説明

表面コーティングシステム及び表面コーティングシステムを使用する方法

表面(フロア等)用のコーティングシステムであって、表面への塗布により接着剤層を形成する、分散性接着剤を含む接着剤層組成物と、接着剤層への塗布によりメンテナンス層を形成する、分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物とを含む、コーティングシステム。分散性接着剤は、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。メンテナンス層は、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。接着剤層及びメンテナンス層は、約50gf/25mmより大きい剥離強度を有する仕上げコーティングを形成し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロア等の表面をコーティングするシステム、及びそのコーティングシステムを使用する方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2009年11月25日付けで出願された米国仮特許出願第61/264,465号に対する米国特許法第119条(e)項に基づく優先権を主張するものである。この出願の内容は全て参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
現在のフロアケアプログラム(Floor care programs)は主に、フロア基材、例えば、ビニル、リノリウム、木材、コンクリート、大理石、テラゾ、セラミック等の外観を保護するとともに向上させるために使用されている。これらのフローリング材は、往来、例えば、歩行者又は車両の往来による摩耗及び劣化を受けやすい。多くの場合、物理的な摩耗、引掻き、汚れ及び化学的な損傷からフローリング材を保護するために、犠牲コーティングが使用されている。これらのコーティングは、多くの異なるタイプの製品を含むが、フロア基材の表面に塗布される基剤及び/又は仕上げ剤の使用を一般に伴い得るフロアケアプログラムの一環である。この仕上げ剤はその後、様々なバフ研磨機又はバニシ仕上げ機を含み得る清浄装置及び用具を使用して維持される。これらのプログラムは極めて効果的であるが、それらは顧客に多額の出費をさせると考えられる。その上、表面が時間とともに摩耗するか又は不満足なものとなれば、ストリッパ(stripper)として一般に知られている様々な化学組成物を利用してフロア用仕上げ剤又はシーラーを完全に除去することが必要となる。このような化学的ストリッピングは時間がかかるとともに、大きな労働力を要する。
【0004】
耐久性のある半永久的なコーティング、例えば、ウレタン、エポキシ又はシランの技術を利用したもので、多くのフローリング基材に処理を施すことも一般的であった。これらのコーティングシステムは、それらに化学的な除去性及び修復性がないことを欠点とし、また多くの場合、除去は、サンディング、機械的研磨又は化学的ストリッピングからなる。これらは重大な制限であり、多くの場合、不満足な結果をもたらす。
【0005】
ポリマーベースのフロアコーティングは、モップ又は他の塗布器により、乾燥すると硬質保護膜となる水性エマルション又は溶剤溶液として典型的に塗布される仕上げ剤又はコーティングの例である。フロア表面からのこれらのコーティングの除去は、従来、腐蝕性化学溶液、典型的にはアルカリと揮発性溶剤との混合物の使用を必要としてきた。したがって、保護フロアコーティングにおける最近の傾向は、これらの従来の仕上げ剤から、より耐久性のある高度に架橋したコーティング、例えば、UV硬化ウレタン、ポリウレタン分散液及びエポキシへと変わってきている。これらのコーティングは、より従来のフロア用仕上げ剤よりも耐久性を向上させているものの、引掻き傷、すり傷等に起因してやはり最終的にはフロアから除去しなければならない。一方で、より従来のフロア用仕上げ剤は化学的に除去することができるのに対し、これらのより耐久性のある塗膜の高度に架橋した性質が、物理的な研磨以外の何らかの手段によって塗膜を除去することを、不可能ではないにしても困難にしている。
【0006】
その上、化学的又は機械的な研磨ストリッピングのいずれに関しても、多くの場合、下部のフローリング基材又は表面が損傷を受け、例えば、木材フローリングの場合には、化学薬品及び/又は水の利用によって木材表面が損傷を受ける。
【0007】
犠牲的な又は耐久性のある半永久コーティング又は仕上げ剤の修復、改善又は除去には、重大な難題及び不利点が存在している。それ故、迅速かつ容易に塗布することができるが、損傷又は摩耗後に容易に除去可能及び/又は修復可能である仕上げ剤で、表面をコーティングすることができるようにする表面コーティングシステムについての研究が現在行われている。
【0008】
要約すると、相当数の不利点が、コーティングシステム又はフロア表面等の表面用の仕上げ剤に関連する技術分野に存在している。
【発明の概要】
【0009】
とりわけ、コーティングシステムが提供される。このコーティングシステムは、分散性接着剤を含む接着剤層組成物を含み得る。この接着剤層組成物は、表面への塗布により接着剤層を形成し得る。前記コーティングシステムは、前記接着剤層への塗布後にメンテナンス層を形成する、分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物も含み得る。前記分散性接着剤は、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。
【0010】
別の態様では、表面をコーティングする方法が提供される。この方法は、表面に分散性接着剤を含む接着剤層組成物を塗布して、接着剤層を形成する工程を含み得る。この方法は、分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物を塗布して、前記接着剤層への塗布後にメンテナンス層を形成する工程も含み得る。前記分散性接着剤は、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。
【0011】
別の態様では、保護表面が提供される。この保護表面は、フロアと、接着剤と、耐久性のあるポリマーコーティングを含み得る。前記接着剤は、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。
【0012】
別の態様では、表面をコーティングする方法が提供される。この方法は、表面に分散性接着剤を含む接着剤層組成物を塗布して、接着剤層を形成する工程を含み得る。この方法は、分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物を塗布して、前記接着剤層上にメンテナンス層を形成する工程も含み得る。前記接着剤層及び前記メンテナンス層は、仕上げコーティングを形成し得る。この仕上げコーティングは、約50gf/25mmより大きい剥離強度を有し得る。
【0013】
別の態様では、表面をコーティングする方法が提供される。この方法は、表面に分散性接着剤を含む接着剤層組成物を塗布して、接着剤層を形成する工程を含み得る。この方法は、分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物を塗布して、前記接着剤層上にメンテナンス層を形成する工程も含み得る。前記接着剤層及び前記メンテナンス層は、仕上げコーティングを形成し得る。この仕上げコーティングは、前記分散性接着剤の接着強度よりも大きい引張強度を有し得る。
【0014】
本発明の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面を考慮して明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のコーティングシステムの実施形態を示す図である。
【図1A】本発明のコーティングシステムの別の実施形態を示す図である。
【図2】本発明のコーティングシステムの別の実施形態を示す図である。
【図3】本発明のコーティングシステムの別の実施形態を示す図である。
【図4】本発明のコーティングシステムの実施形態の使用を示す図である。
【図5】本発明のコーティングシステムの別の実施形態を示す図である。
【図6】本発明のコーティングシステムの別の実施形態を示す図である。
【図7】本発明のコーティングシステムの別の実施形態を示す図である。
【図8】本発明のコーティングシステムの実施形態の使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、その開示において、本明細書中に記載される構成、要素の配列、又は方法工程の具体的な詳細に限定されるものではない。本明細書中に開示される組成物及び方法は、様々な様式で製造、実践、使用、実行及び/又は形成することができる。本明細書中で使用される表現及び専門用語は、説明のみを目的としており、限定と見なされるべきではない。様々な構造又は方法工程について言及するために本明細書及び特許請求の範囲において使用される序数標識、例えば、第1、第2及び第3等は、任意の具体的な構造若しくは工程、又はかかる構造若しくは工程に対する任意の特定の順序若しくは配置を示すと解釈されることを意味するものではない。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中に他に指定のない限り、又は他に文脈による明確な否定がない限り、任意の好適な順番で実施することができる。本明細書中に示される任意の及び全ての例の使用、又は例示的な言葉(例えば、「等」)は、単に本発明をより明らかにしようと意図するものであり、特に特許請求の範囲に記載がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中の言葉、及び図面中に示される構造は、特許請求の範囲に記載のない任意の構成要素が本発明の実施に不可欠であることを示すものと解釈してはならない。用語「含む(including)」、「含む又はからなる(comprising)」又は「有する(having)」、及びそれらの変化形の本明細書中での使用は、その後に挙げられる項目及びそれらの等価物、並びに付加的な項目を網羅することを意味する。特に規定又は限定がなければ、用語「実装される(mounted)」、「接続される(connected)」、「支持される(supported)」及び「連結される(coupled)」、並びにそれらの変化形は、直接及び間接の両方の実装、接続、支持及び連結を網羅する。さらに、「接続される(connected)」及び「連結される(coupled)」は、物理的又は機械的な接続又は連結に制限されない。
【0017】
本明細書中の値の範囲の記述は、本明細書中に他に指定のない限り、範囲内に含まれる各別々の値について個々に言及する省略法(shorthand method)を成すことを単に意図されるものであり、各別々の値は、本明細書中に個々に記述されているかのように、本明細書中に包含される。例えば、濃度範囲を1%〜50%と述べる場合には、2%〜40%、10%〜30%又は1%〜3%等の値が、本明細書中に明示的に挙げられることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの単なる例であり、挙げられる最低値と最高値との間の及びそれらを含む数値の考えられ得る全ての組合せが、本開示中に明示的に述べられていると見なされるであろう。特定の記述される量又は量の範囲を記載するための語「約」の使用は、記述される量に極めて近い値、例えば、製造許容差、測定値をとる上での器具及び人間による誤差等に起因して説明することができるか又は当然説明されると考えられる値がその量に含まれることを示すように意図される。
【0018】
本明細書中に引用される任意の非特許文献又は特許文献を含む任意の引用文献は、従来技術を構成するものと認められるものではない。とりわけ、当然のことながら、他に記述のない限り、本明細書中の任意の文献についての言及は、これらの文献のいずれかが、米国又はいずれかの他の国において当該技術分野における一般的な常識の一部を成すことを認めるものではない。引用文献の任意の記述は、それらの著者が主張していることを述べており、本出願人は、本明細書中に引用される文献のいずれかの正確性及び適切性に異議を唱える権利を有している。本明細書中に引用される引用文献は全て、はっきりと他に指定のない限り、参照により完全に援用される。何らかの不一致が存在する場合には本開示が優先されるものとする。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「接着剤」は、表面接着(surface attachment)によって材料を合わせて保持することができる物質を指す。
【0020】
本発明は、保護、清浄、光沢、すり傷耐性又は滑り抵抗が望ましい任意の表面に対する潜在的な用途を有する。このような表面としては、フロア、調理表面、壁、商品陳列台(stalls)、カウンター、浴室用具等が挙げられる。仕上げ加工される表面は、限定するものではないが、人工石、人工木材、ビニル、大理石、テラゾ、セラミック、リノリウム、木材、金属、プラスチック、ゴム、コンクリート、石、ビニル複合タイル(「VCT」)及びガラスを含む、多種多様な材料からなっていてもよい。
【0021】
本発明は、塗布により接着剤層を形成する、分散性接着剤を含む接着剤層組成物と、塗布によりメンテナンス層を形成する、メンテナンス層塗膜形成剤又は分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物とを含むコーティングシステムに関する。仕上げコーティングは、接着剤層へのメンテナンス層組成物の塗布後に形成される。コーティングシステムは任意に、基層組成物及び/又は移行層組成物を含む。また、コーティングシステムは任意に、除去用具及び/又は使用説明書を含む。仕上げコーティングは、仕上げコーティングの剥離強度よりも大きい引張強度を有する。これにより、仕上げコーティングを、表面にほとんど損傷を与えることなく表面から非化学的に除去することが可能である。
【0022】
接着剤層組成物は、少なくとも約10wt%、少なくとも約15wt%、少なくとも約20wt%、及び少なくとも約25wt%の分散性接着剤を含んでいてもよい。接着剤層組成物は、約95wt%未満、約80wt%未満、約65wt%未満、及び約50wt%未満の分散性接着剤を含んでいてもよい。これは、約10wt%〜約95wt%、約15wt%〜約80wt%、約20wt%〜約65wt%、及び約25wt%〜約50wt%を含む。
【0023】
接着剤層は、少なくとも約75wt%、少なくとも80wt%、及び少なくとも85wt%の分散性接着剤を含んでいてもよい。接着剤層は、約100wt%未満、約99wt%未満、約98wt%未満、約97wt%未満、約96wt%未満、約95wt%未満、約94wt%未満、約93wt%未満、約92wt%未満、約91wt%未満、約90wt%未満、及び約85wt%未満の分散性接着剤を含んでいてもよい。これは、約75wt%〜約100wt%、約85wt%〜約99wt%、及び約90wt%〜約98wt%を含む。分散性接着剤は、アクリレートポリマー、スチレン−ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0024】
メンテナンス層組成物は、少なくとも約10wt%、少なくとも約15wt%、少なくとも約20wt%、及び少なくとも約25wt%のメンテナンス層塗膜形成剤又は分散性ポリマーを含んでいてもよい。メンテナンス層組成物は、約90wt%未満、約80wt%未満、約70wt%未満、約60wt%未満、及び約50wt%未満のメンテナンス層塗膜形成剤又は分散性ポリマーを含んでいてもよい。これは、約10wt%〜約90wt%、約15wt%〜約80wt%、約20wt%〜約70wt%、及び約25wt%〜約50wt%を含む。
【0025】
メンテナンス層は、少なくとも約75wt%、少なくとも約80wt%、及び少なくとも約85wt%のメンテナンス層塗膜形成剤又は分散性ポリマーを含んでいてもよい。メンテナンス層は、約100wt%未満、約99wt%未満、約98wt%未満、約97wt%未満、約96wt%未満、約95wt%未満、約94wt%未満、約93wt%未満、約92wt%未満、約91wt%未満、約90wt%未満、及び約85wt%未満のメンテナンス層塗膜形成剤又は分散性ポリマーを含んでいてもよい。これは、約75wt%〜約100wt%、約85wt%〜約99wt%、及び約90wt%〜約98wt%を含む。メンテナンス層塗膜形成剤又は分散性ポリマーは、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0026】
分散性接着剤及び分散性ポリマーは、それらが容易に、すなわち、噴霧、散布、刷毛塗り、ロール塗り、塗りつけ等によって、表面上に分散するか、又は表面に塗布されるという特徴を有する。分散性接着剤及び分散性ポリマーは典型的に液体であるが、それらはエアロゾルの形態をとっていてもよい。分散性接着剤及び分散性ポリマーは典型的に、水、推進剤又は有機溶剤等の分散媒中に懸濁される1つ又は複数のポリマーを含む。
【0027】
他の添加剤、例えば、可塑剤、中和剤、湿潤剤、脱泡剤、融合助剤、防腐剤、染料、顔料、芳香剤、ナノ粒子、炭酸アンモニア亜鉛(zinc ammonia carbonate)等の架橋剤、及び当業者に既知の他のものを、メンテナンス層組成物又は接着剤層組成物に添加することができる。
【0028】
好適な可塑剤としては、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリブトキシエチルホスフェート、及び当業者に既知の多くの他の可塑剤が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態によっては、可塑剤が、剥離可能な層組成物の最大約5wt%又は最大約3wt%又は最大約1wt%の範囲内である。他の実施形態では、可塑剤が、少なくとも約0.1wt%又は少なくとも約0.5wt%で存在する。これは、約0.1wt%〜約5wt%及び約0.5wt%〜約3wt%の範囲を含む。幾つかの実施形態は、約0.5wt%の量で可塑剤を含む。
【0029】
中和剤は、組成物のpHを調節するのに使用することができる。必要があると認めるときは、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、アミン、水酸化物、ケイ酸塩、リン酸塩、及び当業者に既知の他の添加剤を、組成物の最大約2wt%又は最大1wt%又は最大約0.5wt%の範囲で、システムのpHを調節するのに使用することができる。他の実施形態では、中和剤が、少なくとも約0.05wt%又は少なくとも約0.1wt%の量で存在することができる。これは、約0.05wt%〜約2wt%及び約0.1wt%〜約1wt%の範囲を含む。代替的な実施形態は約0.1wt%の中和剤を含むことができる。
【0030】
湿潤剤は、例えば、エトキシル化された非イオン性フルオロケミカル、他のフルオロケミカル、アルコールエトキシレート、有機シリコーン、又は当業者に既知の他のものである。これらの材料は、組成物の最大約10wt%、最大約5wt%、又は最大約3wt%で使用することができる。他の実施形態では、湿潤剤が、少なくとも約0.01wt%、少なくとも約0.03wt%、又は少なくとも約0.05wt%、又は少なくとも約1.0wt%の量で存在することができる。これは、約0.01wt%〜約10wt%、約0.03wt%〜約5wt%、及び約0.05wt%〜約3wt%の範囲を含む。幾つかの実施形態は約1wt%の湿潤剤を利用する。更に他の実施形態は約0.03wt%の湿潤剤を含む。
【0031】
脱泡剤としては、ポリシロキサン、シリコーン又はアセチレン系脱泡剤が挙げられるが、これらに限定する必要はない。脱泡剤は、組成物の約0wt%〜約2wt%で存在し得る。
【0032】
融合助剤、例えば、限定するものではないが、ジエチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール2−エチルへキシルエーテル及びジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含むグリコールエーテル、又は他の好適な溶剤を利用することができる。融合助剤は、湿潤剤について上記に記載した量で存在することができる。
【0033】
様々な防腐剤、染料、顔料、芳香剤、ナノ粒子、及び他の添加剤も実施形態によっては含めることができ、例えば、Robertet 98Mを含むRobertetの芳香剤、ナノ粒子、及び他の添加剤も実施形態によっては含めることができる。好適な防腐剤としては、PROXEL GXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンNa塩(20%))が挙げられる。
【0034】
メンテナンス層組成物及び接着剤層組成物の残りは水であってもよい。
【0035】
本発明は、以下に特定される少なくとも1つの利点を提供し得る。本発明のコーティングシステムは、除去可能な耐久性のあるコーティングによって、数分から数時間のうちに、表面をコーティングするのに使用することができ、この耐久性のあるコーティングは数秒から数分で除去される。コーティングシステムは、噴霧、ロール塗り、刷毛塗り、塗装、モップ塗り(mopping)、又は散布によって塗布することができるが、他の技法も当業者には知られている。コーティングシステムは水分散型ポリマー組成物を使用することができるため、コーティングシステムは、従来技術と比較してより少ない有機揮発物しか生成しない。有機揮発物の減少は、環境、及び、特に使用者が閉ざされた空間内で有機揮発物に曝される場合には使用者の健康のためになる。その上、使用されたコーティングは簡単に剥がされるため、苛性ストリッピング剤(stripping agent)を必要としない。使用されたコーティングを除去したら、再利用してもよく、又は埋立地に送ってもよい。
【0036】
本発明のコーティングシステムでは除去用具が不要であり得るが、コーティングシステムは任意に、剃刀の刃等の除去用具、又は2008年1月24日付けで出願された米国特許出願第61/023,351号(その全体は参照により本明細書中に援用される)に記載されているものと類似の除去用具を含んでいてもよい。当業者は、本発明で使用される他の好適な除去用具を判断することができるであろう。実施形態によっては、除去用具は、コーティング中に埋没しているプラスチックリボンであってもよい。
【0037】
図1は、本発明のコーティングシステム及び方法を用いて作製され得る仕上げコーティング100を示す。仕上げコーティング100は、接着剤層130とメンテナンス層150とを含み、これらは両方ともフロア等の表面180に塗布されている。
【0038】
接着剤層130は分散性接着剤を含み、本発明の接着剤層組成物を表面180に塗布した後に表面180上に形成される。接着剤層130は、約1cm厚未満、典型的には約2mm厚未満、より典型的には約0.5mm厚未満である。実施形態によっては、接着剤層130は、少なくとも約0.001mm厚、少なくとも約0.005mm厚、少なくとも約0.01mm厚、又は少なくとも約0.015mm厚である。実施形態によっては、接着剤層130の厚みは、約1cm〜約0.001mm、約2mm〜約0.005mm、又は約0.5mm〜約0.01mmである。接着剤層130は、約20g/ft、典型的には約8g/ft未満、より典型的には約4g/ft未満の速度で塗布される。
【0039】
メンテナンス層150は耐久性のあるコーティングであり、メンテナンス層組成物を表面180に塗布した後に表面180上に形成される。メンテナンス層150は、約3cm厚未満、典型的には約1cm厚未満、より典型的には約5mm厚未満である。実施形態によっては、メンテナンス層150が、少なくとも約0.01mm厚、少なくとも約0.05mm厚、少なくとも約0.1mm厚、又は少なくとも約0.15mm厚である。実施形態によっては、メンテナンス層150の厚みは、約3cm〜約0.01mm、約1mm〜約0.05mm、又は約5mm〜約0.1mmである。メンテナンス層150は、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む。メンテナンス層150は、約40g/ft未満、典型的には約20g/ft未満、より典型的には約10g/ft未満の速度で塗布される。
【0040】
典型的に、接着剤層組成物を表面180に塗布し、接着剤層組成物をしばらくの間乾燥させると接着剤層130が形成され、その後、メンテナンス層組成物を、表面180上に形成された接着剤層130に塗布する。典型的に、メンテナンス層組成物をしばらくの間乾燥させると、その間に、メンテナンス層150が接着剤層130上に形成され、仕上げコーティング100が形成される。仕上げコーティング100は、表面180からの仕上げコーティング100の剥離強度よりも大きい引張強度を有し得る。接着剤層130の可剥性は、表面180からの、仕上げコーティング100としての接着剤層130及びメンテナンス層150の除去を示す図1Aに例示される。接着剤層組成物は典型的に、少なくとも約1分間、典型的には少なくとも約10分間、より典型的には少なくとも約60分間乾燥させる。メンテナンス層組成物は典型的に、少なくとも約1分間、典型的には少なくとも約10分間、より典型的には少なくとも約60分間乾燥させる。仕上げコーティング100は、約10%より大きい、典型的には約25%より大きい、又はより典型的には約50%より大きい破損点伸び(elongation failure point)を有し得る。破損点伸びは150%であってもよい。実施形態によっては、仕上げコーティング100の破損点伸びが、約350%未満、又は約300%未満、又は約250%未満、又は約200%未満であり得る。実施形態によっては、仕上げコーティング100の破損点伸びが、約10%〜約350%、約25%〜約300%、及び約50%〜約250%であってもよい。
【0041】
図2は、本発明のコーティングシステム及び方法を用いて作製され得る代替的な仕上げコーティング200を示す。代替的な仕上げコーティング200は、ベースコーティング250と、接着剤層130と、メンテナンス層150とを含み、これらは共にフロア等の表面180に塗布されている。代替的な仕上げコーティング200における接着剤層130及びメンテナンス層150は、仕上げコーティング100における接着剤層130及びメンテナンス層150と実質的に類似するものである。(代替的な仕上げコーティング200における接着剤層130は、ベースコーティング250とのより良好な適合性を付与するような更なる添加剤を含んでいてもよい)。ベースコーティング250は連続的なコーティングであり、本発明の基層組成物を表面180に塗布した後に表面180上に形成される。ベースコーティング250は、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む。ベースコーティング250は、接着剤層130の塗布及びメンテナンス層150のその後の塗布のために、連続的な水平面をもたらす。典型的には、基層組成物を表面180に塗布した後に、乾燥させて、ベースコーティング250を形成する。基層組成物は典型的に、少なくとも約1分間、典型的には少なくとも約10分間、より典型的には少なくとも約60分間乾燥させる。代替的な仕上げコーティング200は、表面180が平滑でない、例えば、タイルフロアである場合の使用に好適である。
【0042】
図3は、本発明のコーティングシステム及び方法を用いて作製され得る代替的な仕上げコーティング300を示す。代替的な仕上げコーティング300は、ベースコーティング250と、接着剤層130と、メンテナンス層150と、第2のメンテナンス層350とを含み、これらは全てフロア等の表面180に塗布されている。代替的な仕上げコーティング300における接着剤層130及びメンテナンス層150は、仕上げコーティング100における接着剤層130及びメンテナンス層150と実質的に類似するものである。第2のメンテナンス層350はメンテナンス層150と実質的に類似するものであってもよいが、本発明による異なるメンテナンス層組成物を使用することも可能である。代替的な仕上げコーティング300における第2のメンテナンス層350と共に使用されるベースコーティング250を示しているが、第2のメンテナンス層350は、接着剤層130及びメンテナンス層150のみを含む仕上げコーティング100と共に使用することもできる。第2のメンテナンス層350は、本発明のメンテナンス層としての使用に好適な分散性ポリマーのいずれかを含み得る。
【0043】
本発明の接着剤層組成物における使用に好適な分散性接着剤としては、接着剤層130及びメンテナンス層150を含む耐久性のある仕上げコーティングを、表面180から剥がすことができる接着強度を有する感圧接着剤をもたらすポリマーを含む、任意の分散性接着剤が挙げられる。接着剤材料としては、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せが挙げられる。感圧接着剤は、接着剤を被着体となじませるような軽い圧力の印加によって、簡単に結合を形成する一種の接着剤である。カルボキシル基を含有するアクリルラテックスは、感圧接着剤における一般的な材料の一例である。感圧接着剤の他の例としては、Omnova Solutions(Chester, SC)製のNovaCryl PS−R 100、NovaCryl PS−R 200、NovaCryl PS−R 300及びNovaCryl 3797;並びに、BASF(Ludwigshafen, Germany)製のAcrnal NX 2278、Acrnol LA 449 S及びAcronol DS 3588が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
接着剤層130の可剥性について、代替的な仕上げコーティング200における、表面180上のベースコーティング250からの、接着剤層130及びメンテナンス層150の除去を示す図4に例示する。仕上げコーティング100を使用する場合、接着剤層130及びメンテナンス層150は表面180から直接除去される(図1A)。ベースコーティング250を使用する場合、ベースコーティング250は、図4に示されるように、表面180に接着したままとなるように設計されている。接着剤層130及びメンテナンス層150は、互いに接着したままでベースコーティング250又は表面180から剥がされるように設計され、表面180にほとんど損傷を与えることなく表面180のストリッピング及び塗り換えが可能となる。接着剤層130及びメンテナンス層150を含む仕上げコーティング100は、約50gf/25mm(gf=重量グラム)より大きい、典型的には約100gf/25mm(gf=重量グラム)より大きい、より典型的には約200gf/25mm(gf=重量グラム)より大きい剥離強度を有し得る。実施形態によっては、仕上げコーティング100が、約500gf/25mm未満、約400gf/25mm未満、又は約300gf/25mm未満の剥離強度を有し得る。実施形態によっては、仕上げコーティング100は、約50gf/25mm〜約500gf/25mm、約100gf/25mm〜約400gf/25mm、又は約200gf/25mm〜約300gf/25mmの剥離強度を有していてもよい。
【0045】
実施形態によっては、除去用具が、コーティング、例えば、図5に示される、スターター機構450を有する仕上げコーティング内に含まれていてもよい。スターター機構450は、スターター機構を有する仕上げコーティングにおける、ベースコーティング250から又は表面180からの、接着剤層130及びメンテナンス層150の剥離(図示せず)の開始を助けるものである。スターター機構450は、ワイヤ、リボン又はフロスの形状であってもよく、金属又はプラスチックから構成されていてもよい。スターター機構450は、スターター機構450を容易に識別可能なものとするように不透明であっても若しくは着色されていてもよく、又はスターター機構450は、仕上げコーティング内におけるその存在を隠すように透明であってもよい。図6に示されるように、スターター機構450をベースコーティング250から単純に引き離すと、接着剤層130及びメンテナンス層150のきれいな縁(図示せず)がもたらされ、これにより、ベースコーティング250及び/又は表面180から引き離すことが容易となる。
【0046】
図7に示されるように、コーティングを除去するための一連の開始点をもたらすよう、スターター機構450のセットを表面180の周囲に配置してもよい。また、仕上げコーティングを扱いやすい大きさのシートとして引っ張り上げることを可能にするように、スターター機構450を表面180全体にわたって配置してもよい。接着剤層130よりも薄いものとして、スターター機構450を図6及び図7に示しているが、スターター機構450は典型的に、少なくとも接着剤層130と同程度の厚みである。その上、スターター機構450は、接着剤層組成物の塗布前に、表面180又はベースコーティング250上に配置されていてもよく、又はスターター機構450は、メンテナンス層組成物の塗布前に接着剤層130の上に配置されていてもよい。スターター機構450の使用にかかわらず、図8に示されるように、かき取り用具(scraping tool)720を使用して、ベースコーティング250及び/又は表面180から接着剤層130及びメンテナンス層150を除去する上で使用者を補助してもよい。
【0047】
スターター機構450は、メンテナンス層150、及び存在する場合には、第2のメンテナンス層350の除去を容易にするために、表面上に戦略的に配置することができる。実施形態によっては、表面の両端にスターター機構450を配置して、表面からメンテナンス層150を除去する。例えば、図7に示される図が廊下の断面を表すとすると、スターター機構450は、隣接する壁の縁に対して廊下の両側に配置することができる。それ故、スターター機構450を引き上げると、層が壁から分離し、壁からの層の完全な除去が容易となる。或る特定の実施形態では、スターター機構450をグリッドパターンで施すのに対し、他の実施形態では、スターター機構450を平行に隣り合うようにのみ施す。更に他の実施形態では、スターター機構450を、フロアの既知の又は見込まれる出入りの多い場所、例えば、廊下の中央又は戸口の近傍に、層の除去及び置換を容易なものとするパターンで施す。
【0048】
実施形態によっては、スターター機構450は比較的目立たないものである。例えば、スターター機構450は無色透明であってもよく、又はスターター機構450は、表面コーティングシステムを適用する表面180と同様のテクスチャ及び/又は色を有することができる。他の実施形態では、スターター機構450は、迅速に識別できるように、層、及び任意に従来のフロア用仕上げ剤コーティングを通して容易に目に見えるように選択することができる。スターター機構450の例としては、テープ(例えば、ポリエステル系テープ)、ストリング及びプラスチックが挙げられ得る。市販のスターター機構としては、釣り糸、デンタルフロス(例えば、細いナイロンフィラメント、又はポリエチレン若しくはテフロン(登録商標)等のプラスチックからなるリボンを含む)、自動車用ピンストライプテープ、及びSpecialty Tapes(Franksville, WI)から入手可能なLinered Removable Acrylic Tape(#S922)が挙げられ得る。実施形態によっては、例えば、スターター機構450は、約6mm幅及び約4.5ミル厚(1ミルはおよそ0.001インチである)である接着剤付きテープである。
【0049】
実施形態によっては、スターター機構450が、接着剤層130の付加前にベースコーティングの少なくとも一部分に施される。しかし、当然のことながら、スターター機構450は各種の異なる材料から作ることができ、各種の形状及びサイズを有することができ、また、基層180上の1つ又は複数の位置に施すことができる。接着剤層130は、スターター機構450及び基層180に塗布することができる。
【0050】
実施形態によっては、仕上げコーティング100の1つ又は複数の層を、製造中に設置可能なフローリング基材(例えば、タイル又はシート材料)に塗布する。それ故、フローリング基材を設置した後に、仕上げコーティング100の最上層を除去することによって、その表面を新しくすることができる。これは、工場で基材に塗布したのと同じくらい多くの層について繰り返すことができる。実施形態によっては、各層のスターター機構450は、表面を変形させるおそれがある層状材料の起こり得る堆積を防止するために、1つ又は複数の近くの層の他のスターター機構450により、補われるか又は互い違いに配置される。
【0051】
メンテナンス層150及び第2のメンテナンス層350、又はそれらの上の他の層を除去するために、上層を介してスターター機構450を引っ張ると、メンテナンス層150を下部の基層180から剥離するのに使用することができる、図6に示されるような所定の縁が作り出される。スターター機構450は、様々な層の上に露出し得るスターターストリップを介して、又は上層を切断して埋没しているスターターストリップに至ることによって利用される。
【0052】
他の実施形態では、例えば、ほんの幾つか可能とされる用途を挙げると、他の実質的に水平な表面、例えば、手術台、調理表面、机、テーブル、及び垂直面、例えば、壁、窓等、及び不規則な表面、例えば、調理器具、容器、タンク、パーツ等を含む、フロア以外の表面に、仕上げコーティング100を塗布する。
【0053】
実施形態によっては、メンテナンス層組成物は水性組成物である。メンテナンス層150は、本発明のコーティングシステムの耐久性及び耐摩耗性を生じるものである。耐摩耗性は、数ある中でも、物理的な摩耗、引掻き、汚れ及び化学的な損傷に対する耐性を含む。メンテナンス層組成物は、耐久性のある無欠陥コーティングがもたらされるように、接着剤層組成物と適合性であるものとする。
【0054】
その上、メンテナンス層150の光沢度を低減させて艶消し仕上げをもたらすために、メンテナンス層の光学特性に影響を及ぼす添加剤(「光学要素」)を添加することができる(「艶消し光学要素」)。艶消し仕上げは、欠陥をあまり目立たなくすることによってフロアの外観を改善させることができ、またフロアにより均一な外観を与えることができる。好適な艶消し光学要素としては、ヒュームドシリカ、シリカゲル、ポリエチレン及び中空ガラス微小球が挙げられるが、これらに限定されない。これらは典型的に、メンテナンス層組成物の0.5wt%〜10wt%の範囲で使用される。より光沢のある仕上げが所望される他の実施形態では、艶消し光学要素を含まない。
【0055】
或る特定の湿潤剤、可塑剤及び/又は融合助剤を組み込むことによって、メンテナンス層150は、審美的に好ましくない塗膜の欠陥、例えば、「曇り」、「亀裂」、「ブルーム」、「ひび」、及び当業者に一般に知られている多くの他の種類の塗膜欠陥を被る機会が減るか又は排除されるようになり得る。理論に縛られることを望むものではないが、界面活性剤、可塑剤及び/又は融合助剤を添加することによって、より良好な被膜間密着及び塗膜形成が可能となり、これにより、このような欠陥の可能性が本質的に低減されると考えられる。
【0056】
限定するものではないが、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリエステル、ポリビニル、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、及びポリ尿素を含む多くの種々のポリマーが、本発明のメンテナンス層組成物における使用に好適である。実施形態によっては、メンテナンス層塗膜形成剤が、約−100℃〜約20℃、適切には約−90℃〜約30℃、又は約−50℃〜約−20℃のガラス転移温度(「T」)を有し得る。例えば、メンテナンス層のTは、約−20℃未満、約−50℃未満、約−60℃未満、又は約−80℃未満であってもよい。Tは、約0℃より大きく、約20℃より大きく、約40℃より大きく、又は約60℃より大きくてもよい。メンテナンス層塗膜形成剤の配合物を使用するそれらの実施形態では、各塗膜形成剤が異なるTを有していてもよい。本発明の実施形態によっては、メンテナンス層塗膜形成剤が、1つより多くのガラス転移温度(「T」)を有していてもよい。これらの実施形態では、メンテナンス層塗膜形成剤が、約−100℃〜約20℃の第1のTと、約−20℃〜約120℃の第2のTとを有し得る。幾つかの実施形態は、約−50℃〜約−20℃の第1のTと、約40℃〜約100℃の第2のTとを有するメンテナンス層塗膜形成剤を有し得る。実施形態によっては、第1のTが約−40℃〜約−20℃であってもよく、第2のTが約70℃〜約100℃であってもよい。
【0057】
水性ポリウレタン系組成物である幾つかのフロア用仕上げ剤組成物は、メンテナンス層150に必要とされる必要な適合特性及び耐久特性を示すことが見出された。概して、水性ポリウレタン系組成物としては、限定するものではないが、自己架橋性ポリウレタン若しくはポリウレタンコポリマーを含む、ポリウレタン又はポリウレタン生成成分が挙げられる。
【0058】
好適なメンテナンス層組成物としては、市販のフロア用仕上げ剤材料、例えば、Diversey Inc.(Sturtevant, WI)製のJonwood木材フロア用1液型水性仕上げ剤、Bona Kemi(Sweden)製のBona TRAFFIC及びBona MEGA水性仕上げ剤が挙げられる。また、好適なメンテナンス層組成物としては、市販の塗膜形成剤、例えば、Bayer Material Science(Pittsburg, PA)から入手可能なBAYHYDROL XP 2593/1及びBAYHYDROL XP 2557及びBAYHYDROL XP 2637;並びに、Lubrizol Corp.(Wickliffe, OH)製のTURBOSET 2025ポリウレタン分散液;並びに、NeoResins(The Netherlands)製のNeoReZ 2180ポリウレタン分散液及びNeoCryl 9045ポリウレタン分散液が挙げられる。また、好適なメンテナンス層組成物としては、市販のフロア用仕上げ剤材料、例えば、Ecolab, Inc.(St. Paul, MN)から入手可能なGEMSTAR LASER及びGEMSTAR POLARIS及びTAJ MAHAL及びFIRST BASE;Betco Corp.(Toledo, OH)製のBETCO BEST及びBETCO EXPRESS及びBETCO FLOOR SEALERフロア用仕上げ剤;Buckeye International(Maryland Heights, MO)から入手可能なCITATION及びCASTLEGUARDフロア用仕上げ剤;並びに、Diversey, Inc.(Sturtevant, WI)製のIRONSTONE及びPLAZA PLUS及びPREMIA及びHIGH NOON及びFRESCOMAX及びOVER & UNDER及びJONSEALが挙げられ得る。これらは、基層組成物の組成と類似であっても同じのものであってもよいが、このことは要求も必要もされない。
【0059】
メンテナンス層組成物は、約15%〜約50wt%の固体の固形分を有し得る。これは、約15wt%〜約25wt%の固形分を有する実施形態を含み、幾つかの用途において好適である。約4ミルのウェットコーティング厚をもたらすようにメンテナンス層組成物を塗布することができる。例示的な実施形態によっては、メンテナンス層組成物が、約25wt%の固形分を有し、約1.0ミルの厚みを有する硬化した乾燥メンテナンス層が作製される。
【0060】
メンテナンス層組成物の複数の層を、接着剤層130を完全に覆うように塗布してもよく、その結果、実施形態によっては約0.6ミル〜約4ミルの総厚を有するメンテナンス層150がもたらされる。この総厚は、少なくとも約0.1ミル、少なくとも約0.2ミル、少なくとも約0.5ミル、少なくとも約1ミル、少なくとも約1.5ミル、少なくとも約2ミル、少なくとも約2.5ミル、少なくとも約3.0ミル、及び少なくとも約3.5ミルであり得る。総厚は、約6.0ミル未満、約5.5ミル未満、約5.0ミル未満、約4.5ミル未満、及び約4.0ミル未満であってもよい。実施形態によっては、メンテナンス層組成物の1〜10以上の被膜を塗布することができる。表面コーティングシステムの幾つかの実施形態は、メンテナンス層150の4つ〜6つの層を含み得る。また、メンテナンス層(複数も可)は、経時的に必要であれば、こすり洗いを行って、塗り直して、それらの厚みを更に増大させることができる。メンテナンス層組成物の1つより多くの異なる種類の配合組成を、次に続く被膜に使用してもよい。
【0061】
場合によっては、損傷を受けたメンテナンス層又は表面コーティングシステムの一部分のみを修復することが望ましいこともある。そのために、剃刀の刃又は層を切断するのに好適な他の用具を用いて切り取るとともに、切取りセクションのみを剥がして、曝露面を作り出すこと等の任意の好適な技法を用いて、損傷を受けた領域を除去することができる。除去後、接着剤層組成物を、曝露面(すなわち、セクションが除去された領域)に再度塗布して、修復された接着剤層を形成することができる。接着剤層130が乾燥したら、その後、メンテナンス層組成物を塗布して、修復されたコーティングを得ることができる。
【0062】
好適な基層組成物としては、UV硬化ポリマー、ポリアクリレート、ポリスチレン−アクリレート、ポリウレタン、エポキシ、及びポリ尿素が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な組成物は当業者に既知である。基層組成物は、メンテナンス層組成物と同様のものであってもよいが、このことは要求も必要もされない。水性ポリアクリレート系組成物又は水性ポリスチレン−アクリレート系組成物としては、限定するものではないが、スチレン、メタクリル酸、ブチルアクリレート、及びメチルアクリレート誘導モノマー単位を含む、ポリアクリレート成分又はポリスチレン成分が挙げられる。また、他の実施形態では、基層250がビニル−アクリル化合物を含み得る。実施形態によっては、基層組成物の配合物を使用してもよい。
【0063】
好適な基層組成物としては、市販のフロア用仕上げ剤材料、例えば、Ecolab, Inc.(St. Paul, MN)から入手可能なGEMSTAR LASER及びGEMSTAR POLARIS及びTAJ MAHAL及びFIRST BASE;Betco Corp.(Toledo, OH)製のBETCO BEST及びBETCO EXPRESS及びBETCO FLOOR SEALERフロア用仕上げ剤;Buckeye International(Maryland Heights, MO)から入手可能なCITATION及びCASTLEGUARDフロア用仕上げ剤;並びに、Diversey, Inc.(Sturtevant, WI)製のIRONSTONE及びPLAZA PLUS及びPREMIA及びHIGH NOON及びFRESCOMAX及びOVER & UNDER及びJONSEALが挙げられ得る。
【0064】
特定の理論に縛られることを望むものではないが、基層250は、物理的及び化学的に正常化される表面をもたらし得ると理論立てられ、これは、コーティングシステムの性能にとって重要であると考えられる。物理的に正常化された表面とは、機械的及び/又は化学的な方法によって達成されるものと略等しい粗さ、多孔度、及び/又は表面モルフォロジを有する表面を意味する。化学的に正常化された表面とは、機械的及び/又は化学的な方法によって達成されるものと略等しい、化学部位、例えば、ヒドロキシル基、エステル基、炭化水素基、フルオロケミカル基、リン酸基、有機リン酸基、金属及び金属酸化物等の分布を有する表面である。表面は、接着剤層130及びメンテナンス層150の接着性を劇的に増大(接着性が大きすぎる)又は減少(接着性が小さすぎる)させるような化学部位を実質的に含まないことが好適である。
【0065】
当然のことながら、1つ又は複数の更なる層が上記の層の間に存在していてもよい。このように、層を互いに直接又は間接的に施してもよい。
【実施例】
【0066】
[実施例1]−アクリレートコポリマー接着剤とポリウレタン分散液とを含む可剥性コーティング
接着剤層配合組成1〜接着剤層配合組成3とメンテナンス層配合組成1との様々な組合せで、4つのビニル複合タイル(EXCELON銘柄、Armstrong Flooring(Lancaster, PA))を作製した。
接着剤層配合組成1
50wt% ACRONAL NX 2278アクリレートコポリマー(BASF(Ludwigshafen, Germany))
50wt% 脱イオン水
接着剤層配合組成2
50wt% ACRONAL NX 2278−アクリレートコポリマー
0.1wt% BYK 025−脱泡剤(Byk Chemie(Wallingford, CT))
0.1wt% ZONYL FSJ−湿潤剤(DuPont(Wilmington, DE))
49.8wt% 脱イオン水
接着剤層配合組成3
50wt% ACRONAL DS 3588−アクリレートコポリマー
0.1wt% BYK 025−脱泡剤
0.1wt% ZONYL FSJ−湿潤剤
49.8wt% 脱イオン水
メンテナンス層配合組成1
16.7wt% 脱イオン水
4.0wt% DOWANOL DPnB−溶剤(Dow Chemical(Midland, MI))
0.2wt% FOAMEX 822−脱泡剤(Tego Chemie(Hopewell, VA))
0.90wt% SOLSPERSE 40K−流動助剤(flow aid)(Lubrizol Corp.(Wickliffe, OH))
0.1wt% BYK 307−流動助剤かつレベリング助剤(Byk Chemie)
0.1wt% BYK 347−流動助剤かつレベリング助剤(Byk Chemie)
78.0wt% TURBOSET 2025−ポリウレタン分散液(Lubrizol)
【0067】
タイル1
スポンジ刷毛(foam paint brush)を用いて、1sq ft当たり溶液2ミリリットルの速度で接着剤層配合組成1をタイルに塗布した。接着剤層を乾燥させた。接着剤層が乾燥したら、スポンジ刷毛を用いて、1sq ft当たり溶液12ミリリットルの速度でメンテナンス層配合組成1を接着剤層の上に塗布した。メンテナンス層を乾燥させると、透明な硬質コーティングとなった。コーティングシステムが固化したら、コーティングシステムを可剥性について評価した(表1を参照)。
【0068】
タイル2
スポンジ刷毛を用いて、1sq ft当たり溶液2ミリリットルの速度で接着剤層配合組成2をタイルに塗布した。接着剤層を乾燥させた。接着剤層が乾燥したら、スポンジ刷毛を用いて、1sq ft当たり溶液12ミリリットルの速度でメンテナンス層配合組成1を接着剤層の上に塗布した。メンテナンス層を乾燥させると、透明な硬質コーティングとなった。コーティングシステムが固化したら、コーティングシステムを可剥性について評価した(表1を参照)。
【0069】
タイル3
スポンジ刷毛を用いて、1sq ft当たり溶液2ミリリットルの速度で接着剤層配合組成3をタイルに塗布した。接着剤層を乾燥させた。接着剤層が乾燥したら、スポンジ刷毛を用いて、1sq ft当たり溶液12ミリリットルの速度でメンテナンス層配合組成1を接着剤層の上に塗布した。メンテナンス層を乾燥させると、透明な硬質コーティングとなった。コーティングシステムが固化したら、コーティングシステムを可剥性について評価した(表1を参照)。
【0070】
タイル4
スポンジ刷毛を用いて、1sq ft当たり溶液12ミリリットルの速度で接着剤層配合組成1をタイルに塗布した。メンテナンス層を乾燥させると、透明な硬質コーティングとなった。
【0071】
仕上げコーティングの剥離特性は、5は優れた特性(剥離し易く、必要とされる力が小さい)に対応し、0は芳しくない特性(剥離せず、破断する)に対応する、0〜5のスケールについて査定した。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
[実施例2]−フロア用シーラントと、アクリレートコポリマー接着剤と、ポリウレタン分散液とを含む可剥性コーティング
湿式塗布器を用いて、複合タイル(EXCELON銘柄)を、水系エポキシフロアコーティング(JONSEAL 220、Diversey(Sturtevant, WI))でシールした。乾燥させたシーラントは、残りのコーティングのためのベースコートとなる。
【0074】
スポンジ刷毛を用いて、1sq ft当たり溶液2ミリリットルの速度で接着剤層配合組成2をシールしたタイルに塗布した。接着剤層を乾燥させた。接着剤層が乾燥したら、スポンジ刷毛を用いて、メンテナンス層配合組成1を、1sq ft当たり溶液12ミリリットルの速度で接着剤層の上に塗布した。メンテナンス層を乾燥させると、透明な硬質コーティングとなった。最終コーティングは、1グラム/ftの接着剤、及び4.56グラム/ftのメンテナンスコーティングの推定乾燥重量を有していた。
【0075】
コーティングシステムが固化したら、コーティングシステムを、ASTM D 6862−03−「接着剤の耐剥離性(90度)に関する標準試験法」を用いて測定される可剥性について評価した。卓上型電気機械式シングルコラム試験システム(Model 3345、Instron Corp.(Norwood, MA))を用いて、仕上げコーティングの1インチ幅の試料を、1000mm/分における耐剥離性について評価した。計4回の測定を10℃及び80%相対湿度で行い、結果を平均化した。接着剤組成物をおよそ1グラム/ft sq乾燥重量で塗布し、メンテナンス層組成物をおよそ4.56グラム/ft sq乾燥重量で塗布した場合、平均剥離強度は246.2gf/25mm(gf=重量グラム)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングシステムであって、
a)表面への塗布により接着剤層を形成する、分散性接着剤を含む接着剤層組成物、及び
b)前記接着剤層への塗布後にメンテナンス層を形成する、分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物、
からなり、
前記分散性接着剤が、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、コーティングシステム。
【請求項2】
前記分散性接着剤がアクリレートコポリマーを含む、請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項3】
前記分散性接着剤が感圧接着剤を形成する、請求項1又は2に記載のコーティングシステム。
【請求項4】
前記メンテナンス層組成物が、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティングシステム。
【請求項5】
前記メンテナンス層組成物がポリウレタンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーティングシステム。
【請求項6】
前記接着剤層組成物又は前記メンテナンス層組成物が、可塑剤、中和剤、湿潤剤、艶消剤、脱泡剤、融合助剤、防腐剤、染料、顔料、芳香剤、ナノ粒子、光学要素及び埋没粒子から選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーティングシステム。
【請求項7】
c)表面への塗布後に連続的なコーティングを形成する、分散性ポリマーを含む基層組成物、を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコーティングシステム。
【請求項8】
前記接着剤層及び前記メンテナンス層が、仕上げコーティングの剥離強度よりも大きい引張強度を有する仕上げコーティングを形成する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコーティングシステム。
【請求項9】
除去用具を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコーティングシステム。
【請求項10】
表面をコーティングする方法であって、
a)表面に、分散性接着剤を含む接着剤層組成物を塗布して、接着剤層を形成する工程、及び
b)前記接着剤層への塗布後に、分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物を塗布して、メンテナンス層を形成する工程、
からなり、
前記分散性接着剤が、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項11】
前記分散性接着剤がアクリレートコポリマーを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記分散性接着剤が前記表面への塗布により感圧接着剤を形成する、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記メンテナンス層組成物が、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記メンテナンス層組成物がポリウレタンを含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記接着剤層組成物又は前記メンテナンス層組成物が、可塑剤、中和剤、湿潤剤、艶消剤、脱泡剤、融合助剤、防腐剤、染料、顔料、芳香剤、ナノ粒子、光学要素及び埋没粒子から選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
c)表面への塗布後に連続的なコーティングを形成する、分散性ポリマーを含む基層組成物、を更に含む、請求項10〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記接着剤層及び前記メンテナンス層が、仕上げコーティングの剥離強度よりも大きい引張強度を有する仕上げコーティングを形成する、請求項10〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
除去用具を更に含む、請求項10〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記除去用具がプラスチックリボンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記表面がフロアである、請求項10〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
保護表面であって、
a)フロア、
b)接着剤、及び
c)耐久性のあるポリマーコーティング、
からなり、
前記接着剤が、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス材料、ポリウレタンラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、保護表面。
【請求項22】
表面をコーティングする方法であって、
a)表面に分散性接着剤を含む接着剤層組成物を塗布して、接着剤層を形成する工程、及び
b)分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物を塗布して、前記接着剤層上にメンテナンス層を形成する工程、
からなり、
前記接着剤層及び前記メンテナンス層が、約50gf/25mmより大きい剥離強度を有する仕上げコーティングを形成する、方法。
【請求項23】
前記剥離強度が約100gf/25mmより大きい、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記剥離強度が約200gf/25mmより大きい、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記分散性接着剤が、アクリレートポリマー、スチレン−ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記分散性接着剤がアクリレートコポリマーを含む、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記メンテナンス層組成物が、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記メンテナンス層組成物がポリウレタンを含む、請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記表面がフロアである、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記仕上げコーティングが破損点伸びを有し、該破損点伸びが約50%〜約250%である、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
表面をコーティングする方法であって、
a)表面に分散性接着剤を含む接着剤層組成物を塗布して、接着剤層を形成する工程、及び
b)分散性ポリマーを含むメンテナンス層組成物を塗布して、前記接着剤層上にメンテナンス層を形成する工程、
からなり、
前記接着剤層及び前記メンテナンス層が、前記分散性接着剤の接着強度よりも大きい引張強度を有する仕上げコーティングを形成する、方法。
【請求項32】
前記分散性接着剤が、アクリレートポリマー、スチレン−ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記分散性接着剤がアクリレートコポリマーを含む、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記メンテナンス層組成物が、UV硬化ポリマー、ナイロン、エポキシ、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、及びそれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項31〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記メンテナンス層組成物がポリウレタンを含む、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記仕上げコーティングの破損点伸びが、約50%〜約250%である、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記表面がフロアである、請求項31〜36のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−512094(P2013−512094A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541197(P2012−541197)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/058026
【国際公開番号】WO2011/066404
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(398061050)ディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】