表示装置用電源回路、表示装置、及び表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法
【課題】電源電圧の昇圧倍率を変更する際、表示に異常が生じる恐れがある。
【解決手段】本発明による表示装置用電源回路101は、入力電源電圧VINを昇圧して昇圧電圧VOUTを出力する昇圧回路102と、入力電源電圧VINの電圧レベルを検出する入力電圧検出回路105と、検出された入力電源電圧レベルに応じて昇圧回路102の昇圧倍率を変更する昇圧制御回路107とを具備する。昇圧制御回路107は、表示パネル120における帰線期間に昇圧倍率を変更する。
【解決手段】本発明による表示装置用電源回路101は、入力電源電圧VINを昇圧して昇圧電圧VOUTを出力する昇圧回路102と、入力電源電圧VINの電圧レベルを検出する入力電圧検出回路105と、検出された入力電源電圧レベルに応じて昇圧回路102の昇圧倍率を変更する昇圧制御回路107とを具備する。昇圧制御回路107は、表示パネル120における帰線期間に昇圧倍率を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用電源回路、それを用いた表示装置、及び表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯コンピュータに例示される携帯端末では、電池を電源として利用することが一般的である。このため、携帯端末の省電力化が求められている。特に、携帯端末に搭載される表示装置の消費電力は、端末全体において多くの割合を占めるため、これを削減することは、携帯端末の省電力化に対して有効である。表示装置の消費電力を削減するため、電源回路は消費電流を最小にするように、電池電圧に応じて、表示装置に供給する電源電圧を変更(選択)する必要がある。
【0003】
例えば、特開2005−080395には、電池電圧に応じて昇圧率が変更されるチャージポンプ回路を備えた電源装置が記載されている。
【0004】
図1及び図2を参照して、従来技術による表示装置用電源回路について説明する。図1は、従来技術による表示装置用電源回路201(以下、電源回路201と称す)の構成を示す図である。図1を参照して、従来技術による電源回路201は、チャージポンプ回路202、表示パネル駆動電圧生成レギュレータ203(以下、レギュレータ203と称す)、電圧検出回路204、入力電圧生成レギュレータ205(以下、レギュレータ205と称す)、比較回路206を具備する。
【0005】
表示装置用電源回路201は、電池から供給される電圧(以下、電池電圧VBATと称す)をチャージポンプ回路202により昇圧して出力電圧VOUT(昇圧電圧)として出力する。レギュレータ203は、昇圧電圧VOUTを電源電圧として表示パネル駆動電圧VPNLを生成する。電圧検出回路204は、出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLに基づき、出力電圧VOUTを一定にするための制御信号DETを生成する。レギュレータ205は、電池電圧VBATを電源電圧としてチャージポンプ回路202への入力電圧VINを生成する。この際、レギュレータ205は、制御信号DETに応じて変更された電圧に基づいて入力電圧VINの電圧を決定する。比較回路206は、電池電圧VBATと参照電圧VREFとの比較結果を昇圧倍率設定信号BTとしてチャージポンプ回路202に出力する。チャージポンプ回路202は昇圧倍率設定信号BTに応じて昇圧倍率を切り替える。
【0006】
以上のような構成により、従来技術による表示装置用電源回路では、電池電圧VBATと参照電圧VREFとの比較結果(昇圧倍率設定信号BT)に応じて、出力電圧VOUTの昇圧率を変更している。
【0007】
先ず、図2を参照してチャージポンプ回路202の動作を説明する。図2は、従来技術によるチャージポンプ回路202の構成を示す図である。チャージポンプ回路202は、昇圧倍率設定信号BTに応じてオン/オフが制御されるスイッチSW1〜SW9を備える。スイッチSW1〜SW4は、入力電圧VINが供給される端子(以下、VIN端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW5、SW6は、出力電圧VOUTが出力される端子(以下、VOUT端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW7は、ポンピング容量C1、C2間の電気的接続を制御する。スイッチSW8、SW9は、接地されたGND端子と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。
【0008】
詳細には、チャージポンプ回路202は、ポンピング容量C1に接続される端子C1+、C1−、ポンピング容量C2に接続される端子C2+、C2−を有する。スイッチSW1は、VIN端子と端子C2−との間に接続される。スイッチSW2は、VIN端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW3は、VIN端子と端子C1−との間に接続される。スイッチSW4は、VIN端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW5は、VOUT端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW6は、VOUT端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW7は、端子C1−と端子C2+との間に接続される。スイッチSW8は、端子C2−とGND端子との間に接続される。スイッチSW9は、端子C1−とGND端子との間に接続される。
【0009】
以上のような構成により、チャージポンプ回路202は、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW9を制御し、放電するポンピング容量の接続状態を変更することで、出力電圧VOUTの昇圧率を変更する。
【0010】
例えば、昇圧倍率を2倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW9のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第1充電状態と、ポンピング容量C1、C2を放電する第1放電状態とが繰り返される。これにより、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを2倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0011】
詳細には、第1タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7がオフとなる(第1充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0012】
第1充電状態となってから所定の期間が経過した第2タイミングにおいて、スイッチSW1、SW3、SW5、SW6がオン、他のスイッチSW2、SW4、SW7、SW8、SW9がオフとなる(第1放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において並列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを2倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【0013】
又、昇圧倍率を3倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW9のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第2充電状態と、ポンピング容量C1、C2を放電する第2放電状態とが繰り返される。これにより、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを3倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0014】
詳細には、第3タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7がオフとなる(第2充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0015】
第1充電状態となってから所定の期間が経過した第4タイミングにおいて、スイッチSW1、SW6、SW7がオン、他のスイッチSW2、SW3、SW4、SW5、SW8、SW9がオフとなる(第2放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において直列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを3倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2005−080395
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ここで、検出回路204はチャージポンプ回路202の出力電圧VOUTを一定にするようにレギュレータ205を制御している。つまり、2倍昇圧時において2つのポンピング容量C1、C2のそれぞれにはVIN=VOUT/2が充電される(ただし、入力電圧VINの大きさをVIN、出力電圧VOUTの大きさをVOUTとする)。一方、3倍昇圧時において2つのポンピング容量C1、C2にはVIN=VOUT/3が充電される。すなわち、昇圧倍率が変更される前後で、ポンピング容量C1、C2に充電される電圧に差が発生することがわかる。この電圧の差により表示に異常が生じたり、電池に向けて逆流電流が生じ電池を破壊したりする問題が生じる。
【0018】
例えば、2倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが低下した場合、比較回路206は3倍昇圧動作状態に変更するための昇圧倍率設定信号BTをチャージポンプ回路202に出力する。この場合、VOUT/2−VOUT/3に相当する電荷がレギュレータ205を介して電池へと逆流する。電池に保護回路を設けていない場合、この逆流電流により電池は破壊されてしまう。
【0019】
又、昇圧動作を行いながら昇圧倍率を変更すると、チャージポンプ回路202の出力電圧VOUTは、最大で3/2VOUTにまで昇圧されてしまう。この場合、出力電圧VOUTを電源とするレギュレータ203を破壊してしまう可能性がある。
【0020】
更に、3倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが上昇した場合、比較回路206は2倍昇圧動作状態を示す昇圧倍率設定信号BTをチャージポンプ回路202に出力する。この場合、2つのポンピング容量C1、C2にはVIN=VOUT/3が充電されている状態のまま、2倍昇圧を開始してしまう。つまり、レギュレータ205がポンピング容量C1、C2にVIN=VOUT/2の電圧を充電するまでの間、出力電圧VOUTは最低2/3VOUTまで低下してしまう。図3を参照して、この昇圧状態の切り替え(昇圧倍率の変更)を、表示パネルの表示期間中(例えば時刻T1)に行うと、低下したチャージポンプ回路202の出力電圧VOUTに応じて、レギュレータ203からの表示パネル駆動電圧VPNLも低下してしまう。表示パネル駆動電圧VPNLは、表示パネルを駆動するための電圧であるので、表示パネル駆動電圧VPNLが低下している間、表示異常が発生する。
【0021】
以上のように、従来技術では、昇圧倍率を変更する際、表示に異常が生じたり、電池に対して逆流電流が生じて電池が破壊されるといった問題が発生する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号が付加されている。但し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
【0023】
本発明による表示装置用電源回路(101)は、入力電源電圧(VIN)を昇圧して昇圧電圧(VOUT)を出力する昇圧回路(102)と、入力電源電圧(VIN)の電圧レベルを検出する入力電圧検出回路(105)と、検出された入力電源電圧レベルに応じて昇圧回路(102)の昇圧倍率を変更する昇圧制御回路(107)とを具備する。昇圧制御回路(107)は、表示パネル(120)における帰線期間に昇圧倍率を変更する。
【0024】
本発明による表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法は、入力電源電圧(VIN)を昇圧して昇圧電圧(VOUT)を出力するステップと、入力電源電圧(VIN)の電圧レベルを検出するステップと、検出された入力電源電圧レベルに応じて昇圧電圧(VOUT)の昇圧倍率を変更するステップとを具備する。昇圧倍率を変更するステップは、表示パネル(120)における帰線期間に行なわれる。
【0025】
以上のように、本発明では、昇圧回路(チャージポンプ回路)の昇圧倍率の切り替えを、表示動作していない“帰線期間(非表示期間)”に行う。このため、表示動作に影響を与えることなく、消費電流を最小にするために電源回路の状態を変更することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、表示装置に対する電源電圧の昇圧倍率を変更する際の表示異常の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、従来技術による電源回路の構成を示す図である。
【図2】図2は、従来技術によるチャージポンプ回路の構成を示す図である。
【図3】図3は、従来技術による電源回路の昇圧倍率の切り替え動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】図4は、本発明による表示装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明による電源回路の構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明によるチャージポンプ回路の構成を示す図である。
【図7】図7は、本発明による電源回路の第1充電状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明による電源回路の第1放電状態を示す図である。
【図9】図9は、本発明による電源回路の第2充電状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明による電源回路の第2放電状態を示す図である。
【図11】図11は、本発明による電源回路の高圧側への昇圧倍率切り替え動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図12】図12は、本発明による電源回路の第3放電状態を示す図である。
【図13】図13は、本発明による電源回路の低圧側への昇圧倍率切り替え動作の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図4は、本発明による表示装置200の実施の形態における構成を示す図である。本発明による表示装置200は、消費電流を最小にするために電源電圧等に応じて昇圧倍率を変化させる表示装置用電源回路101を搭載している。本実施の形態では、電池から直接供給される電源電圧を2倍又は3倍に昇圧する表示装置用電源回路101を備えた表示装置200を一例に説明する。
【0029】
(構成)
本発明による表示装置200は、表示装置用電源回路101(以下、電源回路101と称す)、ドライバ110、表示パネル120、タイミングコントローラ130を具備する。電源回路101は、図示しない電池から供給される電源電圧VBAT(以下、電池電圧VBATと称す)に応じた出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLを、表示ドライバ110に出力する。ドライバ110は、出力電圧VOUTを電源電圧として動作し、表示パネル駆動電圧VPNLに応じた階調電圧を生成し、表示パネル120を駆動する。表示パネル120は、例えば液晶パネルに例示され、ドライバ110から供給される階調電圧によって駆動される複数の画素(図示なし)を有する。タイミングコントローラ130は、表示パネル120が表示駆動するために必要なタイミングパルスを出力する。タイミングパルスは、垂直同期信号、水平同期信号、水平同期期間又は垂直同期期間における帰線期間を決定するフレーム信号FRM等を含む。ドライバ110は、タイミングパルスに応じたタイミングで表示パネルを駆動する。又、本発明による電源回路101は、フレーム信号FRMに応じて帰線期間中に昇圧動作を行なう。
【0030】
図5は、本発明による電源回路101の構成を示す図である。図5を参照して、本発明による電源回路101は、チャージポンプ回路(昇圧回路)102、表示パネル駆動電圧生成レギュレータ103(以下、レギュレータ103と称す)、電圧検出回路104、比較回路(入力電圧検出回路)105、入力電圧生成レギュレータ106(以下、レギュレータ106と称す)、コントロール回路(昇圧制御回路)107を具備する。
【0031】
電源回路101は、電池電圧VBATをチャージポンプ回路102により昇圧して出力電圧(昇圧電圧)VOUTとして出力する。レギュレータ103は、出力電圧VOUTを電源電圧として表示パネル駆動電圧VPNLを生成する。詳細には、レギュレータ103は、表示パネル駆動電圧VPNLを分圧した結果と参照電圧VREF1との比較結果を表示パネル駆動電圧VPNLとして出力する。尚、出力電圧VOUTが出力される端子や、表示パネル駆動電圧VPNLが出力される端子のそれぞれには、安定化コンデンサが接続される。
【0032】
電圧検出回路104は、出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLに基づき、出力電圧VOUTを一定にするための制御信号(検出信号DET)を生成する。詳細には、電圧検出回路104は、出力電圧VOUTと、参照電圧VREF2又は表示パネル駆動電圧VPNLとを比較することで、出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLの変動を検出し、検出結果に基づいた値の信号を検出信号DETとしてコントロール回路107に出力する。この際、電圧検出回路104は、昇圧倍率に応じて出力電圧VOUTとの比較対象を決定する。例えば、2倍昇圧のとき、電圧検出回路104は、出力信号VOUTと表示パネル駆動電圧VPNLとを比較し、VOUT>VPNLであればハイレベルの検出信号DETを出力し、VOUT<VPNLであればローレベルの検出信号DETを出力する。ただし、出力電圧VOUTの大きさをVOUT、表示パネル駆動電圧VPNLの大きさをVPNLとする。あるいは、3倍昇圧のとき、電圧検出回路104は、出力信号VOUTと参照電圧VREF2とを比較し、VOUT>VREF2であればハイレベルの検出信号DETを出力し、VOUT<VREF2であればローレベルの検出信号DETを出力する。ただし、参照電圧VREF2の大きさをVREF2とする。検出信号DETは、出力電圧VOUTの変動に応じて決定される最適な昇圧倍率を示すデータとしてコントロール回路107に入力される。
【0033】
比較回路105は電池電圧VBATと参照電圧VREFとの比較結果を比較結果信号CMPとしてコントロール回路107に出力する。例えば、比較回路105は、電池電圧VBATと参照電圧VREF3の電圧を比較し、VBAT>VREF3であればハイレベルの比較結果信号CMPを出力し、VBAT<VREF3であれば、ローレベルの比較結果信号CMPを出力する。ただし、参照電圧VREF3の大きさをVREF3とする。比較結果信号CMPは、電池電圧VBATの変動に応じて決定される最適な昇圧倍率を示すデータとしてコントロール回路107に入力される。
【0034】
コントロール回路107は、フレーム信号FRMに同期して、検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じた昇圧倍率設定信号BTを出力する。詳細には、コントロール回路107は、検出信号DETによって出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLの変動を検出する。例えば、コントロール回路107は、ハイレベルの検出信号DETに応じて昇圧倍率を上げるための昇圧倍率設定信号BT(ハイレベル)を出力し、ローレベルの検出信号DETに応じて昇圧倍率を下げるための昇圧倍率設定信号BT(ローレベル)を出力する。又、コントロール回路107は、比較結果信号CMPによって電池電圧VBATの変動を検出する。コントロール回路107は、電池電圧VBATが基準(参照電圧VREF3)より低下した場合、昇圧倍率を上げるための昇圧倍率設定信号BT(ハイレベル)を出力し、逆に電池電圧VBATが基準(参照電圧VREF3)より増大した場合、昇圧倍率を下げるための昇圧倍率設定信号BT(ローレベル)を出力する。ここで、昇圧倍率切替準備信号BTの信号レベルの変動はフレーム信号FRMに同期して行なわれることが好ましい。
【0035】
更に、コントロール回路107は、フレーム信号FRMに同期して、検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じた昇圧倍率切替準備信号SET0、SET1(以下、準備信号SET0、SET1と称す)をチャージポンプ回路102に出力する。準備信号SET0は、昇圧倍率の切替時に出力され、昇圧に利用されるポンピング容量の放電を制御する。準備信号SET1は、準備信号SET0に応じた放電動作後、又は昇圧倍率の切替時に出力され、ポンピング容量の充電を制御する。
【0036】
レギュレータ106は、電池電圧VBATを電源電圧としてチャージポンプ回路102への入力電圧VINを生成する。この際、レギュレータ106は、検出信号DETに応じて変更された電圧と参照電圧REF4との比較結果に基づいて入力電圧VINの電圧値を決定する。
【0037】
例えば、コントロール回路107は、ハイレベルの検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じて、ハイレベルの昇圧倍率設定信号BTを出力する。これにより、入力電圧VINはVIN=VOUT/2に設定される(ただし入力電圧VINの大きさをVINとする)。すなわち、2倍昇圧時において、VOUT>VPNL、VBAT>VREF3である場合、あるいは、3倍昇圧時において、VOUT>VREF2、VBAT>VREF3である場合、入力電圧VINはVIN=VOUT/2に設定される。又、コントロール回路107は、ローレベルの検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じて、ローレベルの昇圧倍率設定信号BTを出力する。これにより、入力電圧VINはVIN=VOUT/3に設定される。すなわち、3倍昇圧時において、VOUT<VPNL、VBAT<VREF3である場合、あるいは、3倍昇圧時において、VOUT<VREF2、VBAT<VREF3である場合、入力電圧VINはVIN=VOUT/3に設定される。尚、入力電圧VINが入力される端子には、安定化コンデンサが接続される。
【0038】
チャージポンプ回路102は、複数のポンピング容量(ここでは、2つのポンピング容量C1、C2)に接続され、ポンピング容量の充放電を利用して、入力電圧VINを昇圧して出力電圧VOUTとして出力する。この際、チャージポンプ回路102は、フレーム信号FRMに同期して出力される昇圧倍率設定信号BTに応じて昇圧倍率を切り替える。詳細には、昇圧倍率設定信号BTの信号レベルはフレーム信号FRMに同期して遷移する。ここで、チャージポンプ回路102の昇圧倍率は、ローレベルの昇圧倍率設定信号BTが入力されている間、2倍に設定され、ハイレベルの昇圧倍率設定信号BTが入力されている間、3倍に設定される。このため、昇圧倍率は、昇圧倍率設定信号BTの立上りに応じて高圧側(3倍)に切り替えられ、昇圧倍率設定信号BTの立下がりに応じて低圧側(2倍)に切り替えられる。又、本発明によるチャージポンプ回路102は、昇圧倍率の切り替え前に、準備信号SET0、SET1に応じて、ポンプ回路が充放電される。
【0039】
次に、図6を参照してチャージポンプ回路102の構成の詳細を説明する。図6を参照して、チャージポンプ回路102は、昇圧倍率設定信号BT及び順部信号SET0、SET1に応じてオン/オフが制御されるスイッチSW1〜SW11を備える。スイッチSW1〜SW4は、入力電圧VINが供給される端子(以下、VIN端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW5、SW6は、出力電圧VOUTが出力される端子(以下、VOUT端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW7は、ポンピング容量C1、C2間の電気的接続を制御する。スイッチSW8〜SW11は、接地されたGND端子と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。
【0040】
詳細には、チャージポンプ回路102は、ポンピング容量C1に接続される端子C1+、C1−、ポンピング容量C2に接続される端子C2+、C2−を有する。スイッチSW1は、VIN端子と端子C2−との間に接続される。スイッチSW2は、VIN端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW3は、VIN端子と端子C1−との間に接続される。スイッチSW4は、VIN端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW5は、VOUT端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW6は、VOUT端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW7は、端子C1−と端子C2+との間に接続される。スイッチSW8は、端子C2−とGND端子との間に接続される。スイッチSW9は、端子C1−とGND端子との間に接続される。スイッチSW10は、端子C2+とGND端子との間に接続される。スイッチSW11は、端子C1+とGND端子との間に接続される。
【0041】
以上のような構成により、チャージポンプ回路102は、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW11を制御し、放電するポンピング容量の接続状態を変更することで、出力電圧VOUTの昇圧率を変更する。
【0042】
(動作)
図7から図13を参照して、本発明による電源回路101の昇圧動作及び昇圧倍率切り替え動作の詳細を説明する。先ず2倍昇圧時及び3倍昇圧時の動作を説明する。
【0043】
昇圧倍率を2倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW11のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第1充電状態(図7参照)と、ポンピング容量C1、C2を放電する第1放電状態とが繰り返される(図8参照)。これにより、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを2倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0044】
詳細には、図7を参照して、第1タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7、SW10、SW11がオフとなる(第1充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0045】
コントロール回路107はチャージポンプ回路102の出力電圧VOUTを一定にするようにレギュレータ106を制御している。つまり、第1充電状態において、2つのポンピング容量C1、C2のそれぞれにはVIN=VOUT/2が充電される。
【0046】
図8を参照して、第1充電状態となってから所定の期間が経過した第2タイミングにおいて、スイッチSW1、SW3、SW5、SW6がオン、他のスイッチSW2、SW4、SW7、SW8、SW9、SW10、SW11がオフとなる(第1放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において並列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを2倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【0047】
又、昇圧倍率を3倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW11のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第2充電状態(図9参照)と、ポンピング容量C1、C2を放電する第2放電状態(図10参照)とが繰り返される。これにより、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを3倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0048】
詳細には、図9を参照して、第3タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7、SW10、SW11がオフとなる(第2充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0049】
コントロール回路107はチャージポンプ回路102の出力電圧VOUTを一定にするようにレギュレータ106を制御している。つまり、第2充電状態において、2つのポンピング容量C1、C2のそれぞれにはVIN=VOUT/3が充電される。
【0050】
図10を参照して、第2充電状態となってから所定の期間が経過した第4タイミングにおいて、スイッチSW1、SW6、SW7がオン、他のスイッチSW2、SW3、SW4、SW5、SW8、SW9、SW10、SW11がオフとなる(第2放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において直列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを3倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【0051】
次に、昇圧倍率切り替え時の動作を説明する。本発明によるチャージポンプ回路102は、表示パネルを表示駆動しない非表示期間、すなわち垂直帰線期間又は水平帰線期間において出力電圧VOUTの昇圧倍率を変更する。図11及び図12を参照して、本発明による2倍昇圧動作から3倍昇圧動作への切り替え動作の詳細を説明する。
【0052】
電源回路101では、2倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが低下した場合、3倍昇圧動作に切り替える。図11は、2倍昇圧動作から3倍昇圧動作への切り替え時における電源回路101の動作を示すタイミングチャートである。
【0053】
図11を参照して、時刻T1において電池電圧VBATが低下すると、比較回路105は比較結果信号CMPの信号レベルを変更する。ここでは、電池電圧VBATが参照電圧VREF3を下回ると、比較結果信号CMPの信号レベルがローレベルからハイレベルに変更される。コントロール回路107は、比較結果信号CMPの立上りエッジに応じて次の帰線期間を待ち受ける昇圧切り替え待機状態となる。
【0054】
昇圧切り替え待機状態となったコントロール回路107は、表示のフレーム信号FRMに同期して、帰線期間が開始されたと同時に3倍昇圧状態を示す昇圧倍率設定信号BTと準備信号SET0、SET1をチャージポンプ回路102に出力する。詳細には、昇圧切り替え待機状態中、時刻T2においてフレーム信号FRMがハイレベルとなり帰線期間が開始されると、コントロール回路107は、昇圧倍率設定信号BTの信号レベルを、2倍昇圧を示すローレベルから3倍昇圧を示すハイレベルに変更する。これと同時に、コントロール回路107は、所定の期間(時刻T2〜時刻T3の間)、ハイレベルの準備信号SET0を出力する。チャージポンプ回路102におけるスイッチSW1〜SW11のオン/オフ状態は、昇圧倍率設定信号BTの立上りエッジに応じて変更され、ハイレベルの準備信号SET0が入力される時刻T2〜時刻T3の間、図12に示す第3放電状態となる。
【0055】
図12を参照して、ハイレベルの準備信号SET0に応じて、スイッチSW8〜SW11がオン、他のスイッチSW1〜SW7がオフとなる(第3放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2の両端は接続され、ポンピング容量に蓄えられた過剰な電圧はグランドに向けて放電される。ここで、準備信号SET0のハイレベル期間(時刻T2〜時刻T3)、すなわち第3放電状態となる期間は、ポンピング容量C1、C2のそれぞれの電圧が1/3VOUT以下となるように設定されていることが好ましい。尚、この期間は予め設定されても良いし、端子C1+、C2+の電圧を検出する回路による制御によって変更されても良い。
【0056】
時刻T3において、準備信号SET0はローレベルに遷移し、準備信号SET1はハイレベルに遷移する。チャージポンプ回路102は、入力される準備信号SET1の立上りエッジに応じて図9に示す第2充電状態となり、ポンピング容量C1、C2に対し1/3VOUTで充電される。そして、時刻T4において、準備信号SET0、SET1がともにローレベルになると図10に示す第2放電状態となり、以降、チャージポンプ回路102は、上述の3倍昇圧動作を開始する。
【0057】
以上のように、本発明による電源回路101では、昇圧倍率を高圧側に切り替える際に生じる2つのポンピング容量C1、C2の過電圧を放電している。すなわち、ポンピング容量C1、C2は、VIN=VOUT/2が充電されている状態から、VIN=VOUT/3以下の状態に放電されている。このため、本発明によれば、高圧側への昇圧倍率切り替え時において、従来技術で発生していた電池に対する逆流電流を防止することができる。
【0058】
又、本発明による電源回路101では、2つのポンピング容量の充電電圧を1/3VOUT以下にしてから昇圧動作を開始している。すなわち、昇圧倍率切り替え前後におけるポンピング容量C1、C2の電圧の差を、0又は0に近似した値としている。このため、チャージポンプ回路102から異常な出力電圧VOUTが発生することもない。従って、本発明によれば、昇圧倍率の切り替えに起因する表示異常の発生が防止される。
【0059】
更に、昇圧倍率が切り替わる時刻T4は、帰線期間である時刻T2から時刻T5の間であることが好ましい。これにより、表示動作に対する昇圧倍率の切り替えによる影響を更に減じることができる。
【0060】
次に、低圧側に昇圧倍率切り替え時の動作を説明する。図13を参照して、本発明による3倍昇圧動作から2倍昇圧動作への切り替え動作の詳細を説明する。
【0061】
電源回路101では、3倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが上昇した場合、2倍昇圧動作に切り替える。図13は、3倍昇圧動作から2倍昇圧動作への切り替え時における電源回路101の動作を示すタイミングチャートである。
【0062】
図13を参照して、時刻T1において電池電圧VBATが上昇すると、比較回路105は比較結果信号CMPの信号レベルを変更する。ここでは、電池電圧VBATが参照電圧VREF3を上回ると、比較結果信号CMPの信号レベルがハイレベルからローレベルに変更される。コントロール回路107は、比較結果信号CMPの立下がりエッジに応じて次の帰線期間を待ち受ける昇圧切り替え待機状態となる。
【0063】
昇圧切り替え待機状態となったコントロール回路107は、表示のフレーム信号FRMに同期して、帰線期間が開始されたと同時に2倍昇圧状態を示す昇圧倍率設定信号BTと準備信号SET1をチャージポンプ回路102に出力する。詳細には、昇圧切り替え待機状態中、時刻T2においてフレーム信号FRMがハイレベルとなり帰線期間が開始されると、コントロール回路107は、昇圧倍率設定信号BTの信号レベルを、3倍昇圧を示すハイレベルから2倍昇圧を示すローレベルに変更する。これと同時に、コントロール回路107は、所定の期間(時刻T2〜時刻T3の間)、ハイレベルの準備信号SET1を出力する。チャージポンプ回路102におけるスイッチSW1〜SW11のオン/オフ状態は、昇圧倍率設定信号BTの立下りエッジに応じて変更され、ハイレベルの準備信号SET1が入力される時刻T2〜時刻T3の間、図7に示す第1充電状態となる。すなわち、帰線期間内の所定の期間、2倍昇圧時における第1充電状態と同じスイッチ制御が行なわれ、ポンピング容量C1、C2は1/2VOUTで充電される。
【0064】
そして、時刻T3において、準備信号SET0、SET1がともにローレベルになると図8に示す第1放電状態となり、以降、チャージポンプ回路102は、上述の2倍昇圧動作を開始する。
【0065】
以上のように、本発明による電源回路101では、ポンピング容量C1、C2の充電電圧を1/2VOUTに変更してから昇圧倍率の切り替えを開始する。このため、チャージポンプ回路102の出力電圧VOUTが低下することなく、昇圧倍率を低圧側に切り替えることができる。又、昇圧倍率が切り替わる時刻T3は、帰線期間である時刻T2から時刻T4の間であることが好ましい。これにより、表示動作に対する昇圧倍率の切り替えによる影響を更に減じることができる。
【0066】
本発明による電源回路101は、昇圧倍率を切り替える際、過電圧が生じる場合は過剰な電荷を放電してから昇圧動作を行い、昇圧出力電圧が低下する場合はポンピング容量に必要な電圧を充電してから昇圧動作を行う。このため、電池への逆流電流や異常出力の発生を防止できる。又、昇圧倍率の切り替えを、表示駆動を行わない“非表示期間”(例えば帰線期間)に実施することで表示異常の発生を防止できる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。本実施の形態では、昇圧倍率として、2倍及び3倍を一例として説明したがこれに限らず、その他の倍率でも構わない。この場合、昇圧倍率に応じたスイッチ構成及び昇圧動作を行うことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0068】
101:表示装置用電源回路
102:チャージポンプ回路
103:表示パネル駆動電圧生成レギュレータ
104:電圧検出回路
105:比較回路
106:入力電圧生成レギュレータ
107:コントロール回路
C1、C2:ポンピング容量
VIN:入力電圧
VOUT:出力電圧
VBAT:電池電圧
VPNL:表示パネル駆動電圧VPNL
BT:昇圧倍率設定信号
DET:検出信号
CMP:比較結果信号
SET0、SET1:昇圧倍率切替準備信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用電源回路、それを用いた表示装置、及び表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯コンピュータに例示される携帯端末では、電池を電源として利用することが一般的である。このため、携帯端末の省電力化が求められている。特に、携帯端末に搭載される表示装置の消費電力は、端末全体において多くの割合を占めるため、これを削減することは、携帯端末の省電力化に対して有効である。表示装置の消費電力を削減するため、電源回路は消費電流を最小にするように、電池電圧に応じて、表示装置に供給する電源電圧を変更(選択)する必要がある。
【0003】
例えば、特開2005−080395には、電池電圧に応じて昇圧率が変更されるチャージポンプ回路を備えた電源装置が記載されている。
【0004】
図1及び図2を参照して、従来技術による表示装置用電源回路について説明する。図1は、従来技術による表示装置用電源回路201(以下、電源回路201と称す)の構成を示す図である。図1を参照して、従来技術による電源回路201は、チャージポンプ回路202、表示パネル駆動電圧生成レギュレータ203(以下、レギュレータ203と称す)、電圧検出回路204、入力電圧生成レギュレータ205(以下、レギュレータ205と称す)、比較回路206を具備する。
【0005】
表示装置用電源回路201は、電池から供給される電圧(以下、電池電圧VBATと称す)をチャージポンプ回路202により昇圧して出力電圧VOUT(昇圧電圧)として出力する。レギュレータ203は、昇圧電圧VOUTを電源電圧として表示パネル駆動電圧VPNLを生成する。電圧検出回路204は、出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLに基づき、出力電圧VOUTを一定にするための制御信号DETを生成する。レギュレータ205は、電池電圧VBATを電源電圧としてチャージポンプ回路202への入力電圧VINを生成する。この際、レギュレータ205は、制御信号DETに応じて変更された電圧に基づいて入力電圧VINの電圧を決定する。比較回路206は、電池電圧VBATと参照電圧VREFとの比較結果を昇圧倍率設定信号BTとしてチャージポンプ回路202に出力する。チャージポンプ回路202は昇圧倍率設定信号BTに応じて昇圧倍率を切り替える。
【0006】
以上のような構成により、従来技術による表示装置用電源回路では、電池電圧VBATと参照電圧VREFとの比較結果(昇圧倍率設定信号BT)に応じて、出力電圧VOUTの昇圧率を変更している。
【0007】
先ず、図2を参照してチャージポンプ回路202の動作を説明する。図2は、従来技術によるチャージポンプ回路202の構成を示す図である。チャージポンプ回路202は、昇圧倍率設定信号BTに応じてオン/オフが制御されるスイッチSW1〜SW9を備える。スイッチSW1〜SW4は、入力電圧VINが供給される端子(以下、VIN端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW5、SW6は、出力電圧VOUTが出力される端子(以下、VOUT端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW7は、ポンピング容量C1、C2間の電気的接続を制御する。スイッチSW8、SW9は、接地されたGND端子と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。
【0008】
詳細には、チャージポンプ回路202は、ポンピング容量C1に接続される端子C1+、C1−、ポンピング容量C2に接続される端子C2+、C2−を有する。スイッチSW1は、VIN端子と端子C2−との間に接続される。スイッチSW2は、VIN端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW3は、VIN端子と端子C1−との間に接続される。スイッチSW4は、VIN端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW5は、VOUT端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW6は、VOUT端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW7は、端子C1−と端子C2+との間に接続される。スイッチSW8は、端子C2−とGND端子との間に接続される。スイッチSW9は、端子C1−とGND端子との間に接続される。
【0009】
以上のような構成により、チャージポンプ回路202は、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW9を制御し、放電するポンピング容量の接続状態を変更することで、出力電圧VOUTの昇圧率を変更する。
【0010】
例えば、昇圧倍率を2倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW9のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第1充電状態と、ポンピング容量C1、C2を放電する第1放電状態とが繰り返される。これにより、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを2倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0011】
詳細には、第1タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7がオフとなる(第1充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0012】
第1充電状態となってから所定の期間が経過した第2タイミングにおいて、スイッチSW1、SW3、SW5、SW6がオン、他のスイッチSW2、SW4、SW7、SW8、SW9がオフとなる(第1放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において並列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを2倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【0013】
又、昇圧倍率を3倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW9のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第2充電状態と、ポンピング容量C1、C2を放電する第2放電状態とが繰り返される。これにより、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを3倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0014】
詳細には、第3タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7がオフとなる(第2充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0015】
第1充電状態となってから所定の期間が経過した第4タイミングにおいて、スイッチSW1、SW6、SW7がオン、他のスイッチSW2、SW3、SW4、SW5、SW8、SW9がオフとなる(第2放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において直列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路202は、入力電圧VINを3倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2005−080395
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ここで、検出回路204はチャージポンプ回路202の出力電圧VOUTを一定にするようにレギュレータ205を制御している。つまり、2倍昇圧時において2つのポンピング容量C1、C2のそれぞれにはVIN=VOUT/2が充電される(ただし、入力電圧VINの大きさをVIN、出力電圧VOUTの大きさをVOUTとする)。一方、3倍昇圧時において2つのポンピング容量C1、C2にはVIN=VOUT/3が充電される。すなわち、昇圧倍率が変更される前後で、ポンピング容量C1、C2に充電される電圧に差が発生することがわかる。この電圧の差により表示に異常が生じたり、電池に向けて逆流電流が生じ電池を破壊したりする問題が生じる。
【0018】
例えば、2倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが低下した場合、比較回路206は3倍昇圧動作状態に変更するための昇圧倍率設定信号BTをチャージポンプ回路202に出力する。この場合、VOUT/2−VOUT/3に相当する電荷がレギュレータ205を介して電池へと逆流する。電池に保護回路を設けていない場合、この逆流電流により電池は破壊されてしまう。
【0019】
又、昇圧動作を行いながら昇圧倍率を変更すると、チャージポンプ回路202の出力電圧VOUTは、最大で3/2VOUTにまで昇圧されてしまう。この場合、出力電圧VOUTを電源とするレギュレータ203を破壊してしまう可能性がある。
【0020】
更に、3倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが上昇した場合、比較回路206は2倍昇圧動作状態を示す昇圧倍率設定信号BTをチャージポンプ回路202に出力する。この場合、2つのポンピング容量C1、C2にはVIN=VOUT/3が充電されている状態のまま、2倍昇圧を開始してしまう。つまり、レギュレータ205がポンピング容量C1、C2にVIN=VOUT/2の電圧を充電するまでの間、出力電圧VOUTは最低2/3VOUTまで低下してしまう。図3を参照して、この昇圧状態の切り替え(昇圧倍率の変更)を、表示パネルの表示期間中(例えば時刻T1)に行うと、低下したチャージポンプ回路202の出力電圧VOUTに応じて、レギュレータ203からの表示パネル駆動電圧VPNLも低下してしまう。表示パネル駆動電圧VPNLは、表示パネルを駆動するための電圧であるので、表示パネル駆動電圧VPNLが低下している間、表示異常が発生する。
【0021】
以上のように、従来技術では、昇圧倍率を変更する際、表示に異常が生じたり、電池に対して逆流電流が生じて電池が破壊されるといった問題が発生する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号が付加されている。但し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
【0023】
本発明による表示装置用電源回路(101)は、入力電源電圧(VIN)を昇圧して昇圧電圧(VOUT)を出力する昇圧回路(102)と、入力電源電圧(VIN)の電圧レベルを検出する入力電圧検出回路(105)と、検出された入力電源電圧レベルに応じて昇圧回路(102)の昇圧倍率を変更する昇圧制御回路(107)とを具備する。昇圧制御回路(107)は、表示パネル(120)における帰線期間に昇圧倍率を変更する。
【0024】
本発明による表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法は、入力電源電圧(VIN)を昇圧して昇圧電圧(VOUT)を出力するステップと、入力電源電圧(VIN)の電圧レベルを検出するステップと、検出された入力電源電圧レベルに応じて昇圧電圧(VOUT)の昇圧倍率を変更するステップとを具備する。昇圧倍率を変更するステップは、表示パネル(120)における帰線期間に行なわれる。
【0025】
以上のように、本発明では、昇圧回路(チャージポンプ回路)の昇圧倍率の切り替えを、表示動作していない“帰線期間(非表示期間)”に行う。このため、表示動作に影響を与えることなく、消費電流を最小にするために電源回路の状態を変更することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、表示装置に対する電源電圧の昇圧倍率を変更する際の表示異常の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、従来技術による電源回路の構成を示す図である。
【図2】図2は、従来技術によるチャージポンプ回路の構成を示す図である。
【図3】図3は、従来技術による電源回路の昇圧倍率の切り替え動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】図4は、本発明による表示装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明による電源回路の構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明によるチャージポンプ回路の構成を示す図である。
【図7】図7は、本発明による電源回路の第1充電状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明による電源回路の第1放電状態を示す図である。
【図9】図9は、本発明による電源回路の第2充電状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明による電源回路の第2放電状態を示す図である。
【図11】図11は、本発明による電源回路の高圧側への昇圧倍率切り替え動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図12】図12は、本発明による電源回路の第3放電状態を示す図である。
【図13】図13は、本発明による電源回路の低圧側への昇圧倍率切り替え動作の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図4は、本発明による表示装置200の実施の形態における構成を示す図である。本発明による表示装置200は、消費電流を最小にするために電源電圧等に応じて昇圧倍率を変化させる表示装置用電源回路101を搭載している。本実施の形態では、電池から直接供給される電源電圧を2倍又は3倍に昇圧する表示装置用電源回路101を備えた表示装置200を一例に説明する。
【0029】
(構成)
本発明による表示装置200は、表示装置用電源回路101(以下、電源回路101と称す)、ドライバ110、表示パネル120、タイミングコントローラ130を具備する。電源回路101は、図示しない電池から供給される電源電圧VBAT(以下、電池電圧VBATと称す)に応じた出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLを、表示ドライバ110に出力する。ドライバ110は、出力電圧VOUTを電源電圧として動作し、表示パネル駆動電圧VPNLに応じた階調電圧を生成し、表示パネル120を駆動する。表示パネル120は、例えば液晶パネルに例示され、ドライバ110から供給される階調電圧によって駆動される複数の画素(図示なし)を有する。タイミングコントローラ130は、表示パネル120が表示駆動するために必要なタイミングパルスを出力する。タイミングパルスは、垂直同期信号、水平同期信号、水平同期期間又は垂直同期期間における帰線期間を決定するフレーム信号FRM等を含む。ドライバ110は、タイミングパルスに応じたタイミングで表示パネルを駆動する。又、本発明による電源回路101は、フレーム信号FRMに応じて帰線期間中に昇圧動作を行なう。
【0030】
図5は、本発明による電源回路101の構成を示す図である。図5を参照して、本発明による電源回路101は、チャージポンプ回路(昇圧回路)102、表示パネル駆動電圧生成レギュレータ103(以下、レギュレータ103と称す)、電圧検出回路104、比較回路(入力電圧検出回路)105、入力電圧生成レギュレータ106(以下、レギュレータ106と称す)、コントロール回路(昇圧制御回路)107を具備する。
【0031】
電源回路101は、電池電圧VBATをチャージポンプ回路102により昇圧して出力電圧(昇圧電圧)VOUTとして出力する。レギュレータ103は、出力電圧VOUTを電源電圧として表示パネル駆動電圧VPNLを生成する。詳細には、レギュレータ103は、表示パネル駆動電圧VPNLを分圧した結果と参照電圧VREF1との比較結果を表示パネル駆動電圧VPNLとして出力する。尚、出力電圧VOUTが出力される端子や、表示パネル駆動電圧VPNLが出力される端子のそれぞれには、安定化コンデンサが接続される。
【0032】
電圧検出回路104は、出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLに基づき、出力電圧VOUTを一定にするための制御信号(検出信号DET)を生成する。詳細には、電圧検出回路104は、出力電圧VOUTと、参照電圧VREF2又は表示パネル駆動電圧VPNLとを比較することで、出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLの変動を検出し、検出結果に基づいた値の信号を検出信号DETとしてコントロール回路107に出力する。この際、電圧検出回路104は、昇圧倍率に応じて出力電圧VOUTとの比較対象を決定する。例えば、2倍昇圧のとき、電圧検出回路104は、出力信号VOUTと表示パネル駆動電圧VPNLとを比較し、VOUT>VPNLであればハイレベルの検出信号DETを出力し、VOUT<VPNLであればローレベルの検出信号DETを出力する。ただし、出力電圧VOUTの大きさをVOUT、表示パネル駆動電圧VPNLの大きさをVPNLとする。あるいは、3倍昇圧のとき、電圧検出回路104は、出力信号VOUTと参照電圧VREF2とを比較し、VOUT>VREF2であればハイレベルの検出信号DETを出力し、VOUT<VREF2であればローレベルの検出信号DETを出力する。ただし、参照電圧VREF2の大きさをVREF2とする。検出信号DETは、出力電圧VOUTの変動に応じて決定される最適な昇圧倍率を示すデータとしてコントロール回路107に入力される。
【0033】
比較回路105は電池電圧VBATと参照電圧VREFとの比較結果を比較結果信号CMPとしてコントロール回路107に出力する。例えば、比較回路105は、電池電圧VBATと参照電圧VREF3の電圧を比較し、VBAT>VREF3であればハイレベルの比較結果信号CMPを出力し、VBAT<VREF3であれば、ローレベルの比較結果信号CMPを出力する。ただし、参照電圧VREF3の大きさをVREF3とする。比較結果信号CMPは、電池電圧VBATの変動に応じて決定される最適な昇圧倍率を示すデータとしてコントロール回路107に入力される。
【0034】
コントロール回路107は、フレーム信号FRMに同期して、検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じた昇圧倍率設定信号BTを出力する。詳細には、コントロール回路107は、検出信号DETによって出力電圧VOUT及び表示パネル駆動電圧VPNLの変動を検出する。例えば、コントロール回路107は、ハイレベルの検出信号DETに応じて昇圧倍率を上げるための昇圧倍率設定信号BT(ハイレベル)を出力し、ローレベルの検出信号DETに応じて昇圧倍率を下げるための昇圧倍率設定信号BT(ローレベル)を出力する。又、コントロール回路107は、比較結果信号CMPによって電池電圧VBATの変動を検出する。コントロール回路107は、電池電圧VBATが基準(参照電圧VREF3)より低下した場合、昇圧倍率を上げるための昇圧倍率設定信号BT(ハイレベル)を出力し、逆に電池電圧VBATが基準(参照電圧VREF3)より増大した場合、昇圧倍率を下げるための昇圧倍率設定信号BT(ローレベル)を出力する。ここで、昇圧倍率切替準備信号BTの信号レベルの変動はフレーム信号FRMに同期して行なわれることが好ましい。
【0035】
更に、コントロール回路107は、フレーム信号FRMに同期して、検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じた昇圧倍率切替準備信号SET0、SET1(以下、準備信号SET0、SET1と称す)をチャージポンプ回路102に出力する。準備信号SET0は、昇圧倍率の切替時に出力され、昇圧に利用されるポンピング容量の放電を制御する。準備信号SET1は、準備信号SET0に応じた放電動作後、又は昇圧倍率の切替時に出力され、ポンピング容量の充電を制御する。
【0036】
レギュレータ106は、電池電圧VBATを電源電圧としてチャージポンプ回路102への入力電圧VINを生成する。この際、レギュレータ106は、検出信号DETに応じて変更された電圧と参照電圧REF4との比較結果に基づいて入力電圧VINの電圧値を決定する。
【0037】
例えば、コントロール回路107は、ハイレベルの検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じて、ハイレベルの昇圧倍率設定信号BTを出力する。これにより、入力電圧VINはVIN=VOUT/2に設定される(ただし入力電圧VINの大きさをVINとする)。すなわち、2倍昇圧時において、VOUT>VPNL、VBAT>VREF3である場合、あるいは、3倍昇圧時において、VOUT>VREF2、VBAT>VREF3である場合、入力電圧VINはVIN=VOUT/2に設定される。又、コントロール回路107は、ローレベルの検出信号DET及び比較結果信号CMPに応じて、ローレベルの昇圧倍率設定信号BTを出力する。これにより、入力電圧VINはVIN=VOUT/3に設定される。すなわち、3倍昇圧時において、VOUT<VPNL、VBAT<VREF3である場合、あるいは、3倍昇圧時において、VOUT<VREF2、VBAT<VREF3である場合、入力電圧VINはVIN=VOUT/3に設定される。尚、入力電圧VINが入力される端子には、安定化コンデンサが接続される。
【0038】
チャージポンプ回路102は、複数のポンピング容量(ここでは、2つのポンピング容量C1、C2)に接続され、ポンピング容量の充放電を利用して、入力電圧VINを昇圧して出力電圧VOUTとして出力する。この際、チャージポンプ回路102は、フレーム信号FRMに同期して出力される昇圧倍率設定信号BTに応じて昇圧倍率を切り替える。詳細には、昇圧倍率設定信号BTの信号レベルはフレーム信号FRMに同期して遷移する。ここで、チャージポンプ回路102の昇圧倍率は、ローレベルの昇圧倍率設定信号BTが入力されている間、2倍に設定され、ハイレベルの昇圧倍率設定信号BTが入力されている間、3倍に設定される。このため、昇圧倍率は、昇圧倍率設定信号BTの立上りに応じて高圧側(3倍)に切り替えられ、昇圧倍率設定信号BTの立下がりに応じて低圧側(2倍)に切り替えられる。又、本発明によるチャージポンプ回路102は、昇圧倍率の切り替え前に、準備信号SET0、SET1に応じて、ポンプ回路が充放電される。
【0039】
次に、図6を参照してチャージポンプ回路102の構成の詳細を説明する。図6を参照して、チャージポンプ回路102は、昇圧倍率設定信号BT及び順部信号SET0、SET1に応じてオン/オフが制御されるスイッチSW1〜SW11を備える。スイッチSW1〜SW4は、入力電圧VINが供給される端子(以下、VIN端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW5、SW6は、出力電圧VOUTが出力される端子(以下、VOUT端子と称す)と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。スイッチSW7は、ポンピング容量C1、C2間の電気的接続を制御する。スイッチSW8〜SW11は、接地されたGND端子と、ポンピング容量との電気的接続を制御する。
【0040】
詳細には、チャージポンプ回路102は、ポンピング容量C1に接続される端子C1+、C1−、ポンピング容量C2に接続される端子C2+、C2−を有する。スイッチSW1は、VIN端子と端子C2−との間に接続される。スイッチSW2は、VIN端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW3は、VIN端子と端子C1−との間に接続される。スイッチSW4は、VIN端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW5は、VOUT端子と端子C2+との間に接続される。スイッチSW6は、VOUT端子と端子C1+との間に接続される。スイッチSW7は、端子C1−と端子C2+との間に接続される。スイッチSW8は、端子C2−とGND端子との間に接続される。スイッチSW9は、端子C1−とGND端子との間に接続される。スイッチSW10は、端子C2+とGND端子との間に接続される。スイッチSW11は、端子C1+とGND端子との間に接続される。
【0041】
以上のような構成により、チャージポンプ回路102は、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW11を制御し、放電するポンピング容量の接続状態を変更することで、出力電圧VOUTの昇圧率を変更する。
【0042】
(動作)
図7から図13を参照して、本発明による電源回路101の昇圧動作及び昇圧倍率切り替え動作の詳細を説明する。先ず2倍昇圧時及び3倍昇圧時の動作を説明する。
【0043】
昇圧倍率を2倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW11のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第1充電状態(図7参照)と、ポンピング容量C1、C2を放電する第1放電状態とが繰り返される(図8参照)。これにより、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを2倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0044】
詳細には、図7を参照して、第1タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7、SW10、SW11がオフとなる(第1充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0045】
コントロール回路107はチャージポンプ回路102の出力電圧VOUTを一定にするようにレギュレータ106を制御している。つまり、第1充電状態において、2つのポンピング容量C1、C2のそれぞれにはVIN=VOUT/2が充電される。
【0046】
図8を参照して、第1充電状態となってから所定の期間が経過した第2タイミングにおいて、スイッチSW1、SW3、SW5、SW6がオン、他のスイッチSW2、SW4、SW7、SW8、SW9、SW10、SW11がオフとなる(第1放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において並列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを2倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【0047】
又、昇圧倍率を3倍として入力電圧VINを昇圧する場合、昇圧倍率設定信号BTに応じてスイッチSW1〜SW11のオン/オフが制御されることで、ポンピング容量C1、C2を充電する第2充電状態(図9参照)と、ポンピング容量C1、C2を放電する第2放電状態(図10参照)とが繰り返される。これにより、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを3倍した出力電圧VOUTを出力する。
【0048】
詳細には、図9を参照して、第3タイミングにおいて、スイッチSW2、SW4、SW8、SW9がオン、他のスイッチSW1、SW3、SW5、SW6、SW7、SW10、SW11がオフとなる(第2充電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とGND端子との間において並列接続され、入力電圧VINが2つのポンピング容量C1、C2に充電される。この結果、2つのポンピング容量C1、C2の両端(端子C1+〜端子C1−間、及び端子C2+〜端子C2−間)のそれぞれに、入力電圧VINの電位が生じることとなる。
【0049】
コントロール回路107はチャージポンプ回路102の出力電圧VOUTを一定にするようにレギュレータ106を制御している。つまり、第2充電状態において、2つのポンピング容量C1、C2のそれぞれにはVIN=VOUT/3が充電される。
【0050】
図10を参照して、第2充電状態となってから所定の期間が経過した第4タイミングにおいて、スイッチSW1、SW6、SW7がオン、他のスイッチSW2、SW3、SW4、SW5、SW8、SW9、SW10、SW11がオフとなる(第2放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2はVIN端子とVOUT端子との間において直列接続された状態で放電する。この結果、チャージポンプ回路102は、入力電圧VINを3倍に昇圧した出力電圧VOUTを出力する。
【0051】
次に、昇圧倍率切り替え時の動作を説明する。本発明によるチャージポンプ回路102は、表示パネルを表示駆動しない非表示期間、すなわち垂直帰線期間又は水平帰線期間において出力電圧VOUTの昇圧倍率を変更する。図11及び図12を参照して、本発明による2倍昇圧動作から3倍昇圧動作への切り替え動作の詳細を説明する。
【0052】
電源回路101では、2倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが低下した場合、3倍昇圧動作に切り替える。図11は、2倍昇圧動作から3倍昇圧動作への切り替え時における電源回路101の動作を示すタイミングチャートである。
【0053】
図11を参照して、時刻T1において電池電圧VBATが低下すると、比較回路105は比較結果信号CMPの信号レベルを変更する。ここでは、電池電圧VBATが参照電圧VREF3を下回ると、比較結果信号CMPの信号レベルがローレベルからハイレベルに変更される。コントロール回路107は、比較結果信号CMPの立上りエッジに応じて次の帰線期間を待ち受ける昇圧切り替え待機状態となる。
【0054】
昇圧切り替え待機状態となったコントロール回路107は、表示のフレーム信号FRMに同期して、帰線期間が開始されたと同時に3倍昇圧状態を示す昇圧倍率設定信号BTと準備信号SET0、SET1をチャージポンプ回路102に出力する。詳細には、昇圧切り替え待機状態中、時刻T2においてフレーム信号FRMがハイレベルとなり帰線期間が開始されると、コントロール回路107は、昇圧倍率設定信号BTの信号レベルを、2倍昇圧を示すローレベルから3倍昇圧を示すハイレベルに変更する。これと同時に、コントロール回路107は、所定の期間(時刻T2〜時刻T3の間)、ハイレベルの準備信号SET0を出力する。チャージポンプ回路102におけるスイッチSW1〜SW11のオン/オフ状態は、昇圧倍率設定信号BTの立上りエッジに応じて変更され、ハイレベルの準備信号SET0が入力される時刻T2〜時刻T3の間、図12に示す第3放電状態となる。
【0055】
図12を参照して、ハイレベルの準備信号SET0に応じて、スイッチSW8〜SW11がオン、他のスイッチSW1〜SW7がオフとなる(第3放電状態)。これにより、2つのポンピング容量C1、C2の両端は接続され、ポンピング容量に蓄えられた過剰な電圧はグランドに向けて放電される。ここで、準備信号SET0のハイレベル期間(時刻T2〜時刻T3)、すなわち第3放電状態となる期間は、ポンピング容量C1、C2のそれぞれの電圧が1/3VOUT以下となるように設定されていることが好ましい。尚、この期間は予め設定されても良いし、端子C1+、C2+の電圧を検出する回路による制御によって変更されても良い。
【0056】
時刻T3において、準備信号SET0はローレベルに遷移し、準備信号SET1はハイレベルに遷移する。チャージポンプ回路102は、入力される準備信号SET1の立上りエッジに応じて図9に示す第2充電状態となり、ポンピング容量C1、C2に対し1/3VOUTで充電される。そして、時刻T4において、準備信号SET0、SET1がともにローレベルになると図10に示す第2放電状態となり、以降、チャージポンプ回路102は、上述の3倍昇圧動作を開始する。
【0057】
以上のように、本発明による電源回路101では、昇圧倍率を高圧側に切り替える際に生じる2つのポンピング容量C1、C2の過電圧を放電している。すなわち、ポンピング容量C1、C2は、VIN=VOUT/2が充電されている状態から、VIN=VOUT/3以下の状態に放電されている。このため、本発明によれば、高圧側への昇圧倍率切り替え時において、従来技術で発生していた電池に対する逆流電流を防止することができる。
【0058】
又、本発明による電源回路101では、2つのポンピング容量の充電電圧を1/3VOUT以下にしてから昇圧動作を開始している。すなわち、昇圧倍率切り替え前後におけるポンピング容量C1、C2の電圧の差を、0又は0に近似した値としている。このため、チャージポンプ回路102から異常な出力電圧VOUTが発生することもない。従って、本発明によれば、昇圧倍率の切り替えに起因する表示異常の発生が防止される。
【0059】
更に、昇圧倍率が切り替わる時刻T4は、帰線期間である時刻T2から時刻T5の間であることが好ましい。これにより、表示動作に対する昇圧倍率の切り替えによる影響を更に減じることができる。
【0060】
次に、低圧側に昇圧倍率切り替え時の動作を説明する。図13を参照して、本発明による3倍昇圧動作から2倍昇圧動作への切り替え動作の詳細を説明する。
【0061】
電源回路101では、3倍昇圧動作を行っている状態において、電池電圧VBATが上昇した場合、2倍昇圧動作に切り替える。図13は、3倍昇圧動作から2倍昇圧動作への切り替え時における電源回路101の動作を示すタイミングチャートである。
【0062】
図13を参照して、時刻T1において電池電圧VBATが上昇すると、比較回路105は比較結果信号CMPの信号レベルを変更する。ここでは、電池電圧VBATが参照電圧VREF3を上回ると、比較結果信号CMPの信号レベルがハイレベルからローレベルに変更される。コントロール回路107は、比較結果信号CMPの立下がりエッジに応じて次の帰線期間を待ち受ける昇圧切り替え待機状態となる。
【0063】
昇圧切り替え待機状態となったコントロール回路107は、表示のフレーム信号FRMに同期して、帰線期間が開始されたと同時に2倍昇圧状態を示す昇圧倍率設定信号BTと準備信号SET1をチャージポンプ回路102に出力する。詳細には、昇圧切り替え待機状態中、時刻T2においてフレーム信号FRMがハイレベルとなり帰線期間が開始されると、コントロール回路107は、昇圧倍率設定信号BTの信号レベルを、3倍昇圧を示すハイレベルから2倍昇圧を示すローレベルに変更する。これと同時に、コントロール回路107は、所定の期間(時刻T2〜時刻T3の間)、ハイレベルの準備信号SET1を出力する。チャージポンプ回路102におけるスイッチSW1〜SW11のオン/オフ状態は、昇圧倍率設定信号BTの立下りエッジに応じて変更され、ハイレベルの準備信号SET1が入力される時刻T2〜時刻T3の間、図7に示す第1充電状態となる。すなわち、帰線期間内の所定の期間、2倍昇圧時における第1充電状態と同じスイッチ制御が行なわれ、ポンピング容量C1、C2は1/2VOUTで充電される。
【0064】
そして、時刻T3において、準備信号SET0、SET1がともにローレベルになると図8に示す第1放電状態となり、以降、チャージポンプ回路102は、上述の2倍昇圧動作を開始する。
【0065】
以上のように、本発明による電源回路101では、ポンピング容量C1、C2の充電電圧を1/2VOUTに変更してから昇圧倍率の切り替えを開始する。このため、チャージポンプ回路102の出力電圧VOUTが低下することなく、昇圧倍率を低圧側に切り替えることができる。又、昇圧倍率が切り替わる時刻T3は、帰線期間である時刻T2から時刻T4の間であることが好ましい。これにより、表示動作に対する昇圧倍率の切り替えによる影響を更に減じることができる。
【0066】
本発明による電源回路101は、昇圧倍率を切り替える際、過電圧が生じる場合は過剰な電荷を放電してから昇圧動作を行い、昇圧出力電圧が低下する場合はポンピング容量に必要な電圧を充電してから昇圧動作を行う。このため、電池への逆流電流や異常出力の発生を防止できる。又、昇圧倍率の切り替えを、表示駆動を行わない“非表示期間”(例えば帰線期間)に実施することで表示異常の発生を防止できる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。本実施の形態では、昇圧倍率として、2倍及び3倍を一例として説明したがこれに限らず、その他の倍率でも構わない。この場合、昇圧倍率に応じたスイッチ構成及び昇圧動作を行うことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0068】
101:表示装置用電源回路
102:チャージポンプ回路
103:表示パネル駆動電圧生成レギュレータ
104:電圧検出回路
105:比較回路
106:入力電圧生成レギュレータ
107:コントロール回路
C1、C2:ポンピング容量
VIN:入力電圧
VOUT:出力電圧
VBAT:電池電圧
VPNL:表示パネル駆動電圧VPNL
BT:昇圧倍率設定信号
DET:検出信号
CMP:比較結果信号
SET0、SET1:昇圧倍率切替準備信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電源電圧を昇圧して昇圧電圧を出力する昇圧回路と、
前記入力電源電圧の電圧レベルを検出する入力電圧検出回路と、
検出された前記入力電源電圧レベルに応じて前記昇圧回路の昇圧倍率を変更する昇圧制御回路と、
を具備し、
前記昇圧制御回路は、表示パネルにおける帰線期間に前記昇圧倍率を変更する
表示装置用電源回路。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置用電源回路において、
前記昇圧制御回路は、前記帰線期間を制御するフレーム信号に応じて前記昇圧回路の昇圧倍率を変更する
表示装置用電源回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置用電源回路において、
前記昇圧制御回路は、前記入力電源電圧レベルが上昇し、前記非表示期間になると、第1昇圧倍率切替準備信号を出力し、
前記昇圧回路は、ポンピング容量の充放電を繰り返して前記入力電源電圧を昇圧し、前記第1昇圧倍率切替準備信号に応じて、前記ポンピング容量に充電された電荷を放電し、前記放電後、前記昇圧倍率を高圧側に変更する
表示装置用電源回路。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置用電源回路において、
前記入力電源電圧レベルが降下し、前記非表示期間になると、前記昇圧制御回路は、第2昇圧倍率切替準備信号を出力し、
前記昇圧回路は、ポンピング容量の充放電を繰り返して前記入力電源電圧を昇圧し、前記第2昇圧倍率切替準備信号に応じて、前記ポンピング容量を充電し、前記充電後、前記昇圧倍率を低圧側に変更する
表示装置用電源回路。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置用電源回路において、
前記入力電源電圧は、電池から直接供給される
表示装置用電源回路。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置用電源回路と、
表示パネルと、
前記表示装置用電源回路から供給される昇圧電圧によって前記表示パネルを駆動するドライバと、
を具備する
表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置において、
前記表示パネルにおける帰線期間を制御するフレーム信号を前記ドライバ及び前記表示装置用電源回路に出力するタイミングコントローラを更に具備し、
前記ドライバは、前記フレーム信号に応じて前記表示パネルを駆動し、
前記表示装置用電源回路は、前記フレーム信号に応じて前記昇圧回路の昇圧倍率を変更する
表示装置。
【請求項8】
入力電源電圧を昇圧して昇圧電圧を出力するステップと、
前記入力電源電圧の電圧レベルを検出するステップと、
検出された前記入力電源電圧レベルに応じて前記昇圧電圧の昇圧倍率を変更するステップと、
を具備し、
前記昇圧倍率を変更するステップは、表示パネルにおける帰線期間に行なわれる
表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法。
【請求項9】
請求項8に記載の表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法において、
前記昇圧倍率を変更するステップは、
前記入力電源電圧レベルが上昇し、前記非表示期間になると、前記入力電源電圧を昇圧するためのポンピング容量に充電された電荷を放電するステップと、
前記放電後、前記昇圧倍率を高圧側に変更するステップと、
を更に備える
表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法において、
前記昇圧倍率を変更するステップは、
前記入力電源電圧レベルが降下し、前記非表示期間になると、入力電源電圧を昇圧するためのポンピング容量を充電するステップと、
前記充電後、前記昇圧倍率を低圧側に変更するステップと、
を更に備える
表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法。
【請求項1】
入力電源電圧を昇圧して昇圧電圧を出力する昇圧回路と、
前記入力電源電圧の電圧レベルを検出する入力電圧検出回路と、
検出された前記入力電源電圧レベルに応じて前記昇圧回路の昇圧倍率を変更する昇圧制御回路と、
を具備し、
前記昇圧制御回路は、表示パネルにおける帰線期間に前記昇圧倍率を変更する
表示装置用電源回路。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置用電源回路において、
前記昇圧制御回路は、前記帰線期間を制御するフレーム信号に応じて前記昇圧回路の昇圧倍率を変更する
表示装置用電源回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置用電源回路において、
前記昇圧制御回路は、前記入力電源電圧レベルが上昇し、前記非表示期間になると、第1昇圧倍率切替準備信号を出力し、
前記昇圧回路は、ポンピング容量の充放電を繰り返して前記入力電源電圧を昇圧し、前記第1昇圧倍率切替準備信号に応じて、前記ポンピング容量に充電された電荷を放電し、前記放電後、前記昇圧倍率を高圧側に変更する
表示装置用電源回路。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置用電源回路において、
前記入力電源電圧レベルが降下し、前記非表示期間になると、前記昇圧制御回路は、第2昇圧倍率切替準備信号を出力し、
前記昇圧回路は、ポンピング容量の充放電を繰り返して前記入力電源電圧を昇圧し、前記第2昇圧倍率切替準備信号に応じて、前記ポンピング容量を充電し、前記充電後、前記昇圧倍率を低圧側に変更する
表示装置用電源回路。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置用電源回路において、
前記入力電源電圧は、電池から直接供給される
表示装置用電源回路。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置用電源回路と、
表示パネルと、
前記表示装置用電源回路から供給される昇圧電圧によって前記表示パネルを駆動するドライバと、
を具備する
表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置において、
前記表示パネルにおける帰線期間を制御するフレーム信号を前記ドライバ及び前記表示装置用電源回路に出力するタイミングコントローラを更に具備し、
前記ドライバは、前記フレーム信号に応じて前記表示パネルを駆動し、
前記表示装置用電源回路は、前記フレーム信号に応じて前記昇圧回路の昇圧倍率を変更する
表示装置。
【請求項8】
入力電源電圧を昇圧して昇圧電圧を出力するステップと、
前記入力電源電圧の電圧レベルを検出するステップと、
検出された前記入力電源電圧レベルに応じて前記昇圧電圧の昇圧倍率を変更するステップと、
を具備し、
前記昇圧倍率を変更するステップは、表示パネルにおける帰線期間に行なわれる
表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法。
【請求項9】
請求項8に記載の表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法において、
前記昇圧倍率を変更するステップは、
前記入力電源電圧レベルが上昇し、前記非表示期間になると、前記入力電源電圧を昇圧するためのポンピング容量に充電された電荷を放電するステップと、
前記放電後、前記昇圧倍率を高圧側に変更するステップと、
を更に備える
表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法において、
前記昇圧倍率を変更するステップは、
前記入力電源電圧レベルが降下し、前記非表示期間になると、入力電源電圧を昇圧するためのポンピング容量を充電するステップと、
前記充電後、前記昇圧倍率を低圧側に変更するステップと、
を更に備える
表示装置用電源電圧の昇圧倍率変更方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−256403(P2010−256403A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102873(P2009−102873)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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