表示装置
【課題】解像度バランスに優れた表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置は、複数のサブ画素を有し複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、その表示部に表示された複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子とを備える。ここで、サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有するものである。
【解決手段】この表示装置は、複数のサブ画素を有し複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、その表示部に表示された複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子とを備える。ここで、サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパララックスバリア方式またはレンチキュラーレンズ方式による立体表示が可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視表示を実現できる表示装置(立体表示装置)が注目を集めている。立体視表示は、互いに視差のある(視点の異なる)左眼用映像と右眼用映像を表示するものであり、観察者が左右の目でそれぞれを見ることにより奥行きのある立体的な映像として認識することができる。また、互いに視差がある3つ以上の映像を表示することにより、観察者に対してより自然な立体映像を提供することが可能な表示装置も開発されている。
【0003】
このような立体表示装置は、専用の眼鏡が必要なものと不要なものとに大別されるが、観察者にとっては専用の眼鏡は煩わしく感じるものであり、専用の眼鏡が不要なもの(すなわち裸眼で立体視が可能なもの)が望ましい。裸眼で立体視が可能な立体表示装置としては、例えばパララックスバリア(視差バリア)方式やレンチキュラー方式を採用した立体表示装置が知られている。これらの方式の立体表示装置では、互いに視差がある複数の映像(視点映像)を同時に表示し、表示装置と観察者の視点との相対的な位置関係(角度)によって見える映像が異なるようになっている。このような立体表示装置で複数の視点の映像を表示した場合には、映像の実質的な解像度が、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などの表示装置自体の解像度を視点の数で割ったものとなり、画質が低下してしまうという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、パララックスバリア方式において、各バリアの透過状態および遮断状態を時分割的に切り替えて時分割表示することにより、等価的に解像度を改善する方法が提案されている。
【0005】
ところが、パララックスバリアが画面垂直方向へ延在する場合には、画面水平方向における解像度を向上させることはできるものの、画面垂直方向における解像度の向上は困難である。そこで、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランス(解像度バランス)を改善するための技術として、ステップバリア方式が開発されている。このようなステップバリア方式では、パララックスバリアの開口の並び方向(もしくは延在方向)、あるいはレンチキュラーレンズの軸方向が画面の斜め方向に設定され、斜め方向に隣接して一列に並ぶ複数色(例えばR(赤色),G(緑色),B(青色))のサブ画素が1つの単位画素を構成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−104105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記のようなステップバリア方式では、例えば図10に示した表示パターン110のように、ある視点映像における1つの単位画素104を構成するサブ画素R1,G1,B1が斜め方向へ一列に並ぶ状態となる。このため、表示画面において1つの単位画素104に割り当てられる平面領域が大きくなってしまい、高精細な映像表示の妨げとなるおそれがある。また、携帯用電話機などの携帯用端末機器に搭載される表示装置に求められる少ない視点数(例えば2〜4程度)の場合、ステップバリア方式を採用したとしても十分な解像度バランスが得られない。なお、上記特許文献1のように時分割駆動を行う場合であっても、ステップバリア方式における上記の問題は生じ得るものである。
【0008】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の視点映像を用いて立体表示を行う場合の解像度バランスに優れた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の表示装置は、複数のサブ画素を有し複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、その表示部に表示された複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子とを備える。ここで、サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有するものである。
【0010】
本開示の表示装置では、表示部に表示された複数の視点映像が、光学分離素子によって複数の視点での立体視が可能となるように光学的に分離される。ここで、各サブ画素の平面形状は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満であることから、画面水平方向における解像度劣化と画面垂直方向における解像度劣化との差が低減される。
【発明の効果】
【0011】
本開示の表示装置によれば、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランス(解像度バランス)が向上する。これにより、いわゆるポートレート(Portrait)モードおよびランドスケープ(Landscape)モードの双方においてほぼ同等の表示性能を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る立体表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルのサブ画素配列を示す平面図である。
【図3】図1などに示した液晶表示パネルに表示される表示パターンの例を表す平面図である。
【図4】図3に示した表示パターンに合成される4つの視点映像の元画像を表す概念図である。
【図5】図1などに示したパララックスバリアに形成されるバリアパターンの例を表す平面図である。
【図6】立体視をしている状態を模式的に表す説明図である。
【図7】第2の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルに表示される表示パターンの例を表す平面図である。
【図8】第3の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルのサブ画素配列を示す平面図である。
【図9】図8に示した液晶表示パネルに表示される表示パターンの例を表す平面図である。
【図10】第1の比較例としての表示パターンの例を表す平面図である。
【図11】第2の比較例としての表示パターンの例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
[立体像表示装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態としての立体表示装置の全体構成を表す概略断面図である。この立体表示装置は、図1に示したように、観察者の側から順に液晶表示パネル1と、パララックスバリア2と、バックライト3とを備えている。液晶表示パネル1と、パララックスバリア2とは、例えば紫外線硬化樹脂などからなる接着層ALによって固定されている。
【0015】
液晶表示パネル1は、2次元的に配列された複数のサブ画素(後出)を有する透過型の液晶表示ディスプレイであり、対向配置された一対の透明基板11,12の間に液晶層13が封入されたものである。透明基板11,12の内面には、液晶層13を挟むように画素電極と対向電極とが設けられている(いずれも図示せず)。すなわち、画素電極および対向電極のうちの一方が透明基板11の内面に設けられ、他方が透明基板12の内面に設けられている。対向電極は全てのサブ画素に共通して設けられており、画素電極はサブ画素ごとに分離されて設けられている。また、透明基板11または透明基板12の表面には、カラー表示に必要とされるR(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のカラーフィルタがサブ画素ごとに割り付けられて設けられている。バックライト3から射出された光がパララックスバリア2を経て液晶表示パネル1に入射したのち、この3色のカラーフィルタをそれぞれ透過することにより、赤色光、緑色光および青色光が液晶表示パネル1から射出することとなる。なお、透明基板11,12の外面(液晶層13と反対側の面)には、必要に応じて偏光板PP1,PP2を設けるようにしてもよい。
【0016】
バックライト3は、例えば、発光ダイオード(LED)などの光源と、光源からの射出光を拡散してほぼ均一な面発光をするための導光板とを有している(いずれも図示せず)。なお、バックライト3の射出側には、必要に応じて偏光板PP3を設けるようにしてもよい。
【0017】
図2は、液晶表示パネル1におけるサブ画素配列の例を示している。図2に示したように、液晶表示パネル1では、サブ画素R,G,Bが2次元的に複数配列されている。図2に示したサブ画素R,G,Bの配置パターンは、いわゆるデルタ配置と呼ばれるものである。具体的には、画面鉛直方向(Y軸方向)の同一列、および画面斜め方向の同一列において、3色のサブ画素が周期的に現れるように(R,G,Bの順に繰り返すように)配列されている。Y軸方向に並ぶサブ画素R,G,Bの列(鉛直方向サブ画素列)の配列ピッチおよび画面斜め方向に並ぶサブ画素R,G,Bの列(斜め方向サブ画素列)の配列ピッチは、画面内においてそれぞれ一定であることが望ましい。このようなサブ画素配列により、画面内の全方位において互いに異なる色を表示するサブ画素同士が隣り合う状態となっている。
【0018】
また、サブ画素R,G,Bは、それぞれ、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有する。図2では、長辺方向であるY軸方向の寸法(以下、「長さ」という。)D1と、短辺方向であるX軸方向の寸法(以下、「幅」という。)W1との比を4:3としている。従来使用されているサブ画素は長さと幅との比が3:1のものであり、そのようなサブ画素を用いたものと比較すると、本実施の形態の液晶表示パネル1では、画面鉛直方向の解像度劣化と画面水平方向の解像度劣化とのバランスが向上する。これについては後に詳述する。なお、画面内における全てのサブ画素の寸法は、実質的に同一であることが望ましい。
【0019】
液晶表示パネル1は、このような画素構造において、バックライト3から照射された光をサブ画素ごとに変調させることで2次元的に画像表示を行うようになっている。
【0020】
なお、立体視を実現するためには、左眼10Lと右眼10Rとに異なる視点映像を見せる必要があるため、少なくとも右眼用映像と左眼用映像との2つの視点映像が必要となる。3つ以上の視点映像を用いた場合には多眼視を実現できる。本実施の形態では、図1において<1>〜<4>を付して表した4つの視点映像(第1〜第4の視点映像)を形成する(すなわち、視点数を4とする)と共に、そのうちの2つの視点映像を用いて観察する場合を説明する。なお、図1では、右眼10Rに右眼用映像として第3の視点映像が入射し、左眼10Lに左眼用映像として第2の視点映像が入射する様子を表している。
【0021】
液晶表示パネル1は、空間的に分割された4つの視点映像を一画面内に合成して表示するようになっている。空間分割された4つの視点映像の各々は、鉛直方向サブ画素列が画面水平方向において4列ごとに周期的に表示されたものである。
【0022】
図3は、一画面内に合成して表示された4つの視点映像の一例としての表示パターン10を表している。表示パターン10では、第1〜第4のサブ画素列41〜44が各々画面鉛直方向へ延在すると共に、画面水平方向において順に周期的に配置されている。第1のサブ画素列41は、画面鉛直方向へ並ぶR1,G1,B1の符号を付した複数のサブ画素からなり、第1の視点映像を表示する。同様に、第2のサブ画素列42は、画面鉛直方向へ並ぶR2,G2,B2の符号を付した複数のサブ画素からなり、第2の視点映像を表示する。第3のサブ画素群43は、画面鉛直方向へ並ぶR3,G3,B3の符号を付した複数のサブ画素からなり、第3の視点映像を表示する。第4のサブ画素群44は、画面鉛直方向へ並ぶR4,G4,B4の符号を付した複数のサブ画素からなり、第4の視点映像を表示する。より詳細には、第1〜第4のサブ画素列41〜44の各々には、第1〜第4の視点映像の各々に対応する元画像としての2次元画像の一部分(各視点位置に応じた部分)が切り出されてそれぞれ表示される。すなわち、第1のサブ画素列41には、図4(A)に示した第1の視点映像に対応する2次元画像の一部画像41Zが表示される。同様に、第2〜第4のサブ画素列42〜44には、それぞれ、図4(B),4(C),4(D)に示した第2〜第4の視点映像に対応する2次元画像の一部画像42Z,43Z,44Zが表示される。
【0023】
ここで、元画像(2次元画像)からどのようにサンプリングを行うのか、という点については特に限定されるものではない。すなわち、第1〜第4の視点映像を各々表示する単位画素は、第1〜第4のサブ画素列41〜44の各々から任意に選択されるR,G,Bの3つのサブ画素によって構成される。
【0024】
パララックスバリア2は、例えば図1に示したように、対向配置された一対の透明基板21,22の間に液晶層23が封入されたものであり、液晶層23における液晶分子の配向状態によって選択的に光を透過させるものである。すなわち、パララックスバリア2は、立体表示の際に、バックライト3からの入射光を透過する光透過部25と、その入射光を遮断する遮光部24とがそれぞれ所定位置に配置された状態となるものである。これにより、パララックスバリア2は、液晶表示パネル1に表示された第1〜第4の視点映像を、4つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離するためのバリアパターンを形成するようになっている。
【0025】
図5に、パララックスバリア2の液晶層23が形成するバリアパターン20の例を示す。バリアパターン20における光透過部25の配置位置および形状は、この立体表示装置を所定の位置、所定の方向から観察者が見たときに、観察者の左右の眼10L,10R(図1)に異なる視点映像の光が別々に入射されるように設定されている。なお、図5では、光透過部25を、図3に示した第1〜第4のサブ画素列41〜44に対応して画面鉛直方向へ延在するストライプ形状としている。したがって、遮光部24も画面鉛直方向へ延在するストライプ形状となっている。
【0026】
パララックスバリア2において、透明基板21,22の内面には、液晶層23を挟むようにパターン電極と対向電極とが設けられている(いずれも図示せず)。すなわち、画素電極および対向電極のうちの一方が透明基板21の内面に設けられ、他方が透明基板22の内面に設けられている。対向電極は少なくとも有効画面領域における液晶層23を全面的に覆うように設けられている。一方、パターン電極は複数に分割されており、画面水平方向において4つのサブ画素列ごとに1つの割合で周期的に配置されている。パターン電極は、光透過部25と同様のストライプ形状をそれぞれ有している。
【0027】
このような構成のパララックスバリア2では、例えばストライプ形状のパターン電極と対向電極との間に電圧を印加すると、複数のパターン電極の形状に対応したストライプ形状の光透過部25が一定の間隔で複数形成される。すなわち、例えば液晶層23の液晶分子が、電圧無印加の状態で白表示となる(いわゆるノーマリーホワイトの)ツイストネマチック液晶からなる場合、パターン電極の形成領域における液晶分子が垂直方向に配向することで、その領域が遮光部24となる。なお、液晶モードについては特に限定されるものではなく、例えば電界効果複屈折モードでもよい。あるいは、電圧無印加の状態で黒表示となるノーマリーブラックの垂直配向(VA)モードや、面内スイッチング(IPS)モードであっても、電極構成を適宜変更するなどして2次元画像で白表示が可能であれば適用することができる。以上により、パララックスバリア2は、4つの視点映像を4つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離する機能を発揮する。その結果、観察者は、液晶表示パネル1に表示された映像を、3次元映像として視認することとなる。
【0028】
一方、パターン電極と対向電極との間に電圧を印加しない状態では、液晶層23は全面に亘って透過状態となる。この場合、パララックスバリア2は、4つの視点映像を光学的に分離する機能は発揮しない。したがって、パターン電極と対向電極との間に電圧を印加しない状態では、観察者は、液晶表示パネル1に表示された映像を、3次元映像ではなく2次元映像として視認することとなる。
【0029】
[立体表示装置の動作]
この立体表示装置では、液晶表示パネル1において一画面内に全ての視点映像が空間分割されて表示される。具体的には、例えば図3に示した表示パターン10のように、第1〜第4の視点映像が第1〜第4のサブ画素列41〜44に割り振られて表示される。このような表示を、パララックスバリア2によって形成されたバリアパターン20(図5)を介して観察する。パララックスバリア2では、バックライト3からの入射光が選択的に透過することで、液晶表示パネル1に表示された4つの視点映像が、4つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離される。すなわち、例えば図6に示したように、観察者の右眼10Rには第3の視点映像を形成するサブ画素R3,G3,B3からの光のみが認識される。一方、観察者の左眼10Lには第2の視点映像を形成するサブ画素R2,G2,B2からの光のみが認識される。これにより、観察者には第2の視点映像と第3の視点映像とに基づく立体像が知覚される。なお、図6は、図3において破線で囲んだ領域Vにおける、画面(XY平面)と直交する断面構成を表す概念図である。また、図6では、第2の視点映像を右眼10Rで観察すると共に第3の視点映像を左眼10Lで観察することにより立体像を知覚する例を挙げたが、第1〜第4の視点映像のうちの2つを任意に組み合わせることで立体像の観察は可能である。
【0030】
[第1の実施の形態の作用効果]
このように、本実施の形態によれば、パララックスバリア2によって光学的に分離された第1〜第4の視点映像を、長さD1が幅W1の3倍未満(D1<3×W1)である平面形状を有するサブ画素R,G,Bからなる第1〜第4のサブ画素列41〜44を所定間隔で複数表示することによって形成するようにした。これにより、従来のように長さが幅の3倍である場合と比較して、画面垂直方向における解像度劣化と画面水平方向における解像度劣化との差が低減される。
【0031】
これについて、図3と併せて図10を参照して詳細に説明する。図10に示した比較例としての表示パターン110は、幅W2および長さD2(=3×W2)を有する平面形状のサブ画素R,G,Bを複数含むものであり、一画面内に4つの視点映像を合成して表示された状態を表している。第1の視点映像はサブ画素R1,G1,B1を単位画素として表示され、第2の視点映像はサブ画素R2,G2,B2を単位画素として表示され、第3の視点映像はサブ画素R3,G3,B3を単位画素として表示され、第4の視点映像はサブ画素R4,G4,B4を単位画素として表示される。ここで、画面水平方向に連続して並び、その占有面積が正方形となる3つのサブ画素R,G,Bが占める領域(破線で取り囲んだ領域)を基本画素領域BPとする。この基本画素領域BPは2次元画像を表示する単位画素に相当し、その占有面積はD2×(3×W2)で表される。一方、第1から第4の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)110Pは、(3×D2)×(4×W2)で表される占有面積を有する。すなわち、表示パターン110では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向において解像度が1/3に低下すると共に画面水平方向において解像度が3/4に低下する。
【0032】
これに対し、本実施の形態の表示パターン10(図3)では、第1から第4の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)10Pは、(3×D1)×(4×W1)で表される占有面積を有する。ここで、比較を単純化するため、各サブ画素の占有面積を、表示パターン10(図3)と表示パターン110(図10)とで等しくする。すなわち、D1=D2/1.5,W1=1.5×W2,とする。すると、画素領域10Pの占有面積は(2×D2)×(6×W2)となり、図10の基準画素領域BPの占有面積に対して、画面鉛直方向および画面水平方向の双方において2倍に広がることとなる。すなわち、表示パターン10では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向および画面水平方向の双方において解像度が1/2に低下するので、解像度バランスが均等となる。このように、本実施の形態によれば、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランスが向上するので、いわゆるポートレートモードおよびランドスケープモードの双方においてほぼ同等の表示性能を得ることが可能となる。
【0033】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0034】
上記第1の実施の形態では、液晶表示パネル1において、4つの視点映像を一画面内に合成表示する場合について説明した。これに対し本実施の形態は、図7に示したように、液晶表示パネル1において3つの視点映像を一画面内に合成表示する場合について説明する。なお、図7は、本実施の形態の立体表示装置における液晶表示パネル1において、一画面内に3つの視点映像を合成して表示した場合の一例としての表示パターン10Aを表している。表示パターン10Aでは、第1〜第3のサブ画素列41〜43が各々画面鉛直方向に延在すると共に、画面水平方向において順に周期的に配置されている。第1〜第3のサブ画素列41〜43は、それぞれ、第1〜第3の視点映像を表示する。この結果、画面鉛直方向に延在するストライプ状の第1〜第3の視点映像が、画面水平方向において周期的に配列されることとなる。
【0035】
[立体表示装置の動作]
本実施の形態の立体表示装置においても、上記第1の実施の形態と同様にして立体視が可能である。具体的には、第1の実施の形態と同様のパララックスバリア2を使用し、第1〜第3の視点映像のうちの2つを観察者の右眼10Rおよび左眼10Lにそれぞれ入射させることで立体像の観察は可能である。
【0036】
[第2の実施の形態の作用効果]
図7と併せて図11を参照して詳細に説明する。図11に示した比較例としての表示パターン110Aは、幅W2および長さD2(=3×W2)を有する平面形状のサブ画素R,G,Bを複数含むものであり、一画面内に3つの視点映像を合成して表示された状態を表している。第1の視点映像はサブ画素R1,G1,B1を単位画素として表示され、第2の視点映像はサブ画素R2,G2,B2を単位画素として表示され、第3の視点映像はサブ画素R3,G3,B3を単位画素として表示される。ここで、基本画素領域BPは2次元画像を表示する単位画素に相当し、その占有面積はD2×(3×W2)で表される。一方、第1から第3の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)110APは、(3×D2)×(3×W2)で表される占有面積を有する。すなわち、表示パターン110では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向において解像度が1/3に低下する一方、画面水平方向において解像度の低下は生じない。
【0037】
これに対し、本実施の形態の表示パターン10A(図7)では、第1から第3の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)10APは、(3×D1)×(3×W1)で表される占有面積を有する。ここで、D1=D2/1.5,W1=1.5×W2とすると、画素領域10Pの占有面積は(2×D2)×(4.5×W2)となり、図11の基準画素領域BPの占有面積D2×(3×W2)に対し、画面鉛直方向において2倍に広がると共に画面水平方向において1.5倍に広がることとなる。すなわち、表示パターン10では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向において解像度が1/2に低下し、画面水平方向において解像度が2/3に低下する。この結果、図11に示した表示パターン110Aに比べて、解像度バランスが比較的均等に近づくこととなる。このように、本実施の形態においても画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランスが向上する。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0039】
上記第1および第2の実施の形態では、液晶表示パネル1におけるサブ画素R,G,Bの平面形状を、画面鉛直方向を長辺とする矩形とした。これに対し本実施の形態は、図8に示したように、平面形状を六角形とするサブ画素R,G,Bを複数有する液晶表示パネル1Aを備えたものである。各サブ画素R,G,Bにおいて、最大の長さD3は、最大の幅W3の3倍の値よりも小さくなっている。なお、図8は、液晶表示パネル1Aにおけるサブ画素配列の例を示している。
【0040】
[第3の実施の形態の作用効果]
図8に示したように、液晶表示パネル1Aでは、平面形状が六角形であるサブ画素R,G,Bがデルタ配置されている。このため、画面水平方向(X軸方向)に隣り合う鉛直方向サブ画素列同士に挟まれた非表示領域(ブラックマトリックス)が、画面斜め方向に延在する部分を含むようになる。すなわち図9に拡大して示したように、ブラックマトリックスBMは、画面斜め方向に並ぶサブ画素に挟まれた部分BM1と、画面鉛直方向に並ぶサブ画素に挟まれた部分BM2とを含んでいる。これにより、図2に示した液晶表示パネル1と比較して、ブラックマトリックスのうちの画面鉛直方向に延在する部分に起因して生じる画面鉛直方向に延在する干渉縞(モアレ)が発生しにくくなる。これは以下の理由による。すなわち、図2の液晶表示パネル1では、画面鉛直方向に延在する部分、および画面水平方向に延在する部分のみによってブラックマトリックスが構成される。これに対し、図8の液晶表示パネル1Aでは、画面斜め方向に延在する部分を含むことで、ブラックマトリックス全体に占める画面鉛直方向に延在する部分の割合を相対的に低下させているからである。
【0041】
このように、本実施の形態においても長さD3が幅W3の3倍未満(D3<3×W3)である平面形状のサブ画素を採用し、立体像を形成するようにしたので、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランスが向上する。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、ブラックマトリックスBMが画面斜め方向に延在する部分を含むようにしたので、モアレの発生を抑制することもできる。また、本実施の形態では、画面斜め方向に隣接するサブ画素同士の間隔(画面垂直方向の寸法)は、画面垂直方向に隣接するサブ画素同士の間隔(画面垂直方向の寸法)よりも狭くするとよい。より効果的にモアレ発生を抑制できるからである。
【0043】
以上、実施の形態を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、2次元表示部における単位画素を、R(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のサブ画素によって構成する場合について説明したが、本技術では4色以上のサブ画素(例えばR(赤色),G(緑色),B(青色)と、W(白色)もしくはY(黄色)との組み合わせ)によって構成してもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、サブ画素の平面形状を六角形としたが、それに限定されず、例えば四角形および六角形以外の多角形や、楕円もしくは円形状のサブ画素を採用するようにしてもよい。例えば四角形であっても、その輪郭線が斜め方向に延在するように配置することにより、ブラックマトリックスが画面斜め方向に延在する部分を含むようになるので、モアレの発生を抑制することができる。
【0045】
また、上記実施の形態では、観察者の側から2次元表示部とパララックスバリアとバックライトとを順に配置するようにしたが、本発明では、観察者の側からパララックスバリアと2次元表示部とバックライトとを順に配置するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施の形態では、2次元表示部としてバックライトを使用するカラー液晶ディスプレイを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば有機EL素子を用いたディスプレイやプラズマディスプレイであってもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、光学素子としてパララックスバリアまたは液晶レンズを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シリンドリカルレンズを一次元方向に複数並べたレンチキュラーレンズを光学素子として用いた場合であっても、同様の効果が得られる。
【0048】
また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
複数のサブ画素を有し、複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有する
表示装置。
(2)
前記複数のサブ画素は、画面内の全方位において互いに異なる色を表示するもの同士が隣り合うように配置される
上記(1)記載の表示装置。
(3)
前記複数のサブ画素は、それぞれ、六角形状を有している
上記(1)または(2)記載の表示装置。
(4)
前複数のサブ画素は、デルタ配置されている
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の表示装置。
(5)
前記光学分離素子は、
前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有するパララックスバリアである
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)
前記パララックスバリアにおける前記光透過部および遮光部は、いずれも画面垂直方向へ延在するストライプ形状を有するものである
上記(5)記載の表示装置。
(7)
前記サブ画素の平面形状は矩形であり、その画面垂直方向の寸法と画面水平方向の寸法との比は4:3である
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の表示装置。
(8)
前記複数のサブ画素はデルタ配置されると共にそれぞれ六角形状を有し、
画面斜め方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔は、画面垂直方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔よりも狭い
上記(1)から(7)のいずれか1つに請求項1記載の表示装置。
【符号の説明】
【0049】
1,1A…液晶表示パネル、2…パララックスバリア、3…バックライト、10,10A…表示パターン、11,12,21,22…透明基板、13,23…液晶層、20,20A…バリアパターン、24…遮光部、25…光透過部、41〜44…第1〜第4のサブ画素列、BM…ブラックマトリックス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパララックスバリア方式またはレンチキュラーレンズ方式による立体表示が可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視表示を実現できる表示装置(立体表示装置)が注目を集めている。立体視表示は、互いに視差のある(視点の異なる)左眼用映像と右眼用映像を表示するものであり、観察者が左右の目でそれぞれを見ることにより奥行きのある立体的な映像として認識することができる。また、互いに視差がある3つ以上の映像を表示することにより、観察者に対してより自然な立体映像を提供することが可能な表示装置も開発されている。
【0003】
このような立体表示装置は、専用の眼鏡が必要なものと不要なものとに大別されるが、観察者にとっては専用の眼鏡は煩わしく感じるものであり、専用の眼鏡が不要なもの(すなわち裸眼で立体視が可能なもの)が望ましい。裸眼で立体視が可能な立体表示装置としては、例えばパララックスバリア(視差バリア)方式やレンチキュラー方式を採用した立体表示装置が知られている。これらの方式の立体表示装置では、互いに視差がある複数の映像(視点映像)を同時に表示し、表示装置と観察者の視点との相対的な位置関係(角度)によって見える映像が異なるようになっている。このような立体表示装置で複数の視点の映像を表示した場合には、映像の実質的な解像度が、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などの表示装置自体の解像度を視点の数で割ったものとなり、画質が低下してしまうという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、パララックスバリア方式において、各バリアの透過状態および遮断状態を時分割的に切り替えて時分割表示することにより、等価的に解像度を改善する方法が提案されている。
【0005】
ところが、パララックスバリアが画面垂直方向へ延在する場合には、画面水平方向における解像度を向上させることはできるものの、画面垂直方向における解像度の向上は困難である。そこで、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランス(解像度バランス)を改善するための技術として、ステップバリア方式が開発されている。このようなステップバリア方式では、パララックスバリアの開口の並び方向(もしくは延在方向)、あるいはレンチキュラーレンズの軸方向が画面の斜め方向に設定され、斜め方向に隣接して一列に並ぶ複数色(例えばR(赤色),G(緑色),B(青色))のサブ画素が1つの単位画素を構成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−104105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記のようなステップバリア方式では、例えば図10に示した表示パターン110のように、ある視点映像における1つの単位画素104を構成するサブ画素R1,G1,B1が斜め方向へ一列に並ぶ状態となる。このため、表示画面において1つの単位画素104に割り当てられる平面領域が大きくなってしまい、高精細な映像表示の妨げとなるおそれがある。また、携帯用電話機などの携帯用端末機器に搭載される表示装置に求められる少ない視点数(例えば2〜4程度)の場合、ステップバリア方式を採用したとしても十分な解像度バランスが得られない。なお、上記特許文献1のように時分割駆動を行う場合であっても、ステップバリア方式における上記の問題は生じ得るものである。
【0008】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の視点映像を用いて立体表示を行う場合の解像度バランスに優れた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の表示装置は、複数のサブ画素を有し複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、その表示部に表示された複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子とを備える。ここで、サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有するものである。
【0010】
本開示の表示装置では、表示部に表示された複数の視点映像が、光学分離素子によって複数の視点での立体視が可能となるように光学的に分離される。ここで、各サブ画素の平面形状は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満であることから、画面水平方向における解像度劣化と画面垂直方向における解像度劣化との差が低減される。
【発明の効果】
【0011】
本開示の表示装置によれば、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランス(解像度バランス)が向上する。これにより、いわゆるポートレート(Portrait)モードおよびランドスケープ(Landscape)モードの双方においてほぼ同等の表示性能を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る立体表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルのサブ画素配列を示す平面図である。
【図3】図1などに示した液晶表示パネルに表示される表示パターンの例を表す平面図である。
【図4】図3に示した表示パターンに合成される4つの視点映像の元画像を表す概念図である。
【図5】図1などに示したパララックスバリアに形成されるバリアパターンの例を表す平面図である。
【図6】立体視をしている状態を模式的に表す説明図である。
【図7】第2の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルに表示される表示パターンの例を表す平面図である。
【図8】第3の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルのサブ画素配列を示す平面図である。
【図9】図8に示した液晶表示パネルに表示される表示パターンの例を表す平面図である。
【図10】第1の比較例としての表示パターンの例を表す平面図である。
【図11】第2の比較例としての表示パターンの例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
[立体像表示装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態としての立体表示装置の全体構成を表す概略断面図である。この立体表示装置は、図1に示したように、観察者の側から順に液晶表示パネル1と、パララックスバリア2と、バックライト3とを備えている。液晶表示パネル1と、パララックスバリア2とは、例えば紫外線硬化樹脂などからなる接着層ALによって固定されている。
【0015】
液晶表示パネル1は、2次元的に配列された複数のサブ画素(後出)を有する透過型の液晶表示ディスプレイであり、対向配置された一対の透明基板11,12の間に液晶層13が封入されたものである。透明基板11,12の内面には、液晶層13を挟むように画素電極と対向電極とが設けられている(いずれも図示せず)。すなわち、画素電極および対向電極のうちの一方が透明基板11の内面に設けられ、他方が透明基板12の内面に設けられている。対向電極は全てのサブ画素に共通して設けられており、画素電極はサブ画素ごとに分離されて設けられている。また、透明基板11または透明基板12の表面には、カラー表示に必要とされるR(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のカラーフィルタがサブ画素ごとに割り付けられて設けられている。バックライト3から射出された光がパララックスバリア2を経て液晶表示パネル1に入射したのち、この3色のカラーフィルタをそれぞれ透過することにより、赤色光、緑色光および青色光が液晶表示パネル1から射出することとなる。なお、透明基板11,12の外面(液晶層13と反対側の面)には、必要に応じて偏光板PP1,PP2を設けるようにしてもよい。
【0016】
バックライト3は、例えば、発光ダイオード(LED)などの光源と、光源からの射出光を拡散してほぼ均一な面発光をするための導光板とを有している(いずれも図示せず)。なお、バックライト3の射出側には、必要に応じて偏光板PP3を設けるようにしてもよい。
【0017】
図2は、液晶表示パネル1におけるサブ画素配列の例を示している。図2に示したように、液晶表示パネル1では、サブ画素R,G,Bが2次元的に複数配列されている。図2に示したサブ画素R,G,Bの配置パターンは、いわゆるデルタ配置と呼ばれるものである。具体的には、画面鉛直方向(Y軸方向)の同一列、および画面斜め方向の同一列において、3色のサブ画素が周期的に現れるように(R,G,Bの順に繰り返すように)配列されている。Y軸方向に並ぶサブ画素R,G,Bの列(鉛直方向サブ画素列)の配列ピッチおよび画面斜め方向に並ぶサブ画素R,G,Bの列(斜め方向サブ画素列)の配列ピッチは、画面内においてそれぞれ一定であることが望ましい。このようなサブ画素配列により、画面内の全方位において互いに異なる色を表示するサブ画素同士が隣り合う状態となっている。
【0018】
また、サブ画素R,G,Bは、それぞれ、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有する。図2では、長辺方向であるY軸方向の寸法(以下、「長さ」という。)D1と、短辺方向であるX軸方向の寸法(以下、「幅」という。)W1との比を4:3としている。従来使用されているサブ画素は長さと幅との比が3:1のものであり、そのようなサブ画素を用いたものと比較すると、本実施の形態の液晶表示パネル1では、画面鉛直方向の解像度劣化と画面水平方向の解像度劣化とのバランスが向上する。これについては後に詳述する。なお、画面内における全てのサブ画素の寸法は、実質的に同一であることが望ましい。
【0019】
液晶表示パネル1は、このような画素構造において、バックライト3から照射された光をサブ画素ごとに変調させることで2次元的に画像表示を行うようになっている。
【0020】
なお、立体視を実現するためには、左眼10Lと右眼10Rとに異なる視点映像を見せる必要があるため、少なくとも右眼用映像と左眼用映像との2つの視点映像が必要となる。3つ以上の視点映像を用いた場合には多眼視を実現できる。本実施の形態では、図1において<1>〜<4>を付して表した4つの視点映像(第1〜第4の視点映像)を形成する(すなわち、視点数を4とする)と共に、そのうちの2つの視点映像を用いて観察する場合を説明する。なお、図1では、右眼10Rに右眼用映像として第3の視点映像が入射し、左眼10Lに左眼用映像として第2の視点映像が入射する様子を表している。
【0021】
液晶表示パネル1は、空間的に分割された4つの視点映像を一画面内に合成して表示するようになっている。空間分割された4つの視点映像の各々は、鉛直方向サブ画素列が画面水平方向において4列ごとに周期的に表示されたものである。
【0022】
図3は、一画面内に合成して表示された4つの視点映像の一例としての表示パターン10を表している。表示パターン10では、第1〜第4のサブ画素列41〜44が各々画面鉛直方向へ延在すると共に、画面水平方向において順に周期的に配置されている。第1のサブ画素列41は、画面鉛直方向へ並ぶR1,G1,B1の符号を付した複数のサブ画素からなり、第1の視点映像を表示する。同様に、第2のサブ画素列42は、画面鉛直方向へ並ぶR2,G2,B2の符号を付した複数のサブ画素からなり、第2の視点映像を表示する。第3のサブ画素群43は、画面鉛直方向へ並ぶR3,G3,B3の符号を付した複数のサブ画素からなり、第3の視点映像を表示する。第4のサブ画素群44は、画面鉛直方向へ並ぶR4,G4,B4の符号を付した複数のサブ画素からなり、第4の視点映像を表示する。より詳細には、第1〜第4のサブ画素列41〜44の各々には、第1〜第4の視点映像の各々に対応する元画像としての2次元画像の一部分(各視点位置に応じた部分)が切り出されてそれぞれ表示される。すなわち、第1のサブ画素列41には、図4(A)に示した第1の視点映像に対応する2次元画像の一部画像41Zが表示される。同様に、第2〜第4のサブ画素列42〜44には、それぞれ、図4(B),4(C),4(D)に示した第2〜第4の視点映像に対応する2次元画像の一部画像42Z,43Z,44Zが表示される。
【0023】
ここで、元画像(2次元画像)からどのようにサンプリングを行うのか、という点については特に限定されるものではない。すなわち、第1〜第4の視点映像を各々表示する単位画素は、第1〜第4のサブ画素列41〜44の各々から任意に選択されるR,G,Bの3つのサブ画素によって構成される。
【0024】
パララックスバリア2は、例えば図1に示したように、対向配置された一対の透明基板21,22の間に液晶層23が封入されたものであり、液晶層23における液晶分子の配向状態によって選択的に光を透過させるものである。すなわち、パララックスバリア2は、立体表示の際に、バックライト3からの入射光を透過する光透過部25と、その入射光を遮断する遮光部24とがそれぞれ所定位置に配置された状態となるものである。これにより、パララックスバリア2は、液晶表示パネル1に表示された第1〜第4の視点映像を、4つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離するためのバリアパターンを形成するようになっている。
【0025】
図5に、パララックスバリア2の液晶層23が形成するバリアパターン20の例を示す。バリアパターン20における光透過部25の配置位置および形状は、この立体表示装置を所定の位置、所定の方向から観察者が見たときに、観察者の左右の眼10L,10R(図1)に異なる視点映像の光が別々に入射されるように設定されている。なお、図5では、光透過部25を、図3に示した第1〜第4のサブ画素列41〜44に対応して画面鉛直方向へ延在するストライプ形状としている。したがって、遮光部24も画面鉛直方向へ延在するストライプ形状となっている。
【0026】
パララックスバリア2において、透明基板21,22の内面には、液晶層23を挟むようにパターン電極と対向電極とが設けられている(いずれも図示せず)。すなわち、画素電極および対向電極のうちの一方が透明基板21の内面に設けられ、他方が透明基板22の内面に設けられている。対向電極は少なくとも有効画面領域における液晶層23を全面的に覆うように設けられている。一方、パターン電極は複数に分割されており、画面水平方向において4つのサブ画素列ごとに1つの割合で周期的に配置されている。パターン電極は、光透過部25と同様のストライプ形状をそれぞれ有している。
【0027】
このような構成のパララックスバリア2では、例えばストライプ形状のパターン電極と対向電極との間に電圧を印加すると、複数のパターン電極の形状に対応したストライプ形状の光透過部25が一定の間隔で複数形成される。すなわち、例えば液晶層23の液晶分子が、電圧無印加の状態で白表示となる(いわゆるノーマリーホワイトの)ツイストネマチック液晶からなる場合、パターン電極の形成領域における液晶分子が垂直方向に配向することで、その領域が遮光部24となる。なお、液晶モードについては特に限定されるものではなく、例えば電界効果複屈折モードでもよい。あるいは、電圧無印加の状態で黒表示となるノーマリーブラックの垂直配向(VA)モードや、面内スイッチング(IPS)モードであっても、電極構成を適宜変更するなどして2次元画像で白表示が可能であれば適用することができる。以上により、パララックスバリア2は、4つの視点映像を4つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離する機能を発揮する。その結果、観察者は、液晶表示パネル1に表示された映像を、3次元映像として視認することとなる。
【0028】
一方、パターン電極と対向電極との間に電圧を印加しない状態では、液晶層23は全面に亘って透過状態となる。この場合、パララックスバリア2は、4つの視点映像を光学的に分離する機能は発揮しない。したがって、パターン電極と対向電極との間に電圧を印加しない状態では、観察者は、液晶表示パネル1に表示された映像を、3次元映像ではなく2次元映像として視認することとなる。
【0029】
[立体表示装置の動作]
この立体表示装置では、液晶表示パネル1において一画面内に全ての視点映像が空間分割されて表示される。具体的には、例えば図3に示した表示パターン10のように、第1〜第4の視点映像が第1〜第4のサブ画素列41〜44に割り振られて表示される。このような表示を、パララックスバリア2によって形成されたバリアパターン20(図5)を介して観察する。パララックスバリア2では、バックライト3からの入射光が選択的に透過することで、液晶表示パネル1に表示された4つの視点映像が、4つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離される。すなわち、例えば図6に示したように、観察者の右眼10Rには第3の視点映像を形成するサブ画素R3,G3,B3からの光のみが認識される。一方、観察者の左眼10Lには第2の視点映像を形成するサブ画素R2,G2,B2からの光のみが認識される。これにより、観察者には第2の視点映像と第3の視点映像とに基づく立体像が知覚される。なお、図6は、図3において破線で囲んだ領域Vにおける、画面(XY平面)と直交する断面構成を表す概念図である。また、図6では、第2の視点映像を右眼10Rで観察すると共に第3の視点映像を左眼10Lで観察することにより立体像を知覚する例を挙げたが、第1〜第4の視点映像のうちの2つを任意に組み合わせることで立体像の観察は可能である。
【0030】
[第1の実施の形態の作用効果]
このように、本実施の形態によれば、パララックスバリア2によって光学的に分離された第1〜第4の視点映像を、長さD1が幅W1の3倍未満(D1<3×W1)である平面形状を有するサブ画素R,G,Bからなる第1〜第4のサブ画素列41〜44を所定間隔で複数表示することによって形成するようにした。これにより、従来のように長さが幅の3倍である場合と比較して、画面垂直方向における解像度劣化と画面水平方向における解像度劣化との差が低減される。
【0031】
これについて、図3と併せて図10を参照して詳細に説明する。図10に示した比較例としての表示パターン110は、幅W2および長さD2(=3×W2)を有する平面形状のサブ画素R,G,Bを複数含むものであり、一画面内に4つの視点映像を合成して表示された状態を表している。第1の視点映像はサブ画素R1,G1,B1を単位画素として表示され、第2の視点映像はサブ画素R2,G2,B2を単位画素として表示され、第3の視点映像はサブ画素R3,G3,B3を単位画素として表示され、第4の視点映像はサブ画素R4,G4,B4を単位画素として表示される。ここで、画面水平方向に連続して並び、その占有面積が正方形となる3つのサブ画素R,G,Bが占める領域(破線で取り囲んだ領域)を基本画素領域BPとする。この基本画素領域BPは2次元画像を表示する単位画素に相当し、その占有面積はD2×(3×W2)で表される。一方、第1から第4の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)110Pは、(3×D2)×(4×W2)で表される占有面積を有する。すなわち、表示パターン110では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向において解像度が1/3に低下すると共に画面水平方向において解像度が3/4に低下する。
【0032】
これに対し、本実施の形態の表示パターン10(図3)では、第1から第4の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)10Pは、(3×D1)×(4×W1)で表される占有面積を有する。ここで、比較を単純化するため、各サブ画素の占有面積を、表示パターン10(図3)と表示パターン110(図10)とで等しくする。すなわち、D1=D2/1.5,W1=1.5×W2,とする。すると、画素領域10Pの占有面積は(2×D2)×(6×W2)となり、図10の基準画素領域BPの占有面積に対して、画面鉛直方向および画面水平方向の双方において2倍に広がることとなる。すなわち、表示パターン10では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向および画面水平方向の双方において解像度が1/2に低下するので、解像度バランスが均等となる。このように、本実施の形態によれば、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランスが向上するので、いわゆるポートレートモードおよびランドスケープモードの双方においてほぼ同等の表示性能を得ることが可能となる。
【0033】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0034】
上記第1の実施の形態では、液晶表示パネル1において、4つの視点映像を一画面内に合成表示する場合について説明した。これに対し本実施の形態は、図7に示したように、液晶表示パネル1において3つの視点映像を一画面内に合成表示する場合について説明する。なお、図7は、本実施の形態の立体表示装置における液晶表示パネル1において、一画面内に3つの視点映像を合成して表示した場合の一例としての表示パターン10Aを表している。表示パターン10Aでは、第1〜第3のサブ画素列41〜43が各々画面鉛直方向に延在すると共に、画面水平方向において順に周期的に配置されている。第1〜第3のサブ画素列41〜43は、それぞれ、第1〜第3の視点映像を表示する。この結果、画面鉛直方向に延在するストライプ状の第1〜第3の視点映像が、画面水平方向において周期的に配列されることとなる。
【0035】
[立体表示装置の動作]
本実施の形態の立体表示装置においても、上記第1の実施の形態と同様にして立体視が可能である。具体的には、第1の実施の形態と同様のパララックスバリア2を使用し、第1〜第3の視点映像のうちの2つを観察者の右眼10Rおよび左眼10Lにそれぞれ入射させることで立体像の観察は可能である。
【0036】
[第2の実施の形態の作用効果]
図7と併せて図11を参照して詳細に説明する。図11に示した比較例としての表示パターン110Aは、幅W2および長さD2(=3×W2)を有する平面形状のサブ画素R,G,Bを複数含むものであり、一画面内に3つの視点映像を合成して表示された状態を表している。第1の視点映像はサブ画素R1,G1,B1を単位画素として表示され、第2の視点映像はサブ画素R2,G2,B2を単位画素として表示され、第3の視点映像はサブ画素R3,G3,B3を単位画素として表示される。ここで、基本画素領域BPは2次元画像を表示する単位画素に相当し、その占有面積はD2×(3×W2)で表される。一方、第1から第3の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)110APは、(3×D2)×(3×W2)で表される占有面積を有する。すなわち、表示パターン110では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向において解像度が1/3に低下する一方、画面水平方向において解像度の低下は生じない。
【0037】
これに対し、本実施の形態の表示パターン10A(図7)では、第1から第3の視点映像を表示する各単位画素が1つずつ収まる画素領域(一点鎖線で取り囲んだ領域)10APは、(3×D1)×(3×W1)で表される占有面積を有する。ここで、D1=D2/1.5,W1=1.5×W2とすると、画素領域10Pの占有面積は(2×D2)×(4.5×W2)となり、図11の基準画素領域BPの占有面積D2×(3×W2)に対し、画面鉛直方向において2倍に広がると共に画面水平方向において1.5倍に広がることとなる。すなわち、表示パターン10では、空間分割表示を行うことで、画面鉛直方向において解像度が1/2に低下し、画面水平方向において解像度が2/3に低下する。この結果、図11に示した表示パターン110Aに比べて、解像度バランスが比較的均等に近づくこととなる。このように、本実施の形態においても画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランスが向上する。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0039】
上記第1および第2の実施の形態では、液晶表示パネル1におけるサブ画素R,G,Bの平面形状を、画面鉛直方向を長辺とする矩形とした。これに対し本実施の形態は、図8に示したように、平面形状を六角形とするサブ画素R,G,Bを複数有する液晶表示パネル1Aを備えたものである。各サブ画素R,G,Bにおいて、最大の長さD3は、最大の幅W3の3倍の値よりも小さくなっている。なお、図8は、液晶表示パネル1Aにおけるサブ画素配列の例を示している。
【0040】
[第3の実施の形態の作用効果]
図8に示したように、液晶表示パネル1Aでは、平面形状が六角形であるサブ画素R,G,Bがデルタ配置されている。このため、画面水平方向(X軸方向)に隣り合う鉛直方向サブ画素列同士に挟まれた非表示領域(ブラックマトリックス)が、画面斜め方向に延在する部分を含むようになる。すなわち図9に拡大して示したように、ブラックマトリックスBMは、画面斜め方向に並ぶサブ画素に挟まれた部分BM1と、画面鉛直方向に並ぶサブ画素に挟まれた部分BM2とを含んでいる。これにより、図2に示した液晶表示パネル1と比較して、ブラックマトリックスのうちの画面鉛直方向に延在する部分に起因して生じる画面鉛直方向に延在する干渉縞(モアレ)が発生しにくくなる。これは以下の理由による。すなわち、図2の液晶表示パネル1では、画面鉛直方向に延在する部分、および画面水平方向に延在する部分のみによってブラックマトリックスが構成される。これに対し、図8の液晶表示パネル1Aでは、画面斜め方向に延在する部分を含むことで、ブラックマトリックス全体に占める画面鉛直方向に延在する部分の割合を相対的に低下させているからである。
【0041】
このように、本実施の形態においても長さD3が幅W3の3倍未満(D3<3×W3)である平面形状のサブ画素を採用し、立体像を形成するようにしたので、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランスが向上する。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、ブラックマトリックスBMが画面斜め方向に延在する部分を含むようにしたので、モアレの発生を抑制することもできる。また、本実施の形態では、画面斜め方向に隣接するサブ画素同士の間隔(画面垂直方向の寸法)は、画面垂直方向に隣接するサブ画素同士の間隔(画面垂直方向の寸法)よりも狭くするとよい。より効果的にモアレ発生を抑制できるからである。
【0043】
以上、実施の形態を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、2次元表示部における単位画素を、R(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のサブ画素によって構成する場合について説明したが、本技術では4色以上のサブ画素(例えばR(赤色),G(緑色),B(青色)と、W(白色)もしくはY(黄色)との組み合わせ)によって構成してもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、サブ画素の平面形状を六角形としたが、それに限定されず、例えば四角形および六角形以外の多角形や、楕円もしくは円形状のサブ画素を採用するようにしてもよい。例えば四角形であっても、その輪郭線が斜め方向に延在するように配置することにより、ブラックマトリックスが画面斜め方向に延在する部分を含むようになるので、モアレの発生を抑制することができる。
【0045】
また、上記実施の形態では、観察者の側から2次元表示部とパララックスバリアとバックライトとを順に配置するようにしたが、本発明では、観察者の側からパララックスバリアと2次元表示部とバックライトとを順に配置するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施の形態では、2次元表示部としてバックライトを使用するカラー液晶ディスプレイを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば有機EL素子を用いたディスプレイやプラズマディスプレイであってもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、光学素子としてパララックスバリアまたは液晶レンズを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シリンドリカルレンズを一次元方向に複数並べたレンチキュラーレンズを光学素子として用いた場合であっても、同様の効果が得られる。
【0048】
また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
複数のサブ画素を有し、複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有する
表示装置。
(2)
前記複数のサブ画素は、画面内の全方位において互いに異なる色を表示するもの同士が隣り合うように配置される
上記(1)記載の表示装置。
(3)
前記複数のサブ画素は、それぞれ、六角形状を有している
上記(1)または(2)記載の表示装置。
(4)
前複数のサブ画素は、デルタ配置されている
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の表示装置。
(5)
前記光学分離素子は、
前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有するパララックスバリアである
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)
前記パララックスバリアにおける前記光透過部および遮光部は、いずれも画面垂直方向へ延在するストライプ形状を有するものである
上記(5)記載の表示装置。
(7)
前記サブ画素の平面形状は矩形であり、その画面垂直方向の寸法と画面水平方向の寸法との比は4:3である
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の表示装置。
(8)
前記複数のサブ画素はデルタ配置されると共にそれぞれ六角形状を有し、
画面斜め方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔は、画面垂直方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔よりも狭い
上記(1)から(7)のいずれか1つに請求項1記載の表示装置。
【符号の説明】
【0049】
1,1A…液晶表示パネル、2…パララックスバリア、3…バックライト、10,10A…表示パターン、11,12,21,22…透明基板、13,23…液晶層、20,20A…バリアパターン、24…遮光部、25…光透過部、41〜44…第1〜第4のサブ画素列、BM…ブラックマトリックス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブ画素を有し、複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有する
表示装置。
【請求項2】
前記複数のサブ画素は、画面内の全方位において互いに異なる色を表示するもの同士が隣り合うように配置される
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数のサブ画素は、それぞれ、六角形状を有している
請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前複数のサブ画素は、デルタ配置されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記光学分離素子は、
前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有するパララックスバリアである
請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記パララックスバリアにおける前記光透過部および遮光部は、いずれも画面垂直方向へ延在するストライプ形状を有するものである
請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記サブ画素の平面形状は矩形であり、その画面垂直方向の寸法と画面水平方向の寸法との比は4:3である
請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数のサブ画素はデルタ配置されると共にそれぞれ六角形状を有し、
画面斜め方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔は、画面垂直方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔よりも狭い
請求項1記載の表示装置。
【請求項1】
複数のサブ画素を有し、複数の視点映像を一の画面内に表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数の視点映像を光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記サブ画素は、長辺方向の寸法が短辺方向の寸法の3倍未満である平面形状を有する
表示装置。
【請求項2】
前記複数のサブ画素は、画面内の全方位において互いに異なる色を表示するもの同士が隣り合うように配置される
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数のサブ画素は、それぞれ、六角形状を有している
請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前複数のサブ画素は、デルタ配置されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記光学分離素子は、
前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記表示部からの光または前記表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有するパララックスバリアである
請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記パララックスバリアにおける前記光透過部および遮光部は、いずれも画面垂直方向へ延在するストライプ形状を有するものである
請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記サブ画素の平面形状は矩形であり、その画面垂直方向の寸法と画面水平方向の寸法との比は4:3である
請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数のサブ画素はデルタ配置されると共にそれぞれ六角形状を有し、
画面斜め方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔は、画面垂直方向に隣接する前記サブ画素同士の間隔よりも狭い
請求項1記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−189885(P2012−189885A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54453(P2011−54453)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】
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