説明

表面クリーニング用の界面活性剤系

本発明は、希釈形態または未希釈形態で表面のクリーニングに使用できるか、あるいは表面クリーニングに適する種々のすぐ使用できる (または使用中の) 水性クリーニング組成物において活性クリーニング基剤として使用できる、水性界面活性剤系に関する。また、本発明は、本発明の界面活性剤系を含んでなるクリーニング系に関する。本発明によれば、界面活性剤系またはクリーニング系のクリーニング効率は、典型的には界面活性剤系において使用する界面活性剤の大きさを減少または最小にし、かつ界面活性剤系の水溶性を減少または最小にすることによって、増加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、希釈形態または未希釈形態で表面のクリーニングに使用できるか、あるいは表面クリーニングに適する種々のすぐ使用できる (または使用中の) 水性クリーニング組成物において活性クリーニング基剤として使用できる、水性界面活性剤系に関する。また、本発明は、本発明の水性界面活性剤系を調製する方法ならびに表面のクリーニングに適当な界面活性剤系およびクリーニング組成物のクリーニング効率を増加させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
水性界面活性剤系および表面クリーニング組成物は商業的に重要な製品であり、そして硬質表面および柔質表面を含む表面から汚物、あか、汚染物および汚れの除去の促進において広い実用性を有する。
【0003】
いくつかの水性表面クリーニング組成物は有機溶媒を含有する。有機溶媒はクリーニング組成物において環境的理由で望ましくなく、また、活性成分として、例えば、微生物、例えば細菌胞子を含んでなるクリーニング組成物において望ましくない。しかしながら、時には十分にすぐれたクリーニング性能を提供できるようにするために、有機溶媒は表面クリーニング組成物において必要である。
【0004】
米国特許第5,951,784号は、自動車の油およびグリースの汚染物をコンクリートからクリーニングするための、危険な成分を含まない組成物に関する。
WO 2005/049783には、1種または2種以上のアニオン界面活性剤および/または非イオン界面活性剤、増粘剤および不透明構成成分を含んでなる希釈可能な水性表面クリーニング組成物が開示されている。
【0005】
米国特許第6,716,804号には、a) 水溶性エトキシレート、b) 水不溶性エトキシレートおよびc) 両性界面活性剤およびアニオン界面活性剤 (またはカップラー) から成る群から選択される成分、またはそれらの混合物を含んでなるクリナー/脱脂剤組成物が開示されている。
【0006】
莫大な数の界面活性剤系がこの分野において知られているが、それにもかかわらず、強い表面クリーニング能力を示す水性界面活性剤系がとくに望まれかつ必要とされている。さらに、また、有機溶媒を含有する界面活性剤系のそれに少なくとも等しい表面クリーニング能力を有する、有機溶媒を含まない界面活性剤系が望まれかつ必要とされている。また、極端なpH (すなわち、高いまたは低い) を必要とせず、同時に同一のまたはよりすぐれたクリーニング性能を有する界面活性剤系が必要とされかつ望まれている。
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
本発明は、希釈形態または未希釈形態で表面のクリーニングに使用できるか、あるいは表面クリーニングに適するすぐ使用できる (または使用中の) 水性クリーニング組成物において活性クリーニング基剤として使用できる、水性界面活性剤系に関する。本発明の水性界面活性剤系は貯蔵条件および/または使用条件下に界面活性剤の可視の沈殿および/または相分離を含まない非希釈形態および/または希釈形態である。例えば、ここにおける実施例3に関すると、コンクリートクリナーの場合において、適当な条件は5℃〜45℃の範囲の温度および8〜10の範囲のpH、好ましくはpH 9であろう。換言すると、必要な安定性の条件は界面活性剤系またはクリーニング生成物の最終の使用中の条件に依存する。界面活性剤系における実際の界面活性剤の含有率および組成は、界面活性剤の沈殿および/または相分離が可視でない点に近い範囲内にあるべきである。
【0008】
換言すると、界面活性剤の含有率および組成は、可視の界面活性剤の沈殿および/または相分離が消失する点の近くあるべきである。使用中の温度がより高い場合において、本発明の水性界面活性剤系および/またはクリーニング組成物は、pH 7またはpH 9において決定して、例えば、60℃〜70℃程度に高い使用中の条件において可視の界面活性剤の沈殿および/または相分離をまた含まない。
【0009】
本発明の要点は、1) 典型的には界面活性剤系において使用する界面活性剤の大きさを減少または最小にしかつ2) 界面活性剤系の水溶性を減少または最小にすることによって、界面活性剤系またはクリーニング系のクリーニング効率を最大とすることである。水溶性の減少は、本発明の1つの面によれば、下記の2つのアプローチの1つまたは組合わせに従い達成される:
a) 界面活性剤系中に塩を導入する、および
b) 界面活性剤系中に水不溶性界面活性剤を導入する。
【0010】
界面活性剤系の大きさを減少または最小にすると、溶液から適当な界面への拡散に必要な時間は減少し、これによりクリーニング性能は増加する。
水中の界面活性剤系の溶解度を減少または最小にすると、適当な界面における界面活性剤系の吸着効率は増加し、これによりクリーニング性能は増加する。換言すると、界面活性剤系の溶解度を減少または最小にすると、界面活性剤系を適用する表面に関する界面活性剤系の湿潤力は増加する。これはクリーニング性能を増加させる。
【0011】
したがって、第1の面において、本発明は、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系に関する。界面活性剤間の比は、貯蔵および/または使用中の条件下に可視の沈殿および/または相分離を含まない水性界面活性剤系を提供するように、かつさらに強いクリーニング効率を提供するように選択される。
【0012】
第2の面において、本発明は、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の塩とを含んでなり、ここで1種または2種以上の塩が0.5〜10重量%の量で存在する水性界面活性剤系に関する。
第3の面において、本発明は、本発明の界面活性剤系を含んでなる水性クリーニング組成物に関する。
【0013】
第4の面において、本発明は、下記の工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系を調製する方法に関する:
a) 固定濃度の界面活性剤を有する水性を調製し、そして
b) 塩濃度が下記の範囲になるまで塩を添加する:界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%低く、かつ界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%高いか、あるいは界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点。
【0014】
第5の面において、本発明は、硬質表面または柔質表面をクリーニングするための本発明の水性界面活性剤系または本発明の水性クリーニング組成物の使用に関する。
【0015】
最後の面において、本発明は、下記により界面活性剤系またはクリーニング系の水溶性を減少させる工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法に関する:
a) 塩を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入し、および/または
b) 水不溶性界面活性剤を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入する。
【0016】
用語 「界面活性剤」 は、親水性部分および疎水性部分の相対量が適当であるとき、表面活性を示す1または2以上の親水性基および1または2以上の疎水性基を有する分子のクラスに属する分子を意味する。
「水溶性界面活性剤」 は、室温において7% (重量/重量基準に基づく) より高い水中の溶解度を有する界面活性剤を意味する。
【0017】
「水不溶性界面活性剤」 は、室温において7% (重量/重量基準に基づく) より低い、好ましくは2%より低い水中の溶解度を有する、ことに完全に不溶性の界面活性剤を意味する。
「塩」 は、金属イオンの炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムまたはその他から成る群から選択される無機塩を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
発明の詳細な説明
本発明は、希釈形態または未希釈形態で表面のクリーニングに使用できるか、あるいは表面クリーニングに適するすぐ使用できる (または使用中の) 水性クリーニング組成物において活性クリーニング基剤として使用できる、水性界面活性剤系に関する。
【0019】
水性界面活性剤系
水性クリーニング組成物中の活性クリーニング基剤として適当である、この分野において知られている水性界面活性剤系は、多数の欠陥に悩まされる。いくつかの既知の界面活性剤系は貯蔵条件下に安定であるが、使用中の条件下に、例えば、界面活性剤系を熱水中で希釈するとき、安定ではなく、および/またはすぐれた表面のクリーニングを提供することができないことがある。
【0020】
クリーニング効率 (または洗浄力) は曇り点の範囲において大きく増加することが知られている (M. J. Schwuger、Zur Kenntnis der Zusammenhaenge zwischen Adsorption und Washwirkung von Tensiden、Chemie-Ing-Techn、43: 705-710 (1971)) 。本発明によれば、曇り点は界面活性剤系をクリーニングに使用する温度と合致しないことを理解すべきである。
【0021】
本発明は、すぐ使用できる (または使用中の) 表面クリナーとして使用できるか、あるいは本発明の水性クリーニング組成物中のクリーニング基剤として適当である。本発明の界面活性剤系は安定であり、そしてすぐれたクリーニング効率を有する。界面活性剤の沈殿および/または相分離はpH 6〜10、例えばpH 7またはpH 9において5℃〜45℃の貯蔵条件下に可視ではない。好ましい態様において、界面活性剤系は、また、pH 6〜10の範囲、例えば約pH 7またはpH 9において約60℃以上、例えば65℃における使用中の条件下に安定である。好ましい態様において、本発明の水性界面活性剤系または水性クリーニング組成物は溶媒を含まず、そして表面のクリーニングに適する溶媒含有界面活性剤系およびクリーニング組成物のそれに少なくとも等しいクリーニング効率を有する。
【0022】
硬質表面のクリーニングに関係する主要なプロセスは、適当な界面における1種または2種以上の界面活性剤の吸着である。2種以上の界面活性剤を使用するとき、異なる界面活性剤から構成された薄膜が吸着されるであろう。大部分において、同一の物理学的因子、例えば、界面活性剤の溶解度および塩および/または水不溶性非イオン界面活性剤の添加は、界面活性剤系の臨界ミセル濃度を減少させ、界面に対する界面活性剤の吸着を増加させ、したがってクリーニングを増強させるであろう。さらに、クリーニング (または洗浄力) は一般に平衡プロセスではなく、界面にいっそう急速に拡散できる界面活性剤分子は、界面に対して適切な吸着を有するかぎり、最も有効なクリーニング剤であろう。結局、最もコンパクトな構造 (最小の大きさ) を有し、可能な臨界的濃度 (または溶解度) が最低である界面活性剤は最も有効なクリーニングを提供する。
【0023】
界面活性剤分子の大きさを減少または最小にすると、溶液から適当な界面に拡散するための時間が減少し、これによりクリーニング性能が増加する。
さらに、界面活性剤系の水中の溶解度を減少または最小にすると、適当な界面における界面活性剤系の吸着効率が増加し、これによりクリーニング性能が増加する。換言すると、界面活性剤の溶解度を減少または最小にすると、界面活性剤系または使用中のクリーニング組成物が適用される表面に関するクリーニング組成物の湿潤力が増加し、これによりクリーニング性能が増加する。
【0024】
第1の面において、本発明は、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系に関する。界面活性剤系は、pH 7またはpH 9において決定して、5〜45℃、好ましくは40〜45℃の範囲の温度において可視の界面活性剤からの沈殿および/または相分離を含まない。好ましい態様において、pH 7またはpH 9において決定して、60℃、好ましくは65℃、より好ましくは67℃、さらにより好ましくは68℃、さらにより好ましくは69℃、ことに70℃の温度における使用中の条件下に安定である。
【0025】
1つの態様において、界面活性剤系は2種またはそれ以上の非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを含んでなる。1つの態様において、非イオン界面活性剤の1種は水不溶性界面活性剤である。さらに、他の態様において、界面活性剤系は2種またはそれ以上の水溶性非イオン界面活性剤と1種の水不溶性非イオン界面活性剤とを含んでなる。さらに、界面活性剤系は、また、1種の水溶性アニオン界面活性剤、1種の水溶性非イオン界面活性剤および1種の水不溶性非イオン界面活性剤を含んでなる。
【0026】
アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との間の比は、ある態様において、10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、なおより好ましくは6:1〜1:1である。好ましい態様において、界面活性剤系は水溶性アニオン界面活性剤および/または水不溶性アニオン界面活性剤を含んでなる。適当なアニオン界面活性剤の例は、下記の 「界面活性剤」 の節に記載されている。水溶性アニオン界面活性剤は好ましい。非イオン界面活性剤は水不溶性非イオン界面活性剤または水溶性非イオン界面活性剤、またはそれらの混合物であることができる。
【0027】
適当な非イオン界面活性剤の例は、下記の 「界面活性剤」 の節に記載されている。ある態様において、アニオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との間の比は10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、より好ましくは4:1〜1:1の範囲である。好ましい態様において、水溶性非イオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との間の比は10:1〜1:10、好ましくは1:10〜1:1、より好ましくは1:6〜1:1の範囲である。ある態様において、アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の総量との間の比は10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは6:1〜1:1である。
【0028】
第2の面において、本発明は、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の塩とを含んでなり、ここで1種または2種以上の塩が0.5〜10重量%の量で存在する水性界面活性剤系に関する。好ましい態様において、アニオン界面活性剤は水溶性である。しかしながら、アニオン界面活性剤は水不溶性であることもできる。適当なアニオン界面活性剤の例は、下記の 「界面活性剤」 の節に記載されている。また、界面活性剤系は1種または2種以上の非イオン界面活性剤をさらに含んでなることができる。非イオン界面活性剤は好ましくは水溶性であるが、また、水不溶性であることができる。
【0029】
ある態様において、界面活性剤系は水溶性非イオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との組合わせを含んでなる。適当な非イオン界面活性剤の例は、下記の 「界面活性剤」 の節に記載されている。好ましい態様において、1種または2種以上の水溶性アニオン界面活性剤および1種または2種以上の水溶性非イオン界面活性剤は1:20〜2:1、好ましくは1:12〜1:1、ことに1:10〜1:5の比で存在する。本発明の態様において、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤との間の比は1:20〜2:1、好ましくは1:12〜1:1、ことに1:10〜1:5である。適当な塩の例は下記の 「塩」 の節に記載されている。
【0030】
界面活性剤
本発明の界面活性剤系は1種または2種以上のアニオン界面活性剤および1種または2種以上の非イオン界面活性剤を含む。この節は本発明に従い適当な界面活性剤の多数の例を提供する。異なる種類の界面活性剤を選択し、ある種の比で添加して、界面活性剤系の溶解度を減少し、好ましくは最小にし、すぐれたクリーニング効率を提供する。
【0031】
アニオン界面活性剤
本発明の界面活性剤系は、1種または2種以上のアニオン界面活性剤を含んでなる。1種または2種以上のアニオン界面活性剤は、水溶性または水不溶性であることができる。水溶性アニオン界面活性剤は好ましい。
【0032】
適当な水溶性アニオン界面活性剤の例は、硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルアミドエーテル、硫酸アルキルアリールポリエーテル、硫酸アルキルアリール、スルホン酸アルキルアリール、硫酸モノグリセリド、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアミド、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸ベンゼン、スルホン酸トルエン、スルホン酸キシレン、スルホン酸クメン、スルホン酸アルキルベンゼン、スルホン酸アルキルジフェニルオキシド、スルホン酸α-オレフィン、スルホン酸アルキルナフタレン、スルホン酸パラフィン、スルホン酸リグニン、スルホコハク酸アルキル、エトキシル化スルホスクシナメート、スルホコハク酸アルキルエーテル、スルホコハク酸アルキルアミド、アルキルスルホスクシナメート、スルホ酢酸アルキル、リン酸アルキル、リン酸エステル、リン酸アルキルエーテル、アシルサルコシネート、アシルイセチオネート、N-アシルタウレート、N-アシル-N-アルキルタウレートおよびカルボン酸アルキルから成る群から選択されるものを包含する。
【0033】
ある態様において、硫酸アルキルはナトリウム、カリウム、アンモニウム、エタノールアミンまたはマグネシウムの塩であり、好ましくは6〜20単位の炭素鎖長を有する。好ましい特定の態様において、硫酸アルキルはドデシル硫酸ナトリウム (ラウリル硫酸ナトリウム) である。
【0034】
ある態様において、脂肪族アルコールの硫酸化エトキシレートはナトリウム、カリウム、アンモニウム、エタノールアミンまたはマグネシウムの塩であり、好ましくは1〜6個のオキシエチレンもち、かつ6〜20単位の炭素鎖長を有する。好ましい特定の態様において、脂肪族アルコールの硫酸化エトキシレートはラウレト硫酸ナトリウム (ラウリルエーテル硫酸ナトリウム) である。
【0035】
ある態様において、スルホン酸アルキルは直鎖状または分枝鎖状であり、そしてナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩であり、6〜20単位の炭素鎖長を有する。特定の好ましい態様において、スルホン酸アルキルはオクチルスルホン酸ナトリウムである。オクチルスルホン酸ナトリウムは本発明に従い2つの理由で好ましい。第1に、それは粉末状の非粘着性の小さい界面活性剤である。これは、本発明のクリーニング組成物が蒸発したとき、粉末状、非粘着性残留物の形成を可能とする。
【0036】
粉末状、非粘着性残留物は、汚物を誘引し、例えば、カーペットのクリーニングした区域の急速な再汚れを引き起こす可能性が少ない。第2に、本発明によれば、キシレンスルホン酸ナトリウムにより代表される小さい分子のハイドロトープを使用することが好ましい。これは、また、液状配合物が蒸発するとき、粉末状、非粘着性残留物を形成する。オクチルスルホン酸ナトリウムが好ましい理由は、それが界面活性: 有意な表面および界面の減少を提供し、ならびにミセルの形成を介して物質を可溶化する能力を有することである。
【0037】
ある態様において、スルホン酸アルキルベンゼンは直鎖状または分枝鎖状であり、そしてナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩であり、6単位〜20単位の炭素鎖長 (ベンゼン環に結合した) を有する。好ましい特定の態様において、スルホン酸アルキルベンゼンはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
好ましい態様において、スルホン酸α-オレフィンはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩であり、6単位〜20単位の炭素鎖長 (ベンゼン環に結合した) を有する。
【0038】
好ましい態様において、スルホスクシネートはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩であり、4〜16単位の炭素鎖長を有する。好ましい特定の態様において、スルホスクシネートはオクチルスルホコハク酸二ナトリウムである。
好ましい態様において、スルホン酸アルキルジフェニルオキシドはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩であり、6〜22単位の炭素鎖長を有する。
【0039】
好ましい態様において、スルホン酸アルキルナフタレンはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩であり、0〜10単位の炭素鎖長を有する。特定の好ましい態様において、スルホン酸アルキルナフタレンはブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムである。
好ましい態様において、エトキシル化スルホスクシネートはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩であり、6〜20単位の炭素鎖長を有し、そして1〜6個のオキシエチレン基を有する。好ましい特定の態様において、エトキシル化スルホスクシネートは3モルのエトキシル化ラウリルスルホコハク酸ナトリウムである。
【0040】
好ましい態様において、リン酸エステルはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩であり、6〜22単位の炭素鎖長を有する。
好ましい態様において、カルボン酸アルキルはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩であり、6〜22単位の炭素鎖長を有する。好ましい特定の態様において、カルボン酸アルキルはステアリン酸ナトリウムである。
【0041】
好ましい態様において、N-アシル-N-アルキルラウレートはナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたはマグネシウムの塩であり、6〜22単位の炭素鎖長を有する。
好ましい態様において、N-アルキルサルコシドはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩であり、6〜22単位の炭素鎖長を有する。好ましい特定の態様において、N-アルキルサルコシドはラウリルサルコシドナトリウムである。
【0042】
好ましい態様において、スルホン酸ベンゼン、スルホン酸トルエン、スルホン酸キシレンまたはスルホン酸クメンはナトリウム塩である。好ましい態様において、スルホン酸リグニンは1,000〜20,000の分子量を有する。
【0043】
非イオン界面活性剤
本発明の界面活性剤系は、水不溶性または水溶性であることができる、少なくとも1種または2種以上の非イオン界面活性剤を含んでなることができる。
【0044】
水不溶性非イオン界面活性剤
水不溶性非イオン界面活性剤は、水溶性非イオン界面活性剤よりも水不溶性汚れ (例えば、インクまたはモーター油) を吸着しまたはその中に浸透する傾向が強い。極性部分の存在は不溶性汚れを水溶液中にいっそう可溶性とする傾向あり、これにより汚れの除去をいっそう容易とする。したがって、ある態様において、不溶性界面活性剤は1または2以上の極性部分を含む。ひいては、水性界面活性剤系をできるだけ水不溶性とすることは、少なくとも最も不溶性の界面活性剤成分の水不溶性汚れ中への分配または吸着を増加させ、これによりクリーニング効率を増強させると考えられる。これらの分子は非常に低い水溶性を有するが、それらのすべては少なくとも1つの極性部分を含有し、少なくとも水と会合する傾向を多少有することを意味することに注意すべきである。
【0045】
考えられる水不溶性界面活性剤は下記を包含する: アルキルおよびアリール: グリセロールエーテル、グリコールエーテル、エタノールアミド、スルフォアニルアミド、アルコール、アミド、アルコールエトキシレート、グリセロールエステル、グリコールエステル、グリセロールエステルおよびグリコールエステルのエトキシレート、糖に基づくアルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレン化脂肪酸、アルカノールアミン縮合物、アルカノールアミド、第三級アセチレン系グリコール、ポリオキシエチレン化メルカプタン、カルボン酸エステルおよびポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール。また、下記が包含される: EO/POブロックコポリマー (EOはエチレンオキシドであり、POはプロピレンオキシドである)、EOポリマーおよびコポリマー、ポリアミンおよびポリビニルピロリドン。
【0046】
本発明のある態様において、水不溶性非イオン界面活性剤はエトキシレートである。クリーニングを最適とするために、疎水性領域において炭素鎖長をできるだけ短くすることが好ましい。好ましい態様において、水不溶性非イオン界面活性剤はアルコールエトキシレートである。
【0047】
アルコールエトキシレートは式RO(CH2CH2O)nHを有し、式中Rは炭化水素鎖長であり、そしてnはエチレンオキシドの平均モル数である。好ましい態様において、アルコールエトキシレートは線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、ここでRはC9〜C16の鎖長を有しそしてnは0〜5の範囲である。本発明のことに好ましい態様において、水不溶性非イオン界面活性剤は式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、ここでRはC9〜11の鎖長を有しそしてnは2.7である。
【0048】
商業的に入手可能な水不溶性界面活性剤の例を下に記載する。1つのクラスは天然資源に由来し、したがって環境に優しいアルキルポリグルコシド (またはAPG) である。他のクラスはグリコールエーテル、特に低い蒸気圧 (20℃において0.1 mmHgより低い) を有し、これによりカリフォルニア・エアー・リソーシズ・ボード (California Air Resources Board) により 「低い蒸気圧のVOC」 と考慮されるものを包含し、例は次の通りである:
【0049】
グリコールエーテル
DOWANOLTM TPnB トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル
DOWANOLTM DPnB ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル
DOWANOLTM pph プロピレングリコールn-フェニルエーテル
DOWANOLTM Eph エチレングリコールフェニルエーテル
Hexyl CELLOSOLVETM エチレングリコールヘキシルエーテル
Hexyl CARBITOLTM ジエチレングリコールヘキシルエーテル
Butyl CARBITOLTM Acetate ジエチレングリコールn-ブチルエーテルアセテート
【0050】
アルコールエトキシレート
【表1】

【0051】
例えば、上記商業的に入手可能な水不溶性界面活性剤のうちで、Tomadol 91-2.5およびBig-Soft N91-2.5は疎水性領域がわずかに9〜11個の炭素原子を含有するので、好ましい。したがって、それらは最も速く界面に拡散し、最良のクリーニング効率を提供する。しかしながら、界面活性剤系および用途に依存して、これらの界面活性剤を使用する理由が存在する。例えば、界面活性剤の含有率は、例えば、環境的理由で、極めて低い濃度で存在しなくてはならないことがある。
【0052】
このような場合において、Big-Soft N91-2.5を添加する 「原」 界面活性剤系は非常に小さくないであろう。なぜなら、非常に小さい界面活性剤は低い臨界ミセル濃度を有し、そして界面活性剤が臨界ミセル濃度より高い濃度で存在できる場合、通常最良であるからである。結局、「原」 界面活性剤系はより大きい界面活性剤を含有するようであり、疎水性領域においてより大きい炭素原子数を有し、界面活性剤含有率が臨界ミセル濃度より高いことを保証する。この場合において、12〜13個の炭素が必要であり、そしてBig-SoftTM N23-3はBig-Soft N91-2.5より好ましいであろう。
【0053】
水溶性非イオン界面活性剤
典型的には、水溶性非イオン界面活性剤は、水不溶性非イオン界面活性剤に比較して界面活性剤の親水性領域においてより高いエチレンオキシド含有率を有する。
【0054】
好ましい態様において、水溶性非イオン界面活性剤は式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中Rは炭化水素鎖長であり、そしてnはエチレンオキシドの平均モル数である。好ましい態様において、RはC9〜C16の範囲の線状第一級または分枝鎖状第二級炭化水素鎖長であり、そしてnは6〜13の範囲である。RがC9〜C11の炭化水素鎖長でありそしてnが6であるアルコールエトキシレートはことに好ましい。
【0055】
商業的に入手可能な水溶性非イオンアルコールエトキシレート界面活性剤の例は、NeodolTM 91-6、TomadolTM 91-6またはBig-SoftTM N91-6.5である。
TomadolTM 91-6は、コンクリートのクリーニングに使用するクリーニング組成物のために好ましい水溶性非イオン界面活性剤である。その理由は、それがすぐれた界面張力低下能力を有する小さい界面活性剤であることにある。
【0056】
非イオン界面活性剤の組合わせ
商業的に入手可能な非イオン界面活性剤の対の組合わせは下記を包含する: TomadolTM 91-2.5 (水不溶性) およびTomadolTM 91-6 (水溶性)、およびBig-SoftTM N23-3 (水不溶性) およびBig-SoftTM N91-6.5 (水溶性)。
【0057】
前述の組合わせが本発明に従い適当である理由は、主として表面または界面の張力を低下させる対を達成するためである。詳細には、界面活性剤のある対を選択する場合、炭化水素鎖長は表面または界面の張力を最高に低下させてクリーニング効率を増大させるために等しいことが好ましい。しかしながら、一般に、できるだけ小さい界面活性剤分子を使用することが好ましい。
【0058】
本発明によれば、界面活性剤系またはクリーニング組成物中の界面活性剤の総量は界面活性剤系またはクリーニング組成物およびその使用に依存して異なることがある。例えば、界面活性剤系またはクリーニング組成物がカーペットのよごれを除去するためのものである場合、界面活性剤の総量は約2重量%である (実施例1参照)。しかしながら、界面活性剤系または使用中のクリーニング組成物が濃縮されたコンクリートクリナーである場合 (実施例3参照)、界面活性剤の総量は有意により高い。したがって、本発明によれば、界面活性剤の総量は0.5重量%程度に低いか、あるいは90重量%程度に高いことがある。したがって、本発明の態様において、界面活性剤の総量は界面活性剤系またはクリーニング組成物の0.5〜50重量%、または1〜20重量%、または1〜5重量%、または約2重量%である。
【0059】

本発明の界面活性剤系において使用する塩は任意の塩であることができるが、好ましくは下記から成る群から選択される: アルカリ金属の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アンモニウムの硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩 (また重炭酸塩と呼ばれる)、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アルカリ土類金属の硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫化物および水素炭酸塩; マンガン、鉄、銅および亜鉛の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物および硫酸塩; クエン酸塩およびホウ酸塩。
【0060】
炭酸塩、特に炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムがことに考えられる。特定の態様において、炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムとの間の比は1:10〜10:1である。
塩の総量は界面活性剤系または最終の使用中のクリーニング組成物の好ましくは0.8〜8重量%、好ましくは1〜5重量%である。
【0061】
他の成分
本発明の界面活性剤系またはクリーニング組成物は他の成分さらに含み、これらの成分はクリーニングすべき表面に依存するであろう。
表面がコンクリートのような硬質表面である場合、腐蝕抑制剤を添加することができる。
【0062】
すべてのクリナーについて、保存剤、例えばNipacideTMを包含する殺生物剤およびキレート化剤、例えばEDTAを添加することができる。
クリーニング組成物は細菌胞子または酵素をさらに含んでなることができる。好ましくは、細菌胞子はバシラス (Bacillus) 属からのものであり、そして酵素はアミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼおよびプロテアーゼまたはそれらの混合物から成る群から選択される。
【0063】
水性クリーニング組成物
本発明の水性クリーニング組成物は、本発明の水性界面活性剤系を含んでなることができる。界面活性剤系は活性クリーニング基剤として使用できる。水性クリーニング組成物は 「そのまま」 使用できるか、あるいは必要な場合適当な希釈および塩の添加により表面のクリーニングに必要な組成物に最終ユーザーによって調製することができる。本発明の水性クリーニング組成物は未希釈形態においてかつ「使用中の」条件下に安定である。使用中の条件は変化することがあるが、典型的にはクリーニング組成物は熱水に添加され、これは約60℃以上の温度において添加されることを意味する。本発明のクリーニング組成物のpHは使用に依存して変化することもあるが、典型的には7〜11、好ましくは8〜10の範囲、ことに約pH 9である。
【0064】
水性クリーニング組成物は、硬質表面および柔質表面を包含する表面のクリーニングに使用できる。
考えられる硬質表面の例は、コンクリート、金属、ガラス、セラミック、プラスチック、リノリウムおよび同様な表面を包含する。硬質表面はトイレ、シャワー室、バスタブ、流し、カウンター甲板、壁、床において存在し、また道路表面を含む。
【0065】
考えられる柔質表面の例は、カーペット、家具、室内装飾布帛、スリッパ、衣服および他の繊維材料を包含する。
最終ユーザーは濃縮クリーニング組成物を、例えば1:1〜1:2000 (クリーニング組成物: 水) の比、好ましくは1:1〜1:250 (クリーニング組成物: 水) の比で希釈することができる。また、最終ユーザーは、必要な場合、実施例3 (表4参照) に示されているように塩を希釈生成物に添加して必要なクリーニング効率を得ることができる。
【0066】
本発明のクリーニング組成物は好ましい態様において溶媒を含まないが、また1種または2種以上の有機溶媒、例えばイソプロピルアルコールを含有することができる。
本発明の水性クリーニング組成物は、グリースおよび/または油の汚れを硬質表面または柔質表面から除去するために適する。
【0067】
塩を添加することによって水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法
1つの面において、本発明は、下記の工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法に関する:
a) 固定濃度の界面活性剤を有する水溶液を調製し、そして
b) 塩濃度が界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%低く、かつ界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%高い範囲内にあるまで塩を添加する。
【0068】
ある態様において、アニオン界面活性剤は水溶性アニオン界面活性剤および/または水不溶性アニオン界面活性剤であり、そして非イオン界面活性剤は水溶性または水不溶性である。好ましい組合わせは水溶性アニオン界面活性剤および水溶性非イオン界面活性剤である。適当な界面活性剤の例および比は、上記 「界面活性剤」 の節および 「水性界面活性剤系」 の節において見出すことができる。適当な塩の例および塩の比は上記 「塩」 の節において見出すことができる。
【0069】
本発明のこの面によれば、界面活性剤の沈殿および/または相分離が可視である点は5〜45℃の温度およびpH 7またはpH 9、例えば40〜45℃およびpH 7またはpH 9において決定することができる。異なる使用中の条件を有する界面活性剤系の場合において、界面活性剤の沈殿および/または相分離が可視である点は60〜70℃の温度およびpH 7またはpH 9、好ましくは65℃、より好ましくは67℃、より好ましくは68℃、さらにより好ましくは69℃、ことに70℃およびpH 7またはpH 9において決定することができる。
【0070】
好ましい態様において、塩濃度は界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%低く、かつ界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%高い範囲内にある。
他の好ましい態様において、塩濃度は界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%低く、かつ界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点の範囲内にある。
【0071】
界面活性剤系またはクリーニング組成物の総量は、界面活性剤系またはクリーニング組成物およびその使用に依存して異なることがある。例えば、界面活性剤系またはクリーニング組成物がカーペットのよごれを除去するためのものである場合、界面活性剤の総量は約2重量%である (実施例1参照)。しかしながら、界面活性剤系または使用中のクリーニング組成物が濃縮コンクリートクリナーである場合 (実施例3参照)、界面活性剤系の総量は有意により高い。したがって、本発明によれば、界面活性剤の総量は0.5重量%またはそれより低い程度に低くかつ90重量%程度に高いことがある。したがって、本発明の態様において、界面活性剤の総量は界面活性剤系またはクリーニング組成物の0.5〜50重量%、または1〜20重量%、または1〜5重量%、または約2重量%であることができる。
【0072】
水不溶性界面活性剤を添加することによって水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法
本発明は、また、下記の工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法に関する:
a) 固定濃度の水溶性アニオン界面活性剤および/または水溶性非イオン界面活性剤を有する水溶液を調製し、そして
b) 水不溶性界面活性剤の濃度が水不溶性界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%低く、かつ水不溶性界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%高い範囲内にあるまで1種または2種以上の水不溶性界面活性剤を添加する。
【0073】
好ましい態様において、水不溶性界面活性剤は非イオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤である。適当な界面活性剤の例は、上記 「界面活性剤」 の節 「水性界面活性剤系」 の節において見出すことができる。
本発明のこの面によれば、界面活性剤の沈殿および/または相分離が可視である点は5〜45℃の温度およびpH 7またはpH 9、例えば40〜45℃およびpH 7またはpH 9において決定することができる。異なる使用中の条件を有する界面活性剤系の場合において、界面活性剤の沈殿および/または相分離が可視である点は60〜70℃の温度およびpH 7またはpH 9、好ましくは65℃、より好ましくは67℃、より好ましくは68℃、さらにより好ましくは69℃、ことに70℃およびpH 7またはpH 9において決定することができる。
【0074】
好ましい態様において、水不溶性界面活性剤の濃度は界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%低く、かつ界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%高い範囲内にある。
【0075】
より好ましい態様において、水不溶性界面活性剤の濃度は界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%低く、かつ界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点の範囲内にある。
【0076】
本発明の水性界面活性剤系またはクリーニング組成物の使用
この面において、本発明は、表面、好ましくは硬質表面および/または柔質表面をクリーニングするための本発明の水性界面活性剤系またはクリーニング組成物の使用に関する。
【0077】
硬質表面はコンクリート、金属、ガラス、セラミック、プラスチック、リノリウムおよび同様な表面を包含する。硬質表面はトイレ、シャワー室、バスタブ、流し、カウンター甲板、壁、床において存在し、また道路表面を含む。
柔質表面はカーペット、家具、室内装飾布帛、スリッパ、衣服および他の繊維材料を包含する。
表面は1つの態様において油またはグリースで汚れた表面であることができる。
【0078】
クリーニング効率を増加させる方法
最後の面において、本発明は、下記により界面活性剤系の水溶性を減少させる工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる界面活性剤系またはクリーニング組成物のクリーニング効率を増加させる方法に関する:
a) 塩を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入し、および/または
b) 水不溶性界面活性剤を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入する。
【0079】
また前述したように、本発明の要点は、典型的には界面活性剤系において使用する界面活性剤の大きさを減少または最小にし、かつ界面活性剤系の水溶性を減少または最小にすることによって、界面活性剤系またはクリーニング系のクリーニング効率を最大することである。界面活性剤分子の大きさを減少または最小にすると、溶液から適当な界面への拡散に必要な時間が減少し、これによりクリーニング性能が増加する。
【0080】
界面活性剤系の水中の溶解度を減少または最小にすると、適当な界面における界面活性剤系の吸着効率が増加し、これによりクリーニング性能が増加する。
界面活性剤系またはクリーニング組成物の不溶性は、沈殿 (少なくとも均質な曇りまたは濁り) または液-液相分離の視的出現により規定される。
塩および界面活性剤は上記 「塩」 および 「界面活性剤」 の節に記載されているものであることができる。
【0081】
ここにおいて記載されかつ特許請求されている本発明は、本明細書に記載する特定の態様によりその範囲を限定されるべきでない。なぜなら、これらの態様は本発明のいくつかの面の例示を意図しているからである。事実、ここにおいて示しかつ記載したものに加えて本発明の種々の変更は前述の説明から当業者にとって明らかとなるであろう。また、このような変更は添付された特許請求の範囲内に入ることを意図する。矛盾する場合において、定義を含む本発明の開示はコントロールするであろう。
種々の参考文献がここにおいて引用されており、それらの開示は引用することによって本明細書の一部とされる。
【0082】
材料および方法
界面活性剤:
水不溶性非イオン界面活性剤: TomadolTM 91-2.5 (入手先: Tomah Products) は、2.7の平均エトキシル化を有するC9〜11の平均炭素鎖長のアルコールエトキシレートである。
【0083】
水溶性非イオン界面活性剤: TomadolTM 91-6 (入手先: Tomah Products) は、6の平均エトキシル化を有するC9〜11の平均炭素鎖長のアルコールエトキシレートである。
NeodolTM 91-6 (入手先: Shell) はTomadolTM 91-6と同一の化学物質である。TomadolTM 91-6はNeodolTM 91-6に等しいことに注意すべきである。これはシェル (Shell) により製造された同一化学物質である。
【0084】
水溶性アニオン界面活性剤: オクチルスルホン酸ナトリウム (BIO-TERGE PAS-8SとしてStepan Productsから購入した) (37.8%のオクチルスルホン酸ナトリウムを含有する配合物) は、水溶性アニオン界面活性剤である。オクチルスルホン酸ナトリウムの適当な代替物源はWitconate NAS-8 (入手先: Witco) であろう。これは36.0%のオクチルスルホン酸ナトリウムを含有する配合物である。
【0085】
- ドデシルベンゼンスルホン酸 (BIO-SOFT S-101としてStepan Productsから購入した) は、水溶液中において塩基、例えば水酸化ナトリウムで中和したとき、水溶性アニオン界面活性剤である。
- Kathon CG/ICPはローム・アンド・ハース (Rohm & Haas) 製であり、そしてBronopol (BIOBAN BP-PLUS) はダウ (DOW) 製である。
- NipacideTM BIT 20はクラリアント・コーポレーション (Clariant Corporation) 製である。
【0086】
酵素:
LipexTM 100L: ノボザイムスA/S (Novozymes A/S) から入手可能であるサーモミセス・ラヌギノスス (Thermomyces lanuginosus) 株に由来するリパーゼ。
【実施例】
【0087】
実施例1カーペットのよごれ除去剤の調製
下記の界面活性剤系を調製した。各配合物において、活性オクチルスルホン酸ナトリウムをBIO-TERGE(商標)PAS-8S (Stepan Company) として導入し、これは37.8%の活性オクチルスルホン酸ナトリウムを含有する溶液である。オクチルスルホン酸ナトリウムを使用する下記の実施例において、オクチルスルホン酸ナトリウムが使用され、オクチルスルホン酸ナトリウムの量を百分率活性として記載する。
【0088】
A. 約6:1の比のアニオン界面活性剤および非イオン界面活性剤 (配合物A)。
この配合物はカーペットのよごれ除去剤において活性クリーニング基剤として使用すべき出発配合物である。
【表2】

【0089】
配合物Aは透明無色であり、視的沈殿または液相分離は存在しなかった。
また、配合物Aは5℃〜45℃の温度において安定であった。
【0090】
B. 50/50 Tomadol 91-6/Tomadol 91-2.5、1.50%の全体の界面活性剤 (配合物B)
【表3】

【0091】
配合物Bは透明無色であり、視的沈殿または液相分離は存在しなかった。また、配合物Bは5℃〜45℃の温度において安定であった。
配合物Bのカーペット上のモーター油の汚れを除去する能力を研究した。
配合物Bは配合物Aよりも使用したモーター油の汚れの可溶化および除去においてすぐれることが発見された。しかしながら、油の汚れは 「なすりつけられ」 ならびに除去されるように見えた。
Tomadol 91-2.5に関するTomadol 91-6の量は下記の配合物Cにおいて増加される。
【0092】
C. 30/70 Tomadol 91-6/Tomadol 91-2.5、1.51%の全体の界面活性剤 (配合物C)
【表4】

【0093】
配合物Cは透明無色であり、視的沈殿または液相分離は存在しなかった。
配合物Cは、モーター油をなすりつけないで、カーペットから使用したモーター油の汚れを除去できることが見出された。
20/80の比でTomadol 91-6/ Tomadol 91-2.5を有する配合物C1を調製したとき、それは曇っており、透明ではなかった。結局、配合物Cは最適な配合物に近いように思われる (分離30/70-20/80)。
配合物Cは5℃〜45℃の温度において安定であった。
【0094】
D. イソプロピルアルコールを含まない、2.30%の全体の界面活性剤 (配合物D)
【表5】

【0095】
配合物Dは透明無色であり、視的沈殿または液相分離は存在しなかった。
また、配合物Dは5℃〜45℃の温度において安定であった。
【0096】
D1. 0/100 Tomadol 91-6/Tomadol 91-2.5、2.31%の全体の界面活性剤 (配合物D1)
【表6】

【0097】
配合物D1は透明無色であり、視的沈殿または液相分離は存在しなかった。しかしながら、クエン酸および苛性ソーダの最終の添加前に、それはわずかに曇っていた。配合物D1は界面活性剤系の最小の溶解度を達成したように思われる。
配合物D1は5℃〜45℃の温度において安定であった。
【0098】
E. 20/80 Tomadol 91-6/Tomadol 91-2.5、1.60%の全体の界面活性剤 (配合物E)
【表7】

【0099】
配合物Eは曇っていた。沈殿または相分離が究極的に起こるかどうかは確実ではなかった。
【0100】
F. 20/80 Tomadol 91-6/Tomadol 91-2.5、1.80%の全体の界面活性剤 (配合物F)
【表8】

【0101】
配合物Fは曇っているが、配合物Eよりも曇りが低かった。沈殿または相分離が究極的に起こるかどうかは確実ではなかった。
【0102】
G. 20/80 Tomadol 91-6/Tomadol 91-2.5、1.90%の全体の界面活性剤 (配合物G)
【表9】

【0103】
配合物Gは曇っているが、配合物Fよりも曇りが低かった。沈殿または相分離が究極的に起こるかどうかは確実ではなかった。
【0104】
H. 20/80 Tomadol 91-6/Tomadol 91-2.5、2.00%の全体の界面活性剤 (配合物H)
【表10】

【0105】
配合物Hは透明無色であり、視的沈殿または液相分離は存在しなかった。しかしながら、クエン酸および苛性ソーダの最終の添加前に、それは非常にわずかに曇っていた。したがって、配合物Hは界面活性剤系の最小の溶解度を達成したように思われる。さらに、また、この配合物は5℃〜45℃において安定である。
【0106】
配合物C、D1およびHは、溶解度が曇り点に無関係であることを示す。これらの配合物は室温において最小の溶解度を有し、少なくとも5℃〜45℃において相安定性である。この実施例において、溶解度およびクリーニング効率は水不溶性Tomadol 91-2.5を可溶化する界面活性剤系に関係するように思われる。
【0107】
クリーニング性能の研究 (Technical Bulletin CRI TM 110、The Carpet and Rug Institute、ジョージア州ダルトン) は、汚れ遮断剤で未処理のカーペットをマスタード、ケチャップ、コーヒー、ブドウジュース、パーマネントインク、使用したモーター油、土壌およびチョコレートで汚すことによって実施された。汚れを少なくとも24時間固化させ、次いで汚れを種々の配合物の適用および軽度のこすりおよび吸い取りにより処理した。処理したカーペットを少なくとも12時間乾燥させた後、汚れの除去を評価した。汚れの除去を視的に評価した。
【0108】
このクリーニング研究において、配合物D1および配合物Hは、特に水不溶性汚れ、例えばパーマネントインクおよび使用したモーター油について、配合物Cにほぼ等しくかつそれよりもわずかにすぐれた性能を示した。その理由は、配合物Cが最低の全体の界面活性剤含有率を有したことにある。これにより、界面活性剤系の溶解度を減少または最小にすることによってクリーニング性能を改良することができ、そしてすぐれたクリーニング効率/性能を達成するためにイソプロピルアルコールのような有機溶媒を添加することは不必要であると結論される。
【0109】
実施例2カーペット抽出クリナー
カーペットの抽出クリーニングに使用する水性クリーニング組成物を、後述するように調製した。クリーニング組成物は、消費者が購入し、充填槽に2オンス (56.7 g) を添加し、熱水を充填して合計1ガロン (3.79リットル) にする水中で希釈する製品を例示する。
【0110】
この目的は、60〜70℃の範囲の熱水温度において使用中のクリーニング組成物用の界面活性剤系の溶解度を最小にすることである。典型的には、最高の使用中の温度は約150°F (65.6℃) であろう。非希釈の原界面活性剤系または原クリーニング組成物は、5℃〜45℃において相安定であるべきである。
【0111】
5つの原クリーニング組成物配合物を調製し、これらの組成 (重量/重量%) を下記表11に記載する。また、Tomadol 91-6/ Tomadol 91-2.5の比を、Tomadol 91-6およびTomadol 91-2.5の総含有率の百分率比として記載する。これらの配合物のすべてについて、唯一の変化はTomadol 91-6およびTomadol 91-2.5の相対量であることに注意すべきである。これらの使用中のクリーニング溶液は、6.25 gの原クリーニング配合物をびんに添加し、総質量を水道水で400 gにすることによって調製した。次いでこれらの使用中のクリーニング溶液を69℃に設定した熱水浴に入れて、界面活性剤系の溶解度を確立した。結果を下記表12に記載する。完全性のために、70℃への追加の温度を研究したことに注意すべきである。
【0112】
これらの表は69℃の温度のために最適化した使用中のクリーニング組成物を示し、ここでこの温度は抽出クリーニングにおいて使用することが期待される最高温度よりわずかに高い。例えば、抽出クリーニングの温度が60℃である場合、KNKE3-33またはKNKE3-35は使用するために適当なクリーニング組成物であろう。
クリーニング組成物配合物の必要な温度安定性に関すると、調製したすべての配合物は5℃〜45℃において安定であることが見出された。したがって、熱水の最高温度が69℃であるとき、KNKE3-32はカーペットの抽出クリーニングに適当なクリーニング組成物であろう。
【0113】
表11.原クリーニング組成物配合物。また、Tomadol 91-6/ Tomadol 91-2.5の比をTomadol 91-6およびTomadol 91-2.5の総含有率の百分率比として記載する。
【表11】

【0114】
表12.表11に記載するそれぞれの原クリーニング組成物配合物から調製した使用中のクリーニング組成物の溶解度。透明溶液を 「○」 で表示し、濁った溶液または曇りが認められる溶液を 「×」 で表示する。
【表12】

【0115】
実施例3塩を含むコンクリートクリナー (3×濃厚物) の調製
1. コンクリートクリナー3×濃厚物
界面活性剤の濃度が使用中の濃度よりも3倍高いように、コンクリートクリナー、 KNKE 59を調製した。配合物を下記表13に記載する。この配合物はpH 8.92であり、少なくとも45℃への凍結−融解に安定であることが見出された。戦略は1:2の希釈物の溶解度を最小にして、1:2の希釈物の性能を最大とすることであった。
下記表13において、ドデシルベンゼンスルホン酸は、96%の活性であるBIO-SOFT(商標)S-101 (Stepan Company) の実際の添加量として記載する。それを中和するか、あるいは水酸化ナトリウムの添加によりナトリウム塩 (アニオン型) に転化した。
【0116】
【表13】

【0117】
2. コンクリートクリナー3×濃厚物の希釈物
コンクリートクリナー3×濃厚物KNKE 59の3つの希釈物を調製し、下記表14に列挙する。また、KNKE 59の希釈に使用した水の異なる量を説明する、希釈物の2つ (希釈物Aおよび希釈物B) に、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを添加したことに注意すべきである。
【0118】
【表14】

【0119】
合計の塩含有率 (重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウム)、曇り点およびpH値を下記表15に記載する。ここで、曇り点は配合物が濁るようになる温度として定義する。曇り点以下において、配合物は透明である。
【0120】
表15.希釈物A、希釈物Bおよび希釈物Cの物理的特性。NaHCO3 (重炭酸ナトリウム) およびNa2CO3 (炭酸ナトリウム)。第1 欄に記載する実際のクリーニング配合物について、曇り点を測定した。
【表15】

【0121】
3. クリーニング性能の研究
クリーニング性能の研究を実施した。タイルの背面をサンダー仕上げして、平滑にし、使用したモーター油で被覆し、105℃の炉中で約30分間ベーキングし、温室に冷却した。2滴 (0.05 g) のコンクリートクリナー試料を汚れたタイル背面の1つの半分上に配置し、そして2滴の参照基準KNKE 27 (0.05 g) を他方の半分上に配置した。これらの滴を10分間放置し、次いでそれらを湿った歯ブラシで10秒間こすった。タイルの背面を少なくとも30分間乾燥させ、反射分光光度計 (Color-Eye 7000A、Gretagmacbeth) で色強度を読んだ。クリーニング性能Axを△Eに基づいてLab色目盛り (これは実験室(lab) の目盛りではないが、L、aおよびbは異なるパラメーターであることに注意すべきである) で計算した。1.0のAx値は汚れの完全な除去を表すが、0.0の値は汚れが除去されないことを表す。
Ax = [△E汚れた - △Eきれい]/[△E汚れた]
【0122】
ここで、△E汚れたはクリーニングされなかったタイル背面の部分についての△Eの値であり、そして△Eきれいはコンクリートクリナーを使用してクリーニングされた△Eの値である。各△Eの計算のための参照値は油で汚されなかったタイル背面であり、きれいなタイル背面を表す。
【0123】
Ax値を種々のコンクリートクリナー試料について計算し、ここでxは希釈物A、希釈物B、希釈物CまたはKNKE 27を表す。Axのすべての値はKNKE 27に対して正規化した。KNKE 27は1.0の値に割り当てる。したがって、1.0より小さいAxの値はクリーニング効率がKNKE 27より低いことを意味し、1.0より大きいAxの値はクリーニング効率がKNKE 27より大きいことを意味し、そして1.0に等しいAxの値はクリーニング効率がKNKE 27に等しいことを意味する。また、標準偏差を再計算して、正規化したAx値に対応させた。クリーニング性能の研究の結果を下記表16に記載する。
【0124】
参照標準を使用したことについて、2つの理由が存在したことに注意すべきである。第1 は、タイル毎に汚染手順における差、例えば使用したモーター油の適用した被膜の暗さおよび厚さを説明すべきであることであった。換言すると、参照標準は、汚染手順が被膜の一定の暗さまたは厚さを提供しない実験において、定数を提供する。第2 は、性能に関して標準を提供することであった。参照標準KNKE 27は非希釈形態のコンクリートクリナーであり、そして許容されるクリーニング性能を与えることがわかった。
KNKE 27の組成を下記表16に記載する。
【0125】
表16.性能の結果。2つの異なるタイル背面の二重反復実験または測定を実施し、そして結果をKNKE 27 (1.0の値を割りあてる) の平均に対して正規化した。
【表16】

【0126】
表16に示す結果は、クリーニング性能に対して塩含有率の有意な効果が存在することを証明する。表15に記載するpH値に対して比較すると、クリーニング性能はpHに対して無関係であり、したがって塩および界面活性剤の溶解度に関係するに違いないことが示される。ここにおけるクリーニング性能と界面活性剤系の曇り点において期待されるクリーニング性能との間で、重要な区別がなされるに違いない。クリーニング性能は、界面活性剤系の曇り点において大きく増加することはよく知られている。しかしながら、界面活性剤系の曇り点よりもかなり低い22℃において、クリーニング性能の測定を実施した (表15)。
【0127】
結局、塩含有率を増加させながら観測されたクリーニング増強は、曇り点の現象のためではない。また、それは界面における界面活性剤の飽和吸着の増加に基づくことは期待されない (これはより低い界面張力をつくり、クリーニング性能を増加させるであろう)。なぜなら、この飽和吸着は中性電解質を添加したときほんのわずかに増加することが示されたからである。要約すると、合計の界面活性剤系含有率の10%がアニオンである界面活性剤系に塩を添加することによってクリーニング性能は増加し、そしてクリーニング性能の研究の温度は界面活性剤系の曇り点よりもかなり低いことは驚くべきことである。
【0128】
上記結果に実際的意味を与えるために、視的評価が必要であった。視的に、希釈物Cは許容されるクリーニング性能を与えなかったが、希釈物Aおよび希釈物Bのクリーニング性能は許容可能であった。
下記表17において、ドデシルベンゼンスルホン酸はBIO-SOFT(商標)S-101 (Stepan Company) (これは96%の活性である) の実際の添加量として記載する。それを中和するか、あるいは水酸化ナトリウムの添加により、ナトリウム塩に転化した。
【0129】
【表17】

【0130】
実施例4床クリナー
この実施例において、2種類の水溶性非イオン界面活性剤および1種類の水不溶性非イオン界面活性剤を含有する床クリナーのクリーニング性能は、ちょうど1種類の水溶性非イオン界面活性剤および1種類の水不溶性非イオン界面活性剤を含有するそうでなければ同一である床クリナーに比較して、改良されることを示す。本発明において概説した方法に従い水溶性を最小にすることによって、両方の床クリナーの最終界面活性剤組成を決定した。
【0131】
床クリナー1
この明細書に開示されているように水溶性を最小とすることに従い、1種類の水溶性アニオン界面活性剤、2種類の水溶性非イオン界面活性剤および1種類の水不溶性非イオン界面活性剤を含有する床クリナーを調製した。最終組成を表18に記載する。
【0132】
【表18】

【0133】
Tomadol 91-6およびTomadol 91-8は水溶性非イオン界面活性剤である。
Tomadol 91-2.5は水不溶性非イオン界面活性剤である。
Steol CS-330は約30%の硫酸アルキルエーテル (平均3モルにエトキシル化された)、水溶性アニオン界面活性剤を含有する溶液である。
最終pHは9.02であった。
【0134】
床クリナー2
この明細書に開示されているように水溶性を最小とすることによって、1種類の水溶性アニオン界面活性剤、1種類の水溶性非イオン界面活性剤および1種類の水不溶性非イオン界面活性剤を含有する床クリナーを調製した。最終組成を表19に記載する。
【0135】
【表19】

最終pHは9.05であった。
【0136】
クリーニングの結果:
下記の実験を実施して、油および汚物を除去する上記床クリナーの能力を評価した。
0.5%のカーボンブラックおよび99.5%のトウモロコシ油を含有する混合物の5滴 (0.15 g) を磁器タイル上に配置した。典型的には細菌のプレーティングに使用するホッケー用のスティックの2本で、生ずる液体のたまりを正方形に広げた。次いで、1滴の0.5 gのクリーニング溶液を正方形の中央に配置し、そして外部の影響なしにその滴を2分間広げさせた。この試験は表面から油および汚物を自発的に変位させるクリナーの能力を証明し、そして機械的作用による影響を排除する。結果を図1に示す。また、リパーゼの存在は試験の時間期間の間においてクリーニングに効果を与えず、この期間はリパーゼ活性を示すためには短すぎる。
【0137】
これらの結果により、床クリナー1は床クリナー2に比較して表面から油および汚物を自発的に変位させる増強した能力を有することが示される。これが示すように、最小の溶解度を有するように調製された配合物は必ずしも同一のクリーニング性能をもたない。床クリナー1はより多い水不溶性界面活性剤Tomadol-2.5を含有するので、より低い表面張力のために表面から油および汚物を自発的に変位させる増強された能力をもつようである。事実、パラフィン上で視的に観察するとき、配合物1の20μlの滴は配合物2の20μlの滴よりも平坦である。より低い表面張力は液体が表面上をいっそう急速にかつ完全に広がるようさせ、油および汚物を変位させる。床クリナー1は、Tomadol 91-6よりも高い水溶性を有するTomadol 91-8の存在のために、より多くのTomadol 91-2.5を含有する。
【0138】
実施例5本発明の組成物
組成物1: これは製品の特別の組成を有する一般的床クリナーである。実際の使用のために、この製品は水で2〜4オンス/ガロンに希釈すべきである。
【0139】
【表20】

【0140】
Steol CS-330はほぼ30%のアニオン界面活性剤、すなわち、平均3モルにエトキシル化されたアルコールエーテル硫酸塩 (Stepan) を含有する溶液である。Tomadol 91-8およびTomadol 91-6は水溶性非イオン界面活性剤 (Tomah) であり、そしてTomadol 91-2.5は水不溶性非イオン界面活性剤である。
【0141】
組成物2: これはグリースおよび脂肪の除去が増強された、台所の床のために設計された、酵素、ことにリパーゼを含む床クリナーである。これは製品の特別の組成物である。実際の使用のために、この製品を水、好ましくは熱水で2オンス/ガロンに希釈すべきである。
【0142】
【表21】

組成物3: これは上記組成物1に関してある範囲の成分を与える一般的組成物である。
【0143】
【表22】

【0144】
組成物4: これは上記組成物3の一般的組成物である。アニオン界面活性剤は今回活性界面活性剤を用いて記載し (Steol CS-330はほぼ30%の活性であった)、そしてSteol CS-330のように特別の製品を用いて記載しないことに注意すべきである。水溶性アニオン界面活性剤はこの明細書に前に列挙した任意のものであることができる。
【0145】
【表23】

【0146】
組成物5: これは上記組成物2に関してある範囲の成分を与える一般的組成物である。
【表24】

【0147】
組成物6: これは上記組成物5の一般的組成物である。今回リパーゼは、合計の酵素溶液 (例えばLipase 100LまたはLipolase 100L) の重量%と反対に、活性物質の重量%を用いて記載されることに注意すべきである。これはリパーゼ源が溶液であることに限定しない。なぜなら、リパーゼは乾燥粉末として添加することができるからである。リパーゼ以外の異なる種類の酵素を添加することができ、例えばプロテアーゼまたはα-アミラーゼ酵素を別々にまたはリパーゼ酵素を含むか、あるいは含まない組合わせで添加することができる。
【0148】
【表25】

【0149】
要約の節
特許請求の範囲および添付する説明において、本発明を規定する。番号を付した節により、本発明の他の面をここに提示する。
1. 1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系。
2. アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、例えば6:1〜1:1である、節1の界面活性剤系。
3. 界面活性剤系が水溶性アニオン界面活性剤および/または水不溶性アニオン界面活性剤を含有する、節1または2の界面活性剤系。
4. 界面活性剤系が水不溶性非イオン界面活性剤および/または水溶性非イオン界面活性剤を含有する、節1または2の界面活性剤系。
5. アニオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、より好ましくは4:1〜1:1である、節1〜4のいずれかの界面活性剤系。
【0150】
6. 水溶性非イオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは1:10〜1:1、より好ましくは1:6〜1:1である、節1〜5のいずれかの界面活性剤系。
7. アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の総量との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは6:1〜1:1である、節1〜6のいずれかの界面活性剤系。
8. 2種またはそれ以上の非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを含んでなる、節1〜7のいずれかの界面活性剤系。
9. 非イオン界面活性剤の1種が水不溶性界面活性剤である、節1〜8のいずれかの界面活性剤系。
10. 2種またはそれ以上の水溶性非イオン界面活性剤と1種の水不溶性非イオン界面活性剤とを含んでなる、節1〜9のいずれかの界面活性剤系。
【0151】
11. 1種の水溶性アニオン界面活性剤、1種の水溶性非イオン界面活性剤および1種の水不溶性非イオン界面活性剤を含んでなる、節1〜10のいずれかの界面活性剤系。
12. 1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1または2以上の塩とを含んでなり、ここで1種または2種以上の塩が0.5〜10重量%の量で存在する、水性界面活性剤系。
13. アニオン界面活性剤が水溶性アニオン界面活性剤および/または水不溶性アニオン界面活性剤である、節12の界面活性剤系。
14. 1種または2種以上の非イオン界面活性剤をさらに含んでなる、節11または12の界面活性剤系。
15. 界面活性剤系が水溶性非イオン界面活性剤および/または水不溶性非イオン界面活性剤、好ましくは水溶性界面活性剤を含んでなる、節11〜14のいずれかの界面活性剤系。
【0152】
16. 水溶性アニオン界面活性剤および水溶性非イオン界面活性剤を1:20〜2:1、好ましくは1:12〜1:1、ことに1:10〜1:5の比で含んでなる、節11〜15のいずれかの界面活性剤系。
17. アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との間の比が1:20〜2:1、好ましくは1:12〜1:1、ことに1:10〜1:5である、節8〜12のいずれかの界面活性剤系。
18. 塩がアルカリ金属の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アンモニウムの硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩 (また重炭酸塩と呼ばれる)、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アルカリ土類金属の硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫化物および水素炭酸塩; マンガン、鉄、銅および亜鉛の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物および硫酸塩; クエン酸塩およびホウ酸塩、またはそれらの混合物から成る群から選択される、節11〜17のいずれかの界面活性剤系。
【0153】
19. 塩が好ましくは1:10〜10:1の比の炭酸塩、特に炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、節11〜18のいずれかの界面活性剤系。
20. 塩の総量が0.8〜8重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは約2重量%である、節11〜19のいずれかの界面活性剤系。
21. 界面活性剤系中の塩濃度が下記の範囲内である、節11〜20のいずれかの界面活性剤系:
(a) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点よりも25%、好ましくは10%低く、かつ
(b) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点よりも25%、好ましくは10%高いか、あるいは
(c) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点。
【0154】
22. 界面活性剤系が、pH 7またはpH 9において決定して、5〜45℃、好ましくは40〜45℃の範囲の温度において可視の界面活性剤の沈殿および/または相分離を含まない、節1〜21のいずれかの界面活性剤系。
23. 界面活性剤系が、pH 7またはpH 9において決定して、60℃〜70℃の範囲の温度、好ましくは60℃、好ましくは65℃、より好ましくは67℃、さらにより好ましくは68℃、さらにより好ましくは69℃、ことに70℃の温度において可視の界面活性剤の沈殿および/または相分離を含まない、節1〜22のいずれかの界面活性剤系。
【0155】
24. 合計0.01〜50重量%の界面活性剤、または0.1〜20重量%の界面活性剤、または1〜5重量%の界面活性剤、または約2重量%の界面活性剤を含んでなる、節1〜23のいずれかの界面活性剤系。
【0156】
25. 水溶性アニオン界面活性剤が硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルアミドエーテル、硫酸アルキルアリールポリエーテル、硫酸アルキルアリール、スルホン酸アルキルアリール、硫酸モノグリセリド、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアミド、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸ベンゼン、スルホン酸トルエン、スルホン酸キシレン、スルホン酸クメン、スルホン酸アルキルベンゼン、スルホン酸アルキルジフェニルオキシド、スルホン酸α-オレフィン、スルホン酸アルキルナフタレン、スルホン酸パラフィン、スルホン酸リグニン、スルホコハク酸アルキル、エトキシル化スルホスクシナメート、スルホコハク酸アルキルエーテル、スルホコハク酸アルキルアミド、アルキルスルホスクシナメート、スルホ酢酸アルキル、リン酸アルキル、リン酸エステル、リン酸アルキルエーテル、アシルサルコシネート、アシルイセチオネート、N-アシルタウレート、N-アシル-N-アルキルタウレートおよびカルボン酸アルキルから成る群から選択される1種または2種以上のアニオン界面活性剤である、節1〜24のいずれかの界面活性剤系。
【0157】
26. 硫酸アルキルがナトリウム、カリウム、アンモニウム、エタノールアミンまたはマグネシウムの塩である、節25の界面活性剤系。
27. 硫酸アルキルが6単位〜20単位の炭素鎖長を有する、節25または26の界面活性剤系。
28. 硫酸アルキルがドデシル硫酸ナトリウム (ラウリル硫酸ナトリウム) である、節25〜27のいずれかの界面活性剤系。
29. 脂肪族アルコールの硫酸化エトキシレートがナトリウム、カリウム、アンモニウム、エタノールアミンまたはマグネシウムの塩である、節25の界面活性剤系。
30. 脂肪族アルコールの硫酸化エトキシレートが1〜6個のオキシエチレン基を有する、節29の界面活性剤系。
【0158】
31. 脂肪族アルコールの硫酸化エトキシレートが6単位〜20単位の炭素鎖長を有する、節29または30の界面活性剤系。
32. 脂肪族アルコールの硫酸化エトキシレートがラウレト硫酸ナトリウム (ラウリルエーテル硫酸ナトリウム) である、節29〜31のいずれかの界面活性剤系。
33. スルホン酸アルキルがナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩である、節25の界面活性剤系。
34. スルホン酸アルキルが直鎖状または分枝鎖状スルホン酸アルキルである、節33の界面活性剤系。
35. スルホン酸アルキルが6単位〜20単位の炭素鎖長を有する、節33または34の界面活性剤系。
【0159】
36. スルホン酸アルキルがオクチルスルホン酸ナトリウムである、節33〜35のいずれかの界面活性剤系。
37. スルホン酸アルキルベンゼンがナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩である、節25の界面活性剤系。
38. スルホン酸アルキルベンゼンが直鎖状または分枝鎖状である、節37の界面活性剤系。
39. スルホン酸アルキルベンゼンが6単位〜20単位の炭素鎖長 (ベンゼン環に結合している) を有する、節37または38の界面活性剤系。
40. スルホン酸アルキルベンゼンがドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、節37〜39のいずれかの界面活性剤系。
【0160】
41. スルホン酸α-オレフィンがナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩である、節25の界面活性剤系。
42. スルホン酸α-オレフィンが6単位〜20単位の炭素鎖長 (ベンゼン環に結合している) を有する、節41の界面活性剤系。
43. スルホスクシネートがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩である、節25の界面活性剤系。
44. スルホスクシネートが4単位〜16単位の炭素鎖長を有する、節43の界面活性剤系。
45. スルホスクシネートがオクチルスルホコハク酸二ナトリウムである、節43または44の界面活性剤系。
【0161】
46. スルホン酸アルキルジフェニルオキシドがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩である、節25の界面活性剤系。
47. スルホン酸アルキルジフェニルオキシドが6単位〜22単位の炭素鎖長を有する、節46の界面活性剤系。
48. スルホン酸アルキルナフタレンがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩である、節25の界面活性剤系。
49. スルホン酸アルキルナフタレンが0単位〜10単位の炭素鎖長を有する、節48の界面活性剤系。
50. スルホン酸アルキルナフタレンがブチルナフタレンスルホン酸、ナトリウム塩である、節48または49の界面活性剤系。
【0162】
51. エトキシル化スルホスクシネートがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩である、節25の界面活性剤系。
52. エトキシル化スルホスクシネートが6単位〜20単位の炭素鎖長を有する、節51の界面活性剤系。
53. エトキシル化スルホスクシネートが1〜6個のオキシエチレン基を有する、節51または52の界面活性剤系。
54. エトキシル化スルホスクシネートが3モルのエトキシル化ラウリルスルホコハク酸ナトリウムである、節51〜53のいずれかの界面活性剤系。
55. リン酸エステルがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩である、節25の界面活性剤系。
【0163】
56. リン酸エステルが6単位〜22単位の炭素鎖長を有する、節55の界面活性剤系。
57. カルボン酸アルキルがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩である、節25の界面活性剤系。
58. カルボン酸アルキルが6単位〜22単位の炭素鎖長を有する、節57の界面活性剤系。
59. カルボン酸アルキルがステアリン酸ナトリウムである、節57または58の界面活性剤系。
60. N-アシル-n-アルキルラウレートがナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたはマグネシウムの塩である、節25の界面活性剤系。
【0164】
61. N-アシル-n-アルキルラウレートが6単位〜22単位の炭素鎖長を有する、節60の界面活性剤系。
62. N-アルキルサルコシドがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩である、節25の界面活性剤系。
63. N-アルキルサルコシドが6単位〜22単位の炭素鎖長を有する、節62の界面活性剤系。
64. N-アルキルサルコシドがナトリウムラウロイルサルコシドである、節62または63の界面活性剤系。
65. スルホン酸ベンゼン、スルホン酸トルエン、スルホン酸キシレンまたはスルホン酸クメンがナトリウム塩である、節25の界面活性剤系。
【0165】
66. スルホン酸リグニンが1,000〜20,000の分子量を有する、節25の界面活性剤系。
67. 水不溶性非イオン界面活性剤がグリコールエーテルである、節1〜66のいずれかの界面活性剤系。
68. 水不溶性非イオン界面活性剤がアルコールエトキシレートである、節1〜67のいずれかの界面活性剤系。
69. 水不溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜C16の鎖長を有しそしてnは0〜5の範囲である、節68の界面活性剤系。
70. 水不溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜11の鎖長を有しそしてnは2.7である、節68または69の界面活性剤系。
【0166】
71. 水不溶性非イオン界面活性剤がTomadolTM 91-2.5またはBio-SoftTM N91-2.5である、節68〜70のいずれかの界面活性剤系。
72. 水溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜C16の鎖長を有しそしてnは6〜13の範囲である、節68〜71のいずれかの界面活性剤系。
73. 水溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC10の鎖長を有しそしてnは6である、節68〜72のいずれかの界面活性剤系。
74. 水溶性非イオン界面活性剤がNeodolTM 91-6、Tomadol 91-6またはBio-Soft N23-6.5である、節68〜73のいずれかの界面活性剤系。
【0167】
75. pHが6〜11、好ましくは8〜10の範囲、ことに約9である、節1〜74のいずれかの界面活性剤系。
76. 緩衝化系をさらに含んでなる、節1〜75のいずれかの界面活性剤系。
77. 界面活性剤系が溶媒を含まず、好ましくは有機溶媒、ことにイソプロピルアルコールを含まない、節1〜76のいずれかの界面活性剤系。
【0168】
78. 下記の工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法:
a) 固定濃度の界面活性剤を有する水溶液を調製し、そして
b) 塩濃度が下記の範囲になるまで塩を添加する:
i) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%低く、かつ
ii) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%高いか、あるいは
iii) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点。
79. アニオン界面活性剤が水溶性アニオン界面活性剤および/または水不溶性アニオン界面活性剤である、節78の方法。
【0169】
80. 非イオン界面活性剤が水溶性または水不溶性である、節78または79の方法。
81. 界面活性剤の沈殿および/または相分離が存在しない点を5〜45℃の範囲の温度およびpH 7またはpH 9、例えば40〜45℃およびpH 7またはpH 9において決定する、節78〜80のいずれかの方法。
82. 界面活性剤の沈殿および/または相分離が存在しない点を60〜70℃の範囲の温度およびpH 9、好ましくは60℃、より好ましくは65℃、さらにより好ましくは67℃、さらにより好ましくは68℃、さらにより好ましくは69℃、ことに70℃およびpH 7またはpH 9において決定する、節78〜81のいずれかの方法。
【0170】
83. 塩濃度が下記の範囲である、節78〜82のいずれかの方法:
a) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%低く、かつ
b) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%高いか、あるいは
c) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点。
84. 界面活性剤系の合計の濃度が0.5〜50重量%または1〜20重量%または1〜5重量%または約2重量%である、節78〜83のいずれかの方法。
【0171】
85. 塩がアルカリ金属の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アンモニウムの硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩 (また重炭酸塩と呼ばれる)、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アルカリ土類金属の硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫化物および水素炭酸塩; マンガン、鉄、銅および亜鉛の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物および硫酸塩; クエン酸塩およびホウ酸塩、またはそれらの混合物から成る群から選択される、節78〜84のいずれかの方法。
【0172】
86. 塩が好ましくは1:10〜10:1の比の炭酸塩、特に炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである、節78〜85のいずれかの方法。
87. 非イオン界面活性剤が水溶性非イオン界面活性剤、好ましくはアルコールエトキシレートである、節78〜86のいずれかの方法。
88. 水溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜C16の鎖長を有しそしてnは6〜13の範囲である、節87の方法。
【0173】
89. 水溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC10の鎖長を有しそしてnは6である、節87の方法。
90. 水溶性非イオン界面活性剤がNeodolTM 91-6、Tomadol 91-6またはBio-Soft N23-6.5である、節87の方法。
91. 水不溶性非イオン界面活性剤がグリコールエーテルである、節78〜90のいずれかの方法。
92. 非イオン界面活性剤が水不溶性非イオン界面活性剤、好ましくはアルコールエトキシレートである、節78〜90のいずれかの方法。
93. 水不溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜C16の鎖長を有しそしてnは0〜5の範囲である、節92の方法。
【0174】
94. 水不溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜11の鎖長を有しそしてnは2.7である、節92の方法。
95. 水不溶性非イオン界面活性剤がTomadolTM 91-2.5またはBio-SoftTM N91-2.5である、節92の方法。
96. アニオン界面活性剤が水溶性または水不溶性界面活性剤である、節78〜95のいずれかの方法。
【0175】
97. 水溶性アニオン界面活性剤が硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルアミドエーテル、硫酸アルキルアリールポリエーテル、硫酸アルキルアリール、スルホン酸アルキルアリール、硫酸モノグリセリド、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアミド、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸ベンゼン、スルホン酸トルエン、スルホン酸キシレン、スルホン酸クメン、スルホン酸アルキルベンゼン、スルホン酸アルキルジフェニルオキシド、スルホン酸α-オレフィン、スルホン酸アルキルナフタレン、スルホン酸パラフィン、スルホン酸リグニン、スルホコハク酸アルキル、エトキシル化スルホスクシナメート、スルホコハク酸アルキルエーテル、スルホコハク酸アルキルアミド、アルキルスルホスクシナメート、スルホ酢酸アルキル、リン酸アルキル、リン酸エステル、リン酸アルキルエーテル、アシルサルコシネート、アシルイセチオネート、N-アシルタウレート、N-アシル-n-アルキルタウレートおよびカルボン酸アルキルから成る群から選択される1種または2種以上のアニオン界面活性剤である、節96の方法。
【0176】
98. 節1〜77のいずれかの界面活性剤系または節78〜97のいずれかに従い調製された界面活性剤系を含んでなる水性クリーニング組成物。
99. 細菌胞子または酵素をさらに含んでなる、節98のクリーニング組成物。
100. 細菌胞子がバシラス (Bacillus) 属である、節99のクリーニング組成物。
101. 酵素がアミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼおよびプロテアーゼまたはそれらの混合物から成る群から選択される、節98〜100のいずれかのクリーニング組成物。
102. クリーニング組成物が溶媒を含まず、好ましくは有機溶媒、ことにイソプロピルアルコールを含まない、節98〜101のいずれかのクリーニング組成物。
【0177】
103. 硬質表面または柔質表面をクリーニングするための節1〜77のいずれかの水性界面活性剤系または節98〜102のいずれかの水性クリーニング組成物の使用。
104. 柔質表面がカーペットである、節103の使用。
105. 硬質表面が床またはコンクリートである、節103の使用。
106. 表面が油/グリースで汚染された表面である、節103〜105のいずれかの使用。
【0178】
107. 下記の工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法:
a) 固定濃度の1種または2種以上の水溶性アニオン界面活性剤および/または1種または2種以上の水溶性非イオン界面活性剤を有する水溶液を調製し、そして
b) 水不溶性界面活性剤の濃度が下記の範囲になるまで1種または2種以上の水不溶性界面活性剤を添加する:
i) 水不溶性界面活性剤からの沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%低く、かつ
ii) 水不溶性界面活性剤からの沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%高いか、あるいは
iii) 水不溶性界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点。
【0179】
108. 水不溶性界面活性剤が非イオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤である、節107の方法。
109. 界面活性剤の沈殿および/または相分離が存在しない点を5℃〜45℃の範囲の温度およびpH 7またはpH 9、例えば40〜45℃およびpH 7またはpH 9において決定する、節107または108の方法。
110. 界面活性剤の沈殿および/または相分離が存在しない点を60℃〜70℃の範囲の温度およびpH 9、好ましくは65℃、より好ましくは67℃、より好ましくは68℃、さらにより好ましくは69℃、ことに70℃およびpH 9において決定する、節107〜109のいずれかの方法。
【0180】
111. 界面活性剤系の合計の濃度が0.5〜50重量%または1〜20重量%または1〜5重量%または約2重量%である、節107〜110のいずれかの方法。
112. 水不溶性界面活性剤の濃度が下記の範囲である、節107〜111のいずれかの方法:
a) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%低く、かつ
b) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも20%、好ましくは10%、ことに5%高いか、あるいは
c) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点。
113. 水不溶性非イオン界面活性剤がアルコールエトキシレートである、節107〜112のいずれかの方法。
【0181】
114. 水不溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜C16の鎖長を有しそしてnは0〜5の範囲である、節113の方法。
115. 水不溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜11の鎖長を有しそしてnは2.7である、節113の方法。
116. 水不溶性非イオン界面活性剤がTomadolTM 91-2.5またはBio-SoftTM N91-2.5である、節115の方法。
117. アニオン界面活性剤が水溶性である、節107の方法。
【0182】
118. 水溶性アニオン界面活性剤が硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルアミドエーテル、硫酸アルキルアリールポリエーテル、硫酸アルキルアリール、スルホン酸アルキルアリール、硫酸モノグリセリド、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアミド、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸ベンゼン、スルホン酸トルエン、スルホン酸キシレン、スルホン酸クメン、スルホン酸アルキルベンゼン、スルホン酸アルキルジフェニルオキシド、スルホン酸α-オレフィン、スルホン酸アルキルナフタレン、スルホン酸パラフィン、スルホン酸リグニン、スルホコハク酸アルキル、エトキシル化スルホスクシナメート、スルホコハク酸アルキルエーテル、スルホコハク酸アルキルアミド、アルキルスルホスクシナメート、スルホ酢酸アルキル、リン酸アルキル、リン酸エステル、リン酸アルキルエーテル、アシルサルコシネート、アシルイセチオネート、N-アシルタウレート、N-アシル-N-アルキルタウレートおよびカルボン酸アルキルから成る群から選択される1種または2種以上のアニオン界面活性剤である、節117の方法。
【0183】
119. アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、さらにより好ましくは6:1〜1:1である、節107〜118のいずれかの方法。
120. アニオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、より好ましくは4:1〜1:1である、節107〜119のいずれかの方法。
121. 水溶性非イオン界面活性剤と不溶性非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは1:10〜1:1、より好ましくは1:6〜1:1である、節107〜120のいずれかの方法。
122. アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の総量との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは6:1〜1:1である、節107〜121のいずれかの方法。
【0184】
123. 下記により界面活性剤系またはクリーニング系の水溶性を減少させる工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる界面活性剤系またはクリーニング組成物のクリーニング効率を増加させる方法:
a) 1種または2種以上の塩を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入し、および/または
b) 1種または2種以上の水不溶性界面活性剤を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入する。
【0185】
124. 水不溶性アニオン界面活性剤がアニオン界面活性剤または水不溶性アニオン界面活性剤である、節123の方法。
125. 塩が炭酸塩、好ましくは炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムまたはそれらの混合物である、節123または124の方法。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】第1図は、床のクリナー1が硬質表面から油および汚物を自発的に変位させることができることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系。
【請求項2】
アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、例えば6:1〜1:1である、請求項1記載の界面活性剤系。
【請求項3】
界面活性剤系が水溶性アニオン界面活性剤および/または水不溶性アニオン界面活性剤を含有する、請求項1または2記載の界面活性剤系。
【請求項4】
界面活性剤系が水不溶性非イオン界面活性剤および/または水溶性非イオン界面活性剤を含有する、請求項1または2記載の界面活性剤系。
【請求項5】
アニオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、より好ましくは4:1〜1:1である、請求項1〜4のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項6】
水溶性非イオン界面活性剤と水不溶性非イオン界面活性剤との間の比が10:1〜1:10、好ましくは1:10〜1:1、より好ましくは1:6〜1:1である、請求項1〜5のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項7】
アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の総量との間の比が10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは6:1〜1:1である、請求項1〜6のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項8】
2種またはそれ以上の非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項9】
2種またはそれ以上の水溶性非イオン界面活性剤と1種の水不溶性非イオン界面活性剤とを含んでなる、請求項1〜8のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項10】
1種の水溶性アニオン界面活性剤、1種の水溶性非イオン界面活性剤および1種の水不溶性非イオン界面活性剤を含んでなる、請求項1〜9のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項11】
アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との間の比が1:20〜2:1、好ましくは1:12〜1:1、ことに1:10〜1:5である、請求項1〜10のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項12】
1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の塩とを含んでなり、ここで1種または2種以上の塩が0.5〜10重量%の量で存在する水性界面活性剤系。
【請求項13】
塩がアルカリ金属の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アンモニウムの硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩 (また重炭酸塩と呼ばれる)、リン酸塩、硫化物および亜硫酸塩; アルカリ土類金属の硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫化物および水素炭酸塩; マンガン、鉄、銅および亜鉛の硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物および硫酸塩; クエン酸塩およびホウ酸塩、またはそれらの混合物から成る群から選択される、請求項12記載の界面活性剤系。
【請求項14】
塩の総量が0.8〜8重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは約2重量%である、請求項12または13記載の界面活性剤系。
【請求項15】
界面活性剤系中の塩濃度が下記の通りである、請求項12〜14のいずれか1項記載の界面活性剤系:
(a) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点よりも25%、好ましくは10%低く、かつ
(b) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点よりも25%、好ましくは10%高いか、あるいは
(c) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない塩濃度点。
【請求項16】
界面活性剤系が、pH 7またはpH 9において決定して、5〜45℃、好ましくは40〜45℃の範囲の温度において可視の界面活性剤の沈殿および/または相分離を含まない、請求項1〜15のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項17】
界面活性剤系が、pH 7またはpH 9において決定して、60℃〜70℃の範囲の温度、好ましくは60℃、好ましくは65℃、より好ましくは67℃、さらにより好ましくは68℃、さらにより好ましくは69℃、ことに70℃の温度において可視の界面活性剤の沈殿および/または相分離を含まない、請求項1〜16のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項18】
合計0.01〜50重量%の界面活性剤、または0.1〜20重量%の界面活性剤、または1〜5重量%の界面活性剤、または約2重量%の界面活性剤を含んでなる、請求項1〜17のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項19】
水溶性アニオン界面活性剤が硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルアミドエーテル、硫酸アルキルアリールポリエーテル、硫酸アルキルアリール、スルホン酸アルキルアリール、硫酸モノグリセリド、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアミド、スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸ベンゼン、スルホン酸トルエン、スルホン酸キシレン、スルホン酸クメン、スルホン酸アルキルベンゼン、スルホン酸アルキルジフェニルオキシド、スルホン酸α-オレフィン、スルホン酸アルキルナフタレン、スルホン酸パラフィン、スルホン酸リグニン、スルホコハク酸アルキル、エトキシル化スルホサクシネート、スルホコハク酸アルキルエーテル、スルホコハク酸アルキルアミド、アルキルスルホサクシネート、スルホ酢酸アルキル、リン酸アルキル、リン酸エステル、リン酸アルキルエーテル、アシルサルコシネート、アシルイセチオネート、N-アシルタウレート、N-アシル-N-アルキルタウレートおよびカルボン酸アルキルから成る群から選択される1種または2種以上のアニオン界面活性剤である、請求項1〜18のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項20】
水不溶性非イオン界面活性剤がグリコールエーテルである、請求項1〜19のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項21】
水不溶性非イオン界面活性剤が式RO(CH2CH2O)nHを有する線状第一級または第二級または分枝鎖状アルコールエトキシレートであり、式中RはC9〜C16の鎖長を有し、そしてnは0〜13の範囲である、請求項1〜19のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項22】
pHが6〜11、好ましくは8〜10の範囲、ことに約9である、請求項1〜21のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項23】
緩衝化系をさらに含んでなる、請求項1〜22のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項24】
界面活性剤系が溶媒を含まず、好ましくは有機溶媒、ことにイソプロピルアルコールを含まない、請求項1〜23のいずれか1項記載の界面活性剤系。
【請求項25】
下記の工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法:
a) 固定濃度の界面活性剤を有する水溶液を調製し、そして
b) 塩濃度が下記の範囲になるまで塩を添加する:
i) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%低く、かつ
ii) 界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%高いか、あるいは
iii) 水不溶性界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれか1項記載の界面活性剤系を含んでなるか、あるいは請求項25に従い調製された水性クリーニング組成物。
【請求項27】
硬質表面または柔質表面をクリーニングするための請求項1〜24のいずれか1項記載の界面活性剤系または請求項26記載の水性クリーニング組成物の使用。
【請求項28】
下記の工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる水性界面活性剤系またはクリーニング組成物を調製する方法:
a) 固定濃度の1種または2種以上の水溶性アニオン界面活性剤および/または1種または2種以上の水溶性非イオン界面活性剤を有する水溶液を調製し、そして
b) 水不溶性界面活性剤の濃度が下記の範囲になるまで1種または2種以上の水不溶性界面活性剤を添加する:
i) 水不溶性界面活性剤からの沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%低く、かつ
ii) 水不溶性界面活性剤からの沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点よりも25%高いか、あるいは
iii) 水不溶性界面活性剤の沈殿および/または相分離が水溶液中に見られない濃度点。
【請求項29】
下記により界面活性剤系またはクリーニング系の水溶性を減少させる工程を含んでなる、1種または2種以上のアニオン界面活性剤と1種または2種以上の非イオン界面活性剤とを含んでなる界面活性剤系またはクリーニング組成物のクリーニング効率を増加させる方法:
a) 1種または2種以上の塩を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入し、および/または
b) 1種または2種以上の水不溶性界面活性剤を界面活性剤系またはクリーニング組成物中に導入する。

【図1】
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【公表番号】特表2009−520874(P2009−520874A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547717(P2008−547717)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/062274
【国際公開番号】WO2007/076337
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(507121116)ノボザイムス バイオロジカルズ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】