説明

表示装置の駆動回路およびそのテスト方法

【課題】ドライバ回路の動作試験において、特性不良と判定された場合の不具合箇所の特定を容易に可能とする。
【解決手段】階調電圧選択回路12と出力回路7との間に設けられた第1スイッチ回路14は、階調電圧選択回路12と出力回路7との間をテストモード時に切り離すテストスイッチ14aと、階調電圧選択回路12をテストモード時にテスタ接続端子TESR1に接続するテストスイッチ14bと、出力回路7をテストモード時にテスタ接続端子TESR2に接続するテストスイッチ14cとを有する。階調電圧生成回路11と階調電圧選択回路12との間に設けられた第2スイッチ回路15は、階調電圧生成回路11と階調電圧選択回路12との間をテストモード時に切り離すテストスイッチ15aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の駆動回路およびそのテスト方法に関し、特にテスト回路を有する表示装置の駆動回路およびそのテスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドットマトリックス型表示装置として用いられる一般的な液晶表示装置は、図4に示すように、液晶表示パネル101、データ側駆動回路102、走査側駆動回路103、電源回路104、制御回路105で構成される。
【0003】
液晶表示パネル101は、図面の横方向に配列されて縦方向に延びるデータ線106と、図面の縦方向に配列されて横方向に延びる走査線107とを含む。各画素は、TFT108、画素容量109、液晶素子110とにより構成される。TFT108のゲート端子は走査線107に、ソース(ドレイン)端子はデータ線106に、それぞれ接続されている。また、TFT108のドレイン(ソース)端子には画素容量109及び液晶素子110がそれぞれ接続されている。画素容量109及び液晶素子110のTFT108と接続しない側の端子111は、例えば、図示せぬ共通電極に接続されている。
【0004】
データ側駆動回路102はデジタル画像信号(以下、データという。)に基づいたアナログ信号電圧を出力してデータ線106を駆動する。走査側駆動回路103はTFT108の選択/非選択電圧を出力して走査線107を駆動する。制御回路105は走査側駆動回路103およびデータ側駆動回路102による駆動のタイミングをコントロールする。電源回路104は、データ側駆動回路102が出力する信号電圧や、走査側駆動回路103が出力する選択/非選択電圧を生成して各駆動回路に供給する。以下に述べられるように、本発明はデータ側駆動回路102に関連している。
【0005】
データ側駆動回路102は、半導体集積回路装置からなるドライバ回路が、多くの場合、複数個、例えば、液晶パネルの解像度がXGA(1024×768画素:1画素はR(赤)、G(緑)、B(青)の3ドットからなる)の場合、1個で128画素の表示を分担するとして8個で構成される。
【0006】
図5は、一般的なドライバ回路1を示すブロック図であり、図6は、図5に示すドライバ回路1に入力される各信号のタイミングチャートである。ドライバ回路1は、1個でm個の画素の表示を分担するために、n本=m×3ドットのデータ線106にS1〜Sn信号を出力するものである。尚、説明を簡明にするために、ドライバ回路1へのデータは、S1〜Sn信号の1出力分、すなわち、1画素の1ドット分に対応するデータのビット幅でシリアルに取り込まれるとして説明する。ドライバ回路1は、シフトレジスタ2、データレジスタ3、データラッチ回路4、レベルシフタ5、D/Aコンバータ6及び出力回路7を有する。ドライバ回路1のシフトレジスタ2の出力は次段のドライバ回路にカスケード出力され、複数個のドライバ回路1がカスケード接続されることでデータ側駆動回路102を構成する。
【0007】
シフトレジスタ2はn段のレジスタからなり、シフトスタートパルス及びクロックが供給され、スタートパルスをクロックのタイミングで順次シフトして図6に示すシフトパルス(SP1)〜シフトパルス(SPn)とする。
【0008】
データレジスタ3は、n段のレジスタからなり、データが各レジスタにパラレルに供給され、シフトレジスタ2により供給されるシフトパルス(SP1)〜シフトパルス(SPn)の例えば立ち下がりタイミングで各レジスタが順次データを保持する。
【0009】
データラッチ回路4は、データレジスタ3の各レジスタ全てにデータの入力が終了するとデータラッチ信号が供給され、データレジスタ3の各レジスタに保持されている全データをラッチする。データラッチ回路4にてラッチされたデータは、レベルシフタ5により適宜レベルがシフトされる。
【0010】
D/Aコンバータ6は、レベルシフト後のデータをデコードして階調電圧を出力するものであり、後述する階調電圧生成回路と階調電圧選択回路とを有する。階調電圧生成回路に階調基準電圧が供給され、階調電圧選択回路により例えば64階調の電圧を選択出力する。出力回路7は、D/Aコンバータ6の出力を増幅し出力信号S1〜Snとして出力する。データラッチ回路4に供給されるデータラッチ信号及び極性反転信号は出力回路7にも供給され、データラッチ信号のタイミングで極性反転信号に応じた極性の出力を選択して出力する。
【0011】
次に、D/Aコンバータ6及び出力回路7について、図7を参照して説明する。尚、例えば、ドット反転駆動方式で、262144色表示(R,G,Bのそれぞれが64階調としている)の場合、ドライバ回路1は、各出力S1〜Snからコモン電位に対して正極性と負極性の信号電圧がそれぞれ64階調で交互に出力できるように構成されるが、説明を簡明にするため、図7では正極性の信号電圧を4階調で出力できる1出力分のみを示している。
【0012】
D/Aコンバータ6は、階調電圧生成回路11と階調電圧選択回路12とを有する。階調電圧生成回路11はラダー抵抗(図示せず)からなり、階調基準電圧の供給により4階調の電圧γ1〜γ4が生成される。階調電圧選択回路12は複数個のスイッチ(トランジスタ)からなり、階調電圧γ1〜γ4からデータに応じた所望の階調電圧を選択して出力する。
【0013】
出力回路7は、D/Aコンバータ6からの極性に応じた出力を増幅して出力するAMP7aと、このAMP7aの出力のオン・オフを制御するスイッチ(以下、オフスイッチという)7bとを有している。このオフスイッチ7bは、図6に示すように、データラッチ信号の立ち上がりから立下りまでの間、出力ハイインピーダンス期間として、アンプの極性に応じた出力をオフする。これは、D/Aコンバータ6の遷移期間であり、電位が確定するまでは、このオフスイッチ(TOFFSW)7bをオフにしてハイインピーダンス(Hi−Z)にすることができる。
【0014】
ドライバ回路1におけるD/Aコンバータ6及び出力回路7の異常検出をテストする際には、通常D/Aコンバータ6に階調選択を行わせるテスト信号を供給し、そのときの出力回路7の出力を測定することで行なわれる。ドライバ回路1は、出力S1〜Snに対応するためD/Aコンバータ6に階調電圧選択回路12を構成する多数のスイッチを有しており、これらが正常に動作することをテストするドライバ回路のテストは非常に複雑になる。また、D/Aコンバータ6及び出力回路7を接続した状態での特性を出力回路7の出力で測定しているため、動作試験で特性不良と判定された場合、D/Aコンバータ6での不具合によるものか、出力回路7での不具合によるものか、さらに、D/Aコンバータ6の階調電圧生成回路11での不具合によるものか、階調電圧選択回路12での不具合によるものかの特定ができず、不良原因の調査、対策に多くの時間を要する。そこで、例えば、動作試験をできるだけ短時間にかつ容易で確実に行うことができるドライバ回路が特許文献1に記載されている。
【0015】
特許文献1には、ラダー抵抗部とセレクタ部との間に切替スイッチ部を設け、かつ、セレクタ部に試験用電圧を出力する状態切替回路と試験用制御部を有する構成が示されている。これにより、ラダー抵抗部を分離して直接セレクタ部に試験用電圧を供給してアンプ部からの出力を測定することにより試験が実施できる。この結果、アナログの階調電圧の安定を待たずに高速な試験ができ、また、隣り合う階調電圧線間に大きい電位差を設定した試験も可能となる。
【特許文献1】特開2002−32053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に記載のドライバ回路の動作試験において、ラダー抵抗部は分離しているものの、セレクタ部とアンプ部を接続した状態での特性をアンプ部の出力電圧で測定しているため、特性不良と判定された場合、セレクタ部での不具合によるものかアンプ部での不具合によるものかの特定ができず、ドライバ回路1と同様に、不良原因の調査、対策に多くの時間を要する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明にかかる表示装置の駆動回路は、供給されるデジタルの画像信号に応じたアナログ信号電圧を出力するD/Aコンバータと、D/Aコンバータの出力を増幅して出力する出力回路とを備え、前記D/Aコンバータは、電圧源から供給される電圧に基づき複数の階調電圧を生成する階調電圧生成回路と、前記階調電圧生成回路が生成した複数の階調電圧から前記画像信号に応じた階調電圧を選択して前記アナログ信号電圧として出力する階調電圧選択回路とを有する表示装置の駆動回路であって、前記階調電圧生成回路、階調電圧選択回路および出力回路は、テストモードにおいて、それぞれが切り離されて単独にテスト可能であることを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる表示装置の駆動回路のテスト方法は、供給されるデジタルの画像信号に応じたアナログ信号電圧を出力するD/Aコンバータと、D/Aコンバータの出力を増幅して出力する出力回路とを備え、前記D/Aコンバータは、電圧源から供給される電圧に基づき複数の階調電圧を生成する階調電圧生成回路と、前記階調電圧生成回路が生成した複数の階調電圧から前記画像信号に応じた階調電圧を選択して前記アナログ信号電圧として出力する階調電圧選択回路とを有する表示装置の駆動回路のテスト方法であって、前記階調電圧生成回路、階調電圧選択回路および出力回路を、テストモードにおいて、それぞれ切り離し、前記階調電圧生成回路の入力に第1の電圧発生電流測定回路を接続し、前記階調電圧選択回路の出力に第2の電圧発生電流測定回路を接続し、前記出力回路の入力に第3の電圧発生電流測定回路を接続し、前記出力回路の出力に第4の電圧発生電流測定回路と電流発生電圧測定回路とを切り換え接続して、それぞれ単独の回路としてテストを実行する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ドライバ回路の動作試験において、階調電圧生成回路、階調電圧選択回路及び出力回路をそれぞれ単独に動作試験可能とすることで、特性不良と判定された場合の不具合箇所の特定を容易に可能とし、不良原因の調査、対策に要する時間を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるドライバ回路10の構成を示したブロック図であり、図2は、ドライバ回路10のD/Aコンバータから出力までを示す図である。図5、7と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。ドライバ回路10がドライバ回路1と異なる点は、D/Aコンバータ6の代わりにD/Aコンバータ13を有するとともに、D/Aコンバータ13と出力回路7との間に第1スイッチ回路14を有している点である。また、D/Aコンバータ13がD/Aコンバータ6と異なる点は、階調電圧生成回路11と階調電圧選択回路12との間に第2スイッチ回路15を有する点である。
【0021】
第1スイッチ回路14は、出力回路7のオフスイッチ7bと同一構成のテストスイッチ14a,14b,14cからなる。テストスイッチ14aは、階調電圧選択回路12の出力端子とAMP7aの入力端子との間に接続されている。テストスイッチ14bは、テスタ接続端子TESR1と階調電圧選択回路12の出力端子との間に接続されている。テストスイッチ14cは、テスタ接続端子TESR2とAMP7aの入力端子との間に接続されている。テストスイッチ14aは、テスト信号TESTの入力により、通常動作においてオン制御され、テストモードにおいてオフ制御される。また、各テストスイッチ14b,14cは、テスト信号TESTの入力により、通常動作においてオフ制御され、テストモードにおいてオン制御される。
【0022】
第2スイッチ回路15は、階調電圧選択回路12のスイッチTSEL1と同一構成のテストスイッチ15aからなり、階調電圧生成回路11からの4階調の各電圧γ1〜γ4が各テストスイッチ15aを介して各スイッチTSEL1に供給される。テストスイッチ15aは、テスト信号TESTの入力により、通常動作においてオン制御され、テストモードにおいてオフ制御される。
【0023】
上記構成のドライバ回路10における階調電圧生成回路11、階調電圧選択回路12および出力回路7のテスト方法について説明する。図3は、本実施の形態にかかるドライバ回路のテスト装置を示す図である。図3に示すように、テスト装置は、LSIテスタ20a,20b,20c,20dにより構成されている。本実施の形態においては、D/Aコンバータ13で64階調の階調電圧の1つを選択出力するものとする。この場合、例えば階調電圧生成回路11は63の抵抗R0〜R62からなり、8つの階調基準電圧入力V0〜V7を抵抗分圧して64階調の階調電圧を生成する。第2スイッチ回路15は、64階調の階調電圧に対応する64の入出力端子を有し、階調電圧生成回路11の抵抗R0〜R62の各端部とこの第2スイッチ回路15の入力端子とが接続される。また、階調電圧選択回路12は、64の入力端子GMA0〜GMA63を有し、第2スイッチ回路15の出力端子とこの入力端子GMA0〜GMA63とが接続され、レベルシフタ5から供給される入力データに基づき64階調のいずれかの階調電圧を選択して出力する。
【0024】
LSIテスタ20aは、シフトレジスタ2、データレジスタ3、データラッチ回路4、第1および第2スイッチ回路14,15のそれぞれに接続される。LSIテスタ20aは、パターンジェネレータとなっており、シフトレジスタ2に供給するスタートパルス及びクロック、データレジスタ3に供給するデータ、データラッチ回路4に供給するデータラッチ信号および極性反転信号を生成し供給する。また、テスト信号TESTを生成し、第1および第2スイッチ回路14,15に供給する。
【0025】
LSIテスタ20bは、階調電圧生成回路11の入力に接続される。LSIテスタ20bは、DCテストユニットであり、階調電圧生成回路11の8つの階調基準電圧入力V0〜V7に対応して、8つの電圧発生電流測定回路(VSIM)21〜21(21k)と、8つのDCリレースイッチ22〜22(22k)とを有する。各DCリレースイッチ22kを切り換え制御して階調電圧生成回路11の入力とLSIテスタ20bとを接続し、電圧を発生させ電流を測定することができる。
【0026】
LSIテスタ20cは、第1スイッチ回路14に接続される。LSIテスタ20cは、DCテストユニットであり、第1スイッチ回路14のテストスイッチ14b,14cに対応して、DCリレースイッチ23a,23bと、電圧発生電流測定回路(VSIM)24a,24bとを有する。各DCリレースイッチ23a,23bを制御してテストスイッチ14b,14cと電圧発生電流測定回路(VSIM)24a,24bとを接続し、電圧を発生させ電流を測定することができる。
【0027】
LSIテスタ20dは、出力端子OUTに接続される。LSIテスタ20dは、DCテストユニットであり、DCリレースイッチ25a、25bと、電圧発生電流測定回路(VSIM)26と、電流発生電圧測定回路(ISVM)27とを有する。DCリレースイッチ25aにより所定の出力端子に対応する出力と測定回路20dとを接続し、DCリレースイッチ25bにより電圧発生電流測定回路26と電流発生電圧測定回路27とを切り換え制御し、電圧を発生させ電流を測定したり、電流を発生させ電圧を測定したりすることができる。
【0028】
LSIテスタ20aからのテスト信号TESTの入力により第1スイッチ回路14および第2スイッチ回路15がテストモードに設定される。テストモードのときのテスト信号TESTが"H"レベルとすると、テスト信号TESTは、第1スイッチ回路14のテストスイッチ14aのPチャンネル側ゲートおよびテストスイッチ14b,14cのNチャンネル側ゲートに直接入力され、テストスイッチ14aのNチャンネル側ゲートおよびテストスイッチ14b,14cのPチャンネル側ゲートにインバータを介して入力される。また、第2スイッチ回路15の各テストスイッチ15aが、Pチャンネルトランジスタからなる場合はテスト信号TESTがゲートに直接入力され、Nチャンネルトランジスタからなる場合はテスト信号TESTがゲートにインバータを介して入力される。
【0029】
テストモードにおいて、第1スイッチ回路14は、テストスイッチ14aがオフするとともにテストスイッチ14b,14cがオンし、第2スイッチ回路15は、各テストスイッチ15aがオフする。第2スイッチ回路15において、各テストスイッチ15aがオフすることにより、階調電圧生成回路11の出力と階調電圧選択回路12のアナログ入力とが遮断される。第1スイッチ回路14において、テストスイッチ14aがオフすることにより、階調電圧選択回路12の出力と出力回路7の入力とが遮断される。また、テストスイッチ14b,14cがオンすることにより、LSIテスタ20cが階調電圧選択回路12の出力と出力回路7の入力に接続される。
【0030】
第1スイッチ回路14および第2スイッチ回路15の上述の動作により、階調電圧生成回路11、階調電圧選択回路12および出力回路7は、LSIテスタ20a,20b,20c,20dに次のように接続される。階調電圧生成回路11は、出力が階調電圧選択回路12のアナログ入力から遮断された状態で、入力がLSIテスタ20bに接続される。階調電圧選択回路12は、アナログ入力が階調電圧生成回路11の出力から、および出力が出力回路7の入力から遮断された状態で、デジタル入力がLSIテスタ20aに接続され、出力がLSIテスタ20cに接続される。出力回路7は、入力が階調電圧選択回路12の出力から遮断された状態で、入力がLSIテスタ20cに接続され、出力がLSIテスタ20dに接続される。
【0031】
上述のテストモードにおいて、階調電圧生成回路11、階調電圧選択回路12および出力回路7は、LSIテスタ20a,20b,20c,20dにより次のようにテストされる。先ず、階調電圧生成回路11のテスト方法について説明する。階調電圧生成回路11を構成するγ補正抵抗R0〜R62の例えばリーク電流を測定する場合、LSIテスタ20b内において、各DCリレースイッチ22kを切り換え制御してそのうちの1個を適宜オンし、オンしたDCリレースイッチ22kを介して電圧発生電流測定回路(VSIM)21により電圧を発生させリーク電流を測定することができる。また、階調電圧生成回路11の8つの階調基準電圧入力V0〜V7の所定の2入力間に接続されるγ補正抵抗のシリーズ抵抗値を測定する場合、LSIテスタ20b内において、各DCリレースイッチ22kを切り換え制御してそのうちの被測定2入力に接続される2個を適宜オンし、オンした2個のDCリレースイッチ22kを介して電圧発生電流測定回路(VSIM)21kにより被測定抵抗の両端に電位差を発生させ被測定抵抗に流れる電流を測定することにより被測定抵抗の抵抗値を測定できる。
【0032】
次に、階調電圧選択回路12のテスト方法について説明する。階調電圧選択回路12の例えばリーク電流を測定する場合、LSIテスタ20c内において、DCリレースイッチ23aを切り換え制御してオンし、オンしたDCリレースイッチ23aを介して電圧発生電流測定回路(VSIM)24aにより電圧を発生させリーク電流を測定することができる。このテストは、LSIテスタ(パターンジェネレータ)20aにより所定のパターンのテストデータを生成してこのテストデータに基づき階調電圧選択回路12のスイッチをオン・オフさせることで行なわれる。
【0033】
次に、出力回路7のテスト方法について説明する。出力回路7の例えば出力電圧を測定する場合、LSIテスタ20c内において、DCリレースイッチ23bを切り換え制御してオンし、DCリレースイッチ23bを介して電圧発生電流測定回路(VSIM)24bによりAMP7aの入力電圧を設定する。そして、LSIテスタ20d内において、DCリレースイッチ25aにより出力端子と測定回路20dとを接続し、DCリレースイッチ25bにより電流発生電圧測定回路27に切り換え制御し、電流を発生させ出力回路7の出力電圧を測定することができる。この測定時において、オフスイッチ7bはLSIテスタ20aによりオン制御される。
【0034】
また、出力回路7の例えばAMP7aのリーク電流を測定する場合、LSIテスタ20c内において、DCリレースイッチ23bを切り換え制御してオンし、DCリレースイッチ23bを介して電圧発生電流測定回路(VSIM)24bにより電圧を発生させリーク電流を測定することができる。また、出力回路7の例えばオフスイッチ7bのオフ時のリーク電流を測定する場合、LSIテスタ20d内において、DCリレースイッチ25aにより出力端子と測定回路20dとを接続し、DCリレースイッチ25bにより電圧発生電流測定回路(VSIM)26に切り換え制御し、電圧を発生させオフスイッチ7bのオフ時のリーク電流を測定することができる。AMP7aのリーク電流の測定と、オフスイッチ7bのオフ時のリーク電流の測定とは同時に行うことができる。
【0035】
上述したように、階調電圧生成回路11、階調電圧選択回路12および出力回路7は、テストモード時において、それぞれが単独にLSIテスタに接続されており、階調電圧生成回路11のテスト、階調電圧選択回路12のテストおよび出力回路7のテストを同時に行うことができる。上述のテスト例では、階調電圧生成回路11のテストとしてγ補正抵抗のリーク電流測定と抵抗値測定とを切り換えて行っている期間に、階調電圧選択回路12のテストとしてリーク電流測定を行うとともに、出力回路7のテストとして出力電圧測定と、AMP7aのリーク電流測定およびオフスイッチ7bのオフ時リーク電流測定とを切り換えて行うことができる。
【0036】
本実施の形態においては、階調電圧生成回路11と階調電圧選択回路12との間に第2スイッチ回路15を設けるとともに、階調電圧選択回路12と出力回路7との間に第1スイッチ回路14を設け、階調電圧生成回路11、階調電圧選択回路12および出力回路7をテストモードにおいてそれぞれ分離させるようにしたので、特性不良と判定された場合、不具合の箇所を簡単に特定することができ、不良原因の調査、対策の時間を低減することができる。また、それぞれが互いに影響を受けることなく、それぞれを単独で正確にテストすることができる。
【0037】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態にかかるドライバ回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示すドライバ回路のD/Aコンバータから出力までを示す図である。
【図3】図2に示す本発明の実施の形態にかかるドライバ回路のテスト装置の一具体例を示す図である。
【図4】一般的な液晶表示装置を示すブロック図である。
【図5】一般的なドライバ回路を示すブロック図である。
【図6】図5に示すドライバ回路に入力される各信号のタイミングチャートである。
【図7】図5に示すドライバ回路のD/Aコンバータから出力までを示す図である。
【符号の説明】
【0039】
2 シフトレジスタ
3 データレジスタ
4 データラッチ回路
5 レベルシフタ
7 出力回路
7a AMP
7b オフスイッチ
10 ドライバ回路
11 階調電圧生成回路
12 階調電圧選択回路
13 D/Aコンバータ
14 第1スイッチ回路
14a,14b,14c テストスイッチ
15 第2スイッチ回路
15a テストスイッチ
20a,20b,20c,20d LSIテスタ
221〜228(22k),23a,23b,25a,25b リレースイッチ
211〜218(21k),24a,24b,26 電圧発生電流測定回路
27 電流発生電圧測定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給されるデジタルの画像信号に応じたアナログ信号電圧を出力するD/Aコンバータと、D/Aコンバータの出力を増幅して出力する出力回路とを備え、
前記D/Aコンバータは、電圧源から供給される電圧に基づき複数の階調電圧を生成する階調電圧生成回路と、前記階調電圧生成回路が生成した複数の階調電圧から前記画像信号に応じた階調電圧を選択して前記アナログ信号電圧として出力する階調電圧選択回路とを有する表示装置の駆動回路であって、
前記階調電圧生成回路、階調電圧選択回路および出力回路は、テストモードにおいて、それぞれが切り離されて単独にテスト可能であることを特徴とする表示装置の駆動回路。
【請求項2】
前記階調電圧選択回路と出力回路との間に設けられた第1スイッチ回路と、前記階調電圧生成回路と階調電圧選択回路との間に設けられた第2スイッチ回路とを有し、
前記第1スイッチ回路は、前記階調電圧選択回路と出力回路との間をテストモードにおいて切り離す第1のテストスイッチと、前記階調電圧選択回路をテストモードにおいて第1のテスタ接続端子に接続する第2のテストスイッチと、前記出力回路をテストモードにおいて第2のテスタ接続端子に接続する第3のテストスイッチとを有し、
前記第2スイッチ回路は、前記階調電圧生成回路と階調電圧選択回路との間をテストモードにおいて切り離す第4のテストスイッチを有することを特徴とする請求項1記載の表示装置の駆動回路。
【請求項3】
供給されるデジタルの画像信号に応じたアナログ信号電圧を出力するD/Aコンバータと、D/Aコンバータの出力を増幅して出力する出力回路とを備え、
前記D/Aコンバータは、電圧源から供給される電圧に基づき複数の階調電圧を生成する階調電圧生成回路と、前記階調電圧生成回路が生成した複数の階調電圧から前記画像信号に応じた階調電圧を選択して前記アナログ信号電圧として出力する階調電圧選択回路とを有する表示装置の駆動回路のテスト方法であって、
前記階調電圧生成回路、階調電圧選択回路および出力回路を、テストモードにおいて、それぞれ切り離し、
前記階調電圧生成回路の入力に第1の電圧発生電流測定回路を接続し、
前記階調電圧選択回路の出力に第2の電圧発生電流測定回路を接続し、
前記出力回路の入力に第3の電圧発生電流測定回路を接続し、
前記出力回路の出力に第4の電圧発生電流測定回路と電流発生電圧測定回路とを切り換え接続して、それぞれ単独の回路としてテストを実行する駆動回路のテスト方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−102344(P2008−102344A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285281(P2006−285281)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】