表示装置およびその駆動制御方法
【課題】駆動用トランジスタの特性偏差の補正の高精度化、表示動作と特性値の取得の両立、さらに画素回路と駆動制御の単純化を図る。
【解決手段】第1および第2の計測用電圧を駆動用トランジスタ11bのソース端子へ供給し、これにより駆動用トランジスタ11bに流れた電流によって寄生容量51を充電したときの駆動用トランジスタ11bのソース端子の電圧の第1および第2の変化量を取得し、第1および第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタ11bの駆動電流の第1および第2の電流値を取得し、第1および第2の計測用電圧と第1および第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタ11bの特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子11aの発光量に応じた駆動用トランジスタ11bの駆動電圧とに基づくデータ信号を駆動用トランジスタ11bのソース端子に出力する。
【解決手段】第1および第2の計測用電圧を駆動用トランジスタ11bのソース端子へ供給し、これにより駆動用トランジスタ11bに流れた電流によって寄生容量51を充電したときの駆動用トランジスタ11bのソース端子の電圧の第1および第2の変化量を取得し、第1および第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタ11bの駆動電流の第1および第2の電流値を取得し、第1および第2の計測用電圧と第1および第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタ11bの特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子11aの発光量に応じた駆動用トランジスタ11bの駆動電圧とに基づくデータ信号を駆動用トランジスタ11bのソース端子に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス方式で駆動される発光素子を備えた表示装置およびその表示装置の駆動制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL発光素子などの発光素子を用いた表示装置が提案されており、テレビや携帯電話のディスプレイなど種々の分野での利用が提案されている。
【0003】
一般に、有機EL発光素子は電流駆動型発光素子であるため、液晶ディスプレイとは異なり、その駆動回路として画素回路を選択する選択用トランジスタと表示画像に応じた電荷を保持する保持容量と有機EL発光素子を駆動する駆動用トランジスタが最低限必要である(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、従来、アクティブマトリクス方式の有機EL表示装置の画素回路には、低温ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなる薄膜トランジスタが用いられていた。
【0005】
しかしながら、低温ポリシリコンの薄膜トランジスタは高移動度と閾値電圧安定性を得ることができるが、移動度の均一性に問題がある。また、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタは移動度均一性を得ることができるが、移動度の低さと閾値電圧の経時変動の問題がある。
【0006】
上記のような移動度の不均一性および閾値電圧の不安定性は表示画像のムラとなって現れる。そこで、たとえば特許文献2においては、画素回路内にダイオード接続方式の補償回路を設けた表示装置が提案されている。
【特許文献1】特開平8−234683号公報
【特許文献2】特開2003−255856号公報
【特許文献3】特開2002−278513号公報
【特許文献4】特開2005−284172号公報
【特許文献5】特開2007−310311号公報
【特許文献6】特開2004−252110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の補償回路を設けるようにしたのでは、画素回路が複雑化し、歩留まり低下によるコストアップ、開口率の低下を招くことになる。
【0008】
そこで、たとえば、特許文献3、特許文献4においては、画素回路が配置されたアクティブマトリクス基板外に画素回路列毎に電流計測器を設け、この電流計測器によって駆動用トランジスタの駆動電流を計測し、その計測した駆動電流値に基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧や移動度などの特性値を算出して記憶しておき、その特性値に基づいて補正データを駆動用トランジスタのゲート電圧として画素回路にプログラムすることで画素回路の単純化と駆動用トランジスタの特性補正とを両立する方法が提案されている。
【0009】
しかしながら、特許文献3および特許文献4に記載の方法では、非選択画素回路の有機EL発光素子の消灯電流が計測した駆動電流に混入し、正確な駆動電流を計測することができない。また、1つの画素回路の微小な駆動電流を測定するため電流計測精度に実用化上の問題がある。また、駆動電流の電流計測に時間を要するため補正データの取得と表示動作を両立することができず、リアルタイムでの補正データの更新が不可能である。
【0010】
一方、画素回路内での駆動用トランジスタの特性変動の補正としては、より単純な画素回路構成での補正方法が、たとえば、特許文献5において提案されている。
【0011】
特許文献5に記載の補正方法は、有機EL発光素子が有する寄生容量への充電動作を行なうことによって駆動用トランジスタの閾値電圧を検出した後、寄生容量の電圧変化を移動度μの偏差に置換し、駆動用トランジスタに供給されるゲート−ソース間電圧を自動修正するものである。
【0012】
しかしながら、特許文献5に記載の方法では、有機EL発光素子の寄生容量の偏差や、μ補正電流が画像データに応じて毎回異なることへ対応するために、データ信号の立ち上がりと立ち下りの傾き制御や、データ線の抵抗や容量などの影響を補正する必要がある。これは画素回路の単純化による弊害を複雑な駆動制御で補うことになり、駆動制御回路に多大な精度を要求することになり、表示装置全体でのコストアップになる。
【0013】
また、特許文献6においては、特許文献5に記載の方法のように有機EL発光素子の寄生容量に充電するのではなく、布線容量を使用してその布線容量の電圧を駆動回路で読み取り、駆動用トランジスタの特性の補正を行う方法が提案されている。
【0014】
しかしながら、特許文献6に記載の方法は、特許文献3および特許文献4に記載の方法の課題である微小電流の計測を簡単な電圧計測で実現することが可能であるが、共通電位線の布線容量を負荷容量として使用するため補正データの取得時間が長くなってしまう。
【0015】
本発明は、上記の事情に鑑み、駆動用トランジスタの特性偏差の補正の高精度化、表示動作と特性値の取得の両立、さらに画素回路と駆動制御の単純化を全て実現可能な表示装置およびその表示装置の駆動制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、その変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路については、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、その取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路については、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、その変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、上記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行については、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、上記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、上記一部の画素回路行以外の選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0021】
本発明の第6の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行については、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、上記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、上記一部の画素回路行以外の非選択画素回路行については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0022】
本発明の第1の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の第2の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明の第3の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路について第1の電流値と第2の電流値とを取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0025】
本発明の第4の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路について電流値を取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0026】
本発明の第5の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路行について第1の電流値と第2の電流値とを取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路行について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路行については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0027】
本発明の第6の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路行について電流値を取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路行について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路行については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0028】
また、上記本発明の第1から第6の表示装置においては、駆動用トランジスタに出力されるデータ信号に応じた大きさの逆バイアス電圧を駆動用トランジスタのゲート端子に供給する逆バイアス電圧出力部をさらに設けることができる。
【0029】
また、駆動用トランジスタを、閾値電圧が負電圧の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成することができる。
【0030】
また、駆動用トランジスタを、IGZO(InGaZnO)からなる薄膜トランジスタにより構成することができる。
【0031】
また、上記本発明の第3および第4の表示装置においては、電流値取得部により選択される一部の画素回路を、1つの表示画素に属する赤の発光素子を有する画素回路と緑の発光素子を有する画素回路と青の発光素子を有する画素回路とすることができる。
【0032】
また、上記本発明の第1から第6の表示装置においては、発光素子のカソード端子に、逆バイアス電圧印加期間と逆バイアス電圧印加期間以外の期間とで異なる電圧を供給する共通電極線を接続することができる。
【0033】
ここで、上記「駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷」としては、たとえば、発光素子の寄生容量、布線容量、ソース接続スイッチのゲート容量、または発光素子に並列に接続された補助容量などがある。
【発明の効果】
【0034】
本発明の第1から第6表示装置およびその駆動制御方法によれば、駆動用トランジスタのゲート端子に所定の電圧を供給するとともに、駆動用トランジスタのソース端子に計測用電圧を供給し、ソース端子の設定電圧の変化によって駆動用トランジスタに流れる電流値を取得するようにしたので、従来の微小電流を直接計測する方法と比較して簡単で安価な回路構成とすることができ、かつ短時間で高精度な計測をすることができる。
【0035】
したがって、通常の表示データ更新サイクル期間に駆動用トランジスタの特性値の取得動作を挿入することが可能となり、表示動作と並行して特性値の取得動作および補正動作を行うことができる。
【0036】
また、本発明の第3および第4の表示装置およびその駆動制御方法によれば、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路について特性値を取得するようにしたので、画素回路列毎に特性値取得部を設ける必要がなく、省スペースおよびコストダウンを図ることができる。
【0037】
また、本発明の第5および第6の表示装置およびその駆動制御方法によれば、1行目から最終行まで画素回路行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行について特性値を取得するようにしたので、たとえば、高精細パネルなど全画素回路行の走査時間が短い場合においても、一部の画素回路行については特性値を取得する時間を確保することができ、特性値を取得する画素回路行をフレーム毎に切り替えることによって全ての画素回路行についての特性値を取得することができる。
【0038】
また、本発明の第1から第6の表示装置において、駆動用トランジスタに出力されるデータ信号に応じた大きさの逆バイアス電圧を駆動用トランジスタのゲート端子に供給する逆バイアス電圧出力部をさらに設けるようにした場合には、駆動用トランジスタの電圧ストレスによる閾値電圧のシフトを適切に抑制することができる。
【0039】
また、上記のように駆動用トランジスタに逆バイアス電圧を供給するようにした場合、逆バイアス電圧として設定可能な最大の電圧は電源電圧であるため、高輝度表示の場合には逆バイアス電圧不足を生じてしまうおそれがある。
【0040】
そこで、駆動用トランジスタを、閾値電圧が負電圧の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成するようにした場合には、表示動作でのVgsとして正と負の両極性の電圧が印加されるため、逆バイアス電圧も正と負の両極性を持つこととなり、逆バイアス電圧の限界値による逆バイアス不足を低減することができる。
【0041】
また、発光素子のカソード端子に、逆バイアス電圧印加期間と逆バイアス電圧印加期間以外の期間とで異なる電圧を供給する共通電極線を接続するようにした場合には、逆バイアス電圧の印加による発光素子の誤発光を防止することができる。
【0042】
また、駆動用トランジスタを、IGZO(InGaZnO)からなる薄膜トランジスタにより構成するようにした場合には、IGZOからなる薄膜トランジスタの可逆性閾値電圧シフト特性を利用することができる。すなわち、IGZOからなる薄膜トランジスタもゲート電圧印加による電圧ストレスによってその閾値電圧がシフトするが、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタと異なりゼロバイアスを与えることで初期値に復帰する。この特性を利用することにより、たとえば、真っ黒の画面を表示している期間や電源オフ時などの非表示期間に閾値電圧を初期値に戻すことができるので、閾値電圧のシフトを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の概略構成図である。
【0044】
本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置は、図1に示すように、ソース駆動回路12から出力されたデータ信号に応じた電荷を保持するとともに、その保持した電荷量に応じた駆動電流を有機EL発光素子に流す画素回路11が2次元状に多数配列されたアクティブマトリクス基板10と、アクティブマトリクス基板10の各画素回路11にデータ信号を出力するソース駆動回路12と、アクティブマトリクス基板10の各画素回路11に走査信号を出力する走査駆動回路13と、ソース駆動回路12に画像データに応じた表示データと同期信号に基づくタイミング信号を出力するとともに、走査駆動回路13に同期信号に基づくタイミング信号を出力する制御部16とを備えている。
【0045】
そして、アクティブマトリクス基板10は、ソース駆動回路12から出力されたデータ信号を各画素回路列に供給する多数のデータ線14と、走査駆動回路13から出力された走査信号を各画素回路行に供給する多数の走査線15とを備えている。データ線14と走査線15とは直交して格子状に設けられている。そして、データ線14と走査線15との交差点近傍に画素回路11が設けられている。
【0046】
各画素回路11は、図2に示すように、有機EL発光素子11aと、有機EL発光素子11aのアノード端子にソース端子Sが接続され、有機EL発光素子11aに後述する駆動電流および検出電流を流す駆動用トランジスタ11bと、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gとソース端子Sとの間に接続された容量素子11cと、容量素子11cの一端および駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gとデータ線14との間に接続された選択用トランジスタ11dと、駆動用トランジスタ11bのソース端子Sとデータ線14との間に接続された計測用トランジスタ11eとを備えている。
【0047】
有機EL発光素子11aは、駆動用トランジスタ11bにより流された駆動電流により発光する発光部50と、発光部50の寄生容量51とを有している。そして、有機EL発光素子11aのカソード端子は接地電位に接続されている。
【0048】
駆動用トランジスタ11b、選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eは、N型の薄膜トランジスタから構成されている。そして、駆動用トランジスタ11bの薄膜トランジスタの種類としては、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタや無機酸化膜の薄膜トランジスタを用いることができる。無機酸化膜薄膜トランジスタとしては、たとえば、IGZO(InGaZnO)を材料とする無機酸化膜からなる薄膜トランジスタを利用することができるが、IGZOに限らず、その他IZO(InZnO)なども用いることができる。
【0049】
また、図2に示すように、駆動用トランジスタ11bのドレイン端子Dは所定の固定電圧Vddが供給されている。また、選択用トランジスタ11dの駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gに接続されていない方の端子には固定電圧VBが供給されている。固定電圧VBの大きさについては後で詳述する。
【0050】
走査駆動回路13は、制御部16から出力されたタイミング信号に基づいて、画素回路11の選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eをONするためのオン走査信号Vscan(on)とOFFするためのオフ走査信号Vscan(off)とを各走査線15に順次出力するものである。
【0051】
図3にソース駆動回路12の詳細な構成図を示す。なお、ソース駆動回路12は、図3に示す回路を多数備えたものであり、図3に示す回路はアクティブマトリクス基板10の各データ線14に接続されるものである。
【0052】
ソース駆動回路12は、図3に示すように、固定電圧源12aと、D/Aコンバータ12bと、第1の差動増幅器12cと、サンプルホールド回路12dと、第2の差動増幅器12eと、A/Dコンバータ12fと、演算部12gと、スイッチ素子12hとを備えている。
【0053】
固定電圧源12aは、第1の差動増幅器12cの非反転入力端子に固定電圧VBを供給するものである。なお、この固定電圧VBと上述した駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gに供給される固定電圧VBとは同じ電圧値である。これらは同一の電圧源から供給するようにしてもよいし、異なる電圧源から供給するようにしてもよい。
【0054】
D/Aコンバータ12bは、後述する第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧をアナログ信号に変換し、そのアナログ信号の第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧を第1の差動増幅器12cの反転入力端子に供給するものである。
【0055】
第1の差動増幅器12cは、D/Aコンバータ12bから出力された第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧と固定電圧VBとの差分に基づいて第1および第2の計測用ソース電圧を算出して出力するとともに、後述するD/Aコンバータ12bから出力された表示用ゲート−ソース間電圧と固定電圧VBとの差分に基づいて表示用ソース電圧を算出して出力するものである。
【0056】
サンプルホールド回路12dは、ハイインピーダンス入力であって、第1および第2の計測用ソース電圧を保持するものである。
【0057】
第2の差動増幅器12eは、サンプルホールド回路12dに保持された第1および第2の計測用ソース電圧と、第1および第2の計測用ソース電圧を駆動用トランジスタ11bのソース端子に供給していない時の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧との差分電圧を算出するものである。
【0058】
A/Dコンバータ12fは、第2の差動増幅器12eから出力された差分電圧をデジタル信号に変換するものである。
【0059】
スイッチ素子12hは、第1の差動増幅器12cとデータ線14との接続を切り替えるものであり、たとえば、薄膜トランジスタから構成することができる。
【0060】
演算部12gは、第2の差動増幅器12eから出力された差分電圧に基づいて駆動用トランジスタ11bの特性値を算出し、その特性値と制御部16から出力された表示データとに基づいて駆動用トランジスタ11bに供給される表示用ゲート−ソース間電圧を算出し、その表示用ゲート−ソース間電圧をD/Aコンバータ12bに出力するものである。
【0061】
図4に演算部12gの詳細な構成図を示す。演算部12gは、第1〜第5のレジスター部20a〜20eと、ΔVGS算出部20fと、MU算出部20gと、ΔVS/ID変換部20hと、Δ√ID算出部20iと、VTH算出部20jと、VGS算出部20kと、入出力部20lとを備えている。
【0062】
第1レジスター部20a、第2レジスター部20bは第1の計測用ゲート−ソース間電圧と第2の計測用ゲート−ソース間電圧とがそれぞれ予め設定されるものである。
【0063】
ΔVS/ID変換部20hは、A/Dコンバータ12fから出力された差分電圧を電流値に変換するものである。その変換方法については後述する。
【0064】
第5レジスター部20eは、ΔVS/ID変換部20hにおいて差分電圧を電流値に変換する際に用いられる変換係数が予め設定されるものである。
【0065】
第3レジスター部20cと第4レジスター部20dは、ΔVS/ID変換部20hにおいて変換された第1の電流値と第2の電流値とをそれぞれ保持するものである。
【0066】
Δ√ID算出部20iは、第3レジスター部20cに保持された第1の電流値と第4レジスター部20dに保持された第2の電流値とに基づいて電流変化量を算出するものである。
【0067】
ΔVGS算出部20fは、第1レジスター部20aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧と第2レジスター部20bに設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧との差分である差分ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0068】
MU算出部20gは、Δ√ID算出部20iにおいて算出された電流変化量と、ΔVGS算出部20fにおいて算出された差分ゲート−ソース間電圧とに基づいて、駆動用トランジスタ11bの移動度に応じた特性値を算出するものである。
【0069】
VTH算出部20jは、Δ√ID算出部20iにおいて算出された電流変化量と、ΔVGS算出部20fにおいて算出された差分ゲート−ソース間電圧とに基づいて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値を算出するものである。
【0070】
VGS算出部20kは、制御部16から出力された表示データとMU算出部20gにおいて算出された移動度に応じた特性値とVTH算出部20jにおいて算出された閾値電圧に応じた特性値とに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0071】
入出力部20lは、演算部12gとA/Dコンバータ12fとの間のデータの入出力を行うものである。
【0072】
次に、第1の実施形態の有機EL表示装置の動作について、図5に示すタイミングチャートおよび図6から図8を参照しながら説明する。なお、図5には、走査駆動回路13から出力される走査信号Vscan、ソース駆動回路12から出力されるデータ信号Vdata、駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg、ソース電圧Vsおよびゲート−ソース間電圧Vgsの電圧波形が示されている。
【0073】
本実施形態の有機EL表示装置においては、アクティブマトリクス基板10の各走査線15に接続された画素回路行が順次選択され、1行単位でその選択期間内に所定の動作が行なわれる。ここでは、選択された所定の画素回路行において選択期間内に行なわれる動作について説明する。
【0074】
まず、走査駆動回路13により所定の画素回路行が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される(図5における時刻t1)。
【0075】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0076】
そして、まず第1の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt1〜t2、図6参照)。具体的には、ソース駆動回路12の演算部12gの第1レジスター部20aに予め設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1がD/Aコンバータ12bに出力され、D/Aコンバータ12bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器12cに入力される。一方、固定電圧源12aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器12cに入力される。そして、第1の差動増幅器12cにおいて固定電圧VB(駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vgと同じ電圧)から第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1が減算され、第1の計測用ソース電圧Vs1が算出される。
【0077】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子12hがONし、第1の計測用ソース電圧Vs1がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0078】
そして、上記のような動作により画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs1、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg1に設定される。
【0079】
ここで、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧をVthとすると、Vgs1>Vthであれば駆動用トランジスタ11bには何らかの電流Id1が流れる状態である。さらに、有機EL発光素子11aの発光閾値電圧をVf0とすると、下式の条件を満たすように固定電圧VBを設定することによって、有機EL発光素子11aを発光させることなく、図6に示すように、駆動用トランジスタ11bに流れる電流Id1をデータ線14を介してソース駆動回路12に引き込むことができる。このとき容量素子11cと有機EL発光素子11aの寄生容量51に残った電荷が掃き出されてリセットされる。
【0080】
Vs1=VB−Vgs1<Vf0
VB<Vf0+Vgs1
VB=0とし、Vs<0とすれば確実に有機EL発光素子11aを発光させないようにすることができるが、プログラム動作完了後の発光移行時間が長くなってしまうため、VBはVf0に近い電圧とすることが好ましい。
【0081】
また、このときの駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs1はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路12dに入力されて保持される。
【0082】
次に、第1の電流値検出動作が行なわれる(図5のt2〜t3、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子12hがOFFし、第1の差動増幅器12cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0083】
そして、上述した第1の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id1は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs1から次第に上昇していく。
【0084】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器12eに入力される。そして、第2の差動増幅器12eは、サンプルホールド回路12dに保持された第1の計測用ソース電圧Vs1と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs1を算出し、その差分電圧ΔVs1をA/Dコンバータ12fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t2〜t3)が経過した時点において、A/Dコンバータ12fは入力された差分電圧ΔVs1をデジタル信号に変換し、差分データDVS1を取得する。
【0085】
ここで、第2の差動増幅器12eのゲインをKs、A/Dコンバータ12fの分解能をKaとすると差分電圧ΔVs1は下式を満たす値となる。
【0086】
DVS1=Ks×ΔVs1/Ka
そして、A/Dコンバータ12fから出力された差分データDVS1は、演算部12gのΔVS/ID変換部20hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部20hは、入力されたDVS1を第1の電流値Id1に変換する。具体的には、有機EL発光素子11aの寄生容量51の容量値をCd、寄生容量51の充電時間をTcとすると、第1の電流値Id1は下式を算出することによって求められる。
【0087】
Id1=Cd×ΔVs1×Tc=Cd×Tc×Ka×DVS1/Ks
ここで、上式におけるCd×Tc×Ka/Ksは変換係数として第5レジスター部20eに予め設定されており、ΔVS/ID変換部20hは、入力されたDVS1に対し、第5レジスター部20eに設定された変換係数を乗算することによって第1の電流値Id1を算出する。
【0088】
そして、ΔVS/ID変換部20hにおいて算出された第1の電流値Id1は第3レジスター部20cに出力されて保持される。
【0089】
なお、上記充電期間Tcは、第1の電流値Id1と寄生容量51の容量値CdとA/Dコンバータ12fの入力電圧範囲に基づいて適切に選択する必要がある。
【0090】
また、第5レジスター部20eに設定される変換係数には、寄生容量51の容量値Cdも含まれているため、各画素回路列毎の寄生容量51の偏差もここで補正される。
【0091】
次に、第2の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt3〜t4、図6参照)。具体的には、ソース駆動回路12の演算部12gの第2レジスター部20bに予め設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2がD/Aコンバータ12bに出力され、D/Aコンバータ12bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器12cに入力される。一方、固定電圧源12aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器12cに入力される。そして、第1の差動増幅器12cにおいて固定電圧VB(駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vgと同じ電圧)から第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2が減算され、第2の計測用ソース電圧Vs2が算出される。
【0092】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子12hがONし、第2の計測用ソース電圧Vs2がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0093】
そして、上記のような動作により画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs2、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg2に設定される。
【0094】
ここで、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧をVthとすると、Vgs2>Vthであれば駆動用トランジスタ11bには何らかの電流Id2が流れる状態である。また、第1の計測用ソース電圧設定動作において説明したのと同様に、固定電圧VBは下式を満たす大きさとする必要がある。
【0095】
VB<Vf0+Vgs2
そして、このときの駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs2はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路12dに入力されて保持される。
【0096】
なお、上述したVgs1とVgs2は、後述する特性値の精度を確保するためには低電流域を避けることが重要であり、駆動用トランジスタ11bの最大駆動電流と平均駆動電流に相当するVgsをVgs1、Vgs2とすることが好ましいが、Vgs1とVgs2の大小関係は特に問わない。
【0097】
次に、第2の電流値検出動作が行なわれる(図5のt4〜t5、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子12hがOFFし、第1の差動増幅器12cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0098】
そして、上述した第2の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id2は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs2から次第に上昇していく。
【0099】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器12eに入力される。そして、第2の差動増幅器12eは、サンプルホールド回路12dに保持された第2の計測用ソース電圧Vs2と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs2を算出し、その差分電圧ΔVs2をA/Dコンバータ12fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t4〜t5)が経過した時点において、A/Dコンバータ12fは入力された差分電圧ΔVs2をデジタル信号に変換し、差分データDVS2を取得する。
【0100】
そして、A/Dコンバータ12fから出力された差分データDVS2は、演算部12gのΔVS/ID変換部20hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部20hは、入力されたDVS2を第1の電流値Id2に変換する。具体的には、上述した第1の電流値検出動作と同様に、第5レジスター部20eに設定された変換係数を用いて、下式を算出することによって求められる。
【0101】
Id2=Cd×Tc×Ka×DVS2/Ks
そして、ΔVS/ID変換部20hにおいて算出された第2の電流値Id2は第4レジスター部20dに出力されて保持される。
【0102】
そして、次に特性値算出動作が行われる(図5のt5〜t6)。具体的には、第1レジスター部20aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1、第2レジスター部20bに設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2、第3レジスター部20cに設定された第1の電流値Id1、および第4のレジスター部20dに設定された第2の電流値Id2を用いて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUが算出される。
【0103】
まず、第1レジスター部20aに設定されたVgs1と第2レジスター部20bに設定されたVgs2とがΔVGS算出部20fに出力される。そして、ΔVGS算出部20fは、Vgs1からVgs2を減算して差分ゲート−ソース間電圧ΔVGSを算出する。
【0104】
一方、第3レジスター部20cに設定されたId1と第4レジスター部20dに設定されたId2とがΔ√ID算出部20iに出力される。そして、Δ√ID算出部20iは、下式を算出することによって電流変化量Δ√IDを算出する。
【0105】
Δ√ID=√Id1−√Id2
そして、ΔVGS算出部20fにおいて算出されたΔVGSとΔ√ID算出部20iにおいて算出されたΔ√IDとがMU算出部20gに入力され、MU算出部20gは、下式を算出することによって移動度に応じた特性値MUを取得する。
【0106】
MU=(Δ√ID)2/(ΔVGS)2
また、ΔVGSと、Δ√IDと、第1レジスター部20aに設定されたVgs1と、第3レジスター部20cに設定されたId1がVTH算出部20jに入力され、VTH算出部20jは下式を算出することによって閾値電圧に応じた特性値VTHを算出する。
【0107】
VTH=−b/a
a=Δ√ID/ΔVGS
b=√Id1−a×Vgs1
ここで、移動度に応じた特性値MUと閾値電圧に応じた特性値VTHを算出する上式の求め方を以下に説明する。
【0108】
まず、飽和領域の薄膜トランジスタの電流式より、
Id=(1/2)×μ×Cox×(W/L)×(Vgs−Vth)2
ただし、μは電子移動度、Coxは単位面積あたりのゲート酸化膜容量、Wはゲート幅、Lはゲート長
この式より、
(Vgs−Vth)2=Id/[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]
(Vgs−Vth)=√Id/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]
Vgs=√Id/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]+Vth
2点のVgsとIdの値より、
Vgs1=√Id1/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]+Vth
Vgs2=√Id2/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]+Vth
(Vgs1−Vgs2)=[√Id1−√Id2]/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]
√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]=[√Id1−√Id2]/(Vgs1−Vgs2)
(1/2)×μ×Cox×(W/L)=[√Id1−√Id2]2/(Vgs1−Vgs2)2
(1/2)×μ×Cox×(W/L)=[ΔId]2/(ΔVGS)2
ここで、補正に必要な駆動用トランジスタのゲイン特性は移動度μではなく、移動度に応じた特性値MU=(1/2)×μ×Cox×(W/L)である。したがって、
MU=(1/2)×μ×Cox×(W/L)=[ΔId]2/(ΔVGS)2
となる。
【0109】
また、閾値電圧に応じた特性値VTHは、√Id−Vgs曲線のX軸接辺であるため、
a=Δ√Id/ΔVgs
b=√Id1−a×Vgs1
VTH=−b/a
として求まる。
【0110】
なお、上述した特性値算出動作の間(図5のt5〜t6)は、駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsは、第2の電流値検出動作の時の状態と同じ状態でも動作上支障はないが、有機EL発光素子11aの誤発光動作を防止するためには、ソース駆動回路12のスイッチ素子12hをONし、ソース電圧VsをVs2などに固定することが好ましい。
【0111】
そして、次に表示用ゲート−ソース間電圧設定動作が行なわれる(図5のt5〜t6)。具体的には、制御部16から出力された表示データと、MU算出部20gにおいて算出された特性値MUと、VTH算出部20jにおいて算出された特性値VTHがVGS算出部20kに入力される。そして、VGS算出部20kにおいて、下式に基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。なお、Idnは表示データである。
【0112】
Idn=MU×(Vgsn−VTH)2
(Vgsn−VTH)2=Idn/MU
Vgsn−VTH=√(Idn/MU)
Vgsn=√(Idn/MU)+VTH
そして、VGS算出部20kにおいて算出されたVgsnはD/Aコンバータ12bに入力され、アナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器12cの反転入力端子に入力される。そして、第1の差動増幅器12cにおいて、固定電圧VBが加算されてVsnに変換される。そして、スイッチ素子12hがONし、Vsnがデータ線14に出力される。
【0113】
上記のような動作により駆動用トランジスタ11bには、ゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vsn、Vgs=Vgsnが設定される。
【0114】
そして、次に発光動作が行なわれる(図5のt7以降、図8参照)。具体的には、走査駆動回路13から各走査線15にオフ走査信号が出力される(図5における時刻t7)。そして、図8に示すように、走査駆動回路13から出力されたオフ走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがOFFし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが切り離されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが切り離される。
【0115】
そして、駆動用トランジスタ11bのゲート−ソース間電圧VgsがVgsnとなり、駆動用トランジスタ11bのドレイン−ソース間には、下式のTFT電流式に従った駆動電流Idnが流れる。
【0116】
Idn=μ×Cox×(W/L)×(Vgsn−Vth)2
ただし、μは電子移動度、Coxは単位面積あたりのゲート酸化膜容量、Wはゲート幅、Lはゲート長である。
【0117】
この駆動電流Idnにより有機EL発光素子11aの寄生容量51が充電され、駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇するが、ゲート−ソース間電圧Vgsnは、容量素子11cの保持電圧Vgsnにより保持されたままなので、やがてソース電圧Vsは有機EL発光素子11aの発光閾値電圧Vf0を超え、有機EL発光素子11aの発光部50において定電流での発光動作が行なわれる。
【0118】
そして、走査駆動回路13により順次所定の画素回路行が選択され、各画素回路行について上記第1の計測用ソース電圧設定動作から発光動作までの動作が実施され、所望の表示画像が表示される。
【0119】
また、上記第1の実施形態の有機EL表示装置においては、第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1,Vgs2を供給し、第1および第2の電流値Id1,Id2を検出し、これらを使用して閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUとの両方を算出するようにしたが、第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1のみを供給して第1の電流値Id1を検出し、これらに基づいて閾値電圧に応じた特性値VTHおよび移動度に応じた特性値MUのうちのいずれか一方のみを算出するようにしてもよい。この場合、算出対象でない方の特性値は予め設定された固定値となる。
【0120】
たとえば、閾値電圧に応じた特性値VTHを固定値とし、移動度に応じた特性値MUのみを算出する場合には、ソース駆動回路12内の演算部は、図9に示すような構成とすることができる。すなわち、演算部30は、第1〜第4レジスター部30a〜30dと、MU算出部30eと、ΔVS/ID変換部30hと、VGS算出部30fと、入出力部30gとから構成される。
【0121】
第1レジスター部30aは第1の計測用ゲート−ソース間電圧が予め設定されるものである。
【0122】
第2レジスター部30bは閾値電圧に応じた特性値の固定値が予め設定されるものである。
【0123】
ΔVS/ID変換部30hは、A/Dコンバータ12fから出力された差分電圧を電流値に変換するものである。
【0124】
第4レジスター部30dは、ΔVS/ID変換部30hにおいて差分電圧を電流値に変換する際に用いられる変換係数が予め設定されるものである。
【0125】
第3レジスター部30cは、ΔVS/ID変換部30hにおいて変換された電流値Id1を保持するものである。
【0126】
MU算出部30eは、第3レジスター部30cに保持された第1の電流値Id1と、第1レジスター部30aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1と、第2レジスター部30bに設定された閾値電圧に応じた特性値VTHとに基づいて、駆動用トランジスタ11bの移動度に応じた特性値を算出するものである。
【0127】
VGS算出部30fは、制御部16から出力された表示データとMU算出部30eにおいて算出された移動度に応じた特性値と第2レジスター部30bに設定された閾値電圧に応じた特性値とに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0128】
上記のような構成の演算部30を備えた表示装置の作用については、第1の計測用ソース電圧設定動作から第1の電流値検出動作までは上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0129】
そして、特性値算出動作においては、第1レジスター部30aに設定されたVgs1と第2レジスター部30bに設定された閾値電圧に応じた特性値VTHと第3レジスター部30cに保持された第1の電流値Id1とがMU算出部30eに入力され、MU算出部30eは、下式を算出することによって移動度に応じた特性値MUを取得する。
【0130】
MU=Id1/(Vgs1−VTH)2
そして、次に、制御部16から出力された表示データと、MU算出部30eにおいて算出された特性値MUと、第2レジスター部30bから読み出された特性値VTHがVGS算出部30fに入力される。そして、VGS算出部30fにおいて、下式に基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。なお、Idnは表示データである。
【0131】
Vgsn=√(Idn/MU)+VTH
表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出された後の動作については、上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0132】
また、移動度に応じた特性値MUを固定値とし、閾値電圧に応じた特性値VTHのみを算出する場合には、ソース駆動回路12内の演算部は、図10に示すような構成とすることができる。すなわち、演算部40は、第1〜第4レジスター部40a〜40dと、VTH算出部40eと、ΔVS/ID変換部40hと、VGS算出部40fと、入出力部40gとから構成される。
【0133】
第1レジスター部40aは第1の計測用ゲート−ソース間電圧が予め設定されるものである。
【0134】
第2レジスター部40bは移動度に応じた特性値の固定値が予め設定されるものである。
【0135】
ΔVS/ID変換部40h、第3および4レジスター部40c,40dについては、図9に示すものと同じである。
【0136】
VTH算出部40eは、第3レジスター部40cに保持された第1の電流値Id1と、第1レジスター部40aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1と、第2レジスター部40bに設定された移動度に応じた特性値MUとに基づいて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値を算出するものである。
【0137】
VGS算出部40fは、制御部16から出力された表示データとVTH算出部40eにおいて算出された閾値電圧に応じた特性値と第2レジスター部40bに設定された移動度に応じた特性値とに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0138】
上記のような構成の演算部40を備えた表示装置の作用については、第1の計測用ソース電圧設定動作から第1の電流値検出動作までは上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0139】
そして、特性値算出動作においては、第1レジスター部40aに設定されたVgs1と第2レジスター部40bに設定された移動度に応じた特性値MUと第3レジスター部40cに保持された第1の電流値Id1とがVTH算出部40eに入力され、VTH算出部40eは、下式を算出することによって閾値電圧に応じた特性値VTHを取得する。
【0140】
VTH=Vgs1−√(Id1/MU)
そして、次に、制御部16から出力された表示データと、VTH算出部40eにおいて算出された特性値VTHと、第2レジスター部40bから読み出された特性値MUがVGS算出部40fに入力される。そして、VGS算出部40fにおいて、下式に基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。なお、Idnは表示データである。
【0141】
Vgsn=√(Idn/MU)+VTH
表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出された後の動作については、上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0142】
次に、本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置について説明する。
【0143】
第1の実施形態の有機EL表示装置においては、各画素回路行のプログラム動作期間において、画素回路行の全ての画素回路11について第1の電流値Id1と第2の電流値Id2とを計測して特性値を算出することによって、全ての画素回路11の特性値を記憶するメモリを設置していないが、駆動用トランジスタ11bの特性は瞬時に変動することはなく、必ずしも画素回路行の全ての画素回路11についてプログラム動作毎に特性値を算出して更新しなくても特に問題はないと考えられる。
【0144】
そこで、第2の実施形態の有機EL表示装置においては、画素回路行の1回のプログラム動作期間において、画素回路行の一部の画素回路11についてのみ特性値を算出して更新し、その一部の画素回路11以外の画素回路については、前のプログラム動作期間において更新した特性値を利用するようにしている。
【0145】
図11に第2の実施形態の有機EL表示装置の概略構成図を示す。
【0146】
第2の実施形態の有機EL表示装置においては、図11に示すように、制御部16に全画素回路の特性値を記憶する特性値メモリ17がさらに付加されている。そして、第1の実施形態の有機EL表示装置においては、ソース駆動回路12内に演算部12gを画素回路列(データ線14の数)の数だけ設けるようにしていたが、第2の実施形態の有機EL表示装置においては、R(赤)の画素回路11の特性値を演算するR演算部22と、G(緑)の画素回路11の特性値を演算するG演算部23と、B(緑)の画素回路11の特性値を演算するB演算部22との3つの演算部のみを設けるようにしている。その他画素回路などの構成については、第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるので、異なる構成を中心に説明する。なお、アクティブマトリクス基板10においては、図12に示すように、走査方向(データ線14が延びる方向)に直交する方向(走査線15が延びる方向)に、Rの画素回路11、Gの画素回路11、Bの画素回路11がこの順に繰り返して配置されている。
【0147】
図13に第2の実施形態の有機EL表示装置のソース駆動回路21の詳細な構成図を示す。なお、ソース駆動回路21は、図13に示す回路を多数備えたものであり、図13に示す回路はアクティブマトリクス基板10の各データ線14に接続されるものである。
【0148】
ソース駆動回路21は、図13に示すように、固定電圧源21aと、D/Aコンバータ21bと、第1の差動増幅器21cと、サンプルホールド回路21dと、第2の差動増幅器21eと、A/Dコンバータ21fと、MU用レジスター部21gと、VTH用レジスター部21hと、VGS算出部21iと、入出力部21jと、スイッチ素子21kとを備えている。
【0149】
固定電圧源21a、D/Aコンバータ21b、第1の差動増幅器21c、サンプルホールド回路21d、第2の差動増幅器21e、A/Dコンバータ21f、およびスイッチ素子21kについては、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0150】
MU用レジスター部21gは、R演算部22、G演算部23およびB演算部24において算出された特性値MUまたは特性値メモリ17から読み出された特性値MUを保持するものである。
【0151】
VTH用レジスター部21hは、R演算部22、G演算部23およびB演算部24において算出された特性値VTHまたは特性値メモリ17から読み出された特性値VTHを保持するものである。
【0152】
VGS算出部21iは、表示用データと特性値MUと特性値VTHに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnを算出するものである。
【0153】
R演算部22は、ソース駆動回路21の第2の差動増幅器21eから出力された差分電圧に基づいて駆動用トランジスタ11bの特性値を算出し、その特性値を制御部16およびソース駆動回路21に出力するものである。
【0154】
図14にR演算部22の詳細な構成図を示す。R演算部22は、第1〜第5のレジスター部22a〜22eと、ΔVGS算出部22fと、MU算出部22gと、ΔVS/ID変換部22hと、Δ√ID算出部20iと、VTH算出部20jとを備えている。これらについては上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0155】
また、G演算部23およびB演算部24についてもその構成はR演算部22と同様である。
【0156】
次に、第2の実施形態の有機EL表示装置の動作について説明する。なお、タイミングチャートおよび画素回路内の動作については、第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるため、図5および図6から図8を参照しながら説明する。
【0157】
まず、走査駆動回路13により所定の画素回路行が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される(図5における時刻t1)。
【0158】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0159】
そして、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様に、第1の計測用ソース電圧の設定、第1の電流値の検出、第2の計測用ソース電圧の設定、第2の電流値の検出、および特性値の算出が行われるが、上記第1の実施形態の有機EL表示装置においては、選択された画素回路行の全ての画素回路11について上記動作を行うようにしたが、本実施形態においては、選択された画素回路行のうちのRの画素回路11、Gの画素回路11およびBの画素回路11の3つの画素回路について上記動作を行う。まずは、選択された画素回路行のうちの一番左に配置されたRの画素回路11、Gの画素回路11およびBの画素回路11について上記動作を行う。
【0160】
まず第1の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt1〜t2、図6参照)。具体的には、R演算部22の第1レジスター部22aに予め設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1がソース駆動回路21のD/Aコンバータ21bに出力され、D/Aコンバータ21bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器21cに入力される。一方、固定電圧源21aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器21cに入力される。そして、第1の差動増幅器21cにおいて固定電圧VBから第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1が減算され、第1の計測用ソース電圧Vs1が算出される。
【0161】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子21kがONし、第1の計測用ソース電圧Vs1がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0162】
そして、上記のような動作によりRの画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs1、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg1に設定される。
【0163】
そして、これにより駆動用トランジスタ11bに電流Id1が流れ、その電流Id1をデータ線14を介してソース駆動回路21に引き込む。このとき容量素子11cと有機EL発光素子11aの寄生容量51に残った電荷が掃き出されてリセットされる。
【0164】
また、このときのRの画素回路の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs1はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路21dに入力されて保持される。
【0165】
次に、第1の電流値検出動作が行なわれる(図5のt2〜t3、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子21kがOFFし、第1の差動増幅器21cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0166】
そして、上述した第1の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id1は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs1から次第に上昇していく。
【0167】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器21eに入力される。そして、第2の差動増幅器21eは、サンプルホールド回路21dに保持された第1の計測用ソース電圧Vs1と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs1を算出し、その差分電圧ΔVs1をA/Dコンバータ21fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t2〜t3)が経過した時点において、A/Dコンバータ21fは入力された差分電圧ΔVs1をデジタル信号に変換し、差分データDVS1を取得する。
【0168】
そして、A/Dコンバータ21fから出力された差分データDVS1は、R演算部22のΔVS/ID変換部22hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部22hは、入力されたDVS1に対し、第5レジスター部22eに設定された変換係数を乗算することによって第1の電流値Id1を算出する。
【0169】
そして、ΔVS/ID変換部22hにおいて算出された第1の電流値Id1は第3レジスター部22cに出力されて保持される。
【0170】
次に第2の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt3〜t4、図6参照)。具体的には、R演算部22の第2レジスター部22bに予め設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2がソース駆動回路21のD/Aコンバータ21bに出力され、D/Aコンバータ21bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器21cに入力される。一方、固定電圧源21aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器21cに入力される。そして、第1の差動増幅器21cにおいて固定電圧VBから第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2が減算され、第2の計測用ソース電圧Vs2が算出される。
【0171】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子21kがONし、第2の計測用ソース電圧Vs2がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0172】
そして、上記のような動作によりRの画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs2、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg2に設定される。
【0173】
そして、これにより駆動用トランジスタ11bに電流Id2が流れ、その電流Id2をデータ線14を介してソース駆動回路21に引き込む。このとき容量素子11cと有機EL発光素子11aの寄生容量51に残った電荷が掃き出されてリセットされる。
【0174】
また、このときのRの画素回路の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs2はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路21dに入力されて保持される。
【0175】
次に、第2の電流値検出動作が行なわれる(図5のt4〜t5、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子21kがOFFし、第1の差動増幅器21cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0176】
そして、上述した第2の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id2は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs1から次第に上昇していく。
【0177】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器21eに入力される。そして、第2の差動増幅器21eは、サンプルホールド回路21dに保持された第2の計測用ソース電圧Vs2と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs2を算出し、その差分電圧ΔVs2をA/Dコンバータ21fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t2〜t3)が経過した時点において、A/Dコンバータ21fは入力された差分電圧ΔVs2をデジタル信号に変換し、差分データDVS2を取得する。
【0178】
そして、A/Dコンバータ21fから出力された差分データDVS2は、R演算部22のΔVS/ID変換部22hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部22hは、入力されたDVS2に対し、第5レジスター部22eに設定された変換係数を乗算することによって第2の電流値Id2を算出する。
【0179】
そして、ΔVS/ID変換部22hにおいて算出された第2の電流値Id2は第4レジスター部22dに出力されて保持される。
【0180】
そして、次に特性値算出動作が行われる(図5のt5〜t6)。具体的には、第1レジスター部22aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1、第2レジスター部22bに設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2、第3レジスター部22cに設定された第1の電流値Id1、および第4のレジスター部22dに設定された第2の電流値Id2を用いて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUが算出される。
【0181】
まず、第1レジスター部22aに設定されたVgs1と第2レジスター部22bに設定されたVgs2とがΔVGS算出部22fに出力される。そして、ΔVGS算出部22fは、Vgs1からVgs2を減算して差分ゲート−ソース間電圧ΔVGSを算出する。
【0182】
一方、第3レジスター部22cに設定されたId1と第4レジスター部22dに設定されたId2とがΔ√ID算出部22iに出力される。そして、Δ√ID算出部22iは電流変化量Δ√IDを算出する。
【0183】
そして、ΔVGS算出部22fにおいて算出されたΔVGSとΔ√ID算出部22iにおいて算出されたΔ√IDとがMU算出部22gに入力され、MU算出部22gはΔVGSとΔ√IDとに基づいて移動度に応じた特性値MUを算出される。
【0184】
また、ΔVGSと、Δ√IDと、第1レジスター部22aに設定されたVgs1と、第3レジスター部22cに設定されたId1がVTH算出部22jに入力され、VTH算出部22jは、ΔVGSとΔ√IDとVgs1とId1とに基づいて閾値電圧に応じた特性値VTHを算出する。
【0185】
そして、上記のようにして算出されたRの画素回路11についての特性値MUと特性値VTHは、制御部16とRの画素回路11のソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、Rの画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、Rの画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0186】
そして、上記と同様にして、Gの画素回路11についても、G演算部23において特性値MUと特性値VTHとが算出される。そして、Gの画素回路11についての特性値MUと特性値VTHは、制御部16とGの画素回路11のソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、Gの画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、Gの画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0187】
また、Bの画素回路11についても、B演算部24において特性値MUと特性値VTHとが算出される。そして、Bの画素回路11についての特性値MUと特性値VTHは、制御部16とBの画素回路11のソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、Bの画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、Bの画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0188】
また、上記のようにして特性値を算出したR、G、Bの3つの画素回路以外の画素回路11については、制御部16により特性値メモリ17から各画素回路11に対応する特性値MUと特性値VTHが読み出され、各画素回路11のソース駆動回路21に入力される。そして、各画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0189】
そして、次に表示用ゲート−ソース間電圧設定動作が行なわれる(図5のt5〜t6)。なお、表示用ゲート−ソース間電圧設定動作については、選択された画素回路行の全ての画素回路11について行われる。
【0190】
具体的には、制御部16から出力された表示データと、MU用レジスター部21gに保持された特性値MUと、VTH用レジスター部21hに保持された特性値VTHがVGS算出部21iに入力される。そして、VGS算出部21iにおいて、表示用データと特性値MUと特性値VTHに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。
【0191】
そして、VGS算出部21iにおいて算出されたVgsnはD/Aコンバータ21bに入力され、アナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器21cに反転入力端子に入力される。そして、第1の差動増幅器21cにおいて、固定電圧VBが加算されてVsnに変換される。そして、スイッチ素子21kがONし、Vsnがデータ線14に出力される。
【0192】
上記のような動作により駆動用トランジスタ11bは、ゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vsn、Vgs=Vgsnが設定される。
【0193】
そして、次に発光動作が行なわれる(図5のt7以降、図8参照)。具体的には、走査駆動回路13から各走査線15にオフ走査信号が出力される(図5における時刻t7)。そして、図8に示すように、走査駆動回路13から出力されたオフ走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがOFFし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが切り離されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが切り離される。
【0194】
そして、駆動用トランジスタ11bのゲート−ソース間電圧VgsがVgsnとなり、駆動用トランジスタ11bのドレイン−ソース間には駆動電流Idnが流れる。
【0195】
この駆動電流Idnにより有機EL発光素子11aの寄生容量51が充電され、駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇するが、ゲート−ソース間電圧Vgsnは、容量素子11cの保持電圧Vgsnにより保持されたままなので、やがてソース電圧Vsは有機EL発光素子11aの発光閾値電圧Vf0を超え、有機EL発光素子11aの発光部50において定電流での発光動作が行なわれる。
【0196】
そして、走査駆動回路13により順次所定の画素回路行が最終行まで選択され、各画素回路行について上記第1の計測用ソース電圧設定動作から発光動作までの動作が実施され、第1フレームの表示画像が表示される。
【0197】
そして、次に第2フレームの表示画像を表示する際にも、走査駆動回路13により順次所定の画素回路行が選択され、各画素回路行について上記第1の計測用ソース電圧設定動作から発光動作までの動作が実施されるが、このとき特性値を算出する対象の画素回路が変わる。
【0198】
具体的には、第1フレームの表示画像の表示の際には、選択された画素回路行のうち一番左に配置されたR、G、Bの画素回路について特性値を算出し、特性値メモリ17の特性値を更新するようにしたが、第2フレームの表示画像を表示する際には、第1フレームの表示画像の表示の際における特性値算出対象のR、G、Bの画素回路の右側に隣接するR、G、Bの画素回路が特性値算出対象の画素回路として選択される。
【0199】
そして、さらに第3フレームの表示画像の表示の際には、第2フレームの表示画像の表示の際における特性値算出対象のR、G、Bの画素回路の右側に隣接するR、G、Bの画素回路が特性値算出対象の画素回路として選択される。
【0200】
上記のようにしてフレームが変わる毎に特性値算出対象のR、G、Bの画素回路が順次右側にシフトする。これにより、画素回路行の全ての画素回路数/3に相当するフレーム数を表示した時点で全ての画素回路について特性値メモリ17の特性値を更新したことになる。たとえば、フレームレートが60Hzで表示画素数(ここではR、G、Bの3つの画素回路を1つの表示画素とする)が640×480のVGAの場合には、特性値更新レートは640フレーム=10.7秒となり、駆動用トランジスタの特性の変動速度と比較すると十分だといえる。
【0201】
また、上記第2の実施形態の表示装置においては、特性値を算出する対象となる画素回路列をフレーム毎に順次切り替えるようにしたが、特性値を算出する対象となる画素回路行をフレーム毎に順次切り替えるようにしてもよい。
【0202】
この場合の概略構成を図15に示す。図15に示すように、上記第2の実施形態とは演算部の構成が異なる。具体的には、第2の実施形態においては、R演算部とG演算部とB演算部との3つの演算部のみを設けるようにしたが、特性値を算出する対象となる画素回路行をフレーム毎に順次切り替える場合には、演算部26は、図14に示した構成のものが各画素回路列(データ線14)毎に設けられることになる。その他の構成については上記第2の実施形態と同様である。
【0203】
図15に示す有機EL表示装置の動作について説明する。なお、タイミングチャートおよび画素回路内の動作については、第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるため、図5および図6から図8を参照しながら説明する。
【0204】
まず、走査駆動回路13により1行目の画素回路行(図15に示す一番上の画素回路行)が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される(図5における時刻t1)。
【0205】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0206】
そして、上記第2の実施形態の有機EL表示装置と同様に、第1の計測用ソース電圧の設定、第1の電流値の検出、第2の計測用ソース電圧の設定、第2の電流値の検出、および特性値の算出が行われるが、図15に示す有機EL表示装置においては、1行目から最終行までの画素回路行のうち1つの画素回路行について上記動作を行う。まずは、1行目の画素回路行(図15に示す一番上の画素回路行)の各画素回路について上記動作を行う。上記動作の詳細については上記第2の実施形態と同様である。
【0207】
そして、1行目の画素回路行の各画素回路について、特性値MUと特性値VTHとがそれぞれ算出され、各画素回路の特性値MUと特性値VTHは、制御部16とソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、1行目の画素回路行の各画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、ソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0208】
そして、1行目の画素回路行について、表示用ゲート−ソース間電圧設定動作および発光動作が行われるが、これらの動作については上記第2の実施形態と同様である。
【0209】
そして、次に、走査駆動回路13により2行目の画素回路行(図15の上から2番目の画素回路行)が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される。
【0210】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0211】
そして、2行目の画素回路行については、第1の計測用ソース電圧の設定、第1の電流値の検出、第2の計測用ソース電圧の設定、第2の電流値の検出、および特性値の算出の動作が行われない。つまり、2行目の画素回路行の各画素回路については、特性値メモリ17の特性値が更新されない。そして、前回、特性値の算出対象として選択された時に特性値メモリ17に記憶された特性値MUと特性値VTHとが読み出され、ソース駆動回路21のMU用レジスター部21gとVTH用レジスター部21hとにそれぞれ保持される。
【0212】
そして、2行目の画素回路行について表示用ゲート−ソース間電圧設定動作および発光動作が行われる。これらの動作については1行目の画素回路行と同様である。
【0213】
そして、走査駆動回路13により3行目から最終行までの画素回路行が順次選択され、上述した2行目の画素回路行と同じ動作が行われ、第1フレームの表示画像が表示される。
【0214】
そして、次に第2フレームの表示画像を表示する際には、特性値の算出対象の画素回路行が1行目の画素回路行から2行目の画素回路行に切り替えられる。すなわち、1行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における2行目以降の画素回路行と同じ動作が行われ、2行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における1行目の画素回路行と同じ動作が行われる。
【0215】
そして、さらに第3フレームの表示画像を表示する際には、特性値の算出対象の画素回路行が2行目の画素回路行から3行目の画素回路行に切り替えられる。すなわち、1行目と2行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における2行目以降の画素回路行と同じ動作が行われ、3行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における1行目の画素回路行と同じ動作が行われる。
【0216】
上記のようにしてフレームが変わる毎に特性値算出対象の画素回路行が順次にシフトする。これにより、画素回路行の数に相当するフレーム数を表示した時点で全ての画素回路について特性値メモリ17の特性値を更新したことになる。たとえば、フレームレートが60Hzで表示画素数(ここではR、G、Bの3つの画素回路を1つの表示画素とする)が640×480のVGAの場合には、特性値更新レートは480フレーム=8秒となり、駆動用トランジスタの特性の変動速度と比較すると十分だといえる。
【0217】
上記のように1行目から最終行まで画素回路行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行について特性値を取得するようにすれば、たとえば、高精細パネルなど全画素回路行の走査時間が短い場合においても、一部の画素回路行については特性値を取得する時間を確保することができ、特性値を取得する画素回路行をフレーム毎に切り替えることによって全ての画素回路行についての特性値を取得することができる。
【0218】
また、上記ように特性値を算出する対象となる画素回路列または画素回路行をフレーム毎に順次切り替える場合においても、必ずしも閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUとの両方を算出しなくてもよく、第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1のみを供給して第1の電流値Id1を検出し、これらに基づいて閾値電圧に応じた特性値VTHおよび移動度に応じた特性値MUのうちのいずれか一方のみを算出するようにしてもよい。
【0219】
ここで、上記第1および第2の実施形態の有機EL表示装置においては、上述したように駆動用トランジスタとしてN型薄膜トランジスタを用いる必要があり、そのN型の薄膜トランジスタとしてはアモルファスシリコンの薄膜トランジスタを用いることできる。
【0220】
しかしながら、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタは、ゲート電圧印加による電圧ストレスによってその閾値電圧がシフトする特徴を有する。
【0221】
上記第1および第2の実施形態の有機EL表示装置においては、駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vgを固定電圧VBとしてソース電圧を変更することによって駆動用トランジスタ11bに流れる電流値を検出するため、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧のシフトが大きいと電流値を検出する際に設定されるソース電圧がより低い電圧となる。このため長期的な閾値電圧シフトを見越した大きな負の電源電圧が必要となる。したがって、省電力の面からは駆動用トランジスタ11bの閾値電圧のシフトを抑制することが望ましい。
【0222】
たとえば、特開2006−227237号公報(以下、特許文献7という)においては、駆動用トランジスタのゲート端子に逆バイアス電圧を印加することで閾値電圧のシフトを抑制する方法が提案されている。
【0223】
しかしながら、表示動作時に駆動用トランジスタのゲート端子に印加されるゲート電圧の大きさは表示画像に依存するものであり、このゲート電圧の大きさによって駆動用トランジスタの閾値電圧のシフト量も変化する。これに対し、特許文献7において行なわれる逆バイアスの期間および逆バイアス電圧の大きさは全画素共通であるため、個々の駆動用トランジスタの閾値電圧の偏差や表示画像による閾値電圧のシフト量の変化に対応することができない。そして、逆バイアス不足によって駆動用トランジスタの閾値電圧のシフトが始まると加速度的に閾値電圧がシフトしてしまう。すなわち、特許文献7に記載の方法では、長期間にわたって表示画像を更新する場合において駆動用トランジスタの閾値電圧のシフトを抑制することは困難である。
【0224】
次に、上記のような駆動用トランジスタの閾値電圧のシフトを適切に抑制することができる本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置について説明する。第3の実施形態の有機EL表示装置は、上記第1の実施形態の有機EL表示装置において、さらに駆動用トランジスタ11bに表示画像に応じた逆バイアス電圧を施すようにしたものである。
【0225】
第3の実施形態の有機EL表示装置の画素回路の構成を図16に示す。図16に示すように、第3の実施形態の有機EL表示装置の画素回路の有機EL発光素子11aのカソード端子には共通電極線18が接続されている。その他の画素回路の構成は第1の有機EL表示装置と同様である。
【0226】
第3の実施形態の有機EL表示装置のソース駆動回路25は、図17に示すように、固定電圧源25aと、D/Aコンバータ25bと、第1の差動増幅器25cと、サンプルホールド回路21hと、第2の差動増幅器25gと、A/Dコンバータ25fと、演算部25iと、第1のスイッチ素子25jと、増幅器25dと、第3の差動増幅器25eと、第2のスイッチ素子21kとを備えている。
【0227】
固定電圧源25a、D/Aコンバータ25b、第1の差動増幅器25c、サンプルホールド回路21h、第2の差動増幅器25g、A/Dコンバータ25f、演算部25i、および第1のスイッチ素子25jについては、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0228】
増幅器25dは、演算部25iのVGS算出部20kにおいて算出された表示用ゲート−ソース間電圧VgsnをKr倍して出力するものである。
【0229】
第3の差動増幅器25eは、増幅器25dから出力されたKr×VgsnにVBを加算して逆バイアス電圧Vrvを算出し、その逆バイアス電圧をデータ線14に出力するものである。
【0230】
第2のスイッチ素子25kは、制御部16から出力された同期信号に基づくタイミング信号に応じて第3の差動増幅器25eとデータ線14との接続を切り替えるものである。
【0231】
その他の構成については第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0232】
次に、第3の実施形態の有機EL表示装置の動作について、図18に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、図18には、走査駆動回路13から出力される走査信号Vscan、ソース駆動回路12から出力されるデータ信号Vdata、駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg、ソース電圧Vsおよびゲート−ソース間電圧Vgsの電圧波形が示されている。
【0233】
図18のタイミングチャートに示すように、第3の実施形態の有機EL表示装置においては、特性値算出動作(図18におけるt5〜t6)と表示用ゲート−ソース間電圧設定動作(図18におけるt7〜t8)との間に、逆バイアス電圧印加動作(図18におけるt6〜t7)が行われる。その他の動作については、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるため、この逆バイアス電圧印加動作についてのみ説明する。
【0234】
逆バイアス電圧印加動作は、具体的には、特性値算出動作の後、制御部16から出力された表示データと、MU算出部20gにおいて算出された特性値MUと、VTH算出部20jにおいて算出された特性値VTHがVGS算出部20kに入力され、VGS算出部20kにおいて、表示データと特性値MUと特性値VTHとに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。
【0235】
そして、VGS算出部20kにおいて算出されたVgsnはD/Aコンバータ25bに入力され、D/Aコンバータ25bにおいてアナログ信号の変換された後、増幅器25dに入力される。そして、増幅器25dにおいてVgsnがKr倍され、Kr×Vgsnが第3の差動増幅器25eに反転入力端子に入力される。そして、第3の差動増幅器25eにおいてKr×Vgsnに固定電圧VBが加算されて、下式で表わされる逆バイアス電圧Vrvが算出される。
【0236】
Vrv=K×Vgsn+VB
そして、第2のスイッチ素子25kがONし、第3の差動増幅器25eからデータ線14に逆バイアス電圧Vrvが出力され、画素回路11の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sに印加される。これは発光動作で設定される正バイアスVgsnの−Kr倍の電圧を駆動用トランジスタ11bのゲート−ソース間に印加することになり、閾値電圧のシフトの抑制効果を大幅に改善することができる。
【0237】
なお、上記逆バイアス電圧印加期間においては、画素回路の有機EL発光素子11aのカソード端子に接続された共通電極線18の電位が0Vから高電位(たとえば、Vdd)に変更される。これにより駆動用トランジスタ11bのソース端子S(有機EL発光素子11aのアノード端子)に逆バイアス電圧Vrvが印加されて有機EL発光素子11aが誤発光するのを防止することができる。
【0238】
ここで、上記第3の実施形態の有機EL表示装置における逆バイアス電圧について検討する。
【0239】
第3の実施形態の有機EL表示装置において、表示動作による駆動用トランジスタ11bの電圧ストレスは、Vgs×Tdspとなる。なお、Tdspは表示期間である。そして、逆バイアス電圧を印加する期間をTrvとすると、必要な逆バイアス電圧Vrvは、
Vrv=Vgs×Tdsp/Trv
となる。この逆バイアス電圧を印加することで1フレーム平均の電圧ストレスは正負均等化されてゼロになる。
【0240】
すなわち、第3の実施形態の有機EL表示装置における増幅器25dに設定される逆バイアス係数Krは、
Kr=Tdsp/Trv
となるが、逆バイアス期間Trvは、プログラム期間Tprgの一部であり、当然ながら表示期間Tdspよりも遥かに短くなる。したがって、逆バイアス係数Krは大きくなり、逆バイアス電圧Vrvも高電圧となる。
【0241】
しかしながら、逆バイアス電圧Vrvとして設定可能な最大電圧は電源電圧Vddであり、高輝度表示した場合には、電圧ストレスを逆バイアス電圧で相殺することができず逆バイアス電圧不足が発生するおそれがある。
【0242】
そこで、この問題を解決するために、駆動用トランジスタ11bを閾値電圧Vth<0の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成するようにしてもよい。図19に、閾値電圧Vth<0の駆動用トランジスタの電流特性の一例を示す。
【0243】
駆動用トランジスタ11bの閾値電圧Vthを負電圧化した場合には、表示動作でのVgsとして正と負の両極性の電圧が印加されるため、逆バイアス電圧も正と負の両極性を持つこととなり、逆バイアス電圧の限界値による逆バイアス不足を低減することができる。
【0244】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧は正負を問わず、特性値算出およびVgsn設定動作を行うことができるため、Vgsの使用範囲を負電圧化することで、逆バイアス電圧設定範囲を拡大し、長期安定性を向上することができる。
【0245】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、上述したようにアモルファスシリコンや無機酸化膜からなるN型の薄膜トランジスタを駆動用トランジスタとして用いることができるが、特に、IGZOからなるN型の薄膜トランジスタを駆動用トランジスタとして用いることが望ましい。
【0246】
IGZOからなる薄膜トランジスタの可逆性閾値電圧シフト特性を利用することによって、たとえば、真っ黒の画面を表示している期間や電源オフ時などの非表示期間に閾値電圧を初期値に戻すことができるので、閾値電圧のシフトをさらに抑制することができる。また、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧の負電圧化も容易に実現することができる。
【0247】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、差分電圧ΔVs1,ΔVs2を算出する手段として、アナログ回路の第2の差動増幅器を用いるようにしたが、これに限らず、デジタル演算で算出するようにしてもよい。また、表示用ソース電圧Vsnを算出する手段として、アナログ回路の第1の差動増幅器を用いるようにしたが、これもデジタル演算で算出するようにしてもよい。また、固定電圧VB=0Vにすれば、上記のような演算を行わないようにすることができる。
【0248】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、MU算出部、VTH算出部、VGS算出部を設けてデジタル演算によりMU、VTH、Vgsnを算出するようにしているが、これらの実施形態はこれに限らず、DSPやCPUなどで代替してもよい。
【0249】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置における特性値を演算する演算部は、ソース駆動回路内に設置してもよいし、独立した構成としてもよいし、制御部16内に設置するようにしてもよい。
【0250】
また、上記本発明の実施形態は、本発明の表示装置を有機EL表示装置に適用したものであるが、発光素子としては、有機EL発光素子に限らず、たとえば、無機EL素子などを用いるようにしてもよい。
【0251】
また、上記実施形態においては、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって有機EL発光素子の寄生容量を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、その変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得するようにしたが、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流を充電する箇所は有機EL発光素子の寄生容量に限らず、たとえば、布線容量や計測用トランジスタのゲート寄生容量などであってもよい。また、有機EL発光素子に並列の補助容量を設置し、この補助容量に充電するようにしてもよい。
【0252】
また、本発明の表示装置は、様々な用途がある。たとえば、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話など)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0253】
【図1】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の概略構成図
【図2】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の画素回路の構成を示す図
【図3】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置のソース駆動回路の構成を示す図
【図4】図3に示す演算部の詳細な構成を示す図
【図5】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の作用を説明するためのタイミングチャート
【図6】本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置の計測用電圧設定動作の作用を説明するための図
【図7】本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置の電流値検出動作の作用を説明するための図
【図8】本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置の発光動作を説明するための図
【図9】移動度に応じた特性値のみを算出する場合の演算部の構成を示す図
【図10】閾値電圧に応じた特性値のみを算出する場合の演算部の構成を示す図
【図11】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置の概略構成図
【図12】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置のR、G、Bの画素回路の配置を示す図
【図13】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置のソース駆動回路の構成を示す図
【図14】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置のR演算部の構成を示す図
【図15】特性値算出対象の画素回路行をフレーム毎に切り替える場合の有機EL表示装置の概略構成図
【図16】本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置の画素回路の構成を示す図
【図17】本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置のソース駆動回路の構成を示す図
【図18】本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置の作用を説明するためのタイミングチャート
【図19】閾値電圧Vthが負電圧の駆動用トランジスタの電流特性の一例を示す図
【符号の説明】
【0254】
10 アクティブマトリクス基板
11 画素回路
11a 有機EL発光素子
11b 駆動用トランジスタ
11c 容量素子
11d 選択用トランジスタ
11e 計測用トランジスタ
12 ソース駆動回路
12a 固定電圧源
12b D/Aコンバータ
12c 第1の差動増幅器
12d サンプルホールド回路
12e 第2の差動増幅器
12f A/Dコンバータ
12g 演算部
12h スイッチ素子
13 走査駆動回路
14 データ線
15 走査線
16 制御部
17 特性値メモリ
18 共通電極線
21 ソース駆動回路
21a 固定電圧源
21b D/Aコンバータ
21c 第1の差動増幅器
21d サンプルホールド回路
21e 第2の差動増幅器
21f A/Dコンバータ
21h サンプルホールド回路
21k スイッチ素子
22 R演算部
23 G演算部
24 B演算部
25 ソース駆動回路
25a 固定電圧源
25b D/Aコンバータ
25c 第1の差動増幅器
25d 増幅器
25e 第3の差動増幅器
25f A/Dコンバータ
25g 第2の差動増幅器
25i 演算部
25j スイッチ素子
25k スイッチ素子
26 演算部
30 演算部
40 演算部
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス方式で駆動される発光素子を備えた表示装置およびその表示装置の駆動制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL発光素子などの発光素子を用いた表示装置が提案されており、テレビや携帯電話のディスプレイなど種々の分野での利用が提案されている。
【0003】
一般に、有機EL発光素子は電流駆動型発光素子であるため、液晶ディスプレイとは異なり、その駆動回路として画素回路を選択する選択用トランジスタと表示画像に応じた電荷を保持する保持容量と有機EL発光素子を駆動する駆動用トランジスタが最低限必要である(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、従来、アクティブマトリクス方式の有機EL表示装置の画素回路には、低温ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなる薄膜トランジスタが用いられていた。
【0005】
しかしながら、低温ポリシリコンの薄膜トランジスタは高移動度と閾値電圧安定性を得ることができるが、移動度の均一性に問題がある。また、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタは移動度均一性を得ることができるが、移動度の低さと閾値電圧の経時変動の問題がある。
【0006】
上記のような移動度の不均一性および閾値電圧の不安定性は表示画像のムラとなって現れる。そこで、たとえば特許文献2においては、画素回路内にダイオード接続方式の補償回路を設けた表示装置が提案されている。
【特許文献1】特開平8−234683号公報
【特許文献2】特開2003−255856号公報
【特許文献3】特開2002−278513号公報
【特許文献4】特開2005−284172号公報
【特許文献5】特開2007−310311号公報
【特許文献6】特開2004−252110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の補償回路を設けるようにしたのでは、画素回路が複雑化し、歩留まり低下によるコストアップ、開口率の低下を招くことになる。
【0008】
そこで、たとえば、特許文献3、特許文献4においては、画素回路が配置されたアクティブマトリクス基板外に画素回路列毎に電流計測器を設け、この電流計測器によって駆動用トランジスタの駆動電流を計測し、その計測した駆動電流値に基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧や移動度などの特性値を算出して記憶しておき、その特性値に基づいて補正データを駆動用トランジスタのゲート電圧として画素回路にプログラムすることで画素回路の単純化と駆動用トランジスタの特性補正とを両立する方法が提案されている。
【0009】
しかしながら、特許文献3および特許文献4に記載の方法では、非選択画素回路の有機EL発光素子の消灯電流が計測した駆動電流に混入し、正確な駆動電流を計測することができない。また、1つの画素回路の微小な駆動電流を測定するため電流計測精度に実用化上の問題がある。また、駆動電流の電流計測に時間を要するため補正データの取得と表示動作を両立することができず、リアルタイムでの補正データの更新が不可能である。
【0010】
一方、画素回路内での駆動用トランジスタの特性変動の補正としては、より単純な画素回路構成での補正方法が、たとえば、特許文献5において提案されている。
【0011】
特許文献5に記載の補正方法は、有機EL発光素子が有する寄生容量への充電動作を行なうことによって駆動用トランジスタの閾値電圧を検出した後、寄生容量の電圧変化を移動度μの偏差に置換し、駆動用トランジスタに供給されるゲート−ソース間電圧を自動修正するものである。
【0012】
しかしながら、特許文献5に記載の方法では、有機EL発光素子の寄生容量の偏差や、μ補正電流が画像データに応じて毎回異なることへ対応するために、データ信号の立ち上がりと立ち下りの傾き制御や、データ線の抵抗や容量などの影響を補正する必要がある。これは画素回路の単純化による弊害を複雑な駆動制御で補うことになり、駆動制御回路に多大な精度を要求することになり、表示装置全体でのコストアップになる。
【0013】
また、特許文献6においては、特許文献5に記載の方法のように有機EL発光素子の寄生容量に充電するのではなく、布線容量を使用してその布線容量の電圧を駆動回路で読み取り、駆動用トランジスタの特性の補正を行う方法が提案されている。
【0014】
しかしながら、特許文献6に記載の方法は、特許文献3および特許文献4に記載の方法の課題である微小電流の計測を簡単な電圧計測で実現することが可能であるが、共通電位線の布線容量を負荷容量として使用するため補正データの取得時間が長くなってしまう。
【0015】
本発明は、上記の事情に鑑み、駆動用トランジスタの特性偏差の補正の高精度化、表示動作と特性値の取得の両立、さらに画素回路と駆動制御の単純化を全て実現可能な表示装置およびその表示装置の駆動制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、その変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路については、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、その取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路については、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、その変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、上記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行については、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、上記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、上記一部の画素回路行以外の選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0021】
本発明の第6の表示装置の駆動制御方法は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行については、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、その取得した特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、上記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、上記一部の画素回路行以外の非選択画素回路行については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする。
【0022】
本発明の第1の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の第2の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明の第3の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路について第1の電流値と第2の電流値とを取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0025】
本発明の第4の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路について電流値を取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0026】
本発明の第5の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された第1の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第1の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、第1の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、第2の計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、第2の変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、第1の計測用電圧と第2の計測用電圧と第1の電流値と第2の電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路行について第1の電流値と第2の電流値とを取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路行について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路行については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0027】
本発明の第6の表示装置は、発光素子、発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、画素回路の行を順次選択し、その選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、予め設定された計測用電圧をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、計測用電圧と電流値とに基づいて駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号をデータ線およびソース接続スイッチを介して駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、全ての画素回路の駆動用トランジスタの特性値を記憶する特性値記憶部と、走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎のデータ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、電流値取得部が、1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した画素回路行について電流値を取得するものであり、特性値取得部が、電流取得部により選択された画素回路行について特性値を取得し、その取得した特性値を特性値記憶部に出力して特性値記憶部に前に記憶された上記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、データ信号出力部が、電流値取得部により選択された選択画素回路行については、その選択時に特性値取得部により取得された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力し、電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と発光素子の発光量に応じた駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を非選択画素回路行の駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする。
【0028】
また、上記本発明の第1から第6の表示装置においては、駆動用トランジスタに出力されるデータ信号に応じた大きさの逆バイアス電圧を駆動用トランジスタのゲート端子に供給する逆バイアス電圧出力部をさらに設けることができる。
【0029】
また、駆動用トランジスタを、閾値電圧が負電圧の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成することができる。
【0030】
また、駆動用トランジスタを、IGZO(InGaZnO)からなる薄膜トランジスタにより構成することができる。
【0031】
また、上記本発明の第3および第4の表示装置においては、電流値取得部により選択される一部の画素回路を、1つの表示画素に属する赤の発光素子を有する画素回路と緑の発光素子を有する画素回路と青の発光素子を有する画素回路とすることができる。
【0032】
また、上記本発明の第1から第6の表示装置においては、発光素子のカソード端子に、逆バイアス電圧印加期間と逆バイアス電圧印加期間以外の期間とで異なる電圧を供給する共通電極線を接続することができる。
【0033】
ここで、上記「駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷」としては、たとえば、発光素子の寄生容量、布線容量、ソース接続スイッチのゲート容量、または発光素子に並列に接続された補助容量などがある。
【発明の効果】
【0034】
本発明の第1から第6表示装置およびその駆動制御方法によれば、駆動用トランジスタのゲート端子に所定の電圧を供給するとともに、駆動用トランジスタのソース端子に計測用電圧を供給し、ソース端子の設定電圧の変化によって駆動用トランジスタに流れる電流値を取得するようにしたので、従来の微小電流を直接計測する方法と比較して簡単で安価な回路構成とすることができ、かつ短時間で高精度な計測をすることができる。
【0035】
したがって、通常の表示データ更新サイクル期間に駆動用トランジスタの特性値の取得動作を挿入することが可能となり、表示動作と並行して特性値の取得動作および補正動作を行うことができる。
【0036】
また、本発明の第3および第4の表示装置およびその駆動制御方法によれば、走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路について特性値を取得するようにしたので、画素回路列毎に特性値取得部を設ける必要がなく、省スペースおよびコストダウンを図ることができる。
【0037】
また、本発明の第5および第6の表示装置およびその駆動制御方法によれば、1行目から最終行まで画素回路行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行について特性値を取得するようにしたので、たとえば、高精細パネルなど全画素回路行の走査時間が短い場合においても、一部の画素回路行については特性値を取得する時間を確保することができ、特性値を取得する画素回路行をフレーム毎に切り替えることによって全ての画素回路行についての特性値を取得することができる。
【0038】
また、本発明の第1から第6の表示装置において、駆動用トランジスタに出力されるデータ信号に応じた大きさの逆バイアス電圧を駆動用トランジスタのゲート端子に供給する逆バイアス電圧出力部をさらに設けるようにした場合には、駆動用トランジスタの電圧ストレスによる閾値電圧のシフトを適切に抑制することができる。
【0039】
また、上記のように駆動用トランジスタに逆バイアス電圧を供給するようにした場合、逆バイアス電圧として設定可能な最大の電圧は電源電圧であるため、高輝度表示の場合には逆バイアス電圧不足を生じてしまうおそれがある。
【0040】
そこで、駆動用トランジスタを、閾値電圧が負電圧の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成するようにした場合には、表示動作でのVgsとして正と負の両極性の電圧が印加されるため、逆バイアス電圧も正と負の両極性を持つこととなり、逆バイアス電圧の限界値による逆バイアス不足を低減することができる。
【0041】
また、発光素子のカソード端子に、逆バイアス電圧印加期間と逆バイアス電圧印加期間以外の期間とで異なる電圧を供給する共通電極線を接続するようにした場合には、逆バイアス電圧の印加による発光素子の誤発光を防止することができる。
【0042】
また、駆動用トランジスタを、IGZO(InGaZnO)からなる薄膜トランジスタにより構成するようにした場合には、IGZOからなる薄膜トランジスタの可逆性閾値電圧シフト特性を利用することができる。すなわち、IGZOからなる薄膜トランジスタもゲート電圧印加による電圧ストレスによってその閾値電圧がシフトするが、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタと異なりゼロバイアスを与えることで初期値に復帰する。この特性を利用することにより、たとえば、真っ黒の画面を表示している期間や電源オフ時などの非表示期間に閾値電圧を初期値に戻すことができるので、閾値電圧のシフトを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の概略構成図である。
【0044】
本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置は、図1に示すように、ソース駆動回路12から出力されたデータ信号に応じた電荷を保持するとともに、その保持した電荷量に応じた駆動電流を有機EL発光素子に流す画素回路11が2次元状に多数配列されたアクティブマトリクス基板10と、アクティブマトリクス基板10の各画素回路11にデータ信号を出力するソース駆動回路12と、アクティブマトリクス基板10の各画素回路11に走査信号を出力する走査駆動回路13と、ソース駆動回路12に画像データに応じた表示データと同期信号に基づくタイミング信号を出力するとともに、走査駆動回路13に同期信号に基づくタイミング信号を出力する制御部16とを備えている。
【0045】
そして、アクティブマトリクス基板10は、ソース駆動回路12から出力されたデータ信号を各画素回路列に供給する多数のデータ線14と、走査駆動回路13から出力された走査信号を各画素回路行に供給する多数の走査線15とを備えている。データ線14と走査線15とは直交して格子状に設けられている。そして、データ線14と走査線15との交差点近傍に画素回路11が設けられている。
【0046】
各画素回路11は、図2に示すように、有機EL発光素子11aと、有機EL発光素子11aのアノード端子にソース端子Sが接続され、有機EL発光素子11aに後述する駆動電流および検出電流を流す駆動用トランジスタ11bと、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gとソース端子Sとの間に接続された容量素子11cと、容量素子11cの一端および駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gとデータ線14との間に接続された選択用トランジスタ11dと、駆動用トランジスタ11bのソース端子Sとデータ線14との間に接続された計測用トランジスタ11eとを備えている。
【0047】
有機EL発光素子11aは、駆動用トランジスタ11bにより流された駆動電流により発光する発光部50と、発光部50の寄生容量51とを有している。そして、有機EL発光素子11aのカソード端子は接地電位に接続されている。
【0048】
駆動用トランジスタ11b、選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eは、N型の薄膜トランジスタから構成されている。そして、駆動用トランジスタ11bの薄膜トランジスタの種類としては、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタや無機酸化膜の薄膜トランジスタを用いることができる。無機酸化膜薄膜トランジスタとしては、たとえば、IGZO(InGaZnO)を材料とする無機酸化膜からなる薄膜トランジスタを利用することができるが、IGZOに限らず、その他IZO(InZnO)なども用いることができる。
【0049】
また、図2に示すように、駆動用トランジスタ11bのドレイン端子Dは所定の固定電圧Vddが供給されている。また、選択用トランジスタ11dの駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gに接続されていない方の端子には固定電圧VBが供給されている。固定電圧VBの大きさについては後で詳述する。
【0050】
走査駆動回路13は、制御部16から出力されたタイミング信号に基づいて、画素回路11の選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eをONするためのオン走査信号Vscan(on)とOFFするためのオフ走査信号Vscan(off)とを各走査線15に順次出力するものである。
【0051】
図3にソース駆動回路12の詳細な構成図を示す。なお、ソース駆動回路12は、図3に示す回路を多数備えたものであり、図3に示す回路はアクティブマトリクス基板10の各データ線14に接続されるものである。
【0052】
ソース駆動回路12は、図3に示すように、固定電圧源12aと、D/Aコンバータ12bと、第1の差動増幅器12cと、サンプルホールド回路12dと、第2の差動増幅器12eと、A/Dコンバータ12fと、演算部12gと、スイッチ素子12hとを備えている。
【0053】
固定電圧源12aは、第1の差動増幅器12cの非反転入力端子に固定電圧VBを供給するものである。なお、この固定電圧VBと上述した駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gに供給される固定電圧VBとは同じ電圧値である。これらは同一の電圧源から供給するようにしてもよいし、異なる電圧源から供給するようにしてもよい。
【0054】
D/Aコンバータ12bは、後述する第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧をアナログ信号に変換し、そのアナログ信号の第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧を第1の差動増幅器12cの反転入力端子に供給するものである。
【0055】
第1の差動増幅器12cは、D/Aコンバータ12bから出力された第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧と固定電圧VBとの差分に基づいて第1および第2の計測用ソース電圧を算出して出力するとともに、後述するD/Aコンバータ12bから出力された表示用ゲート−ソース間電圧と固定電圧VBとの差分に基づいて表示用ソース電圧を算出して出力するものである。
【0056】
サンプルホールド回路12dは、ハイインピーダンス入力であって、第1および第2の計測用ソース電圧を保持するものである。
【0057】
第2の差動増幅器12eは、サンプルホールド回路12dに保持された第1および第2の計測用ソース電圧と、第1および第2の計測用ソース電圧を駆動用トランジスタ11bのソース端子に供給していない時の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧との差分電圧を算出するものである。
【0058】
A/Dコンバータ12fは、第2の差動増幅器12eから出力された差分電圧をデジタル信号に変換するものである。
【0059】
スイッチ素子12hは、第1の差動増幅器12cとデータ線14との接続を切り替えるものであり、たとえば、薄膜トランジスタから構成することができる。
【0060】
演算部12gは、第2の差動増幅器12eから出力された差分電圧に基づいて駆動用トランジスタ11bの特性値を算出し、その特性値と制御部16から出力された表示データとに基づいて駆動用トランジスタ11bに供給される表示用ゲート−ソース間電圧を算出し、その表示用ゲート−ソース間電圧をD/Aコンバータ12bに出力するものである。
【0061】
図4に演算部12gの詳細な構成図を示す。演算部12gは、第1〜第5のレジスター部20a〜20eと、ΔVGS算出部20fと、MU算出部20gと、ΔVS/ID変換部20hと、Δ√ID算出部20iと、VTH算出部20jと、VGS算出部20kと、入出力部20lとを備えている。
【0062】
第1レジスター部20a、第2レジスター部20bは第1の計測用ゲート−ソース間電圧と第2の計測用ゲート−ソース間電圧とがそれぞれ予め設定されるものである。
【0063】
ΔVS/ID変換部20hは、A/Dコンバータ12fから出力された差分電圧を電流値に変換するものである。その変換方法については後述する。
【0064】
第5レジスター部20eは、ΔVS/ID変換部20hにおいて差分電圧を電流値に変換する際に用いられる変換係数が予め設定されるものである。
【0065】
第3レジスター部20cと第4レジスター部20dは、ΔVS/ID変換部20hにおいて変換された第1の電流値と第2の電流値とをそれぞれ保持するものである。
【0066】
Δ√ID算出部20iは、第3レジスター部20cに保持された第1の電流値と第4レジスター部20dに保持された第2の電流値とに基づいて電流変化量を算出するものである。
【0067】
ΔVGS算出部20fは、第1レジスター部20aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧と第2レジスター部20bに設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧との差分である差分ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0068】
MU算出部20gは、Δ√ID算出部20iにおいて算出された電流変化量と、ΔVGS算出部20fにおいて算出された差分ゲート−ソース間電圧とに基づいて、駆動用トランジスタ11bの移動度に応じた特性値を算出するものである。
【0069】
VTH算出部20jは、Δ√ID算出部20iにおいて算出された電流変化量と、ΔVGS算出部20fにおいて算出された差分ゲート−ソース間電圧とに基づいて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値を算出するものである。
【0070】
VGS算出部20kは、制御部16から出力された表示データとMU算出部20gにおいて算出された移動度に応じた特性値とVTH算出部20jにおいて算出された閾値電圧に応じた特性値とに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0071】
入出力部20lは、演算部12gとA/Dコンバータ12fとの間のデータの入出力を行うものである。
【0072】
次に、第1の実施形態の有機EL表示装置の動作について、図5に示すタイミングチャートおよび図6から図8を参照しながら説明する。なお、図5には、走査駆動回路13から出力される走査信号Vscan、ソース駆動回路12から出力されるデータ信号Vdata、駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg、ソース電圧Vsおよびゲート−ソース間電圧Vgsの電圧波形が示されている。
【0073】
本実施形態の有機EL表示装置においては、アクティブマトリクス基板10の各走査線15に接続された画素回路行が順次選択され、1行単位でその選択期間内に所定の動作が行なわれる。ここでは、選択された所定の画素回路行において選択期間内に行なわれる動作について説明する。
【0074】
まず、走査駆動回路13により所定の画素回路行が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される(図5における時刻t1)。
【0075】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0076】
そして、まず第1の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt1〜t2、図6参照)。具体的には、ソース駆動回路12の演算部12gの第1レジスター部20aに予め設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1がD/Aコンバータ12bに出力され、D/Aコンバータ12bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器12cに入力される。一方、固定電圧源12aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器12cに入力される。そして、第1の差動増幅器12cにおいて固定電圧VB(駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vgと同じ電圧)から第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1が減算され、第1の計測用ソース電圧Vs1が算出される。
【0077】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子12hがONし、第1の計測用ソース電圧Vs1がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0078】
そして、上記のような動作により画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs1、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg1に設定される。
【0079】
ここで、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧をVthとすると、Vgs1>Vthであれば駆動用トランジスタ11bには何らかの電流Id1が流れる状態である。さらに、有機EL発光素子11aの発光閾値電圧をVf0とすると、下式の条件を満たすように固定電圧VBを設定することによって、有機EL発光素子11aを発光させることなく、図6に示すように、駆動用トランジスタ11bに流れる電流Id1をデータ線14を介してソース駆動回路12に引き込むことができる。このとき容量素子11cと有機EL発光素子11aの寄生容量51に残った電荷が掃き出されてリセットされる。
【0080】
Vs1=VB−Vgs1<Vf0
VB<Vf0+Vgs1
VB=0とし、Vs<0とすれば確実に有機EL発光素子11aを発光させないようにすることができるが、プログラム動作完了後の発光移行時間が長くなってしまうため、VBはVf0に近い電圧とすることが好ましい。
【0081】
また、このときの駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs1はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路12dに入力されて保持される。
【0082】
次に、第1の電流値検出動作が行なわれる(図5のt2〜t3、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子12hがOFFし、第1の差動増幅器12cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0083】
そして、上述した第1の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id1は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs1から次第に上昇していく。
【0084】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器12eに入力される。そして、第2の差動増幅器12eは、サンプルホールド回路12dに保持された第1の計測用ソース電圧Vs1と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs1を算出し、その差分電圧ΔVs1をA/Dコンバータ12fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t2〜t3)が経過した時点において、A/Dコンバータ12fは入力された差分電圧ΔVs1をデジタル信号に変換し、差分データDVS1を取得する。
【0085】
ここで、第2の差動増幅器12eのゲインをKs、A/Dコンバータ12fの分解能をKaとすると差分電圧ΔVs1は下式を満たす値となる。
【0086】
DVS1=Ks×ΔVs1/Ka
そして、A/Dコンバータ12fから出力された差分データDVS1は、演算部12gのΔVS/ID変換部20hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部20hは、入力されたDVS1を第1の電流値Id1に変換する。具体的には、有機EL発光素子11aの寄生容量51の容量値をCd、寄生容量51の充電時間をTcとすると、第1の電流値Id1は下式を算出することによって求められる。
【0087】
Id1=Cd×ΔVs1×Tc=Cd×Tc×Ka×DVS1/Ks
ここで、上式におけるCd×Tc×Ka/Ksは変換係数として第5レジスター部20eに予め設定されており、ΔVS/ID変換部20hは、入力されたDVS1に対し、第5レジスター部20eに設定された変換係数を乗算することによって第1の電流値Id1を算出する。
【0088】
そして、ΔVS/ID変換部20hにおいて算出された第1の電流値Id1は第3レジスター部20cに出力されて保持される。
【0089】
なお、上記充電期間Tcは、第1の電流値Id1と寄生容量51の容量値CdとA/Dコンバータ12fの入力電圧範囲に基づいて適切に選択する必要がある。
【0090】
また、第5レジスター部20eに設定される変換係数には、寄生容量51の容量値Cdも含まれているため、各画素回路列毎の寄生容量51の偏差もここで補正される。
【0091】
次に、第2の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt3〜t4、図6参照)。具体的には、ソース駆動回路12の演算部12gの第2レジスター部20bに予め設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2がD/Aコンバータ12bに出力され、D/Aコンバータ12bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器12cに入力される。一方、固定電圧源12aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器12cに入力される。そして、第1の差動増幅器12cにおいて固定電圧VB(駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vgと同じ電圧)から第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2が減算され、第2の計測用ソース電圧Vs2が算出される。
【0092】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子12hがONし、第2の計測用ソース電圧Vs2がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0093】
そして、上記のような動作により画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs2、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg2に設定される。
【0094】
ここで、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧をVthとすると、Vgs2>Vthであれば駆動用トランジスタ11bには何らかの電流Id2が流れる状態である。また、第1の計測用ソース電圧設定動作において説明したのと同様に、固定電圧VBは下式を満たす大きさとする必要がある。
【0095】
VB<Vf0+Vgs2
そして、このときの駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs2はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路12dに入力されて保持される。
【0096】
なお、上述したVgs1とVgs2は、後述する特性値の精度を確保するためには低電流域を避けることが重要であり、駆動用トランジスタ11bの最大駆動電流と平均駆動電流に相当するVgsをVgs1、Vgs2とすることが好ましいが、Vgs1とVgs2の大小関係は特に問わない。
【0097】
次に、第2の電流値検出動作が行なわれる(図5のt4〜t5、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子12hがOFFし、第1の差動増幅器12cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0098】
そして、上述した第2の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id2は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs2から次第に上昇していく。
【0099】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器12eに入力される。そして、第2の差動増幅器12eは、サンプルホールド回路12dに保持された第2の計測用ソース電圧Vs2と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs2を算出し、その差分電圧ΔVs2をA/Dコンバータ12fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t4〜t5)が経過した時点において、A/Dコンバータ12fは入力された差分電圧ΔVs2をデジタル信号に変換し、差分データDVS2を取得する。
【0100】
そして、A/Dコンバータ12fから出力された差分データDVS2は、演算部12gのΔVS/ID変換部20hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部20hは、入力されたDVS2を第1の電流値Id2に変換する。具体的には、上述した第1の電流値検出動作と同様に、第5レジスター部20eに設定された変換係数を用いて、下式を算出することによって求められる。
【0101】
Id2=Cd×Tc×Ka×DVS2/Ks
そして、ΔVS/ID変換部20hにおいて算出された第2の電流値Id2は第4レジスター部20dに出力されて保持される。
【0102】
そして、次に特性値算出動作が行われる(図5のt5〜t6)。具体的には、第1レジスター部20aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1、第2レジスター部20bに設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2、第3レジスター部20cに設定された第1の電流値Id1、および第4のレジスター部20dに設定された第2の電流値Id2を用いて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUが算出される。
【0103】
まず、第1レジスター部20aに設定されたVgs1と第2レジスター部20bに設定されたVgs2とがΔVGS算出部20fに出力される。そして、ΔVGS算出部20fは、Vgs1からVgs2を減算して差分ゲート−ソース間電圧ΔVGSを算出する。
【0104】
一方、第3レジスター部20cに設定されたId1と第4レジスター部20dに設定されたId2とがΔ√ID算出部20iに出力される。そして、Δ√ID算出部20iは、下式を算出することによって電流変化量Δ√IDを算出する。
【0105】
Δ√ID=√Id1−√Id2
そして、ΔVGS算出部20fにおいて算出されたΔVGSとΔ√ID算出部20iにおいて算出されたΔ√IDとがMU算出部20gに入力され、MU算出部20gは、下式を算出することによって移動度に応じた特性値MUを取得する。
【0106】
MU=(Δ√ID)2/(ΔVGS)2
また、ΔVGSと、Δ√IDと、第1レジスター部20aに設定されたVgs1と、第3レジスター部20cに設定されたId1がVTH算出部20jに入力され、VTH算出部20jは下式を算出することによって閾値電圧に応じた特性値VTHを算出する。
【0107】
VTH=−b/a
a=Δ√ID/ΔVGS
b=√Id1−a×Vgs1
ここで、移動度に応じた特性値MUと閾値電圧に応じた特性値VTHを算出する上式の求め方を以下に説明する。
【0108】
まず、飽和領域の薄膜トランジスタの電流式より、
Id=(1/2)×μ×Cox×(W/L)×(Vgs−Vth)2
ただし、μは電子移動度、Coxは単位面積あたりのゲート酸化膜容量、Wはゲート幅、Lはゲート長
この式より、
(Vgs−Vth)2=Id/[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]
(Vgs−Vth)=√Id/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]
Vgs=√Id/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]+Vth
2点のVgsとIdの値より、
Vgs1=√Id1/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]+Vth
Vgs2=√Id2/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]+Vth
(Vgs1−Vgs2)=[√Id1−√Id2]/√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]
√[(1/2)×μ×Cox×(W/L)]=[√Id1−√Id2]/(Vgs1−Vgs2)
(1/2)×μ×Cox×(W/L)=[√Id1−√Id2]2/(Vgs1−Vgs2)2
(1/2)×μ×Cox×(W/L)=[ΔId]2/(ΔVGS)2
ここで、補正に必要な駆動用トランジスタのゲイン特性は移動度μではなく、移動度に応じた特性値MU=(1/2)×μ×Cox×(W/L)である。したがって、
MU=(1/2)×μ×Cox×(W/L)=[ΔId]2/(ΔVGS)2
となる。
【0109】
また、閾値電圧に応じた特性値VTHは、√Id−Vgs曲線のX軸接辺であるため、
a=Δ√Id/ΔVgs
b=√Id1−a×Vgs1
VTH=−b/a
として求まる。
【0110】
なお、上述した特性値算出動作の間(図5のt5〜t6)は、駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsは、第2の電流値検出動作の時の状態と同じ状態でも動作上支障はないが、有機EL発光素子11aの誤発光動作を防止するためには、ソース駆動回路12のスイッチ素子12hをONし、ソース電圧VsをVs2などに固定することが好ましい。
【0111】
そして、次に表示用ゲート−ソース間電圧設定動作が行なわれる(図5のt5〜t6)。具体的には、制御部16から出力された表示データと、MU算出部20gにおいて算出された特性値MUと、VTH算出部20jにおいて算出された特性値VTHがVGS算出部20kに入力される。そして、VGS算出部20kにおいて、下式に基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。なお、Idnは表示データである。
【0112】
Idn=MU×(Vgsn−VTH)2
(Vgsn−VTH)2=Idn/MU
Vgsn−VTH=√(Idn/MU)
Vgsn=√(Idn/MU)+VTH
そして、VGS算出部20kにおいて算出されたVgsnはD/Aコンバータ12bに入力され、アナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器12cの反転入力端子に入力される。そして、第1の差動増幅器12cにおいて、固定電圧VBが加算されてVsnに変換される。そして、スイッチ素子12hがONし、Vsnがデータ線14に出力される。
【0113】
上記のような動作により駆動用トランジスタ11bには、ゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vsn、Vgs=Vgsnが設定される。
【0114】
そして、次に発光動作が行なわれる(図5のt7以降、図8参照)。具体的には、走査駆動回路13から各走査線15にオフ走査信号が出力される(図5における時刻t7)。そして、図8に示すように、走査駆動回路13から出力されたオフ走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがOFFし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが切り離されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが切り離される。
【0115】
そして、駆動用トランジスタ11bのゲート−ソース間電圧VgsがVgsnとなり、駆動用トランジスタ11bのドレイン−ソース間には、下式のTFT電流式に従った駆動電流Idnが流れる。
【0116】
Idn=μ×Cox×(W/L)×(Vgsn−Vth)2
ただし、μは電子移動度、Coxは単位面積あたりのゲート酸化膜容量、Wはゲート幅、Lはゲート長である。
【0117】
この駆動電流Idnにより有機EL発光素子11aの寄生容量51が充電され、駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇するが、ゲート−ソース間電圧Vgsnは、容量素子11cの保持電圧Vgsnにより保持されたままなので、やがてソース電圧Vsは有機EL発光素子11aの発光閾値電圧Vf0を超え、有機EL発光素子11aの発光部50において定電流での発光動作が行なわれる。
【0118】
そして、走査駆動回路13により順次所定の画素回路行が選択され、各画素回路行について上記第1の計測用ソース電圧設定動作から発光動作までの動作が実施され、所望の表示画像が表示される。
【0119】
また、上記第1の実施形態の有機EL表示装置においては、第1および第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1,Vgs2を供給し、第1および第2の電流値Id1,Id2を検出し、これらを使用して閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUとの両方を算出するようにしたが、第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1のみを供給して第1の電流値Id1を検出し、これらに基づいて閾値電圧に応じた特性値VTHおよび移動度に応じた特性値MUのうちのいずれか一方のみを算出するようにしてもよい。この場合、算出対象でない方の特性値は予め設定された固定値となる。
【0120】
たとえば、閾値電圧に応じた特性値VTHを固定値とし、移動度に応じた特性値MUのみを算出する場合には、ソース駆動回路12内の演算部は、図9に示すような構成とすることができる。すなわち、演算部30は、第1〜第4レジスター部30a〜30dと、MU算出部30eと、ΔVS/ID変換部30hと、VGS算出部30fと、入出力部30gとから構成される。
【0121】
第1レジスター部30aは第1の計測用ゲート−ソース間電圧が予め設定されるものである。
【0122】
第2レジスター部30bは閾値電圧に応じた特性値の固定値が予め設定されるものである。
【0123】
ΔVS/ID変換部30hは、A/Dコンバータ12fから出力された差分電圧を電流値に変換するものである。
【0124】
第4レジスター部30dは、ΔVS/ID変換部30hにおいて差分電圧を電流値に変換する際に用いられる変換係数が予め設定されるものである。
【0125】
第3レジスター部30cは、ΔVS/ID変換部30hにおいて変換された電流値Id1を保持するものである。
【0126】
MU算出部30eは、第3レジスター部30cに保持された第1の電流値Id1と、第1レジスター部30aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1と、第2レジスター部30bに設定された閾値電圧に応じた特性値VTHとに基づいて、駆動用トランジスタ11bの移動度に応じた特性値を算出するものである。
【0127】
VGS算出部30fは、制御部16から出力された表示データとMU算出部30eにおいて算出された移動度に応じた特性値と第2レジスター部30bに設定された閾値電圧に応じた特性値とに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0128】
上記のような構成の演算部30を備えた表示装置の作用については、第1の計測用ソース電圧設定動作から第1の電流値検出動作までは上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0129】
そして、特性値算出動作においては、第1レジスター部30aに設定されたVgs1と第2レジスター部30bに設定された閾値電圧に応じた特性値VTHと第3レジスター部30cに保持された第1の電流値Id1とがMU算出部30eに入力され、MU算出部30eは、下式を算出することによって移動度に応じた特性値MUを取得する。
【0130】
MU=Id1/(Vgs1−VTH)2
そして、次に、制御部16から出力された表示データと、MU算出部30eにおいて算出された特性値MUと、第2レジスター部30bから読み出された特性値VTHがVGS算出部30fに入力される。そして、VGS算出部30fにおいて、下式に基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。なお、Idnは表示データである。
【0131】
Vgsn=√(Idn/MU)+VTH
表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出された後の動作については、上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0132】
また、移動度に応じた特性値MUを固定値とし、閾値電圧に応じた特性値VTHのみを算出する場合には、ソース駆動回路12内の演算部は、図10に示すような構成とすることができる。すなわち、演算部40は、第1〜第4レジスター部40a〜40dと、VTH算出部40eと、ΔVS/ID変換部40hと、VGS算出部40fと、入出力部40gとから構成される。
【0133】
第1レジスター部40aは第1の計測用ゲート−ソース間電圧が予め設定されるものである。
【0134】
第2レジスター部40bは移動度に応じた特性値の固定値が予め設定されるものである。
【0135】
ΔVS/ID変換部40h、第3および4レジスター部40c,40dについては、図9に示すものと同じである。
【0136】
VTH算出部40eは、第3レジスター部40cに保持された第1の電流値Id1と、第1レジスター部40aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1と、第2レジスター部40bに設定された移動度に応じた特性値MUとに基づいて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値を算出するものである。
【0137】
VGS算出部40fは、制御部16から出力された表示データとVTH算出部40eにおいて算出された閾値電圧に応じた特性値と第2レジスター部40bに設定された移動度に応じた特性値とに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧を算出するものである。
【0138】
上記のような構成の演算部40を備えた表示装置の作用については、第1の計測用ソース電圧設定動作から第1の電流値検出動作までは上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0139】
そして、特性値算出動作においては、第1レジスター部40aに設定されたVgs1と第2レジスター部40bに設定された移動度に応じた特性値MUと第3レジスター部40cに保持された第1の電流値Id1とがVTH算出部40eに入力され、VTH算出部40eは、下式を算出することによって閾値電圧に応じた特性値VTHを取得する。
【0140】
VTH=Vgs1−√(Id1/MU)
そして、次に、制御部16から出力された表示データと、VTH算出部40eにおいて算出された特性値VTHと、第2レジスター部40bから読み出された特性値MUがVGS算出部40fに入力される。そして、VGS算出部40fにおいて、下式に基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。なお、Idnは表示データである。
【0141】
Vgsn=√(Idn/MU)+VTH
表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出された後の動作については、上記第1の実施形態の説明と同様である。
【0142】
次に、本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置について説明する。
【0143】
第1の実施形態の有機EL表示装置においては、各画素回路行のプログラム動作期間において、画素回路行の全ての画素回路11について第1の電流値Id1と第2の電流値Id2とを計測して特性値を算出することによって、全ての画素回路11の特性値を記憶するメモリを設置していないが、駆動用トランジスタ11bの特性は瞬時に変動することはなく、必ずしも画素回路行の全ての画素回路11についてプログラム動作毎に特性値を算出して更新しなくても特に問題はないと考えられる。
【0144】
そこで、第2の実施形態の有機EL表示装置においては、画素回路行の1回のプログラム動作期間において、画素回路行の一部の画素回路11についてのみ特性値を算出して更新し、その一部の画素回路11以外の画素回路については、前のプログラム動作期間において更新した特性値を利用するようにしている。
【0145】
図11に第2の実施形態の有機EL表示装置の概略構成図を示す。
【0146】
第2の実施形態の有機EL表示装置においては、図11に示すように、制御部16に全画素回路の特性値を記憶する特性値メモリ17がさらに付加されている。そして、第1の実施形態の有機EL表示装置においては、ソース駆動回路12内に演算部12gを画素回路列(データ線14の数)の数だけ設けるようにしていたが、第2の実施形態の有機EL表示装置においては、R(赤)の画素回路11の特性値を演算するR演算部22と、G(緑)の画素回路11の特性値を演算するG演算部23と、B(緑)の画素回路11の特性値を演算するB演算部22との3つの演算部のみを設けるようにしている。その他画素回路などの構成については、第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるので、異なる構成を中心に説明する。なお、アクティブマトリクス基板10においては、図12に示すように、走査方向(データ線14が延びる方向)に直交する方向(走査線15が延びる方向)に、Rの画素回路11、Gの画素回路11、Bの画素回路11がこの順に繰り返して配置されている。
【0147】
図13に第2の実施形態の有機EL表示装置のソース駆動回路21の詳細な構成図を示す。なお、ソース駆動回路21は、図13に示す回路を多数備えたものであり、図13に示す回路はアクティブマトリクス基板10の各データ線14に接続されるものである。
【0148】
ソース駆動回路21は、図13に示すように、固定電圧源21aと、D/Aコンバータ21bと、第1の差動増幅器21cと、サンプルホールド回路21dと、第2の差動増幅器21eと、A/Dコンバータ21fと、MU用レジスター部21gと、VTH用レジスター部21hと、VGS算出部21iと、入出力部21jと、スイッチ素子21kとを備えている。
【0149】
固定電圧源21a、D/Aコンバータ21b、第1の差動増幅器21c、サンプルホールド回路21d、第2の差動増幅器21e、A/Dコンバータ21f、およびスイッチ素子21kについては、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0150】
MU用レジスター部21gは、R演算部22、G演算部23およびB演算部24において算出された特性値MUまたは特性値メモリ17から読み出された特性値MUを保持するものである。
【0151】
VTH用レジスター部21hは、R演算部22、G演算部23およびB演算部24において算出された特性値VTHまたは特性値メモリ17から読み出された特性値VTHを保持するものである。
【0152】
VGS算出部21iは、表示用データと特性値MUと特性値VTHに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnを算出するものである。
【0153】
R演算部22は、ソース駆動回路21の第2の差動増幅器21eから出力された差分電圧に基づいて駆動用トランジスタ11bの特性値を算出し、その特性値を制御部16およびソース駆動回路21に出力するものである。
【0154】
図14にR演算部22の詳細な構成図を示す。R演算部22は、第1〜第5のレジスター部22a〜22eと、ΔVGS算出部22fと、MU算出部22gと、ΔVS/ID変換部22hと、Δ√ID算出部20iと、VTH算出部20jとを備えている。これらについては上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0155】
また、G演算部23およびB演算部24についてもその構成はR演算部22と同様である。
【0156】
次に、第2の実施形態の有機EL表示装置の動作について説明する。なお、タイミングチャートおよび画素回路内の動作については、第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるため、図5および図6から図8を参照しながら説明する。
【0157】
まず、走査駆動回路13により所定の画素回路行が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される(図5における時刻t1)。
【0158】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0159】
そして、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様に、第1の計測用ソース電圧の設定、第1の電流値の検出、第2の計測用ソース電圧の設定、第2の電流値の検出、および特性値の算出が行われるが、上記第1の実施形態の有機EL表示装置においては、選択された画素回路行の全ての画素回路11について上記動作を行うようにしたが、本実施形態においては、選択された画素回路行のうちのRの画素回路11、Gの画素回路11およびBの画素回路11の3つの画素回路について上記動作を行う。まずは、選択された画素回路行のうちの一番左に配置されたRの画素回路11、Gの画素回路11およびBの画素回路11について上記動作を行う。
【0160】
まず第1の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt1〜t2、図6参照)。具体的には、R演算部22の第1レジスター部22aに予め設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1がソース駆動回路21のD/Aコンバータ21bに出力され、D/Aコンバータ21bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器21cに入力される。一方、固定電圧源21aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器21cに入力される。そして、第1の差動増幅器21cにおいて固定電圧VBから第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1が減算され、第1の計測用ソース電圧Vs1が算出される。
【0161】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子21kがONし、第1の計測用ソース電圧Vs1がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0162】
そして、上記のような動作によりRの画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs1、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg1に設定される。
【0163】
そして、これにより駆動用トランジスタ11bに電流Id1が流れ、その電流Id1をデータ線14を介してソース駆動回路21に引き込む。このとき容量素子11cと有機EL発光素子11aの寄生容量51に残った電荷が掃き出されてリセットされる。
【0164】
また、このときのRの画素回路の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs1はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路21dに入力されて保持される。
【0165】
次に、第1の電流値検出動作が行なわれる(図5のt2〜t3、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子21kがOFFし、第1の差動増幅器21cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0166】
そして、上述した第1の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id1は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs1から次第に上昇していく。
【0167】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器21eに入力される。そして、第2の差動増幅器21eは、サンプルホールド回路21dに保持された第1の計測用ソース電圧Vs1と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs1を算出し、その差分電圧ΔVs1をA/Dコンバータ21fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t2〜t3)が経過した時点において、A/Dコンバータ21fは入力された差分電圧ΔVs1をデジタル信号に変換し、差分データDVS1を取得する。
【0168】
そして、A/Dコンバータ21fから出力された差分データDVS1は、R演算部22のΔVS/ID変換部22hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部22hは、入力されたDVS1に対し、第5レジスター部22eに設定された変換係数を乗算することによって第1の電流値Id1を算出する。
【0169】
そして、ΔVS/ID変換部22hにおいて算出された第1の電流値Id1は第3レジスター部22cに出力されて保持される。
【0170】
次に第2の計測用ソース電圧設定動作が行なわれる(図5のt3〜t4、図6参照)。具体的には、R演算部22の第2レジスター部22bに予め設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2がソース駆動回路21のD/Aコンバータ21bに出力され、D/Aコンバータ21bによりアナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器21cに入力される。一方、固定電圧源21aから出力された固定電圧VBも第1の差動増幅器21cに入力される。そして、第1の差動増幅器21cにおいて固定電圧VBから第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2が減算され、第2の計測用ソース電圧Vs2が算出される。
【0171】
そして、制御部16からのタイミング信号に応じてスイッチ素子21kがONし、第2の計測用ソース電圧Vs2がデータ信号としてデータ線14に出力される。
【0172】
そして、上記のような動作によりRの画素回路11の駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vs2、ゲート−ソース間電圧Vgs=Vsg2に設定される。
【0173】
そして、これにより駆動用トランジスタ11bに電流Id2が流れ、その電流Id2をデータ線14を介してソース駆動回路21に引き込む。このとき容量素子11cと有機EL発光素子11aの寄生容量51に残った電荷が掃き出されてリセットされる。
【0174】
また、このときのRの画素回路の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sの電圧Vs2はデータ線14を介してソース駆動回路12のサンプルホールド回路21dに入力されて保持される。
【0175】
次に、第2の電流値検出動作が行なわれる(図5のt4〜t5、図7参照)。具体的には、まず、制御部16からのタイミング信号に応じてソース駆動回路12のスイッチ素子21kがOFFし、第1の差動増幅器21cとデータ線14とが切り離され、データ線14はハイインピーダンスな状態となる。
【0176】
そして、上述した第2の計測用ソース電圧設定動作によって駆動用トランジスタ11bに流れていた電流Id2は、データ線14がハイインピーダンスになることによって、図7に示すように有機EL発光素子11aの寄生容量51に流れ出す。この電流により寄生容量51が充電され、図5に示すように、駆動用トランジスタ11bのソース電圧VsはVs1から次第に上昇していく。
【0177】
そして、上記のようにして上昇するソース電圧Vsはデータ線14を介してソース駆動回路12の第2の差動増幅器21eに入力される。そして、第2の差動増幅器21eは、サンプルホールド回路21dに保持された第2の計測用ソース電圧Vs2と、上昇したソース電圧Vsとの差分電圧ΔVs2を算出し、その差分電圧ΔVs2をA/Dコンバータ21fに出力する。駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇し始めてから予め設定された時間(t2〜t3)が経過した時点において、A/Dコンバータ21fは入力された差分電圧ΔVs2をデジタル信号に変換し、差分データDVS2を取得する。
【0178】
そして、A/Dコンバータ21fから出力された差分データDVS2は、R演算部22のΔVS/ID変換部22hに入力される。そして、ΔVS/ID変換部22hは、入力されたDVS2に対し、第5レジスター部22eに設定された変換係数を乗算することによって第2の電流値Id2を算出する。
【0179】
そして、ΔVS/ID変換部22hにおいて算出された第2の電流値Id2は第4レジスター部22dに出力されて保持される。
【0180】
そして、次に特性値算出動作が行われる(図5のt5〜t6)。具体的には、第1レジスター部22aに設定された第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1、第2レジスター部22bに設定された第2の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs2、第3レジスター部22cに設定された第1の電流値Id1、および第4のレジスター部22dに設定された第2の電流値Id2を用いて、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUが算出される。
【0181】
まず、第1レジスター部22aに設定されたVgs1と第2レジスター部22bに設定されたVgs2とがΔVGS算出部22fに出力される。そして、ΔVGS算出部22fは、Vgs1からVgs2を減算して差分ゲート−ソース間電圧ΔVGSを算出する。
【0182】
一方、第3レジスター部22cに設定されたId1と第4レジスター部22dに設定されたId2とがΔ√ID算出部22iに出力される。そして、Δ√ID算出部22iは電流変化量Δ√IDを算出する。
【0183】
そして、ΔVGS算出部22fにおいて算出されたΔVGSとΔ√ID算出部22iにおいて算出されたΔ√IDとがMU算出部22gに入力され、MU算出部22gはΔVGSとΔ√IDとに基づいて移動度に応じた特性値MUを算出される。
【0184】
また、ΔVGSと、Δ√IDと、第1レジスター部22aに設定されたVgs1と、第3レジスター部22cに設定されたId1がVTH算出部22jに入力され、VTH算出部22jは、ΔVGSとΔ√IDとVgs1とId1とに基づいて閾値電圧に応じた特性値VTHを算出する。
【0185】
そして、上記のようにして算出されたRの画素回路11についての特性値MUと特性値VTHは、制御部16とRの画素回路11のソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、Rの画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、Rの画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0186】
そして、上記と同様にして、Gの画素回路11についても、G演算部23において特性値MUと特性値VTHとが算出される。そして、Gの画素回路11についての特性値MUと特性値VTHは、制御部16とGの画素回路11のソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、Gの画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、Gの画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0187】
また、Bの画素回路11についても、B演算部24において特性値MUと特性値VTHとが算出される。そして、Bの画素回路11についての特性値MUと特性値VTHは、制御部16とBの画素回路11のソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、Bの画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、Bの画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0188】
また、上記のようにして特性値を算出したR、G、Bの3つの画素回路以外の画素回路11については、制御部16により特性値メモリ17から各画素回路11に対応する特性値MUと特性値VTHが読み出され、各画素回路11のソース駆動回路21に入力される。そして、各画素回路11のソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0189】
そして、次に表示用ゲート−ソース間電圧設定動作が行なわれる(図5のt5〜t6)。なお、表示用ゲート−ソース間電圧設定動作については、選択された画素回路行の全ての画素回路11について行われる。
【0190】
具体的には、制御部16から出力された表示データと、MU用レジスター部21gに保持された特性値MUと、VTH用レジスター部21hに保持された特性値VTHがVGS算出部21iに入力される。そして、VGS算出部21iにおいて、表示用データと特性値MUと特性値VTHに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。
【0191】
そして、VGS算出部21iにおいて算出されたVgsnはD/Aコンバータ21bに入力され、アナログ信号に変換された後、第1の差動増幅器21cに反転入力端子に入力される。そして、第1の差動増幅器21cにおいて、固定電圧VBが加算されてVsnに変換される。そして、スイッチ素子21kがONし、Vsnがデータ線14に出力される。
【0192】
上記のような動作により駆動用トランジスタ11bは、ゲート電圧Vg=VB、ソース電圧Vs=Vsn、Vgs=Vgsnが設定される。
【0193】
そして、次に発光動作が行なわれる(図5のt7以降、図8参照)。具体的には、走査駆動回路13から各走査線15にオフ走査信号が出力される(図5における時刻t7)。そして、図8に示すように、走査駆動回路13から出力されたオフ走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがOFFし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが切り離されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが切り離される。
【0194】
そして、駆動用トランジスタ11bのゲート−ソース間電圧VgsがVgsnとなり、駆動用トランジスタ11bのドレイン−ソース間には駆動電流Idnが流れる。
【0195】
この駆動電流Idnにより有機EL発光素子11aの寄生容量51が充電され、駆動用トランジスタ11bのソース電圧Vsが上昇するが、ゲート−ソース間電圧Vgsnは、容量素子11cの保持電圧Vgsnにより保持されたままなので、やがてソース電圧Vsは有機EL発光素子11aの発光閾値電圧Vf0を超え、有機EL発光素子11aの発光部50において定電流での発光動作が行なわれる。
【0196】
そして、走査駆動回路13により順次所定の画素回路行が最終行まで選択され、各画素回路行について上記第1の計測用ソース電圧設定動作から発光動作までの動作が実施され、第1フレームの表示画像が表示される。
【0197】
そして、次に第2フレームの表示画像を表示する際にも、走査駆動回路13により順次所定の画素回路行が選択され、各画素回路行について上記第1の計測用ソース電圧設定動作から発光動作までの動作が実施されるが、このとき特性値を算出する対象の画素回路が変わる。
【0198】
具体的には、第1フレームの表示画像の表示の際には、選択された画素回路行のうち一番左に配置されたR、G、Bの画素回路について特性値を算出し、特性値メモリ17の特性値を更新するようにしたが、第2フレームの表示画像を表示する際には、第1フレームの表示画像の表示の際における特性値算出対象のR、G、Bの画素回路の右側に隣接するR、G、Bの画素回路が特性値算出対象の画素回路として選択される。
【0199】
そして、さらに第3フレームの表示画像の表示の際には、第2フレームの表示画像の表示の際における特性値算出対象のR、G、Bの画素回路の右側に隣接するR、G、Bの画素回路が特性値算出対象の画素回路として選択される。
【0200】
上記のようにしてフレームが変わる毎に特性値算出対象のR、G、Bの画素回路が順次右側にシフトする。これにより、画素回路行の全ての画素回路数/3に相当するフレーム数を表示した時点で全ての画素回路について特性値メモリ17の特性値を更新したことになる。たとえば、フレームレートが60Hzで表示画素数(ここではR、G、Bの3つの画素回路を1つの表示画素とする)が640×480のVGAの場合には、特性値更新レートは640フレーム=10.7秒となり、駆動用トランジスタの特性の変動速度と比較すると十分だといえる。
【0201】
また、上記第2の実施形態の表示装置においては、特性値を算出する対象となる画素回路列をフレーム毎に順次切り替えるようにしたが、特性値を算出する対象となる画素回路行をフレーム毎に順次切り替えるようにしてもよい。
【0202】
この場合の概略構成を図15に示す。図15に示すように、上記第2の実施形態とは演算部の構成が異なる。具体的には、第2の実施形態においては、R演算部とG演算部とB演算部との3つの演算部のみを設けるようにしたが、特性値を算出する対象となる画素回路行をフレーム毎に順次切り替える場合には、演算部26は、図14に示した構成のものが各画素回路列(データ線14)毎に設けられることになる。その他の構成については上記第2の実施形態と同様である。
【0203】
図15に示す有機EL表示装置の動作について説明する。なお、タイミングチャートおよび画素回路内の動作については、第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるため、図5および図6から図8を参照しながら説明する。
【0204】
まず、走査駆動回路13により1行目の画素回路行(図15に示す一番上の画素回路行)が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される(図5における時刻t1)。
【0205】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0206】
そして、上記第2の実施形態の有機EL表示装置と同様に、第1の計測用ソース電圧の設定、第1の電流値の検出、第2の計測用ソース電圧の設定、第2の電流値の検出、および特性値の算出が行われるが、図15に示す有機EL表示装置においては、1行目から最終行までの画素回路行のうち1つの画素回路行について上記動作を行う。まずは、1行目の画素回路行(図15に示す一番上の画素回路行)の各画素回路について上記動作を行う。上記動作の詳細については上記第2の実施形態と同様である。
【0207】
そして、1行目の画素回路行の各画素回路について、特性値MUと特性値VTHとがそれぞれ算出され、各画素回路の特性値MUと特性値VTHは、制御部16とソース駆動回路21に出力される。そして、制御部16は、入力された特性値MUと特性値VTHを特性値メモリ17に出力し、1行目の画素回路行の各画素回路の特性値を書き直して更新する。一方、ソース駆動回路21に入力された特性値MUはMU用レジスター部21gに保持され、特性値VTHはVTH用レジスター部21hに保持される。
【0208】
そして、1行目の画素回路行について、表示用ゲート−ソース間電圧設定動作および発光動作が行われるが、これらの動作については上記第2の実施形態と同様である。
【0209】
そして、次に、走査駆動回路13により2行目の画素回路行(図15の上から2番目の画素回路行)が選択され、その画素回路行が接続された走査線15に、図5に示すようなオン走査信号が出力される。
【0210】
そして、図6に示すように、走査駆動回路13から出力されたオン走査信号に応じて選択用トランジスタ11dおよび計測用トランジスタ11eがONし、駆動用トランジスタ11bのゲート端子Gと固定電圧VBを供給する電圧源とが接続されるとともに、駆動用トランジスタ11bのソース端子S、容量素子11cの一端および有機EL発光素子11aのアノード端子とデータ線14とが接続される。
【0211】
そして、2行目の画素回路行については、第1の計測用ソース電圧の設定、第1の電流値の検出、第2の計測用ソース電圧の設定、第2の電流値の検出、および特性値の算出の動作が行われない。つまり、2行目の画素回路行の各画素回路については、特性値メモリ17の特性値が更新されない。そして、前回、特性値の算出対象として選択された時に特性値メモリ17に記憶された特性値MUと特性値VTHとが読み出され、ソース駆動回路21のMU用レジスター部21gとVTH用レジスター部21hとにそれぞれ保持される。
【0212】
そして、2行目の画素回路行について表示用ゲート−ソース間電圧設定動作および発光動作が行われる。これらの動作については1行目の画素回路行と同様である。
【0213】
そして、走査駆動回路13により3行目から最終行までの画素回路行が順次選択され、上述した2行目の画素回路行と同じ動作が行われ、第1フレームの表示画像が表示される。
【0214】
そして、次に第2フレームの表示画像を表示する際には、特性値の算出対象の画素回路行が1行目の画素回路行から2行目の画素回路行に切り替えられる。すなわち、1行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における2行目以降の画素回路行と同じ動作が行われ、2行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における1行目の画素回路行と同じ動作が行われる。
【0215】
そして、さらに第3フレームの表示画像を表示する際には、特性値の算出対象の画素回路行が2行目の画素回路行から3行目の画素回路行に切り替えられる。すなわち、1行目と2行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における2行目以降の画素回路行と同じ動作が行われ、3行目の画素回路行については、上述した第1フレームの表示画像の表示動作時における1行目の画素回路行と同じ動作が行われる。
【0216】
上記のようにしてフレームが変わる毎に特性値算出対象の画素回路行が順次にシフトする。これにより、画素回路行の数に相当するフレーム数を表示した時点で全ての画素回路について特性値メモリ17の特性値を更新したことになる。たとえば、フレームレートが60Hzで表示画素数(ここではR、G、Bの3つの画素回路を1つの表示画素とする)が640×480のVGAの場合には、特性値更新レートは480フレーム=8秒となり、駆動用トランジスタの特性の変動速度と比較すると十分だといえる。
【0217】
上記のように1行目から最終行まで画素回路行のうちの一部の画素回路行をフレーム毎に順次切り替えて選択し、その選択した選択画素回路行について特性値を取得するようにすれば、たとえば、高精細パネルなど全画素回路行の走査時間が短い場合においても、一部の画素回路行については特性値を取得する時間を確保することができ、特性値を取得する画素回路行をフレーム毎に切り替えることによって全ての画素回路行についての特性値を取得することができる。
【0218】
また、上記ように特性値を算出する対象となる画素回路列または画素回路行をフレーム毎に順次切り替える場合においても、必ずしも閾値電圧に応じた特性値VTHと移動度に応じた特性値MUとの両方を算出しなくてもよく、第1の計測用ゲート−ソース間電圧Vgs1のみを供給して第1の電流値Id1を検出し、これらに基づいて閾値電圧に応じた特性値VTHおよび移動度に応じた特性値MUのうちのいずれか一方のみを算出するようにしてもよい。
【0219】
ここで、上記第1および第2の実施形態の有機EL表示装置においては、上述したように駆動用トランジスタとしてN型薄膜トランジスタを用いる必要があり、そのN型の薄膜トランジスタとしてはアモルファスシリコンの薄膜トランジスタを用いることできる。
【0220】
しかしながら、アモルファスシリコンの薄膜トランジスタは、ゲート電圧印加による電圧ストレスによってその閾値電圧がシフトする特徴を有する。
【0221】
上記第1および第2の実施形態の有機EL表示装置においては、駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vgを固定電圧VBとしてソース電圧を変更することによって駆動用トランジスタ11bに流れる電流値を検出するため、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧のシフトが大きいと電流値を検出する際に設定されるソース電圧がより低い電圧となる。このため長期的な閾値電圧シフトを見越した大きな負の電源電圧が必要となる。したがって、省電力の面からは駆動用トランジスタ11bの閾値電圧のシフトを抑制することが望ましい。
【0222】
たとえば、特開2006−227237号公報(以下、特許文献7という)においては、駆動用トランジスタのゲート端子に逆バイアス電圧を印加することで閾値電圧のシフトを抑制する方法が提案されている。
【0223】
しかしながら、表示動作時に駆動用トランジスタのゲート端子に印加されるゲート電圧の大きさは表示画像に依存するものであり、このゲート電圧の大きさによって駆動用トランジスタの閾値電圧のシフト量も変化する。これに対し、特許文献7において行なわれる逆バイアスの期間および逆バイアス電圧の大きさは全画素共通であるため、個々の駆動用トランジスタの閾値電圧の偏差や表示画像による閾値電圧のシフト量の変化に対応することができない。そして、逆バイアス不足によって駆動用トランジスタの閾値電圧のシフトが始まると加速度的に閾値電圧がシフトしてしまう。すなわち、特許文献7に記載の方法では、長期間にわたって表示画像を更新する場合において駆動用トランジスタの閾値電圧のシフトを抑制することは困難である。
【0224】
次に、上記のような駆動用トランジスタの閾値電圧のシフトを適切に抑制することができる本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置について説明する。第3の実施形態の有機EL表示装置は、上記第1の実施形態の有機EL表示装置において、さらに駆動用トランジスタ11bに表示画像に応じた逆バイアス電圧を施すようにしたものである。
【0225】
第3の実施形態の有機EL表示装置の画素回路の構成を図16に示す。図16に示すように、第3の実施形態の有機EL表示装置の画素回路の有機EL発光素子11aのカソード端子には共通電極線18が接続されている。その他の画素回路の構成は第1の有機EL表示装置と同様である。
【0226】
第3の実施形態の有機EL表示装置のソース駆動回路25は、図17に示すように、固定電圧源25aと、D/Aコンバータ25bと、第1の差動増幅器25cと、サンプルホールド回路21hと、第2の差動増幅器25gと、A/Dコンバータ25fと、演算部25iと、第1のスイッチ素子25jと、増幅器25dと、第3の差動増幅器25eと、第2のスイッチ素子21kとを備えている。
【0227】
固定電圧源25a、D/Aコンバータ25b、第1の差動増幅器25c、サンプルホールド回路21h、第2の差動増幅器25g、A/Dコンバータ25f、演算部25i、および第1のスイッチ素子25jについては、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0228】
増幅器25dは、演算部25iのVGS算出部20kにおいて算出された表示用ゲート−ソース間電圧VgsnをKr倍して出力するものである。
【0229】
第3の差動増幅器25eは、増幅器25dから出力されたKr×VgsnにVBを加算して逆バイアス電圧Vrvを算出し、その逆バイアス電圧をデータ線14に出力するものである。
【0230】
第2のスイッチ素子25kは、制御部16から出力された同期信号に基づくタイミング信号に応じて第3の差動増幅器25eとデータ線14との接続を切り替えるものである。
【0231】
その他の構成については第1の実施形態の有機EL表示装置と同様である。
【0232】
次に、第3の実施形態の有機EL表示装置の動作について、図18に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、図18には、走査駆動回路13から出力される走査信号Vscan、ソース駆動回路12から出力されるデータ信号Vdata、駆動用トランジスタ11bのゲート電圧Vg、ソース電圧Vsおよびゲート−ソース間電圧Vgsの電圧波形が示されている。
【0233】
図18のタイミングチャートに示すように、第3の実施形態の有機EL表示装置においては、特性値算出動作(図18におけるt5〜t6)と表示用ゲート−ソース間電圧設定動作(図18におけるt7〜t8)との間に、逆バイアス電圧印加動作(図18におけるt6〜t7)が行われる。その他の動作については、上記第1の実施形態の有機EL表示装置と同様であるため、この逆バイアス電圧印加動作についてのみ説明する。
【0234】
逆バイアス電圧印加動作は、具体的には、特性値算出動作の後、制御部16から出力された表示データと、MU算出部20gにおいて算出された特性値MUと、VTH算出部20jにおいて算出された特性値VTHがVGS算出部20kに入力され、VGS算出部20kにおいて、表示データと特性値MUと特性値VTHとに基づいて表示用ゲート−ソース間電圧Vgsnが算出される。
【0235】
そして、VGS算出部20kにおいて算出されたVgsnはD/Aコンバータ25bに入力され、D/Aコンバータ25bにおいてアナログ信号の変換された後、増幅器25dに入力される。そして、増幅器25dにおいてVgsnがKr倍され、Kr×Vgsnが第3の差動増幅器25eに反転入力端子に入力される。そして、第3の差動増幅器25eにおいてKr×Vgsnに固定電圧VBが加算されて、下式で表わされる逆バイアス電圧Vrvが算出される。
【0236】
Vrv=K×Vgsn+VB
そして、第2のスイッチ素子25kがONし、第3の差動増幅器25eからデータ線14に逆バイアス電圧Vrvが出力され、画素回路11の駆動用トランジスタ11bのソース端子Sに印加される。これは発光動作で設定される正バイアスVgsnの−Kr倍の電圧を駆動用トランジスタ11bのゲート−ソース間に印加することになり、閾値電圧のシフトの抑制効果を大幅に改善することができる。
【0237】
なお、上記逆バイアス電圧印加期間においては、画素回路の有機EL発光素子11aのカソード端子に接続された共通電極線18の電位が0Vから高電位(たとえば、Vdd)に変更される。これにより駆動用トランジスタ11bのソース端子S(有機EL発光素子11aのアノード端子)に逆バイアス電圧Vrvが印加されて有機EL発光素子11aが誤発光するのを防止することができる。
【0238】
ここで、上記第3の実施形態の有機EL表示装置における逆バイアス電圧について検討する。
【0239】
第3の実施形態の有機EL表示装置において、表示動作による駆動用トランジスタ11bの電圧ストレスは、Vgs×Tdspとなる。なお、Tdspは表示期間である。そして、逆バイアス電圧を印加する期間をTrvとすると、必要な逆バイアス電圧Vrvは、
Vrv=Vgs×Tdsp/Trv
となる。この逆バイアス電圧を印加することで1フレーム平均の電圧ストレスは正負均等化されてゼロになる。
【0240】
すなわち、第3の実施形態の有機EL表示装置における増幅器25dに設定される逆バイアス係数Krは、
Kr=Tdsp/Trv
となるが、逆バイアス期間Trvは、プログラム期間Tprgの一部であり、当然ながら表示期間Tdspよりも遥かに短くなる。したがって、逆バイアス係数Krは大きくなり、逆バイアス電圧Vrvも高電圧となる。
【0241】
しかしながら、逆バイアス電圧Vrvとして設定可能な最大電圧は電源電圧Vddであり、高輝度表示した場合には、電圧ストレスを逆バイアス電圧で相殺することができず逆バイアス電圧不足が発生するおそれがある。
【0242】
そこで、この問題を解決するために、駆動用トランジスタ11bを閾値電圧Vth<0の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成するようにしてもよい。図19に、閾値電圧Vth<0の駆動用トランジスタの電流特性の一例を示す。
【0243】
駆動用トランジスタ11bの閾値電圧Vthを負電圧化した場合には、表示動作でのVgsとして正と負の両極性の電圧が印加されるため、逆バイアス電圧も正と負の両極性を持つこととなり、逆バイアス電圧の限界値による逆バイアス不足を低減することができる。
【0244】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧は正負を問わず、特性値算出およびVgsn設定動作を行うことができるため、Vgsの使用範囲を負電圧化することで、逆バイアス電圧設定範囲を拡大し、長期安定性を向上することができる。
【0245】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、上述したようにアモルファスシリコンや無機酸化膜からなるN型の薄膜トランジスタを駆動用トランジスタとして用いることができるが、特に、IGZOからなるN型の薄膜トランジスタを駆動用トランジスタとして用いることが望ましい。
【0246】
IGZOからなる薄膜トランジスタの可逆性閾値電圧シフト特性を利用することによって、たとえば、真っ黒の画面を表示している期間や電源オフ時などの非表示期間に閾値電圧を初期値に戻すことができるので、閾値電圧のシフトをさらに抑制することができる。また、駆動用トランジスタ11bの閾値電圧の負電圧化も容易に実現することができる。
【0247】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、差分電圧ΔVs1,ΔVs2を算出する手段として、アナログ回路の第2の差動増幅器を用いるようにしたが、これに限らず、デジタル演算で算出するようにしてもよい。また、表示用ソース電圧Vsnを算出する手段として、アナログ回路の第1の差動増幅器を用いるようにしたが、これもデジタル演算で算出するようにしてもよい。また、固定電圧VB=0Vにすれば、上記のような演算を行わないようにすることができる。
【0248】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置においては、MU算出部、VTH算出部、VGS算出部を設けてデジタル演算によりMU、VTH、Vgsnを算出するようにしているが、これらの実施形態はこれに限らず、DSPやCPUなどで代替してもよい。
【0249】
また、上記第1から第3の実施形態の有機EL表示装置における特性値を演算する演算部は、ソース駆動回路内に設置してもよいし、独立した構成としてもよいし、制御部16内に設置するようにしてもよい。
【0250】
また、上記本発明の実施形態は、本発明の表示装置を有機EL表示装置に適用したものであるが、発光素子としては、有機EL発光素子に限らず、たとえば、無機EL素子などを用いるようにしてもよい。
【0251】
また、上記実施形態においては、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流によって有機EL発光素子の寄生容量を充電したときの駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、その変化量に基づいて駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得するようにしたが、計測用電圧の供給により駆動用トランジスタに流れた電流を充電する箇所は有機EL発光素子の寄生容量に限らず、たとえば、布線容量や計測用トランジスタのゲート寄生容量などであってもよい。また、有機EL発光素子に並列の補助容量を設置し、この補助容量に充電するようにしてもよい。
【0252】
また、本発明の表示装置は、様々な用途がある。たとえば、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話など)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0253】
【図1】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の概略構成図
【図2】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の画素回路の構成を示す図
【図3】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置のソース駆動回路の構成を示す図
【図4】図3に示す演算部の詳細な構成を示す図
【図5】本発明の表示装置の第1の実施形態を適用した有機EL表示装置の作用を説明するためのタイミングチャート
【図6】本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置の計測用電圧設定動作の作用を説明するための図
【図7】本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置の電流値検出動作の作用を説明するための図
【図8】本発明の第1の実施形態の有機EL表示装置の発光動作を説明するための図
【図9】移動度に応じた特性値のみを算出する場合の演算部の構成を示す図
【図10】閾値電圧に応じた特性値のみを算出する場合の演算部の構成を示す図
【図11】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置の概略構成図
【図12】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置のR、G、Bの画素回路の配置を示す図
【図13】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置のソース駆動回路の構成を示す図
【図14】本発明の表示装置の第2の実施形態を適用した有機EL表示装置のR演算部の構成を示す図
【図15】特性値算出対象の画素回路行をフレーム毎に切り替える場合の有機EL表示装置の概略構成図
【図16】本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置の画素回路の構成を示す図
【図17】本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置のソース駆動回路の構成を示す図
【図18】本発明の表示装置の第3の実施形態を適用した有機EL表示装置の作用を説明するためのタイミングチャート
【図19】閾値電圧Vthが負電圧の駆動用トランジスタの電流特性の一例を示す図
【符号の説明】
【0254】
10 アクティブマトリクス基板
11 画素回路
11a 有機EL発光素子
11b 駆動用トランジスタ
11c 容量素子
11d 選択用トランジスタ
11e 計測用トランジスタ
12 ソース駆動回路
12a 固定電圧源
12b D/Aコンバータ
12c 第1の差動増幅器
12d サンプルホールド回路
12e 第2の差動増幅器
12f A/Dコンバータ
12g 演算部
12h スイッチ素子
13 走査駆動回路
14 データ線
15 走査線
16 制御部
17 特性値メモリ
18 共通電極線
21 ソース駆動回路
21a 固定電圧源
21b D/Aコンバータ
21c 第1の差動増幅器
21d サンプルホールド回路
21e 第2の差動増幅器
21f A/Dコンバータ
21h サンプルホールド回路
21k スイッチ素子
22 R演算部
23 G演算部
24 B演算部
25 ソース駆動回路
25a 固定電圧源
25b D/Aコンバータ
25c 第1の差動増幅器
25d 増幅器
25e 第3の差動増幅器
25f A/Dコンバータ
25g 第2の差動増幅器
25i 演算部
25j スイッチ素子
25k スイッチ素子
26 演算部
30 演算部
40 演算部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、
予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、
前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、
該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項2】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、
前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、
該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項3】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路については、予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、
予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、
前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項4】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路については、予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、
前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項5】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路行については、予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、
予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、
前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記一部の画素回路行以外の選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項6】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路行については、予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、
前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記一部の画素回路行以外の非選択画素回路行については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項7】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路について前記第1の電流値と前記第2の電流値とを取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路について前記電流値を取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路行について前記第1の電流値と前記第2の電流値とを取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路行について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路行については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路行について前記電流値を取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路行について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路行については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
前記駆動用トランジスタに出力されるデータ信号に応じた大きさの逆バイアス電圧を前記駆動用トランジスタのゲート端子に供給する逆バイアス電圧出力部をさらに備えたことを特徴とする請求項7から12いずれか1項記載の表示装置。
【請求項14】
前記駆動用トランジスタが、閾値電圧が負電圧の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成されたものであることを特徴とする請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
前記駆動用トランジスタが、IGZO(InGaZnO)からなる薄膜トランジスタにより構成されたものであることを特徴とする請求項7から14いずれか1項記載の表示装置。
【請求項16】
前記電流値取得部により選択される一部の画素回路が、1つの表示画素に属する赤の前記発光素子を有する画素回路と緑の前記発光素子を有する画素回路と青の前記発光素子を有する画素回路であることを特徴とする請求項9または10記載の表示装置。
【請求項17】
前記発光素子のカソード端子に、前記逆バイアス電圧印加期間と該逆バイアス電圧印加期間以外の期間とで異なる電圧を供給する共通電極線が接続されていることを特徴とする請求項13または14記載の表示装置。
【請求項1】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、
予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、
前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、
該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項2】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列されたアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の駆動制御方法であって、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、
前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、
該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項3】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路については、予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、
予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、
前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項4】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路については、予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、
前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項5】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路行については、予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、
予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得し、
前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記一部の画素回路行以外の選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項6】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備えた表示装置の駆動制御方法であって、
前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、
該選択した選択画素回路行については、予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、
該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得し、
前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得し、該取得した特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するともに、前記取得した特性値を特性値記憶部に記憶し、
前記一部の画素回路行以外の非選択画素回路行については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力することを特徴とする表示装置の駆動制御方法。
【請求項7】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動回路とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路について前記第1の電流値と前記第2の電流値とを取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記走査駆動部により選択された行の画素回路のうちの一部の画素回路を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路について前記電流値を取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された第1の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第1の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第1の変化量を取得し、該第1の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第1の電流値を取得するとともに、予め設定された第2の計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該第2の計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の第2の変化量を取得し、該第2の変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の第2の電流値を取得する電流値取得部、前記第1の計測用電圧と前記第2の計測用電圧と前記第1の電流値と前記第2の電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値および移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路行について前記第1の電流値と前記第2の電流値とを取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路行について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路行については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
発光素子、該発光素子のアノード端子にソース端子が接続され、前記発光素子に駆動電流を流す駆動用トランジスタ、該駆動用トランジスタのゲート端子とソース端子との間に接続された容量素子、前記駆動用トランジスタのゲート端子と所定の電圧を供給する電圧源との間に接続されたゲート接続スイッチ、および前記駆動用トランジスタのソース端子と所定の信号を供給するデータ線との間に接続されたソース接続スイッチを有する画素回路が多数配列され、該画素回路の列毎に設けられたデータ線を有するアクティブマトリクス基板と、
前記画素回路の行を順次選択し、該選択した行の画素回路のソース接続スイッチをONする走査駆動部と、
予め設定された計測用電圧を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子へ供給し、該計測用電圧の供給により前記駆動用トランジスタに流れた電流によって前記駆動用トランジスタのソース端子に接続された容量性負荷を充電したときの前記駆動用トランジスタのソース端子の電圧の変化量を取得し、該変化量に基づいて前記駆動用トランジスタの駆動電流の電流値を取得する電流値取得部、前記計測用電圧と前記電流値とに基づいて前記駆動用トランジスタの閾値電圧に応じた特性値または移動度に応じた特性値を取得する特性値取得部、および該特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記データ線および前記ソース接続スイッチを介して前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するデータ信号出力部を有するソース駆動部と、
全ての前記画素回路の駆動用トランジスタの前記特性値を記憶する特性値記憶部と、
前記走査駆動部により1行目から最終行までの画素回路の行の選択を繰り返し行うことによってフレーム毎の前記データ信号に基づく画像を表示させる制御部とを備え、
前記電流値取得部が、前記1行目から最終行までの画素回路の行のうちの一部の画素回路行を前記フレーム毎に順次切り替えて選択し、該選択した画素回路行について前記電流値を取得するものであり、
前記特性値取得部が、前記電流取得部により選択された画素回路行について前記特性値を取得し、該取得した特性値を前記特性値記憶部に出力して該特性値記憶部に前に記憶された前記選択された画素回路行についての特性値を更新するものであり、
前記データ信号出力部が、前記電流値取得部により選択された選択画素回路行については、該選択時に前記特性値取得部により取得された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力し、前記電流値取得部により選択されなかった非選択画素回路行については、前記特性値記憶部に前回の選択時に記憶された特性値と前記発光素子の発光量に応じた前記駆動用トランジスタの駆動電圧とに基づくデータ信号を前記非選択画素回路行の前記駆動用トランジスタのソース端子に出力するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
前記駆動用トランジスタに出力されるデータ信号に応じた大きさの逆バイアス電圧を前記駆動用トランジスタのゲート端子に供給する逆バイアス電圧出力部をさらに備えたことを特徴とする請求項7から12いずれか1項記載の表示装置。
【請求項14】
前記駆動用トランジスタが、閾値電圧が負電圧の電流特性を有する薄膜トランジスタにより構成されたものであることを特徴とする請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
前記駆動用トランジスタが、IGZO(InGaZnO)からなる薄膜トランジスタにより構成されたものであることを特徴とする請求項7から14いずれか1項記載の表示装置。
【請求項16】
前記電流値取得部により選択される一部の画素回路が、1つの表示画素に属する赤の前記発光素子を有する画素回路と緑の前記発光素子を有する画素回路と青の前記発光素子を有する画素回路であることを特徴とする請求項9または10記載の表示装置。
【請求項17】
前記発光素子のカソード端子に、前記逆バイアス電圧印加期間と該逆バイアス電圧印加期間以外の期間とで異なる電圧を供給する共通電極線が接続されていることを特徴とする請求項13または14記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−44299(P2010−44299A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209535(P2008−209535)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
【Fターム(参考)】
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