表示装置およびスタンド装置
【課題】表示装置において、表示面の温度むらに起因した表示品位の低下を抑制する。
【解決手段】記憶性表示体140は、表示装置100の表示面を構成する。センサ160は、表示面近傍の温度を検知する。ヒータ170は、表示面を全体にわたり加熱する。ヒータ制御部180は、センサ160により検知された温度に基づき、ヒータ170による加熱を制御する。具体的には、ヒータ制御部180は、センサ160により検知された温度が所定の温度(例えば、人体の皮膚の表面温度程度)以下である場合にヒータ170に電力を供給し、センサ160により検知された温度が所定の温度より高い場合にヒータ170に電力を供給しない。このようにすれば、表示面はその全面が均一の温度となり、当該温度に近い温度の物体(操作者の指等)が触れたとしても、表示面に温度むらが生じにくくなる。
【解決手段】記憶性表示体140は、表示装置100の表示面を構成する。センサ160は、表示面近傍の温度を検知する。ヒータ170は、表示面を全体にわたり加熱する。ヒータ制御部180は、センサ160により検知された温度に基づき、ヒータ170による加熱を制御する。具体的には、ヒータ制御部180は、センサ160により検知された温度が所定の温度(例えば、人体の皮膚の表面温度程度)以下である場合にヒータ170に電力を供給し、センサ160により検知された温度が所定の温度より高い場合にヒータ170に電力を供給しない。このようにすれば、表示面はその全面が均一の温度となり、当該温度に近い温度の物体(操作者の指等)が触れたとしても、表示面に温度むらが生じにくくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の表示面の温度に起因する表示むらを抑制するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶性を有する表示体(以下「記憶性表示体」という。)が電子ペーパ等に利用されている。記憶性表示体とは、電圧を印加しなくても表示状態(すなわち階調)を維持することが可能な表示体のことであり、例えば、コレステリック液晶によるものがある(例えば、特許文献1参照)。記憶性表示体は、表示を書き換える期間にだけ電圧を印加すればよいので、低消費電力であり、携帯性を要する表示装置に用いるに特に好適であるといえる。また、記憶性表示体は、電圧を印加しなくても表示状態が安定しているので、ちらつきが少なく、長時間見続けても眼を疲労させにくいという特徴がある。
【特許文献1】特開平7−175041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方で、記憶性表示体は、一般的に温度の影響を受けやすい表示方式である。例えば、コレステリック液晶を用いた記憶性表示体の場合、温度により液晶の粘性が変化するため、温度が異なると、同一の駆動条件(駆動速度や駆動電圧)であっても表示される階調に変化が生じる。それゆえ、例えば、その表示面に指などが触れた場合や、光(熱線)が表示面に局所的に照射された場合などには、表示面の温度が不均一となり、その表示にむらを生じることがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、表示装置において、表示面の温度むらに起因した表示品位の低下を抑制することを可能にする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、表示面を有する表示手段と、前記表示面の近傍の温度を検知する検知手段と、前記表示面を全体にわたり加熱する加熱手段と、前記検知手段により検知される温度が決められた範囲となるように前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段と、前記加熱制御手段による制御の実行の可否を切り換える切換手段とを備える。
かかる表示装置によれば、表示面はその全面が決められた範囲内のほぼ均一な温度となるため、当該温度に近い温度の物体(例えば、操作者の指等)が触れたとしても、表示面に温度むらが生じにくくなる。
なお、本発明における表示面としては、コレステリック液晶等の記憶性表示体を用いるのが好適である。しかしながら、本発明は、コレステリック液晶に限らず、温度により応答性が変化する種々の表示体に適用することができる。
【0005】
また、本発明の表示装置において、前記検知手段は、前記表示面の複数の位置の温度を検知し、前記加熱手段は、各々が前記表示面を含み、かつ、前記複数の位置のいずれかに対応する複数の領域をそれぞれ加熱する構成を採用してもよい。このようにすれば、複数の位置で温度差が生じた場合に、この温度差を小さくすることが可能となる。
【0006】
また、本発明の表示装置において、前記表示手段は、記憶性表示体による前記表示面と、当該表示面に表示する画像を書き換える書換手段とを備え、前記切換手段は、前記書換手段により前記表示面の画像が書き換えられる場合に、前記加熱制御手段による制御を実
行する構成を採用してもよい。なお、加熱手段による加熱を開始するタイミングは、画像が書き換えられた後であってもよいし、画像が書き換えられる前(あるいは書き換えと同時)であってもよい。このようにすれば、書き換えを行わない期間、すなわち表示状態を維持する期間には不要な加熱を行わないようにすることができるので、電力消費を抑制することが可能となる。
【0007】
また、本発明の表示装置は、自装置に内蔵される電源から電力を供給する第1の供給手段と、自装置外部の電源から電力を供給する第2の供給手段とを備え、前記切換手段は、前記第2の供給手段により電力が供給可能である場合に、前記加熱制御手段による制御を実行し、前記第2の供給手段により電力が供給可能でない場合に、前記加熱制御手段による制御を実行しない構成を採用してもよい。このようにすれば、表示装置が携帯可能である場合に、携帯時等の外部からの電力供給が期待できないときの電力消費を抑制し、表示時間の減少を抑制することが可能となる。
【0008】
なお、本発明は、上述した表示装置のみならず、表示装置を載置するためのスタンド装置や、表示装置とスタンド装置とを備えた表示システムとしても特定され得る。例えば、本発明に係るスタンド装置は、表示装置が載置されたときに当該表示装置を加熱する加熱手段と、前記表示装置から情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された情報に応じて、前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である表示装置100の構成を示すブロック図である。また、図2は、この表示装置100の外観を示す図である。図1に示すように、表示装置100は、第1電力供給部110と、第2電力供給部120と、表示体駆動部130と、記憶性表示体140と、データ供給部150と、センサ160と、ヒータ170と、ヒータ制御部180と、操作部190とを備える。
【0010】
第1電力供給部110は、内蔵された電池111から表示体駆動部130、データ供給部150およびヒータ制御部180に電力を供給する。電池111は、充電可能な二次電池であると望ましいが、乾電池等の一次電池であってもよい。第2電力供給部120は、プラグやコンバータを備え、表示装置100の外部にある電源から供給された電力を表示体駆動部130、データ供給部150およびヒータ制御部180に供給する。すなわち、表示装置100は、内蔵した電源と外部電源の少なくとも一方を用いて作動する。表示体駆動部130は、記憶性表示体140を駆動するための駆動回路を備え、データ供給部150から供給された表示データに応じた駆動電圧を記憶性表示体140に供給する。
【0011】
記憶性表示体140は、記憶性液晶による液晶層を有する表示体であり、図2に示す表示面140Dを構成する。ここにおいて、記憶性液晶とは、電圧を印加しなくても表示状態(すなわち階調)を維持することが可能な液晶のことである。この記憶性液晶としては、例えばコレステリック液晶が用いられる。記憶性表示体140は、複数行複数列の画素を有し、それぞれの画素は、供給される表示データに応じた階調となる。なお、記憶性表示体140の各画素の階調数は任意である。
【0012】
データ供給部150は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や、フ
ラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、表示体駆動部130に表示データを供給する。なお、表示データとは、記憶性表示体140の各画素の階調、すなわち濃度を示すデータである。データ供給部150は、表示データをあらかじめ記憶していてもよいし、他のデータ
から表示データを生成してもよい。また、データ供給部150は、表示データを表示体駆動部130に供給する毎に、その旨を表す信号をヒータ制御部180に出力する。この信号のことを、以下では「書換信号」という。
【0013】
センサ160は、表示面の温度を検知し、これを表す検知信号をヒータ制御部180に出力する。センサ160は、例えばサーミスタである。センサ160は、表示面の背面側、すなわち表示面の外部に露出していない側の適当な位置に、当該表示面と近接して設けられている。しかし、センサ160は、その周囲の温度が表示面と実質的に同等とみなせる位置、すなわち表示面の近傍の位置にあれば足り、表示面の背面側に近接して設けられている必要はない。また、センサ160は、ヒータ170が発する熱の影響を受けぬよう、いわゆる熱シールド等が設けられていると望ましい。
【0014】
ヒータ170は、表示面とほぼ同等の面積を有する平面状のヒータであり、表示面の全体を背面側から均一に加熱する。ヒータ170は、例えば、発熱する平面状の抵抗体と、この抵抗体に電力を供給する1対の電極とを備える。ヒータ制御部180は、ヒータ170に供給する電力を制御することにより、ヒータ170による加熱を制御する。ヒータ制御部180は、センサ160からの検知信号に基づき、この制御を実行する。なお、説明の便宜上、本実施形態においてはデータ供給部150とヒータ制御部180とを別体にして説明するが、これらの機能は同一の演算処理装置等により実現されてもよい。
【0015】
操作部190は、図2に示す操作キー191、192、193および194を備え、操作者による操作を受け付ける。操作部190は、操作者による操作を受け付けると、その操作に応じた操作信号をデータ供給部150に出力する。
【0016】
本実施形態の表示装置100の構成は以上のとおりである。続いて、この表示装置100により実行される動作を説明する。
表示装置100は、表示データに応じた画像を表示する。具体的には、表示装置100のデータ供給部150が、記憶性表示体140の各画素に応じた表示データを表示体駆動部130に供給し、表示体駆動部130が、この表示データに応じた駆動電圧を記憶性表示体140の各画素に印加する。また、データ供給部150は、操作部190から操作信号を取得したときなどの所定のタイミングで表示データを表示体駆動部130に供給し、表示面に表示される画像を書き換える。このとき、データ供給部150は、書換信号をヒータ制御部180に出力する。
【0017】
表示装置100がこのような表示を行っているときに、ヒータ制御部180は、ヒータ170のオン/オフを制御する。ヒータ制御部180は、センサ160からの検知信号に基づいてこの制御を行う。この制御は、要するに、表示面をほぼ一定の温度に保つために行うものである。なお、ここにおいて、表示装置100の周囲の温度は、屋内外における通常の使用環境下の温度であるとし、高くとも30℃程度であるとする。
【0018】
図3は、ヒータ制御部180が実行する処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、表示装置100が作動している間に繰り返し実行されるものである。同図に示すように、ヒータ制御部180は、まず、この処理の開始時から所定の期間内に表示面の書き換えが行われたか否かを判断する(ステップSa1)。ヒータ制御部180は、データ供給部150からの書換信号に基づいてこの判断を行う。ここにおいて、表示面の書き換えが行われていない場合(ステップSa1:NO)、ヒータ制御部180は処理を終了する。
【0019】
一方、所定の時間内に表示面の書き換えが行われている場合(ステップSa1:YES)、ヒータ制御部180は、第2電力供給部120から電力が供給されているか否かを判
断する(ステップSa2)。第2電力供給部120から電力が供給されていない場合(ステップSa2:NO)、ヒータ制御部180は処理を終了する。すなわち、ヒータ制御部180は、所定の時間内に表示面が書き換えられ、かつ、第2電力供給部120から電力が供給されている場合に後述する処理を実行し、それ以外の場合には後述する処理を実行しないということである。
【0020】
第2電力供給部120から電力が供給されている場合(ステップSa2:YES)、ヒータ制御部180は、その時点での温度を特定する(ステップSa3)。ヒータ制御部180は、センサ160からの検知信号を取得することにより、温度の特定を行う。次に、ヒータ制御部180は、特定した温度が所定の温度以下であるか否かを判断する(ステップSa4)。ここにおいて、所定の温度とは、例えば、33〜35℃程度である。なお、この値は、人体の皮膚の表面温度を考慮して定められたものである。
【0021】
ヒータ制御部180は、温度が所定以下である場合には(ステップSa4:YES)、ヒータ170に電力を供給して加熱を行わせ(ステップSa5)、その後ステップSa3からの処理を定期的に繰り返す。一方、ヒータ制御部180は、温度が所定以下でない場合には(ステップSa4:NO)、ヒータ170への電力の供給を止め(ステップSa6)、ステップSa1からの処理を繰り返す。
【0022】
このように動作することで、センサ160により検知される温度は、ある決められた範囲に制御される。これは、ステップSa3〜Sa5の処理が繰り返し実行されるためである。すなわち、センサ160により検知された温度を判断し、これが所定の温度以下である場合にはヒータ170による加熱を行い、所定の温度を超えた場合にはヒータ170による加熱を停止させる処理を定期的に繰り返し実行することにより、センサ160により検知される温度は、常に所定の温度近傍の値となり、決められた範囲を超えることがない。
【0023】
したがって、表示装置100の表示面は、画像の書き換えがある程度の頻度で行われているときには、ほぼ一定の温度に保たれる。これにより、例えば、操作者が表示面の一部の領域を指で触ったりしても、当該領域が他の領域よりも高温になるようなことが起こらず、表示面に温度の不均一が生じることを抑制することが可能となる。それゆえ、本実施形態の表示装置100は、表示面の温度がほぼ均一となり、表示むらの発生を抑制することができる。
【0024】
また、本実施形態の表示装置100は、表示面の書き換えが行われていないときには、ヒータ170による加熱を行わないように構成されている。これは、表示装置100の表示面が記憶性表示体140によって構成されていることによる。上述したように、記憶性表示体140は、電圧を印加しなくても表示状態を維持できるため、書き換えが行われていないときには表示品位が低下しない。そのため、このときには表示面の温度を均一に保つ必要がないといえる。このような構成を採用することにより、本実施形態の表示装置100は、無駄な電力消費を抑えることが可能となる。
【0025】
しかしながら、本実施形態のような構成とした場合、表示面の書き換えが長時間行われなかったとすると、表示面の温度に不均一が生じるおそれがある。このような状態のときに表示面の書き換えが行われると、温度の不均一に起因する表示むらが発生する可能性がある。このような不都合を回避するためには、例えば、表示面の書き換えの指示の有無によらずに加熱を行う構成とすればよい。すなわち、上述したステップSa1の処理は、省略することができるということである。
【0026】
また、本実施形態の表示装置100は、第2電力供給部120から電力が供給されてい
ないときには、ヒータ170による加熱を行わないように構成されている。これは、表示装置100の携帯性を考慮した場合、電池111の容量は制限される傾向にあるからである。すなわち、操作者が表示装置100を携帯しながら移動している場合のように、外部電源からの電力供給が行えない場合には、表示装置100の作動は内蔵された電源のみに依存することになる。このような場合に、ヒータ170による加熱を行うと、その分だけ電力消費が増加し、表示を行える時間が減少することとなる。つまり、本実施形態の表示装置100は、第2電力供給部120から電力が供給されていないときにはヒータ170による加熱を行わない構成を採用することにより、携帯時等の表示時間の減少を抑制することが可能となる。
【0027】
しかしながら、例えば屋内における使用を前提とした構成である場合などには、第2電力供給部120からの電力供給をほぼ常時期待できることがある。そこで、このような場合には、第2電力供給部120からの電力供給の有無によらずにヒータ170による加熱を行う構成であってもよい。すなわち、上述したステップSa2の処理は、省略することができるということである。
【0028】
なお、本実施形態においては、ステップSa3〜Sa5の処理を繰り返し実行することによって、センサ160により検知される温度をある程度の範囲に保っていたが、例えば、PID制御等の他の方法によって、センサ160により検知される温度を一定の範囲に保つようにしてもよい。
【0029】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、温度を検知する構成と表示面を加熱する構成とが上述した第1実施形態と異なるものである。なお、本実施形態においては、上述した第1実施形態と同様である構成要素には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0030】
図4は、本実施形態の表示装置200の構成を示すブロック図である。同図に示すように、表示装置200は、第1電力供給部110と、第2電力供給部120と、表示体駆動部130と、記憶性表示体140と、データ供給部150と、センサ部260と、ヒータ部270と、ヒータ制御部280と、操作部190とを備える。すなわち、本実施形態の表示装置200は、センサ部260、ヒータ部270およびヒータ制御部280が上述した表示装置100と異なっている。なお、表示装置200の外観は、表示装置100と同様である。
【0031】
センサ部260は、センサ261、262、263および264を備える。センサ261〜264は、それぞれ、上述したセンサ160と同様の構成を有する。センサ261〜264は、それぞれが決められた位置に設けられている。ヒータ部270は、ヒータ271、272、273および274を備える。ヒータ271〜274は、それぞれ、上述したヒータ170と同様の構成を有するが、そのサイズ(面積)はヒータ170と異なる。ヒータ271〜274は、ヒータ170のおよそ1/4のサイズであり、ヒータ271〜274を合わせたサイズがヒータ170のサイズとほぼ同等である。
【0032】
図5は、センサ261〜264とヒータ271〜274の位置関係を示す図である。なお、同図においては、表示面の4辺を破線で示している。同図に示すように、ヒータ271〜274は、表示面を上下に2分割し、左右に2分割した4つの領域のそれぞれに対応するように設けられており、表示面のその対応する領域を加熱する。また、センサ261〜264は、それぞれ、上述した4つの領域のいずれかに含まれる位置において温度を検知する。すなわち、センサ261とヒータ271とが対応関係を有しており、同様に、センサ262とヒータ272、センサ263とヒータ273およびセンサ264とヒータ2
74のそれぞれが対応関係を有している。
【0033】
ヒータ制御部280は、センサ261〜264のそれぞれから検知信号を取得し、対応するヒータ271〜274に供給する電力を制御する。具体的には、ヒータ制御部280は、センサ261〜264から取得した検知信号に基づいてそれぞれの位置における温度を特定し、特定した温度に所定以上の温度差がある場合に、その温度差を小さくするようにヒータ271〜274による加熱を制御する。
【0034】
図6は、ヒータ制御部280が実行する処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、表示装置100が作動している間に繰り返し実行されるものである。同図に示すように、ヒータ制御部280は、まず、この処理の開始時から所定の期間内に表示面の書き換えが行われたか否かを判断し(ステップSb1)、次いで、第2電力供給部120から電力が供給されているか否かを判断する(ステップSb2)。これらの処理は、上述した第1実施形態のステップSa1およびSa2の処理と同様の処理である。ヒータ制御部280は、これらの判断がともに肯定的であった場合に、ヒータ部270による加熱の制御を実行する。
【0035】
ステップSb1およびSb2の判断の後、ヒータ制御部280は、センサ部260からの検知信号に基づいて温度を特定する(ステップSb3)。具体的には、ヒータ制御部280は、センサ261〜264の各々から出力された検知信号に基づいて、それぞれの位置における温度を特定する。すなわち、このときヒータ制御部280は、図5に示した4箇所の温度を特定する。これらの位置は、表示面を4分割した場合のそれぞれの領域に対応するものである。
【0036】
続いて、ヒータ制御部280は、特定した4箇所の温度の差が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップSb4)。具体的には、ヒータ制御部280は、特定した温度の最大値と最小値とを特定し、これらの差分が所定の閾値以上であるか否かを判断する。なお、この閾値は、同一の駆動条件の下で表示むらとして認められない程度の表示が可能となるように定められればよく、例えば、2〜3(℃)程度である。
【0037】
ヒータ制御部280は、温度差が閾値以上である場合(ステップSb4:YES)、検知された温度が比較的低い1または複数のセンサ(261〜264のいずれか)に対応するヒータ(271〜274のいずれか)に電力を供給し、加熱を行わせる(ステップSb5)。例えば、センサ261において検知された温度が他に比べて低かった場合、ヒータ制御部280は、これに対応するヒータ271に電力を供給する。その後、ヒータ制御部280は、ステップSb3からの処理を繰り返す。
一方、温度差が閾値未満である場合(ステップSb4:NO)、ヒータ制御部280は、ヒータ部270による加熱を行わせず(ステップSb6)、ステップSb1からの処理を繰り返す。
【0038】
このように動作することで、センサ261〜264により検知される温度は、その温度差が所定の範囲内となるように制御される。これにより、例えば、表示面に対して局所的に光が照射されたとしても、この光に起因する温度むらを抑制することが可能となる。それゆえ、本実施形態の表示装置200は、表示面の温度がほぼ均一となり、表示むらの発生を抑制することができる。
【0039】
なお、本実施形態においては、特定した4箇所の温度の差が所定の閾値以上であるかを判断することにより、温度を所定の範囲内に保つ処理を行っていたが、温度を所定の範囲内に保つための処理はこの方法に限定されない。例えば、ヒータ制御部280は、4箇所の温度の平均値を算出し、この平均値を下回る温度を検出したセンサ(261〜264の
いずれか)に対応するヒータ(271〜274のいずれか)に電力を供給するようにしてもよい。
【0040】
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、表示装置とこれを載置するスタンド装置とにより構成される表示システムである。なお、本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様である構成要素については、適宜その説明を省略する。
【0041】
図7は、本実施形態の表示システム30の構成を示すブロック図である。また、図8は、この表示システム30の外観を示す図である。図7に示すように、表示システム30は、表示装置300とスタンド装置400とを備える。表示装置300は、電力供給部310と、インタフェース部320と、表示体駆動部130と、記憶性表示体140と、データ供給部150と、センサ160と、操作部190とを備える。また、スタンド装置400は、電力供給部410と、インタフェース部420と、ヒータ170と、ヒータ制御部180とを備える。
【0042】
電力供給部310は、上述した第1電力供給部110に相当するものであり、内蔵した電源により表示装置300の各部に電力を供給する。インタフェース部320は、所定の規格の端子を有し、スタンド装置400と情報の送受信を行う。なお、センサ160は、検知信号をインタフェース部320に出力し、データ供給部150は、書換信号をインタフェース部320に出力する。インタフェース部320は、これらの信号をスタンド装置400に送信する。
【0043】
スタンド装置400は、図8に示すように、表示装置300を載置可能な構造を有している。なお、スタンド装置400において、表示装置300の背面と接する部分のことを、以下では「載置部」という。
電力供給部410は、上述した第2電力供給部120に相当するものであり、外部電源によりスタンド装置400の各部に電力を供給する。インタフェース部420は、インタフェース部320の端子に対応したコネクタを有し、表示装置300と情報の送受信を行う。インタフェース部420は、表示装置300に対して、情報の送受信とともに電力の供給を行ってもよい。なお、ヒータ170は、上述した載置部に設けられる。また、ヒータ制御部180は、インタフェース部420を介して検知信号および書換信号を取得し、ヒータ170による加熱を制御する。
【0044】
本実施形態の動作は、検知信号および書換信号がインタフェース部320および420を介してやりとりされる点を除けば、上述した第1実施形態の動作とほぼ同様である。ただし、本実施形態においては、ヒータ制御部180が第2電力供給部120からの電力のみによって動作するため、ステップSa2の処理は不要である。また、ステップSa1の処理についても、省略が可能である。ゆえに、本実施形態の表示システム30においても、上述した第1実施形態の表示装置100と同様の効果を奏することができる。
【0045】
[変形例]
以上においては、第1〜第3の実施形態を例示して本発明を説明したが、本発明は、上述した形態での実施に限らず、その他の種々の形態での実施が可能である。そこで、ここでは、他の実施形態の一例を説明する。なお、もちろん、上述した第1〜第3実施形態を適宜に組み合わせる変形も可能である。例えば、第3実施形態の表示システム30に対して、第2実施形態の表示装置200に相当する構成を追加することも可能である。
【0046】
上述した実施形態は、センサからの検知信号に基づいて加熱を制御する構成であったが、検知信号に代えて他の情報を用いてもよい。例えば、表示面にタッチスクリーン(タッ
チパネル)のような接触式のセンサを設けた場合であれば、このセンサが出力する接触の有無を表す信号に基づいて加熱を制御してもよい。この場合、さらには、同一の位置に所定の時間以上の接触が認められる場合に加熱を行うとしてもよい。これは、接触している物体が表示面よりも高温の物体である場合に、表示面の温度が不均一となるおそれがあるためである。
【0047】
また、上述した実施形態において、ヒータ制御部180(または280)は、ヒータのオン/オフを制御するのみの構成であったが、ヒータに供給する電力を連続的に変化させる構成としてもよい。このようにすれば、特定した温度に応じた電力を供給することができるので、表示面の温度をより高精度に制御することが可能となる。
【0048】
また、上述した実施形態において、データ供給部150は、表示データを表示体駆動部130に供給する毎に書換信号を出力する構成とした。このとき、データ供給部150は、書換信号を出力してから所定の時間を経過した後に画像の書き換えが行われるような構成であってもよい。このようにすれば、表示面の画像が書き換えられる前に加熱を開始することができる。
しかし、一般に、加熱手段による十分な加熱には時間を要するため、書換信号の出力タイミングと画像の書き換えタイミングの時間差が僅かである場合には、画像の書き換え時に十分な加熱が行われていない可能性もある。そこで、このような場合のために、操作者が加熱を指示することができる操作キーを操作部190に設けてもよい。この場合、ヒータ制御部180(または280)は、この指示を表す操作信号を取得したときにヒータ170(またはヒータ部270)による加熱を開始する構成とすればよい。
【0049】
また、上述した第1実施形態は、ヒータ制御部180が第1電力供給部110および第2電力供給部120から電力供給を受けて動作する構成であったが、第2電力供給部120のみから電力供給を受ける構成であってもよい。このような構成とした場合、第2電力供給部120が電力を供給できないときには、ヒータ制御部180自体が動作しなくなるので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。この場合、第2電力供給部120は、ヒータ制御部180による制御の実行の可否を切り換える手段として機能しているといえる。また、これは、第2実施形態においても同様である。
【0050】
また、上述した第2実施形態は、表示面を4つの領域に分割し、それぞれの領域の温度を検知して加熱する構成であったが、もちろん、表示面をさらに多くの領域に分割し、それぞれの領域の温度を検知して加熱する構成であってもよい。また、分割した各領域の面積や形状は同一でなくともよい。
【0051】
また、上述した第2実施形態においては、センサとヒータとが同数であったが、センサよりもヒータの数が多い構成としてもよい。例えば、対応するセンサを有するヒータと対応するセンサを有さないヒータとが上下左右に交互に配置されるようにヒータ部を構成してもよい。この構成の場合、対応するセンサを有さないヒータに対応する領域の温度は、当該ヒータに隣接するヒータに対応するセンサの温度に基づいて推測すればよい。例えば、この構成においては、当該ヒータに隣接するヒータは複数存在するから、その複数のヒータに対応するセンサの温度を平均するなどして推測すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置の外観を示す図である。
【図3】ヒータ制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図4】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】センサとヒータの位置関係を示す図である。
【図6】ヒータ制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図7】表示システムの構成を示すブロック図である。
【図8】表示システムの外観を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
100…表示装置、110…第1電力供給部、111…電池、120…第2電力供給部、130…表示体駆動部、140…記憶性表示体、150…データ供給部、160…センサ、170…ヒータ、180…ヒータ制御部、190…操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の表示面の温度に起因する表示むらを抑制するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶性を有する表示体(以下「記憶性表示体」という。)が電子ペーパ等に利用されている。記憶性表示体とは、電圧を印加しなくても表示状態(すなわち階調)を維持することが可能な表示体のことであり、例えば、コレステリック液晶によるものがある(例えば、特許文献1参照)。記憶性表示体は、表示を書き換える期間にだけ電圧を印加すればよいので、低消費電力であり、携帯性を要する表示装置に用いるに特に好適であるといえる。また、記憶性表示体は、電圧を印加しなくても表示状態が安定しているので、ちらつきが少なく、長時間見続けても眼を疲労させにくいという特徴がある。
【特許文献1】特開平7−175041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方で、記憶性表示体は、一般的に温度の影響を受けやすい表示方式である。例えば、コレステリック液晶を用いた記憶性表示体の場合、温度により液晶の粘性が変化するため、温度が異なると、同一の駆動条件(駆動速度や駆動電圧)であっても表示される階調に変化が生じる。それゆえ、例えば、その表示面に指などが触れた場合や、光(熱線)が表示面に局所的に照射された場合などには、表示面の温度が不均一となり、その表示にむらを生じることがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、表示装置において、表示面の温度むらに起因した表示品位の低下を抑制することを可能にする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、表示面を有する表示手段と、前記表示面の近傍の温度を検知する検知手段と、前記表示面を全体にわたり加熱する加熱手段と、前記検知手段により検知される温度が決められた範囲となるように前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段と、前記加熱制御手段による制御の実行の可否を切り換える切換手段とを備える。
かかる表示装置によれば、表示面はその全面が決められた範囲内のほぼ均一な温度となるため、当該温度に近い温度の物体(例えば、操作者の指等)が触れたとしても、表示面に温度むらが生じにくくなる。
なお、本発明における表示面としては、コレステリック液晶等の記憶性表示体を用いるのが好適である。しかしながら、本発明は、コレステリック液晶に限らず、温度により応答性が変化する種々の表示体に適用することができる。
【0005】
また、本発明の表示装置において、前記検知手段は、前記表示面の複数の位置の温度を検知し、前記加熱手段は、各々が前記表示面を含み、かつ、前記複数の位置のいずれかに対応する複数の領域をそれぞれ加熱する構成を採用してもよい。このようにすれば、複数の位置で温度差が生じた場合に、この温度差を小さくすることが可能となる。
【0006】
また、本発明の表示装置において、前記表示手段は、記憶性表示体による前記表示面と、当該表示面に表示する画像を書き換える書換手段とを備え、前記切換手段は、前記書換手段により前記表示面の画像が書き換えられる場合に、前記加熱制御手段による制御を実
行する構成を採用してもよい。なお、加熱手段による加熱を開始するタイミングは、画像が書き換えられた後であってもよいし、画像が書き換えられる前(あるいは書き換えと同時)であってもよい。このようにすれば、書き換えを行わない期間、すなわち表示状態を維持する期間には不要な加熱を行わないようにすることができるので、電力消費を抑制することが可能となる。
【0007】
また、本発明の表示装置は、自装置に内蔵される電源から電力を供給する第1の供給手段と、自装置外部の電源から電力を供給する第2の供給手段とを備え、前記切換手段は、前記第2の供給手段により電力が供給可能である場合に、前記加熱制御手段による制御を実行し、前記第2の供給手段により電力が供給可能でない場合に、前記加熱制御手段による制御を実行しない構成を採用してもよい。このようにすれば、表示装置が携帯可能である場合に、携帯時等の外部からの電力供給が期待できないときの電力消費を抑制し、表示時間の減少を抑制することが可能となる。
【0008】
なお、本発明は、上述した表示装置のみならず、表示装置を載置するためのスタンド装置や、表示装置とスタンド装置とを備えた表示システムとしても特定され得る。例えば、本発明に係るスタンド装置は、表示装置が載置されたときに当該表示装置を加熱する加熱手段と、前記表示装置から情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された情報に応じて、前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である表示装置100の構成を示すブロック図である。また、図2は、この表示装置100の外観を示す図である。図1に示すように、表示装置100は、第1電力供給部110と、第2電力供給部120と、表示体駆動部130と、記憶性表示体140と、データ供給部150と、センサ160と、ヒータ170と、ヒータ制御部180と、操作部190とを備える。
【0010】
第1電力供給部110は、内蔵された電池111から表示体駆動部130、データ供給部150およびヒータ制御部180に電力を供給する。電池111は、充電可能な二次電池であると望ましいが、乾電池等の一次電池であってもよい。第2電力供給部120は、プラグやコンバータを備え、表示装置100の外部にある電源から供給された電力を表示体駆動部130、データ供給部150およびヒータ制御部180に供給する。すなわち、表示装置100は、内蔵した電源と外部電源の少なくとも一方を用いて作動する。表示体駆動部130は、記憶性表示体140を駆動するための駆動回路を備え、データ供給部150から供給された表示データに応じた駆動電圧を記憶性表示体140に供給する。
【0011】
記憶性表示体140は、記憶性液晶による液晶層を有する表示体であり、図2に示す表示面140Dを構成する。ここにおいて、記憶性液晶とは、電圧を印加しなくても表示状態(すなわち階調)を維持することが可能な液晶のことである。この記憶性液晶としては、例えばコレステリック液晶が用いられる。記憶性表示体140は、複数行複数列の画素を有し、それぞれの画素は、供給される表示データに応じた階調となる。なお、記憶性表示体140の各画素の階調数は任意である。
【0012】
データ供給部150は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や、フ
ラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、表示体駆動部130に表示データを供給する。なお、表示データとは、記憶性表示体140の各画素の階調、すなわち濃度を示すデータである。データ供給部150は、表示データをあらかじめ記憶していてもよいし、他のデータ
から表示データを生成してもよい。また、データ供給部150は、表示データを表示体駆動部130に供給する毎に、その旨を表す信号をヒータ制御部180に出力する。この信号のことを、以下では「書換信号」という。
【0013】
センサ160は、表示面の温度を検知し、これを表す検知信号をヒータ制御部180に出力する。センサ160は、例えばサーミスタである。センサ160は、表示面の背面側、すなわち表示面の外部に露出していない側の適当な位置に、当該表示面と近接して設けられている。しかし、センサ160は、その周囲の温度が表示面と実質的に同等とみなせる位置、すなわち表示面の近傍の位置にあれば足り、表示面の背面側に近接して設けられている必要はない。また、センサ160は、ヒータ170が発する熱の影響を受けぬよう、いわゆる熱シールド等が設けられていると望ましい。
【0014】
ヒータ170は、表示面とほぼ同等の面積を有する平面状のヒータであり、表示面の全体を背面側から均一に加熱する。ヒータ170は、例えば、発熱する平面状の抵抗体と、この抵抗体に電力を供給する1対の電極とを備える。ヒータ制御部180は、ヒータ170に供給する電力を制御することにより、ヒータ170による加熱を制御する。ヒータ制御部180は、センサ160からの検知信号に基づき、この制御を実行する。なお、説明の便宜上、本実施形態においてはデータ供給部150とヒータ制御部180とを別体にして説明するが、これらの機能は同一の演算処理装置等により実現されてもよい。
【0015】
操作部190は、図2に示す操作キー191、192、193および194を備え、操作者による操作を受け付ける。操作部190は、操作者による操作を受け付けると、その操作に応じた操作信号をデータ供給部150に出力する。
【0016】
本実施形態の表示装置100の構成は以上のとおりである。続いて、この表示装置100により実行される動作を説明する。
表示装置100は、表示データに応じた画像を表示する。具体的には、表示装置100のデータ供給部150が、記憶性表示体140の各画素に応じた表示データを表示体駆動部130に供給し、表示体駆動部130が、この表示データに応じた駆動電圧を記憶性表示体140の各画素に印加する。また、データ供給部150は、操作部190から操作信号を取得したときなどの所定のタイミングで表示データを表示体駆動部130に供給し、表示面に表示される画像を書き換える。このとき、データ供給部150は、書換信号をヒータ制御部180に出力する。
【0017】
表示装置100がこのような表示を行っているときに、ヒータ制御部180は、ヒータ170のオン/オフを制御する。ヒータ制御部180は、センサ160からの検知信号に基づいてこの制御を行う。この制御は、要するに、表示面をほぼ一定の温度に保つために行うものである。なお、ここにおいて、表示装置100の周囲の温度は、屋内外における通常の使用環境下の温度であるとし、高くとも30℃程度であるとする。
【0018】
図3は、ヒータ制御部180が実行する処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、表示装置100が作動している間に繰り返し実行されるものである。同図に示すように、ヒータ制御部180は、まず、この処理の開始時から所定の期間内に表示面の書き換えが行われたか否かを判断する(ステップSa1)。ヒータ制御部180は、データ供給部150からの書換信号に基づいてこの判断を行う。ここにおいて、表示面の書き換えが行われていない場合(ステップSa1:NO)、ヒータ制御部180は処理を終了する。
【0019】
一方、所定の時間内に表示面の書き換えが行われている場合(ステップSa1:YES)、ヒータ制御部180は、第2電力供給部120から電力が供給されているか否かを判
断する(ステップSa2)。第2電力供給部120から電力が供給されていない場合(ステップSa2:NO)、ヒータ制御部180は処理を終了する。すなわち、ヒータ制御部180は、所定の時間内に表示面が書き換えられ、かつ、第2電力供給部120から電力が供給されている場合に後述する処理を実行し、それ以外の場合には後述する処理を実行しないということである。
【0020】
第2電力供給部120から電力が供給されている場合(ステップSa2:YES)、ヒータ制御部180は、その時点での温度を特定する(ステップSa3)。ヒータ制御部180は、センサ160からの検知信号を取得することにより、温度の特定を行う。次に、ヒータ制御部180は、特定した温度が所定の温度以下であるか否かを判断する(ステップSa4)。ここにおいて、所定の温度とは、例えば、33〜35℃程度である。なお、この値は、人体の皮膚の表面温度を考慮して定められたものである。
【0021】
ヒータ制御部180は、温度が所定以下である場合には(ステップSa4:YES)、ヒータ170に電力を供給して加熱を行わせ(ステップSa5)、その後ステップSa3からの処理を定期的に繰り返す。一方、ヒータ制御部180は、温度が所定以下でない場合には(ステップSa4:NO)、ヒータ170への電力の供給を止め(ステップSa6)、ステップSa1からの処理を繰り返す。
【0022】
このように動作することで、センサ160により検知される温度は、ある決められた範囲に制御される。これは、ステップSa3〜Sa5の処理が繰り返し実行されるためである。すなわち、センサ160により検知された温度を判断し、これが所定の温度以下である場合にはヒータ170による加熱を行い、所定の温度を超えた場合にはヒータ170による加熱を停止させる処理を定期的に繰り返し実行することにより、センサ160により検知される温度は、常に所定の温度近傍の値となり、決められた範囲を超えることがない。
【0023】
したがって、表示装置100の表示面は、画像の書き換えがある程度の頻度で行われているときには、ほぼ一定の温度に保たれる。これにより、例えば、操作者が表示面の一部の領域を指で触ったりしても、当該領域が他の領域よりも高温になるようなことが起こらず、表示面に温度の不均一が生じることを抑制することが可能となる。それゆえ、本実施形態の表示装置100は、表示面の温度がほぼ均一となり、表示むらの発生を抑制することができる。
【0024】
また、本実施形態の表示装置100は、表示面の書き換えが行われていないときには、ヒータ170による加熱を行わないように構成されている。これは、表示装置100の表示面が記憶性表示体140によって構成されていることによる。上述したように、記憶性表示体140は、電圧を印加しなくても表示状態を維持できるため、書き換えが行われていないときには表示品位が低下しない。そのため、このときには表示面の温度を均一に保つ必要がないといえる。このような構成を採用することにより、本実施形態の表示装置100は、無駄な電力消費を抑えることが可能となる。
【0025】
しかしながら、本実施形態のような構成とした場合、表示面の書き換えが長時間行われなかったとすると、表示面の温度に不均一が生じるおそれがある。このような状態のときに表示面の書き換えが行われると、温度の不均一に起因する表示むらが発生する可能性がある。このような不都合を回避するためには、例えば、表示面の書き換えの指示の有無によらずに加熱を行う構成とすればよい。すなわち、上述したステップSa1の処理は、省略することができるということである。
【0026】
また、本実施形態の表示装置100は、第2電力供給部120から電力が供給されてい
ないときには、ヒータ170による加熱を行わないように構成されている。これは、表示装置100の携帯性を考慮した場合、電池111の容量は制限される傾向にあるからである。すなわち、操作者が表示装置100を携帯しながら移動している場合のように、外部電源からの電力供給が行えない場合には、表示装置100の作動は内蔵された電源のみに依存することになる。このような場合に、ヒータ170による加熱を行うと、その分だけ電力消費が増加し、表示を行える時間が減少することとなる。つまり、本実施形態の表示装置100は、第2電力供給部120から電力が供給されていないときにはヒータ170による加熱を行わない構成を採用することにより、携帯時等の表示時間の減少を抑制することが可能となる。
【0027】
しかしながら、例えば屋内における使用を前提とした構成である場合などには、第2電力供給部120からの電力供給をほぼ常時期待できることがある。そこで、このような場合には、第2電力供給部120からの電力供給の有無によらずにヒータ170による加熱を行う構成であってもよい。すなわち、上述したステップSa2の処理は、省略することができるということである。
【0028】
なお、本実施形態においては、ステップSa3〜Sa5の処理を繰り返し実行することによって、センサ160により検知される温度をある程度の範囲に保っていたが、例えば、PID制御等の他の方法によって、センサ160により検知される温度を一定の範囲に保つようにしてもよい。
【0029】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、温度を検知する構成と表示面を加熱する構成とが上述した第1実施形態と異なるものである。なお、本実施形態においては、上述した第1実施形態と同様である構成要素には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0030】
図4は、本実施形態の表示装置200の構成を示すブロック図である。同図に示すように、表示装置200は、第1電力供給部110と、第2電力供給部120と、表示体駆動部130と、記憶性表示体140と、データ供給部150と、センサ部260と、ヒータ部270と、ヒータ制御部280と、操作部190とを備える。すなわち、本実施形態の表示装置200は、センサ部260、ヒータ部270およびヒータ制御部280が上述した表示装置100と異なっている。なお、表示装置200の外観は、表示装置100と同様である。
【0031】
センサ部260は、センサ261、262、263および264を備える。センサ261〜264は、それぞれ、上述したセンサ160と同様の構成を有する。センサ261〜264は、それぞれが決められた位置に設けられている。ヒータ部270は、ヒータ271、272、273および274を備える。ヒータ271〜274は、それぞれ、上述したヒータ170と同様の構成を有するが、そのサイズ(面積)はヒータ170と異なる。ヒータ271〜274は、ヒータ170のおよそ1/4のサイズであり、ヒータ271〜274を合わせたサイズがヒータ170のサイズとほぼ同等である。
【0032】
図5は、センサ261〜264とヒータ271〜274の位置関係を示す図である。なお、同図においては、表示面の4辺を破線で示している。同図に示すように、ヒータ271〜274は、表示面を上下に2分割し、左右に2分割した4つの領域のそれぞれに対応するように設けられており、表示面のその対応する領域を加熱する。また、センサ261〜264は、それぞれ、上述した4つの領域のいずれかに含まれる位置において温度を検知する。すなわち、センサ261とヒータ271とが対応関係を有しており、同様に、センサ262とヒータ272、センサ263とヒータ273およびセンサ264とヒータ2
74のそれぞれが対応関係を有している。
【0033】
ヒータ制御部280は、センサ261〜264のそれぞれから検知信号を取得し、対応するヒータ271〜274に供給する電力を制御する。具体的には、ヒータ制御部280は、センサ261〜264から取得した検知信号に基づいてそれぞれの位置における温度を特定し、特定した温度に所定以上の温度差がある場合に、その温度差を小さくするようにヒータ271〜274による加熱を制御する。
【0034】
図6は、ヒータ制御部280が実行する処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、表示装置100が作動している間に繰り返し実行されるものである。同図に示すように、ヒータ制御部280は、まず、この処理の開始時から所定の期間内に表示面の書き換えが行われたか否かを判断し(ステップSb1)、次いで、第2電力供給部120から電力が供給されているか否かを判断する(ステップSb2)。これらの処理は、上述した第1実施形態のステップSa1およびSa2の処理と同様の処理である。ヒータ制御部280は、これらの判断がともに肯定的であった場合に、ヒータ部270による加熱の制御を実行する。
【0035】
ステップSb1およびSb2の判断の後、ヒータ制御部280は、センサ部260からの検知信号に基づいて温度を特定する(ステップSb3)。具体的には、ヒータ制御部280は、センサ261〜264の各々から出力された検知信号に基づいて、それぞれの位置における温度を特定する。すなわち、このときヒータ制御部280は、図5に示した4箇所の温度を特定する。これらの位置は、表示面を4分割した場合のそれぞれの領域に対応するものである。
【0036】
続いて、ヒータ制御部280は、特定した4箇所の温度の差が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップSb4)。具体的には、ヒータ制御部280は、特定した温度の最大値と最小値とを特定し、これらの差分が所定の閾値以上であるか否かを判断する。なお、この閾値は、同一の駆動条件の下で表示むらとして認められない程度の表示が可能となるように定められればよく、例えば、2〜3(℃)程度である。
【0037】
ヒータ制御部280は、温度差が閾値以上である場合(ステップSb4:YES)、検知された温度が比較的低い1または複数のセンサ(261〜264のいずれか)に対応するヒータ(271〜274のいずれか)に電力を供給し、加熱を行わせる(ステップSb5)。例えば、センサ261において検知された温度が他に比べて低かった場合、ヒータ制御部280は、これに対応するヒータ271に電力を供給する。その後、ヒータ制御部280は、ステップSb3からの処理を繰り返す。
一方、温度差が閾値未満である場合(ステップSb4:NO)、ヒータ制御部280は、ヒータ部270による加熱を行わせず(ステップSb6)、ステップSb1からの処理を繰り返す。
【0038】
このように動作することで、センサ261〜264により検知される温度は、その温度差が所定の範囲内となるように制御される。これにより、例えば、表示面に対して局所的に光が照射されたとしても、この光に起因する温度むらを抑制することが可能となる。それゆえ、本実施形態の表示装置200は、表示面の温度がほぼ均一となり、表示むらの発生を抑制することができる。
【0039】
なお、本実施形態においては、特定した4箇所の温度の差が所定の閾値以上であるかを判断することにより、温度を所定の範囲内に保つ処理を行っていたが、温度を所定の範囲内に保つための処理はこの方法に限定されない。例えば、ヒータ制御部280は、4箇所の温度の平均値を算出し、この平均値を下回る温度を検出したセンサ(261〜264の
いずれか)に対応するヒータ(271〜274のいずれか)に電力を供給するようにしてもよい。
【0040】
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、表示装置とこれを載置するスタンド装置とにより構成される表示システムである。なお、本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様である構成要素については、適宜その説明を省略する。
【0041】
図7は、本実施形態の表示システム30の構成を示すブロック図である。また、図8は、この表示システム30の外観を示す図である。図7に示すように、表示システム30は、表示装置300とスタンド装置400とを備える。表示装置300は、電力供給部310と、インタフェース部320と、表示体駆動部130と、記憶性表示体140と、データ供給部150と、センサ160と、操作部190とを備える。また、スタンド装置400は、電力供給部410と、インタフェース部420と、ヒータ170と、ヒータ制御部180とを備える。
【0042】
電力供給部310は、上述した第1電力供給部110に相当するものであり、内蔵した電源により表示装置300の各部に電力を供給する。インタフェース部320は、所定の規格の端子を有し、スタンド装置400と情報の送受信を行う。なお、センサ160は、検知信号をインタフェース部320に出力し、データ供給部150は、書換信号をインタフェース部320に出力する。インタフェース部320は、これらの信号をスタンド装置400に送信する。
【0043】
スタンド装置400は、図8に示すように、表示装置300を載置可能な構造を有している。なお、スタンド装置400において、表示装置300の背面と接する部分のことを、以下では「載置部」という。
電力供給部410は、上述した第2電力供給部120に相当するものであり、外部電源によりスタンド装置400の各部に電力を供給する。インタフェース部420は、インタフェース部320の端子に対応したコネクタを有し、表示装置300と情報の送受信を行う。インタフェース部420は、表示装置300に対して、情報の送受信とともに電力の供給を行ってもよい。なお、ヒータ170は、上述した載置部に設けられる。また、ヒータ制御部180は、インタフェース部420を介して検知信号および書換信号を取得し、ヒータ170による加熱を制御する。
【0044】
本実施形態の動作は、検知信号および書換信号がインタフェース部320および420を介してやりとりされる点を除けば、上述した第1実施形態の動作とほぼ同様である。ただし、本実施形態においては、ヒータ制御部180が第2電力供給部120からの電力のみによって動作するため、ステップSa2の処理は不要である。また、ステップSa1の処理についても、省略が可能である。ゆえに、本実施形態の表示システム30においても、上述した第1実施形態の表示装置100と同様の効果を奏することができる。
【0045】
[変形例]
以上においては、第1〜第3の実施形態を例示して本発明を説明したが、本発明は、上述した形態での実施に限らず、その他の種々の形態での実施が可能である。そこで、ここでは、他の実施形態の一例を説明する。なお、もちろん、上述した第1〜第3実施形態を適宜に組み合わせる変形も可能である。例えば、第3実施形態の表示システム30に対して、第2実施形態の表示装置200に相当する構成を追加することも可能である。
【0046】
上述した実施形態は、センサからの検知信号に基づいて加熱を制御する構成であったが、検知信号に代えて他の情報を用いてもよい。例えば、表示面にタッチスクリーン(タッ
チパネル)のような接触式のセンサを設けた場合であれば、このセンサが出力する接触の有無を表す信号に基づいて加熱を制御してもよい。この場合、さらには、同一の位置に所定の時間以上の接触が認められる場合に加熱を行うとしてもよい。これは、接触している物体が表示面よりも高温の物体である場合に、表示面の温度が不均一となるおそれがあるためである。
【0047】
また、上述した実施形態において、ヒータ制御部180(または280)は、ヒータのオン/オフを制御するのみの構成であったが、ヒータに供給する電力を連続的に変化させる構成としてもよい。このようにすれば、特定した温度に応じた電力を供給することができるので、表示面の温度をより高精度に制御することが可能となる。
【0048】
また、上述した実施形態において、データ供給部150は、表示データを表示体駆動部130に供給する毎に書換信号を出力する構成とした。このとき、データ供給部150は、書換信号を出力してから所定の時間を経過した後に画像の書き換えが行われるような構成であってもよい。このようにすれば、表示面の画像が書き換えられる前に加熱を開始することができる。
しかし、一般に、加熱手段による十分な加熱には時間を要するため、書換信号の出力タイミングと画像の書き換えタイミングの時間差が僅かである場合には、画像の書き換え時に十分な加熱が行われていない可能性もある。そこで、このような場合のために、操作者が加熱を指示することができる操作キーを操作部190に設けてもよい。この場合、ヒータ制御部180(または280)は、この指示を表す操作信号を取得したときにヒータ170(またはヒータ部270)による加熱を開始する構成とすればよい。
【0049】
また、上述した第1実施形態は、ヒータ制御部180が第1電力供給部110および第2電力供給部120から電力供給を受けて動作する構成であったが、第2電力供給部120のみから電力供給を受ける構成であってもよい。このような構成とした場合、第2電力供給部120が電力を供給できないときには、ヒータ制御部180自体が動作しなくなるので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。この場合、第2電力供給部120は、ヒータ制御部180による制御の実行の可否を切り換える手段として機能しているといえる。また、これは、第2実施形態においても同様である。
【0050】
また、上述した第2実施形態は、表示面を4つの領域に分割し、それぞれの領域の温度を検知して加熱する構成であったが、もちろん、表示面をさらに多くの領域に分割し、それぞれの領域の温度を検知して加熱する構成であってもよい。また、分割した各領域の面積や形状は同一でなくともよい。
【0051】
また、上述した第2実施形態においては、センサとヒータとが同数であったが、センサよりもヒータの数が多い構成としてもよい。例えば、対応するセンサを有するヒータと対応するセンサを有さないヒータとが上下左右に交互に配置されるようにヒータ部を構成してもよい。この構成の場合、対応するセンサを有さないヒータに対応する領域の温度は、当該ヒータに隣接するヒータに対応するセンサの温度に基づいて推測すればよい。例えば、この構成においては、当該ヒータに隣接するヒータは複数存在するから、その複数のヒータに対応するセンサの温度を平均するなどして推測すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置の外観を示す図である。
【図3】ヒータ制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図4】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】センサとヒータの位置関係を示す図である。
【図6】ヒータ制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図7】表示システムの構成を示すブロック図である。
【図8】表示システムの外観を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
100…表示装置、110…第1電力供給部、111…電池、120…第2電力供給部、130…表示体駆動部、140…記憶性表示体、150…データ供給部、160…センサ、170…ヒータ、180…ヒータ制御部、190…操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を有する表示手段と、
前記表示面の近傍の温度を検知する検知手段と、
前記表示面を全体にわたり加熱する加熱手段と、
前記検知手段により検知される温度が決められた範囲となるように前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段と、
前記加熱制御手段による制御の実行の可否を切り換える切換手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記表示面の複数の位置の温度を検知し、
前記加熱手段は、各々が前記表示面を含み、前記複数の位置のいずれかに対応する複数の領域をそれぞれ加熱する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、記憶性表示体による前記表示面と、当該表示面に表示する画像を書き換える書換手段とを備え、
前記切換手段は、前記書換手段により前記表示面の画像が書き換えられる場合に、前記加熱制御手段による制御を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
自装置に内蔵される電源から電力を供給する第1の供給手段と、
自装置外部の電源から電力を供給する第2の供給手段とを備え、
前記切換手段は、前記第2の供給手段により電力が供給可能である場合に、前記加熱制御手段による制御を実行し、前記第2の供給手段により電力が供給可能でない場合に、前記加熱制御手段による制御を実行しない
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
表示装置が載置されたときに当該表示装置を加熱する加熱手段と、
前記表示装置から情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に応じて、前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段と
を備えることを特徴とするスタンド装置。
【請求項1】
表示面を有する表示手段と、
前記表示面の近傍の温度を検知する検知手段と、
前記表示面を全体にわたり加熱する加熱手段と、
前記検知手段により検知される温度が決められた範囲となるように前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段と、
前記加熱制御手段による制御の実行の可否を切り換える切換手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記表示面の複数の位置の温度を検知し、
前記加熱手段は、各々が前記表示面を含み、前記複数の位置のいずれかに対応する複数の領域をそれぞれ加熱する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、記憶性表示体による前記表示面と、当該表示面に表示する画像を書き換える書換手段とを備え、
前記切換手段は、前記書換手段により前記表示面の画像が書き換えられる場合に、前記加熱制御手段による制御を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
自装置に内蔵される電源から電力を供給する第1の供給手段と、
自装置外部の電源から電力を供給する第2の供給手段とを備え、
前記切換手段は、前記第2の供給手段により電力が供給可能である場合に、前記加熱制御手段による制御を実行し、前記第2の供給手段により電力が供給可能でない場合に、前記加熱制御手段による制御を実行しない
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
表示装置が載置されたときに当該表示装置を加熱する加熱手段と、
前記表示装置から情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に応じて、前記加熱手段による加熱を制御する加熱制御手段と
を備えることを特徴とするスタンド装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−176008(P2008−176008A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8843(P2007−8843)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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