説明

虚血性心疾患の超音波診断方法及び装置

心臓の左心室の異常を検出するための診断撮影方法及び超音波システムについて開示している。僧帽弁を含む画像のシーケンスが、そのシーケンスの画像各々における僧帽弁の場所を特定するように、取得されて処理される。そのシーケンスにおける現画像における及び先行画像における僧帽弁の場所を描く画像により、グラフィックが表示される。好適には、僧帽弁の場所は、それらの画像の各々における僧帽弁面の自動検出により特定される。連続的な異なる僧帽弁の各々の望ましいグラフィックカラー符号がそのグラフィックにおいて位置決めされる。それらの画像及びグラフィックを、左心室の伝導遅延及び梗塞の影響を識別するようにリアルタイムで観察することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断撮像システムに関し、特に、虚血性心疾患の超音波撮像診断に関する。
【0002】
本発明は、心臓の心筋のような動いている器官の動きが得られ、表示され、そして、必要に応じて、その動きに基づいて、虚血性及び他の機能疾患の診断が行われる超音波診断装置及び方法に関する。特に、超音波診断装置及び方法は、心筋虚血及び狭心症、肥大性心筋症を含む左心室拡張型疾患、Wolff−Parkinson−White症候群及び左側束分岐ブロックのような心臓の刺激伝導系の疾患のような虚血性心疾患の診断において有効な装置及び方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
上記の虚血性心疾患の診断において、左心室拡張型疾患及び心臓の刺激伝導系の疾患は大きい関心をもたれている。しかし、従来のBモード撮像を用いる場合、虚血性心臓病の収縮能力における局所的な劣化箇所の検出、左心室拡張型疾患の客観的診断、及び心臓の刺激伝導系における異常な壁運動の位置及び広がりの検出に関する詳細な情報を得ることは非常に困難である。
【0004】
この困難を克服するための一方法は、左心室の壁運動の分析方法である。この方法は、収縮期及び拡張期の両方における左心室の心筋の厚さの変化を測定し、厚さの変化が小さい領域は低い収縮能力の領域又は虚血性領域であると結論付ける。Bモード断層撮影画像における収縮末期及び拡張末期の両方において左心室の心内膜及び心外膜を追跡することが一般に必要であるこの方法のために種々のアルゴリズムが提案されてきた。
【0005】
心筋虚血を診断するためのストレスエコーグラフィがまた、知られている。ストレスエコーグラフィの手法の実行は、心臓が運動、薬又は電気的刺激によりストレスを与えられることが必要である。心臓のBモード断層撮影画像は、ストレスを与える前後それぞれに記録され、比較のために隣り合わせて示される。心筋の厚さの変化は、心筋梗塞の領域を検出するために、心臓収縮期及び心臓拡張期のビュー(通常、収縮期においてより厚い)で比較される。一般に、この検出のために、心筋の境界を規定するように画像における心筋の中心線並びに内壁及び外壁を追跡することがまた、必要である。
【0006】
心筋を超音波画像における境界を追跡することにより規定するために多くの自動及び半自動技術が開発されてきた。例えば、米国特許第6,491,636号明細書(Chenal等)においては、僧帽弁輪、外側僧帽弁輪及び左心室心尖を幾何学的に特定するようにコーナーテンプレート及び隔壁角二等分を用い、その場合、画像において3つの識別目印に輪郭テンプレートを適合させる心臓の左心室の心内膜輪郭を自動的に追跡するための技術について記載されている。米国特許第6,346,124号明細書(Geiser等)においては、エキスパート基準超音波心臓動態画像により心内膜輪郭及び心外膜輪郭の両方を探索する。超音波画像における楕円輪郭を特定するための技術について記載している米国特許第5,797,396号明細書(Geiser等)をまた、参照されたい。他の自動輪郭探索技術については、米国特許(米国特許出願公開第60/826,5744号明細書)に記載されている。この技術において、ユーザは、左心室心内膜の内側及び外側僧帽弁輪のような診断画像の組織境界において第1及び第2目印を描画することから始める。ユーザは、次いで、心尖のような組織境界における第3目印を描き、処理器は、その場合、この第1組織境界、即ち、心内膜に輪郭テンプレートを適合させる。ユーザは、心外膜のような組織の他の境界において第4目印を描き、処理器は第2組織境界に第2輪郭テンプレートを適合させる。テンプレートの形は、その場合、心外膜及び心内膜輪郭に適切に適合するように、ユーザが調節することができる。
【0007】
その探索技術のロバスト性は、しかしながら、画像の品質により最終的に決定される。心臓撮影は、画像品質に対して多くの課題をもたらす。心臓は、心臓撮影のために利用可能である音響窓を限定する胸郭内で囲まれている。心臓は、しばしば、肋骨の下方から走査され、心臓は心尖から観察され、体の中を通り、体の中のかなりの距離から戻る超音波を必要とする。そのような先端ビューは、ビーム方向が、最大強度のエコーが戻る直交方向よりむしろ左心室の外側壁に対して殆ど平行になるようにされる。心内膜の内壁は、しばしば、超音波エネルギーの強いリフレクタでない繊細な組織である。そして勿論、心臓は一定の動きをしている。その結果、心内膜輪郭は、必ずしも、最高の信頼性を有して探索されない。したがって、心内膜輪郭を連続的に規定する必要なく、左心室の衰弱を評価することができる虚血性及び動脈性心疾患のための診断技術を提供することは望ましいことである。
【特許文献1】米国特許第6,491,636号明細書
【特許文献2】米国特許第6,346,124号明細書
【特許文献3】米国特許第5,797,396号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第60/826,5744号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の原理にしたがって、超音波診断装置及び技術が、虚血性心疾患を診断するために提供される。僧帽弁の位置は、僧帽弁の位置が心腔の拡大収縮により動くとき、一連の左心室のリアルタイムの画像において見極められる。一連の連続的な僧帽弁の位置の集合が表示されるように、少なくとも心臓サイクルの一部におけるその僧帽弁の位置は維持される。その弁の位置の変化における変動は、心臓壁の伝導及び動きにおける以上を表す。本発明の他の特徴にしたがって、僧帽弁の位置は、その僧帽弁の断面における僧帽弁の面の表示により見極められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
医師は、通常、心不全、収縮又は制限の兆候を示す患者を診断する必要がある。超音波により心筋の動きを観察し、測定することは、そのような状況下で心臓内科医により日常的に行われている。従来の処置においては、医師は、僧帽弁輪、即ち、左心室(LV)における葉片状部分の環の動きを分析するようにスペクトルドップラにより心臓収縮期の収縮及び心臓拡張期の弛緩の両方を検査する。この分析は、収縮の間のLVのタイミング及び全体的動き及び心筋の狭窄性及び拘束性疾患の性質の理解を評価するように用いられる。例えば、LV外側壁の晩発性収縮は、その側における僧帽弁輪の遅延変位をもたらす。本発明においては、そのような疾患心臓の運動軌道を検出し、定量化するための装置及び方法について記載されている。本発明においては、僧帽弁輪の動きのパラメトリック表示のための僧帽弁輪の探索と、そのパラメトリック表示に対してドップラ運動をマッピングするためのこの探索情報の使用と、僧帽弁輪運動の変位のタイミング及び程度の両方を定量化することとを説明している。
【0010】
ここで、図1を参照するに、本発明の原理にしたがって構築された超音波診断撮影システムの第1実施形態をブロック図の形で示している。トランスジューサ要素の一次元(1D)又は二次元(2D)アレイ412を有するプローブ又はスキャンヘッド410は超音波を送信し、超音波エコー信号を受信する。この送受信は、走査される解剖学的構造からのエコー信号のコヒーレントなビームを生成するように受信されたエコー信号を処理するビームフォーマ420の制御下で実行される。エコー情報は、ドップラ情報が与えられるようになっているとき、ドップラ処理器430によりドップラ処理され、処理されたドップラ情報は、二次元又は三次元ドップラ画像を構成する画像処理器440に結合される。組織構造のBモード撮影のために、エコー信号は、振幅検出により処理された画像であり、表示のための所望の画像フォーマットに変換される。それらの画像は、それらの画像が、画像ディスプレイ480における表示のために映像処理器470に直接結合されることが可能であるシネループメモリ460を通る。それらの画像はまた、解剖学的輪郭を規定するように、二次元又は三次元画像において動作する自動輪郭検出(ABD)処理器490に適用される。規定された輪郭は、表示のために映像処理器470に結合された画像上に重ねられる。そのシステムは、シネループメモリ460に記憶されている画像のループにおける輪郭を規定して表示するように、又は、患者のライブスキャン中に生成されるリアルタイム画像において描かれる輪郭を表示するように動作することが可能である。
【0011】
図1の超音波システムは、図2に示すような僧帽弁輪運動を表示する静止又はライブ画像を生成するように用いられることができ、それらの画像は、構築された本発明の実施形態により撮られた画像である。当業者は、図2の中央に心臓の4つの心腔先端の階調超音波画像を認識し、その図2は、この二次元画像において断面で心臓の全ての4つの心腔を示している。その超音波画像の右側には、その画像で用いられるシェーディングの範囲を示す画像のための標準的階調バー7がある。この画像は、患者の肋骨の下に位置付けられ、心尖の上方に方向付けられたプローブ410により取得される。図2における参照番号9は、超音波画像の上部における心尖6を有するLVの中心を印付けている。LVの反対側には、僧帽弁がある。健康な心臓のLVが心臓サイクルの収縮期の間に収縮するとき、LVの心筋壁全ては、僧帽弁が位置付けられている心臓の側を含むLVの中央の方にスムーズに且つ均一に動く。それ故、この収縮動作により、僧帽弁は、心尖6の方の画像において上方に動く。拡張期の間には、心筋が弛緩するため、僧帽弁は動いてその開始位置に戻る。
【0012】
本発明の原理にしたがって、僧帽弁の位置は、収縮期、拡張期又はそれら両方の間に、超音波画像において探索され且つ表示される。心臓サイクルの間に取得される一連の画像は、下記のように又は他の既知の技術により、僧帽弁輪を検出するように分析される。好適には、僧帽弁輪の位置は、心臓弁リーフレットより安定な動作基準を与えるように検出される。僧帽弁の位置は、特徴的な線又はカラーのストライプにより画像にグラフィカルに印付けられる。この処理は、次の及び全ての連続画像のシーケンスについて繰り返される。更に、それらの線又はストライプは、僧帽弁が検出された静止基準に関して同じ位置に及びシーケンスに先行する画像において特定された線又はストライプを各々の新しい画像が維持するように重ねられる。そのシーケンスが進むにつれて、線又はストライプが形成され、収縮又は拡張のシーケンスの間の僧帽弁の連続的位置の経路が描かれる。そのようなカラーのストライプの形成5が図2に示されている。図2が再現される実際のカラー画像においては、ストライプの形成は、その表示の上部におけるカラーバー8に関連して、オレンジ色から、黄色を経て緑色まで色相を変える。色相における変動又はカラーバーの状態は種々の数量化メトリクスに基づくことが可能である。それ故、そのシーケンスにおける各々の画像フレームは連続的に異なる色相又はシェーディングを用いる。代替として、各々の連続的色相又はシェーディングは、0.XXmmのような特定の動きのインクリメントに対応することが可能である。この実施形態においては、線又はストリップ形成の広がりが示されているため、広い色の範囲が動きの大きい範囲を示している。第3の代替として、各々の連続的な色相又は色は、心臓サイクルの間のインクリメントを表す。そのような段階的変化は、例えば、フレーム取得時に同期化されることがかのうである。
【0013】
所定の心臓フェーズが完了し、心臓サイクル間隔のために表示される僧帽弁運動5が十分に表示される度に、その線又はストリップの形成は、所定のフェーズが連続的心臓サイクルの間に再び開始するまで、表示される。ユーザが、拡張期の間に僧帽弁運動を表示することを決定する場合、心臓は収縮し、僧帽弁は心臓の心尖の方に動くため、第1線又はストリップがそのディスプレイの下方位置に表示され、上方に連続的に動く。ユーザが、拡張期の間に、僧帽弁運動を表示することを決定する場合、心筋は弛緩し、僧帽弁の位置は心尖から離れるように動くため、線又はストリップはディスプレイの上部位置から始まり、スクリーンの下部の方に連続して形成される。両方の心臓フェーズが選択される場合、カラー又はシェーディングの形成が、代替として、上方に、次いで、スクリーンの下方に動く。
【0014】
心臓画像のシーケンスにおける僧帽弁の位置を検出するための位置技術について、図3a及び3bから始めるように示されている。この実施例においては、ABD処理器490は、拡張末期画像18のLVにおける僧帽弁面を特定し、探索することから始める。LVの僧帽弁面の探索における第1段階は、画像における2つの重要な目印、即ち、内側僧帽弁(MMA)及び外側僧帽弁(LMA)を位置決めするようになっている。この処理は、図3に示すようにMMAのための探索領域を規定することから始まり、その図3において、超音波画像勾配は、表示を容易にするために白色から黒色に(及び黒色から白色に)反転されている。ABD処理器は、この実施例においては、心尖から心臓を観察するトランスジューサアレイ412により心臓の4つの心腔のビューを分析するように予め条件付けされているため、その処理器は、左心室及び右心室を分離する中隔であるように画像の中央における最も明るい縦方向近接場構造を要求する。これは、最も大きい全体的な輝度値を有する画像における画素の列がスペクトルを規定する必要があることを意味する。それらのキューにより、ABD処理器はスペクトル22を位置付け、その場合、MMAが特定化される必要がある領域を規定する。この領域は、心臓の心尖のビューにおけるトランスジューサから僧帽弁のおおよその深さについての経験的な知識から規定される。図3におけるボックス24により囲まれた領域のような探索領域は、このようにして規定される。
【0015】
予想されるMMAの形を規定するフィルタテンプレートは、そのとき、MMA探索領域における画素と相互関連している。このテンプレートは、文献“Automated analysis of echocardiographic apical 4−chamber images”,by Wilson et al,Proc.of SPIE,Augus、2000において用いられているような他の4つの心腔の画像におけるMMAの外観についての専門家の知識から作成されることが可能である一方、示される実施例は幾何学的コーナーテンプレートを用いる。直角のコーナーテンプレートを用いることが可能である一方、構築された実施形態においては、八角形のコーナーテンプレート28(左下の八角形のコーナー)が、図6aの右側に示されているように、MMAについての探索テンプレートとして用いられる。実際には、八角形テンプレートは、図6aの左側に示されている2値マトリクスにより表される。ABD処理器は、所定の閾値以上のマトリクス相関係数が求められるまで、異なる並進及び回転における画素データとこのテンプレートの異なるサイズを相関関係付けることにより、テンプレートマッチングを実行する。相関関係処理を高速化することにより、そのテンプレートマッチングは、最初は、画像の低分解能の形式で実行されることが可能であり、その画像においては主な構造が強調表示され、その画像はオリジナルの画像分解能をなくすことにより生成されることが可能である。テンプレートの最初のマッチングが求められるとき、分解能は、オリジナルの品質に対して次第に回復され、MMAの位置は、各々の分解能レベルでテンプレートマッチングがなされることにより次第に改善される。
【0016】
一旦、MMAが位置決めされると、図3bに示すように、同様な探索が、LMAの位置決めについて、なされる。小さいボックス26は、画像18におけるMMAについて予め確立された位置を印付けしていて、MMAの右方向の探索領域がボックス34により示されているように規定される。右側コーナーの幾何学的テンプレート、好適には、図6bに示すような八角形コーナーテンプレート38は、ボックス34の探索領域における画素値に対する相互関係によりマッチングされる。また、その画像分解能は、計算処理を高速化するようになくすことが可能であり、異なる電プレートサイズを用いることが可能である。所定の閾値を上回る最大相関係数はLMAの位置を規定する。
【0017】
図4に示すように、求められたMMA26及びLMA36により、それらの2つの点は、図8に示す2つの点の間の線5を表示することにより接続されることが可能である。線5は、上記のカラーバー8の段階的変化にしたがってカラー化又はシェーディング化されることが可能である。この処理は、連続画像の各々における僧帽弁面を特定するように繰り返され、線5の形成が上記のように表示される。
【0018】
僧帽弁面を特定するためのこの技術は、下記のように、全体的な心内膜の輪郭を規定するように継続されることが可能である。このような継続は、本発明の実施においては必ずしも必要ないが、実際には、その継続は画像に導入する付加的なグラフィカルな複雑性のために所望されない一方、その継続は、color kinesisとして知られているLV壁運動のカラー表現を生成するような更なる診断目的のために所望されることが可能であり、そのことについては、米国特許第5,533,510号明細書(Koch,III et al.)に記載されている。
【0019】
全体的な心内膜輪郭を探索するように、付加目印、即ち、心内膜の心尖が求められる。心内膜の心尖の位置は、図4に示すように決定されることが可能である。中隔22の上部半分の画素値が、破線43で示しているように、中隔の上部半分の名目上の角度を特定するように分析される。LVの外側壁42の画素値が、破線45で示しているように、外側壁42の上部半分の名目上の角度を特定するように分析される。外側壁角度が信頼性高く求められない場合、その領域の右側における走査線の角度が用いられる。破線43及び45間の角度は線48により二等分され、心尖は、最初は、この線におけるある点に位置付けられるように仮定されている。線48で規定される心尖の水平方向の座標により、心尖の垂直方向の座標を決定するように、線48に沿った画素強度変化の勾配についての探索がなされる。この探索は、少なくとも最小の深さであり、トランスジューサのプローブによる最大深さより大きくない、即ち、MMA26とLMA36との間の僧帽弁面の上の線48の長さの最大約1/4である線48の一部に対してなされる。線48に沿った画素の列及びそれに平行な列が、LV心腔(実質的に鏡面リフレクタが存在しない)から心臓壁(多くのリフレクタが位置している)までの最大正輝度勾配を求めるように検査される。この勾配を求めるための好適な技術について、図7に示されている。図7aは、画像における明るい画素で表される心臓壁50の部分を含む超音波画像の一部を示している。LVの心腔から心臓壁50にそして心臓壁50を通って右から左に延びている線48が、心臓壁50に対して垂直に描かれている。線48に沿った画素値がグラフィカルにプロットされる場合、それらの値は図7bにおける曲線52で示されているように現れ、その図7bにおいて、より明るい画素はより大きい画素値を有する。心内膜の位置は曲線52のピークではなく、心臓壁の中央近くにあるが、その曲線の勾配の向きに関連している。曲線52の勾配は、それ故、図7cにおいて曲線58で示されているような曲線52の微分を計算することにより分析される。この微分曲線は、心臓壁の外側(心外膜)の最大負勾配であるピーク56を有する。曲線58に沿って右から左に進むときに遭遇する第1主ピークであるピーク54は、略心内膜の位置である最大正勾配を有する。図4において線48に沿った及びそれに平行な画素は、このようにして、心内膜壁を、それ故、図4において小さいボックス46で目印付けされた心内膜の心尖を求めるように分析される。
【0020】
一旦、LVのそれらの3つの主な目印が位置決めされると、LVについての複数の所定の標準的な形の一がそれら3つの目印及び心内膜壁に適合される。3つのそのような標準的な形について、図5a、5b及び5cに示している。第1の形、即ち、輪郭62は、比較的長く、左側に曲がっているようにみえる。第2の形、即ち、輪郭64は、比較的短く、左側に丸くなっているようにみえる。第3の形、即ち、輪郭66は、より三角形状になっているようにみえる。それら標準的形の各々は、3つの目印26、36、46を適合するように適切にスケーリングされる。適切にスケーリングされた標準的な形がそれら3つの目印に対して適合された後、その形がエコーデータにおける輪郭に適合する度合いについての分析がなされる。このことは、例えば、その形に添った点においてその形と心臓壁との間の距離を測定することにより行われる。そのような測定は、その形に対して直角であり、その形に沿った点から延びている経路に沿ってなされる。心臓壁は、例えば、図7a乃至7cに関して説明する動作を用いて検出されることが可能である。例えば、距離測定の平均化により探索される輪郭への最も近い適合を有するように評価される形は、その処理の継続において用いられる形として選択される。
【0021】
その選択された形は、次いで、この実施例においては、心内膜壁に対してその形を“伸長する”ことにより探索される輪郭に対して適合される。その伸長は、輪郭の周りで均一に間隔を開け、心臓壁に対して略司直である画素の48個の列を分析することによりなされる。それらの48個の列の各々に列に沿った画素は、隣接する心内膜壁を求めるように図7a乃至7cに示されているように分析され、選択された形は心内壁を適合させるように伸長される。点26及び36間のベースラインはその形に適合されないが、僧帽弁の名目上の面について予め求められた直線として残されている。その形が心臓壁に沿った点に適合されたとき、輪郭探索は、図8のデュアル表示の右側における画像78において示されているような収縮末期の画像においてスムージングされ、そして表示される。その表示は、MMAの目印と心尖との間の輪郭に沿って複数のXとして示されている5つの制御点と、心尖の目印とLMAの目印との間の輪郭に沿って複数のXとしてまた、示されている5つの制御点とを有する。この実施例においては、心尖と僧帽弁面との間の線48の一部がまた、伸長操作により調節されるように示されている。
【0022】
このようにして、描かれた心内膜の輪郭を用いて、ABD処理器490は、ここで、拡張末期の画像がシーケンスにあるとき、拡張末期の輪郭を決定するように処理する。そのABD処理器490は、拡張末期画像においてこの操作を繰り返すことによらず、収縮末期と拡張末期との間(又は、その逆)でシーケンスにおいて各々の介入画像における輪郭を求めることにより、そのように行う。所定の画像シーケンスにおいては、これは20乃至30画像フレームを有することが可能である。これは、画像が取得されたシーケンスの
逆であるため、一の画像から次の画像への心内膜輪郭位置のインクリメント変化のみが存在する。それ故、連続画像間の比較的高い相関性が存在することが予想される。それ故、収縮末期の輪郭は、先行画像について輪郭を求めるための開始位置として用いられ、その輪郭は、それ故、次の先行画像について輪郭を求めるための開始位置として用いられ、それが繰り返される。構築された実施形態においては、これは、MMA及びLMAの周りの収縮末期画像の小さい部分を保存し、直前の先行画像におけるMMA及びLMA位置を求めるように直前の先行画像と相関関係を有し且つ適合するテンプレートとしてこの画像部分を用いることにより行われる。心尖は、中隔の上部部分と外側LV壁との間の角度を二等分することにより、次いで、輝度勾配の最大勾配により心内膜を位置決めすることにより、上記のように位置決めされる。LVは、収縮期から拡張期に進むときに拡張するため、信頼対策は、フレームからフレームへの外側方向における目印点の変位を有する。3つの目印点がフレームにおいて求められたとき、適切にスケーリングされた標準的な形はそれら3つの点に対して適合される。他の信頼対策は、その標準的な形の拡張である。描かれたLVの輪郭が標準的な形からかけ離れ過ぎている場合、その処理は中止される。
【0023】
このようにして、輪郭描写は、拡張末期画像が処理され、その心内膜輪郭が規定されるまで、継続する。デュアル表示は、その場合、拡張末期及び収縮末期画像76、78の両方において描かれる心内膜輪郭を伴って、図8に示すように現れる。
【0024】
図8に示すように、拡張末期画像及び収縮末期画像の両方の心内膜輪郭は、3つの主な目印で示される小さいボックスと中隔及び外側輪郭において複数のXで目印付けされた制御点とを有する。医師は、最初に表示される制御点のデフォルト数を選択する。図9に示される輪郭80においては、中隔壁において示されている3つの制御点と外側壁において示されている4つの制御点とが存在する。医師は、拡張末期、収縮末期及び、必要に応じて、ループの介入画像を調べ、自動処理が不適切な位置に輪郭を位置付けたことが分かった場合に、目印ボックス及び制御点Xの位置を手動で調節することが可能である。医師は、新しい位置に対する輪郭に沿ってボックス又はXをスライドさせることができ、その輪郭に更に制御点を加えること又はその輪郭から制御点を削除することができる。ボックス又はXを横方向に再位置決めする処理はラバーバンディングとして知られている。医師が観察する位置において制御点及び輪郭が不適切であるように、ABD処理器が最初に位置決めしたことを考えることにする。医師は、新しい位置に対してスクリーン位置付け装置を用いてXをドラッグすることにより、制御点を横方向に再位置決めすることができる。Xがドラッグされるとき、輪郭は、Xと共に移動し又は伸長し、それにより、新しい輪郭が規定される。このようにして、医師は、ABD処理器により描かれた輪郭を手動で補正し、調整することができる。医師が制御点Xを横方向に再位置決めするとき、ABD処理器は、輪郭がスムーズに連続して保たれるように、必要に応じて、隣接する輪郭及び隣接する制御点の位置を自動的に再計算することにより応答する。その再計算によって、医師により予め手動で再位置決めされた制御点又は目印ボックスの位置は調整されず、それにより、この専門家の入力は輪郭描画処理において維持される。医師が目印ボックスを再位置決めする場合、ABD処理器は、目印に対する全体的な輪郭と心臓壁を再計算し、最適合させる。画像シーケンスにおける1つの輪郭の調節は、そのシーケンスにおいて時間的に隣接する画像に影響を与える可能性があるため、ABD処理器はまた、手動による調節がループにおける画像の一部又は全てにおいて適切に連続して表現されるように、時間的に隣接する輪郭と調節される輪郭を相関させることによる手動による調節に対して応答する。
【0025】
このような心内膜輪郭技術の更なる詳細については、米国特許第6,491,636号明細書(Chenal等)に記載されている。
【0026】
僧帽弁の位置を特定するための第2実施形態について、図9及び10に示している。画像処理器440により処理されたエコー信号は画像データメモリ140に記憶される。画像のために用いられる画像データは、所望の画像フォーマット、例えば、セクタ、長方形、仮想エイペックス又は湾曲した線状の画像データを生成する走査変換器142に転送される。走査変換された画像データは、関連輪郭検出器144によりアクセスされる画像データメモリに記憶される。支援輪郭検出器144は、画像データに対して制御点を位置決めし、画像データに対して標準的な心内膜の形を位置決めし且つ伸長するように、ユーザ制御パネル150におけるトラックボール位置決め装置のようなユーザ制御からの入力に対して応答する。標準的な形状データは、輪郭テンプレート記憶装置146により供給される。制御点及び輪郭は画像において描かれ、位置決めされるため、支援輪郭検出器144により生成された制御点及び輪郭データは輪郭グラフィックス処理器148に適用され、その輪郭グラフィックス処理器148は、画像データと共に表示されるように制御点及び輪郭のグラフィックオーバーレイを生成する。そのグラフィックオーバーレイ及び画像データは、シンループメモリ460のような表示メモリに記憶され、そのシンループメモリ460から、それらの画像データは映像処理器470により表示のためにアクセスされる。
【0027】
本発明の他の実施形態の原理にしたがって、左心室の僧帽弁面は、下記のように支援輪郭検出技術により輪郭を描かれる。ユーザは、僧帽弁面が図10Aに示すように位置決めされるようになっている画像92を表示する。ユーザは、画像においてカーソルを操作する、システム制御パネル150におけるマウス又はトラックボールのようなポインティング装置により、画像において第1目印を指定する。図10Aの実施例においては、指定された第1目印はMMAである。ユーザが画像のMMAをクリックするとき、グラフィックマーカが描画において数字“1”で表されている白色制御点のように現れる。ユーザは、次いで、第2目印であって、この実施例においては、LMAを指定し、そのLMAは、図10Bにおいては数字“2”により表されている第2白色制御点により目印付けされる。次いで、線がそれら2つの制御点を自動的に接続し、その線は、左心室のこの長手方向のビューにおけるこの場合に、僧帽弁面を示す。1つの画像においてユーザ支援によってそのように規定される僧帽弁面により、その僧帽弁面は、その場合、前記実施形態において記載したような自動化手段により画像シーケンスにおける連続的な画像に信頼性高く位置決めされることができる。上記のように、これは、時間的に連続する画像においてMMA及びLMAを求めるテンプレートとして、画像92のMMA及びLMA領域の画素を使用して開始する。僧帽弁面は、それ故、そのシーケンスの他の画像において自動的に特定され、心臓サイクルの指定されたフェーズの間の僧帽弁の位置の所望の前進をもたらすように色付けされる又はシェーディングされる。
【0028】
上記実施形態におけるように、僧帽弁面を規定するように用いられる処理により、全体的な心内膜の輪郭を継続して探索することができる。画像92においてMMA及びLMA制御点を特定した後、次いで、ユーザは左心室の心腔内の最上部点である心内膜の心尖にポインタを移動させる。ユーザがその画像においてこの第3目印にポインタを移動させるとき、左心室の心内膜の心腔のテンプレートの形状はカーソルに追従し、ポインタが心腔の心尖を探索するときに変形し、伸縮する。図10Cにおいて白色線として示されているこのテンプレートは、第1及び第2制御点1及び2で固定され、第3制御点を通っていて、その第3制御点は、ユーザが心尖でポインタをクリックするときに、心尖に位置付けられ、それにより、第3制御点3を固定する。心内膜の心腔のテンプレートは、位置決めされるとき、図10Cに示しているような心内膜の適切な探索を与える。図10Cの実施形態において、左心室を二等分する黒色線は、それが心尖に近づいて指定するとき、ポインタに追従する。この黒色線は、僧帽弁面を示す線の中央と左心室の心尖との間に固定され、僧帽弁の中央と心腔の心尖との間に中央線を本質的に示す。
【0029】
そのように規定された心内膜の輪郭を用いて、ユーザは、心外膜の輪郭を継続して規定することができる。ユーザは、心外膜の心尖に、即ち、心筋の外側表面における最上部点にカーソルを移動させる。ユーザは、次いで、心外膜の心尖においてクリックし、“4”と目印付けされた第4制御点が位置決めされる。次いで、図10Dに示すように、心外膜の輪郭を略描く第2テンプレートが自動的に現れる。図10Dにおける外側の白色の輪郭線により示されているこの第2テンプレートはまた、第1及び第2制御点で固定され、心外膜の心尖に位置決めされた第4制御点を通る。それら2つのテンプレートは、完全な心筋の輪郭の適切な輪郭である。上記実施形態におけるように、制御点は、ポインタで“捕らえる”ことができる輪郭トレーシングの周りで位置付けられ、輪郭トレーシングを手動で修正するようにラバーバンディング操作でドラッグされる。
【0030】
図11a乃至11cは、種々の診断で遭遇する可能性がある僧帽弁位置の線の3つの異なる形成について示している。図11aは、複数の線100により、心筋が収縮するときの収縮中の連続する瞬間における僧帽弁の位置を示している。健康である正常な心臓状態においては、心筋は、時間的に及び空間的に一様に収縮する。図2のように、僧帽弁が画像の下部にあるとき、このようにスムーズである一様な収縮は、LVの中央の上部の方に及び心腔の心尖の方に僧帽弁を持ち上げる。そのようなとき、僧帽弁の連続的な位置は、図11aに示すように、実質的に平行なエッジ又は線として現れる。
【0031】
病気に冒された心臓は、心臓の他方側に対して一方側における伝導遅延により悪化される可能性がある。心臓が収縮するとき、心筋は、心筋に亘って収縮運動を瞬時に伝導する必要がある。異常な心臓は、心臓の特定領域でこの収縮運動における遅延を示す可能性がある。図11bは、図2において理解できるように、心臓の右側において遅い伝導をもたらす左側束分岐ブロック(left bundle branch block)として知られている伝導遅延を示している。左側束分岐ブロックは、僧帽弁面の一方側において他方側より、初期的に速い運動をもたらす。僧帽弁面の他方側は遅れて移動し、図11bに示す僧帽弁の位置のパターンがもたらされる。僧帽弁位置の第1集合は、線102で示しているように、左側でより速く移動することが理解できる。この運動が開始した後、僧帽弁面の右側は、そのシーケンスの上部の線104で示すように、上方に移動する。上記の位置のカラー符号化は、図11bのパターンが示すような色変化の二重楔状パターンを生成する。
【0032】
患者が心筋梗塞(心臓麻痺)を被る場合、僧帽弁面の一方側は、殆ど動かないように見える可能性がある。そのような状態について、図11cに示し、その図は、図2において示している心臓の外側壁が梗塞を被る場合に現れる線のシーケンスを示している。それらの線の集合106は、外側壁が実質的に静止状態にある程度に梗塞されたときに現れ、画像における僧帽弁面の運動の殆どが僧帽弁面の中隔壁において現れるようにもたらされる。
【0033】
それ故、本発明の技術は、心内膜の輪郭がはっきりせず、弱過ぎて適切に探索することができないときでさえ、異常な心臓の状態を検出することができることが理解できる。例えば、図8の左側の拡張末期画像における白色の矢印は、上記の理由のために、その画像において非常に不十分に規定されているようにみえるLVの外側壁を指し示している。壁運動は、外側壁が非常に不十分に規定されるときには、適切に識別し、探索することが困難である。しかしながら、外側壁の異常の影響については、心臓の収縮及び弛緩の間に僧帽弁面の運動への影響において理解することが可能であり、画像化することが困難である患者における診断を可能にする。
【0034】
本発明の技術は、三次元撮影に拡張されることが可能である。三次元撮影においては、全体的な僧帽弁の位置は、まさに上記の実施例において示した断面でなく、全体的な僧帽弁の位置を可視化することができる。僧帽弁面の位置を表すように決定されるグラフィカルオブジェクトに応じて、運動グラフィックが、拡大している円筒形、立方体又は他の形状として現れることが可能であり、上記のようにシェーディングされる又はカラー符号化されることが可能である。健康な心臓においては、そのオブジェクトは形状において一様に拡大するが、病気に冒された心臓においては、その形状は、傾斜した又は偏向した表面若しくはカラー化により不均一に現れる可能性がある。心臓の組織は、心臓の三次元画像において僧帽弁の位置のグラフィックを良好に可視化するように、半透明にされることが可能である。そのグラフィックのシェーディングは、そのグラフィックがその構造においてより区別可能であるように表されるようにすることが可能である。
【0035】
僧帽弁輪の運動の数量的数値測定又は表現は、連続的な僧帽弁の線又は表面のカラー符号化又は間隔から導き出されることがまた、当業者には理解できるであろう。僧帽弁位置及び位置の変化レート(位置変化の微分又は速度)の両方が、診断において支援するように表示されることが可能である。色軌道において行われたように、全体の心内膜の輪郭ではなく僧帽弁の位置に運動グラフィックを限定することにより、医師は、診断を行うべきものから比較的整然とした画像シーケンスを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の原理にしたがって構築された超音波診断撮影システムをブロック図の形で示す図である。
【図2】僧帽弁面の変化する位置が段階的に変わるカラーシェーディングで描かれている左心室の超音波画像である。
【図3a】左心室(LV)の超音波画像において内側僧帽弁輪(MMA)を位置決めする段階を示す図である。
【図3b】左心室(LV)の超音波画像において外側僧帽弁輪(LMA)を位置決めする段階を示す図である。
【図4】LVの心尖を位置決めする段階を示す図である。
【図5A】LVについての標準的な輪郭形状を示す図である。
【図5B】LVについての標準的な輪郭形状を示す図である。
【図5C】LVについての標準的な輪郭形状を示す図である。
【図6A】MMAを位置決めするように用いられる幾何学的テンプレートを示す図である。
【図6B】LMAを位置決めするように用いられる幾何学的テンプレートを示す図である。
【図7A】LVの心内膜の境界に標準的な輪郭形状についての標準的な境界形状を示す図である。
【図7B】LVの心内膜の境界に標準的な輪郭形状についての標準的な境界形状を示す図である。
【図7C】LVの心内膜の境界に標準的な輪郭形状についての標準的な境界形状を示す図である。
【図8】自動的に描かれた心内膜の輪郭を有する拡張末期及び収縮末期を示す図である。
【図9】本発明の原理にしたがって構築された超音波診断撮影システムの第2実施形態をブロック図で示す図である。
【図10A】本発明の原理にしたがった心筋の境界の探索を示す画像のシーケンスを示す図である。
【図10B】本発明の原理にしたがった心筋の境界の探索を示す画像のシーケンスを示す図である。
【図10C】本発明の原理にしたがった心筋の境界の探索を示す画像のシーケンスを示す図である。
【図10D】本発明の原理にしたがった心筋の境界の探索を示す画像のシーケンスを示す図である。
【図11A】特定の病理学的状態の特徴を有する僧帽弁面の場所の変化の異なる進行を示す図である。
【図11B】特定の病理学的状態の特徴を有する僧帽弁面の場所の変化の異なる進行を示す図である。
【図11C】特定の病理学的状態の特徴を有する僧帽弁面の場所の変化の異なる進行を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓サイクルの時相の間に取得される画像のシーケンスから心臓の動作を描くための方法であって:
前記心臓サイクルの選択された時相の間に、前記心臓の画像のシーケンスを取得する段階であって、前記画像は僧帽弁を有する、段階;
前記シーケンスの前記画像における前記僧帽弁の場所を特定する段階;及び
前記の画像のシーケンスの間に、前記僧帽弁の連続的位置の場所を単一の心臓画像において表示する段階;
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記表示する段階は、前記僧帽弁の連続的位置の区別可能である、異なって表示された場所を単一心臓画像において表示する段階を更に有する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記特定する段階は、前記画像において僧帽弁輪の場所を特定する段階を更に有し、前記表示する段階は、前記僧帽弁輪の連続的位置の前記場所を単一心臓画像において表示する段階を更に有する、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記特定する段階は、二次元画像のシーケンスにおいて断面で示される前記僧帽弁輪の場所を特定する段階を有する、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、前記特定する段階は、二次元画像のシーケンスにおいて示される前記僧帽弁輪の場所を特定する段階を有する、方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、前記特定する段階は、前記画像において僧帽弁面の場所を特定する段階を更に有し、前記表示する段階は、前記僧帽弁面の連続的位置の前記場所を単一心臓画像において表示する段階を更に有する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記特定する段階は、二次元画像のシーケンスにおいて断面で示される前記僧帽弁面の場所を特定する段階を有する、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、前記特定する段階は、二次元画像のシーケンスにおいて示される前記僧帽弁面の場所を特定する段階を有する、方法。
【請求項9】
請求項2に記載の方法であって、前記表示する段階は、前記僧帽弁の連続的位置の区別可能である異なってシェーディングされた場所を単一心臓画像において表示する段階を更に有する、方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法であって、前記表示する段階は、前記僧帽弁の連続的位置の区別可能である異なって着色された場所を単一心臓画像において表示する段階を更に有する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記表示する段階は、前記シーケンスの複数の画像の各々において、前記画像における前記僧帽弁の場所及び前記シーケンスの先行画像における前記僧帽弁の場所を表示する段階を更に有する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記心臓サイクルの選択された時相に追従して前記僧帽弁の複数の場所の表示を再設定する段階、及び、他の心臓サイクルの間に、前記取得する段階、前記特定する段階及び前記表示する段階を繰り返す段階、を有する方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記特定する段階は、取得された心臓画像における前記僧帽弁の少なくとも1つの基準点において手動で特定する段階を更に有する、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記特定する段階は、前記画像の自動化境界検出処理により前記僧帽弁の前記場所を特定する段階を更に有する、方法。
【請求項15】
心臓の性能を分析するための超音波診断撮影システムであって:
複数のトランスジューサ要素を有するプローブ;
Bモード画像のシーケンスを生成するように動作する前記プローブに結合された画像処理器;
Bモード画像のシーケンスにおいて僧帽弁の場所を特定するように動作する自動境界検出処理器;
Bモード画像のシーケンスにおいて前記僧帽弁の場所の特定に対して対応するグラフィック表示処理器であって、Bモード画像のシーケンスにおいて前記僧帽弁の場所を描写するグラフィックを生成するように動作する、グラフィック表示処理器;及び
画像の先行シーケンスにおいて前記僧帽弁の前記場所を描写するグラフィックと共にBモード画像を表示するように動作するグラフィック表示処理器に対応するディスプレイ;を有する超音波診断撮影システム。
【請求項16】
請求項15に記載の超音波診断撮影システムであって、自動境界検出処理器に結合されたシンループメモリであって、Bモード画像のシーケンスを記憶している、シンループメモリを更に有する、超音波診断撮影システム。
【請求項17】
請求項15に記載の超音波診断撮影システムであって、前記グラフィック表示処理器は、区別可能な色によりBモード画像のシーケンスにおける前記僧帽弁の前記場所を描くグラフィックを生成するように動作する処理器を更に有する、超音波診断撮影システム。
【請求項18】
請求項15に記載の超音波診断撮影システムであって、前記自動境界検出処理器は、Bモード画像のシーケンスにおける僧帽弁面の場所を特定するように動作する処理器を更に有する、超音波診断撮影システム。
【請求項19】
心臓の性能を分析するための超音波診断撮影システムであって:
複数のトランスジューサ要素を有するプローブ;
Bモード画像のシーケンスを生成するように動作する前記プローブに結合された画像処理器;
ユーザがBモード画像のシーケンスの少なくとも1つにおいて僧帽弁の場所を特定することができるユーザ制御器;
Bモード画像のシーケンスにおいて前記僧帽弁の場所の特定に対して対応するグラフィック表示処理器であって、Bモード画像のシーケンスにおいて前記僧帽弁の場所を描写するグラフィックを生成するように動作する、グラフィック表示処理器;及び
画像の先行シーケンスにおいて前記僧帽弁の前記場所を描写するグラフィックと共にBモード画像を表示するように動作するグラフィック表示処理器に対応するディスプレイ;を有する超音波診断撮影システム。
【請求項20】
請求項19に記載の超音波診断撮影システムであって、前記ユーザ制御器に対応する境界検出処理器であって、Bモード画像のシーケンスにおける前記僧帽弁の場所を特定するように動作する、境界検出処理器を更に有する、超音波診断撮影システム。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、前記表示する段階は、心内膜壁の少なくとも一部の連続的位置の表示のない画像のシーケンスの間に、前記僧帽弁の連続的位置の場所を単一の心臓画像において表示する段階を更に有し、それにより、画像クラッタを低減する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公表番号】特表2008−509714(P2008−509714A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525388(P2007−525388)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052418
【国際公開番号】WO2006/024970
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】