説明

表示装置および車載用表示装置

【課題】本体部前面の操作部として使用できる領域を拡大することが可能とし、また、表示部の変移を最小限に抑えつつ本体部の前面の露出面を拡大することを可能とすること。
【解決手段】
本発明は、前面に操作部を有する本体部と、本体部の前面を覆い、本体部の前面から変移させることにより操作部を露出することができる表示部(100)と、を具備し、記操作部を露出させた際に、本体部に接近する表示部(100)の一端側の表示画面(102)から背面(411)までの厚さ(T21)が、他端側の表示画面(102)から背面(411)までの厚さ(T22)よりも薄いことを特徴とする表示装置および車載用表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および車載用表示装置に関し、特に表示部が本体部に対し変移する表示装置および車載用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両内にてカーナビゲーションやビデオ画像を見るための表示装置が急激に普及している。表示装置として例えば車載用表示装置は運転席と助手席の間のダッシュボード部分に配置されることが多く、正面から見た大きさを定められた大きさとすることが求められている。一方で表示画面は大きくすることが求められている。そこで、図1および図2に示す車載用表示装置が用いられている。該車載用表示装置においては、表示画面102および操作ボタン部150を有する表示部100と、表示部100とは異なる筐体で構成される本体部152とからなる。図1のように、表示部100は、本体部152に対して起立した状態で、その背面が本体部152の前面を覆っており、この状態で表示画面に画像を表示する。
【0003】
図2のように表示部100を傾動させることにより表示部100を本体部152の前面から移動する。表示部100を、その上側が本体部152側とし横向きにする。本体部152の前面には操作部154が設けられている。操作部154は例えばCD(コンパクトディスク)/DVD(デジタルバーサタイルディスク)用の挿排口155、MD(ミニディスク)用挿排口156、内蔵されたHDD(ハードディスクドライブ)用のコネクタ挿排口157、メモリカード等の記憶媒体の操作やその他のスイッチ等を有する。表示部100が本体部152の前面に横向きになり本体部152の前面の操作部154が露出しているため、操作部154を操作することができる。
【0004】
図1および図2の車載用表示装置によれば、表示部100と本体部152とを設ける。そして、図1のように、表示部100に画像を表示し使用する際は表示部100は本体部152の前面を覆い、表示装置の表示部100の表示画面102の大きさを表示装置の正面からみた大きさとほぼ同じとする。一方、図2のように、操作部154を本体部152の前面に設ける。そして、表示部100を、図2中の矢印の方向に表示部100の上部を本体部152の下方へ変移するように傾動させることにより移動させ、操作部154の操作を行う。このとき、表示部100の側面に設けられた駆動用ピン(図示せず)が本体部152に形成され駆動用溝153内を移動することにより、表示部100が本体部152の前面から変移し操作部154を露出させることができる。このように、表示部100の表示画面102の大きさを表示装置の正面からみた大きさとほぼ同じとし、かつ、操作部154を操作することができる。
【0005】
一方、車載用表示装置として、共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる、いわゆるマルチビューディスプレイが知られている。例えば、液晶パネルの前に視差バリアを設け、1ピクセルごとにバックライトからの光の進行方向を振り分けることで、左右において異なる情報(画像)を表示できるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。このような表示装置を車両に搭載することにより、運転者がナビゲーション画像を観ている間に助手席の搭乗者がテレビ等の他の画像を観ることが可能となる。
【特許文献1】特開2005−78080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1および図2の車載用表示装置においては、表示部100を本体部152の前面から傾動し移動した場合も、表示部100が横向きになった状態であり、表示部100は本体部152の前面の一部を覆ってしまう。そのため、本体部152の前面のうち操作部154として使用できる領域は限られてしまう。例えば、車載用表示装置としてマルチビューディスプレイを用いた場合、バックライトの光は左右の画像に振り分けられてしまう。そのため、左右の画像の輝度を保つためには、バックライトの輝度を高くすることが求められる。しかしながら、バックライトの輝度を高めるためには、光源である例えば蛍光管または白色LED等の発光部を多く使用するめ、表示部100の厚くなる。よって、本体部152前面の操作部154として使用できる領域は一層限られてしまう。
【0007】
また、例えばCD、DVDまたはMD等の記憶媒体を挿排口に挿入あるいは排出する場合に、変移した表示部100の上部が邪魔になるため、表示部100を十分倒した状態にまで傾斜することが求められる。しかし、このようにすると表示部100が邪魔にならない位置まで駆動するまでに時間がかかり、操作者に不快感を与えるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、本体部前面の操作部として使用できる領域を拡大することを可能とし、また、表示部の変移を最小限に抑えつつ本体部の前面の露出面を拡大することを可能とする表示装置および車載用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前面に操作部を有する本体部と、該本体部の前面を覆い、前記本体部の前面から変移させることにより前記操作部を露出することができる表示部と、を具備し、前記操作部を露出させた際に、前記本体部に接近する前記表示部の一端側の表示画面から背面までの厚さが、他端側の表示画面から背面までの厚さよりも薄いことを特徴とする表示装置である。本発明によれば、操作部を操作するため表示部を本体部の前面より変移した際、本体部の前面を覆う表示部の一端が薄いため、操作部として使用できる領域を拡大することができる。また、表示部の変移を最小限に抑えつつ本体部の前面の露出面を拡大することができる。
【0010】
上記構成において、前記表示部は導光板を有し、前記導光板の前記一端側の厚さは前記他端側の厚さより薄い構成とすることができる。この構成によれば、表示部の一端側の表示画面から背面までの厚さを他端側の表示画面から背面までの厚さより薄くすることができる。
【0011】
上記構成において、前記表示部は発光部を有し、前記発光部は前記他端側に配置されている構成とすることができる。この構成によれば、表示部の一端側の表示画面から背面までの厚さを他端側の表示画面から背面までの厚さより薄くすることができる。
【0012】
上記構成において、前記発光部はLEDであって、該LEDは前記導光板の前記他端側の面に臨むように配置されている構成とすることができる。この構成によれば、導光板の正面側の輝度を高めることができる。
【0013】
上記構成において、前記表示部は、前記表示部の筐体内の部材を前記一端側よりも前記他端側に寄せて配置されている構成とすることができる。この構成によれば、表示部の一端側の表示画面から背面までの厚さを他端側の表示画面から背面までの厚さより薄くすることができる。
【0014】
上記構成において、前記表示装置は、共通の表示画面上の第1の画像および第2の画像をそれぞれ異なる方向から視認できるように表示する構成とすることができる。この構成によれば、表示部の厚さが厚くなり易い表示装置においても、本体部前面のうち操作部として使用できる領域を拡大することができる。
【0015】
本発明は、前面に記憶媒体を挿排する挿排口を有する本体部と、該本体部の前面を覆うように配置される表示部と、前記本体部の前面を露出させるために前記表示部の上部を前記本体部の下方へ変移するように傾動させる駆動部と、を具備し、前記表示部の前記上部の表示画面から背面までの厚みが、前記表示部の下部の表示画面から背面までの厚みより薄いことを特徴とする車載用表示装置である。本発明によれば、特に、表示部が本体部の前面を覆い、本体部の前面に記憶媒体の挿排口を配置する構成を採用することの多い車載用表示装置において、挿排口への記憶媒体の挿排を容易とする。また、表示部の変移を最小限に抑えつつ本体部の前面の露出面を拡大することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本体部前面の操作部として使用できる領域を拡大することを可能とし、また、表示部の変移を最小限に抑えつつ本体部の前面の露出面を拡大することを可能とする表示装置および車載用表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例につき図面を参照に説明する。
【実施例1】
【0018】
実施例1は、マルチビューディスプレイを用いた車載用表示装置の例である。図3(a)および図3(b)は本発明の原理を説明するための模式図である。図3(a)は従来の表示装置の側面図である。表示部100が本体部152の前面の一部を表示部100が横向きの状態で覆っている。従来の表示装置の表示部100は、本体部152側となる側である表示部100の上側(つまり、操作部154を露出した際に、本体部152に接近する表示部100の一端側)の厚さT1aと上側の反対側である下側(他端側)の厚さT2aはほぼ同じである。この場合、本体部152の前面のうち操作部154として使用できる領域はRaとなる。図3(b)は実施例1に係る表示装置の側面図である。実施例1においては、表示部100の上側の厚さT1が下側の厚さT2より薄い。このため、本体部152の前面のうち操作部154として使用できる領域Rを、図3(a)の領域Raに比べ拡大することができる。
【0019】
以下、実施例1の具体的な構成について説明する。図4は実施例1に係るマルチビュー表示装置の基本構成を説明するための図である。この表示装置は、図4に示すように、表示制御手段としての表示制御部10、表示手段としての表示部100等から構成されている。表示制御部10は、供給源としての第1の画像ソース300Aから画像データDT1が供給されると共に供給源としての第2の画像ソース300Bから画像データDT2が供給されて、これら第1及び第2の画像データDT1,DT2からなる画像データADTを共通の表示部100へ出力する。尚、表示制御部10の具体的な構成については後述する。また、第1及び第2の画像ソース300A,300Bは、後述するカメラ、TV受信部、DVD再生部、HD再生部、ナビゲーション部等で構成される。
【0020】
表示部100は、後述するように、液晶パネル、バックライト、視差バリア等から構成されており、第1の画像データDT1に基づく第1の画像IM1を右方向から観察者OBRが視認できると共に第2の画像データDT2に基づく第2の画像IM2を左方向から観察者OBLが視認できるように共通の表示画面に表示する。尚、表示部100の具体的な構成については後述する。
【0021】
実施例1に係る車載用表示装置の表示部100は、図5に示すように、車両のダッシュボード部分の運転席DSと助手席ASとの間に配置される。また、表示部100には、表示装置を手動で操作するための操作ボタン部150が設けられている。図5に示すケースにおいては、運転席DSに着席した乗員が上記の観察者OBRとなり、助手席ASに着席した乗員が上記の観察者OBLとなる。そして、これらの搭乗者は、それぞれ運転席DS側又は助手席AS側から表示部100に表示された異なる第1の画像IM1及び第2の画像IM2を同時に観ることができる。
【0022】
図6ないし図12は実施例1に係る表示装置の具体的な構成を示す図であって、図6は表示装置の機能ブロック図、図7は制御部の構成を示す機能ブロック図、図8は第1及び第2の画質調整回路の機能ブロック図、図9は画像出力部の機能ブロック図、図10は液晶パネルの断面構造及び作用を説明するための図、図11は液晶パネルの正面図、及び図121はTFT基板の回路図である。
【0023】
この表示装置は、図6に示すように、表示部100加えて、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成されている。尚、上記した表示制御部10は、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成される。
【0024】
制御部20は、図7に示すように、プロセッサ(CPU)21、インターフェース22、ROM23、RAM24等から構成され、ROM23に記憶されたプログラムに従って表示装置を総合的に制御する。また、制御部20は、後述するように、表示部100に表示される第1の画像IM1及び第2の画像IM2の重なりにより互いに隔てられた第1の画像IM1の可視範囲と第2の画像IM1の可視範囲とを、第1の画像IM1及び第2の画像IM2の少なくとも一方の画質を調整して所定範囲になるように制御する。
【0025】
制御部20は、図6に示すように、車両に搭載されて画像や音声を供給する供給源としての、車両の周囲等を撮像するカメラ310、音楽や画像を再生するCD/MD(コンパクトディスク/ミニディスク)再生部320、アンテナからラジオ放送波を受信するラジオ受信部330、アンテナからセレクタ341を介してTV放送波を受信するTV受信部340、DVD(から音楽情報や画像を再生するDVD再生部350、HD(ハードディスク)に記録された画像や音楽情報を再生するHD再生部360、VICS情報受信部371が受信した道路情報やGPS情報受信部372が受信した地理情報に基づいて地図やルート案内画像を出力するナビゲーション部370等と接続されて、これらとの間でデータを授受すると共にこれらをコントロールする。
【0026】
また、制御部20には、各種データを記憶する外部メモリ140、表示装置を操作するための操作ボタン部150、表示装置をリモコン操作するためのリモコン171との間で赤外線信号や無線信号を送受するリモコン送受信部170、車両に備わるライトスイッチや光センサで構成されて車両内の明るさを検知する明るさ検知センサ190、運転席や助手席に設けられる感圧センサ等で構成されて車両の乗員を検出する乗員検知センサ200等が接続され、制御部20は、これらから得られる各種データに基づいて各種制御が可能となっている。
【0027】
分配回路30は、図6に示すように、上記したカメラ310、CD/MD再生部320、ラジオ受信部330、TV受信部340、DVD再生部350、HD再生部360、ナビゲーション部370等から供給される音声データや画像データを、制御部20からの制御指令に応じて、音声調整回路60、第1の画質調整回路50A、あるいは、第2の画質調整回路50Bへ分配する。
【0028】
音声調整回路60は、図6に示すように、分配回路30から供給された音声データを調整してスピーカ61へ出力する。
【0029】
第1及び第2の画質調整回路50A,50Bは、図8に示すように、それぞれコントラスト調整部51、輝度調整部52、色調調整部53、ガンマ値調整部54等から構成され、制御部20からの制御指令に応じて、第1及び第2の画像データの画質(コントラスト、輝度、色調、ガンマ値)をそれぞれ調整する。
【0030】
画像出力部70は、図9に示すように、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bにおいてそれぞれ画質調整された第1及び第2の画像データがそれぞれ書き込まれる第1及び第2の書込回路71,72、VRAM(Video RAM)73、液晶パネル駆動部74等から構成されている。第1及び第2の書込回路71、72は、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bで画質調整された第1及び第2の画像データを合成すべく、VRAM73の所定アドレスにそれぞれ書き込む。
【0031】
VRAM73は、第1及び第2の画像データを合成した画像データを保持する。この合成した画像データは、表示部100の各画素にそれぞれ対応している。液晶パネル駆動部74は、後述する液晶パネル110を駆動する回路であり、VRAM73に保持されている合成画像データに基づいて、液晶パネル110の対応する画素を駆動する。
【0032】
表示部100は、図10に示すように、液晶パネル110、液晶パネル110の背面側から照明光を当てるバックライト120、表示装置を操作する信号を入力するためのタッチパネル130等から構成されている。尚、タッチパネル130は、図示しないが、透明なシート状に形成されて液晶パネル110の前面に貼着される。
【0033】
液晶パネル110は、図11に示すように、バックライト120側から順に配置された、偏光板111、TFT(Thin Film Transistor)基板112、液晶層113、RGBの3原色の画素をもつカラーフィルタ基板114、視差バリア115、ガラス板116、偏光板117等から構成された周知の構造を有する。
【0034】
この液晶パネル110は、図10及び図11に示すように、例えば、水平方向に800画素、垂直方向に480画素が配列された表示画面を有すると共に、この表示画面には、水平方向において左側表示用画素118(以下、助手席側表示用画素118ともいう。)と右側表示用画素119(以下、運転席側表示用画素119ともいう。)とが交互に配列されて構成されている。
【0035】
視差バリア115は、図10及び図11に示すように、ストライプ状に形成されて遮蔽部と透光部を有し、その遮蔽部は隣接する左側表示用画素118と右側表示用画素119との間に配置される。視差バリア115をカラーフィルタ基板114の前面に配置することにより、左側表示用画素118を透過した照明光は、左側に向かう照明光のみ選択的に視差バリア115の透光部を通過し、右側表示用画素119を透過した照明光は、右側に向かう照明光のみが選択的に視差バリア115の透光部を通過する。これにより、図9に示すように、液晶パネル110の右側(運転席側)からは第1の画像IM1が視認でき、左側(助手席側)からは第2の画像IM2が視認できるようになっている。尚、視差バリア115は、特開平10−123461号公報や特開平11−84131号公報等に開示されているものと同様のものを使用できる。
【0036】
TFT基板112は、図12に示すように、データ線駆動回路DR1、走査線駆動回路DR2、垂直方向に配列された走査線SCL、水平方向に配列されたデータ線DTL、走査線SCLとデータ線DTLとの交差する領域毎に形成されたTFT素子EL、に対応して形成された画素電極EP等を備え、走査線SCL及びデータ線DTLで囲まれた各領域がサブピクセルSBPを構成しており、データ線DTLに沿う各列のサブピクセルSBPは交互に左側表示用画素118と右側表示用画素119とに割り当てられる。データ線駆動回路DR1は、液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、画素電極EPへの印加電圧を制御する。走査線駆動回路DR2は、液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、TFT素子ELを選択走査する。
【0037】
図13は表示部100の断面図である。表示部100は図2の説明と同様に駆動する。つまり、駆動部である表示部100の側面に設けられた駆動用ピンおよび本体部152に形成され駆動用溝153により、表示部100の上部を本体部152の下方へ変移させるよう傾動させ表示部を移動させることができる。図13の上が本体部152の前面を覆う状態で上側(つまり操作部154を露出した際に、本体部152に接近する表示部100の一端側)、図13の下、左、右がそれぞれ下側(他端側)、正面側、背面側である。
【0038】
表示部100の正面側は表示画面102となっており、下側に操作ボタン部150、上側にタッチパネル用のスイッチ部104が設けられている。表示パネルが表示部100の正面側に配置され、表示画面102は表示パネル110の正面に設けられている。表示パネル110の背面側には基板412が配置され、基板412上には表示パネル110を制御するための回路を構成する電子部品414が設けられている。表示部の表示画面102以外は筐体410により覆われている。
【0039】
表示部100の上側の前面から背面411までの厚さT1は、表示画面102から正面側に突出したタッチパネルのスイッチ部104の厚さT11と表示画面102から表示部100背面411までの厚さT21の和である。一方、表示部100の下側の前面から背面411までの厚さT2は、表示画面102から正面側に突出した操作ボタン部150の厚さT12と表示画面102から表示部100背面411までの厚さT22の和である。T1は例えば24mm、T2は例えば33.5mmであり、T21は例えば21mm、T22は例えば24.5mmである。
【0040】
図14は表示部100の正面図である。表示画面102の下側および右側に複数の操作ボタン151を有する操作ボタン部150が設けられている。図15は本体部152の正面図である。操作部154には、CD/用挿排口155、MD用挿排口156、HDD用コネクタ挿排口157、表示部100とのコネクタ挿排口159、換気口158が配置されている。ここで、CD/DVD用挿排口155、MD用挿排口156、HDD用コネクタ挿排口157は、表示部100が開放した状態で前面より操作可能であることが求められる。なお、図14では表示部100の側端(右側)にも操作ボタン151を配置しているが、これには限られない。例えば、表示部100の下側にのみ操作ボタン151を設けることもできる。
【0041】
図16(a)は表示パネル101の断面図、図16(b)は図16(a)の円内の拡大図である。表示パネル101の正面側には液晶パネル110が設けられている。液晶パネル110の構成は図10と同じであり説明を省略する。液晶パネル110の背面側には導光板121が設けられている。導光板121の下側には白色LED(Light Emitting Diode)400を配置したLEDアレイ402が設けられている。白色LED400を出射した光は導光板121内に入射し正面側より出射される。このように、白色LED402を配置したLEDアレイ402および導光板121は図10のバックライト120として機能する。表示パネルの上側の厚さT31は例えば6.5mm、下側の厚さT32は例えば9mmである。
【0042】
実施例1によれば、図13のように、表示部100の上側(表示部100の上部、つまり本体部152に接近する表示部100の一端側)の表示画面102から背面411までの厚さT21が表示部100の下側(表示部100の下部、つまり他端側)の表示画面102から背面411までの厚さT22より薄い。これにより、図3(b)のように、本体部152の前面に操作部154として使用できる領域Rを拡大することができる。また、表示部100の傾斜が少ない状態でも操作部154として使用できる領域を十分に確保することができるため、表示部100を駆動する時間を短縮することができる。このように、表示部100の変移を最小限に抑えつつ本体部の前面の露出面を拡大することができる。特に、表示部100の上側の表示部100の前面から背面411までの厚さT1が、下側の表示画面102から背面411までの厚さT22より薄いことが好ましい。これにより、実施例1のように、表示部100の上側に表示画面102より突出する部材が配置されている場合であっても、本体部152の前面に操作部154として使用できる領域Rを拡大することができる。図15のように、本体部152の前面にCD/DVD挿排口155、MD挿排口156およびHDD用コネクタ挿排口157を配置した場合も容易にこれらを操作することができる。
【0043】
図16(a)を参照に、表示部100は表示パネル101を有し、表示パネル101の上側の厚さT31は下側の厚さT32より薄いことが好ましい。このように、表示パネル101の上側の厚さT31を下側の厚さT32より薄くすることにより、表示部100の上側の厚さT21を下側の厚さT22より薄くすることができる。表示部100は導光板121を有し、導光板121の上側(一端側)の厚さは下側(他端側)の厚さより薄いことが好ましい。これにより、表示部100の上側の厚さT21を下側の厚さT22より薄くすることができる。
【0044】
図16(b)のように、表示部100は発光部(例えば白色LED400)を有し、発光部は下側(他端側)に配置されることが好ましい。このように、白色LED400を上側には設けず、下側に設けることにより、上側の表示パネル101の厚さを薄くできる。さらに、白色LED400は導光板の下側(他端側)の面に臨むように配置することが好ましい。このように、導光板121の上側の厚さを下側の厚さより薄くし、下側から白色LED400の光を入射することにより、導光板121の正面側の輝度を高めることができる。さらに、発光部として白色LED400を用いることにより、例えば蛍光管に比べ発光部の輝度を高めることができるため、導光板121の下側にのみ発光部を配置することができる。よって、表示パネル101の上側の厚さT31を下側T32の厚さより厚くすることができる。よって、表示部100の上側の厚さT21を下側の厚さT22より薄くすることができる。
【0045】
図15のように、操作部154にはCD、DVD、MD、半導体メモリ媒体等の記憶媒体を挿入する挿排口155、156が設けられていることが好ましい。このような記憶媒体の挿抜は記憶媒体を掴み行うため、特に本体部152の前面に操作部154としての領域が必要となる。よって、本発明を適用することが特に有効である。
【0046】
さらに、実施例1のように、共通の表示画面上の第1の画像および第2の画像をそれぞれ異なる方向から視認できるように表示するマルチビューディスプレイは、バックライト110の高輝度化が求められるため、表示部100の厚さが厚くなるため、本発明を適用することが特に有効である。
【0047】
さらに、表示パネル101の上側の厚さT31を下側の厚さT32より薄くする方法でなくとも、例えば、表示部100の筐体410内の部材414を上側よりも下側に寄せて配置することにより、表示部100の上側の厚さT21を下側の厚さT22より薄くすることもできる。
【0048】
本発明は車載用表示装置以外の表示装置に適用することもできる。しかしながら、車載用表示装置表示部は、本体部の前面を覆い、本体部の前面に記憶媒体の挿排口を配置する構成を採用することの多い。よって、実施例1のように、本発明を車載用表示装置に適用することは特に有効である。
【0049】
なお、実施例1においては、表示部100の上部を本体部152の下方へ変移させるよう傾動させ表示部を移動させることにより操作部154を露出している。このように、本体部152に接近する表示部100の一端側が表示部100の上側となる例であったが、表示部100の変移方向に合わせて、本体部152に接近する表示部100の一端側の表示部100の厚さを他端側の厚さより薄くすればよい。
【0050】
本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は従来の表示装置の外観図(その1)である。
【図2】図2は従来の表示装置の外観図(その2)である。
【図3】図3(a)は従来の表示装置の側面模式図、図3(b)は実施例1に係る表示装置の側面模式図である。
【図4】図4は実施例1に係る表示装置の基本構成を説明するための図である。
【図5】図5は表示装置の車両への適用例を示す斜視図である。
【図6】図6は表示装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図7は制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は第1及び第2の画質調整回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】図9は画像出力部の構成を示す機能ブロック図である。
【図10】図10は表示部の断面構造を示す図である。
【図11】図11は液晶パネルの正面図である。
【図12】図12はTFT基板の回路図である。
【図13】図13は表示部の断面図である。
【図14】図14は表示部の正面図である。
【図15】図15は本体部の正面図である。
【図16】図16(a)は表示パネルの断面図、図16(b)は図16(a)の円内の拡大図である。
【符号の説明】
【0052】
10 表示制御部
20 制御部
30 分配回路
50A,50B 第1及び第2の画質調整回路
60 音声調整回路
70 画像出力部
100 表示部
101 表示パネル
102 表示画面
110 液晶パネル
120 バックライト
130 タッチパネル
140 メモリ
150 操作ボタン部
151 操作ボタン
152 本体部
153 駆動用溝
154 操作部
155 CD/DVD挿排口
156 MD挿排口
157 HDDコネクタ挿入部
170 リモコン送受信部
190 明るさ検知センサ
200 乗員検知センサ
300A,300B 画像ソース
310 カメラ
320 CD/MD再生部
330 ラジオ受信部
340 TV受信部
350 DVD再生部
360 HD再生部
370 ナビゲーション部
400 白色LED
402 LEDアレイ
410 筐体
411 背面
412 基板
414 部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に操作部を有する本体部と、
該本体部の前面を覆い、前記本体部の前面から変移させることにより前記操作部を露出することができる表示部と、を具備し、
前記操作部を露出させた際に、前記本体部に接近する前記表示部の一端側の表示画面から背面までの厚さが、他端側の表示画面から背面までの厚さよりも薄いことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は導光板を有し、前記導光板の前記一端側の厚さは前記他端側の厚さより薄いことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は発光部を有し、前記発光部は前記他端側に配置されていることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記発光部はLEDであって、該LEDは前記導光板の前記他端側の面に臨むように配置されていることを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記操作部には記憶媒体を挿排する挿排口が設けられていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記表示部の筐体内の部材を前記一端側よりも前記他端側に寄せて配置されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示装置は、共通の表示画面上の第1の画像および第2の画像をそれぞれ異なる方向から視認できるように表示することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の表示装置。
【請求項8】
前面に記憶媒体を挿排する挿排口を有する本体部と、
該本体部の前面を覆うように配置される表示部と、
前記本体部の前面を露出させるために前記表示部の上部を前記本体部の下方へ変移するように傾動させる駆動部と、を具備し、
前記表示部の前記上部の表示画面から背面までの厚みが、前記表示部の下部の表示画面から背面までの厚みより薄いことを特徴とする車載用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−283873(P2007−283873A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112442(P2006−112442)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】