説明

薬品管理装置および薬品管理システム

【課題】 従来の医療現場においては、薬品取扱者に多くの負担がかかりやすいという問題点があった。
【解決手段】 薬品管理装置100は、医療現場で使用される複数の薬品を格納する薬品格納部148と、薬品取扱者により格納される薬品である実装薬品の出庫操作がなされたとき、当該操作の対象となる実装薬品を他の実装薬品と弁別して物理的に検出する出入庫検出部146と、複数の実装薬品をその種別ごとに計数する計数部150を備える。注射箋受信部152は、注射箋データを外部の処方解析装置250から受信する。出庫判定部124は、出庫検出された実装薬品が、注射箋データにおいて出庫指示された実装薬品であるか否かを判定する。出庫完了通知部154は、処方データにより出庫指示された実装薬品の出庫が完了したことを契機として、出庫完了信号を処方解析装置250に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療現場で利用される薬品を管理するための技術、とくに、処方指示された薬品の出庫を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
血管から直接投与される注射薬は、経口投与される薬品よりも薬効が速やかに吸収されやすい。しかし、その反面、注射薬の投与ミスは人体への影響が大きく、より慎重な投与が求められる。
【0003】
患者へ注射薬を投与するまでの過程は、おおむね、以下の6段階に分けることができる。
(1)医師が患者に投与すべき注射薬の処方箋(以下、この投与すべき注射薬の指示を「注射箋」とよぶ)を作成する。
(2)薬剤師等が、注射箋により指示された複数の注射薬を病院内の薬局で準備する。
(3)薬剤師が、注射箋により指示された注射薬と、実際に準備された注射薬に間違いがないかを検査する。
(4)薬局において準備された複数の注射薬を病棟に運ぶ。
(5)輸液に注射薬を混ぜて調整する。
(6)注射箋において指示された投与時間にて、(5)で調整された注射薬(以下、「調整注射薬」とよぶ)を患者に投与する。
【特許文献1】特開2001−199508号公報
【特許文献2】特開平8−339410号公報
【特許文献3】特開平7−220011号公報
【特許文献4】特開平3−264064号公報
【特許文献5】特開昭63−318674号公報
【特許文献6】特開昭59−77568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの入院患者をかかえる病院において、その患者に投与する注射薬の準備による負担は大きい。そのため、通常は薬局にて投与予定日の前日から予め注射薬が準備される。しかし、注射箋は一旦発行された後でも、患者の容態や検査値に応じて変更されることも多い。このとき、元の注射箋にしたがって準備された注射薬は、使用されることなく返品される場合もある。あるいは、すでに混合調整が行われてしまっており、破棄される場合もある。
【0005】
このような運用の場合、注射箋が変更されるごとに、病棟などの医療現場には使われない注射薬が在庫されたり、その逆に、新しい注射薬が必要になり、薬剤師や看護師が薬局と医療現場との間で薬品の搬送を行わなければならない。また、医療現場に薬品を在庫して現場にて取り出すとすれば、薬品が分散管理されるため在庫管理が複雑化する。したがって、薬局にて薬品を一元的に管理し、予め注射薬を準備する運用が一般的である。
【0006】
また、注射箋の変更は、注射薬の投与ミスを誘発する契機となりやすい為、薬品取扱
者は特に慎重な対応が求められている。このように、従来の医療現場においては、薬
品取扱者に多くの負担がかかりやすいという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、医療現
場における薬品の取り扱い負担を軽減するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は薬品管理装置である。この装置は、医療現場で使用される複数の薬品を実装薬品として格納し、薬品取扱者により実装薬品の出庫操作がなされると、これを物理的に検出することによって複数の実装薬品をその種別ごとに計数する。この装置は、実装薬品の出庫を指示する処方データを外部の処方管理装置から受信し、出庫検出された実装薬品が処方データにおいて出庫指示された実装薬品であるか否かを判定する。処方データにより出庫指示された実装薬品の出庫が完了すると、所定の出庫完了信号を処方管理装置に送信する。
【0009】
「実装薬品」とは、用時溶解剤なども含む薬剤や薬品であって、薬品格納庫に格納されているものをいう。一方、後述の「非実装品」とは、実装薬品の対の概念であり、薬品格納庫に格納されない薬品や薬剤をいう。以下、実装薬品、非実装品をまとめていうときには単に「薬品」とよぶ。また、医療材料や輸液などをまとめていうときにも「薬品」とよぶ。
【0010】
この装置は、出庫検出された実装薬品が処方データにおいて出庫指示された実装薬品でないと判定されたとき、不正出庫がなされた旨を薬品取扱者に通知してもよい。また、「処方データ」は、患者の病状に応じてその投薬を予約された1以上の実装薬品の出庫を指示するデータであってもよい。このような不正出庫通知により、注射箋などの処方データに基づいて正常に実装薬品の出庫が完了したかを薬品取扱者が確認する負担が軽減される。
【0011】
処方データは、実装薬品に加えて1以上の非実装品の出庫を指示するデータであってもよい。このとき、この装置は、薬品取扱者により非実装品の出庫がなされたとき、出庫の対象たる非実装品についての入力を受け付け、その非実装品が処方データにおいて出庫指示された非実装品であるか否かを判定する。この装置は、処方データにより出庫指示された実装薬品および非実装品の出庫が完了すると、出庫完了信号を処方管理装置に送信する。
【0012】
この装置は、薬品取扱者による操作に基づいて、処方データに依らずに実装薬品を出庫するための非常出庫モードに出庫形態を移行させてもよい。この装置は、非常出庫モードにおいて出庫検出された実装薬品についての非常出庫情報を外部の非常出庫管理装置に送信する。非常出庫情報は出庫検出された実装薬品と患者IDを関連づけた情報であってもよいし、出庫検出された実装薬品と出庫用途を識別するために付与された出庫用途IDと関連づけた情報であってもよい。このような態様によれば、患者の容態に応じて、現場の判断にて必要な薬品を準備可能となる。また、非常出庫情報の送信により、このような処方データに基づかない処置がなされても、どのような理由でどの薬品が使用されたかをトレースしやすくなる。
【0013】
本発明の別の態様は薬品管理システムである。このシステムは、先述の薬品管理装置と処方データに基づいて薬品管理装置に実装薬品の出庫を指示する処方管理装置を含む。処方管理装置は、処方データに基づく実装薬品の出庫が完了しているか否かを示す処方実施情報を記憶し、薬品管理装置から出庫完了信号を受信するとこれを更新する。薬品管理装置は、出庫指示された実装薬品の出庫が完了すると、略リアルタイムにて出庫完了信号を送信してもよい。また、処方管理装置は、出庫完了信号を受信すると、略リアルタイムにて処方実施情報を更新してもよい。ここでいう、「略リアルタイムにて」とは、所定の処理の終了後、ユーザや外部装置からの操作や所定時間の経過といった条件成立を前提とすることなく、後処理に移行する態様をいう。この処理管理装置は、薬品管理装置からの出庫完了信号の受信を契機として、複数の薬品管理装置全体について在庫情報を更新してもよい。
【0014】
以上のような態様によれば、病棟ごとに設置された薬品管理装置が注射箋などの処方データを受信することにより、薬品取扱者は患者に近い現場で薬品を準備できる。また、薬品類を薬局の一元管理ではなく、複数の薬品管理装置にて分散管理しやすくなる。薬品管理装置から薬品類が出庫されると出庫完了信号が送信されるため、このように薬品を分散配置しても、処方データに基づく薬品類の出庫に伴う病院全体での在庫管理が容易となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、医療現場における薬品の取り扱い負担を軽減する上で効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、薬品管理装置100の外観を示す図である。薬品管理装置100本体は、カート116によって移動可能に構成される。表示装置102は、看護師をはじめとする薬品取扱者に各種の情報を表示する。以下、看護師が当該薬品管理装置100を使用する状況を例として説明する。ここで、表示装置102は、タッチパネルとして看護師からの入力を画面上のグラフィックスボタン等により受け付ける。また、入力にはキーボードやマウスなど既存の入力装置を利用してもよい。
【0017】
バーコードリーダ104は、非実装品を識別するために付与されるバーコードや患者を識別するために付与されるバーコードなど各種のバーコードを読み取るための装置である。バーコードリーダ104は薬品管理装置100からは分離された構成としてもよい。この場合、バーコードリーダ104により読み取られたバーコード情報は、無線により薬品管理装置100に送信されてもよい。本実施例においては、主として、この薬品管理装置100から分離されたバーコードリーダ104により各種のバーコードを読み取る場合を想定して説明する。非実装品の入出庫に際しては、看護師は非実装品に付与されるバーコードをバーコードリーダ104により読み取ることにより、入出庫についての情報を薬品管理装置100に入力する。薬品格納庫106は、実装薬品を格納する棚である。薬品格納庫106は複数段のカタログ108によって分段される。各カタログ108は更に、複数のカセット110によって区分けされる。カセット110には、それぞれ同一種類の実装薬品が格納される。
【0018】
カセット110は、通常、注射薬などを入れたアンプルやバイアルの格納を想定するものであるが、これに限らず箱型容器に入った薬品や、シリンジ型注射薬、外用薬などを格納できてもよい。また、カセット110にそのままでは格納できない形状の薬品を格納させるため所定の規格に基づくアダプター容器を設けてもよい。このような形状の薬品であっても、このアダプター容器にはめこむことにより、カセット110に格納することができる。なお、本明細書において「注射薬」とは、患者に投与される調整注射薬の成分となる薬品全般を意味するものとする。
【0019】
各カセット110には、既知の方法により、その格納される実装薬品の出入庫を機械的に検出する機構が設けられている。これによって、薬品管理装置100は格納する各実装薬品の出入庫を検出する。また、各カセット110には、既知の方法により、その格納される実装薬品の個数を機械的に計数する機構が設けられている。これによって、薬品管理装置100は格納する各実装薬品の個数を計数する。ここでいう既知の方法とは、たとえば、特開2001−199508号公報に示される方法である。薬品格納庫106は、認証された看護師しか薬品を取り出せないよう、通常はシャッターなどの防護手段によって防護されている。後述の方法により、看護師の認証が完了した時点で、シャッターが開放されるように制御される。
【0020】
外付格納庫121も、同様の機構により各種の薬品を格納する。外付格納庫121は、外付けの薬品格納庫106として機能する。ボトル格納庫120は、ボトル容器に入れられた輸液を格納する。ボトル格納庫120も薬品格納庫106と同様に、ボトルの出入庫を機械的に検出する機構を備える。これによって、薬品管理装置100はボトル格納庫120に格納される各ボトルの出入庫も検出することができる。
【0021】
また、薬品管理装置100は多目的引出しを備えてもよい。多目的引き出しは、薬品格納庫106に収まらない薬品類、すなわち、非実装品を格納してもよい。非実装品は、必ずしも多目的引出しに格納される必要はない。プリンタ114は、各種の情報を印刷するための装置である。
【0022】
図2は、病院200における薬品管理装置100を含むハードウェア構成を示す図である。病院200における病棟226において、薬品管理装置100a、100b等、複数の薬品管理装置100が通信ネットワーク216に接続されている。通信ネットワーク216は、LAN(Local Area Network)や専用回線であってもよい。通信ネットワーク216は、インターネットなど外部の通信回線と接続される。通信ネットワーク216には、その他、注射箋入力端末212、医療情報システム220、薬局用入力端末214、処方データベース202および処方解析装置250が接続される。
【0023】
注射箋入力端末212は、診療科ごとに複数設置され、医師や薬剤師等から注射箋データの入力を受け付ける。ここでいう、注射箋データとは、患者に投与すべき注射薬を指示する処方箋データである。注射箋データには、注射薬の名前および払い出し個数、静脈注射や側管注射などの投与ルート、投与予定日時、患者名、患者年齢、診療科、データ入力者などの情報が含まれる。医療情報システム220は、病院200内の各診療科から入力された注射箋データを集約する。
【0024】
薬局224には、処方解析装置250、薬局用入力端末214および処方データベース202が設置され、これらは通信ネットワーク216に接続される。処方データベース202に格納される注射箋データは、注射箋入力端末212を介して入力されたデータである。処方データベース202は、各注射箋データに基づいて注射薬が出庫準備されたか否かについての情報も格納する。処方解析装置250は、処方データベース202から注射箋データを取得する。そして、その注射箋データを薬局用入力端末214や薬品管理装置100に送信する。薬品管理装置100は、各病棟に設置される。薬局用入力端末214は、薬局に設置されるパーソナルコンピュータなどの汎用端末装置である。各病棟や薬局においては、ネットワークプリンタや各種通信端末が通信ネットワーク216と接続されてもよい。
【0025】
医療情報システム220は、病院200ごとに構成されるシステムである。医療情報システム220の内部構成は、病院200の状況に応じて多様である。本実例における医療情報システム220は、薬品データベース222、患者データベース218、在庫データベース204、医事会計システム206、電子カルテシステム208および在庫管理システム210を含むシステムであるとして以降の説明を行う。
【0026】
薬品データベース222は、注射薬をはじめとする薬品に関する情報を格納する。患者データベース218は、患者情報を格納する。在庫データベース204は、病院200全体における薬品の在庫情報を格納する。
【0027】
医事会計システム206は、主として、患者ごとに請求すべき金額を管理するためのシステムである。電子カルテシステム208は、主として、患者ごとのカルテ情報を管理するためのシステムである。在庫管理システム210は、主として、病院200全体における薬品類の在庫管理を行うためのシステムである。
【0028】
注射箋データにより出庫指示された注射薬は、通常は患者に投与される日(以下、「投与予定日」とよぶ)の前日に薬局にて準備される。そして、投与予定日において準備された注射薬を混合調整することにより調整注射薬が作られ、注射箋データにおいて指定された投与時間にて患者に投与される。しかし、注射箋データは、注射薬が用意された後に変更されることも多い。その変更は、投与予定日の前日になされる場合もあれば、投与予定日にてなされる場合もある。したがって、注射箋データは、場合によっては1度、2度と書き換えられる場合がある。
【0029】
本実施例における注射箋データは、投与予定日時までの期間、すなわち投与予定日時が差し迫っている度合いに応じて、「通常」、「臨時」、「緊急」の3つの区分に分類される。また、患者の容態によっては、注射箋データに基づかず、現場判断にて調整注射薬が患者に投与される場合(以下、「非常投与」とよぶ)もある。本実施例においては、以下のような運用形態にて調整注射薬が患者に投与が実行される。
【0030】
(A)通常注射箋の場合
通常注射箋は、24時間以内を投与予定日時とする注射箋であり、通常は患者に継続投与される定期的な注射箋である。処方解析装置250は、処方データベース202が格納する注射箋データを取得する。取得した注射箋データが通常注射箋データであれば、これを薬局の薬局用入力端末214に送信する。業務効率を高めるため、薬局においては一日の所定時間帯にまとめて注射薬セットの準備がなされる。以下、この時間帯のことを薬局の「準備時間帯」とよぶ。準備時間帯は、一日あたり数度設定されてもよい。処方解析装置250は、この準備時間帯にあわせて定期的に通常注射箋データを送信する。具体的には、処方解析装置250は注射箋データの内容を記載したラベル(以下、「注射箋ラベル」とよぶ)を、薬局用入力端末214に併設されるネットワークプリンタに印刷させる。薬局において薬剤師は、注射箋ラベルを受け取り、注射箋ラベルに記載された注射薬を準備する。注射箋ラベルはシールとなっており、調整注射薬の容器等に貼付することができる。
【0031】
注射箋ラベルには、注射箋データをユニークに識別するための注射箋IDと、それに対応して生成されるバーコード(以下、「注射箋コード」とよぶ)が記載されている。薬剤師は、指定された注射薬の出庫が完了すると、薬局用入力端末214を介して通常注射箋データに記載されている注射箋IDを入力し、処方解析装置250に出庫が完了した旨を送信する。薬局にて準備された注射薬は投与予定日に各病棟にまとめて運搬される。運搬後、これらの注射薬は混合調整される。そして、混合調整された調整注射薬は、注射箋ラベルに記載された投与予定時刻にて、患者に投与される。
【0032】
(B)臨時注射箋の場合
臨時注射箋は、12時間以内を投与予定日時とする注射箋である。臨時注射箋は、通常注射箋の修正を指示する注射箋である場合もある。臨時注射箋に関しては、以下の2通りの運用のいずれかがなされる。
【0033】
(B−1)通常注射箋データの扱いとほぼ同等の運用である。処方解析装置250は、処方データベース202から注射箋データを取得する。取得した注射箋データが臨時注射箋データであれば、これを薬局の薬局用入力端末214に送信する。処方解析装置250は、薬局の準備時間帯にあわせて臨時注射箋データを送信する。処方解析装置250は、臨時注射箋データの内容を記載した注射箋ラベルを、薬局用入力端末214に併設されるネットワークプリンタに印刷させる。薬剤師は、注射箋ラベルを受け取ると、注射箋ラベルに記載された注射薬を準備する。臨時注射箋データの場合も、薬剤師は出庫完了の旨を薬局用入力端末214を介して処方解析装置250に送信する。以降の処理は、(A)に示した通常注射箋の場合と同様である。
【0034】
(B−2)処方解析装置250は、処方データベース202から取得した注射箋データを通信ネットワーク216を介して病院200内に公開する。薬局用入力端末214や薬品管理装置100など通信ネットワーク216に接続される端末装置は、処方解析装置250が公開する注射箋データをインストールされているブラウザによって視認可能に取得できる。看護師は薬品管理装置100から処方解析装置250にアクセスし、その病棟での投与が予定されている臨時注射箋データのダウンロードを処方解析装置250に要求することができる。処方解析装置250は、この要求を受信すると、薬品管理装置100に要求された臨時注射箋データに対応する注射箋ラベルを印刷させる。看護師は、注射箋コードをバーコードリーダ104によって読み取らせる。薬品管理装置100は、入力された注射箋コードに対応する注射箋IDを特定し、対応する注射箋データを処方解析装置250から取得する。取得された注射箋データは表示装置102に表示される。
【0035】
看護師は、表示装置102に表示された臨時注射箋データの指示内容にしたがって、薬品管理装置100が格納する実装薬品や、病棟の非実装品の出庫操作を行う。出庫が完了すると、薬品管理装置100は処方解析装置250に対してその臨時注射箋データに基づく出庫がなされた旨を、出庫完了信号として処方解析装置250に送信する。(B−1)に示したように薬局用入力端末214に対して臨時注射箋データを送信するに先だって、処方解析装置250が薬品管理装置100から出庫完了信号を受信した場合には、処方解析装置250はその臨時注射箋データをもはや薬局用入力端末214に送信しない。
このように、臨時注射箋データについては、通常注射箋データと同様に薬局にて注射薬の準備がなされてもよいし、病棟にて注射薬の準備がなされてもよい。
【0036】
(C)緊急注射箋の場合
緊急注射箋は、3時間以内を投与予定日時とする注射箋である。緊急注射箋は、通常注射箋や臨時注射箋の修正を指示する注射箋である場合もある。処方解析装置250は、処方データベース202から注射箋データを取得する。取得した注射箋データが緊急注射箋データであれば、処方解析装置250は該当病棟に設置される薬品管理装置100に対してこの緊急注射箋データを送信する。この場合にも、処方解析装置250は、緊急注射箋データの内容を記載した注射箋ラベルを、通信ネットワーク216を介して薬品管理装置100に印刷させる。看護師は、注射箋コードをバーコードリーダ104にて読み取らせる。薬品管理装置100は、処方解析装置250から該当する緊急注射箋データを取得する。看護師は、この取得された緊急注射箋データに基づいて、注射薬を出庫する。出庫完了後、薬品管理装置100は出庫完了信号を処方解析装置250に送信する。病棟にて、薬品管理装置100から出庫された注射薬は混合調整された後、調整注射薬として患者に投与される。
【0037】
(D)非常投与の場合
患者容態の変化によっては、注射箋データに基づかず、現場判断にて注射薬が出庫される。現場判断にて薬品管理装置100から薬品が出庫されると、どの薬品がどのような用途で出庫されたかを示す非常出庫情報が処方解析装置250に送信される。以下、非常投与のために、注射薬を出庫することを「非常出庫」とよぶ。
【0038】
緊急注射箋データのように投与予定時刻が差し迫っている場合、多忙な薬局にて必要な注射薬を用意して病棟に運搬するプロセスは医療の迅速化を妨げる要因となる。また、この場合においては、頻繁に緊急注射箋データが発行されると薬局業務の定型化を妨げるため、薬品取扱者に大きな負担がかかる。
【0039】
薬局には、病院200において使用が想定される薬品がそろえられているが、薬品管理装置100には、その設置される病棟において使用が想定される薬品がそろえられている。したがって、非常投与の場合であっても薬品管理装置100から必要な注射薬を準備可能な場合が多い。本実施例として示す態様によれば、現場にて注射薬を準備し、そのまま混合調整、投与といったプロセスを実現できるため、同図に示したシステムは迅速かつ的確な医療に資する。
【0040】
これは、緊急注射箋データや臨時注射箋データに基づく調整注射薬の投与に関しても同様である。同図に示したシステムによれば、看護師は業務の空き時間を利用して、必要な注射薬を病棟にて準備することができる。また、注射薬の出庫完了や、在庫の変化についての各種情報は、薬品管理装置100から処方解析装置250に対して適宜送信される。処方解析装置250が各薬品管理装置100や薬局用入力端末214から取得する情報は、医療情報システム220に通知される。このため、医療情報システム220は病院200全体における注射箋データの実行状況や、在庫状況をリアルタイムに管理できる。したがって、看護師や薬剤師等の薬品取扱者の業務負担の軽減や、薬品を適所配置が可能となり、医療の質の向上や、病院業務の効率化に資する。以下、本発明の具体的態様を更に説明する。
【0041】
図3は、薬品管理装置100の機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはデータ送受信機能を含むプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0042】
薬品管理装置100は、ユーザインタフェース処理部122、出庫判定部124、通信処理部126、機構制御部128およびデータ格納部130を含む。ユーザインタフェース処理部122は、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。ユーザインタフェース処理部122は、入力処理部132、印刷処理部134および出力処理部136を含む。入力処理部132は看護師等の薬品取扱者からの入力に関する処理を担当する。入力処理部132は、薬品取扱者の認証も行い、不正なアクセスを排除する。入力処理部132は、更にバーコード入力部138と画面入力部140を含む。バーコード入力部138は、バーコードリーダ104によるバーコード入力を受け付ける。バーコードは非実装品や看護師などを識別すべく付与されてもよい。画面入力部140は、看護師による表示装置102への画面タッチ入力を受け付ける。このほかにも、各種の入力部を備えてもよい。たとえば、入力処理部132は音声により看護師からの入力を受け付けてもよい。
【0043】
出力処理部136は、薬品取扱者への情報出力に関する処理を担当する。出力処理部136は、画面表示部142と音声出力部144を含む。画面表示部142は、表示装置102を介してGUI(Graphical User Interface)により看護師に各種の情報を出力する。音声出力部144は、各種の音声ガイダンスをアナウンスする。印刷処理部134は、入力処理部132や処方解析装置250からの指示にしたがって印刷処理を実行する。
【0044】
機構制御部128は実装薬品の在庫管理を行うための機構である。機構制御部128は、主として機械的に構成されるブロックであり、出入庫検出部146、薬品格納部148および計数部150を含む。薬品格納部148は実装薬品を格納するものであり、主として図1の薬品格納庫106が対応する。看護師が実装薬品の出入庫操作を行うと、出入庫検出部146はその出入庫を既知の方法により検出する。計数部150は、既知の方法により実装薬品をその種別ごとに計数する。
【0045】
通信処理部126は、外部との通信処理を担当する。通信処理部126は、更に注射箋受信部152、出庫完了通知部154および出庫情報送信部156を含む。注射箋受信部152は、処方解析装置250から注射箋データを取得する。出庫完了通知部154は、注射箋データに基づく注射薬の出庫が完了したことを示す出庫完了信号を処方解析装置250に送信する。出庫情報送信部156は、出庫した注射薬の内容を示す出庫情報を処方解析装置250に送信する。出庫情報は、出庫された薬品、出庫された量や出庫目的などを含む情報である。
【0046】
データ格納部130は、注射箋受信部152が受信した注射箋データなどの各種データを格納する。出庫判定部124は、注射箋受信部152が受信した注射箋データに、出入庫検出部146が検出した注射薬が含まれるか判定する。出庫判定部124は、注射箋データに含まれない注射薬の出庫を検出すると、出力処理部136を介して不正出庫がなされた旨を通知する。
【0047】
図4は、処方解析装置250の機能ブロック図である。ここに示す各ブロックも、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはデータ送受信機能を含むプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0048】
処方解析装置250は、通信処理部172、処方実施情報格納部170、注射箋解析部174および出庫情報格納部176を含む。通信処理部172は、薬品管理装置100や医療情報システム220との通信処理を担当する。通信処理部172は、出庫完了信号受信部160、出庫情報通信部162、注射箋受信部164および注射箋送信部166を含む。出庫完了信号受信部160は、薬品管理装置100から出庫完了信号を受信する。出庫情報通信部162は、薬品管理装置100から出庫情報を受信する。注射箋受信部164は、医療情報システム220から注射箋データを受信する。注射箋送信部166は、注射箋受信部164が受信した注射箋データを薬局用入力端末214や薬品管理装置100に送信する。注射箋送信部166は、更にラベルデータ生成部168を含む。ラベルデータ生成部168は、注射箋データに対応して注射箋ラベルとして印刷されるデータを生成する。注射箋送信部166は、この生成された注射箋ラベルを薬局用入力端末214に併設されるネットワークプリンタや薬品管理装置100に印刷させるよう制御する。
【0049】
注射箋解析部174は、注射箋受信部164により受信された注射箋データが、通常、臨時、緊急のいずれの区分に該当するかを解析する。注射箋解析部174は、注射箋データにしたがって、注射箋送信部166が注射箋ラベルデータを送信すべき送信先を特定する。処方実施情報格納部170は、注射箋受信部164により受信された各注射箋データに基づく注射薬の出庫状況を示す処方実施情報を格納する。出庫完了信号受信部160は、薬局用入力端末214や薬品管理装置100から出庫完了信号を受信すると、処方実施情報を更新する。
【0050】
出庫情報格納部176は、薬局用入力端末214や薬品管理装置100から出庫情報通信部162が受信した出庫情報を格納する。出庫情報通信部162は、出庫情報格納部176が格納する出庫情報を定期的に医療情報システム220に送信する。医療情報システム220の在庫管理システム210は、処方解析装置250から受信した出庫情報に基づいて、在庫データベース204が格納する薬品の在庫情報を更新する。また、医事会計システム206は、この出庫情報に応じて、薬局や、各病棟の薬品を補充すべく病院200外部に発注指示を行う。また、出庫情報に応じて、処方データベース202が格納する情報も適宜更新される。
【0051】
図5は、薬品管理装置100の初期画面であるログイン画面300を示す。看護師は、薬品取扱者ID入力領域316に薬品取扱者IDとよばれる薬品取扱者(ここでは看護師)ごとに付与されるID番号を入力する。また、看護師はパスワード入力領域318に看護師を認証するためのパスワードを入力する。これらの入力は、テンキー324のタッチにより行われるが、予め付与されたバーコードにより入力してもよい。正しい薬品取扱者IDとパスワードであることを入力処理部132が認証すると、薬品取扱者名表示領域320には該当する看護師の氏名が表示され、看護師は薬品管理装置100を使用可能となる。看護師ごとの薬品取扱者ID、パスワード、看護師名に関する情報は、データ格納部130が格納するが、医療情報システム220や処方解析装置250に含まれるデータベースが格納してもよい。
【0052】
在庫不一致表示領域302、終了状態表示領域304およびゼロ在庫表示領域306は薬品管理装置100の状態情報を表示する。在庫不一致表示領域302は、計数部150が物理的に計数する実装薬品の個数と、薬品管理装置100のデータ格納部130が格納する実装薬品の在庫が一致しているか否かを表示する。出庫判定部124は、データ格納部130に実装薬品の出入庫情報を逐一記録することで実装薬品の在庫量を把握する。一方、実装薬品の在庫量は、計数部150により物理的に計数される。通常、両者は一致するが、処理上のエラーや、機構的な故障により一致しない場合がある。在庫不一致表示領域302の表示が「あり」である場合には、このような問題が生じている。これによって、実装薬品の計数に関するエラーを即座に検出できる。
【0053】
通常、実装薬品には高額な薬品が含まれることが多いため、薬品管理装置100の処理エラーによる管理ミスを早期に発見することは重要である。終了状態表示領域304は、前回の看護師が正常に終了したか否かを表示する。システムを正常に終了しなかった場合には、その旨が表示される。ゼロ在庫表示領域306は、在庫がゼロになっている実装薬品の有無を表示する。
【0054】
薬品出庫業務ボタン308、集計業務ボタン310およびメンテナンス業務ボタン312は、看護師が行うべき業務に対応するボタン群である。薬品出庫業務ボタン308は、薬品の出入庫操作を行う画面を表示させるためのボタンである。この画面については図6に関連して説明する。集計業務ボタン310は、集計業務を行う画面(図示せず)を表示させるためのボタンである。メンテナンス業務ボタン312は、薬品管理装置100のメンテナンスのため画面(図示せず)を表示させるためのボタンである。終了ボタン322がタッチされると、薬品管理装置100の処理が終了する。入力情報表示領域326は、入力操作に関する各種情報をガイダンス表示する。
【0055】
ログインに成功し、薬品出庫業務ボタン308がタッチされると、注射箋コードの入力を薬品取扱者に促す画面が表示される。薬品取扱者が注射箋コードをバーコードリーダ104にて読み取らせると、注射箋受信部152は注射箋送信部166から注射箋データを取得する。画面表示部142は、この取得された注射箋データを表示装置102に表示させる。次の図6はその表示態様を示す。
【0056】
図6は、注射箋データを表示したあと、注射薬の出庫操作時に表示される薬品出庫操作画面400を示す。薬品取扱者が注射箋コードをバーコードリーダ104にて読み取らせると、入力処理部132は注射箋受信部152に指示して対応する注射箋データを処方解析装置250に要求させる。処方解析装置250の通信処理部172は、この要求を受信すると処方実施情報格納部170から対応する注射箋データを読み出す。注射箋送信部166はこの注射箋データを薬品管理装置100に送信する。注射箋ID領域314は注射箋データに対応した注射箋IDを表示する。患者氏名表示領域328は患者名を示す。
【0057】
なお、注射箋コードを読み取らせなかった場合、すなわち、非常投与の場合には、注射箋ID領域314および患者氏名表示領域328は空欄表示となる。非常投与の場合であっても、薬品取扱者は患者をユニークに識別するために付与された患者IDに対応したバーコード(以下、「患者コード」とよぶ)をバーコードリーダ104にて読み取らせてもよい。このとき、通信処理部126は処方解析装置250を介して患者データベース218から、患者コードに対応した患者名を取得する。画面表示部142は、この取得された患者名を患者氏名表示領域328に表示させる。薬品補充ボタン330は、実装薬品の補充画面(図示せず)を表示させるためのボタンである。ページ変更ボタン336は、出入庫表示領域332において操作の対象となった薬品類が一画面で表示できなくなった場合に、ページを切り換えるためのボタンである。
【0058】
出入庫表示領域332は、出入庫対象となる注射薬に関する情報を表示する。警告欄346は、注射薬ごとに付与される警告を表示する。注射薬によっては、たとえば、高価であったり危険であったりなどの理由により取り扱いに充分な注意を要するものもある。看護師は、注射薬ごとに警告を設定できる。この設定された警告に基づいて、警告欄346には警告が表示される。警告欄346においては、警告は3列の表示があるが、これは警告のレベル、すなわち、警告の重要度に対応する。重要な警告ほど右に表示される。
【0059】
薬品名称欄348は、操作の対象となる注射薬の名称を表示する。注射薬の名称のみでなく、注射薬の規格など更に各種の情報が表示されてもよい。種別欄350は、対応する注射薬が、実装薬品であるか非実装品であるかについての種別を表示する。出庫予定欄352は、注射箋データにおいて指示された出庫予定量を示す。出庫数量欄354は、実際に出庫された量を示す。出庫単位欄356は、対応する注射薬の出庫単位を示す。
【0060】
同図において示される注射箋ID「100234」の注射箋データは、「大久保聡」という名前の患者に投与すべき注射薬を示す。この注射箋データは、実装薬品である「ペルカミ注射液」を1アンプル(A)と非実装品である「生理食塩液」を計数部150ミリリットル(mL)を出庫するよう指示している。これに対し、同図では「ペルカミ注射液」が1アンプルと「ペントリシン(1g)」が1アンプル出庫されている。
【0061】
注射箋データにおいて指示されている「生理食塩液」は出庫されていないので、出入庫表示領域332には「生理食塩液」の出庫を促す表示がなされる。たとえば、画面表示部142は、出庫判定部124からの指示にしたがって、「生理食塩液」が表示される行を、他の行とは異なる色彩にて表示するなどの示唆的指示により、薬品取扱者の注意を促してもよい。また、音声出力部144は、出庫判定部124からの指示にしたがって、「生理食塩液」を出庫するよう音声にて通知するなどの直接的指示により、薬品取扱者の注意を促してもよい。
【0062】
看護師は、非実装品の「生理食塩液」を出庫するに際しては、「生理食塩液」に予め付与されているバーコード(以下、「薬品コード」とよぶ)をバーコードリーダ104により読み取らせることにより、出庫がなされた旨を薬品管理装置100に入力する。バーコード入力部138や出入庫検出部146による出入庫検出または入力がなされると、画面表示部142はリアルタイムに画面情報を更新する。これにより、看護師は適時に出入庫操作の結果を判断できる。
【0063】
注射箋ID「100234」の注射箋データは実装薬品である「ペントシリン(1g)」の出庫を指示していないが、薬品取扱者は「ペントシリン(1g)」を1アンプル出庫している。出庫判定部124は、このような注射箋データに基づかない注射薬の出庫を不正出庫と判定する。出庫判定部124は、画面表示部142に指示して、薬品取扱者に不正出庫がなされている旨を通知させる。たとえば、画面表示部142は、「ペントシリン(1g)」が表示される行を、他の行とは異なる色彩にて表示させてもよい。あるいは、音声出力部144は、出庫判定部124からの指示にしたがって不正出庫がなされた旨を音声にて薬品取扱者に通知してもよい。
【0064】
このように、注射箋データに基づいて、薬品管理装置100はグラフィカルに出庫状況を表示させると共に、不正な出庫や足りない出庫を通知する。このため、看護師が注射箋データに基づいて薬品を準備するときの監査の手間が大幅に軽減される。
【0065】
図7は、注射箋データにしたがって注射薬の出庫を完了したあとに表示される出庫確認画面360を示す。伝票欄362は、注射箋データの内容を示す。同図に示すように、伝票欄362は、注射箋IDや患者名、注射箋を発行した医師名などを表示する。印刷処理部134は、伝票欄362に示す内容を出庫伝票として印刷する。出庫確認領域364は、注射箋データにおいて出庫指示された注射薬と、実際に出庫された注射薬を一覧表示する。看護師は、出庫確認領域364の表示により最終的に出庫内容の確認を行う。出庫が完了すると、出庫完了通知部154は出庫完了信号を処方解析装置250に送信する。処方解析装置250の出庫完了信号受信部160はこの出庫完了信号を受信すると、処方実施情報格納部170が格納する処方実施情報を更新する。
【0066】
緊急注射箋データの場合、処方解析装置250は緊急注射箋データを該当する病棟に設置される薬品管理装置100に送信する。これに対して、臨時注射箋データの場合、処方解析装置250は臨時注射箋データを薬局用入力端末214に送信するが、看護師はそれに先だって薬品管理装置100にて臨時注射箋データに基づく注射薬の出庫を行ってもよい。
【0067】
図8は、処方解析装置250の処方実施情報を表示する注射箋一覧表示画面402である。処方解析装置250は、処方実施情報格納部170が格納する処方実施情報を通信ネットワーク216を介して公開する。薬品管理装置100の他、薬局用入力端末214など、通信ネットワーク216に接続される通信端末装置は、処方解析装置250の処方実施情報を注射箋一覧表示画面402に示す態様にてブラウザ表示させることができる。
【0068】
開始日時入力領域422と終了日時入力領域404は表示対象期間を示す。開始日時入力領域422に設定される日時から、終了日時入力領域404に設定される日時までを投与予定日時とする注射箋データが表示の対象となる。病棟表示領域406は、投与を行うべき病棟を示す。同図では「6A」病棟において2003年12月15日中の投与を指示する注射箋データが一覧表示されている。
【0069】
注射箋ID欄408は注射箋IDを示す。発行日時欄410は、注射箋の発行日時を示す。これは、注射箋入力端末212にて注射箋データの入力がなされた日時であってもよい。また、継続投与される調整注射薬についての注射箋データの場合、変更が指示されない限り医療情報システム220が定期的に発行してもよい。投与日時欄412は、投与予定日時を示す。出庫完了欄414は、注射箋データに基づく注射薬の出庫が完了しているか否かを示す。区分欄416は、注射箋データの区分を示す。ここでは、緊急注射箋であるか、臨時注射箋であるかが示されるが、変形例として、通常注射箋も表示可能としてもよい。「緊急返品」とは、発行済みの注射箋データにおいて出庫指示された注射薬の一部が返品指示する修正注射箋データであることを示す。同様に、「緊急追加」とは、発行済みの注射箋データにおいて出庫指示されて注射薬に加えて更に注射薬を出庫するよう指示しなおす修正注射箋データであることを示す。患者ID欄418は患者IDを示す。患者氏名欄420は患者名を示す。薬品取扱者は注射箋データの表示をマウス等の入力手段により選択することにより、更に詳しい注射箋データの内容を表示させることができる。
【0070】
薬品取扱者は、表示されている各注射箋データのうち、出庫完了欄414においていまだ出庫されていない注射箋データを取得する。たとえば、注射箋ID「100263」の注射箋データは、臨時注射箋データである。この注射箋データは2003年12月15日に投与予定である。通常は、先述の(B−1)として説明したとおり、処方解析装置250は薬局の準備時間帯を見計らってこの注射箋データを薬局用入力端末214に送信する。薬局では、薬剤師がこの注射箋データにしたがって注射薬を準備する。準備された注射薬は、投与予定の12月15日の20時までに「6A」病棟に運ばれてくる。
【0071】
これに対し、6A病棟の看護師は業務に余裕があれば処方解析装置250から薬品管理装置100にこの注射箋データをダウンロードしてもよい。そして、看護師がこの注射箋データに基づいて注射薬を出庫すると、薬品管理装置100は処方解析装置250に出庫完了信号を送信する。処方解析装置250の出庫完了信号受信部160はこの出庫完了信号を受信すると処方実施情報格納部170の処方実施情報を更新する。このとき、注射箋ID「100262」の注射箋データについては出庫完了欄414にて出庫済み表示に変更される。また、処方解析装置250はこの注射箋データを薬局用入力端末214への送信対象としなくなる。これにより、臨時注射箋データに関しては、薬局業務と病棟業務の負荷バランスが平準化されるよう作用する。
【0072】
図9は、非常投与時において薬品取扱者が注射薬を出庫したときに表示される出庫用途入力画面430を示す。薬品取扱者は、通常は、処方解析装置250から送信される注射箋ラベルに記載の注射箋コードをバーコードリーダ104により読み取って注射薬の出庫を開始する。しかし、注射箋データに基づかずに注射薬を出庫させることもできる。出庫用途入力画面430は、薬品取扱者が非常投与として注射薬を出庫すると表示される。出庫用途ID欄432は、出庫用途や目的を入力するための画面である。
【0073】
出庫用途ID欄432は、データ格納部130に登録されている出庫用途や目的をユニークに識別する出庫用途IDを示す。出庫用途名称欄434は、出庫用途の内容を示す。薬品取扱者は、注射箋データに基づかない非常出庫時において、これらいずれかの出庫用途を選択する。選択ボタン436をタッチすると選択が確定する。検索ボタン438がタッチされると、出庫用途IDやテキスト検索により、出庫用途を検索するための画面(図示せず)が表示される。ページ切換ボタン440がタッチされると、表示ページが切り換えられる。
【0074】
たとえば、出庫用途ID「100」に示す出庫用途データは、患者に対して皮下注射または筋肉注射をするために出庫する場合を示す。また、非常出庫に限らず、注射箋データに基づく出庫であっても、出庫用途入力画面430を表示させることができる。たとえば、注射箋にしたがって用意した注射薬を破損してしまったり、調整注射薬を作った後に注射箋データの変更が指示されることもある。この場合にも、看護師は出庫した後、返却不可能となった注射薬について出庫用途を登録することができる。これにより、使途不明の注射薬の発生を抑制することができる。出庫用途入力画面430において入力された情報は、出庫情報送信部156が処方解析装置250に送信する出庫情報に反映される。
【0075】
図10は、薬品管理装置100から薬品を出庫する過程を全般的に示すフローチャートである。看護師はまず、ログイン画面300にて薬品取扱者IDとパスワードを入力する。入力処理部132は、これらの入力された情報に基づいて認証処理を実行する(S10)。認証に失敗した場合は、処理は開始されない。認証に成功すると、画面表示部142は注射箋コード入力を促す。入力処理部132は、この注射箋コードが入力されたか否かを判定する(S11)。入力された場合には(S11のY)、注射箋受信部152は処方解析装置250から対応する注射箋データを取得する(S12)。薬品取扱者は表示装置102に表示される出庫指示にしたがって、注射薬を出庫する(S14)。出庫判定部124は不正出庫を検出すると(S16のY)、画面表示部142は画面に警告表示する(S18)。このとき、処理は再びS14に戻る。不正出庫でなければ(S16)、出庫判定部124は注射箋データに基づく注射薬の出庫が完了したか否かを判定する(S20)。
【0076】
出庫が完了していなければ(S20のN)、処理はS14に戻る。出庫が完了すると(S20のY)、薬品取扱者は出庫確認画面360にて出庫内容を確認した後、出庫を確定させる。出庫が確定すると、出庫完了通知部154は出庫完了信号を処方解析装置250に送信する(S22)。出庫情報送信部156は併せて出庫情報を処方解析装置250に送信する。処方解析装置250は、この出庫完了信号と出庫情報の受信により処方実施情報格納部170が格納する処方実施情報や出庫情報格納部176が格納する出庫情報を更新する。また、医療情報システム220は処方解析装置250からこれらの情報を受信することにより、処方状況や薬品在庫についての情報を更新する。
【0077】
一方、非常出庫の場合、すなわち、S11において注射箋コードが入力されないときには(S11のN)、看護師は患者IDを入力する(S24)。看護師は非常投与に必要な注射薬を出庫する(S26)。出庫後、出庫用途入力画面430にて出庫用途を入力する(S28)。出庫情報送信部156は、出庫された薬品と入力された出庫用途や患者IDを対応づけた出庫情報を処方解析装置250に送信する(S30)。処方解析装置250は、この出庫情報の受信により出庫情報格納部176が格納する出庫情報を更新する。また、医療情報システム220は処方解析装置250から出庫情報を受信することにより、薬品在庫についての情報を更新する。
【0078】
図11は、緊急注射箋データに基づいて注射薬が出庫される過程を示すシーケンス図である。処方解析装置250は、医療情報システム220から注射箋データを取得する。注射箋解析部174は、この注射箋データが緊急注射箋データであると判定したあと、同図のシーケンスが開始される。注射箋解析部174は、緊急注射箋データに対応する病棟に設置される薬品管理装置100を送信先として特定する(S40)。ラベルデータ生成部168は、緊急注射箋データに対応したラベルデータを生成し、注射箋送信部166は印刷処理部134にこのラベルデータを印刷するよう指示する(S42)。
【0079】
該当する病棟にて、看護師は注射箋ラベルに記載されている注射箋コードをバーコードリーダ104にて読み取らせる(S44)。通信処理部126は、注射箋コードに対応した注射箋データを処方解析装置250に要求する(S46)。注射箋送信部166は、この要求に応じて注射箋データを薬品管理装置100に送信する(S48)。この注射箋データは表示装置102に表示される。病棟の看護師は画面指示にしたがって注射薬を出庫する(S50)。出庫完了後、出庫完了通知部154は処方解析装置250に出庫完了信号を送信する(S52)。このとき、出庫情報送信部156は出庫された注射薬についての出庫情報も併せて処方解析装置250に送信する。
【0080】
処方解析装置250の出庫完了信号受信部160は、出庫完了信号を受信すると、処方実施情報格納部170の処方実施情報を更新する(S54)。また、出庫情報通信部162は、出庫情報を受信して、出庫情報格納部176の出庫情報を更新する(S56)。処方解析装置250の処方実施情報や出庫情報は、適宜、医療情報システム220に送信される。医療情報システム220は、1以上の処方解析装置250から取得したこれらの情報に基づいて、薬品在庫管理、処方管理、請求など各種の処理を実行する。
【0081】
本実施例にしめす薬品管理装置100および薬品管理装置100を含む図2に示した薬品管理システムは、医療過誤の防止と院内作業能率の向上、ひいては、病院経営の効率化に効果を発揮する。薬品を適材適所に分散配置しつつも、その出入庫のみならず、用途までを最終的に医療情報システム220にて管理可能となるからである。薬品の準備や監査、投与における薬品取扱者の負担を軽減し、薬品を病棟に運ぶ作業をなくすことも可能であるため、注射箋の作成から調整注射薬の投与までのプロセスが大幅に簡素化される。本実施例の薬品管理装置100は、主として緊急注射箋および臨時注射箋に基づく調整注射薬の投与プロセスのみならず通常注射箋に基づく調整注射薬の投与プロセスにも応用可能である。このような態様によれば、薬品在庫を薬局にて一元管理する必要がなくなるため、病院スペースをより有効に利用できる。臨時注射箋データに関連して説明したように、病棟の看護師が空き時間を利用して薬局の薬剤師の仕事を一部肩代わりできるため、医療従事者間における業務負担を平準化させる上でも効果がある。このような人的、物的資源の最適利用は、医療従事者の負担軽減に資するものであり、医療の質の向上はもちろん、病院経営の効率化にも資するものである。
【0082】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。上記実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。本実施例においては、注射薬について説明したが、医療現場にて使用される薬品や医療材料全般にたいして、本発明を応用可能であることはいうまでもない。なお、通常、臨時および緊急注射箋は、医療現場における注射箋に関する運用に応じて定義されてもよい。たとえば、通常注射箋は投与前日に発行される注射箋であり、臨時注射箋は前日に再発行される注射箋や当日に発行される注射箋であってもよい。また、緊急注射箋は、医師が緊急である旨を入力した注射箋であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】薬品管理装置の外観を示す図である。
【図2】病院における薬品管理装置を含むハードウェア構成を示す図である。
【図3】薬品管理装置の機能ブロック図である。
【図4】処方解析装置の機能ブロック図である。
【図5】薬品管理装置のログイン画面を示す図である。
【図6】薬品出庫操作画面を示す図である。
【図7】出庫確認画面を示す図である。
【図8】処方解析装置の処方実施情報を表示する注射箋一覧表示画面を示す図である。
【図9】非常投与時において薬品取扱者が注射薬を出庫したときに表示される出庫用途入力画面を示す図である。
【図10】薬品管理装置から薬品を出庫する過程を全般的に示すフローチャートである。
【図11】緊急注射箋データに基づいて注射薬が出庫される過程を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0084】
100 薬品管理装置、102 表示装置、104 バーコードリーダ、106 薬品格納庫、120 ボトル格納庫、122 ユーザインタフェース処理部、124 出庫判定部、126 通信処理部、128 機構制御部、130 データ格納部、132 入力処理部、134 印刷処理部、136 出力処理部、138 バーコード入力部、140 画面入力部、142 画面表示部、144 音声出力部、146 出入庫検出部、148 薬品格納部、150 計数部、152 注射箋受信部、154 出庫完了通知部、156 出庫情報送信部、160 出庫完了信号受信部、162 出庫情報通信部、164 注射箋受信部、166 注射箋送信部、168 ラベルデータ生成部、170 処方実施情報格納部、172 通信処理部、174 注射箋解析部、176 出庫情報格納部、202 処方データベース、204 在庫データベース、206 医事会計システム、208 電子カルテシステム、210 在庫管理システム、212 処方入力端末、214 薬局用入力端末、216 通信ネットワーク、218 患者データベース、220 医療情報システム、222 薬品データベース、250 処方解析装置、300 ログイン画面、360 出庫確認画面、400 薬品出庫操作画面、402 注射箋一覧表示画面、430 出庫用途入力画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療現場で使用される複数の薬品を格納する薬品格納庫と、薬品取扱者により前記格納される薬品である実装薬品の出庫操作がなされたとき、当該操作の対象となる実装薬品を他の実装薬品と弁別して物理的に検出する検出機構と、複数の実装薬品をその種別ごとに計数する実装薬品計数部と、を備える装置であって、
1以上の実装薬品の出庫を指示する処方データを外部の処方管理装置から受信する処方受信部と、
前記検出機構により出庫検出された実装薬品が、前記処方データにおいて出庫指示された実装薬品であるか否かを判定する実装薬品出庫判定部と、
前記処方データにより出庫指示された実装薬品の出庫が完了したことを契機として、所定の出庫完了信号を前記処方管理装置に送信する出庫完了送信部と、
を備えることを特徴とする薬品管理装置。
【請求項2】
前記出庫検出された実装薬品が前記処方データにおいて出庫指示された実装薬品でないと判定されたとき、不正出庫がなされた旨を前記薬品取扱者に通知する不正出庫通知部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の薬品管理装置。
【請求項3】
前記処方データは、患者の病状に応じてその投薬を予約された1以上の実装薬品の出庫を指示するデータであることを特徴とする請求項1または2に記載の薬品管理装置。
【請求項4】
前記処方受信部は、実装薬品に加えて、前記薬品格納庫に格納されない1以上の非実装品の出庫を指示する処方データを受信し、
前記薬品取扱者により非実装品の出庫がなされたとき、出庫の対象たる非実装品についての入力を受け付ける出庫非実装品入力部と、
出庫の旨を入力された非実装品が、前記処方データにおいて出庫指示された非実装品であるか否かを判定する非実装品出庫判定部と、を更に備え、
前記出庫完了送信部は、前記処方データにより出庫指示された実装薬品および非実装品の出庫が完了したことを契機として、前記出庫完了信号を送信することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬品管理装置。
【請求項5】
前記薬品取扱者による操作に基づいて、前記処方データに依らずに実装薬品を出庫するための非常出庫モードに出庫形態を移行させる非常出庫モード移行設定部と、
前記非常出庫モードにおいて、前記検出機構により出庫検出された1以上の実装薬品についての非常出庫情報を記録媒体に記録する非常出庫情報記録部と、
前記非常出庫情報を外部の非常出庫管理装置に送信する非常出庫情報送信部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薬品管理装置。
【請求項6】
患者を識別するために付与された患者IDの入力を受け付ける患者ID入力部を更に備え、
前記非常出庫情報記録部は、前記出庫検出された1以上の実装薬品と前記入力された患者IDを関連づけた情報を前記非常出庫情報として前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項5に記載の薬品管理装置。
【請求項7】
出庫用途を識別するために付与された出庫用途IDの入力を受け付ける出庫用途ID入力部を更に備え、
前記非常出庫情報記録部は、前記出庫検出された1以上の実装薬品と前記入力された出庫用途IDを関連づけた情報を前記非常出庫情報として前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項5に記載の薬品管理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の薬品管理装置と、
処方に基づいて、前記薬品管理装置に対して実装薬品の出庫を指示する処方管理装置と、を備え、
前記処方管理装置は、
処方データの入力を受け付ける処方入力部と、
前記入力された処方データを前記薬品管理装置に送信する処方送信部と、
処方データについて、その処方データに基づく実装薬品の出庫が完了しているか否かを示す処方実施情報を記録媒体に記録する実施情報記録部と、
前記薬品管理装置から前記出庫完了信号を受信する出庫完了受信部と、
前記出庫完了信号の受信を契機として、前記処方実施情報を更新する実施情報更新部と、
を備えることを特徴とする薬品管理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の薬品管理装置と、
処方に基づいて、前記薬品管理装置に対して実装薬品の出庫を指示する処方管理装置と、を備え、
前記処方管理装置は、
処方データを記録媒体に記録する処方データ記録部と、
処方データについて、その処方データに基づく実装薬品の出庫が完了しているか否かを示す処方実施情報を記録媒体に記録する実施情報記録部と、
処方データのうち、実装薬品の出庫が完了していない未実施の処方データを検出する未実施データ検出部と、
前記検出された未実施の処方データを前記薬品管理装置に送信する処方データ送信部と、を備え、
前記薬品管理装置の前記出庫完了送信部は、前記処方データにより出庫指示された実装薬品の出庫が完了すると、略リアルタイムにて所定の出庫完了信号を前記処方管理装置に送信し、
前記処方管理装置は、
前記薬品管理装置から前記出庫完了信号を受信する出庫完了受信部と、
前記出庫完了信号の受信から略リアルタイムにて前記処方実施情報を更新する実施情報更新部と、
を備えることを特徴とする薬品管理システム。
【請求項10】
前記処方管理装置は、
実装薬品の在庫量についての在庫情報を記録媒体に記録する在庫記録部と、
前記出庫完了信号の受信を契機として、前記記録された在庫情報を更新する在庫情報更新部と、
を更に備えることを特徴とする請求項8または9に記載の薬品管理システム。
【請求項11】
請求項5に記載の薬品管理装置と、
処方データに依らない実装薬品の出庫に対応して、実装薬品の出庫状況を管理する非常出庫管理装置と、を備え、
前記非常出庫管理装置は、
実装薬品の在庫量についての在庫情報を記録媒体に記録する在庫記録部と、
前記薬品管理装置から前記非常出庫情報を受信する非常出庫情報受信部と、
前記非常出庫情報の受信を契機として、前記記録された在庫情報を更新する在庫情報更新部と、
を備えることを特徴とする薬品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−6356(P2006−6356A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183322(P2004−183322)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000151472)株式会社トーショー (156)
【Fターム(参考)】