ロッド120の長さ方向へ所定の間隔をおいて形成されている。従って当接ロッド120は、各スライド片部121,121が第3ガイド溝部58,58に沿って摺動することで、第2蓋構成体21からの延出量が大きくなった後進位置(図10、図11)と、第1ロック機構E1のスライドロックアーム90を非係合姿勢へ姿勢変位可能な前進位置(図14、図15)との間でスライド変位が可能となっている。なお符号122,122は、スライドアッパーパネル40に設けた前記掛止ピン60,60に一端側を掛止した引張りコイルバネ61,61の他端側を掛止する掛止部である。すなわち当接ロッド120は、引張りコイルバネ61,61の付勢力により常に後進位置に向けて付勢されており、掛止部122,122がスライドアッパーパネル40に設けた挿通口59の開口端縁に当接することで、当接ロッド120が前記後進位置に保持される。
【0060】
当接ロッド120の後端部には、シートバックS1に設けた前記収容部12の後壁に当接する後端当接部123が設けられている。この後端当接部123は、図10および図11に示すように、当接ロッド120がスライドアッパーパネル40に配設された状態で、常に第2蓋構成体21の後端から後方へ突出している。従って、第2蓋構成体21が延出位置へスライド変位して本体部材Bの後縁から後側へ突出した状態において(図12、図13)、本体部材Bを使用姿勢から収容姿勢へ回転変位する際に、該第2蓋構成体21の後端が収容部12の後壁に接触する前に、当接ロッド120の後端当接部123が該収容部12の後壁に当接するようになっている(図14、図15)。なお後端当接部123は、球体形状に形成されており、本体部材Bの回転変位に際して収容部12の後壁に接触しながら移動する際に、該後端当接部123が該収容部12に引っ掛かることが防止される。
【0061】
当接ロッド120の前端部には、スライドロックアーム90の第2当接部93に当接する前端当接部(当接部)124が設けられている。この前端当接部124は、図3および図10に示すように、当接ロッド120の前端側から後端側に向かうに従い、スライドロックアーム90側へ近接するよう傾斜状に形成されている。すなわち前端当接部124は、スライドロックアーム90の係合ピン94が各係合部28,29から退避する方向(スライドロックアーム90の係合姿勢から非係合姿勢への姿勢変位方向)に向かうにつれて、収容部12側へ偏倚するよう斜めに形成されている。そして、当接ロッド120が前方へスライド変位する際に、前端当接部124と当接するようになっている。これにより、前述したように、前端当接部124が第2当接部93に当接しながら当接ロッド120が後進位置から前進位置に向けてスライド変位すると、該当接ロッド120のスライド変位に伴い、スライドロックアーム90が係合姿勢から非係合姿勢へ揺動変位する。
【0062】
従って、第2蓋構成体21が延出位置にある場合において、当接ロッド120の当接によりスライドロックアーム90が非係合姿勢へ揺動変位すると、係合ピン94が第2係合部29の後側から左側へ退避し(図14)、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第2係合部29と交差しないので、該第2蓋構成体21の通常位置へのスライド変位が許容される。すなわち、第2蓋構成体21を第1ロック機構E1により後進位置に保持したもとで、本体部材Bを使用姿勢から収容姿勢へ回転変位させた際には、第2蓋構成体21が延出位置から通常位置へスライド変位するため、本体部材Bの回転変位が許容されてアームレストARを収容部12へ収容することが許容される。また、第2蓋構成体21が通常位置へスライド変位することで、該第2蓋構成体21の後端が収容部12の後壁と強く当接することがなくなり、蓋部材Lの破損等も好適に防止し得る。従って、アームレストARを収容部12へ収容するに先立ち、延出位置に保持されていた第2蓋構成体21を通常位置へ戻す必要がなく、アームレストARを簡易に収容部12へ収容し得る。
【0063】
(実施例の作用)
実施例のアームレストARは、本体部材Bに設けたスイッチボックスSUのスイッチ操作を行なう場合は、スライドロッド70を操作して、第2蓋構成体21を後方へスライド変位させる(図18(b))。これにより、第2蓋構成体21で覆蓋されていたスイッチボックスSUが外方へ露出し、所要のスイッチ操作が可能である。なお、スライドロッド70を操作している際には、オープンロッド71の操作が不能となるので、第1蓋構成体20は本体部材Bに係止保持され、該第1蓋構成体20が不用意に回転変位しない。
【0064】
また、本体部材Bに設けた物品収納部10を開放する場合には、オープンロッド71を操作して、第1蓋構成体20を第2蓋構成体21と共に回転変位させる(図18(a))。これにより、第2蓋構成体21に覆蓋されていた物品収納部10が外方へ露出し、該物品収納部10に対する物品の出し入れが可能となる。なお、オープンロッド71を操作している際には、スライドロッド70の操作が不能となるので、第2蓋構成体21は第1蓋部材Lに係止保持され、該第2蓋構成体21が不用意にスライド変位しない。
【0065】
また、スライドロッド70とオープンロッド71とを同時に操作した場合には、スライドロッド70の操作のみが可能となるので、第2蓋構成体21は本体部材Bに係止保持され、該第2蓋構成体21に対して第1蓋構成体20がスライド変位するようになる。
【0066】
更に、第2蓋構成体21を延出位置に保持したもとでアームレストARを収容部12へ収容した場合には、本体部材Bの回転変位中に第2蓋構成体21が通常位置へスライド変位するので、該アームレストARを収容部12へ適切に収容させ得る。
【0067】
従って、実施例のアームレストARによれば、蓋部材Lの第2蓋構成体21に設けたスライドロッド70を操作した際にはオープンロッド71の操作が不能となり、スライドロッド70を操作して第2蓋構成体21をスライド変位させる際に、第1蓋構成体20が本体部材Bに対して回転変位することがない。また、オープンロッド71を操作した際にはスライドロッド70の操作が不能となり、オープンロッド71を操作して第2蓋構成体21を第1蓋構成体20と共に回転変位させる際に、第2蓋構成体21が第1蓋構成体20に対してスライド変位することがない。
【0068】
そして、実施例のアームレストARの蓋部材Lによれば、第2蓋構成体21を延出位置に保持させた状態であっても、アームレストARをシートバックS1の収容部12に収容させることが可能である。従って、アームレストARを収容部12へ収容するに先立ち、延出位置に保持されていた第2蓋構成体21を通常位置へ戻す必要がなく、単一の操作でアームレストARを収容部12へ簡易に収容し得る。
【0069】
(変更例)
蓋部材は、前記実施例に示した以外の形態であってもよい。
(1)実施例では、第1規制機構F1として、スライドロッド70の本体部72に設けた前記係合突片部76と、同じくスライドロッド70のロッド部73に設けた前記係合リブ79とを備えた場合を例示したが、第1規制機構F1は、係合突片部76または係合リブ79の何れか1つだけであってもよい。
(2)実施例では、第2規制機構F2として、オープンロッド71の前端部に設けた当接端部108と、同じくオープンロッド71に設けた前記突状係合部107とを備えた場合を例示したが、第2規制機構F2は、当接端部108または突状係合部107の何れか1つだけであってもよい。
(3)実施例では、シートバックS1に設けたアームレストARの蓋部材Lを例示したが、この蓋部材LはアームレストARに設けたものに限定されず、例えば自動車室内における前部シート間のフロアに配設されるコンソールボックスの蓋部材等であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 物品収納部,20 第1蓋構成体,21 第2蓋構成体,28 第1係合部(ロック部)
29 第2係合部(ロック部),70 スライドロッド(第1操作部材)
71 オープンロッド(第2操作部材),76 係合突片部(第1係合部、揺動阻止部)
79 係合リブ(第2係合部、揺動阻止部),80 孔(係止受部)
90 スライドロックアーム(スライドロック部材),100 オープンアーム(連係部材)
107 突状係合部(第2係止部、スライド阻止部)
108 当接端部(第1係止部、スライド阻止部)
110 オープンロックピン(開閉ロック部材),B 本体部材,E1 第1ロック機構
E2 第2ロック機構,F1 第1規制機構,F2 第2規制機構,L 蓋部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、上方に開口する物品収納部を画成した本体部材の上部に支持された第1蓋構成体と、第1蓋構成体の上部にスライド変位可能に配設された第2蓋構成体とを備える蓋部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車には、乗員室内における前部シート間(運転席と助手席との間)のフロアに、身辺携帯品や車載常備品等(以下「物品」と云う)を出入れ可能に収納し得るコンソールボックスを設置したものがある。このコンソールボックスは、ボックス本体に上方に開口する物品収納部が画成され、ボックス本体の上部に、物品収納部を開閉可能な蓋部材を備えたものが実用化されている。そして蓋部材は、前部シート用のアームレストとして使用するよう構成したものもある。
【0003】
一方、自動車には、乗員室内における後部シートのシートバック(シートの背もたれ)に、シートクッションの上面へ回転させながら引き出して使用されるアームレストを装備したものもある。このアームレストは、シートバックに回転可能に取り付けられたアームレスト本体に、使用状態において上方に開口する物品収納部を画成したものがあり、腕を載せる腕受部材を蓋部材として物品収納部を開閉可能としている。
【0004】
図20(a)は、コンソールボックスCBに設けられた蓋部材L1を示す概略斜視図である。この蓋部材L1は、上方に開口する物品収納部130を画成した本体部材B1の上部に回転変位可能に配設された第1蓋構成体131と、この第1蓋構成体131の上面に前方へスライド変位可能に配設されてアームレストとして機能する第2蓋構成体132とを備えている。第1蓋構成体131の前端部には、本体部材B1に係脱可能な開閉操作ノブ133が配設され(図20(b))、第2蓋構成体132の前端部には、第1蓋構成体131に係脱可能なスライド操作ノブ134が配設されている(図20(c))。従って、開閉操作ノブ133を操作することで、第1蓋構成体131を第2蓋構成体132と共に回転変位させて本体部材B1の物品収納部130を開放することができ(図21(a))、スライド操作ノブ134を操作することで、第1蓋構成体131に対して第2蓋構成体132を前方へスライドさせて、該第2蓋構成体132の位置調整を行ない得る(図21(b))。
【0005】
また、本体部材の上部に回転変位可能に配設された第1蓋構成体の上面に、コンソールボックスの後方へスライド変位可能に配設した第2蓋構成体を備えた蓋部材も提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示されたコンソールボックスの蓋部材は、ボックス本体に回転可能に配設された第1蓋構成体としてのベースおよび該ベースにスライド可能に配設された第2蓋構成体としての蓋体とからなる。そして、蓋体の前端部に配設された第1ロック解除装置を操作することで、ボックス本体とベースとのロックを解除して該ベースを回転させることが可能であり、該蓋体に前端部に配設された第2ロック解除装置を操作することで、ベースと蓋体とのロックを解除して該蓋体を後方へスライドさせることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−237476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図20および図21に示す蓋部材L1では、図20(a)の状態で開閉操作ノブ133およびスライド操作ノブ134が横並びに配設される。しかし、両操作ノブ133,134を同時に操作することが可能となっており、第2蓋構成体132のスライド変位および第1蓋構成体131の回転変位が同時になされることを防止できない問題があった。一方、特許文献1のコンソールボックスにおける蓋部材も、図20および図21に示す蓋部材L1と同様に、開閉操作ノブとスライド操作ノブとを同時操作することが可能であり、蓋体の回転変位およびベースのスライド変位が同時になされることを防止し得ない問題を内在している。
【0008】
そこで本発明では、スライド変位操作を行なう第1操作部材と回転変位操作を行なう第2操作部材との同時操作を不能とした蓋部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明は、
上方に開口する物品収納部を有する本体部材の上部に、該物品収納部を開閉可能に配設された蓋部材であって、
前記本体部材の上部に回転可能に支持され、前記物品収納部に対して倒伏または起立する第1蓋構成体と、
前記第1蓋構成体の上側に該第1蓋構成体に沿ってスライド変位可能に配設され、該第1蓋構成体の回転変位に伴って回転変位する第2蓋構成体と、
前記第2蓋構成体にスライド変位可能に配設された第1操作部材と、
前記第2蓋構成体に、前記第1操作部材と横並びに位置して該第1操作部材と同一方向にスライド変位可能に配設された第2操作部材と、
前記第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を規制し、前記第1操作部材の操作に連動して該第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を許容する第1ロック機構と、
前記第1蓋構成体の倒伏姿勢において該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を規制し、前記第2操作部材の操作に連動して該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を許容する第2ロック機構と、
前記第1操作部材に設けられ、該第1操作部材の操作時に前記第2ロック機構の動作を規制する第1規制機構と、
前記第2ロック機構に設けられ、前記第2操作部材の操作時に前記第1操作部材のスライド変位を規制する第2規制機構とを備えたことを特徴とする。
【0010】
従って、請求項1に係る発明によれば、第1操作部材を操作した際には第2操作部材の操作が不能となり、第1操作部材を操作して第2蓋構成体をスライド変位させる際に、第1蓋構成体が本体部材に対して回転変位することがない。また、第2操作部材を操作した際には第1操作部材の操作が不能となり、第2操作部材を操作して第2蓋構成体を第1蓋構成体と共に回転変位させる際に、第2蓋構成体が第1蓋構成体に対してスライド変位することがない。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第1規制機構は、前記第1操作部材の非操作時に前記連係部材の揺動経路から外れ、第1操作部材の操作時に前記第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動方向に位置して該連係部材の揺動変位を阻むように延在する揺動阻止部を該第1操作部材に備えることを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、第1操作部材の非操作時には第2操作部材の操作が許容され、第1操作部材の操作時には、第1操作部材に備えた揺動阻止部により連係部材の揺動変位を阻むことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第2規制機構は、前記第2操作部材の非操作時に前記第1操作部材のスライド変位経路から外れ、第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動変位により第1操作部材のスライド変位経路に位置して該第1操作部材のスライド変位を阻むスライド阻止部を前記連係部材に備えることを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、第2操作部材の非操作時には第1操作部材の操作が許容され、第2操作部材の操作時には、連結部材に備えたスライド阻止部により第1操作部材のスライド変位を阻むことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第1規制機構の揺動阻止部は、前記第1操作部材の操作時に連係部材の上方変位する部位の上側に位置する第1係合部と、第1操作部材の操作時に連係部材の下方変位する部位の下側に位置する第2係合部とを有することを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、第1操作部材の操作時には、上側に位置する第1係合部および下側に位置する第2係合部からなる2つの係合部により、連係部材の揺動変位を確実に阻むことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第2規制機構のスライド阻止部は、前記第2操作部材の操作時に前記連係部材の上方変位する部位に設けられ、前記第1操作部材のスライド変位方向に位置する第1係止部と、該連係部材の下方変位する部位に設けられ、第1操作部材に設けられた係止受部に係止する第2係止部とを有することを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、第2操作部材の操作時には、第1操作部材のスライド変位方向に位置する第1係止部および第2操作部材に設けた係止受部に係止する第2係止部からなる2つの係止部により、第1操作部材のスライド変位を確実に阻むことができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、
前記第1ロック機構は、前記第1操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に揺動可能に設けられたスライドロック部材と、前記第1蓋構成体に設けられ、前記スライドロック部材に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合可能なロック部とを備え、
前記第1ロック機構は、前記スライドロック部材が第1操作部材の非操作時に前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合するよう保持される一方、第2操作部材の操作に連動して前記スライドロック部材が揺動して、前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向から外れて退避するよう構成されることを要旨とする。
従って、請求項6に係る発明によれば、第1操作部材の非操作時には、スライドロック部材とロック部とが係合して、第1蓋構成体に対する第2蓋構成体のスライド変位が規制される。また、第1操作部材の操作時には、スライドロック部材とロック部との係合が解除され、第1蓋構成体に対する第2蓋構成体のスライド変位が可能である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、
前記第2蓋構成体は、第1位置と、該第1位置から第1蓋構成体の回転支持側に向けて変位した第2位置との間でスライド変位するよう構成され、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に上下方向に揺動可能に設けられた連係部材と、第1位置にある第2蓋構成体の前記連係部材に重なる位置に配置して第1蓋構成体に設けられ、本体部材に対して係脱可能な開閉ロック部材とを備え、
前記第2ロック機構は、第2操作部材の非操作時に開閉ロック部材が本体部材に係合するよう保持される一方、第2操作部材の操作に連動して揺動する前記連係部材に開閉ロック部材が当接すると共に連結部材の揺動につれて該開閉ロック部材が本体部材から退避するよう構成されることを要旨とする。
従って、請求項7に係る発明によれば、第2操作部材の非操作時には、開閉ロック部材と本体部材とが係合して、本体部材に対する第1蓋構成体の回転変位が規制される。また、第2操作部材の操作時には、開閉ロック部材と本体部材との係合が解除され、本体部材に対する第1蓋構成体の回転変位が可能である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、
前記連係部材は、前記第2蓋構成体の前記第1位置以外において、前記開閉ロック部材と重なる位置から退避することを要旨とする。
従って、請求項8に係る発明によれば、第2蓋構成体が第1位置以外にある場合に、第2操作部材を操作しても開閉ロック部材と本体部材との係合が解除されず、第2蓋構成体のスライド変位時における第1蓋構成体の回転変位を規制し得る。
【0018】
請求項9に記載の発明は、
前記第1規制機構によって第1操作部材の操作時に第2操作部材の動作を規制するタイミングは、前記第2規制機構によって第2操作部材の操作時に第1操作部材の動作を規制するタイミングより早くなるように設定された設定されたことを要旨とする。
従って、請求項9に係る発明によれば、第1操作部材と第2操作部材とを同時に操作した場合には、第1操作部材の操作が許容されると共に第2操作部材の操作が不能となり、本体部材に対する第1蓋構成体の回転変位が規制されて、第1蓋構成体に対する第2蓋構成体をスライド変位だけが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る蓋部材によれば、第1操作部材の操作時には第2操作部材の操作が規制され、第2操作部材の操作時には第1操作部材の操作が規制されるので、蓋部材の回転変位およびスライド変位が同時になされることを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例の蓋部材を装備したアームレストの概略斜視図である。
【図2】アームレストに装備した蓋部材を、トップパネルを省略した状態で示す平面図である。
【図3】スライドアッパーパネルおよびスライドロアパネルと、第1ロック機構および第2ロック機構、第1規制機構および第2規制機構、補助解除機構を構成する各部材を示す斜視図である。
【図4】第1ロック機構および第2ロック機構、第1規制機構および第2規制機構、補助解除機構の構成を概略的に示す説明図である。
【図5】スライドロッドを操作することで、第1ロック機構が解除されると共に、オープンロッドが操作不能となった状態を示す説明図である。
【図6】(a)は、図5のVIa−VIa線断面図であり、(b)は、図5のVIb−VIb線断面図である。
【図7】オープンロッドを操作することで、第2ロック機構が解除されると共に、スライドロッドが操作不能になった状態を示す説明図である。
【図8】(a)は、図7のVIIIa−VIIIa線断面図であり、(b)は、図7のVIIIb−VIIIb線断面図である。
【図9】(a)は、図4のIXa−IXa線断面図であり、(b)は、図7のIXb−IXb線断面図である。
【図10】第2蓋構成体が通常位置にある場合の補助解除機構の状態を示す平面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】第2蓋構成体が延出位置にある場合の補助解除機構の状態を示す平面図である。
【図13】図12のY−Y線断面図である。
【図14】第2蓋構成体の延出位置で本体部材を回転変位させることで、補助解除機構により第1ロック機構が解除され、第2蓋構成体が通常位置へスライド変位することを示す説明図である、
【図15】図14のZ−Z線断面図である。
【図16】(a)は、アームレストを使用姿勢に引き出した状態を示す斜視図であり、(b)は、アームレストを収容部へ収容した状態を示す斜視図である。
【図17】(a)は、アームレストを収容部へ収容した状態を示す断面図であり、(b)は、アームレストを使用姿勢に引き出した状態を示す断面図である。
【図18】(a)は、蓋部材の第1蓋構成体を第2蓋構成体と共に回転変位させた状態を示す断面図であり、(b)は、蓋部材の第2蓋構成体を後方へスライド変位させた状態を示す断面図である。
【図19】(a)は、蓋部材の第2蓋構成体を後方へスライド変位させた状態で本体部材を回転変位させることで、補助解除機構の当接ロッドが収容部に当接することを示す断面図であり、(b)は、当接ロッドにより第1ロック機構が解除されて、第2蓋構成体が通常位置へ変位する状態を示す断面図である。
【図20】(a)は、スライド操作ノブおよび開閉操作ノブを備えた従来の蓋部材の一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)のWa−Wa線断面図であり、(c)は、(a)のWb−Wb線断面図である。
【図21】(a)第1蓋構成体を第2蓋構成体共に回転変位させた状態を示す断面図であり、(b)は、第1蓋構成体に対して第2蓋構成体を前方へスライドさせた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る蓋部材につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、図16に示すように、自動車の後部シートSにおけるシートバック(シートの背もたれ)S1の前側に配設されるアームレストARを例示し、このアームレストARに配設された蓋部材Lを例示する。なお、実施例においてアームレストARの前後とは、後部シートSにおけるシートクッションS2の座面上へ略水平状態に載置された状態における車両の前後方向を基準として指称し、左右とは、車両の前進方向を基準として指称する。すなわち図16(a)では、図中左下側が車両の前側で、図中右上側が車両の後側である。
【実施例】
【0022】
図1、図16および図17に示すように、実施例に係るアームレストARは、上方に開口する物品収納部10を画成すると共にスイッチボックスSUを配設した本体部材Bと、この本体部材Bの上部に配設される蓋部材Lとを備えている。蓋部材Lは、後述するように、本体部材Bに回転可能に支持された第1蓋構成体20と、この第1蓋構成体20の上側に該第1蓋構成体20に沿って本体部材Bの後方へのスライド変位が可能に配設され、該第1蓋構成体20と共に回転変位する第2蓋構成体21とを備えている。従って第2蓋構成体21は、第1蓋構成体20の本体部材Bへの倒伏状態において、前記物品収納部10およびスイッチボックスSUを閉成する「通常位置(第1位置)」(図17(b))と、この通常位置から後方(シートバックS1側)へスライド変位して、スイッチボックスSUを開放すると共に後端が本体部材Bの後端から後方へ延出した「延出位置(第2位置)」(図18(b))とに変位する。また蓋部材Lは、第1蓋構成体20の起立状態において物品収納部10を開放する「開放位置」(図18(a))に変位し得る。そしてアームレストARは、本体部材Bの後側下部が、左右側方へ延出した回転支軸11でシートバックS1に対して枢支されており、シートバックS1に設けた収容部12に収容した収容姿勢(図16(b)、図17(a))と、収容姿勢から引き出してシートクッションS2の座面に載置して略水平姿勢で前方へ延出する使用姿勢(図16(a)、図17(b))との間で回転可能となっている。
【0023】
本体部材Bは、図1および図9に示すように、略矩形の箱体状に構成され、前側部分に飲料容器を収容保持可能な容器ホルダCH,CHが形成され、これら容器ホルダCH,CHの後側にスイッチボックスSUが配設されている。そして、スイッチボックスSUの後方には、上方に開口した前記物品収納部10が画成されている。なお、容器ホルダCH,CHは蓋部材Lに覆蓋されず、スイッチボックスSUおよび物品収納部10が蓋部材Lに覆蓋されるようになっている。従って、容器ホルダCH,CHが配設された本体部材Bの前側部分は、スイッチボックスSUおよび物品収納部10が配設および画成された部分より上方へ突出している。
【0024】
蓋部材Lは、図1〜図9に示すように、本体部材Bの上部後端側に回転軸22で回転可能に配設された前記第1蓋構成体20と、この第1蓋構成体20の上部にスライドレールRを介して配設され、該第1蓋構成体20に沿って本体部材Bの前後方向へのスライド変位が可能な前記第2蓋構成体21とを備えている。
【0025】
第1蓋構成体20は、図3、図6、図9および図11に示すように、本体部材Bに回転軸22を介して枢支される金属製のアンダープレート23と、このアンダープレート23の上面に取り付けられる合成樹脂製のスライドロアパネル(ロアパネル)24とを備えている。アンダープレート23は、スチール等の板材からプレス成形されたトレー形状の部材であり、物品収納部10の上部開口に臨む底板部23Aと、この底板部23Aの前端縁から斜め上方へ折曲されて左右に延在する前板部23Bと、底板部23Aの左右両端縁から上方へ折曲されて前後方向へ延在する側板部23C,23Cとを有している(図6、図9参照)。左右の側板部23C,23Cの前側部分には、後述するオープンロックピン(開閉ロック部材)110,110の係合突部113,113が挿通する開口部25,25が形成されている(図9)。
【0026】
スライドロアパネル24は、図3および図6に示すように、合成樹脂素材からインジェクション成形されたトレー状の成形部材であり、アンダープレート23の底板部23Aに上方から整合する底板部24Aと、その前縁部および左右側縁部にリブが形成されている。底板部24Aの左端近傍および右端近傍には、上方へ膨出すると共に前後方向へ延在するレール取付部26,26が形成されている。これらレール取付部26,26の上面には、前後方向へ延在する第1スライドレールR1,R1が敷設されている。また、底板部24Aの左右中央には、前後方向へ延在するリブ壁27が突設されており、このリブ壁27の前端近傍には、後述するスライドロックアーム(スライドロック部材)90の係合ピン94が係合する第1係合部(ロック部)28が形成され、該リブ壁27の前後方向における中央やや後方には、該係合ピン94が係合する第2係合部(ロック部)29が形成されている。すなわち、第1係合部28および第2係合部29は、第2蓋構成体21のスライド変位方向と交差する左右方向へ延在している。また、リブ壁27の右縁には、前後方向へ延在するラックギア30が形成されており、後述するスライドアッパーパネル(アッパーパネル)40に設けたピニオンギア62が噛合するようになっている。なお、リブ壁27の前端部には、第1係合部28から左側方へ延長形成したストッパ部34が形成されている。
【0027】
そして、スライドロアパネル24の前端における左右両側の隅角部には、底板部24Aおよび側方へ開口した挿通口31,31が形成されている。また、スライドロアパネル24の前端における両挿通口31,31間には、各々の挿通口31,31に隣接する支持リブ32,32が形成されている。これら支持リブ32,32には、図3および図9に示すように、オープンロックピン110の支持ピン114が上方から左右方向へ延在する向きで嵌合するようになっている。従って、各々の支持リブ32に支持ピン114を嵌合させた状態で配設された各オープンロックピン110は、図9に示すように、支持ピン114の延在方向である左右方向へスライド変位が可能となっている。なお支持リブ32内には、図3に示すように、支持ピン114に外挿された圧縮コイルバネ33が配設されており、両オープンロックピン110,110は、互いに離間する左右の側外方へ付勢されている。
【0028】
第2蓋構成体21は、図1〜図3および図11に示すように、前記スライドロアパネル24にスライドレールRを介して配設される合成樹脂製の前記スライドアッパーパネル40と、このスライドアッパーパネル40の上面に取り付けられる合成樹脂製のトップパネル41とを備えている。スライドアッパーパネル40は、図3に示すように、合成樹脂素材からインジェクション成形されたトレー状の成形部材であり、スライドロアパネル24に上方から対向する底板部40Aと、この底板部40Aの外周縁に沿って形成されたリブ40Bとを備えている。底板部40Aの左右上面や中央上面には格子状のリブが形成されており、アームレストとして機能する際に必要な剛性が確保されている。底板部40Aの左端近傍および右端近傍には、上方へ膨出すると共に前後方向へ延在するレール取付部42,42が形成されている。これらレール取付部42,42の底面には第2スライドレールR2,R2が敷設されており、これら第2スライドレールR2,R2は、スライドロアパネル24に設けた前記第1スライドレールR1,R1にスライド可能に係合する。従ってスライドアッパーパネル40は、第1スライドレールR1,R1および第2スライドレールR2,R2の摺動により、スライドロアパネル24に対して前後方向へのスライド変位が可能となっている。
【0029】
スライドアッパーパネル40の前側部分は、横長の前面開口部43が形成されている。そして、底板部40Aの前側部分には、後述するスライドロッド(第1操作部材)70を配設する第1配設領域44およびオープンロッド(第2操作部材)71を配設する第2配設領域45が、横並びに確保されている(図3参照)。第1配設領域44には、底板部40Aの前記前面開口部43に臨む部位に、上方へ突出すると共に前後方向へ延在するよう設けた第1ガイドリブ49と、底板部40Aにおける第1ガイドリブ49の後方に、左右方向および前後方向へ離間して配置された合計4個の第1ガイド溝部50とが設けられている。また第2配設領域45には、底板部40Aの前記前面開口部43に臨む部位に、上方へ突出すると共に前後方向へ延在するよう設けた第2ガイドリブ51と、底板部40Aにおける第2ガイドリブ51の後方に、左右方向に離間して配設され合計2個の第2ガイド溝部52とが設けられている。従ってスライドロッド70は、第1ガイドリブ49および各第1ガイド溝部50に係合することで、スライドアッパーパネル40の前後方向へのスライド変位が可能に配設されると共に、オープンロッド71は、第2ガイドリブ51および各第2ガイド溝部52に係合することで、スライドアッパーパネル40の前後方向へのスライド変位が可能に配設される。
【0030】
底板部40Aの略中央には、後述する第1ロック機構E1を構成するスライドロックアーム(スライドロック部材)90を配設する第3配設領域46が設けられている(図3参照)。この第3配設領域46には、スライドロックアーム90を回転可能に支持する第1支持ピン53が立設されていると共に、該スライドロックアーム90に設けた係合ピン94が挿通する開口部54が形成されている。そして、スライドロックアーム90を係合姿勢に位置決めする位置決めリブ55が形成されている。また、底板部40Aにおける第1配設領域44の右側および第2配設領域45の左側(底板部40Aの左右両端近傍)には、後述する第2ロック機構E2を構成するオープンアーム(連係部材)100を配設する第4配設領域47が設けられている。この第4配設領域47には、オープンアーム100を揺動可能に支持する揺動支持部56,56が立設されている。また、底板部40Aにおける前記第1ガイド溝部50と第2ガイド溝部52との間には、オープンアーム100に遊嵌状態で係合する第2支持ピン57が立設されている。更に、各レール取付部42,42の前端側方には、オープンアーム100に設けた当接片105,105が遊嵌状態で挿通可能な開口部65,65が形成されている。
【0031】
底板部40Aの後側部分における左右略中央(第3配設領域46の後方)には、後述する補助解除機構Gを構成する当接ロッド120が配設される第5配設領域48が設けられている。この第5配設領域48は、左右方向に離間して前後方向へ延在する第3ガイド溝部58,58が設けられると共に、第3配設領域46に臨む部位に挿通口59が形成されている。従って当接ロッド120は、第3ガイド溝部58,58に係合すると共に挿通口59に挿通した状態で、スライドアッパーパネル40の前後方向へのスライド変位が可能に配設される。図3中の符号60,60は、後述する引張りコイルバネ61,61の一端側を掛止する掛止ピンである。更に、第3配設領域46と第4配設領域47の境界部分における右側には、前記ピニオンギア62が配設されている。また、図2に示すように、底板部40Aにおける左右両側の前端近傍には、第2蓋構成体21がスライド変位する際に本体部材Bの上面を転動する回転体63,63が回転自在に配設されている。なお符号64は、スライドロアパネル24の前部左側に設けた固定部66に連結される公知の定張力バネ(図示省略)を構成する巻取回転体であり、延出位置に保持されていた第2蓋構成体21を、この定張力バネの付勢力により通常位置へ一定速度で自動的にスライド変位させ得る。
【0032】
トップパネル41は、スライドアッパーパネル40を全体的に被覆する大きさに形成された合成樹脂製の成形部材であり、該スライドアッパーパネル40に対しビス等により取り付けられている。トップパネル41の上面には、ウレタンウォームやスポンジ等の弾性体15が配設されると共に、この弾性体15の外面には、合成樹脂製、編布、織布、不織布または本革等からなる表皮材16が配設されている。従ってトップパネル41は、腕を載せるためのアームレスト部として機能する。
【0033】
実施例のアームレストARにおける蓋部材Lは、図2〜図9に示すように、第1操作部材としての前記スライドロッド70が、第2蓋構成体21にスライド変位可能に配設されると共に、該第2蓋構成体21には、スライドロッド70と横並びに位置する第2操作部材としての前記オープンロッド71が、該スライドロッド70と同一方向にスライド変位可能に配設されている。そして蓋部材Lは、第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を規制し、スライドロッド70の操作に連動して該第2蓋構成体21の第1蓋構成体20に対するスライド変位を許容する第1ロック機構E1を備えている。また蓋部材Lは、第1蓋構成体20の倒伏姿勢において該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を規制し、オープンロッド71の操作に連動して該第1蓋構成体20の本体部材Bに対する回転変位を許容する第2ロック機構E2を備えている。更に蓋部材Lは、スライドロッド70に設けられ、該スライドロッド70の操作時に第2ロック機構E2の前記オープンアーム100の姿勢変位を規制する第1規制機構F1を備えている。更に蓋部材Lは、第2ロック機構E2のオープンアーム100に設けられ、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70のスライド変位を規制する第2規制機構F2を備えている。また更に蓋部材Lは、第2蓋構成体21が収容部12に当接した際に第1ロック機構E1を解除する補助解除機構Gを備えている。
【0034】
スライドロッド70は、図3および図4に示すように、略矩形状の本体部72と、本体部72の後端から後方へ延出したロッド部73とを備えている。本体部72の前側には、操作時に指先に接触するカバー部材74が装着されている。本体部72の底部には、スライドアッパーパネル40の第1配設領域44に設けた前記第1ガイドリブ49に摺接可能な第1ガイド溝75が、スライドロッド70の前後方向へ延在するよう形成されている(図4)。更に、本体部72の後端上部には、前記オープンアーム100の前端縁に設けた当接端部(第1係止部)108に当接および係合が可能な係合突片部(第1係合部)76が、該本体部72から後方へ延出した状態に形成されている。この係合突片部76は、第1規制機構F1を構成する。
【0035】
一方、スライドロッド70のロッド部73の左右側端には、スライドアッパーパネル40の第1配設領域44に設けた前記第1ガイド溝部50に摺接可能な第1ガイド突片77,77が、左右側方へ延出すると共にスライドロッド70の前後方向へ延在するよう形成されている(図3、図4)。また、ロッド部73の後部に形成された膨出部73Aの左側面には、前記スライドロックアーム90に設けた第1当接部92に当接可能な当接突端部78が、左外方へ延出した状態に形成されている。すなわち当接突端部78は、ロッド部73の後端から前方に向かうにつれて左外方へ徐々に延出する傾斜状に形成されている。更に、ロッド部73における膨出部73Aの前方には、係合リブ(第2係合部)79が設けられている。この係合リブ79は、後述するようにオープンアーム100に設けた突状係合部(第2係止部)107と当接および係合可能となっている。
【0036】
このように構成されたスライドロッド70は、第1ガイド溝75を第1ガイドリブ49に係合させると共に、左右の各第1ガイド突片77,77を対応する第1ガイド溝部50,50へ係合させることで、カバー部材74が前面開口部43の右側開口部分に整合した状態でスライドアッパーパネル40の第1配設領域44に配設される(図3)。そしてスライドロッド70は、非操作姿勢(図4)と、非操作姿勢から後方へスライド変位した操作姿勢(図5)との間で、スライド変位可能となっている。
【0037】
オープンロッド71は、図3および図4に示すように、略横長矩形状の本体部82と、本体部82の後端から後方へ延出したロッド部83とを備えている。本体部82の前側には、操作時に指先に接触するカバー部材84が装着されている。本体部82の底部には、スライドアッパーパネル40の第2配設領域45に設けた前記第2ガイドリブ51に摺接可能な第2ガイド溝85が、オープンロッド71の前後方向へ延在するよう形成されている(図4)。更に、本体部82の後端上部には、図4および図6(b)に示すように、前記オープンアーム100の下面前端に突設した当接突部102,102が当接可能な当接面部86,86が、後方に向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜状に形成されている。一方、ロッド部83の左右側端には、スライドアッパーパネル40の第2配設領域45に設けた前記第2ガイド溝部52に摺接可能な第2ガイド突片87が、左右側方へ延出すると共にオープンロッド71の前後方向へ延在するよう形成されている(図3、図4)。
【0038】
このように構成されたオープンロッド71は、第2ガイド溝85を第2ガイドリブ51に係合させると共に、左右の各第2ガイド突片87,87を対応する第2ガイド溝部52,52へ係合させることで、カバー部材84が前面開口部43の左側開口部分に整合した状態でスライドアッパーパネル40の第2配設領域45に配設される(図3)。そしてオープンロッド71は、非操作姿勢(図4)と、非操作姿勢から後方へスライド変位した操作姿勢(図7)との間で、スライド変位可能となっている。
【0039】
第1ロック機構E1は、スライドロッド70のスライド変位経路上に位置して、第2蓋構成体21のスライドアッパーパネル40に揺動可能に設けられた前記スライドロックアーム90と、第1蓋構成体20のスライドロアパネル24に設けられ、スライドロックアーム90に対して第2蓋構成体21のスライド変位方向で係合可能な第1係合部28および第2係合部29とを備えている。スライドロックアーム90は、図3および図4に示すように、前端側が前記第1支持ピン53に枢支されたアーム本体91と、アーム本体91の右端に設けた第1当接部92と、アーム本体91の後端に設けた第2当接部93と、アーム本体91の下面後端側に下方へ突出した状態に設けた係合ピン94を備えている。アーム本体91の前端側には、第1支持ピン53が挿通する支持孔95が形成されている。従ってスライドロックアーム90は、第1支持ピン53を中心として水平方向への揺動変位が可能に配設され、係合ピン94と各係合部28,29とが第2蓋構成体21のスライド変位方向に係合する係合姿勢(図4、図7)と、スライドロッド70の操作に連動して係合姿勢から後端が左側へ変位するよう揺動して、各係合部28,29に対して第2スライド変位方向より外れて退避する非係合姿勢(図5、図14)との間で変位する。
【0040】
第1当接部92は、図4および図5に示すように、スライドロッド70に設けた傾斜状の前記当接突端部78に対応して、スライドロックアーム90の前端から後端に向かうにつれて右外方へ延出する傾斜状に形成されている。そして第1当接部92は、図4に示すように、スライドロックアーム90の係合姿勢において、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位における当接突端部78の移動経路に交差するように設けられている。また第1当接部92は、スライドロックアーム90の係合姿勢およびスライドロッド70の非操作姿勢において、当接突端部78と対向して当接するように設けられている。従って、スライドロッド70を非操作姿勢から操作姿勢へスライド変位させると、当接突端部78と第1当接部92との当接下に、スライドロックアーム90が係合姿勢から非係合姿勢へ揺動変位する(図5)。
【0041】
第2当接部93は、図4および図10に示すように、前記補助解除機構Gを構成する当接ロッド120に設けた傾斜状の前端当接部(第2当接部)124に対応して、スライドロックアーム90の後端から前方に向かうにつれて右外方へ延出する傾斜状に形成されている。そして第2当接部93は、図4および図14に示すように、スライドロックアーム90の係合姿勢から非係合姿勢までの間において、当接ロッド120の前進位置へのスライド変位における前端当接部124の移動経路に交差するように設けられている。従って、当接ロッド120が後進位置から前進位置へスライド変位する際に、前端当接部124と第2当接部93との当接下に、スライドロックアーム90が係合姿勢から非係合姿勢へ揺動変位するようになる(図14)。
【0042】
係合ピン94は、図4および図11等に示すように、スライドアッパーパネル40の底板部40Aに設けた前記開口部54を介し、スライドロアパネル24の底板部40Aに向けて下方へ延出している。開口部54は、係合姿勢および非係合姿勢の間をスライドロックアーム90が揺動変位する際に、これに伴って移動する係合ピン94と接触しない形状、サイズに形成されている。係合ピン94は、第2蓋構成体21が通常位置にある場合で、スライドロックアーム90の係合姿勢においては、スライドロアパネル24に設けた前記第1係合部28の前側に位置し(図4)、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第1係合部28の前側から左側へ退避する(図5)。従って、第2蓋構成体21が通常位置にある場合で、スライドロックアーム90の係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第1係合部28と交差するので、該第2蓋構成体21の延出位置へのスライド変位が規制される。また、第2蓋構成体21が通常位置にある場合で、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第1係合部28と交差しないので、該第2蓋構成体21の延出位置へのスライド変位が許容される。
【0043】
また係合ピン94は、第2蓋構成体21が延出位置にある場合で、スライドロックアーム90が係合姿勢においては、スライドロアパネル24に設けた前記第2係合部29の後側に位置し(図12)、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第2係合部29の後側から左側へ退避する(図14)。従って、第2蓋構成体21が延出位置にある場合で、スライドロックアーム90の係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第1係合部28と交差するので、該第2蓋構成体21の通常位置へのスライド変位が規制される。また、第2蓋構成体21が延出位置にある場合で、スライドロックアーム90の非係合姿勢においては、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第2係合部29と交差しないので、該第2蓋構成体21の通常位置へのスライド変位が許容される。
【0044】
第1支持ピン53には、スライドロックアーム90を係合姿勢に向けて付勢する捻りバネ96が配設されている。この捻りバネ96の一方の脚部は、スライドロアパネル24の底板部40Aに係止され、該捻りバネ96の他方の脚部は、スライドロックアーム90の右端に係止されている。すなわち捻りバネ96は、スライドロックアーム90を係合姿勢に向けて付勢している。なお、捻りバネ96の付勢力によりスライドロックアーム90が係合姿勢に向けて付勢されることで、スライドロッド70が非操作姿勢に付勢保持される。
【0045】
第2ロック機構E2は、オープンロッド71のスライド変位上に位置して第2蓋構成体21に上下方向に揺動可能に設けられた前記オープンアーム100と、通常位置(第1位置)にある第2蓋構成体21のオープンアーム100に重なる位置に配置して第1蓋構成体20に設けられ、オープンアーム100と連結可能で本体部材Bに対して係合可能な前記オープンロックピン110,110とを備えている。オープンアーム100は、図2〜図4に示すように、スライドアッパーパネル40の左右方向に延在し、横長の本体部100Aと該本体部100Aの左側後端および右側後端から後方へ夫々延出したアーム部100B,100Bとが一体的に形成された横長のプレート状部材である。そして、本体部100Aの左側端縁および右側端縁の前後中間部には、左外方および右外方へ夫々延出する揺動支持ピン101,101が、左右方向の同一軸線状に形成されている。これら揺動支持ピン101,101は、スライドアッパーパネル40に設けた前記揺動支持部56,56の支持孔56A,56Aに夫々挿通支持される。これによりオープンアーム100は、スライドロッド70およびオープンロッド71の上方で両ロッド70,71のスライド変位経路上に配置されて、揺動支持ピン101,101を揺動中心としてスライドロッド70のスライド変位方向に離間する前端縁および後端縁が互いに反対側に揺動するように支持される。すなわちオープンアーム100は、略水平状態の連結姿勢(図6)と、この連結姿勢から本体部100Aの揺動支持ピン101より前側部分が上方変位する共に該本体部100Aの揺動支持ピン101より後側部分が下方変位した後下がり傾斜状態の連結解除姿勢(図8)との間で、上下方向に揺動変位が可能となっている。なお、オープンアーム100の連結姿勢とは、後述するように、係合突部113と本体部材Bの係合段部116とが連結した状態とする姿勢であり、オープンアーム100の連結解除姿勢とは、係合突部113と係合段部116との連結が解除された状態とする姿勢である。
【0046】
図3および図6(b)に示すように、オープンアーム100の下面前縁においてオープンロッド71に対向する位置には、当接突部102,102が下方へ突出した状態に形成されており、これら当接突部102,102は、該オープンロッド71の当接面部86,86に当接するようになっている。各当接突部102,102は、図6(b)に示すように、前記揺動支持ピン101の揺動中心より前方に位置している。そして各当接突部102,102は、オープンロッド71の非操作姿勢で、かつオープンアーム100の連結姿勢において、対応する当接面部86,86の下縁近傍に当接する(図6(b))。また各当接突部102,102は、オープンロッド71の操作姿勢で、かつオープンアーム100の連結解除姿勢において、対応する当接面部86,86の上縁近傍に当接する(図8(b))。従って、オープンロッド71を非操作姿勢から操作姿勢へスライド変位させると、各当接突部102,102が対応する当接面部86,86の傾斜面に当接しながら上方へ摺動して、オープンアーム100が連結姿勢から連結解除姿勢へ揺動するようになっている。
【0047】
また、オープンアーム100の後端における左右中央には、三角庇状に後方へ延出した作用片部103が形成されている。作用片部103の後端近傍には挿通孔103Aが形成されており、スライドアッパーパネル40に突設した前記第2支持ピン57が、該挿通孔103Aに遊嵌状態で挿通している。この作用片部103は、オープンアーム100の連結姿勢において後方へ略水平に延出し(図6(b))、オープンアーム100の連結解除姿勢において後下方へ傾斜した状態に延出し(図8(b))、第2支持ピン57の位置での該作用片部103と底板部40Aとの間隔は連結解除姿勢において最小となる。そして第2支持ピン57には、図3および図6(b)に示すように、作用片部103および底板部40Aとにより圧縮状態とされた圧縮コイルバネ104が配設されている。すなわち圧縮コイルバネ104は、作用片部103を介してオープンアーム100を連結解除姿勢に向けて付勢するようになる。なお、圧縮コイルバネ104の付勢力によりオープンアーム100が連結姿勢に付勢されることで、オープンロッド71が非操作姿勢に付勢保持される。
【0048】
前記アーム部100B,100Bの下面後端には、図3、図4および図6(b)に示すように、スライドアッパーパネル40に設けた前記開口部65,65を介して、前記オープンロックピン110,110に向け延出する当接片105,105が突設されている。これら当接片105,105は、図9(a)に示すように、オープンアーム100の連結姿勢において、対応のオープンロックピン110,110の傾斜当接面112,112の上方に位置するようになっている。従って各オープンロックピン110,110は、オープンアーム100の連結姿勢で、係合突部113が本体部材Bの係合段部116に係合した状態に保持される。また当接片105,105は、図9(b)に示すように、オープンアーム100の連結解除姿勢において、アーム部100B,100B先端の下方への変位により、対応のオープンロックピン110,110の傾斜当接面112,112に上方から当接する。これにより各オープンロックピン110,110は、当接片105,105の下方への移動に伴って互いに近接する方向へスライドし、係合突部113と本体部材Bの係合段部116との係合が解除された状態に移動する。すなわち第2ロック機構E2は、オープンロッド71の非操作時に、オープンロックピン110,110が本体部材Bに係合するよう保持される一方、オープンロッド71の操作に連動して揺動変位したオープンアーム100がオープンロックピン110,110に連結することで、該オープンロックピン110,110と本体部材Bとの連結を解除するよう構成されている。
【0049】
また、オープンアーム100の後端右側には、図3および図4に示すように、後方へ延出した延出片部106が形成されている。そして、延出片部106の後端には、下方へ鉤状に突出した突状係合部107が形成されている。この突状係合部107は、図6(a)に示すように、スライドロッド70の非操作姿勢において、該スライドロッド70に設けた前記係合リブ79の後方(スライドロッド70のスライド方向前側)に位置する孔(係止受部)80に上方から整合する。また突状係合部107は、図8(a)に示すように、スライドロッド70の操作姿勢において、係合リブ79に上方から対向的に整合するようになっている。
【0050】
前記オープンロックピン110は、図3および図9に示すように、前記傾斜当接面112を備えた本体部111の下方に、本体部材Bの係合段部116に向けて延出する係合突部113を備える。また、本体部111の上方に、係合突部113と反対方向へ延出する支持ピン114を備えている。そして、図9に示すように、アンダープレート23に設けた開口部25に係合突部113が係合すると共に、スライドロアパネル24に設けた支持リブ32に係止ピン114が嵌合することで、オープンロックピン110は第1蓋構成体20にスライド変位可能に支持される。
【0051】
実施例の蓋部材Lでは、スライドロッド70の操作時にオープンロッド71の動作を規制する前記第1規制機構F1を構成する揺動阻止部として、スライドロッド70の本体部72に設けた前記係合突片部(第1係合部)76と、同じくスライドロッド70のロッド部73に設けた前記係合リブ(第2係合部)79とを備えている。係合突片部76は、図4および図8(a)に示すように、スライドロッド70の非操作時(非操作姿勢時)に、オープンアーム100の揺動経路から外れるようになり、オープンロッド71の操作によるオープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を許容する。また係合突片部76は、図5および図6(a)に示すように、スライドロッド70の操作時(操作姿勢時)に、オープンアーム100の揺動方向上側に位置して、該オープンアーム100の当接端部108と上下方向において交差するように延在する。従って係合突片部76は、オープンアーム100が連結姿勢から連結解除姿勢に向けて揺動変位する途中において、該オープンアーム100の前端部における当接端部108に上方から当接して、オープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を阻む。
【0052】
また係合リブ79は、図4および図8(a)に示すように、スライドロッド70の非操作時に、オープンアーム100に設けた突状係合部107の揺動経路から外れるようになり、オープンロッド71の操作によるオープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を許容する。また係合リブ79は、図5および図6(a)に示すように、スライドロッド70の操作時に、オープンアーム100の揺動方向下側に位置して、突状係合部107と上下方向において交差(対向)するように延在する。従って係合リブ79は、オープンアーム100が連結姿勢から連結解除姿勢に向けて揺動変位する途中において突状係合部107に当接して、オープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を阻む。
【0053】
従って実施例の蓋部材Lは、前記第1規制機構F1を設けたことで、スライドロッド70の操作時に、オープンアーム100の連結解除姿勢への揺動変位を阻止して、オープンロッド71の操作を規制することができる。すなわち、スライドロッド70を操作して第2蓋構成体21を後方へスライド変位させた際には、オープンロッド71を操作して第1蓋構成体20が本体部材Bに対して回転変位することを不可能とする。しかも、係合突片部76および係合リブ79からなる2つの係合部により、オープンアーム100の揺動変位を阻むようになっているので、スライドロッド70の操作時にオープンロッド71の操作を確実に不能とし得る。
【0054】
また、実施例の蓋部材Lでは、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70の動作を規制する前記第2規制機構F2を構成するスライド阻止部として、オープンアーム100の前端部に設けた当接端部(第1係止部)108と、同じくオープンアーム100に設けた前記突状係合部107(第2係止部)とを備えている。当接端部108は、図4および図6(a)に示すように、オープンロッド71の非操作時に、オープンアーム100が連結姿勢に保持されることで、スライドロッド70に設けた前記係合突片部76のスライド変位経路から外れるようになり、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を許容する。また当接端部108は、図7および図8(a)に示すように、オープンロッド71の操作時に、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70の係合突片部76のスライド変位経路に位置して、該係合突片部76と前後方向において交差するように延在する。従って当接端部108は、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70を操作した場合にスライドロッド70の係合突片部76が該当接端部108に当接して、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を阻む。
【0055】
また突状係合部107は、図4および図6(a)に示すように、オープンロッド71の非操作時に、オープンアーム100が連結姿勢に保持されることで、スライドロッド70に設けた前記係合リブ79のスライド変位経路から外れるようになり、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を許容する。また突状係合部107は、図7および図8(a)に示すように、オープンロッド71の操作時に、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70の前記孔80に突入して係合リブ79のスライド変位経路に位置し、該係合リブ79と前後方向において交差するように延在する。従って突状係合部107は、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位することで、スライドロッド70を操作した場合にスライドロッド70の係合リブ79が該突状係合部107に当接して、スライドロッド70の操作姿勢へのスライド変位を阻む。
【0056】
従って実施例の蓋部材Lは、前記第2規制機構F2を設けたことで、オープンロッド71の操作時に、オープンアーム100が連結解除姿勢に揺動変位して、スライドロッド70の操作を規制することができる。すなわち、オープンロッド71を操作して第1蓋構成体20を本体部材Bから回転変位させる際には、スライドロッド70を操作して第2蓋構成体21を後方へスライド変位させることが不可能となる。しかも、当接端部108および突状係合部107からなる2つの係止部により、スライドロッド70のスライド変位を阻むようになっているので、オープンロッド71の操作時にスライドロッド70の操作を確実に不能とし得る。
【0057】
そして、第1規制機構F1によってスライドロッド70の操作時にオープンロッド71の動作を規制するタイミングは、第2規制機構F2によってオープンロッド71の操作時にスライドロッド70の動作を規制するタイミングより早くなるように設定されている。すなわち、スライドロッド70とオープンロッド71とを、同時に操作開始すると共に同一速度でスライド変位させた場合に、スライドロッド70の係合突状部76がオープンアーム100の当接端部108と上下方向において交差するように延在するタイミングが、オープンアーム100の当接端部108がスライドロッド70の係合突片部76のスライド変位経路に位置するタイミングより早くなる。これは、スライドロッド70の非操作時における該スライドロッド70の係合突状部76後端とオープンアーム100の当接端部108前端との前後方向でのクリアランスC1が微小であるのに対し(図2、図4参照)、オープンロッド71の非操作時におけるオープンアーム100の当接端部108上端とスライドロッド70の係合突状部76下端との上下方向でのクリアランスC2を、前記クリアランスC1より大きく設定してあるためである(図6)。従って、スライドロッド70とオープンロッド71とを、同時に操作開始すると共に同一速度でスライド変位させた場合には、オープンロッド71の操作が不能となるのに対し、スライドロッド70の操作は規制されないので、第1ロック機構E1のみが解除されて、第1蓋構成体20に対する第2蓋構成体21のスライド変位のみが可能となるよう構成されている。
【0058】
前記補助解除機構Gは、図2および図3に示すように、スライドアッパーパネル40に設けた第5配設領域48にスライド変位可能に設けられた当接ロッド120を備えている。この当接ロッド120は、合成樹脂素材からインジェクション成形された角棒状の一体成形部材であって、スライドアッパーパネル40の前後長の約1/2程度の長さに形成されている。より具体的には、図14に示すように、第1ロック機構E1の係合ピン94と第2係合部29との係合を解除する位置まで該当接ロッド120が前方へスライド変位した状態において、該当接ロッド120の後端部が第2蓋構成体21の後端から外方へ突出するように、当接ロッド120の長さが設定されている。
【0059】
当接ロッド120における左右の側端部には、第5配設領域48に設けた前記第3ガイド溝部58,58に係合するよう側外方へ延出したスライド片部121,121が、該当接ロッド120の長さ方向へ所定の間隔をおいて形成されている。従って当接ロッド120は、各スライド片部121,121が第3ガイド溝部58,58に沿って摺動することで、第2蓋構成体21からの延出量が大きくなった後進位置(図10、図11)と、第1ロック機構E1のスライドロックアーム90を非係合姿勢へ姿勢変位可能な前進位置(図14、図15)との間でスライド変位が可能となっている。なお符号122,122は、スライドアッパーパネル40に設けた前記掛止ピン60,60に一端側を掛止した引張りコイルバネ61,61の他端側を掛止する掛止部である。すなわち当接ロッド120は、引張りコイルバネ61,61の付勢力により常に後進位置に向けて付勢されており、掛止部122,122がスライドアッパーパネル40に設けた挿通口59の開口端縁に当接することで、当接ロッド120が前記後進位置に保持される。
【0060】
当接ロッド120の後端部には、シートバックS1に設けた前記収容部12の後壁に当接する後端当接部123が設けられている。この後端当接部123は、図10および図11に示すように、当接ロッド120がスライドアッパーパネル40に配設された状態で、常に第2蓋構成体21の後端から後方へ突出している。従って、第2蓋構成体21が延出位置へスライド変位して本体部材Bの後縁から後側へ突出した状態において(図12、図13)、本体部材Bを使用姿勢から収容姿勢へ回転変位する際に、該第2蓋構成体21の後端が収容部12の後壁に接触する前に、当接ロッド120の後端当接部123が該収容部12の後壁に当接するようになっている(図14、図15)。なお後端当接部123は、球体形状に形成されており、本体部材Bの回転変位に際して収容部12の後壁に接触しながら移動する際に、該後端当接部123が該収容部12に引っ掛かることが防止される。
【0061】
当接ロッド120の前端部には、スライドロックアーム90の第2当接部93に当接する前端当接部(当接部)124が設けられている。この前端当接部124は、図3および図10に示すように、当接ロッド120の前端側から後端側に向かうに従い、スライドロックアーム90側へ近接するよう傾斜状に形成されている。すなわち前端当接部124は、スライドロックアーム90の係合ピン94が各係合部28,29から退避する方向(スライドロックアーム90の係合姿勢から非係合姿勢への姿勢変位方向)に向かうにつれて、収容部12側へ偏倚するよう斜めに形成されている。そして、当接ロッド120が前方へスライド変位する際に、前端当接部124と当接するようになっている。これにより、前述したように、前端当接部124が第2当接部93に当接しながら当接ロッド120が後進位置から前進位置に向けてスライド変位すると、該当接ロッド120のスライド変位に伴い、スライドロックアーム90が係合姿勢から非係合姿勢へ揺動変位する。
【0062】
従って、第2蓋構成体21が延出位置にある場合において、当接ロッド120の当接によりスライドロックアーム90が非係合姿勢へ揺動変位すると、係合ピン94が第2係合部29の後側から左側へ退避し(図14)、第2蓋構成体21のスライド変位方向において係合ピン94が第2係合部29と交差しないので、該第2蓋構成体21の通常位置へのスライド変位が許容される。すなわち、第2蓋構成体21を第1ロック機構E1により後進位置に保持したもとで、本体部材Bを使用姿勢から収容姿勢へ回転変位させた際には、第2蓋構成体21が延出位置から通常位置へスライド変位するため、本体部材Bの回転変位が許容されてアームレストARを収容部12へ収容することが許容される。また、第2蓋構成体21が通常位置へスライド変位することで、該第2蓋構成体21の後端が収容部12の後壁と強く当接することがなくなり、蓋部材Lの破損等も好適に防止し得る。従って、アームレストARを収容部12へ収容するに先立ち、延出位置に保持されていた第2蓋構成体21を通常位置へ戻す必要がなく、アームレストARを簡易に収容部12へ収容し得る。
【0063】
(実施例の作用)
実施例のアームレストARは、本体部材Bに設けたスイッチボックスSUのスイッチ操作を行なう場合は、スライドロッド70を操作して、第2蓋構成体21を後方へスライド変位させる(図18(b))。これにより、第2蓋構成体21で覆蓋されていたスイッチボックスSUが外方へ露出し、所要のスイッチ操作が可能である。なお、スライドロッド70を操作している際には、オープンロッド71の操作が不能となるので、第1蓋構成体20は本体部材Bに係止保持され、該第1蓋構成体20が不用意に回転変位しない。
【0064】
また、本体部材Bに設けた物品収納部10を開放する場合には、オープンロッド71を操作して、第1蓋構成体20を第2蓋構成体21と共に回転変位させる(図18(a))。これにより、第2蓋構成体21に覆蓋されていた物品収納部10が外方へ露出し、該物品収納部10に対する物品の出し入れが可能となる。なお、オープンロッド71を操作している際には、スライドロッド70の操作が不能となるので、第2蓋構成体21は第1蓋部材Lに係止保持され、該第2蓋構成体21が不用意にスライド変位しない。
【0065】
また、スライドロッド70とオープンロッド71とを同時に操作した場合には、スライドロッド70の操作のみが可能となるので、第2蓋構成体21は本体部材Bに係止保持され、該第2蓋構成体21に対して第1蓋構成体20がスライド変位するようになる。
【0066】
更に、第2蓋構成体21を延出位置に保持したもとでアームレストARを収容部12へ収容した場合には、本体部材Bの回転変位中に第2蓋構成体21が通常位置へスライド変位するので、該アームレストARを収容部12へ適切に収容させ得る。
【0067】
従って、実施例のアームレストARによれば、蓋部材Lの第2蓋構成体21に設けたスライドロッド70を操作した際にはオープンロッド71の操作が不能となり、スライドロッド70を操作して第2蓋構成体21をスライド変位させる際に、第1蓋構成体20が本体部材Bに対して回転変位することがない。また、オープンロッド71を操作した際にはスライドロッド70の操作が不能となり、オープンロッド71を操作して第2蓋構成体21を第1蓋構成体20と共に回転変位させる際に、第2蓋構成体21が第1蓋構成体20に対してスライド変位することがない。
【0068】
そして、実施例のアームレストARの蓋部材Lによれば、第2蓋構成体21を延出位置に保持させた状態であっても、アームレストARをシートバックS1の収容部12に収容させることが可能である。従って、アームレストARを収容部12へ収容するに先立ち、延出位置に保持されていた第2蓋構成体21を通常位置へ戻す必要がなく、単一の操作でアームレストARを収容部12へ簡易に収容し得る。
【0069】
(変更例)
蓋部材は、前記実施例に示した以外の形態であってもよい。
(1)実施例では、第1規制機構F1として、スライドロッド70の本体部72に設けた前記係合突片部76と、同じくスライドロッド70のロッド部73に設けた前記係合リブ79とを備えた場合を例示したが、第1規制機構F1は、係合突片部76または係合リブ79の何れか1つだけであってもよい。
(2)実施例では、第2規制機構F2として、オープンロッド71の前端部に設けた当接端部108と、同じくオープンロッド71に設けた前記突状係合部107とを備えた場合を例示したが、第2規制機構F2は、当接端部108または突状係合部107の何れか1つだけであってもよい。
(3)実施例では、シートバックS1に設けたアームレストARの蓋部材Lを例示したが、この蓋部材LはアームレストARに設けたものに限定されず、例えば自動車室内における前部シート間のフロアに配設されるコンソールボックスの蓋部材等であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 物品収納部,20 第1蓋構成体,21 第2蓋構成体,28 第1係合部(ロック部)
29 第2係合部(ロック部),70 スライドロッド(第1操作部材)
71 オープンロッド(第2操作部材),76 係合突片部(第1係合部、揺動阻止部)
79 係合リブ(第2係合部、揺動阻止部),80 孔(係止受部)
90 スライドロックアーム(スライドロック部材),100 オープンアーム(連係部材)
107 突状係合部(第2係止部、スライド阻止部)
108 当接端部(第1係止部、スライド阻止部)
110 オープンロックピン(開閉ロック部材),B 本体部材,E1 第1ロック機構
E2 第2ロック機構,F1 第1規制機構,F2 第2規制機構,L 蓋部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する物品収納部を有する本体部材の上部に、該物品収納部を開閉可能に配設された蓋部材であって、
前記本体部材の上部に回転可能に支持され、前記物品収納部に対して倒伏または起立する第1蓋構成体と、
前記第1蓋構成体の上側に該第1蓋構成体に沿ってスライド変位可能に配設され、該第1蓋構成体の回転変位に伴って回転変位する第2蓋構成体と、
前記第2蓋構成体にスライド変位可能に配設された第1操作部材と、
前記第2蓋構成体に、前記第1操作部材と横並びに位置して該第1操作部材と同一方向にスライド変位可能に配設された第2操作部材と、
前記第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を規制し、前記第1操作部材の操作に連動して該第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を許容する第1ロック機構と、
前記第1蓋構成体の倒伏姿勢において該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を規制し、前記第2操作部材の操作に連動して該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を許容する第2ロック機構と、
前記第1操作部材に設けられ、該第1操作部材の操作時に前記第2ロック機構の動作を規制する第1規制機構と、
前記第2ロック機構に設けられ、前記第2操作部材の操作時に前記第1操作部材のスライド変位を規制する第2規制機構とを備えた
ことを特徴とする蓋部材。
【請求項2】
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第1規制機構は、前記第1操作部材の非操作時に前記連係部材の揺動経路から外れ、第1操作部材の操作時に前記第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動方向に位置して該連係部材の揺動変位を阻むように延在する揺動阻止部を該第1操作部材に備える請求項1記載の蓋部材。
【請求項3】
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第2規制機構は、前記第2操作部材の非操作時に前記第1操作部材のスライド変位経路から外れ、第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動変位により第1操作部材のスライド変位経路に位置して該第1操作部材のスライド変位を阻むスライド阻止部を前記連係部材に備える請求項1または2記載の蓋部材。
【請求項4】
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第1規制機構の揺動阻止部は、前記第1操作部材の操作時に連係部材の上方変位する部位の上側に位置する第1係合部と、第1操作部材の操作時に連係部材の下方変位する部位の下側に位置する第2係合部とを有する請求項2記載の蓋部材。
【請求項5】
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第2規制機構のスライド阻止部は、前記第2操作部材の操作時に前記連係部材の上方変位する部位に設けられ、前記第1操作部材のスライド変位方向に位置する第1係止部と、該連係部材の下方変位する部位に設けられ、第1操作部材に設けられた係止受部に係止する第2係止部とを有する請求項3記載の蓋部材。
【請求項6】
前記第1ロック機構は、前記第1操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に揺動可能に設けられたスライドロック部材と、前記第1蓋構成体に設けられ、前記スライドロック部材に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合可能なロック部とを備え、
前記第1ロック機構は、前記スライドロック部材が第1操作部材の非操作時に前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合するよう保持される一方、第1操作部材の操作に連動して前記スライドロック部材が揺動して、前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向から外れて退避するよう構成される請求項1〜5の何れか一項に記載の蓋部材。
【請求項7】
前記第2蓋構成体は、第1位置と、該第1位置から第1蓋構成体の回転支持側に向けて変位した第2位置との間でスライド変位するよう構成され、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に上下方向に揺動可能に設けられた連係部材と、第1位置にある第2蓋構成体の前記連係部材に重なる位置に配置して第1蓋構成体に設けられ、本体部材に対して係脱可能な開閉ロック部材とを備え、
前記第2ロック機構は、第2操作部材の非操作時に開閉ロック部材が本体部材に係合するよう保持される一方、第2操作部材の操作に連動して揺動する前記連係部材に開閉ロック部材が当接すると共に連結部材の揺動につれて該開閉ロック部材が本体部材から退避するよう構成される請求項1〜6の何れか一項に記載の蓋部材。
【請求項8】
前記連係部材は、前記第2蓋構成体の前記第1位置以外において、前記開閉ロック部材と重なる位置から退避する請求項7記載の蓋部材。
【請求項9】
前記第1規制機構によって第1操作部材の操作時に第2操作部材の動作を規制するタイミングは、前記第2規制機構によって第2操作部材の操作時に第1操作部材の動作を規制するタイミングより早くなるように設定された請求項1〜8の何れか一項に記載の蓋部材。
【請求項1】
上方に開口する物品収納部を有する本体部材の上部に、該物品収納部を開閉可能に配設された蓋部材であって、
前記本体部材の上部に回転可能に支持され、前記物品収納部に対して倒伏または起立する第1蓋構成体と、
前記第1蓋構成体の上側に該第1蓋構成体に沿ってスライド変位可能に配設され、該第1蓋構成体の回転変位に伴って回転変位する第2蓋構成体と、
前記第2蓋構成体にスライド変位可能に配設された第1操作部材と、
前記第2蓋構成体に、前記第1操作部材と横並びに位置して該第1操作部材と同一方向にスライド変位可能に配設された第2操作部材と、
前記第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を規制し、前記第1操作部材の操作に連動して該第2蓋構成体の第1蓋構成体に対するスライド変位を許容する第1ロック機構と、
前記第1蓋構成体の倒伏姿勢において該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を規制し、前記第2操作部材の操作に連動して該第1蓋構成体の本体部材に対する回転変位を許容する第2ロック機構と、
前記第1操作部材に設けられ、該第1操作部材の操作時に前記第2ロック機構の動作を規制する第1規制機構と、
前記第2ロック機構に設けられ、前記第2操作部材の操作時に前記第1操作部材のスライド変位を規制する第2規制機構とを備えた
ことを特徴とする蓋部材。
【請求項2】
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第1規制機構は、前記第1操作部材の非操作時に前記連係部材の揺動経路から外れ、第1操作部材の操作時に前記第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動方向に位置して該連係部材の揺動変位を阻むように延在する揺動阻止部を該第1操作部材に備える請求項1記載の蓋部材。
【請求項3】
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に設けられ、該第2操作部材の操作に連動して上下方向に揺動する連係部材を備え、
前記第2規制機構は、前記第2操作部材の非操作時に前記第1操作部材のスライド変位経路から外れ、第2操作部材の操作に連動する連係部材の揺動変位により第1操作部材のスライド変位経路に位置して該第1操作部材のスライド変位を阻むスライド阻止部を前記連係部材に備える請求項1または2記載の蓋部材。
【請求項4】
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第1規制機構の揺動阻止部は、前記第1操作部材の操作時に連係部材の上方変位する部位の上側に位置する第1係合部と、第1操作部材の操作時に連係部材の下方変位する部位の下側に位置する第2係合部とを有する請求項2記載の蓋部材。
【請求項5】
前記連係部材は、前記第1操作部材の操作時のスライド変位経路上に位置して配置されると共に、揺動中心を中心として第1操作部材のスライド方向に離間する端縁が互いに反対側に揺動するよう支持され、
前記第2規制機構のスライド阻止部は、前記第2操作部材の操作時に前記連係部材の上方変位する部位に設けられ、前記第1操作部材のスライド変位方向に位置する第1係止部と、該連係部材の下方変位する部位に設けられ、第1操作部材に設けられた係止受部に係止する第2係止部とを有する請求項3記載の蓋部材。
【請求項6】
前記第1ロック機構は、前記第1操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に揺動可能に設けられたスライドロック部材と、前記第1蓋構成体に設けられ、前記スライドロック部材に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合可能なロック部とを備え、
前記第1ロック機構は、前記スライドロック部材が第1操作部材の非操作時に前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向に係合するよう保持される一方、第1操作部材の操作に連動して前記スライドロック部材が揺動して、前記ロック部に対して第2蓋構成体のスライド変位方向から外れて退避するよう構成される請求項1〜5の何れか一項に記載の蓋部材。
【請求項7】
前記第2蓋構成体は、第1位置と、該第1位置から第1蓋構成体の回転支持側に向けて変位した第2位置との間でスライド変位するよう構成され、
前記第2ロック機構は、前記第2操作部材のスライド変位経路上に位置して前記第2蓋構成体に上下方向に揺動可能に設けられた連係部材と、第1位置にある第2蓋構成体の前記連係部材に重なる位置に配置して第1蓋構成体に設けられ、本体部材に対して係脱可能な開閉ロック部材とを備え、
前記第2ロック機構は、第2操作部材の非操作時に開閉ロック部材が本体部材に係合するよう保持される一方、第2操作部材の操作に連動して揺動する前記連係部材に開閉ロック部材が当接すると共に連結部材の揺動につれて該開閉ロック部材が本体部材から退避するよう構成される請求項1〜6の何れか一項に記載の蓋部材。
【請求項8】
前記連係部材は、前記第2蓋構成体の前記第1位置以外において、前記開閉ロック部材と重なる位置から退避する請求項7記載の蓋部材。
【請求項9】
前記第1規制機構によって第1操作部材の操作時に第2操作部材の動作を規制するタイミングは、前記第2規制機構によって第2操作部材の操作時に第1操作部材の動作を規制するタイミングより早くなるように設定された請求項1〜8の何れか一項に記載の蓋部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−201983(P2010−201983A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47225(P2009−47225)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
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