説明

表面分析方法及び表面分析装置

【課題】 表面分析方法及び表面分析装置に関し、補正用の荷電粒子に起因する熱的ダメージを緩和させて本来の試料の素性を反映する分析結果を得る。
【解決手段】 絶縁性或いは半導電性の試料1に一次エネルギー粒子2を照射するとともに、一次エネルギー粒子2の照射或いは二次荷電粒子3の発生に伴う試料1の帯電を、帯電の極性と反対の極性の荷電粒子を照射して補正する際に、試料1が所定温度以下になるように補正用の荷電粒子4の量、エネルギー、或いは、収束度の少なくとも一つを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面分析方法及び表面分析装置に関するものであり、特に、イオンビーム、電子ビーム、或いは、X線等の一次エネルギー粒子及び発生する二次荷電粒子に起因する試料帯電を補正するための逆極性荷電粒子の照射による試料の熱ダメージを緩和するための構成に特徴のある表面分析方法及び表面分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より固体試料の表面組成等を分析するために二次イオン質量分析法、オージェ電子分光法、或いは、X線光電子分光法等の各種の表面分析方法が用いられている。
【0003】
この様な表面分析方法においては、イオンビーム、電子ビーム、或いは、X線等の一次エネルギー粒子を試料の表面に照射し、表面から飛び出した二次イオン或いは電子を測定することによって試料の表面組成を求めている。
【0004】
この時、試料が絶縁物、半絶縁物或いは半導体であると、照射荷電粒子或いは発生した二次荷電粒子によって試料が帯電するため、この様な試料帯電の補正法として分析に用いるビームとは別に電子或いはイオンを試料表面に照射するという手法が一般にとられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、図7を参照して従来の二次イオン質量分析(SIMS)法を説明する。
図7参照
例えば、シリコン基板41上にSiO2 膜42を形成したのち、窒素雰囲気で熱処理を行いNをSiO2 /Si界面に分布させたものを試料40として用い、この試料40にCs+ イオンを一次イオン43として照射し、表面から発生する表面組成を反映したN,O,Si等の二次イオン44を質量分析器で分析する。
【0006】
この時、上述のように、試料40の帯電により測定が困難になることを防止するために、一次イオン43による正帯電を補償するために電子ビーム45を試料40に照射している。
【特許文献1】特開2000−206062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の方法は、試料表面に溜まった電荷を中和する方法として優れた方法であるが、帯電補正に用いた電子あるいはイオン照射が試料に熱的ダメージを与えるという問題がある。
【0008】
即ち、この熱的ダメージによって試料表面の元素分布や結合状態などは変化を受け、分析結果が本来の試料の素性を反映しない場合がしばしばあるので、この事情を図7を参照して説明する。
【0009】
図8参照
図8は、上述のSIMS分析結果を示すプロファイルであり、SiとOとの強度がクロスするSiO2 /Si界面近傍にNの二次イオンが検出される。
【0010】
しかし、このNの強度ピークは理論的に予見される左右対称なガウス分布に対して左側、即ち、表面側に「肩(非対称なこぶ)」が見られ、この「肩」は、分析中に電子照射による熱で窒素が表面方向に拡散したためと考えられる。
【0011】
したがって、本発明は、補正用の荷電粒子に起因する熱的ダメージを緩和させて本来の試料の素性を反映する分析結果を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記課題を解決するために、本発明は、二次荷電粒子3を分析する表面分析法において、絶縁性或いは半導電性の試料1に一次エネルギー粒子2を照射するとともに、一次エネルギー粒子2の照射或いは二次荷電粒子3の発生に伴う試料1の帯電を、帯電の極性と反対の極性の荷電粒子を照射して補正する際に、試料1が所定温度以下になるように補正用の荷電粒子4の量、エネルギー、或いは、収束度の少なくとも一つを制御することを特徴とする。
【0013】
試料表面の熱的ダメージは、照射する電子あるいはイオン等の補正用の荷電粒子4の量、エネルギー、或いは、収束度に依存するので、試料表面の温度をモニターし、そのモニター温度が予め決定した所定温度以下になるように制御することによって、熱的ダメージを緩和させて本来の試料1の素性を反映する分析結果を得ることができる。
なお、半導電性とは、半絶縁性或いは半導体を意味する。
【0014】
この場合の所定温度は、予め用意した標準試料における分析プロファイルが適正に得られる上限温度以下とすれば良く、所定温度が上限温度より低ければ不所望な拡散等の発生が実効上問題がない程度に低減される。
【0015】
この様な表面分析方法としては、二次イオン質量分析法、オージェ電子分光法、或いは、X線光電子分光法が典型的なものである。
【0016】
この場合、試料1が所定の温度以下になるようにするためには、荷電粒子銃の引き出しレンズに掛ける電圧或いは収束レンズに流す電流の少なくとも一方を制御すれば良い。
【0017】
なお、荷電粒子銃が電子銃である場合には、電子の量、エネルギー、或いは、収束度を精度良く制御するために、電子銃のフィラメントに流す電流量を一定とすることが望ましい。
【0018】
また、試料1の温度を測定する際には、局所的な温度を測定することのできる温度測定法であればなんでも良いが、現在の実用上の精度要求を満たすものとしては、レーザ光の反射強度の温度依存性を利用したピコ秒サーモリフレクタンス法を用いれば良い。
【0019】
また、上述の補正用の荷電粒子4による熱ダメージを緩和するためには、一次エネルギー粒子照射手段、二次荷電粒子検出手段、補正用の荷電粒子照射手段を少なくとも備えた表面分析装置に、試料温度測定手段5、試料温度測定手段5の出力に応じて荷電粒子照射手段を構成する荷電粒子銃の引き出しレンズに掛ける電圧或いは収束レンズに流す電流の少なくとも一方を制御する荷電粒子制御手段を備えれば良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、一次エネルギー粒子照射位置における局所的な試料温度をモニターして補正用の荷電粒子の照射条件を制御しているので、熱的ダメージを緩和させ、本来の試料の素性を反映する分析結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、試料に一次エネルギー粒子を照射するとともに、一次エネルギー粒子の照射或いは二次荷電粒子の発生に伴う試料の帯電を、帯電の極性と反対の極性の荷電粒子を照射して補正する際に、試料表面の温度をモニターし、そのモニター温度に合わせて電子銃あるいはイオン銃の引き出しレンズに掛ける電圧あるいは収束レンズに流す電流を制御することによって、分析中の試料表面の温度を所望の温度に保ち、熱的ダメージを緩和させ、本来の試料の素性を反映する分析結果が得られるようにするものである。
【実施例1】
【0022】
ここで、図2乃至図5を参照して、本発明の実施例1の二次イオン質量分析法を説明する。
図2参照
図2は、本発明の実施例1の二次イオン質量分析法に用いる二次イオン質量分析装置の説明図であり、二次イオン測定部10と試料温度測定部20によって構成される。
【0023】
二次イオン測定部10は、試料12を載置するステージ11、試料12にCs+ 等の一次イオン14を照射する一次イオン銃13、試料12から発生する二次イオン15を捕獲分析する質量分析器16、一次イオン14の照射量と二次イオン15の発生量の差による試料帯電を補正するための帯電補正用電子線18を照射する電子銃17によって基本的構成が構成される。
【0024】
なお、これらの一次イオン銃13或いは電子銃17は、イオン或いは電子を引き出す引き出しレンズ及び引き出したイオン或いは電子を収束する収束レンズを備えている。
なお、ここでは、帯電補正用電子線18の照射条件を制御しやすくするために、電子銃17のフィラメントに一定の電流を流しておく。
【0025】
また、試料温度測定部20は、PC制御部21、検出用レーザ22、加熱用レーザ23、加熱用レーザ23を駆動制御するファンクションジェネレータ24、検出用レーザ22及び加熱用レーザ23からの反射出力を検出する光検出器25、光検出器25からの出力及びPC制御部21からの制御信号に基づいてファンクションジェネレータ24を制御するロックインアンプ26からなるピコ秒サーモリフレクタンス測定装置によって構成する。
なお、符号27,28はハーフミラーである。
【0026】
このピコ秒サーモリフレクタンス測定装置は、加熱用レーザ23によりピコ秒のパルスレーザ光を試料12に照射し、照射に伴う試料12の温度変化を検出用レーザ22からのレーザ光29の反射強度の温度依存性を利用して検出するものである。
【0027】
ここでは、現在局所的な温度変化の測定可能な市販装置としてピコ秒サーモリフレクタンス測定装置を用いているものであり、基本的には検出用レーザ22からのレーザ光29の反射強度の温度依存性を利用して試料12の温度を測定するだけであるので、加熱用レーザ23等は使用しない。
【0028】
次に、図3及び図4を参照して、本発明の実施例1の二次イオン質量分析法における帯電補正用電子線制御方法を説明する。
図3参照
図3は、本発明の実施例1の二次イオン質量分析法における上限試料温度決定方法を示すフロー図であり、まず、標準試料を用意し、この標準試料に対する帯電補正用電子銃の初期条件を適宜設定する。
【0029】
次いで、通常のSIMS測定を開始すると同時に設定した初期条件に基づいて帯電補正用電子線を照射し、試料表面の照射箇所の温度を試料温度測定部20により測定する。
なお、この場合の標準試料とは、別途作成した試料でも良いし、或いは、分析用ウェハから切り出したチップの一つを用いても良いものである。
【0030】
次いで、測定したSIMSプロファイルが、理論的に予見されるプロファイルに対して許容の範囲内か否かを判定し、良好である場合には分析に必要な強度が得られるまで測定を続け、必要な強度が得られた時点でSIMS測定を終了するとともに、測定した試料温度を記憶しておく。
【0031】
一方、測定したSIMSプロファイルが、理論的に予見されるプロファイルに対して許容の範囲内か否かを判定し、不良である場合には分析を終了して、帯電補正用電子銃に対する引き出しレンズに印加する電圧及び収束レンズに流す電流を変えて新たなSIMS測定を開始し、良好なSIMSプロファイルが得られるまで条件変更を行い、良好なSIMSプロファイルが得られる上限温度を取得する。
【0032】
図4参照
図4は、本発明の実施例1の二次イオン質量分析法における帯電補正用電子線制御方法を示すフロー図であり、帯電補正用電子銃による照射条件を図3のフローから得られた上限温度以下になるように設定する。
次いで、通常のSIMS測定を開始すると同時に設定した照射条件に基づいて帯電補正用電子線を照射する。
【0033】
次いで、試料表面の照射箇所の温度を試料温度測定部20により測定し、測定温度が予め設定した上限温度を越えた場合には、帯電補正用電子銃の引き出しレンズに印加する電圧及び収束レンズに流す電流を基板温度が低下する方向に変化させて基板温度が予め設定した上限温度以下になるようにフィードバック制御する。
【0034】
例えば、レンズに印加する電圧を低くして加速エネルギーを小さくしても良いし、或いは、収束レンズに流す電流を少なくして帯電補正用電子線をデフォーカスして局所的加熱を低減するようにする。
【0035】
図5参照
図5は、本発明の実施例1によるSIMSプロファイルであり、図8に示したSIMSプロファイルを取得した試料と同じウェハから切り出した試料に対して試料表面の温度を制御しながらSIMS測定を行った結果を示している。
因に、このSIMS分析においては、Cs+ イオンを照射した場合に、測定温度が150℃を越えないように照射する電子線のフォーカスを制御したものである。
【0036】
図8との対比から明らかなように、Nの強度曲線における左側の「肩」が消失し、ほぼ左右対称なSIMSプロファイルが得られているのかわかる。
これは、本発明の実施例1においては、電子線の照射量、加速エネルギー、或いは、収束度を熱ダメージが発生しない範囲で制御しているので、熱によるN原子の拡散が生じないためと考えられる。
【0037】
本発明の実施例1においては、電子線の照射量、加速エネルギー、或いは、収束度を熱ダメージが発生しない範囲で制御しているので本来の試料の素性を反映する分析結果を得ることができる。
なお、試料温度の上限を決定する際のSIMSプロファイルが適正か否かの判断は長年の経験に基づいてある程度主観的に行うものであるが、試料温度の上限を決定するという工程が重要なものである。
【実施例2】
【0038】
次に、図6を参照して、本発明の実施例2のオージェ電子分光法を説明する。
図6参照
図6は、本発明の実施例2のオージェ電子分光法に用いるオージェ電子分光装置の説明図であり、オージェ電子測定部30と試料温度測定部20によって構成される。
【0039】
オージェ電子測定部30は、試料32を載置するステージ31、試料32に一次電子線34を照射する電子銃33、試料32から発生するオージェ電子35を捕獲分析する分析器36、オージェ電子35の離脱による試料帯電を補正するための帯電補正用イオン38を照射するイオン銃37によって基本的構成が構成される。
【0040】
このイオン銃37は、イオンを引き出す引き出しレンズ及び引き出したイオンを収束する収束レンズを備えている。
なお、試料温度測定部20の構成は上記の実施例1の試料温度測定部20と全く同様であるので説明は省略する。
【0041】
このイオン銃37によるイオン照射条件の制御法は、電荷を負から正に変えただけで、図3及び図4のフローと全く同じであるので、説明は省略するが、この場合のイオンとしては、例えば、Ar+ イオンを用い、試料表面がダメージを受けないように300eV等の極めて低い加速エネルギーで照射する。
【0042】
本発明の実施例2においては、一次電子線照射に伴う基板の負帯電を補正するためにイオン照射する際に、イオンの照射量、加速エネルギー、或いは、収束度を熱ダメージが発生しない範囲で制御しているので、この場合にも本来の試料の素性を反映する分析結果を得ることができる。
【0043】
以上、本発明の各実施例を説明してきたが、本発明は各実施例に記載された構成・条件等に限られるものではなく各種の変更が可能であり、例えば、試料温度測定部をピコ秒サーモリフレクタンス測定装置で構成しているが、本発明においてはピコ秒パルスレーザ光を照射して加熱する工程が不要であるので、検出用レーザ及び光検出器を用いて反射率測定機構を形成すれば良いものである。
【0044】
また、上記の各実施例においては、二次イオン質量分析法及びオージェ電子分光法として説明しているが、二次イオン質量分析法及びオージェ電子分光法に限られるものではなく、イオン、電子線、或いは、X線等の一次エネルギービームの照射により二次イオン或、オージェ電子、或いは、光電子等の二次荷電粒子が放出され、試料の表面が正負のいずれかに帯電する場合に適用されるものであり、他の表面分析方法としてはX線光電子分光(XPS)法が典型的なものである。
【0045】
また、上記の実施例1においては、試料としてSiO2 on Si試料を用いているが、このような試料に限られるものではなく、表面が絶縁体、半絶縁体、或いは、半導体からなる各種試料の表面分析に適用されるものである。
【0046】
また、上記の実施例2においては、帯電補正用イオンとしてArを用いているが、Arに限られるものではなく、Arと同様に化学的に不活性な元素であれば良く、He、Ne、Kr、Xe等を用いても良いものである。
【0047】
ここで再び図1を参照して、本発明の詳細な特徴を改めて説明する。
再び、図1参照
(付記1) 二次荷電粒子を分析する表面分析法において、絶縁性或いは半導電性の試料1に一次エネルギー粒子2を照射するとともに、前記一次エネルギー粒子2の照射或いは二次荷電粒子3の発生に伴う前記試料1の帯電を、前記帯電の極性と反対の極性の荷電粒子4を照射して補正する際に、前記試料1が所定温度以下になるように前記補正用の荷電粒子4の量、エネルギー、或いは、収束度の少なくとも一つを制御することを特徴とする表面分析方法。
(付記2) 上記所定温度を、予め用意した標準試料における分析プロファイルの良否に基づいて決定することを特徴とする付記1記載の表面分析方法。
(付記3) 上記表面分析方法が、二次イオン質量分析法、オージェ電子分光法、或いは、X線光電子分光法のいずれかであることを特徴とする付記1または2に記載の表面分析方法。
(付記4) 上記試料1が所定の温度以下になるように、荷電粒子銃の引き出しレンズに掛ける電圧或いは収束レンズに流す電流の少なくとも一方を制御することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の表面分析方法。
(付記5) 上記荷電粒子銃が電子銃であり、前記電子銃のフィラメントに流す電流量を一定とすることを特徴とする付記4記載の表面分析方法。
(付記6) 上記試料1の温度を、ピコ秒サーモリフレクタンス法によって測定することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1に記載の表面分析方法。
(付記7) 一次エネルギー粒子照射手段、二次荷電粒子検出手段、補正用の荷電粒子照射手段を少なくとも備えた表面分析装置において、試料温度測定手段5、前記試料温度測定手段の出力に応じて前記荷電粒子照射手段を構成する荷電粒子銃の引き出しレンズに掛ける電圧或いは収束レンズに流す電流の少なくとも一方を制御する荷電粒子制御手段を備えたことを特徴とする表面分析装置。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の活用例としては、二次イオン質量分析法、オージェ電子分光法、或いは、X線光電子分光法等の表面分析法における帯電補正が典型的なものであるが、この様な表面分析法に限られるものではなく、FIB(集束イオンビーム)法等を用いた微細加工法等における帯電補正の場合にも適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施例1の二次イオン質量分析法に用いる二次イオン質量分析装置の説明図である。
【図3】本発明の実施例1の二次イオン質量分析法における上限試料温度決定方法を示すフロー図である。
【図4】本発明の実施例1の二次イオン質量分析法における帯電補正用電子線制御方法を示すフロー図である。
【図5】本発明の実施例1によるSIMSプロファイルである。
【図6】本発明の実施例2のオージェ電子分光法に用いるオージェ電子分光装置の説明図である。
【図7】従来のSIMS法の概念的構成の説明図である。
【図8】SIMS分析結果を示すプロファイルである。
【0050】
1 試料
2 一次エネルギー粒子
3 二次荷電粒子
4 補正用の荷電粒子
5 試料温度測定手段
10 二次イオン測定部
11 ステージ
12 試料
13 一次イオン銃
14 一次イオン
15 二次イオン
16 質量分析器
17 電子銃
18 帯電補正用電子線
20 試料温度測定部
21 PC制御部
22 検出用レーザ
23 加熱用レーザ
24 ファンクションジェネレータ
25 光検出器
26 ロックインアンプ
27 ハーフミラー
28 ハーフミラー
29 レーザ光
30 オージェ電子測定部
31 ステージ
32 試料
33 電子銃
34 一次電子線
35 オージェ電子
36 分析器
37 イオン銃
38 帯電補正用イオン
40 試料
41 シリコン基板
42 SiO2
43 一次イオン
44 二次イオン
45 電子ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次荷電粒子を分析する表面分析法において、絶縁性或いは半導電性試料に一次エネルギー粒子を照射するとともに、前記一次エネルギー粒子の照射或いは二次荷電粒子の発生に伴う前記試料の帯電を、前記帯電の極性と反対の極性の荷電粒子を照射して補正する際に、前記試料が所定温度以下になるように前記補正用の荷電粒子の量、エネルギー、或いは、収束度の少なくとも一つを制御することを特徴とする表面分析方法。
【請求項2】
上記所定温度を、予め用意した標準試料における分析プロファイルの良否に基づいて決定することを特徴とする請求項1記載の表面分析方法。
【請求項3】
上記試料が所定の温度以下になるように、荷電粒子銃の引き出しレンズに掛ける電圧或いは収束レンズに流す電流の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の表面分析方法。
【請求項4】
上記試料の温度を、ピコ秒サーモリフレクタンス法によって測定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表面分析方法。
【請求項5】
一次エネルギー粒子照射手段、二次荷電粒子検出手段、補正用の荷電粒子照射手段を少なくとも備えた表面分析装置において、試料温度測定手段、前記試料温度測定手段の出力に応じて前記荷電粒子照射手段を構成する荷電粒子銃の引き出しレンズに掛ける電圧或いは収束レンズに流す電流の少なくとも一方を制御する荷電粒子制御手段を備えたことを特徴とする表面分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−242789(P2006−242789A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59973(P2005−59973)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】