説明

表面効果のためのポリマー増量剤

次の重量百分率で共重合されたモノマー:(a)約5%〜約90%の式(I):R−OC(O)−C(R)=CHのモノマー(b)約5%〜約85%の塩化ビニリデン、塩化ビニル、酢酸ビニル、またはそれらの混合物、(c)約0.5%〜約3%の式(II):HO−CH−NH−C(O)−C(R)=CHのモノマー(d)約0.5%〜約3%の式(III):HO−CHCH−OC(O)−C(R)=CHのモノマー(e)約1%〜約5%の式(IV):H−(OCHCH−O−C(O)−C(R)=CHのモノマーおよび(f)0%〜約25%のメチルメタクリレート、ビニルベンジルクロリド、スチレンまたはそれらの混合物(式中、各Rは独立してHまたはCHであり、Rは約4〜約18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状または環式アルキル鎖であり、そしてmは2〜約10である)を含むポリマー増量剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポリマー増量剤組成物が、処理された基材に表面効果を提供する処理剤の性能を向上させるために用いられる。
【背景技術】
【0002】
様々な組成物が、表面効果を基材に提供するための処理剤として有用であることが知られている。表面効果には、湿気、汚れ、および染みに対する撥性、ならびに繊維、布、織物、カーペット、紙、皮、および他のかかる基材などの繊維質基材に特に有用である他の効果が含まれる。多くのかかる処理剤はフッ素化ポリマーまたは共重合体である。
【0003】
繊維質基材処理剤として実用性を有するフッ素化ポリマー組成物は一般に、組成物が繊維質基材表面に塗布されたときに撥油性および撥水性を提供する、3個以上の炭素原子のペンダント・パーフルオロアルキル基を含有する。パーフルオロアルキル基は一般に、様々な連結基によってフッ素を含有しない重合性基に結び付けられる。生じたモノマーは次に、追加の有利な特性を基材に与える他のモノマーと一般に共重合される。様々な特殊モノマーが、向上した架橋性、ラテックス安定性および実質性(substantivity)を与えるために組み入れられてもよい。各原料はその望ましい特性に加えて幾つかの潜在的に望ましくない特性を与えるかもしれないので、特定の組み合わせが所望の用途に向けられる。これらのポリマーは一般に、繊維質基材への容易な塗布のために水性エマルジョンとして市販されている。米国特許公報(特許文献1)は、繊維質基材を処理して撥油性および撥水性を提供するために有用なフッ素化共重合体を開示している。
【0004】
必要とされるフッ素化ポリマーの量を減らす、すなわち、処理剤の効率または性能を高めると同時に基材に与えられる撥油性および撥水性ならびにその耐久性を上げるために様々な試みが行われてきた。一方法は、ブロックトイソシアネートまたはメラミン樹脂を組み入れることである。しかしながら、これらの原料は繊維質基材の風合い(感触)に悪影響を及ぼす傾向があるので、限定された量だけを使用することができる。別の方法は、様々な増量剤ポリマーの使用である。これらは典型的には水性エマルジョンでの炭化水素ポリマーであり、それらは基材への塗布前にフッ素化ポリマー・エマルジョンとブレンドされる。
【0005】
米国特許公報(特許文献2)は、フルオロケミカル剤、2つの別個の重合単位を含む共重合体増量剤、およびブロックトイソシアネート増量剤を含む組成物であって、増量剤が相まってフルオロケミカル剤のフッ素効果を、いずれの増量剤が単独である場合よりも大きい程度まで向上させる組成物を開示している。2つの別個の重合単位は(1)場合によりハロゲン化された重合性エチレン系化合物、特にアクリレート、および(2)布と反応することができる官能基を含有するエチレン系化合物である。ブロックトイソシアネート増量剤は繊維質基材の手触り(感触)に悪影響を及ぼす傾向があることが分かった。
【0006】
表面効果剤の性能を著しく向上させるポリマー組成物に対するニーズがある。特に、必要とされるフッ素化ポリマーの量を減らすと同時に撥性および他の表面効果を提供するための基材用のフッ素化ポリマー処理剤の性能を向上させる組成物に対するニーズがある。本発明はかかる組成物を提供する。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,479,605号明細書
【特許文献2】米国特許第6,309,752号明細書
【特許文献3】米国仮特許出願第60/607,612号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基材に塗布されたときに表面効果を提供する剤と共に使用するためのポリマー増量剤組成物であって、次の重量百分率で共重合されたモノマー:
(a)約5%〜約90%の式Iのモノマー:
−OC(O)−C(R)=CH (I)
(b)約5%〜約85%の塩化ビニリデン、塩化ビニル、酢酸ビニル、またはそれらの混合物、
(c)約0.5%〜約3%の式IIのモノマー:
HO−CH−NH−C(O)−C(R)=CH (II)
(d)約0.5%〜約3%の式IIIのモノマー:
HO−CHCH−OC(O)−C(R)=CH (III)
(e)約1%〜約5%の式IVのモノマー:
H−(OCHCH−O−C(O)−C(R)=CH (IV)、および
(f)0%〜約25%のメチルメタクリレート、ビニルベンジルクロリド、スチレンまたはそれらの混合物
(式中、
各Rは独立してHまたはCHであり、
は4〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状または環式アルキル鎖であり、そして
mは2〜約10である)
を含む組成物を含む。
【0009】
本発明はさらに、i)表面効果を提供する剤およびii)上記のようなポリマー増量剤組成物を含む組成物と基材を接触させる工程を含む基材の処理方法を含む。
【0010】
本発明はさらに、i)表面効果を提供する剤およびii)上記のようなポリマー増量剤組成物を含む組成物によって処理された基材を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
商標および商品名は本明細書では大文字によって示される。本発明は、表面効果を基材に提供する処理剤の性能を向上させるために有用な増量剤ポリマー組成物を含む。特に、増量剤組成物は、耐久性を繊維質基材に与える上でフッ素化ポリマーの性能を向上させるために有用である。繊維質基材には、紙、不織布、皮、カーペット、繊維、織物、および布または布ブレンドが含まれる。「布」とは、綿、レーヨン、絹、羊毛、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ナイロン、ならびに「ノメックス(NOMEX)」および「ケブラー(KEVLAR)」などのアラミドのような繊維からなる、天然もしくは合成布、またはそれらのブレンドを意味する。「布ブレンド」とは、2つ以上のタイプの繊維でできた布を意味する。典型的には、これらのブレンドは、少なくとも1つの天然繊維と少なくとも1つの合成繊維との組み合わせであるが、2つ以上の天然繊維のまたは2つ以上の合成繊維のブレンドであることもできる。
【0012】
低い黄変、ソフトな手触りおよび向上した耐久性という望ましい特性と共に、優れた表面特性は、繊維質基材への塗布前に表面処理剤組成物への本発明の増量剤ポリマー組成物の添加によって繊維質基材に与えることができる。これらの組み合わせられた組成物は、他の処理化学薬品の塗布前、塗布後または塗布中のいずれかに、水または他の溶媒中の分散系の形態で繊維質基材に塗布することができる。
【0013】
そのように塗布されたとき、フッ素化ポリマー処理剤と組み合わせた本発明の増量剤組成物は、繊維質基材において、表面特性、特に撥油性および撥水性の耐久性を上げることが分かった。さらに、本増量剤組成物の使用は、より低いレベルのフッ素化ポリマーの使用を可能することによってフッ素効果を向上させる。これは、フッ素化ポリマー表面処理剤が高価である傾向があるので望ましい。
【0014】
本発明の増量剤ポリマー組成物は、通常の乳化重合技法によって製造される。一般に、かかる共重合体は、生じた分散系またはエマルジョンが界面活性剤を使用して安定化されて、水性媒体中で2つ以上のモノマーの共重合によって製造される。その形成中におよび重合中にエマルジョンを安定化させるために用いられる界面活性剤は、通常の陽イオン性、非イオン性、および/または陰イオン性乳化剤またはそれらの混合物であることができる。重合は、「ヴァゾ(VAZO)」の名前で商業的に、本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,Delaware)によって販売されている、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などの、任意のフリーラジカル開始剤によって都合よく開始される。
【0015】
本増量剤組成物分散系をフッ素化ポリマー分散系と混合することによって製造された水性分散系は、公知の方法によって繊維質基材の表面に塗布されて撥油性、撥汚れ性および撥水性ならびに他の表面効果を与える。これらのフルオロポリマー分散系の例は、本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントンから入手可能なゾニール(ZONYL);チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、独国ラングウェイド(Ciba Specialty Chemicals,Langweid,Germany)製のオレオフォボール(OLEOPHOBOL);旭硝子株式会社、日本国東京製のアサヒ・ガード(ASAHI GARD);ダイキン・アメリカ社、ニューヨーク州オレンジバーグ(Daikin America,Inc.,Orangeburg,NY)製のユニダイン(UNIDYNE);3Mカンパニー、ミネソタ州セントポール(3M Company,St.Paul,MN)製のスコッチガード(SCOTCHGARD);およびナノテックス、カリフォルニア州エメリビル(Nanotex,Emeryville,CA)製のナノテックス(NANO TEX)である。本発明の増量剤組成物の包含の際立った特徴は、基材上の仕上げ剤の高いフッ素効果および高い耐久性である。
【0016】
本発明の増量剤ポリマー組成物は、次の重量百分率で共重合されたモノマー:
(a)約5%〜約90%の式Iのモノマー:
−OC(O)−C(R)=CH (I)
(b)約5%〜約85%の塩化ビニリデン、塩化ビニル、酢酸ビニル、またはそれらの混合物、
(c)約0.5%〜約3%の式IIのモノマー:
HO−CH−NH−C(O)−C(R)=CH (II)
(d)約0.5%〜約3%の式IIIのモノマー:
HO−CHCH−OC(O)−C(R)=CH (III)
(e)約1%〜約5%の式IVのモノマー:
H−(OCHCH−O−C(O)−C(R)=CH (IV)、および
(f)0%〜約25%のメチルメタクリレート、ビニルベンジルクロリド、スチレンまたはそれらの混合物
(式中、
各Rは独立してHまたはCHであり、
は約4〜約18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル鎖であり、そして
mは2〜約10である)
を含む共重合体を含む。
【0017】
用語「(メタ)アクリレート」は、本明細書ではメタクリレート、アクリレート、または該2つの混合物のどれかを意味するために用いられる。
【0018】
本発明での式Iの必要とされるモノマー(a)は、約4〜約18個の炭素の鎖長を有するアルキル(メタ)アクリレートの1種または混合物である。これらは約5%〜約90%の割合で重合に加えられる。好ましくは、共重合体中のモノマー(a)の割合は約40重量%〜約85重量%である。本明細書で用いるところでは、「アルキル」は直鎖状、分枝状および環式アルキル基を意味する。かかるモノマーの例には、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前述のうちで、ステアリルアクリレートおよびステアリルメタクリレートが最も好ましい。
【0019】
必要とされるモノマー(b)は塩化ビニリデン、塩化ビニル、酢酸ビニルまたはそれらの混合物である。それは約5%〜約85%の割合で重合に加えられる。好ましくは、共重合体中のモノマー(b)の割合は約5重量%〜約50重量%である。
【0020】
モノマー(c)、(d)および(e)は、処理剤の耐久性を向上させるための役割を一緒に果たす。モノマー(c)はN−メチロールアクリルアミドまたはメタクリルアミドである。N−メチロールアクリルアミドが好ましい。それは約0.5%〜約3%、好ましくは約0.7%〜約1.5%の割合で重合に加えられる。モノマー(d)はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。それは約0.5%〜約3%、好ましくは約0.7%〜約1.5%の割合で重合に加えられる。モノマー(e)は、エトキシ基の数が2〜約10であるエトキシル化(メタ)アクリレートである。約4〜約10個のエトキシ基が好ましい。それは約1%〜約5%、好ましくは約1.5%〜約3%の割合で重合に加えられる。
【0021】
上記の増量剤組成物は次に、繊維質基材のための様々な公知の処理剤のいずれかとブレンドされる。処理基材の表面に撥性特性を提供するための処理剤として有用なフッ素化ポリマーが特に興味がある。共重合体分散系は約0.5:10〜約6:1、好ましくは約1:3〜約3:1、より好ましくは約1:2〜約2:1の比でフッ素化ポリマーとブレンドされる。ブレンドのフッ素含有率は約1.5重量%〜約6.6重量%、好ましくは約2.0重量%〜約4.0重量%である。フッ素化ポリマー処理剤は、繊維質基材上に表面効果、特に撥油性または撥水性を生み出すために使用されるもののいずれかである。これらには、フッ素化された安定な、不活性な、非極性の、好ましくは飽和の、一価のそして疎油性および疎水性の両方である1つまたは複数のフルオロ脂肪族基(本明細書ではR基と表される)を含有するフッ素化化合物またはポリマーが含まれる。R基は好ましくは少なくとも3個の炭素原子、より好ましくは3〜約20個の炭素原子、最も好ましくは約6〜約14個の炭素原子を含有する。R基は、直鎖状もしくは分枝状もしくは環式フッ素化アルキレン基またはそれらの組み合わせを含有してもよい。R基の末端部分は、nが約3〜約20である式C2n+1のパーフッ素化脂肪族基である。
【0022】
かかるフッ素化ポリマーの例には、好ましくは、R含有ポリウレタンおよびポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。共重合性モノビニル化合物または共役ジエンとのフルオロケミカル(メタ)アクリレートモノマーの共重合体が特に好ましい。共重合性モノビニル化合物には、アルキル(メタ)アクリレート、脂肪族酸のビニルエステル、スチレンおよびアルキルスチレン、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アルキルエステル、ビニルアルキルケトン、およびアクリルアミドが含まれる。共役ジエンは好ましくは1,3−ブタジエンである。先行クラス内の代表的な化合物には、メチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシエチル、イソアミル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル、セチル、およびオクタデシルアクリレートおよびメタクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、スチレン、アルファメチルスチレン、p−メチルスチレン、フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン、ヘプタン酸アリル、酢酸アリル、カプリル酸アリル、カプロン酸アリル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、イソプレン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ならびにポリオキシメタクリレートが含まれる。
【0023】
繊維質基材に塗布されるフッ素化ポリマーおよび本発明の増量剤ポリマーを含むブレンド組成物は場合により、耐久性をさらに高めるために共重合後に(すなわち、ブレンドされるイソシアネートとして)加えられる、ブロックトイソシアネートを含有してもよい。ブロックトイソシアネートの例は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ニュージャージー州ハイ・ポイント(Ciba Specialty Chemicals,High Point,NJ)から入手可能なハイドロホボール・キサン(HYDROPHOBOL XAN)である。他の商業的に入手可能なブロックトイソシアネートもまた本明細書での使用に好適である。ブロックトイソシアネートを加えることの望ましさは、共重合体向けの特定用途に依存する。現在想定される用途のほとんどにとって、それは、満足のいく鎖間の架橋または基材への結合を達成するために存在する必要はない。ブレンドされるイソシアネートとして加えられるとき、約20重量%以下の量が加えられてもよい。
【0024】
フッ素化ポリマーおよび本発明の増量剤組成物を含むブレンドされた組成物は場合により、追加の表面効果を達成するための処理剤もしくは仕上げ剤、またはかかる剤もしくは仕上げ剤と共に普通に使用される添加剤などの追加の成分をさらに含む。かかる追加の成分は、ノーアイロン、アイロン掛けが容易、収縮抑制、しわがよらない、パーマネントプレス、湿気制御、柔軟性、強度、スリップ防止、帯電防止、ほつれ防止、抗ピル、撥染み、染み除去、撥汚れ、汚れ除去、撥水性、撥油性、悪臭抑制、抗菌性、日焼け防止、および同様の効果などの表面効果を提供する化合物または組成物を含む。1種または複数のかかる処理剤もしくは仕上げ剤は、ブレンドされた組成物と組み合わせ、繊維質基材に塗布することができる。界面活性剤、pH調整剤、架橋剤、湿潤剤、ワックス増量剤、および当業者に知られている他の添加剤などの、かかる処理剤もしくは仕上げ剤と共に普通に使用される他の添加剤もまた存在してもよい。好適な界面活性剤には、陰イオン性、陽イオン性、および非イオン性が含まれる。ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチ(Witco Corporation,Greenwich,CT)からデュポノール・ワクェ(DUPONOL WAQE)として入手可能なラウリル硫酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤が好ましい。
【0025】
特に、繊維質基材に塗布されるフッ素化ポリマーおよび本発明の増量剤ポリマーを含むブレンドされた組成物は、共重合後に加えられる、手触りをさらに高めるための軟化剤をさらに含んでもよい。軟化剤を加えることの望ましさは、共重合体向けの特定用途に依存する。軟化剤の例は、ワッカー・フィニッシュ(WACKER FINISH)WR1300、ワッカー・フィニッシュCT34E、ワッカー・フィニッシュWT1650、ジェットソフト(JETSOFT)NFS、パワーソフト(POWERSOFT)AE38およびウェットソフト(WETSOFT)AOPなどのワッカー・ケミカル(Wacker Chemical)軟化剤から、またはダウ・ケミカル、シリコーン軟化剤(Dow Chemical,Silicone softener)2−8031から選ぶことができる。1重量%以下の量が加えられてもよい。
【0026】
場合により、増量剤ポリマー組成物とフルオロポリマー組成物との上記ブレンドが繊維質基材に塗布されるとき、他の増量剤組成物もまた、幾つかの組み合わせの便益を得るために塗布に含められてもよい。かかる任意の追加の増量剤ポリマー組成物の一例は、2004年9月7日出願の、同時係属の米国特許公報(特許文献3)(CH−2996)に開示されているものである。かかる任意の増量剤が前記の発明増量剤ポリマーに加えられるとき、本発明原料(a)、(b)、(c)、(d)および(e)について上に与えられた百分率は総増量剤ポリマー組成物に適用されるものとする。
【0027】
本発明はさらに、上記のような本発明の増量剤組成物および基材に塗布されたときに表面効果を提供する処理剤を含む有効量の組成物と基材の表面を接触させる工程を含む基材の処理方法を含む。好ましくは、該処理剤はフッ素化ポリマーである。ブレンドされた組み合わせは、単独でか他の織物処理剤、仕上げ剤または上記のような添加剤との混合物でかのどちらかで、処理されるべき繊維質基材に水性分散系から塗布される。分散系は一般に、吹き付け、浸漬、パディング、または他の周知の方法によって繊維質基材に塗布される。過剰の液体が例えば圧搾ロールによって除去されてしまった後、処理された繊維質基材は乾燥させられ、次に、例えば、100℃〜190℃に、少なくとも30秒間、典型的には約60〜約240秒間加熱することによって硬化させられる。かかる硬化は、撥油性、撥水性および撥汚れ性ならびに該撥性の耐久性を高める。これらの硬化条件は典型的であるが、幾つかの市販装置は、その特有のデザイン特徴のために、これらの範囲外で動作してもよい。処理された繊維質基材は、約0.05重量%〜約0.5重量%のフッ素含有率を有する。
【0028】
本発明はさらに、i)表面効果を提供する処理剤、およびii)上記のような本発明の増量剤共重合体を含む上記組成物で処理された基材を含む。本組成物はまた、上記のような追加の表面効果を提供するための任意の剤、上記のような基材の処理に普通に使用される任意の添加剤、上記のような任意のブロックトイソシアネート、および任意の追加の別個の増量剤組成物を含有することができる。前述のように、かかる基材には、繊維、紙、不織布、皮、織物、および布または布ブレンドが含まれる。「布」には、綿、レーヨン、絹、羊毛、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ナイロン、ならびに「ノメックス」および「ケブラー」などのアラミドの繊維からなる、天然もしくは合成布が含まれる。「布ブレンド」とは、2つ以上のタイプの繊維でできた布を意味する。典型的には、これらのブレンドは、少なくとも1つの天然繊維と少なくとも1つの合成繊維との組み合わせであるが、2つ以上の天然繊維のまたは2つ以上の合成繊維のブレンドであることもできる。好ましくは、基材は、本発明の増量剤組成物およびポリウレタンまたはポリ(メタ)アクリレートなどのフッ素化ポリマーを含む組成物で処理された。
【0029】
特に、本発明の組成物、方法および処理基材は、用いられるフッ素化ポリマーの量を減らすと同時に上記基材の表面特性、特に撥油性、撥水性、撥汚れ性を高めるのに有用である。撥性特性は、存在する増量剤なしのフッ素化ポリマーの塗布より耐久性であり、様々な繊維質基材にとって有効である。撥性特性は、様々な他の表面効果と共に有効である。本発明の処理基材は、織物、衣類、制服、防護服、家具などのような様々な用途で有用である。本発明の増量剤共重合体は、減少したレベルのフッ素化ポリマーを使用しながら、それらが非常に耐久性の、低い黄変のおよびソフトな手触りの撥性仕上げを、布または布ブレンドなどの、広範囲の繊維質基材に与えるので有利である。本発明組成物は、例えば所望の表面効果を提供するために必要とされる高価なフッ素化ポリマーの量を減らすことによって、現行の(メタ)アクリレート共重合体より低い原材料コストで製造される。
【0030】
(試験方法1−布処理)
布は、通常のパッド浴(浸漬)法を用いて共重合体ブレンドで処理された。実施例セクションでの表に詳述されるような、本発明の増量剤組成物とブレンドされた0.1〜0.5重量%のフッ素化ポリマー処理剤(本明細書では以下共重合体ブレンド)を含有する浴が布を処理するために使用された。非フッ素化共重合体増量剤とブレンドするために使用されるフルオロポリマーは、本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントンから入手可能である市販のゾニール(ZONYL)であった。塗布後に、布はおおよそ160℃で1〜3分間硬化させられ、処理および硬化後に「放置」された。用いられる放置時間は一晩、約15〜18時間であった。
【0031】
(試験方法2−撥水性)
処理基材の撥水性は、テフロン(登録商標)・グローバル仕様および品質管理試験(TEFLON Global Specifications and Quality Control Tests)情報パケットに概説されるようなデュポン技術実験室方法(DuPont Technical Laboratory Method)に従って測定された。本試験は、水性液体による湿潤に対する処理基材の抵抗を測定する。異なる表面張力の水−アルコール混合物が布上に置かれ、表面湿潤の程度が目視により測定される。本試験は、耐水性染み性のラフな指標を提供する。撥水性格付けが高ければ高いほど、仕上げ基材は水ベースの物質による染みに対してより良好な抵抗性を有する。標準試験液の組成は次の表1に示される。時々1〜6スケールが便宜上用いられた。0.5増分の格付けは、試験液のぎりぎりのパスに対して表1での数から2分の1を差し引くことによって決定される。
【0032】
【表1】

【0033】
(試験方法3−撥水性−スプレー格付け)
撥水性はさらに、スプレー試験方法を用いることによって試験することができる。処理布サンプルは、次の通り行われるAATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会)標準試験方法No.22−1996に従うことによって撥水性について試験された:前記のようなポリマーの水性分散系で処理された布サンプルは、23℃+20%相対湿度で、および65℃+10%相対湿度で最低2時間順化させられる。布サンプルは、布がしわのないようにプラスチック/金属刺繍輪上にしっかりと固定される。輪は、布が上向きであるように試験スタンド上に置かれる。次に80±2°F(27±1℃)の250mLの水が試験漏斗中へ注がれ、水を布表面上へスプレーさせる。いったん水が漏斗を通り抜けてしまったら、輪は、布が下向きで固体物体のエッジに向かってトントンとたたかれ、180度回転され、再びトントンとたたかれる。スポットのあるまたは湿った表面は、AATCC技術マニュアル(Technical Manual)に見いだされるAATCC標準と比較される。表面がより湿れば湿るほど、数はより低く、撥性はより乏しい。100は湿潤なしを意味し、90はわずかな湿潤(3つの小さなスポット)を意味し、80はスルレーポイントでの幾つか(10)のスポットによって示される湿潤を意味し、70は上方布表面の部分湿潤を意味し、50は全体の上方布表面の湿潤を意味し、そして0は下方および上方布表面の完全な湿潤を意味する。15、25、35、45、55、60、65、75または85の格付けは、上記格付けの性能中間を示唆する。
【0034】
(試験方法4−撥油性)
処理布サンプルは、次の通り行われるAATCC標準試験方法No.118の修正によって撥油性について試験された:前記のようなポリマーの水性分散系で処理された布サンプルは、23℃+20%相対湿度、および65℃+10%相対湿度で最低2時間順化させられる。表2で下に特定される一連の有機液体が次に布サンプルに滴々塗布される。最低の番号が付けられた試験液(撥性格付けNo.1)で始まって、1滴(直径がおおよそ5mmまたは0.05mL容量)が少なくとも5mm離れた3つの場所のそれぞれ上に置かれる。滴は30秒間観察される。この期間の終わりに、3滴のうち2滴が滴の周りにウィッキングなしで依然として球形形状である場合、次の最も高い番号が付けられた液体の3滴が隣接サイト上に置かれ、同様に30秒間観察される。1つの試験液が球形〜半球形に留まることができない3滴のうち2滴をもたらす、または湿潤もしくはウィッキングが起こるまで本手順は続けられる。
【0035】
布の撥油性格付けは、30秒間ウィッキングが全くなしに、3滴のうち2滴が球形〜半球形に留まった最高の番号が付けられた試験液である。一般に、6以上の格付けの処理布は良好〜優秀と考えられ、1以上の格付けを有する布は、ある種の用途で使用することができる。0.5増分の格付けは、試験液のぎりぎりのパスに対して表2の数から2分の1を差し引くことによって決定される。
【0036】
【表2】

【0037】
(試験方法5−洗濯耐久性)
布サンプルは、織物試験についての家庭洗濯手順を指定する国際標準(International Standard)に従って洗濯された。布サンプルは、4ポンドの総乾燥ロードを与えるための砂利ロード入り自動洗濯機の水平ドラム、前入れ方式(タイプA、ワシュケーター(WASCATOR)Fom71MP−Lab)中へロードされる。市販洗剤が加えられ(AATCC1993標準基準洗剤(Reference Detergent)WOB)、そして洗濯機は、暖かい水(105°F、41℃)での高水レベル、15分標準洗濯サイクル、引き続く2回の13分リンスおよび次に2分回転乾燥でプログラムされる。サンプルおよび砂利は、指定された数の回数洗濯される(5回洗濯については5HW、20回洗濯については20HW)。洗濯が完了した後、湿った布サンプルは風乾させられ、次に、各面について30秒、135〜160℃の表面温度で、平台プレスでアイロン掛けされる。
【実施例】
【0038】
本明細書での以下の表で、用語「フルオロケミカル」は、本発明の増量剤組成物とのその組み合わせ前のフッ素化ポリマーを特定するために用いられる。
【0039】
(実施例1)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオンHO(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド(ETHOQUAD)18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴ(Akzo Nobel,Chicago,IL)から入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス(ETHOX)TDA−5、エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビル(Ethox Chemicals,Greenville,SC)から入手可能な)、30gのステアリルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製し、次に機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を30分間にわたって50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(DUPONOL WAQE)(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、27.92%の固形分含有率で206gの重さがあった。T=25.36℃およびδH=23.93J/gであった。
【0040】
上記の生成ラテックスを性能試験のために本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン製の商業的に入手可能なフルオロポリマー、ゾニール8300、ゾニール8412、およびゾニール8932と別々にブレンドした。ブレンドは、3:1〜1:1の増量剤対フルオロポリマーの比を含有した。ゾニール・フルオロポリマーとのブレンドを、上記の試験方法1を用いて100%ナイロン布に塗布した。浴は、表4および5でのデータについて20〜50g/Lのブレンド生成物を含有した。表6でのデータについては、浴は10〜15g/Lのフッ素化ポリマーを含有し、実施例1の増量剤対フッ素化ポリマーの比は表6に示すようなものであった。湿潤剤アルカノール(ALKANOL)6112(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントンから入手可能な)もまた2g/Lで浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約2分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「放置」した。処理布を、上記の試験方法2、3、4および5を用いて撥油性、撥水性および撥スプレー性について試験した。結果を表4〜6にリストする。
【0041】
(実施例2〜7)
表3で下に示すような異なる量のステアリルメタクリレートおよび塩化ビニリデンを使用することを除いて、実施例1の手順に従った。固体含有率および融点もまた表3に含める。
【0042】
【表3】

【0043】
増量剤をゾニール・フルオロケミカルとブレンドし、ナイロン布に塗布し、そして実施例1に記載したように試験した。結果は表4〜6にある。
【0044】
(比較例A)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオンHO(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビル製のエトックスTDA−5)、60gのステアリルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製し、次に機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間窒素でパージした。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を30分間にわたって50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、27.92%の固形分含有率で206gの重さがあった。Tは32.86℃であり、δHは39.27J/gであった。増量剤を実施例1に記載したようにゾニール・フルオロケミカルとブレンドし、ナイロン布に塗布し、そして試験した。結果は表4〜6にある。
【0045】
(比較例B)
水エマルジョンを次のもの:167gの熱い脱イオンHO(50〜60℃)、0.7gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、2.9gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックスTDA−5、エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビル)、3.33gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、3.33gのN−メチロールアクリルアミド、1.67gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、0.1gのドデシルメルカプタンおよび16.67gの2−メチル−2,4−ペンタンジオールを混合することによって調製し、次に1Lオートクレーブに装入した。オートクレーブを密封し、3回排気し/窒素で満たした。30gの塩化ビニリデンを次に装入した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を30分間にわたって50℃に加熱し、150RPMでのかき混ぜ機で8時間維持した。生じたラテックス増量剤を、ミルクフィルターを通して濾過した。増量剤を実施例1に記載したようにゾニール・フルオロケミカルとブレンドし、ナイロン布に塗布し、そして試験した。結果は表4〜6にある。
【0046】
【表4】

【0047】
結果は、実施例1の共重合体が類似レベルのフッ素を用いるときに比較例AおよびBの性能より良好な性能を提供することを示した。増量剤なしのフルオロポリマーと比べて、たった50%のフッ素の存在でさえ、実施例1の増量剤を使用したときにより良好な性能が得られた。
【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
【表7】

【0051】
表5A、5B、および5Cでのデータは、実施例1〜7の増量剤を含有するブレンド調合物がナイロン布上で増量剤なしのフルオロケミカルと比較して50%フッ素削減で匹敵するまたはより良好な性能を提供することを示した。データはまた、実施例1〜7の増量剤が同じレベルのフッ素で比較例AおよびBに匹敵するまたはそれらより良好な性能を提供することを示した。
【0052】
【表8】

【0053】
表6でのデータは、実施例1の増量剤と異なる比での異なるゾニール製品との組み合わせがナイロン上で有効な性能を達成することを実証した。
【0054】
(実施例8〜13)
増量剤組成物を、表7にリストするような異なる界面活性剤および溶媒を使用することを除いて実施例1の手順に従って調製した。生じた増量剤を性能試験のために本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン製の商業的に入手可能なフルオロポリマー、ゾニール8300、ゾニール8412、およびゾニール8932と別々にブレンドした。増量剤対ゾニールの比は1:1であった。
【0055】
各ゾニール・フルオロポリマーとのブレンドを、上記の試験方法1を用いて100%ナイロン布に塗布した。浴は20〜50g/Lのブレンド生成物を含有した。湿潤剤アルカノール6112(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントンから入手可能な)もまた2g/Lで浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約2分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「放置」した。処理ナイロンを、上記の試験方法2、3、4および5を用いて撥油性、撥水性および撥スプレー性について試験した。結果を表8A、8B、および8Cにリストする。
【0056】
【表9】

【0057】
【表10】

【0058】
【表11】

【0059】
【表12】

【0060】
表8A、8Bおよび8Cでのデータは、実施例1および8〜13の増量剤組成物が様々な界面活性剤および溶媒を使用して調製されたときに半分のフッ素レベルを用いて耐久性のある撥性を提供するのに有効であることを実証した。増量剤が存在する組成物のフッ素レベルは、増量剤が存在しないものの50%であった。
【0061】
(実施例14)
水エマルジョンを次のもの:80gの熱い脱イオンHO(50〜60℃)、1.6gのアーミーン(ARMEEN)DM18D(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、60gのエチルヘキシルメタクリレート、10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、2gのN−メチロールアクリルアミド、0.3gのドデシルメルカプタン、1gの酢酸、0.3gの2%塩化ナトリウム溶液および20gのヘキシレングリコールを混合することによって調製し、次に機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を80gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。10gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.4gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、28.87%の固形分含有率で250gの重さがあった。それを次に、ゾニール8932については2:1の増量剤対フッ素化ポリマーの比で、そしてゾニール8300については1:1の増量剤対フッ素化ポリマーの比で本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン製の商業的に入手可能なフッ素化ポリマー、ゾニール8300およびゾニール8932とブレンドした。ブレンドを、上記の試験方法1を用いてナイロン布に塗布した。浴は0.133%〜0.15%のフッ素を含有した。ナイロンを、上記の試験方法2、3、4および5を用いて撥性について試験した。結果を表10Aおよび10Bにリストする。
【0062】
(実施例15〜17、比較例C)
ラテックス増量剤を、表9にリストした量のモノマーを使用することを除いて実施例14と同じ手順に従うことによって合成した。
【0063】
【表13】

【0064】
増量剤および比較例Cを、2:1の増量剤対フッ素化ポリマーの比でゾニール8932およびゾニール8300フッ素化ポリマーとブレンドした。
【0065】
ブレンドを、上記の試験方法1を用いて100%ナイロン布に塗布した。浴は20〜50g/Lのブレンド生成物を含有した。湿潤剤アルカノール6112(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントンから入手可能な)もまた2g/Lで浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約2分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「放置」した。ナイロンを、上記の試験方法4、2、3および5を用いて撥油性、撥水性および撥スプレー性ならびに洗濯耐久性について試験した。結果を、ゾニール8932/増量剤ブレンドについては表10Aに、そしてゾノール8300/増量剤ブレンドについては表10Bにリストする。
【0066】
【表14】

【0067】
【表15】

【0068】
表10Aでのデータは、ゾニール8932とブレンドされた実施例14〜17の増量剤共重合体中の塩化ビニリデンの存在が塩化ビニリデンを含有しない比較例Cと比較して性能を向上させることを示した。表10Bでのデータは、ゾニール8300とブレンドされた実施例14〜17の増量剤共重合体中の塩化ビニリデンの存在が塩化ビニリデンを含有しない比較例Cと比較して撥油性および撥スプレー性を向上させることを示した。
【0069】
(実施例18〜21)
先ず、(a)70gの2−エチルヘキシルメタクリレート、(b)10gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、(c)2gの水性48%N−メチロールアクリルアミド、0.3gのドデシルメルカプタン、20gヘキシレングリコール、1.6gのアーミーンDM 18D、1.0g酢酸、3gの水性2%塩(NaCl)溶液、および80gの熱い(50〜60°C)脱イオン水を乳化させ、次に、撹拌機、熱電対温度計、および水冷却器を備え付けた4つ口フラスコに装入した。装入物を75gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、65℃で30分間窒素でパージした。次に、2gの脱イオン水に溶解させた0.08gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物の温度は約12分にわたって79℃に自然に上昇し、次に低下し始めた。温度コントローラーを70℃にリセットし、装入物を窒素下に4時間撹拌した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、31.7%の固形分含有率で251gの重さがあった。この増量剤を1:1の比で実施例1、9、10および11の増量剤と別々に混合して本明細書で実施例18、19、20および21と指定される増量剤の混合物を製造した。
【0070】
増量剤混合物を次に、2:1の増量剤対フッ素化ポリマーの比でゾニール8932フルオロケミカルとブレンドした。ブレンドを、上記の試験方法1を用いて100%綿綾織布に塗布した。処理浴は、45g/Lのブレンド、1g/Lのチバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ノースカロライナ州ハイ・ポイント製のブロックトイソシアネート・ハイドロホボール・キサン、および70g/Lのオムノバ・ソリューションズ、サウスカロライナ州チェスター(Omnova Solutions,Chester,SC)製の防しわ樹脂、パーマフレッシュ(PERMAFRESH)EFCを含有した。塗布後に、布を330℃で3分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「放置」した。処理綿を、上記の試験方法4、2、3および5を用いて撥油性、撥水性および撥スプレー性ならびに洗濯耐久性について試験した。増量剤が全く存在しないとき比較のために、浴は、同じ浴成分と組み合わせた15g/Lか30g/Lかどちらかのゾニール8932を含有した。結果を表11にリストする。
【0071】
【表16】

【0072】
表11での結果は、フッ素効果がフッ素化ポリマーとの増量剤組成物の混合物を使用することによって達成されることを示した。増量剤が存在するブレンドより約3倍高いフッ素レベルを有する増量剤組成物が全く存在しないフッ素化ポリマーと比べて優れた性能が得られた。
【0073】
(実施例22)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのステアリルメタクリレート、15gのメチルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製した。それを次に、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。15gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、28.74%の固形分含有率で202.65gの重さがあった。
【0074】
(実施例23)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのステアリルメタクリレート、15gの酢酸ビニル、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製した。それを次に、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。15gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、25.91%の固形分含有率で196.4gの重さがあった。
【0075】
(実施例24)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのステアリルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製した。それを次に、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの酢酸ビニルを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、28.47%の固形分含有率で201.56gの重さがあった。
【0076】
(実施例25)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのステアリルメタクリレート、15gのビニルベンジルクロリドメチル、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製した。それを次に、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。15gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、27.13%の固形分含有率で202.33gの重さがあった。
【0077】
(実施例26)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのステアリルメタクリレート、15gのスチレン、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製した。それを次に、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。15gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、26.39%の固形分含有率で206gの重さがあった。
【0078】
(実施例27)
96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのブチルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールの混合物を、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、28.04%の固形分含有率で205.15gの重さがあった。
【0079】
(実施例28)
96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのエチルヘキシルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールの混合物を、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、29.26%の固形分含有率で185.43gの重さがあった。
【0080】
(実施例29)
96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのラウリルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールの混合物を、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、27.92%の固形分含有率で185.14gの重さがあった。
【0081】
(実施例30)
96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのトリデシルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールの混合物を、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、27.2%の固形分含有率で187.53gの重さがあった。
【0082】
(実施例31)
96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのヘキシルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールの混合物を、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、29.5%の固形分含有率で201.34gの重さがあった。
【0083】
(実施例32)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオン水(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのシクロヘキシルメタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製した。それを次に、機械撹拌機、熱電対温度計およびチラー冷却器(−5〜−10℃)を備え付けた500mLの4つ口フラスコに装入した。装入物を10gの熱い脱イオン水でフラスコへリンスして入れ、30分間または温度が30℃より下になるまで窒素でパージした。30gの塩化ビニリデンを次に反応フラスコに装入し、5分間混合した。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させた。混合物を半時間内に50℃に加熱し、8時間維持した。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合した。生じたポリマー増量剤ラテックス(水中分散系)は、28%の固形分含有率で203.37gの重さがあった。
【0084】
実施例22〜32の上記の生成ラテックスを性能試験のために本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン製の商業的に入手可能なフルオロポリマー・ゾニール8932と別々にブレンドした。ブレンドは、1:1の増量剤対フルオロポリマーの比を含有した。ゾニール・フルオロポリマーとのブレンドを、上記の試験方法1を用いて100%ナイロン布に塗布した。浴は表13でのデータについて20〜50g/Lのブレンド生成物を含有し、浴は10〜15g/Lのフッ素化ポリマーを含有した。湿潤剤アルカノール6112(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントンから入手可能な)もまた2g/Lで浴に含めた。塗布後に、布を約160℃で約2分間硬化させた。布を、処理および硬化後に「放置」した。処理布を、上記の試験方法2、3、4および5を用いて撥油性、撥水性および撥スプレー性について試験した。結果を表12にリストする。
【0085】
【表17】

【0086】
表12での結果は、フッ素化ポリマーと組み合わせた本発明の増量剤を、増量剤が存在しない同じフッ素化ポリマーと比較すると、より良好なまたは匹敵する性能が存在する60%のフッ素入りの増量剤の使用で得られることを示した。
【0087】
(実施例33)
水エマルジョンを次のもの:96gの熱い脱イオンHO(50〜60℃)、3.2gのエトクァッド18/25(アクゾ・ノーベル、イリノイ州シカゴから入手可能な)、4.6gのトリデシルアルコール5−エチレンオキシド付加体(エトックス・ケミカルズ、サウスカロライナ州グリーンビルから入手可能な、エトックスTDA−5)、30gのステアリルメタクリレート、1.25gのポリ(オキシエチレン)7メタクリレート、1.25gのN−メチロールアクリルアミド、0.68gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート、0.34gのドデシルメルカプタンおよび19.36gのジプロピレングリコールを混合することによって調製し、次に1Lオートクレーブに装入する。オートクレーブを密封し、3回排気し/窒素で満たす。30gの塩化ビニルを次に装入する。次に、10gの脱イオン水に溶解させた0.34gの「ヴァゾ」56WSP(本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン)を加えて重合を開始させる。混合物を30分間にわたって50℃に加熱し、150RPMでのかき混ぜ機を使って8時間維持する。重合後に、0.46gのデュポノール・ワクェ(ウィトコ・コーポレーション、コネチカット州グリニッチから入手可能な)の水溶液を室温で生成物と混合する。生じたラテックス増量剤を、ミルクフィルターを通して濾過する。増量剤を2:1の増量剤対フッ素化ポリマーの比でゾニール8932と混合する。ブレンドを実施例11でのように100%綿におよびナイロン布に塗布し、試験し、洗濯し、そして再試験する。試験結果は、布を洗濯した後の性能の耐久性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の重量百分率で共重合されたモノマー:
(a)約5%〜約90%の式Iのモノマー:
−OC(O)−C(R)=CH (I)
(b)約5%〜約85%の塩化ビニリデン、塩化ビニル、酢酸ビニル、またはそれらの混合物、
(c)約0.5%〜約3%の式IIのモノマー:
HO−CH−NH−C(O)−C(R)=CH (II)
(d)約0.5%〜約3%の式IIIのモノマー:
HO−CHCH−OC(O)−C(R)=CH (III)
(e)約1%〜約5%の式IVのモノマー:
H−(OCHCH−O−C(O)−C(R)=CH (IV)、および
(f)0%〜約25%のメチルメタクリレート、ビニルベンジルクロリド、スチレンまたはそれらの混合物
(式中、
各Rは独立してHまたはCHであり、
は約4〜約18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状または環式アルキル鎖であり、そして
mは2〜約10である)
を含むことを特徴とする増量剤ポリマー組成物。
【請求項2】
モノマー(a)がステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
モノマー(c)がN−メチロールアクリルアミドであり、モノマー(d)がヒドロキシエチルメタクリレートであり、そしてモノマー(e)が、エトキシ基の数が約2〜約10であるエトキシル化(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
基材に適用されたときに、ノーアイロン、アイロン掛けが容易、収縮抑制、しわがよらない、パーマネントプレス、湿気制御、柔軟性、強度、スリップ防止、帯電防止、ほつれ防止、抗ピル、撥染み、染み除去、撥汚れ、汚れ除去、撥水性、撥油性、悪臭抑制、抗菌性、日焼け防止、または同様の効果である表面効果を提供する剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記剤がフッ素化ポリマーであることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
フッ素含有率が約1.5重量%〜約6.6重量%であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
増量剤組成物対フッ素化ポリマーの比が約0.5:10〜約6:1であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記フッ素化ポリマーがフッ素含有ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニル、もしくはポリビニリデン、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
ブロックトイソシアネート、少なくとも1種の追加の増量剤組成物、または界面活性剤、乳化剤、pH調整剤、架橋剤、湿潤剤、およびワックス増量剤からなる群から選択される添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1または5に記載の組成物。
【請求項10】
基材を請求項1または7に記載の組成物と接触させる工程を含むことを特徴とする基材の処理方法。
【請求項11】
前記組成物がブロックトイソシアネート、少なくとも1種の追加の増量剤、または界面活性剤、乳化剤、pH調整剤、架橋剤、湿潤剤、およびワックス増量剤からなる群から選択される添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基材が織物、繊維、布、紙、不織布、皮またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法によって処理されたことを特徴とする基材。
【請求項14】
約0.05重量%〜約0.5重量%のフッ素含有率を有することを特徴とする請求項13に記載の基材。

【公表番号】特表2009−500494(P2009−500494A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520278(P2008−520278)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/025135
【国際公開番号】WO2007/008416
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】