表示素子用基板装置
【課題】表示の均一化が可能なアレイ基板を提供する。
【解決手段】複数の第1配線部31中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1と第1配線部31a1,31b1の外側に配置した第2配線部40とのライン/スペース比とを略等しく設定する。第1配線部31全体に亘って寄生容量を均一化し、第1配線部31と接続した各薄膜トランジスタを介して、表示の均一化が可能になる。
【解決手段】複数の第1配線部31中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1と第1配線部31a1,31b1の外側に配置した第2配線部40とのライン/スペース比とを略等しく設定する。第1配線部31全体に亘って寄生容量を均一化し、第1配線部31と接続した各薄膜トランジスタを介して、表示の均一化が可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路と表示用のスイッチング素子とを電気的に接続した表示素子用基板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子である液晶パネルは、表示素子用基板装置であるアレイ基板と対向基板との間に液晶層が介挿されて構成されている。
【0003】
アレイ基板の基板であるガラス基板上には、複数の走査線および信号線が互いに絶縁されて交差して配設され、かつ、これら走査線と信号線との交差位置のそれぞれに対応して、画素を駆動させる表示用のスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が配設されている。
【0004】
各走査線および各信号線それぞれの端部には、これら走査線および信号線のいずれかに対して傾斜して配設された複数の斜め配線の一端部が電気的に接続されている。また、これら斜め配線のそれぞれの他端部には、走査線および信号線のいずれかに対して平行に配設された直線配線の一端部がそれぞれ電気的に接続されている。そして、これら直線配線電極部のそれぞれは、対向基板よりも外側に配設されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−187236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各配線には、容量が寄生するが、斜め配線の最も外側に位置する配線は、一側のみにしか配線が隣接しないため、配線に寄生する容量が、他の斜め配線と大きく異なり、信号線および走査線への書き込み特性が異なる。その結果、斜め配線端部に接続された信号線および走査線のライン上の画素の明るさが他の画素と異なり、全体で均一な表示が行えないおそれがあるという問題を有している。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、表示の均一化が可能な表示素子用基板装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基板と、この基板上に配置された表示用の複数のスイッチング素子と、これらスイッチング素子を駆動させる駆動回路と、この駆動回路と前記スイッチング素子とを電気的に接続する複数の第1配線部と、この第1配線部中の最も外側に位置するものの外側に配置された第2配線部とを具備し、前記第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、前記第1配線部中の最も外側に位置するものと前記第2配線部とのライン/スペース比とが、略等しく設定されている部分を有しているものである。
【0009】
そして、第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、第1配線部中の最も外側に位置するものとこの第1配線部の外側に配置された第2配線部とのライン/スペース比とを、略等しく設定した部分を形成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1配線部全体に亘って寄生容量を均一化し、これら第1配線部と接続された各スイッチング素子を介して、表示の均一化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図2】同上表示素子用基板装置の寄生容量分布を示すグラフである。
【図3】同上表示素子用基板装置を示す模式図である。
【図4】同上表示素子用基板装置を備えた表示素子を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図9】従来例の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図10】同上表示素子用基板装置の寄生容量分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施の形態の表示素子用基板装置の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0013】
図3および図4において、11は表示素子としての液晶表示素子である液晶パネルを示し、この液晶パネル11は、表示素子用基板装置としての液晶表示素子用基板装置であるアレイ基板12と対向基板13とが対向配置され、これら基板12,13間に図示しない液晶層が介在されるように基板12,13が、これら基板12,13のそれぞれ周縁に沿って、シール材15によって密閉されるように貼り合わせられて構成されている。そして、この液晶パネル11は、平面視で四角形状に形成され、複数の画素(副画素)Pをマトリクス状に有する画像表示領域である四角形状の画素エリア16がシール材15によって周囲を囲まれて中央部に形成され、この画素エリア16の外方に、四角形枠状の額縁領域である額縁エリア17が形成されている。すなわち、液晶層は、画素エリア16に対応する位置に封止されている。
【0014】
なお、以下、液晶パネル11を透過型のものとして説明するが、反射型あるいは半透過型であっても対応させて用いることができる。
【0015】
アレイ基板12は、液晶パネル11の背面側であるバックライト側に対向して位置するもので、基板としてのアレイ基板本体である絶縁性(透光性)を有するガラス基板21の一主面上に、水平(H)方向に沿う複数の走査線22および垂直(V)方向に沿う複数の信号線23が、互いに絶縁された状態で格子状に形成され、これら走査線22と信号線23とのそれぞれの交差位置には、各画素Pを構成する画素電極24と、これら画素電極24のそれぞれを駆動するための表示用のスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(画素TFT)25とが配置されている。そして、これらを覆って、液晶層を構成する液晶分子の配向用の図示しない配向膜が形成されている。
【0016】
各走査線22および各信号線23それぞれの一端部には、第1配線部31(第1配線部31a,31b)の一端部がそれぞれ電気的に接続されている。これら第1配線部31は、それぞれ画素エリア16を囲むシール材15の外方、すなわち額縁エリア17にて外部とそれぞれ接続される接続部としてのOLB(Outer Lead Bonding)パッド33(OLBパッド33a,33b)を介して、接続基板部34(接続基板部34a,34b)と電気的および物理的に接続されている。
【0017】
なお、以下、各走査線22に対応する構成の符号にaを付し、各信号線23に対応する構成の符号にbを付すことがある。また、これら符号a,bを付さない場合には、各構成の少なくともいずれか、あるいは全体をいうことがある。例えば、第1配線部31aは走査線22に接続される第1配線部31を示し、第1配線部31bは信号線23に接続される第1配線部31を示す。また、単に第1配線部31と記載した場合には、第1配線部31a,31bの少なくともいずれか、あるいは全体をいうことがある。
【0018】
各第1配線部31は、例えばアルミニウム、あるいは銅などの、導電性を有する部材によって通常の成膜工程およびパターニング工程を繰り返すことで膜状に形成されている。また、各第1配線部31(第1配線部31a,31b)は、図1に示すように、各走査線22あるいは各信号線23に電気的に接続される直線状の第1直線配線部37(第1直線配線部37a,37b)と、OLBパッド33(OLBパッド33a,33b)に電気的に接続される直線状の第2直線配線部38(第2直線配線部38a,38b)と、これら第1直線配線部37と第2直線配線部38とを傾斜状に接続する直線状の第1傾斜配線部である第1斜め配線部39(第1斜め配線部39a,39b)とを備えている。さらに、第1配線部31(第1配線部31a,31b)は、OLBパッド33毎に対応するブロックB(ブロックBa,Bb)をなしている。さらに、各第1配線部31のうち、最も外側に位置するもの(第1配線部31a1,31b1)の外側には、複数、例えば2本ずつの第2配線部40(第2配線部40a,40b)が配置されている。なお、ここで外側とは、ブロックB(ブロックBa,Bb)単位で考えた場合の外側(端)を意味している。このため、図1に示すように、ブロックBを隣接させた配置の場合、第2配線部40はブロックB,Bの間に位置することがある。
【0019】
各第1直線配線部37は、垂直(V)方向あるいは水平(H)方向に沿って、すなわち液晶パネル11のアレイ基板12の外形辺に沿って形成されており、例えば走査線22あるいは信号線23と略等しいピッチを有している。
【0020】
各第2直線配線部38は、垂直(V)方向あるいは水平(H)方向に沿って、すなわち液晶パネル11のアレイ基板12の外形辺に沿って形成されており、各第1直線配線部37と略等しいピッチを有している。
【0021】
各第1斜め配線部39は、第2直線配線部38側から第1直線配線部37側へと拡開状に、互いに略一定の間隙G1を介して、すなわち略一定の距離に離間されて配置されている。また、これら第1斜め配線部39は、これら第1斜め配線部39のそれぞれが略一定の線幅W1を保って形成されている。すなわち、各第1斜め配線部39は、一定のライン/スペース比を有している。
【0022】
また、第2配線部40(第2配線部40a,40b)は、第1配線部31と同一の導電性の材料によって同一の工程で形成されており、第1配線部31の第2直線配線部38(第2直線配線部38a,38b)と略平行な直線状の直線配線部43(直線配線部43a,43b)と、これら直線配線部43に傾斜状に接続され第1配線部31の第1斜め配線部39と略平行な直線状の第2傾斜配線部である第2斜め配線部44(第2斜め配線部44a,44b)とを備えている。また、第2配線部40は、ダミー配線部であり、外部から電気的に入力のない、いわゆるフローティング状態となっている。
【0023】
第2斜め配線部44は、第1斜め配線部39,39間の間隙G1と略等しい略一定の間隙G2を介して、すなわち略一定の距離に離間されて配置され、かつ、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の第1斜め配線部39との間隙も、間隙G2に設定されている。また、これら第2斜め配線部44は、これら第2斜め配線部44のそれぞれが第1斜め配線部39の線幅W1と略等しい略一定の線幅W2を保って形成されている。すなわち、各第2斜め配線部44は、第1斜め配線部39と略等しい一定のライン/スペース比を有している。
【0024】
また、OLBパッド33a,33bは、液晶パネル11のアレイ基板12の額縁エリア17の短手方向の一端縁、および、長手方向一側縁にそれぞれ水平(H)方向、あるいは垂直(V)方向に並んで複数形成されている端子部である。
【0025】
また、接続基板部34(接続基板部34a,34b)は、フレキシブル基板である本体部51と、この本体部51に実装された駆動回路としてのドライバIC52と、このドライバIC52と接続された複数の接続配線部53と、これら接続配線部53を液晶パネル11側と接続するための複数の接続端子54とを有しており、例えば液晶パネル11の水平(H)方向に沿って複数が並んで配置されている。なお、これら接続基板部34は、全て同様の構成を有しているため、図3中において、それぞれ1つの接続基板部34a,34bのみを示し、他のものを省略している。
【0026】
本体部51は、平面視で四角形状に形成され、長手方向の一端部が液晶パネル11側に接続されている。
【0027】
ドライバIC52は、OLBパッド33a側がゲートドライバIC52aであり、OLBパッド33b側がソースドライバIC52bである。そして、ゲートドライバIC52aは、外部から入力される制御信号であるゲート信号を画素エリア16内の各走査線22に供給させるものであり、ソースドライバIC52bは、外部から入力される画像信号であるビデオ信号を画素エリア16内の各信号線23に供給させるものである。
【0028】
接続配線部53は、ドライバIC52の各端子と各接続端子54とを直線状に電気的に接続するもので、互いに略平行に形成されている。
【0029】
接続端子54は、各OLBパッド33に対して、異方性導電フィルム(ACF)などを介して電気的および物理的に接続されている。
【0030】
また、画素電極24は、例えばITOなどの透明な導電部材により形成されている。
【0031】
薄膜トランジスタ25は、例えば多結晶シリコン膜(p−Si)を半導体層とした多結晶シリコンTFTであり、ゲート電極が走査線22に接続され、ソース電極が信号線23に接続され、かつ、ドレイン電極が画素電極24に接続されている。そして、これら薄膜トランジスタ25は、ゲートドライバIC52aからのゲート信号が走査線22を介してゲート電極に印加されることでスイッチング制御され、ソースドライバIC52bから信号線23を介して入力されたビデオ信号に対応して画素電極24に電圧を印加することで、画素Pをそれぞれ独立して点灯(オン)/消灯(オフ)制御可能となっている。
【0032】
一方、対向基板13は、液晶パネル11の表示側に位置するもので、基板としての対向基板本体である絶縁性(透光性)を有するガラス基板61の一主面上に、バックライトから照射された白色の面状光を着色するための図示しないカラーフィルタ層と、アレイ基板12の各画素電極24との間で液晶容量素子63を形成する共通電極である対向電極64と、液晶層を構成する液晶分子の配向を制御する図示しない配向膜とが形成されている。
【0033】
対向電極64は、例えばITOなどの透明導電部材によって形成されている。
【0034】
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
【0035】
最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の外側に、第2配線部40を配置し、第1配線部31中の最も外側の位置でのライン/スペース比、すなわち最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1と、この第1配線部31a1,31b1の内側に隣接する第1配線部31a2,31b2とのライン/スペース比と、第1配線部31a1,31b1と第2配線部40とのライン/スペース比とを略等しく設定する。
【0036】
このため、第2配線部40を設けない従来の構成では、図2の想像線L1に示すように、最も外側に位置する第1配線部31の寄生容量が、他の第1配線部31と比較して極端に小さくなり、この第1配線部31に接続される走査線22および信号線23への書き込み特性が、他の走査線22および信号線23と異なってしまうことにより、図3に示すような表示不良領域65が生じるおそれがあるのに対して、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の寄生容量を、他の第1配線部31の寄生容量と略等しくすることができ(図2の実線L2)、この寄生容量を液晶パネル11全体で均一化できる。
【0037】
したがって、この寄生容量の均一化によって、各走査線22および各信号線23に接続された薄膜トランジスタ25による画素電極への書き込み特性を均一化でき、これら薄膜トランジスタ25を介して、表示の均一化が可能になる。
【0038】
また、第2配線部40を複数本形成することにより、第1配線部31a1,31b1の寄生容量を、他の第1配線部31a,31bと、より同等にすることができる。
【0039】
さらに、第2配線部40は、第1配線部31を形成する際に同工程および同材料で同時に形成できるので、工程が増加することもなく、製造コストが嵩むことがない。
【0040】
なお、上記第1の実施の形態において、図5に示す第2の実施の形態のように、第1配線部31a1,31b1を、OLBパッド33、接続端子54および接続配線部53を介してドライバIC52の余剰の出力に接続してもよい。この場合には、第1斜め配線部39a1,39b1への書き込み特性を他の第1斜め配線部39と、より均一化できる。
【0041】
また、上記第1の実施の形態において、図6に示す第3の実施の形態のように、第1配線部31a1,31b1を、OLBパッド33、接続端子54および接続配線部53を介して、別途、外部から入力される図示しない電源に接続してもよい。
【0042】
次に、第4の実施の形態を図7を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0043】
本実施の形態において、図7に示すように、第1配線部31は、第1直線配線部37のピッチが第2直線配線部38のピッチよりも広く形成され、第1斜め配線部39の間隙G1が、第2直線配線部38側から第1直線配線部37側へと徐々に増加するように形成され、かつ、隣接する第1配線部31,31間でも、間隙G1が徐々に変化するように形成されている。すなわち、第1配線部31は、ライン/スペース比が徐々に変化するように形成されている。
【0044】
この場合でも、第2配線部40を、第1配線部31の形成ルールに従って配置、すなわち第1配線部31と同様に第2配線部40の間隙G2を、直線配線部43側から他端側へと徐々に増加するように形成することにより、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の寄生容量を、他の第1配線部31の寄生容量と同等にすることが可能になり、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
なお、上記第4の実施の形態において、第1配線部31の線幅W1が徐々に変化することによりライン/スペース比が徐々に変化するように構成されている場合でも、同様に第2配線部40を形成することにより、同様の作用効果を奏することができる。
【0046】
次に、第5の実施の形態を図8を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本実施の形態は、上記各実施の形態の複数の第1配線部31(第1配線部31a,31b)において、一のブロックB1(ブロックB1a,B1b)での第1斜め配線部39(39a,39b)が屈曲状に形成されているものである。
【0048】
すなわち、一のブロックB1での第1斜め配線部39は、第1直線配線部37から他のブロックB2側に接近する方向へと、他のブロックB2の第1斜め配線部39と略平行に傾斜した第1傾斜部71(第1傾斜部71a,71b)と、第1直線配線部37と第2直線配線部38との中間の位置で、他のブロックB2から離間される方向へと傾斜した第2傾斜部72(第2傾斜部72a,72b)とを備えている。
【0049】
また、第2配線部40は、一のブロックB1側では、第1配線部31a1,31b1の第2傾斜部72に対して平行に形成され、他のブロックB2側では、一のブロックB1側と略等しい長さに形成されている。
【0050】
そして、例えば、図9に示す従来例のように、第1配線部31pの第1斜め配線部39pの傾斜角度が、各ブロックB1,B2間で均等でなく、第1斜め配線部39pが均等に接続されていない場合は、ブロックB1,B2間での寄生容量が図10の実線L3に示すように大きく異なるのに対して、本実施の形態では、一のブロックB1での第1斜め配線部39を他のブロックB2での第1斜め配線部39に対応させた形状に屈曲させることにより、ブロックB1,B2間の寄生容量のばらつきを揃え、さらに、第2配線部40を第1配線部31a1,31b1の外側に配置することにより、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
なお、上記各実施の形態において、第1配線部31の形状は任意に設定できる。この場合、第2配線部40を、第1配線部31の形状に対応させて形成することで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
また、第2配線部40は、それぞれ1本ずつでもよい。この場合には、この第2配線部40と、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1とのライン/スペース比を、少なくとも第1配線部31a1,31b1と第1配線部31a2,31b2とのライン/スペース比と略等しくすることにより、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
さらに、アレイ基板12は、例えば有機EL素子などの表示素子に用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
12 表示素子用基板装置としてのアレイ基板
21 基板としてのガラス基板
25 スイッチング素子としての薄膜トランジスタ
31 第1配線部
40 第2配線部
52 駆動回路としてのドライバIC
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路と表示用のスイッチング素子とを電気的に接続した表示素子用基板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子である液晶パネルは、表示素子用基板装置であるアレイ基板と対向基板との間に液晶層が介挿されて構成されている。
【0003】
アレイ基板の基板であるガラス基板上には、複数の走査線および信号線が互いに絶縁されて交差して配設され、かつ、これら走査線と信号線との交差位置のそれぞれに対応して、画素を駆動させる表示用のスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が配設されている。
【0004】
各走査線および各信号線それぞれの端部には、これら走査線および信号線のいずれかに対して傾斜して配設された複数の斜め配線の一端部が電気的に接続されている。また、これら斜め配線のそれぞれの他端部には、走査線および信号線のいずれかに対して平行に配設された直線配線の一端部がそれぞれ電気的に接続されている。そして、これら直線配線電極部のそれぞれは、対向基板よりも外側に配設されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−187236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各配線には、容量が寄生するが、斜め配線の最も外側に位置する配線は、一側のみにしか配線が隣接しないため、配線に寄生する容量が、他の斜め配線と大きく異なり、信号線および走査線への書き込み特性が異なる。その結果、斜め配線端部に接続された信号線および走査線のライン上の画素の明るさが他の画素と異なり、全体で均一な表示が行えないおそれがあるという問題を有している。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、表示の均一化が可能な表示素子用基板装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基板と、この基板上に配置された表示用の複数のスイッチング素子と、これらスイッチング素子を駆動させる駆動回路と、この駆動回路と前記スイッチング素子とを電気的に接続する複数の第1配線部と、この第1配線部中の最も外側に位置するものの外側に配置された第2配線部とを具備し、前記第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、前記第1配線部中の最も外側に位置するものと前記第2配線部とのライン/スペース比とが、略等しく設定されている部分を有しているものである。
【0009】
そして、第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、第1配線部中の最も外側に位置するものとこの第1配線部の外側に配置された第2配線部とのライン/スペース比とを、略等しく設定した部分を形成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1配線部全体に亘って寄生容量を均一化し、これら第1配線部と接続された各スイッチング素子を介して、表示の均一化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図2】同上表示素子用基板装置の寄生容量分布を示すグラフである。
【図3】同上表示素子用基板装置を示す模式図である。
【図4】同上表示素子用基板装置を備えた表示素子を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図9】従来例の表示素子用基板装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図10】同上表示素子用基板装置の寄生容量分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施の形態の表示素子用基板装置の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0013】
図3および図4において、11は表示素子としての液晶表示素子である液晶パネルを示し、この液晶パネル11は、表示素子用基板装置としての液晶表示素子用基板装置であるアレイ基板12と対向基板13とが対向配置され、これら基板12,13間に図示しない液晶層が介在されるように基板12,13が、これら基板12,13のそれぞれ周縁に沿って、シール材15によって密閉されるように貼り合わせられて構成されている。そして、この液晶パネル11は、平面視で四角形状に形成され、複数の画素(副画素)Pをマトリクス状に有する画像表示領域である四角形状の画素エリア16がシール材15によって周囲を囲まれて中央部に形成され、この画素エリア16の外方に、四角形枠状の額縁領域である額縁エリア17が形成されている。すなわち、液晶層は、画素エリア16に対応する位置に封止されている。
【0014】
なお、以下、液晶パネル11を透過型のものとして説明するが、反射型あるいは半透過型であっても対応させて用いることができる。
【0015】
アレイ基板12は、液晶パネル11の背面側であるバックライト側に対向して位置するもので、基板としてのアレイ基板本体である絶縁性(透光性)を有するガラス基板21の一主面上に、水平(H)方向に沿う複数の走査線22および垂直(V)方向に沿う複数の信号線23が、互いに絶縁された状態で格子状に形成され、これら走査線22と信号線23とのそれぞれの交差位置には、各画素Pを構成する画素電極24と、これら画素電極24のそれぞれを駆動するための表示用のスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(画素TFT)25とが配置されている。そして、これらを覆って、液晶層を構成する液晶分子の配向用の図示しない配向膜が形成されている。
【0016】
各走査線22および各信号線23それぞれの一端部には、第1配線部31(第1配線部31a,31b)の一端部がそれぞれ電気的に接続されている。これら第1配線部31は、それぞれ画素エリア16を囲むシール材15の外方、すなわち額縁エリア17にて外部とそれぞれ接続される接続部としてのOLB(Outer Lead Bonding)パッド33(OLBパッド33a,33b)を介して、接続基板部34(接続基板部34a,34b)と電気的および物理的に接続されている。
【0017】
なお、以下、各走査線22に対応する構成の符号にaを付し、各信号線23に対応する構成の符号にbを付すことがある。また、これら符号a,bを付さない場合には、各構成の少なくともいずれか、あるいは全体をいうことがある。例えば、第1配線部31aは走査線22に接続される第1配線部31を示し、第1配線部31bは信号線23に接続される第1配線部31を示す。また、単に第1配線部31と記載した場合には、第1配線部31a,31bの少なくともいずれか、あるいは全体をいうことがある。
【0018】
各第1配線部31は、例えばアルミニウム、あるいは銅などの、導電性を有する部材によって通常の成膜工程およびパターニング工程を繰り返すことで膜状に形成されている。また、各第1配線部31(第1配線部31a,31b)は、図1に示すように、各走査線22あるいは各信号線23に電気的に接続される直線状の第1直線配線部37(第1直線配線部37a,37b)と、OLBパッド33(OLBパッド33a,33b)に電気的に接続される直線状の第2直線配線部38(第2直線配線部38a,38b)と、これら第1直線配線部37と第2直線配線部38とを傾斜状に接続する直線状の第1傾斜配線部である第1斜め配線部39(第1斜め配線部39a,39b)とを備えている。さらに、第1配線部31(第1配線部31a,31b)は、OLBパッド33毎に対応するブロックB(ブロックBa,Bb)をなしている。さらに、各第1配線部31のうち、最も外側に位置するもの(第1配線部31a1,31b1)の外側には、複数、例えば2本ずつの第2配線部40(第2配線部40a,40b)が配置されている。なお、ここで外側とは、ブロックB(ブロックBa,Bb)単位で考えた場合の外側(端)を意味している。このため、図1に示すように、ブロックBを隣接させた配置の場合、第2配線部40はブロックB,Bの間に位置することがある。
【0019】
各第1直線配線部37は、垂直(V)方向あるいは水平(H)方向に沿って、すなわち液晶パネル11のアレイ基板12の外形辺に沿って形成されており、例えば走査線22あるいは信号線23と略等しいピッチを有している。
【0020】
各第2直線配線部38は、垂直(V)方向あるいは水平(H)方向に沿って、すなわち液晶パネル11のアレイ基板12の外形辺に沿って形成されており、各第1直線配線部37と略等しいピッチを有している。
【0021】
各第1斜め配線部39は、第2直線配線部38側から第1直線配線部37側へと拡開状に、互いに略一定の間隙G1を介して、すなわち略一定の距離に離間されて配置されている。また、これら第1斜め配線部39は、これら第1斜め配線部39のそれぞれが略一定の線幅W1を保って形成されている。すなわち、各第1斜め配線部39は、一定のライン/スペース比を有している。
【0022】
また、第2配線部40(第2配線部40a,40b)は、第1配線部31と同一の導電性の材料によって同一の工程で形成されており、第1配線部31の第2直線配線部38(第2直線配線部38a,38b)と略平行な直線状の直線配線部43(直線配線部43a,43b)と、これら直線配線部43に傾斜状に接続され第1配線部31の第1斜め配線部39と略平行な直線状の第2傾斜配線部である第2斜め配線部44(第2斜め配線部44a,44b)とを備えている。また、第2配線部40は、ダミー配線部であり、外部から電気的に入力のない、いわゆるフローティング状態となっている。
【0023】
第2斜め配線部44は、第1斜め配線部39,39間の間隙G1と略等しい略一定の間隙G2を介して、すなわち略一定の距離に離間されて配置され、かつ、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の第1斜め配線部39との間隙も、間隙G2に設定されている。また、これら第2斜め配線部44は、これら第2斜め配線部44のそれぞれが第1斜め配線部39の線幅W1と略等しい略一定の線幅W2を保って形成されている。すなわち、各第2斜め配線部44は、第1斜め配線部39と略等しい一定のライン/スペース比を有している。
【0024】
また、OLBパッド33a,33bは、液晶パネル11のアレイ基板12の額縁エリア17の短手方向の一端縁、および、長手方向一側縁にそれぞれ水平(H)方向、あるいは垂直(V)方向に並んで複数形成されている端子部である。
【0025】
また、接続基板部34(接続基板部34a,34b)は、フレキシブル基板である本体部51と、この本体部51に実装された駆動回路としてのドライバIC52と、このドライバIC52と接続された複数の接続配線部53と、これら接続配線部53を液晶パネル11側と接続するための複数の接続端子54とを有しており、例えば液晶パネル11の水平(H)方向に沿って複数が並んで配置されている。なお、これら接続基板部34は、全て同様の構成を有しているため、図3中において、それぞれ1つの接続基板部34a,34bのみを示し、他のものを省略している。
【0026】
本体部51は、平面視で四角形状に形成され、長手方向の一端部が液晶パネル11側に接続されている。
【0027】
ドライバIC52は、OLBパッド33a側がゲートドライバIC52aであり、OLBパッド33b側がソースドライバIC52bである。そして、ゲートドライバIC52aは、外部から入力される制御信号であるゲート信号を画素エリア16内の各走査線22に供給させるものであり、ソースドライバIC52bは、外部から入力される画像信号であるビデオ信号を画素エリア16内の各信号線23に供給させるものである。
【0028】
接続配線部53は、ドライバIC52の各端子と各接続端子54とを直線状に電気的に接続するもので、互いに略平行に形成されている。
【0029】
接続端子54は、各OLBパッド33に対して、異方性導電フィルム(ACF)などを介して電気的および物理的に接続されている。
【0030】
また、画素電極24は、例えばITOなどの透明な導電部材により形成されている。
【0031】
薄膜トランジスタ25は、例えば多結晶シリコン膜(p−Si)を半導体層とした多結晶シリコンTFTであり、ゲート電極が走査線22に接続され、ソース電極が信号線23に接続され、かつ、ドレイン電極が画素電極24に接続されている。そして、これら薄膜トランジスタ25は、ゲートドライバIC52aからのゲート信号が走査線22を介してゲート電極に印加されることでスイッチング制御され、ソースドライバIC52bから信号線23を介して入力されたビデオ信号に対応して画素電極24に電圧を印加することで、画素Pをそれぞれ独立して点灯(オン)/消灯(オフ)制御可能となっている。
【0032】
一方、対向基板13は、液晶パネル11の表示側に位置するもので、基板としての対向基板本体である絶縁性(透光性)を有するガラス基板61の一主面上に、バックライトから照射された白色の面状光を着色するための図示しないカラーフィルタ層と、アレイ基板12の各画素電極24との間で液晶容量素子63を形成する共通電極である対向電極64と、液晶層を構成する液晶分子の配向を制御する図示しない配向膜とが形成されている。
【0033】
対向電極64は、例えばITOなどの透明導電部材によって形成されている。
【0034】
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
【0035】
最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の外側に、第2配線部40を配置し、第1配線部31中の最も外側の位置でのライン/スペース比、すなわち最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1と、この第1配線部31a1,31b1の内側に隣接する第1配線部31a2,31b2とのライン/スペース比と、第1配線部31a1,31b1と第2配線部40とのライン/スペース比とを略等しく設定する。
【0036】
このため、第2配線部40を設けない従来の構成では、図2の想像線L1に示すように、最も外側に位置する第1配線部31の寄生容量が、他の第1配線部31と比較して極端に小さくなり、この第1配線部31に接続される走査線22および信号線23への書き込み特性が、他の走査線22および信号線23と異なってしまうことにより、図3に示すような表示不良領域65が生じるおそれがあるのに対して、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の寄生容量を、他の第1配線部31の寄生容量と略等しくすることができ(図2の実線L2)、この寄生容量を液晶パネル11全体で均一化できる。
【0037】
したがって、この寄生容量の均一化によって、各走査線22および各信号線23に接続された薄膜トランジスタ25による画素電極への書き込み特性を均一化でき、これら薄膜トランジスタ25を介して、表示の均一化が可能になる。
【0038】
また、第2配線部40を複数本形成することにより、第1配線部31a1,31b1の寄生容量を、他の第1配線部31a,31bと、より同等にすることができる。
【0039】
さらに、第2配線部40は、第1配線部31を形成する際に同工程および同材料で同時に形成できるので、工程が増加することもなく、製造コストが嵩むことがない。
【0040】
なお、上記第1の実施の形態において、図5に示す第2の実施の形態のように、第1配線部31a1,31b1を、OLBパッド33、接続端子54および接続配線部53を介してドライバIC52の余剰の出力に接続してもよい。この場合には、第1斜め配線部39a1,39b1への書き込み特性を他の第1斜め配線部39と、より均一化できる。
【0041】
また、上記第1の実施の形態において、図6に示す第3の実施の形態のように、第1配線部31a1,31b1を、OLBパッド33、接続端子54および接続配線部53を介して、別途、外部から入力される図示しない電源に接続してもよい。
【0042】
次に、第4の実施の形態を図7を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0043】
本実施の形態において、図7に示すように、第1配線部31は、第1直線配線部37のピッチが第2直線配線部38のピッチよりも広く形成され、第1斜め配線部39の間隙G1が、第2直線配線部38側から第1直線配線部37側へと徐々に増加するように形成され、かつ、隣接する第1配線部31,31間でも、間隙G1が徐々に変化するように形成されている。すなわち、第1配線部31は、ライン/スペース比が徐々に変化するように形成されている。
【0044】
この場合でも、第2配線部40を、第1配線部31の形成ルールに従って配置、すなわち第1配線部31と同様に第2配線部40の間隙G2を、直線配線部43側から他端側へと徐々に増加するように形成することにより、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1の寄生容量を、他の第1配線部31の寄生容量と同等にすることが可能になり、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
なお、上記第4の実施の形態において、第1配線部31の線幅W1が徐々に変化することによりライン/スペース比が徐々に変化するように構成されている場合でも、同様に第2配線部40を形成することにより、同様の作用効果を奏することができる。
【0046】
次に、第5の実施の形態を図8を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本実施の形態は、上記各実施の形態の複数の第1配線部31(第1配線部31a,31b)において、一のブロックB1(ブロックB1a,B1b)での第1斜め配線部39(39a,39b)が屈曲状に形成されているものである。
【0048】
すなわち、一のブロックB1での第1斜め配線部39は、第1直線配線部37から他のブロックB2側に接近する方向へと、他のブロックB2の第1斜め配線部39と略平行に傾斜した第1傾斜部71(第1傾斜部71a,71b)と、第1直線配線部37と第2直線配線部38との中間の位置で、他のブロックB2から離間される方向へと傾斜した第2傾斜部72(第2傾斜部72a,72b)とを備えている。
【0049】
また、第2配線部40は、一のブロックB1側では、第1配線部31a1,31b1の第2傾斜部72に対して平行に形成され、他のブロックB2側では、一のブロックB1側と略等しい長さに形成されている。
【0050】
そして、例えば、図9に示す従来例のように、第1配線部31pの第1斜め配線部39pの傾斜角度が、各ブロックB1,B2間で均等でなく、第1斜め配線部39pが均等に接続されていない場合は、ブロックB1,B2間での寄生容量が図10の実線L3に示すように大きく異なるのに対して、本実施の形態では、一のブロックB1での第1斜め配線部39を他のブロックB2での第1斜め配線部39に対応させた形状に屈曲させることにより、ブロックB1,B2間の寄生容量のばらつきを揃え、さらに、第2配線部40を第1配線部31a1,31b1の外側に配置することにより、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
なお、上記各実施の形態において、第1配線部31の形状は任意に設定できる。この場合、第2配線部40を、第1配線部31の形状に対応させて形成することで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
また、第2配線部40は、それぞれ1本ずつでもよい。この場合には、この第2配線部40と、最も外側に位置する第1配線部31a1,31b1とのライン/スペース比を、少なくとも第1配線部31a1,31b1と第1配線部31a2,31b2とのライン/スペース比と略等しくすることにより、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
さらに、アレイ基板12は、例えば有機EL素子などの表示素子に用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
12 表示素子用基板装置としてのアレイ基板
21 基板としてのガラス基板
25 スイッチング素子としての薄膜トランジスタ
31 第1配線部
40 第2配線部
52 駆動回路としてのドライバIC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
この基板上に配置された表示用の複数のスイッチング素子と、
これらスイッチング素子を駆動させる駆動回路と、
この駆動回路と前記スイッチング素子とを電気的に接続する複数の第1配線部と、
この第1配線部中の最も外側に位置するものの外側に配置された第2配線部とを具備し、
前記第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、前記第1配線部中の最も外側に位置するものと前記第2配線部とのライン/スペース比とが、略等しく設定されている部分を有している
ことを特徴とする表示素子用基板装置。
【請求項2】
前記第2配線部は、複数配置され、これら第2配線部間のライン/スペース比が、前記第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比、および、前記第1配線部中の最も外側に位置するものと前記第2配線部とのライン/スペース比と略等しく設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の表示素子用基板装置。
【請求項3】
前記第2配線部は、ダミー配線部である
ことを特徴とする請求項1または2記載の表示素子用基板装置。
【請求項4】
前記第2配線部は、一端側が前記駆動回路に接続されている
ことを特徴とする請求項3記載の表示素子用基板装置。
【請求項1】
基板と、
この基板上に配置された表示用の複数のスイッチング素子と、
これらスイッチング素子を駆動させる駆動回路と、
この駆動回路と前記スイッチング素子とを電気的に接続する複数の第1配線部と、
この第1配線部中の最も外側に位置するものの外側に配置された第2配線部とを具備し、
前記第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比と、前記第1配線部中の最も外側に位置するものと前記第2配線部とのライン/スペース比とが、略等しく設定されている部分を有している
ことを特徴とする表示素子用基板装置。
【請求項2】
前記第2配線部は、複数配置され、これら第2配線部間のライン/スペース比が、前記第1配線部中の最も外側の位置でのライン/スペース比、および、前記第1配線部中の最も外側に位置するものと前記第2配線部とのライン/スペース比と略等しく設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の表示素子用基板装置。
【請求項3】
前記第2配線部は、ダミー配線部である
ことを特徴とする請求項1または2記載の表示素子用基板装置。
【請求項4】
前記第2配線部は、一端側が前記駆動回路に接続されている
ことを特徴とする請求項3記載の表示素子用基板装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−175632(P2010−175632A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15552(P2009−15552)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
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