説明

表示装置

【課題】 薄膜トランジスタを転写して形成する表示装置の製造方法における犠牲層のエッチングの高速化と、エッチング停止層におけるエッチングの低速化。
【解決手段】 基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、前記犠牲層を、SiO絶縁膜にリン、ボロン、ゲルマニウムのうち少なくともいずれか一種以上を、リン+ボロン+ゲルマニウムの重量百分率で3%以上含有して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特にフレキシブルな表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のフラットパネル市場は、大型テレビやモバイル用途の需要増が著しい。この分野のさらなる進化形態として軽量・薄型のフレキシブルディスプレイの商品化が熱望されている。しかし液晶や有機ELなどを、高精細または動画対応のパネルとするには、 いずれもアクティブマトリクス用のTFTが必要となり、それをフレキシブル基板(=プラスチック基板)に形成することが最大の技術的課題となっている。プラスチック基板はガラス転移温度が低く熱膨張率が大きいため、 プラスチック基板上に直接TFTを形成する方法ではプロセス温度を低く抑える必要がある。現時点では、Si以外の無機酸化物や有機材料を用いても、所望のTFT性能や信頼性が得られていない。
【0003】
プラスチック基板上にTFTを形成するもう一つの方法は、通常通り作製されたガラス基板上のSi-TFTアレイを、ガラス基板を除去して別のプラスチック基板に移植する「転写」である。転写法の課題はガラス基板の除去にあるが、それを化学的に行う、すなわちエッチングを行う場合は「エッチング停止層」や「犠牲層(または剥離層)」を設ける必要がある。従ってTFTアレイを作製する基板構造は、「半導体層/絶縁膜層/エッチング停止層または犠牲層/ガラス基板」となる。エッチング停止層の役割は、ガラス基板のフッ酸(HF)エッチングが終了した領域で、絶縁層や半導体層がエッチングされないように保護する耐HF性の材料である。犠牲層の働きは、その上下の層よりもエッチング速度が速い材料を用いることで、犠牲層のみがエッチングされるようにして、基板を分離することである。このときエッチングは、分離する基板サイズだけ横方向に進むため、エッチング速度が遅いと基板分離に長時間を要することになる。
【0004】
特許文献1では、エッチング停止層として、Mo、W、Si、アルミナ、MgF2、CaF2、ダイヤモンド、有機膜などが指定されている。これらはガラス基板を溶かすHF系エッチング液でも溶けない材料である。
【0005】
特許文献2では、犠牲層としてSi層(a-Si、poly-Si、c-Si)が指定されている。XeF2ガスは酸化珪素(SiO)を溶かさないがSiはエッチングするため、Si犠牲層は端面から横方向にエッチングされて基板が半導体層と分離する。
【0006】
【特許文献1】特開2004-259796号公報
【特許文献2】特開2002-277859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
転写法におけるエッチング停止層と犠牲層に要求される性質は次のようになる。エッチング停止層は、エッチングレートが低いことが前提であるが、さらにTFT作製プロセスに耐える耐熱性と、TFTやディスプレイの性能低下をもたらさないように絶縁性、固定電荷の発生無し、液晶パネルでは透明などなどの性質を有する必要がある。これに該当しない場合は、ガラス除去後にエッチング停止層の除去を行う必要があり、コスト上昇と歩留まり低下の要因となる。またSiを除いて、その成膜自体が高コスト要因の可能性もある。犠牲層では、高いエッチングレートと、TFT作製プロセスに耐える耐熱性が必要で、成膜が低コストならより望ましい。停止層も犠牲層も、どちらも耐熱性が必要という意味では有機膜は有り得ない。
【0008】
特許文献1では、単純にHF系エッチング液に対して化学的に安定な停止層を用いている。これらを実際にディスプレイ作製に用いるとすると、成膜プロセス自体の高コストや、固定電荷、非透明の問題がある。また化学的に安定なエッチング停止層を用いても、エッチング時間が短くなるわけではない。従ってエッチング停止層の除去工程によるダメージの可能性や、基板端面からのダメージの可能性は考慮されていない。
【0009】
特許文献2では、端面から横方向のエッチングを行うため長時間の工程になる。特に転写するのがIDタグのような小さなデバイスであれば問題は小さいが、ディスプレイのような大型のTFTアレイでは、コスト的に非現実的になる。
【0010】
すなわち特許文献1と2においては、「TFTへのダメージ」低減とコスト低減のために、エッチング工程を短時間で行うことを目的としていない。しかし実際には、パネルサイズが大きくなるほどエッチングの面内分布も大きくなって、エッチングが長時間となる。一部でもエッチング残りがあればエッチングを続ける必要があるため、エッチング停止層も侵食されてTFTがダメージを受ける可能性と、基板端面からダメージが広がる可能性が高まる。従って、フレキシブルディスプレイパネルの大面積化を進めるためには、不要な工程を増やさないことを前提に、短時間のエッチングプロセスを構築する必要がある。
【0011】
本発明の目的は、高速でエッチングできる犠牲層や,エッチング速度の低いエッチング停止層を使用した表示装置の製造方法を提供すること、若しくはこの製造方法により得られる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一つの実施態様によれば、基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、前記犠牲層を、SiO絶縁膜にリン、ボロン、ゲルマニウムのうち少なくともいずれか一種以上を、リン(P)+ボロン(B)+ゲルマニウム(Ge)の重量百分率で3%以上含有して構成しているというものである。
【0013】
尚、この犠牲層は、溶液の塗布と加熱で作製する方法が考えられる。さらには、この犠牲層は、前記SiO絶縁膜を塗布する際は、前記基板周辺には塗布せずに、前記基板を露出させるというものである。また、この基板はガラス基板を用いると良い。
【0014】
本発明の別の実施態様によれば、基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、前記犠牲層は、塗布型SiOを用い、該塗布型SiOの犠牲層を多孔質である、というものである。
【0015】
本発明のさらに別の実施態様によれば、基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、前記エッチング停止層は、塗布型のTa2O5、若しくはTiO2を用いる、というものである。なお犠牲層については、前記塗布型SiO、もしくは前記多孔質SiO、もしくは省略することができる。
【0016】
本発明のさらに別の実施態様によれば、基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、ナノプリンティング法により、格子状またはストライプ状の溝の形成と、前記犠牲層もしくは前記エッチング停止層の少なくとも一方の形成を行う、というものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、転写工程におけるTFTへのダメージ低減による「歩留まり向上」と「基板の大型化」が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明について説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1を説明する図で、転写するTFTを形成する前の基板構造である。下から、ガラス基板1、犠牲層2、エッチング停止層3、絶縁層4、Si層5であるが、犠牲層2とエッチング停止層3はガラス基板のエッチングを容易にするために挿入している。ガラス基板1には厚さ0.5mmの無アルカリガラスを用い、その上に本発明の犠牲層2のSiO絶縁膜を1μm形成する。SiOの作製は一般的なCVD法か、または塗布型絶縁膜を用いることができる。
【0020】
CVD方法の場合では、原料にシランとホスフィン、酸素を用いて常圧CVDによりP含有SiO絶縁膜(PSG)を400℃で成膜する。HFによるエッチング速度はP組成の増加に従って高まるため、少なくとも重量百分率で3%以上、望ましくは5%以上のドーピングを行う。P以外でも、ボロン(B)、ゲルマニウム(Ge)、など酸化物がガラスになる物質をドーピングすることも効果がある。ガラス基板の主成分も、PドープSiO絶縁膜と同じくSiOであるが、Alやアルカリ土類金属を数十%含有するため、犠牲層のエッチング速度の方がガラス基板よりも速く、しかも金属化合物析出によるエッチング残りが生じない。
【0021】
エッチング停止層3は、後の実施例で説明する本発明のエッチング停止層か、またはガラス基板上の絶縁膜として通常用いられる窒化珪素(SiN)層を用いる。SiN層を用いる場合は、CVD法またはスパッタで膜厚1μm以上を成膜するのが望ましい。SiN層はHFに対するエッチング速度が小さいため、絶縁層、兼エッチング停止層として用いることが可能であるが、エッチング速度が0ではなく、SiOとのエッチング選択比が1%程度あるため、厚い膜が必要となる。絶縁層4とSi層5は、それぞれCVDまたはスパッタで形成したSiOとSiであり、Siは膜厚50-100nmのa-Siであるが、低温ポリシリコン-TFTを作製するときにはレーザーアニール結晶化される層である。
【0022】
本発明の犠牲層の効果により、ガラス基板のフッ酸エッチングは以下のように行われる。ガラスのエッチング速度には面内分布があるため、最初に犠牲層までエッチングが完了した箇所は、残りのガラスと犠牲層の全てのエッチングが終了するまでの時間、HF系エッチング液にさらされる。基板面積が大きくなれば面内分布も大きくなるため、従来技術ならばエッチングは益々長時間になる。本発明の犠牲層を用いた場合、ガラス自体のエッチング速度は変わらないが、最初にガラス膜厚が0になった箇所があれば、横方向にエッチングを進めて、他領域で残っているガラスをリフトオフする働きをする。従ってガラス基板のエッチング速度に面内分布があるか、または基板面積が大きくても、エッチング時間が一定範囲に収まるようになることから、TFTへのダメージが抑えられる。すなわちTFT転写工程における基板サイズの大型化や歩留まり向上が可能となる。
【実施例2】
【0023】
図1の犠牲層2に関するもう一つ別の発明は、P、B、Geの少なくともいずれか一種以上を含むSiO絶縁膜の犠牲層を、溶液の塗布と加熱で作製することである。塗布型絶縁膜の形成は、アルコキシド化合物を原料とし、その溶液を塗布することで薄膜化し、その後原料薄膜を加熱して加水分解することで得る。加熱時には膜が収縮するため、TFTプロセスの途中で膜厚が変化することのないように十分高い温度で加熱する。300から400℃の間で加熱すると、膜厚の変化はほぼ飽和する。加熱温度は高いほどSi−Oの結合が強固になるが、エッチング停止層としては高温加熱の必要はない。塗布型SiOを用いる理由は、CVDのような毒性が強いガスや発火性のガスを用いることなく、P、B、Geを高濃度に混合できるためと、後の実施例で述べる塗布型エッチング停止層を連続して形成できるためである。
【0024】
図2は、本発明の一例として塗布型SiO絶縁膜を用いる場合の説明図である。塗布型SiO絶縁膜を塗布する際は、基板周辺をマスキングするか、または塗布後に溶剤を拭って、ガラス基板1の周辺部分のみを露出させる。その後基板全面にエッチング停止層を形成すると、基板の端面近傍において、塗布型SiO犠牲層3をガラス基板1とエッチング停止層3で封じることができる。これは犠牲層が露出しないようにする端面の保護である。エッチング速度の速い犠牲層2が端面にあると、TFT作製プロセスにおいて端面近傍の犠牲層がエッチングされて剥離する。
【実施例3】
【0025】
図1の犠牲層2に関するさらに別の発明は、犠牲層2を多孔質のSiO絶縁膜とするものである。多孔質SiO絶縁膜は、有機シラン系ガスとN2OまたはO2を原料ガスとしたプラズマCVD法で作製する。多孔質SiOは膜内部の空隙のため、エッチング速度が増加する。また機械的に脆さがあって低誘電率の絶縁層として用いることが難しかったが、犠牲層としてガラス基板の剥離をする用途には適している。
【0026】
作製方法としては、直径2から50ナノメートルの均一なメソ細孔を有するメソポーラスシリカや、ナノクラスタリングシリカといわれるポーラスシリカなどの塗布型の方法でもよい。塗布型SiO絶縁膜は、作製時の加熱で膜が収縮して歪が生じる。従って膜のクラックや基板のそりの問題が生じるが、この問題も多孔質化することで軽減する。
【実施例4】
【0027】
実施例4は、図1のエッチング停止層3に関する本発明の一つである。エッチング停止層3として、溶液の塗布と加熱で作製した塗布型絶縁層Ta2O5またはTiO2を用いている。犠牲層として本発明の塗布型SiO絶縁膜を用いた場合、犠牲層とエッチング停止層の両方を塗布で連続的に作製するため、Ta2O5をスパッタやCVDで作製するよりはコスト的に有利になる。Ta2O5エッチング停止層は、ガラス基板のエッチング工程では除去されないため、TFT転写後もそのまま残る。塗布膜の性質上、Ta2O5膜中にはイオンが残留するため、TFT特性へ影響する恐れがある。従って膜厚10nm以下として、さらに絶縁層4にはSiO/SiNの積層膜を用いて、SiN層の膜厚を500nm以上に厚くする。それによって、Ta2O5膜中イオンの影響排除とエッチング停止層の補強とする。
【実施例5】
【0028】
図3は本発明の実施例5の説明図であり、塗布型SiO犠牲層の歪を低減する技術の説明である。図3(a)は、600℃のホットプレート7で加熱したガラス基板8に、加熱した金型9を押し付けることにより、格子状に溝を形成した図である。図3(b)は、これを塗布型絶縁膜で平坦化した図である。図3(c)は、エッチング停止層3からSi層5まで、実施例1と同様に積層した図である。ガラス基板上に溝を形成するこの方法は、いわゆるナノプリンティング法である。図3は断面図であるが、溝の形状は波型であるが方形波でも三角波でも構わない。また上から見た溝の模様は格子状としたが、これがストライプ状でも効果がある。溝の周期は500μm、深さは3μmとしたが、それよりも小さい場合もある。
【0029】
塗布型絶縁膜は少なくとも数百℃の高温で焼成するが、このとき溶媒の蒸発とSi−O結合の増加で膜が収縮する。従って歪によるクラックの問題や、ガラス基板のそりの問題が生じるため、塗布型SiO層の膜厚を1μmより厚くすることは難しい。一方犠牲層としては、膜厚が厚いほうが基板の剥離が容易になる。このように膜厚に関して相反する要求があるので、塗布型犠牲層の膜厚に、薄い部分と厚い部分を周期的に作製することで、歪を低減することにした。犠牲層を用いない場合でも、塗布型エッチング停止層を用いる場合にも、本発明の溝形成は有効である。
【0030】
実施例2では、アルコキシド化合物を原料として塗布型SiO絶縁膜を形成するとしたが、より膜厚を厚くしたい場合は、ポリシラザンを原料とする方法もある。ポリシラザンは、-(SiH2NH)-を基本ユニットとする無機ポリマーであり、塗布液としてキシレンまたはその他の高沸点芳香族系溶媒を用いて酸素、水と反応させる。加熱温度はアルコキシド化合物と同じく300から400℃以下で行う。この方法の方が加熱による膜の収縮が小さいため、通常の塗布でも2μmの膜厚が可能である。
【実施例6】
【0031】
実施例1から5は、本発明の犠牲層2とエッチング停止層3と、ガラス基板エッチングにおける効果のみを説明していたが、実施例6ではTFT転写工程の全体を説明する。図4は、TFTの転写を、元のガラス基板から仮基板を経て転写基板まで、二回の転写を行う工程の説明図である。
【0032】
図4(a)は、図1のSi層5からTFTを作製して、層間絶縁膜で埋め込んで電極は配線した状態のTFT層11である。TFTを作製する工程は従来技術を用いるため、特開2002-215021号公報(文献3)を参照文献としてあげる。文献3は、ポリシリコンの結晶粒が横方向に成長した擬似単結晶を用いたTFTの作製方法が詳述されている。
【0033】
図4(b)は、TFT層11の上に接着剤12を介して仮の転写基板13を貼り付けた状態である。この接着剤12は、熱または光(仮転写基板13が透明の場合)などの物理的刺激によって粘着性を失うため、仮転写基板13が容易に剥離できる。図4(c)は、仮転写基板13が接着されたTFT層11から、元のガラス基板1と本発明の犠牲層2をエッチングで除去する工程の説明図である。図4(d)は、除去されたガラス基板1の代わりに、接着剤15を介してフレキシブルなプラスチックの転写基板14を貼り合わせた工程である。接着剤15は、仮基板13を接着した接着剤12と異なり、物理的刺激でも粘着性を失わない。図4(e)は、プラスチックの転写基板14に転写されたTFT層から、仮転写基板13を除去する工程である。接着剤12は、熱または光の物理的刺激で粘着性を失うものを選択しているので、容易に仮転写基板13を除去できる。以上の図4(b)から図4(e)については、参照文献として特許文献1と、特開2004-165679号公報(文献4)、特開2005-85830号公報(文献5)をあげておく。
【0034】
本発明の効果は、TFT転写の基板サイズ大型化と歩留まり向上である。従って、液晶または有機ELの、軽量薄型フレキシブルディスプレイの大型化や低コスト化が実現し、電話、ノートPC、カーナビ、携帯テレビなどのモバイル用途に主に商品化される。また電子ペーパーも高精細になるほど画素用TFTが必要になり、本発明の転写方法が必要になる。ただし電子ペーパーの場合、電気泳動装置など液晶または有機EL以外の表示デバイスもある。さらにアモルファス太陽電池、IDタグなどのように、大面積基板に作製したのち転写する薄膜デバイスについて、薄膜デバイスから基板を除去するのに役立つ。このときデバイスが小さい場合には、基板の上側、すなわちデバイスと同じ側からデバイスをリフトオフできるので、基板がガラス以外でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の説明図でTFTを形成する前の基板構造である。
【図2】本発明の説明図である。
【図3】本発明の説明図である。
【図4】本発明の犠牲層とエッチング停止層を用いたTFT作製用基板から TFTを転写する工程の説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ガラス基板、2 犠牲層、3 エッチング停止層、4 絶縁層、5 Si層、
6 犠牲層、7 ホットプレート、8 ガラス基板、9 金型、
10 犠牲層、11 TFT層、12 接着剤、13 仮転写基板、
14 転写基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、
前記犠牲層を、SiO絶縁膜にリン、ボロン、ゲルマニウムのうち少なくともいずれか一種以上を、リン+ボロン+ゲルマニウムの重量百分率で3%以上含有して構成している表示装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1の表示装置の製造方法において、
前記犠牲層は、溶液の塗布と加熱で作製することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2の表示装置の製造方法において、
前記犠牲層は、前記SiO絶縁膜を塗布する際に、前記基板周辺には塗布せずに、前記基板を露出させることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3の表示装置の製造方法において、
前記基板はガラス基板である表示装置の製造方法。
【請求項5】
基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、
前記犠牲層は、多孔質である塗布型SiOを用いる表示装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5の表示装置の製造方法において、
前記犠牲層の多孔質のSiOは、溶液の塗布と加熱で作製することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の表示装置の製造方法において、
前記エッチング停止層は、溶液の塗布と加熱で作製するTa2O5、若しくはTiO2を用いる表示装置の製造方法。
【請求項8】
基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、
前記エッチング停止層は、溶液の塗布と加熱で作製するTa2O5、若しくはTiO2を用いる表示装置の製造方法。
【請求項9】
基板上に、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、
前記エッチング停止層は、溶液の塗布と加熱で作製するTa2O5、若しくはTiO2を用いる表示装置の製造方法。
【請求項10】
基板上に、犠牲層、エッチング停止層、絶縁膜層、Si層を形成して薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを転写して表示装置を構成する製造方法において、
加熱した金型を前記基板に押し付けることによる、格子状またはストライプ状の溝の形成を行い、その上に前記犠牲層もしくは前記エッチング停止層の少なくとも一方を、溶液の塗布と加熱で作製する表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−322575(P2007−322575A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150869(P2006−150869)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】