説明

表示コントローラ、表示装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】複数視点に向けて夫々異なる画像を表示する表示装置において、遮光部に起因する問題を解決するとともに、表示部に表示する画像を容易に合成する手段を提供する。
【解決手段】表示コントローラ100は、視点画像データを複数の視点に対して記憶する画像メモリ120と、外部から入力した前記視点画像データを画像メモリ120に書き込む書き込み制御手段110と、レンチキュラレンズと表示部50との位置関係を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段140と、サブ画素40の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、画像メモリ120から前記視点画像データを読み出し合成画像データCMとして表示モジュールへ出力する読み出し制御手段130と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の視点に向けて夫々異なる画像を表示する装置、及び、表示する画像データの信号処理方法に関し、特に表示画像を高画質化するための表示部の構成と、各視点用の画像データを表示部に送る為の画像データの処理手段、画像データの処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(personal digital assistant)の発展にともない、表示装置の小型化、高精細化が進んでいる。一方、新たな付加価値を有する表示装置として、観察者が表示装置を観察する位置により異なる画像を観察する表示装置、すなわち複数の視点に向けて夫々異なる画像を提供する表示装置や、その夫々異なる画像を視差画像とし観察者へ立体表示を提供する表示装置が注目されている。
【0003】
複数の視点に向け夫々異なる画像を提供する方式としては、夫々の視点用の画像データを合成して表示部に表示し、表示された合成画像をレンズやスリットを持つバリア(遮光板)からなる光学的な分離手段により分離し、夫々の視点へ画像を提供する方式が知られている。画像分離の原理は、スリットを有するバリア、あるいは、レンズといった光学手段を用いて、視点方向ごとに見える画素を限定することによる。画像分離手段としては、縞状の多数のスリットを有するバリアからなるパララックスバリアや、一方向にレンズ効果を有するシリンドリカルレンズを配列したレンチキュラレンズが一般に用いられる。
【0004】
上記のような光学的な画像分離手段と、夫々の視点用の画像データから表示する合成画像を合成する手段を備えた多視点表示装置、又は立体表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、表示部に複数のサブ画素を構成する画素電極が水平垂直のマトリックス状に設けられ、画素電極の境界部には、水平に走査線、垂直にデータ線が設けられ、走査線・データ線の交点付近に画素スイッチング素子としてのTFT(thin film transistor)が設けられた液晶パネルとパララックスバリアとを用いて立体表示を行う表示装置、及び立体表示を行うときに表示部(液晶パネル)に表示する合成画像の合成方法が開示されている。
【0005】
光学的な画像分離手段を用いた立体表示装置は、特殊な眼鏡を装着する必要がなく、眼鏡を装着する煩わしさがない点で携帯機器への搭載に適している。実際に液晶パネルとパララックスバリアとからなる立体表示装置を搭載した携帯が製品化されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
ところで、上記の方式、すなわち、光学的な分離手段を用いて複数の視点に向けて夫々異なる画像を提供する表示装置では、観察者の視点位置が移動し視認する画像が切り換わるとき、画像と画像の境界が暗く見える場合がある。この現象は、各視点用の画素と画素の間の非表示領域(液晶パネルで一般にブラックマトリックスと呼ばれる遮光部)が視認されることに起因する。観察者の視点移動に伴う上記の現象は、光学的な分離手段を持たない一般の表示装置では発生しない。このため、観察者は、光学的な分離手段を備えた多視点表示装置、又は立体表示装置で発生する上記の現象に、違和感、あるいは、表示品質の低下を感じることになる。
【0007】
上記の光学的な分離手段と遮光部に起因する問題を改善するために、表示部の画素電極および遮光部の形状と配列を工夫し、表示品質の低下を抑制する表示装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0008】
図63は、特許文献2に記載の表示装置における表示部を示す平面図である。図63に示す開口部75は、画像表示の最小単位となるサブ画素の開口部である。開口部75の縦横の配列方向は、図63に示すように、夫々、縦方向11、横方向12と定義される。各々の開口部75の形状は、縦方向11に左右対称の台形と、この台形の下底の長さと長辺の長さが等しい長方形とを、台形の下底と長方形の長辺とが相互に接触するように配置することにより形成される六角形状である。また、画像分離手段は、縦方向11を長手方向とするシリンドリカルレンズ30aを、横方向12に配列したレンチキュラレンズである。シリンドリカルレンズ30aは長手方向にはレンズ効果を持たず、短手方向にのみレンズ効果を有する。すなわち、横方向12にレンズ効果が発揮される。したがって、横方向12に隣接するサブ画素41とサブ画素42の開口部75から出た光は、夫々別々の方向へ向けられる。
【0009】
開口部75は、縦方向11に対して相互に反対の方向に傾斜すると共に、その延びる方向と縦方向11とがなす角度の大きさが同一である1対の辺が配置されている。この結果、横方向12においては、表示パネルの開口部75の端部の位置と、シリンドリカルレンズ30aの光軸の位置とが、縦方向11において相対的に異なっている。更に、縦方向11に相互に隣接する開口部75は、横方向12に延びる線分に対して線対称になるように配置されている。また、横方向12に相互に隣接する開口部75は、その縦方向11における両端部の中点を結んだ線分と、横方向12における両端部の中点を結んだ線分との交点に対して、点対称になるように配置されている。
【0010】
このため、縦方向11の開口幅は、傾斜部ではサブ画素41とサブ画素42との開口部75を合算すると、横方向12の位置に拘わらず、略一定となっている。
【0011】
すなわち、特許文献2に記載の表示装置は、横方向12の任意の点において、シリンドリカルレンズ30aの配列方向と垂直となる縦方向11に、表示パネル切断面を想定すると、遮光部(配線70及び遮光部76)と開口部の割合が略一定となっている。したがって、観察者が画像の分離方向である横方向12に視点を移動し、観察方向が変わった場合でも、視認する遮光部の割合は略一定である。すなわち、観察者が特定方向から遮光部のみを観察することはなく、表示が暗く見えることもない。つまり、遮光領域に起因する表示品質の低下を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−109607号公報
【特許文献2】特開2005−208567号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス,2003年1月6日,No.838号,p.26−27
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前述の関連技術には、以下に示すような問題点がある。特許文献1の表示装置では、遮光部に起因する表示品質の低下が問題となる。遮光部に起因する問題を解決した特許文献2の表示装置は、サブ画素の画素電極の開口形状と遮光部の形状を維持する必要があり、遮光部となるスイッチング手段(TFT)は、特許文献1と異なり、走査線とデータ線の交点付近といった画素電極単位で一律の位置には配置できない。また、表示装置の表示部は、精細度の向上のため画素ピッチを細かくすることや、表示輝度の向上のため、表示輝度に寄与する開口部と遮光部の面積比で決まる所謂開口率を高めることが求められる。特許文献2に示される表示部の開口形状、遮光形状を維持しつつ、高開口率化を実現するためには、スイッチング手段の配置位置のみならず、スイッチング手段と走査線、データ線との接続関係も、関連技術と異なり、画素電極単位で一律とすることはできない。画素電極のスイッチング手段と走査線、データ線との接続関係が画素電極単位で一律ではなくなることは、特許文献1に示されるような、関連技術による合成画像の合成方法が適用できないことを意味する。
【0015】
[発明の目的]
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、複数の視点に向けて夫々画像を表示可能な表示装置において、上述の遮光部に起因する問題を抑制するサブ画素の形状と配列を維持し、かつ、高開口率が実現するように画素電極、スイッチング手段、走査線、データ線等の配置及び接続を行った表示部を備えた表示装置を提供すること、上述の表示部に表示する合成画像を合成する手段、及び合成画像を合成する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る表示コントローラは、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときm行かつn列に配列され、m+1本の前記走査線及び少なくともn本の前記データ線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で複数の視点に向ける第1の画像分離手段と、を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを出力する表示コントローラであって、
視点画像データを複数の視点に対して記憶する画像メモリと、
外部から入力した前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む書き込み制御手段と、
前記第1の画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出し制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る画像処理方法は、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときm行かつn列に配列され、m+1本の前記走査線及び少なくともn本の前記データ線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で複数の視点に向ける第1の画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ出力する合成画像データを生成する画像処理方法であって、
前記画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータをパラメータ記憶手段から読み込み、
視点画像データを複数の視点に対して、外部から入力して画像メモリに書き込み、
前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する、
ことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る画像処理プログラムは、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときm行かつn列に配列され、m+1本の前記走査線及び少なくともn本の前記データ線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で複数の視点に向ける第1の画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ出力する合成画像データを生成するための画像処理プログラムであって、
前記画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータをパラメータ記憶手段から読み込む手順と、
視点画像データを複数の視点に対して、外部から入力して画像メモリに書き込む手順と、
前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する手順と、をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、サブ画素の行列に対する走査線及びデータ線の接続パターンに規則性を見出したことにより、任意の行数及び列数に並ぶサブ画素と接続する走査線及びデータ線を実際に設計せずとも求めることができる。また、見出した規則性、画像分離手段の設置条件、サブ画素の配色順、最小単位となる上下サブ画素対の配列パターンなどから、合成画像データを容易に生成することができる。これより、一般の平面表示装置と同じ転送形式の入力画像データを用いることができるので、本発明が用いられる装置に対して出力画像データの並び換え等の負担をかけない。さらに、合成画像データを生成するときの条件をパラメータ化し、パラメータを記憶する手段を備えたことにより、表示モジュールの変更に対して、パラメータ変更で済み、映像信号処理手段を変更する必要がないので、設計工数の削減、低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態の概略構成図
【図2】本発明の第1実施形態の機能ブロック図
【図3】本発明の第1実施形態のサブ画素を4個分示した上面図
【図4】本発明の上下サブ画素対P2Rの構造、等価回路
【図5】本発明の上下サブ画素対P2Lの構造、等価回路
【図6】本発明の第1実施形態における入力画像データ
【図7】本発明の第1実施形態の画像分離手段配置の第1例
【図8】本発明の第1実施形態の表示部の配列パターン1
【図9】本発明の第1実施形態の表示部の配列パターン2
【図10】本発明の第1実施形態の表示部の配列パターン3
【図11】本発明の第1実施形態の表示部の配列パターン4
【図12】本発明の第1実施形態の配列パターン2におけるゲートライン反転駆動の極性分布
【図13】本発明の第1実施形態の配列パターン2におけるゲート2ライン反転駆動の極性分布
【図14】本発明の第1実施形態の配列パターン2におけるドット反転駆動の極性分布
【図15】本発明の第1実施形態の配列パターン3におけるドット反転駆動の極性分布
【図16】本発明の第1実施形態の配列パターン4における縦2ドット反転駆動の極性分布
【図17】本発明の第1実施形態の表示部の配列パターン5
【図18】本発明の第1実施形態の合成画像データ1:配列パターン1
【図19】本発明の第1実施形態の合成画像データ2:配列パターン2
【図20】本発明の第1実施形態の合成画像データ3:配列パターン3
【図21】本発明の第1実施形態の合成画像データ4:配列パターン4
【図22】本発明の第1実施形態の合成画像データ5:配列パターン5
【図23】本発明の第1実施形態の画像分離手段配置の第2例
【図24】本発明の第1実施形態の走査線の偶奇と視点画像
【図25】本発明の第1実施形態における走査線単位の規則性
【図26】本発明の第1実施形態の走査線の偶奇とデータ線の使用状態
【図27】本発明の第1実施形態の配列パターン記憶用ルックアップテーブル例
【図28】本発明の第1実施形態の配列パターン記憶用ルックアップテーブル例
【図29】本発明の第1実施形態の保存パラメータ
【図30】本発明の第1実施形態のフローチャート
【図31】本発明の第1実施形態のフローチャート
【図32】本発明の第1実施形態のフローチャート
【図33】本発明の第1実施形態のフローチャート
【図34】本発明の第1実施形態のフローチャート
【図35】本発明の第1実施形態のフローチャート
【図36】本発明の第1実施形態のフローチャート
【図37】本発明の表示装置を適用した1例の端末装置のブロック図
【図38】本発明の第2実施形態の画像分離手段配置例
【図39】本発明の第2実施形態の光学モデル
【図40】本発明の第2実施形態の表示部の配列パターン6
【図41】本発明の第2実施形態の配列パターン6における縦2ドット反転駆動の極性分布
【図42】本発明の第2実施形態における入力画像データ
【図43】本発明の第2実施形態の合成画像データ6:配列パターン6
【図44】本発明の第2実施形態の機能ブロック図
【図45】本発明の第2実施形態の入力データ並び換えを示す図
【図46】本発明の第3実施形態の機能ブロック図
【図47】本発明の第4実施形態の画像分離手段の配置
【図48】本発明の第4実施形態の機能ブロック図
【図49】第4実施形態の縦横変換(平面表示)を説明する図
【図50】第4実施形態の縦横変換(立体表示)を説明する図
【図51】本発明の第5実施形態の機能ブロック図
【図52】本発明の第5実施形態の動作の第1例を示すタイミングチャート
【図53】本発明に用いるドットバイドット形式のデータ転送の説明図
【図54】本発明の第5実施形態の動作の第2例を示すタイミングチャート
【図55】本発明の第6実施形態の機能ブロック図
【図56】本発明の第6実施形態の動作を示すタイミングチャート
【図57】本発明の第5から第8実施形態の入力画像データの1例
【図58】本発明の第7実施形態の機能ブロック図
【図59】本発明の第7実施形態の動作を示すタイミングチャート
【図60】本発明の入力データと表示部のサブ画素との対応関係を説明する図
【図61】本発明の第8実施形態の機能ブロック図
【図62】本発明の第8実施形態の動作を示すタイミングチャート
【図63】関連技術の表示装置における表示部を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、表示パネルにおける走査線の並ぶ方向を「垂直方向」、データ線の並ぶ方向を「水平方向」とする。さらに、垂直方向における画素電極の配列を「列」と呼び、水平方向における画素電極の配列を「行」と呼び、画素電極マトリックスをm行×n列と表記する。
【0022】
(第1実施形態)
まず、図1及び図2を主に、第1実施形態の概要について説明する。本実施形態の表示コントローラ100は、表示モジュール200へ合成画像データCMを出力するものである。表示モジュール200は、表示部50と第1の画像分離手段(30)とを備える。表示部50は、走査線G1,…により制御されるスイッチング手段(46:図3)を介してデータ線D1,…と接続するサブ画素40が、m,nを自然数としたときm行かつn列に配列され、m+1本の走査線G1,…及び少なくともn本のデータ線D1,…により駆動される。第1の画像分離手段(30)は、サブ画素40から出る光をサブ画素40単位で複数の視点に向ける。そして、表示コントローラ100は、視点画像データを複数の視点に対して記憶する画像メモリ120と、外部から入力した前記視点画像データを画像メモリ120に書き込む書き込み制御手段110と、第1の画像分離手段(30)と表示部50との位置関係を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段140と、サブ画素40の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、画像メモリ120から前記視点画像データを読み出し合成画像データCMとして表示モジュール200へ出力する読み出し制御手段130と、を備えたことを特徴とする。第1の画像分離手段(30)はレンチキュラレンズ30に相当し、スイッチング手段(46:図3)はTFT46に相当する。
【0023】
表示部50は、1本の走査線Gyを挟み配置された2つのサブ画素40a,40bからなる上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)を基本単位として構成される。2つのサブ画素40a,40bがそれぞれ有するスイッチング手段(46)は、2つのサブ画素40a,40bに挟まれた走査線Gyにより共通に制御され、かつ異なるデータ線Dx,Dx+1に接続する。走査線Gyの延伸方向に隣り合う上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)は、それぞれ異なる走査線Gy−1,Gy+1によりスイッチング手段(46)が制御されるように配置される。
【0024】
更に具体的に説明する。サブ画素40の色数は、例えば第1色(R)、第2色(G)及び第3色(B)の3色である。yを自然数としたとき、y本目の走査線Gyに接続する上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)の二つのサブ画素40a,40bは、一方の色が第1色(R)であり他方の色が第2色(G)であり、表示部50の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+1本目の走査線Gy+1に接続する上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)の二つのサブ画素40a,40bは、一方が第2色(G)であり他方が第3色(B)であり、表示部50の偶数列及び奇数列の他方を形成する。y+2本目の走査線Gy+2に接続する上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)の二つのサブ画素40a,40bは、一方が第3色(B)であり他方が第1色(R)であり、表示部50の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+3本目の走査線Gy+3に接続する上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)の二つのサブ画素40a,40bは、一方が第1色(R)であり他方が第2色(G)であり、表示部50の偶数列及び奇数列の他方を形成し、y+4本目の走査線Gy+4に接続する上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)の二つのサブ画素40a,40bは、一方が第2色(G)であり他方が第3色(B)であり、表示部50の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+5本目の走査線Gy+5に接続する上下サブ画素対P2R(図4)又はP2L(図5)の二つのサブ画素40a,40bは、一方が第3色(B)であり他方が第1色(R)であり、表示部50の偶数列及び奇数列の他方を形成する。
【0025】
このとき、読み出し制御手段130は、y本目の走査線Gyに対応して、読み出す色が第1色(R)及び第2色(G)であり、読み出す視点画像が表示部50の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、y+1本目の走査線Gy+1に対応して、読み出す色が第2色(G)及び第3色(B)であり、読み出す視点画像が表示部50の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、y+2本目の走査線y+2に対応して、読み出す色が第3色(B)及び第1色(R)であり、読み出す視点画像が表示部50の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、y+3本目の走査線Gy+3に対応して、読み出す色が第1色(R)及び第2色(G)であり、読み出す視点画像が表示部50の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、y+4本目の走査線Gy+4に対応して、読み出す色が第2色(G)及び第3色(B)であり、読み出す視点画像が表示部50の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、y+5本目の走査線y+5に対応して、読み出す色が第3色(B)及び第1色(R)であり、読み出す視点画像が表示部50の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、画像メモリ120から前記視点画像データを読み出す。
【0026】
本実施形態の画像処理方法は、本実施形態の表示コントローラ100の動作によって実現されている。すなわち、本実施形態の画像処理方法は、表示モジュール200へ出力する合成画像データCMを生成する画像処理方法であって、第1の画像分離手段(30)と表示部50との位置関係を示すパラメータをパラメータ記憶手段140から読み込み、視点画像データを複数の視点に対して、外部から入力して画像メモリ120に書き込み、サブ画素40の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、画像メモリ120から前記視点画像データを読み出し合成画像データCMとして表示モジュール200へ出力する、ことを特徴とする。本実施形態の画像処理方法の詳細は、本実施形態の表示コントローラ100の動作に準ずる。なお、他の実施形態における画像処理方法は、本実施形態と同様に他の実施形態における表示コントローラの動作によって実現されているので、その説明を省略する。
【0027】
本実施形態の画像処理プログラムは、本実施形態の表示コントローラ100の動作をコンピュータに実行させるためものである。表示コントローラ100がメモリ、CPU等からなるコンピュータを含む場合に、そのメモリに本実施形態の画像処理プログラムが格納され、そのCPUが本実施形態の画像処理プログラムを読み出し、解釈し、実行する。すなわち、本実施形態の画像処理プログラムは、表示モジュール200へ出力する合成画像データCMを生成するための画像処理プログラムであって、第1の画像分離手段(30)と表示部50との位置関係を示すパラメータをパラメータ記憶手段140から読み込む手順と、視点画像データを複数の視点に対して、外部から入力して画像メモリ120に書き込む手順と、サブ画素40の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、画像メモリ120から前記視点画像データを読み出し合成画像データCMとして表示モジュール200へ出力する手順と、をコンピュータに実行させるためのものである。本実施形態の画像処理プログラムの詳細は、本実施形態の表示コントローラ100の動作に準ずる。なお、他の実施形態における画像処理プログラムは、本実施形態と同様に他の実施形態における表示コントローラの動作をコンピュータに実行させるためものであるので、その説明を省略する。
【0028】
本実施形態によれば、サブ画素40の行列に対する走査線G1,…及びデータ線D1,…の接続パターンに規則性を見出したことにより、任意の行数及び列数に並ぶサブ画素40と接続する走査線G1,…及びデータ線D1,…を実際に設計せずとも求めることができる。また、見出した規則性、第1の画像分離手段(30)の設置条件、サブ画素40の配色順、最小単位となる上下サブ画素対P2R又はP2Lの配列パターンなどから、合成画像データCMを容易に生成することができる。これより、一般の平面表示装置と同じ転送形式の入力画像データを用いることができるので、本実施形態が用いられる装置に対して出力画像データの並び換え等の負担をかけない。さらに、合成画像データCMを生成するときの条件をパラメータ化し、パラメータを記憶するパラメータ記憶手段140を備えたことにより、表示モジュール200の変更に対して、パラメータ変更で済み、映像信号処理手段を変更する必要がないので、設計工数の削減、低コスト化が可能となる。
【0029】
以下、第1実施形態について更に詳しく説明する。
【0030】
[構成の説明]
本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態の立体表示装置の概略構成図であり、観察者の頭上からみた光学モデルである。図1を参照し、本実施形態の概略を説明する。本実施形態の表示装置は、表示コントローラ100と表示モジュール200から構成される。表示コントローラ100は、外部より入力される第1視点用画像データ(左目用画像データ)M1と第2視点用画像データ(右目用画像データ)M2から、合成画像データCMを生成する機能を備える。表示モジュール200は、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20に、表示された合成画像の光学的な画像分離手段であるレンチキュラレンズ30と、バックライト15とを備える。
【0031】
図1を参照し、本実施形態の光学系について説明する。表示パネル20は、液晶パネルであり、第1の画像分離手段(30)とバックライト15を備える。液晶パネルは、表示最小単位となるサブ画素41及び42が複数形成されるガラス基板25と、カラーフィルタ(図示なし)と対向電極(図示なし)を備える対向基板27とが、液晶層26を挟む構造である。ガラス基板25及び対向基板27の液晶層26と反対側の面には、夫々偏光板(図示なし)が取り付けられている。サブ画素41及び42は、夫々透明な画素電極(図示なし)を備え、夫々の画素電極と対向基板27の対向電極間の液晶層26に電圧を印加することにより、透過光の偏光状態を制御する。バックライト15から出た光線16は、ガラス基板25の偏光板、液晶層26、対向基板27のカラーフィルタ、偏光板を通過することにより、強度変調、着色がなされる。レンチキュラレンズ30は、一方向にレンズ効果を有するシリンドリカルレンズ30aが水平方向12に複数配列されて構成される。レンチキュラレンズ30は、ガラス基板25上の複数のサブ画素を、第1視点用(左目用)サブ画素41と第2視点用(右目用)サブ画素42として交互に用いて、レンズから距離OD離れた観察面17において、全てサブ画素41からの投影像が重なり、また、全てのサブ画素42からの投影像が重なるように配置される。以上の構成により、距離ODにいる観察者の左目にはサブ画素41からなる左目用画像が、右目にはサブ画素42からなる右目用画像が提供される。
【0032】
次に、図1に示す表示コントローラ100、及び、表示パネル20についての詳細を説明する。図2は、画像入力から画像表示に至る機能構成を示す本実施形態のプロック図である。
【0033】
表示コントローラ100は、書き込み制御手段110と、画像メモリ120と、読み出し制御手段130と、パラメータ記憶手段140と、タイミング制御手段150とを備える。
【0034】
書き込み制御手段110は、画像データに伴い入力される同期信号に応じて、入力される画素データ{Mk(行,列)RGB}に与える書き込みアドレスを生成する機能を備える。また、書き込みアドレスをアドレスバス95に与え、データバス90を介して画素データから構成される入力画像データを画像メモリ120に書き込む機能を有する。なお、外部から入力される同期信号は、図2では便宜上1本の太線矢印で示しているが、例えば、垂直水平の同期信号、データクロック、データイネーブル等の複数信号からなるものである。
【0035】
読み出し制御手段130は、パラメータ記憶手段140から与えられる表示部50のパラメータ情報51、及びタイミング制御手段150からの垂直制御信号61及び水平制御信号81に応じて、所定のパターンに従い読み出しアドレスを生成する機能と、読み出しアドレスをアドレスバス95に与えデータバス90を介して画素データを読み出す機能と、読み出したデータをデータ線駆動回路80に合成画像データCMを出力する機能とを有する。
【0036】
パラメータ記憶手段140は、後で詳しく説明する表示部50の配列に応じたデータ並び換えを行うために必要となるパラメータを記憶する機能を有する。
【0037】
タイミング制御手段150は、表示パネル20を駆動する垂直制御信号61及び水平駆動信号81を生成し、読み出し制御手段130と、表示パネルの走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路80に出力する機能を有する。なお、垂直制御信号61及び水平駆動信号81は、図2では便宜上1本の太線矢印で示しているが、スタート信号、クロック信号、イネーブル信号等の複数信号を含む。
【0038】
表示パネル20は、複数の走査線G1,G2・・・Gm,Gm+1及び走査線駆動回路60と、複数のデータ線D1,D2・・・Dn,Dn+1及びデータ線駆動回路80と、複数のサブ画素40がm行×n列に配置されてなる表示部50を備える。図2は、機能構成を模式的に示す図であり、走査線、データ線、サブ画素40の形状及び接続関係は後述する。サブ画素40は、図示してないが、スイッチング手段となるTFTと、画素電極とを有し、TFTのゲート電極は走査線と接続し、ソース電極は画素電極と、ドレイン電極はデータ線と接続している。TFTは、接続する任意の走査線Gyに、走査線駆動回路60から順次与えられる電圧に応じてON/OFFする。TFTがONすると、データ線から画素電極に電圧が書き込まれる。データ線駆動回路80、走査線駆動回路60は、TFTが形成されるガラス基板上に形成してもよいし、駆動ICを用いてガラス基板上、あるいはガラス基板とは別体に搭載してもよい。
【0039】
次に、表示部50を構成するサブ画素40の構造について、図を参照し説明する。図3は、本実施形態のサブ画素40の構造を説明する観察者からみた上面図である。各構成要素の大きさや縮尺は、図の視認性を確保するため、適宜変更して記載してある。図3において、サブ画素40は形状の向きに応じて2種類のサブ画素40a及び40bとして示している。また、図3は、4個のサブ画素が、図2に示す表示部50の1部として、2行×2列を構成する1例である。図3中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。さらに、画像分離の方向を説明するため、図3にレンチキュラレンズを構成するシリンドリカルレンズ30aを例示する。シリンドリカルレンズ30aは、かまぼこ状の凸部を有する一次元レンズであり、長手方向にはレンズ効果を持たず、短手方向にのみレンズ効果を有する。本実施形態では、シリンドリカルレンズ30aの長手方向をY軸方向に沿って配置し、X軸方向にレンズ効果を得る。つまり、画像分離方向は水平方向Xである。
【0040】
図3にサブ画素40a及び40bとして示す4個のサブ画素は、水平方向に平行に並ぶ3つの走査線Gy−1、Gy、Gy+1と、画像分離方向である水平方向に屈曲を繰り返す3つデータ線Dx、Dx+1、Dx+2に囲まれた略台形形状となっている。以後、前記の略台形形状を台形と見なし、走査線Gy,…に沿う平行な2辺のうち短辺側を上底Eと呼び、長辺側を下底Fと呼ぶ。つまり、サブ画素40aとサブ画素40bは、垂直方向Yに対して、台形の向きが互いに逆、すなわち上底Eから下底Fへの向きが互いに逆の関係となっている。
【0041】
サブ画素40a及び40bは、夫々、画素電極45、TFT46、蓄積容量47を有する。TFT46は、図3中に太線で形状を示すシリコン層44と、走査線Gy,…との交差部分に形成され、図示しないがドレイン電極、ゲート電極、ソース電極を有する。TFT46のゲート電極は、走査線Gy,…とシリコン層44との交差部に形成され、走査線Gy,…と接続されている。ドレイン電極はコンタクトホール48を介してデータ線Dx,…と接続されている。ソース電極はコンタクトホール49を介して、図3中に点線で形状を示す画素電極45と接続されている。また、走査線Gy,…に対してソース電極側のシリコン層44は、絶縁膜を介して形成される蓄積容量線CSとの間で、蓄積容量47を形成する。蓄積容量線CSは、走査線Gy,…の延伸方向、即ちX軸方向に隣接する各サブ画素の蓄積容量47を接続するように屈曲して配置されている。そして、蓄積容量線CSとデータ線Dx,…との交差部分は、データ線Dx,…に沿うように配置されている。
【0042】
図3に示すように、サブ画素40aとサブ画素40bとは、それぞれの構成要素である画素電極45、TFT46、コンタクトホール48、49、蓄積容量47の形状、配置、接続関係が、互いに点対称の関係にある。すなわち、XY平面において、各構成要素を含みサブ画素40aを180度回転すると、サブ画素40bと構成形状が一致する。
【0043】
なお、以上のように配置されたサブ画素40a及び40bの開口部は、画像分離方向と直交するY軸方向における開口部と遮光部の割合が、画像分離方向であるX軸方向に対して略一定となっている。開口部とは、走査線、データ線、蓄積容量線CS、シリコン層44に囲まれ、かつ画素電極45に覆われた表示に寄与する領域を指す。開口部以外の領域を遮光部とする。すると、Y方向における開口部と遮光部の割合とは、Y軸方向にサブ画素40aあるいはサブ画素40bを切断したときの開口部の長さを、Y軸方向の画素ピッチで割った、1次元の開口率である。以後、前述の画像分離方向と直交する方向における1次元の開口率を、縦開口率と呼ぶ。
【0044】
したがって、前述のY軸方向における開口部と遮光部の割合がX方向に対して略一定になっているとは、具体的に言い換えると、図3に示すB−B’線に沿った縦開口率(B−B’線に沿ったサブ画素40aの開口部の長さを、走査線Gy−1とGyとの距離で割った値)と、A−A’線に沿った縦開口率(A−A’線に沿ったサブ画素40bの開口部の長さとサブ画素40aの開口部の長さとの和を、走査線Gy−1とGyとの距離で割った値)が、ほぼ等しくなるように設計されているということである。
【0045】
本発明の表示部は、上述の構造、特徴を備えたサブ画素40a及び40bから構成される。本発明においては、向きの異なるサブ画素40aと40bの2つのサブ画素を1構成単位として扱い、共通の走査線Gy,…に接続し垂直方向に並ぶサブ画素40aと40bを「上下サブ画素対」と呼ぶ。具体的には、図3に示す走査線Gyに接続し垂直方向に並ぶ、データ線Dx+1と接続するサブ画素40aと、データ線Dxと接続するサブ画素40bとを「上下サブ画素対」として、表示部の構成単位として扱う。
【0046】
図4の(1)は、上下サブ画素対を示す平面図であり、図3から抜粋した上下サブ画素対の構造図である。図4の(2)は、図4の(1)を示す上下サブ画素対の等価回路であり、走査線Gy,…、データ線Dx,…、画素電極45、TFT46を同じ符号で示している。なお、図4に示す上下サブ画素対を上下サブ画素対P2Rと称す。図4の(3)は、図3を上下サブ画素対P2Rの等価回路によって示す図であり、点線で囲まれた4個のサブ画素が図3と対応する。図4の(3)に示すように、図3の隣接する4個のサブ画素は、3つの上下サブ画素対から構成される。走査線Gy,…の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対は、夫々異なる走査線Gy,…に接続されるためである。
【0047】
上記の上下サブ画素対から構成される表示部を有する本実施形態が、立体表示装置において高開口率化と高画質化を実現する理由について説明する。高開口率化と高画質化を達成するためには、画素の縦開口率を画像分離方向の位置によらず一定にしつつ、縦開口率を高くする必要がある。
【0048】
はじめに、走査線及びデータ線は、各画素電極の周囲に配置されることが好ましい。走査線間又はデータ線間に画素電極のない走査線又はデータ線の配置を仮定すると、配線間に表示に寄与しないデッドスペースが生じ、開口率が低下するからである。本実施形態においては、図3に示すように、夫々の画素電極45の周囲に走査線Gy,…、データ線Dx,…が配置されている。また、前述の上下サブ画素対の有する夫々のTFT46は、夫々異なるデータ線Dx,…と接続する。さらに、上下サブ画素対の水平方向、すなわち走査線Gy,…の延伸方向の配置は、垂直方向に1サブ画素分ずれて隣り合う。したがって、走査線Gy,…の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対は、夫々異なる走査線Gy,…と接続する。以上の配置及び接続関係により、必要な配線数を抑えることができ、開口率の向上が可能となる。
【0049】
更に、データ線は縦開口率を画像分離方向の位置によらず一定にするため、画像分離方向へ屈曲させる必要がある。そして、縦開口率を限定する要因として、この屈曲した斜辺部の構造と、略台形状の開口部における下底間の構造、及び上底間の構造が挙げられる。より具体的には、図3のA−A’線に示すように、斜辺部を切断する縦線においては、斜辺部のY軸方向における高さ(長さ)と下底間の高さ(隣接する二つの下底の距離)が縦開口率に影響する。また、図3のB−B’線に示すように、TFT46を切断する縦線においては、上底間の高さ(隣接する二つの上底の距離)と下底間の高さが縦開口率に影響する。
【0050】
A−A’線、B−B’線に共通するのは、下底間の高さである。そこでまず、この下底間の高さを最小にするための構造を検討する。前述のように、下底間には少なくとも走査線1本は配置する必要がある。そして下底間の高さを最小にするためには、構造物は走査線1本に留めるのが好ましい。例えば下底間にTFTを配置すると、その分だけ下底間の高さが増大してしまうので好ましくない。特にA−A’線においては、下底部が重複して配置されているため、下底間の高さが増大した際の影響が非常に大きい。下底間への構造物の配置は極力避けるべきである。また、蓄積容量線を走査線と同層で形成する場合には、下底間に蓄積容量線を配置しない方が好ましい。これにより、下底間の高さを削減しつつ、かつ省プロセス化が実現できる。
【0051】
次に、A−A’線における斜辺部の高さについて検討する。斜辺部の高さを削減するため、斜辺部の幅を小さくするのは非常に重要である。斜辺部の幅を小さくするには、斜辺部に構造物を極力配置しないのが好ましい。しかし前述のように、最低限1本のデータ線は配置する必要がある。また蓄積容量線を走査線と同層で形成する場合には、特に蓄積容量線をデータ線と重ねて配置することもできる。この時には、蓄積容量線CSとデータ線Dとの交差部分は、前記データ線に沿うように配置されることになる。これにより、斜辺部の高さを削減でき、縦開口率の向上が可能となる。
【0052】
最後に、B−B’線における上底間の高さについて検討する。前述のように、TFTは、下底間及び斜辺部に配置するのは好ましくないため、この上底間に配置する必要がある。そして、上底間の高さを低減するような配置が重要となる。本実施形態においては、図3に示すように、TFT46は上底間に配置している。さらに、シリコン層44をデータ線Dx,…と積層して配置し遮光部の増加を防いでいるため、開口率の向上が可能となる。
【0053】
なお、図3に示すように、蓄積容量線CSはTFT46の近傍に配置するのが、蓄積容量を形成する上で最も効率が高い。これは、蓄積容量が、TFT46のソース電極に接続された電極と、蓄積容量線CSに接続された電極との間で形成されることから、明らかである。
【0054】
以上のように、図3に示す本実施形態のサブ画素の配置は、立体表示装置において高開口率化と高画質化を実現する。すなわち、図4を参照し前述した上下サブ画素対を構成単位とし、複数の上下サブ画素対からなる本実施形態の表示部は、高開口率化と高画質化を実現する。
【0055】
ここまで、本実施形態の表示部の構成を図3及び、図4に示す上下サブ画素対を用いて説明したが、図4に示す上下サブ画素対P2Rと鏡像対称となる上下サブ画素対P2Lを用いた表示部の構成も可能である。図5の(1)に、上下サブ画素対P2Lの構造示す平面図、図5の(2)に上下サブ画素対P2Lの等価回路を示す。図5の(1)に示すように、上下サブ画素P2Lを構成するサブ画素40a’及び40b’は、図4の(1)に示すサブ画素40a及び40bに対して、構成要素である画素電極45、TFT46、コンタクトホール48、49、蓄積容量47の形状、配置、接続関係がY軸に線対称となっている。つまり、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素P2Lは、Y軸に線対称であり、さらに、X軸にも線対称であり、互いに鏡像対称の関係にある。
【0056】
したがって、図5に示す上下サブ画素対P2Lは、上下サブ画素対P2Rと開口率が変わることはなく、表示部を構成するとき、同等に高開口率化と高画質化を実現する。
【0057】
ここで、上下サブ画素対を構成する共通の走査線と接続するサブ画素を、台形の底辺Fの向きに従い「上向きサブ画素」、「下向きサブ画素」と呼び、以後の説明に用いる。つまり、図4の上下サブ画素対P2Rでは、サブ画素40aが「上向きサブ画素」であり、サブ画素40bが「下向きサブ画素」である。同様に、図5の上下サブ画素対P2Lでは、サブ画素40a’が「上向きサブ画素」であり、サブ画素40b’が「下向きサブ画素」である。前述のように、上下サブ画素対P2RとP2Lは、構造から得られる光学的な効果は同じであるが、夫々の上向きサブ画素と下向きサブ画素が接続するデータ線Dx、Dx+1は逆になる。
【0058】
本実施形態の表示部は、上下サブ画素対P2R、上下サブ画素対P2Lのどちらで構成してもよい。また、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lを組み合わせて構成してもよい。以下、図2に示す本実施形態の表示部50の構成例を、4行×6列の画素からなる第1視点用画像(左目用画像)、及び、第2視点用画像(右目用画像)を表示する例を用いて具体的に説明する。はじめに図6により入力画像データを説明し、図7により本実施形態の表示部の画像分離手段と配色関係を説明する。表示部の具体例は、図6、図7の説明以降に示す。
【0059】
図6は、4行×6列の画素からなる第1視点用画像(左目用画像)、及び、第2視点用画像(右目用画像)の画像データを示す図である。前述のように、kは視点(左右)を表し、「i」は画像内の行番号、「j」は画像内の列番号、RGBは、R:赤、G:緑、B:青の色情報を持つことを意味する。
【0060】
図7は、図6に示す2つの画像を表示する表示部50の1例であり、画像分離手段とサブ画素の配色との配列を示す図である。図中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。
【0061】
図7において、サブ画素を台形で示し、網掛けにより配色の1例を示している。具体的には、1行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、R:赤色のカラーフィルタが配置されており、1行目は赤色を表示するサブ画素として機能する。2行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、G:緑色のカラーフィルタが配置されており、2行目は緑色を表示するサブ画素として機能する。3行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、B:青色のカラーフィルタが配置されており、3行目は青色を表示するサブ画素として機能する。同様に4行目以降、サブ画素は、行単位で赤、緑、青の順に機能する。なお、本実施形態では、任意の順番が適応可能であり、例えば、1行目から青、緑、赤の順による繰り返しであってもよい。
【0062】
画像分離手段は、レンチキュラレンズ30を構成するシリンドリカルレンズ30aがサブ画素2列単位に対応し、レンズ効果を持たない長手方向が垂直方向と平行、すなわち列と平行に配置される。このため、シリンドリカルレンズ30aのX方向のレンズ効果により、偶数列と奇数列のサブ画素から出る光線は別々の方向に分離される。すなわち、図1により説明したように、レンズ面から離れた位置では、偶数列からなる画像と、奇数列からなる画像に分離される。本実施形態では1例として、図7及び図1の配置により、偶数列のサブ画素が、左目用(第1視点用)として機能し、奇数列のサブ画素が右目用のサブ画素として機能する。
【0063】
上述のように、カラーフィルタ、画像分離手段が配置されるため、図6に示す入力画像の1画素は、図7に1列に並ぶ赤、緑、青の3つのサブ画素により表示される。具体的には、2列目の1,2,3行の3つのサブ画素が、左目用(第1視点用)画像の左上隅画素:M1(1,1)RGBの表示を行い、11列目の10,11,12行の3つのサブ画素が、右目用(第2視点用)画像の右下隅画素:M2(4,6)RGBの表示を行う。また、2列毎のサブ画素ピッチと3行毎のサブ画素ピッチは等しくなっており、入力する左右画像を視差画像とした立体表示時の解像度と、入力する左右画像を同じ画像とした平面表示時の解像度とが等しく、解像度変化に伴う画質劣化がないという特徴を有する。さらに、レンズ効果の方向に同じ色が配置されるため、画像分離手段による色分離が発生せず高画質化が可能となる。
【0064】
以降、図7に示した行列に並ぶ複数のサブ画素と、走査線、データ線との接続関係、すなわち、先述した図4、図5に示す上下サブ画素対から表示部を構成する具体例を図8〜図11に示し説明する。
【0065】
図8は、図4に示す上下サブ画素対P2Rから表示部を構成する配列パターン1である。上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が1行1列目となる配置を起点として、上下サブ画素対P2Rを配置している。このとき、偶数列の1行目は、上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素が配置され、上向きサブ画素は表示部を構成しない。同様に、偶数列の12行目は、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が配置され、下向きサブ画素は表示部を構成しない。図8に示すNPは、上記の表示部を構成しないサブ画素は配置しないことを示している。また、図8は、図7と対応し、各サブ画素の網掛けは表示色を示し、図示してない光学分離手段によって、偶数列のサブ画素が、左目用(第1視点用)として機能し、奇数列のサブ画素が右目用のサブ画素として機能する。
【0066】
図9は、図5に示す上下サブ画素対P2Lから表示部を構成する配列パターン2である。図9は、上下サブ画素対P2Rを上下サブ画素対P2Lに変えたこと以外は図8と同じであるので説明は省略する。
【0067】
図10は、図4に示す上下サブ画素対P2Rと、図5に示す上下サブ画素対P2Lとの組み合わせから、表示部を構成する第1例であり、配列パターン3である。図10に示すように、1列目は、上下サブ画素対P2Lの上向きサブ画素が1行1列目となる配置を起点とし、垂直方向に、上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rとを繰り返し配置する。2列目は、上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素が1行2列目となる配置を起点とし、垂直方向に上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを繰り返し配置する。3列目は、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が1行3列目となる配置を起点とし、垂直方向に上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを繰り返し配置する。4列目は、上下サブ画素対P2Lの下向きサブ画素が1行4列目となる配置を起点とし、垂直方向に上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rとを繰り返し配置する。5列目以降は、1列目から4列目の配列パターンが繰り返される。この配列パターン3は、極性反転駆動方式にドット反転駆動法を適用した場合に高画質化を可能とする効果がある。詳細は後述する。
【0068】
図11は、図4に示す上下サブ画素対P2Rと、図5に示す上下サブ画素対P2Lとの組み合わせから、表示部を構成する第2例であり、配列パターン4である。図11に示すように、上下サブ画素対P2Lの上向きサブ画素が1行1列目となる配置を起点とし、1列目と2列目を上下サブ画素対P2Lから構成する。3列目と4列目は、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が1行3列目となる配置を起点とし、上下サブ画素対P2Rから構成する。5列目以降、前述の2列ごとの配列が繰り返される。この配列パターン4は、極性反転駆動方式に縦2ドット反転駆動法を適用した場合に高画質化を可能とする効果がある。詳細は後述する。
【0069】
図8〜図11が示すように、12行×12列のサブ画素からなる表示部は、上下サブ画素対を構成単位とするため、走査線G1からG13までの13本、データ線D1からD13までの13本を必要とする。すなわち、本実施形態のm行×n列のサブ画素からなる表示部は、m+1本の走査線、n+1本のデータ線により駆動されるという特徴がある。
【0070】
また、本実施形態の表示部は、図4と図5に示した上下サブ画素対を構成単位として、例示した以外にも多彩な配列パターンによる構成が可能である。
【0071】
しかしながら、配列パターンの違いは、液晶パネルを極性反転駆動する際、表示部の極性分布に影響を及ぼす。また、図8から図11からわかるように、本発明の表示部は、水平方向に1行に並ぶサブ画素は2本の走査線と交互に接続され、垂直方向に1列に並ぶサブ画素は2本のデータ線と配列パターンに応じた規則性で接続される。このため、サブ画素1行が1本の走査線、1列が1本のデータ線と接続する一般の液晶パネルとは、極性反転駆動方式に応じて得られる極性分布が異なり、効果も異なるものとなる。以下に、一般の液晶パネルの極性反転駆動方式を適用した際に、本実施形態の配列パターン毎に得られる効果について詳細を説明する。
【0072】
図12は、図9に示す配列パターン2にゲート線反転駆動(1H反転駆動)を適用した場合における表示部の極性分布と、ゲート線反転駆動の走査線毎のデータ線極性について示したものである。図中の「+」「−」は、任意のフレーム(全て走査線の走査が一巡する期間)時おける画素電極、及び、データ線の正負の極性を表しており、次のフレームでは正負が逆転する。ゲート線反転駆動は、1走査線の選択期間毎にデータ線の極性を反転させる駆動方法であり、対向基板側にある共通電極を交流駆動する所謂コモン反転駆動と組み合わせることにより、データ線駆動回路(データ線駆動用ドライバIC)の耐圧を下げることが可能であり、消費電力も少なくてよいという利点がある。しかし、本実施形態に適用した場合は、図12の極性分布が示すように、1列に並ぶ画素電極の極性が全て同極性となる。このため、画像分離手段により分離された画像、すなわち、偶数列からなる左目画像、及び、奇数列からなる右目画像は、表示画像全体がフレーム単位で極性反転するフレーム反転となる。フレーム反転は、極性に応じて生じる輝度差によって表示画像がちらついて見える所謂フリッカが視認されやすい。フリッカが視認された際には、フレーム周波数を上げればフリッカを抑制することが可能である。
【0073】
本実施形態にゲート線反転駆動を適用する場合は、図13に例示するように、複数の走査線毎に極性を反転させる駆動がより好ましい。図13は、図9に示す配列パターン2にゲート2ライン反転駆動(2H反転駆動)を適用した場合における表示部の極性分布と、ゲート2ライン反転の走査線毎のデータ線極性について示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。図13の極性分布より、分離された左目画像、右目画像夫々は、サブ画素2行毎の極性反転となる。このため、フリッカを抑制し高画質化が可能である。
【0074】
図14は、図9に示す配列パターン2にドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布と、ドット反転の走査線毎のデータ線極性について示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。ドット反転駆動は、図14に示すように、データ線毎に極性を反転させ、さらに1走査線の選択期間毎にデータ線の極性を反転させる駆動方法であり、一般の液晶パネルにおいてはフリッカを抑制し高画質化する方法として知られている。本実施形態の配列パターン2にドット反転駆動を適用した場合は、図14の極性分布が示すように、奇数列のみに着目すると行単位で極性は同じであり(すなわち一行における全ての奇数列の極性は同じであり)、偶数列のみ着目した場合も同様である。このため、分離された左目画像、右目画像夫々については、一般のパネルをゲート線反転駆動(1H反転駆動)した場合と同じフリッカ抑制効果を有する。
【0075】
図15は、図10に示す配列パターン3にドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布と、ドット反転の走査線毎のデータ線極性について示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。図15の極性分布が示すように、奇数列のみに着目すると、各行において1列目と3列目、3列目と5列目、・・・と列単位に極性反転が繰り返され、偶数列のみに着目した場合も同様である。また、列内の極性分布に着目すると、上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rの垂直方向に隣り合う画素電極は同極性となり、2行毎に極性が反転する。このため、台形で表す画素電極の長辺同士、すなわち、サブ画素の下底同士が同極性となり、下底近傍における液晶分子の異常配向を抑制でき、高画質化が可能である。また、分離された左目画像、右目画像夫々については、垂直方向にサブ画素2行毎に極性反転する列が列単位に極性反転するため、フリッカを抑制する効果が高く高画質化が可能である。
【0076】
図16は、図11に示す配列パターン4に縦2ドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布と、縦2ドット反転の走査線毎のデータ線極性について示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。縦2ドット反転駆動は、図16に示すように、データ線毎に極性を反転させ、さらに走査線2本の選択期間毎にデータ線の極性を反転させる駆動方法である。ドット反転駆動と比較すると、データ線毎の極性反転周期が2倍になるため、データ線駆動回路(データ線駆動用ドライバIC)の低消費電力化が可能になる。図16の極性分布は、図15の極性分布と同じである。このため、図15と同様に、下底近傍における液晶分子の異常配向を抑制でき、フリッカを抑制する効果が高く高画質化が可能である。
【0077】
以上、説明したように表示部の配列パターンと極性反転駆動方法の組み合わせは、目的とする表示画質や消費電力等に応じて適宜選択すればよい。また、本実施形態の表示部は、例示した以外の配列パターン、例示した以外の極性反転駆動方式の適用も可能である。例えば、図17に示す配列パターン5の適用も可能である。配列パターン5は、図4に示す上下サブ画素対P2Rから表示部を構成し、上向きサブ画素が1行2列目となる配置を起点とし構成する。図17に示す配列パターン5と、同じ上下サブ画素対P2Rから構成される図8に示す配列パターン1とは、1列分水平方向に移動した関係にある。
【0078】
しかしながら、配列パターン変化に応じて、図2に示すデータ線駆動回路80に出力する合成画像データCMは変えなくはならない。合成画像データCMは、入力画像M1、M2から合成される画像データであり、m行×n列のサブ画素からなる表示部50の各画素電極に電圧を書き込むために、データ線駆動回路80に入力するデータである。つまり、合成画像データCMは、入力画像データM1、M2を構成する各画素データを、走査線G1からGm+1まで走査線毎に、データ線D1からDn+1に対応するように並び換えたものであり、Gm+1行Dn+1列のデータ構成によって表現する。
【0079】
したがって、図8から図11、及び図17に示す配列パターン1から5よりわかるように、同じ行列で指定されるサブ画素であっても、配列パターンによって接続するデータ線、あるいは、走査線が異なるため、合成画像データCMも異なることになる。
【0080】
具体例として、画像分離手段を図7に示す配置とした配列パターン1から5の表示部に、図6に示す入力画像データを表示する場合の合成画像データCMを図18〜図22に示す。図18〜図22は、任意の走査線Gyが選択されたとき、任意のデータ線Dxに与えるべき入力画素データの位置と色を示している。M1/M2は視点画像、(行番号,列番号)は画像内の位置、R/G/Bは色を示す。また、×印は画素電極がないことを示す。なお、当然×印に対応すべき入力画像データM1、M2はなく、与えるデータが反映される画素電極もないため、×印へ与えるデータは任意である。
【0081】
合成画像データCMは、図7に示すカラーフィルタの色配列、図8〜図11及び図17に示す配列パターン、後述する画像分離手段の設定パラメータをもとに、上下サブ画素対の走査線単位の接続の規則性、データ線単位の規則性から生成することが可能である。
【0082】
走査線単位の規則性について説明する。
【0083】
本実施形態において、走査線の偶奇が表示すべき視点画像M1/M2を指定する。これは、表示部の構成する上下サブ画素対の配置において、同じ走査線で2列に並ぶことはできず、同じ走査線を共有する上下サブ画素対は、必ず1列置きに配置されるためである。すなわち、走査線の偶奇は、サブ画素配列の列の偶奇と対応する。さらに、画像分離手段により、視点画像M1/M2の指定が、サブ画素の列単位に決定されるためである。
【0084】
走査線の偶奇と視点画像M1/M2を決める要素は、画像分離手段の配置と、配列パターンである。
【0085】
画像分離手段の設置は、図7に限らず、例えば図23に示す設置も可能である。図7では、前述のように、1列目がM2、2列目がM1、すなわち、奇数列のサブ画素がM2、偶数列のサブ画素がM1となる。図23の場合は、1列目がM1、2列目がM2、すなわち、奇数列のサブ画素がM1、偶数列のサブ画素がM2となる。このように、視点画像M1/M2が表示される列の偶奇は、画像分離手段の配置により決定される。
【0086】
表示部の奇数列、偶数列と対応する走査線の偶奇は、表示部の1行1列目に配置されるサブ画素が、上向きサブ画素か、下向きサブ画素であるかで決定される。図8は、1行1列目が上向きサブ画素である配置例であり、図17は、1行1列目が下向きサブ画素の配置例である。ここで、1行1列目に配置されるサブ画素の上下を変数「u」とし、u=0のとき1行1列目は上向きサブ画素であり、u=1のとき1行1列目は下向きサブ画素とする。図8、図17に示すように、1行1列目が上向き画素、すなわち、u=0のときは、奇数の走査線が偶数列のサブ画素と接続され、偶数の走査線が奇数列のサブ画素と接続される。1行1列目が下向き画素、すなわち、u=1のときは、奇数の走査線が奇数列のサブ画素と接続され、偶数の走査線が偶数列のサブ画素と接続される。
【0087】
以上より決定される走査線の偶奇と視点画像M1/M2との関係を、図24にまとめる。図24に、奇数の走査線が対応する入力画像の視点をv1、偶数の走査線が対応する入力画像の視点をv2と表す。図24は、例えば、表示部の奇数列をM1とし偶数列をM2とするように画像分離手段を設置し、かつ、表示部の1行1列のサブ画素が上向きであるとき、v1=2、v2=1となることを表す。すなわち、走査線奇数番目の視点画像がM2となり、走査線偶数番目の視点画像がM1となる。
【0088】
1行目の色となるR/G/Bは、カラーフィルタによって決定される。1本の走査線は2行のサブ画素と接続するため、カラーフィルタによる1行目の色と、配色順が決定されれば、走査線が対応する色の規則性は決定される。
【0089】
さらに、入力画像の画素データはRGBの色情報を持つため、入力画像「i」で表す1行は、サブ画素3行と対応する。上下サブ画素対は1本の走査線を挟み上下にサブ画素が配置されるため、1本の走査線はサブ画素2行と対応する。これらより、入力画像の行と走査線の関係は、走査線6本単位の周期性を持つ。
【0090】
図25は、本実施形態の走査線単位の規則性をまとめたものである。任意の走査線Gyを任意の自然数qを用いて表現し、Gy(q)が接続する上下サブ画素対が対応する入力画像の視点M(k)、上向きサブ画素の色C1(R/G/B)、下向きサブ画素の色C2(R/G/B)、上下サブ画素の行(Ui/Di)を表す。なお、サブ画素対の上向きサブ画素に対応する入力画像の行をUiとし、下向きサブ画素に対応する入力画像の行をDiとする。図25の規則性を用いて、合成画像データの生成時、任意の走査線Gyにおける入力画像の視点、色、行を指定することができる。ただし、図8〜図11及び図17に例示するように、表示部の先頭行(図例1行目)及び最終行(図例12行目)は、NPを含む上下サブ画素対より構成される。つまり、走査線の先頭ライン(図例G1)、最終ライン(図例G13)が接続する上下サブ画素対はNPを含む。図25の規則性が、NPを含めて適用されると、NPには入力画像(図6に例示)に存在しない行が指定されてしまう。したがって、図25の規則性を用いて、実際に合成画像データ生成の際には、NPの処置に注意が必要となる。
【0091】
次に、データ線単位の規則性について説明する。
【0092】
上下サブ画素対の構成により、サブ画素の1列に対してデータ線は2本使用され、表示部のサブ画素n列に対しては、n+1本のデータ線が必要となる。しかし、前述のように、1本の走査線に接続する上下サブ画素対は、1列おきに配置される。つまり、1本の走査線と上下サブ画素対は、奇数列か偶数列かに配置され、1本の走査線と接続する上下サブ画素対の数はn/2個である。
【0093】
ここで、走査線毎にサブ画素と接続されるデータ線の数に着目すると、走査線の偶奇に応じて、D1からDnまでのn本のデータ線が接続され、Dn+1はサブ画素と接続されない場合と、D2からDn+1までのn本が接続され、D1はサブ画素と接続されない場合とに分かれる。これは、具体例として図示した図8〜図11及び図17の配列パターンより明らかである。
【0094】
図25に示す走査線の規則性より、任意の走査線に対して、対応する入力画像データの視点、行、色は、指定できる。データ線単位で必要となるのは、データ線の番号と入力画像データの列番号との対応についての規則性である。前述の説明のように、1本の走査線に接続される上下サブ画素対の数はn/2個であり、サブ画素はn個であり接続するデータ線はn本である。
【0095】
そこで、走査線の1本分のデータ配列を順番に、L(1)、L(2)、・・・、L(n)と変数で示し、入力画像データの列順番と対応付ける。なお、Lの順番の増加方向は、データ線の順番の増加方向と同じとする。具体例として、図8に示す配列パターン1に図7の画像分離手段を設置した図18に示す合成画像データ1を用いて、走査線G2のデータ配列を示すと、
L(1)=M2(1,1)G、
L(2)=M2(1,1)R、
L(3)=M2(1,2)G、
L(4)=M2(1,2)R、
・・・
L(11)=M2(1,6)G、
L(12)=M2(1,6)R
となる。また、同図を用いて、走査線G3のデータ配列を示すと、
L(1)=M1(1,1)B、
L(2)=M1(1,1)G、
L(3)=M1(1,2)B、
L(4)=M1(1,2)G、
・・・
L(11)=M1(1,6)B、
L(12)=M1(1,6)G
となる。
【0096】
上記のように、データ配列の番号が2増加すると、入力画像の列番号は1増加する。これは、上下サブ画素対の2つのサブ画素が1列に並ぶ2色となるためであり、1本の走査線と接続する上下サブ画素対の水平方向の順番が、入力画像データの列番号に相当することを示す。
【0097】
そこで、1本の走査線と接続する上下サブ画素対の水平方向(走査線の延伸方向)の順番を示す自然数をpとすると、入力画像データの列番号もpとなる。なお、図8において、奇数の走査線では、p=1は2列目、p=2は4列目、p=3は6列目、p=4は8列目、p=5は10列目、p=6は12列目の奇数の走査線と接続する上下サブ画素対を示し、偶数の走査線では、p=1は1列目、p=2は3列目、p=3は5列目、p=4は7列目、p=5は9列目、p=6は11列目の偶数の走査線と接続する上下サブ画素対を示す。
【0098】
ここで、先の図18の例にpを用いると、走査線G2においては、
L(2p−1)=M2(1,p)G、
L(2p)=M2(1,p)R
となり、走査線G3においては、
L(2p−1)=M1(1,p)G、
L(2p)=M1(1,p)B
となる。
【0099】
つまり、2p−1と2pは、上下サブ画素対と接続する2本のデータ線の順番に対応し、上向きサブ画素あるいは下向きサブ画素の色と対応する。上向きサブ画素と下向きサブ画素の接続するデータ線の順番は、図4、図5に示すように、上下サブ画素対の構成(P2R/P2L)によって決まる。図4、図5において上下サブ画素対と接続するデータ線の順番を示すDx、Dx+1は、Dx=2p−1、Dx+1=2pと置き換えられる。つまり、P2Rでは、下向き画素が2p−1、上向き画素が2pと対応し、P2Lであれば、上向き画素が2p−1、下向き画素が2pと対応する。
【0100】
そこで、任意の走査線に接続する上下サブ画素対の情報が必要となる。走査線をGyとし、Gyに接続する上下サブ画素対をLUT(Gy,p)と表し、上下サブ画素対に応じてP2Rを「0」、P2Lを「1」の値を返すルックアップテーブルとする。
【0101】
図27は、LUT(Gy,p)の具体例として、図10の配列パターン3、図11の配列パターン4に対応させたものである。LUT(Gy,p)を用いることにより、任意の上下サブ画素対において、上向き画素と下向き画素の順番がわかるため、図25の走査線の規則性より、上向きサブ画素の色C1、下向きサブ画素の色C2を用いて、2色の順番を指定することができる。なお、図27に示すLUT(Gy,p)は、表示部全ての走査線と接続する上下サブ画素対番号(p)で表現したが、繰り返しパターンに着目し、図28に示すように、Gy及びpを2進数としたときの下位ビットを用いて圧縮することが可能である。
【0102】
以上のように、pとLUT(Gy,p)と走査線の規則性を用いれば、任意の走査線Gy1本分のデータL(1)、L(2)、・・・、L(n)に対応する入力画像の視点、行番号、列番号、色を指定することができる。
【0103】
この任意の走査線Gy1本分のデータであるL(1)からL(n)を、データ線D1、D2、・・・Dn、Dn+1と対応させれば、合成画像データCMは完成する。
【0104】
走査線の偶奇と、サブ画素と接続するデータ線の関係は、前述の走査線の偶奇とサブ画素列の偶奇と同様に、表示部の1行1列目に配置されるサブ画素が、上向きサブ画素か、下向きサブ画素であるかで決定される。ここで、1行1列目に配置されるサブ画素の上下を示す変数「u」を用いて、図26に走査線の偶奇と、サブ画素と接続するデータ線の関係を示す。図26に示すように、u=0の場合は、走査線が奇数のときデータ線D2からDn+1がサブ画素と接続され、D1は未接続となる。また、同じくu=0の場合、走査線が偶数のときデータ線D1からDnがサブ画素と接続され、Dn+1は未接続となる。u=1のときは走査線の偶奇が逆転する。
【0105】
図26に従い、以下の例のように、データ線に走査線1本分のデータL(1)からL(n)を与えれば合成画像CMが完成する。
【0106】
u=0かつ走査線が奇数の場合は、
CM(Gy,1)=z、
CM(Gy,2)=L(1)、
CM(Gy,3)=L(2)、
・・・
CM(Gy,n)=L(n−1)、
CM(Gy,n+1)=L(n)
となる。u=0かつ走査線が偶数の場合は、
CM(Gy,1)=L(1)、
CM(Gy,2)=L(2)、
CM(Gy,3)=L(3)、
・・・
CM(Gy,n)=L(n)、
CM(Gy,n+1)=z
となる。「z」は、サブ画素と接続しないデータ線に与えるデータを示す。
【0107】
以上のように、情報と規則性により、合成画像データを生成することが可能である。図29に、合成画像データの生成に必要なパラメータ変数と変数内容具体例をまとめる。図29に示すパラメータを少なくとも1セットを図2に示すパラメータ記憶手段140に保存する。合成画像データの生成に必要なパラメータを保存することにより、表示部の設計変更に対して、パラメータ変更により対応できる。なお、複数のパラメータを保存し、接続する表示パネルに応じて切換えてもよい。
【0108】
[動作の説明]
本実施形態の動作について、図を参照し説明する。
図30は、本実施形態の表示装置の1フレーム表示動作を示すフローチャートである。
【0109】
[ステップS1000]
本実施形態の表示装置の動作が開始されると、図2に示すパラメータ記憶手段140から合成画像を生成するために必要となるパラメータ、奇数の走査線が対応する入力画像の視点v1、偶数の走査線が対応する入力画像の視点v2、1行目から3行目までカラーフィルタの配色CL1,CL2,CL3、表示部50のサブ画素を単位とする行数m、列数n、表示部50の1行1列に配置されるサブ画素の向きu、表示部50の上下サブ画素対の配列LUTが読み出し制御手段130にセットされる。
【0110】
[ステップS1100]
外部から、各視点用i行j列の画素データからなる画像データM1、M2と同期信号が、書き込み制御手段110に入力される。書き込み制御手段では、同期信号を利用し、入力画像データを構成するM1(1,1)RGBからM1(i,j)RGBまで、及び、M2(1,1)RGBからM2(i,j)RGBまでの画素データ各々を、識別可能とするアドレスを発生し、画像データ及びそのアドレスを画像メモリ120に格納する。なお、画像メモリ120は、出力する合成画像データ2画面分の領域を持ち、読み出し画面領域と書き込み画面領域を交互に用いる。
【0111】
[ステップS1200]
画像メモリ120に格納した入力画像データM1,M2を所定のパターンに従い読み出し、並び換え処理を行い、合成画像データCMを表示パネル20のデータ線駆動回路80へ出力する。読み出し並び換え処理の動作は、図31に示すフローチャートにより別途説明する。
【0112】
[ステップS2300]
読み出し並び換え処理が完了すると1フレームの表示動作が完了する。ステップS1100に戻り、上記の動作が繰り返される。
【0113】
図30は画像メモリ内の1画面の領域に対してのフローチャートである。ステップS1100で説明したように、画像メモリ120は2画面分の領域を有するため、実際には、書き込み処理と、読み出し並び換え処理は並列して行われている。
【0114】
次に、図31を参照し読み出し並び換え処理の詳細を説明する。図31は、ステップS1200の処理内容を示すフローチャートであり、走査線G1からGmまでの走査線毎の処理を示すものである。
【0115】
[ステップS1300]
変数Gy,s,qに初期値として1を与える。Gyは走査線の数を計数する変数であり、計数値は走査を行う走査線に対応する。sは図25で示した走査線6本周期を計数するための変数であり、qはsが6カウントするたびに1加算される変数である。
【0116】
[ステップS1400]
先頭ライン、すなわち、G1に接続するサブ画素のデータの処理部である。先頭ライン処理の詳細内容は、図32に示すフローチャートにより別途説明する。1本目の走査線が選択するサブ画素に与えるデータを含めn個のデータが、ラインバッファに格納される。
【0117】
[ステップS1500]
走査線1本分のラインバッファに格納されたデータを、データ線駆動回路80に出力する。出力処理の詳細内容は、図33に示すフローチャートにより別途説明する。出力処理において、ラインバッファに格納されたn個のデータを、データ線D1からDn+1対応させる処理を行い、走査線Gyの合成画像データCMを完成させデータ線駆動回路80に出力する。
【0118】
[ステップS1600]
図2に示すタイミング制御手段150からの水平同期信号に応じて、s、Gyの計数値に1を加算する。
【0119】
[ステップS1700]
Gyの計数値が、表示部の最後の走査線Gm+1であるかを判定する。判定は、ステップS1000でセットした表示部の行数mを用い、m+1に達していなければ、判定YesでステップS1800に進み、m+1であれば、判定Noでステップ2100に進む。
【0120】
[ステップS1800]
先頭ラインG1と最終ラインGm+1を除く、走査線Gyに接続するサブ画素のデータの処理部である。メインライン処理の詳細内容は、図に示すフローチャートにより別途説明する。走査線Gyが選択するサブ画素に与えるn個のデータが、ラインバッファに格納される。ステップS1800の処理が終了すると、ステップS1500の出力処理に進み、走査線Gyの合成画像データCMが完成されデータ線駆動回路80に出力される。ステップS1500の処理が終了するとステップ2000へ進む。
【0121】
[ステップS2000]
sの計数値による判定を行う。sが6に達していなければ、判定YesでステップS1600に進む。sが6であれば、判定Noでステップ2000に進む。
【0122】
[ステップS2100]
sの計数値を0に戻し、qの計数値に1を加算し、ステップS1600に進む。
【0123】
[ステップS2200]
最終ライン、すなわち、Gm+1に接続するサブ画素のデータの処理部である。最終ライン処理の詳細内容は、図36に示すフローチャートにより別途説明する。m+1本目の走査線が選択するサブ画素に与えるデータを含めn個のデータが、ラインバッファに格納される。ステップS2100の処理が終了すると、ステップS1500の出力処理に進み、走査線Gm+1の合成画像データCMが完成されデータ線駆動回路80に出力される。
【0124】
ステップS2200の処理に続く、ステップS1500の出力処理が終了すると、読み出し並び換え処理は終了する。
【0125】
次に、図32を参照し先頭ライン処理の詳細を説明する。先頭ライン処理は、走査線G1に対応する入力画像データを読み出しラインバッファLに格納する。ラインバッファLには、表示部1行分のサブ画素データがn個、L(1)、L(2)、・・・L(n)へ格納される。
【0126】
[ステップS1410]
変数pに初期値として1を与える。変数pは、走査線G1に接続する上下サブ画素対の順番を指定するため、読み出す画素データの列番号を指定するため、また、ラインバッファにおいてデータ格納順を指定するために用いる。
【0127】
[ステップS1420]
LUTを用いて、上下サブ画素対が接続するデータ線のうち順番が早いデータ線に接続するサブ画素が、上下サブ画素のどちらであるかを判定する。LUT(1,p)=1、すなわち、走査線G1のp番目に接続する上下サブ画素対がP2Lのときは、判定YesでステップS1430に進む。LUT(1,p)=0、すなわち、走査線G1のp番目に接続する上下サブ画素対がP2Rのときは、判定Noでステップ1450に進む。
【0128】
[ステップS1430]
上下サブ画素対P2Lと接続するデータ線の順番が早い上向きサブ画素へ与えるデータを、ラインメモリL(2p−1)に格納する。先頭ライン、すなわち、走査線G1においては、具体例として図示した図8〜図11及び図17の配列パターンからわかるように、上向きサブ画素は存在しない。したがって、L(2p−1)に格納するデータは表示には反映されないが、zを格納する。zは1例として0とする。
【0129】
[ステップS1440]
ステップS1430に続いて、P2Lと接続するデータ線の順番が遅い下向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p)に格納する。はじめに、M(v1)(1,p)(CL1)により読み出す入力画像の画素データの行列、色を指定する。ここで、v1は走査線G1すなわち奇数走査線の視点画像のパラメータであり、行番号は走査線G1であるため1、列番号は変数p、CL1は1行目の色のパラメータである。次にM(v1)(1,p)(CL1)から読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータ読み出しPDに格納する。このデータPDをラインメモリL(2p)へ格納する。
【0130】
[ステップS1450]
上下サブ画素対P2Rと接続するデータ線の順番が早い下向きサブ画素へ与えるデータを、ラインメモリL(2p−1)に格納する。ステップS1440と同様に、M(v1)(1,p)(CL1)により読み出す入力画像の画素データの行列、色を指定する。M(v1)(1,p)(CL1)から読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータを読み出しPDに格納する。このデータPDをラインメモリL(2p−1)へ格納する。
【0131】
[ステップS1460]
ステップS1450に続いて、P2Rと接続するデータ線の順番が遅い上向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p)に格納する。走査線G1においては、ステップS1430で説明したように上向きサブ画素は存在しない。したがって、L(2p)に格納するデータは表示には反映されないが、zを格納する。zは1例として0とする。
【0132】
[ステップS1470]
pの計数値によって、1走査線分の上下サブ画素対の処理が完了しているか否かを判定する。判定は、ステップS1000でセットした表示部の列数nを用い、pの計数値がn÷2に達していなければ、判定YesでステップS1480に進み、n÷2であれば、判定Noで先頭ライン処理は終了する。
【0133】
[ステップS1480]
pの計数値に1を加算し、ステップS1420に進む。
【0134】
次に、図33を参照し出力処理の詳細を説明する。出力処理では、ラインバッファLに格納されたn個のデータを、データ線D1からDn、あるいは、D2からDn+1に対応させる処理を行い、合成画像データCMを完成させ、データ線駆動回路80に出力する。
【0135】
[ステップS1510]
読み出し並び換え処理でのGyの値を引き続き使用し、読み出し並び換え処理で格納されたラインバッファLを用いることを示したものであり、特に処理の実行を示すステップではない。
【0136】
[ステップS1520]
xに初期値として1を与える。xは、データ線の順番を指定する、すなわち合成画像データCMの列を指定するために用いるものであり、図2に示すタイミング制御手段150において生成されるデータ線駆動回路80へのデータ転送クロックの計数値である。
【0137】
[ステップS1530]
1番目のデータ線D1がサブ画素と接続され表示に使用されるか否かの判定を行う。判定には、ステップS1000でセットした表示部50の1行1列に配置されるサブ画素の向きのパラメータuと、走査線の計数値Gyを用いる。図26に示すように、u=0かつ走査線Gyが偶数、あるいは、u=1かつ走査線Gyが奇数であれば、データ線D1が使われるため、判定YesでステップS1540に進み、前記条件に合わなければ、判定NoでステップS1550へ進む。
【0138】
[ステップS1540]
xの計数値によって、処理が最後のデータ線Dn+1に達したか否かを判定する。判定は、ステップS1000でセットした表示部の列数nを用いる。xの計数値がn+1に達していなければ、判定YesでステップS1541に進み、xの計数値がn+1であれば、判定NoでステップS1543へ進む。
【0139】
[ステップS1541]
合成画像データCM(Gy,x)へ、ラインバッファのデータL(x)を出力する。この合成画像データをデータ線駆動回路80へ出力する。
【0140】
[ステップS1542]
xの計数値に1を加算し、ステップS1540に進む。
【0141】
[ステップS1543]
このとき、X=n+1である。ステップS1530の判定から、データ線Dn+1と接続するサブ画素は存在しない。したがって、表示には反映されないが、合成画像データCM(Gy,n+1)へzを出力する。zは1例として0とする。この合成画像データCMをデータ線駆動回路80へ出力する。これより、データ線Dn+1までのデータ出力が終了したため、出力処理を終了する。
【0142】
[ステップS1550]
xの計数値によって、処理が最初のデータ線D1であるかを判定する。x=1であれば、判定YesでステップS1551に進み、xが1でなければ、判定NoでステップS1553へ進む。
【0143】
[ステップS1551]
このとき、X=1である。ステップS1530の判定から、データ線D1と接続するサブ画素は存在しない。したがって、表示には反映されないが、合成画像データCM(Gy,n+1)へzを出力する。zは1例として0とする。この合成画像データをデータ線駆動回路80へ出力する。
【0144】
[ステップS1552]
xの計数値に1を加算し、ステップS1550に進む。
【0145】
[ステップS1553]
合成画像データCM(Gy,x)へ、ラインバッファのデータL(x−1)を出力する。この合成画像データCMをデータ線駆動回路80へ出力する。
【0146】
[ステップS1554]
xの計数値によって、処理が最後のデータ線Dn+1に達したか否かを判定する。xの計数値がn+1に達していなければ、判定YesでステップS1552に進み、xの計数値がn+1であれば、データ線Dn+1までのデータ出力が終了したため、判定Noで出力処理を終了する。
【0147】
次に、図34を参照しメインライン処理の詳細を説明する。図34は、ステップS1800の処理内容を示すフローチャートである。メインライン処理では、走査線Gyに対応する入力画像データを、図25に示す走査線単位の規則性に従い読み出し、1行分のサブ画素データn個をラインバッファLに格納する。図34は、図25の規則性による処理を示し、ラインバッファへの格納処理は図35を用いて別途説明する。
【0148】
[ステップS1810]
読み出し並び換え処理でのGyの値、sの値、qの値を、そのまま引き続き使用することを示したものであり、特に処理の実行を示すステップではない。
【0149】
[ステップS1811〜ステップS1815]
走査線の6本毎の周期となるsの値による条件分岐である。sの値1から6に応じて、ステップS1821〜ステップS1826に進む。
【0150】
[ステップS1821〜ステップS1826]
sの値に応じて、図25に示すように、読み出す画素データを指定する視点、色、行の情報を各々の変数に格納する。変数kに視点、変数C1に上向きサブ画素の色、変数C2に下向きサブ画素の色を、ステップS1000でセットしたパラメータを用いて格納する。また、変数Uiに上向きサブ画素の入力画像の行、変数Diに下向きサブ画素の入力画像の行をqから算出し格納する。
【0151】
[ステップS1900]
変数:k,Ui,Di,C1,C2を用いて、走査線Gyに対応するデータを読み出し、ラインバッファLに格納する。詳細は、図35に示すフローチャートにより別途説明する。ラインバッファ処理が済むとメインライン処理は終了する。
【0152】
次に、図35を参照しラインバッファ格納処理の詳細を説明する。図35は、ステップS1900の処理内容を示すフローチャートである。
【0153】
[ステップS1910]
Gyの値を引き続き使用し、メインライン処理で格納された変数k,Ui,Di,C1,C2を用いることを示したものであり、特に処理の実行を示すステップではない。
【0154】
[ステップS1920]
変数pに初期値として1を与える。変数pは、走査線Gyに接続する上下サブ画素対の順番を指定するため、読み出す画素データの列番号を指定するため、また、ラインバッファにおいてデータ格納順を指定するために用いる。
【0155】
[ステップS1930]
LUTを用いて、上下サブ画素対が接続するデータ線のうち順番が早いデータ線に接続するサブ画素が、上下サブ画素のどちらであるかを判定する。LUT(Gy,p)=1、すなわち、走査線Gyのp番目に接続する上下サブ画素対がP2Lのときは、判定YesでステップS1940に進む。LUT(Gy,p)=0、すなわち、走査線Gyのp番目に接続する上下サブ画素対がP2Rのときは、判定Noでステップ1960に進む。
【0156】
[ステップS1940]
上下サブ画素対P2Lと接続するデータ線の順番が早い上向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p−1)に格納する。M(k)(Ui,p)(C1)により読み出す入力画像の画素データの視点、行列、色を指定し、読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータをPDへ読み出す。このデータPDをラインメモリL(2p−1)へ格納する。
【0157】
[ステップS1950]
ステップS1940に続いて、P2Lと接続するデータ線の順番が遅い下向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p)に格納する。M(k)(Di,p)(C2)により読み出す入力画像の画素データの視点、行列、色を指定し、読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータをPDへ読み出す。このデータPDをラインメモリL(2p)へ格納する。ステップS1980へ進む。
【0158】
[ステップS1960]
上下サブ画素対P2Rと接続するデータ線の順番が早い下向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p−1)に格納する。M(k)(Di,p)(C2)により読み出す入力画像の画素データの視点、行列、色を指定し、読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータをPDへ読み出す。このデータPDをラインメモリL(2p−1)へ格納する。
【0159】
[ステップS1970]
ステップS1960に続いて、P2Rと接続するデータ線の順番が遅い上向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p)に格納する。M(k)(Ui,p)(C1)により読み出す入力画像の画素データの視点、行列、色を指定し、読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータをPDへ読み出す。このデータPDをラインメモリL(2p)へ格納する。ステップS1980へ進む。
【0160】
[ステップS1980]
pの計数値によって、1走査線分の上下サブ画素対の処理が完了しているかを判定する。判定は、ステップS1000でセットした表示部の列数nを用い、pの計数値がn÷2に達していなければ、判定YesでステップS1990に進み、pの計数値がn÷2であれば、判定Noでラインバッファ格納処理は終了する。
【0161】
[ステップS1990]
pの計数値に1を加算し、ステップS1930に進む。
【0162】
次に、図36を参照し最終ライン処理の詳細を説明する。図36は、図31に示すステップS2200の処理内容を示すフローチャートである。最終ライン処理は、走査線Gm+1に対応する入力画像データを読み出しラインバッファLに格納する。
【0163】
[ステップS2210]
読み出し並び換え処理でのGyの値、sの値、qの値を、そのまま引き続き使用することを示したものであり、特に処理の実行を示すステップではない。
【0164】
[ステップS2211]
走査線の6本毎の周期となるsの値による条件分岐である。表示部最後の走査線Gm+1におけるsの値は、本実施形態のサブ画素がR/G/Bの3色からなることより、s=1、または、s=4となる。s=1であれば、判定YesでステップS2212に進み、s=4であれば、判定NoでステップS2213に進む。
【0165】
[ステップS2212、ステップS2213]
sの値に応じて、図25に示すように、読み出す画素データを指定する視点、色、行の情報を各々の変数に格納する。変数kに視点、変数C1に上向きサブ画素の色、変数C2に下向きサブ画素の色を、ステップS1000でセットしたパラメータを用いて格納する。また、変数Uiに上向きサブ画素の入力画像の行、変数Diに下向きサブ画素の入力画像の行をqから算出し格納する。ステップ2220に進む。
【0166】
[ステップS2220]
変数pに初期値として1を与える。変数pは、走査線Gm+1に接続する上下サブ画素対の順番を指定するため、読み出す画素データの列番号を指定するため、また、ラインバッファにおいてデータ格納順を指定するために用いる。
【0167】
[ステップS2230]
LUTを用いて、上下サブ画素対が接続するデータ線のうち順番が早いデータ線に接続するサブ画素が、上下サブ画素のどちらであるかを判定する。LUT(Gy,p)=1、すなわち、走査線Gyのp番目に接続する上下サブ画素対がP2Lのときは、判定YesでステップS2240に進む。LUT(Gy,p)=0、すなわち、走査線Gyのp番目に接続する上下サブ画素対がP2Rのときは、判定Noでステップ2260に進む。
【0168】
[ステップS2240]
上下サブ画素対P2Lと接続するデータ線の順番が早い上向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p−1)に格納する。M(k)(Ui,p)(C1)により読み出す入力画像の画素データの視点、行列、色を指定し、読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータをPDへ読み出す。このデータPDをラインメモリL(2p−1)へ格納する。
【0169】
[ステップS2250]
ステップS2240に続いて、P2Lと接続するデータ線の順番が遅い下向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p)に格納する。しかし、走査線Gm+1においては、具体例として図示した図8〜図11及び図17の配列パターンからわかるように、下向きサブ画素は存在しない。したがって、L(2p)に格納するデータは表示には反映されないが、zを格納する。zは1例として0とする。ステップS2280へ進む。
【0170】
[ステップS2260]
上下サブ画素対P2Rと接続するデータ線の順番が早い下向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p−1)に格納する。しかし、走査線Gm+1においては、ステップS2250で説明したように下向きサブ画素は存在しない。したがって、L(2p−1)に格納するデータは表示には反映されないが、zを格納する。zは1例として0とする。
【0171】
[ステップS2270]
ステップS2260に続いて、P2Rと接続するデータ線の順番が遅い上向きサブ画素へ与えるデータをラインメモリL(2p)に格納する。M(k)(Ui,p)(C1)により読み出す入力画像の画素データの視点、行列、色を指定し、読み出しアドレスをデコードし、画像メモリからデータをPDへ読み出す。このデータPDをラインメモリL(2p)へ格納する。ステップS2280へ進む。
【0172】
[ステップS2280]
pの計数値によって、1走査線分の上下サブ画素対の処理が完了しているか否かを判定する。判定は、ステップS1000でセットした表示部の列数nを用い、pの計数値がn÷2に達していなければ、判定YesでステップS2290に進み、pの計数値がn÷2であれば、判定Noで最終ライン処理は終了する。
【0173】
[ステップS2290]
pの計数値に1を加算し、ステップS2230に進む。
【0174】
以上、図30から図36に示すフローチャートの処理により、外部より入力される2つの視点画像データから、走査線の6本単位の規則性、上下サブ画素対の配列パターンを適用し、画像データの合成、画素データの並び換えを行うことで画像データCMを生成し、表示パネルに表示することが可能となる。説明した本実施形態の処理は1例であり、これに限定されない。例えば、NPを含む上下サブ画素対が存在する先頭ライン、最終ラインの処理を、NPに対応する入力画像データが存在しないため、メイン処理とは別処理とした。しかしながら、入力画像データは、画像メモリに書き込まれ、画像データCMを生成するデータは、画像メモリのアドレス指定によって読み出される。このため、入力画像データ領域外のアドレス指定が可能であり、かつNPに対応するデータの読み出しが可能であれば、NPの処理をメイン処理で行うことができる。なお、NPに与えるデータは表示には無効であるため、NPのアドレス指定の処理さえできれば、先頭、及び最終ライン処理を分けずメインライン処理をそのまま適用することも可能である。
【0175】
なお、ラインバッファからデータ線駆動回路への出力は、1サブ画素データ毎に出力を行う処理フローになっているが、データ線駆動回路のインターフェイス仕様次第であり、例えば、ラインバッファより、3サブ画素単位、6サブ画素単位に出力する場合もある。
【0176】
以上、本発明の第1実施形態の構成、動作について説明した。
【0177】
図37は、本実施形態の表示装置を適用した1例の端末装置のブロック図である。図37(A)に示す端末装置300Aは、入力装置301、記憶装置302、演算器303、外部インターフェイス304、及び本実施形態の表示装置305Aなどから構成されている。前述のように、本実施形態の表示装置305Aは、表示コントローラ100を備えるため、演算器303から一般の表示装置に画像データを送る形式で、2画像分のデータを送ればよい。なお、2つの画像データは、一般の表示パネルで平面表示を行う画像データでよい。すなわち、本実施形態の表示装置305Aは、表示コントローラ100を備えるため、演算器303においては、出力する2つの画像データに何らかの処理を行う必要がなく、演算器303に負担をかけないという効果がある。また、本実施形態の表示コントローラ100は、画像メモリ120(図2)を備えるため、演算器303が出力する2つの画像データは、図37にイメージを示す水平方向に並んだ形式、所謂サイドバイサイド形式に限らず、垂直方向に並ぶ形式、所謂ドットバイドットの形式でも、フレームシーケンシャル形式であっても構わない。
【0178】
図37(B)に示す端末装置300Bは、図37(A)に示す端末装置300Aに対して、表示モジュール200Bが異なる構成である。表示モジュール200Bは、例えば、画像分離手段の設置、カラーフィルタの順番、上下サブ画素対の配列パターン等が表示モジュール200Aと異なる。表示モジュール200A,200Bの仕様は、搭載される端末装置300A,300Bからそれぞれ表示装置305A,305Bに要求される様々な要素、例えば、画質や、コスト、サイズ、解像度等によって決定される。表示モジュール200Aから表示モジュール200Bに変更されると、表示モジュール200Bへ入力する合成画像データを変更しなければならない。しかし、本実施形態の表示装置305Bは、前述のように、表示コントローラ100にパラメータ記憶手段140(図2)を備えているため、表示モジュール200Bに変更されても、同じ表示コントローラ100が使用できる。このため、表示装置305A,305Bの設計工数の低減、表示装置305A,305Bの低コスト化が可能となる。
【0179】
なお、本実施形態では、画像分離手段により、観察者の両目に別々の画像を提供する立体表示装置を例に示したが、観察する位置に応じて異なる画像を提供する2視点表示装置としてもよい。
【0180】
また、本実施形態において、光学的な画像分離手段にレンチキュラレンズを用い、レンチキュラレンズを表示パネルの観察者側に配置し説明したが、観察者と反対側に配置されてもよい。さらに、光学的な画像分離手段としては、パララックスバリアを適用してもよい。
【0181】
また、本実施形態における表示パネルは、液晶分子を利用した液晶表示パネルであるものとして説明した。液晶表示パネルとしては、透過型液晶表示パネルだけでなく、反射型液晶表示パネル、半透過型液晶表示パネル、反射領域よりも透過領域の比率が大きい微反射型液晶表示パネル、透過領域よりも反射領域の比率が大きい微透過型液晶表示パネル等にも適用することができる。また、表示パネルの駆動方法は、TFT方式に好適に適用できる。
【0182】
TFT方式におけるTFTは、アモルファスシリコンや低温ポリシリコン、高温ポリシリコン、単結晶シリコンを使用したものだけでなく、ペンタセンなどの有機物や酸化亜鉛などの酸化金属、カーボンナノチューブを使用したものにも好適に適用できる。また、本発明はTFTの構造には依存しない。ボトムゲート型やトップゲート型、スタガ型、逆スタガ型等を好適に使用することができる。
【0183】
また、本実施形態において、上下サブ画素対をサブ画素の形状を略台形形状として説明した。上下サブ画素対の光学的特性、走査線、データ線との接続関係を維持するものであれば、台形に限るものではない。他の多角形形状であっても適用可能である。例えば、本実施例によって説明した台形の上辺が短くなれば三角形の形状となる。さらに、上向きサブ画素と下向きサブ画素が180度の回転対称であれば、走査線を屈曲させた六角形、八角形の形状等の適用も可能である。更に、本実施形態において表示部は、サブ画素が、垂直方向にm行、水平方向にn列に配列されて構成されると説明したが、垂直方向にn行、水平方向にm行とし、走査線とデータ線の配置関係を入れ換えてもよい。
【0184】
更に、表示パネルには、液晶方式以外の適用も可能である。例えば有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、無機エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル、フィールドエミッション表示パネル、又はPALC(Plasma Address Liquid Crystal:プラズマ・アドレス液晶)を適用することも可能である。
【0185】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成について説明する。複数のN視点に向け夫々異なる画像を提供する表示装置であり、第1実施形態がN=2の表示装置であったのに対して、Nが4以上であることを特徴とする。以下、N=4である4視点に向け夫々異なる画像を提供する立体表示装置を例として第2実施形態について説明する。
【0186】
まず、図44を主に、第2実施形態の概要について説明する。本実施形態の表示コントローラ102は、外部から入力した4視点以上の視点画像データを2視点の視点画像データに並び換える入力データ並び換え手段160を、更に備えたものである。書き込み制御手段110は、外部から入力した視点画像に代えて、入力データ並び換え手段160で並び換えられた視点画像データを画像メモリ120に書き込む機能を有する。以下、第2実施形態について詳細に説明する。
【0187】
第2実施形態おける表示部は、図4、図5に構造と等価回路を示す上下サブ画素対から構成される。したがって、上下サブ画素対についての説明は、第1実施形態と同じであるため省略する。
【0188】
図38は、第2実施形態における画像分離手段と表示部の関係を示す1例である。図中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。垂直方向に12行、水平方向に12列に配置された台形がサブ画素を表し、網掛は色を示し、1行目から1行毎にR、G、Bの順で繰り返す配色パターンとなっている。画像分離手段は、レンチキュラレンズ30を構成するシリンドリカルレンズ30aがサブ画素4列単位に対応し、水平方向にレンズ効果を持つように長手方向が垂直方向と平行に配置される。シリンドリカルレンズ30aのレンズ効果により、サブ画素から出た光線は列単位で4列周期に別々の方向に分離され、レンズ面から離れた位置に4つの視点画像を形成する。この4つの視点画像の各々の構成単位となる画素は、列単位で垂直方向に並ぶRGBのサブ画素3個からなる。第1視点画像の画素をM1P、第2視点画像の画素をM2P、第3視点画像の画素をMP3、第4視点の画素をMP4として、図38に示す。
【0189】
図39は、各視点用の画素M1PからMP4から出た光線が各視点画像を形成する光学モデルである。図39に示すように、レンチキュラレンズ30は、表示パネルの観察者側に配置され、さらに、レンズ面から距離OD離れた平面において、表示部全てのM1Pからの投影像が重なり、同様にM2P、M3P、M4Pからの投影象が重なり、X方向において投影象の重なりの幅が最大になるように配置されている。この配置により、観察者から見て水平方向に左から順に、第1視点画像、第2視点画像、第3視点画像、第4視点画像の領域が形成される。
【0190】
次に、図38に示すサブ画素と、走査線、データ線との接続関係について説明する。図40は、図38に示す第2実施形態の表示部を上下サブ画素対P2R及びP2Lから構成する1例である。水平方向に、P2Lから構成される4列、P2Rから構成される4列が交互に繰り返されるパターンであり、配列パターン6とする。配列パターン6は、極性反転駆動方式に縦2ドット反転駆動法を適用した場合に高画質化を可能とする効果がある。
【0191】
図41は、図40に示す配列パターン6に縦2ドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布と、縦2ドット反転の走査線毎のデータ線極性について示したものである。図38で説明したように、第2実施形態では4列周期で各視点画像が提供される。図41に示すように、視点画像の周期性に対応させ、上下サブ画素対P2R及びP2Lを4列周期で交互に配置し、縦2ドット反転駆動を適用することにより、分離された各視点画像での水平方向に隣り合うサブ画素の極性が反転する。また、列内の極性分布は、上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rの垂直方向に隣り合う画素電極は同極性となり、2行毎に極性が反転する。これらより、第1実施形態である図15と同様に、下底近傍における液晶分子の異常配向を抑制でき、フリッカを抑制する効果が高く高画質化が可能である。
【0192】
次に、画像分離手段を図38に示すように配置し、配列パターン6から構成される第2実施形態の表示部に与える合成画像データについて説明する。図42に外部より入力される4視点分の画像データを示し、図42の入力データから合成する配列パターン6の合成画像データを図43に示す。図42は、4行×3列の画素からなる第1視点用画像から第4視点用画像データを示す図である。第1実施形態において図6で説明したように、Mk(i,j)RGBの符号は、kは視点を表し、「i」は画像内の行番号、「j」は画像内の列番号、RGBは、R:赤、G:緑、B:青の各色の輝度情報を持つことを意味する。
【0193】
図43の合成画像データは、第1実施形態と同様に画像分離手段及びカラーフィルタの色配列の設定パラメータ、配列パターンの設定パラメータをもとに、上下サブ画素対の走査線単位の接続の規則性、データ線単位の規則性から生成可能である。
【0194】
図44に、第2実施形態の機能ブロック図を示す。第1実施形態と同様に、外部より入力される各視点用画像データから合成画像データCMを生成する表示コントローラ102と、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20から構成される。表示パネル20の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。表示コントローラ102の構成は、入力データ並び換え手段160を備える点で第1実施形態と異なるが、他の構成は同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。
【0195】
入力データ並び換え手段160は、外部から入力されるN視点の画像データ(図44ではN=4としている)を、第1実施形態で説明した2つの入力画像のデータ形式に並び換える処理を行う。図45を用いて具体例を説明する。
【0196】
図45に示すように、第1視点用画像M1と第3視点用画像からM1’(i,j’)RGBを、第2視点用画像と第4視点用画像からM2’(i,j’)RGBを、それぞれ生成する。列単位で並び換えを行い、
M1’(i,1)RGB=M3(i,1)RGB、
M1’(i,2)RGB=M1(i,1)RGB、
M1’(i,3)RGB=M3(i,2)RGB、
・・・
M1’(i,6)RGB=M1(i,3)RGBと並び換える。同様に、
M2’(i,1)RGB=M4(i,1)RGB、
M2’(i,2)RGB=M2(i,1)RGB、
M2’(i,3)RGB=M4(i,2)RGB、
・・・
M2’(i,6)RGB=M2(i,3)RGBと並び換える。こうして生成した画像データ、M1’(i,j’)RGB、M2’(i,j’)RGBを書き込み制御手段110に送ると、第1実施形態で説明した処理動作により、図43に示す合成画像データを生成できる。
【0197】
なお、図44において、入力データ並び換え手段160は、書き込み制御手段110と分けて図示しているが、構成を説明するためであり、書き込み制御手段110に含めてもよい。書き込み制御手段110において、発生するアドレスを、各視点画像の列単位にコントロールすることにより、図に示す入力データの並び換え処理と同じ処理が実行できるためである。
【0198】
また、第2実施形態として、N=4である4視点に向け夫々異なる画像を提供する立体表示装置を例に説明したが、視点数は4に限定されず更に多くの視点への対応が可能である。
【0199】
[効果]
図39に示すように、第2実施形態においては、視点数が増えることにより観察者は観察位置を変化させることで、異なる角度からの立体画像を楽しむことができる、また、同時に運動視差も付与されるため、より立体感を与える効果がある。
【0200】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成について説明する。
図46は、第3実施形態の機能ブロック図である。表示コントローラ103の読み出し制御手段133から出力されるデータ線選択信号171によって制御されるデータ線選択スイッチ170を表示パネル23に備えた点が、第1実施形態と異なる。他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。
【0201】
データ線選択スイッチ170は、データ線選択信号171に応じて、データ線駆動回路83が備えるn本の出力を、表示部50のデータ線D1〜DnあるいはD2〜Dn+1に切り換える、機能を有する。この機能を用いることにより、第1実施形態において図32に示すフローチャートにより説明した出力処理において、ラインバッファに格納したn個のデータをデータ線D1〜DnあるいはD2〜Dn+1に対応させるデータ処理が不要になる。つまり、第3実施形態においては、ラインバッファに格納したn個のデータを、そのままデータ線駆動回路に出力し、データ線選択信号171に切換え信号を与えればよい。このため、合成画像データは、Gm+1行×n列のデータ構成となる。
【0202】
なお、以上説明した第3実施形態の構成に、第2実施形態の構成を加え、多視点化することも可能である。
【0203】
[効果]
第3実施形態においては、読み出し制御手段の処理を削減できるため、表示コントローラ103を構成する回路規模を、第1実施形態と比べ小さくできる効果がある。また、データ線駆動回路83に駆動ICを用いる場合、出力数が表示部を構成するサブ画素の列数と同じn本で済み、駆動ICの選択肢が増えるため低コスト化を可能とする効果がある。
【0204】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る表示装置の構成について説明する。第1実施形態に加えて、さらに、もう1つ画像分離手段を備えた立体表示装置である。
【0205】
まず、図47及び図48を主に、第4実施形態の概要を説明する。本実施形態の表示コントローラ104は、の外部から入力した視点画像データを左又は右に90度回転した画像として並び換える入力データ縦横変換手段164を、更に備えている。表示モジュール201は、サブ画素40から出る光をサブ画素40単位で複数の視点に向ける電気光学素子180からなる第2の画像分離手段を備えている。電気光学素子180が光を向ける複数の視点を結ぶ方向は、レンチキュラレンズ30が光を向ける複数の視点を結ぶ方向に直交する。書き込み制御手段110は、外部から入力した視点画像データに代えて、入力データ縦横変換手段164で並び換えられた視点画像データを画像メモリ120に書き込む機能を有する。以下に、第4実施形態について更に詳しく説明する。
【0206】
図47は、第4実施形態における画像分離手段と表示部の関係を示す1例である。図中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。図47において、表示部を構成するサブ画素を台形で表しており、垂直方向に12行、水平方向に12列に配置される。サブ画素を示す台形の網掛は、カラーフィルタによりサブ画素が機能する色を示し、1行目から1行毎にR、G、Bの順で、3色の配色が繰り返される。サブ画素の走査線、データ線との接続は、第1実施形態と同様に上下サブ画素対の配置により決定される。なお、2列毎のサブ画素ピッチと3行毎のサブ画素ピッチは等しくなっている。
【0207】
表示パネルの観察者側には、第1実施形態と同様に、シリンドリカルレンズ30aからなるレンチキュラレンズ30は、水平方向にレンズ効果を発揮し、偶数列と奇数列のサブ画素から出る光線が別々の方向に分離するように配置される。
【0208】
表示パネルの観察者と反対側には、第2の画像分離手段として、パララックス・バリアパターンを表示する電気光学素子180が配置される。電気光学素子180は、例えば、透過型液晶パネルが適用可能であり、パララックス・バリアパターンが表示されたとき、スリット180aとして働く透過部が表示パネルに対して水平になるように配置される。さらに、パララックス・バリアパターンが表示されたとき、偶数行と奇数行のサブ画素から出る光線が別々の方向に分離するように配置されている。つまり、観察者の両眼が水平方向に並んだ状態で、観察者が図46の配置から、表示パネルを右90度回転させたとき、奇数行がR:右目用サブ画として機能し、偶数行がL:左目用サブ画素として機能するように配置されている。なお、図の便宜上、スリット180aに網掛けを行い強調して示している。実際に電気光学素子180がバリアパターンを表示したときは、網掛け部分(スリット180a)が透過部であり、網掛けの部分以外が遮光部となる。なお、観察者から観て、表示パネルが左90度回転したときには、サブ画素の機能を示すRLは入れ替わる。
【0209】
図48に、第4実施形態の機能ブロック図を示す。表示コントローラ104に、入力データ縦横変換手段164、画像分離制御手段190を備えた点が、第1実施形態と異なる。他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。また、表示部を構成するサブ画素40の構造は、第1実施形態と同じく図4、図5によって説明される上下サブ画素対の構造であり、表示部50の配列も第1実施形態と同じく上下サブ画素対よりなされる。
【0210】
入力データ縦横変換手段164は、表示パネルが90度回転したとき、外部から入力される画像データM1,M2を、第1実施形態で説明した2つの入力画像のデータ形式に変換する処理を行う。
【0211】
画像分離制御手段190は、入力される制御信号に応じて、第2の画像分離手段(図示なし)に図47に示すバリアパターンの表示/非表示の制御を行う。
【0212】
入力データ縦横変換手段164による縦横変換処理について図を参照し説明する。
【0213】
図49は、表示パネルが右90度回転し、バリアパターンを表示しない場合、すなわち平面表示を行う場合の処理を説明する図である。図47に例示する表示パネルは、色情報を含む画素単位で4行×6列からなる。したがって、右90度回転した際には、6行×4列の表示パネルとなる。図49に、6行×4列の入力画像データrMを示す。
【0214】
表示パネルが右90度回転のため、入力データ縦横変換手段164は、入力画像データrMの行列を左90度回転し、第1実施形態で説明した2つの入力画像のデータ形式(例示は4行×6列)に変換する。
【0215】
図49に、入力画像データrMが変換されたM1’(i’,j’)RGB、M2’(i’,j’)RGBを示す。図49に示すように、
M1’(1,1)RGB=rM(1,4)RGB、
M1’(1,2)RGB=rM(2,4)RGB、
M1’(1,3)RGB=rM(3,4)RGB、
・・・
M1’(1,6)RGB=rM(6,4)RGB、
M1’(2,1)RGB=rM(1,3)RGB、
・・・
M1’(2,6)RGB=rM(6,3)RGB、
・・・
M1’(4,6)RGB=rM(6,1)RGB、
と並びかえ、M2’(i’,j’)RGBは、M1’(i’,j’)RGBと同じデータ配列である。
【0216】
こうして変換したM1’(i’,j’)RGB、M2’(i’,j’)RGBを図48に示す書き込み制御手段110に送ると、第1実施形態で説明した処理動作により、表示パネルに応じた合成画像データを生成できる。生成された合成画像により、図47に示す表示パネルに入力画像rMを表示することができる。観察者は、図47の表示パネルが右90度回転した状態で、入力画像rMを観察できる。
【0217】
次に、表示パネルが右90度回転し、バリアパターンが表示される場合、すなわち、第2の画像分離手段を用いて立体表示を行う場合の処理を説明する。ここで、図47に例示する表示パネルは、色情報を含む画素単位で4行×6列のからなるが、バリア表示により、Y方向に隣接するサブ画素が交互に左目用サブ画素、右目用サブ画素となる。このため、Y方向の解像度は半分になる。つまり、図47の例では、分離された左目画像、あるいは、右目画像は、6行×2列の画像となる。
【0218】
図50に、図47に例示する表示パネルに対する入力画像データ、すなわち、左目用画像データrM1、右目用画像データrM2を示す。図50に示すように、rM1、rM2は、R:赤、G:緑、B:青の色情報を持つ画素データが6行×2列に配列されてなる。表示パネルが右90度回転のため、入力データ縦横変換手段164は、入力画像データrM1、rM2の行列を左90度回転する。このとき、左目用画像データ、右目用画像データを色単位で交互に並べ合成する。図47に示すように、この場合は、Y方向に並ぶ各色のサブ画素が交互に左目用、右目用となるためである。具体的には、図47に示すように、M1画像の画素(1,1)は、10行目の1列2列のサブ画素がrM1(1,1)Rとなり、8行目の1列2列目のサブ画素がrM1(1,1)Gとなり、12行目の1列2列目の画素がrM1(1,1)Bとなる。
【0219】
以上のように、図50に例示するrM1rM2合成画像データを生成し、第1実施形態で説明した2つの入力画像のデータ形式と合う、M1’(i’,j’)RGB、M2’(i’,j’)RGBとして書き込み制御手段110へ出力する。
【0220】
これより、第1実施形態で説明した処理動作により、表示パネルに応じた合成画像データを生成し、図47に示す表示パネルに入力画像Mr1Mr2の合成画像を表示することができる。こうして、入力画像rM1rM2が視差画像であれば、観察者は、図47の表示パネルが右90度回転した状態で、立体表示を観察できる。
【0221】
以上、第4実施形態の構成、動作において、表示パネルが右90度回転した場合の縦横変換を例に説明した。本実施形態は、右90度回転に限定されるものではなく、左90度回転にも対応可能である。左90度回転場合は、前述の右90度回転における入力画像データの行列変換を、右90度回転から左90度回転とすればよい。
【0222】
[効果]
第4実施形態においては、第1実施形態の効果に加えて、表示パネルを90度回転した
ときにも立体表示を楽しむことができる。
【0223】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る表示装置の構成について説明する。第5実施形態に係る表示装置は、第1実施形態における表示コントローラに備えた画像メモリを、フレームメモリではなく複数のラインメモリをとし、表示コントローラに備えるメモリ領域を縮小した構成である。
【0224】
図51に、第5実施形態の機能ブロック図を示す。第1実施形態と同様に、外部より入力される各視点用画像データから合成画像データCMを生成する表示コントローラ105と、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20から構成される。表示パネル20の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。表示コントローラ105の構成は、ラインメモリ125を備え、ラインメモリ125に入力画像データを書き込む機能を有する書き込み制御手段115、ラインメモリ125からデータを読み出す機能を有する読み出し制御手段135を備え、入力同期信号を用いて各制御信号を生成するタイミング制御手段155を備える。表示コントローラ105の他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。
【0225】
上記のように、第5実施形態では、画像メモリの構成が入力画像データを全て書き込み保存できる所謂フレームメモリではないため、入力画像データの転送形式、及び入力データと出力データとのタイミングに制約が生じる。第5実施形態の動作を、図52に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0226】
図52は、第5実施形態の1例として、図7に示す画像分離手段を配置した図8の配列パターン1からなる表示部へ、図57に示す入力画像データを出力する(合成画像データを生成する)タイミングを示したものである。図52の1例では、入力画像データの転送形式として、複数の視点画像データが1行毎に転送される、所謂サイドバイサイド形式用いる。
【0227】
図52に示すTは、表示パネルの1水平期間を示し、入力データM1,M2は、図57に示す4行×6列の画素データであり、入力データM1(1)、M2(1)とは、図57に示す第1視点用画像データM1の1行目、第2視点用画像データM2の2行目を示す。L1からL6は、入力される各視点用画素データを1行分格納できるラインメモリであり、L1、L3、L5は第1視点用画像データ、L2、L4、L6が第2視点用画像データを格納する。出力G1、G2、・・・G13は、図8に示す表示部の走査線番号と対応し、各走査線に接続するサブ画素へのデータ出力を示す。ここで、表示パネル出力の3水平期間と、M1を1行入力する入力期間及びM2を1行入力する入力期間の合計期間とを一致さることにより、入出力の画像更新をフレーム単位で一致させる。なお、タイミングチャートには示していないが、前述の出力の水平期間及び入力期間は、同期信号の周期であり、有効データのない所謂ブランキング期間を含むものである。
【0228】
図52を用いて動作の詳細を説明する。T1〜T3の期間で、入力データM1(1)をL1に、M2(1)をL2に格納する。T4では、M1(2)をL3に格納すると同時に、M1(1)が格納されたL1から、第1実施形態で説明したように、走査線G1が接続するサブ画素データの読み出し処理を行う。パラメータ記憶手段140に記憶される図7の画像分離手段及び図8の配列パターン1の情報と、規則性から決定されかつ走査線G1に与えるべきデータM1(1)RとをL1から読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。T5では、同様に走査線G2に与えるべきデータM2(1)R、GをL2から読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。また、T5の途中から、入力画像データM2(2)のL4への格納を開始する。T6では、L1から走査線G3に与えるべきM1(1)G、Bを読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。T7では、M1(3)をL5に格納すると同時に、走査線G4に与えるべきデータとして、L2からM2(1)Bを、L4からM2(2)Rを読み出し、処理を行い表示パネルへ出力する。T8では、走査線G5に与えるべきデータとして、L3からM2(1)R、Gを読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。また、T8の途中から、入力画像データM2(3)のL6への格納を開始する。T9では、L4から走査線G6に与えるべきM2(2)G、Bを読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。T10では、M1(4)をL1に格納する。M1(4)をL1に格納してよい理由は、L1に格納されていたM1(1)は、T6で読み出しが終了しており保持する必要がないためである。同時にT10では、走査線G7に与えるべきデータとして、L3からM1(2)Bを、L5からM1(3)Rを読み出し、処理を行い表示パネルへ出力する。以上、図52に示すように、走査線毎に同様の処理を繰り返し、表示パネルへの出力を繰り返す。
【0229】
前述のように第5実施形態では、画像メモリにL1からL6のラインメモリを用いることにより、第1実施形態と同様に、パラメータ記憶手段に保存された情報と規則性から合成画像データを生成できる。なお、先に説明したように、L1に格納されたM1(1)の読み出しはT6で終了するため、T7で入力されるM1(3)をL1に格納することは可能である。しかし、このL1へのM1(1)に続くM1(3)の格納関係と同様に、L3へM1(2)に続きM1(4)を格納することはできない。図52に示すように、M1(4)が入力されるT10では、同時にL3に格納されたM1(2)Bの読み出しが行われるためである。したがって、M1(3)を格納するL5を備え、L1へのM1(1)に続く格納はM1(4)としている。
【0230】
L1からL6のラインメモリは、前述のように入力される各視点用画素データを1行分格納できるラインメモリである。これらのラインメモリの領域を、表示部を構成するサブ画素の個数で表す。入力される1つの画素データはRGBの情報を有するため、サブ画素3個分となる。したがって、1行が6列の画素データにより構成される入力画像データを用いた図52の例では、ラインメモリ6本のデータ保存領域は、サブ画素単位で、6×3×6=108個分となる。また、図52の例において、図57に示す入力画像データM1の3行分と表示パネルとの対応関係を図60に示す。図60に示すように、M1の3行×6列は、表示パネルの9行と偶数列のサブ画素に対応し、図示していないM2の3行×6列が奇数列のサブ画素と対応する。したがって、先のラインメモリ6本のデータ保存領域は、表示部の9行×12列分のサブ画素個数(9×12=108)と表現できる。さらに、サブ画素がm行かつn列に配列された表示部を有する表示パネルにおける必要となるラインメモリの領域は、サブ画素の9行×n列分、と表すことができる。
【0231】
以上、第5実施形態の動作を、図7に示す画像分離手段を備えた図8の配列パターン1の表示パネルを例に説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。図52に例示したタイミングに従い、第1実施形態と同様に、パラメータ設定によって多様な配列パターンへの適用も可能である。
【0232】
また、図52では入力画像データの転送形式として、複数の視点画像データが1行毎に転送される、所謂サイドバイサイド形式を用いたが、複数の視点画像データが1画素毎に転送される、所謂ドットバイドット形式を用いてもよい。図53に示すように、ドットバイドット形式では、図57に示す入力画像データM1、M2の画素データが、M1(1,1)RGB、M2(1,1)RGB、M1(1,2)RGB、M2(1,2)RGB、・・・と、画素データ単位で交互に転送される。ここで、ドットバイドット形式の行単位のデータ転送を、図53に示すM1(1)M2(2)のように、M1(行番号)M2(行番号)と表し、動作を説明するタイミングチャートを図54に示す。図54は、図52の例と同様に、図7に示す画像分離手段を配置した図8の配列パターン1からなる表示部へ、図57に示す入力画像データを出力する1例である。図54に示すように、ドットバイドット形式を用いた場合でも、M2のラインメモリへの格納タイミングは図52と変わるが、他の動作はサイドバイサイド形式を用いた場合(図52)と同じであり、L1からL6のラインメモリを用いて、合成画像データを生成することができる。なお、入力画像の転送形式が、複数の視点画像データが1列毎に転送される、所謂ラインバイライン形式であっても、図53、及び図54の動作説明からわかるように、同様に適用することが可能である。
【0233】
さらに、本実施形態は、第2実施形態に示したようなN視点のパネルに対しても適用可能である。N視点のパネルでは、各視点画像1行分のラインメモリを3×N個分用意し、各視点画像1行のデータ入力期間をN個加算した期間が表示パネルの3走査線の駆動期間と合う条件のもとに適用する。ただし、Nは偶数である必要がある。
【0234】
[効果]
第5実施形態は、画像メモリにフレームメモリではなく、表示部9行分のサブ画素のデータを格納するラインメモリを用いる。すなわち、サブ画素がm行かつn列に配列された表示部を有する表示パネルにおいて、備える画像メモリは、少なくとも前記サブ画素の9行×n列分の記憶領域でよい。このため、フレームメモリを備える表示コントローラに比べ、回路規模を大幅に削減でき、低コスト化が可能となる。さらに、大きさも小さくすることが可能となり、例えば、表示コントローラをデータ線駆動回路に内蔵する等、表示コントローラを搭載する場所の選択肢が増えるという効果がある。
【0235】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態に係る表示装置の構成について説明する。第6実施形態に係る表示装置は、第5実施形態において、表示コントローラに画像メモリとして備えたラインメモリの領域をさらに縮小した構成である。
【0236】
図55に、第6実施形態の機能ブロック図を示す。第5実施形態と同様に、外部より入力される各視点用画像データから合成画像データCMを生成する表示コントローラ106と、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20から構成される。表示パネル20の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。表示コントローラ106の構成は、画像メモリとして第5実施形態より少ないラインメモリ126備え、ラインメモリ126に入力画像データを書き込む機能を有する書き込み制御手段116、ラインメモリ126からデータを読み出す機能を有する読み出し制御手段136を備え、入力同期信号を用いて各制御信号を生成するタイミング制御手段156を備える。表示コントローラ106の他の構成は第5実施形態と同じであるため、同じ符号を用い説明は省略する。
【0237】
第6実施形態では、第5実施形態と同様に、画像メモリにはラインメモリを用い、入力画像データ転送形式には、複数の視点画像データが1行毎に転送される、所謂サイドバイサイド形式を用いる。
【0238】
第6実施形態の表示部は、第5実施形態と同様に第1実施形態と同じ構成である。例えば、図7に示す画像分離手段を配置した図8の配列パターン1からなる。したがって、第1実施形態で説明したように、入力画像の行と走査線の関係は、走査線6本単位の周期性を有し、図25に示す規則性がある。これらより、サイドバイサイド形式の入力画像データ転送においては、画像メモリとして備えるラインメモリは、最低限、走査線6本分のサブ画素に与えるデータを保存する領域があればよい。
【0239】
図8の例を用いて、具体的に、計算すると1本の走査線に6個の上下サブ画素対が接続するため、必要とされるデータ保存領域を、表示部50を構成するサブ画素の個数で表すと、6×6×2=72個分となる。
【0240】
上記のデータ保存領域を有するラインメモリを用いた第6実施形態の動作の1例を、図56に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0241】
図56は、第5実施形態と同様に、図7に示す画像分離手段を配置した図8の配列パターン1からなる表示部へ、図57に示す入力画像データを出力する(合成画像データを生成する)タイミングを示したものである。Tは、表示パネルの1水平期間を示し、入力データはM1,M2は、図57に示す4行×6列の画素データである。L1からL4は、入力される各視点用画素データを1行分格納できるラインメモリである。ここで、入力される画素データはRGBの情報を有するため、サブ画素3個分となる。したがって、入力画像データ1行分を格納するラインメモリ4本のデータ保存領域は、サブ画素単位で、4×3×6=72個分となり、先述の保存領域と一致する。
【0242】
第6実施形態の動作は、第5実施形態と比べ、各ラインメモリを各視点画像に対応させず、読み出しが終わったラインメモリに視点を問わず入力画像を格納する点が異なり、また、これに伴い読み出し先のラインメモリの指定が異なる。以下、図56を参照し、第6実施形態の動作を説明する。
【0243】
図56に示すT1〜T6の期間の動作は、第5実施形態と同じである。T6の読み出し処理が済むと、L1に格納したM1(1)のデータが不要となる。そこで、次のT7では、L1にM1(3)のデータを格納する。T7では、L1にM1(3)のデータを格納すると同時に、走査線G4に与えるべきM2(1)BをL2から、M2(2)RをL4から読み出し、処理を行い表示パネルへ出力する。T8では、走査線G5に与えるべきデータとして、L3からM1(2)R、Gを読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。また、T7においてL2に格納されていたM2(1)の読み出しが終了し、L2のM2(1)のデータは不要となっているため、T8の途中から、入力画像データM2(3)のL2への格納を開始する。T9では、第5実施形態と同じで、L4から走査線G6に与えるべきM2(2)G、Bを読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。T9の読み出し処理が済むと、L4に格納したM2(2)のデータが不要となる。そこで、次のT10では、L4にM1(4)のデータを格納する。また、T10では、走査線G7に与えるべきM1(2)BをL3から、M1(3)RをL1から読み出し、処理を行い表示パネルへ出力する。T11では、走査線G8に与えるべきデータとして、L2からM2(3)R、Gを読み出し、処理を行い表示パネルに出力する。また、T10においてL3に格納されていたM1(2)の読み出しが終了し、L3のM1(2)のデータは不要となっているため、T11の途中から、入力画像データM2(4)のL3への格納を開始する。以上、図56に示すように、走査線毎に同様の処理を繰り返し、表示パネルへの出力を繰り返す。なお、本例における入力データは、図57に示す4行×6列の画素データからなるM1、M2であるため、図56のT13以降に入力データは存在しないが、本例より行数が多い場合の動作の例として、破線でデータ格納及び、読み出しの動作を示している。
【0244】
以上のように、第6実施形態では、読み出しが終わったラインメモリに視点を問わず入力データを格納する。具体例としては、L3とL4に格納されるデータは、M1とM2が交互となる。これにより、第5実施形態と比べ、入力データの格納時のラインメモリ指定、読み出しデータのラインメモリ指定が若干複雑になるが、より少ないラインメモリ数で動作する。
【0245】
以上、図7に示す画像分離手段を備えた図8の配列パターン1の表示パネルを例に動作を説明したが、本実施形態はこれに限らず、図56のタイミングに従い、第1実施形態において説明したように、パラメータ設定により、多様な配列パターンへの適用もできる。なお、サブ画素がm行かつn列に配列された表示部を有する表示パネルにおいて、必要となるラインメモリの領域は、サブ画素の6行×n列分である。また、第5実施形態と同様に、第2実施形態に示したようなN視点のパネルに対しては、各視点画像1行分のラインメモリを2×N個を用意し、各1行のN視点分のデータ入力期間が表示パネルの3走査線の駆動期間と合う条件のもとに、適用することが可能である。ただし、Nは偶数である必要がある。
【0246】
[効果]
第6実施形態は、画像メモリにフレームメモリではなく、走査線6本分のサブ画素データを格納する領域を有するラインメモリを用いる。すなわち、サブ画素がm行かつn列に配列された表示部を有する表示パネルにおいて、備える画像メモリは、少なくとも前記サブ画素の6行×n列分の記憶領域である。このため、第5実施形態の効果に加えて、さらにラインメモリの回路規模が削減でき、低コスト化や、サイズの縮小が可能となる。
【0247】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態に係る表示装置の構成について説明する。第7実施形態に係る表示装置は、画像メモリをフレームメモリではなく、複数のラインメモリとする点で第5、第6実施形態と同様であるが、入力画像データの転送方法及び、表示パネルの駆動方法が異なる。第7実施形態では、第6実施形態と比べ、必要となるラインメモリ領域をさらに縮小できる。
【0248】
図58に、第7実施形態の機能ブロック図を示す。第1実施形態と同様に、外部より入力される各視点用画像データから合成画像データCMを生成する表示コントローラ107と、合成画像データCMの表示手段である表示パネル21から構成される。表示パネル21は、表示部50とデータ線駆動回路80は第1実施形態と同じであるが、走査線駆動回路が異なる。第7実施形態を構成する走査線駆動回路は、m行×n列のサブ画素からなる表示部50の偶数列毎、奇数列毎に各々走査可能な走査回路を備える。図58に第7実施形態における走査線駆動回路の1例として、奇数番目の走査線G1、G3、G5・・・を順次駆動する走査線駆動回路A(60A)と、偶数番目の走査線G2、G4、G6・・・を順次駆動する走査線駆動回路B(60B)を示す。表示コントローラ107の構成は、ラインメモリ127を備え、ラインメモリ127に入力画像データを書き込む機能を有する制御手段117、ラインメモリ127からデータを読み出す機能を有する読み出し制御手段137を備える。さらに、入力同期信号と同期し表示パネル21を駆動する垂直制御信号62及び水平駆動信号82を生成し、これらの制御信号を読み出し制御手段137と走査線駆動回路60A,60B及びデータ線駆動回路80へ出力する機能を有するタイミング制御手段157と、第1実施形態と同様に表示部50の配列に応じデータ並び換えを行うために必要となるパラメータを記憶する機能を有するパラメータ記憶手段140を備える。
【0249】
第7実施形態では、第5実施形態と同様に画像メモリとしてフレームメモリを用いないため、入力画像データの転送形式、タイミングに制約が生じる。第7実施形態の動作の1例として、図7に示す画像分離手段を備えた図8の配列パターン1の表示パネルを駆動するタイミングチャートを図59に示す。
【0250】
図59に示すTは、表示パネルの1水平期間を示し、入力データM1,M2は、図57に示す4行×6列の画素データである。図59に示す、入力データM1(1)、M2(1)とは、図57に示す第1視点用画像データM1の1行目、第2視点用画像データM2の2行目を示す。第7実施形態の入力画像データの転送形式は、図59に示すように、一方の視点用の入力画像データが転送された後に、他方の入力画像データが転送される、所謂フレームシーケンシャル式である。第7実施形態では、フレームメモリを備えないため、表示パネルへの出力は、入力画像データの視点に対応するサブ画素ごとに行う。第1実施形態で説明したように、表示部のサブ画素が対応する視点画像は図7、図24に示す例のように画像分離手段の設置により決定され、図8、図18に示す例のように接続する走査線の偶奇によって、各視点に対応するサブ画素の選択が可能である。したがって、第7実施形態では、偶奇で走査線を分け、夫々を順次走査する。図59に示す出力G1、G3、・・・G13は、図8に示す表示部の奇数走査線に接続するサブ画素へのデータ出力を示し、出力G2、G4、・・・G12は、図8に示す表示部の偶数の走査線に接続するサブ画素へのデータ出力を示す。さらに、フレームメモリの代わりに用いるラインメモリの記憶領域を最小とするため、各視点用の入力画像データ2行分の入力期間と、表示パネル出力の3水平期間を一致させる。
【0251】
図59に示すL1からL3は、第7実施形態で画像メモリとして用いるラインメモリであり、入力される各視点用画素データを1行分格納できるラインメモリである。ここで、入力される画素データはRGBの情報を有するため、入力される各視点用画素データの1行分は、表示部を構成するサブ画素3行×n/2列と対応する。図60に、入力データM1(1)、入力データM1(2)、入力データM1(3)と、図8の表示部のサブ画素との対応関係を示す。図60からわかるように、図59に示すL1からL3が必要とする保存領域は、サブ画素単位で、3×3×6=54個分となる。
【0252】
図59を用いて、第7実施形態の動作の詳細を説明する。T1〜T3の期間で、入力データM1(1)をL1に、M1(2)をL2に格納する。また、T3の期間では、L2へのM1(2)の格納動作と並列に、M1(1)が格納されたL1から走査線G1のデータを読み出し、第1実施形態で説明した表示パネルの情報と規則性による並び換え処理により、第1実施形態で説明した合成画像データ生成と同じデータを出力する。具体的には、G1へM1(1)からRのデータを読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。次にT4では、M1(3)のL3への格納を開始するとともに、L1から走査線G3に与えるべきデータM1(1)G、Bを読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。T5では、L2から、走査線G5に与えるべきM1(2)R、Gを読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。また、T4が終了するとL1に格納されていたM1(1)は全て読み出され不要となっているため、T5の途中から、M1(4)のL1への格納を開始する。T6では、L1へのM1(4)の格納動作と並列に、走査線G7に与えるべきM1(2)BをL2から、M1(3)RをL3から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。T7では、走査線G9に与えるべきM1(3)G、BをL3から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。なお、M1のデータ入力はT6で完了しているため、入力データにおけるT7の期間はブランキング期間である。T8では、走査線G11に与えるべきM1(4)R、GをL1から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。また、T8の途中から、入力データM2(1)のL2への格納を開始する。T9では、L2へのM2(1)の格納動作と並列に、走査線G13に与えるべきM1(4)BをL1から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。T10では、M2(2)のL3への格納を開始する。なお、奇数の走査線へのデータ出力はT9で完了しているため、出力におけるT10の期間はブランキング期間である。T11では、L2から、走査線G2に与えるべきM2(1)R、Gを読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。また、T11の途中から、M2(3)のL1への格納を開始する。T12では、L1へのM2(3)の格納動作と並列に、走査線G4に与えるべきM2(1)BをL2から、M2(2)RをL3から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。T12の読み出し処理が済むと、L2に格納したM2(1)のデータが不要となる。そこで、次のT13で、L2にM2(4)を格納する。T13では、L2へのM2(4)の格納動作と並列に、走査線G6に与えるべきM2(2)G、BをL3から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。T14では、M2(4)の格納動作と並列に、走査線G8に与えるべきM2(3)R、GをL1から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。なお、T14の途中でM2(4)のL2への格納動作は終了し、入力データにおいて以降の期間はブランキング期間となる。T15では、走査線G10に与えるべきM2(3)BをL1から、M2(4)RをL2から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。T16では、走査線G12に与えるべきM2(4)G,BをL2から読み出し、並び換え処理を行い表示パネルに出力する。
【0253】
以上、図7に示す画像分離手段を備えた図8の配列パターン1の表示パネルを例に、第7実施形態の動作を説明したが、本実施形態はこれに限らず、第1実施形態において説明したサブ画素配列の規則性と、パラメータ設定により、多様な配列パターンへの適用もできる。また、図58において、第7実施形態に用いる走査線駆動回路を奇数の走査線を走査する走査線駆動回路A、偶数の走査線を走査する走査線駆動回路Bと表したが、1つの走査線駆動回路の出力を順次、まず奇数の走査線と接続し、次に偶数の走査線と接続することにより、図59に示す駆動を実現するものであってもよい。さらには、奇数出力、偶数出力を各々走査できる走査線駆動ICを1つ用いて実現するものであってもよい。
【0254】
[効果]
第7実施形態においては、サブ画素がm行かつn列に配列された表示部を有する表示パネルにおいて備える画像メモリを、少なくとも前記サブ画素の9行×(n/2)列分の記憶領域で済ませることができる。このため、画像メモリとしてフレームメモリを備える表示コントローラに比べ、回路規模を大幅に削減でき、低コスト化が可能となる。さらに、大きさも小さくすることが可能となり、例えば、表示コントローラをデータ線駆動回路に内蔵する等、表示コントローラを搭載する場所の選択肢が増えるという効果がある。
【0255】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態に係る表示装置の構成について説明する。第8実施形態に係る表示装置は、画像メモリをフレームメモリではなく、複数のラインメモリとし、入力画像データの転送形式が所謂フレームシーケンシャル式である点で第7実施形態と同様であるが、表示パネルの駆動方法が異なる。第8実施形態では、入力される左右2つの視点画像の転送期間で、表示パネルの全ての走査線を2回走査できる走査回路を備え、第7実施形態のように走査線を偶奇に分けて走査する走査線駆動回路を用いる必要がない。
【0256】
図61に、第8実施形態の機能ブロック図を示す。第6実施形態と同様に、外部より入力される各視点用画像データから合成画像データCMを生成する表示コントローラ108と、合成画像データCMの表示手段である表示パネル22から構成される。表示パネル22は、表示部50とデータ線駆動回路80は第7実施形態と同じであるが、走査線駆動回路が異なる。第8実施形態を構成する走査線駆動回路67は、フレームシーケンシャル形式で入力される左右2つの視点画像の転送期間内に、表示パネル全ての走査線を2回走査する機能を備える。表示コントローラ108の構成は、ラインメモリ127と、ラインメモリ127に入力画像データを書き込む機能を有する書き込み制御手段117を第7実施形態と同様に備える。また、入力データの転送速度が同じという条件で第7実施形態と比較すると、倍速でラインメモリ127からデータを読み出し並び換える機能と、入力データがない視点の表示画像が黒となるデータを与える機能とを有する読み出し制御手段138を備える。さらに、入力同期信号と同期し表示パネル22を駆動する垂直制御信号63及び水平駆動信号83を生成し、これらの制御信号を読み出し制御手段138と走査線駆動回路67及びデータ線駆動回路80へ出力する機能を有するタイミング制御手段158と、第1実施形態と同様に表示部50の配列に応じデータ並び換えを行うために必要となるパラメータを記憶する機能を有するパラメータ記憶手段140を備える。
【0257】
第8実施形態では、第5から第7実施形態と同様に画像メモリとしてフレームメモリを用いないため、入力画像データの転送形式、タイミングに制約が生じる。第7実施形態の動作の1例として、図7に示す画像分離手段を備えた図8の配列パターン1の表示パネルを駆動するタイミングチャートを図62に示す。
【0258】
図62に示すTは、第5から第7実施形態と同様に、表示パネルの1水平期間を示し、入力データM1,M2は、図57に示す4行×6列の画素データである。また、図62に示す、入力データM1(1)、M2(1)は、第1視点用画像データM1の1行目、第2視点用画像データM2の2行目を示す。第7実施形態の入力画像データの転送形式は、第7実施形態と同様に、図62に示すように、一方の視点用の入力画像データが転送された後に、他方の入力画像データが転送される、所謂フレームシーケンシャル式である。図62に示す出力G1、G2、G3、・・・G12,G13は、図8に示す表示部の走査線に接続するサブ画素へのデータ出力を示す。第7実施形態では、図62に示すように、入力データM1の転送期間に対応して表示部全ての走査線を走査し、入力データM2の転送期間に対応して表示部全ての走査線を走査する。すなわち、左右2つの視点画像の転送期間内に、表示パネル全ての走査線を2回走査する。第8実施形態において、走査に応じて出力するデータは、入力データが対応する視点画像を表示する画素へは、第7実施形態と同様に、ラインメモリから読み出し並び換え処理を行ったデータを与え、入力データが対応しない視点画像を表示する画素には、黒を表示するデータを与える。図62の例では、第1視点用画像データM1がT1〜T12の期間で入力され、ラインメモリに格納される。図62は、図7及び図8に示す表示パネルの駆動例であるから、奇数番の走査線(G1、G3、・・・G13)がM1を表示する画素と接続している。したがって、T5〜T17の表示パネルへの出力は、奇数番の走査線(G1、G3、・・・G13)が対応する出力には、第5実施形態と同様にラインメモリから読み出し並び換え処理を行ったデータを与え、偶数番の走査線(G2、G4、・・・G12)が対応する出力には、黒表示となるデータを与える。また、図62の例では、第2視点用画像データM2がT16〜T17の期間で入力され、ラインメモリに格納される。先に述べたように本例では、M2を表示する画素には偶数番の走査線(G2、G4、・・・G12)が接続している。したがって、T21〜T33の表示パネルへの出力は、奇数番の走査線(G1、G3、・・・G13)が対応する出力には、黒表示となるデータを与え、偶数番の走査線(G2、G4、・・・G12)が対応する出力には、第5実施形態と同様にラインメモリから読み出し並び換え処理を行ったデータを与える。
【0259】
図62に示すように、第8実施形態において、フレームメモリの代わりに用いるラインメモリの記憶領域を最小とするため、各視点用の入力画像データ1行分の入力期間と、表示パネル出力の3水平期間を一致させる。ラインメモリL1からL3は、第7実施形態と同様に、各々入力される各視点用画素データを1行分格納でする。また、L1からL3が必要とする保存領域は、第7実施形態と同様に、サブ画素単位で、3×3×6=54個分となる。
[効果]
第8実施形態においては、第7実施形態と同様に、サブ画素がm行かつn列に配列された表示部を有する表示パネルにおいて備える画像メモリを、少なくとも前記サブ画素の9行×(n/2)列分の記憶領域で済ませることができるため、第6実施形態と同様の効果が得られる。さらには、第7実施形態と比べて、走査線を偶奇別々に走査する必要がない分、表示パネルの構成がシンプルであり、設計しやすいという効果がある。
【0260】
以上、上記各実施形態を参照し本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解しえる様々な変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0261】
本発明は、次のように構成することもできる。
【0262】
本発明は、走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、垂直方向m行、水平方向にn列に配列され、m+1本の走査線、n+1本のデータ線により駆動される表示部と、前記表示部の複数のサブ画素から出る光を、前記サブ画素単位で少なくとも2つの空間に向ける画像分離手段とを備えた表示モジュールへ合成画像データを出力する表示コントローラであって、該表示コントローラは、少なくとも2つの視点画像データを記憶する画像メモリと、外部から入力された少なくとも2つの視点画像データを前記画像メモリに書き込む書き込み制御手段と、前記表示モジュールの前記画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記サブ画素の配列と色数と色配置によって決定される所定の繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出し制御手段とを備えることを特徴とする表示コントローラである。
【0263】
また、本発明は、走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、垂直方向m行、水平方向にn列に配列され、m+1本の走査線、n+1本のデータ線により駆動される表示部と、前記表示部の複数のサブ画素から出る光を、前記サブ画素単位で少なくとも2つの空間に向ける画像分離手段とを備えた表示モジュールへ出力する合成画像データを生成する画像処理方法であって、該画像処理方法は、前記表示モジュールの前記画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータを読み込むパラメータ読み込みステップと、外部から入力された少なくとも2つの視点画像データを画像メモリに書き込む書き込みステップと、前記サブ画素の配列と色数と色配置によって決定される所定の繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出しステップと、を有することを特徴とする画像処理方法である。
【0264】
本発明によれば、レンチキュラレンズ及びパララックスバリア等の画像振分用の光学手段を設けた表示装置において、略台形状の開口を有する各画素に対して、効率よく配線やTFTを配置することができ、高開口率化と高画質化が実現できる。高画質化実現において、サブ画素の行列に対する走査線、データ線の接続は、一般のパネルとは異なる接続パターンとなったが、規則性を見出したことにより、任意の行数、列数に並ぶサブ画素と接続する走査線、及びデータ線を、実際に設計せずとも求めることが可能である。さらに、見出した規則性と画像分離手段の設置、カラーフィルタの配色順、最小単位となる上下サブ画素対の配列パターンから合成画像データを生成することが可能となり、前記合成画像データを生成する映像信号処理手段を備えることにより、合成画像データを合成する手段、及び合成画像を合成する方法を提供する。これより、一般の平面表示装置と同じ転送形式の入力画像データを用いることができ、表示装置が適用される装置へ出力画像データの並び換え等の負担をかけない。さらに、合成画像データを生成するときの条件をパラメータ化し、パラメータを記憶する手段を備えたことにより、表示モジュールの変更に対して、パラメータ変更で済み映像信号処理手段を変更する必要がなく、設計工数の削減、低コスト化が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0265】
本発明は、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯端末、その他表示装置一般(ノートパソコン等)などに適用できる。
【符号の説明】
【0266】
11;縦方向
12;横方向
15;バックライト
16;光線
17;観察面
20、21、22、23;表示パネル
25;ガラス基板
26;液晶層
27;対向基板
30;レンチキュラレンズ(第1の画像分離手段)
30a;シリンドリカルレンズ
40、40a、40b;サブ画素
41;第1視点用サブ画素
42;第2視点用サブ画素
44;シリコン層
45;画素電極
46;TFT(スイッチング手段)
47;蓄積容量
48、49;コンタクトホール
50;表示部
51;パラメータ情報
60、60A、60B、67;走査線駆動回路
61;垂直制御信号
70;配線
75;開口部
76;遮光部
80、83;データ線駆動回路
81;水平制御信号
90;データバス
95;アドレスバス
100、102、103、104、105、106、107、108;表示コントローラ
110、115、116、117;書き込み制御手段
120;画像メモリ
125、126、127;ラインメモリ
130、133、135、136、137、138;読み出し制御手段
140;パラメータ記憶手段
150、155、156、157、158;タイミング制御手段
160;入力データ並び換え手段
164;入力データ縦横変換手段
170;データ線選択スイッチ
180;電気光学素子(第2の画像分離手段)
180a;スリット
190;画像分離制御手段
200,201;表示モジュール
P2R、P2L;上下サブ画素対
G1、Gy、Gm、Gm+1;走査線
D1、Dx、Dn、Dn+1;データ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにm行かつn列に配列され、m+1本の前記走査線及び少なくともn本の前記データ線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で複数の視点に向ける第1の画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを出力する表示コントローラであって、
視点画像データを複数の視点に対して記憶する画像メモリと、
外部から入力した前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む書き込み制御手段と、
前記第1の画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出し制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示コントローラ。
【請求項2】
前記表示部は、1本の前記走査線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記走査線により共通に制御され、かつ異なる前記データ線に接続し、
前記走査線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記走査線により前記スイッチング手段が制御されるように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示コントローラ。
【請求項3】
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方の色が前記第1色であり他方の色が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
前記読み出し制御手段は、
y本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示コントローラ。
【請求項4】
前記画像メモリは、少なくとも前記サブ画素の6行×n列分の記憶領域を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項5】
前記画像メモリは、少なくとも前記サブ画素の9行×(n/2)列分の記憶領域を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項6】
外部から入力した前記視点画像データを左又は右に90度回転した画像として並び換える入力データ縦横変換手段を、更に備え、
前記表示モジュールは、前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で複数の視点に向ける電気光学素子からなる第2の画像分離手段を備え、
この第2の画像分離手段が前記光を向ける前記複数の視点を結ぶ方向は、前記第1の画像分離手段が前記光を向ける前記複数の視点を結ぶ方向に直交し、
前記書き込み制御手段は、外部から入力した前記視点画像データに代えて、前記入力データ縦横変換手段で並び換えられた前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む機能を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項7】
外部から入力した4視点以上の前記視点画像データを2視点の前記視点画像データに並び換える入力データ並び換え手段を、更に備え、
前記書き込み制御手段は、外部から入力した前記視点画像に代えて、前記入力データ並び換え手段で並び換えられた前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む機能を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項8】
前記表示部の偶数列を形成するサブ画素の走査線と、前記表示部の奇数列を形成するサブ画素の走査線とを、別々に順次走査する機能を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項9】
前記表示部の偶数列と奇数列のうち、どちらか一方を黒表示とする機能を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項10】
前記視点画像データの転送形式が、フレームシーケンシャル形式である、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の表示コントローラと、前記表示モジュールと、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項12】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときm行かつn列に配列され、m+1本の前記走査線及び少なくともn本の前記データ線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で複数の視点に向ける第1の画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ出力する合成画像データを生成する画像処理方法であって、
前記第1の画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータをパラメータ記憶
手段から読み込み、
視点画像データを複数の視点に対して、外部から入力して画像メモリに書き込み、
前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
前記表示部は、1本の前記走査線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記走査線により共通に制御され、かつ異なる前記データ線に接続し、
前記走査線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記走査線により前記スイッチング手段が制御されるように配置され、
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方の色が前記第1色であり他方の色が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成するとき、
前記サブ画素の配列と色数と色配置によって決定される所定の繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する際に、
y本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記表示部の偶数列を形成するサブ画素の走査線と、前記表示部の奇数列を形成するサブ画素の走査線とを、別々に順次走査する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記視点画像データの視点に応じて、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方が黒表示となるデータを生成する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の画像処理方法。
【請求項16】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときm行かつn列に配列され、m+1本の前記走査線及び少なくともn本の前記データ線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で複数の視点に向ける第1の画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ出力する合成画像データを生成するための画像処理プログラムであって、
前記第1の画像分離手段と前記表示部との位置関係を示すパラメータをパラメータ記憶手段から読み込む手順と、
視点画像データを複数の視点に対して、外部から入力して画像メモリに書き込む手順と、
前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する手順と、
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項17】
前記表示部は、1本の前記走査線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記走査線により共通に制御され、かつ異なる前記データ線に接続し、
前記走査線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記走査線により前記スイッチング手段が制御されるように配置され、
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方の色が前記第1色であり他方の色が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記走査線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成するとき、
前記サブ画素の配列と色数と色配置によって決定される所定の繰り返し規則に、前記パラメータを適用することで求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する手順において、
y本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記走査線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項16に記載の画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【公開番号】特開2010−266851(P2010−266851A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67646(P2010−67646)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(303018827)NEC液晶テクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】