説明

表示装置付きレバースイッチ

【課題】絵や文字を可変表示可能な表示装置を備えたレバースイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】操作部1と操作部カバー13で挟持するように有機発光素子10を配設するとともにシャフト14を操作部1に結合することでレバー18を構成し、ベゼル24の傾動孔24aからレバー18が突出するようにしてハウジング19にベゼル24を嵌合することでレバー18を傾動自在に配設する。ハウジング19にはレバー18の傾動動作を検知するフォトインタラプタ23を実装したプリント基板20を内設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置付きレバースイッチに係り、レバーに表示装置を備えたレバースイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレバースイッチは、球状グリップの内部に光源を備えたもの(下記特許文献1参照)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−154864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のレバースイッチは、内部に配設された光源を点灯又は消灯することにより、視認可能な光の変化で様態変化を操作者に報知するものであり、可変表示可能な絵や文字を表示することはできなかった。また、表示を必要とする場合には表示装置をレバースイッチとは別に設けており、装置の小型化が困難であった。
【0005】
そこで本発明は、上記状況に鑑みて、絵や文字を可変表示可能な表示装置を備えたレバースイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
ハウジングにレバーを傾動自在に配設するとともに該レバーの傾動動作を検知する検知手段を前記ハウジングに内設したレバースイッチにおいて、前記レバーに表示部を設け、該表示部の下方に表示装置を備えたことを特徴とする。
前記表示装置が有機発光素子であることを特徴とする。
前記表示部の表示が前記レバーの傾動動作に伴って変化することを特徴とする。
前記表示部は弾性部材を介して前記レバーに配設され、前記表示部が押圧操作が可能であるとともに、該押圧操作に伴って操作される接触機構を前記表示装置の下方に配設したことを特徴とする。
前記表示部の表示が該表示部の押圧動作に伴って変化することを特徴とする。
前記レバーは傾動軸が上下方向に移動可能となるように前記ハウジングに配設され、前記レバー全体が押圧操作が可能であるとともに、該押圧操作に伴って操作される接触機構を前記ハウジングの下方に配設したことを特徴とする。
前記表示部の表示が前記レバーの押圧動作に伴って変化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)レバーに表示装置を備えたので、多彩な表示が可能となり、視認性を向上させることができる。
(2)レバーに表示装置を備えたので、レバーの操作に伴って表示を変化させることができる。
(3)レバーに表示装置を備えたので、装置の小型化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの断面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの傾動時の要部断面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す表示装置付きレバースイッチの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、傾動自在に配設されたレバーに表示装置を備えた構成とする。よって、レバースイッチ自体で多彩な表示が可能となり、視認性を向上させることができる。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの斜視図、図2は本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの分解斜視図、図3は本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの断面図、図4は本発明の第1実施例を示す表示装置付きレバースイッチの傾動時の要部断面図である。
【0012】
これらの図において、1は操作部、2は操作部1に配設されるプリント基板、3はプリント基板2に実装されるコネクタ、4はプリント基板2に実装されるフレキシブルプリント基板、5はプリント基板2上に配設される可動接片、6はプリント基板2上に配設されるスペーサ、7はスペーサ6上に配設される押さえシート、8は押さえシート7上に配設されるゴムカバー、9は操作部1上に配設されるコイルバネ、10はコイルバネ9上に配設される有機発光素子、11は有機発光素子10上に配設されるスペーサ、12はスペーサ11上に配設される表示部、13は操作部1に被せて嵌合される操作部カバー、14はシャフト、15は操作部1とシャフト14に挟持されるOリング、16は操作部1と嵌合してシャフト14を操作部1から脱落しないように結合するストップリング、17はシャフト14に嵌合され傾動の支点となる傾動軸である。
【0013】
コネクタ3およびフレキシブルプリント基板4が実装されたプリント基板2が操作部1上に配設され、このとき、フレキシブルプリント基板4は操作部1の貫通孔1aに挿通され下方へ突出される。可動接片5、スペーサ6、押さえシート7およびゴムカバー8がプリント基板2上に配設されて接触機構が構成される。コイルバネ9が操作部1上に配設され、有機発光素子10がコイルバネ9上に配設されるとともにフレキシブルプリント基板10aがコネクタ3に接続され、スペーサ11を介して表示部12が有機発光素子10上に配設され、表示孔13aから表示部12の上面が突出するように操作部カバー13が被され、嵌合突起13bが操作部1の嵌合凹部1bと嵌合される。シャフト14は中空に形成されており、フレキシブルプリント基板4が中空部14aに挿通され下方へ突出されるとともに、上部が操作部1の貫通孔1aに挿入される。このとき、操作部1とシャフト14の間にOリング15が挟着され、ストップリング16が操作部1と嵌合されることで、操作部1とシャフト14が結合される。そして、嵌合凹部14bに傾動軸17が嵌合されることでレバー18が構成される。
【0014】
19は略筒状に形成されたハウジング、20はハウジング19に内設されるプリント基板、21および22はプリント基板20に実装されるコネクタ、23はプリント基板20に実装されレバー18の傾動動作を検知するフォトインタラプタ、24はベゼル、25はコイルバネ、26はスリーブ、27はハウジングカバー、28はハウジング19とハウジングカバー27を固定するネジ、29は座金、30はナットである。
【0015】
ハウジング19には、上面にベゼル24の嵌合突起24bと嵌合される嵌合凹部19aが形成されるとともに、内部には傾動軸17を支える軸受部19bおよびスリーブ26を配設する仕切部19cが形成され、下方にはハウジングカバー27の嵌合凸部27aと嵌合される嵌合孔19dが形成されている。プリント基板20には、フレキシブルプリント基板4が接続されるコネクタ21、外部と接続されるコネクタ22およびフォトインタラプタ23が実装される。
【0016】
ベゼル24の傾動孔24aに上方からレバー18が挿入され、シャフト14の下方から突出したフレキシブルプリント基板4がハウジング19内を挿通され、コネクタ21に接続される。このとき、シャフト14にコイルバネ25とスリーブ26が摺動自在に挿設される。嵌合突起24bが嵌合凹部19aに嵌合されることでベゼル24がハウジング19に嵌合され、傾動軸17がハウジング19とベゼル24に傾動自在に挟持されることで、レバー18がハウジング19に配設される。このとき、スリーブ26が仕切部19c上に配設され、コイルバネ25がスリーブ26の上に配設される。プリント基板20をハウジング19の下方から配設し、ハウジングカバー27をハウジング19の下方から挿設し、嵌合孔19dに嵌合凸部27aが嵌合されるとともにネジ28によって螺合されることで、プリント基板20がハウジング19とハウジングカバー27によって挟着される。そして、座金29およびナット30がハウジング19に配設されることにより、表示装置付きレバースイッチが完成される。
【0017】
以上のように構成された本発明の表示装置付きレバースイッチは、レバー18を操作すると傾動軸17を支点としてシャフト14が傾動し、シャフト14の下部に形成された遮光片14cがフォトインタラプタ23の受光素子と発光素子の間の光を遮光することで、レバー18の傾動動作がフォトインタラプタ23によって検知される。このとき、レバー18の操作に伴って有機発光素子10の表示を変化させることも可能である。さらに、表示部12を押圧操作することで、有機発光素子10の下方に配設されたゴムカバー8により可動接片5が押圧されプリント基板2に設けられた固定接片2aと接触して、電路が導通される。そして、レバー18の操作を解除すると、コイルバネ25の弾発力によりスリーブ26が押し戻され、レバー18は直立位置に戻される。また、レバースイッチをパネル(図示せず)に取り付ける場合、パネルに設けられた取付孔にレバースイッチを挿入し、パネルの裏側からナット30を取付け方向に締め付けることで、ハウジング19の鍔部19eと座金29によりパネルを挟持して固定される。
【0018】
表示部12は、有機発光素子10に絵や文字のデータが送信されることで多彩な表示が可能となり、データはコネクタ22を介してレバースイッチの外部の制御基板(図示せず)から送信される。そのデータ送信をレバー18の傾動動作を検知するフォトインタラプタ23のON/OFFや、表示部12の押圧操作に伴う可動接片5と固定接片2aのON/OFFと連動させることで、レバー18の傾動操作や表示部12の押圧操作に伴って表示を変化させることも可能となる。例えば、表示部12に上向きや下向きなどの矢印を表示させることでレバー18の傾動方向を指示し、操作者がその表示に従って矢印が示す向きにレバー18を操作すると、レバー18が傾動してフォトインタラプタ23の受光素子と発光素子の間の光が遮光されてフォトインタラプタ23がONされる。これに伴ってレバースイッチ外部の制御基板にデータ送信を開始する信号が送られることで、次に表示する絵や文字のデータが制御基板から有機発光素子10に送信され、表示が切り替えられる。表示部12が押圧操作されたときも同様に、可動接片5と固定接片2aがONとなったときに、それに伴って制御基板にデータ送信を開始する信号が送られ、表示部12の表示が切り替えられる。
【0019】
このように、本実施例に示す表示装置付きレバースイッチは、傾動操作可能なレバー18に有機発光素子10を備えた構造としたため、レバースイッチ自体で多彩な表示ができ、レバー18の操作に連動して表示を変化させることもできるので、視認性が向上できるという特徴を有している。
また、表示部12を押圧操作可能としたため、一つのレバースイッチで傾動と押圧の複合操作ができるという特徴を有している。
【0020】
本実施例では、表示装置については、有機発光素子としているが、液晶表示素子や電子ペーパーなどの表示装置としてもよい。レバーについては、二方向の傾動操作が可能な構造としているが、傾動軸と軸受部を変形することにより四方向や全方向への傾動が可能な構造としてもよく、レバーの操作部の形状も略球状としているが、円柱状などとしてもよい。レバー内部の接触機構については、タクティルスイッチなどのスイッチ素子としてもよく、押圧操作が不要な場合にはスイッチ素子を排除してもよい。また、パネルへの取付手段については、ナットによる取付けとしているが、ハウジングに樹脂などでバネを形成したワンタッチ取付けなどとしてもよく、種々の方法が考えられる。
【0021】
図5は本発明の第2実施例を示す表示装置付きレバースイッチの要部断面図である。この実施例ではレバー48の傾動操作と押圧操作が可能であって、傾動軸47がハウジング49に上下動可能に配設されることにより、押圧操作によってレバー48全体が下降する。シャフト44の下部には押圧片44aと遮光片44bが対向するように形成されており、レバー48を傾動操作したときは、遮光片44bがフォトインタラプタ53の受光素子と発光素子の間の光を遮光することでレバー48の傾動動作を検知し、押圧操作したときは、押圧片44aがハウジング49下方に内設されたプリント基板50上に実装されたタクティルスイッチ61を押圧することで電路が導通される。表示部42は、第1実施例と同様にレバー48の操作に伴って表示を変化させることも可能である。本実施例も第1実施例と同様の変形が可能であり、種々の方法が考えられる。
【0022】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の表示装置付きレバースイッチは、多彩な表示が可能な表示装置を備えたレバースイッチとして利用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1,31 操作部
1a 貫通孔
1b,14b,19a 嵌合凹部
2,20,50 プリント基板
2a 固定接片
3,21,22,51,52 コネクタ
4,10a,40a フレキシブルプリント基板
5 可動接片
6 スペーサ
7 押さえシート
8 ゴムカバー
9,25,55 コイルバネ
10,40 有機発光素子
11,41 スペーサ
12,42 表示部
13,43 操作部カバー
13a 表示孔
13b,24b 嵌合突起
14,44 シャフト
14a 中空部
14c,44b 遮光片
15,45 Oリング
16,46 ストップリング
17,47 傾動軸
18,48 レバー
19,49 ハウジング
19b 軸受部
19c 仕切部
19d 嵌合孔
19e 鍔部
23,53 フォトインタラプタ
24,54 ベゼル
24a 傾動孔
26,56 スリーブ
27,57 ハウジングカバー
27a 嵌合凸部
28 ネジ
29,59 座金
30,60 ナット
44a 押圧片
61 タクティルスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングにレバーを傾動自在に配設するとともに該レバーの傾動動作を検知する検知手段を前記ハウジングに内設したレバースイッチにおいて、前記レバーに表示部を設け、該表示部の下方に表示装置を備えたことを特徴とする表示装置付きレバースイッチ。
【請求項2】
請求項1記載の表示装置付きレバースイッチにおいて、前記表示装置が有機発光素子であることを特徴とする表示装置付きレバースイッチ。
【請求項3】
請求項1記載の表示装置付きレバースイッチにおいて、前記表示部の表示が前記レバーの傾動動作に伴って変化することを特徴とする表示装置付きレバースイッチ。
【請求項4】
請求項1記載の表示装置付きレバースイッチにおいて、前記表示部は弾性部材を介して前記レバーに配設され、前記表示部が押圧操作が可能であるとともに、該押圧操作に伴って操作される接触機構を前記表示装置の下方に配設したことを特徴とする表示装置付きレバースイッチ。
【請求項5】
請求項4記載の表示装置付きレバースイッチにおいて、前記表示部の表示が該表示部の押圧動作に伴って変化することを特徴とする表示装置付きレバースイッチ。
【請求項6】
請求項1記載の表示装置付きレバースイッチにおいて、前記レバーは傾動軸が上下方向に移動可能となるように前記ハウジングに配設され、前記レバー全体が押圧操作が可能であるとともに、該押圧操作に伴って操作される接触機構を前記ハウジングの下方に配設したことを特徴とする表示装置付きレバースイッチ。
【請求項7】
請求項6記載の表示装置付きレバースイッチにおいて、前記表示部の表示が前記レバーの押圧動作に伴って変化することを特徴とする表示装置付きレバースイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−34857(P2011−34857A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181138(P2009−181138)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000230722)日本開閉器工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】