説明

表示装置、その表示装置を備えた電子機器及び画像形成装置

【課題】実際の対象物、電子機器、画像形成装置と表示装置の画面に表示されているそれらの画像との対応関係を容易に理解することを可能にする。
【解決手段】操作部4の制御部13は、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向に対応する視線方向を判定し、また原稿用紙搬送部2や開閉ドア9の開閉を画像形成装置1の主制御部81から通知され、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、視線方向もしくは原稿用紙搬送部2や開閉ドア9の開状態に対応する画像データを検索して読出し、この画像データによって示される画像を表示装置11の画面11aに表示し、またジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置を画像形成装置1の主制御部81から通知され、表示装置11の画面11aの画像上でその発生箇所や位置を印して表示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、その表示装置を備えた電子機器及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器や画像形成装置には、その動作状態等を表示する表示装置を設けたものがあり、更に表示装置の視認性や利便性の向上が図られたものもある。例えば、特許文献1では、画像形成装置が縦向き及び横向きのいずれの向きで置かれたかにより表示装置の画面の向きが変わるので、縦向きのときに文字列等を表示装置の画面に縦方向に表示し、また横向きのときに文字列等を表示装置の画面に横方向に表示して、文字列等を読み易くしている。
【0003】
また、特許文献2では、表示装置を有する操作部を画像形成装置本体に着脱自在に設けておき、画像形成装置にジャム等の障害が発生したときに、障害発生箇所への移動を促す指示を操作部の表示装置の画面に表示し、利用者が操作部を画像形成装置本体から取外して障害発生箇所に移動すると、障害を解消するための操作を促す指示を操作部の表示装置の画面に表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−320836号公報
【特許文献2】特開2006−231675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子機器や画像形成装置においては、例えば何等かの障害が発生したときに、障害の速やかなる解消を図るべく、障害発生箇所を表示して知らせるのが好ましい。一般的には、電子機器や画像形成装置の表示装置の画面に、機器や装置を正面方向から見て示す画像を表示し、この画像上に障害発生箇所を印している。
【0006】
しかしながら、大型の電子機器や画像形成装置では、障害発生箇所の縦位置、横位置、及び高さ位置を知ってこそ、障害発生箇所を特定することができるのであって、それらの位置が分からなければ、障害発生箇所の特定が困難になる。このため、そのような機器や装置を正面方向から見て示す画像上に障害発生箇所を印しても、障害発生箇所を正確に特定できないことがあった。
【0007】
このため、表示装置の画面上に、電子機器や画像形成装置を複数の方向から見て示すそれぞれの画像を切替え表示して、各画像において障害発生箇所をそれぞれ表示することが考えられるが、大型の機器や装置の場合は、機器や装置とそれらの画像との対応関係を理解し難く、障害発生箇所を特定することが容易ではない。
【0008】
また、特許文献1では、画像形成装置が縦向き及び横向きのいずれの向きで置かれたかにより表示装置の画面上の文字列等の向きを変更しているだけであるから、そのような障害発生箇所の特定が可能にはならない。あるいは、特許文献2では、障害発生箇所への移動を促す指示を操作部の表示装置の画面に表示しているが、障害発生箇所の縦位置、横位置、及び高さ位置の表示に関する技術的な提案が全くなされていない。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、対象物、電子機器、画像形成装置を複数の方向から見て示すそれぞれの画像を切替え表示することができ、実際の対象物、電子機器、画像形成装置とそれらの画像との対応関係を容易に理解することができ、障害発生箇所等の適確な表示を可能にする表示装置、その表示装置を備えた電子機器及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の表示装置は、携帯可能な表示装置であって、対象物を示す画像データを記憶した記憶部と、前記表示装置の画面の方向を検出する方向検出部と、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの前記対象物の画像を前記記憶部内の画像データから求めて前記表示装置の画面に表示する制御部とを備えている。
【0011】
このような本発明の表示装置では、表示装置の画面の方向を検出し、この検出した画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの対象物の画像を記憶部内の画像データから求めて表示装置の画面に表示している。例えば、対象物の前で、表示装置の画面の方向(例えば画面に対する法線の方向)を水平方向にすると、水平方向が視線方向として求められ、水平方向に見たときの対象物の画像(例えば対象物正面の画像)が表示装置の画面に表示される。また、表示装置の画面の方向を垂直下方向にすると、垂直下方向が視線方向として求められ、垂直下方向に見たときの対象物の画像(例えば対象物上面の画像)が表示装置の画面に表示される。更に、表示装置の画面の方向を左方向又は右方向に回転させると、左方向又は右方向が視線方向として求められ、左方向又は右方向に見たときの対象物の画像(例えば対象物側面の画像)が表示装置の画面に表示される。従って、表示装置の画面の方向を変えると、この方向に見たときの対象物の画像が表示装置の画面に表示され、実際の対象物とその画像との対応関係を容易に理解することができる。
【0012】
また、本発明の電子機器は、表示装置を電子機器本体に着脱自在に設けた電子機器において、前記電子機器を示す画像データを記憶した記憶部と、前記表示装置の画面の方向を検出する方向検出部と、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの前記電子機器の画像を前記記憶部内の画像データから求めて前記表示装置の画面に表示する制御部とを備えている。
【0013】
このような本発明の電子機器でも、上記本発明の表示装置と同様に、電子機器の前で、表示装置の画面の方向を水平方向にすると、水平方向に見たときの電子機器の画像が表示装置の画面に表示される。また、表示装置の画面の方向を垂直下方向にすると、垂直下方向に見たときの電子機器の画像が表示装置の画面に表示される。更に、表示装置の画面の方向を左方向又は右方向に回転させると、左右方向に見たときの電子機器の画像が表示装置の画面に表示される。従って、表示装置の画面の方向を変えると、この方向に見たときの電子機器の画像が表示装置の画面に表示され、実際の電子機器とその画像との対応関係を容易に理解することができる。
【0014】
更に、本発明の画像形成装置は、表示装置を画像形成装置本体に着脱自在に設けた画像形成装置であって、前記画像形成装置を示す画像データを記憶した記憶部と、前記表示装置の画面の方向を検出する方向検出部と、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求めて前記表示装置の画面に表示する制御部とを備えている。
【0015】
このような本発明の画像形成装置でも、上記本発明の表示装置と同様に、表示装置の画面の方向を変えると、この方向に見たときの画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示され、実際の画像形成装置とその画像との対応関係を容易に理解することができる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置においては、前記記憶部内の画像データは、前記画像形成装置に対する複数の視線方向と前記各視線方向に見たときの前記画像形成装置のそれぞれの画像とを対応付けたものであり、前記制御部は、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求めると、この視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから検索して前記表示装置の画面に表示している。
【0017】
この場合は、表示装置の画面の方向を変更して行くと、各視線方向が順次選択されて、各視線方向に対応するそれぞれの画像が表示装置の画面に順次切替え表示される。
【0018】
更に、本発明の画像形成装置においては、前記記憶部内の画像データは、前記画像形成装置の立体画像を示すものであり、前記制御部は、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求めると、この視線方向に見たときの前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから生成して前記表示装置の画面に表示している。
【0019】
この場合は、如何なる視線方向であっても、画像形成装置の立体画像に基づき視線方向に見たときの画像形成装置の画像を生成することができるので、表示装置の画面の方向(視線方向)を変更して行くと、視線方向の変更に伴って画像形成装置の画像が連続的に変更される。
【0020】
また、本発明の画像形成装置においては、前記制御部は、水平な視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求めて初期設定し、この初期設定した画像を前記表示装置の画面に表示している。
【0021】
ここでは、水平な視線方向に対応する画像形成装置の画像を初期設定して表示装置の画面に表示している。例えば、画像形成装置本体に装着されている表示装置の画面に、初期設定の画像を表示する。
【0022】
更に、本発明の画像形成装置においては、前記制御部は、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向が斜め下方45°よりも上向きであるか否かを求め、斜め下方45°よりも上向きであるときに前記表示装置の画面の方向として水平な視線方向を求め、斜め下方45°よりも上向きでないときに前記表示装置の画面の方向として垂直下方向を求めている。
【0023】
この場合は、表示装置の画面の方向が斜め下方45°よりも上向きであるか否かにより、水平方向に見たときの画像形成装置の画像か、又は垂直下方向に見たときの画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示される。
【0024】
また、本発明の画像形成装置においては、前記画像形成装置の障害発生箇所を検出する障害検出部を備え、前記制御部は、前記視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求め、前記障害検出部により検出された障害発生箇所を前記画像に印して、この画像を前記表示装置の画面に表示している。
【0025】
この場合は、表示装置の画面の方向を変えると、この方向に見たときの画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示され、かつ画像上に障害発生箇所が印されるので、水平方向に見たときの画像形成装置の画像上の障害発生箇所、垂直下方向に見たときの画像形成装置の画像上の障害発生箇所、及び左方向又は右方向に見たときの画像形成装置の画像上の障害発生箇所を知ることができ、障害発生箇所を正確に特定することができる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置においては、前記画像形成装置の交換時期にある部品を検出する交換部品検出部を備え、前記制御部は、前記視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求め、前記交換部品検出部により検出された部品を前記画像に印して、この画像を前記表示装置の画面に表示している。
【0027】
この場合は、表示装置の画面の方向を変えると、この方向に見たときの画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示され、かつ画像上に交換時期にある部品が印されるので、水平方向に見たときの画像形成装置の画像上の部品の位置、垂直下方向に見たときの画像形成装置の画像上の部品の位置、及び左方向又は右方向に見たときの画像形成装置の画像上の部品の位置を知ることができ、交換時期にある部品を正確に特定することができる。
【0028】
更に、本発明の画像形成装置においては、前記画像形成装置の可動部品の可動状態を検出する可動部品検出部を備え、前記制御部は、前記視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求め、前記可動部品検出部により検出された可動部品の可動状態を前記画像に印して、この画像を前記表示装置の画面に表示している。
【0029】
この場合は、表示装置の画面の方向を変えると、この方向に見たときの画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示され、かつ画像上に可動部品の可動状態が印されるので、画像形成装置の可動部品とその画像との対応関係を容易に理解することができる。
【発明の効果】
【0030】
このような本発明では、表示装置の画面の方向を検出し、この検出した画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの対象物、電子機器、画像形成装置の画像を記憶部内の画像データから求めて表示装置の画面に表示している。例えば、対象物、電子機器、画像形成装置の前で、表示装置の画面の方向(例えば画面に対する法線の方向)を水平方向にすると、水平方向が視線方向として求められ、水平方向に見たときの対象物、電子機器、画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示される。また、表示装置の画面の方向を垂直下方向にすると、垂直下方向が視線方向として求められ、垂直下方向に見たときの対象物、電子機器、画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示される。更に、表示装置の画面の方向を左方向又は右方向に回転させると、左方向又は右方向が視線方向として求められ、左方向又は右方向に見たときの対象物、電子機器、画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示される。従って、表示装置の画面の方向を変えると、この方向に見たときの対象物、電子機器、画像形成装置の画像が表示装置の画面に表示され、実際の対象物、電子機器、画像形成装置とその画像との対応関係を容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の画像形成装置を示す断面図である。
【図3】図1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置の画像を示す画像データと視線方向とを対応付けた画像検索テーブルを概念的に示す図である。
【図5】(a)、(b)、(c)、(d)は、画像形成装置の外観の正面画像、内部の正面画像、用紙搬送装置を開いたときの正面画像、及び開閉ドアを開いたときの正面画像を例示する図である。
【図6】(a)、(b)、(c)は、画像形成装置の外観の上面画像、用紙搬送装置を開いたときの上面画像、及び開閉ドアを開いたときの上面画像を例示する図である。
【図7】(a)、(b)、(c)は、画像形成装置の外観の右側面画像、用紙搬送装置を開いたときの右側面画像、及び開閉ドアを開いたときの右側面画像を例示する図である。
【図8】(a)、(b)、(c)は、画像形成装置の外観の左側面画像、用紙搬送装置を開いたときの左側面画像、及び開閉ドアを開いたときの左側面画像を例示する図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、画像形成装置に対する視線方向の定義を例示する正面図、上面図、及び右側面図である。
【図10】(a)、(b)は、画像形成装置の外観の正面画像上でジャムの発生箇所及び交換時期にある部品の位置を印して表示したそれぞれの図である。
【図11】(a)、(b)は、画像形成装置の内部の正面画像上でジャムの発生箇所及び交換時期にある部品の位置を印して表示したそれぞれの図である。
【図12】(a)、(b)は、画像形成装置の外観の上面画像上でジャムの発生箇所及び交換時期にある部品の位置を印して表示したそれぞれの図である。
【図13】(a)、(b)は、画像形成装置の外観の右側面画像上でジャムの発生箇所及び交換時期にある部品の位置を印して表示したそれぞれの図である。
【図14】(a)、(b)は、画像形成装置の外観の左側面画像上でジャムの発生箇所及び交換時期にある部品の位置を印して表示したそれぞれの図である。
【図15】(a)、(b)、(c)は、正面斜め上方向に見たときの画像形成装置の外観の正面画像、右側斜め上方向に見たときの右側面画像、及び左側斜め上方向に見たときの左側面画像を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す斜視図である。本実施形態の画像形成装置1は、複写機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、及びスキャナ機能を有する複合機であり、原稿用紙搬送部(ADF)2、画像読取り部3、画像読取り部3の手前側一辺に沿って設けられた操作部4、印刷部5、及び給紙部6等を備えている。
【0034】
操作部4は、画像形成装置1の本体(画像読取り部3の筐体)に着脱自在に設けられている。この操作部4は、画像形成装置1の操作ガイダンス等を表示するための表示装置11と、画像形成装置1に対する指示等を入力するための操作パネル12とを有しており、これらを一体的に支持している。また、表示装置11の画面に透明なタッチパネル等を重ね合わせ、画面に対する指先の入力指示をタッチパネルで検出している。
【0035】
また、給紙部6は、給紙カセット28を備えており、給紙カセット28を引出して、給紙カセット28に記録用紙を補充したり、給紙カセット28を押し込むことができる。更に、画像形成装置1の正面側壁には、開閉自在な開閉ドア9が設けられており、開閉ドア9を開くことにより印刷部5の内部を露呈させることができる。
【0036】
尚、図1において、画像形成装置1の正面と背面を通過する方向を前後方向Yとし、画像形成装置1の右側面と左側面を通過する方向を左右方向Xとし、画像形成装置1の上面と底面を通過する方向を上下方向Zとする。
【0037】
図2は、本実施形態の画像形成装置1を示す断面図である。図2に示すように印刷部5は、レーザ露光装置21、現像装置22、感光体ドラム23、感光体ドラムクリーニング装置24、帯電器25、中間転写ベルト装置26、定着装置27、用紙搬送経路S、及び用紙排出トレイ29等を備えている。
【0038】
画像形成装置1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置22、感光体ドラム23、感光体ドラムクリーニング装置24、及び帯電器25は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0039】
各感光体ドラム23は、それらの表面に光感光層を有している。各帯電器25は、それぞれの感光体ドラム23の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段である。
【0040】
レーザ露光装置21は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された各感光体ドラム23表面を画像データに応じて露光して、それらの表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0041】
各現像装置22は、それぞれの感光体ドラム23表面に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像し、これらの感光体ドラム23表面にトナー像を形成する。各感光体ドラムクリーニング装置24は、現像及び画像転写後にそれぞれの感光体ドラム23表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0042】
中間転写ベルト装置26は、各感光体ドラム23の上方に配置されており、中間転写ベルト31、中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、4つの中間転写ローラ34、及び中間転写ベルトクリーニング装置35を備えている。
【0043】
中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、各中間転写ローラ34等は、中間転写ベルト31を張架して支持し、中間転写ベルト31を矢印C方向に周回移動させる。また、各中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト31を介してそれぞれの感光体ドラム23に押圧されている。
【0044】
各感光体ドラム23表面のトナー像が中間転写ベルト31に順次重ねて転写されて、中間転写ベルト31上にカラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。各感光体ドラム23から中間転写ベルト31へのトナー像の転写は、中間転写ベルト31裏面に圧接されている各中間転写ローラ34によって行われる。各中間転写ローラ34には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0045】
こうして各感光体ドラム23表面のトナー像は、中間転写ベルト31で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト31と共に搬送され、中間転写ベルト31と2次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で記録用紙上に転写される。2次転写装置36の転写ローラ36aには、中間転写ベルト31上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0046】
また、2次転写装置36によって中間転写ベルト31上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト31上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置35によって残留トナーを除去及び回収している。
【0047】
記録用紙は、中間転写ベルト31と2次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域でカラーのトナー像を転写された後、定着装置27へと搬送される。定着装置27は、加熱ローラ41及び加圧ローラ42等を備えており、加熱ローラ41と加圧ローラ42間に記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0048】
加熱ローラ41は、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ42と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたカラーのトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる。
【0049】
一方、給紙部6の給紙カセット28は、画像形成装置1の下部に設けられて、給紙カセット28内の記録用紙を供給する。また、手差しトレイ7は、記録用紙を載置するためのトレイであり、画像形成装置1の側壁に設けられて、このトレイ内の記録用紙を供給する。
【0050】
印刷部5には、給紙カセット28又は手差しトレイ7から供給された記録用紙を2次転写装置36や定着装置27を経由させて用紙排出トレイ29に送るための、Sの字形状の用紙搬送経路Sが設けられ、この用紙搬送経路Sに沿って、用紙レジストローラ44、定着装置27、搬送ローラ45、及び排紙ローラ46等が配置されている。
【0051】
給紙カセット28の端部には用紙ピックアップローラ43が、設けられており、この用紙ピックアップローラ43により給紙カセット28から記録用紙が1枚ずつ引出されて用紙搬送経路Sへと搬送される。また、手差しトレイ7の端部にはピックアップローラ8が設けられており、このピックアップローラ8により手差しトレイ7から記録用紙が1枚ずつ引出されて用紙搬送経路Sへと送り出される。
【0052】
搬送ローラ45は、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数組設けられている。
【0053】
用紙レジストローラ44は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト31と2次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で中間転写ベルト31上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、各感光体ドラム23及び中間転写ベルト31の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0054】
更に、記録用紙は、定着装置27でカラーのトナー像を定着され、定着装置27を通過した後、排紙ローラ46によって用紙排出トレイ29上にフェイスダウンで排出される。
【0055】
次に、画像形成装置1の本体上部に搭載された原稿用紙搬送部2及び画像読取り部3を説明する。原稿用紙搬送部2は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により画像読取り部3の奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿用紙搬送部2が開かれたときには、画像読取り部3のプラテンガラス54が開放され、このプラテンガラス54上に原稿用紙が載置される。
【0056】
画像読取り部3は、プラテンガラス54、第1走査ユニット55、第2走査ユニット56、結像レンズ57、及びCCD(Charge Coupled Device)58等を備えている。第1走査ユニット55は、副走査方向へと原稿用紙のサイズに応じた距離だけ移動しながら、プラテンガラス54上の原稿用紙表面を光源61によって照明し、その反射光を第1反射ミラー62により反射して第2走査ユニット56へと導く。第2走査ユニット56は、第1走査ユニット55に追従して移動しつつ、原稿用紙からの反射光を第2及び第3反射ミラー63、64により反射して結像レンズ57へと導く。結像レンズ57は、原稿用紙からの反射光をCCD58に集光して、原稿用紙表面の画像をCCD58上に結像させる。CCD58は、原稿用紙表面の画像を繰り返し主走査方向に走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
【0057】
また、画像読取り部3は、静止原稿だけではなく、原稿用紙搬送部2により搬送されている原稿用紙表面の画像を読取ることができる。この場合は、図2に示すように第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り位置に移動し、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めし、この状態で、原稿用紙搬送部2による原稿用紙の搬送を開始する。
【0058】
原稿用紙搬送部2では、ピックアップローラ66を原稿トレイ67上の原稿用紙に押し当て回転させて、原稿用紙を引き出し、原稿用紙を用紙搬送路68を通じて搬送し、原稿用紙を画像読取り部3の原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間に通過させ、更に排紙ローラ71から原稿排出トレイ72へと搬送する。
【0059】
この原稿用紙の搬送に際し、第1走査ユニット55の光源61により原稿用紙表面を原稿読取りガラス65を介して照明し、原稿用紙からの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57へと導き、原稿用紙からの反射光を結像レンズ57によりCCD58に集光させ、原稿用紙表面の画像をCCD58上に結像させ、これにより原稿用紙表面の画像を読取る。
【0060】
このようにCCD58により読取られた原稿用紙の画像は、CCD58からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号にA/D変換される。そして、このデジタル画像信号(画像データ)は、種々の画像処理を施されてから画像形成装置1のレーザ露光装置21に入力され、印刷部5で画像データによって示される画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が出力される。
【0061】
図3は、本実施形態の画像形成装置1の構成を示すブロック図である。図3において、主制御部81は、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース等からなり、原稿用紙搬送部(ADF)2、画像読取り部3、操作部4、印刷部5、給紙部6、メモリ82、及び画像処理部83等を統合的に制御する。メモリ82は、RAM、ROM、ハードディスク装置(HDD)等であり、種々のデータやプログラムを記憶する。画像処理部83は、画像データに対して各種の画像処理を施す。
【0062】
電源部84は、図1に示すように操作部4が画像形成装置1の本体に装着されたときに電力を操作部4に供給する。通信部85は、操作部4との間でデータ通信を行うものである。センサ群86は、画像形成装置1の用紙搬送経路Sでジャムが発生したときにジャムの発生箇所(図1のXYZ方向の3次元位置)を検出したり、原稿用紙搬送部2の開閉、画像形成装置1の正面側壁の開閉ドア9の開閉等を検出したりする。
【0063】
一方、操作部4は、画像形成装置1の本体(画像読取り部3の筐体)に着脱自在に装着されるものであって、表示装置11、操作パネル12、制御部13、メモリ14、電池15、方位センサ16、通信部17、及び充電部18等を備えている。
【0064】
表示装置11は、例えば液晶表示装置であり、その画面には、画像形成装置1の操作ガイダンスや画像形成装置1の画像等が表示される。操作パネル12は、複数の操作キーを有しており、各操作キーの操作により画像形成装置1に対する指示等を入力することができる。
【0065】
制御部13は、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース等からなり、表示装置11、操作パネル12、メモリ14、及び通信部17等を制御する。メモリ14は、RAM、ROM等であり、種々のデータやプログラムを記憶する。例えば、メモリ14には、表示装置11の画面に表示される画像を示す画像データ等が記憶される。
【0066】
充電部18は、操作部4が画像形成装置1の本体に装着されたときに電源部84に接続されて、電源部84からの電力供給を受け、電池15を充電する。電池15は、電力を操作部4の各部に供給して、操作部4を動作させる。
【0067】
方位センサ16は、例えばジャイロセンサであり、表示装置11の画面の方向(画面に対する法線の方向)を検出して、画面の方向を示す検出信号を出力する。
【0068】
通信部17は、画像形成装置1の通信部85との間でデータ通信を行う。これらの通信部17、85の通信方式は、例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))や無線LANに準拠する近距離通信方式である。
【0069】
このような構成において、例えば主制御部81は、画像読取り部3で原稿の画像を読取らせ、原稿の画像を示す画像データをメモリ82に記憶させて、画像処理部83でメモリ82内の画像データを処理させ、画像データを印刷部5のレーザ露光装置21に入力させ、また給紙部6を制御して、給紙部6から印刷部5へと記録用紙を給紙させ、印刷部5で画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に記録させる。
【0070】
ところで、本実施形態の画像形成装置1では、操作部4が画像形成装置1の本体に装着さているか取外されているかにかかかわらず、画像形成装置1の画像表示が必要なときにはその画像が操作部4の表示装置11の画面に表示される。
【0071】
また、利用者は、操作部4を画像形成装置1の本体から取外したときに、操作部4の表示装置11の画面の方向を変えて、この方向に見たときの画像形成装置1の画像を表示装置11の画面に表示させることができる。例えば、画像形成装置1の前で、表示装置11の画面の方向(例えば画面に対する法線の方向)を水平方向にすると、水平方向(視線方向)に見たときの画像形成装置1の正面画像が表示装置11の画面に表示される。また、表示装置11の画面の方向を垂直下方向にすると、垂直下方向(視線方向)に見たときの画像形成装置1の上面画像が表示装置11の画面に表示される。更に、表示装置11の画面の方向を左方向又は右方向に回転させると、左方向又は右方向(視線方向)に見たときの画像形成装置1の側面画像が表示装置11の画面に表示される。従って、表示装置11の画面の方向を変えると、この方向に見たときの画像形成装置1の画像が表示装置11の画面に表示され、実際の画像形成装置1とその画像との対応関係を容易に理解することができる。
【0072】
更に、ジャム等の障害が発生したときには、障害発生箇所が検出されて、表示装置11の画面に表示されている画像形成装置1の画像上で障害発生箇所が表示される。また、画像形成装置1の部品が交換時期になると、表示装置11の画面に表示されている画像形成装置1の画像上で交換時期の部品の位置が表示される。あるいは、画像形成装置1の可動部品が動かされると、表示装置11の画面に表示されている画像形成装置1の画像上で可動部品の可動状態が表示される。このような障害発生箇所、交換時期の部品の位置、及び可動部品の可動状態は、表示装置11の画面の向きがどのように変更されても、その向き(視線方向)に見たときの画像形成装置1の画像上に表示される。このため、表示装置11の画面の向きを変更しつつ、画像形成装置1の画像上に表示されている障害発生箇所、交換時期の部品の位置、及び可動部品の可動状態を見ることにより、障害発生箇所及び交換時期の部品の位置を特定したり、可動部品の可動状態を正確に知ることができる。
【0073】
次に、そのような画像形成装置1の画像を表示する表示装置11の表示制御について詳しく説明する。
【0074】
ここで、操作部4のメモリ14には、複数の視線方向と、これらの視線方向に見たときの画像形成装置1のそれぞれの画像を示す各画像データとを対応付けて記録した画像検索テーブルが予め記録されている。図4は、画像検索テーブルを例示している。図4の画像検索テーブルDTにおいては、画像形成装置1をその正面から水平方向に見たときの複数種の正面画像を示す各画像データD1a、D1b、D1c、D1d、……と正面水平方向(視線方向)H1とが対応付けられ、また画像形成装置1をその上側から垂直下方向に見たときの複数種の上面画像を示す各画像データD2a、D2b、D2c、……と垂直下方向(視線方向)H2とが対応付けられ、更に画像形成装置1をその右側から水平方向に見たときの複数種の右側面画像を示す各画像データD3a、D3b、D3c、……と右側水平方向(視線方向)H3とが対応付けられ、また画像形成装置1をその左側から水平方向に見たときの複数種の左側面画像を示す各画像データD4a、D4b、D4c、……と左側水平方向(視線方向)H4とが対応付けられている。
【0075】
正面画像、上面画像、右側面画像、及び左側面画像のいずれについても、画像形成装置1の外観、画像形成装置1の内部、及び画像形成装置1の可動部の可動状態などを表す複数種の画像が設定されている。
【0076】
例えば、各画像データD1a、D1b、D1c、D1dは、画像形成装置1の外観の正面画像、画像形成装置1の内部の正面画像、原稿用紙搬送部2を開いたときの画像形成装置1の外観の正面画像、開閉ドア9を開いたときの画像形成装置1の外観の正面画像を示している。図5(a)、(b)、(c)、(d)は、画像データD1aによって示される外観の正面画像G1a、画像データD1bによって示される内部の正面画像G1b、画像データD1cによって示される原稿用紙搬送部2を開いたときの正面画像G1c、及び画像データD1dによって示される開閉ドア9を開いたときの正面画像G1dを例示している。
【0077】
また、各画像データD2a、D2b、D2cは、画像形成装置1の外観の上面画像、原稿用紙搬送部2を開いたときの画像形成装置1の外観の上面画像、及び開閉ドア9を開いたときの画像形成装置1の外観の上面画像を示している。図6(a)、(b)、(c)は、画像データD2aによって示される外観の上面画像G2a、画像データD2bによって示される原稿用紙搬送部2を開いたときの上面画像G2b、及び画像データD2cによって示される開閉ドア9を開いたときの上面画像G2cを例示している。
【0078】
更に、各画像データD3a、D3b、D3cは、画像形成装置1の外観の右側面画像、原稿用紙搬送部2を開いたときの画像形成装置1の外観の右側面画像、及び開閉ドア9を開いたときの画像形成装置1の外観の右側面画像を示している。図7(a)、(b)、(c)は、画像データD3aによって示される外観の右側面画像G3a、画像データD3bによって示される原稿用紙搬送部2を開いたときの右側面画像G3b、及び画像データD3cによって示される開閉ドア9を開いたときの右側面画像G3cを例示している。
【0079】
また、各画像データD4a、D4b、D4cは、画像形成装置1の外観の左側面画像、原稿用紙搬送部2を開いたときの画像形成装置1の外観の左側面画像、及び開閉ドア9を開いたときの画像形成装置1の外観の左側面画像を示している。図8(a)、(b)、(c)は、画像データD4aによって示される外観の左側面画像G4a、画像データD4bによって示される原稿用紙搬送部2を開いたときの左側面画像G4b、及び画像データD4cによって示される開閉ドア9を開いたときの左側面画像G4cを例示している。
【0080】
尚、図5〜図8においては、画像形成装置1の画像だけを示しているが、表示装置11の画面には、この画面に重ねられたタッチパネルにより検出される操作キー等も表示される。また、原稿用紙搬送部2の画像部分には同符号2を付し、画像読取り部3の画像部分には同符号3を付し、開閉ドア9の画像部分には同符号9を付し、感光体ドラム23の画像部分には同符号23を付している。
【0081】
図9(a)、(b)、(c)は、画像形成装置1に対する視線方向の設定例を示す正面図、上面図、及び右側面図である。図9(a)、(b)、(c)に示すように正面水平方向(視線方向)H1は、前後方向Yの水平線に対して上下方向Z及び左右方向Xのいずれにも45°までの角度範囲α(45°を含む)に対応する。また、垂直下方向(視線方向)H2は、上下方向Zの垂直線に対して前後方向Y及び左右方向Xのいずれにも45°未満の角度範囲βに対応する。更に、右側水平方向(視線方向)H3は、左右方向Xの水平線に対して上下方向Z及び前後方向Yのいずれにも45°未満の角度範囲γに対応する。同様に、左側水平方向(視線方向)H4は、左右方向Xの水平線に対して上下方向Z及び前後方向Yのいずれにも45°未満の角度範囲κに対応する。
【0082】
次に、操作部4の制御部13による表示装置11の表示制御の手順を詳しく説明する。まず、操作部4が画像形成装置1の本体に装着されている状態であるとすると、操作部4の充電部18が画像形成装置1の電源部84からの電力供給を受けている。このとき、操作部4の制御部13は、充電部18に電力供給を受けていることから、つまり操作部4が画像形成装置1の本体に装着されている状態であることから、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、正面水平方向H1に対応する各画像データD1a、D1b、D1c、D1dのうちからデフォルトの画像データD1aを読出し、画像データD1aによって示される図5(a)の外観の正面画像G1aを表示装置11の画面11aに表示する。
【0083】
この状態で、画像形成装置1の用紙搬送経路Sでジャムが発生すると、センサ群86によりジャムの発生箇所(図1のXYZ方向の3次元位置)が検出され、これに応答して画像形成装置1の主制御部81は、ジャムの発生箇所を通信部85から操作部4の通信部17に送信する。操作部4では、ジャムの発生箇所を通信部17で受信して制御部13に通知する。制御部13は、ジャムの発生箇所の通知を受けると、ジャムの発生箇所であるXYZ方向の3次元位置からXZ方向の2次元位置を求め、図10(a)に示すように外観の正面画像G1a上でジャムの発生箇所Q1(XZ方向の2次元位置)を印して表示し、ジャム発生の旨を示すメッセージM1を表示する。
【0084】
また、画像形成装置1の主制御部81は、各感光体ドラム23別に、感光体ドラム23の累積稼働時間を計時しており、累積稼働時間が一定時間に達すると、この累積稼働時間が一定時間に達した感光体ドラム23が交換時期にあると判定し、交換時期にある感光体ドラム23の位置(図1のXYZ方向の3次元位置)を通信部85から操作部4の通信部17に送信する。操作部4では、交換時期にある感光体ドラム23の位置を通信部17で受信して制御部13に通知する。制御部13は、交換時期にある感光体ドラム23の位置の通知を受けると、感光体ドラム23の位置を示すXYZ方向の3次元位置からXZ方向の2次元位置を求め、図10(b)に示すように外観の正面画像G1a上で交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XZ方向の2次元位置)を印して表示し、感光体ドラム23の交換の旨を示すメッセージM2を表示する。
【0085】
こうして正面画像G1a上でジャムの発生箇所Q1や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2が表示された状態で、ジャムの解消や感光体ドラム23の交換のために、画像形成装置1の正面側壁の開閉ドア9が開かれると、センサ群86により開閉ドア9が開かれたことが検出され、これに応答して画像形成装置1の主制御部81は、開閉ドア9が開かれたことを通信部85から操作部4の通信部17に送信する。操作部4では、原稿用紙搬送部2が開かれたことを通信部17で受信して制御部13に通知する。制御部13は、開閉ドア9が開かれたことの通知を受けると、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、正面水平方向H1に対応する各画像データD1a、D1b、D1c、D1dのうちから開閉ドア9を開いたときの外観を示す画像データD1dを読出し、画像データD1dによって示される図5(d)の外観の正面画像G1dを表示装置11の画面11aに一定時間だけ表示する。
【0086】
引き続いて、制御部13は、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、正面水平方向H1に対応する各画像データD1a、D1b、D1c、D1dのうちから画像形成装置1の内部を示す画像データD1bを読出し、画像データD1bによって示される図5(b)の内部の正面画像G1bを表示装置11の画面11aに表示する。更に、制御部13は、図11(a)、(b)に示すように内部の正面画像G1b上でジャムの発生箇所Q1(XZ方向の2次元位置)を印して表示し、ジャム発生の旨を示すメッセージM1を表示したり、内部の正面画像G1b上で交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XZ方向の2次元位置)を印して表示し、感光体ドラム23の交換の旨を示すメッセージM2を表示したりする。
【0087】
尚、ジャムが解消されたり、交換時期にある感光体ドラム23が交換されたりすると、図5(a)の外観の正面画像G1aが表示装置11の画面11aに再度表示される。
【0088】
また、画像形成装置1の原稿用紙搬送部2が開かれ、センサ群86により原稿用紙搬送部2が開かれたことが検出されると、これに応答して画像形成装置1の主制御部81は、原稿用紙搬送部2が開かれたことを通信部85から操作部4の通信部17に送信する。操作部4では、原稿用紙搬送部2が開かれたことを通信部17で受信して制御部13に通知する。制御部13は、原稿用紙搬送部2が開かれたことの通知を受けると、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、正面水平方向H1に対応する各画像データD1a、D1b、D1c、D1dのうちから原稿用紙搬送部2を開いたときの外観を示す画像データD1cを読出し、画像データD1cによって示される図5(c)の外観の正面画像G1cを表示装置11の画面11aに表示する。この外観の正面画像G1c上でジャムの発生箇所Q1(XZ方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XZ方向の2次元位置)を表示してもよい。
【0089】
尚、原稿用紙搬送部2が閉じられたときには、図5(a)の外観の正面画像G1aが表示装置11の画面11aに再度表示される。
【0090】
このように操作部4が画像形成装置1の本体に装着されている状態では、画像形成装置1をその正面から水平方向に見たときの外観の正面画像G1aが初期設定されて表示装置11の画面11aに表示される。また、画像形成装置1の正面側壁の開閉ドア9が開かれると、開閉ドア9を開いたときの外観の正面画像G1dが一定時間表示され、引き続いて内部の正面画像G1bが表示される。更に、ジャムが発生したり、感光体ドラム23が交換時期にあったりすると、正面画像G1a、G1b上でジャムの発生箇所Q1(XZ方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XZ方向の2次元位置)が表示される。また、画像形成装置1の原稿用紙搬送部2が開かれると原稿用紙搬送部2を開いたときの外観の正面画像G1cが表示される。
【0091】
次に、操作部4が画像形成装置1の本体から取外されたときには、操作部4の充電部18が画像形成装置1の電源部84からの電力供給を受けなくなるので、これに応答して操作部4の制御部13は、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向を求める処理を開始する。
【0092】
先に述べた操作部4が画像形成装置1の本体に装着されている状態では、操作部4の表示装置11の画面の方向(画面に対する法線の方向)が一定方向にある。そして、利用者が操作部4を取外して取り回すと、操作部4の表示装置11の画面の方向(画面に対する法線の方向)が随時変化し、これに伴って方位センサ16により検出される方向が随時変化する。このため、操作部4の制御部13は、画像形成装置1の本体に装着されているときの操作部4の表示装置11の画面の一定方向と、方位センサ16により検出された方向とに基づいて表示装置11の画面の方向を随時求めることができる。
【0093】
また、利用者は、画像形成装置1の正面の画像を見たいときに、画像形成装置1の正面で、操作部4の表示装置11の画面の方向を図9(a)〜(c)の正面水平方向H1に概ね向けるようにする。あるいは、利用者は、画像形成装置1の上面の画像を見たいときに、操作部4の表示装置11の画面の方向を図9(a)〜(c)の垂直下方向H2に概ね向けるようにする。また、利用者は、画像形成装置1の右側面の画像を見たいときに、画像形成装置1の右側面まで移動し、操作部4の表示装置11の画面の方向を図9(a)〜(c)の右側水平方向H3に概ね向けるようにする。更に、利用者は、画像形成装置1の左側面の画像を見たいときに、画像形成装置1の左側面まで移動し、操作部4の表示装置11の画面の方向を図9(a)〜(c)の左側水平方向H4に概ね向けるようにする。
【0094】
ここで、利用者が画像形成装置1の正面で操作部4を取り回して、表示装置11の画面の方向を図9(a)〜(c)の正面水平方向H1に概ね向けたとすると、操作部4の制御部13は、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向を求めて、この画面の方向が正面水平方向H1を中心とする角度範囲αにあることを判定し、視線方向を正面水平方向H1であるとみなす。そして、制御部13は、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、正面水平方向H1に対応する画像データD1aを読出し、画像データD1aによって示される図5(a)の外観の正面画像G1aを表示装置11の画面11aに表示する。
【0095】
このため、利用者は、画像形成装置1の正面で、操作部4の表示装置11の画面の方向を正面水平方向H1に概ね向けると、実際の画像形成装置1の正面と、表示装置11の画面11aに表示された図5(a)の外観の正面画像G1aとを見比べることができる。
【0096】
ただし、表示装置11の画面の方向を正面水平方向H1に向けたときに表示される正面画像と、操作部4を画像形成装置1の本体に装着しているときに表示される正面画像とが同一である。従って、操作部4を取外して、その画面の方向を角度範囲αに直ちに向けたならば、同一の正面画像が表示され続けることになる。
【0097】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲αに向けられたままの状態で、画像形成装置1の用紙搬送経路Sでジャムが発生したり、画像形成装置1の部品が交換時期になったりすると、操作部4が画像形成装置1の本体に装着されているときと同様に、ジャムの発生箇所(図1のXYZ方向の3次元位置)が画像形成装置1で検出されて操作部4に通知され、図10(a)に示すように外観の正面画像G1a上でジャムの発生箇所Q1(XZ方向の2次元位置)及びジャム発生の旨を示すメッセージM1が表示されたり、図10(b)に示すように外観の正面画像G1a上で交換時期にある部品の位置Q2(XZ方向の2次元位置)及び部品の交換の旨を示すメッセージM2が表示されたりする。
【0098】
そして、表示装置11の画面の方向が角度範囲αに向けられたままの状態で、ジャムの解消や感光体ドラム23の交換のために、画像形成装置1の正面側壁の開閉ドア9が開かれると、操作部4が画像形成装置1の本体に装着されているときと同様に、図5(d)の外観の正面画像G1dが表示装置11の画面11aに一定時間だけ表示され、引き続いて図5(b)の内部の正面画像G1bが表示装置11の画面11aに表示され、更に図11(a)、(b)に示すように内部の正面画像G1b上でジャムの発生箇所Q1(XZ方向の2次元位置)及びジャム発生の旨を示すメッセージM1が表示されたり、内部の正面画像G1b上で交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XZ方向の2次元位置)及び感光体ドラム23の交換の旨を示すメッセージM2が表示されたりする。
【0099】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲αに向けられたままの状態で、画像形成装置1の原稿用紙搬送部2が開かれると、操作部4が画像形成装置1の本体に装着されているときと同様に、図5(c)の外観の正面画像G1cが表示装置11の画面11aに表示される。この外観の正面画像G1c上でジャムの発生箇所Q1(XZ方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XZ方向の2次元位置)を表示してもよい。
【0100】
尚、ジャムが解消されたり、交換時期にある感光体ドラム23が交換されたりすると、図5(a)の外観の正面画像G1aが表示装置11の画面11aに再度表示される。また、原稿用紙搬送部2が閉じられたときにも、図5(a)の外観の正面画像G1aが表示装置11の画面11aに再度表示される。
【0101】
次に、表示装置11の画面の方向が図9(a)〜(c)の垂直下方向H2に概ね向けられたとすると、操作部4の制御部13は、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向が垂直下方向H2を中心とする角度範囲βにあることを判定して、視線方向を垂直下方向H2であるとみなし、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、垂直下方向H2に対応する各画像データD2a、D2b、D2cのうちから画像形成装置1の外観の上面画像を示す画像データD2aを読出し、画像データD2aによって示される図6(a)の外観の上面画像G2aを表示装置11の画面11aに表示する。従って、利用者は、操作部4の表示装置11の画面の方向を垂直下方向H2に概ね向けると、表示装置11の画面11aに表示された図6(a)の外観の上面画像G2aを見ることができる。
【0102】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲βに向けられたままの状態で、画像形成装置1の用紙搬送経路Sでジャムが発生したり、画像形成装置1の部品が交換時期になったりすると、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置(図1のXYZ方向の3次元位置)が画像形成装置1の通信部85から操作部4の通信部17へと送受されて制御部13に通知される。制御部13は、その通知を受けると、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置を示すXYZ方向の3次元位置からXY方向の2次元位置を求め、図12(a)、(b)に示すように外観の上面画像G2a上でジャムの発生箇所Q1(XY方向の2次元位置)を印して表示し、ジャム発生の旨を示すメッセージM1を表示したり、上面画像G2a上で交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XY方向の2次元位置)を印して表示し、感光体ドラム23の交換の旨を示すメッセージM2を表示したりする。
【0103】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲βに向けられたままの状態で、画像形成装置1の原稿用紙搬送部2が開かれると、この旨が画像形成装置1の通信部85から操作部4の通信部17へと送受されて制御部13に通知される。制御部13は、その通知を受けると、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、原稿用紙搬送部2を開いたときの外観を示す画像データD2bを読出し、図6(b)の外観の上面画像G2bを表示装置11の画面11aに表示する。この外観の上面画像G2b上でジャムの発生箇所Q1(XY方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XY方向の2次元位置)を表示してもよい。
【0104】
同様に、表示装置11の画面の方向が角度範囲βに向けられたままの状態で、画像形成装置1の開閉ドア9が開かれると、この旨が通信部85から通信部17にへと送受されて制御部13に通知され、これに応答して制御部13は、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、開閉ドア9を開いたときの外観を示す画像データD2cを読出し、図6(c)の外観の上面画像G2cを表示装置11の画面11aに表示する。この外観の上面画像G2c上でジャムの発生箇所Q1(XY方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(XY方向の2次元位置)を表示してもよい。
【0105】
尚、ジャムが解消されたり、交換時期にある感光体ドラム23が交換されたりすると、図6(a)の外観の上面画像G2aが表示装置11の画面11aに再度表示される。また、原稿用紙搬送部2や開閉ドア9が閉じられたときにも、図6(a)の外観の上面画像G2aが表示装置11の画面11aに再度表示される。
【0106】
次に、利用者が画像形成装置1の右側面まで移動し、操作部4の表示装置11の画面の方向が図9(a)〜(c)の右側水平方向H3に概ね向けられたとすると、操作部4の制御部13は、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向が右側水平方向H3を中心とする角度範囲γにあることを判定して、視線方向を右側水平方向H3であるとみなし、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、右側水平方向H3に対応する各画像データD3a、D3b、D3cのうちから画像形成装置1の外観の右側面画像を示す画像データD3aを読出し、画像データD3aによって示される図7(a)の外観の右側面画像G3aを表示装置11の画面11aに表示する。
【0107】
このため、利用者は、画像形成装置1の右側面まで移動して、操作部4の表示装置11の画面の方向を右側水平方向H3に概ね向けると、実際の画像形成装置1の右側面と、表示装置11の画面11aに表示された図7(a)の外観の右側面画像G3aとを見比べることができる。
【0108】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲γに向けられたままの状態で、画像形成装置1の用紙搬送経路Sでジャムが発生したり、画像形成装置1の部品が交換時期になったりすると、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置(図1のXYZ方向の3次元位置)が画像形成装置1の通信部85から操作部4の通信部17へと送受されて制御部13に通知される。制御部13は、その通知を受けると、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置を示すXYZ方向の3次元位置からYZ方向の2次元位置を求め、図13(a)、(b)に示すように外観の右側面画像G3a上でジャムの発生箇所Q1(YZ方向の2次元位置)を印して表示したり、外観の右側面画像G3a上で交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(YZ方向の2次元位置)を印して表示したりする。
【0109】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲γに向けられたままの状態で、画像形成装置1の原稿用紙搬送部2が開かれると、この旨が画像形成装置1の通信部85から操作部4の通信部17へと送受されて制御部13に通知される。制御部13は、その通知を受けると、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、原稿用紙搬送部2を開いたときの外観を示す画像データD3bを読出し、図7(b)の外観の右側面画像G3bを表示装置11の画面11aに表示する。この外観の右側面画像G3b上でジャムの発生箇所Q1(YZ方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(YZ方向の2次元位置)を表示してもよい。
【0110】
同様に、表示装置11の画面の方向が角度範囲γに向けられたままの状態で、画像形成装置1の開閉ドア9が開かれると、この旨が通信部85から通信部17にへと送受されて制御部13に通知され、これに応答して制御部13は、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、開閉ドア9を開いたときの外観を示す画像データD3cを読出し、図7(c)の外観の右側面画像G3cを表示装置11の画面11aに表示する。この外観の右側面画像G3c上でジャムの発生箇所Q1(YZ方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(YZ方向の2次元位置)を表示してもよい。
【0111】
尚、ジャムが解消されたり、交換時期にある感光体ドラム23が交換されたりすると、図7(a)の外観の右側面画像G3aが表示装置11の画面11aに再度表示される。また、原稿用紙搬送部2や開閉ドア9が閉じられたときにも、図7(a)の外観の右側面画像G3aが表示装置11の画面11aに再度表示される。
【0112】
次に、利用者が画像形成装置1の左側面まで移動し、操作部4の表示装置11の画面の方向が図9(a)〜(c)の左側水平方向H4に概ね向けられたとすると、操作部4の制御部13は、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向が左側水平方向H4を中心とする角度範囲κにあることを判定して、視線方向を左側水平方向H4であるとみなし、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、左側水平方向H4に対応する各画像データD4a、D4b、D4cのうちから画像形成装置1の外観の左側面画像を示す画像データD4aを読出し、画像データD4aによって示される図8(a)の外観の上面画像G4aを表示装置11の画面11aに表示する。
【0113】
このため、利用者は、画像形成装置1の左側面まで移動して、操作部4の表示装置11の画面の方向を左側水平方向H4に概ね向けると、実際の画像形成装置1の左側面と、表示装置11の画面11aに表示された図8(a)の外観の左側面画像G4aとを見比べることができる。
【0114】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲κに向けられたままの状態で、画像形成装置1の用紙搬送経路Sでジャムが発生したり、画像形成装置1の部品が交換時期になったりすると、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置(図1のXYZ方向の3次元位置)が画像形成装置1の通信部85から操作部4の通信部17へと送受されて制御部13に通知される。これに応答して制御部13は、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置を示すXYZ方向の3次元位置からYZ方向の2次元位置を求め、図14(a)、(b)に示すように外観の左側面画像G4a上でジャムの発生箇所Q1(YZ方向の2次元位置)を印して表示ししたり、外観の左側面画像G3a上で交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(YZ方向の2次元位置)を印して表示したりする。
【0115】
また、表示装置11の画面の方向が角度範囲κに向けられたままの状態で、画像形成装置1の原稿用紙搬送部2や開閉ドア9が開かれると、この旨が画像形成装置1の通信部85から操作部4の通信部17へと送受されて制御部13に通知され、これに応答して制御部13は、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、原稿用紙搬送部2や開閉ドア9を開いたときの外観を示す画像データD4b又はD4cを読出し、図8(b)、(c)の外観の左側面画像G4b又はG4cを表示装置11の画面11aに表示する。これらの外観の左側面画像G4b又はG4c上でジャムの発生箇所Q1(YZ方向の2次元位置)や交換時期にある感光体ドラム23の位置Q2(YZ方向の2次元位置)を表示してもよい。
【0116】
尚、ジャムが解消されたり、交換時期にある感光体ドラム23が交換されたりすると、図8(a)の外観の左側面画像G4aが表示装置11の画面11aに再度表示される。また、原稿用紙搬送部2や開閉ドア9が閉じられたときにも、図8(a)の外観の左側面画像G4aが表示装置11の画面11aに再度表示される。
【0117】
このように操作部4の制御部13は、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向に対応する視線方向を判定し、また原稿用紙搬送部2や開閉ドア9の開状態を画像形成装置1の主制御部81から通知され、メモリ14内の画像検索テーブルDTを検索して、視線方向もしくは原稿用紙搬送部2や開閉ドア9の開状態に対応する画像データを検索して読出し、この画像データによって示される画像を表示装置11の画面11aに表示し、またジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置を画像形成装置1の主制御部81から通知され、表示装置11の画面11aの画像上でその発生箇所や位置を印して表示している。
【0118】
また、操作部4の制御部13は、視線方向を随時判定、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置及び原稿用紙搬送部2や開閉ドア9の開閉を随時通知され、判定結果や通知内容に応じて図5(a)〜(d)、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)の各画像のいずれかを随時選択表示する。従って、各画像の選択順序に格別な規定がなく、各画像が常に適確に選択されて表示される。
【0119】
このため、利用者は、表示装置11の画面の方向を変えると、この方向に見たときの画像形成装置1の画像を表示装置11の画面11a上で見ることができ、実際の画像形成装置1とその画像との対応関係を容易に理解することができる。
【0120】
また、画像形成装置1の正面画像、上面画像、及び左右の側面画像上で、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置、及び原稿用紙搬送部2や開閉ドア9の開状態をそれぞれ見ることができ、ジャムの発生箇所や交換時期にある部品の位置を正確に特定したり、原稿用紙搬送部2や開閉ドア9の開状態を正確に理解することができる。
【0121】
尚、本実施形態では、図5(a)〜(d)、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)の各画像を例示しているが、他の視線方向から見た画像を適用しても構わない。例えば、図15(a)、(b)、(c)に示すような正面斜め上方向(視線方向)に見たときの画像形成装置1の画像G5aを示す画像データ、右側斜め上方向(視線方向)に見たときの画像形成装置1の画像G5bを示す画像データ、及び左側斜め上方向(視線方向)に見たときの画像形成装置1の画像G5cを示す画像データをそれぞれの視線方向と対応付けて画像検索テーブルDTに追加して記憶しておき、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向が正面斜め上方向、右側斜め上方向、及び左側斜め上方向のいずれかに一致したときに、この一致する視線方向に対応する画像データ(各画像データG5a、G5b、G5cのいずれか)を画像検索テーブルDTから検索して、この検索した画像データによって示される画像を表示装置11の画面に表示する。勿論、更に多数の視線方向とそれぞれの画像データとを対応付けて画像検索テーブルDTに記憶しておき、方位センサ16の検出出力に基づき視線方向を求め、この視線方向に対応する画像データを画像検索テーブルDTから検索して、この画像データによって示される画像を表示しても構わない。
【0122】
また、画像形成装置1を示す立体視画像データ(3D(three dimensions)の画像データ)を作成してメモリ14に記憶しておき、方位センサ16の検出出力に基づき表示装置11の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの画像形成装置1の2次元画像を立体視画像データから求めて生成し、この2次元画像を表示装置11の画面11aに表示してもよい。この場合は、表示装置11の画面の方向(視線方向)が変更されると、この視線方向の変更に伴って画像形成装置1の画像が連続的に変更される。
【0123】
また、本発明は、画像形成装置だけではなく、表示装置を着脱自在に設けた他の種類の電子機器にも適用することができる。この場合も、表示装置の画面の向きを検出し、この向きに対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの電子機器の画像を画像データから求めて表示装置の画面に表示する。
【0124】
あるいは、本発明を単体の表示装置に適用しても構わない。この場合は、表示装置の画面の向きを検出し、この向きに対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの対象物の画像を画像データから求めて表示装置の画面に表示する。対象物としては、例えば家や自動車等がある。家の場合は、表示装置の画面の向きに応じて、家の外観の正面画像、上面画像、側面画像等を表示する。自動車の場合も、表示装置の画面の向きに応じて、自動車の外観の正面画像、上面画像、側面画像等を表示する。これにより、実際の家や自動車とそれらの画像とを容易に比較することができる。
【0125】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0126】
1 画像形成装置
2 原稿用紙搬送部
3 画像読取り部
4 操作部
5 印刷部
6 給紙部
7 手差しトレイ
11 表示装置
12 操作パネル
13 制御部
14 メモリ(記憶部)
15 電池
16 方位センサ(方向検出部)
17 通信部
81 主制御部
82 メモリ
83 画像処理部
84 電源部
85 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能な表示装置であって、
対象物を示す画像データを記憶した記憶部と、
前記表示装置の画面の方向を検出する方向検出部と、
前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの前記対象物の画像を前記記憶部内の画像データから求めて前記表示装置の画面に表示する制御部とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示装置を電子機器本体に着脱自在に設けた電子機器において、
前記電子機器を示す画像データを記憶した記憶部と、
前記表示装置の画面の方向を検出する方向検出部と、
前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの前記電子機器の画像を前記記憶部内の画像データから求めて前記表示装置の画面に表示する制御部とを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
表示装置を画像形成装置本体に着脱自在に設けた画像形成装置であって、
前記画像形成装置を示す画像データを記憶した記憶部と、
前記表示装置の画面の方向を検出する方向検出部と、
前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求め、この視線方向に見たときの前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求めて前記表示装置の画面に表示する制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記記憶部内の画像データは、前記画像形成装置に対する複数の視線方向と前記各視線方向に見たときの前記画像形成装置のそれぞれの画像とを対応付けたものであり、
前記制御部は、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求めると、この視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから検索して前記表示装置の画面に表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記記憶部内の画像データは、前記画像形成装置の立体画像を示すものであり、
前記制御部は、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向に対応する視線方向を求めると、この視線方向に見たときの前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから生成して前記表示装置の画面に表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、水平な視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求めて初期設定し、この初期設定した画像を前記表示装置の画面に表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記方向検出部により検出された前記表示装置の画面の方向が斜め下方45°よりも上向きであるか否かを求め、斜め下方45°よりも上向きであるときに前記表示装置の画面の方向として水平な視線方向を求め、斜め下方45°よりも上向きでないときに前記表示装置の画面の方向として垂直下方向を求めることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記画像形成装置の障害発生箇所を検出する障害検出部を備え、
前記制御部は、前記視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求め、前記障害検出部により検出された障害発生箇所を前記画像に印して、この画像を前記表示装置の画面に表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項3〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記画像形成装置の交換時期にある部品を検出する交換部品検出部を備え、
前記制御部は、前記視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求め、前記交換部品検出部により検出された部品を前記画像に印して、この画像を前記表示装置の画面に表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項3〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記画像形成装置の可動部品の可動状態を検出する可動部品検出部を備え、
前記制御部は、前記視線方向に対応する前記画像形成装置の画像を前記記憶部内の画像データから求め、前記可動部品検出部により検出された可動部品の可動状態を前記画像に印して、この画像を前記表示装置の画面に表示することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−242748(P2012−242748A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114925(P2011−114925)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】