薄型電池
【課題】特別な部材を追加することなくフィルムの波形状部の剛性を確保することができ、しかも放熱を良好に行うことが可能な薄型電池を提供する。
【解決手段】薄型電池は、2つの電池要素122A、122Bと、その間に配置された通路形成部材130と、これら電池要素及び通路形成部材を収容するフィルム包装体とを有している。通路形成部材130には、電池の完成状態で、フィルム包装体を貫通した状態に延在する冷却風通路132が複数形成されている。各電池要素の断面形状は波形状とされ、また、フィルム包装体には、電池要素の外周面に沿うようにして、電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されている。
【解決手段】薄型電池は、2つの電池要素122A、122Bと、その間に配置された通路形成部材130と、これら電池要素及び通路形成部材を収容するフィルム包装体とを有している。通路形成部材130には、電池の完成状態で、フィルム包装体を貫通した状態に延在する冷却風通路132が複数形成されている。各電池要素の断面形状は波形状とされ、また、フィルム包装体には、電池要素の外周面に沿うようにして、電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネートフィルム等からなる包装体内に電池要素が電解液と共に収容された薄型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車などの駆動用電源として、薄型電池(例えばリチウムイオン二次電池)を複数集合させて構成した組電池を用いることが行われている。また、そのような組電池において、電池の充放電性能を最大限に発揮させるためには(あるいは電池の寿命を短縮させないためには)、電池(薄型電池)を冷却する必要があることが知られている。薄型電池は一般に、ラミネートフィルムからなる包装体内に、金属箔の積層体として構成された電池要素が電解液と共に収容された構造となっている。
【0003】
図8、図9は、特許文献1に開示された従来の薄型電池の構成を示している。薄型電池350は、正極用金属箔(不図示)と負極用金属箔とがセパレータを介して交互に積層された電池要素302と、その電池要素302を収容するための2枚のラミネートフィル301を有している。2枚のラミネートフィルム301は、その外周部の4辺において互いに熱シールされており、そのうちの一辺から電極タブ302aが引き出されている。この薄型電池350は、ラミネートフィルム301が波形状に形成されていることを1つの特徴としており、これにより、例えば、図8の矢印A方向に薄型電池350を曲げることができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−173559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような薄型電池350を用いて組電池を構成する場合、例えば図10に示すようにして電池を積層すれば、波形状部同士の間に空隙が確保され、これを通風路370として利用することができるとも考えられる。これによれば、特別なスペーサ等を用いることなく電池同士の間に通風路が確保されるため、組電池の構成を簡素化できる点で有利である。
【0005】
しかし、特許文献1はそもそも薄型電池350をこのようにして積層することは想定しておらず、次のような理由から、このような積層を実現することは困難であると考えられる。すなわち、図11に示すように、特許文献1の薄型電池では電池要素302とフィルム301との間には空洞部304が生じており、この部分ではフィルムが比較的変形しやくなっている。そのため、図10のようにして積層した場合、実際にはフィルムが潰れてしまうおそれもあり、この場合、通風路370は確保されないこととなる。
【0006】
前述の通り、フィルム301に形成された波形状部を利用すれば、スペーサ等を利用せずとも通風路370を確保することが可能である。しかし、これを実現するためには、フィルム301が変形しないように、つまり、通風路370が良好に確保されるように、何らからの対策を講じる必要がある。ここで、例えば、空洞部304内に補強部材を配置するなどしてフィルムが変形しないようにすることもできようが、これでは、不要な部材を追加することとなり好ましくない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、特別な部材を追加することなくフィルムの波形状部の剛性を確保することができ、しかも放熱を良好に行うことが可能な薄型電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明の薄型電池は、電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された電池要素が、フィルム包装体の内部に電解液と共に収容された薄型電池において、前記電池要素の断面形状が波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されていることを特徴とする。また、上記本発明に関し、フィルム包装体の内部は真空引きされた状態となっていてもよいし、また、上記電池要素の波形状(フィルムの波形状部も同じ)は、サイン波形または台形波形であってもよい。
【0009】
上記本発明によれば、電池要素が波形断面とされており、フィルム包装体の波形状部はその電池要素の外周面(表面)に沿うようにして形成されている。すなわち、フィルムと電池要素との間に空洞部を生じることなく、フィルム包装体の波形状部が形成されているため、フィルムの波形状部の剛性が十分に確保されたものとなっている。また、フィルムと電池要素との間の空洞部が生じていないことにより、従来の構成と比較して放熱性も良好なものとなっている(この詳細については〔発明を実施するための最良の形態〕の欄内で述べる)。そして、このように波形状に構成された本発明の薄型電池によれば、組電池を構成する際に特別なスペーサ等を要することなく、電池同士の間に通風路を確保することができる。
【0010】
また、本発明の他の薄型電池は、それぞれ電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された2つの電池要素と、該2つの電池要素同士の間に配置された通路形成部材と、前記2つの電池要素及び前記通路形成部材を収容するフィルム包装体とを有する薄型電池であって、前記通路形成部材は、前記フィルム包装体を貫通した状態に延在する冷却風通路を複数有し、前記各電池要素の断面形状は波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されている。
【0011】
この薄型電池は、1つのフィルム包装体の内部に2つの電池要素が配置されたものである。2つの電池要素の間には、通路形成部材が配置されており、この通路形成部材が補強部材として、あるいは、電池要素の冷却用部材として機能するようになっている。したがって、電池全体としての剛性が向上すると共に、放熱性も良好に維持される。この薄型電池においても、上記の薄型電池と同じように、電池要素が波形状とされると共にフィルム包装体には波形状部が形成されているため、上記同様、フィルムの波形状部の剛性が十分に確保され、また放熱性も良好なものとなる。
【0012】
上記本発明の他の薄型電池に関し、前記通路形成部材は、前記電池要素のそれぞれに対向する第1の面及び第2の面を有し、前記電池要素はいずれも、その一方の面が前記第1の面又は第2の面に密着した状態で配置されていることが好ましい。電池要素が通路形成部材に密着していることで、電池要素の熱が通路形成部材に良好に伝わるようになり、結果的に電池の放熱性がより向上するためである。
【0013】
また、前記フィルム包装体はより具体的には、2枚のラミネートフィルムからなるものであって、前記通路形成部材の、前記冷却風通路が開口する部位の近傍は、前記2枚のラミネートフィルムによって挟み込まれているものであってもよい。また、2つの電池要素は、前記通路形成部材を間において互いに対称の構造となっていることが好ましい。また、前記各電池要素の波形状は台形波形であり、前記フィルム包装体の内部は真空引きされた状態となっているものであってもよい。また、前記各冷却風通路の延在方向が、前記電池要素の波形状における波の稜線方向に一致しているものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
上述したように本発明の薄型電池によれば、電池要素が波形断面とされており、フィルムの波形状部はこの電池要素の表面に沿うように形成されているため、特別な部材を追加することなくフィルムの波形状部の剛性を確保することができる。また、フィルムと電池要素の間には空洞部が生じないことから、電池の放熱性も良好なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の薄型電池の構成を示す断面図である。図1に示すように、薄型電池50は、基本的には従来の構成同様、フィルム包装体を構成するフィルム24A、24B(以下、単にフィルム24とも言う)と、フィルム包装体内に電解液(不図示)と共に収容される電池要素22とを有しており、フィルム24同士を熱シールした封止部26からは内部の電池要素22に電気的に接続された電極タブ25が引き出されている。
【0016】
電池要素22は、正極板23a及び負極板23bがセパレータ(不図示)を介して交互に積層されものであり、本実施形態においてはサイン波形の断面形状に形成されている。電池要素22の厚さは例えば数mm〜十mm程度である。正極板23a及び負極板23bそれぞれの材質は、従来一般に用いられるものであれば特に限定されるものではない。
【0017】
一例として、正極板23aは、金属酸化物などの正極活物資に、カーボンブラックなどの導電材と、ポリ四化フッ化エチレンの水性ディスパージョンなどの接着剤とを、重合比で例えば100:3:10の割合で混合したものを、正極側集電体としての金属箔(例えばアルミニウム箔)の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのちに所定の大きさに切断したものである。負極板23bは、例えば、正極活物質のリチウムイオンを吸蔵及び放出する負極活物質に、スチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンを例えば固形分比100:5で混合し、この混合物を、負極側集電体としての金属箔(例えばニッケル箔又は銅箔)の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのちに所定の大きさに切断したものである。
【0018】
このような正極板23a及び負極板23bをセパレータを介して交互に重ね、これをプレス加工することで、波形状をなす電池要素22が得られる。電池要素22を包装する際、真空引きを行いながら2枚のフィルム24A、24B同士を熱シールすることが好ましい。これにより、フィルム包装体の内部が真空状態(大気圧より低い気圧状態をいう)となり、各フィルム24A、24Bの内側面が電池要素22の外周面に密着して沿うこととなる。
【0019】
なお、フィルム24A、24Bに対しては、例えばプレス加工等により予め波形状が付与されていてもよい。フィルムが比較的軟らかい場合、真空引きを行った際にフィルムが電池要素の外形に沿って密着するため、こうした事前のプレス加工は不要である。
【0020】
図2は、薄型電池50を重ね合せて組電池を構成した例を示している。2つの薄型電池50を、互いのフィルム24B同士が対向するように上下を反転させて重ねることで、波形状部の谷部同士の間に通風路70が形成されることとなる。本実施形態の構成によれば電池同士の間に特別のスペーサ等を介在させなくとも通風路70が形成されるという利点があるが、もっとも、必要に応じてスペーサ等を用いることも可能である。
【0021】
電極タブ25同士は、例えばレーザ溶接を利用して互いに接合することができる。波形状部の谷部がこのように通風路70を構成することに鑑みれば、谷部の延在方向(すなわち波の稜線)は、従来の構成と同じように例えば電池の短手方向にまっすぐとなっていることが好ましく、これにより、通風路70もまっすぐに形成されることとなる。
【0022】
本実施形態の薄型電池50では、電池要素22が波形断面とされており、フィルム24には、その電池要素22の外周面に沿うような波形状部が形成されている。したがって、従来の構成のようにフィルムと電池要素との間に空洞部304(図11参照)が生じることはない。このような構成によれば、フィルム24の波形状部に剛性が確保されるため、図2のようにして電池同士を重ね合せたとしてもフィルムが変形することはなく、通風路70が良好に確保されるものとなる。
【0023】
また、本実施形態のように電池要素22が波形状となっている場合、電池要素の外形形状を拡大することなく、正極板23及び負極板24の表面積を大きくすることできるため、電池の高出力化にも有利である。また、本実施形態の構成は、図11の構成のように空洞部304が生じるものではないため、放熱の観点からも有利である。すなわち図11の構成では、空洞部304があるため、通風路内に送られる冷媒(冷却風)と電池要素との間の熱交換が効率的に実施されないと考えられる。これに対し、本実施形態の構成では空洞部が生じていないため、冷媒と電池要素22との間の熱交換が良好になされるものとなる。
【0024】
また、本実施形態の構成では電池要素22が波形断面とされているため、例えば図8の矢印B方向の外力が加わったとしても電池の変形は最小限に抑えられる。これは、波の稜線方向に関し、電池要素の剛性が向上したことに起因するものである。
【0025】
なお、波形状部の形状(谷部の深さ、あるいは谷部同士の間隔等)は適宜変更可能である。また、波形状はサイン波形に限らず、例えば矩形波形又は台形波形が連続するようなものであってもよい。また、フィルム24A、24Bの具体的な一例としては、例えば、熱溶融性を有する樹脂層と、金属薄膜などからなる非通気層と、ナイロンなどからなる保護層とがこの順番に積層された3層構造のラミネートフィルムであってもよい。
【0026】
(第2の実施形態)
電池要素の断面形状が台形波形である薄型電池の例について、図3〜図5を参照して説明する。なお、図3〜図5に示す薄型電池150では、電池要素の断面が台形波状とされていることに加え、1つのフィルム包装体内に2つの電池要素122A、122Bが配置された構成となっている。すなわち、この薄型電池150は、通路形成部材130を挟み込むようにして、2つの電池要素122A、122Bが配置されたいわゆるサンドイッチ型の構造となっている。
【0027】
まず、このようなサンドイッチ型の構造の基本的な考え方について、図6、図7を参照して説明する。なお、図6、図7では、本実施形態の構成要素と区別するため図3〜図5とは異なる符号を付して各構成要素を示している。
【0028】
図6、図7に示す薄型電池250は、2つの電池要素222A、222Bと、それらの間に配置される偏平な通路形成部材230とを有している。1つの電池要素は例えば3.6V程度の起電力を出力するものであり、本構成ではこれが2つあるために倍の出力(7.2V程度)が得られるようになっている。
【0029】
通路形成部材230は樹脂成形品であり、リブによって仕切られた冷却風通路232(高さ寸法が例えば1.5〜2.0mm程度)を複数有している。薄型電池の完成状態では、図7に示すように、この通路形成部材230の短手方向の両端がフィルムの封止部226に挟み込まれている。これにより、冷却風通路232はフィルムによって塞がれることなく、フィルム外包体を貫通した状態となっている。この冷却風通路232内に冷却風を送ることにより、電池要素からの熱が外部に逃がされるようになっている。
【0030】
通路形成部材230を用いることなく、単に2つの電池要素222A、222Bを積層する構成では電池要素の内部に熱がこもりやすく、それに起因した問題も生じやすい。これに対して、図6、図7に示すサンドイッチ型の構造によれば、電池要素同士の間に冷却風通路232が確保されているため、放熱を良好に行うことができるという利点がある。また、この薄型電池では、通路形成部材230が補強部材としても機能することから、薄型電池全体としての剛性が向上するという利点もある。
【0031】
再び図3を参照する。本実施形態に係る薄型電池150は、こうしたサンドイッチ型構造の利点を保ちつつ、電池要素の断面形状を波形状にしたものである。すなわち、図6の電池要素222A、222Bに代えて電池要素122A、122Bが配置されており、通路形成部材230に代えて、複数の冷却風通路132を有する通路形成部材130が配置されている。
【0032】
各電池要素122A、122Bはいずれも同じ構成であり、その断面形状は台形の波形状となっている。各電池要素を構成する正極板123a及び負極板123bは、第1の実施形態の正極板23a及び負極板23bと同様のものを使用可能である。
【0033】
2つの電池要素122A、122Bは、通路形成部材130を間において互いに対称の構造となっており、一方の電池要素の山部127の反対側には、他方の電池要素の山部127が存在している。それぞれの山部127ではフィルムの表面が平坦になっており、これにより、電池同士の重ね合せが良好にできるようになっている。
【0034】
図4は、薄型電池150を重ね合せて組電池を構成した例を示している。2つの薄型電池150を、各電池の山部127同士が互いに接触するように重ねることで、波形状部の谷同士の間に断面六角形状の通風路170が形成される。通風路170は、冷却風通路132と同じ方向に延在しており、また、通風路170の開口と冷却風通路132の開口とはいずれも同じ方向を向いている。このような構成によれば、各通路132、170に冷却風を送り込むためのダクト(不図示)を構成しやすいという利点がある。
【0035】
図5には、薄型電池150の側縁部の一部が拡大して示されている。図示するように、通路形成部材130は、冷却風通路132が開口する部位の近傍が2枚のフィルム124A、124Bによって挟み込まれている。この場合、各フィルムの内側面が、例えば熱シールにより通路形成部材の外周面に接合されていてもよい。あるいは、接着剤等を介在させた状態で、フィルムの内側面と通路形成部材の外周面とが接合されていてもよい。
【0036】
以上説明した本実施形態によれば、電池要素122A、122Bが波形状とされていることによる、第1の実施形態同様の利点が得られる。また、薄型電池150は、2つの電池要素が通路形成部材を挟み込むように配置されたサンドイッチ型構造となっているため、放熱性や剛性を損なうことなく、電池要素2個分の出力が得られるようになっている。
【0037】
なお、電池要素からの熱を良好に放熱する観点からすれば、電池要素122Aの下面と通路形成部材130の上面(第1の面)とが密着するような構成となっていることが好ましい。すなわち、電池要素の下面と通路形成部材の上面とが相補的な形状となっていることが好ましい。これは、電池要素122Bの上面と通路形成部材130の下面(第2の面)との関係においても同様である。このように、電池要素と通路形成部材とが互いに密着する構成となっていることにより、電池要素の熱が通路形成部材に良好に伝わるようになる。通路形成部材に伝わった熱は、冷却風通路132内に送られる冷媒(冷却風)との間で熱交換され外部に逃がされる。
【0038】
なお、通路形成部材130における冷却風通路132同士の間隔は特に限定されるものではないが、各冷却風通路132は等間隔で配置されていることが好ましい。これにより、電池要素に対する冷却が均一的なものとなる。通路形成部材130は樹脂成形品に限らず、例えば絶縁性の2枚の板部材が対向配置されてなるものであってもよい。具体的な材質の一例を挙げれば、該板部材は、例えば金属等の熱良導体に電気絶縁材をコーティングしたものであってもよい。金属等の熱良導体を用いることによって、冷却風通路132内の冷媒と電池要素との間の熱交換が良好になされるものとなる。
【0039】
以上、本発明について2つの実施形態を例に挙げて説明したが、各実施形態の構成は互いに組み合わされて使用されてもよい。例えば、第2の実施形態の構成において電池要素の波形状をサイン波形とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態に係る薄型電池の構成を示す断面図である。
【図2】図1の薄型電池を重ね合せて組電池を構成した例を示す図である。
【図3】第2の実施形態に係る薄型電池の構成を示す断面図である。
【図4】図3の薄型電池を重ね合せて組電池を構成した例を示す図である。
【図5】図3の薄型電池の側縁部を一部拡大して示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る薄型電池の基本的な構成について説明するための分解斜視図である。
【図7】図6の薄型電池の完成状態を示す外観斜視図である。
【図8】従来の薄型電池の構成を示す外観斜視図である。
【図9】図8の薄型電池の構成を示す分解斜視図である。
【図10】従来の薄型電池を重ね合せて組電池を構成した例を示す図である。
【図11】図8の薄型電池の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
22、122A、122B 電池要素
23a、123a 正極板
23b、123b 負極板
24A、24B、124A、124B フィルム
25、125 電極タブ
26 封止部
127 山部
130 通路形成部材
132 冷却風通路
50、150 薄型電池
70、170 通風路
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネートフィルム等からなる包装体内に電池要素が電解液と共に収容された薄型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車などの駆動用電源として、薄型電池(例えばリチウムイオン二次電池)を複数集合させて構成した組電池を用いることが行われている。また、そのような組電池において、電池の充放電性能を最大限に発揮させるためには(あるいは電池の寿命を短縮させないためには)、電池(薄型電池)を冷却する必要があることが知られている。薄型電池は一般に、ラミネートフィルムからなる包装体内に、金属箔の積層体として構成された電池要素が電解液と共に収容された構造となっている。
【0003】
図8、図9は、特許文献1に開示された従来の薄型電池の構成を示している。薄型電池350は、正極用金属箔(不図示)と負極用金属箔とがセパレータを介して交互に積層された電池要素302と、その電池要素302を収容するための2枚のラミネートフィル301を有している。2枚のラミネートフィルム301は、その外周部の4辺において互いに熱シールされており、そのうちの一辺から電極タブ302aが引き出されている。この薄型電池350は、ラミネートフィルム301が波形状に形成されていることを1つの特徴としており、これにより、例えば、図8の矢印A方向に薄型電池350を曲げることができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−173559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような薄型電池350を用いて組電池を構成する場合、例えば図10に示すようにして電池を積層すれば、波形状部同士の間に空隙が確保され、これを通風路370として利用することができるとも考えられる。これによれば、特別なスペーサ等を用いることなく電池同士の間に通風路が確保されるため、組電池の構成を簡素化できる点で有利である。
【0005】
しかし、特許文献1はそもそも薄型電池350をこのようにして積層することは想定しておらず、次のような理由から、このような積層を実現することは困難であると考えられる。すなわち、図11に示すように、特許文献1の薄型電池では電池要素302とフィルム301との間には空洞部304が生じており、この部分ではフィルムが比較的変形しやくなっている。そのため、図10のようにして積層した場合、実際にはフィルムが潰れてしまうおそれもあり、この場合、通風路370は確保されないこととなる。
【0006】
前述の通り、フィルム301に形成された波形状部を利用すれば、スペーサ等を利用せずとも通風路370を確保することが可能である。しかし、これを実現するためには、フィルム301が変形しないように、つまり、通風路370が良好に確保されるように、何らからの対策を講じる必要がある。ここで、例えば、空洞部304内に補強部材を配置するなどしてフィルムが変形しないようにすることもできようが、これでは、不要な部材を追加することとなり好ましくない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、特別な部材を追加することなくフィルムの波形状部の剛性を確保することができ、しかも放熱を良好に行うことが可能な薄型電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明の薄型電池は、電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された電池要素が、フィルム包装体の内部に電解液と共に収容された薄型電池において、前記電池要素の断面形状が波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されていることを特徴とする。また、上記本発明に関し、フィルム包装体の内部は真空引きされた状態となっていてもよいし、また、上記電池要素の波形状(フィルムの波形状部も同じ)は、サイン波形または台形波形であってもよい。
【0009】
上記本発明によれば、電池要素が波形断面とされており、フィルム包装体の波形状部はその電池要素の外周面(表面)に沿うようにして形成されている。すなわち、フィルムと電池要素との間に空洞部を生じることなく、フィルム包装体の波形状部が形成されているため、フィルムの波形状部の剛性が十分に確保されたものとなっている。また、フィルムと電池要素との間の空洞部が生じていないことにより、従来の構成と比較して放熱性も良好なものとなっている(この詳細については〔発明を実施するための最良の形態〕の欄内で述べる)。そして、このように波形状に構成された本発明の薄型電池によれば、組電池を構成する際に特別なスペーサ等を要することなく、電池同士の間に通風路を確保することができる。
【0010】
また、本発明の他の薄型電池は、それぞれ電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された2つの電池要素と、該2つの電池要素同士の間に配置された通路形成部材と、前記2つの電池要素及び前記通路形成部材を収容するフィルム包装体とを有する薄型電池であって、前記通路形成部材は、前記フィルム包装体を貫通した状態に延在する冷却風通路を複数有し、前記各電池要素の断面形状は波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されている。
【0011】
この薄型電池は、1つのフィルム包装体の内部に2つの電池要素が配置されたものである。2つの電池要素の間には、通路形成部材が配置されており、この通路形成部材が補強部材として、あるいは、電池要素の冷却用部材として機能するようになっている。したがって、電池全体としての剛性が向上すると共に、放熱性も良好に維持される。この薄型電池においても、上記の薄型電池と同じように、電池要素が波形状とされると共にフィルム包装体には波形状部が形成されているため、上記同様、フィルムの波形状部の剛性が十分に確保され、また放熱性も良好なものとなる。
【0012】
上記本発明の他の薄型電池に関し、前記通路形成部材は、前記電池要素のそれぞれに対向する第1の面及び第2の面を有し、前記電池要素はいずれも、その一方の面が前記第1の面又は第2の面に密着した状態で配置されていることが好ましい。電池要素が通路形成部材に密着していることで、電池要素の熱が通路形成部材に良好に伝わるようになり、結果的に電池の放熱性がより向上するためである。
【0013】
また、前記フィルム包装体はより具体的には、2枚のラミネートフィルムからなるものであって、前記通路形成部材の、前記冷却風通路が開口する部位の近傍は、前記2枚のラミネートフィルムによって挟み込まれているものであってもよい。また、2つの電池要素は、前記通路形成部材を間において互いに対称の構造となっていることが好ましい。また、前記各電池要素の波形状は台形波形であり、前記フィルム包装体の内部は真空引きされた状態となっているものであってもよい。また、前記各冷却風通路の延在方向が、前記電池要素の波形状における波の稜線方向に一致しているものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
上述したように本発明の薄型電池によれば、電池要素が波形断面とされており、フィルムの波形状部はこの電池要素の表面に沿うように形成されているため、特別な部材を追加することなくフィルムの波形状部の剛性を確保することができる。また、フィルムと電池要素の間には空洞部が生じないことから、電池の放熱性も良好なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の薄型電池の構成を示す断面図である。図1に示すように、薄型電池50は、基本的には従来の構成同様、フィルム包装体を構成するフィルム24A、24B(以下、単にフィルム24とも言う)と、フィルム包装体内に電解液(不図示)と共に収容される電池要素22とを有しており、フィルム24同士を熱シールした封止部26からは内部の電池要素22に電気的に接続された電極タブ25が引き出されている。
【0016】
電池要素22は、正極板23a及び負極板23bがセパレータ(不図示)を介して交互に積層されものであり、本実施形態においてはサイン波形の断面形状に形成されている。電池要素22の厚さは例えば数mm〜十mm程度である。正極板23a及び負極板23bそれぞれの材質は、従来一般に用いられるものであれば特に限定されるものではない。
【0017】
一例として、正極板23aは、金属酸化物などの正極活物資に、カーボンブラックなどの導電材と、ポリ四化フッ化エチレンの水性ディスパージョンなどの接着剤とを、重合比で例えば100:3:10の割合で混合したものを、正極側集電体としての金属箔(例えばアルミニウム箔)の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのちに所定の大きさに切断したものである。負極板23bは、例えば、正極活物質のリチウムイオンを吸蔵及び放出する負極活物質に、スチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンを例えば固形分比100:5で混合し、この混合物を、負極側集電体としての金属箔(例えばニッケル箔又は銅箔)の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのちに所定の大きさに切断したものである。
【0018】
このような正極板23a及び負極板23bをセパレータを介して交互に重ね、これをプレス加工することで、波形状をなす電池要素22が得られる。電池要素22を包装する際、真空引きを行いながら2枚のフィルム24A、24B同士を熱シールすることが好ましい。これにより、フィルム包装体の内部が真空状態(大気圧より低い気圧状態をいう)となり、各フィルム24A、24Bの内側面が電池要素22の外周面に密着して沿うこととなる。
【0019】
なお、フィルム24A、24Bに対しては、例えばプレス加工等により予め波形状が付与されていてもよい。フィルムが比較的軟らかい場合、真空引きを行った際にフィルムが電池要素の外形に沿って密着するため、こうした事前のプレス加工は不要である。
【0020】
図2は、薄型電池50を重ね合せて組電池を構成した例を示している。2つの薄型電池50を、互いのフィルム24B同士が対向するように上下を反転させて重ねることで、波形状部の谷部同士の間に通風路70が形成されることとなる。本実施形態の構成によれば電池同士の間に特別のスペーサ等を介在させなくとも通風路70が形成されるという利点があるが、もっとも、必要に応じてスペーサ等を用いることも可能である。
【0021】
電極タブ25同士は、例えばレーザ溶接を利用して互いに接合することができる。波形状部の谷部がこのように通風路70を構成することに鑑みれば、谷部の延在方向(すなわち波の稜線)は、従来の構成と同じように例えば電池の短手方向にまっすぐとなっていることが好ましく、これにより、通風路70もまっすぐに形成されることとなる。
【0022】
本実施形態の薄型電池50では、電池要素22が波形断面とされており、フィルム24には、その電池要素22の外周面に沿うような波形状部が形成されている。したがって、従来の構成のようにフィルムと電池要素との間に空洞部304(図11参照)が生じることはない。このような構成によれば、フィルム24の波形状部に剛性が確保されるため、図2のようにして電池同士を重ね合せたとしてもフィルムが変形することはなく、通風路70が良好に確保されるものとなる。
【0023】
また、本実施形態のように電池要素22が波形状となっている場合、電池要素の外形形状を拡大することなく、正極板23及び負極板24の表面積を大きくすることできるため、電池の高出力化にも有利である。また、本実施形態の構成は、図11の構成のように空洞部304が生じるものではないため、放熱の観点からも有利である。すなわち図11の構成では、空洞部304があるため、通風路内に送られる冷媒(冷却風)と電池要素との間の熱交換が効率的に実施されないと考えられる。これに対し、本実施形態の構成では空洞部が生じていないため、冷媒と電池要素22との間の熱交換が良好になされるものとなる。
【0024】
また、本実施形態の構成では電池要素22が波形断面とされているため、例えば図8の矢印B方向の外力が加わったとしても電池の変形は最小限に抑えられる。これは、波の稜線方向に関し、電池要素の剛性が向上したことに起因するものである。
【0025】
なお、波形状部の形状(谷部の深さ、あるいは谷部同士の間隔等)は適宜変更可能である。また、波形状はサイン波形に限らず、例えば矩形波形又は台形波形が連続するようなものであってもよい。また、フィルム24A、24Bの具体的な一例としては、例えば、熱溶融性を有する樹脂層と、金属薄膜などからなる非通気層と、ナイロンなどからなる保護層とがこの順番に積層された3層構造のラミネートフィルムであってもよい。
【0026】
(第2の実施形態)
電池要素の断面形状が台形波形である薄型電池の例について、図3〜図5を参照して説明する。なお、図3〜図5に示す薄型電池150では、電池要素の断面が台形波状とされていることに加え、1つのフィルム包装体内に2つの電池要素122A、122Bが配置された構成となっている。すなわち、この薄型電池150は、通路形成部材130を挟み込むようにして、2つの電池要素122A、122Bが配置されたいわゆるサンドイッチ型の構造となっている。
【0027】
まず、このようなサンドイッチ型の構造の基本的な考え方について、図6、図7を参照して説明する。なお、図6、図7では、本実施形態の構成要素と区別するため図3〜図5とは異なる符号を付して各構成要素を示している。
【0028】
図6、図7に示す薄型電池250は、2つの電池要素222A、222Bと、それらの間に配置される偏平な通路形成部材230とを有している。1つの電池要素は例えば3.6V程度の起電力を出力するものであり、本構成ではこれが2つあるために倍の出力(7.2V程度)が得られるようになっている。
【0029】
通路形成部材230は樹脂成形品であり、リブによって仕切られた冷却風通路232(高さ寸法が例えば1.5〜2.0mm程度)を複数有している。薄型電池の完成状態では、図7に示すように、この通路形成部材230の短手方向の両端がフィルムの封止部226に挟み込まれている。これにより、冷却風通路232はフィルムによって塞がれることなく、フィルム外包体を貫通した状態となっている。この冷却風通路232内に冷却風を送ることにより、電池要素からの熱が外部に逃がされるようになっている。
【0030】
通路形成部材230を用いることなく、単に2つの電池要素222A、222Bを積層する構成では電池要素の内部に熱がこもりやすく、それに起因した問題も生じやすい。これに対して、図6、図7に示すサンドイッチ型の構造によれば、電池要素同士の間に冷却風通路232が確保されているため、放熱を良好に行うことができるという利点がある。また、この薄型電池では、通路形成部材230が補強部材としても機能することから、薄型電池全体としての剛性が向上するという利点もある。
【0031】
再び図3を参照する。本実施形態に係る薄型電池150は、こうしたサンドイッチ型構造の利点を保ちつつ、電池要素の断面形状を波形状にしたものである。すなわち、図6の電池要素222A、222Bに代えて電池要素122A、122Bが配置されており、通路形成部材230に代えて、複数の冷却風通路132を有する通路形成部材130が配置されている。
【0032】
各電池要素122A、122Bはいずれも同じ構成であり、その断面形状は台形の波形状となっている。各電池要素を構成する正極板123a及び負極板123bは、第1の実施形態の正極板23a及び負極板23bと同様のものを使用可能である。
【0033】
2つの電池要素122A、122Bは、通路形成部材130を間において互いに対称の構造となっており、一方の電池要素の山部127の反対側には、他方の電池要素の山部127が存在している。それぞれの山部127ではフィルムの表面が平坦になっており、これにより、電池同士の重ね合せが良好にできるようになっている。
【0034】
図4は、薄型電池150を重ね合せて組電池を構成した例を示している。2つの薄型電池150を、各電池の山部127同士が互いに接触するように重ねることで、波形状部の谷同士の間に断面六角形状の通風路170が形成される。通風路170は、冷却風通路132と同じ方向に延在しており、また、通風路170の開口と冷却風通路132の開口とはいずれも同じ方向を向いている。このような構成によれば、各通路132、170に冷却風を送り込むためのダクト(不図示)を構成しやすいという利点がある。
【0035】
図5には、薄型電池150の側縁部の一部が拡大して示されている。図示するように、通路形成部材130は、冷却風通路132が開口する部位の近傍が2枚のフィルム124A、124Bによって挟み込まれている。この場合、各フィルムの内側面が、例えば熱シールにより通路形成部材の外周面に接合されていてもよい。あるいは、接着剤等を介在させた状態で、フィルムの内側面と通路形成部材の外周面とが接合されていてもよい。
【0036】
以上説明した本実施形態によれば、電池要素122A、122Bが波形状とされていることによる、第1の実施形態同様の利点が得られる。また、薄型電池150は、2つの電池要素が通路形成部材を挟み込むように配置されたサンドイッチ型構造となっているため、放熱性や剛性を損なうことなく、電池要素2個分の出力が得られるようになっている。
【0037】
なお、電池要素からの熱を良好に放熱する観点からすれば、電池要素122Aの下面と通路形成部材130の上面(第1の面)とが密着するような構成となっていることが好ましい。すなわち、電池要素の下面と通路形成部材の上面とが相補的な形状となっていることが好ましい。これは、電池要素122Bの上面と通路形成部材130の下面(第2の面)との関係においても同様である。このように、電池要素と通路形成部材とが互いに密着する構成となっていることにより、電池要素の熱が通路形成部材に良好に伝わるようになる。通路形成部材に伝わった熱は、冷却風通路132内に送られる冷媒(冷却風)との間で熱交換され外部に逃がされる。
【0038】
なお、通路形成部材130における冷却風通路132同士の間隔は特に限定されるものではないが、各冷却風通路132は等間隔で配置されていることが好ましい。これにより、電池要素に対する冷却が均一的なものとなる。通路形成部材130は樹脂成形品に限らず、例えば絶縁性の2枚の板部材が対向配置されてなるものであってもよい。具体的な材質の一例を挙げれば、該板部材は、例えば金属等の熱良導体に電気絶縁材をコーティングしたものであってもよい。金属等の熱良導体を用いることによって、冷却風通路132内の冷媒と電池要素との間の熱交換が良好になされるものとなる。
【0039】
以上、本発明について2つの実施形態を例に挙げて説明したが、各実施形態の構成は互いに組み合わされて使用されてもよい。例えば、第2の実施形態の構成において電池要素の波形状をサイン波形とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態に係る薄型電池の構成を示す断面図である。
【図2】図1の薄型電池を重ね合せて組電池を構成した例を示す図である。
【図3】第2の実施形態に係る薄型電池の構成を示す断面図である。
【図4】図3の薄型電池を重ね合せて組電池を構成した例を示す図である。
【図5】図3の薄型電池の側縁部を一部拡大して示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る薄型電池の基本的な構成について説明するための分解斜視図である。
【図7】図6の薄型電池の完成状態を示す外観斜視図である。
【図8】従来の薄型電池の構成を示す外観斜視図である。
【図9】図8の薄型電池の構成を示す分解斜視図である。
【図10】従来の薄型電池を重ね合せて組電池を構成した例を示す図である。
【図11】図8の薄型電池の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
22、122A、122B 電池要素
23a、123a 正極板
23b、123b 負極板
24A、24B、124A、124B フィルム
25、125 電極タブ
26 封止部
127 山部
130 通路形成部材
132 冷却風通路
50、150 薄型電池
70、170 通風路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された電池要素が、フィルム包装体の内部に電解液と共に収容された薄型電池において、
前記電池要素の断面形状が波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されていることを特徴とする薄型電池。
【請求項2】
前記フィルム包装体の内部が真空引きされた状態となっている、請求項1に記載の薄型電池。
【請求項3】
前記電池要素の波形状は、サイン波形又は台形波形である、請求項1又は2に記載の薄型電池。
【請求項4】
それぞれ電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された2つの電池要素と、該2つの電池要素同士の間に配置された通路形成部材と、前記2つの電池要素及び前記通路形成部材を収容するフィルム包装体とを有する薄型電池であって、
前記通路形成部材は、前記フィルム包装体を貫通した状態に延在する冷却風通路を複数有し、前記各電池要素の断面形状は波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されている薄型電池。
【請求項5】
前記通路形成部材は、前記電池要素のそれぞれに対向する第1の面及び第2の面を有し、前記電池要素はいずれも、その一方の面が前記第1の面又は第2の面に密着した状態で配置されている、請求項4に記載の薄型電池。
【請求項6】
前記フィルム包装体は2枚のラミネートフィルムからなるものであって、前記通路形成部材の、前記冷却風通路が開口する部位の近傍は、前記2枚のラミネートフィルムによって挟み込まれている、請求項4又は5に記載の薄型電池。
【請求項7】
前記2つの電池要素は、前記通路形成部材を間において互いに対称の構造となっている、請求項4から6のいずれか1項に記載の薄型電池。
【請求項8】
前記各電池要素の波形状は台形波形であり、前記フィルム包装体の内部は真空引きされた状態となっている、請求項4から7のいずれか1項に記載の薄型電池。
【請求項9】
前記各冷却風通路の延在方向が、前記電池要素の波形状における波の稜線方向に一致している、請求項4から8のいずれか1項に記載の薄型電池。
【請求項1】
電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された電池要素が、フィルム包装体の内部に電解液と共に収容された薄型電池において、
前記電池要素の断面形状が波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されていることを特徴とする薄型電池。
【請求項2】
前記フィルム包装体の内部が真空引きされた状態となっている、請求項1に記載の薄型電池。
【請求項3】
前記電池要素の波形状は、サイン波形又は台形波形である、請求項1又は2に記載の薄型電池。
【請求項4】
それぞれ電気的エネルギーを貯留及び出力するように構成された2つの電池要素と、該2つの電池要素同士の間に配置された通路形成部材と、前記2つの電池要素及び前記通路形成部材を収容するフィルム包装体とを有する薄型電池であって、
前記通路形成部材は、前記フィルム包装体を貫通した状態に延在する冷却風通路を複数有し、前記各電池要素の断面形状は波形状に形成され、前記フィルム包装体には、前記電池要素の外周面に沿うようにして、前記電池要素の波形状と形状を同じくする波形状部が形成されている薄型電池。
【請求項5】
前記通路形成部材は、前記電池要素のそれぞれに対向する第1の面及び第2の面を有し、前記電池要素はいずれも、その一方の面が前記第1の面又は第2の面に密着した状態で配置されている、請求項4に記載の薄型電池。
【請求項6】
前記フィルム包装体は2枚のラミネートフィルムからなるものであって、前記通路形成部材の、前記冷却風通路が開口する部位の近傍は、前記2枚のラミネートフィルムによって挟み込まれている、請求項4又は5に記載の薄型電池。
【請求項7】
前記2つの電池要素は、前記通路形成部材を間において互いに対称の構造となっている、請求項4から6のいずれか1項に記載の薄型電池。
【請求項8】
前記各電池要素の波形状は台形波形であり、前記フィルム包装体の内部は真空引きされた状態となっている、請求項4から7のいずれか1項に記載の薄型電池。
【請求項9】
前記各冷却風通路の延在方向が、前記電池要素の波形状における波の稜線方向に一致している、請求項4から8のいずれか1項に記載の薄型電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−331874(P2006−331874A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154117(P2005−154117)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(302036862)NECラミリオンエナジー株式会社 (37)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(302036862)NECラミリオンエナジー株式会社 (37)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】
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