説明

表示装置、及びテレビ受信装置

【課題】回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた表示装置、及びそれを用いたテレビ受信装置を提供する。
【解決手段】情報を表示する液晶パネル(表示部)を備えた液晶表示装置(表示装置)において、複数のソース配線(データ配線)S1〜SMと、複数の各ソース配線S1〜SMの一端側に接続されるとともに、複数の各ソース配線S1〜SMに対して、液晶パネルに表示される情報に応じたソース信号(データ信号)を出力するソースドライバ(データ配線駆動部)25と、外部から映像信号が入力されるとともに、入力された映像信号を基にソース信号を生成して、ソースドライバ25に出力する画像処理部24を備える。そして、画像処理部24からソースドライバ25に出力されるソース信号の電流値を監視する電流監視部24a1を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字や画像などの情報を表示する表示部を備えた表示装置、及びそれを用いたテレビ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば液晶表示装置は、在来のブラウン管に比べて薄型、軽量などの特長を有するフラットパネルディスプレイとして、液晶テレビ、モニター、携帯電話などに幅広く利用されている。このような液晶表示装置は、文字や画像などの情報を表示する表示部としての液晶パネルを備えており、この液晶パネルには、マトリクス状に配列された複数のデータ配線(ソース配線)及び複数の走査配線(ゲート配線)と、データ配線と走査配線との交差部の近傍に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのスイッチング素子を有する複数の画素が設けられている。
【0003】
また、従来の液晶表示装置には、例えば下記特許文献1に記載されているように、アクティブ基板上のデータライン駆動用ドライバ搭載領域内に、データライン用静電気保護兼テスト用スイッチング回路を設けることが提案されている。また、この従来の液晶表示装置では、データライン用静電気保護兼テスト用スイッチング回路内に、複数のデータライン(データ配線)にそれぞれ接続された複数のデータライン用静電気保護兼テスト用薄膜トランジスタを設けていた。そして、この従来の液晶表示装置では、データラインに対して、外部から静電気が侵入したときでも、対応するデータライン用静電気保護兼テスト用薄膜トランジスタにより、静電気に起因するデータラインの破壊等の不良が生じるのを防止可能とされていた。
【特許文献1】特開2008−129374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の液晶表示装置では、複数のデータライン(データ配線)毎に、データライン用静電気保護兼テスト用薄膜トランジスタを設置していた。このため、従来の液晶表示装置では、耐静電気特性を向上させたときに、当該装置の回路構成が複雑で、大型化するという問題点を生じた。
【0005】
上記の課題を鑑み、本発明は、回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた表示装置、及びそれを用いたテレビ受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる表示装置は、情報を表示する表示部を備えた表示装置であって、
複数のデータ配線と、
前記複数の各データ配線の一端側に接続されるとともに、前記複数の各データ配線に対して、前記表示部に表示される情報に応じたデータ信号を出力するデータ配線駆動部と、
外部から映像信号が入力されるとともに、入力された映像信号を基にデータ信号を生成して、前記データ配線駆動部に出力する画像処理部を備え、
前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値を監視する電流監視部を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
上記のように構成された表示装置では、電流監視部が上記画像処理部から上記データ配
線駆動部に出力されるデータ信号の電流値を監視している。これにより、静電気のノイズが外部からデータ配線及び/またはデータ配線駆動部に入り込んだ場合に、電流監視部はその静電気に起因するデータ信号の電流値の増加を検出することができる。この結果、静電気に起因するデータ配線及びデータ配線駆動部の各破壊などの不良の発生を未然に防止することが可能となり、上記従来例と異なり、回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた表示装置を構成することができる。
【0008】
また、上記表示装置において、前記電流監視部は、前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、前記電流監視部は、当該データ信号の電流値を制限することが好ましい。
【0009】
この場合、上記静電気に起因するデータ配線及びデータ配線駆動部の各破壊などの不良の発生を確実に防ぐことができる。
【0010】
また、上記表示装置において、前記表示部として、ノーマリブラック方式の液晶パネルが用いられるとともに、
前記電流監視部は、前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、前記電流監視部は、前記液晶パネルにおいて、黒表示が行われるように、当該データ信号の電流値を制限してもよい。
【0011】
この場合、データ配線に供給されるデータ信号の電流値が上記液晶パネルにおける最小電流値とされるので、上記静電気に起因するデータ配線及びデータ配線駆動部の各破壊などの不良の発生をより確実に防ぐことができる。
【0012】
また、上記表示装置において、前記表示部として、ノーマリホワイト方式の液晶パネルが用いられるとともに、
前記電流監視部は、前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、前記電流監視部は、前記液晶パネルにおいて、白表示が行われるように、当該データ信号の電流値を制限してもよい。
【0013】
この場合、データ配線に供給されるデータ信号の電流値が上記液晶パネルにおける最小電流値とされるので、上記静電気に起因するデータ配線及びデータ配線駆動部の各破壊などの不良の発生をより確実に防ぐことができる。
【0014】
また、上記表示装置において、前記電流監視部は、前記画像処理部に一体的に設けられていることが好ましい。
【0015】
この場合、表示装置の回路構成をより確実にコンパクトなものとすることができる。
【0016】
また、本発明のテレビ受信装置は、上記いずれかの表示装置を備えることを特徴とするものである。
【0017】
上記のように構成されたテレビ受信装置では、回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた表示装置を備えているので、耐静電気特性に優れたコンパクトなテレビ受信装置を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた表示装置、及びそれを用いたテレビ受信装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の表示装置、及びテレビ受信装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を透過型の液晶表示装置に適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかるテレビ受信装置及び液晶表示装置を説明する分解斜視図である。図において、本実施形態のテレビ受信装置1は、表示装置としての液晶表示装置2を備えており、アンテナやケーブル(図示せず)などによりテレビ放送を受信可能に構成されている。液晶表示装置2は、表キャビネット3及び裏キャビネット4に収納された状態で、スタンド5によって立設されるようになっている。また、テレビ受信装置1では、液晶表示装置2の表示面2aが表キャビネット3を介在させて視認可能に構成されている。この表示面2aは、スタンド5により、重力の作用方向(鉛直方向)に平行となるように設置されている。
【0021】
また、テレビ受信装置1では、文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部としての液晶表示装置2と裏キャビネット4との間に、支持板6に取り付けられるTVチューナー回路基板6a、後述のバックライト装置等のテレビ受信装置1の各部を制御する制御回路基板6b、及び電源回路基板6cが配置されている。そして、テレビ受信装置1では、TVチューナー回路基板6a上のTVチューナーで受信されたテレビ放送の映像信号に応じた画像が表示面2a上に表示されるとともに、表キャビネット3に設けられたスピーカ3aから音声が再生出力される。なお、裏キャビネット4には、多数の通気孔が形成されており、照明装置や電源などで発生した熱を適切に放熱できるようになっている。
【0022】
次に、図2を参照して、液晶表示装置2について具体的に説明する。
【0023】
図2は、本発明の上記液晶表示装置を説明する概略断面図である。図2において、本実施形態の液晶表示装置2には、図2の上側が視認側(表示面側)として設置される表示部としての液晶パネル7と、液晶パネル7の非表示面側(図2の下側)に配置されて、当該液晶パネル7を照明する照明光を発生する照明装置8とが設けられている。この液晶パネル7には、例えばノーマリブラック方式のものが用いられている。
【0024】
また、液晶パネル7は、液晶層9と、液晶層9を狭持するアクティブマトリクス基板10及びカラーフィルタ基板11と、アクティブマトリクス基板10及びカラーフィルタ基板11の各外側表面上にそれぞれ設けられた偏光板12、13とを備えている。また、液晶パネル7には、フレキシブルプリント回路基板14と、このフレキシブルプリント回路基板14に接続されたプリント回路基板15とが設けられている。また、これらフレキシブルプリント回路基板14及びプリント回路基板15は、後に詳述するように、複数設けられたソースドライバ25の設置数に応じて、各々複数設けられている。
【0025】
また、フレキシブルプリント回路基板14は、SOF(System On Film)と呼ばれるものであり、このフレキシブルプリント回路基板14には、液晶層9を画素単位に駆動するドライバとしてのソースドライバ25が実装されている。尚、フレキシブルプリント回路基板14では、ソースドライバ25が実装された表面とは反対側の表面(図1の上側の表面)は例えば合成樹脂にて構成された放熱シートHに当接しており、放熱シートHを介してソースドライバ25で生じた熱を後述のベゼルに伝えて外部に放熱するよう構成されている。
【0026】
また、複数のプリント回路基板15では、隣接する2つのプリント回路基板15どうしがフレキシブルプリント回路基板31によって互いに接続されている(詳細は後述。)。
さらに、プリント回路基板15には、後述のパネル制御部が電気的に接続されており、当該パネル制御部によってソースドライバ25の駆動制御が行われるようになっている。そして、液晶パネル7では、液晶層9によって偏光板12を介して入射された上記照明光の偏光状態が変調され、かつ、偏光板13を通過する光量が制御されることにより、所望画像が表示される。
【0027】
照明装置8には、図2の上側(液晶パネル7側)が開口した有底状のシャーシ16と、シャーシ16の液晶パネル7側に設置された枠状のフレーム17とが設けられている。また、シャーシ16及びフレーム17は、金属または合成樹脂によって構成されており、フレーム17の上方に液晶パネル7が設置された状態で、断面L字状のベゼル18にて狭持されている。具体的にいえば、シャーシ16は、光源としての後述の冷陰極蛍光管を収容する照明装置8の筐体である。また、ベゼル18は、液晶パネル7を収納するためのものであり、プラスチックシャーシとも呼ばれる、上記フレーム17との間で液晶パネル7を狭持した状態で、当該ベゼル18はフレーム17及びシャーシ16と互いに組み付けられている。そして、照明装置8は、液晶パネル7に組み付けられ、当該照明装置8からの照明光が液晶パネル7に入射される透過型の液晶表示装置2として一体化されている。
【0028】
また、照明装置8は、シャーシ16の開口部を覆うように設置された拡散板19と、拡散板19の上方で液晶パネル2側に設置された光学シート21と、シャーシ16の内面に設けられた反射シート24とを備えている。また、照明装置8では、複数、例えば6本の冷陰極蛍光管23がシャーシ16の内部で液晶パネル7の下方側に設けられており、直下型の照明装置8を構成している。そして、照明装置8では、各冷陰極蛍光管23からの光が液晶パネル7に対向配置される照明装置8の発光面から上記照明光として出射されるようになっている。
【0029】
尚、上記の説明では、直下型の照明装置8を用いた構成について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、導光板を有するエッジライト型の照明装置を用いてもよい。また、冷陰極蛍光管以外の熱陰極蛍光管やLEDなどの他の光源を有する照明装置も用いることができる。
【0030】
拡散板19は、例えば厚さ2mm程度の長方形状の合成樹脂またはガラス材を用いて構成されており、冷陰極蛍光管23からの光を拡散して、光学シート21側に出射する。また、拡散板19は、その四辺側がシャーシ16の上側に設けられた枠状の表面上に載置されており、弾性変形可能な押圧部材20を介在させてシャーシ16の当該表面とフレーム17の内面とで狭持された状態で照明装置8の内部に組み込まれている。さらに、拡散板19は、その略中央部がシャーシ16内部に設置された透明な支持部材(図示せず)にて支えられており、シャーシ16の内側に撓むのが防がれている。
【0031】
また、拡散板19は、シャーシ16と押圧部材20との間で移動可能に保持されており、冷陰極蛍光管23の発熱やシャーシ16の内部の温度上昇などの熱の影響により、当該拡散板19に伸縮(塑性)変形が生じたときでも、押圧部材20が弾性変形することにて当該塑性変形が吸収されて、冷陰極蛍光管23からの光の拡散性を極力低下しないようになっている。また、合成樹脂に比べて熱に強いガラス材の拡散板19を用いる場合の方が、上記熱の影響による反り、黄変、熱変形等が生じ難い点で好ましい。
【0032】
光学シート21には、例えば厚さ0.5mm程度の合成樹脂フィルムにより構成された集光シートが含まれており、液晶パネル7への上記照明光の輝度を上昇させるように構成されている。また、光学シート21には、液晶パネル7の表示面での表示品位の向上を行うためなどのプリズムシート、拡散シート、偏光シートなどの公知の光学シート材が必要に応じて適宜積層されるようになっている。そして、光学シート21は、拡散板19から
出射された光を、所定の輝度(例えば、10000cd/m2)以上で、かつ、均一な輝度を有する面状光に変換し照明光として液晶パネル7側に入射させるように構成されている。なお、上記の説明以外に、例えば液晶パネル7の上方(表示面側)に当該液晶パネル7の視野角を調整するための拡散シート等の光学部材を適宜積層してもよい。
【0033】
また、光学シート21では、例えば液晶表示装置2の実使用時に上側となる、図2の左端辺側の中央部に、同図2の左側に突出した突出部が形成されている。そして、光学シート21では、上記突出部だけが弾性材22を介在させてフレーム17の内面と押圧部材20とで狭持されており、当該光学シート21は、照明装置8の内部に伸縮可能な状態で組み込まれている。これにより、光学シート21では、冷陰極蛍光管23の発熱などの上記の熱の影響により、伸縮(塑性)変形が生じたときでも、上記突出部を基準とした自由な伸縮変形が可能となり、シワや撓みなどが当該光学シート21に発生するのが極力防がれるように構成されている。この結果、液晶表示装置2では、光学シート21の撓み等に起因して、輝度ムラなどの表示品位の低下が液晶パネル7の表示面に発生するのを極力防止できるようになっている。
【0034】
各冷陰極蛍光管230には、直管状のものが用いられており、その両端部に設けられた電極部(図示せず)がシャーシ16の外側にて支持されている。また、各冷陰極蛍光管23には、直径3.0〜4.0mm程度の発光効率に優れた細管化されたものが使用されており、各冷陰極蛍光管23は、図示しない光源保持具によって拡散板19及び反射シート24との各間の距離を所定距離に保たれた状態で、シャーシ16の内部に保持されている。さらに、冷陰極蛍光管23は、その長手方向が重力の作用方向と直交する方向に平行となるように、配置されている。これにより、冷陰極蛍光管23では、その内部に封入された水銀(蒸気)が重力の作用により長手方向の一方の端部側に集まるのが防がれて、ランプ寿命が大幅に向上されている。
【0035】
反射シート24は、例えば厚さ0.2〜0.5mm程度のアルミニウムや銀などの光反射率の高い金属薄膜により構成されており、冷陰極蛍光管23の光を拡散板19に向かって反射する反射板として機能するようになっている。これにより、照明装置8では、冷陰極蛍光管23から発光された光を拡散板19側に効率よく反射して当該光の利用効率及び拡散板19での輝度を高めることができる。なお、この説明以外に、上記金属薄膜に代えて、合成樹脂製の反射シート材を使用したり、例えばシャーシ16の内面に光反射率の高い白色等の塗料を塗布することによって当該内面を反射板として機能させたりすることもできる。
【0036】
次に、図3も参照して、液晶パネル7について具体的に説明する。
【0037】
図3は、図2に示した液晶パネルの要部構成を説明する図である。
【0038】
図3において、液晶表示装置2(図2)には、文字や画像等の情報を表示する上記表示部としての液晶パネル7(図2)の駆動制御を行うパネル制御部24と、このパネル制御部24からの指示信号を基に動作する複数、例えば9つのソースドライバ25−1、25−2、…、25−8、25−9(以下、“25”にて総称する。)及び複数、例えば6つのゲートドライバ26−1、26−2、…、26−5、26−6(以下、“26”にて総称する。)が設けられている。
【0039】
パネル制御部24には、液晶表示装置2の外部からの映像信号が入力されるようになっている。また、パネル制御部24には、入力された映像信号に対して所定の画像処理を行ってソースドライバ25及びゲートドライバ26への各指示信号を生成する画像処理部24aが設けられている。これらソースドライバ25及びゲートドライバ26への指示信号
には、それぞれ後述のソース信号(データ信号)及び走査信号が含まれている。また、画像処理部24aには、ソースドライバ25へのソース信号の電流値を監視する電流監視部24a1が一体的に設けられている。
【0040】
また、電流監視部24a1は、後述のタイミングコントロール部24bを介してソースドライバ25に出力されるソース信号の電流値が所定値を越えるか否かについて判別するようになっており、ソース信号の電流値が所定値を越えることを判別したときには、そのソース信号の電流値を制限して、液晶パネル7において、黒表示が行われるように構成されている(詳細は後述。)。
【0041】
また、パネル制御部24には、画像処理部24aからソースドライバ25及びゲートドライバ26への各指示信号が入力されるとともに、これらの各指示信号を所定のタイミングで対応するソースドライバ25及びゲートドライバ26に出力する上記タイミングコントロール部24bと、入力された映像信号に含まれた1フレーム分の表示データを記憶可能なフレームバッファ24cとが設けられている。そして、パネル制御部24が、入力された映像信号に応じて、ソースドライバ25及びゲートドライバ26の駆動制御を行うことにより、その映像信号に応じた情報が液晶パネル7に表示される。
【0042】
ソースドライバ25は、上述したように、フレキシブルプリント回路基板14に実装されている。同様に、ゲートドライバ26は、後述のフレキシブルプリント回路基板に実装されている。また、これらのソースドライバ25及びゲートドライバ26は、液晶パネル7の有効表示領域A内に設けられた複数の画素Pを画素単位に駆動する駆動回路であり、ソースドライバ25及びゲートドライバ26には、複数のソース配線S1〜SM(Mは、9以上の整数、以下、“S”にて総称する。)及び複数のゲート配線G1〜GN(Nは、6以上の整数、以下、“N”にて総称する。)がそれぞれ接続されている。
【0043】
また、ソース配線S及びゲート配線Gは、少なくとも有効表示領域A内において、マトリクス状に配列されており、当該マトリクス状に区画された各領域には、上記複数の各画素Pの領域が形成されている。具体的にいえば、図3に例示するように、ソース配線Sには、液晶パネル7の縦方向に平行に配列されたソース配線本体部S1b、S2b、S3b、…と、これらソース配線本体部S1b、S2b、S3b、…とソースドライバ25を距離が可能な限り長くならないように繋ぐ接続配線部S1a、S2a、S3a、…とが含まれている。同様に、ゲート配線Gには、液晶パネル7の横方向に平行に配列されたゲート配線本体部G1b、G2b、…と、これらゲート配線本体部G1b、G2b、…とゲートドライバ26を距離が可能な限り長くならないように繋ぐ接続配線部G1a、G2a、…とが含まれている。
【0044】
また、複数の画素Pには、赤色、緑色、及び青色の画素が含まれている。また、これらの赤色、緑色、及び青色の画素は、例えばこの順番で、各ゲート配線Gのゲート配線本体部G1b、g2b、…に平行に順次配設されている。
【0045】
また、ゲート配線本体部G1b、g2b、…には、画素P毎に設けられたスイッチング素子27のゲートが接続されている。一方、ソース配線本体部S1b、S2b、S3b、…には、スイッチング素子27のソースが接続されている。また、各スイッチング素子27のドレインには、画素P毎に設けられた画素電極28が接続されている。また、各画素Pでは、共通電極29が液晶パネル7に設けられた液晶層9(図1)を間に挟んだ状態で画素電極28に対向するように構成されている。そして、ゲートドライバ26は、画像処理部24aからの指示信号に基づいて、ゲート配線G1〜GNに対して、対応するスイッチング素子27のゲートをオン状態にする走査信号を順次出力する。一方、ソースドライバ25は、画像処理部24aからの指示信号に基づいて、表示画像の輝度(階調)に応じ
たソース信号(階調電圧)を対応するソース配線S1〜SMに出力する。
【0046】
次に、図4も参照して、フレキシブルプリント回路基板14、プリント回路基板15、及びフレキシブルプリント回路基板31について具体的に説明する。
【0047】
図4は、図2に示したプリント回路基板及びフレキシブルプリント回路基板を示す平面図である。
【0048】
図4に示すように、液晶パネル7では、9つのソースドライバ25−1〜25−9が、9つのフレキシブルプリント回路基板(SOF)14にそれぞれ実装されている。各フレキシブルプリント回路基板14の一端部側は、有効表示領域Aの外側で、アクティブマトリクス基板10上のソース配線Sに接続されている。また、各ソースドライバ25−1〜25−9には、同じ数のソース配線S、つまり(M/9)本のソース配線Sが接続されている。
【0049】
また、各フレキシブルプリント回路基板14の他端部側は、プリント回路基板15に接続されている。具体的には、図4に例示するように、液晶パネル7では、3つのプリント回路基板15が設けられるとともに、各プリント回路基板15には、3つのフレキシブルプリント回路基板14が接続されている。また、隣接する2つのプリント回路基板15の間には、フレキシブルプリント回路基板31が設けられており、これら2つのプリント回路基板15どうしを接続するようになっている。すなわち、2つのフレキシブルプリント回路基板31が、3つのプリント回路基板15に対して設けられており、これらのプリント回路基板15及びフレキシブルプリント回路基板31を介在させて、9つのソースドライバ25−1〜25−9は1つのソースドライバとして機能するように順次接続されている。また、中央部のプリント回路基板15には、パネル制御部24が接続されており、各ソースドライバ25−1〜25−9に対して、液晶パネル7の表示部に表示される情報に応じた指示信号がパネル制御部24内の画像処理部24aからタイミングコントロール部24bを介して入力される。そして、各ソースドライバ25−1〜25−9は、対応するソース配線Sに対し、上記ソース信号を出力する。
【0050】
また、液晶パネル7では、6つのソースドライバ26−1〜26−6が、6つのフレキシブルプリント回路基板(SOF)30にそれぞれ実装されている。各フレキシブルプリント回路基板30の一端部側は、有効表示領域Aの外側で、アクティブマトリクス基板10上のゲート配線Gに接続されている。また、各ゲートドライバ26−1〜26−6には、同じ数のゲート配線G、つまり(N/6)本のゲート配線Gが接続されている。さらに、各ゲートドライバ24−1〜24−6は、対応するフレキシブルプリント回路基板30とアクティブマトリクス基板10上に設けられた配線(図示せず)を介して、パネル制御部24に接続されている。そして、各ゲートドライバ26−1〜26−6は、画像処理部24aからの指示信号をタイミングコントロール部24bを介して入力し、対応するゲート配線Gに対し、上記走査信号を出力する。
【0051】
また、液晶パネル7では、フレキシブルプリント回路基板14、30がアクティブマトリクス基板10に対して折り曲げられることにより、これらのフレキシブルプリント回路基板14、30及びプリント回路基板15は、図2に示したように、ベゼル18の内側に配置される。
【0052】
ここで、図5も参照して、上記のように構成された本実施形態の液晶表示装置1の動作について具体的に説明する。尚、以下の説明では、画像処理部24a内に設けられた電流監視部24a1の動作について主に説明する。
【0053】
図5は、図2に示した電流監視部での動作例を説明するフローチャートである。
【0054】
図5のステップS1に例示するように、電流監視部24a1は、画像処理部24aからタイミングコントロール部24bを介してソースドライバ25に出力されるソース信号の電流値が上記所定値(例えば、3A)を越えるか否かについて判別している。そして、ソース信号の電流値が所定値を越えたことを判別すると、電流監視部24a1は、液晶表示装置2の外部から静電気のノイズがソース配線S及び/またはソースドライバ25に入り込んで、当該ソース配線Sに出力されたソース信号の電流値が異常に増加した判断する。その後、電流監視部24a1は、ソース信号の電流値を、液晶パネル7での最小電流値に制限して、当該液晶パネル7において、所定期間(例えば、2秒(120フレーム))の間、黒表示を行わせる(ステップS2)。
【0055】
一方、ステップS1において、ソース信号の電流値が所定値を越えなかったことを判別すると、電流監視部24a1は、上記静電気に起因するソース信号の電流増加が発生していないと判断して、ソース信号の電流値を制限することなく、タイミングコントロール部24bを介してソースドライバ25にソース信号を出力させる。これにより、液晶パネル7では、ソースドライバ25に入力されたソース信号に応じた、通常の映像データの表示動作が行われる(ステップS3)。
【0056】
以上のように構成された本実施形態の液晶表示装置2では、電流監視部24a1が画像処理部24aからソースドライバ(データ配線駆動部)25に出力されるソース信号(データ信号)の電流値を監視している。これにより、本実施形態の液晶表示装置2では、静電気のノイズが外部からソース配線S及び/またはソースドライバ25に入り込んだ場合に、電流監視部24a1はその静電気に起因するソース信号の電流値の増加を検出することができる。この結果、本実施形態の液晶表示装置2では、静電気に起因するソース配線S及びソースドライバ25の各破壊などの不良の発生を未然に防止することが可能となる。従って、本実施形態では、上記従来例と異なり、回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた液晶表示装置(表示装置)2を構成することができる。
【0057】
また、本実施形態の液晶表示装置2では、上記表示部として、ノーマリブラック方式の液晶パネル7が用いられている。さらに、本実施形態の液晶表示装置2では、図5に示したように、電流監視部24a1は、画像処理部24aからソースドライバ25に出力されるソース信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、電流監視部24a1は、液晶パネル7において、黒表示が行われるように、当該ソース信号の電流値を制限している。これにより、本実施形態の液晶表示装置2では、ソース配線Sに供給されるソース信号の電流値が液晶パネル7における最小電流値とされるので、上記静電気に起因するソース配線S及びソースドライバ25の各破壊などの不良の発生をより確実に防ぐことができる。
【0058】
また、本実施形態のテレビ受信装置1では、回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた液晶表示装置2を備えているので、耐静電気特性に優れたコンパクトなテレビ受信装置1を容易に構成することができる。
【0059】
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
例えば、上記の説明では、本発明を透過型の液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明の表示装置はこれに限定されるものではなく、半透過型や反射型の液晶表
示装置あるいは有機EL(Electronic Luminescence)素子、無機EL素子、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display)などの各種表示装置に適用することができる。
【0061】
また、上記の説明では、ノーマリブラック方式の液晶パネルを表示部に用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばノーマリホワイト方式の液晶パネルを表示部に適用することもできる。
【0062】
但し、上記のようにノーマリホワイト方式の液晶パネルを用いる場合には、電流監視部は、画像処理部からデータ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、電流監視部は、当該液晶パネルにおいて、白表示が行われるように、当該データ信号の電流値を制限することが好ましい。これにより、データ配線に供給されるデータ信号の電流値がノーマリホワイト方式の液晶パネルにおける最小電流値とされるので、上記静電気に起因するデータ配線及びデータ配線駆動部の各破壊などの不良の発生をより確実に防ぐことができるからである。
【0063】
また、上記の説明では、画像処理部に、電流監視部を一体的に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像処理部と電流監視部とを別個に設ける構成でもよい。
【0064】
但し、上記の各実施形態のように、画像処理部に、電流監視部を一体的に設ける場合の方が、画像処理部と電流監視部とを別個に設ける場合に比べて、表示装置の回路構成をより確実にコンパクトなものとすることができる点で好ましい。
【0065】
また、上記の説明では、ソースドライバ(データ配線駆動部)をフレキシブルプリント回路基板(SOF)に実装する場合について説明したが、本発明のデータ配線駆動部はこれに限定されるものではない。具体的には、例えば液晶パネルのアクティブマトリクス基板上にCOG(Chip On Glass)実装されたデータ配線駆動部を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、回路構成が複雑で、大型化するのを抑えることができる耐静電気特性に優れた表示装置、及びそれを用いたテレビ受信装置に対して有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態にかかるテレビ受信装置及び液晶表示装置を説明する分解斜視図である。
【図2】本発明の上記液晶表示装置を説明する概略断面図である。
【図3】図2に示した液晶パネルの要部構成を説明する図である。
【図4】図2に示したプリント回路基板及びフレキシブルプリント回路基板を示す平面図である。
【図5】図2に示した電流監視部での動作例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 テレビ受信装置
2 液晶表示装置(表示装置)
7 液晶パネル(表示部)
24 画像処理部
24a1 電流監視部
25、25−1〜25−9 ソースドライバ(データ配線駆動回路)
S、S1〜SM、 ソース配線(データ配線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部を備えた表示装置であって、
複数のデータ配線と、
前記複数の各データ配線の一端側に接続されるとともに、前記複数の各データ配線に対して、前記表示部に表示される情報に応じたデータ信号を出力するデータ配線駆動部と、
外部から映像信号が入力されるとともに、入力された映像信号を基にデータ信号を生成して、前記データ配線駆動部に出力する画像処理部を備え、
前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値を監視する電流監視部を設けた、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記電流監視部は、前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、前記電流監視部は、当該データ信号の電流値を制限する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部として、ノーマリブラック方式の液晶パネルが用いられるとともに、
前記電流監視部は、前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、前記電流監視部は、前記液晶パネルにおいて、黒表示が行われるように、当該データ信号の電流値を制限する請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部として、ノーマリホワイト方式の液晶パネルが用いられるとともに、
前記電流監視部は、前記画像処理部から前記データ配線駆動部に出力されるデータ信号の電流値が所定値を超えることを判別したときに、前記電流監視部は、前記液晶パネルにおいて、白表示が行われるように、当該データ信号の電流値を制限する請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記電流監視部は、前記画像処理部に一体的に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とするテレビ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−156926(P2010−156926A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−325(P2009−325)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】