説明

表示装置

【課題】 回路基板とハウジングとの熱膨張率の違いにより、表示素子と回路基板との電気的な接続が断たれる虞を低減できる。
【解決手段】 表示素子10,20は、リード端子12,22,13を有する。回路基板30は、リード端子12,22,13と電気的に接続される。ハウジング40は、表示素子10,20を収容する。リード案内部50,60は、リード端子12,22,13を挿通する貫通孔52,62を有する。ハウジング40は、回路基板30に位置決めされる第一の位置決め部43を有する。リード案内部50,60は、回路基板30に位置決めされる第二の位置決め部51,61と、ハウジング40と連結される弾性支持部53,63と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に表示素子を接続した表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、リード端子を有する液晶表示素子を備えた液晶表示装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる液晶表示装置は、複数のリード端子を有する液晶表示素子と、この液晶表示素子のリード端子が接続される回路基板と、前記液晶表示素子を保持するハウジングと、を備えたものである。液晶表示素子のリード端子は、回路基板のリード孔に貫通され、半田付けによって電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−23180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ハウジングが回路基板に位置決めされている場合、回路基板とハウジングとの熱膨張率の違いにより、液晶表示素子のリード端子を回路基板に接続する半田が破損し、液晶表示素子と回路基板との電気的な接続が断たれ、液晶表示素子に所望の表示をさせることができなくなる虞があった。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、液晶表示素子のリード端子を接続する半田が破損する虞を低減できる表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、リード端子12,22,13を有する表示素子10,20と、前記リード端子12,22,13と電気的に接続される回路基板30と、前記表示素子10,20を収容するハウジング40と、前記リード端子12,22,13を挿通する貫通孔52,62を有するリード案内部50,60と、を備えた表示装置であって、前記リード案内部50,60は、前記回路基板30に位置決めされる位置決め部51,61と、前記ハウジングと連結される弾性支持部53,63と、を有するものである。
【0006】
また、本発明は、リード端子12,22,13を有する表示素子10,20と、前記リード端子12,22,13と電気的に接続される回路基板30と、前記表示素子10,20を収容するハウジング40と、前記リード端子12,22,13を挿通する貫通孔52,62を有するリード案内部50,60と、を備えた表示装置であって、前記ハウジング40は、前記回路基板30に位置決めされる第一の位置決め部43を有すると共に、前記リード案内部50,60は、前記回路基板30に位置決めされる第二の位置決め部51,61と、前記ハウジング40と連結される弾性支持部53,63と、を有するものである。
【0007】
また、本発明は、前記表示素子10,20は、液晶表示パネル11,21を有するものである。
【0008】
また、本発明は、前記回路基板30に搭載され、前記液晶表示パネル11,21を透過照明する発光素子70,80を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
回路基板とハウジングとの熱膨張率の違いにより、表示素子と回路基板との電気的な接続が断たれる虞を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一実施形態を示す断面図。
【図2】同上実施形態を示す拡大断面図。
【図3】同上実施形態を示す断面図。
【図4】同上実施形態を示す断面図。
【図5】本発明の第二実施形態を示す断面図。
【図6】同上実施形態を示す要部拡大断面図。
【図7】本発明の第三実施形態を示す正面図。
【図8】同上実施形態を示す斜視図。
【図9】同上実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。図1乃至図4は第一実施形態を示す図である。
液晶表示装置は、液晶表示素子10,20と、回路基板30と、ハウジング40と、リード案内部50,60と、発光素子70,80と、を備えている。
【0012】
液晶表示素子10,20は、夫々、液晶表示パネル11,21及び複数のリード端子12,22を有している。液晶表示パネル11,21は、一対の透光性基板にNVA液晶を封入した液晶セルの前後両面に偏光部材を貼付したものである。リード端子12,22は、金属からなるものであり、一端が回路基板30に電気的に接続されている。リード端子12,22の他端は、コ字状になっており、液晶表示パネル11,21を挟持して、電気的に接続されている。
【0013】
回路基板30は、ガラスエポキシ系基材に配線パターンを施した硬質配線板からなるものであり、発光素子70,80等が搭載されている。回路基板30には、位置決め孔31,32,33及びリード孔34,35が形成されている。回路基板30の位置決め孔31は、中央部に形成されており、ハウジング40を位置決めするものである。位置決め孔31は、正面視で円形の貫通孔からなるものであり、後述する突出部が挿入される。
【0014】
位置決め孔32,33は、夫々、リード案内部50,60を位置決めするものである。リード孔34,35は、液晶表示素子10,20のリード端子12,22が貫通するものである。液晶表示素子10,20のリード端子12,22のは、半田90により、回路基板30の後面の配線パターンと電気的に接続されている。回路基板30は、弾性係止片(図示しない)によって、ハウジング40の後面に係止されている。
【0015】
ハウジング40は、白色の樹脂からなるものであり、液晶表示素子10,20を収容するケース体41,42と、回路基板30の位置決め孔31に挿入される突出部(第一の位置決め部)43と、発光素子70,80が発した照明光を反射させる反射体44,45と、を有している。ハウジングの突出部43は、中央部に形成されており、端部が半球状である略円柱形状になっている。反射体44,45は、ケース体41,42と一体形成されており、発光素子70,80が配置される開口44a,45aが設けられている。ケース体41,42には、液晶表示素子10,20を保持する弾性保持部(図示しない)が設けられている。
【0016】
回路基板30は、ハウジング40の突出部43が位置決め孔31に挿入されることによって、ハウジング40の中央部に位置決めされている。ハウジング40は、回路基板30とハウジング40との熱膨張率の違いにより、相対的に回路基板30に対して膨張,収縮するときは、回路基板30の中央部を中心として膨張,収縮する。
【0017】
リード案内部50,60は、白色の樹脂からなるものであり、夫々、回路基板30の位置決め孔32,33に挿入される突出部(第二の位置決め部)51,61と、液晶表示素子10,20のリード端子12,22が貫通する貫通孔52,62と、を有している。リード案内部50,60は、弾性連結部53,63を有しており、この弾性連結部53,63によって、ハウジング40のケース体41,42と連結されている。リード案内部50,60の弾性連結部53,63は、側面視でS字状に屈曲している。ケース体41,42と、リード案内部50,60とは、弾性連結部53,63を介して、一体形成されている。
【0018】
発光素子70,80は、表面実装型の発光ダイオードからなるものであり、回路基板30の前面の配線パターンと電気的に接続されている。液晶表示素子10,20は、発光素子70,80が発した照明光によって透過照明される。
【0019】
図5及び図6は、第二実施形態を示すものである。第二実施形態は、特にリード端子13が第一実施形態と異なるものであり、他の構成は第一実施形態と同様であるので、同一または相当する構成には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0020】
液晶表示素子10は、液晶表示パネル11及び複数のリード端子13を有している。液晶表示パネル11は、弾性保持部(図示しない)によって、ケース体41に保持されている。リード端子13は屈曲形成されており、半田90により、一端が回路基板30に電気的に接続されている。リード端子13の他端は、コ字状になっており、液晶表示パネル11を挟持して、電気的に接続されている。リード端子13は、リード案内部50の貫通孔52と、回路基板30のリード孔34とに、反射体44の側で当接している。
【0021】
第二実施形態のように、回路基板30のリード孔34にリード端子13を当接させることによって、リード端子13の一端を回路基板30に半田付けする前に、ハウジング40を上下反転させた場合であっても、ハウジング40に液晶表示素子11を保持しておくことができ、表示装置の組付け作業が容易になる。
【0022】
図7乃至図9は、第三実施形態を示すものである。第三実施形態は、特に弾性連結部55,65が第一実施形態と異なるものであり、他の構成は第一実施形態と同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0023】
リード案内部50,60は、弾性連結部55,65を有しており、この弾性連結部55,65によって、ハウジング40と連結されている。弾性連結部55,65は、正面視でクランク状に屈曲している。ハウジング40と、リード案内部50,60とは、弾性連結部55,65を介して、一体形成されている。
【0024】
各実施形態によれば、リード案内部50,60が回路基板30の位置決め孔32,33に位置決めされているため、リード案内部50,60の貫通孔52,62の位置と、回路基板30のリード孔34,35の位置とが一致し、液晶表示素子10,20のリード端子12,22,13を路基板30のリード孔34,35に挿入し易くなる。且つ、回路基板30とハウジング40との熱膨張率の違いによる応力を弾性連結部53,63,55,65にて吸収することができ、液晶表示素子10,20のリード端子12,22,13を回路基板30に電気的に接続する半田90が損傷することを防止できる。
【0025】
なお、本発明は、各実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、各実施形態は、ハウジング40の突出部43を回路基板30の位置決め孔31に挿入することによって、ハウジング40を位置決めするものであったが、ハウジング40の中央部で回路基板30をビスにより固定しても良い。また、反射体44,45は、ケース体41,42に設けられたものであったが、リード案内部50,60に設けても良い。また、各実施形態の表示素子は液晶表示素子10,20であったが、表示素子は例えば有機EL表示素子であっても良い。
【符号の説明】
【0026】
10 液晶表示素子(表示素子)
11 液晶表示パネル
12 リード端子
13 リード端子
22 リード端子
20 液晶表示素子(表示素子)
21 液晶表示パネル
30 回路基板
40 ハウジング
43 突出部(第一の位置決め部)
50 リード案内部
51 突出部(第二の位置決め部)
52 貫通孔
60 リード案内部
61 突出部(第二の位置決め部)
62 貫通孔
63 弾性支持部
53 弾性支持部
70 発光素子
80 発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード端子を有する表示素子と、前記リード端子と電気的に接続される回路基板と、前記表示素子を収容するハウジングと、前記リード端子を挿通する貫通孔を有するリード案内部と、を備えた表示装置であって、
前記リード案内部は、前記回路基板に位置決めされる位置決め部と、前記ハウジングと連結される弾性支持部と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
リード端子を有する表示素子と、前記リード端子と電気的に接続される回路基板と、前記表示素子を収容するハウジングと、前記リード端子を挿通する貫通孔を有するリード案内部と、を備えた表示装置であって、
前記ハウジングは、前記回路基板に位置決めされる第一の位置決め部を有すると共に、
前記リード案内部は、前記回路基板に位置決めされる第二の位置決め部と、前記ハウジングと連結される弾性支持部と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記表示素子は、液晶表示パネルを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記回路基板に搭載され、前記液晶表示パネルを透過照明する発光素子を備えたことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−160505(P2012−160505A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17493(P2011−17493)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】