説明

表示装置

【課題】一方の画像が黒帯を含む画像である場合に他方の画像への視認性の低下を抑制することができるマルチビュー表示機能をもつ表示装置を提供することである。
【解決手段】共通の表示部に形成されて第1及び第2の視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面と、第1及び第2の画面に第1及び第2の画像をそれぞれ表示させる表示制御部10と、前記第1及び第2の画像の少なくとも一方の画質を調整する画質調整部30と、を有し、前記第1及び第2の画面の少なくとも一方の画面の所定の領域が黒帯状に表示されている場合に、画質調整部30は、前記黒帯領域の輝度を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるマルチビュー機能をもつ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共通の(単一の)表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる、いわゆるマルチビューディスプレイとしては、例えば、液晶パネルの前に視差バリアを設け、1ピクセルごとにバックライトからの光の進行方向を振り分けることで、左右において異なる情報(画像)を表示できるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。このような表示装置を車両に搭載することにより、運転者が運転席側画面でナビゲーション画像を観ている間に助手席の搭乗者が助手席側画面でテレビ、DVD等の他の映像を観ることが可能となる。
【特許文献1】特開2005−78080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記の表示装置では、一方の画面に表示された映像が他方の画面に映り込む状態が発生する場合がある。特に、一方の画像がDVD画像のような、黒帯が上下に表示される画像である場合に、他方の画像に黒帯が映り込む現象が発生する場合がある。このような映り込みの現象により、例えば、助手席側のDVD画像による黒帯が運転手側のナビゲーション画像に映り込み、運転手がナビゲーション画像を視認しづらくなるおそれがある。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、一方の画像が黒帯を含む画像である場合に他方の画像への視認性の低下を抑制することができるマルチビュー表示機能をもつ表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、共通の表示部に形成されて第1及び第2の視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面と、前記第1及び第2の画面に第1及び第2の画像をそれぞれ表示させる表示制御手段と、前記第1及び第2の画像の少なくとも一方の画質を調整する画質調整手段と、を有し、前記第1及び第2の画面の少なくとも一方の画面の所定の領域が黒帯状に表示されている場合に、前記画質調整手段は、前記黒帯領域の輝度を上げる表示装置によって達成できる。
この構成により、黒帯領域の輝度が上がるので、一方の画像が黒帯領域を含む画像の場合であっても他方の画像への視認性の低下を抑制することができる。
【0006】
また、前記第1及び第2の画像の少なくとも一方の画像の前記黒帯領域を検出する検出手段を備え、前記検出手段により黒帯領域が検出された場合に、前記画質調整手段は、前記黒帯領域の輝度を上げる、構成を採用できる。
この構成により、輝度調整の対象となる黒帯領域を検出することができる。
【0007】
前記画質調整手段は、他方の画面の輝度に応じた輝度に上げる、構成を採用できる。
この構成により、他方の画像の視認性の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一方の画像が黒帯を含む画像である場合に他方の画像への視認性の低下を抑制することができるマルチビュー表示機能をもつ表示装置を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車両用マルチビュー表示装置の基本構成を説明するための図である。
この車載用表示装置は、図1に示すように、表示制御手段としての表示制御部10、表示部100等から構成されている。
表示制御部10は、第1の画像ソース300Aから画像データDT1が供給されると共に第2の画像ソース300Bから画像データDT2が供給されて、これら第1及び第2の画像データDT1,DT2からなる画像データADTを共通の表示部100へ出力する。尚、表示制御部10の具体的な構成については後述する。また、第1及び第2の画像ソース300A,300Bは、例えば、アナログテレビチューナ、デジタルテレビチューナ、DVD再生部等からなる映像信号ソース250、地図情報を記憶しているHDD(ハードディスクドライブ)50等から構成される。
【0010】
表示部100は、後述するように、液晶パネル、バックライト、視差バリア等から構成されており、第1の画像データDT1に基づく第1の画像IM1を右方向(運転席(以下、D席ともいう)側)の視野から観察者OBRが視認できる運転席画面(D席画面)と、第2の画像データDT2に基づく第2の画像IM2を左方向(助手席(以下、P席ともいう)側)の視野から観察者OBLが視認できる助手席画面(P席画面)とを備えている。尚、表示部100の具体的な構成については後述する。
【0011】
図2は車両に搭載された車載用表示装置を示す図、及び、図3は表示部の構造を示す断面図である。
車載用表示装置の表示部100は、図2に示すように、例えば、車両のダッシュボード部分に内蔵されると共に、表示部100は、図2に示すように運転席DSと助手席ASとの間に配置される。
また、表示部100の下側には、図2に示すように、各種操作のための複数の操作ボタンを備える操作パネル150等が設けられている。
運転席DSに着席した乗員が上記の観察者OBRとなり、助手席ASに着席した乗員が上記の観察者OBLとなる。そして、これらの搭乗者は、それぞれ運転席DS側又は助手席AS側から表示部100に表示された第1の画像IM1及び第2の画像IM2を同時に観ることができる。
【0012】
表示部100は、図3に示すように、液晶パネル110、液晶パネル110の背面側から照明光を当てるバックライト120、液晶パネル110の前面側に設けられる図示しない後述するタッチパネル130等から構成されている。
【0013】
液晶パネル110は、図3に示すように、バックライト120側から順に配置された、偏光板111、TFT(Thin Film Transistor)基板112、液晶層113、RGBの3原色の画素をもつカラーフィルタ基板114、視差バリア115、ガラス板116、偏光板117等から構成された周知の構造を有する。
この液晶パネル110は、例えば、水平方向に800画素、垂直方向に480画素が配列された表示画面を有すると共に、この表示画面には、水平方向において左側表示用画素118と右側表示用画素119とが交互に配列されて構成されている。
【0014】
視差バリア115は、図3に示すように、ストライプ状に形成されて遮蔽部と透光部を有し、その遮蔽部は隣り合う左側表示用画素118と右側表示用画素119との間に配置される。視差バリア115をカラーフィルタ基板114の前面に配置することにより、左側表示用画素118を透過した照明光は、左側に向かう照明光のみ選択的に視差バリア115の透光部を通過し、右側表示用画素119を透過した照明光は、右側に向かう照明光のみが選択的に視差バリア115の透光部を通過する。これにより、図3に示すように、液晶パネル110の右側(運転席側)からは第1の画像IM1が視認でき、左側(助手席側)からは第2の画像IM2が視認できるようになっている。
尚、視差バリア115は、特開平10−123461号公報や特開平11−84131号公報等に開示されているものと同様のものを使用できる。
【0015】
ここで、図4は車載用表示装置の機能ブロック図、図5は画像処理回路の機能ブロック図である。
表示制御部10は、図4に示すように、プロセッサ(CPU)11、RAM(ランダムアクセスメモリ)12、ROM(リードオンリーメモリ)13、描画回路20、画像処理回路30、映像選択回路40等から構成される。
【0016】
表示制御部10は、第1の画像IM1及び第2の画像IM2の少なくとも一方が、後述する黒帯を含む画像を表示する場合に、画像処理回路30に、黒帯の輝度を調整させる。詳しくは後述する。
【0017】
プロセッサ11は、バスBUSを介してRAM12、ROM13、描画回路20等と各種データを授受可能に接続されていると共に、画像処理回路30、映像選択回路40、HDD50、音声処理回路80、タッチパネル130、操作パネル150とも接続されており、ROM13に記憶されたプログラムを実行することにより、装置全体を総合的に制御する。
RAM12は、プロセッサ11による制御に必要な各種データ等を記憶する。
【0018】
描画回路20は、バスBUSを通じてプロセッサ11から描画パラメータを受けて描画画像データRGBを形成し、これを画像処理回路30へ出力する。具体的には、描画回路20は、ナビゲーション画像(地図、メニュー画像等)、アナログテレビ、デジタルテレビ、DVDなどのオーディオ設定画像等の画像を描画する。
【0019】
TV受信部252は、テレビ信号を受信して、NTSC信号を映像選択回路40に出力する。
【0020】
映像選択回路40は、DVD再生部251、TV受信部252等から供給される各種映像信号データから、プロセッサ11からの選択信号SELを受けて一の映像信号データCMPを選択し、これを画像処理回路30へ出力する。尚、TV受信部252から映像信号データが供給される場合は、映像信号データCMPとして、NTSC信号が画像処理回路30へ出力される。
尚、プロセッサ11は、操作パネル150、タッチパネル130等からの信号に応じて選択信号SELを生成する。
【0021】
画像処理回路30は、第1の画像IM1及び第2の画像IM2の少なくとも一方の画質を調整する。具体的には、画像処理回路30は、図5に示すように、映像信号画質調整部31、描画画像画質調整部32、黒帯検出回路380、TFTタイミング制御回路360等から構成される。
【0022】
映像信号画質調整部31は、A/D変換回路301A、コントラスト調整回路302A、輝度調整回路303A、色調調整回路304A、ガンマ値調整回路305A、拡縮回路306A等から構成される。
【0023】
A/D変換回路301Aは、アナログ信号からなる映像信号データCMPをデジタル信号に変換してコントラスト調整回路302Aに送る。
コントラスト調整回路302A、輝度調整回路303A、色調調整回路304A、ガンマ値調整回路305Aは、プロセッサ11からの制御指令に応じて、第1の画像データの画質(コントラスト、輝度、色調、ガンマ値)を調整する。
【0024】
拡縮回路306Aは、映像信号データCMPに対して水平・垂直方向に任意の倍率で拡大又は縮小処理を施し、TFTタイミング制御回路に出力する。尚、拡縮回路306Aは、プロセッサ11からの制御信号により制御される。
【0025】
描画画像画質調整部32についても、映像信号画質調整部31と同様に、A/D変換回路301B、コントラスト調整回路302B、輝度調整回路303B、色調調整回路304B、ガンマ値調整回路305B、拡縮回路306B等から構成される。
【0026】
黒帯検出回路380は、拡縮回路306A、306Bとからの映像信号に基づいて、黒帯を含む画像であるかどうかを検出する。検出方法については後述する。
【0027】
図5において、TFTタイミング制御回路360は、拡縮回路306A、306Bから得られるデータに基づいて、液晶パネル110の液晶駆動回路(TFT)用の制御信号を生成し、液晶パネル110へ出力する。
【0028】
HDD50は、地図情報、音声情報等を記憶しており、これらの情報がプロセッサ11により読み出され、地図情報はプロセッサ11により描画パラメータとして描画回路20に出力される。
音声処理回路80は、プロセッサ11からの音声データを再生してスピーカSPから出力させる。
【0029】
タッチパネル130は、透明なシート状に形成されて上記した液晶パネル110の前面に貼着され、液晶パネル110の画面に表示された操作ボタン等を運転席や助手席の搭乗者が操作するときに、搭乗者の指等が触れる位置を検出してプロセッサ11へ出力する。
【0030】
次に、表示制御部10による液晶パネル110のD席画面及びP席画面への画像の表示例について図6を参照して説明する。
図6(a)は、D席画面に描画画像としてのナビゲーション画像を表示し、これと同時に、P席画面にテレビの映像を表示させた状態を示している。
表示制御部10は、図6(a)に示す表示をする場合には、D席画面については、HDD50からの地図情報と共に操作ボタンの描画パラメータを描画回路20に与えて描画させ、RGBデータとしてD席画面用として出力表示させる。
一方、P席画面については、映像選択回路40においてテレビを映像信号データCMPとして選択し、これを画像処理回路30においてRGBデータに変換したのち、TFTタイミング制御回路360へ出力し、P席画面用として出力表示させる。
【0031】
図6(a)に示すように、P席画面に表示されているテレビ画像は、標準画モードが選択された場合の表示状態である。標準画モードで表示されている場合には、P席画面の両側部の領域は黒帯状に表示される。
尚、標準画モードの場合には、アスペクト比が縦3:横4に表示され、ワイド画モードの場合には、縦9:横16に表示される。ユーザは操作パネル150を操作することにより、表示されるテレビ画像を、標準画モード又はワイド画モードに切り替えることができる。
図6(a)に示すように、標準画モードが選択されている場合には、P席画面に黒帯が表示され、D席画面の黒帯に対応する領域に黒帯が映り込む。これは、黒帯の輝度と、D席画面の黒帯に対応する領域の輝度との差によりD席画面に黒帯が映り込む。
このように、一方の画像が黒帯を含む画像である場合に、黒帯が他方の画面に映り込み、P席画面に表示される画像への視認性が悪化する。
【0032】
また、図6(b)は、D席画面に描画画像としての地図画像を表示し、これと同時に、P席画面にDVDの映像を表示させた状態を示している。
P席画面にDVDの映像が表示されている場合には、P席画面の上下の領域に黒帯が表示される。この場合についても、D席画面に黒帯が映り込む。
【0033】
次に、表示制御部による黒帯の映り込み低減処理の一例について説明する。図7は、表示制御部による映り込み低減処理の一例を示したフローチャート図である。尚、この処理は車載用表示装置に電源が投入されている間は一定周期で実行される。
プロセッサ11は、ユーザの選択によりD席画面及びP席画面にそれぞれ異なる画像が表示されるデュアル表示モードが選択されたかどうかを判定する(ステップS1)。
デュアル表示モードが選択されていない場合、この処理を終了する。
【0034】
デュアル表示モードが選択された場合には、プロセッサ11は、D席画面又はP席画面の何れか一方に表示される画像が、標準画モードが選択されたテレビ画像又はDVD画像であるかどうかを判定する(ステップS2)。
D席画面又はP席画面の何れか一方に表示される画像が、標準画モードが選択されたテレビ画像ではない場合又はDVD画像ではない場合には、この処理を終了する。
【0035】
D席画面又はP席画面の何れか一方に表示される画像が、標準画モードが選択されたテレビ画像又はDVD画像の場合には、プロセッサ11は、黒帯検出回路380に指令を出して、テレビ画像又はDVD画像から、黒帯が表示されている箇所を検出させる(ステップS3)。具体的には、黒帯検出回路380は、テレビ画像又はDVD画像から、輝度が所定の閾値よりも低い箇所を検出し、検出された箇所の輝度が所定期間変化しないかどうかに基づいて、黒帯を検出する。
このように、黒帯検出回路380は、D席画面又はP席画面を供給する供給源に応じて、又はD席画面又はP席画面のアスペクト比に応じて、黒帯が表示されている箇所を検出する。
【0036】
次に、プロセッサ11は、黒帯検出回路380からの検出結果に基づいて、輝度調整回路303A又は303Bに指令を出して、黒帯の輝度調整を行う(ステップS4)。具体的には、黒帯が表示されている領域の輝度を上げる処理を行う。これにより、黒帯が黒く表示されていた状態から、灰色に表示される。
【0037】
図8は、黒帯の輝度が調整された後の、表示制御部10による液晶パネル110のD席画面及びP席画面への画像の表示例を示した図である。
図8に示すように、黒帯が表示されている領域が灰色に表示され、D席画面への黒帯の映り込みが低減される。これにより、D席画面に表示される画像への視認性の低下を抑制できる。
【0038】
次に、プロセッサ11は、モードが変更されたかどうかを判定する(ステップS5)。モードが変更されていない場合には、この処理を終了する。
モードが変更された場合には、プロセッサ11は黒帯の輝度調整を解除する(ステップS6)。
例えば、デュアル表示モードからシングル表示モードに変更された場合や、標準がモードからワイドモードに変更された場合、DVDモードからナビモードに変更された場合には、プロセッサ11は、前述した輝度調整を解除する。
【0039】
次に、黒帯検出回路380が実行する、黒帯が表示される箇所を検出する方法について説明する。
図9は、黒帯が表示される箇所を検出する方法の説明図である。
図9(a)は、D席画面又はP席画面に表示される画像の座標値の説明図である。図9(a)に示すように、画像の左上を原点(0、0)とし、右下を(800、480)として定める。
図9(b)は、前記画像から、黒帯が表示されている箇所の検出を、所定の領域毎に行う説明図である。図9(b)に示すように、縦及び横に10ドット毎、即ち100ドット分の領域毎に輝度を平均化して検出し、この平均化された輝度値と、所定の閾値と比較する。所定の閾値よりも輝度が低い場合には、その検出された領域に黒帯が表示されているものとして判定する。所定の閾値よりも輝度が高い場合には、その検出された領域には黒帯が表示されていないものとして判定する。
【0040】
尚、黒帯の検出方法はこのようなものに限られない。例えば、標準画モードでテレビ画像が選択された場合には、予め黒帯が表示される箇所が固定されているため、この画像上の位置情報を、不揮発性メモリなどに記憶させておいてもよい。
【0041】
このように、画質調整手段31、32は、第1及び第2の画像の少なくとも一方の画像が黒帯状に表示される黒帯領域を含む画像である場合に、黒帯領域の輝度を上げる。黒帯領域の輝度が上がるので、一方の画像が黒帯領域を含む画像の場合であっても他方の画像への視認性の低下を抑制することができる。
【0042】
また、黒帯検出回路280は、第1及び第2の画像の少なくとも一方の画像から黒帯領域を検出する。この構成により、輝度調整の対象となる黒帯領域を検出することができる。
【0043】
また、黒帯検出回路280は、前記第1又は第2の画像を供給する供給源及び第1又は第2の画像の表示モードに応じて黒帯領域を検出する。この構成により、例えば、DVDの画像のように黒帯が表示され得る画像を供給する供給源に変更された場合に、その画像から黒帯領域を検出する。また、黒帯が表示され得る表示モードが選択された場合に、その画像から黒帯領域を検出する。
【0044】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【0045】
第1及び第2の画像の少なくとも一方の画像が、黒帯状に表示される黒帯領域を含む画像であるか否かを判断するには、例えば、操作パネル150による各画面に対する表示内容の操作選択や、映像選択回路40の選択状態あるいは描画回路20で描画される描画内容が第1の画面及び第2の画面に対するものかをプロセッサ11が制御することで判断することができる。
【0046】
上記実施形態では、黒帯領域についてのみ輝度を上げるように構成したが、このような構成に限らず、例えば、黒帯領域を含む画像全体の輝度を上げるように構成してもよい。
【0047】
上記実施形態では、D席画面にナビゲーション画像が表示され、P席画面にDVDなどが表示されている場合に黒帯の輝度を調整するように構成したが、このような構成に限られず、例えば、P席画面に表示された黒帯領域の輝度を、D席画面の輝度に応じた輝度に上げるように構成してもよい。このように構成することにより、D席画面に表示される画像の視認性の低下を抑制することができる。
【0048】
上記実施形態では、輝度調整回路303Aにより、黒帯の輝度を上げるように構成したが、このような方法に限定されず、例えばコントラスト調整回路302Aや、色調調整回路304A、ガンマ値調整回路305Aなどにより黒帯の輝度を上げるように調整してもよい。
【0049】
上記実施形態では、車載用表示装置につてい説明したが、このような構成に限定されず、例えば、マルチビュー機能を有する家庭用表示装置であってもよい。例えば、一方の画面に標準画モードが選択されたテレビ画像、他方の画面にDVD画像が表示される場合には、それぞれに画像に表示されている黒帯領域の輝度を上げるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用マルチビュー表示装置の基本構成を説明するための図である。
【図2】車両に搭載された車載用表示装置を示す図である。
【図3】表示部の構造を示す断面図である。
【図4】車載用表示装置の機能ブロック図である。
【図5】画像処理回路の機能ブロック図である。
【図6】表示制御部による液晶パネルのD席画面及びP席画面への画像の表示例についての図である。
【図7】表示制御部による映り込み低減処理の一例を示したフローチャート図である。
【図8】黒帯の輝度が調整された後のD席画面及びP席画面への画像の表示例を示した図である。
【図9】黒帯が表示される箇所を検出する方法の説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10 表示制御部(表示制御手段)
11 プロセッサ
12 RAM
13 ROM
20 描画回路
30 画像処理回路(画質調整手段)
31 映像信号画質調整部
32 描画画像画質調整部
40 映像選択回路
50 HDD
80 音声処理部
100 表示部
110 液晶パネル
120 バックライト
130 タッチパネル
150 操作パネル
251 DVD再生部
252 TV受信部
301A、301B A/D変換回路
302A、302B コントラスト調整回路
303A、303B 輝度調整回路
304A、304B 色調調整回路
305A、305B ガンマ値調整回路
306A、306B 拡縮回路
360 TFTタイミング制御回路
380 黒帯検出回路
DS 運転席
AS 助手席

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の表示部に形成されて第1及び第2の視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面と、前記第1及び第2の画面に第1及び第2の画像をそれぞれ表示させる表示制御手段と、前記第1及び第2の画像の少なくとも一方の画質を調整する画質調整手段と、を有し、
前記第1及び第2の画面の少なくとも一方の画面の所定の領域が黒帯状に表示されている場合に、前記画質調整手段は、前記黒帯領域の輝度を上げる、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の画像の少なくとも一方の画像の前記黒帯領域を検出する検出手段を備え、
前記検出手段により黒帯領域が検出された場合に、前記画質調整手段は、前記黒帯領域の輝度を上げる、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記画質調整手段は、他方の画面の輝度に応じた輝度に上げる、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−40051(P2008−40051A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−212954(P2006−212954)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】