説明

血液サンプルの有核赤血球の光学測定のリファレンスコントロール

リファレンスコントロール組成物、及び使用方法が、有核赤血球の測定のために開示され、これは、水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する合成球状粒子の1つのセットを含む。当該合成球状粒子は、光学測定により測定される場合有核摂家急の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。当該リファレンスコントロール組成物は、更に、白血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する合成球状粒子の第二セットを含んでよい。更なる開示は、それぞれ、特定の細胞成熟度を有する有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する1種類の合成球状粒子量を有する一連のリファレンスコントロール組成物を含む、リファレンスコントロールシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液サンプルの有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロール組成物に関する。より具体的には、当該リファレンスコントロール組成物は、光学測定により測定される場合有核赤血球をシミュレートする光学特性を有する合成球状粒子を含んで成る。
【0002】
本願は、その全体における参考例として本明細書に組み入れられている、2003年10月2日に出願された仮特許出願第60/508,161号の35 USC 119(e)の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
フローサイトメトリー機器は、一般的に、フォーカスされたフローセルを通過する粒子の分析のための光学シグナルに依存する。通常、較正、及び/又は機器の操作状態を確認するためのリファレンスコントロール製品の分析は、正確且つ信頼のあるアッセイ結果を保証するために、粒子の分析を行う前に必要とされる。
【0004】
クオリティーコントロールは、臨床的な血液学において、長い間必要とされ、そして慣習的な手順であった。多様な種類の血球の計数における精度は、部分的に、適当なコントロール製品の使用、及び当該コントロール製品の使用方法に依存する。機器の誤動作の可能性が存在することから、現在入手可能な多くの種類の粒子計数用の機器でコントロール製品の使用のために、クオリティーコントロールが必要とされる。
【0005】
自動粒子計数機器のためのクオリティーコントロールプログラムを維持する伝統的な方法は、全血液スタンダードとして新鮮なヒトの血液を供することから成っている。しかしながら、当該新鮮な血液は1日しか使用可能ではなく、このため製品のより長い有効期間を有する、多様な製造されたコントロール製品が開発されてきた。
【0006】
コントロール製品において一般的に使用される粒子は、分析を行うことが意図される粒子又は細胞の種類をシミュレート又は近似する。結果的に、これらの粒子は類似粒子として、しばしば適用されてきた。これらの類似粒子は、機器において分析されるこれらの粒子又は細胞に類似する特定の特性を有するように選択又は作製されるべきである。代表的な特性及びパラメーターは、大きさ、容積、表面特性、粒度特性、光散乱特性、及び蛍光特性における類似性を含む。
【0007】
現在、ヒト血液細胞の類似物として多様な処理又は固定されたヒト又は動物血液細胞を使用する多様な商業的リファレンスコントロール製品が入手可能である。米国特許第5,512,485号(Young, et al)は、処理及び固定された動物赤血球から作製された、いくつかの白血球類似体を含んで成る血液学的なコントロールを教示する。米国特許第6,187,590号及び第5,858,790号(Kim, et al)は、溶解及び固定されたトリ又はサカナ赤血球から作製された有核赤血球(NRBC)類似体を含んで成る血液学的なコントロールを教示する。米国特許第6,406,915号、第6,403,377号、第6,399,388号、第6,221,668号、及び6,200,500号(Ryan, et al)は、トリ血液細胞由来のNRBC類似体を含んで成る血液学的なコントロールを教示する。米国特許第6,448,085号(Wang, et al)は、ニワトリ血液由来の有核赤血球(NRBC)類似体及び有核赤血球を伴う固定ヒト血液を含んで成る血液学的なコントロールを教示する。これらの先行技術は、有核赤血球のステージングの測定を促進するためのコントロール物質の細胞サイズ、及び蛍光強度の測定を教示する。米国特許第6,653,137号、及び第6,723,563号(Ryan)は、爬虫類又はサカナ血球から細胞質を溶解させ、そして除去することにより作製される有核赤血球成分を含む血液学的なリファレンスコントロールの作製及び使用方法を教示する。
【0008】
コントロール目的のための血球類似体の使用に加えて、合成微粒子もまた、フローサイトメトリーのコントロール製品において使用されてきた。より具体的には、米国特許第6,074,879号(Zelmanovic, et al)は、粒子分析のためのフローサイトメトリー機器を較正及び標準化するための合成球状粒子を使用する方法を教示する。当該先行技術は、具体的に、アッセイされる粒子又は細胞の、本質的に再生産可能な平均粒径及び屈折率を有する粒子の使用を教示する。米国特許第6,521,729号(Zelmanovic, et al)は、更に、血液学的な較正、並びに約5〜5.5μmの平均粒径及び約1.4の屈折率の有するフッ素含有球状粒子を含んで成るリファレンスコントロールを開示する。
【0009】
一方、フローサイトメトリー機器における血液サンプル中の有核赤血球を測定するためのいくつかの検出方法が報告されている。米国特許第5,879,900号(Kim, et al)は、溶解条件下において血液サンプルの散乱光の2つの低角度及び蛍光シグナルを測定することによる有核赤血球を区別する方法を教示する。米国特許第5,874,310号及び第5,917,584号(Li, et al)は、溶解条件下において血液サンプルの光散乱シグナルの2つの角度を測定することによる有核赤血球を区別する方法を教示する。
【0010】
現在、先行技術により教示された有核赤血球のためのリファレンスコントロールは、有核赤血球類似粒子として、安定化された、処理された、又は固定された血球の使用に制限されている。コントロール製品のためのこれらの血球を製造するためのプロセスは、複雑で高価であることが知られており、類似粒子は、安定性が制限され、そしてロット間の多様性に影響される。
【0011】
このため、リファレンスコントロール組成物において、有核赤血球類似体として合成粒子を使用することが所望され、ここで当該合成粒子は、特定の反応及び検出条件下における有核赤血球個体群の特性をシミュレートする。
【発明の開示】
【0012】
ある態様において、本発明は、水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する1種類の合成球状粒子量を含んで成る有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロール組成物に関する。当該合成球状粒子は、光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。より具体的には、当該合成球状粒子は、約1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子である。当該光学測定は、低角度光散乱測定(low angle light scatter measurement) 及び軸上光損失測定(axial light loss measurement)、又は2つの低角度光散乱測定である。
【0013】
リファレンスコントロール組成物は、更に、白血球成分、赤血球成分、血小板成分、及び網状赤血球成分を含んで成ってよい。
【0014】
更なる態様において、本発明は、有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロールシステムに関する。当該リファレンスコントロールシステムは、一連のリファレンスコントロール組成物を含んで成り、そのそれぞれは、水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する1種類の合成球状粒子量を含んで成る。各種類の合成球状粒子は、特定の細胞成熟度を有する有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。
【0015】
他の態様において、本発明は、水性懸濁培地中で単分散される、約6μm〜約12μmの範囲の平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する合成球状粒子の2つのセットを含んで成るリファレンスコントロール組成物に関する。当該合成球状粒子の第一のセットは光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。当該合成球状粒子の第二のセットは、同じ条件下で白血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。当該合成球状粒子の第一のセットは約1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子であり、そして当該合成球状粒子の第二のセットは、ポリスチレン粒子、又はカルボキシル化ポリスチレン粒子であってよい。
【0016】
より更なる態様において、上記リファレンスコントロール組成物は、少なくとも2つの白血球亜集団の光学特性をシミュレートする光学特性を有する合成球状粒子の2つのセットを含んでよい。当該リファレンスコントロール組成物は、有核赤血球の測定、及び白血球亜集団の区別のために使用することができる。
【0017】
更なる観点において、本発明は、有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロールを使用する方法に関する。当該方法は:リファレンスコントロール組成物を、光学測定により有核赤血球を測定することができるフローサイトメトリー機器に供する工程であって、当該リファレンスコントロール組成物が、水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する1種類の合成球状粒子量を含んで成り;ここで当該合成球状粒子が光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する工程;光学分析によりフォーカスされたフローセル中のリファレンスコントロール組成物を分析する工程:及び当該リファレンスコントロール組成物の有核赤血球の数をレポートする工程を含んで成る。
【0018】
更に、上記リファレンスコントロール組成物は、白血球成分、赤血球成分、血小板成分、及び網状赤血球成分を含んで成ってよく;そして当該方法は更に、白血球、赤血球、血小板、及び網状赤血球を分析し、そしてレポートすることを含んで成ってよい。
【0019】
他の態様において、上記方法は、水性懸濁培地中で単分散される、約6μm〜約12μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する合成球状粒子の複数のセットを含んで成るリファレンスコントロール組成物であって、ここで当該合成球状粒子の第一のセットが光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有し、そして合成球状粒子の第二のセットが白血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する、リファレンスコントロール組成物を供する工程;当該光学測定によりフォーカスされたフローセル中のリファレンスコントロール組成物を分析する工程;及び当該リファレンスコントロール組成物の有核赤血球の数及び白血球の数をレポートする工程を含んで成る。
【0020】
発明の詳細な説明
ある態様において、本発明は、フローサイトメトリー機器において有核赤血球を測定するためのリファレンスコントロール組成物を供する。当該リファレンスコントロール組成物は、水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する1種類の合成球状粒子量を含んで成る。当該合成球状粒子は、光学測定により測定される場合、有核赤血球(NRBC)の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。当該リファレンスコントロール組成物は、光学測定による有核赤血球の測定のためのコントロールとして使用することができる。本明細書において、「1種類の合成球状粒子」のフレーズは、個々の粒子が同じ物質から作成され、そして、誤差範囲内において、同じ粒径及び屈折率を有することを意味する。
【0021】
更なる態様において、上記リファレンスコントロール組成物は、水性懸濁培地中で単分散される、約6μm〜約12μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する合成球状粒子の複数のセットを含んで成る。当該合成球状の第一のセットは、光学測定により測定される場合、血液溶解条件下において、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。当該合成球状粒子の第二のセットは、同じ条件下で白血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する。本明細書において、「合成球状粒子のセット」のフレーズは1種類の合成球状粒子量を意味し、ここで個々の粒子は誤差範囲内において、同じ粒径及び屈折率を有する。
【0022】
本発明の目的のための有核赤血球の測定のための光学測定は、(a)低角度光散乱測定及び軸上光損失測定、又は(b)2つの低角度光散乱測定であってよい。本明細書において使用される「低角度光散乱測定」のフレーズは、入射光から10°未満の角度における光散乱シグナルの測定を意味する。軸上光損失(Axial light loss)(ALL、前方吸光(forward extinction)としても知られる)は、一般的に、レーザー光線の前方に通過する粒子又は細胞により光エネルギーが損失することであり、光ダイオードにより検出される。当該光損失は、一般的に、散乱及び吸収が原因であり、そして光ビームを通して(一般的に、ALLは、約0°〜約1°の角度において検出される)粒子又は細胞の通過により光ビームの進路における検出器に達する光エネルギーが損失するものとして定義される。好ましい態様において、ALLシグナルは、入射光軸から約0.5°未満のサーキュラーエリアにおいて得られる。ALLは粒子サイズに強く影響される。
【0023】
血液サンプル中の有核赤血球の測定に使用される機器は、改変Coulter XLTM フローサイトメーターとした。当該実験のフローサイトメトリー機は、低角散乱光、例えば、1.9°、3.0°、3.7°、及び軸上光損失を含む、多様な角度において光散乱測定を可能にする光学検出器を装備した。フローセルの開口の寸法は250μm又は50μmとすることができる。血液サンプルを希釈し、そして赤血球を溶解するために等張性血液希釈液及び溶解試薬を使用した。
【0024】
実施例1は、記載された実験的なフローサイトメトリー機器を使用する、光学測定による血液溶解条件下における有核赤血球の測定例を示す。血液溶解条件下において、当該赤血球は溶解され、白血球及び有核赤血球の両方は、部分的に溶解し、これらの細胞容積は実質的に低下する。有核赤血球のサイズは、だいたいこれらの核の容積にまで低下する。
【0025】
図1Aは、100個の白血球あたり約5個のNRBCを含む臨床的な全ての血液サンプルから実施例1に記載の条件下で得られた4つの散乱ダイアグラムを示す。当該4つの散乱ダイアグラムは、それぞれ、ALL対1.9°、ALL対3.0°、ALL対3.7°、及び3.7°対3.0°の散乱ダイアグラムである。示されるように、有核赤血球は、対応する散乱ダイアグラムの特定の領域において、別々のクラスターとして現れた。このため散乱ダイアグラムの特定の領域は、NRBC領域と称される。異なる散乱ダイアグラムにおいて、当該NRBC領域は異なっていてよいことに注意する。図1Bは、通常の全ての血液サンプルから得られた対応する散乱ダイアグラムを示す。示されるように、対応するNRBC領域中に細胞群は見られない。
【0026】
ある代表的な態様において、6.44μmの平均粒径及び1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子は、上述の溶解条件下においてヒト有核赤血球の光学特性をシミュレートするために使用された。図2は、実施例2に記載された条件下において得られたポリスチレン粒子の散乱ダイアグラムを示す。示されるように、6.44μmのポリスチレン粒子は、上述の条件下において、ヒト有核赤血球のNRBC領域中に位置した。このため有核赤血球の光学特性をシミュレートする当該合成粒子はまた、今後、NRBC類似体と称される。本明細書で言及される合成粒子の特定のサイズは、平均粒径であることに注意する。
【0027】
他の例として、6.44μmの平均粒径及び1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子は、反応条件下及び上述の測定において、白血球(WBC)をシミュレートするために使用された。図3は、実施例2に記載の条件下において得られた7.22μmのポリスチレン粒子の散乱ダイアグラムを示す。示されるように、7.22μmのポリスチレン粒子は、NRBC領域の外に位置したが、上述の条件下においてヒト白血球と同じ領域に現れた。
【0028】
更なる例において、10.9μmの平均粒径及び1.60の屈折率を有する濃青色のカルボキシル化ポリスチレン粒子もまた、上述の条件下において白血球をシミュレートするために使用された。
【0029】
白血球の光学特性をシミュレートするために、又は言い換えれば白血球類似体として機能するために、上記合成粒子が定められたNRBC領域とオーバーラップしない限り、合成粒子は散乱ダイアグラムの広範な範囲に局在してよい。好ましくは、白血球類似体は、1つの主な白血球亜集団、例えば、顆粒球又はリンパ球に類似する光学特性を有する。
【0030】
より更なる態様において、リファレンスコントロール組成物は更に、上記条件下にいて2つの異なる白血球亜集団、例えば、リンパ球及び顆粒急の光学特性をシミュレートする合成球状粒子の2つのセットを含んで成ってよい。当該リファレンスコントロール組成物は有核赤血球のシミュレーション測定、及び白血球亜集団の区別のために使用することができる。
【0031】
あるいは、また、WBC類似体は、溶解条件下において白血球の光学特性をシミュレートする細胞粒子から作製してもよい。細胞粒子から作成されるWBC類似体の適当な例は、当業界において既知な安定化哺乳類白血球、及び処理及び/又は固定されたヒト及び動物赤血球を含む。
【0032】
他の態様において、本発明は、有核赤血球及び白血球、並びに水性懸濁培地中で分散される赤血球成分及び血小板成分の光学特性をシミュレートする上述の合成球状粒子を含んで成るリファレンスコントロール組成物を供する。
【0033】
上記赤血球成分は、安定化哺乳類赤血球、好ましくは安定化ヒト赤血球であってよい。当該赤血球成分の作製プロセスは、米国特許第4,704,364号に詳細に記載されており、本明細書においてその全体における参考例として組み入れられている。上記血小板成分は、安定化ヒト又は動物血小板、又は他の細胞種類から作製された血小板類似体であってよい。1つの適当な例は、米国特許第4,704,364号に記載されている血小板類似体としての処理ヤギ赤血球であり、その全体において参考例として本明細書に組み入れられている。
【0034】
血液サンプルの赤血球、及びリファレンスコントロール組成物中の安定化ヒト赤血球は、溶解条件下において溶解され、そして有核赤血球及び白血球の測定において検出されるべきではない。溶解条件下において、血液サンプルの血小板は、実質的にサイズが減少し、そしてこれらは有核赤血球の測定の検出限界以下である。上述の血小板類似体は、溶解条件下において血小板応答をシミュレートする。このため、リファレンスコントロール組成物中の赤血球及び血小板の存在は、溶解試薬に対するコントロール組成物の応答、並びに機器における反応条件に影響する。このため、赤血球及び血小板成分を含むリファレンスコントロール組成物は、機器の作動状態に関する更なる情報を供することができる。
【0035】
実施例3は、赤血球及び血小板成分と一緒に、上述の合成球状粒子のリファレンスコントロール組成物への組み込みを説明する。図4は、上述の6.44μmのポリスチレン及び10.9μmのカルボキシル化ポリスチレン粒子を含んで成るリファレンスコントロール組成物が、水性懸濁培地中の安定化ヒト赤血球及びヤギ赤血球から作製された血小板類似体と一緒に懸濁されたことを示す。合成粒子が安定化赤血球及び血小板類似体の存在下における懸濁培地中で懸濁された場合、類似体粒子の凝集は観察されなかった。更に、散乱ダイアグラム中の位置において僅かなシフトが認められたが、個々の合成粒子の光学特性の有意な変化は観察されなかった。
【0036】
NRBC類似体と白血球類似体間で得られた割合は、100個のWBCあたりのNRBCの数をレポートするために使用することができ、これは臨床実験室における血液サンプル中の有核赤血球をレポートするために使用されるものと同じ単位である。図5は、0%〜約50%のNRBCの範囲における機器及び理論値によりレポートされた100個のWBCあたりのNRBCの相関を示す。本明細書において使用されるNRBCのパーセンテージは100個のWBCあたりのNRBCの数を意味することに注意する。示されるように、当該機器から得られた結果は、理論値に対して直線的な相関を有した。
【0037】
上述のリファレンスコントロール組成物が、有核赤血球の光学測定を行う血液学的アナライザーにおいて慣習的に使用される場合、特定の散乱ダイアグラムにおけるこれらの予定された位置におけるNRBC及び/又はWBC類似体の偏差、又は既知のリファレンス値に対するカウント比の変化は、不適当な機器の作動状態を指摘することができる。
【0038】
更なる態様において、本発明は、異なる成熟度を有する有核赤血球をシミュレートするリファレンスコントロールシステムを供する。ヒト有核赤血球はこれらの成熟状態に依存して異なるサイズを有することが知られている。一般的に、有核赤血球の核がより大きければ、当該細胞はより成熟している。更に、同じ臨床的な血液サンプル中で、異なる成熟度を有する有核赤血球を観察することができる。これにより、有核赤血球の成熟状態を更に刺激するリファレンスコントロールシステムを有することが望ましい。
【0039】
ある態様において、リファレンスコントロールシステムは、一連のリファレンスコントロール組成物を供し、それぞれは、一定の成熟度を伴うヒト有核赤血球の光学特性をシミュレートする僅かに異なる有核赤血球類似体のセットを含む。ある態様において、僅かに異なる粒子サイズであるが、1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子は、リファレンスコントロールシステムのNRBC類似体として使用することができる。当該リファレンスコントロールシステムは、キット形態においてパッケージングされていてよく、ここで各組成物は、分離バイアル中にパッケージングされている。
【0040】
本発明は、光学測定により測定される場合、有核赤血球をシミュレートするために合成粒子を利用する第一のリファレンスコントロール組成物を供する。赤血球類似体として合成球状粒子を使用することは、いくつかの利点を有する。当該製造プロセスは、複雑なNRBC類似体の調製プロセス、例えば、血球が類似体の製造のために使用される場合に必要とされるようなプロセスを必要としないためにより簡単とすることができる。その化学的不活性により、合成球状粒子は細胞作製型類似体よりも安定性を有する。
【0041】
先行技術と異なる上述の合成粒子、NRBC類似体、又はWBC類似体は、溶解条件下において、実質的に対応するヒト有核赤血球又は白血球と異なるサイズを有することが発見された。より具体的には、NRBC類似体粒子の平均粒径は6.2μm〜約6.8μmであり、一方上述の溶解条件下におけるヒト赤血球の細胞の粒径は、わずかに約3.9μm〜約4.7μmの範囲である。溶解条件下におけるヒト有核赤血球のサイズ測定は、その全体における参考例により本明細書に組み入れられている米国特許第6,410,330号に記載されているように、実験的な血液学的機器において、DCインピーダンス測定により独立に行われた。更に、白血球の屈折率は典型的には、約1.37〜約1.40である。本発明においてWBC類似体として使用されるポリスチレン及びカルボキシル化ポリスチレン粒子は、実質的にシミュレートされる天然の白血球のものよりも高い屈折率を有する。
【0042】
当該発見された特性は、合成粒子の選択に関して考慮すべき柔軟性を供し、そして実質的に先行技術が教示するような特定の検出条件下において血球特性をシミュレートするための粒子サイズにおける制限を減少させることから、極めて重要である。
【0043】
以下の実施例は、本発明の例示であり、如何なる場合も、特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲を制限するものとして解釈されない。
【実施例】
【0044】
実施例1
赤血球の溶解及び有核赤血球の分析のための活性成分を含む水溶液である、実験の溶解試薬を調製した:25.0g/Lのテトラデシルトリメチルアンモニウム・ブロミド、15.0g/LのIgepal SS−837(エトキシル化フェノール、Rhone-Poulenc, Cranbury, New Jersey 由来)、及び4.0g/LのPlurofac A38 prill 界面活性剤活性剤(エトキシル化アルコール, BASF Corp., Florham Park, New Jersey 由来)。
【0045】
34μlの全血液サンプルを850μLの等張性血液希釈剤のイソトン(Isotone)(登録商標) III (Beckman Coulter, Inc., Miami, Florida)で希釈し、それから145μlの上述の溶解試薬組成物と混合させた。当該サンプル混合物を、1.9°±0.5°、3.0°±0.5°、及び3.7°±0.5°、並びに軸上光損失(0°±0.5°)を含む多様な角度において散乱光シグナルの検出を可能にする光学検出器を装備した改変Coulter XL フローサイトメーター(Beckman Coulter, Inc., Miami, Florida)である実験的なフローサイトメトリー機器により吸引した。当該サンプル混合物は50μmのフォーカスされたフローセルを通して吸引された。光学検出器により、フローセルを通る各血球を測定した。
【0046】
図1Aは、100個の白血球あたり約5個のNRBCを含む臨床的な全血液サンプルの、得られた多様な散乱ダイアグラムを示す。示されるように、有核赤血球は、それぞれ、ALL対1.9°、ALL対3.0°、ALL対3.7°、及び3.7°対3.0°の散乱ダイアグラムの特定の領域に別々のクラスターとして現れた。
【0047】
図1Bは、同じ条件下において得られる正常な血液サンプルの対応する散乱ダイアグラムを示す。対応するNRBC領域に個体群は見られなかった。
【0048】
実施例2
1.59の屈折率、それぞれ6.44μm及び7.22μmの平均直径を有するポリスチレンの2つのセットは、それぞれ非イオン性の界面活性剤であるツイーン(Tween)(登録商標)20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、JT Baker, Phillipsburg, New Jersey)の水性溶液中に懸濁させた。各粒子懸濁液は、約3.0×103/μl〜6.0×103/μlの粒子濃度を有する。ポリスチレン粒子の両セットは、Bangs Laboratories, Inc., Fishers, Indiana の製品である。これらの粒子は、約0.07μmの直径の標準偏差を伴う狭いサイズ分布を有した。
【0049】
34μlの粒子懸濁溶液は、850μlのイソトン(Iston)(登録商標)III で希釈し、それから145μlの溶解性の実施例1の試薬組成物と混合させた。当該サンプル混合物を吸引し、そして実施例1に記載された実験的なフローサイトメトリー機器により測定した。
【0050】
図2は、6.44μmのポリスチレン粒子の散乱ダイアグラムを示す。当該粒子は、ヒト血液サンプルの対応するNRBC領域に位置した。
【0051】
図3は、7.22μmのポリスチレン粒子の散乱ダイアグラムを示す。当該粒子は、ヒト白血球が局在した対応する領域に位置した。
【0052】
示されるように、上記6.44μmのポリスチレン粒子は、ヒト有核赤血球をシミュレートし、そして7.22μmのポリスチレン粒子は、上述の反応及び検出条件下で、それぞれ、ヒト白血球をシミュレートした。
【0053】
実施例3
合成粒子の2つのセットは、2つの粒子懸濁液を形成するために非イオン性界面活性剤ツイーン(登録商標)20の水溶液にそれぞれ懸濁させた。第一の粒子セットは、6.44μmの平均直径、及び1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子とした。第二の粒子セットは、10.9μmの平均直径、及び1.60の屈折率を有するカルボキシル化ポリスチレン粒子とした。当該10.9μmの粒子は、濃青色であった。粒子の両セットは、Bangs Laboratories, Inc., Fishers, Indiana の製品である。
【0054】
リファレンスコントロール組成物は、予定した量の各粒子懸濁液を、安定化ヒト赤血球とヤギ赤血球から作製した血小板類似体の混合物を含む水性細胞懸濁培地(以下に供する組成物)に添加することにより調製した。当該安定化ヒト赤血球及び血小板類似体は使用前に類似体懸濁培地中で別々に懸濁させた。リファレンスコントロール組成物中の類似体濃度は、約1.9×106/μlの安定化ヒト赤血球、約23×103/μlの血小板類似体、約0.5×103/μlのNRBC類似体(6.44μmの粒子)、及び約5×103/μlのWBC類似体(10.9μmの粒子)とした。他の適当な細胞懸濁培地は、米国特許第4,704,364号、第5,320,964号、及び第5,512,485号に記載されており、これらの全体における参考例により本発明に組み入れられている。
【0055】
【表1】

【0056】
34μlのリファレンスコントロール組成物を850μlのイソトン(Isoton)(登録商標)III で希釈し、それから安定化ヒト赤血球を溶解するために145μlの実験1の溶解剤組成物で混合した。当該サンプル混合物を吸引し、そして実施例1に記載される実験的なフローサイトメトリー機器により測定した。
【0057】
図4はリファレンスコントロール組成物の散乱ダイアグラムを示す。示されるように、NRBC類似体は、ヒト血液サンプルの対応するNRBC領域に見られた6.44μmの粒子から作製し、そしてWBC類似体は、ヒト血液サンプルの対応するNRBC領域に見られた10.9μmの粒子からそれぞれ作製した。当該赤血球及び血小板類似体は、反応条件下においてヒト血液サンプルの対応する細胞に予測されたとおり、散乱ダイアグラム中に示されなかった。
【0058】
実施例4
一連のリファレンスコントロール組成物は、実施例3に記載されるとおり調製され、それぞれ、上述の6.44μmのポリスチレン粒子から作製されたNRBC類似体、及び10.9μmのカルボキシル化ポリスチレン粒子から作製されたWBC類似体を含んだ。当該WBC類似体の濃度は一定を保ち、そしてNRBC類似体の濃度は、0%〜約50%NRBCのWBC類似体に対するNRBC類似体の割合を産出するような範囲において変化した。各リファレンスコントロール組成物は、約1.9×106/μlの安定化ヒト赤血球及び約23×103/μlの血小板類似体を含んだ。
【0059】
各リファレンスコントロール組成物を吸引し、そして実施例3に記載される手順に従い実施例1に記載される実験的なフローサイトメトリー機器において測定した。
【0060】
上記散乱ダイアグラムの分析から得られた100個のWBCあたりのNRBCの数は、NRBC類似体濃度の理論値に対してプロットされた。図5は、得られた相関曲線を示す。示されるように、リファレンスコントロールの測定されたNRBC濃度(100個のWBCあたりのNRBCの数中)は、測定された濃度範囲中の理論値に対して直線的に相関する。
【0061】
一方、本発明は、付随する図において詳細に且つ写真的に示され、これらは、本発明の範囲を制限するものとして考慮すべきではなく、好ましい態様の例証として考慮すべきである。しかしながら、上述の明細書に記載され、並びに付属の特許請求の範囲及びこれらの合法的な相当物において規定されるように、本発明の精神及び範囲において、多様な修正及び変更を行うことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1A】100個のWBCあたり約5個のNRBCを含む臨床的な全血液サンプルの多様な散乱ダイアグラムを示す。
【図1B】正常な血液サンプルの多様な散乱ダイアグラムを示す。
【図2】6.44μmのポリスチレン粒子の多様な散乱ダイアグラムを示す。
【図3】7.22μmのポリスチレン粒子の多様な散乱ダイアグラムを示す。
【図4】安定化赤血球及び血小板を含む培地中で懸濁された、6.44μmのポリスチレン粒子、及び10.9μmのカルボキシル化ポリスチレン粒子を含んで成る、リファレンスコントロール組成物の散乱ダイアグラムを示す。
【図5】0〜50%のNRBCの範囲におけるフローサイトメトリー機器及び理論値によりレポートされる100個のWBCあたりのNRBCの数の相関関係を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの範囲の平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する、1種類の合成球状粒子量を含んで成る有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロール組成物であって、ここで上記合成球状粒子が、光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有するリファレンスコントロール組成物。
【請求項2】
更に、白血球成分を含んで成る、請求項1に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項3】
更に、赤血球成分及び血小板成分を含んで成る、請求項2に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項4】
更に、網状赤血球成分を含んで成る、請求項3に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項5】
前記合成球状粒子が、特定の細胞成熟度を有する有核赤血球の前記光学特性をシミュレートとする、請求項1に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項6】
前記合成球状粒子が、約1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子である、請求項1に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項7】
前記光学測定が、低角度光散乱測定及び軸上光損失測定、又は2つの低角度光散乱測定である、請求項1に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項8】
一連のリファレンスコントロール組成物を含んで成る有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロールシステムであって、各リファレンスコントロール組成物が、水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの範囲の平均粒径、及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する、1種類の合成球状粒子量を含んで成り;各種の合成粒子が、光学測定により測定される場合、特定の細胞成熟度を有する有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する、リファレンスコントロールシステム。
【請求項9】
前記各一連のリファレンスコントロール組成物が、更に、白血球成分を含んで成る、請求項8に記載のリファレンスコントロールシステム。
【請求項10】
前記各一連のリファレンスコントロール組成物が、更に、赤血球成分及び血小板成分を含んで成る、請求項9に記載のリファレンスコントロールシステム。
【請求項11】
前記各一連のリファレンスコントロール組成物が、更に、網状赤血球成分を含んで成る、請求項10に記載のリファレンスコントロールシステム。
【請求項12】
前記合成球状粒子が、約1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子である、請求項8に記載のリファレンスコントロールシステム。
【請求項13】
前記光学測定が、低角度光散乱測定及び軸上光損失測定、又は2つの低角度光散乱測定である、請求項8に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項14】
水性懸濁培地中で単分散される、約6μm〜約12μmの範囲の平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する合成球状粒子の少なくとも2つのセットを含んで成る有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロール組成物であって、ここで上記合成球状粒子の第一のセットが、光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有し、そして上記合成球状粒子の第二のセットが、上記光学測定により測定される場合、白血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する、リファレンスコントロール組成物。
【請求項15】
更に、赤血球成分及び血小板成分を含んで成る、請求項14に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項16】
前記第一セットの合成球状粒子が、1.59の屈折率を有するポリスチレン粒子である、請求項14に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項17】
前記第二セットの合成球状粒子が、ポリスチレン粒子、又はカルボキシル化ポリスチレン粒子である、請求項14に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項18】
前記光学測定が、低角度光散乱測定及び軸上光損失測定、又は2つの低角度光散乱測定である、請求項14に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項19】
水性懸濁培地中で単分散される、約6μm〜約12μmの範囲の平均粒径、及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する合成球状粒子の複数のセットを含んで成る有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロール組成物であって、ここで上記合成球状粒子の第一のセットが、光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有し、そして合成球状粒子の少なくとも2つのセットが、上記光学測定により測定される場合、少なくとも2つの白血球の亜集団の光学特性をシミュレートする光学特性を有する、リファレンスコントロール組成物。
【請求項20】
更に、赤血球成分及び血小板成分を含んで成る、請求項19に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項21】
前記光学測定が、低角度光散乱測定及び軸上光損失測定、又は2つの低角度光散乱測定である、請求項19に記載のリファレンスコントロール組成物。
【請求項22】
(a)リファレンスコントロール組成物を、光学測定により有核赤血球を測定することができるフローサイトメトリー機器に供する工程であって、上記リファレンスコントロール組成物が、水性懸濁培地中で単分散される、約6.2μm〜約6.8μmの範囲の平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する、一種類の合成球状粒子量を含んで成り、ここで上記合成球状粒子が光学測定により測定される有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する工程;
(b)上記光学測定によりフォーカスされたフローセル中のリファレンスコントロール組成物を分析する工程;及び、
(c)上記リファレンスコントロール組成物の有核赤血球の数をレポートする工程、
を含んで成る、有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロール組成物を使用する方法。
【請求項23】
前記リファレンスコントロール組成物が、更に、前記懸濁培地中に白血球成分を含んで成り、そして前記方法が、更に、上記リファレンスコントロール組成物の白血球を分析し、そしてレポートすることを含んで成る、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記リファレンスコントロール組成物が、更に、前記懸濁培地中で分散される赤血球成分及び血小板成分を含んで成り、そして、前記方法が、更に、前記リファレンスコントロール組成物の赤血球及び血小板を分析すること、そしてレポートすることを含んで成る、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記光学測定が、低角度光散乱測定及び軸上光損失分析である、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記光学測定が2つの低角度光散乱測定である、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
(a)リファレンスコントロール組成物を、光学測定により有核赤血球を測定することができるフローサイトメトリー機器に供する工程であって、上記リファレンスコントロール組成物が、水性懸濁培地中で単分散される、約6μm〜約12μmの平均粒径及び約1.58〜約1.62の屈折率を有する複数の合成球状粒子量を含んで成り、ここで上記合成球状粒子の第一セットが光学測定により測定される場合、有核赤血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有し、そして上記合成球状粒子の第二セットが上記光学測定により測定される場合白血球の光学特性をシミュレートする光学特性を有する工程;
(b)上記光学測定によりフォーカスされたフローセル中のリファレンスコントロール組成物を分析する工程;及び、
(c)上記合成球状粒子の上記第一セットと上記第二セットを区別し、そして上記リファレンスコントロール組成物の有核赤血球の数及び白血球の数をレポートする工程、
を含んで成る、有核血液細胞の測定のためのリファレンスコントロール組成物を使用する方法。
【請求項28】
前記リファレンスコントロール組成物が、更に、前記懸濁培地中で分散される赤血球成分及び血小板成分を含んで成り、そして前記方法が、更に、前記リファレンスコントロール組成物の赤血球及び血小板を分析し、そしてレポートすることを含んで成る、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記光学測定が、低角度光散乱測定及び軸上光損失測定である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記光学測定が、2つの低角度光散乱測定である、請求項27に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−518063(P2007−518063A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534099(P2006−534099)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/032168
【国際公開番号】WO2005/036164
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(505275295)ベックマン コールター,インコーポレイティド (25)
【Fターム(参考)】