説明

融合タンパク質のアフィニティ精製およびプロセッシングのための修飾されたプロテアーゼ

【課題】ズブチリシンのタンパク工学における強い活性にもかかわらず、これを、幅広い基質選好性をもつプロテアーゼから、特異的な基質のプロセッシングに適した酵素に形質転換し、それによって、これを、タンパク質回収システムのために有用にする。
【解決手段】高い親和性で対応するプロテアーゼと結合できるプロテアーゼプロドメインは、第2のタンパク質と融合して、プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質を形成する。融合タンパク質中のプロテアーゼプロドメインタンパク質の存在によって、対応するプロテアーゼと共にインキュベーションすることにより、第2のタンパク質の簡単かつ選択的な精製が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、精製法に関し、より詳細には、標的タンパク質とプロテアーゼプロドメインタンパク質とを含む融合タンパク質に関する。ただし、プロドメインタンパク質は、対応するプロテアーゼまたはその変異体との結合に対する高親和性を有し、標的タンパク質のその後の回収のためのプロテアーゼ結合複合体が提供される。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
組換えDNA技術によって、医学およびバイオテクノロジーにおける様々な適用のためのタンパク質の発現が容易になりつつある。しかし、組換え型タンパク質の精製は、しばしば複雑であり、問題をはらんでいる。タンパク質の大規模な、経済的な精製は通常、そのタンパク質のための遺伝子を含有する組換えプラスミドの挿入によって、目的タンパク質を生成するように設計された細菌細胞系などの細胞培養によるタンパク質の生成を含む。細胞に供給される化合物の混合物から、また、細胞それ自体の副産物から、所望のタンパク質を、ヒト治療薬として使用するのに十分な純度まで分離することは、厄介な難題を提起する。
【0003】
細胞残屑からタンパク質を精製するための手法は、第一に、タンパク質の発現の部位に依存する。ある種のタンパク質は、細胞から周囲の増殖培地に直接分泌させるようにでき、またある種のものは、細胞内に生じる。後者のタンパク質については、精製プロセスの第一段階は、細胞の溶解を含む。これは、機械的な剪断、浸透圧ショック、または酵素処理を含めた様々な方法により行うことができる。こうした破壊により、ホモジェネートには、細胞の完全な内容物が放出され、さらに、細胞より小さいフラグメントを生成し、これは、そのサイズが小さいために取り除くのが困難である。これらは通常、分画遠心分離によって、あるいは濾過によって除去される。同じ問題は、より小さい規模ではあるが、細胞の自然死およびタンパク質生成実施の間の細胞内宿主細胞タンパク質の放出に起因して、直接分泌されるタンパク質でも生じる。
【0004】
一旦、目的タンパク質を含有する清澄化された溶液が得られると、通常異なる技術の組み合わせを使用して、細胞によって産生される他のタンパク質からのその分離が試みられる。タンパク質に対する全回収プロセスの一部として、タンパク質を、タンパク質に結合する固定された試薬にさらすことができる。
【0005】
ポストゲノム時代のプロテオミクスイニシアティブにより、タンパク質の精製および分析のための、迅速、効果的、かつ標準化された手順の需要が増している。例えば、組換え型タンパク質は、精製を容易にするために、他のタンパク質またはペプチドと頻繁に融合される。融合されるドメインは、アフィニティ精製のための一時的なフックとして働き、最終的には、部位特異的なタンパク質加水分解によって切断する必要がある。特に大腸菌(E.coli)発現のための、異なるキャリアタンパク質を使用するいくつかの融合タンパク質システムが、現在、市販品として入手できる。その例には、マルトース結合タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質、チオレドキシン、およびセルロース結合ドメインが含まれる。
【0006】
融合タンパク質発現は、固定された、キャリアタンパク質に特異的な中程度の−アフィニティーリガンドを使用するアフィニティークロマトグラフィによる細胞抽出物からの組換え型タンパク質の分離を簡単にする。しかし、一般的に、固定は多くの場合、リガンドのマトリックスへの共有結合を必要とし、これは、活性の喪失をもたらす。広く使われている生成物の典型的な例は、プロテインA−セファロースである。この非常に高価な生成物は、アフィニティークロマトグラフィによるIgGの精製のために、また、多くの診断用プロトコルのために使用される。
【0007】
したがって、可溶タンパク質の精製のための、より経済的かつ技術的に簡単な方法(クロマトグラフィ手法のスケールアップを含まない)が所望される。
【0008】
プロテアーゼの機能は、胚発生から細胞死までの生理学的プロセスを調節する、広い特異性の分解酵素から、非常に配列特異的な酵素までの範囲に及ぶ。ある種の高い特異性のプロテアーゼは、天然から補充されており、DNAを操作するための制限エンドヌクレアーゼの使用にいくらか似た方式で、タンパク質の精製および分析のためのツールとして働く。現在利用できる特異的なプロセッシング酵素は、トロンビン、Xa因子、およびエンテロペプチダーゼなど、哺乳類供与源からのものである。しかし、タンパク質研究では広く使われているものの、これらの天然の酵素は、非常に高価でありかつ安定性が低く、多くの適用に対するその有用性は限られている。
【0009】
与えられた配列を切断するための、ズブチリシンなどの強力な細菌プロテアーゼを設計するために、かなりの労力が捧げられてきた。ズブチリシンは、グラム陽性菌によって、あるいは真菌によって産生されるセリンプロテアーゼである。ズブチリシンは、重要な工業用の酵素であり、かつ酵素によって与えられる莫大な速度の増進を理解するためのモデルでもある。多数のズブチリシンのアミノ酸配列が、知られており、例えば、ズブチリシンBPN’、ズブチリシンカールスバーグ(Carlsberg)、ズブチリシンDY、ズブチリシンアミロサッカリティカス(amylosacchariticus)、およびメセンチコペプチダーゼ(mesenticopeptidase)などの、桿菌属(Bacillus)株由来のズブチリシンが含まれる。遺伝子のタイムリーなクローニング、発現および精製の容易さ、および原子分解能構造の有用性と共に、これらの理由のために、ズブチリシンは、1980年代に、タンパク工学研究のためのモデルシステムとなった。15年後、ズブチリシンの275アミノ酸50%をはるかに上回る突然変異が、科学文献に報告された。大抵のズブチリシン工学は、触媒アミノ酸、基質結合領域、および安定化(stabilizing)変異を使用している。最も突然変異が起こるズブチリシン[1、2]は、桿菌属(Bacillus)種、アミロリケファシエンス(amyloliquefaciens)(BPN’)、スブチリス(subtilis)(ズブチリシンE)およびレンタス(lentus)(サビナーゼ(Savinase))から分泌されるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ズブチリシンのタンパク工学における強い活性にもかかわらず、これを、幅広い基質選好性をもつプロテアーゼから、特異的な基質のプロセッシングに適した酵素に形質転換し、それによって、これを、タンパク質回収システムのために有用にすることは、これまで可能ではなかった。したがって、精製プロセスのためにズブチリシンなどの特異性の低いプロテアーゼを使用できることは、研究およびタンパク質精製にとって極めて有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明は、ズブチリシンおよびその変異体が、プロテアーゼに対して高親和性の基質配列(ただし、基質配列は、好ましくはズブチリシンのプロドメインである)と共に使用される場合、タンパク質の精製に有用であるという発見に関する。また、ズブチリシンのプロドメインと目的とする第2のタンパク質とを含む融合タンパク質の生成のための発現システムの構築を開示する。
【0012】
分泌されるプロテアーゼ(ズブチリシンなど)は、プロテアーゼ活性化のタイミングをしっかりと調節するために、不活性のチモーゲン前駆体として合成される[159]。多くの場合、チモーゲン前駆体は、成熟したプロテアーゼ配列に付着したN末端アミノ酸からなる。多数のこれらのN末端伸長物(プロドメイン)は、独立に折り畳まれるのに十分に大きく、成熟したプロテアーゼの活性サイトにしっかりと結合することが示されている[149、160〜166]。
【0013】
ズブチリシンBPNは、プレ−プロ−タンパク質(pre−pro−protein)である一次翻訳産物を有する、バチルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来の細胞外セリンプロテイナーゼである[9、10]。30のアミノ酸前配列(配列番号2)は、膜を横切るタンパク質分泌のためのシグナルペプチドとして働き、シグナルペプチターゼによって加水分解される[167]。成熟過程の細胞外部分は、プロズブチリシンの折り畳み、77アミノ酸配列(配列番号1)の自己プロセシング(その結果プロセッシングされた複合体が産生される)、最後に、プロドメインの分解(その結果275アミノ酸(配列番号3)の成熟したSBT配列がもたらされる)を含む。77アミノ酸のプロドメインは、自己触媒的に除去され、また、プロドメインは、桿菌属(Bacillus)からの分泌の後まで、ズブチリシンの活性化を遅らせることが示唆されている[168]。これは、プロドメインが、ズブチリシンの活性の強力な阻害を示す、活性なズブチリシン(Ki 5.4×10-7M)の競合阻害剤であるためである。
【0014】
ズブチリシンの幅広い選好性は、それがタンパク質基質と結合する方式に由来する。大抵のズブチリシンの接触は、基質構造中に位置する切断されやすい(scissile)結合の、アシル側の最初の4つのアミノ酸とのものである。これらの残基は、切断されやすい結合から、基質のN末端の方向へ、番号を付け、P1からP4で表す[157]。基質結合の側鎖成分は、主にP1およびP4アミノ酸に起因する[193][46、47]。ズブチリシンは、これらの位置では疎水性アミノ酸を好む。ズブチリシンとプロドメインとの間の複合体の高い分解構造により、プロドメインのC末端の部分が、基質としてズブチリシン活性部位に結合すること、また、プロドメインの球状部分が、ズブチリシンに対する広い相補性を有することが示される。C末端の残基は、プロドメインの中心部分から、外へ伸び、切断されるSBTの活性部位に沿って、基質のような方式で結合する。したがって、プロドメインの残基Y77、A76、H75、およびA74は、それぞれ、P1からP4基質アミノ酸として作用する。これらの残基は、ズブチリシンの天然の配列選好性に従う。折り畳まれたプロドメインは、C末端の尾部の基質相互作用と、β−シートによって提供される疎水性インターフェースとの両方によって仲介される、天然のズブチリシンに対して相補的かつ高親和性の形状を有する[133]。
【0015】
同様に、アルカリホスファターゼ(ALP)に対する遺伝子の配列決定により、ALPが、プロエンザイム(pro−enzyme)として合成されることも示された。ALPでは、プロドメイン(166アミノ酸)は、成熟したプロテアーゼ(198アミノ酸)とほぼ同じくらいの大きさである。さらに、ALPプロドメインは、生体内で活性なALPを産生するために必要とされること、また、166アミノ酸のプロドメインは、ALPの強力な競合阻害剤であることが実証された[170]。興味深いことには、そのプロドメインを伴うALPの構造解析によって、ALPの活性部位に対するプロドメインの親和性結合が示された[187]。
【0016】
プロドメインによって仲介される折り畳みの他の例は、プロテアーゼの機構的ファミリーの4つすべてに発見されている:セリンプロテアーゼ[172〜177]、アスパラギン酸プロテアーゼ[178〜180]、メタロプロテアーゼ[181〜185]、およびシステインプロテアーゼ[186]。
【0017】
したがって、一態様では本発明は、標的タンパク質に結合されるプロドメインタンパク質を使用する、タンパク質精製プロセスに関する。ただし、このプロドメインタンパク質は、通常関連するプロテアーゼに対して高親和性を有し、それによって、プロドメインからの標的タンパク質の簡単な分離が提供される。好ましくは、本発明は、ズブチリシンまたはその変異体などの分泌されるプロテアーゼのプロドメインに関する。ただし、このプロドメインは、ズブチリシンまたはその変異体に対する高親和性を有する。
【0018】
別の態様では、本発明は、標的タンパク質に融合されるプロテアーゼプロドメインを含む融合タンパク質に関する。ただし、切断は、プロドメインと標的タンパク質を連結しているペプチド結合を、特異的に対象とし、かつ、プロドメインは、対応するプロテアーゼに対する高親和性の結合を有する。好ましくは、プロテアーゼは、ズブチリシンまたはその変異体である。ただし、変異体は、プロテアーゼプロドメインと標的タンパク質との間のペプチド結合を特異的に加水分解するように修飾される、かつ/またはその加水分解活性を、特定のイオンによって誘発することができる。さらに、プロドメインタンパク質は、プロテアーゼに対する同種の配列を含めることによって、最適化させることができる。
【0019】
さらに別の態様では、本発明は、目的タンパク質に融合されたアミノ酸配列の配列番号1のプロドメインタンパク質を含む。さらに、プロドメイン配列は、以下を含めた少なくともP1〜P4アミノ酸残基の代替物を含むことができる:
【0020】
【表1】

【0021】
FKAM、FKAY、またはFKAFを含めて、いくつかの同種の配列は、非常に有効であることが判明している。驚くべきことに、配列FKAM、FKAY、またはFKAFの付加はまた、ズブチリシンに対するプロドメインの親和性を>109-1に増大する。
【0022】
さらに、ズブチリシンプロドメインは、ズブチリシンに対するその親和性をさらに増大させるために、安定化変異をさらに含むことができる。さらに、非特異的アミノ酸配列のそのタンパク質加水分解を大幅に減少させるために、ズブチリシンの4つの触媒アミノ酸の1つまたは複数に、突然変異を組み込んでもよい。好ましい突然変異は、配列番号3と同定され、図2に示されるズブチリシン配列の、アミノ酸位置32、64、155、および221に含まれる。
【0023】
したがって、別の態様では、本発明は、プロドメインにおける同種の配列に対するKmが1nm未満であるプロセッシングプロテアーゼを提供する。プロセッシングプロテアーゼのkcatは、10-1sec-1から10-5sec-1の範囲である。したがって、プロセッシングプロテアーゼおよびその同種のプロドメイン基質に対するターンオーバー数(kcat/Km)が、104-1-1から108-1-1の範囲であるのに対して、非特異的配列に対するターンオーバー数は、<1M-1-1である。
【0024】
好ましいプロセッシング酵素は、非特異的配列に対して>106倍その同種のプロドメインを好むこととなる。本発明の最も好ましい実施形態は、0.001〜0.0001s-1の範囲のkcat値を有するプロセッシングズブチリシンである。この時間範囲で切断するズブチリシンは、N末端融合ドメインとしての同種のプロドメインを含有する任意のタンパク質のアフィニティ精製を可能にするのに十分にゆっくりと、基質を処理する。
【0025】
別の態様では、本発明は、ドメインに連結された標的タンパク質を含む融合タンパク質を提供する。ただし、ドメインタンパク質は、(E E D K L(F/Y)Q S(M/L/Y)という変異体を含むC末端上のアミノ酸残基を含み、ドメインのC末端の部分は、ズブチリシンまたはその変異体に対する親和性を生じさせる。
【0026】
さらに別の態様では、本発明は、ズブチリシンプロドメイン融合生成物を生じる方法を提供する。典型的な手順は、次のステップを含む:
ズブチリシンプロドメイン融合タンパク質をコードする核酸を提供するステップ(ただし、融合タンパク質は、ズブチリシンまたはその変異体のプロドメインと、目的とする第2のタンパク質とを含み、プロドメインは、ズブチリシンまたはその変異体と高親和性で結合できる);
核酸を用いて、あるいは、核酸を宿主細胞に導入するための等価手段を使用して、宿主細胞を形質移入するステップ;および
融合タンパク質の発現に適した条件下で、形質転換された宿主細胞を培養するステップ。
【0027】
主題の融合タンパク質は、組換え方法によって、特に、好ましくはズブチリシンプロドメイン/第2タンパク質DNAの発現によって、通常産生される。ただし、DNAは、微生物宿主細胞(特に枯草菌(Bacillus subtilis))中で発現される。この菌が、天然にズブチリシンを産生し、タンパク質の効率的な分泌者であり、かつ、活性なコンフォメーションのプロドメインタンパク質を産生することが可能であるからである。しかし、本発明は、桿菌属(Bacillus)中での融合タンパク質の発現に限定されず、むしろ、融合タンパク質の発現を提供するいずれの宿主細胞における発現も包含する。発現に適した宿主細胞は、当分野でよく知られており、例えば、細菌宿主細胞(大腸菌(Escherichia coli)、桿菌属(Bacillus)、サルモネラ属(Salmonella)、シュードモナス属(Pseudomonas)など)、酵母細胞(サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキアパストリス(Pichia pastoris)、クルベロミセス属(Kluveromyces)、カンジダ属(Candida)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)など)、および哺乳類宿主細胞(CHO細胞など)が含まれる。しかし、細菌宿主細胞が、発現のために好ましい宿主細胞である。
【0028】
ズブチリシンプロドメイン/第2のタンパク質融合タンパク質をコードしているDNAの発現は、入手可能なベクターおよび調節配列を使用できる。実際の選択は、発現のために利用される特定の宿主細胞に、大部分依存する。例えば、融合タンパク質が桿菌属(Bacillus)中で発現される場合、桿菌属から得られるベクターはもとより、桿菌属プロモーターも通常利用されることとなる。微生物宿主細胞中での融合タンパク質の発現は、これによって、微生物宿主細胞が、適切なコンフォメーションでズブチリシンプロドメインを産生できるようになるので、通常好ましいこととなる。
【0029】
本発明のさらなる態様は、融合タンパク質から、目的タンパク質を精製し、そこから分離するための方法に関する、方法は、
ズブチリシンまたはその変異体と、融合タンパク質のプロドメインタンパク質との間の結合複合体の形成に適した条件下で、有効量のズブチリシンまたはその変異体と、目的タンパク質に連結されたプロドメインタンパク質を含む融合タンパク質を接触させること;
ズブチリシンまたはその変異体が、結合複合体から、目的タンパク質を切断するのに十分な時間、結合複合体をインキュベートすること;および
目的タンパク質を回収すること
を含む。
【0030】
好ましくは、プロテアーゼは、プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質と特異的に結合するために修飾され、かつ、プロテアーゼプロドメインタンパク質は、結合複合体からの第2のタンパク質の自触媒的除去のためのプロテアーゼの同種の配列が含まれるように修飾されている。好ましくは、プロテアーゼは、ズブチリシンまたはその変異体であり、プロドメインは、こうしたプロテアーゼに対する高い結合親和性を有する。
【0031】
本発明のさらに別の態様は、プロテアーゼプロドメインタンパク質と、第2の標的タンパク質とを含む(その間に位置する切断部位を含む)融合タンパク質をコードする核酸を提供する。好ましくは、切断部位は、融合生成物の第2のタンパク質のN末端アミノ酸の上流にある。好ましくは、切断部位は、P4〜P1アミノ酸残基の下流にある。
【化1】

【0032】
本発明の別の態様は、本発明のプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質をコードする核酸からなる宿主細胞を提供する。
【0033】
本発明のさらなる態様は、目的物質の検出のための診断キットに関し、キットは、
(a)以下を含むプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質:
(i)ズブチリシンまたはその変異体に高親和性で結合できるプロテアーゼプロドメイン;および
(ii)目的物質を結合できる第2のタンパク質;
(b)検出可能な標識;および
(c)プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質に結合させるためのズブチリシンまたはその変異体
を含む。
【0034】
好ましくは、プロドメインは、ズブチリシンプロドメインであり、また第2のタンパク質としては、それだけには限らないが、酵素、ホルモン、抗原、または抗体が含まれ得る。
【0035】
別の態様では、本発明は、試験サンプル中の目的物質の存在を検出するための上記の診断キットを使用するための分析方法に関し、方法は、
(a)試験サンプル(十分な量のプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質と共に、目的物質を含有できる)をインキュベートすること
(ただし、プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質は、
(i)ズブチリシンまたはその変異体と高親和性で結合できるプロテアーゼプロドメイン、および
(ii)目的物質と結合できる第2のタンパク質
を含み、
インキュベーションの条件は、目的物質の第2のタンパク質への結合を可能にするものである);
(b)ズブチリシンまたはその変異体(ただし、ズブチリシンまたはその変異体は、融合タンパク質と結合して結合複合体を形成するのに有効な量で溶解している、あるいは固相上に固定されている)に、工程(a)で使用されたプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質を接触させて、ズブチリシン/プロドメイン融合タンパク質結合複合体を形成すること;
(c)結合複合体からの第2のタンパク質の自触媒的切断にとって十分な時間、ズブチリシン/プロドメイン融合タンパク質結合複合体をインキュベートすること;
(d)目的物質と結合した第2のタンパク質を回収すること
を含む。
【0036】
この実施形態は、さらに、試験サンプル中の目的物質の有無の指標を提供するために、検出可能な標識(ただし、標識は、目的物質に結合できる)を導入すること、および標識の有無を決定することを提供する。検出可能な標識は、結合複合体からの第2のタンパク質の分離より前、あるいは、第2のタンパク質が回収された後に導入できる。
【0037】
試験サンプルは、それだけには限らないが、血液、尿、精液、唾液、粘液(mucus)、涙、膣分泌物などを含めて、体液であり得る。
【0038】
本発明の特定の実施形態では、この方法は、試験サンプル中の特定のタンパク質またはペプチドの検出のために設計されており、したがって、プロドメインズブチリシン融合タンパク質の第2のタンパク質は、試験サンプル中の特定のタンパク質またはペプチドに対する抗体であり得る。抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。本発明のズブチリシンプロドメインは、直接、あるいはリンカー部分を介して、抗体に複合することができる。
【0039】
目的物質はまた、タンパク質、ペプチド、ホルモン、核酸、または他のプローブ−標的可能な分子に結合された、ビオチン化されたプローブを含むこともできる。標識は、酵素に対する十分な量の基質を加えると、その基質が、酵素によって、検出可能な化合物に転換されるような酵素を含んでいてもよい。
【0040】
最後に、融合生成物(ただし、融合生成物は、ズブチリシンまたはその変異体とさらに複合体形成されて、複合薬物送達を形成する)を形成するための、目的とする治療的化合物または薬物に関連するズブチリシンプロドメインタンパク質を含む薬物送達システムを提供することは、本発明のさらなる態様である。こうした薬物送達システムでは、目的薬物は、直接、あるいはリンカー部分を介して、ズブチリシンプロドメインに複合されてもよい。結合の多くの方法が存在しており、当技術分野で知られている。例えば、シクロヘキシルカルボジイミドなどのアシル活性化薬剤が存在し、これを、アミドまたはエステル結合を形成するために使用することができる。
【0041】
一実施形態では、こうした薬物送達システムは、目的薬物が、ズブチリシンと結合されたズブチリシンプロドメインから、ゆっくり放出される、徐放性または持続性薬物送達システムであってもよい。こうした薬物送達システムは、非経口的に、経口的に、局所的に、あるいは吸入によって投与できる組成物に組み込むことができると考えられる。さらに、組成物は、固体、ゲル、液体、またはエアロゾルの形であり得る。
【0042】
本発明の他の特徴および効果は、以下の詳細な説明、図面、および先の特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】ズブチリシンのα−炭素主鎖と、そのプロドメインとの複合体を表すリボン図である。
【図2】ズブチリシンBPNの野生型のアミノ酸配列を示す。
【図3】表1に示されたズブチリシンBPNに導入される突然変異を示す。
【図4】イオンの濃度と比例するプロテアーゼプロセッシングの速度を示す。
【図5】プロドメインへのプロセッシングズブチリシン(S189)の結合の速度が速いことを示す。
【図6】S189は、約4時間で二分の一を切断することを示す。遅滞期が明白である。この遅滞は、かなりの切断が起こる前に、夾雑物が洗い流されるのを可能にするので、タンパク質精製のために有用である。
【図7】固定された基質ズブチリシンS189または190を用いるpr8FKAM−プロテインGを含む融合タンパク質の精製の結果を示す。ただし、ブロットレーンは、以下の通りに割り当てられる:レーン1:分子量標準−2μgバンドレーン2:細胞溶解物−671pr8FKAM−プロテインGの10mlから250ml培養株の10μlレーン3:1ml/分で装填されるS189 ALからの流出液(flow through)(10μl 画分2)レーン4:1ml/分で装填されるS190 ALからの流出液(10μl 画分2)レーン5:15時間後のS189 ALからの溶離液(10μl 画分2、8μgのプロテインG)レーン6:15時間後のS190 ALからの溶離液(10μl 画分、4.8μgのプロテインG)レーン7:S189 ALからの除去(10μl 画分7、3μg pR8FKAM)レーン8:S190 ALからの除去(10μl 画分7、9μg pR8 FKAM)レーン9:約10分後のS189 ALからの除去(10μl 画分6、6.4μg 671 FKAM)レーン10:GB標準
【図8】α−サブユニットウシトランスデューシンの精製結果を示す。ただし、ブロットレーンは、以下の通りに割り当てられる:レーン1:細胞溶解物−671pr8FKAM−ChiTの10mlから250mlの培養株の10μlレーン2〜3:カラム洗浄液レーン4〜9:15時間後のS189 ALからの溶出液レーン10:プールされた画分
【図9】好熱性メタン生成古細菌(M.Thermautotrophicus)CDC6の精製結果を示す。ただし、ブロットレーンは、以下の通りに割り当てられる:レーン1:分子量標準−2μgバンドレーン2:細胞溶解物−pr8FKAM−CDC6の50mlから750mlの培養株の10μlレーン3:10ml/分で装填されるS189 AL_10カラムからの流出液レーン4〜8:15時間後のS189 ALからの溶出液(10μl 画分2〜6
【図10A】残基特異的な主鎖への帰属を用いて注釈をつけられた(A)プロテインG311および(B)プロテインA219の15N HSQCスペクトルを示す。2つのタンパク質は、配列が59%同一であるが、NMRによると、異なるタンパク質折り畳みを示す。
【図10B】同上
【図11】融合タンパク質が、通常の手順の通りに結合され、洗い流された場合の、S189HiTrap NHSカラム上での671融合タンパク質(pR58FKAM−GB)からの56アミノ酸GBの分離プロセスの結果を示す。
【図12】標的タンパク質の放出が、標的タンパク質の精製のために必要とされる時間を減少させるフッ化物イオンの付加により誘発される場合の結果を示す。
【図13】プロドメイン(pR58)が、通常の手順の通りに、0.1M H3PO4中でカラムから取り除かれる場合の結果を示す。
【図14】KFの付加により誘発される場合の、連鎖球菌プロテインGBの精製の結果を示す。ただし、ブロットレーンは、以下の通りに割り当てられる:レーン1:分子量標準−2μgバンドレーン2:BL21 DE3細胞溶解物−671(pR58FKAM−GB)の50mlから1Lの培養株の10μlS189HT1カラムに1mlの溶解物を注入した:レーン3:1ml/分で装填される流出液(10μlの2ml 画分2)レーン4:1ml/分で装填される流出液(10μlの2ml 画分3)レーン5:0.1M KFによる切断/溶離。(10μlの1ml 画分1;合計約7μg)レーン6:0.1M KFによる切断/溶離。(10μlの1ml 画分2;合計約3μg)レーン7:0.1M H3PO4による除去(10μlの1ml 画分1;合わせた両方のバンドにおいて合計約10μg)。注:1)GBのクーマシー染色は、pR58融合ドメインに対してよりもかなり弱い。タンパク質濃度は、A280により決定された2)切断反応は、この切断/溶離プロトコルを使用すると、約90%完全であった。
【発明を実施するための形態】
【0044】
発明の詳細な説明
本発明は、非常に特異的なプロセッシングズブチリシンプロテアーゼと結合するための最適化された同種の配列を含むプロドメインに関する。ただし、このペアは、タンパク質精製のための特定の有用性をもつ。
【0045】
単離されたズブチリシンプロドメインは、折り畳まれていないが、4本鎖の逆平行β−シートおよびズブチリシンと複合体を形成する2つの3−ターンα−らせんを伴うコンパクトな構造であると考えられる[130、133](図1)。C末端の残基は、プロドメインの中心部分から、外へ伸び、切断されるSBTの活性部位に沿って、基質のような方式で結合する。プロドメインの残基Y77、A76、H75、およびA74はそれぞれ、P4からP1基質アミノ酸になる。これらの残基は、ズブチリシンの天然の配列選択に従う。折り畳まれたプロドメインは、C末端の尾部の基質相互作用と、β−シートによって提供される疎水性インターフェースとの両方によって仲介される、天然のズブチリシンに対して相補的かつ高親和性の形状を有する[133]。プロドメインの天然の三次構造は、ズブチリシンへの最大の結合にとって必要である。突然変異が、ズブチリシンと直接接触しないプロドメインの領域に導入される場合、ズブチリシンへの結合に対するその影響は、それが固有立体配座(native conformation)を安定させるか否かに結びつけられる。したがって、プロドメインの独立した折り畳みを安定させる突然変異は、その結合親和性を増大させる[137]。
【0046】
本明細書では、用語「突然変異」は、遺伝子配列および/またはその遺伝子配列によってもたらされるアミノ酸配列の改変を指す。突然変異には、野生型タンパク質配列に対するアミノ酸残基の欠損、置換、および付加が含まれる。
【0047】
本明細書では、用語「野生型」は、変異されていない生物によって産生されたタンパク質、ここでは特にプロテアーゼまたはプロドメインを指す。野生型ズブチリシンのようなプロテアーゼは、例えば、バチルスアルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)、バチルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルスアミロサッカリカス(Bacillus amylosaccharicus)、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルスレンタス(Bacillus lentus)および枯草菌(Bacillus subtilis)微生物によって産生される。
【0048】
用語「変異体(variant)」は、本明細書では、アミノ酸配列または天然に存在する分子の他の特徴が修飾されているタンパク質と定義され、変異体を含むことが意図されている。本発明に含まれるいくつかの変異体は、最終の構築物が、プロテアーゼプロドメインと対応するプロテアーゼとの間の所望の結合親和性を有しているという条件で、アミノ酸の置換 欠損および/または挿入を有する。プロテアーゼプロドメインタンパク質または対応するプロテアーゼにおけるアミノ酸置換は、含まれる残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/または両親媒性性質の類似性に基づいて行われる。例えば、負に帯電するアミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれ、正に帯電するアミノ酸には、リシンおよびアルギニンが含まれ、親水値が同じである荷電していない極性頭基または無極性の頭基をもつアミノ酸には、以下が含まれる:ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、チロシン。変異体の定義には、その変異体が結合親和性を保持する限り、C末端、N末端の1つまたは複数の部位に追加のアミノ酸を有するタンパク質も含まれる。
【0049】
本発明の変異体としては、ズブチリシン様プロテアーゼも含むことができる。本明細書では、用語「ズブチリシン様プロテアーゼ」は、ズブチリシンの配列と、少なくとも25%、好ましくは80%、および好ましくは90%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ少なくとも野生型プロテアーゼと同じ機能活性を保持しているプロテアーゼを意味する。
【0050】
本発明は、対応するプロテアーゼと高親和性で結合できるプロテアーゼプロドメインの同定を対象とする。本発明のプロテアーゼプロドメインは、第2のタンパク質と融合して、プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質を形成する。融合タンパク質中のプロテアーゼプロドメインタンパク質の存在は、対応するプロテアーゼと共にインキュベーションすることによる第2のタンパク質の容易かつ選択的な精製を可能にする。
【0051】
第2のタンパク質の例には、以下が含まれるが、これに限定されるものではない:ブドウ球菌(staphyococcal)プロテインABドメインおよびプロテインAB変異体A219を含めてプロテインA;連鎖球菌(Streptococcal)プロテインGBドメイン、連鎖球菌プロテインGaドメイン、およびプロテインGB変異体G311を含めてプロテインG;大腸菌(E.coli)仮想(hypothetical)Yab;ウシトランスデューシンのa−サブユニット;好熱性メタン生成古細菌(M.thermautotrophicus)CDC6;ストレプトアビジン;アビジン;Taqポリメラーゼおよび他のポリメラーゼ;アルカリホスファターゼ;RNアーゼ;DNアーゼ;様々な制限酵素;ペルオキシダーゼ;エンド−1,4−βグルカナーゼ、エンド−1,3−β−グルカナーゼなどのグルカナーゼ;キチナーゼ、およびその他;βおよびαグルコシダーゼ;βおよびαグルコロニダーゼ(glucoronidase);アミラーゼ;トランスフェラーゼ(グルコシル−トランスフェラーゼ、ホスホ−トランスフェラーゼ、クロラムフェニコール−アセチル−トランスフェラーゼなど);β−ラクタマーゼおよび他の抗生物質修飾および減勢酵素;ルシフェラーゼ;エステラーゼ;リパーゼ;プロテアーゼ;バクテリオシン(bacteriocine);抗生物質;酵素阻害剤;異なる成長因子;ホルモン;受容体;膜タンパク質;核タンパク質;転写および翻訳因子;および核酸修飾酵素。
【0052】
用語「プロテアーゼプロドメインタンパク質」は、プロドメインアミノ酸配列またはその機能的等価物を指す。ただし、プロテアーゼプロドメインタンパク質は、対応するプロテアーゼに高親和性で結合する能力を有する。好ましくは、プロドメインは、実質的に、それが本来関連する他のタンパク質(例えば、プロテアーゼタンパク質の残り)を含まない。さらに、プロドメイン中の1つまたは複数の予め定められたアミノ酸残基を、例えば、置換、挿入、あるいは、欠損させて、生物学的性質が向上されたプロドメインタンパク質を産生する、あるいは、結合および発現レベルを変化させることができる。組換えDNA技術の使用を介して、基本的な核酸を改変することによって、残基が欠損、置換および/または挿入された本発明のプロドメインタンパク質を調製できる。
【0053】
一実施形態では、プロテアーゼプロドメインタンパク質を、第2のタンパク質としての抗体または抗原決定基に融合させて、診断キットにおいて、あるいはイムノアッセイにおいて有用であるプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質を形成できる。したがって、例えば、プロテアーゼプロドメインタンパク質に融合した第2のタンパク質としてのプロテアーゼプロドメインおよび抗原エピトープを利用することによって、体液を、特定の抗体の存在について試験することができる。反対に、抗原またはその抗原性部分は、プロテアーゼプロドメインおよび抗体融合タンパク質を使用して検出できる。
【0054】
用語「融合タンパク質」は、本明細書では、少なくとも2つのタンパク質、すなわちプロドメインタンパク質(好ましくはプロテアーゼプロドメイン)と第2のタンパク質が共に連結することを指す。さらに、本発明の融合生成物は、プロテアーゼプロドメインと第2のタンパク質との間に位置する酵素的切断部位を含む。切断部位は、好ましくは第2のタンパク質のN末端に隣接し、それによって、融合生成物から第2のタンパク質を回収するための手段が与えられる。
【0055】
本発明の別の実施形態では、融合タンパク質は、組換え型融合生成物である。「組換え型融合生成物」は、融合生成物をコードする核酸を用いて形質転換または形質移入された宿主細胞、あるいは相同組み換えの結果として融合タンパク質を産生する宿主細胞において産生されたものである。「形質転換」および「形質移入」は、核酸を細胞に導入するプロセスを指すために、同義的に使用される。形質転換または形質移入後、核酸は、宿主細胞ゲノムに統合されていてもよいし、染色体外因子として存在してもよい。「宿主細胞」は、宿主生物内の細胞だけでなく、in vitroの細胞培養中の細胞を含む。
【0056】
「核酸」は、5’から3’ホスホジエステル結合の一連の核酸を含むヌクレオチド配列を指し、これは、RNAまたはDNA配列であり得る。核酸がDNAである場合、ヌクレオチド配列は、一本鎖または二本鎖である。プロドメインプロテアーゼタンパク質をコードする核酸は、対応するプロテアーゼと高親和性で結合できるタンパク質をコードする、あるいはこうしたタンパク質をコードする核酸配列に相補的である、あるいはストリンジェントな条件下でこうしたタンパク質をコードする核酸配列とハイブリッド形成して、これと安定に結合されたままであるようなRNAまたはDNAである。
【0057】
融合タンパク質発現ベクターの構築においては、プロドメインをコードする核酸を、プロテアーゼプロドメインタンパク質と第2のタンパク質のオープンリーディングフレームが、完全であり、融合タンパク質生成物の翻訳が起こるのが可能であるように、第2のタンパク質をコードする核酸に連結または結合させることとなる。
【0058】
本発明のプロドメインタンパク質をコードする核酸は、細胞供与源から単離および精製されたDNAから、あるいはゲノムクローニングによって、得ることができる。クローンのcDNAまたはゲノムライブラリは、当分野でよく知られた技術を使用して調製することができ、遺伝子のいずれかの部分に実質的に相補的であるヌクレオチドプローブを用いて、核酸をコードする特定のプロテアーゼまたはプロテアーゼプロドメインについてスクリーニングすることができる。あるいは、cDNAまたはゲノムDNAは、適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRクローニングのための鋳型として使用できる。完全長のクローン、すなわち、所望のプロテアーゼプロドメインタンパク質の完全なコード領域を含有するものは、発現ベクターを構築するために選択できる。あるいは、重複するcDNA同士を連結させて、完全なコード配列を形成することもできる。あるいは、好ましいプロテアーゼプロドメインをコードするDNAは、当分野で標準であると考えられる技術を使用して、化学合成によって、全体的または部分的に合成できる。
【0059】
ポリペプチドの組換え型生成のための方法は、当業者によく知られている。簡単に言うと、例えば、宿主細胞は、選択される第2のタンパク質に連結されるプロテアーゼプロドメインタンパク質をコードするポリヌクレオチドで形質移入される。DNA分子などの外因性ポリヌクレオチドを用いて細胞を形質転換または形質移入する手段は、当分野でよく知られており、これには、リン酸カルシウムまたはDEAE−デキストランが仲介する形質移入、プロトプラスト融合、電気穿孔法、リポソームが仲介する形質移入、直接マイクロインジェクション(direct microinjection)、およびアデノウイルス感染などの技術が含まれる。
【0060】
最も広く使用されている方法は、リン酸カルシウムまたはDEAE−デキストランによって仲介される形質移入である。形質移入されたDNAは、その機構はよく知られていないままであるが、エンドサイトーシスによって細胞の細胞質に入り、核に輸送されると考えられる。細胞のタイプに応じて、培養細胞の集団のうちの最高90%までは、どの時点においても形質移入できる。その高い効率が理由で、リン酸カルシウムまたはDEAE−デキストランによって仲介される形質移入は、多数の細胞における外来性DNAの一時的発現を必要とする実験のために最適な方法である。リン酸カルシウムが仲介する形質移入はまた、外来性DNAのコピー(これは通常、頭−尾(head−to−tail)タンデムアレイに配列される)を宿主細胞ゲノムに組み込んだ細胞系を確立するためにも使用される。
【0061】
様々な哺乳類および植物細胞への短時間の高圧電気パルスの適用により、原形質膜にナノメートルサイズの孔が形成される。DNAは、これらの孔を介して、あるいは孔の閉鎖を伴う膜成分の再分布の結果として、細胞の細胞質に直接取り出される。電気穿孔法は、極めて効率的であり得、クローン化された遺伝子の一時的発現のために、また、目的とする遺伝子の組み込まれたコピーを運ぶ細胞系の設立のために使用できる。電気穿孔法は、リン酸カルシウムが仲介する形質移入およびプロトプラスト融合とは対照的に、1つ、多くても2、3の、外来性DNAの組み込まれたコピーを運ぶ細胞系をしばしば生じる。
【0062】
形質移入の後、細胞は、本発明の融合タンパク質の発現に十分な期間、培養条件下で維持される。培養条件は、当分野でよく知られており、イオン組成および濃度、温度、pHなどが含まれる。一般的に、形質移入された細胞は、培養条件下で培地に維持される。様々な細胞のタイプのための適切な培地が、当分野でよく知られている。好ましい実施形態では、温度は、約20℃から約50℃である。pHは、好ましくは、約6.0の値から約8.0の値である。コードされたタンパク質の形質移入および発現のために必要とされる他の生物学的条件は、当分野でよく知られている。
【0063】
形質移入された細胞は、融合タンパク質の発現のために十分な時間、維持され、一般的に、維持時間は、約2から約14日である。組換え技術を使用する場合、融合タンパク質は、細胞内、ペリプラズム間隙中に産生させる、あるいは直接、培地に分泌させることができる。ポリペプチドが、細胞内に産生される場合、第一段階として、微粒子片、すなわち宿主細胞または溶解された細胞のいずれか(例えばホモジナイゼーションに起因する)は、例えば、遠心分離または限外濾過によって除去される。
【0064】
本発明のプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質を、宿主細胞の分泌経路に導くために、分泌シグナル配列(別名リーダー配列またはプレ配列)が、通常必要とされる。本発明では、プロテアーゼのプロドメイン配列は、融合タンパク質の一部であり、したがって、融合タンパク質の分泌は、配列番号2中で定義されるものなどのシグナル配列を含めることによって、容易に実施される。
【0065】
したがって、組換え型融合タンパク質は、形質移入された細胞またはそれらの細胞が培養された培地から回収または収集される。融合タンパク質は、その後、1つまたは複数の精製ステップにかけられる。本発明の一実施形態では、回収ステップは、融合タンパク質を含む組成物を、プロドメインタンパク質と高親和性で結合してプロテアーゼ/プロテアーゼプロドメイン結合複合体を形成するズブチリシンまたはその変異体を固定した固相にさらすことを含む。固相は、カラムに詰め込むことができ、固定された対応するプロテアーゼは、融合タンパク質を捕獲し、化学的かつ/または物理的に融合タンパク質を修飾して、第2のタンパク質を放出する。
【0066】
「固相」は、融合生成物が付着できるプロテアーゼを含むマトリックスを意味する。固相は、精製カラム、離散粒子の分散相、膜、またはフィルタであり得る。固相を形成するための材料の例には、多糖(アガロースおよびセルロースなど);およびシリカ(例えば微細孔ガラス(controlled pore glass))、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミック粒子、上述のいずれかの誘導体などの他の機械的に安定なマトリックスが含まれる。好ましい実施形態では、固相は、融合タンパク質生成物のプロドメインタンパク質に対して高親和性で結合するためのプロテアーゼでコートされた、カラム内に保持される微細孔ガラスビーズを含む。
【0067】
本明細書では、語句「高い親和性で結合する」は、プロテアーゼプロドメインの、nMからpMのKdで、約10nMから約10pMの範囲、好ましくは<100pMで同種のプロテアーゼと結合する能力を指す。
【0068】
本発明はまた、本発明の融合タンパク質の使用を介する、試験サンプル、特に、組織エキスまたは体液(血清または尿など)などの生体試料中の目的タンパク質の診断用検出に関する。生体試料は、好ましくは哺乳類の起源、最も好ましくはヒト起源である。本発明の一実施形態では、融合タンパク質は、当分野でよく知られた様々なイムノアッセイ形式を使用して生体試料中の抗原の存在を検出するために使用される抗体を含むことができる。あるいは、融合タンパク質の第2のタンパク質は、抗原決定基を認識する抗体の検出に有用な抗原エピトープを含んでなる。
【0069】
「抗体」は本明細書では、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(MAb)、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖抗体、抗イディオタイプ(anti−idiotypic)の(抗Id)抗体および上述のいずれかのエピトープ−結合フラグメントを含むと意図される。
【0070】
用語「検出可能な標識」は、本明細書では、検出可能なシグナルを直接的または間接的に提供する任意の標識を指し、これには、例えば、酵素、放射標識された分子、蛍光体(fluoresor)、粒子、化学発光体(chemiluminesor)、酵素基質または補助因子、酵素阻害剤、磁性粒子が含まれる。本発明において検出可能な標識として有用な酵素の例には、アルカリホスファターゼおよびホースラディッシュペルオキシダーゼが含まれる。目的タンパク質に検出可能な標識を連結するために、様々な方法が利用でき、それには、例えば、酵素、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼなどを、目的タンパク質に付着させるための、4,4’−ジフルオロ−3,3’−ジニトロ−フェニルスルホンなどの二官能性薬剤の使用が含まれる。その後、付着された検出可能な標識を、基質と反応させて、検出可能である反応生成物を産生させる。本発明の範囲内であるものは、さらに、第2のタンパク質が、抗原エピトープに対する親和性をもつモノクローナル抗体であるような、プロテアーゼプロドメイン融合生成物の治療または診断用の使用である。例えば、(i)同種のプロテアーゼと高親和性で結合できるプロテアーゼプロドメイン、および(ii)抗原を結合できるモノクローナル抗体、を含むプロテアーゼプロドメイン融合生成物は、薬物/プロテアーゼ複合体またはイメージング剤/プロテアーゼ複合体を、抗原を産生している癌細胞を標的にさせるための方法に使用できる。この実施形態では、第2のタンパク質(モノクローナル抗体)に連結されるプロテアーゼプロドメインは、哺乳類に投与される。融合生成物の投与と並行して、あるいはその後に、薬物/プロテアーゼまたはイメージング剤/プロテアーゼ複合体が投与される。抗原の部位に局所化されるプロテアーゼプロドメイン融合生成物への薬物/プロテアーゼまたはイメージング剤/プロテアーゼ複合体の結合により、所望の治療的または診断用活性のための関連する部位に、薬物またはイメージング剤が誘導され、向けられる。
【0071】
本発明は、以下の実施例でさらに説明するが、これは、いかなる形であれ、主張するものとしての本発明の範囲に限定するものではない。
【0072】
方法および材料
突然変異、クローニング、および発現の選択
本出願に記述される特定の点突然変異は、本発明に従って突然変異させる、配列番号:3(図2)に示す通りの、ズブチリシンBPN’アミノ酸配列中の特定のアミノ酸を同定する。例えば、S149変異体は、アミノ酸75〜83の欠損を含み、以下の置換突然変異をさらに含む:Q2K、S3C、P5S、S9A、I31L、K43N、M50F、A73L、E156S、G166S、G169A、S188P、Q206C、N212G、K217L、N218S、T254A、およびQ271E。さらなる突然変異された変異体は、図3に示す通りの表1に記述する。
【0073】
バチルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)(ズブチリシンBPN’)由来のズブチリシン遺伝子を、クローン化して、配列決定し、枯草菌(Bacillus subtilis)中のその天然のプロモーター配列から高レベルで発現させる[9、10]。すべての突然変異遺伝子を、pUB110に基づく発現プラスミドに再クローン化させ、B.subtilisを形質転換するために使用した。宿主として使用されるB.subtilis株は、そのズブチリシン遺伝子の染色体欠損を含有し、したがって、バックグラウンド野生型(wt)活性を生じない(ファーネストック(Fahnestock)ら、「Appl.Environ.Microbial.」53:379〜384(1987年))。オリゴヌクレオチド突然変異誘発は、前述の通りに実施された[17]。
【0074】
野生型ズブチリシンおよび変異体の酵素は、本質的に、ブライアン(Bryan)ら[17、94、および95]に記載されている通りに精製され、均質性について検査された。場合によっては、C221変異体ズブチリシンは、スルフヒドリル特異的な水銀アフィニティーカラム(Affi−ゲル501、バイオラッド(Biorad))上で再精製された。
【0075】
ズブチリシンのプロドメインのクローニングおよび発現
ズブチリシンBPN’遺伝子のプロドメイン領域を、シュトラウスベルク(Strausberg)ら[138]に記載されている通りのポリメラーゼ連鎖反応を使用してサブクローニングした。クローン化されたプロドメイン遺伝子の突然変異誘発を、オリゴヌクレオチド−誘導性(directed)in vitro突然変異誘発システム、バージョン2(アマシャムインターナショナル社(Amersham International plc))に従って実施した。
【実施例】
【0076】
実施例1
プロドメイン−誘導性(directed)プロセッシングの実現可能性を実証するために、連鎖球菌プロテインGの56アミノ酸Bドメイン(GB)のN末端上にpR8プロドメインの融合体の合成を導くように、遺伝子を構築した。pR8中に2つのアミノ酸欠損を生じているSGIKで置き換えられたアミノ酸残基16〜21(QTMSTM)の突然変異を有するプロドメインpR8(ただし、SはQ16を置き換え、GはT17を置き換え、M18IはS19およびT20を置き換え、「K」はM21を置き換える;さらに置換A23C、K27Q、V37L、Q40C、H72K、およびH75Kを伴う)は、独立して安定であり、野生型プロドメインよりも約100倍高い親和性でズブチリシンに結合する。さらに、pR8は、したがって、ズブチリシン切断部位を特定する同種配列になる。
【0077】
融合タンパク質(1μM)を、1μMの野生型ズブチリシンと混合した。融合タンパク質は、急速かつ特異的に切断され、pR8からGBを放出した。これらの結果から、以下を含めたいくつかの関連する見解が得られた:1)プロセッシングは、サイクルの最後のpR8による強力な生産物阻害を伴う単一のターンオーバー反応である;2)切断の単一のサイクルの速度は、基質結合速度(1e6-1-1)によって制限される;また3)GBは、ズブチリシン活性をかなり妨げるので、プロセッシングは非常に特異的である。
【0078】
実施例2
非同種配列に対してズブチリシン活性を低下させる突然変異
pR8を使用して、その内部およびそれ自体の切断を導くことは、非同種配列に対するズブチリシンの高い活性のため、最適なプロセッシングシステムをもたらさない。次のステップは、非同種配列に対してより活性でないズブチリシンを設計することであった。プロセッシングズブチリシンを設計するための出発点は、S149と表される変異体であった:(Q2K、S3C、P5S、K43N、A73L、75〜83、E156S、G166S、G169A、S188P、Q206C、N212G、K217L、N218S、T254A、およびQ271E)。S149は、プロドメインの高い安定性および独立に折り畳める能力に対して設計された。これらの特性は、絶対的ではないが、プロセッシング酵素では非常に所望される。
【0079】
第1に、S4ポケットを拡張するために、突然変異G128SおよびY104Aを、S149に導入した(S160と表される)[48、51]。S149およびS160の触媒特性を、過渡状態の動力学的方法(transient state kinetic method)を用いて、2つの蛍光発生基質、すなわちsDVRAF−AMCおよびsDFRAM−AMCに対して分析した。P1位置でのMに対するF以上の既存の選好性を伴うS160における拡大されたS4ポケットは、sDVRAF−AMC(Ks=83μM)に対するsDFRAM−AMC(Ks=0.8μM)の100倍の選好性をもたらした。それに比べて、S149は、sDVRAF−AMC(Ks=5μM)の5倍、sDFRAM−AMC(Ks=1μM)が好ましい。このように、修飾されたズブチリシンは、同種配列に対する選好性を増大するために設計されてもよい。
【0080】
実施例3
pR8の修飾形は、その最後の4つのアミノ酸(AHAY)をFRAMで置き換えて構築した(pR58と表される)。pR58は、約30pMのKiでS160を阻害する。GBドメインへのpR58のN末端融合物は、非常に好ましいペンタペプチド基質sDFRAM−AMCよりも少なくとも1e5−倍のpM範囲の基質親和性(Ks)でS160と結合することが判明した。本質的に、プロドメイン構造は、P1およびP4配列シグナルの増幅因子として作用する。加水分解は、強力な生産物阻害による単一のターンオーバーに限定される。生産物阻害は、基質と生成物との間の構造的な類似点のため、特異的切断を導くための高い基質親和性を使用する際には回避するのが困難である。したがって、本発明者らは、この特性を取り除こうとはしない。後述する通り、単一のターンオーバー反応は、このシステムをタンパク質精製に適用する際に利用できる。
【0081】
S166Gを用いるS160の修飾されたバージョンもまた、構築された(S193と表される)。この変異体は、それぞれ、P4およびP1アミノ酸としてFおよびYを好む。
【0082】
非同種配列に関連するpR58−融合物へのS160の優先的な結合は、非常に特異的な切断をもたらすことはない。この理由は、単一の触媒回路に対する以下の機構を考えることによって認識することができる:
【化2】

生成物dP/dtの放出の速度=k21[S]/(k1[S]+k-1+k2)。
【0083】
S160とsDFRAM−AMCの反応では、基質解離(substrate off)速度(k-1)は、100s-1のアシル化速度(k2)と比較して約10s-1である。pR58−GBの反応では、アシル化速度は、同様であるが、k-1は、5桁小さい(1x10-4-1)。速度式の分母におけるk2項は、いずれの場合においても、k-1項より10倍以上大きいが、したがって、k-1は、生成物形成の観察される速度に対してほとんど影響を与えない。しかし、アシル化速度が十分に遅く、酵素と基質の間の平衡が近似される場合、基質親和性は、ますます重要になるであろう。k2を遅らせることは、触媒アミノ酸(S190中のD32)、(S194中のS221)およびオキシアニオンホールアミノ酸(S188中のN155)中の突然変異を用いて達成された(図3中の表1を参照のこと)。
【0084】
活性部位求核部位(nucleophile)S221Aにおける突然変異。
S160における活性部位セリン求核部位(nucleophile)の突然変異は、10pMの親和性でpR58融合タンパク質と結合する変異体(S194)をもたらす。S194は、結合の速度は速い(約1x106-1-1)が、非常にゆっくりと(<100hr-1)融合タンパク質を切断する。しかし、この変異体は、切断されていない融合タンパク質のアフィニティ精製のために有用である。
【0085】
オキシアニオンホールにおける突然変異:N155L、N155Q
遷移状態のオキシアニオンを安定させる水素結合の除去は、アシル化反応(k2)の速度を約1000分の1に低下させる。N155(S188およびS191)変異体によるpR58−GB融合タンパク質のプロセッシングは、遅い、単一のターンオーバー反応である。切断の単一のラウンドの後、pR58は、酵素にしっかりと結合されたままである。前述したように、k2のこの低下は、差別的な基質結合に基づく大きな程度の配列識別をもたらす。
【0086】
Asp−His対における突然変異:アニオンスイッチの作成
特に有用なものは、D32の突然変異であった。D32の水素のカルボキシレートは、触媒的なH64と結合し、アシル化の間、最初に一般的な塩基、その後一般的な酸として作用できるようになる。トリプシンにおける触媒Aspの突然変異は、中性のpH周辺での活性の急激な減少、ただし、明らかにpH 10を超えると、強く水酸化物に依存する他の機構をもたらした[196、197]。結合ステップと、それに続く化学的に誘発される切断ステップからなる2つの段階の反応をもたらす潜在能力によって、D32での突然変異への集中がもたらされた。結果的に、D32は、S160およびS193において、A、S、V、GおよびTに突然変異した。D32変異体の配列特異性は、sFRAM−AMCに対してkcat/Km 10M−1-1で極めて高い。プロ配列(pro−sequence)のP4残基がAからFに変異していない限り、高い特異性はまた、それがpR8−GBを処理するできないこと、またそれが生体内で自己処理できないことによって明らかにされた。
【0087】
融合タンパク質pR58−GB切断の速度を、表2に示す。
【0088】
【表2】

【0089】
実施例4
特に好都合なものは、活性が必要に応じて誘発されるプロセッシングプロテアーゼである。トリガーとして有用であるイオンは、OH−(pH)、Cl−、およびF−である。これらの表は、特異的なアニオンの機能としての様々なD32変異体の切断速度をまとめて示す。
【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
【表5】

【0093】
図4に示す通り、活性化の速度は、イオンの濃度と比例する。したがって、S189は、必要に応じて切断速度を増大させるトリガーであり得、精製プロセスに必要とされる場合、これは非常に好都合であり得る。一旦、融合タンパク質が、ズブチリシン変異体に結合されて、結合複合体が形成されると、標的タンパク質は、活性化イオン溶液の導入を用いるズブチリシン変異体の活性化によって、プロドメインタンパク質から切断することができる。
【0094】
実施例5
プロドメインの切り詰め
ズブチリシンのプロドメインは、プロセッシングプロテアーゼとの最適化された結合のために選択されたかなり短い同種配列で置き換えることができる。プロドメインのC末端部分のみのバリエーションを含むアミノ酸(E E D K L(F/Y)Q S(M/L/Y)を、同種配列として使用できる。例えば、一旦、9アミノ酸のC末端尾部が加えられると、ズブチリシンに対する天然の親和性を持たない、連鎖球菌(Streptoccoccal)プロテインGのIgG結合ドメインが、マイクロモル以下の解離定数でS194に結合することが示されている。
【0095】
実施例6
アフィニティ精製およびプロセッシングのためのプロセッシングズブチリシンの固定 プロセッシングズブチリシンの結合および触媒特性によって、それらが、pR58配列を用いて標識されるタンパク質の精製のためのアフィニティーマトリックスおよびプロセッシングプロテアーゼとして使用できるようになる。この点を実証するために、S189は、クロマトグラフィ樹脂上に固定された。
【0096】
pR58−GBを含有する大腸菌細胞溶解物を、固定されたS189を含有するマトリックスに通過させた。融合タンパク質は、S189マトリックスと速やかに結合したのに対して、不純物は、図5に示す通りのマトリックスを通して洗浄された。結合した融合タンパク質の切断は、誘発アニオン(例えば10mM KF)の付加によって、あるいは図6に示す通りの長時間インキュベーション(例えばpH 7.2で18時間)によって、その後実施された。切断後、純粋な、プロセッシングされたタンパク質が、マトリックスから洗浄されるのに対して、同種のプロドメインは、マトリックス上のズブチリシンにしっかりと結合されたままである。複数のラウンドの精製は、pH 2.1でS189カラムからpR58を取り除き、中性のpHでカラムを再平衡化させることによって、行うことができる。プロセッシングズブチリシン(Processing Subtilisin)の表1(図3)中に列挙したものなどの安定性が高く容易に折り畳まれる変異体が、カラム再循環のために必要とされる。
【0097】
ズブチリシンS189またはS190と、融合タンパク質を複合体形成させることによって、以下を含めた、pR58および標的タンパク質を含む8つの異なる融合タンパク質が、精製され、好収率で回収された。
【0098】
【表6】

【0099】
図7に示す通り、連鎖球菌プロテインGBドメインに連結されたpR58(pR8FRAM)を含む融合タンパク質を、S189とS190の両方が固定された床上で、複合体形成させ、分離させた。レーン3および4は、異なる分子量の複数の成分が、このシステムを介して洗浄されることを示す。十分なインキュベーション期間の後は、放出(output)の画分はプロテインGに限定され、レーン10で同定されるプロテインGの分子量に対する、レーン5、6、7、および8に示される分子量画分によって表される。
【0100】
βサブユニットウシトランスデューシン(350aa)の精製の結果は、図8に示される。標的タンパク質は、レーン4〜9に示される溶離による徴候として、ズブチリシンS189の活性によって、プロドメインタンパク質と標的タンパク質との間の結合を切断するのに十分な時間の後、カラムから溶出される。
【0101】
CDC6(379aa)の精製の結果は、図9に示される。好熱性メタン生成古細菌(M.thermautotrophicus)CDC6に連結されたpR58(pR8FRAM)を含む融合タンパク質を、S189が固定された床上で複合体形成させ、分離させた。レーン2は、異なる分子量の複数の成分が、分離の期間の初期にこのシステムを介して洗浄されることを示す。十分なインキュベーション期間の後は、レーン4〜8に示される分子量画分によって証明される通り、放出の画分は、CDC6に限定される。
【0102】
図10AおよびBは、S189AL_10カラム上で精製され、そこから回収される、(a)プロテインG311および(b)プロテインA219の15N HSQCスペクトルを示す。2つのタンパク質は、配列において、59%同一であるが、異なるタンパク質折り畳みを示す。
【0103】
実施例7
さらなる精製実験は、pR58(pR8FRAM)に連結された56アミノ酸の連鎖球菌(Streptococcal)プロテインGBドメイン上で行われた。そこでは、671融合タンパク質(pR58FKAM−GB)が精製され、0.1M KFの連続注入によって、S189 HiTrap NHSカラム上で分離され、変異体ズブチリシンがフッ化物イオンにより誘発された場合の、標的タンパク質の放出の有効性が実証された。図11は、融合タンパク質が、通常の手順の通りに結合され、洗浄された場合の結果を示す。図12は、フッ化物イオンが、結合された融合タンパク質と接触して、標的タンパク質を放出し、その結果、それがカラムから洗い落とされ、それが濃縮されるので、0.1ml/minで注入された100mMフッ化カリウムの付加が、迅速な切断を引き起こすことを示す。図13は、通常の手順の通りの0.1M H3PO4中のカラムからのプロドメイン(pR58)の除去を示す。これらの結果は、標的タンパク質の放出を、変異体ズブチリシンのプロテアーゼ活性を誘発するためのトリガー(OH−(pH)、Cl−、およびF)としてのある種のイオンの使用によって調整できることを示す。
【0104】
図14は、S189が固定された床上での連鎖球菌プロテインGBドメインに連結されるpR58(pR8FRAM)を含む融合タンパク質の分離を示す。レーン1は、分子量標準である。レーン2および4は、このシステムを介して洗浄される通りの、異なる分子量の多数の成分を示す。0.1M KFの付加の後は、放出の画分は、レーン5および6に示される分子量画分によって表される、プロテインGBに限定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0105】
参考文献
ここで引用されたすべての参考文献は、あらゆる目的のために参照として本明細書に組み入れられる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
融合タンパク質をコードする核酸構築物であって、
プロドメインタンパク質のコード配列に作動可能に連結された目的タンパク質のコード配列を含み、該プロドメインタンパク質は、対応するプロテアーゼまたはその変異体に対する親和性が増大されている目的タンパク質、核酸構築物。
【請求項2】
前記対応するプロテアーゼが、ズブチリシンまたはその変異体である、請求項1に記載の核酸構築物。
【請求項3】
前記プロドメインタンパク質が、ズブチリシンまたはその変異体に対する結合親和性を増大させるアミノ酸配列をさらに含む、請求項2に記載の核酸構築物。
【請求項4】
前記プロドメインタンパク質が、P4についてはアミノ酸残基FまたはY、P3については任意のアミノ酸残基、P2についてはAまたはS、P1についてはM、F、Y、H、またはLの置き換えを含む、P1〜P4アミノ酸配列に対する置換配列を含む、請求項1に記載の核酸構築物。
【請求項5】
前記プロドメインタンパク質が、ズブチリシンのプロドメインである、請求項2に記載の核酸構築物。
【請求項6】
前記プロドメインタンパク質が、C末端の末端で、P4についてはアミノ酸残基FまたはY、P3については任意のアミノ酸残基、P2についてはAまたはS、P1についてはM、F、Y、H、またはLの置き換えを含む、請求項5に記載の核酸構築物。
【請求項7】
プロドメインタンパク質に作動可能に連結された標的タンパク質を含む融合タンパク質であって、該プロドメインタンパク質はズブチリシンまたはその変異体に対して増大された親和性を示すように修飾されている、融合タンパク質。
【請求項8】
前記プロドメインタンパク質が、ズブチリシンプロドメインタンパク質である、請求項7に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記ズブチリシンプロドメインタンパク質が、P1からP4アミノ酸を置き換えるFKAMのアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記プロドメインタンパク質が、同種の配列として使用されるアミノ酸残基E E D K L (F/Y) Q S (M/L/Y)のバリエーションを含む、請求項7に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
前記標的タンパク質が、ブドウ球菌プロテインABドメイン;プロテインAB変異体A219;連鎖球菌プロテインGBドメイン;連鎖球菌プロテインGaドメイン;プロテインGB変異体G311;大腸菌仮想Yab;ウシトランスデューシンのa−サブユニット;好熱性メタン生成古細菌(M.thermautotrophicus)CDC6;ストレプトアビジン;アビジン;Taqポリメラーゼ;アルカリホスファターゼ;RNアーゼ;DNアーゼ;制限酵素;ペルオキシダーゼ;エンド−1,4−βグルカナーゼ;エンド−1,3−β−グルカナーゼ;キチナーゼ;βおよびαグルコシダーゼ;βおよびαグルコロニダーゼ(glucoronidase);アミラーゼ;グルコシル−トランスフェラーゼ;ホスホ−トランスフェラーゼ;クロラムフェニコール−アセチル−トランスフェラーゼ;β−ラクタマーゼ;ルシフェラーゼ;エステラーゼ;リパーゼ;プロテアーゼ;バクテリオシン(bacteriocine);抗生物質;酵素阻害剤;成長因子;ホルモン;受容体;膜タンパク質;核タンパク質;転写因子;翻訳因子;または核酸修飾酵素である、請求項7に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
ズブチリシン結合融合タンパク質の生産方法であって、
ズブチリシンまたはその変異体と高い親和性で結合するように修飾されたプロドメインタンパク質と、目的とする第2のタンパク質とを含む融合タンパク質をコードする核酸構築物を供給する工程;
前記核酸構築物を用いて宿主細胞を形質転換する工程;および
融合タンパク質の発現のための適切な条件下で、形質転換された宿主細胞を培養する工程を含む方法。
【請求項14】
前記プロドメインタンパク質が、ズブチリシンのプロドメインである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プロドメインタンパク質が、P4からP1アミノ酸を、アミノ酸配列FKAM、FKAY、またはFKAFで置き換えることによって修飾されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記目的とする第2のタンパク質が、ブドウ球菌プロテインABドメイン;プロテインAB変異体A219;連鎖球菌プロテインGBドメイン;連鎖球菌プロテインGaドメイン;プロテインGB変異体G311;大腸菌仮想Yab;ウシトランスデューシンのa−サブユニット;好熱性メタン生成古細菌(M.thermautotrophicus)CDC6;ストレプトアビジン;アビジン;Taqポリメラーゼ;アルカリホスファターゼ;RNアーゼ;DNアーゼ;制限酵素;ペルオキシダーゼ;エンド−1,4−βグルカナーゼ;エンド−1,3−β−グルカナーゼ;キチナーゼ;βおよびαグルコシダーゼ;βおよびαグルコロニダーゼ;アミラーゼ;グルコシル−トランスフェラーゼ;ホスホ−トランスフェラーゼ;クロラムフェニコール−アセチル−トランスフェラーゼ;β−ラクタマーゼ;ルシフェラーゼ;エステラーゼ;リパーゼ;プロテアーゼ;バクテリオシン;抗生物質;酵素阻害剤;成長因子;ホルモン;受容体;膜タンパク質;核タンパク質;転写因子;翻訳因子;または核酸修飾酵素である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記宿主細胞に、大腸菌、桿菌、サルモネラ、シュードモナス;サッカロミセスセレビシエ、ピキアパストリス、クルベロミセス(Kluveromyces)、カンジダ、シゾサッカロミセス由来の細胞;またはCHO細胞が含まれる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
融合タンパク質からの目的タンパク質の精製および分離のための方法であって、
目的タンパク質に連結されたプロドメインタンパク質を含む融合タンパク質を、ズブチリシンまたはその変異体と融合タンパク質のプロドメインタンパク質との間の結合複合体の形成に適した条件下で、有効量のズブチリシンまたはその変異体と接触させる工程;
ズブチリシンまたはその変異体が、目的タンパク質を結合複合体から切断するのに十分な時間、結合複合体をインキュベートする工程;および
目的タンパク質を回収する工程を含む方法。
【請求項19】
前記ズブチリシンが、プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質に特異的に結合するように修飾されている請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ズブチリシンが、突然変異Q2K、S3C、P5S、K43N、A73L、75〜83、E156S、G166S、G169A、S188P、Q206C、N212G、K217L、N218S、T254A、Q271E、Y104A、G128S、およびアミノ酸位置32、155、または221における少なくとも1つのさらなる突然変異を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記プロドメインタンパク質が、ズブチリシンプロドメインであり、かつP4からP1アミノ酸を、アミノ酸配列FKAM、FKAYまたはFKAFで置き換えることによって修飾される請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記目的タンパク質が、ブドウ球菌プロテインABドメイン;プロテインAB変異体A219;連鎖球菌プロテインGBドメイン;連鎖球菌プロテインGaドメイン;プロテインGB変異体G311;大腸菌仮想Yab;ウシトランスデューシンのa−サブユニット;好熱性メタン生成古細菌(M.thermautotrophicus)CDC6;ストレプトアビジン;アビジン;Taqポリメラーゼ;アルカリホスファターゼ;RNアーゼ;DNアーゼ;制限酵素;ペルオキシダーゼ;エンド−1,4−βグルカナーゼ;エンド−1,3−β−グルカナーゼ;キチナーゼ;βおよびαグルコシダーゼ;βおよびαグルコロニダーゼ;アミラーゼ;グルコシル−トランスフェラーゼ;ホスホ−トランスフェラーゼ;クロラムフェニコール−アセチル−トランスフェラーゼ;β−ラクタマーゼ;ルシフェラーゼ;エステラーゼ;リパーゼ;プロテアーゼ;バクテリオシン;抗生物質;酵素阻害剤;成長因子;ホルモン;受容体;膜タンパク質;核タンパク質;転写因子;翻訳因子;または核酸修飾酵素である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ズブチリシンが、固相マトリックス上に固定されている、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ズブチリシンのプロドメインが、ズブチリシンへの結合親和性が109-1超に増大するように変異されている、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記ズブチリシンが、突然変異Q2K、S3C、P5S、K43N、A73L、75〜83、E156S、G169A、S188P、Q206C、N212G、K217L、N218S、T254A、Q271E、Y104A、G128S、およびアミノ酸位置32または221における少なくとも1つのさらなる突然変異を含む請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記ズブチリシンが、S189、S190、S194、S196、S197、またはS198である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記ズブチリシンが、S199、S201、またはS202である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
試験サンプル中における目的物質の存在を検出するための分析方法であって、
(a)十分な量のプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質と共に、目的物質を含有する可能性のある試験サンプルをインキュベートする工程
(ただし、該プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質は、
(i)高い親和性でズブチリシンまたはその変異体と結合できるプロテアーゼプロドメイン、および
(ii)目的物質の第2のタンパク質への結合を可能にするインキュベーションの条件下で、目的物質を結合できる第2のタンパク質を含む);
(b)ズブチリシンまたはその変異体(ただし、ズブチリシンまたはその変異体は、前記融合タンパク質と結合するのに有効な量で溶解しているか、固相上に固定されている)に、工程(a)で使用されたプロテアーゼプロドメイン融合タンパク質を接触させて、ズブチリシン/プロドメイン融合タンパク質結合複合体を形成する工程;
(c)ズブチリシンまたはその変異体が、前記結合複合体から第2のタンパク質を切断するのに十分な時間、前記ズブチリシン/プロドメイン融合タンパク質結合複合体をインキュベートする工程;
(d)前記目的物質と結合した第2のタンパク質を回収する工程を含む方法。
【請求項29】
前記目的物質に結合できる検出可能な標識を導入する工程;および
標識の有無を決定して、試験サンプル中における目的物質の有無の指標を提供する工程をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記結合複合体から第2のタンパク質を分離するより前、または前記第2のタンパク質を回収した後に、前記検出可能な標識が導入される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記試験サンプルが、血液、尿、精液、唾液、粘液、涙、または膣分泌物である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記目的物質が、抗体である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のタンパク質が、前記抗体に対して親和性を有する抗原性受容体である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記目的物質が、抗原である請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記第2のタンパク質が、前記抗体に対して親和性を有する抗体である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ズブチリシンが、プロテアーゼプロドメイン融合タンパク質と特異的に結合するように修飾されている、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記ズブチリシンが、突然変異Q2K、S3C、P5S、K43N、A73L、75〜83、E156S、G166S、G169A、S188P、Q206C、N212G、K217L、N218S、T254A、Q271E、Y104A、G128S、およびアミノ酸位置32、155または221における少なくとも1つのさらなる突然変異を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記プロテアーゼプロドメインタンパク質が、ズブチリシンプロドメインであり、かつP4からP1アミノ酸を、アミノ酸配列FKAM、FKAY、またはFKAFで置き換えることによって修飾されている、請求項28に記載の方法。
【請求項39】
目的薬物が結合されて融合生成物を形成したズブチリシンプロドメインタンパク質を含む薬物送達システムであって、
前記融合生成物は、ズブチリシンまたはその変異体とさらに複合体形成して薬物送達複合体を形成している、薬物送達システム。
【請求項40】
前記目的薬物が、直接またはリンカー部分を介して、ズブチリシンプロドメインタンパク質にコンジュゲートされている、請求項39に記載の薬物送達システム。
【請求項41】
前記目的薬物が、薬物送達複合体からゆっくりと放出される、請求項39に記載の薬物送達システム。
【請求項42】
前記薬物送達生成物が、組成物中に含まれており、非経口的に、経口的に、局所的に、または吸入により投与される、請求項41に記載の薬物送達システム。
【請求項43】
前記組成物が、固体、ゲル、液体、またはエアロゾルを含む、請求項41に記載の薬物送達システム。
【請求項44】
前記ズブチリシンが、突然変異Q2K、S3C、P5S、K43N、A73L、75〜83、E156S、G166S、G169A、S188P、Q206C、N212G、K217L、N218S、T254A、Q271E、Y104A、G128S、およびアミノ酸位置32、155、または221における少なくとも1つのさらなる突然変異を含む、請求項41に記載の薬物送達システム。
【請求項45】
前記ズブチリシンプロドメインタンパク質が、P4からP1アミノ酸残基を、アミノ酸配列FKAM、FKAY、またはFKAFで置き換えることにより修飾されている、請求項41に記載の薬物送達システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−50459(P2012−50459A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−242419(P2011−242419)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【分割の表示】特願2006−522560(P2006−522560)の分割
【原出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(504067859)ユニバーシティー オブ メリーランド バイオテクノロジー インスティテュート (3)
【Fターム(参考)】