説明

血液脳関門を介してPNAを送達するための2相PNA結合体

【課題】血液脳関門を横切って脳に核酸配列を送達する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、溶解性(lysosomatic properties)を有する、核酸、特異受容体と結合するレセプターペプチドリガンド、及びプラスに帯電したペプチド部分を含んでおり、細胞膜を横切っての核酸の送達に有用である化合物を提供する。また、本発明は、診断又は治療用途で核酸を脳へ送達するための、前記化合物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶解性を有する、核酸、特異受容体と結合するレセプターペプチドリガンド、及びプラスに帯電したペプチド部分を含んでおり、細胞膜を横切っての核酸の送達に有用である化合物に関するものである。また、本発明は、診断又は治療の用途で核酸を脳へ送達するための、前記化合物の使用に関する。本発明は、米国仮出願第60/510,137号(2003年10月14日出願)の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
神経疾患の治療において、血液脳関門(blood brain barrier:BBB)の保護機能は、重要な問題となっている。また、血液で運ばれる異物を排除すると、多くの潜在的な治療物質も排除することになってしまう。血液脳関門(BBB)は、脳を血管区画から分離している非常に複雑な内皮インターフェースであり、98%の薬の脳への送達を妨げている。BBBは単層の極性化内皮細胞から成り、複雑な密着結合によって結合されている。
【0003】
小さな薬物分子(>500Da)では、BBB透過性に影響を及ぼす主な要因は、分子量、水素結合、親油性、及び血漿タンパクへの結合能力である。また、小さな分子は、栄養素輸送体(グルコース、アミノ酸、有機酸、又はアデノシンのための輸送体)を利用して、BBBを横切ることができる。しかし、栄養素輸送体は、BBB内では、低分子量の物質しか輸送できない。当該技術分野では、BBBを介して化合物を送達する方法として、薬物の脂質化(lipidization:薬物に脂質様分子を加える)や化学的送達システム(chemical delivery systems:CDS)との関連などのいくつかの方法が知られている。しかし、これらの方法は、比較的小さな分子の送達にしか使用できない。
【0004】
大きな分子は、インスリン受容体やトランスフェリン受容体などの受容体介在性輸送(receptor mediated transpor:RMT)機構を介して、又は、カチオン化されたアルブミンのなどの吸収介在性トランスサイトーシス(absorptive mediated transcytosis:AMT)によって毛細管関門(capillary barrier)を通過することができる。
【0005】
当該技術分野では、ペプチドは、受容体介在性トランスサイトーシスによって血液脳関門を通過できることが知られている。この方法は、BBBの一方の側(例えば管腔膜)での受容体とペプチドとの結合、細胞質を通っての受容体−ペプチド結合体の移動(translocation)、及び、反管腔側(abluminal)膜の外面での受容体からのペプチドの分離を含んでいる。
【0006】
アンチセンス薬は、DNA(オリゴヌクレオチド、oligonucleotide:ODN)の小さな相補鎖であり、mRNA標的内のヌクレオチドの特定配列と結合することによってエンコードされたタンパク質の生成を抑制するように作られている。しかし、アンチセンス薬は、生体膜透過性が低く、分解性が比較的速い。そのため、一般的に、オリゴヌクレオチドの薬効は限られていると見なされている。アンチセンス薬の治療用途を向上させるため、アンチセンス薬のバックボーン(backbone)は化学的に修飾される。アンチセンス化学の第三世代は、ポリアミド(ペプチド)核酸(PNA)代用薬である。PNAは、ODNの最初の成功した代用薬であり、天然DNA又はRNAアンチセンスをベースにした薬物と同等又はそれ以上の結合親和力を示す。PNAは、生物学的利用能が低い、無極性分子である。そのため、非修飾/裸のPNA分子の細胞膜通過性は低く、治療用途には使用できない。ODNとPNAの両方は、BBBの内皮細胞膜を効率良く通過できないため、CNS疾患用の薬を開発におけるそれらの技術の活用可能性を妨げている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある実施形態では、本発明は、次の化学式I〜IVのいずれか1つで表される分子を提供する。
I. [(L)t−(N)r−(H)q−(P)s]x
II. [(L)t−(H)q−(N)r−(P)s]x
III.[(P)s−(N)r−(H)q−(L)t]x
IV. [(P)s−(H)q−(N)r−(L)t]x
ただし、Nは塩基長さが1〜100の核酸配列、Lは特異受容体と結合するペプチドリガンド、Pはプラス帯電部分、Hは疎水性部分、rは1〜25の整数、tは1〜50の整数、sは1〜25の整数、qは0〜20の整数、xは1〜20の整数である。
【0008】
ある実施形態では、本発明は、次の化学式V〜IVのいずれか1つで表される分子を提供する。
V. [(L)t−(PNA)r−(H)q−(P)s]x
VI. [(L)t−(H)q−(PNA)r−(P)s]x
VII. [(P)s−(PNA)r−(H)q−(L)t]x
VIII.[(P)s−(H)q−(PNA)r−(L)t]x
ただし、PNA(Polyamide Nucleic Acid:ポリアミド核酸)は塩基長さが1〜100のペプチド核酸、Lは特異受容体と結合するペプチドリガンド、Pはプラス帯電部分、Hは疎水性部分、rは1〜25の整数、tは1〜50の整数、sは0〜25の整数、qは0〜20の整数、xは1〜20の整数である。
【0009】
ある実施形態では、本発明は、細胞膜を横切って分子を送達する方法を提供する。
【0010】
ある実施形態では、本発明はさらに、血液脳関門(blood-brain barrier)を横切って、脳に核酸配列を送達する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ある実施形態では、本発明は、次の化学式I〜IVのいずれか1つで表される分子を提供する。
I. [(L)t−(N)r−(H)q−(P)s]x
II. [(L)t−(H)q−(N)r−(P)s]x
III.[(P)s−(N)r−(H)q−(L)t]x
IV. [(P)s−(H)q−(N)r−(L)t]x
ただし、Nは塩基長さが1〜100の核酸配列、Lは特異受容体と結合するペプチドリガンド、Pはプラス帯電部分、Hは疎水性部分、rは1〜25の整数、tは1〜50の整数、sは1〜25の整数、qは0〜20の整数、xは1〜20の整数である。
【0012】
ある実施形態では、本発明は、次の化学式V〜IVのいずれか1つで表される分子を提供する。
V. [(L)t−(PNA)r−(H)q−(P)s]x
VI. [(L)t−(H)q−(PNA)r−(P)s]x
VII. [(P)s−(PNA)r−(H)q−(L)t]x
VIII.[(P)s−(H)q−(PNA)r−(L)t]x
ただし、PNA(Polyamide Nucleic Acid:ポリアミド核酸)は塩基長さが1〜100のペプチド核酸、Lは特異受容体と結合するペプチドリガンド、Pはプラス帯電部分、Hは疎水性部分、rは1〜25の整数、tは1〜50の整数、sは0〜25の整数、qは0〜20の整数、xは1〜20の整数である。
【0013】
本発明のある実施形態では、Nは塩基長さ1〜100の核酸配列である。本発明の他の実施形態では、Nは塩基長さ1〜10の核酸配列である。本発明の他の実施形態では、Nは塩基長さ1〜20の核酸配列である。本発明の他の実施形態では、Nは塩基長さ20〜30の核酸配列である。本発明の他の実施形態では、Nは塩基長さ30〜40の核酸配列である。本発明の他の実施形態では、Nは塩基長さ40〜50の核酸配列である。本発明の他の実施形態では、Nは塩基長さ50〜100の核酸配列である。
【0014】
本発明のある実施形態では、PNAの塩基長さは1〜100である。本発明の他の実施形態では、PNAの塩基長さは1〜10である。本発明の他の実施形態では、PNAの塩基長さは1〜20である。本発明の他の実施形態では、PNAの塩基長さは20〜30である。本発明の他の実施形態では、PNAの塩基長さは30〜40である。本発明の他の実施形態では、PNAの塩基長さは40〜50である。本発明の他の実施形態では、PNAの塩基長さは50〜100である。
【0015】
本発明のある実施形態では、qは0〜20の整数である。本発明の他の実施形態では、qは2〜10の整数である。本発明の他の実施形態では、qは6〜16の整数である。本発明の他の実施形態では、qは8である。本発明の他の実施形態では、qは9である。本発明の他の実施形態では、qは0である。
【0016】
本発明のある実施形態では、rは0〜20の整数である。本発明の他の実施形態では、rは1〜10の整数である。本発明の他の実施形態では、rは10〜20の整数である。本発明の他の実施形態では、rは2〜5の整数である。
【0017】
本発明のある実施形態では、sは0〜25の整数である。本発明の他の実施形態では、sは2〜15の整数である。本発明の他の実施形態では、sは2〜6の整数である。本発明の他の実施形態では、sは4である。本発明の他の実施形態では、sは0である。
【0018】
本発明のある実施形態では、tは1〜50の整数である。本発明の他の実施形態では、tは5〜25の整数である。本発明の他の実施形態では、tは10〜15の整数である。
【0019】
本発明のある実施形態では、xは1〜20の整数である。本発明の他の実施形態では、xは2〜15の整数である。本発明の他の実施形態では、xは5〜10の整数である。
【0020】
本発明のある実施形態では、核酸配列はmRNAである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はcDNAである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はDNAである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はDNA類似物である。本発明の他の実施形態では、核酸配列はPNA(polyamide nucleic acid:ポリアミド核酸)である。本発明の他の実施形態では、核酸配列はPNAモルホリノである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はアミノエチルプロリル(aminoethylprolyl:aep)PNAである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はピロリジニルPNAである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はオリゴヌクレオチドである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はオリゴヌクレオチド類似物である。本発明の他の実施形態では、核酸配列はリボザイムである。本発明の他の実施形態では、核酸配列はRNAiである。
【0021】
本発明のある実施形態では、核酸配列はアンチセンスである。本発明の他の実施形態では、核酸配列は抗原である。本発明の他の実施形態では、核酸配列はデコイ機能である。本発明のある実施形態では、核酸配列は中性である。本発明の他の実施形態では、核酸配列はマイナスに帯電している。本発明のある実施形態では、核酸配列は内在性配列に対してアンチセンス方向である。
【0022】
“ヌクレオチド”という用語は、窒素含有塩基(DNAではアデニン、グアニン、チミン又はシトシン、RNAではアデニン、グアニン、ウラシル又はシトシン)、リン酸塩分子、及び糖分子(DNAではデオキシリボース、RNAではリボース)から成るDNA又はRNAのサブユニットを表している。様々なヌクレオチドが結合することにより、DNA又はRNA分子が形成されている。ヌクレオチドという用語は、さらに、保護グアニン、疑似グアニン(pseudo-guanine)或いは保護疑似グアニン(2,6−ジアミノプリン)、保護アデニン、保護シトシン、疑似シトシン或いは保護疑似シトシン、疑似イソシトシン或いは保護疑似イソシトシン、保護ウラシルを表している。
【0023】
“オリゴヌクレオチド”という用語は、通常は25個以下のヌクレオチドから成る分子を意味する。
【0024】
“アンチセンス”は、体で作られたmRNA分子と正反対の配列を有する核酸配列が前記RNA分子と結合して、タンパク質の生成を防止することを意味する。
【0025】
“ペプチド核酸(peptide nucleic acids:PNA)”は、一部の点はオリゴヌクレオチド類似物と同様であるが、その他の非常に重要な点では、その構造が大変異なる分子を意味する。ペプチド核酸では、オリゴヌクレオチドのデオキシリボース核酸バックボーンは、ペプチドと糖リン酸ジエステルよりも類似したバックボーンに置き換えられる。各サブユニットは、このバックボーンに付着する、自然発生的又は非自然発生的塩基を有している。これに限定されるものではないが、一例としては、N−(2−アミノエチル)グリシン又はその類似物の繰り返しユニットから構成されるバックボーンは、リンカー(例えばカルボキシメチル部分又はその類似物)を介して前記ユニットのグリシン部分の窒素原子に付着する核酸塩基を有している。前記ユニットは、グリシン部分のカルボキシル基とアミノエチル部分のアミノ基との間に形成されたアミノ結合によって互いに結合される。核酸塩基は、核酸の4つの一般的な核酸塩基の内の1つである。または、それらは、他の天然又は人工の核酸塩基を含むことができる。デオキシリボース・バックボーンの急速な逸脱(radical deviation)のために、それらの分子はペプチド核酸と名付けられた。
【0026】
“抗原”は、二本鎖DNAと結合する分子を意味する。抗原は、細胞内での遺伝子発現を増進又は抑制することができる。
【0027】
ある実施形態では、本発明は、PNAベースの核酸を送達する一方で、PNAをペプチドリガンドとプラス帯電部分との間のスペーサとして使用する、改善された方法を提供する。したがって、キメラは、RMT又はAMTを介して、血液脳関門を横切ることができる。したがって、ある実施形態では、PNA/核酸は、2つのペプチド部分の間で、立体/静電相互作用を減少させるスペーサとして機能する。他の実施形態では、PNA/核酸は、アンチセンス部分、抗原部分、又は遺伝子修飾部分として使用される。ある実施形態では、PNA/核酸分子は、両篩型(amphiphloic)脳ベクター内で、無極性ペプチド様部分として使用される。
【0028】
ある実施形態では、本発明は、PNA−ペプチド・キメラに疎水性部分を加えた後に、BBBを通ってPNAベースの核酸を送達するための改善された方法を提供する。その結果、化合物は、その両篩型の構造、受容体を介したトランスサイトーシス、又はその両方の機構によって、BBBを横断することができる。
【0029】
本発明のある実施形態では、ペプチドリガンドはトランスフェリンの受容体と結合する。本発明の他の実施形態では、ペプチドリガンドはインスリンの受容体と結合する。本発明の他の実施形態では、ペプチドリガンドはインスリン成長因子の受容体と結合する。本発明の他の実施形態では、インスリン成長因子はインスリン成長因子−Iの受容体と結合する。本発明の他の実施形態では、インスリン成長因子はインスリン成長因子−IIの受容体と結合する。本発明の他の実施形態では、ペプチドリガンドはレプチンの受容体と結合する。本発明の他の実施形態では、ペプチドリガンドはHAIYPRH(SEQ ID: No.1)の受容体と結合する。本発明の他の実施形態では、ペプチドリガンドはTHRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.2)の受容体と結合する。
【0030】
本発明のある実施形態では、疎水性部分は核酸である。本発明の他の実施形態では、疎水性部分は核酸類似物である。本発明の他の実施形態では、疎水性部分は疎水性ペプチドである。本発明の他の実施形態では、疎水性部分は脂質酸である。本発明の他の実施形態では、疎水性部分は脂質分子である。本発明の他の実施形態では、疎水性部分はオクタノールである。本発明の他の実施形態では、疎水性部分はコレステロールである。本発明の他の実施形態では、疎水性部分は疎水性ペプチド保護基である。本発明の他の実施形態では、疎水性部分はアダマンティン(adamantine)である。本発明の他の実施形態では、疎水性部分はピレンである。本発明の他の実施形態では、疎水性部分はエイコセン酸である。本発明の他の実施形態では、疎水性部分はC(6−16)グリセリド脂質である。ある実施形態では、疎水性部分はフェノキサジンである。本発明のある実施形態では、疎水性部分はDMT基である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はコラン酸である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はリトコール酸である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はミリスチン酸である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はパルミチン酸である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はヘプタデシル基である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はヘキサデシルグリセロールである。本発明のある実施形態では、疎水性部分はゲラニルオキシヘキシル基である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はヘキサデシアミンである。本発明のある実施形態では、疎水性部分はジヒドロテストステロンである。本発明のある実施形態では、疎水性部分は1−ピレン酪酸である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はアルカン酸である。本発明のある実施形態では、疎水性部分はアルカノールである。本発明のある実施形態では、疎水性部分は上記したいずれかの成分の派生物である。本発明のある実施形態では、アルカン酸は次の構造式で表される分子である。
R−(CH)n−COOH
ただし、nは1〜20の整数であり、Rは直鎖又は分岐鎖アルキルである。他の実施形態では、nは6〜16の整数である。本発明のある実施形態では、アルカノールは次の構造式で表される分子である。
R−(CH)n−OH
ただし、nは1〜20の整数であり、Rは直鎖又は分岐鎖アルキルである。本発明の他の実施形態では、nは6〜16の整数である。本発明のある実施形態では、脂質酸はウンデカン酸である。本発明の他の実施形態では、脂質酸はドコサヘキサエン酸である。本発明のある実施形態では、疎水性ペプチド保護基はFmocである。本発明の他の実施形態では、疎水性ペプチド保護基はTbocである。
【0031】
ここでは、“アルキル基”は、直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル基を含んでいる脂肪族飽和炭化水素を意味する。本発明のある実施形態では、アルキル基は1〜4個の炭素を有する。本発明のある実施形態では、アルキル基はメチル基である。本発明のある実施形態では、アルキル基はエチル基である。本発明のある実施形態では、アルキル基はプロピル基である。本発明のある実施形態では、アルキル基はブチル基である。アルキル基は置換されない。または、アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオ、及びチオアルキルから成る群より選択される1つ又は複数の基と置換される。
【0032】
ある実施形態では、分子は、本発明に係る修飾されたPNAのN又はC末端と結合するプラス帯電部分を持つようにデザインされている。
【0033】
本発明のある実施形態では、プラス帯電部分は核酸配列である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分は核酸類似物である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はPNAである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はプラスに帯電したペプチドである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はペプチド模倣薬である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はポリカチオンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はヒスチジンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はイミダゾール基である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分は2−O−アミノプロピルである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分は2−O−ジメチルアミノプロピルである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分は2−O−イミダゾリル−エチルである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分は2−O−アミノエチルアミノ−オキシエチルである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分は2−ジメチルアミノエチル−オキシエチルである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分は上記したいずれかの成分の派生物である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はアルギニンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はD−アルギニンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はポリアルギニンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はポリアミンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はグアニジンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はスペルミンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はスペルミジンである。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はプトリシン(putricine)である。
【0034】
本発明のある実施形態では、プラス帯電部分はカチオン性ペプチドである。本発明の他の実施形態では、カチオン性ペプチドはCHKHC(SEQ ID: No.3)である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はCKHKC(SEQ ID: No.4)である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はCHKHC(SEQ ID: No.3)である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はCHKHKHC(SEQ ID: No.5)である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はC(HK)C(SEQ ID: NO.6)である。本発明の他の実施形態では、プラス帯電部分はCHKHKHHKHC(SEQ ID: No.7)である。
【0035】
本発明のある実施形態では、PNA配列はCCGCTCCG(SEQ ID: No.8)である。本発明の他の実施形態では、PNA配列はCAT GGT GGA CGT(SEQ ID: NO.9)である。本発明の他の実施形態では、PNA配列はCTT TCT CCT TTT CC(SEQ ID: No.10)である。本発明の他の実施形態では、PNA配列はTACTCATGGGCACACT(SEQ ID: No.11)である。本発明の他の実施形態では、PNA配列はTT GCT CTT ACT CAT(SEQ ID: No.12)である。本発明の他の実施形態では、PNA配列はGCAT(SEQ ID: No.13)である。本発明の他の実施形態では、PNAは、(アミノエチルプロリル(aep)PNA)1−20である。
【0036】
ある実施形態では、ペプチドリガンド、疎水性部分、PNA/核酸配列、及びプラス帯電部分は、ペプチド結合によって互いに直接的に結合している。
【0037】
ある実施形態では、本発明は、CHKHC−(PNA)r−HAIYPRH(SEQ ID: No.14)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CHKHC−(PNA)r−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.15)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CKHKC−(PNA)r−HAIYPRH(SEQ ID: No.16)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CKHKC−(PNA)r−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.17)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CHKHKHC−(PNA)r−HAIYPRH(SEQ ID: No.18)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CHKHKHC−(PNA)r−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.19)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、C(HK)C−(PNA)r−HAIYPRH(SEQ ID: No.20)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、C(HK)C−(PNA)r−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.21)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CHKHKHHKHC−(PNA)r−HAIYPRH(SEQ ID: No.22)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CHKHKHHKHC−(PNA)r−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.23)を含んでいる分子を提供する。本発明のある実施形態では、rは5〜25である。他の実施形態では、rは5〜10である。他の実施形態では、rは10〜20である。
【0038】
ある実施形態では、本発明は、HAIYPRH−(PNA)r−CHKHC(SEQ ID: No.24)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、THRPPMWSPVWP−(PNA)r−CHKHC(SEQ ID: No.25)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、HAIYPRH−(PNA)r−CKHKC(SEQ ID: No.26)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、THRPPMWSPVWP−(PNA)r−CKHKC(SEQ ID: No.27)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、HAIYPRH−(PNA)r−CHKHKHC(SEQ ID: No.28)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、THRPPMWSPVWP−(PNA)r−CHKHKHC(SEQ ID: No.29)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、HAIYPRH−(PNA)r−C(HK)C(SEQ ID: No.30)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、THRPPMWSPVWP−(PNA)r−C(HK)C(SEQ ID: No.31)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、HAIYPRH−(PNA)r−CHKHKHHKHC(SEQ ID: No.32)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、THRPPMWSPVWP−(PNA)r−CHKHKHHKHC(SEQ ID: No.33)を含んでいる分子を提供する。本発明のある実施形態では、rは5〜25である。他の実施形態では、rは5〜10である。他の実施形態では、rは10〜20である。
【0039】
ある実施形態では、本発明は、CHKHC−TTT GCT CTT ACT CAT−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.34)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、CHKHC−TTT GCT CTT ACT CAT−HAIYPRH(SEQ ID: No.35)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、THRPPMWSPVWP−TTT GCT CTT ACT CAT−CHKHC(SEQ ID: No.36)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、HAIYPRH−TTT GCT CTT ACT CAT−CHKHC(SEQ ID: No.37)を含んでいる分子を提供する。ある実施形態では、本発明は、GCAT−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.38)を含んでいる分子を提供する。
【0040】
本発明のある実施形態では、前記分子は、前記ペプチドリガンド、前記疎水性部分、前記PNA/核酸配列、及び前記プラス帯電部分の間を結合するリンカー部分をさらに含んでいる。本発明の他の実施形態では、リンカー部分はポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol:PEG)である。本発明の他の実施形態では、PEGの分子量は、2000〜40,000の範囲である。本発明のある実施形態では、リンカー部分はジスルフィドである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はアミドである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はアミンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はオキシアミンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はオキシイミンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はモルホリンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はチオエーテルである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はチオ尿素スルホンアミドである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はエーテルである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はエステルである。本発明のある実施形態では、リンカー部分は炭酸塩である。本発明のある実施形態では、リンカー部分はカルバミン酸塩である。本発明のある実施形態では、リンカー部分はグアニジンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はアビジンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はストレプトアビジンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はビオチンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はプラリン(praline)である。本発明のある実施形態では、リンカー部分はリジンである。本発明のある実施形態では、リンカー部分はシステインである。
【0041】
ある実施形態では、ポリエチレン・グリコールと結合した標識リンカー又はペプチドは、分子と結合する。そして、隔壁透過性(phramacokinetic)を向上させ、両親媒性PNAによって生じる副作用の可能性を克服する。ある実施形態では、リンカーは、周知の方法によって分子と結合する。ある実施形態では、本発明はさらに、薬学的に許容される賦形剤又は補助材と共に、活性成分として、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を含んでいる組成物を提供する。本発明のある実施形態では、前記組成物は経口又は非経口投与用に作成される。本発明の他の実施形態では、前記組成物は、非コート錠剤、コート錠剤、ピル、カプセル、粉末、又は懸濁液として作成される。本発明の他の実施形態では、前記組成物は、静脈内投与用に作成される。本発明の他の実施形態では、前記組成物は、経鼻投与用に作成される。本発明の他の実施形態では、前記組成物は、エアロゾルによって投与される。本発明の他の実施形態では、前記組成物は、経皮投与用に作成される。本発明の他の実施形態では、前記組成物は、軟膏、クリーム又はゲル形態で作成される。本発明の他の実施形態では、前記組成物は、液体投薬形態で作成される。適切な液体投薬形態の例としては、水中の溶液又は懸濁液、薬学的に許容される脂肪又は油、アルコール又は他の有機溶媒(エステル、乳濁液、シロップ、又はエリキシル剤)、溶液及び/又は水懸濁液がある。
【0042】
適切な賦形剤又は担体は固体又は液体であり、種類は投与形態に応じて選択される。また、組成物を送達するのにリポソームを使用することもできる。適切な固形担体の例としては、乳糖、ショ糖、ゼラチン、及び寒天がある。経口投薬形態は、適切な結合剤、滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香料添加剤、流動促進剤、及び融解剤を含み得る。液体投与形態は、例えば、適切な溶媒、防腐剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、増粘剤、及び融解剤を含み得る。非経口及び静脈内投与形態は、それらを注射又は選択された送達システムの種類に適合させるためのミネラル及び他の物質を含み得る。
【0043】
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る分子を合成する方法を提供する。
【0044】
ある実施形態では、本発明はさらに、細胞膜を横切ってPNA/核酸配列を送達する方法であって、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を細胞に加えるステップを含む方法を提供する。本発明のある実施形態では、前記細胞は内皮細胞である。本発明の他の実施形態では、前記細胞は神経細胞である。本発明の他の実施形態では、前記細胞はグリア細胞である。本発明の他の実施形態では、前記細胞は筋肉細胞である。
【0045】
ある実施形態では、本発明は、哺乳類細胞にPNAを送達する改善された方法を提供する。ある実施形態では、本発明は、神経、内皮送達特性が改善された、両親媒性PNAキメラ部分を提供する。
【0046】
ある実施形態では、本発明はさらに、細胞内顆粒へのPNA/核酸配列の細胞内標的方法であって、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を細胞に加えるステップを含む方法を提供する。ある実施形態では、電荷分布、無極性PNA/核酸鎖の長さ、及び疎水性が、細胞内の適合性(compartization)に影響を与える。ある実施形態では、本発明は、細胞内顆粒へのPNA/核酸配列の細胞内標的方法であって、効果的な量の1つ以上の本発明に係る細胞膜を横切る分子を細胞に加えるステップを含む方法を提供する。
【0047】
ある実施形態では、本発明はさらに、血液脳関門を横切って、脳にPNA/核酸配列を送達する方法であって、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を患者に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、血液脳関門を横切って、脳にPNA/核酸配列を送達する方法であって、本発明に係る組成物を患者に投与するステップを含む方法を提供する。
【0048】
本発明のある実施形態では、PNAベースの構成物(construct)のBBB貫通性を高めるのに、ポリアルギニン・オリゴマーが使用される。本発明の他の実施形態では、PNAベースの構成物のBBB貫通性を高めるのに、アルギニン・グアニジノ基が使用される。本発明のある実施形態では、BBBを介しての脳への取り込みは、基性アミノ酸輸送体によっての増加する。本発明のある実施形態では、脳への取り込みの向上は、正電荷の存在に起因する透過面の増加によってAMTが増大した結果である。
【0049】
本発明のある実施形態では、PNAベースの構成物のBBB貫通性を高めるのに、ポリアミンが使用される。本発明の他の実施形態では、ポリアミンはプトリシン(putricine)である。本発明の他の実施形態では、ポリアミンはスペルミジンである。本発明の他の実施形態では、ポリアミンはスペルミンである。ある実施形態では、BBBを介しての脳への取り込みは、ポリアミン輸送体によって増加する。本発明のある実施形態では、脳への取り込みの向上は、正電荷の存在に起因する透過面の増加によってAMTが増大した結果である。
【0050】
ある実施形態では、本発明はさらに、脳内で発現させるために、血液脳関門を横切って遺伝子を送達する方法であって、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を患者に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、脳内で発現させるために、血液脳関門を横切って遺伝子を送達する方法方法であって、本発明に係る組成物を患者に投与するステップを含む方法を提供する。
【0051】
ある実施形態では、本発明はさらに、遺伝子発現を調節する方法であって、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を患者に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、遺伝子発現を調節する方法であって、本発明に係る組成物を患者に投与するステップを含む方法を提供する。
【0052】
ある実施形態では、本発明は、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を含んでいるキットを提供する。他の実施形態では、前記キットは、遺伝子の標識付け(ラベリング)を可能にする。他の実施形態では、前記キットはさらに、ラベリング及び/又は反応緩衝液を含んでいる。他の実施形態では、前記分子は、蛍光標識、比色標識、放射性標識、又は化学標識と結合する。
【0053】
ある実施形態では、本発明はさらに、病気を治療、予防、及びコントロールする方法であって、効果的な量の1つ以上の本発明に係る分子を患者に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、本発明はさらに、病気を治療、予防、及びコントロールする方法であって、本発明に係る組成物を患者に投与するステップを含む方法を提供する。ある実施形態では、前記病気は、中枢神経系関連疾患である。
【0054】
以下、実施例(実験の詳細)によって、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、以下の実施例は、本発明の理解をより容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0055】
《手法》
〈PNA及びペプチドの合成〉
オリゴマーは、ChemSpeed社製の自動合成装置を用いて、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)保護された核酸塩基モノマー又はアミノ酸(amino-acids:AA)を、各結合サイクルで1:3の比率で二重結合させることによって、5ミクロモルのスケールで作成される。使用される樹脂は、アミノ酸が充填済のワング(wang)樹脂(0.57mmole/g)又はTGA樹脂9 Novasyn(0.15mmole/g)である。反応総量は、250マイクロリットルであり、使用されるカップリング試薬はBOP又はHBTUである(ジイソプロピルエチルアミン及び2,6−ルチジンの存在下で)。ペプチドと結合したPNA又はPNAは、トリエチルシリル(2h)を含んでいるトリフルオロ酢酸1mlによって、脱保護され樹脂から除去される。生成物は、冷やされたジエチルエーテル14mlで沈殿させることにより回収され、50℃で、10ミクロンのVYDA社製カラム上でRP−HPLCされる。25分間、RT−10分間で、アセトニトリル(ACN)を10%から90%まで濃度勾配させる。分析:MALDI−TOFを用いて質量スペクトルを測定する。
【0056】
〈細胞培養〉
神経細胞及びBBBのインビトロ・モデルとしては、ヒト神経芽細胞腫NMB細胞系、ラット・カテコールアミン細胞系PC12、及びマウス脳由来内皮細胞系bENDを使用する。NMB細胞は、10%Hyclone社製の仔牛血清を含んでいるダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco modified Eagle medium:DMEM)で成長するように調節される。PC12細胞は、10%ウマ血清及び5%仔牛血清を含んでいるDMEMで培養される。bEND3細胞は、2mMグルタミンが追加された10%仔牛血清を含んでいるDMEMで培養される。細胞は、CO濃度が10%の加湿された培養器内で、37℃で維持される。細胞は、4〜5日間毎に、規定どおりに継代培養される。細胞(5×10)は、96ウエルに蒔かれ、シャーレはポリ−L−オルニチンによって前処理される。
【0057】
〈取り込み実験〉
PNA及びPNA結合体の取り込みは、フルオレセイン標識されたペプチド−PNA結合体、又はフルオレセイン標識された非修飾PNAの培養後、細胞内に残存する蛍光性を測定することにより決定される。化合物は、NMB、PC12、又はbEND3と共に、様々な期間で培養される。培養後、細胞は氷で冷やしたPBSで何度も洗浄され、その後、酸(1.0M NaCl/0.4M NaOAc、PH3.3)で洗浄される。取り込まれなかったオリゴマー及び死細胞の両方を除去する手法は周知である。最後の洗浄の後、細胞内の蛍光性を、フルオレメータ(fluoremeter:BMG Labtechnologies社製のFLUOstar)で測定する。
【0058】
《実施例》
〈例1:PC12細胞〉
[PNA結合体の神経細胞系PC12への取り込み]
細胞は、ポリ−L−リジンでコーティングされている96ウエルシャーシ上に蒔かれる。蒔いた翌日、培地は、様々な濃度(0.1〜1μM)のPNAを含んでいる新鮮な無血清培地と取り替えられる。3時間後、培養培地は取り除かれ、細胞は酸洗浄溶液で3回洗浄される。そして、蛍光性が測定される(図1)。
対照=TTT GCT CTT ACT CAT(SEQ ID: No.39)
KBP10=CHKHC(SEQ ID: No.40)−TTT GCT CTT ACT CAT(SEQ ID: No.39)−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.41)
KBP11=CHKHC(SEQ ID: No.40)−TTT GCT CTT ACT CAT−(SEQ ID: No.39)−HAIYPRH(SEQ ID: No.41)
図1に示すように、KBP10又はKBP11のPC12細胞への取り込みは、PNA単独の取り込みよりもはるかに高い。
【0059】
[細胞毒性の測定]
PC12細胞は、PNA又はペプチド−核酸結合体と共に48時間培養される。培養終了後、光学顕微鏡によって細胞形態が検査される。培地は、ニュートラルレッドを含んでいる培地と交換される。分光光度計によってニュートラルレッド取り込み量が測定され、細胞毒性の指標として使用される(図2)。
対照(PNA)=TTT GCT CTT ACT CAT(SEQ ID: No.39)
KBP10=CHKHC(SEQ ID: No.40)−TTT GCT CTT ACT CAT(SEQ ID: No.39)−THRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.41)
KBP11=CHKHC(SEQ ID: No.40)−TTT GCT CTT ACT CAT−(SEQ ID: No.39)−HAIYPRH(SEQ ID: No.41)
図2に示すように、KBP10とKBP11とでは、ニュートラルレッドのPC12細胞への取り込みに著しい差はなかった。
【0060】
〈例2:bEND3細胞系(BBB細胞モデル)〉
フルオレセイン標識されたPNA(TTT GCT CTT ACT CAT)(SEQ ID.No.39)又はペプチドPNAの、bEND3(CHKHC(SEQ ID: No.40)−TTT GCT CTT ACT CAT−(SEQ ID: No.39)HAIYPRH(SEQ ID. No.41)への取り込み。
【0061】
bEND3細胞は、ポリ−L−オルニチンでコーティングされた35mmシャーシ上に蒔かれる。蒔いた24時間後、細胞培養培地は、10μM PNA又はペプチドPNAを含んでいるDMEMと取り替えられる。細胞は4時間培養される。培養後、細胞はPBSで3回洗浄される。そして、細胞を共焦点顕微鏡で観察できるように、培地は新鮮なDMEMと交換される(図3)。図3に示すように、ペプチド−PNAの取り込みは、はっきりと観察された。しかし、PNA単独の取り込みは見られなかった。
【0062】
〈例3:NMB細胞系〉
PNA(GCAT)又はペプチド−PNA結合体(GCAT−THRPPMWSPVWP)(SEQ ID: No.42)のヒト神経細胞系NMBへの取り込み。細胞は、ポリ−L−オルニチンでコーティングされた96ウエルシャーシ上に蒔かれる。蒔いた1日後、培地は、1マイクロモル PNAを含んでいる新鮮な無血清培地と交換される。15又は60分後、培養培地は取り除かれ、細胞は酸洗浄溶液で3回洗浄される。そして、蛍光性が測定される(図4)。
【0063】
〈例4:インビボでの脳への取り込み−頸動脈内注入〉
ペプチド−PNA結合体(KBP10、KBP11)のラットの脳毛細血管の管腔側への取り込みを、1μM PNA溶液を頸動脈内注入した後に測定した。lml/300gのEquitezine(ペントバルビタールナトリウム、抱水クロラール)を腹腔内投与することによって、300gのウイスターラットに麻酔をかけた。ラットをあお向けにし、胸筋と下顎との間の正中線で切断した。筋肉は、鈍的切開により分離され、血管を露出させた。外頸動脈(external carotid)、蝶口蓋管(pterygopalatine)、及び後頭動脈(occipital arteries)を、縫合糸を使用して閉塞した。そして、分岐部(bifurcation)の手前の総頸動脈(common carotid)及び内頸動脈(internal carotid)にクランプを取り付けた。分岐部の近傍の動脈を切開し、後の使用のために分岐部の下に縫合糸を挿入した。生理食塩水を充填済みの透明なビニールチューブ(ID 0.5mm、OD 0.8mm)を挿入した。そして、血管内でチューブを保持すべく及びリッキングを防止すべく、前記縫合糸を使用して縫合閉塞した。前記チューブには微量注入ポンプが接続され、溶液を1ml/10分の割合で注入した。溶液は、総量で0.5ml注入した。その後、チューブを取り出し、血管を閉塞し、ラットをPBS(xl)で潅流した。PBS溶液の後に、脳を4%のパラホルムアルデヒドで潅流した。脳を取り出し、共焦点顕微鏡用のスライド用に8μmに切断する。KBP10(図5A)又はKBP11(図5B)を頸動脈内注入した5分後に、共焦点顕微鏡でFITC標識されたKBP10又はKBP11の取り込みを分析した。KBP10又はKBP11の実質的な分布は、化合物がBBBをはっきりと横切ったことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】PNA結合体のPC12細胞内への取り込みを示している。
【図2】PNA結合体を48時間培養した後の、ニュートラルレッドのPC12細胞への取り込みを示している。
【図3A】フルオレセイン標識されたペプチド−PNA結合体、又はフルオレセイン標識された非修飾PNAと共に培養されたbEND3細胞の蛍光画像を示している。
【図3B】フルオレセイン標識されたペプチド−PNA結合体、又はフルオレセイン標識された非修飾PNAと共に培養されたbEND3細胞の蛍光画像を示している。
【図4】PNA結合体のヒト神経系NMB細胞への取り込みを示している。PNA結合体のPC12細胞内への取り込みを示している。
【図5A】インビボでのPNA結合体の脳への取り込みを示している。
【図5B】インビボでのPNA結合体の脳への取り込みを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の化学式I〜IVのいずれか1つで表される分子。
I. [(L)t−(N)r−(H)q−(P)s]x
II. [(L)t−(H)q−(N)r−(P)s]x
III.[(P)s−(N)r−(H)q−(L)t]x
IV. [(P)s−(H)q−(N)r−(L)t]x
ただし、Nは塩基長さが1〜100の核酸配列、Lは特異受容体と結合するペプチドリガンド、Pはプラス帯電部分、Hは疎水性部分、rは1〜25の整数、tは1〜50の整数、sは1〜25の整数、qは0〜20の整数、xは1〜20の整数である。
【請求項2】
請求項1に記載の分子であって、
前記核酸配列は、mRNA、cDNA、DNA、DNA類似物、ポリアミド核酸(PNA)、PNAモルホリノ、アミノエチルプロリル(aep)PNA、ピロリジニルPNA、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似物、リボザイム、又はRNAiであることを特徴とする分子。
【請求項3】
請求項1に記載の分子であって、
前記核酸配列はPNAであることを特徴とする分子。
【請求項4】
請求項1に記載の分子であって、
前記核酸配列は、アンチセンス、抗原又はデコイ機能であることを特徴とする分子。
【請求項5】
請求項1に記載の分子であって、
前記核酸配列は、中性である又はマイナスに帯電していることを特徴とする分子。
【請求項6】
請求項1に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンドは、トランスフェリン、インスリン、インスリン成長因子、又はレプチンの受容体と結合することを特徴とする分子。
【請求項7】
請求項6に記載の分子であって、
前記インスリン成長因子は、インスリン成長因子−I又はインスリン成長因子−IIであることを特徴とする分子。
【請求項8】
請求項1に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンドは、HAIYPRH(SEQ ID: No.1)又はTHRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.2)であることを特徴とする分子。
【請求項9】
請求項1に記載の分子であって、
前記疎水性部分は核酸であることを特徴とする分子。
【請求項10】
請求項1に記載の分子であって、
前記疎水性部分は、疎水性ペプチド、脂質酸、脂質分子、オクタノール、コレステロール、疎水性ペプチド保護基、アダマンティン、ピレン、エイコセン酸、C(6−16)グリセリド脂質、フェノキサジン、DMT基、コラン酸、リトコール酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘプタデシル基、ヘキサデシルグリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシアミン、ジヒドロテストステロン、1−ピレン酪酸、アルカン酸、アルカノール、又はそれらいずれかの派生物であることを特徴とする分子。
【請求項11】
請求項10に記載の分子であって、
前記アルカン酸は次の構造式で表されることを特徴とする分子。
R−(CH)n−COOH
ただし、nは1〜20の整数であり、Rは直鎖又は分岐鎖アルキルである。
【請求項12】
請求項10に記載の分子であって、
前記アルカノールは次の構造式で表されることを特徴とする分子。
R−(CH)n−OH
ただし、nは1〜20の整数であり、Rは直鎖又は分岐鎖アルキルである。
【請求項13】
請求項10に記載の分子であって、
前記脂質酸は、ウンデカン酸及び/又はドコサヘキサエン酸であることを特徴とする分子。
【請求項14】
請求項10に記載の分子であって、
前記疎水性ペプチド保護基は、Fmoc又はTbocであることを特徴とする分子。
【請求項15】
請求項1に記載の分子であって、
前記プラス帯電部分は核酸であることを特徴とする分子。
【請求項16】
請求項1に記載の分子であって、
前記プラス帯電部分は、プラスに帯電したペプチド、ペプチド模倣薬、ポリカチオン、ヒスチジン、イミダゾール基、2−O−アミノプロピル、2−O−ジメチルアミノプロピル、2−O−イミダゾリル−エチル、2−O−アミノエチルアミノ−オキシエチル、2−ジメチルアミノエチル−オキシエチル、又はそれらいずれかの派生物であることを特徴とする分子。
【請求項17】
請求項1に記載の分子であって、
前記プラス帯電部分は、アルギニン、ポリアミン、及び/又はグアニジンの内の少なくとも1つの基を含むことを特徴とする分子。
【請求項18】
請求項17に記載の分子であって、
前記ポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、又はプトリシンであることを特徴とする分子。
【請求項19】
請求項1に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンド、前記核酸配列、前記疎水性部分、及び前記プラス帯電部分は、ペプチド結合によって互いに直接的に結合していることを特徴とする分子。
【請求項20】
請求項1に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンド、前記疎水性部分、前記核酸配列、及び前記プラス帯電部分の間を結合するリンカー部分をさらに含むことを特徴とする分子。
【請求項21】
請求項20に記載の分子であって、
前記リンカー部分は、ポリエチレン・グリコール、ジスルフィド、アミド、アミン、オキシアミン、オキシイミン、モルホリン、チオエーテル、チオ尿素スルホンアミド、エーテル、エステル、炭酸塩、カルバミン酸塩、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、プラリン、リジン、システイン、グアニジン、又はそれらいずれかの派生物であることを特徴とする分子。
【請求項22】
請求項21に記載の分子であって、
前記ポリエチレン・グリコールの分子量は、2000〜40,000の範囲であることを特徴とする分子。
【請求項23】
次の化学式V〜VIIIのいずれか1つで表される分子。
V. [(L)t−(PNA)r−(H)q−(P)s]x
VI. [(L)t−(H)q−(PNA)r−(P)s]x
VII. [(P)s−(PNA)r−(H)q−(L)t]x
VIII.[(P)s−(H)q−(PNA)r−(L)t]x
ただし、PNAは塩基長さが1〜100のペプチド核酸、Lは特異受容体と結合するペプチドリガンド、Pはプラス帯電部分、Hは疎水性部分、rは1〜25の整数、tは1〜50の整数、sは0〜25の整数、qは0〜20の整数、xは1〜20の整数である。
【請求項24】
請求項23に記載の分子であって、
前記PNA配列は、アンチセンス、抗原又はデコイ機能であることを特徴とする分子。
【請求項25】
請求項23に記載の分子であって、
前記PNA配列は、中性である又はマイナスに帯電していることを特徴とする分子。
【請求項26】
請求項23に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンドは、トランスフェリン、インスリン、インスリン成長因子、又はレプチンの受容体と結合することを特徴とする分子。
【請求項27】
請求項26に記載の分子であって、
前記インスリン成長因子は、インスリン成長因子−I又はインスリン成長因子−IIであることを特徴とする分子。
【請求項28】
請求項23に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンドは、HAIYPRH(SEQ ID: No.1)又はTHRPPMWSPVWP(SEQ ID: No.2)であることを特徴とする分子。
【請求項29】
請求項23に記載の分子であって、
前記疎水性部分は核酸であることを特徴とする分子。
【請求項30】
請求項23に記載の分子であって、
前記疎水性部分は、疎水性ペプチド、脂質酸、脂質分子、オクタノール、コレステロール、疎水性ペプチド保護基、アダマンティン、ピレン、エイコセン酸、C(6−16)グリセリド脂質、フェノキサジン、DMT基、コラン酸、リトコール酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘプタデシル基、ヘキサデシルグリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシアミン、ジヒドロテストステロン、1−ピレン酪酸、アルカン酸、アルカノール、又はそれらいずれかの派生物であることを特徴とする分子。
【請求項31】
請求項30に記載の分子であって、
前記アルカン酸は次の構造式で表されることを特徴とする分子。
R−(CH)n−COOH
ただし、nは1〜20の整数であり、Rは直鎖又は分岐鎖アルキルである。
【請求項32】
請求項30に記載の分子であって、
前記アルカノールは次の構造式で表されることを特徴とする分子。
R−(CH)n−OH
ただし、nは1〜20の整数であり、Rは直鎖又は分岐鎖アルキルである。
【請求項33】
請求項30に記載の分子であって、
前記脂質酸は、ウンデカン酸及び/又はドコサヘキサエン酸であることを特徴とする分子。
【請求項34】
請求項30に記載の分子であって、
前記疎水性ペプチド保護基は、Fmoc又はTbocであることを特徴とする分子。
【請求項35】
請求項30に記載の分子であって、
前記プラス帯電部分は核酸であることを特徴とする分子。
【請求項36】
請求項23に記載の分子であって、
前記プラス帯電部分は、プラスに帯電したペプチド、ペプチド模倣薬、ポリカチオン、ヒスチジン、イミダゾール基、2−O−アミノプロピル、2−O−ジメチルアミノプロピル、2−O−イミダゾリル−エチル、2−O−アミノエチルアミノ−オキシエチル、2−ジメチルアミノエチル−オキシエチル、又はそれらいずれかの派生物であることを特徴とする分子。
【請求項37】
請求項23に記載の分子であって、
前記プラス帯電部分は、アルギニン、ポリアミン、及び/又はグアニジンの内の少なくとも1つの基を含むことを特徴とする分子。
【請求項38】
請求項37に記載の分子であって、
前記ポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、又はプトリシンであることを特徴とする分子。
【請求項39】
請求項23に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンド、前記核酸配列、前記疎水性部分、及び前記プラス帯電部分は、ペプチド結合によって互いに直接的に結合していることを特徴とする分子。
【請求項40】
請求項23に記載の分子であって、
前記ペプチドリガンド、前記疎水性部分、前記核酸配列、及び前記プラス帯電部分の間を結合するリンカー部分をさらに含むことを特徴とする分子。
【請求項41】
請求項40に記載の分子であって、
前記リンカー部分は、ポリエチレン・グリコール、ジスルフィド、アミド、アミン、オキシアミン、オキシイミン、モルホリン、チオエーテル、チオ尿素スルホンアミド、エーテル、エステル、炭酸塩、カルバミン酸塩、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、プラリン、リジン、システイン、グアニジン、又はそれらいずれかの派生物であることを特徴とする分子。
【請求項42】
請求項21に記載の分子であって、
前記ポリエチレン・グリコールの分子量は、2000〜40,000の範囲であることを特徴とする分子。
【請求項43】
1つ以上の薬学的に許容される賦形剤又は補助剤と共に、活性成分として、効果的な量の1つ以上の請求項1に記載の分子を含むことを特徴とする組成物。
【請求項44】
1つ以上の薬学的に許容される賦形剤又は補助剤と共に、活性成分として、効果的な量の1つ以上の請求項23に記載の分子を含むことを特徴とする組成物。
【請求項45】
請求項43に記載の組成物であって、
経口又は非経口投与用に作成されたことを特徴とする組成物。
【請求項46】
請求項44に記載の組成物であって、
経口又は非経口的投与用に作成されたことを特徴とする組成物。
【請求項47】
請求項43に記載の組成物であって、
非コート錠剤、コート錠剤、ピル、カプセル、粉末、又は懸濁液として作成されたことを特徴とする組成物。
【請求項48】
請求項44に記載の組成物であって、
非コート錠剤、コート錠剤、ピル、カプセル、粉末、又は懸濁液として作成されたことを特徴とする組成物。
【請求項49】
請求項43に記載の組成物であって、
静脈内投与用に作成されたことを特徴とする組成物。
【請求項50】
請求項44に記載の組成物であって、
静脈内投与用に作成されたことを特徴とする組成物。
【請求項51】
細胞膜を横切って核酸配列を送達する方法であって、
効果的な量の1つ以上の請求項1に記載の分子を細胞に加えるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項51に記載の方法であって、
前記細胞は、内皮細胞、神経細胞、又はグリア細胞であることを特徴とする方法。
【請求項53】
細胞膜を横切ってPNA配列を送達する方法であって、
効果的な量の1つ以上の請求項23に記載の分子を細胞に加えるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法であって、
前記細胞は、内皮細胞、神経細胞、又はグリア細胞であることを特徴とする方法。
【請求項55】
血液脳関門を横切って脳に核酸配列を送達する方法であって、
効果的な量の1つ以上の請求項1に記載の分子を患者に投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項56】
血液脳関門を横切って脳にPNA配列を送達する方法であって、
効果的な量の1つ以上の請求項23に記載の分子を患者に投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
血液脳関門を横切って脳に核酸配列を送達する方法であって、
効果的な量の1つ以上の請求項43に記載の分子を患者に投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項58】
血液脳関門を横切って脳にPNA配列を送達する方法であって、
効果的な量の1つ以上の請求項44に記載の分子を患者に投与するステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2007−508030(P2007−508030A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534905(P2006−534905)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000939
【国際公開番号】WO2005/035550
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506126059)カーネル・バイオファーマ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】KERNEL BIOPHARMA INC.
【住所又は居所原語表記】Nahal Bezek 9/3, c/o Itschak Lamensdor, 71700 Modiin, ISRAEL
【Fターム(参考)】