説明

表示装置及び電子機器

【課題】外光照度によることなく、常に高コントラストで表示を行う。
【解決手段】腕時計であって、ネガ液晶表示素子11Aと、このネガ液晶表示素子11Aの視認側と反対側に当該ネガ液晶表示素子11Aと重ねて配置された有機EL表示素子11Bと、照度を検出する光センサと、光センサに検出された照度が予め定められた設定値より小さい場合に、有機EL表示素子により表示を行うように制御する表示駆動回路部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、有機EL表示素子を用いた表示装置は、STNやTFT液晶表示素子を備えたものよりも、応答速度が速く、視野角も広く、高輝度であり、バックライトを不要とすることで薄型にすることができるといった、様々な利点を備えている。
しかしながら、有機EL表示素子などの自発光する表示素子は、屋外にて外光の方が明るくなると、ユーザは表示を認識し難くなるといった問題がある。
【0003】
そこで、STN液晶表示素子を用いた液晶パネルに反射板とバックライトを設け、周囲の明るさに応じて反射モードと透過モードを切り替えるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−250063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1等の場合、反射板は反射部と透過部とを有し、反射モードの際に反射板の反射部と液晶パネルの開口部とが重なるように、また、透過モードの際に反射板の透過部と液晶パネルの開口部とが重なるように当該反射板を周囲の明るさに応じて平行移動させることにより、反射モードと透過モードとを切り替えるようになっている。このため、装置が複雑化してしまうといった問題が生じ、現実的ではない。
また、反射板の反射効率と、バックライト光の透過効率が共に悪いので、十分な輝度を期待できない。更に、STN液晶表示素子の場合、解像度、応答速度、視野角などの性能が十分ではないといった問題もある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、外光照度によることなく、常に高コントラストで表示を行うことができる表示装置及びこれを備えた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明の表示装置(例えば、図1の表示装置11等)は、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図4の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板(例えば、図4の上偏光板a5及び下偏光板a6等)と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層(例えば、図4の液晶層a9等)とを有する第一の表示手段(例えば、図4のネガ液晶表示素子11A等)と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板(例えば、図4の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図4のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図4の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図4の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、
を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、
前記表示制御手段は、前記第二の表示手段の光を透過するように、前記第一の表示手段に常に電圧を印加することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、
前記表示制御手段は、前記照度検出手段に検出された照度が予め定められた値以上の場合に、前記第一の表示手段により表示を行うように制御することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第一の表示手段の前記偏光板は、前記第二の表示手段の前記有機EL層が発光する光を偏向するための偏向作用を兼ね備えることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明の表示装置(例えば、図1の表示装置11等)は、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図4の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板(例えば、図4の上偏光板a5及び下偏光板a6等)と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層(例えば、図4の液晶層a9等)とを有する第一の表示手段(例えば、図4のネガ液晶表示素子11A等)と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板(例えば、図4の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図4のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図4の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図4の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、
を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明の表示装置(例えば、図11の表示装置311等)は、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図12の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層(例えば、図12の高分子分散液晶層a39等)とを有する第一の表示手段(例えば、図12の高分子分散型液晶表示素子311A等)と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板(例えば、図12の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図12のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図12の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図12の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、
を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の表示装置において、
前記表示制御手段は、前記第二の表示手段の光を透過するように、前記第一の表示手段に常に電圧を印加することを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の表示装置において、
前記表示制御手段は、前記照度検出手段に検出された照度が予め定められた値以上の場合に、前記第一の表示手段により表示を行うように制御することを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第一の表示手段の前記視認側と反対側の前記光透過性基板と前記第二の表示手段の前記透明基板は、何れか一方の基板(例えば、図14の透明基板b1等)により併用されることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の発明の表示装置(例えば、図11の表示装置311等)は、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図12の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層(例えば、図12の高分子分散液晶層a39等)とを有する第一の表示手段(例えば、図12の高分子分散型液晶表示素子311A等)と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板(例えば、図12の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図12のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図12の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図12の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、
を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の発明の電子機器(例えば、図1の腕時計100等)は、
開口部(例えば、図2の開口部2a)を有する機器ケース(例えば、図2の時計ケース2等)と、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図4の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板(例えば、図4の上偏光板a5及び下偏光板a6等)と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層(例えば、図4の液晶層a9等)とを有する第一の表示手段(例えば、図4のネガ液晶表示素子11A等)と、
透明基板(例えば、図4の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図4のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図4の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図4の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載の発明の電子機器(例えば、図1の腕時計100等)は、
開口部(例えば、図2の開口部2a)を有する機器ケース(例えば、図2の時計ケース2等)と、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図4の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板(例えば、図4の上偏光板a5及び下偏光板a6等)と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層(例えば、図4の液晶層a9等)とを有する第一の表示手段(例えば、図4のネガ液晶表示素子11A等)と、
透明基板(例えば、図4の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図4のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図4の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図4の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示切替制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴としている。
【0018】
請求項13に記載の発明の電子機器(例えば、図11の腕時計300等)は、
開口部(例えば、図2の開口部2a)を有する機器ケース(例えば、図11の時計ケース2等)と、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図12の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層(例えば、図12の高分子分散液晶層a39等)とを有する第一の表示手段(例えば、図12の高分子分散型液晶表示素子311A等)と、
透明基板(例えば、図12の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図12のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図12の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図12の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴としている。
【0019】
請求項14に記載の発明の電子機器(例えば、図11の腕時計300等)は、
開口部(例えば、図2の開口部2a)を有する機器ケース(例えば、図11の時計ケース2等)と、
対向して配置される一対の光透過性基板(例えば、図12の上光透過基板a3及び下光透過基板a4等)と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層(例えば、図12の高分子分散液晶層a39等)とを有する第一の表示手段(例えば、図12の高分子分散型液晶表示素子311A等)と、
透明基板(例えば、図12の透明基板b1等)と、この透明基板に対向して配置される光反射部材(例えば、図12のアルミ背電極b7等)と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層(例えば、図12の有機EL層b5等)とを有する第二の表示手段(例えば、図12の有機EL表示素子11B等)と、
照度を検出する照度検出手段(例えば、図3の光センサ108等)と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段(例えば、図3の表示駆動回路部107等)と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示切替制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段とを用いて、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
即ち、屋内などの照度が予め定められた値より小さい場合であっても、有機EL層を有する第二の表示手段により表示を適正に行うことができ、外光照度によることなく、一の表示装置で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第一の表示手段を透過する光の透過率を高くすることができることとなり、第二の表示手段による表示に際して、この第二の表示手段に印加する電圧を低減して消費電力の低減を図ることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、屋外などの照度が予め定められた値以上の場合には、液晶層を有する第一の表示手段により表示を適正に行うことができ、外光照度によることなく、一の表示装置で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、偏光板を第一の表示装置による表示及び第二の表示装置による表示に兼用することができることとなり、当該表示装置の薄型化を適正に図ることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段による表示と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段による表示とを照度に応じて切り替えることができることとなり、外光照度によることなく、即ち、屋外・屋内を問わず、一の表示装置で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段とを用いて、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
即ち、屋内などの照度が予め定められた値より小さい場合であっても、有機EL層を有する第二の表示手段により表示を適正に行うことができ、外光照度によることなく、一の表示装置で常に高コントラストで表示を行うことができる。
また、高分子分散液晶を用いることで第一の表示手段に偏光板、位相差フィルム及び配光膜等を配設する必要がなくなり、通常の液晶を用いる場合に比べて表示装置の厚さを薄くすることができる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第一の表示手段を透過する光の透過率を高くすることができることとなり、第二の表示手段による表示に際して、この第二の表示手段に印加する電圧を低減して消費電力の低減を図ることができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、屋外などの照度が予め定められた値以上の場合には、高分子分散液晶層を有する第一の表示手段により表示を適正に行うことができ、外光照度によることなく、一の表示装置で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、請求項6〜8の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第一の表示手段の光透過性基板と第二の表示手段の透明基板のうち、何れか一方の基板を除くことができるので、表示装置の厚さをより薄くすることができる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段による表示と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段による表示とを照度に応じて切り替えることができることとなり、外光照度によることなく、即ち、屋外・屋内を問わず、一の表示装置で常に高コントラストで表示を行うことができる。
また、高分子分散液晶を用いることで第一の表示手段に偏光板、位相差フィルム及び配光膜等を配設する必要がなくなり、通常の液晶を用いる場合に比べて表示装置の厚さを薄くすることができる。
【0030】
請求項11に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段とを用いて、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
即ち、屋内などの照度が予め定められた値より小さい場合であっても、有機EL層を有する第二の表示手段により表示を適正に行うことができ、外光照度によることなく、常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0031】
請求項12に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段による表示と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段による表示とを照度に応じて切り替えることができることとなり、外光照度によることなく、即ち、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0032】
請求項13に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段とを用いて、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
即ち、屋内などの照度が予め定められた値より小さい場合であっても、有機EL層を有する第二の表示手段により表示を適正に行うことができ、外光照度によることなく、常に高コントラストで表示を行うことができる。
また、高分子分散液晶を用いることで第一の表示手段に偏光板、位相差フィルム及び配光膜等を配設する必要がなくなり、通常の液晶を用いる場合に比べて電子機器の厚さを薄くすることができる。
【0033】
請求項14に記載の発明によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる第一の表示手段による表示と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる第二の表示手段による表示とを照度に応じて切り替えることができることとなり、外光照度によることなく、即ち、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
また、高分子分散液晶を用いることで第一の表示手段に偏光板、位相差フィルム及び配光膜等を配設する必要がなくなり、通常の液晶を用いる場合に比べて電子機器の厚さを薄くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0035】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1の電子機器の好適な一例として例示する腕時計100を示す正面図であり、図2は、図1のII−II線における要部の拡大断面図である。また、図3は、腕時計100の時計計時部1の要部構成を示すブロック図である。
【0036】
図1及び図2に示すように、腕時計100には、例えば、時計計時部1を内部に収納する機器ケースとしての時計ケース2が備えられている。
時計ケース2の上部中央には、例えば、その開口部2aを閉塞するように時計ガラス3が装着され、また、時計ケース2の上部外周には、時字指標が設けられたベゼル4が配設されている。また、時計ケース2の下面には、その開口を閉塞するように防水リング5を介して裏蓋6が取り付けられている。さらに、裏蓋6と時計計時部1との間には、緩衝部材7が設けられている。さらに、時計ケース2の外周部には、入力部104(図3参照)を構成する当該腕時計100の各種機能の実行を指示するスイッチ104a、…が設けられている。
また、図2に示すように、時計ケース2の時計計時部1を挟んだ両端部、即ち、時計ケース2の当該腕時計100における12時方向側及び6時方向側の端部には、バンド軸を介して時計バンド(図示略)を取り付けるための貫通部2bが設けられている。
【0037】
時計計時部1は、例えば、図2に示すように、デジタル表示機能を備える表示装置11と、視認側(図2における上側)に設けられた上部ハウジング12と、視認側と反対側(図2における下側)に設けられた下部ハウジング13とを備えて構成されている。
上部ハウジング12の上部には、上面を時計ガラス3の下面にほぼ当接させるようにして枠状部材8が配設されている。
下部ハウジング13には、当該腕時計100が各種動作を行うための電源としての例えば電池(図示略)が組み込まれている。また、下部ハウジング13と上部ハウジング12との間には、表示装置11とインターコネクター14を介して接続されたPWBなどの回路基板15が配置されている。
【0038】
インターコネクター14は、例えば、表示装置11の12時方向側及び6時方向側の端部に接続されるように配設され、表示装置11の各電極(後述)と回路基板15とを電気的に接続するものである。
【0039】
また、時計計時部1は、例えば、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、入力部104と、計時回路部105と、発振回路部106と、表示駆動回路部107と、光センサ108等を備えて構成されている。なお、これらのうち、CPU101、RAM102、ROM103、計時回路部105、発振回路部106、表示駆動回路部107は、例えば、回路基板15に実装されている。
【0040】
CPU101は、例えば、所定のタイミングか、或いは入力部104から入力された操作信号等に基づいて、ROM103に格納されている各種プログラムを読み出してRAM102の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行するものである。
具体的には、CPU101は、例えば、計時回路部105で計数される現在時刻データに基づく表示信号を表示駆動回路部107に出力して現在時刻を表示させる等の各種制御を行うようになっている。
【0041】
RAM102は、例えば、揮発性の半導体メモリであり、CPU101により実行される各種プログラムや、これらのプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するためのメモリ領域を備え、CPU101の作業領域として用いられる。
ROM103は、読み出し専用のメモリであり、腕時計100の種々の機能を実現させるための各種プログラムやデータ等を記憶するものである。
【0042】
入力部104は、例えば、ユーザによる各スイッチ104aの操作に基づいて、対応するスイッチ104aの操作信号をCPU101に対して出力するようになっている。
【0043】
計時回路部105には、例えば、常時一定周波数の信号を出力する発振回路部106が接続されている。そして、計時回路部105は、例えば、発振回路部106から入力される信号を計数して、現在時刻データ等を取得し、当該現在時刻データをCPU101に対して出力するようになっている。
【0044】
光センサ108は、照度検出手段として外光の照度を検出し、その照度検出信号をCPU101に対して出力するようになっている。
【0045】
表示駆動回路部107は、表示制御手段として、例えば、CPU101から出力され入力されたデータや制御信号等に基づいて表示装置11の駆動を制御して、この表示装置11に各種情報を表示させる表示処理を行うものである。
【0046】
ここで、表示装置11について図面を参照して詳細に説明する。
図4は、表示装置11の構成を模式的に示す断面図である。また、図5は、表示装置11のネガ液晶表示素子11Aと有機EL表示素子11Bの各表示パターンp1、p2を模式的に示した斜視図である。また、図6は、表示装置11の表示状態を模式的に示した図である。
【0047】
表示装置11は、例えば、図2に示すように、上部ハウジング12に収容されたネガ液晶表示素子(第一の表示手段)11Aと、このネガ液晶表示素子11Aの視認側と反対側に当該ネガ液晶表示素子11Aと重ねて配置された有機EL表示素子(第二の表示手段)11B等を備えている。
【0048】
ネガ液晶表示素子11Aは、例えば、図4に示すように、上下一対の透明電極a1、a2をそれぞれ有する上下の光透過基板a3、a4と、上光透過基板a3の視認側の面(上下一対の光透過性基板a3、a4の非対向面)に配設された上偏光板a5と、下光透過基板a4の視認側と反対側の面(上下一対の光透過性基板a3、a4の非対向面)に配設された下偏光板a6と、上透明電極a1の視認側と反対側の面に配設された上配向膜a7と、下透明電極a2の視認側の面に配設された下配向膜a8と、上下の配向膜a7、a8の間に封止された液晶からなる液晶層a9等を備えている。
【0049】
上下の光透過基板a3、a4は、例えば、ガラス基板等から構成されている。
上下の透明電極a1、a2は、例えば、時刻などの各種情報を表示するための表示パターンp1を構成するものである。
上下の偏光板a5、a6は、例えば、各々の透過軸方向にほぼ平行する方向の振動面をもつ直線偏光を透過し、透過軸方向とほぼ直交する方向の振動面をもつ直線偏光を吸収するものである。
上下の配向膜a7、a8は、例えば、液晶層a9中の液晶を所定の方向に配向させるものである。
【0050】
そして、ネガ液晶表示素子11Aは、例えば、表示駆動回路部107の制御下にて、上下の透明電極a1、a2間に所定の電圧が印加されることによって、時刻などの各種情報をデジタル表示するようになっている。具体的には、ネガ液晶表示素子11Aは、例えば、図5に示すように、時刻などの各種情報に対応する画素部分を光透過状態(透明)とし、且つ、それ以外の背景に対応する画素部分を光吸収状態(黒)とするネガ表示を行うようになっている。
【0051】
有機EL(Electro Luminescence)表示素子11Bは、例えば、図4に示すように、視認側から透明基板b1、透明電極b2、ホール注入層b3、ホール輸送層b4、有機EL層b5、電子注入層b6、アルミ背電極b7、封止材b8とが積層されて構成されたものである。
【0052】
透明基板b1は、例えば、ガラス基板やプラスチックフィルム等から構成され、有機EL層b5の発光に対して透過性を有するものである。
透明電極b2は、例えば、ネガ液晶表示素子11Aの表示パターンp1とほぼ同じ形状をなし、時刻などの各種情報を表示するための表示パターンp2を構成するものである。
ホール注入層b3は、例えば、ホール(正孔)を注入するものであり、ホール輸送層b4は、注入されたホールを有機EL層b5に運搬するものである。
電子注入層b6は、例えば、電子を有機EL層b5に注入するものである。
アルミ背電極b7は、例えば、有機EL層b5の発光や、ネガ液晶表示素子11Aを透過して入射される外光に対して反射性を有する光反射部材を構成している。
封止材b8は、例えば、ガラスや金属等から構成され、異物の混入を防止するためのものである。
【0053】
そして、有機EL表示素子11Bは、例えば、表示駆動回路部107の制御下にて、透明電極b2及びアルミ背電極b7に所定の電圧が印加されることによって、透明電極b2側から注入されたホールとアルミ背電極b7側から注入された電子とが有機EL層b5で再結合し蛍光色素などを励起することで発光して、時刻などの各種情報を表示するようになっている(図5参照)。
【0054】
なお、有機EL表示素子11Bからの発光は、例えば、ネガ液晶表示素子11Aの下偏光板a6によって、その透過軸方向にほぼ平行する方向の振動面をもつ直線偏光のみネガ液晶表示素子11A内を透過して外部に発せられることとなる。
このように、下偏光板a6は、ネガ液晶表示素子11A内を透過する光の偏光作用と、有機EL表示素子11Bの有機EL層b5が発光する光を偏向する偏向作用を兼ね備えている。これによって、表示装置11の薄型化を適正に図ることができる。
【0055】
また、ネガ液晶表示素子11Aと有機EL表示素子11Bは、例えば、図5に示すように、互いの表示パターンp1、p2を構成する複数の画素を重ね合わせるようにして配置されている。
【0056】
次に、表示駆動回路部107による表示装置11の表示制御について詳細に説明する。
表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値(例えば、100cd/m)より小さい場合に、即ち、屋内等の外光の照度が低い場所では、有機EL表示素子11Bにより各種情報の表示を行うように表示装置11を制御するようになっている。
このとき、表示駆動回路部107は、有機EL表示素子11Bの発光を透過するようにネガ液晶表示素子11Aに常に電圧を印加するようになっている。具体的には、表示駆動回路部107は、有機EL表示素子11Bにより所定情報の発光表示を行う際に、当該有機EL表示素子11Bの所定画素の発光に同期させて、ネガ液晶表示素子11Aのうち、有機EL表示素子11Bの発光画素に対応する画素部分がネガ表示されるようにネガ液晶表示素子11Aを駆動制御するようになっている。
【0057】
また、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値以上の場合に、即ち、屋外等の外光の照度が高い場所では、有機EL表示素子11Bにより表示を行わずにネガ液晶表示素子11Aにより各種情報の表示を行うように表示装置11を制御するようになっている。
【0058】
従って、表示駆動回路部107は、時刻などの各種情報を表示装置11に表示させる際に、外光の照度の高い屋外などでは、ネガ液晶表示素子11Aにより各種情報をネガ表示させる。これにより、当該ネガ表示部分を透過した光が有機EL表示素子11Bのアルミ背電極b7にて反射して、反射光がネガ液晶表示素子11Aを再度透過して腕時計100の外部に出射されることで、黒い背景中に各種情報が銀色(アルミ色)で表示された状態となってユーザにより視認されることとなる(図6参照)。
一方、外光の照度の低い屋内などでは、表示駆動回路部107は、ネガ液晶表示素子11Aによる各種情報のネガ表示に加えて、有機EL表示素子11Bによりネガ表示と同様の情報を発光表示させる。これにより、有機EL表示素子11Bの発光(アルミ背電極b7での反射光を含む)は、ネガ液晶表示素子11Aにおける各種情報のネガ表示部分を透過して外部に出射されることで、黒い背景中に各種情報が銀色で表示された状態となってユーザにより視認されることとなる(図6参照)。
【0059】
次に、表示駆動回路部107による表示処理について、図7を参照して説明する。
図7は、表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0060】
図7に示すように、表示装置11に時刻などの所定の情報を表示させる場合には、先ず、表示駆動回路部107は、ネガ液晶表示素子11Aにより所定の情報をネガ表示させるように表示装置11を制御する(ステップS1)。
続けて、光センサ108による外光の照度測定を行って(ステップS2)、表示駆動回路部107は、測定された外光の照度が予め定められた設定値より小さいか否か(設定値が外光の照度以上であるか否か)を判定する(ステップS3)。
ここで、設定値が外光の照度以上である(外光の照度が予め定められた値より小さい)と判定されると(ステップS3;YES)、表示駆動回路部107は、ネガ液晶表示素子11Aによる所定の情報のネガ表示に加えて、有機EL表示素子11Bによりネガ表示と同様の情報を発光表示させる(ステップS4)。
【0061】
続けて、表示駆動回路部107は、表示装置11による所定の情報の表示停止(表示OFF)が指示されているか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、表示OFFが指示されていると判定されると(ステップS5;YES)、また、ステップS3にて、設定値が外光の照度よりも小さい(外光の照度が設定値以上である)と判定されると(ステップS3;NO)、表示駆動回路部107は、所定の情報の表示を停止させるように表示装置11を制御する(ステップS6)。
一方、ステップS5にて、表示OFFが指示されていないと判定されると(ステップS5;NO)、ステップS2に移行して、それ以降の処理が実行される。
これにより、表示処理を終了する。
【0062】
以上のように、実施形態1の腕時計100によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができるネガ液晶表示素子11Aと、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる有機EL表示素子11Bとを備える表示装置11を用いて、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
即ち、屋外などの照度が予め定められた値以上の場合には、液晶層a9を有するネガ液晶表示素子11Aにより表示を適正に行うことができ、一方、屋内などの照度が予め定められた値より小さい場合には、有機EL層b5を有する有機EL表示素子11Bにより表示を適正に行うことができるので、外光照度によることなく、一の表示装置11で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0063】
また、有機EL表示素子11Bの光を透過するように、ネガ液晶表示素子11Aに常に電圧を印加することによって、ネガ液晶表示素子11Aを透過する光の透過率を高くすることができることとなり、有機EL表示素子11Bによる表示に際して、この有機EL表示素子11Bに印加する電圧を低減して消費電力の低減を図ることができる。
【0064】
なお、上記実施形態1では、表示処理にて、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が設定値より小さい場合に、ネガ液晶表示素子11Aによる表示に加えて、有機EL表示素子11Bによる表示を行うようにしたが、表示処理はこれに限られるものではない。
以下に、表示処理の変形例について図8を参照して説明する。
【0065】
<変形例1>
図8は、変形例1の腕時計による表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、変形例1の腕時計は、表示駆動回路部107による表示処理以外の構成は、上記実施形態1と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
変形例1の腕時計の表示駆動回路部107は、表示切替制御手段として、例えば、光センサ108にて検出された外光の照度に基づいて、ネガ液晶表示素子11Aによる情報の表示と有機EL表示素子11Bによる情報の表示とを切り替えるように制御するようになっている。
即ち、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値(例えば、100cd/m)より小さい場合に、有機EL表示素子11Bにより各種情報の表示を行うように表示装置11を制御する一方で、光センサ108にて検出された外光の照度が設定値以上の場合に、ネガ液晶表示素子11Aにより各種情報の表示を行うように表示装置11を制御するようになっている。
【0067】
具体的には、図8に示すように、表示装置11に時刻などの所定の情報を表示させる場合には、光センサ108による外光の照度測定を行って(ステップS101)、表示駆動回路部107は、測定された外光の照度が予め定められた設定値より小さいか否か(設定値が外光の照度以上であるか否か)を判定する(ステップS102)。
ここで、設定値が外光の照度以上である(外光の照度が予め定められた値より小さい)と判定されると(ステップS102;YES)、表示駆動回路部107は、有機EL表示素子11Bにより所定の情報を発光表示させるように表示装置11を制御する(ステップS103)。一方、設定値が外光の照度よりも小さい(外光の照度が設定値以上である)と判定されると(ステップS102;NO)、表示駆動回路部107は、ネガ液晶表示素子11Aにより所定の情報をネガ表示させるように表示装置11を制御する(ステップS104)。
その後、ステップS5に移行して、それ以降の処理が実行される。
【0068】
このように、変形例1の腕時計によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができるネガ液晶表示素子11Aによる表示と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる有機EL表示素子11Bによる表示とを照度に応じて切り替えることができることとなり、外光照度によることなく、即ち、屋外・屋内を問わず、一の表示装置11で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0069】
また、有機EL表示素子11Bをフルカラーで表示させて、表示装置11による表示のコントラスト調整を行うようにしても良い。
以下に、変形例2の腕時計について図9及び図10を参照して詳細に説明する。
【0070】
<変形例2>
ここで、図9は、変形例2の腕時計に備わる表示装置211の構成を模式的に示す断面図であり、図10は、表示装置211のカラーフィルタ付き液晶表示素子211Aとフルドット有機EL表示素子211Bの各画素を模式的に示した斜視図である。
なお、変形例2の腕時計は、表示装置211の構成以外の点は、上記実施形態1と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0071】
変形例2の腕時計の表示装置211は、例えば、図9に示すように、フルドットカラー表示に対応したフルドット有機EL表示素子211Bと、このフルドット有機EL表示素子211Bからの発光のうち特定の色成分だけを透過させるカラーフィルタa10を備えるカラーフィルタ付き液晶表示素子211A等を備えている。
そして、カラーフィルタ付き液晶表示素子211Aとフルドット有機EL表示素子211Bは、例えば、図10に示すように、互いの表示パターンを構成する複数の画素を重ね合わせるようにして配置されている。
【0072】
また、表示装置211による表示処理にあっては、例えば、光センサ108による外光の照度測定の結果、測定された外光の照度が予め定められた設定値以上の場合には、表示駆動回路部107は、上記実施形態1と同様に、カラーフィルタ付き液晶表示素子211Aにより所定の情報をネガ表示させるようになっている。一方、外光の照度が設定値より小さい場合には、表示駆動回路部107は、カラーフィルタ付き液晶表示素子211Aの全ての画素を透過状態(透明)とし、且つ、フルドット機EL表示素子211Bからの発光のうち、所定の情報に対応する画素部分からの発光色とそれ以外の画素部分からの発光色のコントラストが大きくなるようにカラーフィルタa10により所定の色に着色して階調を調整するようになっている。
【0073】
このように、変形例2の腕時計によれば、フルドット有機EL表示素子211Bによりフルカラー表示を行ってコントラストの調整を行うことができるので、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0074】
なお、上記実施形態1では、ネガ液晶表示素子11A及びカラーフィルタ付き液晶表示素子211A内を透過する光の偏光作用と、有機EL表示素子11B及びフルドット有機EL表示素子211Bの有機EL層b5が発光する光を偏向する偏向作用を兼ね備る下偏光板a6を備えるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、ネガ液晶表示素子11A、カラーフィルタ付き液晶表示素子211A、有機EL表示素子11B及びフルドット有機EL表示素子211Bに個別に偏光板を具備させるようにしても良い。
【0075】
[実施形態2]
以下に、実施形態2の腕時計300について図11〜図13を参照して説明する。
ここで、図11は、本発明を適用した実施形態2の電子機器の好適な一例として例示する腕時計300を示す正面図である。また、図12は、腕時計300に備わる表示装置311の構成を模式的に示す断面図であり、図13は、表示装置311の高分子分散型液晶表示素子311Aと有機EL表示素子11Bの各表示パターンp3、p2を模式的に示した斜視図である。
なお、実施形態2の腕時計300は、表示装置311の構成以外の点では上記実施形態1と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
実施形態2の腕時計300は、例えば、図11及び図12に示すように、有機EL表示素子11Bの視認側に配設された高分子分散型液晶表示素子311Aを有する表示装置311を備えている。
高分子分散型液晶表示素子311Aは、例えば、図12に示すように、上下一対の透明電極a1、a2をそれぞれ有する上下の光透過基板a3、a4と、上透明電極a1と下透明電極a2の間に封止された高分子分散液晶層a39等を備えている。
【0077】
高分子分散液晶層a39は、例えば、光の波長程度(0.5から数μm)の液晶微粒子が高分子材料中に分散されてなるものであり、電界印加により液晶分子が電界方向に配光して光透過状態(透明)となり、また、電界除去により液晶分子がポリマーネットワーク表面に沿うように並んで光散乱状態(白濁)となる。このため、例えばネマティック液晶等から構成された一般的なLCDで必要な配光膜や配光処理が不要となっている。また、高分子分散液晶層a39は、光散乱を利用するものであるため、従来の多くの液晶素子で使用されている偏光板を用いる必要がないので、透過率が高く、光の利用効率が良いという特徴を有している。これにより、明るく、視角依存性の低い液晶表示パネルを提供できる。
【0078】
また、高分子分散型液晶表示素子311Aと有機EL表示素子11Bは、例えば、図13に示すように、互いの表示パターンp3、p2を構成する複数の画素を重ね合わせるようにして配置されている。
【0079】
次に、表示駆動回路部107による表示装置311の表示制御について詳細に説明する。
表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値(例えば、100cd/m)より小さい場合に、即ち、屋内等の外光の照度が低い場所では、有機EL表示素子11Bにより各種情報の表示を行うように表示装置311を制御するようになっている。
このとき、表示駆動回路部107は、有機EL表示素子11Bの発光を透過するように高分子分散型液晶表示素子311Aに常に電圧を印加するようになっている。具体的には、表示駆動回路部107は、有機EL表示素子11Bにより所定情報の発光表示を行う際に、当該有機EL表示素子11Bの所定画素の発光に同期させて、高分子分散型液晶表示素子311Aのうち、有機EL表示素子11Bの発光画素に対応する画素部分を透明表示(光透過状態)とし、且つ、それ以外の背景に対応する画素部分を白濁表示(光散乱状態)とするように高分子分散型液晶表示素子311Aを駆動制御するようになっている。
【0080】
また、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値以上の場合に、即ち、屋外等の外光の照度が高い場所では、有機EL表示素子11Bにより表示を行わずに、高分子分散型液晶表示素子311Aのみにより各種情報の表示を行うように表示装置311を制御するようになっている。
【0081】
従って、表示駆動回路部107は、時刻などの各種情報を表示装置311に表示させる際に、外光の照度の高い屋外などでは、高分子分散型液晶表示素子311Aにより各種情報に対応する画素部分を透明表示とし、且つ、それ以外の背景に対応する画素部分を白濁表示とさせる。これにより、当該透明表示部分を透過した光が有機EL表示素子11Bのアルミ背電極b7にて反射して、反射光が高分子分散型液晶表示素子311Aを再度透過して腕時計300の外部に出射されることで、白い背景中に各種情報が銀色(アルミ色)で表示された状態となってユーザにより視認されることとなる。
一方、外光の照度の低い屋内などでは、表示駆動回路部107は、高分子分散型液晶表示素子311Aによる各種情報の表示に加えて、有機EL表示素子11Bにより高分子分散型液晶表示素子311Aの透明表示と同様の情報を発光表示させる。これにより、有機EL表示素子11Bの発光(アルミ背電極b7での反射光を含む)は、高分子分散型液晶表示素子311Aにおける各種情報の透明表示部分を透過して外部に出射されることで、白い背景中に各種情報が銀色で表示された状態となってユーザにより視認されることとなる。
【0082】
以上のように、実施形態2の腕時計300によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる高分子分散型液晶表示素子311Aと、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる有機EL表示素子11Bとを備える表示装置311を用いて、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
即ち、屋外などの照度が予め定められた値以上の場合には、高分子分散液晶層a39を有する高分子分散型液晶表示素子311Aにより表示を適正に行うことができ、一方、屋内などの照度が予め定められた値より小さい場合には、有機EL層b5を有する有機EL表示素子11Bにより表示を適正に行うことができるので、外光照度によることなく、一の表示装置311で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0083】
また、高分子分散液晶を用いることで高分子分散型液晶表示素子311Aに偏光板、位相差フィルム及び配光膜等を配設する必要がなくなり、通常の液晶を用いる場合に比べて表示装置311の厚さを薄くすることができる。
【0084】
さらに、有機EL表示素子11Bの光を透過するように、高分子分散型液晶表示素子311Aに常に電圧を印加することによって、高分子分散型液晶表示素子311Aを透過する光の透過率を高くすることができることとなり、有機EL表示素子11Bによる表示に際して、この有機EL表示素子11Bに印加する電圧を低減して消費電力の低減を図ることができる。
【0085】
なお、上記実施形態2では、表示処理にて、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が設定値より小さい場合に、高分子分散型液晶表示素子311Aによる表示に加えて、有機EL表示素子11Bによる表示を行うようにしたが、表示処理はこれに限られるものではない。例えば、表示駆動回路部107は、表示切替制御手段として、光センサ108にて検出された外光の照度に基づいて、高分子分散型液晶表示素子311Aによる情報の表示と有機EL表示素子11Bによる情報の表示とを切り替えるように制御しても良い。
即ち、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値(例えば、100cd/m)より小さい場合に、有機EL表示素子11Bにより各種情報の表示を行うように表示装置311を制御する一方で、光センサ108にて検出された外光の照度が設定値以上の場合に、高分子分散型液晶表示素子311Aにより各種情報の表示を行うように表示装置311を制御するようにしても良い。
これにより、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる高分子分散型液晶表示素子311Aによる表示と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる有機EL表示素子11Bによる表示とを照度に応じて切り替えることができることとなり、外光照度によることなく、即ち、屋外・屋内を問わず、一の表示装置311で常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0086】
また、上記実施形態2における高分子分散型液晶表示素子311Aの下光透過基板a4と有機EL表示素子11Bの透明基板b1とを、何れか一方の一枚の基板で併用するようにしても良い。
以下に、変形例3の腕時計について図14を参照して詳細に説明する。
【0087】
<変形例3>
ここで、図14は、変形例3の腕時計に備わる表示装置411の構成を模式的に示す断面図である。
なお、変形例3の腕時計は、表示装置411の構成以外の点は、上記実施形態2と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0088】
変形例3の腕時計の表示装置411は、例えば、図14に示すように、有機EL表示素子411Bの透明基板b1が高分子分散型液晶表示素子411Aの下側の光透過基板として併用されている。即ち、高分子分散型液晶表示素子411Aは、上光透過基板a3と有機EL表示素子41Bの透明基板b1との間に上下の透明電極a1、a2を介して高分子分散液晶層a39が封止されている。
【0089】
このように、変形例3の腕時計によれば、高分子分散型液晶表示素子411Aの光透過性基板と有機EL表示素子411Bの透明基板b1のうち、何れか一方の基板を除くことができるので、表示装置411の厚さをより薄くすることができる。
【0090】
なお、上記変形例3では、有機EL表示素子411Bの透明基板b1を高分子分散型液晶表示素子411Aの下側の光透過基板としても併用するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、高分子分散型液晶表示素子411Aの下光透過基板a4(図12参照)を有機EL表示素子411Bの透明基板としても併用するようにしても良い。
【0091】
[実施形態3]
以下に、実施形態3の携帯電話機500について図15及び図16を参照して説明する。
ここで、図15は、本発明を適用した実施形態3の電子機器の好適な一例として例示する携帯電話機500を示す正面図であり、図16は、図15のXVI−XVI線における要部の部分拡大断面図である。
【0092】
図15に示すように、本実施形態の携帯電話機500は、本体部501と、本体部501にヒンジ結合部502を介して連結された蓋部503とを備えて構成された折り畳み型の携帯電話機500である。
携帯電話機500は、主に蓋部503を開いた状態(開状態)で使用するものであり、この状態で、本体部501の一方の面(携帯電話機500を閉じた状態で蓋部503と対向する側の面)には、スイッチ群512、通話用マイク513等が設けられ、また、蓋部503の一方の面(当該携帯電話機500を閉じた状態で本体部501と対向する側の面)には、上端に配置された通話用スピーカ531と、この通話用スピーカ531の下側にて、ガラス板532を介して視認側に液晶表示素子511Aを臨ませるように配設された表示装置511とが設けられている。
【0093】
表示装置511は、例えば、図16に示すように、蓋部503の機器ケースとしての筐体533内の開口部側(図16における上側)に配設され、液晶表示素子511Aと、有機EL表示素子11B等を備えている。
液晶表示素子511Aは、例えば、上記実施形態1及び実施形態2におけるネガ液晶表示素子11Aや高分子分散型液晶表示素子311A等を適用することができる。即ち、例えば、液晶表示素子511Aがネガ液晶表示素子11Aである場合、上下の光透過基板a3、a4と、上下の偏光板a5、a6と、上下の透明電極a1、a2と、上下の配向膜a7、a8と、液晶層a9等を備え(図4参照)、一方、高分子分散型液晶表示素子311Aである場合、上下の光透過基板a3、a4と、高分子分散液晶層a39等を備えて構成されている(図12参照)。
有機EL表示素子11Bは、例えば、上記実施形態1及び実施形態2に係るものと同様の構成を採っている。即ち、有機EL表示素子11Bは、例えば、透明基板b1と、透明電極b2と、ホール注入層b3と、ホール輸送層b4と、有機EL層b5と、電子注入層b6と、アルミ背電極b7と、封止材b8等を備えている(図4参照)。
【0094】
また、表示装置511の視認側と反対側には、表示装置511とインターコネクター514を介して接続されたPWBなどの回路基板515が配設されている。
回路基板515は、例えば、上記実施形態1及び実施形態2に係るものと同様の構成を採っている。即ち、回路基板515には、CPU101、RAM102、ROM103、計時回路部105、発振回路部106、表示駆動回路部107等が実装されている。また、CPU101には、照度検出手段としての光センサ108が接続されている。
【0095】
表示駆動回路部107は、表示制御手段として、例えば、CPU101から出力され入力されたデータや制御信号等に基づいて表示装置511の駆動を制御して、この表示装置511に各種情報を表示させる表示処理を行うものである。具体的には、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値(例えば、100cd/m)より小さい場合に、即ち、屋内等の外光の照度が低い場所では、有機EL表示素子11Bにより各種情報の表示を行うように表示装置511を制御するようになっている。
また、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値以上の場合に、即ち、屋外等の外光の照度が高い場所では、有機EL表示素子11Bにより表示を行わずに液晶表示素子511Aにより各種情報の表示を行うように表示装置511を制御するようになっている。
なお、表示駆動回路部107による表示装置511(有機EL表示素子11B及び液晶表示素子511A)の表示制御は、上記実施形態1及び実施形態2における制御と略同様であり、その説明を省略する。
【0096】
また、携帯電話機500は、少なくとも他の電話機等と通話可能に構成されたものであれば如何なるものであっても良く、上記説明した本発明に係る構成以外の携帯電話機500の構成については、その説明を省略する。
【0097】
以上のように、実施形態3の携帯電話機500によれば、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる液晶表示素子511Aと、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる有機EL表示素子11Bとを備える表示装置511を用いて、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
即ち、屋内などの照度が予め定められた値より小さい場合であっても、有機EL層b5を有する有機EL表示素子11Bにより表示を適正に行うことができ、外光照度によることなく、常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0098】
また、液晶表示素子511Aとして、高分子分散型液晶表示素子311Aを用いた場合には、偏光板、位相差フィルム及び配光膜等を配設する必要がなくなり、通常の液晶を用いる場合に比べて携帯電話機500の厚さを薄くすることができる。
【0099】
なお、上記実施形態3にあっては、例えば、表示駆動回路部107は、表示切替制御手段として、光センサ108にて検出された外光の照度に基づいて、液晶表示素子511Aによる情報の表示と有機EL表示素子11Bによる情報の表示とを切り替えるように制御しても良い。
即ち、表示駆動回路部107は、光センサ108にて検出された外光の照度が予め定められた設定値(例えば、100cd/m)より小さい場合に、有機EL表示素子11Bにより各種情報の表示を行うように表示装置511を制御する一方で、光センサ108にて検出された外光の照度が設定値以上の場合に、液晶表示素子511Aにより各種情報の表示を行うように表示装置511を制御するようにしても良い。
これにより、屋外などの照度の高い状況下にて高コントラストで表示することができる液晶表示素子511Aによる表示と、屋内などの照度の低い状況下でも自発光により高コントラストで表示することができる有機EL表示素子11Bによる表示とを照度に応じて切り替えることができることとなり、外光照度によることなく、即ち、屋外・屋内を問わず、常に高コントラストで表示を行うことができる。
【0100】
なお、本発明は、上記実施形態1〜3に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態1〜3では、有機EL表示素子11B、411B(フルドット有機EL表示素子211B)の光を透過するように、ネガ液晶表示素子11Aや高分子分散型液晶表示素子311A、411A(液晶表示素子511A)に常に電圧を印加するようにしたが、必ずしも常に電圧を印加するようにする必要はない。
【0101】
また、上記実施形態1〜3では、電子機器として腕時計100、300及び携帯電話機500を例示したが、これに限られるものではなく、有機EL表示素子11B、411B(フルドット有機EL表示素子211B)及びネガ液晶表示素子11A(高分子分散型液晶表示素子311A、411A)を備える電子機器であれば如何なるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明を適用した実施形態1の電子機器の好適な一例として例示する腕時計を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線における要部の拡大断面図である。
【図3】図1の腕時計の要部構成を示すブロック図である。
【図4】図1の腕時計に備わる表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】図4の表示装置のネガ液晶表示素子と有機EL表示素子の表示パターンを模式的に示した斜視図である。
【図6】図4の表示装置の表示状態を模式的に示した図である。
【図7】図1の腕時計による表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】変形例1の腕時計による表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】変形例2の腕時計に備わる表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図10】図9の表示装置のカラーフィルタ付き液晶表示素子とフルドット有機EL表示素子の表示パターンを模式的に示した斜視図である。
【図11】本発明を適用した実施形態2の電子機器の好適な一例として例示する腕時計を示す正面図である。
【図12】図11の腕時計に備わる表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図13】図12の表示装置の高分子分散型液晶表示素子と有機EL表示素子の表示パターンを模式的に示した斜視図である。
【図14】変形例3の腕時計に備わる表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明を適用した実施形態3の電子機器の好適な一例として例示する携帯電話機を示す正面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線における要部の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0103】
100、300 腕時計(電子機器)
2 時計ケース(機器ケース)
2a 開口部
11、211、311、411、511 表示装置
11A ネガ液晶表示素子(第一の表示手段)
a3 上光透過基板(光透過性基板)
a4 下光透過基板(光透過性基板)
a5 上偏光板
a6 下偏光板
a9 液晶層
11B、411B 有機EL表示素子(第二の表示手段)
b1 透明基板
b5 有機EL層
b7 アルミ背電極(光反射部材)
107 表示駆動回路部(表示制御手段、表示切替制御手段)
108 光センサ(照度検出手段)
211A カラーフィルタ付き液晶表示素子
211B フルドット有機EL表示素子
311A、411A 高分子分散型液晶表示素子(第一の表示手段)
a39 高分子分散液晶層
500 携帯電話機(電子機器)
511A 液晶表示素子(第一の表示手段)
533 筐体(機器ケース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層とを有する第一の表示手段と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第二の表示手段の光を透過するように、前記第一の表示手段に常に電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記照度検出手段に検出された照度が予め定められた値以上の場合に、前記第一の表示手段により表示を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第一の表示手段の前記偏光板は、前記第二の表示手段の前記有機EL層が発光する光を偏向するための偏向作用を兼ね備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層とを有する第一の表示手段と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層とを有する第一の表示手段と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第二の表示手段の光を透過するように、前記第一の表示手段に常に電圧を印加することを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記照度検出手段に検出された照度が予め定められた値以上の場合に、前記第一の表示手段により表示を行うように制御することを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第一の表示手段の前記視認側と反対側の前記光透過性基板と前記第二の表示手段の前記透明基板は、何れか一方の基板により併用されることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層とを有する第一の表示手段と、
この第一の表示手段の視認側と反対側に当該第一の表示手段と重ねて配置され、透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
開口部を有する機器ケースと、
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層とを有する第一の表示手段と、
透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
開口部を有する機器ケースと、
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の非対向面上に配置される偏光板と、前記一対の光透過性基板の間に配置される液晶層とを有する第一の表示手段と、
透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示切替制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
開口部を有する機器ケースと、
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層とを有する第一の表示手段と、
透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度が予め定められた値より小さい場合に、前記第二の表示手段により表示を行うように制御する表示制御手段と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
開口部を有する機器ケースと、
対向して配置される一対の光透過性基板と、この一対の光透過性基板の間に配置される高分子分散液晶層とを有する第一の表示手段と、
透明基板と、この透明基板に対向して配置される光反射部材と、この光反射部材と前記透明基板との間に配置される有機EL層とを有する第二の表示手段と、
照度を検出する照度検出手段と、
この照度検出手段に検出された照度に基づいて、前記第一の表示手段による表示と前記第二の表示手段による表示とを切り替えるように制御する表示切替制御手段と、を備え、
前記第一の表示手段及び前記第二の表示手段は、前記第一の表示手段を視認側にして重ねて前記機器ケースの開口部に配置され、
前記照度手段及び前記表示切替制御手段は、前記機器ケースの内部にそれぞれ配設されていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−232882(P2007−232882A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52318(P2006−52318)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】