説明

表示装置

【課題】計器の指針が滑らかに回転するように見せることができる表示装置を提供する。
【解決手段】複数のプリズム1aが同心円状に配列されたプリズムシート1に対して光源2からの光を照射することにより、同心円の中心部から同心円の径方向に延びているように見える光線像1bを形成し、その光線像1bを計器の指針として用いる表示装置において、単一の光源2を回転体3に搭載し、回転体3を滑らかに回転させる。詳細には、同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aと回転体3の中心軸線CL3とを一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプリズムが同心円状に配列されたプリズムシートに対して光源からの光を照射することにより、同心円の中心部から同心円の径方向に延びているように見える光線像を形成し、その光線像を計器の指針として用いる表示装置に関し、特には、計器の指針が滑らかに回転するように見せることができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプリズムが同心円状に配列されたプリズムシートに対して光源からの光を照射することにより、同心円の中心部から同心円の径方向に延びているように見える光線像を形成し、その光線像を計器の指針として用いる表示装置が知られている。この種の表示装置の例としては、例えば特開2000−35770号公報などに記載されたものがある。
【0003】
特開2000−35770号公報に記載された表示装置では、複数のプリズムを同心円状に配列することにより、プリズムシート(プリズム板)が構成されている。更に、その同心円の周方向に、複数の光源(発光体)が等間隔に配列されている。
【0004】
詳細には、特開2000−35770号公報に記載された表示装置では、複数の光源(発光体)のいずれかを点灯し、その光源(発光体)からプリズムシート(プリズム板)に光を照射することにより、プリズムシート(プリズム板)の同心円の中心部から同心円の径方向に延びているように見える光線像が形成される。更に、その光線像が、例えばスピードメータ、タコメータなどのような計器の指針として用いられる。
【0005】
特開2000−35770号公報に記載された表示装置では、計器の指針が回転するように見せる場合には、同心円の周方向に等間隔に配列されている複数の光源(発光体)のうち、点灯していた光源(発光体)が消灯せしめられ、代わりに、その光源(発光体)の隣の光源(発光体)が点灯せしめられる。その結果、光線像が回転移動するように見え、計器の指針が回転するように見える。
【0006】
ところで、特開2000−35770号公報に記載された表示装置では、光源(発光体)として、例えば蛍光表示管、LEDなどのような比較的幅寸法の大きいものが用いられている。そのため、そのような光源(発光体)を同心円の周方向に隙間無く配列したとしても、多数の光源(発光体)を同心円の周方向に配列することができない。
【0007】
その結果、特開2000−35770号公報に記載された表示装置では、ある光源(発光体)が点灯している時に見える光線像と、その光源(発光体)の隣の光源(発光体)が点灯している時に見える光線像との間隔が比較的広くなってしまう。
【0008】
換言すれば、特開2000−35770号公報に記載された表示装置では、計器の指針が滑らかに回転するように見えるのではなく、計器の指針がステップ状に回転するように見えてしまう。
【0009】
【特許文献1】特開2000−35770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記問題点に鑑み、本発明は、計器の指針が滑らかに回転するように見せることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、複数のプリズムが同心円状に配列されたプリズムシートに対して光源からの光を照射することにより、同心円の中心部から同心円の径方向に延びているように見える光線像を形成し、その光線像を計器の指針として用いる表示装置において、単一の光源を回転体に搭載し、前記回転体を滑らかに回転させることにより、計器の指針が滑らかに回転するように見せることを特徴とする表示装置が提供される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、複数のプリズムの中心軸線と回転体の中心軸線とを一致させたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置が提供される。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、同心円状の複数のプリズムの内縁よりも内側に前記単一の光源を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置が提供される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記プリズムシートの中心部に穴を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置が提供される。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記回転体の一部を前記プリズムシートの前記穴内に挿入したことを特徴とする請求項4に記載の表示装置が提供される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、複数のプリズムが同心円状に配列された他のプリズムシートを前記単一の光源の背面側に配置し、前記他のプリズムシートの複数のプリズムの中心軸線と回転体の中心軸線とを一致させたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の表示装置が提供される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、ミラー板を前記単一の光源の背面側に配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置が提供される。
【0018】
請求項8に記載の発明によれば、前記単一の光源として、複数の異なる色の光を照射することができる光源を用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
請求項1及び2に記載の表示装置では、複数の光源が同心円状の複数のプリズムの周方向に等間隔に配列されるのではなく、単一の光源が回転体に搭載され、その回転体が滑らかに回転せしめられる。詳細には、複数のプリズムの中心軸線と、回転体の中心軸線とが、一致せしめられている。
【0020】
そのため、請求項1及び2に記載の表示装置によれば、計器の指針が滑らかに回転するように見せることができる。詳細には、請求項1及び2に記載の表示装置によれば、同心円状の複数のプリズムの周方向に等間隔に配列された複数の光源が順次点灯せしめられる場合よりも、計器の指針が滑らかに回転するように見せることができる。
【0021】
請求項3に記載の表示装置では、単一の光源が、同心円状の複数のプリズムの内縁よりも内側に配置されている。そのため、請求項3に記載の表示装置によれば、単一の光源が同心円状の複数のプリズムの内縁よりも外側に配置されている場合よりも、単一の光源が搭載される回転体の直径を小さくすることができ、それにより、表示装置全体を小型化することができる。
【0022】
請求項4に記載の表示装置では、プリズムシートの中心部に穴が形成されている。そのため、請求項4に記載の表示装置によれば、同心円状の複数のプリズムの中心部から径方向に延びているように見える光線像が、複数のプリズムの中心軸線を隔てて反対側に延びているように見えてしまうおそれを回避することができる。
【0023】
請求項5に記載の表示装置では、単一の光源が搭載される回転体の一部が、プリズムシートの中心部の穴内に挿入されている。そのため、請求項5に記載の表示装置によれば、回転体の全てがプリズムシートの背面側に配置されている場合よりも、表示装置全体の厚さ寸法(奥行き寸法)を小さくすることができる。
【0024】
請求項6に記載の表示装置では、複数のプリズムが同心円状に配列された他のプリズムシートが、単一の光源の背面側に配置されている。更に、他のプリズムシートの複数のプリズムの中心軸線と回転体の中心軸線とが一致せしめられている。そのため、請求項6に記載の表示装置によれば、1枚のみのプリズムシートが設けられている場合よりも、光線像の光を強くすることができる。つまり、光源の発光量を増加させることなく、光線像の光を強くすることができる。
【0025】
請求項7に記載の表示装置では、ミラー板が単一の光源の背面側に配置されている。そのため、請求項7に記載の表示装置によれば、ミラー板が設けられていない場合よりも、光線像の光を強くすることができる。つまり、光源の発光量を増加させることなく、光線像の光を強くすることができる。
【0026】
請求項8に記載の表示装置では、回転体に搭載される単一の光源として、複数の異なる色の光を照射することができる光源が用いられている。そのため、請求項8に記載の表示装置によれば、計器の指針として、表示装置の使用者が好む色の光線像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の表示装置の第1の実施形態について説明する。図1は例えば車両の速度計に適用された第1の実施形態の表示装置の正面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図である。図3は複数のプリズム1aが同心円状に配列されたプリズムシート1の後側面図である。つまり、図3はプリズムシート1を図2の右側から見た図である。
【0028】
図1〜図3において、1a1は同心円状の複数のプリズム1aの内縁を示しており、1bは同心円の中心部から同心円の径方向に延びているように見える光線像を示している。1cはプリズムシート1の中心部に形成された穴を示しており、2は例えばLEDのような光源を示している。3は光源2を搭載するための回転体を示しており、4は回転体3を回転させるためのモータを示している。5は例えば文字5aおよび目盛り5bを有する指標部を示しており、6はハウジングを示している。
【0029】
第1の実施形態の表示装置では、図2および図3に示すように、複数のプリズム1aを同心円状に配列することにより、プリズムシート1が構成されている。更に、図2に示すように、同心円状の複数のプリズム1aの内縁1a1よりも内側(同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aの側)に光源2が配置されている。
【0030】
そのため、第1の実施形態の表示装置では、光源2が点灯されると、光源2から照射された光が、図2に示すように同心円状の複数のプリズム1aによって屈折せしめられ、その結果、図1および図2に示すように、同心円状の複数のプリズム1aの中心部から径方向に延びているように見える光線像1bが形成され、この光線像1bが計器の指針として機能する。
【0031】
詳細には、第1の実施形態の表示装置では、例えば図1および図2に示すように、光源2がプリズム1aの中心軸線CL1aの真上に配置されている場合には、光源2が点灯されると、図1に示すように、プリズムシート1の中心部から真上に延びているように見える光線像1bが形成され、その結果、この光線像1bによって車速80km/hが表示される。
【0032】
更に、第1の実施形態の表示装置では、例えば光源2がプリズム1aの中心軸線CL1aの真左(図1参照)に配置されている場合には、光源2が点灯されると、プリズムシート1の中心部から真左(図1参照)に延びているように見える光線像1bが形成され、その結果、この光線像1bによって車速20km/hが表示される。
【0033】
また、第1の実施形態の表示装置では、例えば光源2がプリズム1aの中心軸線CL1aの真右(図1参照)に配置されている場合には、光源2が点灯されると、プリズムシート1の中心部から真右(図1参照)に延びているように見える光線像1bが形成され、その結果、この光線像1bによって車速140km/hが表示される。
【0034】
更に、第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aと回転体3の中心軸線CL3とが一致せしめられており、光源2が搭載された回転体3が、車速の増減に応じて、モータ4によって滑らかに回転せしめられる。そのため、第1の実施形態の表示装置によれば、光線像1bを滑らかに回転させることができ、計器の指針が滑らかに回転するように見せることができる。
【0035】
また、第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、光源2が同心円状の複数のプリズム1aの内縁1a1よりも内側(同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aの側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の表示装置によれば、光源2が同心円状の複数のプリズム1aの内縁1a1よりも外側(同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aの反対側)に配置されている場合よりも、光源2が搭載される回転体3の直径を小さくすることができ、それにより、表示装置全体を小型化することができる。
【0036】
更に、第1の実施形態の表示装置では、図2および図3に示すように、プリズムシート1の中心部に穴1cが形成されている。そのため、第1の実施形態の表示装置によれば、同心円状の複数のプリズム1aの中心部から径方向に延びているように見える光線像1bが、同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aを隔てて反対側に延びているように見えてしまうおそれを回避することができる。詳細には、例えば図1に示すように、光源2がプリズム1aの中心軸線CL1aの真上に配置されている時に、光線像1bがプリズムシート1の中心部から真下に延びているように見えてしまうおそれを、プリズムシート1の中心部の穴1cによって回避することができる。
【0037】
また、第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、光源2が搭載される回転体3の一部が、プリズムシート1の中心部の穴1c内に挿入されている。そのため、第1の実施形態の表示装置によれば、回転体3の全てがプリズムシート1の背面側(図2の右側)に配置されている場合よりも、表示装置全体の厚さ寸法(奥行き寸法、図2の左右方向寸法)を小さくすることができる。
【0038】
更に、第1の実施形態の表示装置では、例えば車両のアクセサリスイッチがOFFの時に光源2が消灯され、車両のアクセサリスイッチがONの時に光源2が点灯される。
【0039】
第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、プリズム1aの断面形状が略半円形になるようにプリズム1aが構成されているが、第2の実施形態の表示装置では、代わりに、プリズム1aの断面形状が例えば多角形になるようにプリズム1aを構成することも可能である。
【0040】
第1の実施形態の表示装置では、回転体3に搭載される光源2として、1色のみの光を照射することができる光源が用いられているが、第3の実施形態の表示装置では、代わりに、回転体3に搭載される光源2として、複数の異なる色の光を選択的に照射することができる光源を用いることも可能である。第3の実施形態の表示装置によれば、計器の指針として、車両の運転者が好む色の光線像1bを形成することができる。
【0041】
図4は第4の実施形態の表示装置のプリズムシート1および指標部5の断面図である。第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、プリズムシート1と指標部5とが別部材によって構成されているが、第4の実施形態の表示装置では、代わりに、図4に示すように、プリズムシート1と指標部5とが一部材によって構成されている。第4の実施形態の表示装置によれば、第1の実施形態の表示装置よりも表示装置全体の厚さ寸法(奥行き寸法)を小さくすることができる。
【0042】
図5は第5の実施形態の表示装置のプリズムシート1を示した図である。詳細には、図5(A)は第5の実施形態の表示装置のプリズムシート1の正面図、図5(B)は第5の実施形態の表示装置のプリズムシート1の断面図である。第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、同心円状の複数のプリズム1aがプリズムシート1の裏面(光源2の側の面)に形成されているが、第5の実施形態の表示装置では、代わりに、図5(B)に示すように、同心円状の複数のプリズム1aがプリズムシート1の表面(光源2の反対側の面)に形成されている。
【0043】
図6は第6の実施形態の表示装置のプリズムシート1を示した図である。詳細には、図6(A)は第6の実施形態の表示装置のプリズムシート1の正面図、図6(B)は第6の実施形態の表示装置のプリズムシート1の断面図である。第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、同心円状の複数のプリズム1aがプリズムシート1の裏面(光源2の側の面)に形成されているが、第6の実施形態の表示装置では、代わりに、図6(B)に示すように、同心円状の複数のプリズム1aがプリズムシート1の両面に形成されている。
【0044】
以下、本発明の表示装置の第7の実施形態について説明する。第7の実施形態の表示装置は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の表示装置と同様に構成されている。従って、第7の実施形態の表示装置によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の表示装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0045】
図7は第7の実施形態の表示装置の断面図である。図8は複数のプリズム11aが同心円状に配列されたプリズムシート11の正面図である。つまり、図8はプリズムシート11を図7の左側から見た図である。
【0046】
第7の実施形態の表示装置では、図7および図8に示すように、複数のプリズム11aを同心円状に配列することにより、プリズムシート11が構成されている。更に、プリズムシート11が光源2の背面側(図7の右側)に配置され、プリズムシート11の同心円状の複数のプリズム11aの中心軸線CL11aと、回転体3の中心軸線CL3とが一致せしめられている。
【0047】
つまり、第7の実施形態の表示装置では、図7に示すように、光源2から背面側(図7の右側)に放射された光が、プリズムシート11の同心円状の複数のプリズム11aによって屈折せしめられ、次いで、プリズムシート1を透過せしめられて、表面側(図7の左側)に照射される。
【0048】
そのため、第7の実施形態の表示装置によれば、プリズムシート11が設けられていない第1の実施形態の表示装置よりも、光線像1bの光を強くすることができる。つまり、光源2の発光量を増加させることなく、光線像1bの光を強くすることができる。
【0049】
図9は第8の実施形態の表示装置のプリズムシート11を示した図である。詳細には、図9(A)は第8の実施形態の表示装置のプリズムシート11の断面図、図9(B)は第8の実施形態の表示装置のプリズムシート11の後側面図である。第7の実施形態の表示装置では、図7に示すように、同心円状の複数のプリズム11aがプリズムシート11の表面(光源2の側の面)に形成されているが、第8の実施形態の表示装置では、代わりに、図9(A)に示すように、同心円状の複数のプリズム11aがプリズムシート11の裏面(光源2の反対側の面)に形成されている。
【0050】
図10は第9の実施形態の表示装置のプリズムシート11を示した図である。詳細には、図10(A)は第9の実施形態の表示装置のプリズムシート11の断面図、図10(B)は第9の実施形態の表示装置のプリズムシート11の後側面図である。第7の実施形態の表示装置では、図7に示すように、同心円状の複数のプリズム11aがプリズムシート11の表面(光源2の側の面)に形成されているが、第9の実施形態の表示装置では、代わりに、図10(A)に示すように、同心円状の複数のプリズム11aがプリズムシート11の両面に形成されている。
【0051】
以下、本発明の表示装置の第10の実施形態について説明する。第10の実施形態の表示装置は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の表示装置と同様に構成されている。従って、第10の実施形態の表示装置によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の表示装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0052】
図11は第10の実施形態の表示装置の断面図である。図11において、21は光源2からの光を反射するためのミラー板を示している。
【0053】
第10の実施形態の表示装置では、図11に示すように、ミラー板21が光源2の背面側(図11の右側)に配置されている。つまり、第10の実施形態の表示装置では、図11に示すように、光源2から背面側(図11の右側)に放射された光が、ミラー板21によって反射され、次いで、プリズムシート1を透過せしめられて、表面側(図11の左側)に照射される。
【0054】
そのため、第10の実施形態の表示装置によれば、ミラー板21が設けられていない第1の実施形態の表示装置よりも、光線像1bの光を強くすることができる。つまり、光源2の発光量を増加させることなく、光線像1bの光を強くすることができる。
【0055】
以下、本発明の表示装置の第11の実施形態について説明する。第11の実施形態の表示装置は、後述する点を除き、上述した第7の実施形態の表示装置と同様に構成されている。従って、第11の実施形態の表示装置によれば、後述する点を除き、上述した第7の実施形態の表示装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0056】
図12は第11の実施形態の表示装置の断面図である。第11の実施形態の表示装置では、図12に示すように、ミラー板21がプリズムシート11の背面側(図12の右側)に配置されている。つまり、第11の実施形態の表示装置では、図12に示すように、プリズムシート11を背面側(図12の右側)に透過した光が、ミラー板21によって反射され、次いで、プリズムシート11およびプリズムシート1を表面側(図12の左側)に透過せしめられ、表面側(図12の左側)に照射される。
【0057】
そのため、第11の実施形態の表示装置によれば、ミラー板21が設けられていない第7の実施形態の表示装置よりも、光線像1bの光を強くすることができる。つまり、光源2の発光量を増加させることなく、光線像1bの光を強くすることができる。
【0058】
以下、本発明の表示装置の第12の実施形態について説明する。第12の実施形態の表示装置は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の表示装置と同様に構成されている。従って、第12の実施形態の表示装置によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の表示装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0059】
図13は第12の実施形態の表示装置の断面図である。第1の実施形態の表示装置では、図2に示すように、同心円状の複数のプリズム1aの内縁1a1よりも内側(同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aの側)に光源2が配置されているが、第12の実施形態の表示装置では、代わりに、図13に示すように、同心円状の複数のプリズム1aの外縁1a2よりも外側(同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aの反対側)に光源2が配置されている。
【0060】
第12の実施形態の表示装置では、第1の実施形態の表示装置と同様に、光源2が点灯されると、光源2から照射された光が、図13に示すように同心円状の複数のプリズム1aによって屈折せしめられ、その結果、図1および図13に示すように、同心円状の複数のプリズム1aの中心部から径方向に延びているように見える光線像1bが形成され、この光線像1bが計器の指針として機能する。
【0061】
更に、第12の実施形態の表示装置では、第1の実施形態の表示装置と同様に、図13に示すように、同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aと回転体3の中心軸線CL3とが一致せしめられており、光源2が搭載された回転体3が、車速の増減に応じて、モータ4によって滑らかに回転せしめられる。そのため、第12の実施形態の表示装置によれば、第1の実施形態の表示装置と同様に、光線像1bを滑らかに回転させることができ、計器の指針が滑らかに回転するように見せることができる。
【0062】
また、第12の実施形態の表示装置では、第1の実施形態の表示装置と同様に、図13に示すように、プリズムシート1の中心部に穴1cが形成されている。そのため、第12の実施形態の表示装置によれば、第1の実施形態の表示装置と同様に、同心円状の複数のプリズム1aの中心部から径方向に延びているように見える光線像1bが、同心円状の複数のプリズム1aの中心軸線CL1aを隔てて反対側に延びているように見えてしまうおそれを回避することができる。詳細には、例えば図13に示すように、光源2がプリズム1aの中心軸線CL1aの真上に配置されている時に、光線像1bがプリズムシート1の中心部から真下に延びているように見えてしまうおそれを、プリズムシート1の中心部の穴1cによって回避することができる。
【0063】
第12の実施形態の表示装置では、回転体3の表面に鏡面加工が施されていないが、第13の実施形態の表示装置では、代わりに、回転体3の表面側(図13の左側)の表面に鏡面加工を施すことも可能である。
【0064】
つまり、第13の実施形態の表示装置では、光源2から背面側(図13の右側)に放射された光が、回転体3の鏡面によって反射され、次いで、プリズムシート1を透過せしめられて、表面側(図13の左側)に照射される。そのため、第13の実施形態の表示装置によれば、鏡面加工が施されていない第12の実施形態の表示装置よりも、光線像1bの光を強くすることができる。つまり、光源2の発光量を増加させることなく、光線像1bの光を強くすることができる。
【0065】
第14の実施形態では、上述した第1から第13の実施形態を適宜組合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の表示装置は、指針による表示が行われる例えば自動車、航空機、船舶などの例えば速度計、タコメータなどの計器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施形態の表示装置の正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】複数のプリズム1aが同心円状に配列されたプリズムシート1の後側面図である。
【図4】第4の実施形態の表示装置のプリズムシート1および指標部5の断面図である。
【図5】第5の実施形態の表示装置のプリズムシート1を示した図である。
【図6】第6の実施形態の表示装置のプリズムシート1を示した図である。
【図7】第7の実施形態の表示装置の断面図である。
【図8】複数のプリズム11aが同心円状に配列されたプリズムシート11の正面図である。
【図9】第8の実施形態の表示装置のプリズムシート11を示した図である。
【図10】第9の実施形態の表示装置のプリズムシート11を示した図である。
【図11】第10の実施形態の表示装置の断面図である。
【図12】第11の実施形態の表示装置の断面図である。
【図13】第12の実施形態の表示装置の断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 プリズムシート
1a プリズム
1a1 内縁
1b 光線像
1c 穴
2 光源
3 回転体
4 モータ
5 指標部
5a 文字
5b 目盛り
6 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプリズムが同心円状に配列されたプリズムシートに対して光源からの光を照射することにより、同心円の中心部から同心円の径方向に延びているように見える光線像を形成し、その光線像を計器の指針として用いる表示装置において、単一の光源を回転体に搭載し、前記回転体を滑らかに回転させることにより、計器の指針が滑らかに回転するように見せることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
複数のプリズムの中心軸線と回転体の中心軸線とを一致させたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
同心円状の複数のプリズムの内縁よりも内側に前記単一の光源を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記プリズムシートの中心部に穴を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記回転体の一部を前記プリズムシートの前記穴内に挿入したことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
複数のプリズムが同心円状に配列された他のプリズムシートを前記単一の光源の背面側に配置し、前記他のプリズムシートの複数のプリズムの中心軸線と回転体の中心軸線とを一致させたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
ミラー板を前記単一の光源の背面側に配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記単一の光源として、複数の異なる色の光を照射することができる光源を用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−180823(P2008−180823A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13189(P2007−13189)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】