説明

表面処理粉体及び化粧料

【課題】柔らかい感触を有し、しっとり感・肌への付着力に優れた表面処理粉体、及びその表面処理粉体を配合したしっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料の提供。
【解決手段】粉体の表面を、分散媒中に分散させたシリコーンエラストマーにせん断力を加えることにより凝集塊を粉砕したシリコーンエラストマー粉砕物溶液で被覆処理して得られる表面処理粉体、及びそれを含有する化粧料、および表面処理粉体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散媒中に分散させたシリコーンエラストマーにせん断力に加えることによりシリコーンエラストマーの凝集塊を粉砕し、該粉砕物で粉体表面を覆うことで得られる、柔らかい感触を有し、しっとり感・肌への付着力に優れた表面処理粉体、及びその表面処理粉体を配合したしっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのシリコーンオイルを、粉体表面に被覆処理した後、加熱して架橋させる粉体表面処理技術は、一般に広く使われている技術である。このシリコーン表面処理は粉体に適度なすべり感やなめらかさ、撥水性を与える表面処理として知られており、処理量としては粉体100質量部に対して、0.1〜10質量部で効果を発揮することが知られている(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
一方、シリコーンを3次元に架橋したシリコーンエラストマーは柔らかい感触で弾力があるため、感触の向上やぼかし効果などの目的で剤型を問わずメイクアップ化粧料に広く用いられている。しかし、このシリコーンエラストマーは凝集しやすいため均一に配合するのが難しい。そのため、一般的には低粘度のシリコーン油などと混練した状態で配合されている。(特許文献4、5参照)
【0004】
これまでにシリコーンエラストマーを粉体に表面処理した事例としては、他の処理剤と共に少量用いられた例(特許文献6参照)や実際に表面処理剤として用いられた例がある(特許文献7、8参照)。しかし、いずれも処理方法に関しては特別な記載はなく、単に粉体と混合して被覆処理している。このように単純にシリコーンエラストマーを粉体表面に処理しても凝集塊ができてしまうため均一に処理できず、感触・機能面で優れたものができないし、シリコーンエラストマーを粉体表面に均一に処理しようとする試みは全く行われていない。
【0005】
【特許文献1】特公昭45−2915号公報
【特許文献2】特公昭49−1769号公報
【特許文献3】特開昭55−136213号公報
【特許文献4】特公平6−60286号公報
【特許文献5】特公平8−6035号公報
【特許文献6】特許第3707758号公報
【特許文献7】特公平6−99266号公報
【特許文献8】特開平10−251123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、シリコーンエラストマーを粉体表面に均一に被覆処理することで、柔らかい感触を有し、しっとり感に優れ、肌への付着力に優れた表面処理粉体、及びその表面処理粉体を配合したしっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記実情に鑑み、如何にしてシリコーンエラストマーを粉体表面に均一に処理するかを鋭意検討した結果、シリコーンエラストマーを粉砕してから粉体に表面処理することで解
決できることを見出した。分散媒中に分散させたシリコーンエラストマーにせん断力を加えることで凝集塊を粉砕でき、該粉砕物を粉体と混合して表面処理することで、均一な処理が可能となった。この表面処理粉体は、柔らかい感触を有し、しっとり感に優れ、肌への付着力に優れており、また、この表面処理粉体を化粧料に配合したところ、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、粉体100質量部を、分散媒中に分散させたシリコーンエラストマー0.1〜20質量部にせん断力を加えることにより凝集塊を粉砕したシリコーンエラストマー粉砕物溶液で被覆処理して得られる表面処理粉体にあり、さらに該表面処理粉体を含有する化粧料にある。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、弾力があり柔らかい感触を有し、しっとり感・肌への付着力に優れた表面処理粉体を作製することができ、その表面処理粉体を配合することで、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0011】
本発明は、まずシリコーンエラストマーを分散媒中に分散し、それにせん断力を加えて粉砕する。その粉砕物を粉体と混合して、粉体に表面処理した後、乾燥させ分散媒を留去することで目的の表面処理粉体を得る。
【0012】
本発明で用いるシリコーンエラストマーは、特に制限はないが、一般に架橋型オルガノポリシロキサンと呼ばれるものが好ましい。架橋型オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンを架橋重合させて得られる重合物であり、一部に三次元架橋構造を有し、RSiO単位及びRSiO1.5単位よりなり、RSiO0.5単位及び/又はSiO単位を含んでいてもよい。但し、各構成単位のRは水素原子、アルキル基、フェニル基、ビニル基などであり、同種又は異種であってもよい。また、その重合度や架橋度に関しても特に制限されることはないが、例えば、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーンなどを使用することができる。またその重合度や架橋度に関しても特に制限されることはないが、シリコーンパウダーとして市販されているような高架橋度且つ球状のものでなく、低架橋度で不定形状のものを用いるのが、粉体上に均一に塗膜を形成し易いことから好ましい。
【0013】
本発明で用いられる架橋型オルガノポリシロキサンは、市販されているものを使用することもできる。例えば、KSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−42、KSG−240、KSG−320などのKSGシリーズ(信越化学工業社製)、トレフィルE−506S、9040S.E.B、9045S.E.B、(東レ・ダウコーニング社製)、VELVESIL 125、VELVESIL DMなどのVELVESILシリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・ジャパン社製)などが挙げられる。
【0014】
本発明で用いる分散媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどの低級アルコール、フッソ系溶剤、トリクロロエチレン、ジクロロメタンなどの塩素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、イソパラフィンなどの石油系溶剤、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーンなどが挙げられるが、相溶性の良い環状シリ
コーンか、または低コストで入手が容易な低級アルコール、石油系溶剤が好ましい。
【0015】
本発明で用いる粉体の例としては、赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号などの色素、青色1号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキなどのレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末などの高分子、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青などの有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウムなどの体質顔料、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母チタンなどのパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムなどの金属塩、シリカ、アルミナなどの無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、ラウロイルリジン、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛などが挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)、大きさに特に制限はない。これら各種の粉体は、それぞれ単独で処理したものを混合しても、混合物としてまとめて処理しても構わない。また、混合物の色を肌色などに調色したものを処理することも可能である。さらに、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛などの紫外線散乱成分を使用することで紫外線防御機能を有する処理粉体とすることも可能である。
【0016】
本発明では、上記各種の粉体をそのまま本発明の処理に用いても、他の従来公知の表面処理を施した処理粉体を用いても構わない。他の表面処理としては、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などが挙げられる。また、本発明の表面処理を施した後で、配合する化粧料の剤型やその目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、前記各種の表面処理を施しても良い。
【0017】
本発明の処理粉体の製造方法は、まず、シリコーンエラストマーを粉砕する。その際、シリコーンエラストマーは分散媒と混合して分散された状態であり、これは調製したものでも市販されているものでも構わない。市販されているものでは、例えば信越化学工業社製のKSG−15[(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー約5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン約95質量%の混合物]や、KSG−320[PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー約25質量%、イソドデカン約75質量%の混合物]、KSG−42[(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー約25質量%、イソドデカン約75質量%の混合物]などをそのまま用いても良いし、また、それにさらに分散媒を加えても良い。
【0018】
粉砕の方法としては、シリコーンエラストマーの凝集を解くことができるせん断力がある方法がよく、この条件を満たせば特に制限されない。例えば容器にシリコーンエラストマーと分散媒、セラミックの球を適量入れ、上下に激しく震盪することができるペイントシェーカー(YS−LD、ヤヨイ社製)を用いたり、媒体ミルを用いることが好ましい。媒体ミルの例としては、ビーズミル、サンドミル、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)、ボールミル、マイクロス(奈良機械製作所社製)などが挙げられる。尚、マイクロスとは、ケーシングとその中で回転する主軸及び主軸回転により連動公転する副軸から構成されており、各副軸には僅かのギャップをもって多数のリング状粉砕媒体が取りつけられた装置であり、粉砕媒体の動きをもつリングは主軸の回転により、遠心力作用でケーシング内壁面に押し付けながら自転・公転することによって粉砕する装置であり、高粘性体が粉砕可能である。
【0019】
次いで上記粉砕物溶液を粉体に被覆処理する。被覆処理の方法としては、粉体100質量部を、分散媒中に分散させたシリコーンエラストマー0.1〜20質量部にせん断力を加えることにより凝集塊を粉砕したシリコーンエラストマー粉砕物溶液とのスラリーを形成させた後、分散媒を留去する湿式被覆処理を用いる。該スラリーを50〜180℃で加熱することで、分散媒を留去し、目的の表面処理粉体を得る。尚、シリコーンエラストマーの使用割合が、0.1質量部未満であると、本発明の効果が十分に得られず、また20質量部を超えて用いると、肌への付着性や感触において優れたものが得られない。
【0020】
上記の方法により得られる表面処理粉体は、シリコーンエラストマー特有の弾力を有しており、しっとり感、肌への付着性・親和性に優れ、さらに緩い凝集体となって得られるため、感触が一段と向上し、かつ化粧料処方中での均一分散性にも優れたものである。また、これを配合した化粧料はしっとりとした感触を有し、肌への付着性・親和性、化粧膜の均一性、保湿効果、化粧もち改善効果に優れたものであった。
【0021】
本発明の化粧料における表面処理粉体の含有量は、化粧料の剤型によって異なるが、化粧料の総量を基準として、0.5〜99質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜95質量%である。
【0022】
本発明の表面処理粉体は、化粧料の剤型などによっては、さらに従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などによって表面処理することもできる。
【0023】
本発明の表面処理粉体を用いた化粧料には、本表面処理粉体以外に、通常化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(有機系、無機系を含み、UV−A、Bのいずれに対応していても構わない)、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤などの成分を使用することができる。
【0024】
上記の油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤、並びに樹脂などが挙げられ、常温で液体、ペースト、固体のいずれであっても構わない。油剤の例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸などの脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチルなどのエステル類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、スクワランなどの炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックスなどのロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油などの油脂、ポリエチレンワックス、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレンポリマーなどが挙げられる。
【0025】
また、別の形態の油剤の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オ
ルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴムなどのシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコールなどのフッ素化合物が挙げられる。
【0026】
粉体の例としては、前記の粉体とその一般的な表面処理物が挙げられる。
【0027】
溶媒の例としては、精製水、環状シリコーン、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロンなどが挙げられる。
【0028】
界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤などを用いることができる。
【0029】
粘剤、樹脂の例としては、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガムなどのカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックスなどが挙げられる。
【0030】
本発明における化粧料とは、粉体を構成成分として含有する化粧料を指し、例えばファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、口紅、ネイルカラーなどのメイクアップ化粧料や、ボディパウダーやベビーパウダーのようなボディ用化粧料などが挙げられる。
【実施例】
【0031】
表面処理粉体の感触評価
専門パネラーを各評価項目ごとに10名ずつ用意し(但し、項目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど項目における評価が高いことを示す。(満点:50点)
【0032】
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
基 準 点 数
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
感触がとても優れている 5
感触が優れている 4
感触がやや優れている 3
感触がやや低い 2
感触が低い 1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0033】
化粧料の皮膚有用性評価
専門パネラーを各評価項目ごとに10名ずつ用意し(但し、項目によりパネラーが重複する場合もある)、表2に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す。(満点:50点)
【0034】
[表2]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
基 準 点 数
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
効果が高く感じられる 5
効果が感じられる 4
効果はやや感じられる 3
効果はわずかしか感じられない 2
効果が感じられない 1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0035】
以下、実施例、及び比較例に基づいて本発明を詳明する。実施例及び比較例の表面処理粉体、化粧料の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0036】
製造実施例1(処理粉体1)
(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー約5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン約95質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−15、不定形状)70質量部にイソプロピルアルコール100質量部を分散媒として加え、ペイントシェーカー(YS−LD、ヤヨイ社製)にて粉砕混合(ストローク数150回/分、1時間)し、粉砕溶液を得た。次いで酸化チタン90質量部を粉砕溶液に加えてスラリー化し、その後80℃で4時間加熱した後140℃で4時間加熱してデカメチルシクロペンタシロキサン、イソプロピルアルコールを留去し、処理粉体1を得た。
【0037】
製造実施例2(処理粉体2)
(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー(東レ・ダウコーニング社製、トレフィルE506S、球状)10質量部をデカメチルシクロペンタシロキサン40質量部に分散させ、更にイソプロピルアルコール100質量部を分散媒として加え、マイクロス(奈良機械製作所社製)にて粉砕混合(2000rpm、30分)し、粉砕溶液を得た。次いでセリサイト90質量部を粉砕溶液に加えてスラリー化した。その後減圧乾燥にてデカメチルシクロペンタシロキサン、イソプロピルアルコールを留去し、次いで180℃で8時間加熱し、処理粉体2を得た。
【0038】
製造実施例3(処理粉体3)
(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー約5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン約95質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−15、不定形状)100質量部にイソプロピルアルコール25質量部を分散媒として加え、ペイントシェーカー(YS−LD、ヤヨイ社製)にて粉砕混合(ストローク数150回/分、1時間)し、粉砕溶液を得た。次いでシリカ被覆雲母チタン50質量部を粉砕溶液に加えてスラリー化し、その後80℃で4時間加熱した後140℃で4時間加熱してデカメチルシクロペンタシロキサン、イソプロピルアルコールを留去し、処理粉体3を得た。(図1参照)
【0039】
製造実施例4(処理粉体4)
(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー約5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン約95質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−15、不定形状)70質量部にイソプロピルアルコール70質量部を分散媒として加え、マイクロス(奈良機械製
作所社製)にて粉砕混合(2000rpm、30分)し、粉砕溶液を得た。次いで混合粉体1(ベンガラ1.0質量%、黄酸化鉄3.0質量%、黒酸化鉄0.4質量%、酸化チタン15質量%、マイカ20.0質量%、セリサイト20.0質量%、タルク36.6質量%の割合でミキサー混合したもの)90質量部を粉砕溶液に加えてスラリー化した。その後80℃で4時間加熱した後140℃で4時間加熱してデカメチルシクロペンタシロキサン、イソプロピルアルコールを留去し、処理粉体4を得た。
【0040】
製造実施例5(処理粉体5)
PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー約25質量%、イソドデカン約75質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−320、不定形状)30質量部にイソプロピルアルコール70質量部を分散媒として加え、ペイントシェーカー(YS−LD、ヤヨイ社製)にて粉砕混合(ストローク数150回/分、1時間)し、粉砕溶液を得た。次いで混合粉体2(ベンガラ1.4質量%、黄酸化鉄10.0質量%、黒酸化鉄0.6質量%、酸化チタン50質量%、微粒子酸化チタン5質量%、マイカ18.0質量%、球状ナイロン粒子15質量%の割合でミキサー混合したもの)90質量部を粉砕溶液に加えてスラリー化した。その後減圧乾燥にてイソドデカン、イソプロピルアルコールを留去し、次いで140℃で8時間加熱し、処理粉体5を得た。
【0041】
製造比較例1(処理粉体6)
(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー約5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン約95質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−15、不定形状)70質量部にイソプロピルアルコール100質量部を分散媒として加えて、T.K.ホモディスパー(プライミクス社製)にて分散混合(4000rpm、30分)し、分散溶液を得た。次いで酸化チタン90質量部を分散溶液に加えてスラリー化した。その後80℃で4時間加熱した後140℃で4時間加熱してデカメチルシクロペンタシロキサン、イソプロピルアルコールを留去し、処理粉体6を得た。
【0042】
製造比較例2(処理粉体7)
(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー約5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン約95質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−15、不定形状)100質量部にイソプロピルアルコール25質量部を分散媒として加えて、T.K.ホモディスパー(プライミクス社製)を用いて分散混合(4000rpm、30分)し、分散溶液を得た。次いでシリカ被覆雲母チタン50質量部を分散溶液に加えてスラリー化した。その後80℃で4時間加熱した後140℃で4時間加熱してデカメチルシクロペンタシロキサン、イソプロピルアルコールを留去し、処理粉体7を得た。(図2参照)
【0043】
製造比較例3(処理粉体8)
(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマー約5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン約95質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−15、不定形状)70質量部にイソプロピルアルコール70質量部を分散媒として加えて、T.K.ホモディスパー(プライミクス社製)を用いて分散混合(4000rpm、30分)し、分散溶液を得た。次いで混合粉体1(ベンガラ1.0質量%、黄酸化鉄3.0質量%、黒酸化鉄0.4質量%、酸化チタン15質量%、マイカ20.0質量%、セリサイト20.0質量%、タルク36.6質量%の割合でミキサー混合したもの)90質量部を分散溶液に加えてスラリー化した。その後80℃で4時間加熱した後140℃で4時間加熱してデカメチルシクロペンタシロキサン、イソプロピルアルコールを留去し、処理粉体8を得た。
【0044】
製造比較例4(処理粉体9)
PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー約25質量%、イソドデカン約75質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−320、不定形状)30質量部にイソプロピ
ルアルコール70質量部を分散媒として加えて、T.K.ホモディスパー(プライミクス社製)を用いて分散混合(4000rpm、30分)し、分散溶液を得た。次いで混合粉体2(ベンガラ1.4質量%、黄酸化鉄10.0質量%、黒酸化鉄0.6質量%、酸化チタン50質量%、微粒子酸化チタン5質量%、マイカ18.0質量%、球状ナイロン粒子15質量%の割合でミキサー混合したもの)90質量部を分散溶液に加えてスラリー化した。その後減圧乾燥にてイソドデカン、イソプロピルアルコールを留去し、次いで140℃で8時間加熱し、処理粉体9を得た。
【0045】
製造比較例5(処理粉体10)
PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー約25質量%、イソドデカン約75質量%の混合物(信越化学工業社製、KSG−320、不定形状)100質量部にイソプロピルアルコール20質量部を分散媒として加え、ペイントシェーカー(YS−LD、ヤヨイ社製)にて粉砕混合(ストローク数150回/分、1時間)し、粉砕溶液を得た。次いで酸化チタン90質量部を粉砕溶液に加えてスラリー化した。その後100℃で12時間乾燥してイソドデカン、イソプロピルアルコールを留去し、処理粉体10を得た。
【0046】
実施例1、比較例1
表3に示す処方と下記製造方法に従い、パウダーファンデーションを作製した。尚、処理粉体としては製造実施例4(処理粉体4)、製造比較例3(処理粉体8)で製造した処理粉体を用いた。
【0047】
[表3]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成分名 配合量(質量%)
−−−−−−−−−−−
実施例1 比較例1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成分A
(1)処理粉体4 90 −
(2)処理粉体8 − 90
成分B
(3)ジメチルポリシロキサン(6cs,25℃) 4 4
(4)流動パラフィン 3 3
(5)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2 2
(6)ジカプリル酸プロピレングリコール 1 1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0048】
製造方法
均一に混合・溶解した成分Bを成分Aに加えて混合した。得られた粉末をアトマイザーにて粉砕し、メッシュを通した後、金型を用いて金皿に打型して製品を得た。
【0049】
実施例2、比較例2
表4に示す処方と下記製造方法に従い、油性スティックファンデーションを作製した。尚、処理粉体としては製造実施例5(処理粉体5)、製造比較例4(処理粉体9)で製造した処理粉体を用いた。
【0050】
[表4]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成分名 配合量(質量%)
−−−−−−−−−−−−
実施例2 比較例2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
成分A
(1)処理粉体5 50 −
(2)処理粉体9 − 50
成分B
(3)パラフィン 4 4
(4)キャンデリラロウ 2 2
(5)セレシン 2 2
(6)マイクロクリスタリンワックス 2 2
(7)流動パラフィン 5 5
(8)メチルフェニルポリシロキサン 15 15
(FZ−209,東レ・ダウコーニング社製)
(9)トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 5 5
(9)イソステアリン酸イソプロピル 15 15
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0051】
製造方法
成分Bを90℃で溶解し、そこに成分Aを加えて混合した。ローラーを用いてさらに混合後、再溶解、脱気を行い、金型に充填し、冷却後に取り出して容器に設置し製品を得た。
【0052】
上記の各製造実施例及び製造比較例で得られた表面処理粉体、並びに実施例及び比較例の化粧料の評価結果をそれぞれ表5〜7に示す。
【0053】
[表5]
(表面処理粉体の評価結果)
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評価項目
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しっとり感 柔らかさ 肌への付着力
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
製造実施例1 42 47 46
製造実施例2 38 39 43
製造実施例3 45 43 44
製造比較例1 32 27 29
製造比較例2 32 26 26
製造比較例5 37 15 18
【0054】
[表6]
(パウダーファンデーションの評価結果)
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評価項目
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
化粧 感触の しっとり とれの
もち なめらかさ 感 良さ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 42 49 46 39
比較例1 25 24 28 39
【0055】
[表7]
(油性スティックファンデーションの評価結果)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
評価項目
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
化粧 感触の しっとり 仕上がりの
もち なめらかさ 感 均一感
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例2 43 43 47 42
比較例2 33 28 34 25
【0056】
表5の結果より、本発明の製造実施例はいずれの項目においても各製造比較例よりも高い効果を持っていることが示された。製造実施例1〜3は、本発明を用いた表面処理粉体に関するものであり、各評価項目に関して高い評価を得た。製造実施例1の(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマーは不定形状のものであり、製造実施例2の(ジメチコン/ビニルメチコン)クロスポリマーは球状のものであるが、不定形状のものがより評価が高かった。
一方、製造比較例1〜2は粉砕工程を行わなずに表面処理した例であり、各項目に関して実施例よりも低い結果となった。これは処理剤である架橋型メチルポリシロキサンが均一に処理できていないためである。製造実施例3の処理粉体のSEM写真である図1と比較例2の処理粉体のSEM写真である図2とを比較すると、明らかに図1の方が粉体上に均一に処理されているのが分かる。これは処理剤が細かく粉砕され、凝集が解けて薄い膜状となって粉体上に付着するためである。反対に図2は凝集塊のまま粉体に付着するため、もっとも付着しやすいエッジ部分に多く付着し、その結果、粉体と粉体の境界部にも多く付着して粉体同士の凝集を引き起こしてしまう。製造比較例5はシリコーンエラストマーの量を粉体100質量部に対して27.8質量部と多くしたものであり、粉体同士の凝集が進み、柔らかさや付着力の項目で低い評価となった。
【0057】
表6及び表7の結果においても、本発明の各実施例は比較例と比べて高い効果を示していることがわかった。実施例1は本発明の処理粉体を用いたパウダーファンデーションに関するものであり、各評価項目に関して高い評価を得た。これに対して、比較例1は粉砕工程を行っていない例であり、均一に表面処理できていないことから化粧もちや滑らかさに劣る結果となった。実施例2は本発明の処理粉体を用いた油性スティックファンデーションに関するものであり、各評価項目に関して高い評価を得た。これに対して、比較例3は粉砕工程を行っていない例であり、均一に表面処理できていないことから化粧もちや滑らかさに劣り、仕上がりの均一感が得られなかった。
【0058】
以下に示す処方の化粧料を調製し、上記の評価を行った。尚、以下の実施例にてシリコーンで被覆処理した粉体とは、メチルハイドロジェンポリシロキサン(KF-9901、信越化学工業社製)にて被覆焼き付け処理を行った粉体を意味する。
【0059】
実施例3:パウダーファンデーション
(成分) (質量%)
・シリコーン処理(2%)ベンガラ 1.0
・シリコーン処理(2%)黄酸化鉄 2.0
・シリコーン処理(2%)黒酸化鉄 0.5
・処理粉体1 20.0
・シリコーン処理(2%)タルク 25.0
・シリコーン処理(2%)マイカ 残 量
・シリコーン処理(2%)合成金雲母 10.0
・シリコーンエラストマー(*1) 2.0
・シリコーンパウダー(*2) 2.0
・メチルパラベン 0.1
・デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
・ワセリン 1.0
・ジメチルポリシロキサン(20cs,25℃) 4.0
・ミリスチン酸イソセチル 3.0
・パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 2.0
・ディオスコレアコンポジタエキス(*3) 0.1
・N―アセチルグルコサミン(*4) 0.1
・豆乳発酵液(*5) 0.1
・オレンジ果汁(*6) 0.01
・酵母エキス(*7) 0.01
・海藻エキス(*8) 0.01
・チョウジエキス(*9) 0.01
・クチナシエキス(*10) 0.01
・チンピエキス(*11) 0.01
*1;トレフィルE−508(東レ・ダウコーニング社製)
*2;KSP−300(信越化学工業社製)
*2;オウバク抽出液J(丸善製薬社製)
*3;ディオスコレアコンポジタ根エキス(三井化学社製)
*4;マリンスウィートF(焼津水産社製)
*5;豆乳発酵液(三省製薬社製)
*6;ホモフルーツ(オレンジ)N(香栄興業社製)
*7;ディスムチンBTJ(ペンタファーム社製)
*8;マリンパージ(一丸ファルコス社製)
*9;チョウジ抽出液(丸善製薬社製)
*10;サンシン抽出液BG(丸善製薬社製)
*11;チンピ抽出液BG40(丸善製薬社製)
【0060】
(製造方法)
油性成分を加熱混合し、事前に混合した粉体成分の上から油性成分および予め混合した水性成分をゆっくりと加え、さらに攪拌した後、60メッシュを通し、金型を用いて金皿に打型して製品を得た。
実施例3のパウダーファンデーションは、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料である。
【0061】
実施例4:固形白粉
(成分) (質量%)
・シリコーン処理(2%)ベンガラ 0.3
・シリコーン処理(2%)黄酸化鉄 0.5
・シリコーン処理(2%)黒酸化鉄 0.05
・処理粉体1 3.0
・シリコーン処理(2%)タルク 20.0
・シリコーン処理(2%)合成金雲母 20.0
・処理粉体2 10.0
・シリコーン処理(2%)マイカ 残 量
・架橋ポリアクリル酸アルキル(*12) 5.0
・メチルパラベン 0.1
・デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
・ワセリン 1.0
・乳酸オクチルドデシル 2.0
・トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
・イソノナン酸イソノニル 2.0
・ローズ水(*13) 0.1
・ローズヒップ油(*14) 0.1
・トリポリヒドロキシステアリン酸
ジペンタエリスリチル(*15) 0.1
・ローヤルゼリーエキス(*16) 0.1
・2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体液(*17) 0.1
・加水分解コンキオリン液(*18) 0.01
・オリーブ葉エキス(*19) 0.1
・オトギリソウエキス(*20) 0.1
・ユズエキス(*21) 0.1
・アボガドエキス(*22) 0.1
・チャ実エキス(*23) 0.01
・ツバキエキス(*24) 0.01
*12;マツモトマイクロスフェアーS−102(松本油脂製薬社製)
*13;バラ抽出液(香栄興業社製)
*14;ローズヒップ油(日光ケミカル社製)
*15;サラコスWO−6(日清オイリオ社製)
*16;ローヤルゼリー抽出液BG(アピ社製)
*17;LIPIDURE PMB(日本油脂社製)
*18;真珠たん白抽出液K(丸善製薬社製)
*19;オリーブ葉抽出液BG(丸善製薬社製)
*20;ファルコレックスオトギリソウB(一丸ファルコス社製)
*21;ユズ抽出液(丸善製薬社製)
*22;ファルコレックス アボガドB(一丸ファルコス社製)
*23;茶の実抽出物(丸善製薬社製)
*24;ツバキ種子抽出物(丸善製薬社製)
【0062】
(製造方法)
油性成分を加熱混合し、事前に混合した粉体成分の上から油性成分および予め混合した水性成分をゆっくりと加え、さらに攪拌した後、60メッシュを通し、金型を用いて金皿に打型して製品を得た。
実施例4の固形白粉は、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料である。
【0063】
実施例5:粉白粉
(成分) (質量%)
・シリコーン処理(2%)ベンガラ 0.3
・シリコーン処理(2%)黄酸化鉄 0.5
・シリコーン処理(2%)黒酸化鉄 0.05
・処理粉体1 3.0
・シリコーン処理(2%)タルク 60.0
・シリコーン処理(2%)マイカ 残 量
・メチルパラベン 0.1
・デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
・流動パラフィン 3.0
・L−プロリン(*25) 0.01
・L−アラニン(*26) 0.01
・シルク抽出液(*27) 0.1
・酵母エキス(*28) 0.1
・セイヨウニワトコエキス(*29) 0.1
・カンゾウ抽出末(*30) 0.1
・コムギ胚芽エキス(*31) 0.1
・ヨクイニンエキス(*32) 0.1
・ユキノシタエキス(*33) 0.1
*25;L−プロリン(味の素社製)
*26;L−アラニン(味の素社製)
*27;シルクプロテインエキス(一丸ファルコス社製)
*28;TONISKIN(Silab社製)
*29;ニワトコ抽出液BG90(丸善製薬社製)
*30;カンゾウ抽出液(丸善製薬社製)
*31;クラリスキン(Silab社製)
*32;ヨクイニン抽出液BG−S(丸善製薬社製)
*33;ユキノシタエキス(一丸ファルコス社製)
【0064】
(製造方法)
粉体成分を混合した後、油性成分および予め混合した水性成分をゆっくりと加え、さらに攪拌した後、60メッシュを通し、専用容器に充填し製品を得た。
実施例5の粉白粉は、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料である。
【0065】
実施例6:口紅
(成分) (質量%)
・パラフィン 5.0
・セレシン 6.0
・合成炭化水素ワックス 3.0
・ジカプリン酸プロピレングリコール 5.0
・イソノナン酸イソトリデシル 5.0
・オクチルドデカノール 5.0
・ジプロピレングリコール 0.1
・ヒドロキシステアリン酸オクチル 残 量
・トリイソステアリン酸ジグリセリル(*34) 30.0
・パーフルオロアルキル・ポリアクリルシロキシケイ酸 10.0
・赤色202号 0.3
・黄色4号アルミニウムレーキ 0.5
・処理粉体3 5.0
・板状硫酸バリウム 1.0
・酸化チタン 2.0
・酸化鉄被覆雲母チタン(*35) 2.0
・酸化チタン被覆ガラスフレーク(*36) 2.0
*34;コスモール43N(日清オイリオグループ社製)
*35;クロイゾネゴールデンブロンズ(BASF社製)
*36;メタシャインMC1080KR(日本板硝子社製)
【0066】
(製造方法)
油性成分を90℃にて溶解後、粉体成分を混合し、ローラーを用いてさらに混合し・粉
砕を行った後、再溶解、脱気を行い、金型に充填し、冷却後とり出して容器に設置し製品を得た。
実施例6の口紅は、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料である。
【0067】
実施例7:油性固形状ファンデーション
(成分) (質量%)
・ポリエチレンワックス 4.0
・パラフィン 4.0
・イソノナン酸イソノニル 5.0
・ジメチルポリシロキサン(*37) 10.0
・メチルフェニルポリシロキサン(*38) 10.0
・トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 10.0
・ベンガラ 1.0
・黄酸化鉄 3.5
・黒酸化鉄 0.3
・処理粉体1 20.0
・硫酸バリウム 15.0
・タルク 5.2
・ポリメチルシルセスキオキサン(*39) 5.0
・セルロースパウダー(*40) 5.0
・シリコーンパウダー(*41) 2.0
*37;KF−96A(6cs)(信越化学工業社製)
*38;FZ−209(東レ・ダウコーニング社製)
*39;トスパール145A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*40;CELLULOBEADS D−5(大東化成工業社製)
*41;KSP−300(信越化学工業社製)
【0068】
製造方法
油性成分を加熱混合し、均一に溶解した。これに粉体成分を加え、均一になるよう混練した。その後、再溶解、脱気を行い、専用容器に充填し製品を得た。
実施例7の油性固形状ファンデーションは、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料であった。
【0069】
実施例8:スティック状コンシーラー
(成分) (質量%)
・合成炭化水素ワックス 4.0
・パラフィン 3.0
・セレシン 2.0
・ポリエチレンワックス 1.0
・α−オレフィンオリゴマー(*42) 10.0
・ポリヒドロキシステアリン酸オクチル 15.0
・ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット(*43) 5.0
・ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル 5.0
・イソステアリン酸イソプロピル 9.0
・ベンガラ 1.2
・黄酸化鉄 4.5
・黒酸化鉄 0.6
・処理粉体1 25.0
・処理粉体2 10.0
・硫酸バリウム 3.7
・セルロースパウダー(*44) 1.0
*42;ノムコートHPD−C(日清オイリオグループ社製)
*43;コスモール168M(日清オイリオグループ社製)
*44;CELLULOBEADS D−5(大東化成工業社製)
【0070】
(製造方法)
油性成分を溶解後、粉体成分を混合し、ローラーを用いてさらに混合した後、再溶解、脱気を行い、金型に充填し、冷却後とり出して容器に設置し製品を得た。
実施例8のスティック状コンシーラーは、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料であった。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の、粉砕された架橋型オルガノポリシロキサンなどのシリコーンエラストマーで表面処理された、柔らかい感触を有し、しっとり感に優れ、肌への付着力に優れた表面処理粉体を用いることで、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】製造実施例3の処理粉体のSEM写真
【図2】製造比較例2の処理粉体のSEM写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体100質量部を、分散媒中に分散させたシリコーンエラストマー0.1〜20質量部にせん断力を加えることにより凝集塊を粉砕したシリコーンエラストマー粉砕物溶液で被覆処理して得られる表面処理粉体。
【請求項2】
シリコーンエラストマーが架橋型オルガノポリシロキサンである請求項1に記載の表面処理粉体。
【請求項3】
架橋型オルガノポリシロキサンが不定形状であることを特徴とする請求項2に記載の表面処理粉体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理粉体を含有する化粧料。
【請求項5】
粉体100質量部を、分散媒中に分散させたシリコーンエラストマー0.1〜20質量部にせん断力を加えることにより凝集塊を粉砕したシリコーンエラストマー粉砕物溶液で被覆処理する工程を有する表面処理粉体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−163375(P2010−163375A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5256(P2009−5256)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】