説明

表示画像の生成

ナビゲーション装置に対する表示画像を生成するために、方法、コンピュータプログラム及び装置が開示される。表示画像はナビゲーション装置上で表示する地図ビューを含み、地図ビューは2次元平面図を含む。方法は、ナビゲーション装置上の表示画像内に表示するためにデジタル地図から複数の地図オブジェクトを識別する工程と、前記識別された地図オブジェクトのいずれかが地上の前記ナビゲーション装置のユーザに対して不可視である1つ以上の不可視特徴を含むかを判定する工程(30;50)と、前記不可視特徴を全く含まない地図オブジェクトの適合化された集合を生成すること(32;52)と、前記地図オブジェクトの適合化された集合からナビゲーション装置上で表示するために前記不可視特徴を全く含まない簡略化された表示画像を生成する工程(34;54)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばナビゲーション装置に対する表示画像である、表示画像を生成する装置及び方法に関する。特に本発明は、ポータブル・ナビゲーション装置(いわゆるPND)に適するが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
通常、ナビゲーション装置(例えば、車両搭載型のナビゲーション装置(すなわち、車両に内蔵され且つその車両から取外せないナビゲーション装置)、TomTomR Go 720又は同様の製品等のPND、あるいはナビゲーション・ソフトウェアを実行する移動電話、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)又はコンピュータ(例えばPC))は、デジタル地図から生成された地図ビューを含む画像を表示するように構成される。地図ビューは、ナビゲーション経路を示す経路情報と重ね合わされてもよい。この経路情報は事前に記録されてもよいが、通常は、ナビゲーション装置が適切なソフトウェアを使用して経路計画アルゴリズムを実行した結果として得られる。また、ナビゲーション装置は、自身のリアルタイムな現在地を判定するために及び判定された現在地に従って地図ビューを動的に調整するために位置判定システム(全地球測位システム(GPS)等)を含むか又は位置判定システムとインタフェースするようにしてもよい。
【0003】
地図ビューの一般的な種類は、地上の2次元の情報を含む2次元地図ビューである。例えば、道路及び建物は地面における土地面積の形状により表される。そのような2次元情報は、平面図として(すなわち、従来の紙の地図と同一の方法で地図をほぼ垂直に見下ろす)か又は従来の平坦な紙の地図を斜めの角度から閲覧しているような人工斜視図で閲覧されてもよい。しかし、いずれの場合も、表示された情報が2次元の地上情報に過ぎないという意味で地図ビューはほぼ「平坦」である。以下において、2次元平面図は地図ビューのこれらの種類の双方を含むと解釈される。
【0004】
特に車内で使用する場合、一般に、(i)運転者に現在のナビゲーション情報を提供し且つ(ii)運転者が車両を適切に運転し且つ位置付けられるように今後の経路の指示を提供する非常に直感的なナビゲーション表示を提供することが望ましい。
【0005】
また、運転者に潜在的に有用である他の情報を提供することが以前に提案されていた。例えば、経路上又はその付近の地点情報(銀行、ガソリンスタンド又は公共施設等)、経路上又はその付近の道路の名称、並びに選択された経路上に存在する速度違反取り締まりカメラの場所を表すアイコンを表示することが以前に提案されていた。
【0006】
情報のこれら追加項目を提供することは運転者に有用である場合が多いが、経路に従うのが困難になるか又は表示された情報量により運転者の注意が散漫になるほど多くの情報を運転者に提供しないことが重要である。
【0007】
運転者に情報を不用意に与え過ぎるという問題を回避する1つの単純な方法は、例えばPNDの画面に接触することにより運転者が要求する場合のみ、この追加情報を提供することである。しかし、そのような構成では、運転者はPNDを操作するために車両のハンドルから少なくとも片手を離す必要がある。運転者は車両停止中のみそのような操作を行うべきであるが、中には移動中にPNDを操作しようとする運転者がいると考えられ、好ましくない結果が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
運転者に有用であると考えられる情報を提供することと、PNDが装備された車両の安全な操作から運転者の注意がそれる程の量の情報を運転者に与えないこととの間で適切なバランスをとる必要があることは明らかである。本発明は、これらの相反する問題を解決するために考案された。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のため、本発明の現時点で好適な実施形態は、ナビゲーション装置に対する表示画像を生成する技術を提供する。表示画像はナビゲーション装置上で表示する地図ビューを含み、地図ビューは2次元平面図を含む。技術は、ナビゲーション装置上の表示画像内に表示するためにデジタル地図から複数の地図オブジェクトを識別することと、前記識別された地図オブジェクトのいずれかが地上にいるナビゲーション装置のユーザに見えない1つ以上の不可視特徴を含むかを判定することと、前記不可視特徴が除去された地図オブジェクトの適合化された集合を生成することと、前記地図オブジェクトの適合化された集合からナビゲーション装置上で表示する簡略化された表示画像を生成することとを含む。前記簡略化された表示は前記不可視特徴を全く含まない。
【0010】
本技術は、方法、技術を実現する装置又は実行された時に技術を実現するコンピュータプログラムとして定義されてもよい。
【0011】
本技術を採用することにより、装置のユーザに提供される地図ビューを簡略化できる(経路の重要な情報を全く失わずに)。また、地図ビューが簡略化されるため、表示を非常に複雑にすることなく追加情報を地図ビューに重ねられる。上述のように、より複雑ではない表示を提供することの利点は、運転者の注意を車両の運転からそらす可能性が低いことである。本技術の他の利点は、結果として得られた表示が以前に提案された種類の過度に複雑な表示よりはるかに魅力的であること、並びに表示が非常に単純であるためより複雑な表示より速く描画されることである。最後の利点は、利用可能なシステムメモリが大型装置より制限され且つ相対的に複雑な表示画像を構成及び表示するのに相対的に長い時間を要する例えば移動電話においてナビゲーションの機能性が実現される場合に特に明らかである。
【0012】
一実施形態において、前記地図オブジェクトの各々は、前記表示画像内に表示する前記デジタル地図の特徴を定義する(前記デジタル地図の特定の項目(例えば、建物等)を共に定義する1つ以上の特徴に対して)。
【0013】
表示地図は複数の異なる種類の特徴を含んでもよく、前記地図オブジェクトの各々は当該オブジェクトが関連する特徴の種類の指示を含んでもよい。
【0014】
前記特徴の少なくとも1つは不可視特徴であるのが好ましく、前記地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程は、不可視特徴に関連する前記地図オブジェクトを識別する工程と、前記地図オブジェクトの適合化された集合に含めるために前記識別された地図オブジェクト以外の地図オブジェクトを選択する工程とを含む。
【0015】
あるいは又は更に、前記特徴の少なくとも1つは不可視特徴であり、前記地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程は、不可視特徴に関連しない前記地図オブジェクトを識別する工程と、前記地図オブジェクトの適合化された集合に含めるためにそれらの地図オブジェクトを選択する工程とを含む。
【0016】
別の実施形態において、前記地図オブジェクトの各々は、多角形を共に定義する座標データ点の集合を含む。
【0017】
本実施形態において、前記判定する工程は、座標データ点の集合の少なくとも一部により定義された最も外側の境界を識別する工程と、前記集合が前記境界の内側の何らかの更なる座標データ点を含むかを判定する工程と、前記集合が前記境界の内側の何らかの更なる座標データ点を含むと判定される場合に前記地図オブジェクトが1つ以上の不可視特徴を含むと判定する工程とを含んでもよい。
【0018】
前記地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程は、1つ以上の不可視特徴を含むと判定される前記地図オブジェクト毎に、前記地図オブジェクトの適合化された集合に含む適合化された地図オブジェクトを提供するために前記境界の内側の全ての座標データ点を破棄する工程を含んでもよい。
【0019】
地図オブジェクトの適合化された集合は、前記適合化された地図オブジェクトと、前記判定する工程において不可視特徴を全く含まないと判定される全ての地図オブジェクトとを含んでもよい。
【0020】
別の実施形態において、前記地図オブジェクトの各々は、多角形を定義する複数のデータ点を含む少なくとも1つの構成部分を含む。
【0021】
本実施形態において、前記判定する工程は、各々が複数の座標データ点を含む複数の部分を前記地図オブジェクトが含むかを判定することと、複数の構成部分を有すると判定される全ての地図オブジェクトが少なくとも1つの不可視特徴を含む地図オブジェクトであると識別することとを含んでもよい。
【0022】
前記地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程は、1つ以上の不可視特徴を含むと判定される前記地図オブジェクト毎に、前記地図オブジェクトの適合化された集合に含む適合化された地図オブジェクトを提供するために前記地図オブジェクトの最も外側の境界を定義する第1の部分以外の全ての構成部分を廃棄する工程を含んでもよい。
【0023】
前記地図オブジェクトの各々は前記デジタル地図内の建物に関連してもよく、前記建物の1つ以上の特徴を定義してもよい。
【0024】
1つの構成において、前記不可視特徴は中庭(例えば、建物の境界の完全に内側に存在する内部空間)を含む。
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、好適な実施形態の以下の説明から明らかになるだろう。重要であると考えられる特徴が上述されたが、添付の請求の範囲において、出願人は、強調されたか否かに関わらず、本明細書で説明され且つ/又は図面に示されたいかなる新規の特徴又は着想も保護されることを請求する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態において地図ビューを生成するための情報の流れを概略的に示す図である。
【図2】図2a、2b、2cは、建物の地図オブジェクトの異なる表現を概略的に示す図である。
【図3】ポータブルナビゲーション装置に対する表示画像の例示的なスクリーンショットを示す図である。
【図4】表示画像の別の例示的なスクリーンショットを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る技術を概略的に示す図である。
【図6】図6a、6bは、地図オブジェクト及び表示画像内に表示する対応する画像を例示する図である。
【図7】図7a、7bは、更なる地図オブジェクト及び表示画像内に表示する対応する画像を例示する図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る技術を概略的に示す図である。
【図9】図9a、9bは、更なる地図オブジェクト及び表示画像内に表示する対応する画像を例示する図である。
【図10】図4に類似するが本発明の技術が適用されたスクリーンショットを示す図である。
【図11】ナビゲーション装置を概略的に示す斜視図である。
【図12】ナビゲーション装置のハードウェアを概略的に示すブロック図である。
【図13】ハードウェア及びソフトウェアにより確立された機能動作関係を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図面を参照して、図示される例により本発明の教示の種々の態様及びそれら教示を実現する構成を以下に説明する。
【0028】
経路情報が重ね合わされるデジタル地図の2次元平面ビューを表示するように構成されるPNDを特に参照して、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。尚、以下に説明する構成は単に例示であって、本発明の範囲を制限することを意図しない。例えば、本発明の教示は、PNDが選択された目的地への経路を表示せずに自身が位置する地元の地図を表示するいわゆる「自由運転」モード等の経路が表示されない構成において同様に実現されてもよい。また、以下の説明は建物の地図オブジェクトを特に参照するが、本発明の教示は、あらゆる種類の地図オブジェクトに更に広範に適用されてもよい。
【0029】
図1は、デジタル地図10からの情報を処理して、地図ビューを含み且つ地図ビュー内に重ね合わされた経路情報を含む(図示される本例において)表示画像24を生成するために第1の実施形態において使用される情報の流れを概略的に示す。図1は、本発明を実現するための限定的なアーキテクチャを表すことを意図しないことが理解されるだろう。その代わり、図1は種々の処理段階の間の情報の流れを例示する図に過ぎない。一般に、デジタル地図10は、道路及び建物等の地図オブジェクトを表す座標点(例えば、経度及び緯度)等の情報を格納する。これらの地図オブジェクトは、地図における地図オブジェクトの種類(例えば道路、建物)の指示及び1つ以上の座標点により定義される。建物又は他のオブジェクトは、当該オブジェクトに対する座標点を検索し、それらの点を結合して境界を作成した後、表示画像において地図オブジェクトの存在及び形態を示すために境界の内側に当該オブジェクトの種類に適したグラフィック(例えば陰影、色又は模様)を適用することにより、表示画像においてレンダリング可能である。理解されるように、建物及び他のオブジェクトを表すためにそのような機構を採用する利点は、オブジェクトを定義するために必要なデータ量が相対的に少ないため、非常に圧縮された形態で地図オブジェクトを格納できる点である。
【0030】
デジタル地図10からの情報は経路計算モジュール14及び地図ビュー生成器モジュール16に供給される。経路計算モジュール14は、開始地理位置と終了地理位置との間のナビゲーション経路を計画するように構成される。開始地理位置及び終了地理位置の一方又は双方がユーザにより選択される。ユーザは、ユーザにより選択可能な1つ以上の中間場所の通過、あるいは特定の種類の道路又は他の交通経路の使用等の追加の経路条件を更に提供してもよい。経路計算モジュール14は、表示用地図ビュー内に経路情報を重ね合わせるため、地図ビュー生成モジュール16に計算した経路情報を提供する。通常、地図ビュー生成モジュール16は、例えば地図ビュー制御器18及び制御器18に応答するグラフィック生成器20を含むサブモジュールを備える。地図ビュー制御器18は、デジタル地図10から検索される情報、地図ビュー内に情報を表示する方法及び地図ビュー内に経路情報を重ね合わせる方法を制御することにより地図ビューを管理する。また、地図ビュー制御器モジュール16は、場所の「視界」(例えば、地図ビュー内に表示された地図の一部分)の位置を動的に制御する。例えば場所の視界は、GPS又は他の衛星/無線信号を用いた位置決めシステム等のオプションの位置判定モジュール22により判定されてもよいため、ユーザのリアルタイムな現在地に依存してもよい。あるいは、場所の視界は、ユーザにより選択された場所に基づいてもよく、あるいは推測航法システム又は等価物を介して判定された場所に基づいてもよい。グラフィック生成器20は、制御器18により管理された地図ビュー情報に基づいて1画素毎に表示画像24を生成又は構成するための1つ以上のグラフィックエンジンを含む。グラフィックエンジンは、道路レンダラ20a、建物レンダラ20b及び地図ビュー内に経路情報を重ね合わせるための経路情報レンダラ20c、並びに他のカスタムのグラフィックコマンド又はグラフィックエンジンを含むか、あるいはそれらを実現するためのコマンドを実行してもよい。
【0031】
図2a、図2b及び図2cは、各々が建物12の形態の地図オブジェクトの例を示す。各地図オブジェクトは、地上の建物の土地面積の形状を共に定義する複数の点から構成される。図2aにおいて、地図オブジェクトは矩形の形態の閉鎖形状を定義する一連の接続点11aを含む。図2bは、建物の別の形態を示す。図2bにおいて、地図オブジェクトは、ほぼC字型の閉鎖形状を定義する一連の接続点11bを含み、開放された中庭12を有する建物の面積形状に対応する。図2cは、建物の別の形態を示す。図2cにおいて、地図オブジェクトは、建物の土地面積の外境界に対応する閉鎖形状(本例では矩形である)を形成する一連の接続点11cと、建物の外境界11cの完全に内側に存在する中庭13の土地面積に対応する閉鎖形状(本例では正方形である)を各々が形成する更なる一連の接続点11d、11eとを含む。
【0032】
中庭13は、地図オブジェクトの不可視特徴の一例である。不可視特徴とは、地上にいて不可視特徴を有する地図オブジェクトにより装置の表示画像内に表される実際のオブジェクト(例えば、建物)を見ているナビゲーション装置(例えば、PND)のユーザに見えない地図オブジェクト(例えば、建物)の特徴を意味する。
【0033】
図3及び図4は、種々の異なる種類の地図オブジェクトが表示される2つの異なる地図ビューのスクリーンショットを示す図である。図3は、ウェストミンスター宮殿(国会議事堂としても知られる)内の多くの中庭13が見える英国のロンドンのParliament Squareの地図ビューが表示される(人工斜視図で)TomTomR Go 720の表示を例示する図である。図4は、中庭13を有する複数の建物及び開放された中庭12を有する1つの建物が明確に見えるオランダのアムステルダムのRembrandtspleinの2次元平面ビューを表示するTomTomR Goソフトウェアにより生成された地図ビューを例示する図である。ウェストミンスター宮殿の中庭13及びRembrandtspleinの建物の中庭13は、表示された地図ビューに対応する場所においてナビゲーション装置の表示画像内に表される建物に対応する実際の建物を見ている当該装置のユーザに見えない不可視特徴であることが理解される。
【0034】
例えば建物等の地図オブジェクトの忠実な表示は、ユーザにデジタル地図の領域の非常に正確なビューを提供するが、複雑な建物の形状は表示画像を乱雑にし、特にユーザが交通渋滞の中にいるか又は不慣れな環境において経路をナビゲートしようとしている場合、ユーザの注意を散漫にする。
【0035】
この詳細な地図オブジェクト情報の少なくとも一部が例えば建物内の中庭のような不可視特徴を含むため、これらの特徴の表示は装置のユーザに提供される有用な情報の量を増加しないことも同様である。実際、ユーザが表示を簡略化するために他の情報(速度カメラ又は地点情報等)の表示をオフにした場合、これらの不可視特徴は装置のユーザにとって実際に有用である他の情報項目の表示を犠牲にして表示される場合がある。
【0036】
図5及び図8を参照すると、本発明の実施形態は、一般に、(i)表示画像内に表示する地図オブジェクトが1つ以上の不可視特徴を含むかを判定し(段階30、50)、(ii)前記不可視特徴が除去された地図オブジェクトの適合化された集合を生成し(段階32、52)、且つ(iii)前記地図オブジェクトの適合化された集合からナビゲーション装置上で表示する簡略化された表示画像を生成する(段階34、54)ことにより2次元平面ビューの生成を管理する技術を実現することでこの欠点を解決する。前記簡略化された表示は前記不可視特徴を全く含まない。
【0037】
図3に概略的に示す一実施形態において、地図オブジェクトが何らかの不可視特徴を含むかを判定する段階30は、3つのサブ段階30a、30b及び30cに分割される。段階30aにおいて、地図ビュー内に含まれる所定の地図オブジェクトを定義する座標データ点がデジタル地図から検索される。段階30bにおいて、検索された当該地図オブジェクトに対する座標データが何らかの不可視特徴を含む地図オブジェクトを定義しているかが判定される。地図オブジェクトが何らかの不可視特徴を含む場合、段階30cにおいて、オブジェクトは更なる処理のためにフラグを立てられる(又は印を付けられる)。この処理は、装置のディスプレイ上に表示される地図ビュー内に含まれると判定される全ての地図オブジェクトに対して繰り返される。
【0038】
段階32において、段階30cでフラグを立てられた地図オブジェクトは、表示から各地図オブジェクトの不可視特徴を除去することより、例えば表示から不可視特徴と関連する地図オブジェクトの座標点を除去することにより、更に処理される。その後、適合化された地図オブジェクト(すなわち、不可視特徴が除去された地図オブジェクト)は、後で検索するために一時的に格納される。
【0039】
段階34において、段階32で生成された全ての適合化された地図オブジェクトと段階30bで不可視特徴を全く含まないと元々判定された全ての地図オブジェクトとを含む簡略化された地図ビューが作成される。その後、簡略化された地図ビューは、装置上で表示画像として表示するためにレンダリングされる。
【0040】
理解されるように、これらの段階は必ずしも記載された順序で完了される必要はない。例えば技術は、最初に全ての地図オブジェクトを考慮して更なる処理を必要とする地図オブジェクトにフラグを立てる代わりに、各地図オブジェクトを順次考慮し、次の地図オブジェクトを考慮する前に不可視特徴を含む地図オブジェクトを即座に処理してもよい。更なる選択肢として、技術は、各地図オブジェクトを個々にレンダリングした後にレンダリングされた地図オブジェクトを組み合わせて、装置上で表示する表示画像を提供してもよい。
【0041】
本技術が実現される特定の方法は、地図オブジェクトがデジタル地図に格納される方法に多かれ少なかれ依存する。
【0042】
本実施形態を実現する1つの方法を図6aに概略的に示す。図6aを参照すると、デジタル地図に格納される例示的な地図オブジェクト36及び用意された地図ビュー又は本技術に従う地図ビュー内に出現する際の地図オブジェクトの実例38が示される。地図オブジェクトは、一意のID番号(MapObjectID)、セミコロンにより互いに分離された一連の座標点(通常は経度及び緯度であるが、便宜上、本例においては単純な座標として示す)を定義する一連の座標(MapObjectCoordinates)及び地図オブジェクトが表すオブジェクトの種類の指示(MapObjectType)を含む。
【0043】
このような例示的な地図オブジェクトは、例えばグラフィック制御器20により最初の始点から反時計回り方向に線を引くことによりレンダリングされる。本例において、グラフィック制御器は、最初の開始座標点(本例においては10,10(明確にするために太字で示す)である)から次の座標点30,10まで線を引き、この最初の開始座標点から次の点30,30まで線を引き、点30,30から点10,30まで線を引き、点10,30から最初の始点10,10まで線を引いて戻り、最初の始点10,10から点15,15まで線を引き、点15,15から点25,15まで線を引き、点25,15から点25,25まで線を引き、点25,25から点15,25まで線を引き、点15,25から点15,15まで線を引き、且つそこから最初の始点10,10まで線を引く。次にグラフィック制御器は、変数MapObjectTypeにより定義される本例では建物である地図オブジェクトの種類に関連付けられるグラフィック(例えば陰影、模様又は色)を用いて、結果として得られた多角形を塗りつぶす。
【0044】
本発明の技術を実現するため、デジタル地図10から検索された地図オブジェクト36の座標データ(変数集合MapObjectCoordinatesにより定義される)は、最初の始点(本例では10,10である)を最初に判定するために再調査される。その後、座標データは、この最初の始点の次の記載を見つけるように解析される。次に、最初の始点のこの次の記載の後ろに何らかの更なる座標データ点が存在するかが判定される。何らかの更なるデータ点が存在する場合、地図オブジェクトは更なる処理のためにフラグを立てられる(段階30c)。
【0045】
段階30cにおいて、地図オブジェクトは最初の始点(本例では10,10である)の次の記載の後ろの全ての座標データ点を除去するように更に処理される。図6bにおいて、結果として得られた適合化された地図オブジェクト36aを示し、その横に地図ビュー内に出現する際の適合化された地図オブジェクトの実例38aを示す。
【0046】
実際は、本実現例は、最初の始点の最初の記載と最初の始点の次の記載との間に引かれた線が地図オブジェクトの境界を定義すると仮定し、最初の始点の次の記載に後続する全てのデータ点がその境界の内側に存在するため本発明の技術に従って表示されない地図オブジェクトの内部の不可視特徴に対するものであると仮定する。
【0047】
本実施形態を実現する別の方法を図7aに概略的に示す。図7aを参照すると、デジタル地図に格納される例示的な地図オブジェクト40及び用意された地図ビュー又は本技術に従う地図ビュー内に出現する際の地図オブジェクトの実例42が示される。
【0048】
図7aにおいて、地図オブジェクトは一意のID番号(MapObjectID)と、地図オブジェクトの外境界に関連する変数MapObjectCoordinates及びMapObjectTypeにより定義された第1の部分40aと、変数MapObjectPartxCoordinates及びMapObjectPartxType(xは、オブジェクトの特徴を示す数字である)により定義された更なる部分とを含む。この特定の例において、地図オブジェクト40は、変数MapObjectPart1Coordinates及びMapObjectPart1Typeにより定義された第2の部分40bのみを含む。例えば地図オブジェクトが2つの中庭を含んだ場合、変数の第2の集合であるMapObjectPart2Coordinates及びMapObjectPart2Typeが定義される。
【0049】
そのような例示的な地図オブジェクトは、例えばグラフィック制御器20により最初の始点から反時計回り方向に線を引くことによりレンダリングされる。本例において、グラフィック制御器は、地図オブジェクトの第1の部分40a内の変数集合MapObjectCoordinatesの最初の開始座標点(本例では10,10である)から次の座標点30,10まで線を引き、この座標点から次の点30,30まで線を引き、点30,30から点10,30まで線を引き、且つ点10,30から最初の始点10,10まで線を引いて戻る。次にグラフィック制御器は、変数MapObjectTypeにより定義される本例では建物である地図オブジェクトの種類に関連付けられるグラフィック(例えば陰影、模様又は色)を用いて、結果として得られた多角形を塗りつぶす。
【0050】
次にグラフィック制御器は、第2の部分40b内の変数集合MapObjectPart1Coordinatesの最初の開始座標点(本例では15,15である)から点25,15まで線を引き、点25,15から点25,25まで線を引き、点25,25から点15,25まで線を引き、且つその点から最初の始点15,15まで線を引く。次にグラフィック制御器は、変数MapObjectPart1Typeにより定義される本例では中庭である地図オブジェクトの種類に関連付けられるグラフィック(例えば陰影、模様又は色)を用いて、結果として得られた多角形を塗りつぶす。
【0051】
本実現例において、地図オブジェクト40は、変数MapObjectPart1Coordinates及びMapObjectPart1Typeにより定義された第2の部分40bを含むかを判定するために再調査される。第2の部分が存在する場合、地図オブジェクトは更なる処理のためにフラグを立てられる(段階30c)。
【0052】
段階30cにおいて、地図オブジェクトは、第2の部分に関連付けられる全ての変数(並びに第3の部分及びそれ以降の部分が存在する場合はそれらに関連付けられる全ての変数)を除去するために更に処理される。図7bにおいて、結果として得られた適合化された地図オブジェクト44を示し、その横に地図ビュー内に出現する際の適合化された地図オブジェクトの実例46を示す。
【0053】
実際は、本実現例は、地図オブジェクトの第1の部分40aが境界を定義すると仮定し、全ての後続の部分(例えば、部分40b)がその境界の内側に存在するため本発明の技術に従って表示されない地図オブジェクトの内部の不可視特徴に対するものであると仮定する。
【0054】
図8に概略的に示す別の実施形態において、表示画像内に含む地図オブジェクトが何らかの不可視特徴を含むかを判定する段階50は、2つのサブ段階50a及び50bに分割される。段階50aにおいて、地図ビュー内に少なくとも部分的に位置する地図オブジェクトが識別される。段階50bにおいて、これらの地図オブジェクトのいずれかが不可視特徴を含むかが判定される。所定の地図オブジェクトのいずれかが不可視特徴を全く含まない場合、段階50bにおいて、オブジェクトはフラグを立てられる(又は印を付けられる)。この処理は、装置のディスプレイ上に表示される地図ビュー内に少なくとも部分的に含まれると判定される全ての地図オブジェクトに対して繰り返される。処理が完了すると、不可視特徴が除去された地図オブジェクトの適合化された集合(段階50aで識別された地図オブジェクトの元の集合と比較して)が提供される。
【0055】
段階52において、地図オブジェクト(すなわち、段階50bでフラグを立てられた地図オブジェクトであり、不可視特徴を有さない地図オブジェクト)の適合化された集合がデジタル地図から検索され、段階54において、段階52で検索された地図オブジェクトのみを含む簡略化された地図ビューが作成される。その後、簡略化された地図ビューは、装置上で表示画像として表示するためにレンダリングされる。
【0056】
図9a及び図9bは、本発明の本実施形態を更に詳細に示す。図9aにおいて、2つの例示的な地図オブジェクト56及び58を示し、用意された地図ビュー又は本技術に従う地図ビュー内に出現する際の地図オブジェクトの実例60を地図オブジェクトの右側に示す。
【0057】
図9aにおいて、各地図オブジェクト56、58は地図ビューの特徴に関連し、一意のID番号(MapObjectID)、セミコロンにより互いに分離された一連の座標点(通常は経度及び緯度であるが、便宜上、本例においては単純な座標として示す)を定義する一連の座標(MapObjectCoordinates)及び各地図オブジェクトが表す特徴の種類の指示(MapObjectType)を含む。
【0058】
「中庭」のMapObjectTypeが可視であること(且つ例えば別のオブジェクトの後ろに隠蔽されないこと)を保証するために、所定の地図ビューに対して検索された地図オブジェクトは、地図オブジェクトの種類により処理されてもよく(例えば、建物が最初に処理され、次に中庭が処理される)、あるいはある特定の地図オブジェクトの種類は、他のどんな地図オブジェクトの種類より上に表示されるように構成されてもよい(例えば、中庭の地図オブジェクトの種類は建物のオブジェクトの種類の上に表示される)。
【0059】
前者の構成が本例において採用されると仮定する場合、地図オブジェクト56が、例えばグラフィック制御器20により最初の始点から反時計回り方向に線を引くことにより最初にレンダリングされる。本例において、グラフィック制御器は、地図オブジェクト56内の変数集合MapObjectCoordinatesの最初の開始座標点(本例では10,10である)から次の座標点30,10まで線を引き、この座標点から次の点30,30まで線を引き、点30,30から点10,30まで線を引き、且つ点10,30から最初の始点10,10まで線を引いて戻る。次にグラフィック制御器は、変数MapObjectTypeにより定義される本例では建物である地図オブジェクトの種類に関連付けられるグラフィック(例えば陰影、模様又は色)を用いて、結果として得られた多角形を塗りつぶす。
【0060】
次に、グラフィック制御器は、地図オブジェクト58内の変数集合MapObjectCoordinatesの最初の開始座標点(本例では15,15である)から点25,15まで線を引き、点25,15から次の点25,25まで線を引き、点25,25から点15,25まで線を引き、且つそこから最初の始点15,15まで線を引くことにより、地図オブジェクト56の上に地図オブジェクト58をレンダリングする。その後、グラフィック制御器は、変数MapObjectTypeにより定義される本例では中庭である地図オブジェクトの種類に関連付けられるグラフィック(例えば陰影、模様又は色)を用いて、結果として得られた多角形を塗りつぶす。
【0061】
本実施形態において、本発明の技術を実現するために、表示画像内に存在すると判定されるデジタル地図の地図オブジェクトは、変数MapObjectTypeにより定義されるように、表示されない不可視特徴を有する選択された地図オブジェクトの種類(本例では中庭)であるかを判定するために再調査される。選択された地図オブジェクトの種類ではないと判定される全ての地図オブジェクトは、更なる処理のためにフラグを立てられる(段階50b)。
【0062】
段階50bにおいて、不可視特徴を有さないと判定されるフラグを立てられた地図オブジェクトはデジタル地図から検索され、段階54において、簡略化された地図ビューが検索された地図オブジェクトから作成される。
【0063】
この構成において、図示された地図ビューの各特徴は地図オブジェクトにより定義され、本技術の本実現例は、本例では中庭である特定の種類の特徴に関連する全ての地図オブジェクトを効果的に考慮しないようにする(後続のレンダリングに対する)。図9bに示したように、本技術の実現例は、地図オブジェクト56のみを残して地図オブジェクト58を効果的に考慮しないようにする。
【0064】
機能的に等価である構成は、表示されない選択された地図オブジェクトの種類(例えば、不可視特徴を含む地図オブジェクトの種類)を含む地図オブジェクトにフラグを立てた後、デジタル地図からフラグを立てられた地図オブジェクト以外の画像ビュー内の全ての地図オブジェクトを検索することにより提供されてもよい。
【0065】
図10は、上記の技術を適用した図4に示した地図画像の別のビューを示す図である。図4と図10とを比較することで明らかなように、建物の中庭13は図10において表示された地図画像から除去されている。この全体的な効果は、図10の表示画像が図4において表示された地図画像と比較して大幅に簡略化された結果、運転者の注意を散漫にする可能性が低いことである。
【0066】
地図オブジェクトがグラフィック生成器20により配置及びレンダリングされる前に地図ビュー制御器18が地図オブジェクトを評価できるため、上記の技術は通常は地図ビュー制御器18(図1)により実行される。しかし、この機能性は代替又は追加の構成要素により提供されてもよいことが理解されるだろう。
【0067】
好適な機能技術を説明したが、次に図11〜図13は、これら技術のうちの1つ以上を実現する物理装置又はシステムを示す。システムは、ポータブルナビゲーション装置(PND)、車両搭載型のナビゲーション装置、ポータブル地図ビューワ、位置決めシステム(例えば、全地球測位システム(GPS)等の衛星を用いた位置決めシステム)を含む装置、ポータブルデジタルアシスタント(PDA)、携帯型コンピュータ又は非携帯型コンピュータ等の自律装置を備えてもよい。あるいは又は更に、システムは、デジタル地図を格納するサーバ及びインターネット又はイントラネット等の1つ以上のネットワークを介してサーバから受信した情報に基づいてデジタル地図の表示を生成するように構成されたリモート端末又はコンピュータを備えてもよい。
【0068】
図11は、PND100の一実施例を示している。PNDは、それが重量および電力供給制限のみならず、制限された画面サイズ、制限された電力と速度等の設計上の制約が最も重大となる最も挑戦的な設計を表すように選択される。PND100は一般的に、表示画面104を含む、PNDの電気的なハードウェアを収容するハウジング102を有する。PNDは、ドック・ブラケット(dock bracket)106によって車内使用に最適なものとなる。ドック・ブラケット106は、ハウジング102上の相補的な結合部と解放可能又は分離可能に結合するための結合部108を含む。ブラケット106はさらに、取付部品110を含み、それは例えば、ブラケット106を車体(不図示)の適切な表面に取り付けるための吸着カップや粘着パッドである。
【0069】
図12は、ナビゲーション装置100の電子構成要素152の一例を、ブロック構成要素の形式で示すブロック図である。尚、ナビゲーション装置100のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0070】
ナビゲーション装置100は、入力装置220及び表示画面104に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、及び情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置のうちの少なくとも1つを含むことができ、表示画面104は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。本願の少なくとも1つの実施形態において、入力装置220及び表示画面104は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面104の一部分に接触するだけでよい。
【0071】
ナビゲーション装置は、出力装置260を含んでも良く、例えば可聴出力装置(例えば拡声器)を含んでも良い。出力装置260がナビゲーション装置100のユーザに対して可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置220は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができると理解される。
【0072】
ナビゲーション装置100において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、表示画面104及び出力装置260のうちの少なくとも一方に出力接続245を介して動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続される。メモリ230はいかなる適切な媒体を含んでも良く、不揮発性メモリと揮発性メモリとの少なくともいずれかと、書込可能メモリと読出専用メモリとの少なくともいずれかと、半導体メモリ(例えば、RAMとFLASHとの少なくともいずれか)と、磁気ディスク等の磁気メモリと、光ディスク等の光メモリとを含んでも良い。メモリ230は、実行可能なソフトウェアを含む様々な情報と上述のデジタル地図とを格納する。
【0073】
プロセッサ210は、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置100の外部のI/O装置280に接続可能である。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばハンズフリー動作と音声起動動作との少なくとも一方のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えば移動電話への接続のためのカーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置100とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するためと、インターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するためとの少なくとも一方のために使用されてもよい。
【0074】
図12は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、位置決めシステム信号(例えばGPS信号や他の無線若しくは人工衛星信号)を、ナビゲーション装置100の現在のリアルタイムな位置が既知の方法で判定されるように、受信して構成されても良い。参照番号250で示されるアンテナ及び受信機は、図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は、別個に位置する構成要素であってもよく、アンテナは、例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0075】
更に、図12に示す電子構成要素が従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成が本願の範囲内で考えられる。例えば、図12に示す構成要素は、有線接続と無線接続との少なくとも一方等を介して互いに通信状態にあってもよい。同様に、接続は相互に独立として示されるが、接続の幾つか又は全てが少なくとも1つの通信バスを共有するようにしても良い。
【0076】
図13を参照すると、プロセッサ210及びメモリ230は、協働してナビゲーション装置100の機能ハードウェア構成要素152と装置により実行されたソフトウェアとの間のインタフェースとして機能するBIOS(基本入出力システム)150を確立する。その後、プロセッサ210は、アプリケーションソフトウェア156が実行可能な環境を提供するオペレーティングシステム154をメモリ230からロードする。
【0077】
ナビゲーション装置100により提供された機能性に依存して、アプリケーションソフトウェア156は、位置判定モジュール22、経路計算モジュール14及び地図ビュー生成モジュール16のうちの1つ以上を含んでもよい。地図ビュー生成モジュール16は、本明細書中で前述した技術に従って2次元平面図を実現する。
【0078】
本発明の種々の態様及び実施形態を上述したが、本発明の範囲は本明細書に記載の特定の構成に限定されるのではなく、添付の請求の範囲の範囲に含まれる全ての構成、並びにそれらに対する変形及び変更を含むことが理解されるだろう。
【0079】
尚、添付の請求の範囲は本明細書で説明した特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の範囲は、以下に請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の請求の範囲において特に列挙されたかに関係なく、本明細書で開示された特徴又は実施形態のどのような組み合わせも含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元平面図を含みナビゲーション装置上で表示するための地図ビューを含む、前記ナビゲーション装置に対する表示画像を生成する方法であって、
ナビゲーション装置上の表示画像内に表示するためにデジタル地図から複数の地図オブジェクトを識別する工程と、
前記識別された地図オブジェクトのいずれかが地上の前記ナビゲーション装置のユーザに対して不可視であろう1つ以上の不可視特徴を含むかを判定する工程(30;50)と、
前記不可視特徴を全く含まない地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程(32;52)と、
前記地図オブジェクトの適合化された集合から前記ナビゲーション装置上で表示するための前記不可視特徴を全く含まない簡略化された表示画像を生成する工程(34;54)と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記地図オブジェクトの各々は前記表示画像内に表示する前記デジタル地図の特徴を定義し、表示される地図は複数の異なる種類の特徴を含み、前記地図オブジェクトの各々は当該地図オブジェクトが関連している特徴の種類の指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特徴の少なくとも1つは不可視特徴であり、前記地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程は、不可視特徴に関連している前記地図オブジェクトを識別する工程と、前記地図オブジェクトの適合化された集合に含めるための前記識別された地図オブジェクト以外の地図オブジェクトを選択する工程とを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記地図オブジェクトの各々は、多角形をともに定義する座標データ点の集合を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記判定する工程は、前記座標データ点の集合の少なくとも一部により定義された最も外側の境界を識別する工程と、前記集合が前記境界の内側の更なる何らかの座標データ点を含むかを判定する工程とを含み、前記集合が前記境界の内側の更なる何らかの座標データ点を含むと判定された場合に前記地図オブジェクトが1つ以上の不可視特徴を含むと判定することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程は、1つ以上の不可視特徴を含むと判定される前記地図オブジェクト毎に、前記地図オブジェクトの適合化された集合に含めるための適合化された地図オブジェクトを提供するために、前記境界の内側の全ての座標データ点を破棄する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記地図オブジェクトの適合化された集合は、前記適合化された地図オブジェクトと、前記判定する工程において不可視特徴を全く含まないと判定された全ての地図オブジェクトとを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記地図オブジェクトの各々は、多角形を定義する複数のデータ点を含む少なくとも1つの構成部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記判定する工程は、各々が複数の座標データ点を含む複数の部分を前記地図オブジェクトが有するかを判定する工程と、複数の構成部分を有すると判定された全ての地図オブジェクトが少なくとも1つの不可視特徴を含む地図オブジェクトであると識別する工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記地図オブジェクトの適合化された集合を生成する工程は、1つ以上の不可視特徴を含むと判定された前記地図オブジェクト毎に、前記地図オブジェクトの適合化された集合に含めるための適合化された地図オブジェクトを提供するために、前記地図オブジェクトの最も外側の境界を定義する第1の部分以外の全ての構成部分を廃棄する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記地図オブジェクトの各々は前記デジタル地図内の建物に関連し、前記建物の1つ以上の特徴を定義することを特徴とする請求項4乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記不可視特徴は中庭を含むことを特徴とする請求項3若しくは11に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータプロセッサにより実行された時に、請求項1乃至12のいずれか1項により定義される方法を実現する実行可能なソフトウェアを含むコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムを含むか又は記憶する記憶媒体(230)。
【請求項15】
2次元平面地図ビューを含む表示画像を生成するように構成された経路ナビゲーション装置(100)であって、
地上の前記ナビゲーション装置のユーザに対して不可視である前記地図ビューの全ての不可視特徴を識別し、且つ、前記不可視特徴を全く含まない前記表示画像として表示するための簡略化された地図ビューを生成するように構成されることを特徴とする経路ナビゲーション装置(100)。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図3】
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【図4】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−524540(P2011−524540A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510835(P2011−510835)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004594
【国際公開番号】WO2009/143871
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】