説明

衛星時刻同期方法及び衛星時刻同期システム

【課題】建物内のような環境下で、衛星から送られてくる減衰された超微弱な信号から、正確な時刻同期を可能とする。
【解決手段】衛星2からの信号Sを受信機端末5にて受信して、パターン化された特定部位Aを検出して、サブフレーム先端ビットEを検出する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星時刻同期方法及び衛星時刻同期システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者等は、既に特願2003−140251号(特許文献1参照)等に於て、家屋内,建物の陰,ビルの中等の、衛星からの信号が減衰した場所における、衛星との擬似距離を、精度良く測定できる衛星測位方法を提案してきた。
【特許文献1】特許第3809153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、衛星を使った時刻同期方法(システム)に関しては、(上述のようなビルの中等の)衛星信号が減衰された場所では、従来、不可能乃至至難と考えられてきた。その理由は、衛星から送られた信号が、このような場所では、余りにも減衰されて、航法データのメッセージ解読が困難であったためである。
【0004】
そこで、本発明は、ビルの中等で衛星信号が減衰され、信号に存在するメッセージの復調が不可能な場合でも、正確に時刻同期を行うことができる衛星時刻同期方法とそのシステムを、提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、衛星から受信機端末に送られる信号は、サブフレーム先端ビットから第1所定ビット分がパターン化された特定部位であって、上記先端ビットから第2所定ビット分の位置に衛星時刻が配分されて数秒単位の周期をもって繰り返されるサブフレームから、構成され、該信号を受信して上記受信機端末の内部時計を衛星時刻に同期させる衛星時刻同期方法であって、衛星からの上記信号を上記受信機端末にて受信して、パターン化された上記特定部位を検出することによって上記サブフレーム先端ビットを検出し、上記信号の航法データのメッセージ解読を行わずに、上記内部時計を衛星時刻に同期させる方法である。
【0006】
また、本発明は、衛星から受信機端末に送られる信号は、サブフレーム先端ビットから第1所定ビット分がパターン化された特定部位であって、上記先端ビットから第2所定ビット分の位置に衛星時刻が配分されて数秒単位の周期をもって繰り返されるサブフレームから、構成され、該信号を受信して上記受信機端末の内部時計を衛星時刻に同期させる衛星時刻同期方法であって、
衛星からの上記信号を上記受信機端末にて受信して、上記信号の航法データの1ビットを微小に分割したデータを合計し、その合計した値と受信機端末の有するレプリカとの相関計算を行い、極性修正情報にて極性修正を行って、又は、絶対値をとって、得られた結果を同期加算することを、微小分割の数だけ繰り返し、結果の最大値より微小分割のどの位置にビットエッジが存在するか検出するビットエッジ検出工程と、
該ビットエッジ検出工程によって得られた上記ビットエッジを元に、相関計算と同期加算を行って、上記パターン化された特定部位を検出して、上記サブフレーム先端ビットを検出して、該先端ビットから上記第2所定ビット分の位置の衛星時刻を演算し、
予め所定誤差内に補正した上記内部時計の概略時刻を、上記衛星時刻と正確に同期させる方法である。なお、上記予め所定誤差内に補正するために、外部基地局のサーバからの参照情報に基づくのが望ましい。
【0007】
また、本発明は、衛星から受信機端末に送られる信号は、サブフレーム先端ビットから第1所定ビット分がパターン化された特定部位であって、上記先端ビットから第2所定ビット分の位置に衛星時刻が配分されて数秒単位の周期をもって繰り返されるサブフレームから、構成され、該信号を受信して上記受信機端末の内部時計を衛星時刻に同期させる衛星時刻同期システムであって、
上記受信機端末は、衛星からの上記信号を受信する衛星信号受信部と、
信号の航法データの1ビットを微小に分割したデータを合計して、その合計した値とレプリカとの相関計算を行うと共に、極性修正情報にて極性修正を行って得られた結果を同期加算することを、微小分割の数だけ繰り返して、結果の最大値より微小分割のどの位置にビットエッジが存在するか検出するビットエッジ検出部と、
上記ビットエッジ検出部によって得られた上記ビットエッジを元に、相関計算と同期加算を行って、上記パターン化された特定部位を検出する特定部位検出部と、
該特定部位検出部によって得られた特定部位の先端を、サブフレーム先端ビットと判断するサブフレーム先端ビット検出部と、
該サブフレーム先端ビット検出部から得られた先端ビットを元に、上記第2所定ビット分の位置の衛星時刻を演算する時刻演算部と、
外部基地局のサーバからの参照情報を受信する参照情報受信部と、
該参照情報受信部にて受信した参照情報に基づいて、所定誤差内に在る概略時刻を決定する通信処理部と、
上記時刻演算部の衛星時刻によって、上記概略時刻を補正して、内部時計を同期させる内部時計補正部と、
を具備している。
【0008】
そして、上記時刻演算部、及び/又は、上記内部時計補正部が、以下の数式1に基づいて、正確な時刻を演算している衛星時刻同期システムである。
〔数1〕
0 =P×N+ΔT1 +ΔT3
但し、
0 :正確な内部時計の時刻
P:サブフレームの周期
N:整数
ΔT1 :衛星から受信機端末までの伝達時間
ΔT3 :(サブフレーム先端ビットから衛星時刻までの)第2所定ビット分の時間
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ビルの中等で衛星信号が減衰され(雑音の中に埋もれて)、メッセージの解読が不可能な場所に於ても、極めて正確な時刻に、受信機端末の内部時計を、同期可能である。これに伴って、高速の無線通信を実現可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
【0011】
図2と図6に示すように、本発明は、衛星2から送られてくる信号Sを受信機端末5にて受信し、かつ、外部基地局のサーバ10からネットワーク11を介して送信される参照情報(アシスト情報)を上記受信機端末5にて受信し、受信機端末5の内部時計(図示せず)を、衛星時刻に同期させる方法である。
【0012】
衛星2から受信機端末5へ送られる信号Sの一例を、図5に示す。この図5では、GPS衛星から送信されるGPS信号を例示する。即ち、同期的に 300ビットで繰り返す5個のサブフレームF1 ,F2 ,F3 ,F4 ,F5 をもって、1フレーム(1セット)F0 を構成し、この1フレームF0 が順次繰り返す。1ビットが20msecであり、従って、各サブフレームFの周期は、6sec である。
各サブフレームF1 ,F2 ,F3 ,F4 ,F5 は、サブフレーム先端ビットEから、30msecのTLM,30msecのHOW,(時刻補正と衛星状態又はエフェメリス又はアルマナック等の)メッセージ部M1 ,M2 ,M3 ,M4 ,M5 から構成されている。上記TLM内の上位8ビット(つまり、サブフレーム先端ビットEから8ビット)は、プリアンブル(10001011)から成る特定部位Aである。即ち、全てのサブフレームF1 ,F2 ,F3 ,F4 ,F5 に於て、網目にて示した特定部位Aは、上記の10001011のようにパターン化され、同一の情報が含まれている。
そして、HOWの先端位置H0 は厳密に、グリニッジ標準時刻をベースとした衛星時刻に合致する。
【0013】
このように、衛星2から受信機端末5に送られる信号Sは、サブフレーム先端ビットEから第1所定ビット分B1 ───GPS信号を示す図5では8ビット分───がパターン化された特定部位Aであり、サブフレーム先端ビットEから第2所定ビット分B2 ───GPS信号を示す図5では30ビット分───の位置に、衛星時刻が配分されたサブフレームFは、数秒単位(図5では6sec 単位)の周期Pをもって、繰り返す。
【0014】
本発明は、上述の信号Sを受信機端末5にて受信し、ビルの中等で信号Sが減衰され、ノイズが大き過ぎて、メッセージ部M1 ,M2 ,M3 ,M4 ,M5 等の復調───解読───が困難な状況下にて、受信機端末5の内部時計を、衛星時刻に同期させる方法及びシステムである。
【0015】
以下、図1〜図7に基づいて、具体的に詳説すると、衛星2からの信号Sを受信機端末5が受信し、ノイズに対する信号比率が十分になる同期加算の時間に対応する所定時間の衛星受信信号Sにより、受信機端末5の内部時計の時刻を、衛星2の時刻に同期させる方法であって、図3に示すように、信号Sの航法データの(上記所定時間に相当の)1ビット───20msec───を、1msecに分割し、かつ、データ取得開始D1 ,D2 ,D3 ,………D19,D20を、1msecずつ遅らせ、20個得る(初期信号工程)。即ち、図3と図4に示すように、第1入力信号CH1 ,CH2 ,CH3 ,………CH19,CH20を得る。次に、図4に示すように、1msecずつ遅れて得られた第1入力信号CH1 ,CH2 ,CH3 ,………CH19,CH20の各々について、合計して第2信号Σ20を得る。合計した値(第2信号)Σ20と、受信機端末5の有するレプリカ(PN符号)との相関計算を行う。
【0016】
極性修正情報が有効な場合は極性修正を行い、又は、絶対値をとり、得られた値を、20msec分の信号───微小分割の数の信号───にわたって同期加算を繰り返す。各第1入力信号CH1 ,CH2 ,CH3 ,………CH19,CH20に於けるピーク値を比較し、最大値検出により、どの位置にビットエッジGが存在するかを、検出できる(これを、図1に示すビットエッジ検出工程6又はビットシンク工程と呼ぶ)。
【0017】
次に、上記ビットエッジ検出工程6によって得られたビットエッジGを元に、相関計算と同期加算を行って、パターン化された前記特定部位Aを検出して、これによって、サブフレーム先端ビットEを検出する(これを、図1に於て特定部位検出工程7と呼ぶ)。
この特定部位検出工程7について、具体的に説明すると、ビットエッジ検出工程6に於て得られた航法データのビットエッジGを元に、所定時間(ノイズに対する信号比率が十分になる同期加算の時間)の衛星受信信号Sから、前述した第1所定ビット分B1 の長さ───特定部位Aにおけるプリアンブルの長さ───の8ビットに相当する(図5の下部に示した)第3入力信号CH1 ,CH2 ,………CH299 ,CH300 を、1ビット(20msec)ずつ遅らせて、所定数( 300個)得る(図5下半部参照)。この 300個とは、1つのサブフレームFのビット数に相当する。
【0018】
この第3入力信号(図5のCH1 ,CH2 ,………CH299 ,CH300 )の各々について、8ビット分のデータを取得し、受信機端末5が予め用意した所定の長さ(8ビット)のレプリカ(航法データ)との相関計算を行い、結果を極性修正、又は、絶対値をとり、得られた値を第4入力信号とする。この第4入力信号について、上記所定時間分にわたって同期加算を行い、その結果から航法データの特定部位A(プリアンブル)の位置を特定する。この特定部位Aの位置の先端がサブフレーム先端ビットEである。以上が、図1に示した特定部位検出工程7である。次に、このようにしてサブフレーム先端ビットEから、(前述の)第2所定ビット分B2 の時間ΔT3 だけ進んでいる衛星時刻H0 を、演算する(これを、図1に於て、時刻演算工程8と呼ぶ)。
【0019】
他方、(図2又は図6に示した)外部基地局のサーバ10からネットワーク11を介して送られてくる参照情報(アシスト情報)に基づいて、予め所定誤差±Z内に設定する(これを概略時刻設定工程9と呼ぶ)。なお、手動にて、予め所定誤差±Z内に設定することも可能である(これも概略時刻設定工程9と呼ぶ)。このように設定(補正)した内部時計の概略時刻を、その後、上記衛星時刻H0 と正確に同期させる(これを衛星時刻同期工程15又は内部時計補正工程と呼ぶ)。上記概略時刻は、図5にて説明した1のサブフレームFの周期Pである6秒(sec )の半分をZとして、誤差が±Z=±3sec 未満に設定される。
【0020】
図1に於て、上述した本発明の衛星時刻同期方法をフローチャートにて示したが、図6に示すブロック図に基づいて、(重複する説明もあるが)本発明に係る衛星同期システムを説明する。12は衛星受信部であり、衛星2から送られる信号Sを直接に受信する。13は、衛星捕獲・追尾部であり、ビットエッジ検出部14へ信号を送る。
ビットエッジ検出部14は、既述の(図1の)ビットエッジ検出工程6を行う。
【0021】
次に、16は、ビットエッジ検出部6によって得られたビットエッジGを元に、相関計算と同期加算を行って、パターン化された特定部位Aを検出する特定部位検出部である。次に、この特定部位検出部16によって得られた特定部位Aの先端を、サブフレーム先端ビットEと判断するサブフレーム先端ビット検出部17が、設けられている。図1に於ては、この2つの検出部16, 17が行う工程を、特定部位検出工程7と呼んでいる。
【0022】
18は、サブフレーム先端ビット検出部17から得られた先端ビットEを元に(図5参照)、第2所定ビット分B2 の位置の衛星時刻H0 を演算する時刻演算部である。
19は、外部基地局のサーバ10からの参照情報(アシスト情報)を受信する参照情報受信部である。20は、この受信部19にて受信した参照情報に基づいて、所定誤差±Z内に在る概略時刻を決定する通信処理部である。
21は、時刻演算部18の衛星時刻によって、通信処理部20から送信される概略時刻を補正して、内部時計を補正する内部時計補正部である。
【0023】
そして、上記時刻演算部18及び内部時計補正部21に於て、次の数式1に基づいて、(高精度に)正確な時刻T0 が求められる。
〔数1〕
0 =P×N+ΔT1 +ΔT3
但し、
0 :正確な内部時計の時刻
P:サブフレームの周期
N:整数
ΔT1 :衛星から受信機端末までの伝達時間
ΔT3 :(サブフレーム先端ビットから衛星時刻までの)第2所定ビット分の時間
【0024】
さらに、詳しく説明すれば、受信機端末5の概略位置、及び、外部基地局のサーバ10からネットワーク11を介して送られた参照時刻情報と衛星軌道情報、及び、電離層遅延補正情報と衛星番号のアシスト情報から、衛星と受信機端末5間の距離Lを求めて、光速Cl で除算することで、信号Sの伝達時間ΔT1 を求める。即ち、ΔT1 =L/Cl として伝達時間ΔT1 が求められる。
【0025】
他方、外部基地局のサーバ10からネットワーク11を介して送られた参照時刻情報等(又は、手動とすることも可能)により、正確な時刻から、誤差±Z未満をもって、同期する。このZの値は、図5に示すサブフレームFの周期Pの半分とし、例えば、Z=P/2=6sec /2=3sec とする。
なお、上記受信機端末5の概略位置は、サーバ10のような外部装置から受信機端末5に与えることもできる。
上記信号Sは、図5に示すように、P秒の周期のサブフレームF1 ,F2 ,F3 ,F4 ,F5 にて、周期的に送信され、GPS信号の場合を例にとれば、P=6sec であり、フレームF0 は30sec である。上記誤差を示す±Zの値は、周期PによりP÷2(秒)に決定する。
【0026】
本発明では、例えば、図5に示すような各サブフレームF上にある特定部位Aを検出することで、サブフレーム先端ビットEを見付けることにより、自身の内部時計の時刻から誤差±Z未満にある、周期P秒の倍数の値(P×N)が正しい時刻となることが判断できる(図2と図7参照)。
受信機端末5内の時刻演算部18及び内部時計補正部21によって、P×N(秒)に、上記ΔT1 ,ΔT3 を使用して、上述の数式1にて、正確な(内部時計の)時刻T0 を、演算できる。この際、信号S内のメッセージ部M1 ,M2 ,M3 ,M4 ,M5 の解読を行う必要が無い。言い換えると、サブフレーム先端ビットEを検出することで、正確な時刻T0 を求め得る。
【0027】
図7に示す具体例に於て、GPS衛星システムの場合、下方の時間軸t1 では、6秒毎にサブフレーム先端ビットEがGPS受信機端末5にて受信されている。他方、上方の時間軸t2 では、帯状に示した範囲R1 は、誤差として、±3秒を含んだ範囲を示す。例えば、図7に於て、現在の受信機端末5の内部時計の概略時刻を、m時n分22.000秒であったとして、ΔT1 が70msecとする。サブフレーム先端ビットEが検出された時刻(図7中の※印)の、上記範囲R1 内にある6の倍数秒の値が、その時の正確な秒となるはずであるが、前述の数式1に於て、ΔT1 =70msec, ΔT3 =− 600msecとすれば、正確な内部時計の時刻T0 は、次の数式2のようになる。
〔数2〕
0 =m時n分24.000秒+70msec− 600msec=m時n分23.470秒
このように、正しい時刻を、容易かつ確実に求めることが可能であり、特に、雑音にうもれた超微弱信号であっても、メッセージ部M1 ,M2 ,M3 ,………の解読を要することなく、高精度に正しい時刻T0 に内部時計を同期できる。
【0028】
なお、本発明は、上述のGPS衛星システムに限定されるものではなく、衛星から受信機端末に送られる信号は、サブフレーム先端ビットから第1所定ビット分がパターン化された特定部位であって、上記先端ビットから第2所定ビット分の位置に衛星時刻が配分されて数秒単位の周期をもって繰り返されるサブフレームから、構成されておれば、図5に示す以外の構成の信号であっても、自由に応用自在である。
また、外部基地局のサーバ10から送られてくる参照情報に基づいて設定する時刻の誤差がプラス(+)方向のみの場合は、サブフレームFの周期Pである6秒(sec )未満として、受信機端末5側の概略時刻補正の際に、P/2を引いた時刻を設定することにより、既述の実施の形態と同様に、±E=±3sec 未満として、処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の一形態を示すフローチャート図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す構成説明図である。
【図3】本発明のビットエッジ検出工程を説明するための図である。
【図4】本発明のビットエッジ検出工程を説明するためのフローチャート図である。
【図5】衛星から送られる信号の一例を示す説明図である。
【図6】本発明に係るシステムの構成説明図である。
【図7】具体的な作用説明図である。
【符号の説明】
【0030】
2 衛星
5 受信機端末
6 ビットエッジ検出工程
7 特定部位検出工程
8 時刻演算工程
9 概略時刻設定工程
10 サーバ
11 ネットワーク
15 衛星時刻同期工程
16 特定部位検出部
17 サブフレーム先端ビット検出部
18 時刻演算部
19 受信部
20 通信処理部
A 特定部位
1 第1所定ビット分
2 第2所定ビット分
E サブフレーム先端ビット
F,F1 ,F2 ,F3 ,F4 ,F5 サブフレーム
G ビットエッジ
0 HOWの先端位置(衛星時刻)
P 周期
S 信号
±Z 誤差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星から受信機端末に送られる信号は、サブフレーム先端ビットから第1所定ビット分がパターン化された特定部位であって、上記先端ビットから第2所定ビット分の位置に衛星時刻が配分されて数秒単位の周期をもって繰り返されるサブフレームから、構成され、該信号を受信して上記受信機端末の内部時計を衛星時刻に同期させる衛星時刻同期方法であって、
衛星からの上記信号を上記受信機端末にて受信して、パターン化された上記特定部位を検出することによって上記サブフレーム先端ビットを検出し、上記信号の航法データのメッセージ解読を行わずに、上記内部時計を衛星時刻に同期させることを特徴とする衛星時刻同期方法。
【請求項2】
衛星から受信機端末に送られる信号は、サブフレーム先端ビットから第1所定ビット分がパターン化された特定部位であって、上記先端ビットから第2所定ビット分の位置に衛星時刻が配分されて数秒単位の周期をもって繰り返されるサブフレームから、構成され、該信号を受信して上記受信機端末の内部時計を衛星時刻に同期させる衛星時刻同期方法であって、
衛星からの上記信号を上記受信機端末にて受信して、上記信号の航法データの1ビットを微小に分割したデータを合計し、その合計した値と受信機端末の有するレプリカとの相関計算を行い、極性修正情報にて極性修正を行って、又は、絶対値をとって、得られた結果を同期加算することを、微小分割の数だけ繰り返し、結果の最大値より微小分割のどの位置にビットエッジが存在するか検出するビットエッジ検出工程と、
該ビットエッジ検出工程によって得られた上記ビットエッジを元に、上記特定部位のレプリカとの相関計算と同期加算を行って、上記パターン化された特定部位を検出して、上記サブフレーム先端ビットを検出して、該先端ビットから上記第2所定ビット分の位置の衛星時刻を演算し、
予め所定誤差内に補正した上記内部時計の概略時刻を、上記衛星時刻と正確に同期させることを特徴とする衛星時刻同期方法。
【請求項3】
上記予め所定誤差内に補正するために、外部基地局のサーバからの参照情報に基づく請求項2記載の衛星時刻同期方法。
【請求項4】
衛星から受信機端末に送られる信号は、サブフレーム先端ビットから第1所定ビット分がパターン化された特定部位であって、上記先端ビットから第2所定ビット分の位置に衛星時刻が配分されて数秒単位の周期をもって繰り返されるサブフレームから、構成され、該信号を受信して上記受信機端末の内部時計を衛星時刻に同期させる衛星時刻同期システムであって、
上記受信機端末は、衛星からの上記信号を受信する衛星信号受信部と、
信号の航法データの1ビットを微小に分割したデータを合計して、その合計した値とレプリカとの相関計算を行うと共に、極性修正情報にて極性修正を行って得られた結果を同期加算することを、微小分割の数だけ繰り返して、結果の最大値より微小分割のどの位置にビットエッジが存在するか検出するビットエッジ検出部と、
上記ビットエッジ検出部によって得られた上記ビットエッジを元に、上記特定部位のレプリカとの相関計算と同期加算を行って、上記パターン化された特定部位を検出する特定部位検出部と、
該特定部位検出部によって得られた特定部位の先端を、サブフレーム先端ビットと判断するサブフレーム先端ビット検出部と、
該サブフレーム先端ビット検出部から得られた先端ビットを元に、上記第2所定ビット分の位置の衛星時刻を演算する時刻演算部と、
外部基地局のサーバからの参照情報を受信する参照情報受信部と、
該参照情報受信部にて受信した参照情報に基づいて、所定誤差内に在る概略時刻を決定する通信処理部と、
上記時刻演算部の衛星時刻によって、上記概略時刻を補正して、内部時計を同期させる内部時計補正部と、
を具備することを特徴とする衛星時刻同期システム。
【請求項5】
上記時刻演算部、及び/又は、上記内部時計補正部が、以下の数式1に基づいて、正確な時刻を演算している請求項4記載の衛星時刻同期システム。
〔数1〕
0 =P×N+ΔT1 +ΔT3
但し、
0 :正確な内部時計の時刻
P:サブフレームの周期
N:整数
ΔT1 :衛星から受信機端末までの伝達時間
ΔT3 :(サブフレーム先端ビットから衛星時刻までの)第2所定ビット分の時間

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−96672(P2010−96672A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268819(P2008−268819)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(501141253)マゼランシステムズジャパン株式会社 (15)
【Fターム(参考)】