説明

表示装置及びこれを搭載した画像形成装置、電子機器

【課題】所望の入力キーと隣り合うキーとを間違って押下する問題の発生が抑制されてキー入力が容易であり、ユニバーサルデザインが考慮に入れられた表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置である操作パネル30は、画面上の複数の入力キーの操作を受け付ける操作表示部37と、複数の入力キーの配列切り替えキー40と、配列切り替えキー40の操作に基づき、操作表示部37に、入力可能な文字を複数の入力キーに割り当てて表示させた第1キー配列画面60と、第1キー配列画面60の一部の入力可能な文字を複数の入力キーに割り当てて表示させた第2キー配列画面80と、のいずれか一方を表示させ、第2キー配列画面80において、入力可能な文字を絞り込むための複数の第1入力キー91と、第1入力キー91の操作により表示されて入力可能な文字をさらに絞り込むための複数の第2入力キー94と、の表示を切り替えさせる操作制御部38と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル機能を有し、その操作によってキー入力が可能な表示装置に関する。また、この表示装置を搭載した画像形成装置、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型情報機器に代表される多くの電化製品に、前面にタッチパネル部を備えた表示装置が搭載されている。複写機やプリンタ、ファクシミリ、スキャナといった画像形成装置も同様に、その装置正面にタッチパネル部を有する表示装置を備えているものがある。このような表示装置は一般的に、タッチパネル部が設けられた画面上に表示された入力キーに手で直接、或いはタッチペンなどの入力補助具で触れることにより、文字入力や命令実行などの操作を受け付ける。
【0003】
特に文字入力を受け付ける表示装置は、入力し得る文字に対応した多くのキーを画面上に表示させる。このような表示装置の一例を、特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載された携帯型情報機器の表示装置(液晶ディスプレイ)はタッチパネル部が設けられた画面上に50音のひらがなキーを配列して表示し、各々のキー入力を受け付けるようにしている。50音のひらがなキーは、縦方向に5個、横方向10個の文字キーを並べることで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−251250号公報(第4頁、図2、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された携帯型情報機器の表示装置は50音のひらがなキーのすべてを、ほぼ画面上いっぱいに表示しているので、個々の入力キー自体のサイズが非常に小さくなる虞がある。さらに、携帯型情報機器のように表示装置のタッチパネル部自体が比較的小型である場合、個々の入力キーはより一層小さくなる可能性が高い。
【0006】
このような表示装置はたとえタッチペンなどの入力補助具を使用したとしても、所望の入力キーと隣り合うキーを間違って押してしまう可能性がある。特に高齢者や、手指に病気、けが等の障害がある人、視力に問題がある人にとっては非常に不便で、不快感を覚える虞がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、タッチパネル部において所望の入力キーと隣り合うキーとを間違って押してしまうという問題の発生が抑制されてキー入力が容易であり、ユニバーサルデザインが考慮に入れられた表示装置を提供することを目的とする。また、このような表示装置を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は表示装置において、画面上に複数の入力キーを表示してキー操作を受け付けるタッチパネル部を有する操作表示部と、前記複数の入力キーの配列を切り替える配列切り替えキーと、前記配列切り替えキーの操作に基づき、前記操作表示部に、入力可能な文字または記号を前記複数の入力キーに割り当てて表示させた第1キー配列画面と、前記第1キー配列画面の一部の入力可能な文字または記号を前記複数の入力キーに割り当てて表示させた第2キー配列画面と、のいずれか一方を表示させ、前記第2キー配列画面において、入力可能な文字または記号を絞り込むために並べられた複数の第1入力キーと、前記第1入力キーの操作により表示されて入力可能な文字または記号をさらに絞り込むために並べられた複数の第2入力キーと、の表示を切り替えさせる制御部と、を備えることとした。
【0009】
この構成によれば、第2キー配列画面に表示される入力キーは、第1キー配列画面に表示される入力キーよりも数が少なくなる。
【0010】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、前記第1入力キーが押下されたとき、その第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを前記操作表示部に表示させることとした。
【0011】
また、上記構成の表示装置において、前記操作表示部の外部に配置されたテンキーを備えるとともに、テンキーに対応する数字が前記複数の第1入力キー各々に添付されて表記され、前記制御部は、前記テンキーが一定時間以上押下されたとき、そのテンキーの数字が添付された前記第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを前記操作表示部に表示させることとした。テンキーは数字入力にも使用するので、この構成によれば、テンキーを使用して第2入力キーを操作表示部に表示させることができる。
【0012】
なお、上記「一定時間」は予め定められた任意の時間であり、例えば0.5秒から1秒までの時間としても構わない。この「一定時間」を、後述する実施形態では「0.5秒」としているが、0.5秒という時間に限定されるわけではない。また、以下の手段の複数箇所において「一定時間」という語が用いられるが、すべてが同じ時間というわけではない。
【0013】
また、上記構成の表示装置において、前記複数の第1入力キー及び前記複数の第2入力キーの各々に対応する文字とそれらの小文字との表示を切り替える小文字表示キーを備え、前記制御部は、前記複数の第1入力キーの表示状態において前記小文字表示キーが一定時間以上押下されたとき、それら複数の第1入力キー各々に対応する小文字の入力キーを前記操作表示部に表示させ、また前記複数の第2入力キーの表示状態において前記小文字表示キーが一定時間以上押下されたとき、それら複数の第2入力キー各々に対応する小文字の入力キーを前記操作表示部に表示させることとした。この構成によれば、他の操作を実行させるために表示装置に備えられたキーを小文字表示キーとして利用することができる。
【0014】
また、上記構成の表示装置において、前記複数の第1入力キー及び前記複数の第2入力キーの各々に対応する文字とそれらの小文字との表示を切り替える小文字表示キーを備え、前記制御部は、前記複数の第1入力キーの表示状態において前記第1入力キーと前記小文字表示キーとが同時に一定時間以上押下されたとき、その第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを各々の小文字の入力キーにして前記操作表示部に表示させ、また前記複数の第1入力キーの表示状態において前記テンキーと前記小文字表示キーとが同時に一定時間以上押下されたとき、そのテンキーの数字が添付された第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを各々の小文字の入力キーにして前記操作表示部に表示させることとした。
【0015】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、前記小文字表示キーの操作時、前記第1入力キーまたは前記第2入力キーに対応する小文字が存在しないとき、その第1入力キーまたは第2入力キーを前記操作表示部にグレーアウト表示させることとした。この構成によれば、一般的に、グレーアウト表示された絞り込みキーは対応する小文字が存在しないことがユーザーに一見して認識される。
【0016】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、前記複数の第2入力キーの表示状態において一定時間以上キー入力がないとき、前記複数の第1入力キーの表示状態に変更させることとした。この構成によれば、一定時間後自動的に画面が複数の第1入力キーの表示状態に戻る。
【0017】
また、上記構成の表示装置において、前記第2キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーの少なくとも一部は、前記第1キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーより、大きさが大きいこととした。
【0018】
また、上記構成の表示装置において、前記第2キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーの少なくとも一部は、前記第1キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーより、隣り合う各々の入力キーの間隔が広いこととした。
【0019】
また、上記構成の表示装置において、前記第1入力キーと前記第2入力キーとは、各々に対応する文字または記号を任意に選択可能であることとした。この構成によれば、第2キー配列画面に表示される入力キーが一層少なくなる。
【0020】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、前記第1入力キーの表示状態と前記第2入力キーの表示状態とを切り替えるとき、各々の入力キーに共通する文字または記号が割り当てられた入力キーを同じ場所に表示させることとした。
【0021】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、前記第1キー配列画面においてキー操作を受け付けた前記タッチパネル部が入力キーを特定できないとき、前記操作表示部に前記第2キー配列画面を表示させることとした。この構成によれば、第1キー配列画面における入力キーの押し間違いにより自動的に第2キー配列画面に変更される。
【0022】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、前記第1キー配列画面において入力キーを特定できず前記第2キー配列画面を表示させて所定時間経過後、前記操作表示部に第1キー配列画面を表示させることとした。この構成によれば、第1キー配列画面における入力キーの押し間違いにより自動的に第2キー配列画面に変更された場合でも、第2キー配列画面でキー操作が済めば自動的に第1キー配列画面に変更される。
【0023】
なお、上記「所定時間」は予め定められた任意の時間であり、例えば3秒から5秒までの時間としても構わない。この「所定時間」を、後述する実施形態では「3秒」としているが、3秒という時間に限定されるわけではない。また、前述の手段の複数箇所において「一定時間」という語が用いられたが、「所定時間」とは異なる時間である。
【0024】
また本発明では、上記構成の表示装置を画像形成装置、電子機器に搭載することとした。
【発明の効果】
【0025】
本発明の構成によれば、タッチパネル部に、第2キー配列画面に表示される入力キーを、第1キー配列画面に表示される入力キーよりも大きく表示させることができる。また、隣り合う入力キーの間隔をより広くとることも可能である。したがって、タッチパネル部において所望の入力キーと隣り合うキーとを間違って押してしまうという問題の発生を抑制することができる。その結果、高齢者や、手指に病気、けが等の障害がある人、視力に問題がある人にとってもキー入力が容易であり、ユニバーサルデザインが考慮に入れられた表示装置を提供することができる。また、このような表示装置を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置、電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置を搭載した画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の操作パネル(表示装置)の正面図である。
【図4】図3に示す操作パネルの第1キー配列画面を表示した操作表示部の正面図である。
【図5】図3に示す操作パネルの第2キー配列画面を表示した操作表示部の正面図である。
【図6】図5と同様の操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。
【図7】図5と同様の操作表示部の正面図にして、図5とは異なる形態の複数の第1入力キーが表示された状態を示すものである。
【図8】図6と同様の操作表示部の正面図にして、図6とは異なる複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る操作パネル(表示装置)の操作表示部の正面図にして、複数の第1入力キーが表示された状態を示すものである。
【図10】図9と同様の操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る操作パネル(表示装置)の操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る操作パネル(表示装置)の第1キー配列画面における誤操作に係る動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る操作パネル(表示装置)の操作表示部の正面図である。
【図14】第2キー配列画面を表示した図13に示す操作表示部の正面図にして、複数の第1入力キーが表示された状態を示すものである。
【図15】図14と同様の操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図1〜図15に基づき説明する。
【0028】
最初に、本発明の第1の実施形態に係る表示装置を搭載した画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の模型的垂直断面正面図、図2は画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1中の、実線矢印は用紙の搬送経路及び搬送方向を、一点鎖線矢印はレーザ光Lを示す。
【0029】
図1に示すように、画像形成装置1の本体2の内部下方には給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3はその内部に印刷前のカットペーパーなどの用紙Pを積載して収容している。そして、この用紙Pは図1において給紙カセット3の左上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は本体2の正面側から水平に引き出すことが可能である。
【0030】
本体2の内部であって給紙カセット3の左方には第1用紙搬送部4が備えられている。第1用紙搬送部4は本体2の左側面に沿って略垂直に形設されている。そして、第1用紙搬送部4は給紙カセット3から送り出された用紙Pを受け取り、本体2の左側面に沿って垂直上方に転写部5まで搬送する。
【0031】
なお、転写部5のすぐ上流側の用紙搬送路上にはレジストローラ対6が設けられている。レジストローラ対6は転写部5へと向かう用紙Pに対して、トナー像の正確な転写が実行できるよう斜め送りを矯正し、好適なタイミングを計って送り出す。
【0032】
給紙カセット3の上方であって第1用紙搬送部4が形設された本体2の左側面とは反対側の側面である右側面の箇所には手差し給紙部7が備えられている。手差し給紙部7には給紙カセット3に入っていないサイズの用紙や、厚紙、OHPシートのように1枚ずつ手で送り込みたいものが載置される。
【0033】
手差し給紙部7の左方には第2用紙搬送部8が備えられている。第2用紙搬送部8は給紙カセット3のすぐ上方にあって、手差し給紙部7から第1用紙搬送部4まで略水平に延びて第1用紙搬送部4に合流している。そして、第2用紙搬送部8は手差し給紙部7から送り出された用紙を受け取り、略水平に第1用紙搬送部4まで搬送する。
【0034】
一方、画像形成装置1の本体2の上面には原稿搬送装置9が、その下方には画像読取装置10が備えられている。ユーザーが原稿の複写を行う場合には原稿搬送装置9に文字や図形、模様等の画像が描かれた原稿を積載する。原稿搬送装置9では1枚ずつ分離して原稿が送り出され、画像読取装置10によってその画像データが読み取られる。
【0035】
原稿画像の読み取り、すなわち画像形成の開始は本体2の上部であって画像読取装置10の正面側に備えられた表示装置である操作パネル30を用いて実行される。操作パネル30はユーザーによる印刷に使用する用紙の種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件設定や、ファクシミリにおける送信先設定などを受け付ける。なお、操作パネル30の詳細な構成は後述する。
【0036】
原稿の画像データの情報は第2用紙搬送部8の上方であって、本体2の中央部に配置された露光装置11に送られる。露光装置11により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Lが画像形成部12に向かって照射される。
【0037】
第1用紙搬送部4の上方であって露光装置11の左方には画像形成部12及び転写部5が備えられている。画像形成部12では露光装置11によって照射されたレーザ光Lにより原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナーは露光装置11の上方に備えられたトナーコンテナ13から画像形成部12に補給される。画像形成部12で形成されたトナー像はレジストローラ対6によって同期をとって送られてきた用紙Pに転写部5にて転写される。
【0038】
転写部5の上方には定着装置14が備えられている。転写部5にて未定着トナー像を担持した用紙Pは定着装置14へと送られ、熱ローラと加圧ローラとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0039】
定着装置14の上方には用紙案内装置15が備えられている。定着装置14から排出された用紙Pは両面印刷を行わない場合、用紙案内装置15から画像形成装置1の胴内に設けられた胴内用紙排出部16に排出される。
【0040】
用紙案内装置15から胴内用紙排出部16に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分はスイッチバック部17としての機能を果たす。両面印刷を行う場合にはこのスイッチバック部17において定着装置14から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは用紙案内装置15を通過し、定着装置14の左方、及び転写部5の左方に設けられた両面印刷用用紙搬送路18を通して下方に送られ、再度第1用紙搬送部4を経て転写部5へと送られる。
【0041】
また、画像形成装置1は装置全体の動作制御のため、図2に示すようにその本体2内にCPU20や記憶部21、その他の図示しない電子部品で構成された主制御部19を備えている。主制御部19はCPU20を中央演算処理装置として利用し、記憶部21に記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像読取装置10、画像形成部12、定着装置14などといった構成要素を制御して一連の画像形成動作を実現する。主制御部19はユーザーによる画像形成装置1の動作に係る条件設定を操作パネル30から受け付ける。
【0042】
また、画像形成装置1は電話回線やネットワーク回線を利用して外部機器と画像データの授受を行うための通信部22を備えている。通信部22は電話回線を利用して通信するファクシミリ通信部23と、ネットワーク回線を利用して通信するネットワークI/F(インターフェース)部24とを備えている。
【0043】
続いて、表示装置である操作パネル30の詳細な構成について、図2に加えて、図3〜図8を用いて説明する。図3は画像形成装置1の操作パネル30の正面図、図4は操作パネル30の第1キー配列画面を表示した操作表示部の正面図、図5は操作パネル30の第2キー配列画面を表示した操作表示部の正面図、図6は図5と同様の操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すもの、図7は図5と同様の操作表示部の正面図にして、図5とは異なる形態の複数の第1入力キーが表示された状態を示すもの、図8は図6と同様の操作表示部の正面図にして、図6とは異なる複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。
【0044】
図2及び図3に示すように、操作パネル30はテンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34、エンターキー35、クリアキー36、操作表示部37、操作制御部38、記憶部39、及び配列切り替えキー40を備えている。
【0045】
テンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34、エンターキー35、及びクリアキー36は、図3に示すように操作パネル30の右側の領域に配置されている。テンキー31は数字入力を受け付けるキーであって、0から9までの数字及び「*」「#」が記されている。スタートキー32は各種動作の開始指示を受け付けるキーである。ストップキー33は各種動作の停止指示を受け付けるキーである。リセットキー34は各種設定のリセット指示を受け付けるキーである。エンターキー35は各種設定を許諾する所謂「OK」の指示と同様の働きをするキーである。クリアキー36は入力した数字や文字、記号を消去するキーである。
【0046】
操作表示部37は図3に示すように操作パネル30の中央部に配置されている。そして、操作表示部37は図2に示すように液晶表示部37a及びタッチパネル部37bを備えている。液晶表示部37aは入力、設定、指示などの複数のキーや項目を、液晶を用いて表示している。タッチパネル部37bは液晶表示部37aの上方に重ねて配置され、ユーザーが指などで接触することにより液晶表示部37aに表示された項目の選択やキーの入力を受け付ける。
【0047】
操作制御部38は図示しないICなどの電子部品で構成され、主制御部19による制御に基づき操作パネル30を制御する制御装置である。操作制御部38は主制御部19からの制御指令により、記憶部21或いは記憶部39に記憶されたプログラム、データに基づいて表示する項目や入力キーの種類、レイアウトを設定することで操作表示部37を表示制御する。また、操作制御部38はテンキー31、スタートキー32などの各キーやタッチパネル部37bからの情報に基づいてユーザーが操作した入力キーを特定し、ユーザーの操作指示として主制御部19に送信する。
【0048】
ここで、操作パネル30は図4に示す文字入力画面50を操作表示部37に表示することができる。文字入力画面50は、例えば通信部22を介して外部機器に画像データを送信する際に利用されるアドレス帳画面の編集時に表示される。
【0049】
文字入力画面50は、図4に示す第1キー配列画面60と図5に示す第2キー配列画面80とを有している。第1キー配列画面60は入力可能な文字または記号を複数の入力キーに割り当てて表示している。一方、第2キー配列画面80は第1キー配列画面60の一部の入力可能な文字または記号を複数の入力キーに割り当てて表示している。第2キー配列画面80において表示された複数の入力キーの少なくとも一部は、第1キー配列画面60において表示された複数の入力キーより、大きさが大きく、また隣り合う各々の入力キーの間隔が広い。
【0050】
第1キー配列画面60と第2キー配列画面80との切り替えは操作パネル30の配列切り替えキー40(図3参照)で行うことができる。操作制御部38は配列切り替えキー40の操作に基づき、操作表示部37に第1キー配列画面60と第2キー配列画面80との表示を切り替え、いずれか一方を表示させる。
【0051】
第1キー配列画面60には図4に示すように、入力文字表示部61、キーボード部62、キーボード部切り替えキー63、スペースキー64、変換キー65、改行確定キー66、バックスペースキー67、カーソルキー68、入力文字設定部69、入力方式設定部70、文字制限等表示部71、キャンセルキー72、及びOKキー73が配置されている。
【0052】
入力文字表示部61は第1キー配列画面60の上部に設けられている。入力文字表示部61は入力した文字の表示領域であり、2行分の文字列が表示されている。
【0053】
キーボード部62は第1キー配列画面60のほぼ中央部に比較的広い領域で設けられている。キーボード部62には入力可能な文字または記号が割り当てられた複数の入力キーが並べられ、表示されている。
【0054】
キーボード部切り替えキー63はキーボード部62のすぐ下方に設けられている。キーボード部切り替えキー63はキーボード部62の各入力キーの表記を「大文字」「小文字」「数字・記号」に切り替えるために用いられる。なお、初期状態では、キーボード部62の各入力キーは大文字で表記されている。
【0055】
スペースキー64、変換キー65、及び改行確定キー66はキーボード部62のすぐ下方に各々設けられている。スペースキー64はスペースを入力するためのキーである。変換キー65は入力文字表示部61に入力した未確定の文字を漢字変換する際に用いられる。改行確定キー66は入力文字表示部61に入力した文字がすべて確定している場合には改行を入力し、入力文字表示部61に未確定文字がある場合には未確定文字の確定を行うキーである。
【0056】
バックスペースキー67、及びカーソルキー68はともに入力文字表示部61のすぐ下方であって、キーボード部62との間の箇所に設けられている。バックスペースキー67は入力文字表示部61のカーソルの1つ前の文字を削除し、カーソル及びその右方の文字を左方へ詰めるキーである。カーソルキー68は上下左右4方向を向く矢印が表記された4つのキーで構成されている。カーソルキー68は入力文字表示部61のカーソルを各々の方向へ移動させるためのキーである。
【0057】
入力文字設定部69、及び入力方式設定部70はともに入力文字表示部61のすぐ下方であって、キーボード部62との間の箇所に設けられている。入力文字設定部69は入力する文字の種類を設定する箇所であり、プルダウン方式のメニューで設定することができる。入力する文字の種類としては、例えば全角ひらがな、全角カタカナ、全角英数、半角カタカナ、半角英数がある。入力方式設定部70は文字入力の方法を設定する箇所であり、プルダウン方式のメニューで設定することができる。文字入力方法としては、例えばひらがな或いはカタカナ入力時にローマ字入力、かな入力がある。
【0058】
文字制限等表示部71は入力文字表示部61の右方に設けられている。文字制限等表示部71は上段に入力文字表示部61への文字入力の制限数を、下段に現在入力している文字数を表示している。
【0059】
キャンセルキー72、及びOKキー73はともに第1キー配列画面60の最下部右端に配置されている。キャンセルキー72は選択した入力のキャンセル時に、OKキー73は入力の許諾時に使用される。
【0060】
第2キー配列画面80には図5に示すように、入力文字表示部81、キーボード部82、スペースキー83、バックスペースキー84、変換キー85、確定キー86、カーソルキー87、文字制限等表示部88、キャンセルキー89、及びOKキー90が配置されている。
【0061】
入力文字表示部81は第2キー配列画面80の上部に設けられている。入力文字表示部81は入力した文字の表示領域であり、1行分の文字列が表示されている。入力文字表示部81は2行分の文字列を表示する第1キー配列画面60の入力文字表示部61と表示領域がほぼ同じであるので、入力文字表示部61より文字が大きく表示される。
【0062】
キーボード部82は第2キー配列画面80のほぼ中央部に比較的広い領域で設けられている。キーボード部82には入力可能な一部の文字または記号が割り当てられた複数の入力キーが並べられ、表示されている。そして、キーボード部82は複数の第1入力キー91、濁点キー92、及び半濁点キー93の入力キー群で構成されている。
【0063】
第1入力キー91には各々、五十音表の「あ行」から「わ行」までの各行の頭文字が設定、表記されている。第1入力キー91は入力可能な文字を絞り込むために並べられている。また、第1入力キー91各々の左上部には0から9までの数字が添付されている。
【0064】
図5に示す「五十音表の各行の頭文字」が設定された複数の第1入力キー91のいずれかが押下されたとき、操作制御部38は、図6に示すように、その第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94をキーボード部82に表示させる。また、操作制御部38は、0から9までのいずれかのテンキー31(図3参照)が一定時間以上押下されたとき、そのテンキー31の数字が添付された第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94をキーボード部82に表示させる。この場合の一定時間としては例えば0.5秒間などが設定され、記憶部39に記憶されている。
【0065】
第2入力キー94には押下された第1入力キー91に対応する「五十音表の各行の5文字」が設定、表記されている。例えば図5に示した複数の第1入力キーのうち「あ」を押下した場合、或いはテンキー31の「1」を一定時間以上押下した場合、図6に示すように、複数の第2入力キー94として「あ行」の「あ」「い」「う」「え」「お」がキーボード部82に表示される。第2入力キー94は第1入力キー91の押下で絞り込まれ、第2キー配列画面80のキーボード部82に表示された入力可能な文字または記号をさらに絞り込むために並べられている。
【0066】
ここで、図3に示したクリアキー36は、図5に示した第2キー配列画面80の操作時の小文字表示キーとしても機能する。小文字表示キーであるクリアキー36は第1入力キー91及び第2入力キー94の各々に対応する文字とそれらの小文字との表示を切り替えるためのキーである。
【0067】
図5に示す複数の第1入力キー91の表示状態においてクリアキー36が一定時間以上押下されたとき、操作制御部38は、図7に示すように、それら複数の第1入力キー91各々に対応する小文字の入力キーをキーボード部82に表示させる。また、図6に示す複数の第2入力キー94の表示状態においてクリアキー36が一定時間以上押下されたとき、操作制御部38は、図8に示すように、それら複数の第2入力キー94各々に対応する小文字の入力キーをキーボード部82に表示させる。これらの場合の一定時間としては例えば0.5秒間などが設定され、記憶部39に記憶されている。
【0068】
なお、小文字表示キーであるクリアキー36の操作時、対応する入力キーの小文字が存在しないとき、操作制御部38は、第1入力キー91または第2入力キー94をキーボード部82にグレーアウト表示させる。例えば複数の第1入力キー91の表示状態では、図7に示すように「ぁ行」と「ゃ行」以外がグレーアウト表示されている。
【0069】
そして、図5に示す複数の第1入力キー91の表示状態において第1入力キー91と小文字表示キーであるクリアキー36とが同時に一定時間以上押下されたとき、操作制御部38は、図8に示すように、その第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94を各々の小文字の入力キーにしてキーボード部82に表示させる。また、操作制御部38は、図5に示す複数の第1入力キー91の表示状態において0から9までのいずれかのテンキー31とクリアキー36とが同時に一定時間以上押下されたとき、図8に示すように、そのテンキー31の数字が添付された第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94を各々の小文字の入力キーにしてキーボード部82に表示させる。これらの場合の一定時間としては例えば0.5秒間などが設定され、記憶部39に記憶されている。
【0070】
なお、複数の第2入力キー94の表示状態において一定時間以上キー入力がないとき、操作制御部38は、第2キー配列画面80を複数の第1入力キー91の表示状態に変更させる。この場合の一定時間としては例えば1秒間などが設定され、記憶部39に記憶されている。
【0071】
スペースキー83、バックスペースキー84、変換キー85、及び確定キー86はキーボード部82のすぐ下方に、カーソルキー87はキーボード部82のすぐ上方に、文字制限等表示部88は入力文字表示部81の右方に各々設けられている。また、キャンセルキー89、及びOKキー90はともに第2キー配列画面80の最下部右端に配置されている。これらのキーの機能は第1キー配列画面60の場合と同様であるので説明を省略する。
【0072】
次に、本発明の第2の実施形態に係る表示装置について、図9及び図10を用いて説明する。図9は表示装置である操作パネルの操作表示部の正面図にして、複数の第1入力キーが表示された状態を示すもの、図10は図9と同様の操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図8を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0073】
第2の実施形態に係る表示装置である操作パネル30の文字入力画面50は、図9に示す第2キー配列画面80を有している。第2キー配列画面80のキーボード部82には入力可能な一部の文字または記号が割り当てられた複数の第1入力キー91が並べられ、表示されている。
【0074】
第1入力キー91には各々、五十音表の「あ行」から「わ行」までの各行の頭文字のうち1行おきに頭文字が設定、表記されている。すなわち「あ」、「さ」、「な」、「ま」、「ら」は表示されているが、「か」、「た」、「は」、「や」、「わ」は表示されていない。このようにして、第1入力キー91は対応する文字または記号を任意に選択可能である。したがって、第2キー配列画面80に表示される入力キーが一層少なくなるので、隣り合う入力キーの間隔をより広くとることが可能である。また、第1入力キー91各々の左上部には0から5までの数字が添付されている。
【0075】
図9に示す複数の第1入力キー91のいずれかが押下されたとき、操作制御部38は、図10に示すように、その第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94をキーボード部82に表示させる。また、操作制御部38は、0から5までのいずれかのテンキー31(図3参照)が一定時間以上押下されたとき、そのテンキー31の数字が添付された第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94をキーボード部82に表示させる。この場合の一定時間としては例えば0.5秒間などが設定され、記憶部39に記憶されている。
【0076】
第2入力キー94には押下された第1入力キー91に対応する「五十音表の2行分の10文字」が設定、表記されている。例えば図9に示した複数の第1入力キーのうち「あ」を押下した場合、或いはテンキー31の「1」を一定時間以上押下した場合、図10に示すように、複数の第2入力キー94として「あ行」の「あ」「い」「う」「え」「お」と「か行」の「か」「き」「く」「け」「こ」とがキーボード部82に表示される。このようにして、第2入力キー94は第1入力キー91同様、対応する文字または記号を任意に選択可能である。
【0077】
次に、本発明の第3の実施形態に係る表示装置について、図11を用いて説明する。図11は表示装置である操作パネルの操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図8を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0078】
第3の実施形態に係る表示装置である操作パネル30の文字入力画面50は、図9に示す第2キー配列画面80を有している。第2キー配列画面80のキーボード部82には第1入力キー91の操作により表示された複数の第2入力キー94が並べられている。
【0079】
複数の第2入力キー94としては「さ行」の「さ」「し」「す」「せ」「そ」がキーボード部82に表示されている。ここで、第2入力キー94の「さ」は第1入力キー91の表示状態(図5参照)の「さ」と同じ場所に表示される。したがって、第2キー配列画面80における操作性が向上する。
【0080】
次に、本発明の第4の実施形態に係る表示装置について、図12を用いて説明する。図12は表示装置である操作パネルの第1キー配列画面における誤操作に係る動作を示すフローチャートである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図8を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素については図面の記載及びその説明を省略するものとする。
【0081】
第4の実施形態に係る表示装置である操作パネル30に関して、操作制御部38は、図12に示すように、ユーザーの要求により操作表示部37に文字入力画面50の第1キー配列画面60を表示させる(ステップ#101)。
【0082】
続いてユーザーによる入力キー操作があると(ステップ#102)、操作制御部38はキー操作を受け付けたタッチパネル部37bが入力キーを特定できたか否かを判定する(ステップ#103)。入力キーが特定できた場合(ステップ#103のYes)、操作制御部38はそのキー操作を受け付けて(ステップ#104)、再び入力キー操作の待機状態になる(図12のエンド)。
【0083】
一方、ユーザーがキーを複数同時に押したり、キー表示のない箇所を押したりするなどして、ステップ#103において入力キーが特定できない場合(ステップ#103のNo)、次に操作制御部38はそのような誤入力が所定回数を超過したか否かを判定する(ステップ#105)。この所定回数は例えば連続して3回といった回数で、記憶部39が記憶している。誤入力と判定されたものの、誤入力が所定回数に到達していない場合(ステップ#105のNo)、操作制御部38は再びユーザーによる入力キー操作(ステップ#102)を受け付ける。
【0084】
そして、入力キーが特定できない状態が連続するなどして、誤入力が所定回数を超過した場合(ステップ#105のYes)、操作制御部38は第1キー配列画面60に代えて、操作表示部37に第2キー配列画面80を表示させる(ステップ#106)。その後、ユーザーは第2キー配列画面80から入力キー操作を行う(ステップ#107)。そして、操作制御部38はそのキー操作を受け付けて(ステップ#104)、再び入力キー操作の待機状態になる(図12のエンド)。この構成によれば、第1キー配列画面60における入力キーの押し間違いにより自動的に第2キー配列画面80に変更されるので、キー入力が一層容易になる。
【0085】
なお、操作制御部38はステップ#106で第2キー配列画面80を表示させて所定時間経過後、操作表示部37に第1キー配列画面60を表示させる。この場合の所定時間としては例えば3秒間などが設定され、記憶部39に記憶されている。この構成によれば、第1キー配列画面60における入力キーの押し間違いにより自動的に第2キー配列画面80に変更された場合でも、第2キー配列画面でキー操作が済めば自動的に第1キー配列画面60に変更されるので、第1キー配列画面60で操作をし続けたい場合に便利である。
【0086】
次に、本発明の第5の実施形態に係る表示装置について、図13〜図15を用いて説明する。図13は表示装置である操作パネルの操作表示部の正面図、図14は第2キー配列画面を表示した図13に示す操作表示部の正面図にして、複数の第1入力キーが表示された状態を示すもの、図15は図14と同様の操作表示部の正面図にして、複数の第2入力キーが表示された状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図8を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0087】
第5の実施形態に係る表示装置である操作パネル30は英語圏のユーザーの使用を対象とした画像形成装置1に設けられ、図13に示すように操作表示部37の文字入力画面50のすべてが英語表記されている。
【0088】
文字入力画面50は、図13に示す第1キー配列画面60と図14に示す第2キー配列画面80とを有している。第1キー配列画面60は入力可能な文字または記号を複数の入力キーに割り当てて表示している。一方、第2キー配列画面80は第1キー配列画面60の一部の入力可能な文字または記号を複数の入力キーに割り当てて表示している。第1キー配列画面60と第2キー配列画面80との切り替えは操作パネル30の配列切り替えキー40(図3参照)で行うことができる。
【0089】
図14に示すように、第2キー配列画面80のキーボード部82は画面のほぼ中央部に比較的広い領域で設けられている。キーボード部82には入力可能な一部の文字または記号が割り当てられた複数の第1入力キー91が並べられ、表示されている。
【0090】
第1入力キー91には各々、アルファベット26文字が略3個ずつに区切られて設定、表記されている。すなわち「ABC」、「DEF」と始まり、最後のみ「YZ」の2文字となっている。第1入力キー91は入力可能な文字を絞り込むために並べられている。また、第1入力キー91各々の左上部には1から9までの数字が添付されている。
【0091】
図14に示す「アルファベット各3文字または2文字」が設定された複数の第1入力キー91のいずれかが押下されたとき、操作制御部38は、図15に示すように、その第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94をキーボード部82に表示させる。また、操作制御部38は、1から9までのいずれかのテンキー31(図3参照)が一定時間以上押下されたとき、そのテンキー31の数字が添付された第1入力キー91に対応する複数の第2入力キー94をキーボード部82に表示させる。この場合の一定時間としては例えば0.5秒間などが設定され、記憶部39に記憶されている。
【0092】
第2入力キー94には押下された第1入力キー91に対応する「アルファベット1文字ずつ」が設定、表記されている。例えば図14に示した複数の第1入力キーのうち「ABC」を押下した場合、或いはテンキー31の「1」を一定時間以上押下した場合、図15に示すように、複数の第2入力キー94として「A」「B」「C」がキーボード部82に表示される。第2入力キー94は第1入力キー91の押下で絞り込まれ、第2キー配列画面80のキーボード部82に表示された入力可能な文字または記号をさらに絞り込むために並べられている。
【0093】
本発明の実施形態の構成によれば、タッチパネル部37bを有する操作表示部37において、第2キー配列画面80に表示される入力キーは、第1キー配列画面60に表示される入力キーよりも数が少なくなる。これにより、操作表示部37に第2キー配列画面80に表示される入力キーを、第1キー配列画面60に表示される入力キーよりも大きく表示させることができる。また、隣り合う入力キーの間隔をより広くとることも可能である。したがって、所望の入力キーと隣り合うキーとを間違って押してしまうという問題の発生を抑制することができる。その結果、高齢者や、手指に病気、けが等の障害がある人、視力に問題がある人にとってもキー入力が容易であり、ユニバーサルデザインが考慮に入れられた表示装置である操作パネル30を提供することができる。そして、このような操作パネル30を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置1を提供することができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0095】
例えば、本発明の上記実施形態では画像形成装置1に搭載された操作パネル30(表示装置)を例に掲げて説明したが、発明の適用対象となる機器は画像形成装置に限定されるわけではなく、画像形成装置以外の、携帯電話、PDAなどといった他の電子機器に本発明の表示装置を搭載することにしても構わない。
【0096】
また、操作パネル30を搭載した画像形成装置1はブラックトナーのみを使用したモノクロ印刷用の画像形成装置であるが、発明の適用対象となる画像形成装置はこのような機種に限定されるわけではなく、中間転写ベルトを備え、複数色を重ね合わせて画像形成することが可能なタンデム方式或いはロータリーラック方式のカラー印刷用画像形成装置であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、タッチパネル機能を有し、その操作によってキー入力が可能な表示装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成装置
19 主制御部
30 操作パネル(表示装置)
31 テンキー
36 クリアキー(小文字表示キー)
37 操作表示部
37a 液晶表示部
37b タッチパネル部
38 操作制御部(制御部)
40 配列切り替えキー
50 文字入力画面
60 第1キー配列画面
62 キーボード部
80 第2キー配列画面
82 キーボード部
91 第1入力キー
94 第2入力キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に複数の入力キーを表示してキー操作を受け付けるタッチパネル部を有する操作表示部と、
前記複数の入力キーの配列を切り替える配列切り替えキーと、
前記配列切り替えキーの操作に基づき、前記操作表示部に、入力可能な文字または記号を前記複数の入力キーに割り当てて表示させた第1キー配列画面と、前記第1キー配列画面の一部の入力可能な文字または記号を前記複数の入力キーに割り当てて表示させた第2キー配列画面と、のいずれか一方を表示させ、前記第2キー配列画面において、入力可能な文字または記号を絞り込むために並べられた複数の第1入力キーと、前記第1入力キーの操作により表示されて入力可能な文字または記号をさらに絞り込むために並べられた複数の第2入力キーと、の表示を切り替えさせる制御部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1入力キーが押下されたとき、その第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを前記操作表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記操作表示部の外部に配置されたテンキーを備えるとともに、テンキーに対応する数字が前記複数の第1入力キー各々に添付されて表記され、
前記制御部は、前記テンキーが一定時間以上押下されたとき、そのテンキーの数字が添付された前記第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを前記操作表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の第1入力キー及び前記複数の第2入力キーの各々に対応する文字とそれらの小文字との表示を切り替える小文字表示キーを備え、
前記制御部は、前記複数の第1入力キーの表示状態において前記小文字表示キーが一定時間以上押下されたとき、それら複数の第1入力キー各々に対応する小文字の入力キーを前記操作表示部に表示させ、また前記複数の第2入力キーの表示状態において前記小文字表示キーが一定時間以上押下されたとき、それら複数の第2入力キー各々に対応する小文字の入力キーを前記操作表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の第1入力キー及び前記複数の第2入力キーの各々に対応する文字とそれらの小文字との表示を切り替える小文字表示キーを備え、
前記制御部は、前記複数の第1入力キーの表示状態において前記第1入力キーと前記小文字表示キーとが同時に一定時間以上押下されたとき、その第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを各々の小文字の入力キーにして前記操作表示部に表示させ、また前記複数の第1入力キーの表示状態において前記テンキーと前記小文字表示キーとが同時に一定時間以上押下されたとき、そのテンキーの数字が添付された第1入力キーに対応する前記複数の第2入力キーを各々の小文字の入力キーにして前記操作表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記小文字表示キーの操作時、前記第1入力キーまたは前記第2入力キーに対応する小文字が存在しないとき、その第1入力キーまたは第2入力キーを前記操作表示部にグレーアウト表示させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の第2入力キーの表示状態において一定時間以上キー入力がないとき、前記複数の第1入力キーの表示状態に変更させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーの少なくとも一部は、前記第1キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーより、大きさが大きいことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーの少なくとも一部は、前記第1キー配列画面において表示された入力可能な文字または記号が割り当てられた前記複数の入力キーより、隣り合う各々の入力キーの間隔が広いことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1入力キーと前記第2入力キーとは、各々に対応する文字または記号を任意に選択可能であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1入力キーの表示状態と前記第2入力キーの表示状態とを切り替えるとき、各々の入力キーに共通する文字または記号が割り当てられた入力キーを同じ場所に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1キー配列画面においてキー操作を受け付けた前記タッチパネル部が入力キーを特定できないとき、前記操作表示部に前記第2キー配列画面を表示させることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第1キー配列画面において入力キーを特定できず前記第2キー配列画面を表示させて所定時間経過後、前記操作表示部に第1キー配列画面を表示させることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の表示装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の表示装置を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−113256(P2011−113256A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268552(P2009−268552)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】