説明

薬物の皮膚送達のための、フラックス化可能な組成物および方法

本発明は、接着性固化処方物、薬物送達の方法、および薬物の皮膚送達用の固化した層に向けられる。該処方物は薬物、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。該溶媒賦形剤は、少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および少なくとも1つの不揮発性溶媒を含む不揮発性溶媒系を含み、ここに、少なくとも1つの不揮発性溶媒は、長時間にわたって治療的に有効な速度で薬物の送達を容易とすることができるフラックス化可能な不揮発性溶媒である。該処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立っての皮膚表面への適用に適した粘度を有することができる。皮膚に適用した場合、該処方物は、揮発性溶媒系の少なくとも一部を蒸発させた後に固化した層を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、薬物の皮膚送達のために開発されたシステムに関する。さらに詳しくは、本発明は、皮膚表面への適用に適した粘度を有し、かつ持続薬物−送達接着性固化層を形成する接着性固化処方物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
伝統的な皮膚薬物送達システムは、一般に、2つの形態:半固体処方物および皮膚パッチ投与形態に分類することができる。半固体処方物は、軟膏、クリーム、フォーム、ペースト、ゲル、またはローションを含めた少数の異なる形態で利用可能であり、皮膚に局所適用される。(経皮パッチを含めた)皮膚パッチ投与形態もまた、マトリックスパッチ配置および液体貯蔵庫パッチ配置を含めた少数の異なる形態で利用可能である。マトリックスパッチにおいて、活性薬物が、裏打ちフイルムに被覆した接着剤中に混合される。薬物−レース接着剤層は、典型的には、皮膚に直接的に適用され、パッチを皮膚に付着させるための手段として、および薬物の送達を容易とするための貯蔵庫または賦形剤としての双方で働く。逆に、液体貯蔵庫パッチにおいて、薬物は、典型的には、薄い可撓性な容器であり得る薄いバッグによって保持された溶媒系に取り込まれる。薄いバッグは、皮膚に膜を付着させるための接着剤で被覆される透過性または半透性膜表面を含むことができる。膜は、しばしば、律速膜という(が、それは現実には全ての場合において送達プロセスで律速でなくてもよく)、要求送達用の皮膚へ、薄いバッグ内からの薬物の輸送を制御することができる。
【0003】
パッチおよび半固体処方物は薬物を皮膚に、および皮膚を通って送達するのに広く用いられており、それらは共にかなりの制限を有する。例えば、多くの半固体処方物は、通常、適用後まもなく蒸発する水およびエタノールのような揮発性溶媒のみを含有する。そのような溶媒の蒸発は、多くの場合、望ましくないであろう皮膚薬物送達のかなりの減少または終止さえ引き起こしかねない。いくつかの伝統的な半固体処方物は、処方物を展延するための、または十分なフラックスで薬物を送達するよりはむしろ処方物の審美性を改良するために選択された、または処方された、いくつかの不揮発性液体物質を含有することもできる。それらの処方物からの薬物送達は十分でないか、あるいは持続的でないかも知れない。加えて、半固体処方物は、しばしば、皮膚に「奪われ」、これは、薬物処方物が現実に皮膚に送達されることを必ずしも意味しない。代わりに、この句は、しばしば、薬物処方物の非常に薄い層が皮膚の表面であるが依然として皮膚の外部に適用されることを意味する。皮膚に適用される伝統的な半固体処方物のそのような薄い層は、長時間にわたって持続送達を達成するのに、十分な量の活性薬物を含有できない。加えて、伝統的な半固体処方物は、しばしば、持続送達および/または望ましくなく汚れた衣料を危うくしかねない衣料のような物体との接触のため意図しない除去に付される。半固体処方物に存在する薬物もまた、局所半固体処方物での処置を受けている対象と接触するようになる個人に意図せず送達されかねない。
【0004】
マトリックスパッチに関しては、適切に送達されるためには、薬物は、皮膚浸透に必要な駆動力に主として溶解した薬物のみが寄与するので、接着剤への十分な溶解性を有するべきである。あいにく、余りにも低い接着剤への溶解性は、持続期間にわたって適切な皮膚浸透駆動力を生じない。加えて、多くの成分、例えば、薬物を溶解するのを助ける、または皮膚浸透性を増加させるのに用いることができる液体溶媒および浸透促進剤は、効果的である十分な量にて多くの接着剤マトリックスシステムに取り込むことができないかも知れない。例えば、機能的なレベルにおいて、これらの物質のほとんどは接着剤の磨耗特性を悪く改変しかねない。それ自体、接着剤−ベースのマトリックスパッチ中の選択、および許容される量の接着剤、促進剤、賦形剤等は制限できる。説明すると、多くの薬物では、薬物をある液体溶媒系に溶解させる場合に最適な経皮フラックスを達成することができるが、典型的なマトリックスパッチにおける接着剤の薄い層は、しばしば、治療的に効果的であるのに十分な適切な薬物および/または接着剤を保持できない。さらに、凝集性および粘着性のような接着剤の特性もまた、液体溶媒または促進剤の存在によって有意に変化され得る。
【0005】
液体貯蔵庫パッチに関しては、例え薬物がパッチの薄いバッグによって運ばれた特定の液体または半固体溶媒系に適合したとしても、溶媒系が、依然として、透過性または半透性膜上に被覆された接着性層に適合しなければならず;さもなければ、薬物は接着性層によって悪影響されかねず、あるいは薬物/溶媒系は接着性層の粘着性を低下させ得る。これらの投与形態の考慮に加えて、貯蔵庫パッチはよりバルキーであって、通常、マトリックスパッチよりも製造するのに高価である。
【0006】
(経皮を含めた)皮膚パッチのもう1つの欠点は、それらが通常は伸ばすことができず、または可撓性でもないことである。というのは、(マトリックスパッチにおける)裏打ちフイルムおよび(貯蔵庫パッチにおける)薄い流体バッグは、典型的には、その双方が比較的伸びることができない材料であるポリエチレンまたはポリエステルから作成される。もしパッチを、関節のような身体の運動の間にかなり伸びる皮膚領域に適用すれば、パッチおよび皮膚の間の分離が起こり、それにより、薬物の送達を危うくする。加えて、皮膚表面に存在するパッチは身体の運動の間に皮膚の伸長を妨げかねず、かつ不快感を起こしかねない。これらのさらなる理由で、パッチは、身体運動の間の伸長、屈曲および伸びの影響を受ける皮膚領域のための理想的な投与形態ではない。
【0007】
現在の皮膚薬物送達系の多くの欠点に鑑みると、i)長時間にわたって持続薬物送達を提供することができ;ii)衣料、他の物体、または適用時間の間の人々との接触することによる意図しない除去を受けやすくなく;iii)不快感または皮膚への貧弱な接触を引き起こすことなく伸びおよび伸長の影響を受ける皮膚領域に適用でき;および/またはiv)適用および使用の後に容易に除去することができる系、処方物および/または方法を提供するのが望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
フイルム−形成技術が化粧品および医薬製剤で用いられてきたが、典型的には、そのような系で用いられる溶媒は皮膚表面で非常に長くは継続せず、かくして、持続−放出適用で最適ではない。これに従い、本発明の発明者らは、処方物における揮発性溶媒ならびにフラックス化可能な不揮発性溶媒双方の使用は、持続薬物送達を改良でき、または最適化さえできることを認識した。かくして、皮膚表面への適用に適する粘度を有し、および剥離または溶媒での洗浄によるなどして、容易に除去することができる皮膚上に薬物−送達固化層を形成する接着性固化組成物または処方物の形態の皮膚送達処方物系、および/または方法を提供するのが有利であろう。1つの実施形態において、接着性固化組成物または処方物は、一旦固化すると、凝集性であり得る。
【0009】
これに従うと、薬物の皮膚送達用の固化処方物は薬物、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。溶媒賦形剤は、1以上の揮発性溶媒を有する揮発性溶媒系および1以上の不揮発性溶媒を有する不揮発性溶媒系を含むことができ、ここに、不揮発性溶媒系は、揮発性溶媒のほとんどが蒸発した後でさえ、一定時間にわたって治療上有効量で薬物が送達できるように薬物用の少なくとも1つのフラックス化可能な不揮発性溶媒を含む。処方物は、少なくとも1つの揮発性溶媒の蒸発に先立って皮膚表面への適用に適した粘度を有することができ、さらに、皮膚表面へ適用した場合に、処方物が、揮発性溶媒の少なくとも一部が蒸発された後に固化層を形成するが、実質的に固化した後に継続して薬物を送達するように構成することができる。ある実施形態において、固化された層は、皮膚からそれが剥離でき、あるいは溶媒を用いて皮膚から洗い出すことができるように凝集性であり得る。1つの特定の実施形態において、薬物は性ホルモンであり得、別の特定の実施形態において、薬物は抗−イボ薬物であり得るが、本明細書中に記載するように多くの他の薬物のタイプを用いることができる。固化剤は、典型的には、可塑剤(プラスチサイザー)なくして剛性固体を形成するポリマーである。従って、不揮発性溶媒系は固化剤に対して可塑剤でなければならない。
【0010】
別の実施形態において、薬物を皮膚へ、または皮膚を通って皮膚送達する方法は、処方物を対象の皮膚表面に適用することを含むことができ、ここに、処方物は薬物;溶媒賦形剤および固化剤を含む。溶媒賦形剤が1以上の揮発性溶媒を含めた揮発性溶媒系、および1以上の不揮発性溶媒を含めた不揮発性溶媒系を含み、ここに、不揮発性溶媒系は薬物にとってフラックス化可能である。この実施形態において、処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚への適用および接着に適した粘度を有することができ、処方物は、皮膚表面が、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に固化した層を形成するように適用することができる。さらなる工程は、固化層から薬物を持続時間にわたって治療的に効果的な速度で皮膚送達することを含み、ここに、薬物は、揮発性溶媒系を実質的に蒸発させた後に継続的に送達される。いくつかの実施形態において、固化層は柔軟なまたは可撓性で凝集性連続固体であり得、剥離によって除去することができる。
【0011】
もう1つの実施形態において、皮膚薬物送達用の処方物を調製する方法は、皮膚送達に適した薬物を選択し;選択された薬物についてフラックス化可能である不揮発性溶媒、あるいは不揮発性溶媒の混合物を選択または処方し、薬物および不揮発性溶媒に適合した固化剤を選択し、薬物、不揮発性溶媒および固化剤に適合する揮発性溶媒系を選択または処方し;次いで、全ての前記成分を処方物へ処方する工程を含むことができる。処方物は揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚表面への適用に適した粘度を有することができ、皮膚表面へ適用することができ、ここに、それは揮発性溶媒系の少なくとも一部が蒸発された後に固化層を形成する。この実施形態において、揮発性溶媒系が実質的に蒸発された後に、薬物は治療上有効量にて継続的に送達される。
【0012】
なおもう1つの実施形態において、薬物を送達するための固化層は薬物、不揮発性溶媒系、および固化剤を含むことができる。不揮発性溶媒系は、少なくとも1つのフラックス化可能な不揮発性溶媒、または薬物にとってフラックス化可能である不揮発性溶媒の混合物を含むことができる。固化層は体表面に接着される柔軟で凝集性固体であって、それから薬物の少なくとも一部を皮膚送達しつつ、固化層は水、および水よりも揮発性の溶媒を少なくとも実質的に欠き、ここに、固化層は薬物にとってやはりフラックス化可能である。
【0013】
本発明のさらなる特徴および利点は、例として、本発明の特徴を説明する以下の詳細な記載および図面から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明の特定の実施形態を開示し、記載する前に、本発明は本明細書に開示された特定のプロセスおよび材料に限定されず、それ自体はある程度変形し得ることが理解されなければならない。また、本明細書で用いられる技術用語は、特定の実施形態を記載する目的だけで用いられ、限定的であることを意図しないことも理解されるべきであり、これは、本発明の範囲が添付の請求の範囲およびその均等物によってのみ定義されるからである。
【0015】
本発明を記載し、特許請求するにおいて、以下の技術用語が用いられる。
【0016】
単数形「ある」、および「該」は、文脈が明瞭に他のことを指令するのでなければ複数の指示対象を含む。かくして、例えば、「薬物」への言及は1以上のそのような組成物への言及を含む。
【0017】
「皮膚」は、ヒト皮膚(無傷、病気の、潰瘍性、破壊された)、指および足指爪表面、ならびに唇、性器および肛門粘膜、および鼻および口腔粘膜のような、通常は空気に少なくとも部分的に暴露される粘膜表面を含む。
【0018】
用語「薬物」とは、治療効果を達成するために適用される皮膚へ、皮膚の中に、または皮膚を通って適用される生物活性剤をいう。これは、伝統的に薬物として同定される組成物、ならびに例えば、ペルオキシド、保湿剤、エモリエント等のような、古典的意味では「薬物」であると常には考えられないが、ある疾患に対しては治療効果を提供することができる他の生物活性剤を含む。一般に「薬物」という場合、与えられた薬物の種々の形態があり、種々の形態は明示的に含まれることが理解される。これに従うと、種々の薬物形態は多形、塩、水和物、溶媒和物および共結晶を含む。いくつかの薬物では、薬物の1つの物理的形態は、それを皮膚へ、皮膚の中に、または皮膚を通ることをより可能とする良好な物理−化学特性を保持することができ、この特定の形態は皮膚送達で好都合な物理的形態と定義される。例えば、フラックス化可能な不揮発性溶媒からのジクロフェナックナトリウムの定常状態フラックスは、同一フラックス化可能な不揮発性溶媒からのジクロフェナック酸の定常状態フラックスよりもかなり高い。従って、不揮発性溶媒からの薬物の物理的形態のフラックスを見積もって、望ましい物理的形態/不揮発性溶媒組合せを選択するのが望ましい。
【0019】
句「皮膚薬物送達」または「薬物の皮膚送達」は経皮および局所薬物送達を共に含み、皮膚への、皮膚を通っての、または皮膚中への薬物の送達を含む。薬物の「経皮送達」は、皮膚直下の皮膚組織、皮膚下の領域的組織または器官、全身循環、および/または中枢神経系に標的化することができる。「局所送達」は、薬物の皮膚組織への送達、および起こり得るより深い組織への引き続いての吸収を含む。
【0020】
各々、「皮膚フラックス」または「経皮フラックス」の関係のような用語「フラックス」とは、単位時間当たり単位面積当たり皮膚へ、または皮膚を横切って浸透した薬物の量をいう。フラックスの典型的な単位は時間当たりの平方センチメートル当たりのマイクログラムである。フラックスを測定する1つの方法は、ヒトボランティアの既知皮膚面積上へ処方物を置き、どれくらい多くの薬物がある時間拘束内に皮膚へ、または皮膚を横切って浸透することができるかを測定することである。種々の方法(イン・ビボ方法)は、同様に、測定で用いることができよう。実施例1に記載された方法、または他の同様な方法(イン・ビトロ方法)を用いて、フラックスを測定することもできる。イン・ビトロ方法は死体から得られたヒト表皮膜、またはヒトボランティアを用いて皮膚を横切っての薬物フラックスを測定するよりはむしろ無毛マウスからの新たに分離された皮膚組織を用いるが、適切に設計され、かつ実行されたイン・ビトロテストからの結果を用いて、合理的な信頼性でもってイン・ビボテストの結果を見積もり、または予測することができるのは一般に当業者によって認められる。従って、本特許出願で参照される「フラックス」の値は、イン・ビボまたはイン・ビトロいずれかの方法によって測定されたそれを意味することができる。
【0021】
不揮発性溶媒系(またはそれを含む固化層)との関係での用語「フラックス化可能」とは、特定の薬物について治療的に有効なフラックスを提供することができるように選択され、または特別に処方された(1以上の不揮発性溶媒を含めた)不揮発性溶媒系をいう。局所的に、または領域的に送達される薬物では、フラックス化可能な不揮発性溶媒系は、単独で、いずれかの他の成分の助けなくして、不揮発性溶媒系が薬物で飽和した場合に、対象の皮膚を横切って、皮膚上に、または皮膚中に薬物の治療的に十分なレベルを送達することができる不揮発性溶媒系と定義される。全身的に標的化された薬物では、フラックス化可能な不揮発性溶媒系は、不揮発性溶媒系が薬物で飽和され、それが500cm以下の接触面積にて対象の皮膚と十分に接触した場合に、24時間にわたって治療的に有効な日用量を提供することができる不揮発性溶媒系である。好ましくは、不揮発性溶媒系についての接触面積は100cm以下である。この飽和した溶媒中薬物の状態を用いるテストを用いて、不揮発性溶媒系の最大フラックス−生成能力を測定することができる。フラックスを測定するためには、薬物溶媒混合物を臨床的に十分な量の時間の間、皮膚上に保持する必要がある。現実には、液体溶媒を長い間ヒトボランティアの皮膚上に維持するのは困難であろう。従って、溶媒系が「フラックス化可能」であるか否かを決定するための代替方法は、実施例1に記載された装置および方法を用いて無毛マウス皮膚またはヒト死体皮膚を横切るイン・ビトロ薬物浸透を測定することである。この方法、および同様な方法は、処方物の浸透性および使用可能性を見積もるのに当業者によって通常用いられる。別法として、不揮発性溶媒系がフラックス化可能であるか否かは、皮膚上の飽和した薬物にて不揮発性溶媒系を維持するための手段で生きたヒト対象の皮膚上でテストすることができ、そのような手段は製品について現実的ではないであろう。例えば、飽和薬物での不揮発性溶媒系は吸収性ファブリック材料に浸漬させることができ、次いで、これを皮膚上に適用し、保護膜で被覆する。そのような系は医薬製品として現実的ではないが、十分な薬物フラックスを提供する固有の能力を不揮発性溶媒系が有するか否か、あるいはそれがフラックス化可能であるか否かをテストするのに適している。
【0022】
また、一旦、処方物が固化層を形成したならば(水を含めた)揮発性溶媒が実質的に蒸発した後においてさえ、不揮発性溶媒のいくらかは固化層中に残りつつ、固化層は薬物について「フラックス化可能」でもあり得る。
【0023】
句「有効量」、「治療上有効量」、「治療上有効速度」などは、それは薬物に関するので、それに対して薬物が送達される疾患を治療するにおいていずれかの認識可能なレベルの治療結果を達成する薬物の十分な量または送達速度をいう。「治療結果の認識可能なレベル」は、製品の商業化を認可するためのいずれかの政府当局の効率標準に適合しても適合しなくても良いことは理解される。種々の生物学的因子は、その意図した仕事を実行する物質の能力に影響し得る。従って、「有効量」、「治療上有効量」、または「治療上有効速度」は、ある場合においては、そのような生物学的因子にある程度依存し得る。しかしながら、各薬物については、当業者の間では、ほとんどの対象において十分な用量またはフラックスの範囲について通常はコンセンサスがある。さらに、治療効果の達成は、該分野で公知の見積もりを用いて医師または他の資格を有する医療関係者によって測定され得るが、治療に対する個々の変形および応答は、治療効果の達成を主観的な判断とし得ることは認識される。治療上有効量または送達速度の決定は、医薬化学および医療の分野における通常の技量内のものである。
【0024】
「治療上有効なフラックス」は、患者集団のいくらかがある程度の利益を薬物フラックスから得ることができる点で、臨床的に有益である皮膚への、または皮膚を通っての十分な量の薬物を送達する選択された薬物の浸透フラックスと定義される。患者集団のほとんどは、ある程度の利益を得ることができ、あるいは利益は関連政府当局または医療専門家によって「有効である」とみなされるのにかなり十分であることを必ずしも意味しない。より具体的には、少なくとも部分的には、(皮膚表面から5cm内にある関節、ある種の筋肉、あるいは組織/器官のような)皮膚、または皮膚表面に近い領域的組織または器官を標的化する薬物では、「治療上有効なフラックス」とは、臨床的に合理的な量の時間内に十分な量の薬物を標的組織に送達することができる薬物フラックスをいう。全身循環を標的化する薬物では、「治療上有効なフラックス」とは、臨床的に合理的な皮膚接触面積を介して、十分な量の選択された薬物を送達して、臨床的に合理的な時間内に臨床的に有益な血漿中または血中薬物濃度を生じさせることができる薬物フラックスをいう。臨床的に合理的な皮膚接触面積は、ほとんどの対象が許容するであろう皮膚適用面積のサイズと定義される。典型的には、400cm以下の皮膚接触面積が合理的と考えられる。従って、4000mcgの薬物を10時間にわたって400cmの皮膚接触面積を介して全身循環に送達するためには、フラックスは少なくとも4000mcg/400cm/10時間である必要があり、これは1mcg/cm/hrと等しい。この定義により、異なる薬物は異なる「治療上有効なフラックス」を有し、異なる対象、または同一対象についてさえ異なる時間で異なり得る。しかしながら、各薬物について、多くの時間においてほとんどの対象で十分である用量またはフラックスの範囲について当業者の間で通常は共通するものがある。
【0025】
以下に、治療上有効な、または十分を超えるいくつかの薬物についてのフラックスの見積もりを示す。
【0026】
【化1】

(ロピバカインを例外として)表A中の治療上有効量のフラックス値は、実施例1に記載されたイン・ビトロ系における無毛マウスまたはヒト表皮膜を通じての市販製品の定常状態フラックス値を表す。これらの値は、見積もりであり、処方物の開発および最適化のための比較の基礎を提供することのみを意図する。選択された薬物についての治療上有効なフラックスは、異なる病気が、異なる段階の病気、および異なる個々の対象について治療されるのが非常に困難であり得る。リストしたフラックスは治療的に有効なものを超え得ることに注意すべきである。
【0027】
表Bにリストした以下の例は、具体的に実験した薬物のいくつかについての不揮発性溶媒のフラックス化可能能力のスクリーニングを示す。実験は以下の実施例1に記載されたように行い、結果は引き続いての実施例2から9においてさらに議論する。
【0028】
【化2】

不揮発性溶媒からの表B中のイン・ビトロ定常状態フラックス値は、驚くべきフラックス化可能および非フラックス化可能溶媒を示す。この情報を用いて、処方物開発を導くことができる。
【0029】
フラックス化可能な不揮発性溶媒との関係で用語「可塑化」は、固化剤のための可塑剤として作用するフラックス化可能な不揮発性溶媒と定義される。「可塑剤」は、揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に処方物のパーセンテージ伸長を増加させることができる剤である。可塑剤は、それをより可撓性および/または弾性とすることによって、固化した処方物の脆性を低下させる能力も有する。例えば、プロピレングリコールは、選択された固化剤としてのポリビニルアルコールにて薬物ケトプロフェンのための「フラックス化可能可塑化不揮発性溶媒」である。しかしながら、固化剤としてのGantrez S−97またはAvalure UR405でのケトプロフェンの処方物におけるプロピレングリコールは、同一可塑化効果を供しない。プロピレングリコールおよびGantrez S−97またはAvalure UR405の組合せは適合性が低く、局所適用についてあまり望ましくない処方物をもたらす。従って、与えられた不揮発性溶媒が「可塑化」であるか否かはいずれの固化剤が選択されるかに依存する。
【0030】
異なる薬物は、しばしば、特に良好な結果を提供する異なるマッチングフラックス化可能な不揮発性溶媒を有する。そのような例は表C中に認められる。実験は以下の実施例1に記載したように行い、結果は引き続いての実施例2からし9においてさらに議論する。
【0031】
【化3】

「フラックス化可能な不揮発性溶媒」、「フラックス化可能可塑化不揮発性溶媒」または「高フラックス化可能な不揮発性溶媒」は、単一の化学物質、または2以上の化学物質の混合物であり得る。例えば、表C中のクロベタゾールプロピオネートについての定常状態フラックス値は、プロピレングリコールまたはISA単独よりもかなり高いクロベタゾールフラックスを生じたプロピレングリコール:イソステアリン酸混合物について9:1である(表B参照)。従って、9:1プロピレングリコール:イソステアリン酸混合物は「高フラックス化可能な不揮発性溶媒」であるが、プロピレングリコールまたはイソステアリン酸単独はそうではない。
【0032】
固化層に言及する場合、用語「接着」とは、本明細書中においては、該層がほとんどの対象において意図した使用の間に皮膚から落ちないように、固化層および皮膚の間の十分な接着をいう。
【0033】
「接着剤」は、固化層を記載するのに用いられる場合、固化層が、それに対して初期処方物層が(揮発性溶媒の蒸発前に)元来適用された身体表面に対して接着性であることを意味する。1つの実施形態において、それは、固化層が反対側に対して接着性であることを意味しない。加えて、固化層がヒト身体表面に対して所望の延長された時間の間接着できるか否かは、身体表面の状態に部分的に依存することに注意すべきである。例えば、過剰の発汗または脂性の皮膚、または皮膚表面の油性物質は固化層を皮膚に対してあまり接着性でなくし得る。従って、本発明の接着性固化層は、身体表面との完全な接触を維持し、薬物を身体表面でのいずれの状態下でも各対象について持続時間にわたって送達できないであろう。標準は、それが、身体表面の正常な状態、および外部環境下でほとんどの対象について特定の時間の間にわたって身体表面のほとんど、例えば、合計面積の70%との良好な接触を維持することである。
【0034】
用語「可撓性」、「弾性の」、「弾性」等は、本明細書中で用いるように、固化層が約5%まで、しばしば約10%まで、またはそれ以上まで、少なくとも1つの方向に伸ばされた場合、それが破壊しないように、固化層の十分な弾性をいう。例えば、皮膚に対して許容される弾性および接着を呈する固化層は、可撓性な皮膚ロケーション、例えば、肘、指、手首、首、下部背中、唇、膝等上のヒト皮膚に接着することができ、皮膚の伸びに際して皮膚上で実質的に無傷のままであろう。本発明の固化層は、いくつかの実施形態において、いずれの弾性も必ずしも有する必要がないことに注意されたい。
【0035】
用語「剥離可能」は、固化層を記載するのに用いる場合、多くの小さな破片または小片とは反対に、固化層が1つの大きな破片またはいくつかの大きな破片に皮膚表面からリフトできることを意味する。
【0036】
用語「持続された」とは、少なくとも30分の連続時間の間の皮膚薬物送達の治療上有効な速度に関し、いくつかの実施形態においては、少なくとも約2時間、4時間、8時間、12時間、24時間以上の時間に関する。
【0037】
用語「実質的に」の使用は、揮発性溶媒の蒸発をいう場合、最初の処方物に含まれた揮発性溶媒の大部分が蒸発してしまったことを意味する。同様に、固化層が水を含めた揮発性溶媒を「実質的に欠く」という場合、固化層は全体として固化層中に10wt%未満、好ましくは5wt%未満の揮発性溶媒を有する。
【0038】
「揮発性溶媒系」は、水、および水よりも揮発性である溶媒を含めた、単一の溶媒、または揮発性である溶媒の混合物であり得る。本発明で用いることができる揮発性溶媒の非限定的例は酢酸イソアミル、変性アルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、プロパノール、C4−C6炭化水素、ブタン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、アセトン、クロロブタノール、酢酸エチル、フルロ−クロロ−炭化水素、テレビン、メチルエチルケトン、メチルエーテル、ヒドロフルオロカーボン、エチルエーテル、1,1,1,2テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロパン、またはその組合せを含む。
【0039】
「不揮発性溶媒系」は、水よりも揮発性が低い単一溶媒、またはそのような溶媒の混合物であり得る。それは、pHまたはイオン−対合剤のような、室温にて固体または液体である物質も含むことができる。揮発性溶媒系の蒸発の後、不揮発性溶媒系のほとんどは、与えられた薬物の一定時間における十分なフラックスでの対象の皮膚への、皮膚中への、または皮膚を通っての皮膚送達を行って、治療効果を提供するのに十分な量の時間の間、固化層に存在すべきである。いくつかの実施形態において、活性薬物に対する所望の浸透性、および/または固化剤、または処方物の他の成分との適合性を得るためには、2以上の不揮発性溶媒の混合物を用いて、不揮発性溶媒系を形成することができる。1つの実施形態において、溶媒系を形成するための2つ以上の不揮発性溶媒の組合せは、個々に、不揮発性溶媒の各々によって薬物について供されるフラックスよりも薬物についてより高い経皮フラックスを提供する。不揮発性溶媒系は、固化層が弾性であって、可撓性であるように、固化層の可塑剤として働くこともできる。
【0040】
用語「溶媒賦形剤」は、揮発性溶媒系および不揮発性溶媒系双方を含む組成物を記載する。揮発性溶媒系は、接着性剥離可能処方物から迅速に蒸発して、固化層を形成するように選択され、不揮発性溶媒系は、薬物の継続した送達を提供するように、揮発性溶媒系の蒸発の後に固化層の一部として実質的に残るように処方され、または選択される。典型的には、薬物は全体として溶媒賦形剤または処方物に部分的にまたは完全に溶解することができる。同様に、薬物は、一旦揮発性溶媒系が蒸発したならば、不揮発性溶媒系に部分的にまたは完全に溶解可能でもあり得る。薬物が揮発性溶媒系の蒸発後に不揮発性溶媒系に部分的に溶解するに過ぎない処方物は、維持送達の持続をより長く維持する能力を有する。というのは、溶解していない薬物が不揮発性溶媒系に溶解できるのは、溶解した薬物が薬物送達の間に固化層から枯渇するからである。
【0041】
固化層との関連で用語「接着性」は、それが、元の処方物が適用された皮膚に対して接着性であり、他の物体に対して他の側で必ずしも、かつ好ましくなく接着性でないことを意味する。
【0042】
「接着性固化処方物」、「固化処方物」または「処方物」とは、ある実施形態においては、その揮発性溶媒の蒸発に先立って皮膚表面への適用に適した粘度を有し、かつ揮発性溶媒の少なくとも一部の蒸発の後に固化層になることができる組成物をいう。固化層は、一旦形成されれば、非常に持続的であり得る。1つの実施形態において、一旦皮膚表面で固化したならば、処方物はピールを形成できる。そのようなピールは、適用された処方物のサイズに対して皮膚から大きな破片を剥離することによって除去することができる柔軟な凝集性固体であり得、しばしば、単一の破片として皮膚から剥離させることができる。適用粘度は、典型的には、水様液体よりも粘性であるが、柔軟な固体よりは粘性が低い。好ましい粘度の例は、ペースト、ゲル、軟膏等と同様なコンシステンシーを有する材料、例えば、流動するが、こぼれない粘性液体を含む。かくして、組成物が皮膚表面への「適用に適した」粘度を有するという場合、これは、組成物が皮膚へ適用された後に皮膚から実質的に落ちないような十分に高い粘度を有するが、それが皮膚へ十分に展延できるような十分に低い粘度を有することを意味する。この定義を満たす粘度範囲は約100 cPから約3,000,000 cP(センチポイズ)、より好ましくは約1,000cPから約1,000,000 cPであり得る。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態において、さらなる剤または物質を処方物に加えて、増強されたまたは増加した接着剤特徴を提供するのが望ましいであろう。さらなる接着剤または物質は、さらなる不揮発性溶媒またはさらなる固化剤であり得る。さらなる接着増強剤として用いることができる物質の非限定的例は、メチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸(Gantrezポリマー)、ポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドンのコポリマー、ゼラチン、低分子量ポリイソブチレンゴム、アクリルサンアルキル/オクチルアクリルアミド(Dermacryl 79)、および種々の脂肪族樹脂のコポリマーおよび芳香族樹脂であり得る。
【0044】
用語「洗浄可能」、「洗浄する」または「洗浄より除去される」とは、本発明の接着性処方物に関して用いる場合、通常のまたは中程度の量の洗浄力を用いて洗浄溶媒の適用によって除去される接着性処方物の能力をいう。洗浄によって処方物を除去する必要な力は有意な皮膚刺激または磨耗を引き起こすべきでない。一般に、適当な洗浄溶媒の適用によって伴われる温和な洗浄力は、本明細書中に開示される接着性処方物を除去するのに十分である。本発明の処方物を洗浄することによって除去するのに用いることができる溶媒は多いが、好ましくは、本明細書中にリストした揮発性溶媒を含めた通常に認められた溶媒から選択される。好ましい溶媒はヒト皮膚を有意に刺激せず、一般には、平均的な対象に利用できる。洗浄溶媒の例は、限定されるものではないが、水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、プロパノール、またはその組合せを含む。本発明の態様において、洗浄溶媒は水、エタノール、イソプロピルアルコールまたはその組合せからなる群より選択される。界面活性剤もいくつかの実施形態において用いることができる。
【0045】
許容される時間の長さは、それが「乾燥時間」に関する場合には、標準的な皮膚および周囲条件下で、かつ標準テスト手法にて、皮膚への適用後に汚くない固化表面を処方物が形成するのに必要な時間をいう。用語「乾燥時間」は、この適用においては揮発性溶媒を完全に蒸発除去するのに必要な時間を意味しない。その代わり、それは、前記したように汚くない固化表面を形成するのに必要な時間を意味する。
【0046】
「標準的な皮膚」は、約30℃から約36℃の間の表面温度で乾燥した健康なヒト皮膚と定義される。標準的周囲条件は、20℃から25℃の温度範囲、および20%から80%の相対湿度範囲によって定義される。用語「標準的な皮膚」は、断じて、本発明の処方物を用いることができる皮膚のタイプまたは皮膚条件を限定しない。本発明の処方物を用いて、損傷していない(標準的な皮膚)、病気の皮膚、または損傷した皮膚を含めた全てのタイプの「皮膚」を治療することができる。異なる特徴を有する皮膚疾患を本発明の処方物を用いて治療することができるが、用語「標準的な皮膚」は、本発明の種々の実施形態の組成物をテストするための標準としてのみ用いられる。現実的には、標準的な皮膚でよく実行される(例えば、固化し、治療上有効なフラックスを提供する)処方物もまた、病気の、または損傷した皮膚に対してよく実行できる。
【0047】
「標準テスト手法」または「標準テスト条件」は以下の通りである:標準周囲条件における標準的な皮膚に対して、ほぼ0.1mm層の接着性固化処方物を適用し、乾燥時間を測定する。乾燥時間は、処方物が、約5および約10g/cmの間の圧力にて処方物表面へ5秒間プレスされた100%綿布の破片への接着によって質量を喪失しないように、汚くない表面を処方物が形成するのに必要な時間と定義される。
【0048】
「固化層」は、揮発性溶媒系の少なくとも一部が蒸発された後の、接着性固化処方物の固化した、または乾燥した層を記載する。固化層は皮膚に接着されたままであり、好ましくは、標準的な皮膚および周囲条件下で適用の実質的に全持続の間対象の皮膚との良好な接触を維持することができる。固化層は、好ましくは、(皮膚から除去された場合に多くの小さな破片または小片に破壊される弱い張力を持つ層とは反対に)1つの破片またはいくつかの大きな破片に適用の最後に皮膚からそれが剥離できるような、十分な張力を呈する。
【0049】
本明細書中で用いるように、複数の薬物、化合物、および/または溶媒を便宜のために共通リストに掲げることができる。しかしながら、これらのリストは、あたかもリストの各メンバーを別々のおよびユニークなメンバーとして個々に同定されるように解釈されるべきである。かくして、そのようなリストの個々のメンバーは、反対のことが示されなければ、通常の群においてのその表示にのみ基づいた同一リストのいずれかの他のメンバーの事実上の均等物と解釈されるべきである。
【0050】
濃度、量、および他の多数のデータは、本明細書中においては、範囲フォーマットで表現し、または示すことができる。そのような範囲フォーマットは便宜および簡潔性のためだけに用いられ、かくして、範囲の限定として明示的に引用された多数の値のみならず、あたかも各数字値およびサブ−範囲が明示的に引用されたごとく、その範囲内に含まれるすべての個々の数値またはサブ−範囲も含むものと理解されるべきである。説明として、「約0.01から2.0mm」の数字範囲は、約0.01mmから約2.0mmの明示的に引用された値を含むのみならず、示された範囲内の個々の値およびサブ−範囲も含む。かくして、この数字範囲には、0.5、0.7、および1.5のような示された値、および0.5から1.7、0.7から1.5、および1.0から1.5などのようなサブ−範囲が含まれる。この同一原理は、1つの数字範囲のみを引用する範囲に適用される。さらに、そのような解釈は、範囲の広さ、または記載される特徴に関わらず適用されるべきである。
【0051】
これらの定義を銘記しつつ、これに従うと、薬物の皮膚送達のための処方物は薬物、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。溶媒賦形剤は1以上の揮発性溶媒を有する揮発性溶媒系、および1以上の不揮発性溶媒を有する不揮発性溶媒系を含むことができ、ここに、薬物が、揮発性溶媒のほとんどが蒸発した後においてさえ、一定時間にわたって治療上有効な量にて送達できるように、不揮発性溶媒系は薬物についてフラックス化可能である。処方物は、少なくとも1つの揮発性溶媒の蒸発に先立って皮膚表面への適用に適した粘度を有することができ、さらに、皮膚表面に適用された場合、揮発性溶媒の少なくとも一部が蒸発された後に処方物が固化層を形成するが、実質的な固化後に薬物を継続して送達するような構成とすることができる。ある実施形態において、固化層は1つの破片またはいくつかの大きな破片に皮膚から剥離でき、あるいは溶媒を用いて皮膚から洗い出すことができるように、固化層は凝集性であり得る。1つの特定の実施形態において、薬物は性ホルモンであり得、もう1つの特定の実施形態において、薬物は抗−イボ薬物であり得るが、多くの他の薬物タイプを本明細書中に記載するように用いることができる。
【0052】
他の実施形態において、薬物を皮膚へ、皮膚中へまたは皮膚を通って皮膚送達する方法は、処方物を対象も皮膚表面に適用することを含むことができ、ここに、該処方物は薬物;溶媒賦形剤、および固化剤を含む。溶媒賦形剤は、1以上の揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および薬物についてフラックス化可能である不揮発性溶媒系を含む。この実施形態において、処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立っての皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有することができ、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発の後、皮膚表面が皮膚に接着した固化層を形成するように、処方物を適用することができる。さらなる工程は、固化層からの薬物を持続期間にわたって治療上有効な速度にて対象へ皮膚送達することを含み、ここに、揮発性溶媒系が実質的に蒸発した後に、薬物は継続的に送達される。いくつかの実施形態において、固化層は柔軟なまたは可撓性な、凝集性の連続的固体であり得、剥離によって除去することができる。皮膚に適用された処方物層の厚みは、与えられた処方物および所望の薬物送達考慮について適切でもあるべきである。もし層があまりにも薄ければ、薬物の量は、所望の長さの時間にわたって持続送達を支持するのに十分でないであろう。もし層があまりにも厚ければ、固化層の汚くない他の表面を形成するのに余りにも長い時間を必要とするであろう。もし薬物が非常に優れていて、固化層が非常に高い張力を有するならば、0.01mmのような薄い層が十分であろう。もし薬物がむしろ低い能力を有し、固化層が低い張力を有するならば、2から3mmの厚みの層が望ましいであろう。かくして、ほとんどの薬物および処方物について、適切な厚みは約0.01mmから約3mmであり得るが、より典型的には、約0.05mmから約1mmであり得る。
【0053】
もう1つの実施形態において、皮膚薬物送達用の処方物を調節する方法は、皮膚送達に適した薬物を選択し;選択された薬物についてフラックス化可能である不揮発性溶媒、または不揮発性溶媒の混合物を選択または処方し、薬物および不揮発性溶媒に適合する固化剤を選択し、薬物、不揮発性溶媒および固化剤に適合する揮発性溶媒を選択または処方し;ついで、すべての前記成分を処方物へ処方する工程を含むことができる。処方物は揮発性溶媒系の蒸発に先立っての皮膚表面への適用に適した粘度を有することができ、皮膚表面へ適用することができ、そこで、それは、揮発性溶媒系の少なくとも一部が蒸発した後に固化層を形成する。この実施形態において、薬物は、揮発性溶媒系が実質的に蒸発した後に、治療上有効な速度にて継続的に送達される。
【0054】
なおもう1つの実施形態において、薬物を送達するための固化層は、薬物、不揮発性溶媒系、および固化剤を含むことができる。不揮発性溶媒系は薬物についてフラックス化可能である。固化層は、身体表面へ接着された柔軟な凝集性固体であり得、そこから薬物の少なくとも一部を送達するときには、固化層は水および水よりも揮発性の溶媒を実質的に欠き、例えば、固化層が10wt%を超える、または5wt%さえの水、および水よりも揮発性の溶媒を含有する場合、固化層は水、および水よりも揮発性の溶媒を実質的に欠くと考えることができる。加えて、固化層は薬物についてやはりフラックス化可能である。1つの実施形態において、固化層が適用された皮膚表面からの破壊、クラッキングまたは分離なくして固化層が少なくとも1方向に5%、または10%さえだけ伸びることができるほど、固化層は凝集性かつ弾性であり得、および/または皮膚から剥離することができる。
【0055】
いくつかの適用において、皮膚表面からの水蒸気喪失を低下させるのは望ましくあり得、疎水性である選択されたまたは処方された不揮発性溶媒系を含む固化層はこの目標を達成するのを助けることができる。従って、本発明のもう1つの実施形態は、その固化層が(少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約40%において身体表面からの水蒸気の低下と定義される)有意な閉鎖効果を提供することができる固化処方物に関する。
【0056】
これらの実施形態は、本発明を例示するものであり、それは、薬物送達のために、層として皮膚へ容易に適用することができ、かつ迅速に(標準的な皮膚および周囲条件下で15秒から約4分)ないし中程度に迅速に(標準的な皮膚および周囲条件下で約4から約15分)固化層、例えば、凝集性かつ柔軟な固化層へ変化することができる、典型的には(クリーム、ゲル、ペースト、軟膏、および他の粘性液体を含めた)半固体の初期形態である処方物、方法および固化層に関する。固化層は所望により剥離可能である。そのように形成された固化層は、薬物送達のほとんどが固化層が形成された後に起こるように、皮膚へ、皮膚中へ、皮膚を横切って、薬物を持続時間、例えば、数時間から数十時間にわたって送達することができる。
【0057】
加えて、固化層は典型的には皮膚へ接着されるが、適用後比較的間もなく形成され、かつ対象が着用するか、または固化層が不慮にも接触し得る汚れた衣料または他の物体へ実質的に移動しない固化した、最小にまたは非−接着性の外側表面を有する。固化層は、高度に可撓性であって、伸長可能であり、かくして、もし皮膚が膝、指、肘または他の関節におけるように身体運動の間に延ばされても、皮膚表面との良好な接触を維持することができるように処方することもできる。
【0058】
用いることができる種々の成分、例えば、薬物、揮発性溶媒系および不揮発性溶媒系の溶媒賦形剤、固化剤などを選択するにおいて、種々の考慮が起こり得る。例えば、揮発性溶媒系は該分野で公知の医薬的にまたは化粧品的に許容される溶媒から選択することができる。本発明の1つの実施形態において、揮発性溶媒系はエタノール、イソプロピルアルコール、水、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ブタン、プロパン、イソブテン、1,1ジフルオロエタン、1,1,1,2テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロパン、酢酸エチル、アセトンまたはその組合せを含むことができる。本発明のもう1つの実施形態において、揮発性溶媒系は酢酸イソ−アミル、変性アルコール、メタノール、プロパノール、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、クロロブタノール、テレビン、シクロペンタシロキサン、シクロメチコン、メチルエチルケトン、またはその組合せを含むことができる。揮発性溶媒系は前記実施形態に記載された揮発性溶媒の混合物、またはいずれかの組合せを含むことができる。
【0059】
加えて、これらの揮発性溶媒は、処方物の残りと適合するように選択されるべきである。処方物において適切な重量パーセンテージの揮発性溶媒を用いるのが望ましい。余りにも多くの揮発性溶媒系は乾燥時間を延長する。あまりにも少ない揮発性溶媒系は皮膚へ処方物を展延するのを困難としかねない。ほとんどの処方物については、揮発性溶媒の重量パーセンテージは約10wt%から約85wt%、約20wt%から約50wt%とすることができ、好ましい実施形態においては、少なくとも20wt%である。
【0060】
揮発性溶媒系は不揮発性溶媒、固化剤、薬物、および存在させることができる他の賦形剤と適合するように選択することもできる。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)はエタノールに溶解しない、従って、PVAを溶解できる揮発性溶媒は固化層に処方される必要がある。例えば、水はPVAを溶解させることができ、固化処方物において揮発性溶媒として利用することができ;しかしながら、水が唯一の揮発性溶媒である処方物での乾燥時間は、ある適用についてはあまりにも長いであろう。従って、第二の揮発性溶媒(例えば、エタノール)を処方物へ処方して、水含有量を低下させるが、十分な量の水を維持してPVAを溶液中に保ち、それにより、処方物についての乾燥時間を低下させることできる。
【0061】
不揮発性溶媒系は固化剤、薬物、揮発性溶媒、および存在させることができるいずれかの他の成分と適合するように選択し、または処方することもできる。全体としてのほとんどの不揮発性溶媒系および溶媒賦形剤は実験後に適切に処方されるであろう。例えば、ある種の薬物は、400の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)(PEG 400、不揮発性溶媒)に対して良好な溶解性を有するが、グリセロール(不揮発性溶媒)および水(揮発性溶媒)に対しては貧弱な溶解性を有する。しかしながら、PEG 400はポリビニルアルコール(PVA)を効果的に溶解させることはできず、かくして、固化剤であるPVAとは単独で非常に適合性があるのではない。十分な量の活性な薬物を溶解させ、PVAを同時に固化剤として用いるためには、適当な比率でPEG 400および(PVAに適合する)グリセロールを含む非−溶媒系を処方することができ、適合性の妥協を達成する。適合性のさらなる例として、Span 20をPVAを含有する処方物へ処方する場合に、不揮発性溶媒/固化剤の非適合性が観察される。この組合せでは、Span 20は処方物から分離し、揮発性溶媒の蒸発の後に固化層の表面に油性層を形成しかねない。かくして、適切な固化剤/不揮発性溶媒選択は活力のある処方物を開発するにおいて望ましい。
【0062】
さらに詳細には、単独で、あるいは組合せで用いて、不揮発性溶媒系を形成することができる不揮発性溶媒は、限定されるものではないが、種々の医薬上許容される液体から選択することができる。本発明の1つの実施形態において、不揮発性溶媒系はグリセロール、プロピレングリコール、イソステアリン酸、オレイン酸、プロピレングリコール、トロラミン、トロメタミン、トリアセチン、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオルレート、ソルビタンモノパルミテート、ブタノール、またはその組合せを含むことができる。もう1つの実施形態において、不揮発性溶媒系は安息香酸、ブチルアルコール、セバシン酸ジブチル、ジグリセリド、ジプロピレングリコール、オイゲノール、ココヤシ油、魚油、ヤシ油、ブドウ種子油のような脂肪酸、イソプロピルミリステート、鉱油、オレイルアルコール、ビタミンE、トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸界面活性剤、クエン酸トリエチル、またはその組合せを含むことができる。さらなる実施形態において、不揮発性溶媒系は1,2,6−へキサントリオール、アルキルトリオール、アルキルジオール、アセチルモノグリセリド、トコフェロール、アルキルジオキソラン、p−プロペニルアニソール、アニス油、アプリコット油、ジメチルイソソルビド、アルキルグルコシド、ベンジルアルコール、蜜蝋、安息香酸ベンジル、ブチレングリコール、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、カラメル、桂皮油、ヒマシ油、シンナムアルデヒド、シナモン油、チョウジ油、ココヤシ油、カカオバター、ココグリセリド、コリアンダー油、トウモロコシ油、コリアンダー油、トウモロコシシロップ、綿実油、クレゾール、シクロメチコン、ジアセチン、ジアセチル化モノグリセリド、ジエタノールアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグリセリド、エチレングリコール、ユーカリ油、脂肪、脂肪アルコール、矯味矯臭薬、液体糖ジンジャーエキス、グリセリン、高フルクトーストウモロコシシロップ、水素化ヒマシ油、IPパルミテート、レモン油、ライム油、リモネン、ミルク、モノアセチン、モノグリセリド、ナツメグ油、オクチルドデカノール、オリーブアルコール、オレンジ油、ヤシ油、落花生油、PEG植物油、ペパーミント油、ペテロラタム、フェノール、松葉油、ポリプロピレングリコール、ゴマ油、スペアミント油、大豆油、植物油、植物ショートニング、酢酸ビニル、ワックス、2−(2−(オクタデシルオキシ)エトキシ)エタノール、安息香酸ベンジル、ブチル化ヒドロキシアニソール、キャンデラワックス、カルナウバワックス、セテアレス−20、セチルアルコール、ポリグリセリル、ジポリヒドロキシステアレート、PEG−7水素化ヒマシ油、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、ジメチコン、フタル酸ジメチル、PEG−ステアレート、PEG−オレエート、PEG−ラウレートのようなPEG−脂肪酸エステル、PEGジオレエート、PEG−ジステアレートのようなPEG−脂肪酸ジエステル、PEG−ヒマシ油、ベヘン酸グリセリル、PEGグリセリルラウレート、PEGグリセリルステアレート、PEGグリセリルオレエートのようなPEGグリセロール脂肪酸エステル、ヘキシレングリセロール、ラノリン、ラウリン酸ジエタノールアミド、乳酸ラウリル、硫酸ラウリル、メドロン酸、メタクリル酸、マルチステロール抽出物、ミリスチルアルコール、中性油、PEG−オクチルフェニルエーテル、PEG−セチルエーテル、PEG−ステアリルエーテルのようなPEG−アルキルエーテル、PEG−ソルビタンジイソステアレート、PEG−ソルビタンモノステアレートのようなPEG−ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコールステアレートのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール、カプリレート/カプレート、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ソルビトール、スクワレン、ステア−o−ウェット、トリグリセリド、アルキルアリールポリエーテルアルコール、ソルビタン−エーテルのポリオキシエチレン誘導体、飽和ポリグリコール化C8−C10グリセリド、N−メチルピロリドン、蜂蜜、ポリオキシエチル化グリセリド、ジメチルスルホキシド、アゾンおよび関連化合物、ジメチルホルモアミド、N−メチルホルムアミド、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエーテル、アルキル−アミド(N,N−ジメチルアルキルアミド)、N−メチルピロリドン関連化合物、オレイン酸エチル、ポリグリセリン化脂肪酸、グリセロールモノオレエート、グリセリルモノミリステート、脂肪酸のグリセロールエステル、絹アミノ酸、PPG−3ベンジルエーテルミリステート、Di−PPG2ミレス10−アジペート、ハニークワット、ピログルタミン酸ナトリウム、アビシニカ(abyssinica)油、ジメチコン、マカダミアナッツ油、Limnanthes alba種子油、セテアリルアルコール、PEG−50シェアバター、シェアバター、アロエベラジュース、フェニルトリメチコン、加水分解小麦蛋白質またはその組合せを含むことができる。なおさらなる実施形態において、不揮発性溶媒系は、前記で議論した実施形態のいずれかに記載された不揮発性溶媒の組合せ、または混合物を含むことができる。
【0063】
これらおよび他の考慮に加えて、不揮発性溶媒系は、固化層が形成された場合に、該層が可撓性であり、伸長可能であり、および/またはそうでなければ「皮膚フレンドリー」であるように、本発明の処方物において可塑剤としても働くことができ、好ましくはそのように働くべきである。
【0064】
ある種の揮発性および/または不揮発性溶媒は皮膚に対して刺激性であるが、薬物の所望の溶解性および/または浸透性を達成するように用いるのが望ましい。また、皮膚刺激を妨げることができ、または低下させることができる双方が可能であり、かつ処方物と適合した化合物を加えるのも望ましい。例えば、揮発性溶媒が皮膚を刺激することができる処方物において、皮膚刺激を低下させることができる不揮発性溶媒を用いるのが助けとなろう。皮膚刺激を妨げ、または低下させることができることが知られた溶媒の例は、限定されるものではないが、グリセリン、蜂蜜、およびプロピレングリコールを含む。
【0065】
本発明の処方物は、ある種の、しばしば、実験的に決定された比率に従って一緒に処方された場合に、薬物につき高いフラックスを独立して生じさせることができない2つ以上の不揮発性溶媒を含有してもよい。これらの最初は非または低フラックス化可能である不揮発性溶媒が、一緒に処方された場合によりフラックス化可能となる1つの可能な理由は、より高いフラックスを有する物理的形態への薬物のイオン化状態の最適化、またはいくらか他の相乗的様式での不揮発性溶媒の行動によるものであろう。不揮発性溶媒の混合の1つのさらなる利点は、それが処方物のpHまたは処方物下の皮膚組織を最適化して刺激を最小にできることである。よりフラックス化可能であろう不揮発性溶媒系をもたらす不揮発性溶媒の適当な組合せの例は、限定されるものではないが、イソステアリン酸/トロラミン、イソステアリン酸/ジイソプロピルアミン、オレイン酸/トロラミン、およびプロピレングリコール/イソステアリン酸を含む。
【0066】
固化剤の選択は、接着性処方物に存在する他の成分を考慮して行うこともできる。固化剤は、薬物および(揮発性溶媒および不揮発性溶媒系を含めた)溶媒賦形剤に適合し、ならびに一旦それが形成されたならば、所望の物理的特性を固化層に供するように選択し、または処方することができる。存在できる薬物、溶媒賦形剤、および/または他の成分に依存して、固化剤は種々の剤から選択することができる。1つの実施例において、固化剤は20,000から70,000のMW範囲を持つポリビニルアルコール(Amresco)、80,000から160,000のMW範囲を持つポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエステル(ISP Gantrez ES−425およびGantrez ES−225)、120,000から180,000のMW範囲を持つメタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルの中性コポリマー(Degussa Plastoid B)、100,000から200,000のMW範囲を持つメタクリル酸ジメチルアミノエチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸メチルコポリマー(Degussa Eudragit E100)、5,000を超えるMW、またはEudragit RLPO(Degussa)と同様なMWを持つアクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−塩化メタクリル酸トリメチルアミノエチルコポリマー、35,000程度のMWを持つZeinのような5,000を超えるMWを持つZein(プロラミン)(Freeman industries)、Instant Pure−Cote B793と同様なMWを有するα化デンプン(Grain Processing Corporation)、5,000を超える、またはAqualon EC N7、N10、N14、N22、N50またはN100(Hercules)と同様なMWを持つエチルセルロース、MW 20,000から250,000を持つ魚ゼラチン(Norland Products)、ゼラチン、5,000を超えるMWを持つ他の動物源、5,000を超える、またはNational StarchおよびChemical Dermacryl 79と同様なMWを持つアクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマーを含むことができる。
【0067】
もう1つの実施形態において、固化剤はエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエーテルアミド、トウモロコシデンプン、α化トウモロコシデンプン、ポリエーテルアミド、シェラック、ポリビニルピロリドン、ポリイソブチレンゴム、酢酸フタル酸ポリビニル、またはその組合せを含むことができる。さらなる実施形態において、固化剤はアンモニアメタクリレート、カラギーナン、EastnanからのCAPNFのような水性酢酸フタル酸セルロース、カルボキシポリメチレン、酢酸セルロース(マイクロクリスタル)、セルロースポリマー、ジビニルベンゼンスチレン、エチレンビニルアセテート、シリコーン、グアガム、グアロジン、グルテン、カゼイン、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸アンモニウム、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウム、アクリル酸メチル、マイクロクリスタリンワックス、ポリ酢酸ビニル、PVPエチルセルロース、アクリレート、PEG/PVP、キサンタンガム、トリメチルシロキシシリケート、マレイン酸/無水物コポリマー、ポラクリリン、ポロキサマー、ポリエチレンオキサイド、グラクチン酸(glactic acid)/ポリ−L−乳酸、ツルペン樹脂、ローカストビーンガム、アクリルコポリマー、ポリウレタン分散物、デキストリン、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマー、BASF’s Kollicoatポリマーのようなメタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸、およびポリ(メタクリル酸)のようなメタクリレート系ポリマー、またはその組合せを含むことができる。もう1つの実施形態において、固化剤は、前記で議論した実施形態のいずれかに記載された固化剤の組合せを含むことができる。溶媒賦形剤成分、薬物、および与えられた処方物の特異的機能的要件に依存して、他のポリマーは固化剤としても適当であり得る。溶媒賦形剤成分、薬物、および与えられた処方物の特異的機能的要件に依存して、他のポリマーは固化剤としても適当であり得る。
【0068】
1つの実施形態において、不揮発性溶媒系および固化剤は相互に適合性であるべきである。適合性は、i)固化剤は、フラックスのいくらかの低下を除いて、不揮発性溶媒系の機能に実質的に否定的に影響を与えず;ii)固化剤は、実質的に全く不揮発性溶媒が層からにじみ出ないように、固化剤が不揮発性溶媒系を固化層に保持でき、および/またはiii)選択された不揮発性溶媒系および固化剤で形成された固化層は皮膚に対して許容できるフレキシビリティー、剛性、張力、弾性、および接着性を有する;と定義することができる。固化剤に対する不揮発性溶媒の比率は約0.1:1から約10:1であり得る。もう1つの態様において、固化剤に対する不揮発性溶媒系の重量比率は0.2:1から約4:1、より好ましくは約0.5:1から約2:1であり得る。
【0069】
所望によりピールでもある固化層のフレキシビリティーおよび伸長性は、いくつかの適用において望ましくあり得る。例えば、ある種の非−ステロイド抗−炎症剤(NSAID)は、関節および筋肉への経皮送達のために直接的に関節および筋肉へ適用することができる。しかしながら、関節およびある種の筋肉群上の皮膚領域は、しばしば、体の運動の間に有意に伸長される。そのような運動は非−伸長性パッチが良好な皮膚接触を維持するのを妨げる。ローション、軟膏、クリーム、ゲル、フォーム、ペーストなどもまた前記理由で用いるのに適していないであろう。それ自体、NSAIDの関節および/または筋肉への経皮送達において、本発明の固化処方物はユニークな利点および利益を提供することができる。良好な伸張性はいくつかの適用において望ましいが、本発明のある種の適用はこの特性から必ずしも利益を受けないので、本発明の固化処方物は必ずしも伸長性である必要はないことは指摘されるべきである。例えば、もしアクネを治療するために処方物を小さな顔領域へ一晩適用するならば、例えば、固化層が伸長性でなくても、対象は最小の不快感および処方物−皮膚分離を経験するであろう。というのは、顔の皮膚は、通常は、睡眠サイクルの間に非常には伸長されないからである。
【0070】
本発明の実施形態により調製された処方物のさらなる特徴は乾燥時間に関する。もし処方物があまりにも速く乾燥されれば、ユーザーは、処方物が固化する前に処方物を皮膚表面で薄い層に広げるのに十分な時間を有さず、貧弱な皮膚接触に導きかねない。もし処方物があまりにも遅く乾燥されれば、対象は、固化していない処方物を除去するであろう通常の活動(例えば、服を着用する)を回復する前に長時間待たなければならない。かくして、乾燥時間は約15秒よりも長いが、約15分よりは短く、好ましくは約0.5分から約5分であるのが望ましい。
【0071】
本発明の固化層の他の利点は、材料それ自体によって形成され得る物理的バリアーの存在を含む。いくつかの病気または負傷状況においては、皮膚表面は外来性物体の接触に対して感受性であり、もし外来性物体と接触すれば、感染の可能性がある。それらの状況において、固化層は皮膚表面に物理的保護を提供することができる。例えば、局所麻酔剤、およびクロニジンのような他の剤を、糖尿病性神経障害疼痛のような神経障害に関連する疼痛を治療するために局所送達することができる。そのような対象の多くは彼らの皮膚領域が温和に接触されたにすぎない場合でさえ多大な疼痛を感じるので、固化層の物理的バリアーは物体その他との不慮の接触によって引き起こされる疼痛を妨げ、または最小化することができる。
【0072】
これらおよび他の利点は、以下のように、以下の非限定的な利点のリストにまとめることができる。本発明の固化層は、半固体投与形態として適応するのが容易な初期形態で調製することができる。加えて、揮発性溶媒系蒸発に際して、皮膚に適用された処方物層は比較的厚く、伝統的なクリーム、ゲル、ローション、軟膏、ペーストなどの典型的な層よりもかなり活性な薬物を含有することができ、さらに、意図しない除去に対して抵抗性である。固化層は、薬物が治療上有効な速度にて持続期間にわたって送達できるように、薬物についてフラックス化可能である不揮発性溶媒を含む。さらに、固化層は皮膚に接着したままであり、好ましくは剥離可能であるので、固化層の容易な除去が可能であり、溶媒または界面活性剤の助けは要らないであろう。いくつかの実施形態において、皮膚への接着、および材料の弾性は、固化層が、関節および筋肉上のような高度に伸長可能な皮膚領域において皮膚伸長に際して皮膚から分離しないようなものである。例えば、1つの実施形態において、固化層は、層が適用された皮膚からのクラッキング、破壊、および/または分離なくして1つの方向に5%、または10%以上でさえ伸長することができる。なおさらに、固化層は薬物を有利に送達し、クラッキングまたは破壊なくして感受性の皮膚領域を保護するように構成することができる。
【0073】
本発明の1つの実施形態において、固化層は、所望の薬物送達の最後に水またはエタノールのような溶媒で流し去ってもよい。固化処方物を洗い流すのにやはり用いることができる他の溶媒は、限定されるものではないが、本明細書中にリストされた溶媒を含む。洗浄によって除去される能力はある種の適用で特に有利である。例えば、もし固化する処方物を多数の毛がある身体領域(例えば、陰毛がある生殖器官皮膚領域に適用された抗性ヘルペス固化性処方物)に適用すれば、剥離による除去は不快感を引き起こし、従って、望ましくなく、よって、洗浄はこのタイプの適用における除去の好ましい形態であり得る。もう1つの例において、固化性処方物は、手のひら、または足の裏のような手足の表面に適用されるならば剥離による除去の能力は、皮膚表面に接着するであろう処方物に対する二次的考慮となろう。これらの場合、洗浄またはエタノールによって容易に洗い流されるように構成された固化層はより望ましいであろう。洗浄実施形態において、固化層を洗い流すのに用いられる溶媒は層を溶解することができ、あるいはそれが皮膚から容易に除去できるように皮膚に対してそれを低い接着性とすることができる。
【0074】
さらなる注意として、本発明の固化層が、身体表面へ、薬物を送達するために最適化される不揮発性溶媒系の実質的量を維持できるのはユニークな特徴である。該特徴は現存の製品よりもユニークな利点を提供することができる。例えば、Penlacは爪真菌感染を治療するのに広く用いられる製品である。それは薬物シクロピロックス、揮発性溶媒(酢酸エチルおよびイソプロピル)およびポリマー物質を含有する。爪表面に適応された後、揮発性溶媒は迅速に蒸発し、処方物層は硬いラッカーへ固化する。薬物分子は硬いラッカー層に固化し、爪への送達には実質的に利用できない。その結果、薬物の送達は長時間にわたって持続されないと考えられる。その結果、いずれかの特定の理論に拘束されるつもりはないが、これは、広く用いられているPenlacが唯約10%の有効率を有する理由の少なくとも1つであると考えられる。逆に、本発明の固化層において、薬物分子は、皮膚表面、例えば、皮膚、爪、粘膜など、表面と接触している不揮発性溶媒中でかなり動くことができ、かくして、維持された送達を確実とする。
【0075】
本発明のシステム、処方物および方法から利益を受けることができる適用の特定の例は以下の通りである。1つの実施形態において、ブピバカイン、リドカイン、またはロピバカインを含む固化層を、糖尿病およびヘルペス後神経痛を治療するのに処方することができる。別法として、ジブカニン、およびクロニジンのようなアルファ−2アゴニストを同一の病気を治療するのに固化性処方物に処方することができる。もう1つの実施形態において、レチノイン酸およびベンゾイルペルオキシドはアクネを治療するために固化層中で組み合わせることができ、あるいは別法として1wt%のクリンダマイシンおよび5wt%のベンゾイルペルオキシドはアクネを治療するために固化性処方物中で組み合わせることができる。もう1つの実施形態において、レチノール固化性処方物(OTC)は皴を治療するのに調製することができ、あるいはリドカイン固化性処方物を背中の痛みを治療するのに調製することができる。もう1つの実施形態において、酸化亜鉛固化性処方物(OTC)をおむつかぶれを治療するのに調製することができ(刺激性尿および大便に対して固化層によって供された物理的バリアーが有益であると考えられる)、あるいは抗ヒスタミン固化層を、ツタウルシによって引き起こされたようなアレルギー性かぶれを治療するのに調製することができる。
【0076】
さらなる適用はある種の皮膚疾患、例えば、皮膚炎、乾癬、湿疹、皮膚癌、脱毛症、皴、単純疱疹、性ヘルペス、帯状疱疹などのようなウィルス感染、特に、経皮パッチが現実的でないであろう関節または筋肉上で起こるものを治療するために薬物を送達することを含む。例えば、イミキモドを含有する固化性処方物は、皮膚癌、未成熟年齢の皮膚、光損傷皮膚、尋常性ユウゼイおよび性器イボ、および光線性角化症を治療するために処方することができる。アシクロビール、ペニシクロビール、ファムシクロビール、バラシクロビール、ステロイド、ベヘニルアルコールのような抗ウィルス薬物を含有する固化性処方物は顔および性器領域での単純疱疹のようなヘルペスウィルス感染を治療するのに処方することができる。非−ステロイド抗−炎症薬物(NSAID)、カプサイシン、アルファ−2アゴニスト、および/または神経成長因子を含有する固化性処方物は、種々の原因の関節および背中の痛みのような柔軟組織負傷および筋肉−骨格疼痛を治療するのに処方することができる。先に議論したように、これらの皮膚領域上のパッチは、典型的には、特に身体的に活動的な対象では持続期間にわたって良好な接触を有さず、不快感を引き起こしかねない。同様に、クリーム、ローション、軟膏などのような伝統的な半固体処方物は、溶媒の蒸発および/または処方物の意図しない除去のため薬物の送達を目的達成前に停止させかねない。本発明の固化性処方物は、送達系のこれらのタイプの双方の欠点に取り組む。
【0077】
1つの実施形態は、神経障害疼痛を治療するのに局所投与されるアルファ−2アンタゴニストのクラスからの薬物を含有する固化層を含むことができる。該アルファ−2アゴニストは、処方物から徐々に放出されて、持続時間の間にわたって疼痛の緩和を提供する。該処方物は約5分後には凝集性の柔軟な組織となることができ、その適用の長さの間、典型的には、数時間から数十時間、身体の表面に接着されたままである。固化層は、残存処方物を皮膚表面に残すことなく、意図した適用後に容易に除去される。
【0078】
もう1つの実施形態は、神経障害疼痛を治療するのに局所適用されるカプサイシンを含有する固化処方物を含む。カプサイシンは、持続時間にわたってこの疼痛を治療するのに処方物から徐々に放出される。処方物は約5分後に凝集性の柔軟な固体となることができ、その適用の長さの間、身体表面に接着したままである。それは、皮膚表面に残存する処方物を残すことなく乾燥後にいずれの時点においても容易に除去される。
【0079】
もう1つの実施形態は、手の皮膚炎を治療するのに局所適用されるクロベタゾールプロピオネートを含有する固化性処方物を含む。クロベタゾールプロピロネートは、維持時間にわたって皮膚炎を治療するために処方物から徐々に放出される。該処方物は約7分後に凝集性の柔軟な組織となることができ、その適用の長さの間、身体表面に接着されたままである。物理的バリアーもまた、潜在的に有害な物質から危うくされた皮膚を保護する。それは、残存処方物を皮膚表面に残すことなく、乾燥後のいずれの時点においても容易に除去される。
【0080】
もう1つの実施形態は、脱毛症を治療するために局所適用されるクロベタゾールプロピロネートを含有する固化性処方物を含有する。クロベタゾールプロピオネートは、持続時間にわたって、毛髪成長を促進するために処方物から徐々に放出される。処方物は約5分後には凝集性の柔軟な固体となることができ、その適用の長さの間、身体表面に接着されたままである。それは、シャワリングに対する剥離によって乾燥後のいずれの時点においても容易に除去される。
【0081】
もう1つの実施形態は、妊娠線、皴、脂肪分泌過形成、または脂漏性角化症を治療するのにタゾラックを含有する固化性処方物を含む。
【0082】
もう1つの実施形態において、グリセロールを含有する固化性処方物は、指先端での亀裂用の保護バリアーを提供するようにすることができる。
【0083】
なおもう1つの実施形態は、リドカインおよびロピバカインなどのような局所麻酔剤クラス、ケトプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシンなどのようなNSAIDクラスから選択される薬物を含有する固化性処方物を含むことができ、これは、背中の痛み、筋肉の張り、または筋膜の痛みの症状またはその組合せを治療するために局所適用される。局所麻酔剤および/またはNSAIDは処方物から徐々に放出されて、持続時間の間にわたって疼痛の敬遠を提供する。該処方物は約5分から10分後に凝集性の柔軟な組織となることができ、その適用の長さの間、身体表面に接着されたままである、それは、残存処方物を皮膚表面に残すことなく、乾燥後のいずれの時点においても容易に除去される。
【0084】
さらなる実施形態は、少なくとも1つのアルファ−2アゴニスト薬物、少なくとも1つの三環抗鬱剤、および/または神経障害疼痛を治療するのに局所投与される少なくとも1つの局所麻酔薬物を含有する固化製処方物を含む。薬物は持続時間にわたって疼痛の軽減を提供するように処方物から徐々に放出される。該処方物は2分から10分後に凝集性の柔軟な固体となることができ、その適用の長さの間、身体表面に接着されたままである。それは、残存処方物を皮膚表面に残すことなく乾燥後のいずれの時点においても容易に除去される。
【0085】
同様な実施形態は薬物カプサイシンおよび局所麻酔薬物を含有する固化性処方物を含むことができ、これは疼痛の軽減を提供するのに皮膚へ局所適用される。もう1つの実施形態は、局所麻酔剤およびNSAIDの組合せを含有する固化性処方物を含むことができる。前記実施形態の双方において、薬物は処方物から徐々に放出されて、持続時間にわたって疼痛の軽減を提供する。処方物は約2分から10分後に凝集性の柔軟な固体となることができ、その適用の長さの間、体の表面に接着されたままである。それは、残存処方物を皮膚表面に残すことなく、乾燥後のいずれの時点においても容易に除去される。
【0086】
もう1つの実施形態において、関節および筋肉に関連する病気の原因または徴候を治療する薬物の送達のための固化性処方物は、本発明のシステム、処方物、および方法からやはり利益を受けることができる。適用可能であろうそのような病気は、限定されるものではないが、変形性関節症(OA)、慢性関節リウマチ(RA)、種々の他の原因の関節および骨格疼痛、筋膜疼痛、筋肉疼痛、およびスポーツの負傷を含む。そのような適用で用いることができる薬物または薬物クラスは限定されるものではないが、ケトプロフェンおよびジクロフェナックのような非−ステロイド抗−炎症薬物(NSAID)、COX−2選択性NSAIDおよび剤、COX−3選択性NSAIDおよび剤、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカインおよびテトラカインのような局所麻酔剤、デキサメタゾンのようなステロイドを含む。
【0087】
アクネおよび他の皮膚疾患の治療用の薬物の送達もまた、特に、低い皮膚浸透性を有する薬物を送達する場合に、本発明の原理から利益を受けることができる。現在、アクネを治療するための局所レチノイド、ペルオキシド、および抗性物質は伝統的な半固体ゲルまたはクリームとして最も適用される。しかしながら、前記した欠点のため、何時間にも渡る持続送達はできないようである。例えば、クリンダマイシン、ベンゾイルペルオキシド、およびエリスロマイシンは、十分な量が毛包に送達される場合のみ効果的であろう。しかしながら、ポピュラーなアクネ医療ベンザクリンゲルのような伝統的な半固体処方物は、典型的には、適用から数分後以内にその溶媒(ベンザクリンの場合には水)の大部分を失う。数分のこの短い時間は、薬物の持続送達を実質的に危うくするようである。本発明の処方物は、典型的には、この制限を有しない。
【0088】
もう1つの実施形態において、神経障害疼痛を治療するための薬物の送達は、本発明の方法、システム、および処方物からやはり利益を受けることができる。LidodermTMのような局所麻酔剤を含有するパッチは、ヘルペス後神経痛によって引き起こされた痛みのような神経障害疼痛を治療するのに広く用いられる。先に議論したパッチの制限のため、本発明に従って調製された固化層はいくらかユニークな利益を提供し、ならびにパッチの使用に対して潜在的に安価な代替法を提供する。そのような適用のために送達される可能な薬物は、限定されるものではないが、リドカイン、ペリロカイン、テトラカイン、ブピバカイン、エチドカインのような局所麻酔剤;およびカプサイシン、およびクロニジンのようなアルファ−2−アゴニスト、ケタミンのような解離性麻酔剤、アミトリプチリンのような三環抗鬱剤を含めた他の薬物を含む。
【0089】
本発明の固化性処方物は、筋肉骨格疼痛、神経障害疼痛、脱毛症、皮膚炎および乾癬を含めた皮膚病、ならびに皮膚回復(化粧的皮膚処理)、およびウィルス、細菌および真菌感染を含めた感染のような種々の疾患および病気を治療するのに処方することができる。それ自体、該処方物は広い範囲の数およびタイプの薬物および活性な剤を送達することができる。1つの実施形態において、固化性処方物は、アシクロビール、エコナゾール、ミコナゾール、テルビナフィン、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、およびテトラカイン、アミトリプチリン、ケタンセリン、ベタメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、クリンダマイシン、ベンゾイルペルオキシド、トレチノイン、イソトレチノイン、クロベタゾールプロピオネート、ハロベタゾールプロピオネート、ケトプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、イミキモド、サリチル酸、安息香酸、またはその組合せを含むように処方することができる。
【0090】
1つの実施形態において、該処方物はアモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、ボリコナゾール、クロトリマゾール、ブトクナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、テルコナゾール、チオコナゾール、カスポフンギン、ミカフンギン、アニドルラフィンギン、アンフォテリシンB、AmB、ニスタチン、ピマリシン、グリセオフルビン、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、およびウンデシレネート、またはその組合せのような抗真菌薬物を含むことができる。
【0091】
もう1つの実施形態において、該処方物はアシクロビール、ペンシクロビール、ファムシクロビール、バラシクロビール、ベヘニルアルコール、トリフルリジン、イドクスウリジン、シドフォビール、ガンシクロビール、ポドフィロックス、ポドフィロトキシン、リバビリン、アバカビール、ドラビルジン、ジダノシン、エファビレンツ、ラミブジン、ネビラピン、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン、アムプレナビール、インジナビール、ネルフィナビール、リトナビール、サキナビール、アマンタジン、インターフェロン、オセルタミビール、リバビリン、リマンタジン、ザナミビール、またはその組合せのような抗真菌薬物を含むことができる。
【0092】
該処方物が抗菌剤治療を提供することを意図する場合、それは、エリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ムピロシン、ポリミキシンB、シプロフラキシンのようなキロロン、またはその組合せのような抗菌薬物を含むように処方物できる。
【0093】
該処方物が疼痛、特に神経障害疼痛を軽減することを意図する場合、該処方物はリドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、およびテトラカインのような局所麻酔剤;クロニジンのようなアルファ−2アゴニストを含むことができる。該処方物が炎症に関連する疼痛を治療することを意図する場合、それは、ケトプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、COX阻害剤、一般的なCOX阻害剤、COX−2選択的阻害剤、COX−3選択的阻害剤またはその組合せのような非−ステロイド抗−炎症薬物を含むように処方することができる。
【0094】
もう1つの実施形態において、該処方物は、クリンダマイシンおよびベンゾイルペルオキシドのような抗−アクネ薬物、レチノール、タザロテンおよびイソトレチノインのようなビタミンA誘導体、サイクロスポリン、アントラシン、ビタミンD3、コレカルシフェロール、カルシトリオール、カルシポトリオール、タカルシトール、カルシポトリエンなどのような活性剤を含めることによって、皮膚の障害または傷を治療するように処方することができる。
【0095】
なおもう1つの実施形態において、イボおよび他の皮膚疾患を治療するための医薬の送達もまた長時間の持続薬物送達の利益を受けるであろう。抗−イボ化合物の例は、限定されるものではないが;イミキモド、レシキモド、ケラチン溶解剤:サレチル酸、アルファヒドロキシ酸、硫黄、レスコルシノール、尿素、ベンゾイルペルオキシド、アラントイン、トレチノイン、トリクロロ酢酸、乳酸、安息香酸、またはその組合せを含む。
【0096】
さらなる実施形態は、限定されるものではないが、プロゲステロン、ノルエチンドロン、ノルエチンドロン酢酸塩、デソゲストレル、ドロスピレノン、エチノジオール二酢酸塩、ノルエルゲストロミン、ノルゲスチメート、レボノルゲストレル、dl−ノルゲストレル、シプロテロン酢酸塩、ジドロゲステロン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、クロルマジノン酢酸塩、メゲストロール、プロメゲストン、ノルエチステロン、リメステノール、ゲストデン、チボレンよりなるプロゲスタゲン、テストステロン、メチルテストステロン、オキサンドロロン、アンドロステンジオン、ジヒドロテストステロンよりなるアンドロゲン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エスチオール、エストロン、抱合卵胞ホルモン、エステル化エストロゲン、エストロピペートよりなるエストロゲン、またはその組合せを含めた性ステロイドの送達のための固化性処方物の使用を含む。
【0097】
非−性ステロイドもまた本発明の処方物を用いて送達することができる。そのようなステロイドの例は、限定されるものではないが、ベタメタゾンジプロピオネート、ハロベタゾールプロピオネート、ジフロラゾン二酢酸、トリアムシノロンアセトニド、デゾキシメタゾン、フルオシノニド、ハルシノニド、モメタゾンフロエート、ベタメタゾンバレレート、フルオシノニド、フルチカゾンプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フランドレノリド、デソニド、ヒドロコルチゾンブチレート、ヒドロコルチゾンバレレート、アルクロメタゾンジプロピオネート、フルメタゾンピバレート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸またはその組合せを含む。
【0098】
さらなる実施形態は、喫煙者およびニコチン中毒個人の中のニコチン依存症を治療するためのニコチンの制御された送達を含む。本発明の処方物は、治療量のニコチンを経皮送達するコスト的に有利な方法であろう。
【0099】
もう1つの実施形態は、処方物を用いて、ジフェンヒドラミンおよびトリペレナミンのような抗−ヒスタミン剤を送達することを含む。これらの剤は痒みを引き起こすヒスタミンをブロックすることによって痒みを低下させ、また局所鎮痛剤を提供することによって軽減を提供するであろう。
【0100】
本発明の固化性処方物を用いて送達することができる他の薬物は、限定されるものではないが、アミトリプチリンのような三環抗鬱剤;カルバマゼピンおよびアルプラゾラムのような抗痙攣剤;ケタミンのようなN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)アンタゴニスト;ケタンセリンのような5−HT2A受容体アンタゴニスト;タクロリムスおよびピクロリムスのような免疫変調剤を含む。
【0101】
さらなる実施形態は以下の工程:皮膚送達用の薬物を選択し、該選択された薬物のためのフラックス化可能または高フラックス化可能な不揮発性溶媒系を選択または処方し、該不揮発性溶媒系および揮発性溶媒系と適合する固化剤を選択し、好ましい乾燥時間フレームを満たし、かつ前記成分に適合する揮発性溶媒系を選択し、次いで、前記成分を、所望により、さらに、粘度修飾剤、pH修飾剤、およびエモリエントのような他の成分を含む固化性処方物に処方することを含む。
【0102】
もう1つの実施形態は、皮膚送達用の薬物を選択し、該選択された薬物のためのフラックス化可能または高フラックス化可能な不揮発性溶媒系を選択または処方し、該フラックス化可能または高フラックス化可能な不揮発性溶媒系および揮発性溶媒に適合する固化剤を選択し、ついで、前記成分を固化性処方物に処方することを含む、表面下の組織への薬物の送達のために(粘膜または爪表面を含めた)ヒト皮膚上で液体フラックス化可能または高液体フラックス化可能な不揮発性溶媒を維持する方法を含む。
【0103】
もう1つの実施形態は、ヒト皮膚、またはヒト皮膚下の組織へ薬物を送達するためのヒト皮膚上に液体フラックス化可能な不揮発性溶媒系を維持する方法を含む。該方法はヒト皮膚へ、薬物、フラックス化可能な不揮発性溶媒系、液体フラックス化可能な不揮発性溶媒系を柔軟な固体にゲル化することができる固化剤、および処方物の成分の残りと適合する揮発性溶媒系を含む処方物を適応することを含む。処方物層は、揮発性溶媒の少なくともいくらかの蒸発が、処方物を、固体状態よりも低い初期から柔軟−凝集性固体層へ変換するようなものである。該柔軟―凝集性固体層における薬物は、持続期間の間、治療上有効な速度で送達される。
【0104】
本発明の1つの使用は、性ホルモンを送達するためのものであり得る。1つの実施形態において、性ホルモンの皮膚送達用の処方物は、性ホルモン、溶媒賦形剤、および揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面へ層として適用される処方物の固化に寄与する固化剤を含むことができる。溶媒賦形剤は、少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および少なくとも1つの不揮発性溶媒を含む、不揮発性溶媒系を含むことができる。該処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って、皮膚表面への適用、および接着に適した粘度を有することができる。皮膚表面に適用する場合、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発の後に固化層を形成する。性ホルモンは、揮発性溶媒系が、少なくとも実質的に蒸発した後さえ、治療上有効な速度にて継続的に送達される。
【0105】
本発明の処方物は、イボの治療および排除で用いることができる。抗イボ処方物は、抗イボ薬物、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。溶媒賦形剤は、少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および少なくとも1つの不揮発性溶媒を含む不揮発性溶媒系を含むことができる。該処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有することができる。皮膚表面へ適用する場合、処方物は、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に固化層を形成する。抗イボホルモンは、揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後でさえ治療上有効な速度で継続的に送達される。
【0106】
さらなる実施形態において、クロベタゾールプロピオネートを送達するための処方物は、クロベタゾールプロピオネート、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。溶媒賦形剤は、少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および不揮発性溶媒系を含む。不揮発性溶媒系はプロピレングリコールおよび/または脂肪酸を含むことができる。該処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有することができる。皮膚表面へ適用する場合、処方物は、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に固化層を形成する。クロベタゾールプロピオネートは、揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後においてさえ治療上有効な速度で継続的に送達される。固化剤は蛋白質系固化剤であり得る。
【0107】
もう1つの実施形態において、ロピバカインを送達するための固化性処方物はロピバカイン、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、およびイソステアリン酸、Span20、およびトリアセチンのような溶媒を含むことができる不揮発性溶媒系。該処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有することができる。皮膚表面へ適用する場合、処方物は、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発の後に固化層を形成する。揮発性の少なくとも一部分の部分的な蒸発の後でさえ、ロピバカインは、揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に、少なくとも6時間、5mcg/hr/cm以上の速度で皮膚へ、または皮膚を横切って継続的に送達される。
【0108】
もう1つの実施形態において、イミキモドを送達するための固化性処方物はイミキモド、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および不揮発性溶媒系はイソステアリン酸およびSpan 20およびトリアセチンのような溶媒を含むことができる。処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有することができる。皮膚表面に適用する場合、処方物は、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に固化層を形成する。揮発性の少なくとも一部分の部分的な蒸発の後においてさえ、ロピバカインは、揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発された後に、少なくとも6時間、5 mcg/hr/cm以上の速度で皮膚に、または皮膚を横切って継続的に送達される。
【0109】
もう1つの実施形態において、イミキモドを送達するための固化性処方物は、イミキモド、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および不揮発性溶媒系は、イソステアリン酸、Span 20およびトリアセチンのような溶媒を含むことができる。処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有することができる。皮膚表面に適用する場合、処方物は、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に固化層を形成する。揮発性の少なくとも一部分の部分的な蒸発の後においてさえ、イミキモドは、揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に、少なくとも6時間、0.8mcg/hr/cm以上の速度で皮膚に、または皮膚を横切って継続的に送達される。
【0110】
もう1つの実施形態において、ケトプロフェンを送達するための固化性処方物は、ケトプロフェン、溶媒賦形剤、および固化剤を含むことができる。揮発性溶媒系は、少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、およびグリセロールおよびプロピレングリコールを含む不揮発性溶媒系を含む。該処方物は、揮発性溶媒系の蒸発に先立って皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有することができる。皮膚に適用される場合、処方物は、揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に固化層を形成する。揮発性の少なくとも一部分の部分的な蒸発の後においてさえ、ケトプロフェンは、揮発性溶媒、少なくとも実質的に蒸発された後、少なくとも6時間、10mcg/hr/cm以上の速度で皮膚を横切って継続的に送達される。
【0111】
本発明の処方物および方法を用いて送達することができる他の薬物は保湿剤、エモリエント、および他の皮膚ケア化合物を含む。
【実施例】
【0112】
(実施例)
以下の実施例は、現在最良に知られた本発明の実施形態を説明する。しかしながら、以下のものは本発明の原理の適用の例にすぎず、またはそれを説明するものであることは理解されるべきである。多数の改良および代替組成物、方法およびシステムは、本発明の精神および範囲を逸脱することなく当業者によって考案され得る。添付の請求の範囲は、そのような改良および配置を網羅することを意図する。従って、本発明を特別なものを用いて記載してきたが、以下の実施例は、現在本発明の最も現実的かつ好ましい実施形態とみなされるものに関連したさらに詳細を提供する。
【0113】
実施例1
無毛マウス皮膚(HMS)またはヒト表皮膜(HEM)を、本明細書中に記載されたイン・ビトロフラックス実験のために注記したモデル膜として用いる。無毛マウス皮膚(HMS)は、本明細書中に記載されたイン・ビトロフラックス実験用のモデル膜として用いる。無毛マウスの腹部から取り出した新たに分離された表皮を、Franz拡散セルのドナーおよびレシーバーチャンバーの間に注意深く設置する。レシーバーチャンバーにはpH7.4リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を満たす。実験は、皮膚試料の角質層(SC)上に(実施例2から5の)テスト処方物を置くことによって開始する。Franzセルは37℃に維持した加熱ブロックに入れ、HMS温度は35℃に維持する。所定の時間間隔にて、800μLアリコットを捨て、新鮮なPBS溶液で置き換える。皮膚フラックス(μg/cm/h)は、浸透−vs−時間の累積量のプロットの定常状態勾配から決定される。ヒト死体皮膚は同様にイン・ビトロフラックス実験用のモデル膜として用いることができることに注意すべきである。皮膚の設置およびサンプリング技術は、HMS実験について前記したのと同一なものを用いた。
【0114】
実施例2
ヒト死体皮膚は、ベタメタゾンジプロピオネート用の「フラックス化可能」不揮発性溶媒を選択するための膜として用いる。種々の溶媒中の約200 mcLのBDPの飽和溶液をFranzセルのドナー区画に加える。実施例1に記載されたイン・ビトロ分析を用いて、BDPの定常状態フラックスを決定する。用いるイン・ビトロ方法は実施例1に記載する。皮膚中の活性な酵素はベタメタゾンジプロピオネートをベタメタゾンに変換する。表1で報告する定常状態フラックス値は、外部ベタメタゾン標準を用いて定量し、単位面積および時間当たりのベタメタゾン浸透の量として報告する。
【0115】
【表1】

結果からわかるように、トリアセチン、ラブラゾール、オレイン酸および軽質鉱油は、10 ng/cm/hrの見積もられた治療上有効なフラックスに近いフラックス値を有する。固化剤および他の成分の添加は、恐らくは、フラックスを減少させ、よって、前記した不揮発性溶媒は「フラックス化可能」溶媒として理想的な選択ではないであろう。しかしながら、ソルビタンモノラウレートは、1つの可能な治療レベルよりも3倍高いフラックスを有し、よって、「フラックス化可能」溶媒である良好な機会を有する。種々の固化剤とのその適合性は、それを用いることができる適切なレベルを決定するであろう。加えて、プロピレングリコールは必要な治療レベルよりも19倍高いフラックスを有し、よって、テストした他の不揮発性溶媒系よりも有意に高いフラックスを提供する。丁度辛うじて「可能化」よりも高いフラックスを生じる不揮発性溶媒の能力は有利であり得る。というのは、処方物への他の必要なまたは望まれる成分の配合はフラックスを減少させる傾向があり、それは、処方物において比較的低い薬物濃度にて望まれる治療効果を達成することができ、これは、処方物を安価かつより安全とする傾向があるからである。
【0116】
実施例3
種々の不揮発性溶媒系におけるクロベタゾールプロピオネートの処方物を評価する。全ての溶媒は0.1%(w/w)クロベタゾールプロピオネートを有する。HEMを通じてのテスト処方物からのクロベタゾールの浸透を以下の表2に掲げる。
【0117】
【表2】

ヒト死体皮膚を、クロベタゾールプロピオネート用の「フラックス化可能」溶媒を選択するための膜として用いる。イン・ビトロ方法を実施例1に記載する。種種の不揮発性溶媒中の約200 mclのクロベタゾールの0.1%(w/w)溶液を、Franzセルのドナー区画に加える。LC分析後に得られる結果を表2に示す。全ての正味の本明細書中で実験された不揮発性溶液は30時間にわたって50 ng/cm/hr以上の平均フラックスを有する。プロピレングリコールおよびグリセロールは、クロベタゾールプロピオネートについての最低浸透を有する。結果は、構造がクロベタゾールプロピオネートに似たベタメタゾンジプロピオネートがプロピレングリコールにて良好なフラックスを有するという驚くべき考慮である。プロピレングリコールおよびイソステアリン酸の9:1の重量比率の混合物である溶媒系は、溶媒単独、またはテストした他の溶媒のいずれかよりも有意に高いフラックスを有する。平均フラックスは、最良の非−混合溶媒であると見える軽質鉱油よりも20倍高い。よって、クロベタゾールプロピオネートでは、プロピレングリコール/イソステアリン酸は、不揮発性溶媒系について最高のフラックスを供した。表2にリストした不揮発性溶媒の中では、9:1プロピレングリコール:ISAのみがフラックス化可能であると考えられる。この例において、フラックス化可能な不揮発性溶媒系は純粋な単一の物質ではなく、むしろフラックス化可能比率の2つ以上の物質の混合物である。他の比率または物質の組合せを用いて、フラックス化可能な不揮発性溶媒系を生じさせることができる。
【0118】
実施例4から9
不揮発性溶媒および種々の固化剤としてのプロピレングリコールおよびイソステアリン酸と共に0.05%(w/w)クロベタゾールプロピオネートを含有する接着性処方物を調製する。処方物は3に示した成分から調製する。
【0119】
【表3】

先に示した組成物の各々を、以下のように、表4に示したようにクロベタゾールプロピオネートのフラックスについて実験する。
【0120】
【表4】

表4からわかるように、固化剤としてポリビニルアルコールを含有する実施例4に記載された処方物は、クロベタゾールプロピオネートの高いフラックスを有する。ポリビニルアルコールは伸長可能な固化層を形成することが知られており、この処方物は許容される疲労特性を有するようである。得られた固化層の靭性は、必要であれば、適当な可塑剤を加えることによって修飾することができる(不揮発性溶媒系それ自体は可塑剤として働くことができる)。粘着性もまた、適当な量の粘着剤を加えることによって、あるいは適当な量のDermacryl 79のようなもう1つの固化剤を加えることによって修飾することもできる。
【0121】
実施例9に記載された処方物に関しては、より高いパーセンテージエタノールをポリマーを溶解させるために必要とする。しかしながら、実施例9で用いる固化剤は、実験した固化剤のうちでクロベタゾールプロピオネートの最高のフラックスを提供する。この処方物の疲労特性は、適切なレベルの、限定されるものではないが、可塑剤、粘着剤、不揮発性溶媒および固化剤を含めた他の成分を加えることによって修飾することができる。
【0122】
実施例10
種々の不揮発性溶媒系におけるアシクロビールの処方物を評価する。過剰のアシクロビールを存在させる。
【0123】
HMSを通ってのテスト処方物からのアシクロビールの浸透は、以下の表5に示す。
【0124】
【表5−1】

【0125】
【表5−2】

前記不揮発性溶媒からのアシクロビールの定常状態フラックスは、無毛マウスの皮膚の角質層側(ドナー)上に200mcLを置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は実施例1に記載したように行う。驚くべき結果は、ポリエチレングリコール400、Span80、オレイン酸エチル、またはオレイン酸エチル+トロラミンが、アシクロビールについてフラックス化可能溶媒ではないことを示した(例えば、定常状態フラックス値は、表1に示した市販の製品におけるアシクロビールの定常状態フラックスよりも有意に低く、ここに、フラックスは約3mcg/cm/hであった)。しかしながら、イソステアリン酸およびトロラミンまたはオレイン酸および増大させる量のトロラミンの組合せは、アシクロビールについてフラックス化可能溶媒である。分かるように、最高フラックスは、不揮発性溶媒系としてオレイン酸を含む30%トロラミンを用いて達成された。
【0126】
実施例11から14
プロトタイプの処方物を以下のように調製する。いくつかのアシクロビール固化性処方物を、以下のように、表6に従って、本発明の実施形態により調製する。
【0127】
【表6】

実施例11から14において、表6中の組成物を以下のように調製する。Eudragit RL−POおよびエタノールをガラスジャー中で合わせ、RL−POが溶解するまで撹拌しつつ加熱する。イソステアリン酸およびトロラミンをRL−PO/エタノール混合物に加え、混合物を激しく撹拌する。一旦均一な混合物が得られれば、アシクロビールを混合物に加え、処方物を激しく混合する。
【0128】
実施例15から16
プロトタイプの処方物を以下のように調製する。いくつかのアシクロビール固化性処方物を、以下のように、表7に従って、本発明の実施形態により調製する。
【0129】
【表7】

表3に示された実施例15および16の組成物は以下の通りに調製する。Eudragit RL−POおよびエタノールをガラスジャー中で合わせ、RL−POが溶解するまで撹拌しつつ加熱する。イソステアリン酸およびジイソプロパノールアミンまたはNeutrol TE Polyol(BASF)をRL−PO/エタノール混合物に加え、混合物を激しく撹拌する。一旦均一な混合物が得られれば、アシクロビールを混合物に加え、処方物を激しく混合する。
【0130】
実施例17から18
プロトタイプのピール処方物は以下のように調製する。いくつかのアシクロビール固化性処方物を、以下のように、表8に従って、本発明の実施形態により調製する。
【0131】
【表8−1】

【表8−2】

実施例17から18において、表8中の組成物を以下のように調製する。Aqualonからのエチルセルロース(EC)N7またはEC N100およびエタノールをガラスジャー中で合わせ、固体セルロースが溶解するまで撹拌しつつ加熱する。イソステアリン酸およびトロラミンをセルロース/エタノール混合物に加え、混合物を激しく撹拌する。一旦、均一な混合物が得られれば、アシクロビールを混合物に加え、処方物を激しく混合する。
【0132】
実施例19
実施例11から18の処方物を、実施例1に記載された無毛マウス皮膚(HMS)イン・ビトロモデルでテストする。表9は、先に概説した実験プロセスを用いて得られたデータを示す。
【0133】
【表9】

前記で示した本発明の処方物は、一般には、有効成分の有意な浸透を供し、さらに、実施例11から13および18の処方物は、市販の製品Zovirax Creamよりも浸透性がかなり大きいことが判明する。実施例11、12についての経時的なHMS角質層を通って浸透するアシクロビール、およびZovirax Creamの量を図4に示す。示された各値は、少なくとも3つの実験の平均±SDを示す。
【0134】
実施例11から14は、アシクロビールフラックス増強に対するイソステアリン酸(ISA)に対するトロラミンの比率のインパクトを示す。最適なISA:トロラミン比率は1:1から2:1であり、4:1よりも大きな比率はアシクロビール皮膚フラックスの有意な減少を示す。処方物におけるトロラミンの代わりのジイソプロパノールアミンおよびNeutrolの添加(実施例15および16)は、アシクロビールフラックス値の有意な減少を示す。これは、より高い皮膚フラックスを促進する処方物内の環境を作り出す、トロラミンおよびISAの間の特異的化学相互作用によるものであろう。実施例17および18は、異なる固化剤を利用して、アシクロビールフラックスに対する固化剤のインパクトを見積もる。驚くべきことに、実施例17はアシクロビール皮膚フラックスの有意な減少を示すが、固化剤の分子量だけ実施例17と異なる実施例18は、実施例11における同様なISA:トロラミン比率と比較してアシクロビール皮膚フラックスに対してインパクトを示さない。
【0135】
図4から分かるように、実施例11および12は8時間までのアシクロビールの持続送達を示し、対象が皮膚に付着された固化処方物を取り去りたい限り、アシクロビールの送達は報告されたフラックス値において継続するであろうことは、薬物負荷および不揮発性溶媒の継続した存在に基づいて推定するのが合理的であろう。
【0136】
実施例20
(アシクロビール無しの)実施例12と同様な固化処方物はヒト皮膚表面に適用され、その結果、薄く、透明で、可撓性であって、伸長可能な固化層をもたらす。揮発性溶媒(エタノール)の蒸発から数分後に、剥離可能な固化接着性層が形成される。伸長可能な固化層は皮膚に対して良好な接着を有し、皮膚から分離せず、皮膚から容易に剥離させることができた。アシクロビールの不存在は、処方物、および柔軟な凝集性固体の物理的および疲労特性に対して最小のインパクトを有する。なぜならば、それは、存在する場合、そのような低い濃度で存在するからである。
【0137】
実施例21
種々の不揮発性溶媒系におけるケトプロフェンの固化性処方物を評価する。過剰のケトプロフェンが存在する。HMSを通ってのテスト処方物からのケトプロフェンの浸透は、以下の表10に示す。
【0138】
【表10】

前記不揮発性溶媒からのケトプロフェンの定常状態フラックスは、200mcLを、無毛マウス皮膚の角質層側(ドナー)上に置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は実施例1に記載したように行う。表10から、不揮発性溶媒のグリセロールおよびポリエチレングリコール400は低い定常状態フラックス値を有し、「フラックス化可能」と考えられないであろう。Span20はフラックス化可能と考えることができ、プロピレングリコールまたはオレイン酸は最高のフラックスを提供し、フラックス化可能な不揮発性溶媒系と考えられる。フラックス化可能溶媒の評価は、ケトプロフェンの見積もられた治療上有効なフラックスに基づく(表A中の16mcg/cm/h)。治療上有効なフラックス未満である不揮発性溶媒からの薬物の定常状態フラックス値(表A)はフラックス化可能と考えられず、他方、治療上有効なフラックス値を超える不揮発性溶媒からの薬物の定常状態フラックス値はフラックス化可能と考えられる。
【0139】
実施例22
種々の不揮発性溶媒系中のロピバカインの固化性処方物を評価する。過剰のロピバカインが存在する。HMSを通ってのテスト処方物からのロピバカインの浸透は、以下の表11に示す。
【0140】
【表11】

前記不揮発性溶媒からのロピバカイン塩基の定常状態フラックスは、無毛マウス皮膚の角質層側(ドナー)に200mcLを置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は実施例1に記載されたように行う。表11から、不揮発性溶媒のグリセロール、およびTween 20は低い定常状態フラックス値を有し、「フラックス化可能」とは考えられないであろう。しかしながら、鉱油およびイソステアリン酸はフラックス化可能溶媒であって、許容される固化処方物を設計するための固化剤および揮発性溶媒での評価について良好な候補である。驚くべきことに、Span20はより高い定常状態フラックス値を有し、高度にフラックス化可能溶媒としての資格があろう。治療上有効なフラックス未満である不揮発性溶媒からの薬物の定常状態フラックス値(表A)はフラックス化可能と考えられる、他方、治療上有効なフラックス値を超える不揮発性溶媒からの薬物の定常状態フラックス値はフラックス化可能と考えられる。
【0141】
実施例23
種々の不揮発性溶媒系における(スペクトルから得られた)ジクロフェナックナトリウムの固化性処方物を評価する。過剰のジクロフェナックナトリウムが存在する。HMSを通ってのテスト処方物からのジクロフェナックナトリウムの浸透を、以下の表12に示す。
【0142】
【表12】

前記不揮発性溶媒からのジクロフェナックナトリウムの定常状態フラックスは、200mcLを無毛マウスの皮膚の角質層側(ドナー)に置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は実施例1に記載したように行われる。表12から、不揮発性溶媒グリセロールは、見積もられた治療的定常状態フラックス値と匹敵する定常状態フラックス値を有し、フラックス化可能溶媒と考えることができる。しかしながら、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、プロピレングリコール、およびSpan20の定常状態フラックス値は、グリセロールについて報告されたフラックス値の少なくとも10倍である。これらの不揮発性溶媒はフラックス化可能溶媒と考えられる。
【0143】
実施例24
種々の溶媒系中のジクロフェナック酸の固化性処方物を評価する。過剰のジクロフェナック酸が存在する。HMSを通じてのテスト処方物からのジクロフェナックの浸透を、以下の表13に示す。
【0144】
【表13】

前記不揮発性溶媒からのジクロフェナック酸の定常状態フラックスは、200mcLを無毛マウス皮膚の角質層側(ドナー)に置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は実施例1に記載したように行う。表13から、不揮発性溶媒グリセロールは報告された定常状態フラックス値を有さず、活力のある不揮発性溶媒候補と考えられない。しかしながら、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、プロピレングリコール、およびSpan20の定常状態フラックス値は、現在入手可能な市販の製品について報告されたフラックス値の10倍以下であり、それ自体、フラックス化可能溶媒と考えることができよう。前記不揮発性溶媒の各々からのジクロフェナック酸についての定常状態フラックス値は、ジクロフェナックナトリウムで得られた定常状態フラックス値よりもかなり低いことに注意すべきである。従って、もし治療上有効なフラックス値が増加される必要があれば、フラックス化可能な不揮発性溶媒、およびジクロフェナックのナトリウム形態の利用は、ジクロフェナックの酸形態を用いるよりもより高い定常状態フラックス値を生じるようであろう。
【0145】
実施例25
種々の不揮発性溶媒系におけるテストステロンの固化性処方物を評価する。過剰のテストステロンが存在する。HMSを通ってのテスト処方物からのテストステロンの浸透は、以下の表14に示される。
【0146】
【表14】

前記不揮発性溶媒からのテストステロンの定常状態フラックスは、200mcLを無毛マウスの皮膚の角質層側(ドナー)に置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は、実施例1に記載したように行われる。表14から、不揮発性溶媒Tween 60(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)は報告された定常状態フラックス値を有さず、活力のある不揮発性溶媒候補と考えられない。しかしながら、Span 20、ポリエチレングリコール400、イソステアリン酸、およびプロピレングリコールの定常状態フラックス値は、現在入手可能な市販の製品に匹敵する定常状態フラックス値を有し(表A)、かくして、フラックス化可能溶媒と考えることができよう。しかしながら、Tween 60以外の全ての不揮発性溶媒はフラックス化可能であるが、プロピレングリコールは現実的な処方物について良好であり得る。なぜならば、それによって生じた高いフラックスは、同一量の薬物をより小さな皮膚接触面積にて送達できることを意味するからである。
【0147】
実施例26
種々の不揮発性溶媒系中のヒドロモルフォンHCIの固化性処方物を評価する。過剰のヒドロモルフォンHCIが存在する。HMSを通じてのテスト処方物からのヒドロモルフォンHClの浸透は、以下の表15に示す。
【0148】
【表15】

前記揮発性溶媒からのヒドロモルフォンの定常状態フラックスは、200mcLを無毛マウスの皮膚の角質層側(ドナー)に置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は、実施例1に記載したように行う。表15から、不揮発性溶媒のプロピレングリコールおよびイソステアリン酸は、(見積もられたヒドロモルフォンについての治療上有効なフラックスが2 mcg/cm/hであることに基づいて)フラックス化可能溶媒としての資格があり得る。明らかに、オレイン酸エチルからのヒドロモルフォンの定常状態フラックス値はかなり高く、高フラックス化可能溶媒としての資格があろう。
【0149】
実施例27
種々の不揮発性溶媒系中のヒドロモルフォンの固化性処方物を評価する。過剰のヒドロモルフォンが存在する。HMSを通ってのテスト処方物からのヒドロモルフォンの浸透は、以下の表16に示す。
【0150】
【表16】

前記不揮発性溶媒からのヒドロモルフォンの定常状態フラックスは、200μLを無毛マウスの皮膚の角質層側(ドナー)に置くことによって得られる。イン・ビトロ実験は実施例1に記載したように行われる。表16から、不揮発性溶媒プロピレングリコールは、(ヒドロモルフォンについての見積もられた治療上有効なフラックスが2 μg/cm/hであることに基づき)フラックス化可能溶媒としての資格があり得る。イソステアリン酸およびオレイン酸エチルからのヒドロモルフォンの定常状態フラックス値もまた、フラックス化可能溶媒としての資格があろう。
【0151】
実施例28から32
プロトタイプ固化性処方物を以下のように調製する。いくつかの処方物は、以下のように、表17に従い、本発明の実施形態により調製する。
【0152】
【表17】

実施例28から32の固化性処方物は以下のようにして調製される:
−固化剤を揮発性溶媒に溶解させる(例えば、ポリビニルアルコールを水に溶解させEudragitポリマーをエタノールに溶解させる)。
−不揮発性溶媒を固化剤/揮発性溶媒混合物と混合する。
−得られた溶液を数分間激しく十分に混合する。
−次いで、薬物を加え、処方物を再度数分間混合する。
【0153】
前記した全ての例において、フラックス化可能な不揮発性溶媒/固化剤/揮発性溶媒の組合せは、適当な乾燥時間を呈する均一な単一相システムによって証明されるように適合するものであり、伸長可能な固化層および薬物についての定常状態フラックスを供した(以下の実施例33参照)。
【0154】
実施例33
実施例の処方物を、実施例1に記載された無毛マウス皮膚(HMS)またはHEMイン・ビトロモデルでテストした。表18は、前記で概説した実験プロセスを用いて得られたデータを示す。
【0155】
【表18】

アシクロビール、ロピバカイン、およびテストステロンは、フラックス化可能な不揮発性溶媒を固化性処方物に配合した場合、驚くべきことにより高い定常状態フラックス値を有する。より高いフラックス値は、より高い値をもたらす固化処方物中の薬物の化学的環境(例えば、増大する溶解性)にインパクトを与える揮発性溶媒または固化剤の寄与の結果であろうと推定される。逆に、ケトプロフェンおよびジクロフェナックは、可能化不揮発性溶媒を固化性処方物に配合した場合、より低い定常状態フラックス値を有する。これは、より低いフラックス値をもたらす化学的環境(例えば、減少する溶解性、薬物および処方物の間の物理的相互作用)に対して反対のインパクトを有する揮発性溶媒系または固化剤の結果であり得る。
【0156】
図1および2は、ヒト死体皮膚を横切って経皮送達された、各々、ジクロフェナックおよびロピバカインの累積量のグラフ表示を提供する。テストされた処方物は、実施例30および31に記載されたのと同様である。これらの特定の実施形態において、定常状態送達は、各々、28時間にわたって、および30時間にわたって示される。
【0157】
実施例34
以下の組成:10.4%ポリビニルアルコール、10.4%ポリエチレングリコール400、10.4%ポリビニルピロリドンK−90、10.4%グリセロール、27.1%水、および31.3%エタノールを持つ固化性処方物を肘関節および指関節においてヒト皮膚表面に適用し、その結果、薄く、透明で、可撓性であって伸長可能な固化層を得た。揮発性溶媒(エタオンールおよび水)の蒸発から数分後に、剥離可能な固化層が形成された。伸長可能な固化層は皮膚への良好な接着を有し、曲げた場合、関節上の皮膚から分離せず、皮膚から容易に剥離できた。
【0158】
実施例35から37
(ロピバカイン塩基をロピバカインHClで置き換える)実施例36における処方物と同様な3つの処方物を、新たに分離した無毛マウス皮膚の角質層側に適用する。イン・ビトロフラックスは、実施例1に概説したように各処方物について決定される。処方物組成物は以下の表19に示される。
【0159】
【表19】

全ての3つの処方物は固化剤、揮発性溶媒、およびフラックス化可能な不揮発性溶媒の正確な同一の組成を有する。唯一の差は、いずれのフラックス化可能な不揮発性溶媒を用いるかであり、ロピバカインHClについては、Span 20、ポリエチレングリコール400、およびTween 40はフラックス化可能な不揮発性溶媒としての資格があると結論するのが合理的である。
【0160】
実施例38から42
イミキモドの皮膚送達用の固化処方物を調製し、これは賦形剤混合物中に特定量のイミキモドを含んで、本発明の実施形態に従った接着性処方物を形成する。固化性処方物は以下の成分を含有した:
【0161】
【表20】

これらの処方物は実施例1に記載したようにHMS皮膚に適用し、イミキモドフラックスを測定する。実施例38から42における処方物で行ったイン・ビトロフラックス実験からの結果のまとめを表21にリストする。
【0162】
【表21−1】

【0163】
【表21−2】

実施例38および39に記載された処方物に関しては、水を揮発性溶媒として用い、ISA、トロラミン混合物を不揮発性溶媒系として用いる。実験を通じて、ISAおよびSpan 20は薬物に対する適当な溶解性を提供するが、しかしながら、これらの不揮発性溶媒は疎水性であって、固化剤PVAを溶解させるのに用いられる揮発性溶媒系と適合しない。乳化剤Pemulen TR−2を用いて、不揮発性溶媒を水相に乳化した。さらに、この実施形態において、ISAおよびトロラミンは、水(揮発性溶媒)が蒸発した後に、剥離性処方物において可塑剤として作用する。実施例38および39の処方物の定常状態フラックスは、全処方物のフラックス−生成パワーを指令するにおける処方物に加えて一定量の不揮発性溶媒の値を示す。さらに、実施例41および42は、非水性揮発性溶媒系(イソプロパノール)に適合する異なる固化剤を利用する。不揮発性溶媒系ISA/トリアセチンまたはISA/Span 20/トロラミン/トリアセチン組合せの選択は、イン・ビトロフラックスの変化を示さなかった。イン・ビトロフラックスの増加は、処方物に存在するイミキモドの量の増加によって影響されることが示される。4%を超えるイミキモドレベルにおいて、薬物はピール処方物において飽和している。増大した薬物添加の関数としてのイン・ビトロフラックスの増加(実施例41および42)は、一旦揮発性溶媒が蒸発すれば、固化したピール処方物中の薬物の増大した溶解性によるものであろう。
【0164】
実施例38は、他の処方物の例に対する匹敵するイミキモドフラックス、および不揮発性溶媒系の値、およびトロラミンの除去によって引き起こされる固化剤適合性を示す。なぜならば、この不揮発性溶媒はPlastoid Bポリマーの関数に否定的に影響したからである。
【0165】
実施例43から46
イミキモドの皮膚送達のための固化性処方物を調製し、これは、特定量のイミキモドを賦形剤混合物中に含んで、本発明の実施形態に従う接着性処方物を形成する。ピール処方物は以下の成分を含有した:
【0166】
【表22】

これらの処方物は実施例1に記載したようにHMS皮膚に適用し、イミキモドフラックスを測定する。実施例43から46における処方物で行ったイン・ビトロフラックス実験からの結果のまとめを表23にリストする。
【0167】
【表23】

実施例43から46のイン・ビトロフラックスは、Aldara対照と比較して有意に増加した。改良されたイン・ビトロフラックスの値についての理由は、サリチル酸の負荷に帰属するであろう。実施例43から46におけるイミキモドの改良されたイン・ビトロフラックスは、イミキモドおよびサリチル酸の間のイオン対相互作用によるものと考えられる。イオン対メカニズムが考えられ、そこでは、対イオン(サリチル酸)の親油性が角質層を横切るイミキモドのフラックスを改良する。なぜならば、それはイミキモド処方物においてあまり「心地よい」ものではなくするからである。サリチル酸による改良されたフラックスについてのもう1つの理由は、それが浸透促進剤として作用することにある。実施例43から45のフラックスの比較は、ポリマーおよび/または揮発性溶媒の選択がイミキモドのフラックスにインパクトを与えるであろうことを示す。
【0168】
実施例47から48
ロピバカインの皮膚送達用の固化性処方物を調製し、これは、賦形剤混合物中に特定量のロピバカインを含んで、本発明の実施形態に従う接着性固化性処方物を形成する。ピール処方物は以下の成分を含有する:
【0169】
【表24】

これらの処方物は実施例1に記載したようにHMS皮膚に適用され、ロピバカインフラックスを測定する。実施例47および48における処方物で行ったイン・ビトロフラックス実験からの結果のまとめを表25にリストする。
【0170】
【表25−1】

【0171】
【表25−2】

実施例47および48に記載された処方物に関し、エタノールを揮発性溶媒として用い、ISA、グリセロール、およびPG混合物を不揮発性溶媒系として用いる。実験を通じて、一緒に用いられるISAおよびプロピレングリコールは、Eudragit RL−100固化剤と適合しつつ、薬物に対する適当な溶解性を提供すると決定される。さらに、この実施形態において、ISA、PGおよびグリセロールは、エタノール(揮発性溶媒)が蒸発した後に、剥離性処方物において可塑剤として働く。処方物実施例47および48からのロピバカインの定常状態フラックスは、全処方物のフラックス−生成パワーを指令するにおける不揮発性溶媒の重要性を示す。
【0172】
実施例49
浸透性、不揮発性溶媒系および固化剤の間の適合性に対する溶解性の効果を本実施例で示す。イソステアリン酸(ISA)へのロピバカイン塩基溶解性は実験的に1:4をわずかに超えると決定され、これは、1グラムのロピバカイン塩基が4グラムのイソステアリン酸に完全に溶解できることを意味する。1つの実験において、2つの溶液が作成され:溶液Aは1部のロピバカイン塩基および4部のイソステアリン酸を含む。溶液Bは1部のロピバカイン塩基、4部のイソステアリン酸、および1部のトロラミンを含む。(全ての部は重量で表す)。溶液Aにおける全てのロピバカインを溶解させるが、溶液Bにおけるロピバカインの一部のみが溶解する。溶液によって生じた無毛マウスの皮膚を横切っての経皮フラックスは、典型的なFranzセルシステムによって測定され、以下の結果が得られる:
【0173】
【表26】

分かるように、溶液Bによって生じたフラックスは溶液Aのそれの約4倍である。これらの結果は、イオン対合剤トロラミンの添加が経皮フラックスを有意に増大させることを示す。しかしながら、このシステムをポリビニルアルコール(PVA)系ピール処方物へ取り入れる試みは失敗した。なぜならば、該処方物におけるPVAは、トロラミンの効果を阻害した強いpH緩衝液として作用したからである。より多くのトロラミンの添加は、PVAのpH緩衝能力を増大させる試みにおいて、PVAの所望の固化特性の喪失を引き起こした(言い換えると、ISAおよびあまりにも多くのトロラミンを含有する不揮発性溶媒系はPVAと適合しない)。PVAをもう1つの固化剤、Eudragit RL−100(Rohm&Haas)によって置き換えると、トロラミンの効果は阻害されず、30μg/hr/cm程度のフラックスを生じさせることができる処方物が得られた。トロラミン、ISA、およびEudragit RL 100の添加の副産物は、3つの成分のイオン性相互作用から沈殿が形成されたことである。後者の例はフラックスおよび疲労特性の点で、良好な処方物を生じたが、沈殿は、依然として、改良の必要性を示す。不揮発性溶媒および固化剤の間のイオン性相互作用を排除する努力において、トロラミン、ISA混合物をイソプロパノール中のPlastoid Bポリマーに加えた。しかしながら、この場合には、トロラミンはPlastoid Bポリマーと適合しないことが判明し、該塩基はトリイソプロパノールアミンに変化した。この組合せは、Eudragit RL 100ポリマーを用い、30μg/hr/cm程度のフラックス値を生じさせることができる透明な処方物を生じさせた場合に形成された沈殿を排除した。これは、不揮発性溶媒系および固化剤の間の適合性の重要性を示す。
【0174】
実施例50
ロピバカインの皮膚送達用の固化性処方物を以下の成分から調製する:
【0175】
【表27】

前記リストの成分を以下の手法に従って合わせる。Eudragit RL−100およびエタノールをガラスジャー中で合わせ、Eudragit RL−100が完全に溶解するまで約60℃まで加熱する。一旦、Eudragit溶液が室温まで冷却されると、適当な量のロピバカインHClを加え、徹底的に1分間混合する。この溶液に、イソステアリン酸(ISA)を加え、混合物を激しく2から3分間撹拌する。1時間後に、溶液を再度激しく2から3分間混合する。この溶液に、グリセロール、プロピレングリコール、およびトロラミンを順次の順番で加える。各成分の添加の後に、溶液を1分間撹拌する。
【0176】
加えて、本実施例に従って調製された処方物は実施例1に記載したようにHMSに加え、ロピバカインフラックスを測定した。結果のまとめは、以下のように、表28にリストする。
【0177】
【表28】

実施例6に従って調製されたロピバカインピール処方物は許容される適用特性、例えば、試料チューブからのピールの除去の容易性、意図した皮膚適用部位への展延の容易性等を保有し、約0.1mmの厚みを持つ薄い層として正常なヒト皮膚表面に適用された後に2から3分以内に固化フイルムを形成する。固化した剥離可能層は2時間以内に容易に剥離可能となり、ピールは、少なくとも12時間の間、ピールのいずれの意図しない除去もなくして皮膚表面に付着されたままである。意図した使用の最後に、ピールは1つの連続破片に容易に除去される。
【0178】
実施例51
リドカインの皮膚送達用の固化性処方物を調製し、これは、賦形剤混合物中に飽和量のリドカインを含んで、本発明の実施形態に従った接着性剥離可能処方物を形成する。ピール処方物は、表29に示された成分から調製される。
【0179】
【表29】

【0180】
【表30】

本実施例におけるリドカイン処方物の接着性剥離可能処方物は、前記実施例における処方物と同様な物理的特性を有する。無毛マウス皮膚を横切っての経皮フラックスは許容され、定常状態送達は8時間にわたって維持される。
【0181】
実施例52から55
アミトリプチリン、およびアミトリプチリンとケタミンの組合せの皮膚送達用の固化性処方物を調製し、これは、賦形剤混合物を含んで、本発明の実施形態に従う接着性剥離可能処方物を形成する。ピール処方物は、表31に示した成分から調製される。
【0182】
【表31】

前記リストの成分を、以下の手法に従って合わせる。薬物、水、およびトリイソプロパノールアミンをガラスジャー中で合わせ、薬物が溶解するまで混合する。次いで、イソステアリン酸、トリアセチン、Span 20、およびイソプロパノールを処方物に加え、よく混合する。ポリマーPlastoid Bを最後に加え、Plastoid Bが完全に溶解するまで約60℃まで加熱する。一旦、ポリマー溶液を室温まで冷却すれば、処方物を2から3分間激しく撹拌する。
【0183】
表31中の処方物を実施例1に従ってHMSに適用し、アミトリプチリンおよび/またはケタミンのフラックスを測定した。結果を表32にまとめる。
【0184】
【表32】

本実施例におけるアミトリプチリンおよびアミトリプチリン/ケタミン処方物の接着性剥離可能処方物は、前記実施例における処方物と同様な物理的特性を有する。経皮フラックスは処方物に加えた薬物の量に比例する。
【0185】
実施例56から59
ロピバカインの皮膚送達用の固化性処方物を調製し、これは、賦形剤混合物を含んで、本発明の実施形態に従う接着性剥離可能処方物を形成する。ピール処方物は表33に示した成分から調製する。
【0186】
【表33】

前記リストの成分を、以下の手法に従って合わせる。ロピバカインHCl、水、およびトリイソプロパノールアミンをガラスジャー中で合わせ、薬物が溶解するまで混合する。次いで、イソステアリン酸、トリアセチン、Span 20、およびイソプロパノールを処方物に加え、よく混合する。ポリマーPlastoid Bを最後に加え、Plastoid Bが完全に溶解するまで約60℃まで加熱する。一旦、ポリマー溶液を室温まで冷却すれば、処方物を2から3分間激しく撹拌する。
【0187】
表33中の処方物を実施例1に従ってHMSに適用し、ロピバカインのフラックスを測定した。結果を表34にまとめる。
【0188】
【表34】

実施例56から59のフラックスは、処方物中のトリアセチン、イソステアリン酸、Span 20組合せの重要性を示す。実施例56から59において、処方物は、各々、Span 20、トリアセチン、およびイソステアリン酸なくして作成した。ロピバカインのイン・ビトロフラックスにインパクトを与えた。不揮発性溶媒の相乗的組合せは、ロピバカインの最大イン・ビトロフラックスを得るのに重要である。
【0189】
実施例60
本固化性処方物は、以下の成分を示した重量部で有する。
【0190】
【表35】

本処方物においては、ポリビニルアルコール(AmrescoからのUSPグレード)は固化剤であり、エチルセルロースおよびDermacryl 79は補助的固化剤である。イソステアリン酸およびグリセロールは不揮発性溶媒系を組成し、他方、エタノールおよび水は揮発性溶媒系を組成する。ロピバカインは薬物である。
処方物を製造する手法:
1.ロピバカインをISAと混合する。
2.エチルセルロースおよびDermacryl 79をエタノールに溶解させる。
3.PVAを約60から70Cの温度の水に溶解させる。
4.前記混合物の全てを1つの容器中で一緒に合わせ、グリセロールを加え、全混合物をよく混合する。
【0191】
得られた処方物は粘性流体である。約0.1mm厚みの層を皮膚に適用すると、非粘着性表面が2分以内に形成される。
【0192】
実施例61から62
抗−真菌固化性処方物を調製し、ピールフレキシビリティおよび粘度の定量的評価を見積もる。処方物の成分を以下の表36に示す。
【0193】
【表36】

実施例61のピール処方物は、爪または皮膚表面への適用で望ましいであろうよりも低い粘度を有する。この処方物で固化ピールを形成するための時間は望まれる乾燥時間よりも長い。実施例62における処方物は、固化剤(Eudragit RL−PO)の量の増加、およびエタノールの量の減少を有し、これは、粘度および乾燥時間を改良する。実施例62は、適用に適した粘度および改良された乾燥時間を有する。
【0194】
実施例63
固化性処方物は、以下の通り、表37に従って調製した。
【0195】
【表37】

表37の成分を以下のように合わせた:
−固化剤を揮発性溶媒に溶解させる(すなわち、ポリビニルアルコールを水に溶解させる)。
−フラックス化可能な不揮発性溶媒を固化剤/揮発性溶媒混合物と混合する。
−得られた溶液を数分間激しくよく混合する。
−次いで、薬物を加え、ピール処方物を再度数分間混合する。
【0196】
実施例64
実施例63で調製した処方物を、以下の表38に記載したように、皮膚フラックスについてテストした。
【0197】
【表38】

現在市販されている製品であるAndroGelを無毛マウス皮膚に直接適用し、フラックス決定は実施例1に概説したように作成する。定常状態フラックスデータは図3に示す。表38に報告する定常状態フラックス値は2から6時間の間の直線領域を用いて決定する。図3から分かるように、AndroGelからのテストステロンのイン・ビトロフラックスは6時間を超えて実質的に減少する。これは、部分的には、送達用の主要賦形剤として作用し得る揮発性溶媒の蒸発によるものであろう。実施例63における固化性処方物は、少なくとも9時間の間、定常状態量のテストステロンを送達するであろう。
【0198】
実施例65から68
(関節および筋肉の炎症または疼痛を治療するための皮膚を介する送達に適した)ケトプロフェンの経皮送達のための伸長性接着性固化性処方物を調製し、これは、賦形剤混合物中に飽和量のケトプロフェン(賦形剤混合物に溶解することができるより多くのケトプロフェン)を形成して、接着性剥離化の処方物を形成し、そのうちいくつかは、本発明の実施形態に従って調製される。粘性であって透明な流体である賦形剤混合物は、表39に示した成分を用いて調製される。
【0199】
【表39】

実施例65から68の組成物の各々を、以下のように、表40に示したように、ケトプロフェンのフラックスについて調べた:
【0200】
【表40】

実施例65に記載された処方物に関しては、エタノールおよび水は揮発性溶媒系を組成し、他方、グリセロールおよびPEG 400の1:1混合物は不揮発性溶媒系を組成した。実験を通じて、PEG 400はケトプロフェンについてグリセロールよりもわずかに良好な溶媒であり、他方、グリセロールはPEG 400よりもPVAに対してより適合していると決定される。かくして、グリセロールおよびPEG 400の不揮発性溶媒系を一緒に用いて、PVAと合理的に適合しつつ、薬物に対する不揮発性溶媒系を提供する。実施例65での処方物に関する更なる詳細において、PVAおよびPVPは固化剤として作用する。さらに、この実験においては、グリセロールおよびPEG 400もまた、揮発性溶媒の蒸発の後に形成された接着性剥離可能処方物において可塑剤として働く。グリセロールおよびPEG 400の存在がなければ、PVAおよびPVP単独によって形成されたフイルムは剛性かつ非―伸長性であろう
実施例66の処方物に関しては、形成された接着性剥離可能処方物は実施例65のそれと同量な物理的特性を有するが、無毛マウス皮膚を横切っての経皮フラックスはより高い。これは、固化剤、実施例65における1:1 PVA:PVP−K−90および実施例68における純粋なPVAが浸透に対してインパクトを有することを示唆する。
【0201】
実施例67における処方物は、実施例65または66の処方物よりもケトプロフェンを少なくしか送達しない。実施例68の処方物は、実施例65および66における処方物よりもケトプロフェンをかなり少なくしか送達しない。低下したフラックスについての一つの可能な理由は、ケトプロフェンについてのあまりにも高い溶解性をもたらす、不揮発性溶媒系におけるPEG 400によって引き起こされた低下した浸透駆動力であると考えられる。
【0202】
各々、実施例66、67および68における処方物の間の唯一の差は不揮発性溶媒系、より具体的には、PEG 400:グリセロールの重量比率に関する。これらの結果は、皮膚フラックスに対する不揮発性溶媒系のインパクトを反映する。
【0203】
実施例69
リドカインの経皮送達用の伸長可能な接着性固化性処方物を調製し、これは、賦形剤混合物中に飽和量のリドカインを含んで、本発明の実施形態に従って接着性固化性処方物を形成する。処方物は、表41に示した成分から調製する。
【0204】
【表41】

【0205】
【表42】

本実施例におけるリドカインの接着性固化性処方物は、実施例65から68における処方物に対して同様な物理的特性を有する。無毛マウス皮膚を通っての経皮フラックスは許容でき、定常状態送達は8時間にわたって維持される。
【0206】
実施例70
(ケトプロフェンを含まない)実施例65の組成の処方物と同様な処方物を肘関節および指関節においてヒト皮膚表面に適用し、その結果、薄く、透明で、可撓性な伸長性フイルムを得た。揮発性溶媒(エタノールおよび水)の数分の蒸発の後に、固化剥離可能層が形成される。該伸長性フイルムは皮膚に対して良好な接着を有し、曲げた場合に、関節上の皮膚から分離せず、皮膚から容易に剥離することができる。
【0207】
実施例71から73
(関節および筋肉上の皮膚を介する送達に適した)ケトプロフェンの経皮送達用の伸長可能な接着性固化性処方物を調整し、これは、賦形剤混合物中に飽和量のケトプロフェン(賦形剤混合物に溶解できるより多くのケトプロフェン)を含んで、接着性剥離可能な処方物が形成され、そのいくつかは、本発明の実施形態に従って調製される。粘性であって透明な流体である賦形剤混合物は、表43に示した成分を用いて調製される。
【0208】
【表43】

実施例71から73のピール処方物は以下のように調製される:
―固化剤を揮発性溶媒に溶解させる(すなわち、Eudragitポリマーをエタノールに溶解させる)。
―フラックスに適切な不揮発性溶媒(グリセロール、PEG)を固化剤/揮発性溶媒の混合物と一緒に混合する。
―得られた溶液を激しく数分間混合する。
―ついで、薬物を加え、処方物を再度数分間混合する。
【0209】
実施例74
実施例71から73に従って調製された処方物を実施例1に記載したようにHMSに適用し、ケトプロフェンフラックスを測定する。結果のまとめを、以下のように、表44にリストする。
【0210】
【表44】

実施例71から72に従って調製されたケトプロフェン処方物は、許容される固化した層の特性を保有した(例えば、2から3分以内に固化した層を形成した)。実施例73に関しては、ケトプロフェンピールは適用から30分後に固化層を形成しない。これは、ピール処方物において望まれるフラックスおよび疲労特性を得るためには、処方物を開発するにおいて、固化剤、不揮発性溶媒、および揮発性溶媒の間のデリケートなバランスが見積もられ、考慮されることを示す。
【0211】
実施例75
(関節および筋肉上の皮膚を介する送達に適した)ケトプロフェンの経皮送達用の伸長可能な接着性固化性処方物が調製され、これは、賦形剤混合物中に飽和量のケトプロフェン(賦形剤混合物に溶解できるより多くのケトプロフェン)を含んで、接着性剥離可能な処方物を形成し、そのいくつかは本発明の実施形態に従って調製される。粘性であって透明な流体である賦形剤混合物は、表45に示される成分を用いて調製される。
【0212】
【表45】

処方物AおよびBは以下のような方法で調製される:
―PVA(固化剤)を水に溶解させる。
―フラックスに適切な不揮発性溶媒(グリセロール、PG)を固化剤/揮発性溶媒の混合物と一緒に混合する。
―次いで、エタノール、およびGantrez ES 425を混合物に加える。
―得られた溶液を激しく数分間混合する。
【0213】
処方物Cにおける水溶液中のPVAの調製は、示したパーセンテージにおけるPVAのこの分子量では可能でなかった。処方物Cは、PVAについての正しいポリマー分子量は望まれる処方物特性を得るのに重要であることを示す。
【0214】
処方物AおよびBをヒトボランティアの皮膚の上に置く。揮発性溶媒が蒸発するのに十分な長さの数時間の時間の後に、ボランティアによってピールを除去させ、剥離性特性を評価した。全ての例において、ボランティアは、処方物の例Aは1または2の破片にて除去できないが、多数の小さな破片で除去されたことを報告した。処方物の例Bは1または2の破片で除去された。処方物Aの脆い性質は、より低い分子量のPVA試料に帰せられる(Celvol)。低い分子量のPVAは、ポリマー鎖の低下したサイズのため、より高い分子量のPVA材料(Amresco)と同一の凝集性強度を保有せず、個々のPVAポリマー鎖のあいだの架橋の程度および物理的相互作用の低下に至る。低下したPVA鎖の相互作用は弱められたピールに至り、これは、除去に際してピールが付される機械的力に耐えることができない。
【0215】
実施例76
(関節および筋肉上の皮膚を介する送達に適した)ケトプロフェンの経皮送達用の伸長可能な接着性固化性処方物を評価し、これは、接着性剥離可能な処方物を形成する賦形剤混合物を含み、そのうちいくつかは本発明の実施形態に従って調整される。粘性であって透明な流体である賦形剤混合物は、表46に示した成分を用いて調製される。
【0216】
【表46】

処方物DからGにおけるピール処方物は以下の方法で調製される:
―PVA固化剤を水に溶解させる。
―フラックスに適切な不揮発性溶媒(グリセロール、PG)を固化剤/揮発性溶媒混合物と一緒に混合する。
―次いで、エタノールおよびGantrez ES 425を混合物に加える。
―得られた溶液を激しく数分間混合する。
―混合の後、ケトプロフェンを加え、最終混合物を再度激しく数分間混合する。
【0217】
前記した処方物をラミネートパッケージングチューブに入れて、テストのために引っ張るまで25 C/60% RHおよび40 C/75% RH条件で貯蔵した。物理的テストを各処方物で行った。処方物DからFを最も長く調べ、得られた粘度の増加は、処方物Gの燃料を調べる希望を必要とした。表47は各処方物で得られたデータをまとめる。
【0218】
【表47】

この例の処方物DおよびEは4つの処方物の最低の水含有量を有し、4週間の貯蔵内に、高い粘度の値を達成した。処方物1および2の間の唯一の差は、処方物におけるエタノールの量である。エタノールのレベルの低下は、PVAとエタノールの間の不適合性のため処方物の物理的増粘を低下させるであろうと仮定された。粘度のデータは、より高いエタノール処方物(処方物D)がより低い初期粘度を有するが、4週間の貯蔵に渡って、処方物DおよびE双方の粘度は、活力のある処方物にとって余りにも高い粘度値を達成したことを示す。処方物増粘についてのもう一つの仮説は、水に溶解した場合の、PVAは高濃度において適合しないことである。より高い水含有量を持つ更なる処方物を調製して、最適な水含有量が処方物が経時的に増粘することを維持するかを決定した。処方物Fの粘度は、16週間の後に、処方物1および2の初期粘度値の粘度値に到達しなかった。
【0219】
前記した処方物のプラセボバージョンは実験ボランティアに適用し、綿の破片を適用部位に置き、次いで、5グラムの重量を綿に適用することによって乾燥時間を評価した。綿および重量は5秒後に除去した。この手法は適用からほぼ3から4分後に開始し、その後は、ピールをリフトすることなく、または残余物を残すことなく綿を除去するまで10から60秒の間隔で開始した。実験の結果を以下の表48にまとめる。
【0220】
【表48】

第二の揮発性溶媒としてのエタノールの存在は、乾燥するための該時間を有意に低下させるようである。示さないデータにおいて、揮発性溶媒として水のみを含有し、PVAに対する水の比率が2:1である局所麻酔剤処方物は>15分の乾燥時間を有する。水を含有する処方物における更なる揮発性溶媒の比率および存在の最適化は、乾燥時間を有意に低下させる。更なる揮発性溶媒、この場合、エタノールは水と水素結合し、皮膚から蒸発する際に、水はエタノールと共に逃げ、それにより、固化ピールを形成すると仮定される。
【0221】
実施例77から79
ロピバカインHClの皮膚送達用の固化性処方物を調製し、これは、本発明の実施形態に従った賦形剤混合物を含む。処方物は表49に示した成分から調製される。
【0222】
【表49】

前記リストの成分を以下の手法に従って合わせる。ロピバカインHCl、水、およびアミン塩基(トリエチルアミンまたはジイソプロパノールアミン)をガラスジャー中で合わせ、薬物が溶解するまで混合する。ついで、イソステアリン酸、トリアセチン、Span 20およびセチルアルコール(実施例78および79)またはイソプロパノール(実施例77)を処方物に加え、よく混合する。ポリマーPlastoid Bを最後に加え、Plastoid Bが完全に溶解するまで約60℃まで加熱する。一旦、ポリマー溶液が室温まで冷却されれば、処方物を激しく2から3分撹拌する。
【0223】
表49における処方物を実施例1に従ってHMSに適用し、ロピバカインのフラックスを測定する。結果を表50にまとめる:
【0224】
【表50】

本発明をある好ましい実施形態を参照して記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神を逸脱することなく種々の改良、変形、省略、および置換をなすことができるのを認識するであろう。従って、本発明は特許請求の範囲のみによって限定されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0225】
【図1】図1は、定常状態送達が28時間にわたって示される本発明の実施形態による処方物からの経時的にヒト死体皮膚を横切って経皮的に送達されるジクロフェナックの累積量のグラフ表示である。
【図2】図2は、定常状態送達が30時間にわたって示される本発明の実施形態による同様な組成物を持つ処方物からの経時的にヒト死体皮膚を横切って経皮的に送達されるロピバカインの累積量のグラフ表示である。
【図3】図3は、市販の製品(AndroGel)と比較した、本発明の実施形態による固化接着性処方物からのイン・ビトロで経時的に生物学的膜を横切って送達されたテストステロンの累積量のグラフ表示である。
【図4】図4は、市販の製品Zoviraxクリームと比較した、本発明の実施形態による2つの別々の処方物からの経時的に経皮的に送達されたアシクロビールの累積量のグラフ表示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)薬物:
b)
i)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および
ii)該薬物についてフラックス化可能である不揮発性溶媒系;
を含む溶媒賦形剤、および
c)該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面に適用された該処方物の層の固化に寄与する固化剤;
を含む、薬物の皮膚送達用の処方物であって、
ここに、該処方物は該揮発性溶媒系の蒸発に先立っての該皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有し、かつ該皮膚表面に適用された該処方物は該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発の後に接着性固化層を形成し、該薬物が、該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に継続的に送達される、処方物。
【請求項2】
前記不揮発性溶媒系が、前記固化剤のための可塑剤である、請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
前記不揮発性溶媒系が少なくとも2つの不揮発性溶媒を含み、該不揮発性溶媒系が、個々に、不揮発性溶媒の各々よりも前記薬物に対してより高い皮膚フラックスを生じさせることができる請求項1に記載の処方物。
【請求項4】
前記処方物が、さらに、前記皮膚表面に適用した場合に該処方物の接着を増加させるために含める更なる剤を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項5】
前記更なる剤が、メチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマー、ポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドンのコポリマー、ゼラチン、低分子量ポリイソブチレンゴム、アクリルサンアルキルおよびオクチルアクリルアミドのコポリマー、および脂肪族樹脂、芳香族樹脂、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項4に記載の処方物。
【請求項6】
前記揮発性溶媒系が水を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項7】
前記処方物が実質的に水を含まない請求項1に記載の処方物。
【請求項8】
前記揮発性溶媒系が、水よりも揮発性である少なくとも1つの溶媒を含み、かつエタノール、イソプロピルアルコール、水、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ブタン、プロパン、イソブテン、1,1ジフルオロエタン、1,1,1,2テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロパン、酢酸エチル、アセトン、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項9】
前記揮発性溶媒系が水よりも揮発性である少なくとも1つの溶媒を含み、かつ酢酸イソ−アミル、変性アルコール、メタノール、プロパノール、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、クロロブタノール、テレビン、サイトペンタシロキサン、シクロメチコン、メチルエチルケトン、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項10】
前記揮発性溶媒系がエタノール、イソ−プロピルアルコール、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項1に記載の処方物。
【請求項11】
前記フラックス化可能な不揮発性溶媒系が、治療上有効なフラックスを達成するのに必要とされるよりも、前記薬物が該不揮発性溶媒系単独に存在する場合の該薬物に対するフラックスの少なくとも2倍を提供する請求項1に記載の処方物。
【請求項12】
前記不揮発性溶媒系がグリセロール、プロピレングリコール、イソステアリン酸、オレイン酸、プロピレングリコール、トロラミン、トロメタミン、トリアセチン、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ブタノール、およびその組合せからなる群より選択される1以上の溶媒を含む請求項1に記載の処方物。
【請求項13】
前記不揮発性溶媒系が安息香酸、ブチルアルコール、セバシン酸ジブチル、ジグリセリド、ジプロピレングリコール、オイゲノール、脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オレイルアルコール、ビタミンE、トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸界面活性剤、クエン酸トリエチル、およびその組合せからなる群より選択される1以上の溶媒を含む請求項1に記載の処方物。
【請求項14】
前記不揮発性溶媒系が1,2,6−ヘキサントリオール、アルキルトリオール、アルキルジオール、アセチルモノグリセリド、トコフェロール、アルキルジオキソラン、p−プロペニルアニソール、アニス油、アプリコット油、ジメチルイソソルバイド、アルキルグルコシド、ベンジルアルコール、蜜蝋、安息香酸ベンジル、ブチレングリコール、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カラメル、桂皮油、ヒマシ油、シンナムアルデヒド、シナモン油、チョウジ油、ココヤシ油、カカオバター、ココグリセリド、コリアンダー油、トウモロコシ油、コリアンダー油、トウモロコシシロップ、綿実油、クレゾール、シクロメチコン、ジアセチン、ジアセチル化モノグリセリド、ジエタノールアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグリセリド、エチレングリコール、ユーカリ油、脂肪、脂肪アルコール、矯味矯臭薬、液体糖、ジンジャーエキス、グリセリン、高フルクトーストウモロコシシロップ、水素化ヒマシ油、IPパルミテート、レモン油、ライム油、リモネン、ミルク、モノアセチン、モノグリセリド、ナツメグ油、オクチルドデカノール、オリーブアルコール、オレンジ油、ヤシ油、落花生油、PEG植物油、ペパーミント油、ペテロラタム、フェノール、松葉油、ポリプロピレングリコール、ゴマ油、スペアミント油、大豆油、植物油、植物ショートニング、酢酸ビニル、ワックス、2−(2−(オクタデシルオキシ)エトキシ)エタノール、安息香酸ベンジル、ブチル化ヒドロキシアニソール、キャンデリアワックス、カルナウバワックス、セテアレス−20、セチルアルコール、ポリグリセリル、ジポリヒドロキシステアレート、PEG−7水素化ヒマシ油、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、ジメチコン、フタル酸ジメチル、PEG−脂肪酸エステル、PEG−ステアレート、PEG−オレエート、PEG−ラウレート、PEG−脂肪酸ジエステル、PEG−ジオレエート、PEG−ジステアレート、PEG−ヒマシ油、ベヘン酸グリセリル、PEGグリセロール脂肪酸エステル、PEGグリセリルラウレート、PEGグリセリルステアレート、PEGグリセリルオレエート、ヘキシレングリセロール、ラノリン、ラウリン酸ジエタノールアミド、乳酸ラウリル、硫酸ラウリル、メドロン酸、メタクリル酸、マルチステロール抽出物、ミリスチルアルコール、中性油、PEG−オクチルフェニルエーテル、PEG−アルキルエーテル、PEG−セチルエーテル、PEG−ステアリルエーテル、PEG−ソルビタン脂肪酸エステル、PEG−ソルビタンジイソステアレート、PEG−ソルビタンモノステアレート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールステアレート、プロピレングリコール、カプリレート/カプレート、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ソルビトール、スクワレン、ステア−o−ウェット(stear−o−wet)、トリグリセリド、アルキルアリールポリエーテルアルコール、ソルビタン−エーテルのポリオキシエチレン誘導体、飽和ポリグリコール化C8−C10グリセリド、N−メチルピロリドン、蜂蜜、ポリオキシエチル化グリセリド、ジメチルスルホキシド、アゾンおよび関連化合物、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエーテル、アルキル−アミド(N,N−ジメチルアルキルアミド)、N−メチルピロリドン関連化合物、オレイン酸エチル、ポリグリセリン化脂肪酸、グリセロールモノオレエート、グリセリルモノミリステート、脂肪酸のグリセロールエステル、絹アミノ酸、PPG−3ベンジルエーテルミリステート、Di−PPG2ミレス10−アジペート、ハニークワット、ピログルタミン酸ナトリウム、アビシニカ(abyssinica)油、ジメチコン、マカダミアナッツ油、limnanthes alba種子油、セテアリルアルコール、PEG−50シェアバター(shea butter)、シェアバター、アロエベラジュース、フェニルトリメチコン、加水分解小麦蛋白質およびその組合せからなる群より選択される1以上の溶媒を含む請求項1に記載の処方物。
【請求項15】
前記固化剤がポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエステル、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルの中性コポリマー、メタクリル酸ジメチルアミノエチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸メチルコポリマー、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸トリメチルアンモニオエチル塩化物コポリマー、プロラミン(Zein)、α化デンプン、エチルセルロース、魚ゼラチン、ゼラチン、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項1に記載の処方物。
【請求項16】
前記固化剤がエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエーテルアミド、トウモロコシデンプン、α化トウモロコシデンプン、ポリエーテルアミド、シェラック、ポリビニルピロリドン、ポリイソブチレンゴム、酢酸フタル酸ポリビニルおよびその組合せからなる群より選択されるメンバーを含む請求項1に記載の処方物。
【請求項17】
前記固化剤がメタクリル酸アンモニア、カラギーナン、水性酢酸フタル酸セルロース、カルボキシポリメチレン、酢酸セルロース(微結晶性)、セルロースポリマー、ジビニルベンゼンスチレン、エチレンビニルアセテート、シリコーン、グアガム、グアロジン、グルテン、カゼイン、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸アンモニウム、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウム、アクリル酸メチル、マイクロクリスタリンワックス、ポリ酢酸ビニル、PVPエチルセルロース、アクリレート、PEG/PVP、キサンタンガム、トリメチルシロキシシリケート、マレイン酸/無水物コポリマー、ポラクリリン、ポロキサマー、ポリエチレンオキサイド、ポリガラクチン酸/ポリ−l−乳酸、ツルペン(turpene)樹脂、ローカストビーンガム、アクリルコポリマー、ポリウレタン分散液、デキストリン、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマー、メタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸、およびポリ(メタクリル酸)のようなメタクリレート系ポリマー、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項1に記載の処方物。
【請求項18】
前記薬物が複数の医薬上活性な剤を含む請求項1に記載の処方物。
【請求項19】
前記薬物がアシクロビール、エコナゾール、ミコナゾール、テルビナフィン、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、およびテトラカイン、アミトリプチリン、ケタンセリン、ベタメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、クリンダマイシン、ベンゾイルペルオキシド、トレチノイン、イソトレチノイン、クロベタゾールプロピオネート、ハロベタゾールプロピオネート、ケトプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、イミキモド、サリチル酸、安息香酸、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項1に記載の処方物。
【請求項20】
前記薬物がアモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、ボリコナゾール、クロトリマゾール、ブトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、テルコナゾール、チオコナゾール、カスポフンギン、ミカフンギン、アニドゥラフンギン、アンフォテリシンB、AmB、ナイスタチン、ピマリシン、グリセオフルビン、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレネート、アシクロビール、ペンシクロビール、ファムシクロビール、バラシクロビール、ベヘニルアルコール、トリフルリジン、イドクスウリジン、シドフォビール、ガンシクロビール、ポドフィロックス、ポドフィロトキシン、リバビリン、アバカビール、デラビルジン、ジダノシン、エファビレンズ、ラミブジン、ネビラピン、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン、アンプレナビール、インジナビール、ネルフィナビール、リトナビール、サキナビール、アマンタジン、インタフェロン、オセルタミビール、リバビリン、リマンタジン、ザナミビール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ムピロシン、ポリミキシンB、シプロフラキシンのようなキノロン、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、テトラカイン、アルファ−2アゴニストクロニジン、三環抗欝剤、カルバマゼピン、アルプラゾラム、N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)アンタゴニスト、5−HT2A受容体アンタゴニスト、ベタメタゾンジプロピオネート、ハロベタゾールプロピオネート、ジフロラゾンジアセテート、トリアムシノロンアセトニド、デスオキシメタゾン、フルオシノニド、ハルシノニド、モメタゾンフロエート、ベタメタゾンバレレート、フルオシノニド、フルチカゾンプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルランドレノリド、デソニド、ヒドロコルチゾンブチレート、ヒドロコルチゾンバレレート、アルクロメタゾンジプロピオネート、フルメタゾンピバレート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸、タクロリムス、ピクロリムス、タザロテン、イソトレチノイン、サイクロスポリン、アントラリン、ビタミンD3、コレカルシフェロール、カルシトリオール、カルシポトリオール、タカルシトール、カルシポトリエン、ケトプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、COX阻害剤、一般的なCOX阻害剤、COX−2選択的阻害剤、およびCOX−3選択的阻害剤、イミキモド、ロシキモド、サリチル酸、アルファヒドロキシ酸、硫黄、レスコルシノール、尿素、ベンゾイルペルオキシド、アラントイン、トレチノイン、トリクロロ酢酸、乳酸、安息香酸、プロゲステロン、ノルエチンドロン、ノルエチンドロン酢酸塩、デソゲストレル、ドロスピレノン、エチノジオール二酢酸塩、ノルエルゲストロミン、ノルゲスチメート、レボノルゲストレル、dl−ノルゲストレル、シプロテロン酢酸塩、ジドロゲステロン、メドキシプロゲステロン酢酸塩、クロルマジノン酢酸塩、メゲストロール、プロメゲストン、ノルエチステロン、リネステレノール、ゲストデン(gestoden)、チボレン(tibolene)、テストステロン、メチルテストステロン、オキサンドロロン、アンドロステンジオン、ジヒドロテストステロンよりなるアンドロゲン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エスチオール、エストロン、抱合卵胞ホルモン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、抗−アクネ薬物およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項1に記載の処方物。
【請求項21】
ヒト関節における皮膚に適用した場合に、該固化層が、少なくとも2時間の該関節の曲げに際して、実質的に無傷で該皮膚上に残るように、該固化層が該皮膚に対して十分に可撓性かつ接着性である請求項1に記載の処方物。
【請求項22】
曲がった身体表面、または前記身体上の体重を担う表面に適用した場合に、該曲がった身体表面または体重を担う表面の曲げまたは伸びに際して、前記固化層が該皮膚上で実質的に無傷のままであるように、該固化層が該皮膚に対して十分に可撓性かつ接着性である、請求項1に記載の処方物。
【請求項23】
前記処方物が、前記固化層の形成後少なくとも約2時間の間、治療上有効な速度で前記薬物を送達するように構成された請求項1に記載の処方物。
【請求項24】
前記処方物が、前記固化層の形成後2時間から12時間の間、治療上有効な速度で前記薬物を送達するように構成された請求項1に記載の処方物。
【請求項25】
前記処方物が、前記固化層の形成後少なくとも約12時間の間、治療上有効な速度で前記薬物を送達するように構成された請求項1に記載の処方物。
【請求項26】
前記固化剤に対する前記不揮発性溶媒系の重量比率が約0.1:1から約10:1である請求項1に記載の処方物。
【請求項27】
前記固化剤に対する前記不揮発性溶媒系の重量比率が約0.5:1から約2:1である請求項1に記載の処方物。
【請求項28】
前記不揮発性溶媒系の少なくとも1つの不揮発性溶媒が皮膚刺激を低下させることができる請求項1に記載の処方物。
【請求項29】
前記皮膚刺激を低下させることができる不揮発性溶媒が、グリセリン、プロピレングリコール、および蜂蜜からなる群より選択される請求項28に記載の処方物。
【請求項30】
前記固化層が、標準的な皮膚条件および周囲条件下で前記皮膚表面への適用から約15分以内に形成される請求項1に記載の処方物。
【請求項31】
前記固化層が、標準的な皮膚条件および周囲条件下で前記皮膚表面への適用から約5分以内に形成される請求項1に記載の処方物。
【請求項32】
前記処方物が、約100cPから約3,000,000cPの皮膚適用に先立っての初期粘度を有する請求項1に記載の処方物。
【請求項33】
前記処方物が、約1,000cPから約1,000,000cPの皮膚適用に先立っての初期粘度を有する請求項1に記載の処方物。
【請求項34】
前記揮発性溶媒系の重量パーセンテージが約10wt%から約85wt%である請求項1に記載の処方物。
【請求項35】
前記揮発性溶媒系の重量パーセンテージが約20wt%から約50wt%である請求項1に記載の処方物。
【請求項36】
前記処方物における前記揮発性溶媒系の重量パーセンテージは少なくとも約20%である請求項1に記載の処方物。
【請求項37】
前記不揮発性溶媒系が複数の不揮発性溶媒を含み、かつ該不揮発性溶媒の少なくとも1つが該不揮発性溶媒系と前記固化剤との適合性を改良することができる請求項1に記載の処方物。
【請求項38】
前記固化層が凝集性であって、皮膚から剥離可能である請求項1に記載の処方物。
【請求項39】
前記固化層が凝集性であり、可撓性であって、連続的である請求項1に記載の処方物。
【請求項40】
前記固化層が、形成に際して、適用サイズに対して単一の破片として、またはほんの数個の大きな破片として皮膚表面から剥離可能な柔軟で凝集性の固体である請求項1に記載の処方物。
【請求項41】
前記固化層が洗浄によって除去できる請求項1に記載の処方物。
【請求項42】
前記洗浄は水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、プロパノール、およびその組合せからなる群より選択される溶媒の使用を含む請求項41に記載の処方物。
【請求項43】
前記洗浄が不揮発性溶媒の使用を含む請求項41に記載の処方物。
【請求項44】
前記洗浄が水、エタノール、イソプロパノール、またはその組合せの使用を含む請求項41に記載の処方物。
【請求項45】
前記固化層は前記薬物を経皮送達する請求項1に記載の処方物。
【請求項46】
薬物を皮膚送達する方法であって、該方法は、
a)請求項1から45いずれか1項に記載の処方物を層として対象の皮膚表面に適用する工程;
b)該処方物を固化させて、該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発によって該皮膚表面上に固化層を形成させる工程;および
c)持続時間にわたって治療上有効な速度にて該固化層からの該薬物を該皮膚表面に皮膚送達する工程:
を含む、方法。
【請求項47】
前記適用する工程が、約0.01mmから約3mmの厚みにて前記処方物を適用することを含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記適用する工程が、約0.05mmから約1mmの厚みにて前記処方物を適用することを含む請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記皮膚表面が、外来性物体と接触した場合、外来性物体の接触に対して感受性である、または感染しかねない皮膚表面であって、前記固化層が該皮膚表面への物理的保護を提供する請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記固化層が少なくとも2時間の間、前記皮膚表面に残る請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記固化層が少なくとも6時間の間、前記皮膚に残る請求項46に記載の方法。
【請求項52】
前記固化層が、標準的な皮膚および周囲条件下で前記皮膚表面への適用から約15分以内に形成される請求項46に記載の方法。
【請求項53】
さらに、適用のサイズに対して単一の破片またはほんの数個の大きな破片で前記固化層を前記皮膚から剥離させる工程を含む請求項46に記載の方法。
【請求項54】
さらに、前記薬物が送達除去された後に、前記固化層を洗浄することによって除去することを含む請求項46に記載の方法。
【請求項55】
前記洗浄が水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、プロパノールおよびその組合せからなる群より選択される溶媒の使用を含む請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記洗浄が不揮発性溶媒の使用を含む請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記洗浄が、水、エタノール、イソプロパノール、またはその組合せの使用を含む請求項54に記載の方法。
【請求項58】
皮膚薬物送達用の処方物を調製する方法であって、
a)皮膚送達に適した薬物を選択する工程;
b)該薬物についてフラックス化可能である不揮発性溶媒系を選択または処方する工程;
c)該フラックス化可能な不揮発性溶媒に対して適合する固化剤を選択または処方する工程;
d)該フラックス化可能な不揮発性溶媒および該固化剤に対して適合する少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系を選択または処方する工程;ならびに
e)該薬物、該不揮発性溶媒系、該固化剤、該揮発性溶媒系、および任意の他の成分を、該揮発性溶媒系の蒸発に先立っての皮膚表面への適用に適した粘度を有する処方物に処方することを含み、
層として該皮膚表面へ適用された該処方物は、該揮発性溶媒系の少なくとも一部が蒸発した後に固化層を形成し、該薬物は、該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に治療上有効な速度にて継続的に送達される、方法。
【請求項59】
前記揮発性溶媒系が水を含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記揮発性溶媒系がエタノール、イソプロピルアルコール、水、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ブタン、プロパン、イソブテン、1,1ジフルオロエタン、1,1,1,2テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロパン、酢酸エチル、アセトン、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記揮発性溶媒系が酢酸イソ−アミル、変性アルコール、メタノール、プロパノール、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、クロロブタノール、テレビン、サイトペンタシロキサン、シクロメチコン、メチルエチルケトン、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記不揮発性溶媒系がグリセロール、プロピレングリコール、イソステアリン酸、オレイン酸、プロピレングリコール、トロラミン、トロメタミン、トリアセチン、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ブタノール、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記不揮発性溶媒系が安息香酸、ブチルアルコール、セバシン酸ジブチル、ジグリセリド、ジプロピレングリコール、オイゲノール、脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オレイルアルコール、ビタミンE、トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸界面活性剤、クエン酸トリエチル、およびその組合せからなる群より選択される1以上のメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記不揮発性溶媒系が1,2,6−ヘキサントリオール、アルキルトリオール、アルキルジオール、アセチルモノグリセリド、トコフェロール、アルキルジオキソラン、p−プロペニルアニソール、アニス油、アプリコット油、ジメチルイソソルバイド、アルキルグルコシド、ベンジルアルコール、蜜蝋、安息香酸ベンジル、ブチレングリコール、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カラメル、桂皮油、ヒマシ油、シンナムアルデヒド、シナモン油、チョウジ油、ココヤシ油、カカオバター、ココグリセリド、コリアンダー油、トウモロコシ油、コリアンダー油、トウモロコシシロップ、綿実油、クレゾール、シクロメチコン、ジアセチン、ジアセチル化モノグリセリド、ジエタノールアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグリセリド、エチレングリコール、ユーカリ油、脂肪、脂肪アルコール、矯味矯臭薬、液体糖、ジンジャーエキス、グリセリン、高フルクトーストウモロコシシロップ、水素化ヒマシ油、IPパルミテート、レモン油、ライム油、リモネン、ミルク、モノアセチン、モノグリセリド、ナツメグ油、オクチルドデカノール、オリーブアルコール、オレンジ油、ヤシ油、落花生油、PEG植物油、ペパーミント油、ペテロラタム、フェノール、松葉油、ポリプロピレングリコール、ゴマ油、スペアミント油、大豆油、植物油、植物ショートニング、酢酸ビニル、ワックス、2−(2−(オクタデシルオキシ)エトキシ)エタノール、安息香酸ベンジル、ブチル化ヒドロキシアニソール、キャンデリアワックス、カルナウバワックス、セテアレス−20、セチルアルコール、ポリグリセリル、ジポリヒドロキシステアレート、PEG−7水素化ヒマシ油、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、ジメチコン、フタル酸ジメチル、PEG−脂肪酸エステル、PEG−ステアレート、PEG−オレエート、PEG−ラウレート、PEG−脂肪酸ジエステル、PEG−ジオレエート、PEG−ジステアレート、PEG−ヒマシ油、ベヘン酸グリセリル、PEGグリセロール脂肪酸エステル、PEGグリセリルラウレート、PEGグリセリルステアレート、PEGグリセリルオレエート、ヘキシレングリセロール、ラノリン、ラウリン酸ジエタノールアミド、乳酸ラウリル、硫酸ラウリル、メドロン酸、メタクリル酸、マルチステロール抽出物、ミリスチルアルコール、中性油、PEG−オクチルフェニルエーテル、PEG−アルキルエーテル、PEG−セチルエーテル、PEG−ステアリルエーテル、PEG−ソルビタン脂肪酸エステル、PEG−ソルビタンジイソステアレート、PEG−ソルビタンモノステアレート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールステアレート、プロピレングリコール、カプリレート/カプレート、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ソルビトール、スクワレン、ステア−o−ウェット、トリグリセリド、アルキルアリールポリエーテルアルコール、ソルビタン−エーテルのポリオキシエチレン誘導体、飽和ポリグリコール化C8−C10グリセリド、N−メチルピロリドン、蜂蜜、ポリオキシエチル化グリセリド、ジメチルスルホキシド、アゾンおよび関連化合物、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエーテル、アルキル−アミド(N,N−ジメチルアルキルアミド)、N−メチルピロリドン関連化合物、オレイン酸エチル、ポリグリセリン化脂肪酸、グリセロールモノオレエート、グリセリルモノミリステート、脂肪酸のグリセロールエステル、絹アミノ酸、PPG−3ベンジルエーテルミリステート、Di−PPG2ミレス10−アジペート、ハニークワット、ピログルタミン酸ナトリウム、アビシニカ(abyssinica)油、ジメチコン、マカダミアナッツ油、limnanthes alba種子油、セテアリルアルコール、PEG−50シェアバター、シェアバター、アロエベラジュース、フェニルトリメチコン、加水分解小麦蛋白質およびその組合せからなる群より選択される1以上のメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記固化剤がポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエステル、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルの中性コポリマー、メタクリル酸ジメチルアミノエチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸メチルコポリマー、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸トリメチルアンモニオエチル塩化物コポリマー、プロラミン(Zein)、α化デンプン、エチルセルロース、魚ゼラチン、ゼラチン、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項66】
前記固化剤がエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエーテルアミド、トウモロコシデンプン、α化トウモロコシデンプン、ポリエーテルアミド、シェラック、ポリビニルピロリドン、ポリイソブチレンゴム、酢酸フタル酸ポリビニルおよびその組合せからなる群より選択されるメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項67】
前記固化剤がメタクリル酸アンモニア、カラギーナン、水性酢酸フタル酸セルロース、カルボキシポリメチレン、酢酸セルロース(微結晶性)、セルロースポリマー、ジビニルベンゼンスチレン、エチレンビニルアセテート、シリコーン、グアガム、グアロジン、グルテン、カゼイン、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸アンモニウム、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウム、アクリル酸メチル、マイクロクリスタリンワックス、ポリ酢酸ビニル、PVPエチルセルロース、アクリレート、PEG/PVP、キサンタンガム、トリメチルシロキシシリケート、マレイン酸/無水物コポリマー、ポラクリリン、ポロキサマー、ポリエチレンオキサイド、ポリガラクチン酸/ポリ−l−乳酸、ツルペン樹脂、ローカストビーンガム、アクリルコポリマー、ポリウレタン分散液、デキストリン、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマー、メタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸、およびポリ(メタクリル酸)のようなメタクリレート系ポリマー、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項68】
前記薬物がアシクロビール、エコナゾール、ミコナゾール、テルビナフィン、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、およびテトラカイン、アミトリプチリン、ケタンセリン、ベタメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、クリンダマイシン、ベンゾイルペルオキシド、トレチノイン、イソトレチノイン、クロベタゾールプロピオネート、ハロベタゾールプロピオネート、ケトプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、イミキモド、サリチル酸、安息香酸、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項58に記載の方法。
【請求項69】
前記処方物が、前記固化層の形成後少なくとも約2時間の間、治療上有効な速度にて前記薬物を送達するように構成された請求項58に記載の方法。
【請求項70】
前記固化剤が溶媒賦形剤に分散または溶媒和されている請求項58に記載の方法。
【請求項71】
前記固化剤に対する前記不揮発性溶媒系の重量比率が約0.5:1から約2:1である請求項58に記載の方法。
【請求項72】
前記固化層が、標準的な皮膚および周囲条件下での皮膚表面への適用から約15分以内に形成される請求項58に記載の方法。
【請求項73】
前記処方物が、約100cPから約3,000,000cPの皮膚適用に先立っての初期粘度を有する請求項58に記載の方法。
【請求項74】
前記揮発性溶媒系の重量パーセンテージが約10wt%から約85wt%である請求項58に記載の方法。
【請求項75】
前記不揮発性溶媒系が複数の不揮発性溶媒を含み、かつ該不揮発性溶媒の少なくとも1つが、該不揮発性溶媒系と前記固化剤との適合性を改良することができる請求項58に記載の方法。
【請求項76】
前記不揮発性溶媒系が、前記固化剤についての可塑剤である不揮発性溶媒を含む請求項58に記載の方法。
【請求項77】
前記不揮発性溶媒系が、前記皮膚表面からの水蒸気喪失を減少させることができる不揮発性溶媒を含む請求項58に記載の方法。
【請求項78】
前記不揮発性溶媒系が、皮膚への接着を増強させることができる不揮発性溶媒を含む請求項58に記載の方法。
【請求項79】
前記フラックス化可能な不揮発性溶媒が、前記薬物のヒト皮膚または組織への送達を維持する請求項58に記載の方法。
【請求項80】
薬物を皮膚送達するための固化層であって、
a)薬物;
b)該薬物についてフラックス化可能である不揮発性溶媒系;および
c)固化剤;
を含み、
該固化層は身体表面へ接着される柔軟な凝集性固体であり、該固化層が水、および水よりも揮発性の溶媒を少なくとも実質的に欠きつつ、該固化層はそれから皮膚送達可能な該薬物のほとんどを送達するように処方され、および該固化層もまた該薬物についてフラックス化可能である、固化層。
【請求項81】
前記固化層が、前記皮膚表面からの分離なくして、5%だけ少なくとも1つの方向に伸ばすことができる請求項80に記載の固化層。
【請求項82】
前記不揮発性溶媒系が、前記固化剤についての可塑剤として作用する請求項80に記載の固化層。
【請求項83】
前記固化層は、規則的な皮膚伸びが起こる関節または筋肉群に隣接した皮膚表面で実質的に無傷のままであるのに十分に接着性かつ可撓性である請求項80に記載の固化層。
【請求項84】
前記固化剤に対する前記不揮発性溶媒系の重量比率が約0.5:1から約2:1である請求項80に記載の固化層。
【請求項85】
前記固化層が水、アルコール溶媒またはその組合せで洗浄できる請求項80に記載の固化層。
【請求項86】
前記固化層が洗浄によって除去することができる請求項80に記載の固化層。
【請求項87】
前記洗浄が水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、プロパノール、およびその組合せからなる群より選択される溶媒の使用を含む請求項80に記載の固化層。
【請求項88】
前記洗浄が不揮発性溶媒の使用を含む請求項80に記載の固化層。
【請求項89】
前記洗浄が水、エタノール、イソプロパノール、またはその組合せの使用を含む請求項80に記載の固化層。
【請求項90】
前記固化層がピールであって、適用サイズに対して単一の破片として、またはほんの数個の大きな破片として、前記皮膚表面から剥離によって除去することができる請求項80に記載の固化層。
【請求項91】
前記固化層は10wt%以下の水、および水よりも揮発性の溶媒を含有する場合、該固化層は水、および水よりも揮発性の溶媒を実質的に欠く請求項80に記載の固化層。
【請求項92】
前記固化層は5wt%以下の水、および水よりも揮発性の溶媒を含有する場合、該固化層は水、および水よりも揮発性の溶媒を実質的に欠く請求項80に記載の固化層。
【請求項93】
性ホルモンの皮膚送達用の処方物であって、
a)性ホルモン;
b)
i)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および
ii)少なくとも1つの不揮発性溶媒を含む不揮発性溶媒系;
を含む溶媒賦形剤;および
c)該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面へ層として適用された該処方物の固化に寄与する固化剤;
を含み、
該処方物は該揮発性溶媒系の蒸発に先立っての該皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有し、該皮膚表面に適用された該処方物は該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に固化層を形成し、該性ホルモンは該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発された後に治療上十分な速度にて継続的に送達される、処方物。
【請求項94】
前記性ホルモンがテストステロン、メチルテストステロン、オキサンドロロン、アンドロステンジオン、ジヒドロテストステロン、およびその組合せよりなるアンドロゲンの群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項93に記載の処方物。
【請求項95】
前記性ホルモンがエストラジオール、エチニルエストラジオール、エスチオール、エストロン、抱合卵胞ホルモン、エステル化エストロゲン、エストロピペートおよびその組合せよりなるエストロゲンの群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項93に記載の処方物。
【請求項96】
前記性ホルモンがプロゲステロン、ノルエチンドロン、ノルエチンドロン酢酸塩、デソゲストレル、ドロスピレノン、エチノジオール二酢酸塩、ノルエルゲストロミン、ノルゲスチメート、レボノルゲストレル、dl−ノルゲストレル、シプロテロン酢酸塩、ジドロゲステロン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、クロルマジノン酢酸塩、メゲストロール、プロメゲストン、ノルエチステロン、リネステレノール、ゲストデン、チボレン、およびその組合せよりなるプロゲスタゲンの群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項93に記載の処方物。
【請求項97】
前記処方物がプロゲスタゲン、エストロゲン、およびアンドロゲンの群から選択される少なくとも2つのステロイドホルモンの組合せを含む請求項93に記載の処方物。
【請求項98】
抗−イボ薬物の皮膚送達用の処方物であって、
a)抗−イボ薬物;
b)
i)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および
ii)少なくとも1つの不揮発性溶媒を含む不揮発性溶媒系;
を含む溶媒賦形剤;および
c)該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面に適用された該処方物の層の固化に寄与する固化剤;
を含み、
ここに、該処方物は該揮発性溶媒系の蒸発に先立っての該皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有し、およびここに、皮膚表面に適用された該処方物は該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に接着性固化層を形成し、ここに、該薬物は、該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に継続的に送達される、処方物。
【請求項99】
前記固化層が、該固化層の下の前記皮膚およびイボに対して実質的な閉塞を提供するように処方された請求項98に記載の処方物。
【請求項100】
前記抗−イボ薬物が複数の抗−イボ剤を含む請求項98に記載の処方物。
【請求項101】
前記薬物がイミキモド、サリチル酸を含む角質溶解剤、アルファヒドロキシ酸、硫黄、レスコルシノール、尿素、ベンゾイルペルオキシド、アラントイン、トレチノイン、トリクロロ酢酸、乳酸、抗ウイルス剤、およびその組合せを含む免疫変調剤からなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む請求項98に記載の処方物。
【請求項102】
a)クロベタゾールプロピオネート;
b)
i)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および
ii)プロピレングリコールおよび脂肪酸を含む不揮発性溶媒系;
を含む溶媒賦形剤;ならびに
c)該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面へ適用された該処方物の層の固化に寄与する固化剤;
を含み、
該処方物は該揮発性溶媒系の蒸発に先立って該皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有し、該皮膚表面に適用された該処方物は該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に接着性固化層を形成し、該薬物は、該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に継続して送達されることを特徴とする、クロベタゾールプロピオネートの固化性処方物。
【請求項103】
前記固化剤が蛋白質系固化剤である請求項102に記載の処方物。
【請求項104】
前記不揮発性溶媒系がプロピレングリコール、イソステアリン酸、オレイン酸、またはその組合せを含む請求項102に記載の処方物。
【請求項105】
a)ロピバカイン;
b)
i)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および
ii)イソステアリン酸、Span 20、およびトリアセチンからなる群より選択される溶媒を含む不揮発性溶媒系;
を含む溶媒賦形剤;および
c)該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面に適用された該処方物の層の固化に寄与する固化剤;
を含み、
該処方物は該揮発性溶媒系の蒸発に先立っての該皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有し、該皮膚表面へ適用された該処方物は該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に接着性固化層を形成し、該ロピバカインは、該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に、少なくとも6時間、5mcg/hr/cm以上の速度にて該皮膚に、または該皮膚を通って継続的に送達されることを特徴とする、ロピバカインの固化性処方物。
【請求項106】
a)イミキモド;
b)
i)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および
ii)イソステアリン酸、Span 20、およびトリアセチンから選択される溶媒を含む不揮発性溶媒系;
を含む溶媒賦形剤;および
c)該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面へ適用された該処方物の層の固化に寄与する固化剤;
を含み、
該処方物は該揮発性溶媒系の蒸発に先立っての皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有し、該皮膚表面へ適用された該処方物は該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に接着性固化層を形成し、ここに、イミキモドは、該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に、少なくとも6時間、0.8mcg/hr/cm以上の速度にて該皮膚へ、または該皮膚を横切って継続的に送達されることを特徴とする、イミキモドの固化性処方物。
【請求項107】
a)ケトプロフェン;
b)
i)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む揮発性溶媒系、および
ii)グリセロール、プロピレングリコールを含む不揮発性溶媒系;
を含む溶媒賦形剤;および
c)該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発に際して皮膚表面に適用された該処方物の層の固化に寄与する固化剤;
を含み、
該処方物は該揮発性溶媒系の蒸発に先立っての該皮膚表面への適用および接着に適した粘度を有し、皮膚表面に適用された該処方物は該揮発性溶媒系の少なくとも部分的な蒸発後に接着性固化層を形成し、該ケトプロフェンは、該揮発性溶媒系が少なくとも実質的に蒸発した後に、少なくとも6時間、10mcg/hr/cm以上の速度にて該皮膚を横切って継続的に送達されることを特徴とする、ケトプロフェンの固化性処方物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−519958(P2009−519958A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545868(P2008−545868)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/048061
【国際公開番号】WO2007/070695
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(508178157)ザーズ, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】