説明

表示装置及びドライバ

【課題】DAC遅延時間の影響を受けずに高速駆動を実現すること。
【解決手段】本発明の表示装置によれば、1出力にY個(Yは2以上の整数)のDAC13とY個のアンプ14とY個のスイッチ15とを備え、M個の保持部11、M個のスイッチ12をY個のグループに分けている。そこで、スイッチ15は、時分割タイミング(信号22)に同期することにより、アンプ14の出力の切り替えを行う。また、スイッチ15の切り替わりタイミングの周期をTとしたとき、DAC13が表示データ51を入力するタイミングは、時分割タイミングより位相をT/Y進めて、周期(Y×T)としている。即ち、DAC13が、Yクロック分の信号21により表示データ51を入力した場合、表示データ51に応じた階調電圧52は、信号21のYクロック目にアンプ14から出力される。これにより、DAC遅延時間の影響を受けずに高速駆動を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示データを表示するドライバ及びTFT型液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TFT型液晶表示装置が普及されている。図1は、TFT型液晶表示装置の構成を示している。そのTFT型液晶表示装置は、表示部(液晶パネル)140と、ゲートドライバ(図示しない)と、ソースドライバ101と、電源回路130と、を具備している。
【0003】
液晶パネル140は、マトリクス状に配置された複数の画素143を具備している。複数の画素143の各々は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transister:TFT)と、画素容量と、を具備している。画素容量は、画素電極と、画素電極に対向する対向電極と、を具備している。TFTは、ドレイン電極と、画素電極に接続されたソース電極と、ゲート電極と、を具備している。
【0004】
液晶パネル140は、更に、複数のゲート線142と、複数のデータ線141と、を具備している。複数のゲート線142は、それぞれ、行に設けられた画素143のTFTのゲート電極に接続されている。複数のデータ線141は、それぞれ、列に設けられた画素143のTFTのドレイン電極に接続されている。
【0005】
電源回路130は、直列接続された階調抵抗素子を備えている。電源回路130は、基準電圧を階調抵抗素子により分圧し、複数の階調電圧を生成する。
【0006】
1水平期間において、ゲートドライバには、複数のゲート線142を1番目から最終番目まで順番に選択するための信号が供給される。例えば、ゲートドライバは、その信号に応じて、複数のゲート線142のうちの1つのゲート線142を選択したものとする。この場合、選択信号を1つのゲート線142に出力する。この選択信号は、上記1つのゲート線142に対応する1ライン分の画素143のTFTのゲート電極に供給され、TFTは選択信号によりオンする。他のゲート線142についても同じである。
【0007】
ソースドライバ101には、1画面(1フレーム)分の表示データと、クロック信号CLKと、が供給される。1画面分の表示データは、1ライン目から最終ライン目までの表示データを含んでいる。1ライン分の表示データは、複数のデータ線141のそれぞれに対応する表示データを含んでいる。ソースドライバ101は、クロック信号CLKに従って、複数の階調電圧の中から、表示データに応じた出力階調電圧を選択して、複数のデータ線141に出力する。このとき、複数のゲート線142のうちの1つのゲート線142と複数のデータ線141とに対応する画素143のTFTはオンしている。このため、上記画素143の画素容量には、表示データが書き込まれ、次の書き込みまで保持される。これにより、1ライン分の表示データが表示される。
【0008】
TFT型液晶表示装置では、通常、液晶パネルは、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の基本3原色に対応する3画素により、実際の表示イメージ1ドット分の色を表示している。例えば、ソースドライバの1出力に対して、液晶パネルには、R、G、Bの画素に対応付けて3個のスイッチが設けられている。TFT型液晶表示装置では、この3個のスイッチを一定時間毎に切り替えることにより、1つのアンプ(1出力分)で3画素分(表示1ドット分)を駆動する。この手法は3時分割駆動と呼ばれる。例えば、特開2003−208132号公報に記載されている。
【0009】
TFT型液晶表示装置では、通常、ゲートドライバにより走査(選択)された1ラインに対応した画素を1水平期間(走査期間、又は、水平同期信号周期、以下、1H)内に駆動しなければならない。従って、TFT型液晶表示装置では、時分割駆動を実行する場合、スイッチの切り替えを上記1H間に実施しなければならない。
【0010】
一方、コスト低減、パネルサイズの低減、パネル画素数の増大に伴い、TFT型液晶表示装置のソースドライバとしてモバイル向けのドライバが普及されつつある。この場合、ドライバの1出力にて6画素分、9画素分、12画素分を駆動する仕様が求められている。このようなドライバは、当然、時分割数を増やすことにより1H/6、1H/9、1H/12の時間で各画素を駆動しなければならない。
【0011】
特開2003−208132号公報に記載されたTFT型液晶表示装置の構成を6時分割駆動にした場合、即ち、6画素(2ドット)分を駆動する場合について図1、2を用いて説明する。図2は、図1の構成の動作を示すタイミングチャートである。
【0012】
ドライバ101は、1番目から6番目までの6個の保持部111と、6個の入力切替スイッチ112“SW1〜SW6”と、D/Aコンバータ113と、アンプ114と、制御部120と、を具備している。
【0013】
液晶パネル140は、6個のデータ線切替スイッチ144“SWp1〜SWp6”を具備している。
【0014】
6個の保持部111は、それぞれ、供給される表示データ151“DATAm1〜DATAm6”を保持する。
【0015】
6個の入力切替スイッチ112“SW1〜SW6”は、それぞれ、6個の保持部111の出力に接続されている。6個の入力切替スイッチ112“SW1〜SW6”のうちの1つの入力切替スイッチ112“SWj(j=1、2、…、6)”は、1クロック分の入力切替制御信号121“ENj”に応じてオンする。
【0016】
D/Aコンバータ113は、6個の入力切替スイッチ112“SW1〜SW6”に接続されている。D/Aコンバータ113は、6個の保持部111のうちの、上記1つの入力切替スイッチ112“SWj”に接続された保持部111の表示データ151“DATAmj”を出力階調電圧152“DAOUTm”に変換する。
【0017】
アンプ114は、その入力がD/Aコンバータ113に接続され、その出力が出力ノードOUTmに接続されている。アンプ114は、D/Aコンバータ113からの出力階調電圧152“DAOUTm”を出力ノードOUTmに出力する。
【0018】
液晶パネル140には、出力ノードOUTmに接続された6本のデータ線141“SOm1〜SOm6”が設けられている。
【0019】
6個のデータ線切替スイッチ144“SWp1〜SWp6”は、それぞれ、6本のデータ線141“SOm1〜SOm6”上に設けられている。6個のデータ線切替スイッチ144“SWp1〜SWp6”のうちの1つのデータ線切替スイッチ144“SWpj(j=1、2、…、6)”は、1クロック分のデータ線切替制御信号123“OENj”に応じてオンする。
【0020】
制御部120は、6個の入力切替スイッチ112“SW1〜SW6”、6個のデータ線切替スイッチ144“SWp1〜SWp6”に接続されている。制御部120は、入力切替制御信号121“EN1〜EN6”をそれぞれ1番目から6番目までこの順に6個の入力切替スイッチ112“SW1〜SW6”に供給する。制御部120は、入力切替制御信号121“EN1〜EN6”に同期させてデータ線切替制御信号123“OEN1〜OEN6”をそれぞれ1番目から6番目までこの順に6個のデータ線切替スイッチ144“SWp1〜SWp6”に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2003−208132号公報
【特許文献2】特開2007−163913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
通常、1水平期間(1H)は、1画面を書き換える時間(フレーム周波数)を1画面の走査数(表示ライン数)にて割った時間である。そこで、TFT型液晶表示装置では、フリッカーと呼ばれるチラツキの影響を避けるため、時分割数が増えてもフレーム周波数を遅くすることはできない。即ち、時分割に対応して1Hを大きくすることはできない。そのため、チップ面積削減のために時分割数を増やした場合には、例えば、M時分割(Mは3の倍数)にした時には、1個のソースドライバがM画素分を駆動する時間は、1H÷M以下である必要がある。逆にこの時間内で1画素を駆動できなければ、M時分割駆動にて1Hを超えるため、次のラインの画素(データ)駆動ができなくなってしまう。
【0023】
従って、1画素を駆動する期間が、1H/3、1H/6、1H/9、1H/12・・・・となるにつれて、高速駆動が必要不可欠になるが、その期間を早くするには、アンプ114の入力である、DAC(D/Aコンバータ113)のセットリングを早くし、且つ、アンプ114のスルーレート、及び、セットリングを早くする必要がある。
【0024】
上述のTFT型液晶表示装置では、6時分割駆動を実行した場合、入力切替制御信号EN1〜EN6に同期して表示データ151“DATAm1〜DATAm6”が順次選択されて、出力階調電圧152“DAOUT1〜DAOUT6”としてデータ線141“SOm1〜SOm6”に出力される。ソースドライバ101において、D/Aコンバータ113が、入力切替制御信号ENj(j=1、2、…、6)に応じた表示データ151“DATAmj”を入力し、電源回路130により生成された複数の階調電圧の中から、表示データ151“DATAmj”に応じた出力階調電圧152“DAOUTj”を選択し、出力するまでの時間をDAC遅延時間(Td_DA)と定義する。また、アンプ114が、出力階調電圧152“DAOUTj”を入力して、その出力が安定(確定)するまでの時間をアンプセットリング時間(Td_Amp)と定義する。この場合、入力切替制御信号ENj(j=1、2、…、6)により表示データ151“DATAmj”が選択されてから、アンプ114から出力階調電圧152“DAOUTj”が出力されるまでの時間は、DAC遅延時間(Td_DA)とアンプセットリング時間(Td_Amp)との和により決まる。
【0025】
DAC遅延時間(Td_DA)は、電源回路130の出力インピーダンスと寄生負荷とで決まるCR時定数と、DAC(D/Aコンバータ113)を構成するトランジスタスイッチのオン抵抗と寄生容量とで決まるCR時定数と、に比例した遅延である。従って、上述のTFT型液晶表示装置に対して、例えばDAC遅延時間(Td_DA)を単純に半減するには、電源回路130の階調抵抗素子の総抵抗(Rall)を半分にして、DAC内のトランジスタスイッチの数を倍にしてオン抵抗を半分にすることになる。しかし、この場合、電源回路130内の階調抵抗素子に流れる電流は、表示に関わらず倍になる。また、DAC内のトランジスタスイッチの数を倍にすることにより、レイアウトサイズも倍となる。
【0026】
また、上述のTFT型液晶表示装置では、アンプ114のセットリング遅延についてもスルーレート、及び、出力インピーダンスを低減するために、バイアス電流を倍にし、アンプ114の出力段のトランジスタサイズを倍にする必要が生じてしまう。従って、現状のソースドライバ101でセットリング時間のマージンがない状態の場合は、単純に時分割数を倍にしてソースドライバ101の駆動時間を半分にする必要がある。しかし、レイアウトサイズは倍、電流も倍となり、本来のモバイルにおける要求事項を満足しなくなるため、LCD向けのソースドライバ101として利用価値がなくなってしまうという問題が発生しつつある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0028】
本発明の表示装置は、
表示部(40)と、
前記表示部(40)に表示するための表示データ(51)が供給され、前記表示データ(51)を保持する1番目からM番目までのM個(Mは3の倍数又は2の倍数である)の保持部(11)と、ここで、前記M個の保持部(11)はY個のグループに分けられ、1グループは、1番目からX番目までのX個の保持部(11)を含み(Yは2以上の整数であり、Xは、M=X×Yを満たす整数である)、
それぞれ、前記M個の保持部(11)の出力に接続されたM個の入力切替スイッチ(12)と、ここで、前記M個の入力切替スイッチ(12)はY個のグループに分けられ、1グループは、1番目からX番目までのX個の入力切替スイッチ(12)を含み、前記Y個のグループにおいて、前記X個の入力切替スイッチ(12)のうちの1つの入力切替スイッチ(12)は、Yクロック分の入力切替制御信号(21)に応じてオンし、
それぞれ、前記Y個のグループの前記X個の入力切替スイッチ(12)に接続されたY個のD/Aコンバータ(13)と、前記Y個のD/Aコンバータ(13)は、それぞれ、前記Y個のグループの前記X個の保持部(11)のうちの、前記1つの入力切替スイッチ(12)に対応する保持部(11)に保持された前記表示データ(51)を出力階調電圧(52)に変換し、
それぞれ、前記Y個のD/Aコンバータ(13)からの前記出力階調電圧(52)を出力するY個のアンプ(14)と、
それぞれ、前記Y個のアンプ(14)の出力と出力ノードとの間に設けられたY個の出力切替スイッチ(15)と、前記Y個の出力切替スイッチ(15)のうちの1つの出力切替スイッチ(15)は、1クロック分の出力切替制御信号(22)に応じてオンし、前記表示部(40)には、前記出力ノードに接続されたM本のデータ線(41)が設けられ、
それぞれ、前記M本のデータ線(41)上に設けられたM個のデータ線切替スイッチ(44)と、前記M個のデータ線切替スイッチ(44)のうちの1つのデータ線切替スイッチ(44)は、1クロック分のデータ線切替制御信号(23)に応じてオンし、
前記入力切替制御信号(21)を1番目からM番目までこの順にそれぞれ前記M個の入力切替スイッチ(12)に供給し、前記出力切替制御信号(22)を1番目からY番目までこの順にそれぞれ前記Y個の出力切替スイッチ(15)に供給し、前記入力切替制御信号(21)のYクロック目に同期させて前記データ線切替制御信号(23)を1番目からM番目までこの順にそれぞれ前記M個のデータ線切替スイッチ(44)に供給する制御部(20)と、
を具備している。
【発明の効果】
【0029】
本発明の表示装置によれば、1出力にY個(Yは2以上の整数)のD/Aコンバータ(13)とY個のアンプ(14)とY個の出力切替スイッチ(15)とを備え、M個の保持部(11)、M個の入力切替スイッチ(12)をY個のグループに分けている。そこで、出力切替スイッチ(15)は、時分割タイミング(出力切替制御信号(22))に同期することにより、アンプ(14)の出力の切り替えを行う。また、出力切替スイッチ(15)の切り替わりタイミングの周期をTとしたとき、D/Aコンバータ(13)が表示データ(51)を入力するタイミングは、上記の時分割タイミングより位相をT/Y進めて、周期(Y×T)としている。即ち、D/Aコンバータ(13)が、Yクロック分の入力切替制御信号(21)により表示データ(51)を入力した場合、表示データ(51)に応じた出力階調電圧(52)は、入力切替制御信号(21)のYクロック目にアンプ(14)から出力される。これにより、本発明の表示装置によれば、前述のDAC遅延時間の影響を受けずに高速駆動を実現することができる。また、アンプ(14)の駆動時におけるスルーレートの制限を受けずに高速駆動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、特開2003−208132号公報に記載されたTFT型液晶表示装置の構成を6時分割駆動にした場合の構成を示している。
【図2】図2は、図1の構成の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成として、2アンプによる6時分割駆動にした場合(6画素(2ドット))の構成を示している。
【図4】図4は、図3の構成の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態によるTFT型液晶表示装置の動作の出力(データ)の推移を示すイメージ図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成として、3アンプによる3X時分割駆動にした場合の構成を示している。
【図7】図7は、図6の構成の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置の動作の出力(データ)の推移を示すイメージ図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成として、4アンプによるドット反転駆動にした場合の構成を示している。
【図10】図10は、図9の構成の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態によるTFT型液晶表示装置について詳細に説明する。
【0032】
図3は、本発明の実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成を示している。そのTFT型液晶表示装置は、表示部(液晶パネル)40と、ゲートドライバ(図示しない)と、ソースドライバ1と、電源回路30と、を具備している。
【0033】
液晶パネル40は、マトリクス状に配置された複数の画素43を具備している。複数の画素43の各々は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transister:TFT)と、画素容量と、を具備している。画素容量は、画素電極と、画素電極に対向する対向電極と、を具備している。TFTは、ドレイン電極と、画素電極に接続されたソース電極と、ゲート電極と、を具備している。
【0034】
液晶パネル40は、更に、複数のゲート線42と、複数のデータ線41と、を具備している。複数のゲート線42は、それぞれ、行に設けられた画素43のTFTのゲート電極に接続されている。複数のデータ線41は、それぞれ、列に設けられた画素43のTFTのドレイン電極に接続されている。
【0035】
電源回路30は、直列接続された階調抵抗素子を備えている。電源回路30は、基準電圧を階調抵抗素子により分圧し、複数の階調電圧を生成する。
【0036】
1水平期間において、ゲートドライバには、複数のゲート線42を1番目から最終番目まで順番に選択するための信号が供給される。例えば、ゲートドライバは、その信号に応じて、複数のゲート線42のうちの1つのゲート線42を選択したものとする。この場合、選択信号を1つのゲート線42に出力する。この選択信号は、上記1つのゲート線42に対応する1ライン分の画素43のTFTのゲート電極に供給され、TFTは選択信号によりオンする。他のゲート線42についても同じである。
【0037】
ソースドライバ1には、1画面(1フレーム)分の表示データと、クロック信号CLKと、が供給される。1画面分の表示データは、1ライン目から最終ライン目までの表示データを含んでいる。1ライン分の表示データは、複数のデータ線41のそれぞれに対応する表示データを含んでいる。ソースドライバ1は、クロック信号CLKに従って、複数の階調電圧の中から、表示データに応じた出力階調電圧を選択して、複数のデータ線41に出力する。このとき、複数のゲート線42のうちの1つのゲート線42と複数のデータ線41とに対応する画素43のTFTはオンしている。このため、上記画素43の画素容量には、表示データが書き込まれ、次の書き込みまで保持される。これにより、1ライン分の表示データが表示される。
【0038】
本発明の実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成をM時分割駆動にした場合、即ち、M画素(Yドット)分を駆動する場合について図1を用いて説明する。Mは3の倍数であり、Yは2以上の整数であり、Xは、M=X×Yを満たす整数である。
【0039】
ドライバ1は、1番目からM番目までのM個の保持部11と、M個の入力切替スイッチ12と、Y個のD/Aコンバータ13と、Y個のアンプ14と、Y個の出力切替スイッチ15と、制御部20と、を具備している。
【0040】
液晶パネル40は、M個のデータ線切替スイッチ44を具備している。
【0041】
M個の保持部11は、それぞれ、供給される表示データ51を保持する。M個の保持部11はY個のグループに分けられる。1グループは、1番目からX番目までのX個の保持部11を含んでいる。
【0042】
M個の入力切替スイッチ12は、それぞれ、M個の保持部11の出力に接続されている。M個の入力切替スイッチ12はY個のグループに分けられる。1グループは、1番目からX番目までのX個の入力切替スイッチ12を含んでいる。Y個のグループにおいて、X個の入力切替スイッチ12のうちの1つの入力切替スイッチ12は、Yクロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。
【0043】
Y個のD/Aコンバータ13は、それぞれ、Y個のグループのX個の入力切替スイッチ12に接続されている。Y個のD/Aコンバータ13は、それぞれ、Y個のグループのX個の保持部11のうちの、上記1つの入力切替スイッチ12に接続された保持部11の表示データ51を出力階調電圧52に変換する。
【0044】
Y個のアンプ14の入力は、それぞれ、Y個のD/Aコンバータ13の出力に接続されている。Y個のアンプ14は、それぞれ、Y個のD/Aコンバータ13からの出力階調電圧52を出力する。
【0045】
Y個の出力切替スイッチ15は、それぞれ、Y個のアンプ14の出力と出力ノードOUTmとの間に設けられている。Y個の出力切替スイッチ15のうちの1つの出力切替スイッチ15は、1クロック分の出力切替制御信号22に応じてオンする。
【0046】
液晶パネル40には、出力ノードOUTmに接続されたM本のデータ線41が設けられている。
【0047】
M個のデータ線切替スイッチ44は、それぞれ、M本のデータ線41上に設けられている。M個のデータ線切替スイッチ44のうちの1つのデータ線切替スイッチ44は、1クロック分のデータ線切替制御信号23に応じてオンする。
【0048】
制御部20は、M個の入力切替スイッチ12、Y個の出力切替スイッチ15、M個のデータ線切替スイッチ44に接続されている。制御部20は、入力切替制御信号21を1番目からM番目までこの順にそれぞれM個の入力切替スイッチ12に供給する。制御部20は、出力切替制御信号22を1番目からY番目までこの順にそれぞれY個の出力切替スイッチ15に供給する。制御部20は、入力切替制御信号21のYクロック目に同期させてデータ線切替制御信号23を1番目からM番目までこの順にそれぞれM個のデータ線切替スイッチ44に供給する。
【0049】
本発明の実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、1出力にY個(Yは2以上の整数)のDAC(D/Aコンバータ13)とY個のアンプ14とY個の出力切替スイッチ15とを備え、M個の保持部11、M個の入力切替スイッチ12をY個のグループに分けている。そこで、出力切替スイッチ15は、時分割タイミング(出力切替制御信号22)に同期することにより、アンプ14の出力の切り替えを行う。また、出力切替スイッチ15の切り替わりタイミングの周期をTとしたとき、D/Aコンバータ13が表示データ51を入力するタイミングは、上記の時分割タイミングより位相をT/Y進めて、周期(Y×T)としている。即ち、D/Aコンバータ13が、Yクロック分の入力切替制御信号21により表示データ51を入力した場合、表示データ51に応じた出力階調電圧52は、入力切替制御信号21のYクロック目にアンプ14から出力される。これにより、本発明の実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、前述のDAC遅延時間(Td_DA)の影響を受けずに高速駆動を実現することができる。また、アンプ14の駆動時におけるスルーレートの制限を受けずに高速駆動を実現することができる。
【0050】
次に、本発明の実施形態によるTFT型液晶表示装置について具体例を用いて説明する。
【0051】
(第1実施形態)
図3は、本発明の第1実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成として、2アンプによる6時分割駆動にした場合(6画素(2ドット))の構成を示している。図4は、図3の構成の動作を示すタイミングチャートである。第1実施形態では、上述の実施形態と重複する説明を省略する。
【0052】
本発明の第1実施形態によるTFT型液晶表示装置では、液晶パネル40は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各原色を表すRGBに適用される。Mが3の倍数である場合、Xは3を表し、Yは2以上を表している。本実施形態では、例えば、M、X、Yがそれぞれ6、3、2を表している場合について説明する。
【0053】
この場合、ドライバ1は、1番目から6番目までの6個の保持部11と、6個の入力切替スイッチ12“SW1〜SW6”と、2個のD/Aコンバータ13“DAC1〜DAC2”と、2個のアンプ14“OAMP1〜OAMP2”と、2個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO2”と、制御部20と、を具備している。
【0054】
液晶パネル40は、6個のデータ線切替スイッチ44“SWp1〜SWp6”を具備している。
【0055】
6個の保持部11は、それぞれ、供給される表示データ51“DATAm1〜DATAm6”を保持する。6個の保持部11は2個のグループに分けられる。2個のグループのうちの第1グループは、6個の保持部11のうちの、奇数番目の保持部11である第1、3、5保持部11を含んでいる。2個のグループのうちの第2グループは、偶数番目の保持部11である第2、4、6保持部11を含んでいる。
【0056】
6個の入力切替スイッチ12“SW1〜SW6”は、それぞれ、6個の保持部11の出力に接続されている。6個の入力切替スイッチ12“SW1〜SW6”は2個のグループに分けられる。2個のグループのうちの第1グループは、6個の入力切替スイッチ12“SW1〜SW6”のうちの、奇数番目の入力切替スイッチ12である第1、3、5入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW1、SW3、SW5”)を含んでいる。入力切替スイッチ12“SW1、SW3、SW5”のうちの1つの入力切替スイッチ12として、入力切替スイッチ12“SWI(I=1、3、5)”は、2クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。2個のグループのうちの第2グループは、偶数番目の入力切替スイッチ12である第2、4、6入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW2、SW4、SW6”)を含んでいる。入力切替スイッチ12“SW2、SW4、SW6”のうちの1つの入力切替スイッチ12として、入力切替スイッチ12“SWJ(J=2、4、6)”は、2クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。ここで、2クロック分を1選択期間(TwEn)とする。
【0057】
2個のD/Aコンバータ13“DAC1〜DAC2”は、それぞれ、2個のグループの3個の入力切替スイッチ12に接続されている。即ち、2個のD/Aコンバータ13“DAC1〜DAC2”のうちの、第1D/Aコンバータ13であるD/Aコンバータ13“DAC1”は、第1グループの3個の入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW1、SW3、SW5”)に接続されている。2個のD/Aコンバータ13“DAC1〜DAC2”のうちの、第2D/Aコンバータ13であるD/Aコンバータ13“DAC2”は、第2グループの3個の入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW2、SW4、SW6”)に接続されている。D/Aコンバータ13“DAC1”は、第1グループの第1、3、5保持部11のうちの、第1グループの上記1つの入力切替スイッチ12“SWI(I=1、3、5)”に接続された保持部11の表示データ51“DATAmI”を出力階調電圧52“DAOUT1”に変換する。D/Aコンバータ13“DAC2”は、第2グループの第2、4、6保持部11のうちの、第2グループの上記1つの入力切替スイッチ12“SWJ(J=2、4、6)”に接続された保持部11の表示データ51“DATAmJ”を出力階調電圧52“DAOUT2”に変換する。
【0058】
2個のアンプ14“OAMP1〜OAMP2”のうちの第1アンプ14であるアンプ14“OAMP1”の入力は、D/Aコンバータ13“DAC1”の出力に接続されている。第2アンプ14であるアンプ14“OAMP2”の入力は、D/Aコンバータ13“DAC2”の出力に接続されている。アンプ14“OAMP1”は、D/Aコンバータ13“DAC1”からの出力階調電圧52“DAOUT1”を出力する。アンプ14“OAMP2”は、D/Aコンバータ13“DAC2”からの出力階調電圧52“DAOUT2”を出力する。
【0059】
2個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO2”のうちの第1出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO1”は、アンプ14“OAMP1”の出力と出力ノードOUTmとの間に設けられている。第2出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO2”は、アンプ14“OAMP2”の出力と出力ノードOUTmとの間に設けられている。2個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO2”のうちの1つの出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWOK(K=1、2)”は、1クロック分の出力切替制御信号22“SELK(K=1、2)”に応じてオンする。
【0060】
液晶パネル40には、出力ノードOUTmに接続された6本のデータ線41“SOm1〜SOm6”が設けられている。
【0061】
6個のデータ線切替スイッチ44“SWp1〜SWp6”は、それぞれ、6本のデータ線41“SOm1〜SOm6”上に設けられている。6個のデータ線切替スイッチ44“SWp1〜SWp6”のうちの1つのデータ線切替スイッチ44“SWpj(j=1、2、…、6)”は、1クロック分のデータ線切替制御信号23“OENj”に応じてオンする。ここで、1クロック分を1選択期間(TwOEn)とする。
【0062】
制御部20は、6個の入力切替スイッチ12“SW1〜SW6”、2個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO2”、6個のデータ線切替スイッチ44“SWp1〜SWp6”に接続されている。制御部20は、入力切替制御信号21“EN1〜EN6”をそれぞれ1番目から6番目までこの順に6個の入力切替スイッチ12“SW1〜SW6”に供給する。制御部20は、出力切替制御信号22“SEL1〜SEL2”をそれぞれ1番目から2番目までこの順に2個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO2”に供給する。制御部20は、入力切替制御信号21“EN1〜EN6”の2クロック目に同期させてデータ線切替制御信号23“OEN1〜OEN6”をそれぞれ1番目から6番目までこの順に6個のデータ線切替スイッチ44“SWp1〜SWp6”に供給する。
【0063】
図4に示されるように、入力切替制御信号21“EN1〜EN6”の選択期間(TwEn)はそれぞれ、データ線切替制御信号23“OEN1〜OEN6”の2倍(2×TwOEn)であり、入力切替制御信号21“EN1〜EN6”の位相は、それぞれ、データ線切替制御信号23“OEN1〜OEN6”の1選択期間分早いタイミングとなっている。
【0064】
図5は、本発明の第1実施形態によるTFT型液晶表示装置の動作の出力(データ)の推移を示すイメージ図である。第1D/Aコンバータ13(DAC1)の入力、出力をそれぞれDAIN1、DAOUT1とし、第2D/Aコンバータ13(DAC2)の入力、出力をそれぞれDAIN2、DAOUT2として、最終出力端子の出力値をOUTmとした場合の各ポイントでのデータ状態をイメージ的に示したものである。図5によれば、第1、2D/Aコンバータ13の入力/出力の変化ポイントは、丁度、周期T/2だけずれていて、且つ、第1、2D/Aコンバータ13が時間0〜T/2に表示データ51を入力したとき、時間T/2〜Tにおける表示データ51(出力階調電圧52)が出力に反映されている。
【0065】
ここで、本実施形態では、DAC入力の変化タイミングは、DAC入力周期の半分(TwOEn)であったが、DAC自体に実力があれば、DAC入力周期の1/4でも問題ない。アンプ駆動タイミングへ影響しないためには、TwOEn〜Td_DACの範囲で位相をシフトさせても良い。
【0066】
本発明の第1実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、1出力に2個のDAC(D/Aコンバータ13)と2個のアンプ14と2個の出力切替スイッチ15とを備え、6個の保持部11、6個の入力切替スイッチ12を2個のグループに分けている。そこで、出力切替スイッチ15は、時分割タイミング(出力切替制御信号22)に同期することにより、アンプ14の出力の切り替えを行う。また、出力切替スイッチ15の切り替わりタイミングの周期をTとしたとき、D/Aコンバータ13が表示データ51を入力するタイミングは、上記の時分割タイミングより位相をT/2進めて、周期(2×T)としている。即ち、D/Aコンバータ13が、2クロック分の入力切替制御信号21により表示データ51を入力した場合、表示データ51に応じた出力階調電圧52は、入力切替制御信号21の2クロック目にアンプ14から出力される。これにより、本発明の第1実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、前述のDAC遅延時間(Td_DA)の影響を受けずに高速駆動を実現することができる。また、アンプ14の駆動時におけるスルーレートの制限を受けずに高速駆動を実現することができる。
【0067】
(第2実施形態)
液晶パネル40は、R、G、Bが並んだ形で画素を構成しているが、白黒のストライプ表示等の一般に表示しないパネルテスト用の特殊表示を除けば、隣り合うR、G、Bそれぞれの画素の輝度は近い場合が多い。今、隣り合うドットを、[R1、G1、B1]、[R2、G2、B2]とすれば、[R1]と[R2]、[G1]と[G2]、[B1]と[B2]は、それぞれ近い輝度となる。それは、以下の考察からもわかる。[R1]と[G1]は画素の配置としては、[R1]と[R2]より近くに配置されるが、例えば、ストライプ表示以外で赤っぽい自然画を表示している場合には、[R1]>>[G1]、[B1]と[R2]>>[G2]、[B2]であり、明らかに[R1]>>[G1]であるが、[R1]>>[R2]ではないことは明白である。従って、表示データ51(出力階調電圧52)としては、色の異なる画素間の電圧は、隣り合う同じ色の画素間の電圧より大きく変化する。従って、[R1]を駆動した駆動回路(DAC+アンプ)が[R2]を駆動した方が、電圧の変動がより少ない。このため、アンプによる無駄な充放電、ソースドライバ1内のDACやスイッチの切替時における寄生容量への無駄な充放電が少なく、消費電流においても、アンプのセットリング時間においても有利である。これを実現するために、第2実施形態では、3個の駆動回路(アンプ、DAC)を備えて(後述の図6のDRIVER参照)、その駆動回路へのデータ入力をR、G、B毎に対応させることにより、3個のアンプは、それぞれ、R、G、Bだけの駆動となり、且つ、無駄な回路、及び、パネル負荷の充放電が低減される。
【0068】
図6は、本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成として、3アンプによる3X時分割駆動にした場合の構成を示している。図7は、図6の構成の動作を示すタイミングチャートである。第2実施形態では、上述の実施形態と重複する説明を省略する。
【0069】
本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置では、液晶パネル40は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各原色を表すRGBに適用される。Mが3の倍数である場合、Yは3を表し、Xは2以上を表している。
【0070】
この場合、ドライバ1は、1番目からM番目までのM個の保持部11と、M個の入力切替スイッチ12“SWR1、SWG1、SWB1、…、SWRX、SWGX、SWBX”と、3個のD/Aコンバータ13と、3個のアンプ14と、3個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO3”と、制御部20と、を具備している。
【0071】
液晶パネル40は、M個のデータ線切替スイッチ44“SWpR1、SWpG1、SWpB1、…、SWpRX、SWpGX、SWpBX”を具備している。
【0072】
M個の保持部11は、それぞれ、供給される表示データ51“DR1、DG1、DB1、…、DRX、DGX、DBX”を保持する。M個の保持部11は3個のグループに分けられる。3個のグループのうちの第1グループは、赤(Red)に適用される保持部11として、X個の保持部11を含んでいる。3個のグループのうちの第2グループは、緑(Green)に適用される保持部11として、X個の保持部11を含んでいる。3個のグループのうちの第3グループは、青(Blue)に適用される保持部11として、X個の保持部11を含んでいる。
【0073】
M個の入力切替スイッチ12“SWR1、SWG1、SWB1、…、SWRX、SWGX、SWBX”は、それぞれ、M個の保持部11の出力に接続されている。M個の入力切替スイッチ12“SWR1、SWG1、SWB1、…、SWRX、SWGX、SWBX”は3個のグループに分けられる。3個のグループのうちの第1グループは、赤(Red)に適用される入力切替スイッチ12として、X個の入力切替スイッチ12“SWR1、…、SWRX”を含んでいる。X個の入力切替スイッチ12“SWR1、…、SWRX”のうちの1つの入力切替スイッチ12“SWRZ(Z=1、2、…、X)”は、3クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。3個のグループのうちの第2グループは、緑(Green)に適用される入力切替スイッチ12として、X個の入力切替スイッチ12“SWG1、…、SWGX”を含んでいる。X個の入力切替スイッチ12“SWG1、…、SWGX”のうちの1つの入力切替スイッチ12“SWGZ(Z=1、2、…、X)”は、3クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。3個のグループのうちの第3グループは、青(Blue)に適用される入力切替スイッチ12として、X個の入力切替スイッチ12“SWB1、…、SWBX”を含んでいる。X個の入力切替スイッチ12“SWB1、…、SWBX”のうちの1つの入力切替スイッチ12“SWBZ(Z=1、2、…、X)”は、3クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。ここで、3クロック分を1選択期間(TwEn)とする。
【0074】
3個のD/Aコンバータ13は、それぞれ、3個のグループのX個の入力切替スイッチ12に接続されている。即ち、3個のD/Aコンバータ13のうちの、赤(Red)に適用される第1D/Aコンバータ13は、第1グループのX個の入力切替スイッチ12“SWR1、…、SWRX”に接続されている。緑(Green)に適用される第2D/Aコンバータ13は、第2グループのX個の入力切替スイッチ12“SWG1、…、SWGX”に接続されている。青(Blue)に適用される第3D/Aコンバータ13は、第3グループのX個の入力切替スイッチ12“SWB1、…、SWBX”に接続されている。第1D/Aコンバータ13は、第1グループのX個の保持部11のうちの、第1グループの上記1つの入力切替スイッチ12“SWRZ(Z=1、2、…、X)”に接続された保持部11の表示データ51“DRZ”を出力階調電圧52“DAOUT_R”に変換する。第2D/Aコンバータ13は、第2グループのX個の保持部11のうちの、第2グループの上記1つの入力切替スイッチ12“SWGZ(Z=1、2、…、X)”に接続された保持部11の表示データ51“DGZ”を出力階調電圧52“DAOUT_G”に変換する。第3D/Aコンバータ13は、第3グループのX個の保持部11のうちの、第3グループの上記1つの入力切替スイッチ12“SWBZ(Z=1、2、…、X)”に接続された保持部11の表示データ51“DBZ”を出力階調電圧52“DAOUT_B”に変換する。
【0075】
3個のアンプ14のうちの第1アンプ14の入力は、第1D/Aコンバータ13の出力に接続されている。第2アンプ14の入力は、第2D/Aコンバータ13の出力に接続されている。第3アンプ14の入力は、第3D/Aコンバータ13の出力に接続されている。第1アンプ14は、第1D/Aコンバータ13からの出力階調電圧52“DAOUT_R”を出力する。第2アンプ14は、第2D/Aコンバータ13からの出力階調電圧52“DAOUT_G”を出力する。第3アンプ14は、第3D/Aコンバータ13からの出力階調電圧52“DAOUT_B”を出力する。
【0076】
3個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO3”のうちの第1出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO1”は、第1アンプ14の出力と出力ノードOUTmとの間に設けられている。第2出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO2”は、第2アンプ14の出力と出力ノードOUTmとの間に設けられている。第3出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO3”は、第3アンプ14の出力と出力ノードOUTmとの間に設けられている。3個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO3”のうちの1つの出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWOK(K=1、2、3)”は、1クロック分の出力切替制御信号22“ASEL(A=R、G、B)”に応じてオンする。
【0077】
液晶パネル40には、出力ノードOUTmに接続されたM本のデータ線41“SOmR1、SOmG1、SOmB1、…、SOmRX、SOmGX、SOmBX”が設けられている。
【0078】
M個のデータ線切替スイッチ44“SWpR1、SWpG1、SWpB1、…、SWpRX、SWpGX、SWpBX”は、それぞれ、M本のデータ線41“SOmR1、SOmG1、SOmB1、…、SOmRX、SOmGX、SOmBX”上に設けられている。M個のデータ線切替スイッチ44“SWpR1、SWpG1、SWpB1、…、SWpRX、SWpGX、SWpBX”のうちの1つのデータ線切替スイッチ44は、1クロック分のデータ線切替制御信号23に応じてオンする。ここで、1クロック分を1選択期間(TwOEn)とする。
【0079】
制御部20は、M個の入力切替スイッチ12“SWR1、SWG1、SWB1、…、SWRX、SWGX、SWBX”、3個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO3”、M個のデータ線切替スイッチ44“SWpR1、SWpG1、SWpB1、…、SWpRX、SWpGX、SWpBX”に接続されている。制御部20は、入力切替制御信号21“ENR1、ENG1、ENB1、…、ENRX、ENGX、ENBX”をそれぞれ1番目からM番目までこの順にM個の入力切替スイッチ12“SWR1、SWG1、SWB1、…、SWRX、SWGX、SWBX”に供給する。制御部20は、出力切替制御信号22“RSEL、GSEL、BSEL”をそれぞれ1番目から3番目までこの順に3個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO3”に供給する。制御部20は、入力切替制御信号21の3クロック目に同期させてデータ線切替制御信号23“OER1、OEG1、OEB1、…、OERX、OEGX、OEBX”をそれぞれ1番目からM番目までこの順にM個のデータ線切替スイッチ44“SWpR1、SWpG1、SWpB1、…、SWpRX、SWpGX、SWpBX”に供給する。
【0080】
図7に示されるように、入力切替制御信号21“ENR1、ENG1、ENB1、…、ENRX、ENGX、ENBX”の選択期間(TwEn)はそれぞれ、データ線切替制御信号23“OER1、OEG1、OEB1、…、OERX、OEGX、OEBX”の3倍(3×TwOEn)であり、入力切替制御信号21“ENR1、ENG1、ENB1、…、ENRX、ENGX、ENBX”の位相は、それぞれ、データ線切替制御信号23“OER1、OEG1、OEB1、…、OERX、OEGX、OEBX”の2選択期間分早いタイミングとなっている。
【0081】
図8は、本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置の動作の出力(データ)の推移を示すイメージ図である。第1D/Aコンバータ13の入力、出力をそれぞれDRIVIN_Rm、DAOUT_Rとし、第2D/Aコンバータ13の入力、出力をそれぞれDRIVIN_Gm、DAOUT_Gとし、第3D/Aコンバータ13の入力、出力をそれぞれDRIVIN_Bm、DAOUT_Bとして、最終出力端子の出力値をOUTmとした場合の各ポイントでのデータ状態をイメージ的に示したものである。図8によれば、第1〜3D/Aコンバータ13の入力/出力の変化ポイントは、丁度、周期T/3ずつずれていて、且つ、第1、2D/Aコンバータ13が時間0〜T/3に表示データ51を入力したとき、時間2T/3〜Tにおける表示データ51(出力階調電圧52)が出力に反映されている。
【0082】
本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、1出力に3個のDAC(D/Aコンバータ13)と3個のアンプ14と3個の出力切替スイッチ15とを備え、M(M=3X)個の保持部11、(3X)個の入力切替スイッチ12を3個のグループに分けている。そこで、出力切替スイッチ15は、時分割タイミング(出力切替制御信号22)に同期することにより、アンプ14の出力の切り替えを行う。また、出力切替スイッチ15の切り替わりタイミングの周期をTとしたとき、D/Aコンバータ13が表示データ51を入力するタイミングは、上記の時分割タイミングより位相をT/3進めて、周期(3×T)としている。即ち、D/Aコンバータ13が、3クロック分の入力切替制御信号21により表示データ51を入力した場合、表示データ51に応じた出力階調電圧52は、入力切替制御信号21の3クロック目にアンプ14から出力される。これにより、本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、前述のDAC遅延時間(Td_DA)の影響を受けずに高速駆動を実現することができる。また、アンプ14の駆動時におけるスルーレートの制限を受けずに高速駆動を実現することができる。
【0083】
本発明の第2実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、3個の駆動回路(アンプ14、D/Aコンバータ13)へのデータ入力をR、G、B毎に対応させることにより、3個のアンプ14は、それぞれ、R、G、Bだけの駆動となり、且つ、無駄な回路、及び、パネル負荷の充放電が低減される。
【0084】
(第3実施形態)
ドット反転駆動においては、隣り合う画素出力の極性が異なる為、正極性アンプ、負極性アンプの2個を2出力にアサインして、スイッチにて正、負の極性に合わせて交互に出力をそれぞれ切り替えている(例えば特開2007−163913号公報)。そこで、ドット反転駆動においても、時分割駆動を行う際には本発明を適用することができる。これを実現するために、第3実施形態では、駆動回路(後述の図9のDRIVER参照)は最低2個×2極性(正、負)で駆動することが必要となる。
【0085】
図9は、本発明の第3実施形態によるTFT型液晶表示装置の構成として、4アンプによるドット反転駆動にした場合の構成を示している。図10は、図9の構成の動作を示すタイミングチャートである。第3実施形態では、上述の実施形態と重複する説明を省略する。
【0086】
本発明の第3実施形態によるTFT型液晶表示装置では、液晶パネル40は、2ドット反転による正極駆動及び負極駆動に適用される。Mが2の倍数である場合、Yは4を表し、Xは2以上を表している。
【0087】
この場合、ドライバ1は、1番目からM番目までのM個の保持部11と、M個の入力切替スイッチ12“SW1、SW2、SW3、SW4、…、SW4X−3、SW4X−2、SW4X−1、SW4X”と、4個のD/Aコンバータ13と、4個のアンプ14と、4個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO4”と、M個のデータ線切替スイッチ44と、制御部20と、セレクタ回路16と、を具備している。
【0088】
液晶パネル40は、M個のデータ線切替スイッチ44を具備している。
【0089】
M個の保持部11は、それぞれ、供給される表示データ51“D1、D2、D3、D4、…、D4X−3、D4X−2、D4X−1、D4X”を保持する。M個の保持部11は4個のグループに分けられる。4個のグループのうちの第1グループは、M個の保持部11のうちの、1、5、…、(4X−3)番目の保持部11であるX個の保持部11(第1、5、…、(4X−3)保持部11)を含んでいる。4個のグループのうちの第2グループは、2、6、…、(4X−2)番目の保持部11であるX個の保持部11(第2、6、…、(4X−2)保持部11)を含んでいる。4個のグループのうちの第3グループは、3、7、…、(4X−1)番目の保持部11であるX個の保持部11(第3、7、…、(4X−1)保持部11)を含んでいる。4個のグループのうちの第4グループは、4、8、…、4X番目の保持部11であるX個の保持部11(第4、8、…、4X保持部11)を含んでいる。
【0090】
M個の入力切替スイッチ12“SW1、SW2、SW3、SW4、…、SW4X−3、SW4X−2、SW4X−1、SW4X”は、それぞれ、M個の保持部11の出力に接続されている。M個の入力切替スイッチ12“SW1、SW2、SW3、SW4、…、SW4X−3、SW4X−2、SW4X−1、SW4X”は4個のグループに分けられる。4個のグループのうちの第1グループは、M個の入力切替スイッチ12“SW1、SW2、SW3、SW4、…、SW4X−3、SW4X−2、SW4X−1、SW4X”のうちの、1、5、…、(4X−3)番目の入力切替スイッチ12である第1、5、…、(4X−3)入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW1、SW5、…、SW(4X−3)”)を含んでいる。入力切替スイッチ12“SW1、SW5、…、SW(4X−3)”のうちの1つの入力切替スイッチ12は、4クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。4個のグループのうちの第2グループは、2、6、…、(4X−2)番目の入力切替スイッチ12である第2、6、…、(4X−2)入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW2、SW6、…、SW(4X−2)”)を含んでいる。入力切替スイッチ12“SW2、SW6、…、SW(4X−2)”のうちの1つの入力切替スイッチ12は、4クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。4個のグループのうちの第3グループは、3、7、…、(4X−1)番目の入力切替スイッチ12である第3、7、…、(4X−1)入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW3、SW7、…、SW(4X−1)”)を含んでいる。入力切替スイッチ12“SW3、SW7、…、SW(4X−1)”のうちの1つの入力切替スイッチ12は、4クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。4個のグループのうちの第4グループは、4、8、…、4X番目の入力切替スイッチ12である第4、8、…、4X入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW4、SW8、…、SW4X”)を含んでいる。入力切替スイッチ12“SW4、SW8、…、SW4X”のうちの1つの入力切替スイッチ12は、4クロック分の入力切替制御信号21に応じてオンする。
【0091】
4個のD/Aコンバータ13は、それぞれ、4個のグループのX個の入力切替スイッチ12に接続されている。即ち、4個のD/Aコンバータ13のうちの、第1D/Aコンバータ13は、第1グループのX個の入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW1、SW5、…、SW(4X−3)”)に接続されている。4個のD/Aコンバータ13のうちの、第2D/Aコンバータ13は、第2グループのX個の入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW2、SW6、…、SW(4X−2)”)に接続されている。4個のD/Aコンバータ13のうちの、第3D/Aコンバータ13は、第3グループのX個の入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW3、SW7、…、SW(4X−1)”)に接続されている。4個のD/Aコンバータ13のうちの、第4D/Aコンバータ13は、第4グループのX個の入力切替スイッチ12(入力切替スイッチ12“SW4、SW8、…、SW4X”)に接続されている。第1D/Aコンバータ13は、第1グループの第1、5、…、(4X−3)保持部11のうちの、第1グループの上記1つの入力切替スイッチ12に接続された保持部11の表示データ51を出力階調電圧52に変換する。第2D/Aコンバータ13は、第2グループの第2、6、…、(4X−2)保持部11のうちの、第2グループの上記1つの入力切替スイッチ12に接続された保持部11の表示データ51を出力階調電圧52に変換する。第3D/Aコンバータ13は、第3グループの第3、7、…、(4X−1)保持部11のうちの、第3グループの上記1つの入力切替スイッチ12に接続された保持部11の表示データ51を出力階調電圧52に変換する。第4D/Aコンバータ13は、第4グループの第4、8、…、4X保持部11のうちの、第4グループの上記1つの入力切替スイッチ12に接続された保持部11の表示データ51を出力階調電圧52に変換する。
【0092】
4個のアンプ14のうちの第1アンプ14の入力は、第1D/Aコンバータ13の出力に接続されている。第2アンプ14の入力は、第2D/Aコンバータ13の出力に接続されている。第3アンプ14の入力は、第3D/Aコンバータ13の出力に接続されている。第4アンプ14の入力は、第4D/Aコンバータ13の出力に接続されている。第1アンプ14は、第1D/Aコンバータ13からの出力階調電圧52を出力する。第2アンプ14は、第2D/Aコンバータ13からの出力階調電圧52を出力する。第3アンプ14は、第3D/Aコンバータ13からの出力階調電圧52を出力する。第4アンプ14は、第4D/Aコンバータ13からの出力階調電圧52を出力する。
【0093】
4個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO4”のうちの第1出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO1”は、第1アンプ14の出力と上述の出力ノードOUTmとして第1出力ノードOUT_Pとの間に設けられている。第2出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO2”は、第2アンプ14の出力と第1出力ノードOUT_Pとの間に設けられている。第3出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO3”は、第3アンプ14の出力と上述の出力ノードOUTmとして第2出力ノードOUT_Nとの間に設けられている。第4出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWO4”は、第4アンプ14の出力と第2出力ノードOUT_Nとの間に設けられている。4個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO4”のうちの1つの出力切替スイッチ15である出力切替スイッチ15“SWOK(K=1、2、3、4)”は、1クロック分の出力切替制御信号22に応じてオンする。
【0094】
セレクタ回路16は、出力切替スイッチ15“SWO1、SWO2”が正極駆動と負極駆動との一方の駆動に適用されるように、第1出力ノードOUT_Pと第1ノードOUT1とを接続し、出力切替スイッチ15“SWO1、SWO2”が正極駆動と負極駆動との他方の駆動に適用されるように、第1出力ノードOUT_Pと第2ノードOUT2とを接続する。セレクタ回路16は、出力切替スイッチ15“SWO3、SWO4”が一方の駆動に適用されるように、第2出力ノードOUT_Nと第2ノードOUT2とを接続し、出力切替スイッチ15“SWO3、SWO4”が他方の駆動に適用されるように、第2出力ノードOUT_Nと第2ノードOUT2とを接続する。
【0095】
液晶パネル40には、M本のデータ線41が設けられている。M本のデータ線41のうちの、奇数番目のデータ線41は、第1ノードOUT1に接続されている。偶数番目のデータ線41は、第2ノードOUT2に接続されている。
【0096】
前述のように、M個のデータ線切替スイッチ44は、それぞれ、M本のデータ線41上に設けられている。M個のデータ線切替スイッチ44のうちの1つのデータ線切替スイッチ44は、1クロック分のデータ線切替制御信号23に応じてオンする。
【0097】
制御部20は、M個の入力切替スイッチ12“SW1、SW2、SW3、SW4、…、SW4X−3、SW4X−2、SW4X−1、SW4X”、4個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO4”、M個のデータ線切替スイッチ44に接続されている。制御部20は、入力切替制御信号21“EN1、EN2、EN3、EN4、…、EN4X−3、EN4X−2、EN4X−1、EN4X”をそれぞれ1番目からM番目までこの順にM個の入力切替スイッチ12“SW1、SW2、SW3、SW4、…、SW4X−3、SW4X−2、SW4X−1、SW4X”に供給する。制御部20は、出力切替制御信号22“PS1、PS2、NS1、NS2”をそれぞれ1番目から4番目までこの順に4個の出力切替スイッチ15“SWO1〜SWO4”に供給する。制御部20は、入力切替制御信号21のYクロック目に同期させてデータ線切替制御信号23をそれぞれ1番目からM番目までこの順にM個のデータ線切替スイッチ44に供給する。
【0098】
本発明の第3実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、1出力に4個のDAC(D/Aコンバータ13)と4個のアンプ14と4個の出力切替スイッチ15とを備え、M(M=4X)個の保持部11、(4X)個の入力切替スイッチ12を4個のグループに分けている。そこで、出力切替スイッチ15は、時分割タイミング(出力切替制御信号22)に同期することにより、アンプ14の出力の切り替えを行う。また、出力切替スイッチ15の切り替わりタイミングの周期をTとしたとき、D/Aコンバータ13が表示データ51を入力するタイミングは、上記の時分割タイミングより位相をT/4進めて、周期(4×T)としている。即ち、D/Aコンバータ13が、4クロック分の入力切替制御信号21により表示データ51を入力した場合、表示データ51に応じた出力階調電圧52は、入力切替制御信号21の4クロック目にアンプ14から出力される。これにより、本発明の第3実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、前述のDAC遅延時間(Td_DA)の影響を受けずに高速駆動を実現することができる。また、アンプ14の駆動時におけるスルーレートの制限を受けずに高速駆動を実現することができる。
【0099】
本発明の第3実施形態によるTFT型液晶表示装置によれば、ドット反転駆動も実現できる。
【符号の説明】
【0100】
1 ソースドライバ、
11 保持部、
12 入力切替スイッチ、
13 D/Aコンバータ、
14 アンプ、
15 出力切替スイッチ、
16 セレクタ回路、
20 制御部、
21 入力切替制御信号、
22 出力切替制御信号、
23 データ線切替制御信号、
30 電源回路、
40 表示部(液晶パネル)、
41 データ線、
42 ワード線、
43 画素、
44 データ線切替スイッチ、
51 表示データ、
52 階調電圧、
101 ソースドライバ、
111 保持部、
112 入力切替スイッチ、
113 D/Aコンバータ、
114 アンプ、
120 制御部、
121 入力切替制御信号、
123 データ線切替制御信号、
130 電源回路、
140 表示部(液晶パネル)、
141 データ線、
142 ワード線、
143 画素、
144 データ線切替スイッチ、
151 表示データ、
152 階調電圧、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に表示するための表示データが供給され、前記表示データを保持する1番目からM番目までのM個(Mは3の倍数又は2の倍数である)の保持部と、ここで、前記M個の保持部はY個のグループに分けられ、1グループは、1番目からX番目までのX個の保持部を含み(Yは2以上の整数であり、Xは、M=X×Yを満たす整数である)、
それぞれ、前記M個の保持部の出力に接続されたM個の入力切替スイッチと、ここで、前記M個の入力切替スイッチはY個のグループに分けられ、1グループは、1番目からX番目までのX個の入力切替スイッチを含み、前記Y個のグループにおいて、前記X個の入力切替スイッチのうちの1つの入力切替スイッチは、Yクロック分の入力切替制御信号に応じてオンし、
それぞれ、前記Y個のグループの前記X個の入力切替スイッチに接続されたY個のD/Aコンバータと、前記Y個のD/Aコンバータは、それぞれ、前記Y個のグループの前記X個の保持部のうちの、前記1つの入力切替スイッチに対応する保持部に保持された前記表示データを出力階調電圧に変換し、
それぞれ、前記Y個のD/Aコンバータからの前記出力階調電圧を出力するY個のアンプと、
それぞれ、前記Y個のアンプの出力と出力ノードとの間に設けられたY個の出力切替スイッチと、前記Y個の出力切替スイッチのうちの1つの出力切替スイッチは、1クロック分の出力切替制御信号に応じてオンし、前記表示部には、前記出力ノードに接続されたM本のデータ線が設けられ、
それぞれ、前記M本のデータ線上に設けられたM個のデータ線切替スイッチと、前記M個のデータ線切替スイッチのうちの1つのデータ線切替スイッチは、1クロック分のデータ線切替制御信号に応じてオンし、
前記入力切替制御信号を1番目からM番目までこの順にそれぞれ前記M個の入力切替スイッチに供給し、前記出力切替制御信号を1番目からY番目までこの順にそれぞれ前記Y個の出力切替スイッチに供給し、前記入力切替制御信号のYクロック目に同期させて前記データ線切替制御信号を1番目からM番目までこの順にそれぞれ前記M個のデータ線切替スイッチに供給する制御部と、
を具備する表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各原色を表すRGBに適用され、
Mが3の倍数である場合、Xは3を表し、Yは2以上を表す、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各原色を表すRGBに適用され、
Mが3の倍数である場合、Yは3を表し、Xは2以上を表す、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、2ドット反転による正極駆動及び負極駆動に適用され、
Mが2の倍数である場合、Yは4を表し、Xは2以上を表し、
前記Y個の出力切替スイッチのうちの第1、2出力切替スイッチは、正極駆動と負極駆動との一方の駆動に適用され、
前記Y個の出力切替スイッチのうちの第3、4出力切替スイッチは、正極駆動と負極駆動との他方の駆動に適用される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
供給される表示データを保持する1番目からM番目までのM個(Mは3の倍数又は2の倍数である)の保持部と、ここで、前記M個の保持部はY個のグループに分けられ、1グループは、1番目からX番目までのX個の保持部を含み(Yは2以上の整数であり、Xは、M=X×Yを満たす整数である)、
それぞれ、前記M個の保持部の出力に接続されたM個の入力切替スイッチと、ここで、前記M個の入力切替スイッチはY個のグループに分けられ、1グループは、1番目からX番目までのX個の入力切替スイッチを含み、前記Y個のグループにおいて、前記X個の入力切替スイッチのうちの1つの入力切替スイッチは、Yクロック分の入力切替制御信号に応じてオンし、
それぞれ、前記Y個のグループの前記X個の入力切替スイッチに接続されたY個のD/Aコンバータと、前記Y個のD/Aコンバータは、それぞれ、前記Y個のグループの前記X個の保持部のうちの、前記1つの入力切替スイッチに対応する保持部に保持された前記表示データを出力階調電圧に変換し、
それぞれ、前記Y個のD/Aコンバータからの前記出力階調電圧を出力するY個のアンプと、
それぞれ、前記Y個のアンプの出力と出力ノードとの間に設けられたY個の出力切替スイッチと、前記Y個の出力切替スイッチのうちの1つの出力切替スイッチは、1クロック分の出力切替制御信号に応じてオンし、前記表示部には、前記出力ノードに接続されたM本のデータ線が設けられ、前記M本のデータ線上にはそれぞれM個のデータ線切替スイッチが設けられ、前記M個のデータ線切替スイッチのうちの1つのデータ線切替スイッチは、1クロック分のデータ線切替制御信号に応じてオンし、
前記入力切替制御信号を1番目からM番目までこの順にそれぞれ前記M個の入力切替スイッチに供給し、前記出力切替制御信号を1番目からY番目までこの順にそれぞれ前記Y個の出力切替スイッチに供給し、前記入力切替制御信号のYクロック目に同期させて前記データ線切替制御信号を1番目からM番目までこの順にそれぞれ前記M個のデータ線切替スイッチに供給する制御部と、
を具備するドライバ。
【請求項6】
前記表示部は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各原色を表すRGBに適用され、
Mが3の倍数である場合、Xは3を表し、Yは2以上を表す、
請求項5に記載のドライバ。
【請求項7】
前記表示部は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各原色を表すRGBに適用され、
Mが3の倍数である場合、Yは3を表し、Xは2以上を表す、
請求項5に記載のドライバ。
【請求項8】
前記表示部は、ドット反転による正極駆動及び負極駆動に適用され、
Mが2の倍数である場合、Yは4を表し、Xは2以上を表し、
前記Y個の出力切替スイッチのうちの第1、2出力切替スイッチは、正極駆動と負極駆動との一方の駆動に適用され、
前記Y個の出力切替スイッチのうちの第3、4出力切替スイッチは、正極駆動と負極駆動との他方の駆動に適用される、
請求項5に記載のドライバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−164919(P2010−164919A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9305(P2009−9305)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】