表示装置およびコントローラドライバ
【課題】フリッカを低減すること。
【解決手段】入力画像20に基づいて複数の出力画像を生成するコントローラドライバ3と、複数の出力画像を次々に表示する表示部2とを備えている。コントローラドライバ3は、入力画像20のビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段6と、処理後画像を構成する複数画素のうちのいくつかの画素の階調をずらして補正して複数の出力画像を生成する画像処理部後段8とを備えている。複数の出力画像は、処理後画像に対して階調が異なる補正された画素の個数が互いに概ね等しい。このとき、表示装置1は、複数の出力画像ごとの平均輝度のばらつきが軽減されて、フリッカを低減することができる。
【解決手段】入力画像20に基づいて複数の出力画像を生成するコントローラドライバ3と、複数の出力画像を次々に表示する表示部2とを備えている。コントローラドライバ3は、入力画像20のビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段6と、処理後画像を構成する複数画素のうちのいくつかの画素の階調をずらして補正して複数の出力画像を生成する画像処理部後段8とを備えている。複数の出力画像は、処理後画像に対して階調が異なる補正された画素の個数が互いに概ね等しい。このとき、表示装置1は、複数の出力画像ごとの平均輝度のばらつきが軽減されて、フリッカを低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびコントローラドライバに関し、特に、FRC(フレームレートコントロール)を用いて画像を表示するときに利用される表示装置およびコントローラドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの表示装置におけるディスプレイは、高精細化、多色化が進み、LCDコントローラドライバに内蔵されるメモリ及び、DAコンバータ回路の回路規模が増大している。携帯電話などに使用されるコントローラドライバICは、消費電力、面積が小さいことが望まれている。しかし、メモリや、DAコンバータが増大することは、コントローラドライバの消費電力の増加、面積の増加に繋がる。また、近年の表示装置のディスプレイは、画質が向上しており、特に、液晶を用いた表示装置において、フリッカの少ない画像を表示することが望まれている。
【0003】
特開2003−162272号公報には、メモリ容量を減らしても通常のラスタ画像と遜色のない画像処理を行うとともに、メモリ容量のみならず、ラスタ画像のデータ伝送においても画質劣化を抑えながら伝送容量を減らすことのできる画像処理装置が開示されている。その画像処理装置は、原画像であるラスタ画像のビットプレーン数を減少させた後、該ビットプレーン数が減少したラスタ画像のビットプレーン数を前記原画像のビットプレーン数以下に増加する。特開2003−162272号公報には、さらに、FRCを用いてメモリ及び、DAコンバータを小さくする技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−162272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9は、特開2003−162272号公報に第6の実施形態として記載される画像処理装置を示している。その画像処理装置100は、画像処理部前段104とメモリ102とFRC画像処理部後段109と画像表示部103Aとを備えている。FRC画像処理部後段109は、しきい値生成部111Bと2ビットカウンタ119とキャリー生成部120とセレクタ113とから構成されている。画像処理部前段104は、コンピュータから送出されたRGB各色6ビットのラスタ画像101を減色処理してRGB各色4ビットのラスタ画像を生成する。メモリ102は、そのRGB各色4ビットのラスタ画像を蓄積する。しきい値生成部111Bは、画素のXY座標をもとにしきい値を生成する。2ビットカウンタ119は、VSyncが入力される度に、00→11→01→10→00→…と変化するカウンタ出力値を出力する。キャリー生成部120は、(しきい値)>(カウンタ出力値)のときには「1」を示し、それ以外のときは「0」を示すキャリーを出力する。このように、4フレームを1周期とし、その中でしきい値分のキャリーを発生させるようにしている。セレクタ113は、そのキャリーに応じて、メモリ102からの出力に1を加算した値を画像表示部103に出力するか、または、メモリ102からの出力そのままの値を画像表示部3に出力する。画像表示部103Aは、セレクタ113からの出力に基づいて各色4ビットでラスタ画像101が示す画像を表示する。
【0006】
しきい値生成部111Bが図10に示されるようなしきい値を出力するときに、キャリー生成部120は、図5に示されるようなキャリーを出力する。FRC画像処理部後段109は、キャリー生成部120の出力が1であるときに、メモリ102のデータは+1階調の出力が選択される。0階調が暗い階調を表示する装置の場合、このデータが1である個数が多いほど、輝度は高くなる。したがって、上記の表のVsyncカウンタ値が0のときに、1の個数は0/16であるのに対し、Vsyncカウンタ値が3のときは、1の個数が12/16であるため、Vsyncカウンタ値が3であるときのほうがVsyncカウンタ値0の場合より輝度が高い。このパターンが繰り返されるため、フリッカが生じる。また、メールなどに例示されるアプリケーションでは、白黒のみの表示を使うことが多い。このような画像処理装置は、さらに、全てのデータが0または全てのデータが1であるときにでもFRCを行うため、白黒表示の時にもフリッカが生じ、白沈み、黒浮きが生じる。
【0007】
本発明の課題は、フリッカを低減する表示装置およびコントローラドライバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明による表示装置(1)は、画素が並列に並べられた表示部(2)と、表示部(2)に接続されたコントローラドライバ(3)とを備えている。コントローラドライバ(3)は、入力画像(20)を2次元多値ディザマトリクスを用いてビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段(6)と、その処理後画像を格納するメモリ(7)と、メモリ(7)に格納されたその処理後画像に補正処理を行い、出力画像を生成する画像処理部後段(8)(60)とを備えている。画像処理部後段(8)(60)は、フレーム毎にカウンタ値を生成するカウンタ(41)と、その処理後画像の表示される位置とそのカウント値とによって参照される2次元2値ディザマトリクス(42)と、2次元2値ディザマトリクス(42)の出力に基づいて、その出力画像を出力するセレクタ(45)とを備えている。このとき、その出力画像のビット数は、その処理後画像のビット数と同じであり、その出力画像は、その2次元2値ディザマトリクス(42)の出力が第1値を示すときに、その処理後画像を示し、その2次元2値ディザマトリクス(42)の出力が第2値を示すときに、その処理後画像から補正されたデータを示している。このとき、或るフレーム期間において、2次元2値ディザマトリクス(42)から参照される第1値の個数が、そのフレーム期間と異なる他のフレーム期間において、2次元2値ディザマトリクス(42)から参照される第1値の個数に等しくなるように、2次元2値ディザマトリクス(42)は、その第1値と第2値とを出力する。このとき、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきが軽減されて、フリッカを低減することができる。
【0010】
より具体的には、コントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちのその座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(8)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(41)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(47)(67)を対応付けるテーブル(52)を参照して、複数LUT出力値(47)(67)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(47)を出力する2次元2値ディザマトリクス(42)と、出力画像データを出力するセレクタ(45)とを備えている。出力画像データは、LUT出力値(47)(67)が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、LUT出力値(47)(67)が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(47)(67)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値が、第1値を示しているLUT出力値の個数が互いに等しくなるように、2次元2値ディザマトリクス(42)(62)が設計されている。このとき、複数の出力画像は、処理後画像に対して補正された画素の個数が互いに等しくなるように生成され、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきを軽減して、フリッカを低減することができる。
【0011】
コントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちのその座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(60)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(61)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(67)を対応付けるテーブル(72)を参照して、複数LUT出力値(67)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(67)を出力する2次元2値ディザマトリクス(62)と、画像データとLUT出力値(67)とに基づいて出力値を出力する最大値最小値制御(63)と、出力画像データを出力するセレクタ(65)とを備えている。出力値は、画像データがすべて1かすべて0の場合は、第2値を出力し、それ以外の場合はLUT出力値(67)を示している。出力画像データは、出力値が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、出力値が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(67)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値(67)は、第1値を示しているLUT出力値(67)の個数が互いに等しい。このようなコントローラドライバ(3)は、処理後画像データ(28)が真っ黒または真っ白を示す画素がフレーム期間ごとに異なる階調を表示することを防止して、白沈み、黒浮きを防止することができる。
【0012】
コントローラドライバ(3)は、出力画像データに対応する階調電圧を座標により識別される画素に印加して表示部(2)にフレームを表示しているデータ線駆動回路をさらに備えている。階調電圧は、フレーム毎に極性が反転する。カウンタ(41)(61)は、複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに階調電圧の極性が反転するように、カウンタ値を出力する。このとき、表示部(2)の画素に印加される極性の偏りを平均化することができる。
【0013】
本発明によるコントローラドライバ(3)は、入力画像(20)のビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段(6)と、処理後画像を格納するメモリ(7)と、処理後画像を構成する複数画素のうちのいくつかの画素の階調を補正して複数の出力画像を生成する画像処理部後段(8)(60)とを備えている。出力画像のビット数は、処理後画像のビット数と同じである。このとき、処理後画像は、入力画像(20)より情報量が小さいために、その処理後画像を格納するメモリ(7)は、縮小することができ、コントローラドライバ(3)の回路規模を縮小することができる。さらに、複数の出力画像は、処理後画像に対して補正された画素の個数が互いに概ね等し苦なるように生成される。このとき、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきが軽減されて、フリッカを低減することができる。
【0014】
より具体的には、本発明によるコントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちの座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(8)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(41)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(47)を対応付けるテーブル(52)を参照して、複数LUT出力値(47)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(47)を出力する2次元2値ディザマトリクス(42)と、出力画像データを出力するセレクタ(45)とを備えている。出力画像データは、LUT出力値(47)が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、LUT出力値(47)が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(47)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値(47)は、第1値を示しているLUT出力値(47)の個数が互いに等しくなるように、2次元2値ディザマトリクス(42)(62)が設計されている。このとき、複数の出力画像は、処理後画像に対して補正された画素の個数が互いに等しくなるように生成され、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきを軽減して、フリッカを低減することができる。
【0015】
コントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちの座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(60)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(61)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(67)を対応付けるテーブル(72)を参照して、複数LUT出力値(67)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(67)を出力する2次元2値ディザマトリクス(62)と、画像データとLUT出力値(67)とに基づいて出力値を出力する最大値最小値制御(63)と、出力画像データを出力するセレクタ(65)とを備えている。出力値は、画像データがすべて1かすべて0の場合は、第2値を出力し、それ以外の場合はLUT出力値(67)を示している。出力画像データは、出力値が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、出力値が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(67)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値(67)は、第1値を示しているLUT出力値(67)の個数が互いに等しい。このようなコントローラドライバ(3)は、処理後画像データ(28)が真っ黒または真っ白を示す画素がフレーム期間ごとに異なる階調を表示することを防止して、白沈み、黒浮きを防止することができる。
【0016】
本発明によるコントローラドライバ(3)は、出力画像データに対応する階調電圧を座標により識別される画素に印加して表示部(2)にフレームを表示しているデータ線駆動回路をさらに備えている。階調電圧は、フレーム毎に極性が反転する。カウンタ(41)(61)は、複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに階調電圧の極性が反転するように、カウンタ値を出力する。このとき、表示部(2)の画素に印加される極性の偏りを平均化することができる。
【0017】
本発明による表示装置(1)は、ディザマトリックス(42)とセレクタ(45)とを有している。ディザマトリックス(42)は、カウント値および画像データの座標データに基づいて複数のマトリクスの中から対応するマトリックスを出力する。その画像データは、複数の画像のうちの1つを示し、その画像を構成する複数の画素に対応する階調を示している。その複数の画像は、それぞれ、複数の入力画像(20)が減色処理されて生成される。その複数の画素のうちの任意の要素は、その座標データの集合のうちの1つの要素に対応している。そのカウント値は、その複数の画像のうちの1つの画像に対して複数が生成される。そのマトリクスは、そのカウント値ごとに出力され、複数の値から形成されている。その複数の値のうちの任意の要素は、座標データのうちの1つの要素に対応している。セレクタ(45)は、ディザマトリックス(42)から出力されるマトリクスに基づいて、その画像データに対して加算処理を実施したデータを出力する。すなわち、そのデータのうちのある座標に対応する階調は、その画像データのうちのその座標に対応する階調が加算処理されて出力される。その加算処理は、そのマトリクスのうちのその座標に対応する値に対応している。たとえば、そのデータの階調は、そのマトリクスの値が0であるときにその画像データの階調をそのまま示し、そのマトリクスの値が1であるときにその画像データの階調に1が加算された階調を示す。その各カウント値に応答して出力されるデータから形成される複数の画像は、次々に表示され、各カウント値に対応する複数のマトリクスの各値の個数が互いに概ね等しいときに、フリッカが低減される。
【発明の効果】
【0018】
本発明による表示装置およびコントローラドライバは、フリッカを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図面を参照して、本発明による表示装置の実施の形態を記載する。その表示装置1は、図1に示されているように、表示部2とコントローラドライバ3とを備えている。表示部2は、液晶パネルであり、複数の画素と複数のゲート線と複数のデータ線とを備えている。その複数の画素は、マトリクス状に配置され、座標(X座標とY座標との組)により互いに識別される。その複数の画素の各々は、その複数のゲート線のうちの1つのゲート線に接続され、複数のデータ線のうちの1つのデータ線に接続されている。コントローラドライバ3は、入力される画像に基づいて複数の出力画像を生成する。
【0020】
コントローラドライバ3は、命令処理回路5と画像処理部前段6とメモリ7と画像処理部後段8と階調電源11とデータ線駆動回路12とゲート線駆動回路14とを備えている。
【0021】
命令処理回路5は、外部からコントローラドライバ3に入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像データ20は、表示部2に表示させる画像を示し、表示部2が備える複数の画素に複数の色を対応付けている。その色は、対応する画素に表示される色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、2進数の8ビットの数値で表現されている。制御信号21は、階調電源11の設定に用いられ、データ線駆動回路12とゲート線駆動回路14とのタイミング制御に用いられる信号であり、複数の階調に対応する複数の階調電圧を示し、データ線駆動回路12とゲート線駆動回路14との動作のタイミングを示している。座標データ23は、表示部2が備える複数の画素のうちの1つの画素を識別し、その1つの画素の座標(X座標とY座標との組)を示している。座標データ23は、複数の画素をそれぞれ示す複数の座標が所定の順で繰り返すように変化する。画像データ22は、画像データ20が示す画像のうちの座標データ23により識別される画素に表示させる色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、8ビットの数値で表現されている。タイミング制御信号24は、表示部2に表示させる各フレームを生成するタイミングを示している。階調設定25は、制御信号21が示す複数の階調電圧を示し、複数の階調に対応付けて複数の階調電圧を示している。タイミング制御27は、表示パネル2のゲート線のうちの座標データ23により識別される画素に接続される1つのゲート線を識別し、ゲート線駆動回路14がその1つのゲート線に”H”を示す制御信号を供給するタイミングを示している。タイミング制御26は、表示パネル2のデータ線のうちの座標データ23により識別される画素に接続される1つのデータ線を識別し、データ線駆動回路12がその1つのデータ線に階調電圧を印加するタイミングを示している。
【0022】
画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。処理後画像データ28は、画像データ22が示す色に概ね等しい色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、6ビットの数値で表現されている。すなわち、画像処理部前段6は、画像データ22が示す階調の下位2ビットを切り捨てて処理後画像データ28を算出する。
【0023】
メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0024】
画像処理部後段8は、処理後画像データ28と座標データ23とタイミング制御信号24とに基づいて、出力画像データ29を生成する。出力画像データ29は、座標データ23により識別される画素に表示される色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、6ビットの数値で表現されている。出力画像データ29は、処理後画像データ28により示される階調を示し、または、処理後画像データ28により示される階調に1を加算した値を示している。
【0025】
ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線に複数の制御信号33をそれぞれ出力する。制御信号33のうちのタイミング制御27により識別されるゲート線に出力される制御信号は、”H”を示し、制御信号33のうちの残りの制御信号は、”L”を示している。
【0026】
データ線駆動回路12は、タイミング制御26と出力画像データ29とに基づいて、表示パネル2の複数のデータ線に複数の表示データ32をそれぞれ出力する。
表示データ32は、それぞれ、複数の階調電圧31のいずれかにより表現されている。すなわち、データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の階調電圧31のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。
【0027】
表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像を表示する。その色は、ゲート線からその画素に”H”を示す制御信号が与えられている期間に、データ線からその画素に与えられる階調電圧に対応している。
【0028】
図2は、画像処理部前段6で用いられるビットプレーンデータを示している。そのビットプレーンデータ51は、複数の座標を複数のしきい値に対応付けている。そのしきい値は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。その座標は、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。
【0029】
ビットプレーンデータ51は、0を示すしきい値の個数と1を示すしきい値の個数と2を示すしきい値の個数と3を示すしきい値の個数とが互いに等しく、すなわち、各値を示すしきい値の個数が4個である。ビットプレーンデータ51は、さらに、X座標の1つに対応する複数のしきい値が0、1、2、3のうちのいずれかを示すしきい値を1つだけ含むように設計されている。ビットプレーンデータ51は、さらに、Y座標の1つに対応する複数のしきい値が0、1、2、3のうちのいずれかを示すしきい値を1つだけ含むように設計されている。
【0030】
図3は、画像処理部後段8を示している。画像処理部後段8は、カウンタ41と2次元2値ディザマトリクス42と+1演算器44とセレクタ45とオーバフロー制御53とを備えている。カウンタ41は、タイミング制御信号24に基づいてカウンタ値46を算出する。カウンタ値46は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。カウンタ値46は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に変化し、0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように出力される。2次元2値ディザマトリクス42は、処理後画像に依存することなく、座標データ23とカウンタ値46とに基づいてLUT出力値47を出力する。LUT出力値47は、0または1のいずれかを示している。+1演算器44は、処理後画像データ28に基づいて+1画像データ49を算出する。+1画像データ49は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示している。セレクタ45は、処理後画像データ28と+1画像データ49とLUT出力値47とに基づいて画像データ54を算出する。画像データ54は、LUT出力値47が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示し、LUT出力値47が1を示すときに+1画像データ49が示す階調を示している。オーバフロー制御53は、画像データ54に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ54がオーバーフローしていないときに画像データ54と等しい値を示し、画像データ54がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0031】
2次元2値ディザマトリクス42は、テーブルを備えている。そのテーブル52は、図4に示されているように、座標とカウンタ値とをLUT出力値に対応付けている。その座標は、ビットプレーンデータ51の座標と同様にして、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。そのカウンタ値は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。そのLUT出力値は、0または1のいずれかを示している。
【0032】
テーブル52は、ある座標に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が、ビットプレーンデータ51によりその座標に対応するしきい値に一致するように、設計されている。テーブル52は、さらに、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が6になるように設計されている。すなわち、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数は、互いに一致している。
【0033】
このとき、画像処理部後段8の2次元2値ディザマトリクス42は、テーブル52を参照して、座標データ23が示すX座標とY座標とカウンタ値46が示す値とに対応するLUT出力値を出力する。すなわち、本発明では、画像処理部前段6で、次式:
メモリ保持画像データ=(入力画像−ビットプレーンデータ+2)>>2
により示される処理を行う。画像処理部後段8では、次式:
出力画像データ=(メモリ保持画像データ) + 2次元2値ディザマトリクス(Vsyncカウンタ値0〜3)
により示される処理を行う。ここで、出力画像データをメモリ保持画像データの式で表すと、次式:
出力画像データ= int((メモリ保持画像データ−ビットプレーンデータ+2)/4)+2次元2値ディザマトリクス(Vsyncカウンタ値)
となる。2次元2値ディザマトリクス42の4つのフレームの合計は画像処理部前段6のビットプレーン値と等しくなっている。
【0034】
具体例に示すと、入力データが次表:
【表1】
である場合、メモリに格納されるときのデータは、次表:
【表2】
により表現される。出力後のデータは、Vsyncカウンタ値が0であるときに、次表:
【表3】
により表現され、Vsyncカウンタ値が1であるときに、次表:
【表4】
により表現され、Vsyncカウンタ値が2であるときに、次表:
【表5】
により表現され、Vsyncカウンタ値が3であるときに、次表:
【表6】
により表現される。この4フレームのデータを合計すると、次表:
【表7】
により表すことができる。このことから明らかなように、本発明の変換処理によれば、全体的に入力信号に近い値をとっていることが分かる。これは本発明において粒状感の減少及び偽色の抑制が図れることを示している。
【0035】
このようなコントローラドライバ3は、メモリ7と画像処理部後段8と階調電源11とデータ線駆動回路12とを6ビットの構成で実現することができ、これらの回路を6ビットで構成することより、コントローラドライバ3が備えるメモリ回路を縮小することができ、DAコンバータの規模を縮小することができる。
【0036】
以下に、本発明による表示装置1の動作を説明する。
コントローラドライバ3は、外部から画像データ20と制御信号21とが入力されると、まず、命令処理回路5が、外部からコントローラドライバ3に入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0037】
カウンタ41は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように値が変化するカウンタ値46を出力する。2次元2値ディザマトリクス42は、テーブル52を参照して、座標データ23とカウンタ値46とに対応するLUT出力値47を出力する。+1演算器44は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示す+1画像データ49を出力する。セレクタ45は、LUT出力値47が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示す画像データ54を出力し、LUT出力値47が1を示すときに+1画像データ49が示す階調を示す画像データ54を出力する。オーバフロー制御53は、画像データ54に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ54がオーバーフローしていないときに画像データ54と等しい値を示し、画像データ54がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0038】
階調電源11は、階調設定25に基づいて複数の階調電圧31をデータ線駆動回路12に印加する。ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線のタイミング制御27により識別されるゲート線に”H”を示す制御信号を出力し、残りのゲート線に”L”を示す制御信号を出力する。データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の階調電圧31のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像データ20が示す画像を表示する。
【0039】
複数のカウンタ値は、表示部2に表示される複数のフレームに対応している。すなわち、表示装置1は、カウンタ値が4つの値をとることができるときに、画像データ20が示す1つの画像に対して互いに異なる4種類のフレームを生成することができる。
【0040】
このようなコントローラドライバ3の動作により、6ビットの表示装置に8ビットの画像に近い画像を出力することができる。
【0041】
本発明による表示装置の比較例は、特開2003−162272号公報に第6の実施形態として記載される画像処理装置である。その画像処理装置100は、図9に示されているように、画像処理部前段104とメモリ102とFRC画像処理部後段109と画像表示部103Aとを備えている。FRC画像処理部後段109は、しきい値生成部111Bと2ビットカウンタ119とキャリー生成部120とセレクタ113とから構成されている。画像処理部前段104は、コンピュータから送出されたRGB各色6ビットのラスタ画像101を減色処理してRGB各色4ビットのラスタ画像を生成する。メモリ102は、そのRGB各色4ビットのラスタ画像を蓄積する。しきい値生成部111Bは、画素のXY座標をもとにしきい値を生成する。2ビットカウンタ119は、VSyncが入力される度に計数し、その出力値が00→11→01→10→00→…と変化する。キャリー生成部120は、(しきい値)>(カウンタ出力値)のときには「1」を示し、それ以外のときは「0」を示すキャリーを出力する。このように、4フレームを1周期とし、その中でしきい値分のキャリーを発生させるようにしている。セレクタ113は、そのキャリーに応じて、メモリ102からの出力に1を加算した値を画像表示部3に出力するか、または、メモリ102からの出力そのままの値を画像表示部3に出力する。画像表示部103Aは、セレクタ113からの出力に基づいて各色4ビットでラスタ画像101が示す画像を表示する。
【0042】
図5は、画像処理装置100のしきい値生成部111Bが図9により示されるしきい値を生成するときに、キャリー生成部120が出力するキャリーを示している。1を示すキャリーが4×4の画素のブロックに出現する個数は、Vsyncカウンタ値が0のときに0個であり、Vsyncカウンタ値が3のときに12個であり、Vsyncカウンタ値が1のときに4個であり、Vsyncカウンタ値が2のときに8個である。画像表示部103Aが0階調を暗く表示する場合、同じ画像から生成されたフレームであっても、1を示すキャリーの個数が多いフレームほどそのフレームの平均輝度が高くなる。このため、画像処理装置100は、Vsyncカウンタ値が変化する度に、1を示すキャリーの個数が異なる複数のフレームが繰り返し表示されるため、フリッカが生じる。
【0043】
表示装置1によれば、“1”を示すLUT出力値が出現する個数がフレーム毎(カウンタ値毎)に一定になり、メモリの画像データに+1階調する個数が一定になっている。このため、本発明による表示装置1によれば、比較例の画像処理装置100に比較して、1つの画像に対して生成される4つのフレームは、画面の平均輝度のフレーム毎のばらつきが軽減されており、その4つのフレームが次々に表示されるときに発生するフリッカを軽減することができる。
【0044】
また、カウンタ値が0→1→2→3→1→2→3→0→・・・・と繰り返すことにより、ある1つの値を示すカウンタ値に対応するフレームは、表示されるごとに、表示部2を駆動する際の極性が反転している。このため、表示部2の各画素に印加される電圧の極性の偏りを平均化することができる。
【0045】
なお、カウンタ41は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に、0→1→2→3の順列が繰り返すように変化するカウンタ値46を出力することもできる。このとき、表示装置1は、表示部2を駆動する際の極性反転と同期して、ある1つの値を示すカウンタ値に対応するフレームは、常に片方の極性で表示される。このような表示装置は、極性の偏りを平均化することができできないが、フリッカは軽減することができる。
【0046】
本発明による表示装置の実施の他の形態は、既述の実施の形態における画像処理部後段8が他の画像処理部後段に置換されている。その画像処理部後段60は、図6に示されているように、カウンタ61と2次元2値ディザマトリクス62と最大値最小値制御63と+1演算器64とセレクタ65とオーバフロー制御73とを備えている。カウンタ61は、タイミング制御信号24に基づいてカウンタ値66を算出する。カウンタ値66は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に変化し、0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように出力される。2次元2値ディザマトリクス62は、テーブル52を参照して、座標データ23が示すX座標とY座標とカウンタ値66が示す値とに対応するLUT出力値を出力する。最大値最小値制御63は、処理後画像データ28とLUT出力値67とに基づいて出力値68を算出する。最大値最小値制御63は、処理後画像データ28が示す色が白であるか、黒であるか、その他の色であるかを判別し、その判別結果とLUT出力値67とに基づいて出力値68を算出する。出力値68は、処理後画像データ28がすべて0またはすべて1を示すときに0を示し、処理後画像データ28が示す色がすべて0を示さないで、かつ、すべて1を示さないときに出力値68LUT出力値67が示す値を示している。+1演算器64は、処理後画像データ28に基づいて+1画像データ69を算出する。+1画像データ69は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示している。セレクタ65は、処理後画像データ28と+1画像データ69と出力値68とに基づいて画像データ74を算出する。画像データ74は、出力値68が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示し、出力値68が1を示すときに+1画像データ69が示す階調を示している。オーバフロー制御73は、画像データ74に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ74がオーバーフローしていないときに画像データ74と等しい値を示し、画像データ74がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0047】
このようなコントローラドライバは、既述の実施の形態におけるコントローラドライバ3と同様にして、回路を6ビットで構成することができ、メモリ回路を縮小することができ、DAコンバータの規模を縮小することができる。
【0048】
そのコントローラドライバは、外部から画像データ20と制御信号21とが入力されると、まず、命令処理回路5が、外部からそのコントローラドライバに入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0049】
カウンタ61は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように値が変化するカウンタ値66を出力する。2次元2値ディザマトリクス62は、テーブル52を参照して、座標データ23とカウンタ値66とに対応するLUT出力値67を出力する。最大値最小値制御63は、処理後画像データ28が示す色が白であるか、黒であるか、その他の色であるかを判別し、その判別結果とLUT出力値67とに基づいて出力値68を算出する。すなわち、出力値68は、処理後画像データ28がすべて0またはすべて1を示すときに0を示す出力値68を出力し、処理後画像データ28が示す色がその他の色であるときにLUT出力値67を示す出力値68を出力する。+1演算器64は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示す+1画像データ69を出力する。セレクタ65は、出力値68が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示す画像データ74を出力し、出力値68が1を示すときに+1画像データ69が示す階調を示す画像データ74を出力する。オーバフロー制御73は、画像データ74に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ74がオーバーフローしていないときに画像データ74と等しい値を示し、画像データ74がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0050】
階調電源11は、階調設定25に基づいて複数の階調電圧31をデータ線駆動回路12に印加する。ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線のタイミング制御27により識別されるゲート線に”H”を示す制御信号を出力し、残りのゲート線に”L”を示す制御信号を出力する。データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の階調電圧31のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。データ線駆動回路12は、さらに、表示部2に表示させるフレーム毎に、データ線に印加する階調電圧の極性を反転させる。表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像データ20が示す画像を表示する。
【0051】
このような表示装置によれば、既述の実施の形態における表示装置1と同様にして、フリッカを軽減し、表示部2の各画素に印加される電圧の極性の偏りを平均化することができる。
【0052】
既述の実施の形態における画像処理部後段8は、真っ白、真っ黒などの階調データがすべて0であったり、すべて1であったりする画像に対しても必ず+1演算処理する。このため、画像処理部後段8を備える表示装置1により表示される画像には、真っ黒である部分に黒でない画素が出てきたり、真っ白である部分に白でない画素が出てきたりするために、黒浮きや、白沈みなどの問題が生じる。画像処理部後段60を備える表示装置は、階調データがすべて0の場合に出力値をすべて0にし、階調データがすべて1の場合に出力値をすべて1にすることにより、画像の真っ黒である部分に黒でない画素が出ることを防止し、真っ白である部分に白でない画素が出ることを防止して、黒浮き、白沈みを解消することができる。
【0053】
なお、出力値68は、処理後画像データ28がすべて0を示すときに0を示し、処理後画像データ28がすべて1を示すときに1を示し、処理後画像データ28がすべて0を示さないで、かつ、すべて1を示さないときにLUT出力値67が示す値を示すように、最大値最小値制御63を設計することもできる。このときも同様にして、黒浮き、白沈みを解消することができる。
【0054】
本発明による表示装置の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態における階調電源11が他の階調電源に置換されている。その階調電源は、階調設定25に基づいて複数の+1階調電圧をデータ線駆動回路12に印加する。その複数の+1階調電圧の大きさは、それぞれ、階調設定25が示す複数の階調電圧に等しい。その+1階調電圧のうちのある階調に対応する電圧は、既述の実施の形態における階調電圧31のうちのその階調に1を加算した階調に対応する電圧に等しい。
【0055】
図7は、このような階調電源を備えるコントローラドライバが備える画像処理部後段8で用いられるビットプレーンデータを示している。そのビットプレーンデータ71は、複数の座標を複数のしきい値に対応付けている。そのしきい値は、1、3のうちのいずれかを示している。その座標は、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。ビットプレーンデータ71は、0を示すしきい値が0個であり、1を示すしきい値が8個であり、2を示すしきい値が0個であり、3を示すしきい値が8個であり、しきい値の分布が均一でない。
【0056】
図8は、ビットプレーンデータ71が用いられるときに、2次元2値ディザマトリクス42が備えるテーブルを示している。そのテーブル72は、座標とカウンタ値とをLUT出力値に対応付けている。その座標は、ビットプレーンデータ71の座標と同様にして、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。そのカウンタ値は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。そのLUT出力値は、0または1のいずれかを示している。
【0057】
テーブル72は、ある座標に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が、ビットプレーンデータ71によりその座標に対応するしきい値から1を減算した値に一致するように、設計されている。テーブル72は、さらに、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が4になるように設計されている。すなわち、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数は、互いに一致している。テーブル72は、さらに、ある座標と0を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値がその座標と2を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値に一致するように、かつ、ある座標と1を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値がその座標と3を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値に一致するように、設計されている。
【0058】
このようなコントローラドライバは、既述の実施の形態におけるコントローラドライバ3と同様にして、回路を6ビットで構成することができ、メモリ回路を縮小することができ、DAコンバータの規模を縮小することができる。
【0059】
このような階調電源を備えるコントローラドライバは、外部から画像データ20と制御信号21とが入力されると、まず、命令処理回路5が、外部からそのコントローラドライバに入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0060】
カウンタ41は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように値が変化するカウンタ値46を出力する。2次元2値ディザマトリクス42は、テーブル72を参照して、座標データ23とカウンタ値46とに対応するLUT出力値47を出力する。+1演算器44は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示す+1画像データ49を出力する。セレクタ45は、LUT出力値47が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示す出力画像データ29を出力し、LUT出力値47が1を示すときに+1画像データ49が示す階調を示す出力画像データ29を出力する。
【0061】
その階調電源は、階調設定25に基づいて複数の+1階調電圧をデータ線駆動回路12に印加する。ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線のタイミング制御27により識別されるゲート線に”H”を示す制御信号を出力し、残りのゲート線に”L”を示す制御信号を出力する。データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の+1階調電圧のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像データ20が示す画像を表示する。
【0062】
このようなコントローラドライバの動作により、既述の実施の形態におけるコントローラドライバ3と同様にして、6ビットの表示装置に8ビットの画像に近い画像を出力することができる。
【0063】
このようなコントローラドライバの動作によれば、表示データとしては−1画像データとして出力し、階調としては、+1階調の出力を出するため、表示される画像は元の階調に戻り、ビットプレーンデータ71で指定した表示データとなる。また、図8のようにLUT出力値を配置し、階調電圧を設定することで、4フレームによるFRCではなく、2フレームによるFRCになる。これにより表示される+1演算画像とそのままの画像が変わる周期が速くなり、よりフリッカが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明による表示装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、ビットプレーンデータを示す表である。
【図3】図3は、画像処理部後段を示すブロック図である。
【図4】図4は、2次元2値ディザマトリクスが備えるテーブルを示す表である。
【図5】図5は、公知の表示装置で用いられるキャリーを示す表である。
【図6】図6は、他の画像処理部後段を示すブロック図である。
【図7】図7は、他のビットプレーンデータを示す表である。
【図8】図8は、2次元2値ディザマトリクスが備える他のテーブルを示す表である。
【図9】図9は、公知の表示装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】図10は、ビットプレーンデータを示す表である。
【符号の説明】
【0065】
1 :表示装置
2 :表示部
3 :コントローラドライバ
5 :命令処理回路
6 :画像処理部前段
7 :メモリ
8 :画像処理部後段
11:階調電源
12:データ線駆動回路
14:ゲート線駆動回路
20:画像データ
21:制御信号
22:画像データ
23:座標データ
24:タイミング制御信号
25:階調設定
26:タイミング制御
27:タイミング制御
28:処理後画像データ
29:出力画像データ
31:階調電圧
32:表示データ
33:制御信号
41:カウンタ
42:2次元2値ディザマトリクス
44:+1演算器
45:セレクタ
53:オーバフロー制御
46:カウンタ値
47:LUT出力値
49:+1画像データ
54:画像データ
51:ビットプレーンデータ
52:テーブル
60:画像処理部後段
61:カウンタ
62:2次元2値ディザマトリクス
63:最大値最小値制御
64:+1演算器
65:セレクタ
73:オーバフロー制御
66:カウンタ値
67:LUT出力値
68:出力値
69:+1画像データ
74:画像データ
71:ビットプレーンデータ
72:テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびコントローラドライバに関し、特に、FRC(フレームレートコントロール)を用いて画像を表示するときに利用される表示装置およびコントローラドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの表示装置におけるディスプレイは、高精細化、多色化が進み、LCDコントローラドライバに内蔵されるメモリ及び、DAコンバータ回路の回路規模が増大している。携帯電話などに使用されるコントローラドライバICは、消費電力、面積が小さいことが望まれている。しかし、メモリや、DAコンバータが増大することは、コントローラドライバの消費電力の増加、面積の増加に繋がる。また、近年の表示装置のディスプレイは、画質が向上しており、特に、液晶を用いた表示装置において、フリッカの少ない画像を表示することが望まれている。
【0003】
特開2003−162272号公報には、メモリ容量を減らしても通常のラスタ画像と遜色のない画像処理を行うとともに、メモリ容量のみならず、ラスタ画像のデータ伝送においても画質劣化を抑えながら伝送容量を減らすことのできる画像処理装置が開示されている。その画像処理装置は、原画像であるラスタ画像のビットプレーン数を減少させた後、該ビットプレーン数が減少したラスタ画像のビットプレーン数を前記原画像のビットプレーン数以下に増加する。特開2003−162272号公報には、さらに、FRCを用いてメモリ及び、DAコンバータを小さくする技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−162272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9は、特開2003−162272号公報に第6の実施形態として記載される画像処理装置を示している。その画像処理装置100は、画像処理部前段104とメモリ102とFRC画像処理部後段109と画像表示部103Aとを備えている。FRC画像処理部後段109は、しきい値生成部111Bと2ビットカウンタ119とキャリー生成部120とセレクタ113とから構成されている。画像処理部前段104は、コンピュータから送出されたRGB各色6ビットのラスタ画像101を減色処理してRGB各色4ビットのラスタ画像を生成する。メモリ102は、そのRGB各色4ビットのラスタ画像を蓄積する。しきい値生成部111Bは、画素のXY座標をもとにしきい値を生成する。2ビットカウンタ119は、VSyncが入力される度に、00→11→01→10→00→…と変化するカウンタ出力値を出力する。キャリー生成部120は、(しきい値)>(カウンタ出力値)のときには「1」を示し、それ以外のときは「0」を示すキャリーを出力する。このように、4フレームを1周期とし、その中でしきい値分のキャリーを発生させるようにしている。セレクタ113は、そのキャリーに応じて、メモリ102からの出力に1を加算した値を画像表示部103に出力するか、または、メモリ102からの出力そのままの値を画像表示部3に出力する。画像表示部103Aは、セレクタ113からの出力に基づいて各色4ビットでラスタ画像101が示す画像を表示する。
【0006】
しきい値生成部111Bが図10に示されるようなしきい値を出力するときに、キャリー生成部120は、図5に示されるようなキャリーを出力する。FRC画像処理部後段109は、キャリー生成部120の出力が1であるときに、メモリ102のデータは+1階調の出力が選択される。0階調が暗い階調を表示する装置の場合、このデータが1である個数が多いほど、輝度は高くなる。したがって、上記の表のVsyncカウンタ値が0のときに、1の個数は0/16であるのに対し、Vsyncカウンタ値が3のときは、1の個数が12/16であるため、Vsyncカウンタ値が3であるときのほうがVsyncカウンタ値0の場合より輝度が高い。このパターンが繰り返されるため、フリッカが生じる。また、メールなどに例示されるアプリケーションでは、白黒のみの表示を使うことが多い。このような画像処理装置は、さらに、全てのデータが0または全てのデータが1であるときにでもFRCを行うため、白黒表示の時にもフリッカが生じ、白沈み、黒浮きが生じる。
【0007】
本発明の課題は、フリッカを低減する表示装置およびコントローラドライバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明による表示装置(1)は、画素が並列に並べられた表示部(2)と、表示部(2)に接続されたコントローラドライバ(3)とを備えている。コントローラドライバ(3)は、入力画像(20)を2次元多値ディザマトリクスを用いてビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段(6)と、その処理後画像を格納するメモリ(7)と、メモリ(7)に格納されたその処理後画像に補正処理を行い、出力画像を生成する画像処理部後段(8)(60)とを備えている。画像処理部後段(8)(60)は、フレーム毎にカウンタ値を生成するカウンタ(41)と、その処理後画像の表示される位置とそのカウント値とによって参照される2次元2値ディザマトリクス(42)と、2次元2値ディザマトリクス(42)の出力に基づいて、その出力画像を出力するセレクタ(45)とを備えている。このとき、その出力画像のビット数は、その処理後画像のビット数と同じであり、その出力画像は、その2次元2値ディザマトリクス(42)の出力が第1値を示すときに、その処理後画像を示し、その2次元2値ディザマトリクス(42)の出力が第2値を示すときに、その処理後画像から補正されたデータを示している。このとき、或るフレーム期間において、2次元2値ディザマトリクス(42)から参照される第1値の個数が、そのフレーム期間と異なる他のフレーム期間において、2次元2値ディザマトリクス(42)から参照される第1値の個数に等しくなるように、2次元2値ディザマトリクス(42)は、その第1値と第2値とを出力する。このとき、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきが軽減されて、フリッカを低減することができる。
【0010】
より具体的には、コントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちのその座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(8)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(41)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(47)(67)を対応付けるテーブル(52)を参照して、複数LUT出力値(47)(67)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(47)を出力する2次元2値ディザマトリクス(42)と、出力画像データを出力するセレクタ(45)とを備えている。出力画像データは、LUT出力値(47)(67)が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、LUT出力値(47)(67)が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(47)(67)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値が、第1値を示しているLUT出力値の個数が互いに等しくなるように、2次元2値ディザマトリクス(42)(62)が設計されている。このとき、複数の出力画像は、処理後画像に対して補正された画素の個数が互いに等しくなるように生成され、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきを軽減して、フリッカを低減することができる。
【0011】
コントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちのその座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(60)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(61)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(67)を対応付けるテーブル(72)を参照して、複数LUT出力値(67)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(67)を出力する2次元2値ディザマトリクス(62)と、画像データとLUT出力値(67)とに基づいて出力値を出力する最大値最小値制御(63)と、出力画像データを出力するセレクタ(65)とを備えている。出力値は、画像データがすべて1かすべて0の場合は、第2値を出力し、それ以外の場合はLUT出力値(67)を示している。出力画像データは、出力値が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、出力値が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(67)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値(67)は、第1値を示しているLUT出力値(67)の個数が互いに等しい。このようなコントローラドライバ(3)は、処理後画像データ(28)が真っ黒または真っ白を示す画素がフレーム期間ごとに異なる階調を表示することを防止して、白沈み、黒浮きを防止することができる。
【0012】
コントローラドライバ(3)は、出力画像データに対応する階調電圧を座標により識別される画素に印加して表示部(2)にフレームを表示しているデータ線駆動回路をさらに備えている。階調電圧は、フレーム毎に極性が反転する。カウンタ(41)(61)は、複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに階調電圧の極性が反転するように、カウンタ値を出力する。このとき、表示部(2)の画素に印加される極性の偏りを平均化することができる。
【0013】
本発明によるコントローラドライバ(3)は、入力画像(20)のビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段(6)と、処理後画像を格納するメモリ(7)と、処理後画像を構成する複数画素のうちのいくつかの画素の階調を補正して複数の出力画像を生成する画像処理部後段(8)(60)とを備えている。出力画像のビット数は、処理後画像のビット数と同じである。このとき、処理後画像は、入力画像(20)より情報量が小さいために、その処理後画像を格納するメモリ(7)は、縮小することができ、コントローラドライバ(3)の回路規模を縮小することができる。さらに、複数の出力画像は、処理後画像に対して補正された画素の個数が互いに概ね等し苦なるように生成される。このとき、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきが軽減されて、フリッカを低減することができる。
【0014】
より具体的には、本発明によるコントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちの座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(8)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(41)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(47)を対応付けるテーブル(52)を参照して、複数LUT出力値(47)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(47)を出力する2次元2値ディザマトリクス(42)と、出力画像データを出力するセレクタ(45)とを備えている。出力画像データは、LUT出力値(47)が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、LUT出力値(47)が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(47)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値(47)は、第1値を示しているLUT出力値(47)の個数が互いに等しくなるように、2次元2値ディザマトリクス(42)(62)が設計されている。このとき、複数の出力画像は、処理後画像に対して補正された画素の個数が互いに等しくなるように生成され、表示装置(1)は、フレーム期間ごとの平均輝度のばらつきを軽減して、フリッカを低減することができる。
【0015】
コントローラドライバ(3)は、複数画素のうちの1つの画素を識別する座標を出力する命令処理回路(5)をさらに備えている。画像処理部前段(6)は、入力画像(20)のうちの座標により識別される画素の画像データを減色処理して処理後画像データ(28)を生成する。画像処理部後段(60)は、複数の出力画像に対応する複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値を出力するカウンタ(61)と、複数座標と複数カウンタ値とに複数LUT出力値(67)を対応付けるテーブル(72)を参照して、複数LUT出力値(67)のうちのカウンタ値と座標に対応するLUT出力値(67)を出力する2次元2値ディザマトリクス(62)と、画像データとLUT出力値(67)とに基づいて出力値を出力する最大値最小値制御(63)と、出力画像データを出力するセレクタ(65)とを備えている。出力値は、画像データがすべて1かすべて0の場合は、第2値を出力し、それ以外の場合はLUT出力値(67)を示している。出力画像データは、出力値が第1値を示しているときに処理後画像データ(28)を示し、出力値が第2値を示しているときに処理後画像データ(28)に1が加算された階調を示している。複数の出力画像は、出力画像データから形成されている。複数LUT出力値(67)のうちの複数カウンタ値の各々に対応する各LUT出力値(67)は、第1値を示しているLUT出力値(67)の個数が互いに等しい。このようなコントローラドライバ(3)は、処理後画像データ(28)が真っ黒または真っ白を示す画素がフレーム期間ごとに異なる階調を表示することを防止して、白沈み、黒浮きを防止することができる。
【0016】
本発明によるコントローラドライバ(3)は、出力画像データに対応する階調電圧を座標により識別される画素に印加して表示部(2)にフレームを表示しているデータ線駆動回路をさらに備えている。階調電圧は、フレーム毎に極性が反転する。カウンタ(41)(61)は、複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに階調電圧の極性が反転するように、カウンタ値を出力する。このとき、表示部(2)の画素に印加される極性の偏りを平均化することができる。
【0017】
本発明による表示装置(1)は、ディザマトリックス(42)とセレクタ(45)とを有している。ディザマトリックス(42)は、カウント値および画像データの座標データに基づいて複数のマトリクスの中から対応するマトリックスを出力する。その画像データは、複数の画像のうちの1つを示し、その画像を構成する複数の画素に対応する階調を示している。その複数の画像は、それぞれ、複数の入力画像(20)が減色処理されて生成される。その複数の画素のうちの任意の要素は、その座標データの集合のうちの1つの要素に対応している。そのカウント値は、その複数の画像のうちの1つの画像に対して複数が生成される。そのマトリクスは、そのカウント値ごとに出力され、複数の値から形成されている。その複数の値のうちの任意の要素は、座標データのうちの1つの要素に対応している。セレクタ(45)は、ディザマトリックス(42)から出力されるマトリクスに基づいて、その画像データに対して加算処理を実施したデータを出力する。すなわち、そのデータのうちのある座標に対応する階調は、その画像データのうちのその座標に対応する階調が加算処理されて出力される。その加算処理は、そのマトリクスのうちのその座標に対応する値に対応している。たとえば、そのデータの階調は、そのマトリクスの値が0であるときにその画像データの階調をそのまま示し、そのマトリクスの値が1であるときにその画像データの階調に1が加算された階調を示す。その各カウント値に応答して出力されるデータから形成される複数の画像は、次々に表示され、各カウント値に対応する複数のマトリクスの各値の個数が互いに概ね等しいときに、フリッカが低減される。
【発明の効果】
【0018】
本発明による表示装置およびコントローラドライバは、フリッカを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図面を参照して、本発明による表示装置の実施の形態を記載する。その表示装置1は、図1に示されているように、表示部2とコントローラドライバ3とを備えている。表示部2は、液晶パネルであり、複数の画素と複数のゲート線と複数のデータ線とを備えている。その複数の画素は、マトリクス状に配置され、座標(X座標とY座標との組)により互いに識別される。その複数の画素の各々は、その複数のゲート線のうちの1つのゲート線に接続され、複数のデータ線のうちの1つのデータ線に接続されている。コントローラドライバ3は、入力される画像に基づいて複数の出力画像を生成する。
【0020】
コントローラドライバ3は、命令処理回路5と画像処理部前段6とメモリ7と画像処理部後段8と階調電源11とデータ線駆動回路12とゲート線駆動回路14とを備えている。
【0021】
命令処理回路5は、外部からコントローラドライバ3に入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像データ20は、表示部2に表示させる画像を示し、表示部2が備える複数の画素に複数の色を対応付けている。その色は、対応する画素に表示される色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、2進数の8ビットの数値で表現されている。制御信号21は、階調電源11の設定に用いられ、データ線駆動回路12とゲート線駆動回路14とのタイミング制御に用いられる信号であり、複数の階調に対応する複数の階調電圧を示し、データ線駆動回路12とゲート線駆動回路14との動作のタイミングを示している。座標データ23は、表示部2が備える複数の画素のうちの1つの画素を識別し、その1つの画素の座標(X座標とY座標との組)を示している。座標データ23は、複数の画素をそれぞれ示す複数の座標が所定の順で繰り返すように変化する。画像データ22は、画像データ20が示す画像のうちの座標データ23により識別される画素に表示させる色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、8ビットの数値で表現されている。タイミング制御信号24は、表示部2に表示させる各フレームを生成するタイミングを示している。階調設定25は、制御信号21が示す複数の階調電圧を示し、複数の階調に対応付けて複数の階調電圧を示している。タイミング制御27は、表示パネル2のゲート線のうちの座標データ23により識別される画素に接続される1つのゲート線を識別し、ゲート線駆動回路14がその1つのゲート線に”H”を示す制御信号を供給するタイミングを示している。タイミング制御26は、表示パネル2のデータ線のうちの座標データ23により識別される画素に接続される1つのデータ線を識別し、データ線駆動回路12がその1つのデータ線に階調電圧を印加するタイミングを示している。
【0022】
画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。処理後画像データ28は、画像データ22が示す色に概ね等しい色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、6ビットの数値で表現されている。すなわち、画像処理部前段6は、画像データ22が示す階調の下位2ビットを切り捨てて処理後画像データ28を算出する。
【0023】
メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0024】
画像処理部後段8は、処理後画像データ28と座標データ23とタイミング制御信号24とに基づいて、出力画像データ29を生成する。出力画像データ29は、座標データ23により識別される画素に表示される色を示し、赤色の階調と青色の階調と緑色の階調とにより表現されている。その階調は、それぞれ、6ビットの数値で表現されている。出力画像データ29は、処理後画像データ28により示される階調を示し、または、処理後画像データ28により示される階調に1を加算した値を示している。
【0025】
ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線に複数の制御信号33をそれぞれ出力する。制御信号33のうちのタイミング制御27により識別されるゲート線に出力される制御信号は、”H”を示し、制御信号33のうちの残りの制御信号は、”L”を示している。
【0026】
データ線駆動回路12は、タイミング制御26と出力画像データ29とに基づいて、表示パネル2の複数のデータ線に複数の表示データ32をそれぞれ出力する。
表示データ32は、それぞれ、複数の階調電圧31のいずれかにより表現されている。すなわち、データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の階調電圧31のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。
【0027】
表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像を表示する。その色は、ゲート線からその画素に”H”を示す制御信号が与えられている期間に、データ線からその画素に与えられる階調電圧に対応している。
【0028】
図2は、画像処理部前段6で用いられるビットプレーンデータを示している。そのビットプレーンデータ51は、複数の座標を複数のしきい値に対応付けている。そのしきい値は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。その座標は、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。
【0029】
ビットプレーンデータ51は、0を示すしきい値の個数と1を示すしきい値の個数と2を示すしきい値の個数と3を示すしきい値の個数とが互いに等しく、すなわち、各値を示すしきい値の個数が4個である。ビットプレーンデータ51は、さらに、X座標の1つに対応する複数のしきい値が0、1、2、3のうちのいずれかを示すしきい値を1つだけ含むように設計されている。ビットプレーンデータ51は、さらに、Y座標の1つに対応する複数のしきい値が0、1、2、3のうちのいずれかを示すしきい値を1つだけ含むように設計されている。
【0030】
図3は、画像処理部後段8を示している。画像処理部後段8は、カウンタ41と2次元2値ディザマトリクス42と+1演算器44とセレクタ45とオーバフロー制御53とを備えている。カウンタ41は、タイミング制御信号24に基づいてカウンタ値46を算出する。カウンタ値46は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。カウンタ値46は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に変化し、0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように出力される。2次元2値ディザマトリクス42は、処理後画像に依存することなく、座標データ23とカウンタ値46とに基づいてLUT出力値47を出力する。LUT出力値47は、0または1のいずれかを示している。+1演算器44は、処理後画像データ28に基づいて+1画像データ49を算出する。+1画像データ49は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示している。セレクタ45は、処理後画像データ28と+1画像データ49とLUT出力値47とに基づいて画像データ54を算出する。画像データ54は、LUT出力値47が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示し、LUT出力値47が1を示すときに+1画像データ49が示す階調を示している。オーバフロー制御53は、画像データ54に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ54がオーバーフローしていないときに画像データ54と等しい値を示し、画像データ54がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0031】
2次元2値ディザマトリクス42は、テーブルを備えている。そのテーブル52は、図4に示されているように、座標とカウンタ値とをLUT出力値に対応付けている。その座標は、ビットプレーンデータ51の座標と同様にして、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。そのカウンタ値は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。そのLUT出力値は、0または1のいずれかを示している。
【0032】
テーブル52は、ある座標に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が、ビットプレーンデータ51によりその座標に対応するしきい値に一致するように、設計されている。テーブル52は、さらに、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が6になるように設計されている。すなわち、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数は、互いに一致している。
【0033】
このとき、画像処理部後段8の2次元2値ディザマトリクス42は、テーブル52を参照して、座標データ23が示すX座標とY座標とカウンタ値46が示す値とに対応するLUT出力値を出力する。すなわち、本発明では、画像処理部前段6で、次式:
メモリ保持画像データ=(入力画像−ビットプレーンデータ+2)>>2
により示される処理を行う。画像処理部後段8では、次式:
出力画像データ=(メモリ保持画像データ) + 2次元2値ディザマトリクス(Vsyncカウンタ値0〜3)
により示される処理を行う。ここで、出力画像データをメモリ保持画像データの式で表すと、次式:
出力画像データ= int((メモリ保持画像データ−ビットプレーンデータ+2)/4)+2次元2値ディザマトリクス(Vsyncカウンタ値)
となる。2次元2値ディザマトリクス42の4つのフレームの合計は画像処理部前段6のビットプレーン値と等しくなっている。
【0034】
具体例に示すと、入力データが次表:
【表1】
である場合、メモリに格納されるときのデータは、次表:
【表2】
により表現される。出力後のデータは、Vsyncカウンタ値が0であるときに、次表:
【表3】
により表現され、Vsyncカウンタ値が1であるときに、次表:
【表4】
により表現され、Vsyncカウンタ値が2であるときに、次表:
【表5】
により表現され、Vsyncカウンタ値が3であるときに、次表:
【表6】
により表現される。この4フレームのデータを合計すると、次表:
【表7】
により表すことができる。このことから明らかなように、本発明の変換処理によれば、全体的に入力信号に近い値をとっていることが分かる。これは本発明において粒状感の減少及び偽色の抑制が図れることを示している。
【0035】
このようなコントローラドライバ3は、メモリ7と画像処理部後段8と階調電源11とデータ線駆動回路12とを6ビットの構成で実現することができ、これらの回路を6ビットで構成することより、コントローラドライバ3が備えるメモリ回路を縮小することができ、DAコンバータの規模を縮小することができる。
【0036】
以下に、本発明による表示装置1の動作を説明する。
コントローラドライバ3は、外部から画像データ20と制御信号21とが入力されると、まず、命令処理回路5が、外部からコントローラドライバ3に入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0037】
カウンタ41は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように値が変化するカウンタ値46を出力する。2次元2値ディザマトリクス42は、テーブル52を参照して、座標データ23とカウンタ値46とに対応するLUT出力値47を出力する。+1演算器44は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示す+1画像データ49を出力する。セレクタ45は、LUT出力値47が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示す画像データ54を出力し、LUT出力値47が1を示すときに+1画像データ49が示す階調を示す画像データ54を出力する。オーバフロー制御53は、画像データ54に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ54がオーバーフローしていないときに画像データ54と等しい値を示し、画像データ54がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0038】
階調電源11は、階調設定25に基づいて複数の階調電圧31をデータ線駆動回路12に印加する。ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線のタイミング制御27により識別されるゲート線に”H”を示す制御信号を出力し、残りのゲート線に”L”を示す制御信号を出力する。データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の階調電圧31のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像データ20が示す画像を表示する。
【0039】
複数のカウンタ値は、表示部2に表示される複数のフレームに対応している。すなわち、表示装置1は、カウンタ値が4つの値をとることができるときに、画像データ20が示す1つの画像に対して互いに異なる4種類のフレームを生成することができる。
【0040】
このようなコントローラドライバ3の動作により、6ビットの表示装置に8ビットの画像に近い画像を出力することができる。
【0041】
本発明による表示装置の比較例は、特開2003−162272号公報に第6の実施形態として記載される画像処理装置である。その画像処理装置100は、図9に示されているように、画像処理部前段104とメモリ102とFRC画像処理部後段109と画像表示部103Aとを備えている。FRC画像処理部後段109は、しきい値生成部111Bと2ビットカウンタ119とキャリー生成部120とセレクタ113とから構成されている。画像処理部前段104は、コンピュータから送出されたRGB各色6ビットのラスタ画像101を減色処理してRGB各色4ビットのラスタ画像を生成する。メモリ102は、そのRGB各色4ビットのラスタ画像を蓄積する。しきい値生成部111Bは、画素のXY座標をもとにしきい値を生成する。2ビットカウンタ119は、VSyncが入力される度に計数し、その出力値が00→11→01→10→00→…と変化する。キャリー生成部120は、(しきい値)>(カウンタ出力値)のときには「1」を示し、それ以外のときは「0」を示すキャリーを出力する。このように、4フレームを1周期とし、その中でしきい値分のキャリーを発生させるようにしている。セレクタ113は、そのキャリーに応じて、メモリ102からの出力に1を加算した値を画像表示部3に出力するか、または、メモリ102からの出力そのままの値を画像表示部3に出力する。画像表示部103Aは、セレクタ113からの出力に基づいて各色4ビットでラスタ画像101が示す画像を表示する。
【0042】
図5は、画像処理装置100のしきい値生成部111Bが図9により示されるしきい値を生成するときに、キャリー生成部120が出力するキャリーを示している。1を示すキャリーが4×4の画素のブロックに出現する個数は、Vsyncカウンタ値が0のときに0個であり、Vsyncカウンタ値が3のときに12個であり、Vsyncカウンタ値が1のときに4個であり、Vsyncカウンタ値が2のときに8個である。画像表示部103Aが0階調を暗く表示する場合、同じ画像から生成されたフレームであっても、1を示すキャリーの個数が多いフレームほどそのフレームの平均輝度が高くなる。このため、画像処理装置100は、Vsyncカウンタ値が変化する度に、1を示すキャリーの個数が異なる複数のフレームが繰り返し表示されるため、フリッカが生じる。
【0043】
表示装置1によれば、“1”を示すLUT出力値が出現する個数がフレーム毎(カウンタ値毎)に一定になり、メモリの画像データに+1階調する個数が一定になっている。このため、本発明による表示装置1によれば、比較例の画像処理装置100に比較して、1つの画像に対して生成される4つのフレームは、画面の平均輝度のフレーム毎のばらつきが軽減されており、その4つのフレームが次々に表示されるときに発生するフリッカを軽減することができる。
【0044】
また、カウンタ値が0→1→2→3→1→2→3→0→・・・・と繰り返すことにより、ある1つの値を示すカウンタ値に対応するフレームは、表示されるごとに、表示部2を駆動する際の極性が反転している。このため、表示部2の各画素に印加される電圧の極性の偏りを平均化することができる。
【0045】
なお、カウンタ41は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に、0→1→2→3の順列が繰り返すように変化するカウンタ値46を出力することもできる。このとき、表示装置1は、表示部2を駆動する際の極性反転と同期して、ある1つの値を示すカウンタ値に対応するフレームは、常に片方の極性で表示される。このような表示装置は、極性の偏りを平均化することができできないが、フリッカは軽減することができる。
【0046】
本発明による表示装置の実施の他の形態は、既述の実施の形態における画像処理部後段8が他の画像処理部後段に置換されている。その画像処理部後段60は、図6に示されているように、カウンタ61と2次元2値ディザマトリクス62と最大値最小値制御63と+1演算器64とセレクタ65とオーバフロー制御73とを備えている。カウンタ61は、タイミング制御信号24に基づいてカウンタ値66を算出する。カウンタ値66は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に変化し、0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように出力される。2次元2値ディザマトリクス62は、テーブル52を参照して、座標データ23が示すX座標とY座標とカウンタ値66が示す値とに対応するLUT出力値を出力する。最大値最小値制御63は、処理後画像データ28とLUT出力値67とに基づいて出力値68を算出する。最大値最小値制御63は、処理後画像データ28が示す色が白であるか、黒であるか、その他の色であるかを判別し、その判別結果とLUT出力値67とに基づいて出力値68を算出する。出力値68は、処理後画像データ28がすべて0またはすべて1を示すときに0を示し、処理後画像データ28が示す色がすべて0を示さないで、かつ、すべて1を示さないときに出力値68LUT出力値67が示す値を示している。+1演算器64は、処理後画像データ28に基づいて+1画像データ69を算出する。+1画像データ69は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示している。セレクタ65は、処理後画像データ28と+1画像データ69と出力値68とに基づいて画像データ74を算出する。画像データ74は、出力値68が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示し、出力値68が1を示すときに+1画像データ69が示す階調を示している。オーバフロー制御73は、画像データ74に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ74がオーバーフローしていないときに画像データ74と等しい値を示し、画像データ74がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0047】
このようなコントローラドライバは、既述の実施の形態におけるコントローラドライバ3と同様にして、回路を6ビットで構成することができ、メモリ回路を縮小することができ、DAコンバータの規模を縮小することができる。
【0048】
そのコントローラドライバは、外部から画像データ20と制御信号21とが入力されると、まず、命令処理回路5が、外部からそのコントローラドライバに入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0049】
カウンタ61は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように値が変化するカウンタ値66を出力する。2次元2値ディザマトリクス62は、テーブル52を参照して、座標データ23とカウンタ値66とに対応するLUT出力値67を出力する。最大値最小値制御63は、処理後画像データ28が示す色が白であるか、黒であるか、その他の色であるかを判別し、その判別結果とLUT出力値67とに基づいて出力値68を算出する。すなわち、出力値68は、処理後画像データ28がすべて0またはすべて1を示すときに0を示す出力値68を出力し、処理後画像データ28が示す色がその他の色であるときにLUT出力値67を示す出力値68を出力する。+1演算器64は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示す+1画像データ69を出力する。セレクタ65は、出力値68が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示す画像データ74を出力し、出力値68が1を示すときに+1画像データ69が示す階調を示す画像データ74を出力する。オーバフロー制御73は、画像データ74に基づいて出力画像データ29を算出する。出力画像データ29は、画像データ74がオーバーフローしていないときに画像データ74と等しい値を示し、画像データ74がオーバーフローしているときに処理後画像データ28と等しい値を示している。
【0050】
階調電源11は、階調設定25に基づいて複数の階調電圧31をデータ線駆動回路12に印加する。ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線のタイミング制御27により識別されるゲート線に”H”を示す制御信号を出力し、残りのゲート線に”L”を示す制御信号を出力する。データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の階調電圧31のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。データ線駆動回路12は、さらに、表示部2に表示させるフレーム毎に、データ線に印加する階調電圧の極性を反転させる。表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像データ20が示す画像を表示する。
【0051】
このような表示装置によれば、既述の実施の形態における表示装置1と同様にして、フリッカを軽減し、表示部2の各画素に印加される電圧の極性の偏りを平均化することができる。
【0052】
既述の実施の形態における画像処理部後段8は、真っ白、真っ黒などの階調データがすべて0であったり、すべて1であったりする画像に対しても必ず+1演算処理する。このため、画像処理部後段8を備える表示装置1により表示される画像には、真っ黒である部分に黒でない画素が出てきたり、真っ白である部分に白でない画素が出てきたりするために、黒浮きや、白沈みなどの問題が生じる。画像処理部後段60を備える表示装置は、階調データがすべて0の場合に出力値をすべて0にし、階調データがすべて1の場合に出力値をすべて1にすることにより、画像の真っ黒である部分に黒でない画素が出ることを防止し、真っ白である部分に白でない画素が出ることを防止して、黒浮き、白沈みを解消することができる。
【0053】
なお、出力値68は、処理後画像データ28がすべて0を示すときに0を示し、処理後画像データ28がすべて1を示すときに1を示し、処理後画像データ28がすべて0を示さないで、かつ、すべて1を示さないときにLUT出力値67が示す値を示すように、最大値最小値制御63を設計することもできる。このときも同様にして、黒浮き、白沈みを解消することができる。
【0054】
本発明による表示装置の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態における階調電源11が他の階調電源に置換されている。その階調電源は、階調設定25に基づいて複数の+1階調電圧をデータ線駆動回路12に印加する。その複数の+1階調電圧の大きさは、それぞれ、階調設定25が示す複数の階調電圧に等しい。その+1階調電圧のうちのある階調に対応する電圧は、既述の実施の形態における階調電圧31のうちのその階調に1を加算した階調に対応する電圧に等しい。
【0055】
図7は、このような階調電源を備えるコントローラドライバが備える画像処理部後段8で用いられるビットプレーンデータを示している。そのビットプレーンデータ71は、複数の座標を複数のしきい値に対応付けている。そのしきい値は、1、3のうちのいずれかを示している。その座標は、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。ビットプレーンデータ71は、0を示すしきい値が0個であり、1を示すしきい値が8個であり、2を示すしきい値が0個であり、3を示すしきい値が8個であり、しきい値の分布が均一でない。
【0056】
図8は、ビットプレーンデータ71が用いられるときに、2次元2値ディザマトリクス42が備えるテーブルを示している。そのテーブル72は、座標とカウンタ値とをLUT出力値に対応付けている。その座標は、ビットプレーンデータ71の座標と同様にして、X座標とY座標とから形成されている。X座標は、X0、X1、X2、X3のいずれかを示している。X0は、画素のX座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。X1は、画素のX座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。X2は、画素のX座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。X3は、画素のX座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。Y座標は、Y0、Y1、Y2、Y3のいずれかを示している。Y0は、画素のY座標を4で割ったときの余りが0である座標を示している。Y1は、画素のY座標を4で割ったときの余りが1である座標を示している。Y2は、画素のY座標を4で割ったときの余りが2である座標を示している。Y3は、画素のY座標を4で割ったときの余りが3である座標を示している。そのカウンタ値は、0、1、2、3のうちのいずれかを示している。そのLUT出力値は、0または1のいずれかを示している。
【0057】
テーブル72は、ある座標に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が、ビットプレーンデータ71によりその座標に対応するしきい値から1を減算した値に一致するように、設計されている。テーブル72は、さらに、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数が4になるように設計されている。すなわち、各カウンタ値に対応する複数のLUT出力値のうちの1を示すLUT出力値の個数は、互いに一致している。テーブル72は、さらに、ある座標と0を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値がその座標と2を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値に一致するように、かつ、ある座標と1を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値がその座標と3を示すカウンタ値とに対応するLUT出力値に一致するように、設計されている。
【0058】
このようなコントローラドライバは、既述の実施の形態におけるコントローラドライバ3と同様にして、回路を6ビットで構成することができ、メモリ回路を縮小することができ、DAコンバータの規模を縮小することができる。
【0059】
このような階調電源を備えるコントローラドライバは、外部から画像データ20と制御信号21とが入力されると、まず、命令処理回路5が、外部からそのコントローラドライバに入力される画像データ20と制御信号21とに基づいて画像データ22と座標データ23とタイミング制御信号24と階調設定25とタイミング制御26とタイミング制御27とを生成する。画像処理部前段6は、画像データ22を減色処理して処理後画像データ28を算出する。メモリ7は、処理後画像データ28を一時的に記録し、処理後画像データ28の表示を行うタイミングで画像処理部後段8に出力する。
【0060】
カウンタ41は、タイミング制御信号24が示すタイミングの度に0→1→2→3→1→2→3→0の順列が繰り返すように値が変化するカウンタ値46を出力する。2次元2値ディザマトリクス42は、テーブル72を参照して、座標データ23とカウンタ値46とに対応するLUT出力値47を出力する。+1演算器44は、処理後画像データ28が示す階調に1が加算された階調を示す+1画像データ49を出力する。セレクタ45は、LUT出力値47が0を示すときに処理後画像データ28が示す階調を示す出力画像データ29を出力し、LUT出力値47が1を示すときに+1画像データ49が示す階調を示す出力画像データ29を出力する。
【0061】
その階調電源は、階調設定25に基づいて複数の+1階調電圧をデータ線駆動回路12に印加する。ゲート線駆動回路14は、タイミング制御27が示すタイミングで、表示パネル2の複数のゲート線のタイミング制御27により識別されるゲート線に”H”を示す制御信号を出力し、残りのゲート線に”L”を示す制御信号を出力する。データ線駆動回路12は、タイミング制御26が示すタイミングで、表示パネル2の複数のデータ線のうちのタイミング制御26により識別されるデータ線に、複数の+1階調電圧のうちの出力画像データ29が示す階調に対応する階調電圧を印加する。表示部2は、複数の画素の各々がゲート線から与えられる信号とデータ線から与えられる信号とに基づいて発色して、画像データ20が示す画像を表示する。
【0062】
このようなコントローラドライバの動作により、既述の実施の形態におけるコントローラドライバ3と同様にして、6ビットの表示装置に8ビットの画像に近い画像を出力することができる。
【0063】
このようなコントローラドライバの動作によれば、表示データとしては−1画像データとして出力し、階調としては、+1階調の出力を出するため、表示される画像は元の階調に戻り、ビットプレーンデータ71で指定した表示データとなる。また、図8のようにLUT出力値を配置し、階調電圧を設定することで、4フレームによるFRCではなく、2フレームによるFRCになる。これにより表示される+1演算画像とそのままの画像が変わる周期が速くなり、よりフリッカが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明による表示装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、ビットプレーンデータを示す表である。
【図3】図3は、画像処理部後段を示すブロック図である。
【図4】図4は、2次元2値ディザマトリクスが備えるテーブルを示す表である。
【図5】図5は、公知の表示装置で用いられるキャリーを示す表である。
【図6】図6は、他の画像処理部後段を示すブロック図である。
【図7】図7は、他のビットプレーンデータを示す表である。
【図8】図8は、2次元2値ディザマトリクスが備える他のテーブルを示す表である。
【図9】図9は、公知の表示装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】図10は、ビットプレーンデータを示す表である。
【符号の説明】
【0065】
1 :表示装置
2 :表示部
3 :コントローラドライバ
5 :命令処理回路
6 :画像処理部前段
7 :メモリ
8 :画像処理部後段
11:階調電源
12:データ線駆動回路
14:ゲート線駆動回路
20:画像データ
21:制御信号
22:画像データ
23:座標データ
24:タイミング制御信号
25:階調設定
26:タイミング制御
27:タイミング制御
28:処理後画像データ
29:出力画像データ
31:階調電圧
32:表示データ
33:制御信号
41:カウンタ
42:2次元2値ディザマトリクス
44:+1演算器
45:セレクタ
53:オーバフロー制御
46:カウンタ値
47:LUT出力値
49:+1画像データ
54:画像データ
51:ビットプレーンデータ
52:テーブル
60:画像処理部後段
61:カウンタ
62:2次元2値ディザマトリクス
63:最大値最小値制御
64:+1演算器
65:セレクタ
73:オーバフロー制御
66:カウンタ値
67:LUT出力値
68:出力値
69:+1画像データ
74:画像データ
71:ビットプレーンデータ
72:テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素が並列に並べられた表示部と、
前記表示部に接続されたコントローラドライバとを具備し、
前記コントローラドライバは、
入力画像を2次元多値ディザマトリクスを用いてビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段と、
前記処理後画像を格納するメモリと、
前記メモリに格納された前記処理後画像に補正処理を行い、出力画像を生成する画像処理部後段とを備え、
前記画像処理部後段は、
フレーム毎にカウンタ値を生成するカウンタと、
前記処理後画像の表示される位置と前記カウント値とによって参照される2次元2値ディザマトリクスと、
前記2次元2値ディザマトリクスの出力に基づいて、前記出力画像を出力するセレクタとを備え、
前記出力画像のビット数は、前記処理後画像のビット数と同じであり、
前記出力画像は、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第1値を示すときに、前記処理後画像を示し、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第2値を示すときに、前記処理後画像から補正されたデータを示す
表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記出力画像は、或るフレーム期間において、前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数が、前記或るフレーム期間と異なる他のフレーム期間において、前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数に等しい
表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記メモリ部の容量は、処理後画像を構成するビットプレーン数を前記表示部の画素数分であることを特徴とする
表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記画像処理部後段は、さらに、
前記処理後画像に基づいて前記2次元2値ディザマトリクスの出力か、前記第2値かを選択して出力する最大値最小値制御を備え、
前記セレクタは、前記最大値最小値制御の出力に基づいて前記出力画像を出力し、
前記最大値最小値制御は、前記処理後画像がすべて1または、すべて0の画素の場合は前記第2値を選択して出力し、前記処理後画像がすべて1でなく、かつ、すべて0ではない場合は前記2次元2値ディザマトリクスの出力を選択して出力する
表示装置。
【請求項5】
請求項2、または請求項3のいずれかに記載の表示装置であって、
前記コントローラドライバは、
前記出力画像に対応する階調電圧を前記座標により識別される画素に印加して表示部にフレームを表示するデータ線駆動回路を更に備え、
前記階調電圧は、前記フレーム毎に極性が反転し、
前記カウンタは、前記複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに前記階調電圧の極性が反転するように、前記カウンタ値を出力する
表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の表示装置であって、
前記コントローラドライバは、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量よりも大きい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行い、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量より同じかまたは、小さい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行わず、前記入力画像データをそのまま前記メモリに保持し、前記メモリのデータを出力する
表示装置。
【請求項7】
画素が並列に並べられた表示部に接続されたコントローラドライバであり、
入力画像を2次元多値ディザマトリクスを用いてビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段と、
前記処理後画像を格納するメモリと、
前記メモリに格納された前記処理後画像に補正処理を行い、出力画像を生成する画像処理部後段とを具備し、
前記画像処理部後段は、
フレーム毎にカウンタ値を生成するカウンタと、
前記処理後画像の表示される位置と前記カウント値とによって参照される2次元2値ディザマトリクスと、
前記2次元2値ディザマトリクスの出力に基づいて、前記出力画像を出力するセレクタとを備え、
前記出力画像のビット数は、前記処理後画像のビット数と同じであり、
前記出力画像は、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第1値を示すときに前記処理後画像を示し、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第2値を示すときに、前記処理後画像から補正された画像を示す
コントローラドライバ。
【請求項8】
請求項7に記載のコントローラドライバであって、
前記出力画像は、或るフレーム期間において前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数が、前記或るフレーム期間と異なる他のフレーム期間において前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数に等しい
コントローラドライバ。
【請求項9】
請求項8に記載のコントローラドライバであって、
前記処理後画像に基づいて前記2次元2値ディザマトリクスの出力か、前記第2値かを選択して出力する最大値最小値制御を更に具備し、
前記セレクタは、前記最大値最小値制御の出力に基づいて前記出力画像を出力し、
前記最大値最小値制御は、前記処理後画像がすべて1またはすべて0の画素の場合は前記第2値を選択して出力し、前記処理後画像がすべて1でなく、かつ、すべて0ではない場合は前記2次元2値ディザマトリクスの出力を選択して出力する
コントローラドライバ。
【請求項10】
請求項8または請求項9のいずれかに記載のコントローラドライバであって、
前記出力画像に対応する階調電圧を前記座標により識別される画素に印加して表示部にフレームを表示するデータ線駆動回路を更に具備し、
前記階調電圧は、前記フレーム毎に極性が反転し、
前記カウンタは、前記複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに前記階調電圧の極性が反転するように、前記カウンタ値を出力する
コントローラドライバ。
【請求項11】
請求項7から請求項10のいずれかに記載の表示装置であって、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量よりも大きい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行い、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量より同じかまたは、小さい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行わず、前記入力画像データをそのまま前記メモリに保持し、前記メモリのデータを出力する
コントローラドライバ。
【請求項12】
カウント値および画像データの座標データに基づいて複数のマトリクスの中から対応するマトリックスを出力するディザマトリックスと、
前記ディザマトリックスの出力に応答して前記画像データに対して加算処理を実施したデータを出力するセレクタとを有することを特徴とする
表示装置。
【請求項1】
画素が並列に並べられた表示部と、
前記表示部に接続されたコントローラドライバとを具備し、
前記コントローラドライバは、
入力画像を2次元多値ディザマトリクスを用いてビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段と、
前記処理後画像を格納するメモリと、
前記メモリに格納された前記処理後画像に補正処理を行い、出力画像を生成する画像処理部後段とを備え、
前記画像処理部後段は、
フレーム毎にカウンタ値を生成するカウンタと、
前記処理後画像の表示される位置と前記カウント値とによって参照される2次元2値ディザマトリクスと、
前記2次元2値ディザマトリクスの出力に基づいて、前記出力画像を出力するセレクタとを備え、
前記出力画像のビット数は、前記処理後画像のビット数と同じであり、
前記出力画像は、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第1値を示すときに、前記処理後画像を示し、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第2値を示すときに、前記処理後画像から補正されたデータを示す
表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記出力画像は、或るフレーム期間において、前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数が、前記或るフレーム期間と異なる他のフレーム期間において、前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数に等しい
表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記メモリ部の容量は、処理後画像を構成するビットプレーン数を前記表示部の画素数分であることを特徴とする
表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記画像処理部後段は、さらに、
前記処理後画像に基づいて前記2次元2値ディザマトリクスの出力か、前記第2値かを選択して出力する最大値最小値制御を備え、
前記セレクタは、前記最大値最小値制御の出力に基づいて前記出力画像を出力し、
前記最大値最小値制御は、前記処理後画像がすべて1または、すべて0の画素の場合は前記第2値を選択して出力し、前記処理後画像がすべて1でなく、かつ、すべて0ではない場合は前記2次元2値ディザマトリクスの出力を選択して出力する
表示装置。
【請求項5】
請求項2、または請求項3のいずれかに記載の表示装置であって、
前記コントローラドライバは、
前記出力画像に対応する階調電圧を前記座標により識別される画素に印加して表示部にフレームを表示するデータ線駆動回路を更に備え、
前記階調電圧は、前記フレーム毎に極性が反転し、
前記カウンタは、前記複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに前記階調電圧の極性が反転するように、前記カウンタ値を出力する
表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の表示装置であって、
前記コントローラドライバは、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量よりも大きい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行い、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量より同じかまたは、小さい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行わず、前記入力画像データをそのまま前記メモリに保持し、前記メモリのデータを出力する
表示装置。
【請求項7】
画素が並列に並べられた表示部に接続されたコントローラドライバであり、
入力画像を2次元多値ディザマトリクスを用いてビットプレーン数を減少させて処理後画像を生成する画像処理部前段と、
前記処理後画像を格納するメモリと、
前記メモリに格納された前記処理後画像に補正処理を行い、出力画像を生成する画像処理部後段とを具備し、
前記画像処理部後段は、
フレーム毎にカウンタ値を生成するカウンタと、
前記処理後画像の表示される位置と前記カウント値とによって参照される2次元2値ディザマトリクスと、
前記2次元2値ディザマトリクスの出力に基づいて、前記出力画像を出力するセレクタとを備え、
前記出力画像のビット数は、前記処理後画像のビット数と同じであり、
前記出力画像は、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第1値を示すときに前記処理後画像を示し、前記2次元2値ディザマトリクスの出力が第2値を示すときに、前記処理後画像から補正された画像を示す
コントローラドライバ。
【請求項8】
請求項7に記載のコントローラドライバであって、
前記出力画像は、或るフレーム期間において前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数が、前記或るフレーム期間と異なる他のフレーム期間において前記2次元2値ディザマトリクスから参照される前記第1値の個数に等しい
コントローラドライバ。
【請求項9】
請求項8に記載のコントローラドライバであって、
前記処理後画像に基づいて前記2次元2値ディザマトリクスの出力か、前記第2値かを選択して出力する最大値最小値制御を更に具備し、
前記セレクタは、前記最大値最小値制御の出力に基づいて前記出力画像を出力し、
前記最大値最小値制御は、前記処理後画像がすべて1またはすべて0の画素の場合は前記第2値を選択して出力し、前記処理後画像がすべて1でなく、かつ、すべて0ではない場合は前記2次元2値ディザマトリクスの出力を選択して出力する
コントローラドライバ。
【請求項10】
請求項8または請求項9のいずれかに記載のコントローラドライバであって、
前記出力画像に対応する階調電圧を前記座標により識別される画素に印加して表示部にフレームを表示するデータ線駆動回路を更に具備し、
前記階調電圧は、前記フレーム毎に極性が反転し、
前記カウンタは、前記複数カウンタ値のうちの1つのカウンタ値に対応する出力画像が表示されるたびに前記階調電圧の極性が反転するように、前記カウンタ値を出力する
コントローラドライバ。
【請求項11】
請求項7から請求項10のいずれかに記載の表示装置であって、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量よりも大きい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行い、
前記入力画像データのビット数が、前記メモリの容量より同じかまたは、小さい場合、前記画像処理部前段および、前記画像処理部後段の処理を行わず、前記入力画像データをそのまま前記メモリに保持し、前記メモリのデータを出力する
コントローラドライバ。
【請求項12】
カウント値および画像データの座標データに基づいて複数のマトリクスの中から対応するマトリックスを出力するディザマトリックスと、
前記ディザマトリックスの出力に応答して前記画像データに対して加算処理を実施したデータを出力するセレクタとを有することを特徴とする
表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−129420(P2008−129420A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315740(P2006−315740)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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