説明

表面構造の修正

光ファイバの先端を形成する方法であって、光ファイバの端部の少なくとも一部分を粗面処理する工程と、光ファイバの先端を形成する粗面処理された端部をエッチング工程と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の表層構造を修正する方法に関し、特に、放射線を放射しまたは検知するのに適切な光ファイバの先端の形成方法に関する。本発明は、また、被験者の一部との相互作用のため、特に放射線を放射しまたは検知するため光ファイバの先端を使用する、方法と器具に関する。
【背景技術】
【0002】
<技術の記載>
任意の事前に発行された刊行物(またはそれから導き出される情報)、または、既知の任意の事項に対する、本明細書中の引用は、前記事前に発行された刊行物(またはそれから導き出される情報)が本明細書の関係する努力傾注分野での一般知識の一部を形成する、認識または承認、または、任意の形態の示唆ではなく、また、そのようなものとしてとられるべきものではない。
【0003】
光ファイバは、典型的にはレーザ又は他の同様の放射線の被験者の一部への配達、または、蛍光等の放射線の検知のために、さまざまな異なる医療用アプリケーションにおいて使用される。歯科学では、放射線は、歯の上の、カリエス(虫歯)、プラークおよび細菌感染の確認に使用される。
【0004】
Hibst等による特許文献1、2および3であって、Kaltenbach & Voigt GmbH & Coに譲渡されたものは、蛍光を誘発レーザから可視赤色光を用いて、歯の上の虫歯、プラークおよび細菌感染を検知するための光学的手法および装置を開示する。しかしながら、これらの技術は、歯髄室と歯根管内の細菌感染の確認は不可能である。
【0005】
Vari等による特許文献4であって、Cedars-Sinai医療センターに譲渡されたものは、誘発された蛍光分光学法を使用して歯根管の入口を位置探知し、次に、光硬化回復剤を使用して、歯根管を密閉し、充填する、光ファイバの歯内治療学の方法および器具を開示する。しかしながら、この方法と器具は、根管中の細菌感染の存在位置や範囲を確認せず、または、処置の時にその感染を除去するための制御手段を与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許番号5,306,144
【特許文献2】米国特許番号6,024,562
【特許文献3】米国特許番号6,186,780
【特許文献4】米国特許番号5,503,559
【0007】
一般にDiagnoDENT(登録商標)と呼ばれる市販のレーザ蛍光放射および検知装置は、655nmの波長の可視レーザ放射線を発するダイオードレーザと、中央の放射しているファイバおよび複数の周辺に集められたファイバを備えている光学式先端と、を使用する。虫歯を検知するためのこの装置により典型的に使用された複雑な多素子の剛性光学式の先端は、それらの大きな直径および長さ、および柔軟性の欠如により、歯髄室および根管空間での使用に適さない。
【0008】
根管微生物感染の既知の処置方法は、光活性化消毒(PAD)(ダイオードレーザからのローパワー放射線(それは水溶液中の増感剤を活性化するために使い捨ての光ファイバを通して典型的には送信される)を利用する光力学的な工程)である。Wilsonによる米国特許第5,611,793号とWilsonとは、レーザ光線により照射された感光性化合物を用いることによって、口腔の組織または口腔中の傷または病変の消毒または殺菌のためにPADを使用する方法を教示する。
【0009】
レーザは、また、歯髄覆罩法と断髄法等の軟組織への適用と同様に、スメア層除去および根管形成にも使用される。歯内治療学上での硬い組織への適用では、レーザエネルギの送達は、歯のハンドピースに付けられた通常(plain)の光ファイバを使用して、典型的には試みられる。
【0010】
歯内治療学の光ファイバは、根管の複雑に曲がったおよび屈折した組織を通り抜けるように小さく柔軟である必要がある。既存の光ファイバの柔軟性は、従来の歯内治療学の中で使用される超弾性のNi-Ti機器用のものよりも低い。重要なことは、既存のファイバは、通常の端部を有していることである。このため、レーザエネルギは、管壁の均一照射を得ることを試みるため、ファイバを突っ込み、引き出し、および回転するように動かすことを臨床医に求める、比較的小さなビームの開きを伴って前方に存在する。
【0011】
医療アプリケーション用光ファイバのための多くの修正は、Verdaasdonk RM, van Swol CF.等による論文、「 Laser light delivery systems for medical applications」、Phys Med Biol 1997年、42(5):869-894に記載されている。
【0012】
歯科学について、そのような修正は、Er:YAGレーザのため、光ファイバへとのびている中空導波管(Alves PR, Aranha N, Alfredo E, Marchesan MA, Brugnera Junior A, Sousa- Neto MDによる論文「Evaluation of hollow fibreoptic tips for the conduction of Er: YAG laser」、Photomed Laser Surg 2005; 23 '(4): 410-41 '5)と、横方向への放射のためのスリットを備えている中空金属製円錐形状の先端(Stabholz A, Zeltser R, SeIa M, Peretz B, Moshonov J, Ziskind D, Stabholz A.による論文「The use of lasers in dentistry: principles of operation and clinical applications」、Compend Contin Educ Dent 2003; 24(12);935-948)と、を含んでいる。
そのような金属導光路は、それらのサイズおよび固有の硬度のために、大きな直線状の根管以外の状況の臨床での使用を制限した。
【0013】
光ファイバについて、円錐形の端部は、Shirk GJ, Gimpelson RJ, Krewer K. による論文「Comparison of tissue effects with sculptured flbreoptic cables and other Nd.υAG laser and argon laser treatments」(Lasers Surg Med 1991; ll(6):563-568)、および、Shoji S, Hariu H, Horiuchi H.による論文「Canal enlargement by Er: YAG laser using a cone-shaped irradiation tip」(JEndod 2000; 26(8):454-458)に述べられているように、研削しつや出しすることによって作成することができる。
【0014】
光ファイバの端部は、また、二酸化チタンを含む特定の材料を、ファイバの端部に固定することによって、エネルギを分散させることができる。Walsh LJ.による論文「The current status of laser applications in dentistry」(Aust Dent J 2003; 48(3):146-155)に記載されているように、そのような等方性の先端は、歯内治療学において光力学処置(光活性消毒)のためのアプリケーションを有するものでもよい。
【0015】
しかしながら、円錐形の端部、材料を手直しする修正された先端の使用であっても、放射の大部分は、一般にファイバの端部からのものである。従って、そのような配置は、空洞に放射線を均一に照射するか換言すれば曝露することを試みるオペレーターによる、かなりの操作を要求する。これは、順に、制限された成功の保証のみを減らす、処理時間を与える。それ故、現在の光ファイバは、歯列矯正術のアプリケーションに使用するのに適していない。
【0016】
光ファイバは、また、光線力学療法(PDT)など他の医療用の中で使用することができる。該光線力学療法(PDT)は、悪性腫瘍疾患処置中に使用される最小の侵襲性の治療である。
【0017】
Colin Hopperによる論文「Photodynamic therapy: a clinical reality in the treatment of cancer」(LANCET Oncology VoI 1 2000年12月)は、PDTを行なうために、酸素、光増感剤および放射線を使用することを記載している。この文献では、レーザ光線は、光がくぼんだ器官および深部にある深在性腫瘍へ導入されることを可能にする、光ファイバケーブルに沿って導かれる。
【0018】
加えて、例えば、Thomas J. Polascik and Vladimir Mouravievによる論文「Focal therapy for prostate cancer」(Curr Opin Urol 18:269-274)に記載されているように、差し込み型レーザ温熱療法中に光ファイバは、使用され得る。
【0019】
ディフューザおよび回転ファイバの使用は、Thomas J. Vogl, Katrin Eichler, Martin G. Mack, Stephan Zangos, Christopher Herzog, Axel Thalhamrner, Kerstin Engelmannによる論文「Interstitial photodynamic laser therapy in interventional oncology」(Eur Radiol (2004) 14:1063-1073)に記載されている。
【0020】
繰り返すが、これらのアプリケーションでは、光ファイバは、典型的にはファイバの端部からのみ放射を与える。従って、オペレーターによるかなりの操作が、処置中の被験者の他の部分の腫瘍を均一に照射するのに、再び要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、既存の配列の1以上の欠点を、実質克服し、あるいは少なくとも改善することを試みる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の広範囲の形態では、本発明は、光ファイバの先端を形成する方法を与えることを試みる。
該方法は、
a)光ファイバの端部の少なくとも一部を粗面処理する工程と、
b)光ファイバの先端を形成するために、粗面処理された端部をエッチングする工程と、を含んでいる。
【0023】
典型的には、光ファイバの先端の表面は、多数の小面がある。典型的には、小面は、凹面型で、角の取られたものである。典型的には、各小面は、多数の角度に入射放射線を分散するためにある。典型的には、小面は、10μm〜100μmの範囲のサイズを有している。典型的には、光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有している。典型的には、方法は、アブレージョンによって端部を粗面処理する工程を含む。典型的には、方法は、粒子線を使用して、端部をすり減らす工程を含む。
【0024】
典型的には、方法は、
a)端部を回転させる工程と、
b)端部を回転して粒子線に曝露する工程と、を含む。
【0025】
典型的には、粒子線は、
a)酸化アルミニウムと、
b)立方晶窒化硼素と、
c)炭化けい素と、
d)二酸化けい素と、
e)酸化ジルコニウムと、
f)二酸化ジルコニウムと、
g)シリコーンカーバイドと、
h)鋼玉と、
i)酸化マグネシウムと、
のうちの少なくとも1つの粒子状材料を含む。
【0026】
典型的には、粒子状材料は、
a)25〜100μmと、
b)およそ50μmと、
のうちの少なくとも1つの粒子状材料を含む。
【0027】
典型的には、粒子線は、圧縮ガスを使用して生成される。
【0028】
典型的には、ガスは、
a)空気と、
b)窒素と、
c)二酸化炭素と、
d)不燃性ガスと、
のうちの少なくとも1つのものである。
【0029】
典型的には、ガスは、およそ2.8バールの圧力を有している。典型的には、方法は、酸を使用して、端部をエッチングする工程を含む。
【0030】
典型的には、酸は、
a)フッ化水素酸と、
b)フッ化水素酸とオルト燐酸の混合物と、
c)フッ化水素酸、オルト燐酸およびフッ化化合物の混合物と、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
典型的には、酸は、
a)気相と、
b)液相と、
のうちの少なくとも1つである。
【0032】
典型的には、方法は、10〜15分間端部をエッチングする工程を含む。典型的には、方法は、端部を形作る工程を含む。典型的には、方法は、端部をすり減らす前に端部を形作る工程を含む。典型的には、方法は、端部が光ファイバの端部になるにつれて先細りになるように、端部を形作る工程を含む。典型的には、方法は、端部を円錐形へと形作る工程を含む。典型的には、方法は、端部をプレエッチングすることによって、端部を形作る工程を含む。典型的には、方法は、酸を用いて、端部をプレエッチングする工程を含む。典型的には、方法は、45〜180分の間、端部をプレエッチングする工程を含む。典型的には、方法は、光ファイバからポリマーコーティングを取り除き、端部を露出する工程を含む。
【0033】
典型的には、光ファイバは、
a)石英ガラスファイバと、
b)石英ガラスファイバをドープしたフッ化物と、
c)石英ガラスファイバをドープしたゲルマニウと、
のうちの少なくとも1つである。
【0034】
第2の広範囲の形態では、本発明は、小面の刻まれた表面構造を有している先端を含む光ファイバを与えることを試みる。典型的には、小面は、形態において、角がとられた、凹面である。典型的には、各小面は、放射線を分散し、多数の角度に入射放射線を集めることができる。典型的には、小面は、10μm〜100μmの範囲のサイズを有している。典型的には、光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有している。典型的には、先端は、実質円錐形である。典型的には、先端は、光ファイバの端部に行くにつれて先細りになっている。
【0035】
第3の広範囲の形態では、本発明は、被験者の一部との相互作用のために、器具を与えることを試みる。前記器具は、
a)放射線を少なくとも生成または検知する光システムと、
b)第1の終端で光システムに結合されている光ファイバであって、該光ファイバの第2の端部は、先端を有しており、該先端の少なくとも一部分は、円錐形で、小面の刻まれた表面構造を有しており、該表面構造は、放射線が、少なくとも光ファイバの軸に垂直な方向に、少なくとも部分的に先端から放射され、又は先端を介して受け取られる、光ファイバと、
を含んでいる。
【0036】
典型的には、光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有している。典型的には、光ファイバの先端は、円錐形を有している。典型的には、光学系は、先端から放射される放射線を生成するための放射線源を含む。典型的には、光学系は、先端を介して受け取られた放射線を感知するためのセンサを含む。
【0037】
典型的には、光学系は、
a)第1の波長の放射線を放射するための第1の放射線源と、
b)第2の波長の放射線を放射するための第2の放射線源と、
c)第1と第2の放射線源を光ファイバの第1の端部に光学的に結合するための光学要素と、
を含んでいる。
【0038】
典型的には、光学要素は、放射線源を光ファイバに選択的に結合するための光スイッチを含む。
【0039】
典型的には、第1の放射線源は、
a)固体レーザと、
b)ガスレーザと、
c)ダイオードレーザと、
d)発光ダイオードと、
のうちの少なくとも1つである。
【0040】
典型的には、第1の放射線源は、650〜670nmの第1の波長のレーザ放射線を放射する。
【0041】
典型的には、第2の放射線源は、
a)固体レーザと、
b)ガスレーザと、
c)ハイパワーダイオードレーザと、
d)発光ダイオードと、
のうちの少なくとも1つである。
【0042】
典型的には、第1と第2の放射線源は、第1の放射線を放射するためのローパワーモード、および第2の放射線を放射するためのハイパワーモードで動作するダイオードレーザから形成されている。典型的には、第2の放射線源は、光感受性物質を活性化するために480〜830nmの第2の波長のレーザ放射線を放射する。典型的には、放射線源の少なくとも1つはパルスモードで操作される。
【0043】
典型的には、放射線源は、
a)熱の蓄積を低減する、
b)ファイバの先端が置かれる流体中に空洞現象を生成する、
c)ファイバ先端が置かれる流体中に衝撃波を生成する、
d)歯の硬組織のアブレーションを達成する、
e)光音響効果を生成する、
f)信号対雑音比を改善する、
g)器具からの熱放散を低減する、および、
h)消費電力を低減する、
のうちの少なくとも1つに対するパルスモードで操作される。
【0044】
典型的には、器具は、
a)光誘発蛍光放射線を受信する工程と、
b)受信放射線を使用して、空洞内の細菌のレベルを測定する工程と、
のために光学要素に結合された演算処理装置を含む。
【0045】
典型的には、器具は、第1と第2の放射線源および光スイッチの少なくとも1つの制御のための演算処理装置を含む。
【0046】
典型的には、器具は、
a)光誘発蛍光を使用して、空洞内の細菌のレベルを測定する工程と、
b)光熱変換、光音響学、および光力学処置の少なくとも1つを使用して、空洞内の細菌を消毒する工程と、
c)空洞と腫瘍の少なくとも1つを放射線に曝露する工程と、
d)光蛍光を検知する工程と、
e)歯の空洞内で細菌を確認し、処置する工程と、
のうちの少なくとも1つのためのものである。
【0047】
典型的には、空洞は、根管を含む。
【0048】
第4の広範囲の形態では、本発明は、被験者の一部との相互作用のための方法を与えることを試みる。前記方法は、
a)被験者の少なくとも一部分の隣接位置に光ファイバの先端を位置決めする工程であって、光ファイバの先端は、小面の刻まれた表面構造を有しており、該表面構造は、放射線が、少なくとも光ファイバの軸に垂直な方向に、先端から放射され、又は先端を介して受け取られる、工程と、
b)放射線を生成し、検知することの少なくとも1つを行うために、光ファイバに結合されている光システムを使用する工程と、
を含む。
【0049】
第5の広範囲の形態では、本発明は、歯の空洞内の細菌の確認および処置のための器具を与えることを試みる。ここで、器具は、
a)第1の波長の放射線を放射するための第1の放射線源と、
b)第2の波長の放射線を放射するための第2の放射線源と、
c)i)光誘発蛍光を使用して、空洞内の細菌のレベルを測定するため、および、ii)あるレベルの細菌の存在下で、光熱変換、光音響学、光力学処置の少なくとも1つを使用して、空洞内の細菌を消毒するため、に第1と第2の放射線源を空洞に随意に結合させるための光学要素と、
を含んでいる。
【0050】
第6の広範囲の形態では、本発明は、歯の空洞内の細菌の処置のための確認方法を与えることを試みる。ここで、工程は、
a)光誘発蛍光を使用して、空洞管内の細菌のレベルを測定する工程と、
b)あるレベルの細菌の存在下で、光熱変換または光力学処置を使用して、空洞内の細菌を消毒する工程と、
c)有効な処置のためのフィドバックを与えるために、光誘発蛍光を使用して、空洞内の細菌のレベルを再測定する工程と、
を含んでいる。
【0051】
第7の広範囲の形態では、本発明は、光学的性質を修正するために、材料の表面を修正する方法を与えることを試みる。該方法は、
a)材料の表面を粗面処理する工程と、
b)小面の刻まれた表面構造を有するように、粗面処理された端部表面をエッチングする工程と、
を含んでいる。
【0052】
典型的には、小面は、角を取られる。典型的には、各小面は、多数の角度に入射放射線を分散するためにある。典型的には、光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有している。典型的には、方法は、アブレージョンによって表面を粗面処理する工程を含む。典型的には、方法は、粒子線を使用して、表面をすり減らす工程を含む。
【0053】
典型的には、粒子線は、
a)酸化アルミニウムと、
b)立方晶窒化硼素と、
c)炭化けい素と、
d)二酸化けい素と、
e)酸化ジルコニウムと、
f)二酸化ジルコニウムと、
g)シリコーンカーバイドと、
h)鋼玉と、
i)酸化マグネシウムと、
のうちの少なくとも1つの粒子状材料を含む。
【0054】
典型的には、粒子状材料は、
a)25〜100μmと、
b)およそ50μmと、
のうちの少なくとも1つの平均サイズの粒子状材料を含む。
【0055】
典型的には、粒子線は、圧縮ガスを使用して生成される。
【0056】
典型的には、ガスは、
a)空気と、
b)窒素と、
c)二酸化炭素と、
d)不燃性ガスと、
のうちの少なくとも1つのものである。
【0057】
典型的には、ガスは、およそ2.8バールの圧力を有している。典型的には、方法は、酸を使用して、表面をエッチングする工程を含む。
【0058】
典型的には、酸は、
a)フッ化水素酸と、
b)フッ化水素酸とオルト燐酸の混合物と、
c)フッ化水素酸、オルト燐酸およびフッ化化合物の混合物と、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
典型的には、酸は、
a)気相と、
b)液相と、
のうちの少なくとも1つである。
【0060】
典型的には、方法は、10〜15分間表面をエッチングする工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の一例は、これより、添付の図面を参照しつつ記載される。
【図1】光ファイバの先端を形成するプロセス(工程)の実施例のフローチャートである。
【図2A】端部を有している光ファイバの実施例の概要図である。
【図2B】形作られた端部を有している図2Aの光ファイバの概要図である。
【図2C】エッチングされた粗面処理された端部を有している端部を備えている図2Bの光ファイバの概要図である。
【図3A】円錐形に形作られた先端を有している光ファイバの実施例の表面のトポグラフィを示す走査電子顕微鏡画像である。
【図3B】粗面処理された先端を有している光ファイバの実施例の表面のトポグラフィを示す走査電子顕微鏡画像である。
【図3C】粗面処理されかつエッチングされた先端を有している光ファイバの実施例の表面のトポグラフィを示す第1の走査電子顕微鏡画像である。
【図3D】粗面処理されかつエッチングされた先端を有している光ファイバ先端の実施例の表面のトポグラフィを示す第2の走査電子顕微鏡画像である。
【図4A】図3Aの光ファイバからの放射線放射の実施例の概要図である。
【図4B】粗面処理されかつエッチングされた表面による放射線の散乱の実施例の概要図である。
【図4C】図3Cの光ファイバからの放射線放射の実施例の概要図である。
【図5】光ファイバの先端を形成するプロセスの第2実施例のフローチャートである。
【図6A】円錐形に形作られた先端を作成するために光ファイバをエッチングするプロセスの実施例の概要図である。
【図6B】円錐形に形作られた先端を作成するために光ファイバをエッチングするプロセスの実施例の概要図である。
【図6C】円錐形に形作られた先端を作成するために光ファイバをエッチングするプロセスの実施例の概要図である。
【図7】光ファイバの先端を粗面処理するための実施器具の概要図である。
【図8A】光ファイバの実施例の要素の分析グラフである。
【図8B】光ファイバの実施例の要素の分析グラフである。
【図8C】光ファイバの実施例の要素の分析グラフである。
【図9A】多くの異なる光ファイバの先端からの前方への放射の実施例のグラフである。
【図9B】多くの異なる光ファイバの先端からの側方への放射の実施例のグラフである。
【図10A】未修正の光ファイバに対する、同軸に向かうビームからの可視赤色光の分布の実施例である。
【図10B】円錐形の先端を有している光ファイバに対する、同軸に向かうビームからの可視赤色光の分布の実施例である。
【図10C】粗面処理された円錐形の先端を有している光ファイバに対する、同軸に向かうビームからの可視赤色光の分布の実施例である。
【図10D】粗面処理されかつエッチングされた円錐形の先端を有している光ファイバに対する、同軸に向かうビームからの可視赤色光の分布の実施例である。
【図11A】円錐形を有している光ファイバの先端の写真である。
【図11B】Nd:YAGレーザで使用された時に、図8Aの光ファイバの先端を使用して得られた熱インプリントである。
【図11C】粗面処理されかつエッチングされた円錐形の先端を有している光ファイバの先端の写真である。
【図11D】Nd:YAGレーザで使用された時に、図8Cの光ファイバの先端を使用して得られた熱インプリントである。
【図12】細菌処置用器具の実施例を示す概要図である。
【図13】細菌処置用器具の第2の実施例を示す概要図である。
【図14】細菌の処置方法を示すフローチャートである。
【図15A】被験者の一部分を放射線に曝露する器具の概要図である。
【図15B】被験者の一部分を放射線に曝露する光ファイバの先端の概要図である。
【図16】材料の表面構造修正の作用を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
<好ましい実施形態の詳細な説明>
材料の表面構造を修正し、その結果として光学的性質を修正するプロセスの一例が、これより、記載される。本実施例の目的のため、図1および図2A乃至2Cを参照しつつこれより記載されるように、プロセスは、光ファイバの先端を生成するのに用いられる。
【0063】
本実施例では、工程100で、光ファイバの端部は、随意に形作られる。実施例の光ファイバ200は、図2Aに示される。本実施例では、光ファイバ200は、石英ガラスまたはその他同種のもの等のコア材料210を含む。コア材料は、保護ポリマー層などの外装材220に随意に囲まれてもよい。本実施例では、端部211は、典型的にはコア210の端部212から距離Dだけ伸長するものである。典型的には、外装材220は、端部211を少なくとも露出し、および、示されているように、随意にコア210の追加部分を露出するために、除去される。
【0064】
成形は、任意の適切な形になり得るもので、端部211の内部表面に影響を与える放射線量を最大にするように、典型的に選択されている。従って、一例では、端部211は、図2Bに一例が示されているが、先細りになっており、その結果として一般的な円錐形を与えている。成形は、要求される形に依存して、研磨、研削、エッチング、加熱変形など任意の適切な方法で行なわれてもよい。
【0065】
工程110で、端部の外側表面は、粗面処理される。粗面処理は、任意の適切な方法で行なわれ得るが、一例では、ガスジェットで流入させられた粒子材料を例えば使用する、アブレージョンによって行なわれる。適切な粒子材料は、酸化アルミニウム(アルミナ)、立方晶窒化硼素、炭化けい素、二酸化けい素、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、シリコーンカーバイド、鋼玉および酸化マグネシウムを含む。ガスは、圧搾空気、窒素、二酸化炭素または他の不燃性ガスを含んでもよい。本実施例では、ガスジェットは、端部方向に導かれ、その結果、粒子材料は、表面に衝突し、これによって、削り、換言すれば端部211の外側表面をすり減らし、その結果として、表面を粗面処理する。粒子状材料は、典型的には25μmと100μmの間のサイズであり、および典型的にはおよそ50μmのサイズを有している。
【0066】
研摩紙または砥石車のように固定砥粒を使用する場合、手作業による技術または回転式の研磨パッドのいずれかを使用する場合よりも、粒子線によって、より一貫した効果を達成することができ、ファイバを損傷するリスクも低減される。
【0067】
工程120で、粗面処理された光ファイバケーブルの端部は、適切な酸での酸エッチング処置などのエッチング工程を利用してエッチングされる。適切な処置は、フッ化水素酸と、フッ化水素酸およびオルト燐酸の混合物と、フッ化水素酸、オルト燐酸およびフッ化化合物(フッ化ナトリウム、フッ化カリウムまたはフッ化アンモニウムなど)の混合物と、の少なくとも1つを含む。エッチングの速さおよび得られる形は、酸エッチング処置用の露光時間を種々変えるのと同様に、酸処理の組成物および温度の変更によって変えることができる。典型的には、エッチングはおよそ10〜15分間行なわれる。酸は、気相または類似の相にあってもよい。一例では、酸は、気浴法(vapour method)を使用して、ファイバに適用される。さらなる実施例では、酸処理は、酸に耐性のあるポリプロピレンまたはテフロン(登録商標)容器内のエッチング液体にファイバを浸けることによって試みられてもよい。最も好ましい方法では、エッチングは、酸性溶液とファイバの先端の間の表面張力および接触角を変更する第2の媒体を介して、液体にファイバの端部を浸けることによって達成される。適切な第2の媒体はシリコーンオイルである。しかしながら、他の適切な耐酸材料も使用することができる。
【0068】
エッチング工程は、粗面処理された表面の特徴を典型的には強調し、図2C示されるように、それによって結果として凸凹の表面構造を生じる。一例では、表面構造は、以下に、より詳細に記載されるように、表面構造上への放射線入射を散乱するように作用する多くの小面を有している、小面の刻まれたハニカム表面構造である。
【0069】
電子顕微鏡画像の実施例の光ファイバの端部の走査は、これより、図3A乃至3Dを参照しつつ記載される。
【0070】
図3Aの実施例では、端部は、以下に、より詳細に記載されるように、酸性のエッチング工程を使用して、工程100で形作られた。画像は、成形手順の後の端部211の外側表面が典型的には滑らかであることを、例証する。図3Bは、光ファイバの端部が微粒子の研磨材を使用して、粗面処理された実施例を示す。本実例では、画像は、端部210が小さな突出部およびくぼみを含む粗面を有していることを示す。
【0071】
工程120のエッチング工程の後、エッチングされた表面には多くの小面300を有している凹凸の表面構造を有している。この多くの小面は、図3Cおよび3Dに示されるように、一般に、ハニカム表面構造を形成する。ハニカム表面構造は、粗面処理された端部表面の突出部およびくぼみのエッチングにより生じる。エッチングは、それらの相対的なサイズを強調する。
【0072】
小面のサイズは、粒度及び/又はエッチング時間の変更により制御することができる。25μmと100μm間のサイズを有している粒子状材料と、10〜15分間のエッチング時間とを使用する本実施例では、小面は、典型的には10μm〜100μmの範囲、および最も好ましくは50μmのサイズを有している。それらは規則的な凹面の型を有している。また、個々の小面のサイズは隣のものと違うが、処置された表面の全面的なトポグラフィは規則的である。ハニカム表面構造の存在は、端部211の表面からの放射線の散乱を強める。その結果、端部は、横方向(端部の軸芯に対して一般に垂直に伸びる方向)でより大きな放射線量を放射する。この一例は、図4A乃至4Cに示される。この表面修正は、また、例えば、診断目的で使用するために、ファイバの端部が放射線を集める能力を高める。表面の規則的な全体形状は、光を送信し、集めることの両方を助ける。特に、小面の凹面の球状の形態およびそれらのサイズは、可視光と近赤外線の両方の横方向拡散および収集を最適化する。
【0073】
図4Aの実施例では、端部211の成形を起因とする、滑らかな先細りの部分211が示されている。本実施例では、矢印400によって示されるように、コア210によって広げられた放射線は、コア210および端部211の両方の内部表面から反射される。その結果、矢印402によって示されるように、微少量の放射線が端部210から横方向に放射されるだけで、矢印401によって示されるように、大多数の放射線は、光ファイバの端部212から放射される。
【0074】
しかしながら、図4Bで示されるように、粗面処理されエッチングすることによって形成された表面構造を有している光ファイバの場合、コア210によって広められた放射線410は、矢印411によって示されるような、表面構造によって散乱された形式のものになる。特に、本実例では、表面構造の各小面は、それぞれ、多数の角度に入射放射線を分散し、それによって、広範囲の散乱特性を導く。これは、散乱効果を最適化する10μmから100μmの範囲にある小面のサイズによって補助され、それによって、側方の放射を増加させる。その結果、図4Cに示されるように、放射線の大部分が端部210から側方412に放射される。
【0075】
表面構造の存在が光ファイバから側方に放射される放射線量を増加させることは、明らかである。同様の方法で、放射線が先端の外側表面に側方から当たる場合、表面構造は、光ファイバに沿って送達された放射線量を次第に増加する放射線の散乱を強める、ことが認識されるだろう。このことは、蛍光または同様のものを検知するのに役立つ。
【0076】
表面構造のサイズおよび形は、散乱量、即ちファイバの先端から側方に放射された放射線量へ影響を与える。ファイバの先端から放射された放射線パターンの変化は、このエネルギが以下の動作の1つ以上を誘発する範囲に作用する。即ち、
*ファイバの先端が置かれる流体内での空洞現象、光音響効果および衝撃波の生成、
*骨と歯などの硬組織のアブレーション、
*光熱変換動作による細菌の死滅、
*光力学的作用による細菌の死滅、
*熱の蓄積を低減する、
*光音響効果を生成する、
*信号対雑音比を改善する、
*器具から熱放散を低減する、および、
*器具の消費電力低減、
の動作の1つ以上を誘発する範囲に作用する。
【0077】
表面構造は、診断目的のためファイバの先端が放射線を受け取る能力に、同様に影響する。表面構造のサイズは、粗面処理とエッチング工程に関係する調節パラメータによって制御することができる。アブレージョンプロセスで可変のパラメータは、すり減らす材料の使用されるアブレージョン時間と、すり減らす材料の衝突速度と、を含む。上に明記されたように、調節され得るエッチングパラメータは、エッチング時間、エッチング方法、エッチング温度、および使用するエッチング液の化学組成物の濃度を含む。パラメータは、また、光ファイバを形成する材料に従って選択される。従って、粗面処理とエッチングプロセスとの適切な制御によって、軸方向に対して側方から放射される放射線の側面部で発せられる放射線の割合を制御可能にする。
【0078】
光ファイバの先端の側方放射を形成するためのプロセスの特定の実施例は、これより、図5を参照しつつ記載される。
【0079】
工程510で、端部211がエッチングされて円錐となる前に、工程500で、任意の外装材220は、少なくとも端部211について、コア210から取り除かれる。エッチング工程の一例は、図6A乃至6Cに示される。
【0080】
本実施例では、光ファイバコア210の端部は、上に明記されたフッ化水素酸(HF)または他の材料など適切なエッチング液610へ浸される。一例では、純粋なHFが使用されるとき、エッチングは、有機溶媒層620の下に酸を与え、周囲環境へ放射されたHF蒸気の量を低減することによって、達成される。エッチング液は、浸されたファイバ表面を湿らせて、光ファイバ210とエッチング液間のインターフェースの表面張力により最初のメニスカス高さを形成する。エッチングが進むとともに、図6Bで示されるように、表面張力から結果として生じる上向きの引力は、エッチング液に接するファイバ半径の減少により減少する。それゆえ、図6Cで211と示されるように、溶剤層より下のファイバの部分が完全にエッチングされ、それによって、形作られた端部を形成するまで、メニスカス高さは次第に低くなる。ファイバの端部は、また、HF蒸気内に置き、回転させて、所望面状を得ることによってエッチングされ得る。エッチング方法のこの変形は、陰圧換気システムでのHF槽上に生成された蒸気を使用する。
【0081】
エッチングが完成した後、エッチングされたファイバは、その後、エッチング液から取り除かれ、例えば、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの溶液、または重炭酸ナトリウム溶液等によって連続的にすすぐことによって残留エッチング液を中和し、その後、水および最後は、アセトン、エタノール、イソプロパノールまたは揮発性溶媒を使用することによって、乾燥面の状態にする。
【0082】
エッチング工程の変更によって作用し得る2つの可変量は、ファイバのエッチング速度および形状である。エッチング速度は、エッチング液の温度、エッチング液の濃度、エッチング液の物理的組成またはエッチングの方法によって影響を受け得る。ファイバの形状は、ファイバの直径、エッチング液の密度、エッチング液の濃度およびエッチング液の温度によって影響を受け得る。
【0083】
一例では、エッチングは、摂氏25度で、50%のフッ化水素酸(HF)を使用して、45〜180分間行なわれ、その結果として所望円錐形を生成する。
【0084】
これより図7を参照しつつ記載されるように、工程520で、端部の表面は、粒子ジェットを使用して粗面処理される。
【0085】
本実施例では、ノズル701を有しているガス供給700は、気体流を生成するために使用される。任意の適切なガスは、空気のように使用され得る。一例では、空気流は、およそ2.8バールの圧力で圧搾空気を使用して生成される。しかしながら、窒素、二酸化炭素または他の不燃性ガスなど代わりのガスが使用され得る。粒子材料は、粒子源703から気体流に注入されえるもので、その結果、粒子材料は、粒子ジェット702を形成するために気体流内に流入され得る。一例では、任意の適切な粒子状材料が使用され得る一方、粒子状材料は、酸化アルミニウム粒子状材料である。しかしながら、代わりに、立方晶窒化ほう素と、炭化けい素と、二酸化けい素と、酸化ジルコニウムと、二酸化ジルコニウムと、シリコーンカーバイドと、鋼玉と、酸化マグネシウムと、のうちの1以上の粒子状材料が使用され得る。
【0086】
光ファイバ210が位置を決めされ、その結果、端部211が粒子ジェット702と位置調整される。光ファイバ210は、クランプ710などの支持を使用して、位置固定されてもよい。一例では、矢印730で示されるように、クランプは、光ファイバ軸芯回りに光ファイバ210を回転可能にする駆動部を含む。
【0087】
一例では、制御部720は、ガス供給700、粒子源703およびクランプ710に結合される。制御部720は、システムの動作を制御可能にする、処理システム、FPGA等、任意の適切な形式の制御部であり得る。あるいは、システムは、手動で制御することができる。
【0088】
使用時、位置決めの後、光ファイバ210は、回転され、および粒子ジェット702は、起動される。所望の構造の粗面処理をもたらすために必要とされる間、これは典型的には行なわれ、一実施例では、光ファイバが180度回転されている間、各々0.5秒の4つのバーストで行なわれる。工程530では、表面の粗面処理の次に、粗面処理された端部は、2度目のエッチングを行うことができる。再び、塩化水素酸、フッ化水素酸など任意の適切なエッチング液が、使用され得る。本実施例では、全端部211は、沈められたままの状態で、それによって、全表面にわたる均一なエッチングを確実にする。一例では、エッチングは、エッチング工程の温度、光ファイバの組成物などの因子に依存して、10〜15分などのより短い期間実行される。再び、エッチングは、摂氏25度で50%のHFを使用して、典型的には行なわれる。
【0089】
エッチングの次に、任意の残るエッチング液は、典型的には中和され、結果として生じるファイバが使用されることを可能にする。エッチングは、光ファイバの先端が円錐形というよりむしろ平行な側面形状を有する、という例外を除き、形作られていないファイバ上にも実行できる。そして、このことは、依然として、改善された外側への放射を与える同様の非常に小さな「ハニカム」表面構造を結果として生じる。
【0090】
結果として生じる光ファイバの先端は、歯腔および根管などの腔の内側を照らすために使用することができる。これは、以下に、より詳細に記載されるように、アブレーションまたは光活性消毒を実行するためなど、多くの理由で使用することができる。
【0091】
光ファイバの先端から放射線を側方に放射することを可能にするという、この効果を実証するため、粗面処理およびエッチング工程の使用の実施例が、これより記載される。
【0092】
<レーザと光ファイバ>
これらの実施例のため、試験目的で使用される光ファイバおよび対応するレーザは、320μm石英ガラスファイバ(WF 320 MDF、BioLitec、Winzelaer、ドイツ)を備える、1.5 mJ/パルス、20Hz(3.0Wパネル)でのNd:YAGレーザ(dLase 30O American Dental Laser、Fremont、CA)と、400μm(ISO 40)の歯内治療学のファイバを備える、200mJ/パルス、20Hz(4W)で使用されるEr:YAGレーザ(KEY3、モデル1243、KaVo、Biberach、ドイツ)と、400μmの歯内治療学のファイバ(MZ4)へ送達される、1.25Wおよび20Hz(62.5 mJ/パルス)のパネルセッティングで使用されるEr,Cr:YSGGレーザ(Waterlase MD、Biolase、Irvin、CA)と、を含む。
【0093】
<ファイバ修正>
合計75個のファイバ(レーザ毎に25個)が使用された。各レーザグループについて、これらは、各々5つのファイバの5つのグループにさらに分けられた。
【0094】
制御部として役立つために、製造業者によって与えられるように、グループ1は修正されていないファイバだった。
【0095】
グループ2のファイバは、光ファイバを成形するために、上述されたエッチング技術を使用して、50%のフッ化水素酸によりエッチングされた。シリコーンオイル層は、HFの上に設けられ、HF蒸気からファイバマウントを保護する。エッチングは、45から180分までの範囲にある期間、摂氏25度で試みられた。適切なエッチング時間は、最終倍率30倍で、顕微鏡を用いて、5分間隔で、エッチングの進行をチェックするという予備実験から、定められた。選ばれた端点は、円錐形の尖鋭な端部だった。一度、エッチングが完了すると、ポリマーコーティングは、機械的なストリッピングによって、または熱い濃縮HSOにそれを溶かすことによって、除去された。
【0096】
グループ3のファイバは、同じ方法を使用して、エッチングされたが、エッチングを始める前に2mmのポリイミドコーティングを除去した。
【0097】
グループ4のファイバは、5mm長さのポリマーコーティングを除去し、および、その後、露出されたファイバを2.85バールの圧力で圧搾空気を使用して、医療用の50μm酸化アルミニウム(Microetcher ERC、Danville Enginerring、SanRomon、CA)の粒子線により処置したものである。一貫したすり減らし行為を達成するため、アブレージョン中にファイバの先端を180度回転させている間、粒子線は、各々0.5秒の4つのバーストに適用された。
【0098】
グループ5は、3工程のプロトコルで修正される。この3工程は、グループ2および3でのように管エッチングをエッチングすることによって、円錐形の形状を得る工程と、その後、グリープ4のようにアルミナ粒子線で先端をすり減らす工程と、及びファイバの端部をもう一度最後にエッチングする工程と、である。第2のエッチング時間は、予備実験から決められており、WF 320 MDFファイバおよびBiolaseのファイバの双方については15分であり、KEY3ファイバについては10分だった。さらに、試験される前、グループ2、3および5中の全てのエッチングされたファイバの末端20mmは、HFの任意の残基を中和するために炭酸水素ナトリウム飽和溶液に漬けられた。
【0099】
3つのファイバタイプの元素分析は、フッ化物にドープした石英ガラスであるBiolitecおよびBiolase製のファイバ、およびゲルマニウムドープしたシリカファイバであるKEY3ファイバで、組成物の違いを明らかにした。HFによりエッチングする前後で、サンプルを比較した時、ファイバ組成物に変化はなかった。上述した3つの異なる光ファイバの組成物の例は、図8A乃至図8Cに示されている。
【0100】
グループ2のサンプルに必要なエッチング時間は、それぞれBiolitecおよびBiolase(フッ化物ドープされた)ファイバのための161分(±6)(平均±SD)および174分(±7)に対して、91分(±9)を必要とするKEY3レーザからのゲルマニウムドープしたファイバを備える、ファイバタイプへの依存するファイバ組成物に従って変化した。ファイバタイプ間のエッチング時間の差は、かなりのものだった(P<0.05)。
【0101】
修正済の管エッチングサンプル(グループ3)では、エッチング前のポリイミドコーティングの除去は、すべてのファイバタイプで、円錐形の端部を得るのに必要な時間を三分の一に低減した。KEY3、BiolitecおよびBiolaseファイバのエッチング時間は、それぞれ59(±6)、106(±7)および130(±7)分だった。またしても、ファイバタイプによるかなりの差があった(P<0.001)。グループ2および3において、整合されたサンプルのための、管エッチングと修正済の管エッチング間のエッチング時間の減少は、かなりのものだった(P<O.0002)。
【0102】
<結果として生じる先端トポグラフィ>
ファイバの先端は、プラチナによるスパッタリングの後に、15kVでJEOL6400走査電子顕微鏡を使用して試験された。元素分析については、ファイバは、炭素によるスパッタコーティングだった。画像は、30kVでの6460のJEOL SEMを後方散乱電子(EBSD)回折に使用して、500倍の最終的な倍率で得られた。
【0103】
上に記載されるように、円錐形の先端、粗面処理された先端およびハニカム表面構造用の、結果として得られる走査電子顕微鏡画像は、図3A乃至3Dに示される。
【0104】
管エッチング技術(グループ2)または修正済の管エッチング技術(グループ3)を使用するHFでの簡単なエッチングは、両方とも、図3Aに示される様に、略33μmの典型的な最終直径の、同様の円錐形に形作られたファイバの端部を与えた。図3Bに示されるように、粒子線によって処置されたグループ4のファイバは、非常に小さい、粗面処理された表面を示した。
図3Cおよび3Dに示されるように、エッチング、アブレージョンおよびさらなるエッチングによって処置されたグループ5内のファイバは、ハニカム様の外観を有する多くの小面の刻まれた表面を有していた。
【0105】
<放射測定>
順方向(先端の前の10mm)および側方(先端の側から2mm)の固定点での、様々なファイバからの出射レーザエネルギは、パワーメーター(Nova II、Ophir Optronics、North Andover(MA))で測定された。T試験は、露出された(グループ1)の先端と、修正された先端間の、順方向と側方との出射パワーを比較するために使用された。
【0106】
修正済のファイバは、修正されていないファイバと比較したとき、順方向の放射は低減されたが、側方の放射は強められたことを示した。後のTukey−Kramer多重比較試験と共に用いるANOVA解析は、修正されていない制御ファイバと、使用されたファイバ材料の各タイプの、4タイプの修正したファイバとの間に、統計学上のかなりの違いを示した。
【0107】
順方向では、普通のファイバの端部との比較時、すり減らされた先端およびハニカム先端の両方の円錐形に形作られたファイバの端部は、放射の減少を示した。2つの円錐形のファイバ(グループ2および3)間の違いは、それほどでもなかった。図9Aで示されるように、グループ2、3、4および5についての順方向の放射の平均減少量は、それぞれ、49±1%(平均±SD)、47±7%、23±11%および68±4%だった。図9Bで示されるように、ファイバ修正は、グループ2、3、4および5について、それぞれ、464±73%、456±91%、218±59%および472±133%の増加を示す、側方の放射のかなりの増加を与えた。
【0108】
<ビームの開く角度>
可視赤色光の分布のトレースは、同軸のHe−Neレーザ(632.8nm)(dLase 300 Nd:YAGシステム内での)またはInGaAsPダイオードレーザ(635nm)の(エルビウムシステム(erbium system)内での)放射を使用して試みられた。可視赤色光の分布は、ファイバをグリッドに直接接触した状態で維持して、ディジタルカメラを装備した実体顕微鏡を使用して、グリッド上で撮影された。ビームの開く角度は、画像-J画像分析ソフトウェア(NIH、ベテスダ(Bethesda)、MD、アメリカ)の補助によって測定された。
【0109】
結果として生じる放射の実施例は、図10A乃至10Dに示されている。図10Aの実施例では、修正されていないファイバが示されており、放射線は、1000で示されるように、15度のビームの開きで先端から放射されている。図10Bにおいて1010で示されるように、円錐形に形作られた先端を有しているグループ2と3のファイバは、より大きな程度のビームの開きを示すが、順方向に主な放射を伴う。図10Cでは、粗面処理された光ファイバは、1020で、ビームの開きは広角だが、側方の放射はほとんどないことを実証するが、図10Dでは、ハニカム表面構造を有しているグループ5のファイバは、1030で、ファイバの長手方向に沿って、および、順方向に、放射特性を示している、良好な側方放射を伴う、360度のビームの開きを実証している。
【0110】
ビームの開く角度は、修正されていないファイバ(グループ1)での15度から、組み合わせ修正(グループ5)での、360度までへ増加された。表面アブレージョン修正(グループ4)は、エッチング修正の何れかよりも、先端の順方向に、より少ないビームの開きを与えた。実施例測定は、次の表1に示される。
表1

データは程度であり、平均値および標準偏差(N=5)である。
【0111】
可視赤色の同軸の目的とするビームの放射特性は、修正済のファイバの先端の改善された側方放射を明らかに示した。修正済の先端からの赤外線レーザエネルギの分布は、感熱紙を使用して、さらに評価された。本実施例では、感熱白色紙は、種々のファイバの先端の放射特性を記録するのに、該先端を感熱紙の表面に並行で、かつ、2mmの位置に保持して、用いられた。Nd:YAGレーザの吸収を強めるため、感熱紙の熱を感じない側は、墨のプリンタインクによって黒っぽくされた。何の強化剤も、エルビウム波長には必要でなかった。
【0112】
グループ2および3について、エッチング方法によって達成された図11Aの円錐形の光ファイバは、図11Bに示されるように、ファイバの末端の前方に、扇形の放射を結果として生じる。対象的に、図11Cに示される、グループ5の粗面処理され、エッチング処理された光ファイバは、図11Dで示されるような、修正された先端の長手方向に沿う幅広の側方放射を実証する。赤外線レーザ放射によって、(紙から2mmの距離にあるファイバによる)感熱紙上のインプリントから推測されるビームの開く角度は、目的とするビームの可視赤色放射の光線トレーシングに見られたものよりも少なかった(ここでファイバはグリッドに直接接触されていた)。
【0113】
この研究の結果は、比較的単純な化学的、物理的方法を使用する既存の光ファイバに対する修正が、可視レーザエネルギおよび赤外線レーザエネルギの両方の側方放射を改善できる、ことを示す。従来のファイバは小さなビームの開きを与えたが、(グループ2および3の)円錐形の先端を作成するフッ化水素酸でのファイバ端部のエッチングは、扇形のビームを与え、すべてのファイバタイプでビームの開きを100度より大きくした。これらの円錐形の先端は、歯根管および歯周ポケット中の消毒用途に役立てることができる。しかしながら、均一の効果を得るため、ファイバは一定速度で移動される(例えばレーザ光線を発する間に冠状方向に引かれる)必要がある。
【0114】
粗面処理とアブレージョンの組み合わせは、凹凸表面を与え、および一例では、多数の小面を備え、および可視、近赤外線、中間赤外線波長のための優れた側方放射を伴う、「ハニカム」表面トポグラフィを与える。ファイバ先端のサイズの徐々の変化が根管のそれに類似してなくもないので、そのようなファイバは、根管中の配置が修正された領域の長手方向に沿って相対的に均一な効果を達成する、アブレーション用途に役立つ。可視赤色レーザエネルギの均一な放射は、光活性消毒での使用に理想的なようにハニカムの修正を行う。ここで、635又は670nm波長の赤色光は、根管内の消毒動作をそれぞれ達成させるため、塩化トロニウムまたはメチレンブルー染料を刺激するために使用される。
【0115】
粗面処理とエッチングの組み合わせは、単純な表面アブレージョン修正と比較して、強められた側方放射特性を与える。表面アブレージョンは、近赤外線または中間赤外線の波長ではなく可視赤色レーザ光でいくつかの側方放射を与えるのみである。使用される光の波長と、修正済のファイバ端部の空気とファイバとの境界での光の回析を仮定すれば、このことは、予期できないことではない。
【0116】
それ故、上記の結果は、ハニカム表面構造がファイバからの側方放射の劇的な改善を与えることができ、特に正常な円錐形の配置よりも有効な側方放射を与えることを示す。
【0117】
放射の生成、検出の少なくとも1つを行うための光システムと、第1の端部で光システムに結合されている光ファイバであって、該光ファイバの第2の端部が小面の刻まれた表面構造を有しているものの、使用は、少なくとも部分的に、光ファイバの軸に垂直な方向に、放射線が先端から放射され、先端を介して受け取られる、ことを可能にする。
これは、被験者の一部分と相互に作用するのに使用することができ、それによって、被験者の一部分の均一な照射を達成し、または、被験者の一部の、全体の蛍光を検知することを、かなり支援する。
【0118】
これは、蛍光画像法または同種のものを通じて、細菌、腫瘍、または同種のものを検知するのと同様に、腫瘍組織および同種のものと同じく、根管と歯周ポケットを含む歯の硬軟組織部位を処置するのに、光ファイバを使用され得るようにする。
【0119】
ハニカムファイバ端部の放射特性は、硬軟組織中のアブレーション用途のため特に有益である。側方放射が強力であるので、そのような先端は、歯内療法(根管の壁からの、デブリ、スメア層および象牙質のアブレージョンなど)、および歯または人工歯根のまわりの歯周ポケットの消毒等の、歯周根用途の両方に役立つ。レーザエネルギがファイバ端部の長手方向に沿って放射されるので、ファイバ端部が回転し引っ込められる従来手法と比較した時、空洞のより均一な放射が達成され得る。
【0120】
普通のファイバでの別の問題は、曲がった根管の壁を、レッジ形成(ledging)、ジッピングまたは穿孔するのに固有のリスクがあることであり、問題は、ファイバ端部を側方放射することによって克服される。この点について、円錐形で、すり減らされ、あるいは、ハニカムの修正されたファイバ端部は、従来の露出した先端よりも、より安全に使用することができる。
【0121】
さらに、光ファイバは、また、可視赤色、近赤外線、緑色、青色の波長での光活性消毒に、例えば使用することができる。
【0122】
歯髄室及び/又は歯根管など空洞の細菌感染の確認および処置に適している器具の一例は、ここでは、図12に記載されている。
【0123】
一例では、器具10は、適切な一連の撮影要素または目盛をつけた屈折率端子ファイバを通じて、光学的スイッチ14に光結合されている、第1のレーザまたは発光ダイオード12の形式の第1の光源を含む、ポータブルまたはハンドヘルド装置である。器具10は、また、光スイッチ14に光結合されている、光力学的、光音響学的、光熱変換消毒の目的に使用された、第2のレーザまたは発光ダイオード16の形式の第2の光源を含む。かわりの実施例は、また、本明細書に更に記載されるように、消毒のために採用されたレーザまたは発光ダイオード18の形式の1以上のさらなる光源を含む。
【0124】
器具10は、適切なダイクロイックミラー20及びレンズ22、24の形式の光学要素を含んでいる。光ファイバ26は、柔軟な先端30の形式の光学要素を有しているプローブ28にレンズ22を光結合する。代替カップリングを使用することができたが、光ファイバ32は、レンズ24を演算処理装置34に光結合する。
【0125】
演算処理装置34は、細菌の検出を行なう際に補助するために与えられてもよい。一例において、演算処理装置34は、光誘発蛍光放射線を受け取り、および受け取った放射線を使用して空洞内の細菌のレベルを測定するために、光学要素につながれる。演算処理装置34は、また、第1、第2の放射線源および光スイッチの少なくとも1つを制御するようになっていてもよい。演算処理装置34は、適切にプログラムされた計算機装置、カスタムハードウェアなどの、任意の適切な形式のものでもよい。
【0126】
一例では、可視赤色励起波長が近赤外線蛍光信号から取り除かれるように、演算処理装置34はロングパスフィルタを含む。演算処理装置34は、細菌の存在の可視指標を提示するディスプレイ35に結合され得る。電子音は、また、生成されてもよい。
【0127】
第1のレーザまたは発光ダイオード12は、光誘発蛍光を使用して、歯髄室及び/又は歯根管での細菌のレベルを測定するために、第1の波長(650〜670nm)のレーザ放射線36を放射する。一例では、第1のレーザ12は、655nmの第1の波長のレーザ放射線を放射する1.0mWのダイオードレーザである。該レーザは、ヒト瞬目反射によって目保護を与える利益を有している。光スイッチ14は、それを通る第1のレーザ12からのレーザ放射線36の伝搬を可能にするように設定されている。レーザ放射線36は、ダイクロイックミラー20によって、光ファイバ26の端部38へと焦点の合わされたレンズ22へと反射される。レーザ放射線36は、調べられている歯髄室及び/又は根管の部位へと、プローブ28および先端30を通って伝搬される。
【0128】
放射された放射線は、歯髄室及び/又は歯根管の中に存在する微生物の蛍光を生じる。蛍光は、感染存在の程度に比例する。レーザ蛍光は、柔軟な光ファイバの先端30によって集められ、プローブ28および光ファイバ26を介してレンズ22へと伝搬される。レンズ22は、蛍光放射線を平行にする。それは、ダイクロイックミラー20を通って、レンズ24へと伝搬される。放射線は、レンズ24で光ファイバ32の端末40へと焦点が合わされている。蛍光放射線は、演算処理装置34へと向けられる。ここで放射線は、ロングパスフィルタを用いて処理されて、励起波長を取り除き、および、細菌感染のレベルを示す(ディスプレイ35を介して出力できる)指標を測定する。一例では、2つの指標が与えられてもよい。第1の指標は、向けられた光ファイバの先端30の活性領域での現時点の細菌感染の実時間レベルであり、第2の指標は、調査した部位での細菌感染のレベル最大値を示すピーク値である。
【0129】
細菌感染をしている歯髄室及び/又は根管、およびチャンバ/道管の感染のレベルが、ここで、測定されたので、細菌感染は、第2の波長のレーザ放射線42を放射する、第2のレーザ16を使用して、治療される。
【0130】
光スイッチ14は、それを通る第2のレーザ16からのレーザ放射線42の伝搬を可能にするように設定されている。レーザ放射線42は、ダイクロイックミラー20によって反射され、レンズ22によって光ファイバ26へと焦点が合わされる。レーザ放射線42は、プローブ28および先端30を通って、処置されている歯髄室及び/又は根管の部位へと伝搬される。
【0131】
一例では、第2の発光源16は、630〜670nmの波長でのハイパワー(100mW)InGaAsPダイオードレーザである。光力学的な消毒(PAD)については、選択の光感受性物質を含んでいる抗細菌の溶液は、細菌確認工程の後、および処置工程の前に、処置されるべき歯髄室及び/又は根管に投与される。抗細菌の溶液は、レーザ放射42によって活性化され、光活性消毒(PAD)として一般に知られているプロセスを介して存在する細菌を死滅させる。当業者に周知の、可視赤色光によって活性化され得る、適切な光感受性物質は、メチレンブルー、塩化トロニウム、他のフェノチアジン誘導体、アルミニウムジスルホン酸フタロシアニン、ヘマトポルフィリン塩酸塩、ヘマトポルフィリンエステル、アリアノールスチールブルー(arianor steel blue)、クリスタルバイオレット、アズール塩化物、トリパンブルー、アズール青色染料、アズール化合物およびクロリンを含む。
【0132】
特定の一例では、水性媒体中の光感受性物質は、好ましくは50〜250マイクログラム/mL間の濃度、および最も好ましくは150マイクログラム/mLで、使用される。感光色素に加えて、水性媒体の他のコンポーネントは、界面活性剤、緩衝液、溶液の張力を調節するための塩類、酸化防止剤、防腐剤および粘性を調節する薬剤(ポリエチレングリコールなど)を含んでもよい。好ましくは、水性媒体は、生理学的なpHで、等張である。代わりの実施例では、細菌感染の処置は、前述の光活性消毒技術の代わりに、光熱変換技術を使用して、実行され得る。第2の光源16は、光熱変換消毒に使用される時、以下のレーザの1つを含む。即ち、アルゴンイオンレーザ(488または514.5nm)、KTP/2倍の周波数Nd:YAGレーザ(532nm)、GaAsまたはAlGaAsのダイオードレーザ(810、830、890および910nm)、Ho:YAGレーザ(2100nm)、Er:YSGG及びErCr:YSGGレーザ(2780および2790nm)、またはEr:YAGレーザ(2940nm)の1つを含む。
【0133】
代わりに、そのような光熱変換技術は、根管の象牙質壁の非常に小さなアブレーションを生じるのに充分に高いエネルギで第3の波長のパルス状レーザ放射線を放射する第3の光源16と、消毒動作に加えて、空洞現象および衝撃波等の光音響効果の生成と、を使用できる。例えば、第3の発光源16は、Ho:YAGレーザ(2100nm)、Er:YSGG及びErCr:YSGGレーザ(2780および2790nm)、またはEr:YAGレーザ(2940nm)である。この第3の光源は、50〜400マイクロセカンドの間のパルス幅で、1パルス当たり、40〜1000ミリジュール間のパルスエネルギのフリーランニングパルスモードで、典型的には操作されるだろう。第3の光源16からのレーザ放射線の送達は、同軸の水ミスト噴霧によって達成され、これらの赤外線波長からの光熱変換アブレージョン及び空洞形成切断工程を改善し、かつ、有害の熱運動を低減する。さらなる変更は、ダイオードレーザ(810、830、910、940、980nm)またはNd:YAGレーザ(1064nm)の使用であり、該変更では、抗細菌の光熱変換作用の生成は、根管の中で使用される流体環境が、1以上の増強剤の追加された水を含むことを確保することによって、強められる。適切な薬剤は、過酸化水素および有色の染料(塩化トロニウム、メチレンブルーおよびフェノチアジン誘導体等)を含む。
【0134】
一度、歯髄室/根管中の細菌感染が処置されたならば、細菌の残りのレベルは、もし歯髄室/根管中にあるならば、第1のレーザまたは発光ダイオード12、および前述の光誘発蛍光技術を使用して再度測定される。これは、細菌感染がすべて治療されたことを確実にする。また、いくつかの細菌が歯髄室/根管に残る場合、光活性消毒技術、または光熱変換技術のうちの1つ、を使用する処置が、すぐに繰り返され得る。
【0135】
図13に関して、器具10の代替実施例は、歯髄室/根管で細菌のレベルを測定するため、および、細菌のレベルが存在しているところで、細菌を消毒するため、の両方のためにダイオードレーザの形式の光源12を含んでいる。器具10は、第1の実施例に示すように、ダイクロイックミラー20と、レンズ22、24と、柔軟な先端30を有しているプローブ28にレンズ22を光結合する光ファイバ26と、ディスプレイ35に結合されている演算処理装置34と、を含んでいる。本実施例では、レンズ24からの出力は、演算処理装置34によって直接受け取られる。少なくとも2つのパワーモードで操作された単一の発光源12のみが使用されるので光スイッチ14は省かれており、それ故、光学設計をかなり簡単にして、及びそれゆえ器具のサイズを簡素にする。
【0136】
ダイオードレーザ12は、レーザ蛍光を使用して、歯髄室/根管で細菌のレベルを測定するために、655nmの波長の放射線を放射し、低いパワーモードで動作する。その後、光力学処置を使用して、歯髄室/根管を消毒するために、ダイオードレーザ12は、ハイパワーモードで動作する。
前記実施例でのように、歯髄室/根管中の細菌のレベルは、処置の有効性のフィドバックを与えるために、細菌の消毒に続いて、ローパワーモードで動作するダイオードレーザを使用して、再度測定される。
【0137】
歯髄室及び/又は歯根管中の細菌の処置法は、図14に示されるフローチャートに関して、これより記載される。方法は、工程1400で、前述の器具10および前述の光誘発蛍光技術を使用して、歯髄室/根管の細菌レベルを測定する工程を含む。細菌のレベルが存在する場合、方法は、工程1410で、前述の処置技術の1つを使用して、歯髄室/根管の細菌を処置する工程を含む。これは前述の光活性化された消毒技術または光熱変換技術を含むことができる。光活性消毒技術が使用される場合、抗細菌溶液は、処置レーザからのレーザ放射線で歯髄室/根管を放射する前に歯髄室/根管に導入される。
【0138】
方法は、工程1420で、もしあるならば、第1のレーザまたは発光ダイオード12を使用して、前述の光誘発蛍光技術を使用して、歯髄室/根管の細菌のレベルを再度測定する。工程1430では、細菌感染が歯髄室/根管に残っている場合、工程1410の処置が繰り返し行われる。細菌が残っていない場合、処置は完了しており、および、歯髄室/根管の密閉を実行することができる。
【0139】
さまざまな異なる光ファイバの先端を使用できることが認識される。
【0140】
一例では、先端の光学要素は、石英ガラスを含んでおり、または、中間赤外線レーザが消毒に使用される場合、可視赤色及び中間赤外線光の両方のために、適切な伝達材料を含む。石英ガラスが中間赤外線波長の光を部分的に減ずるとすれば、適切な材料は、石英、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、および酸化ゲルマニウムと低ヒドロキシルシリカファイバとの混成ファイバである。根管に対するアクセスを確実にするために、ファイバ直径は、好ましくは、150〜600μmであり、そして最も好ましくは、200μmである。
【0141】
ファイバは、切断された端部(面がファイバの長軸に対して直角にあるようなもの)を有することができ、そのようなものは、蛍光検出と消毒の両方のために機能することができる。好ましくは、放射および収集特性を改善するために、蛍光を誘発するために使用される赤色光がファイバの側部から一部放射されるように、頂点の終点(典型的には1〜5ミリメートル)は修正される。この目的を達成するファイバ終点に対する修正は、ブラッググレーティング、アルミナ微粒子アブレージョンおよびエッチング処置を含む。
【0142】
1つの特定の実施例において、光ファイバ先端は、上記の記載された技術を使用して作られたハニカム表面構造を有している。このことは、光ファイバ先端からの放射線の側方放射を最大にし、それによって、細菌の放射線への曝露を最大にする、という特別な利点であることが、認識される。このことは、次に、細菌の検出および処置を最大にし、それによって細菌処置工程を、さらに一層改善した。
【0143】
したがって、上述された器具10は、それゆえ、歯髄室/歯根管内の細菌感染の位置とレベルとの確認と、および単一デバイス中の細菌感染を処置すること、の両方をすることができる。ポータブルまたは携帯型の器具は、また、ユーザに、細菌感染を処置するための代わりの技術を与える。細菌感染の高い割合は、単一の処置、特にエンテロコッカス−フェカーリスなどもっと耐性のあるグラム陽性細菌の処置で処理することができる。単一の器具による歯内での細菌感染の正確な確認と有効な処置は、歯科処置設定の範囲内で与えられるための、急な、ワンストップ処置を可能にする。
【0144】
いくつかの用途では、検出されることなく、被験者の一部を単一の周波数の放射線に曝露することが要求される、ことが認識されるだろう。本実例では、図15Aおよび図15B内の実施例に示されるように、よりまっすぐな順方向器具を与えることができる。この実施例において、器具は、放射線1510を放射するための放射線源1500を含む。放射線源は、レンズなどの光学要素1520を介して光ファイバ1540の第1の端部1530に結合されている。光ファイバは、第2の端部1550を含む。該第2の端部1550は、1570で示されるように、側方放射を引き起こすために修正された表面構造を有している先端1560を有している。
【0145】
上述された歯の用途に加えて、高度の側方放射が所望される、さまざまな異なる用途で光ファイバ先端が使用され得る、ことは認識される。したがって、例えば、器具は、光力学処置(PDT)又は差し込み型レーザ温熱療法の使用を通じて、腫瘍を処置するのに用いられ得る。本実施例では、先端は、典型的には、円錐形状ではないが、角の取られた端末を有している円筒状のものである。これは、光ファイバの先端が被験者の中へと移動すると同時に、組織を損傷し得る、尖った部分が先端に存在することを回避する。腫瘍処置用途では、光ファイバの先端1560は、適切なマイクロマニピュレーターを使用して、腫瘍の切り口へと典型的には差し込まれる。一旦深く入れられたならば、放射線源1500は、技術分野で知られているように、腫瘍の内部が放射されるように活性化される。先行技術とは対象的に、しかしながら、側方放射の程度の高さは、腫瘍のより均一な照射および従って改善された処置を保証することができる。
【0146】
上に記載された歯の用途では、細菌検出と同様の手法で、腫瘍の検知も、実行できることが、認識される。本実例では、図12および図13に関して上述されたように、適切な感知システムを使用して、蛍光を検知可能にする、適切な蛍光染料によって、腫瘍を処置することができる。
【0147】
いくつかの状況で、光ファイバの先端は、処置を要するボデー部分へと挿入することができない。この実例では、光ファイバの先端は、先端の一部だけがハニカム表面構造を有するように、処置され得る。一例では、このことは、上述した技術を使用するものであるが、光ファイバの先端の一方の側のみをすり減らすことによって、得ることができる。本実施例では、先端の一方の側のみをすり減らすことによって、先端の全てがエッチングされる間、すり減らされた側のみが修正された表面構造を有し、それゆえ、ファイバの先端の一方が、この先端の側部を放射されるべき本体の部分に対して位置決めできるようにする、改善された側方放射特性を有する。
【0148】
光ファイバ用途に加えて、技術は、また、他の用途のガラス型材料の表面構造を修正するために使用することができる。これは、表面の光学的性質を変更し、特に反射特性と伝搬特性とを修正することが望まれる、任意の状況を含み得るものである。実施例は、これより図16に関して記載される。本実施例では、1枚の材料1600は、材料の表面を粗面処理し、次に、粗面処理された表面をエッチングすることによって修正された表面1601を有し、この結果、材料は、小面の刻まれた表面構造、および、一例では、ハニカム表面構造のようなものを、有している。粗面処理とエッチング手順のパラメータは、材料の物理特性に依存することが認識されている。
【0149】
本例では、1610に示されるように、光が材料の向き合う面1602に入射されると、光はシートを通って、表面1601に影響を与える。ハニカム構造は、放射線を散乱し、結果として、1620に一般に示されるような放射線の放射を生じる。これは、全内反射の発生を低減する。換言すれば、1630でシートから反射される放射線を生じる。全内反射の低減によって、これは、シート1600を通り抜ける放射線量を最大にする。それは、光電池および太陽熱温水加熱などの用途に特に役立つ。
【0150】
例えば、これは、感光発電ソーラーパネルで使用できるかもしれない。該パネルは、典型的にはガラス板1600に隣接して位置決めされた感光発電材料1640を含み、それによって材料1640を保護している。この配置では、太陽放射線は、感光発電材料1640を曝露するためにガラスパネル1600を通過しなければならない。ガラス板1600の反射率の低減によって、これは、所定量の入射日光のために、感光発電材料1640の露出を増加させて、それによって、発電するソーラーパネルの能力を増加させる。追加及び/又は代わりに、ガラス板1600の外側表面1602は、処置され得るもので、それによって、ガラスパネルの伝搬特性をさらに変更することが、認識されている。上述された表面修正技術は、次のもののように、適切な特性を有しているさまざまな材料へと適用することができる。即ち、
*石英ガラス、
*クオーツ、
*酸化鉛(10〜60%)によりドープされた石英ガラス、
*サファイア、
*AgBrClなどの多結晶のハロゲン化物ファイバ、
*As−S、As−Se、Ge−Ga−S、Ge−Ga−As−S、Ge−As−Se、Ge−Se−Te、As−Se−TeおよびGe−As−Se−Te等のなどカルコゲナイドガラス、
*フルオロジルコニウム酸塩、フルオラミネート(fluoraluminate)、フルオリンデート(fluorindate)およびフルオロガラート等のフッ化物ガラス、
*酸化ガリウム、
*酸化鉛によりドープされた酸化ガリウムおよび酸化ビスマス、
*米国特許第5,796,903号に記載されているような、より重い陽イオンおよび陰イオンによってドープされた酸化ガリウム、
*酸化ゲルマニウム、
*酸化鉛によりドープされた酸化ゲルマニウム、
*酸化亜鉛(5〜15%)および酸化カリウム(5〜15%)によってドープされた酸化ゲルマニウム、
*塩化鉛、酸化テルル−酸化鉛、酸化テルル-酸化亜鉛など他の重金属酸化物、
へと適用することができる。
【0151】
表面修正技術は、光ファイバの先端に有利に適用され、それによって、放射線の側方放射を増加するものであるが、材料の光学特性を修正することが望まれる、他の用途にも適用することができる。
【0152】
歯の細菌を検知し処置するための技術は、ヒト同様に動物に適用することができる。
【0153】
当業者は、多数の変更および修正が明らかになることを認識する。当業者に明らかになるような変更および修正はすべて、記載された広範囲にわたる、発明の精神と範囲を逸脱するものではないと考えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ先端を形成する方法であって、
a)光ファイバの端部の少なくとも一部を粗面処理する工程と、
b)光ファイバの先端を形成するように、粗面処理された端部をエッチングする工程と、を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
光ファイバ先端の表面は、多数の小面を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
小面は、凹面形状で、角を取られたものであることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
小面は、それぞれ多数の角度に入射放射線を分散するためのものであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
小面は、10μm〜100μmの範囲のサイズを有する、ことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1つに記載の方法。
【請求項6】
光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有する、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
方法は、アブレージョンによって端部を粗面処理する工程を含む、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の方法。
【請求項8】
方法は、粒子線を使用して、端部をすり減らす工程を含む、ことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
方法は、
a)端部を回転させる工程と、
b)端部を回転して粒子線に曝露する工程と、を含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
粒子線は、
a)酸化アルミニウムと、
b)立方晶窒化硼素と、
c)炭化けい素と、
d)二酸化けい素と、
e)酸化ジルコニウムと、
f)二酸化ジルコニウムと、
g)シリコーンカーバイドと、
h)鋼玉と、
i)酸化マグネシウムと、のうちの少なくとも1つの粒子状材料を含む、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
粒子状材料は、
a)25〜100μmと、
b)およそ50μmと、のうちの少なくとも1つの平均サイズを有することを特徴とする請求項8乃至10の何れか1つに記載の方法。
【請求項12】
粒子線は、圧縮ガスを使用して生成されることを特徴とする請求項7乃至10の何れか1つに記載の方法。
【請求項13】
ガスは、
a)空気と、
b)窒素と、
c)二酸化炭素と、
d)不燃性ガスと、のうちの少なくとも1つのものである、ことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
ガスは、およそ2.8バールの圧力を有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の方法。
【請求項15】
方法は、酸を使用して、端部をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1つに記載の方法。
【請求項16】
酸は、
a)フッ化水素酸と、
b)フッ化水素酸及びオルト燐酸の混合物と、
c)フッ化水素酸、オルト燐酸およびフッ化化合物の混合物と、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
酸は、
a)気相と、
b)液相と、のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
方法は、10乃至15分間、端部をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項15乃至17の何れか1つに記載の方法。
【請求項19】
方法は、端部を形作る工程を含むことを特徴とする請求項1乃至18の何れか1つに記載の方法。
【請求項20】
方法は、端部をすり減らす前に端部を形作る工程を含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
方法は、端部が光ファイバの端部になるにつれて先細りになるように、端部を形作る工程を含んでいる、ことを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の方法。
【請求項22】
方法は、端部を円錐形へと形作る工程を含むことを特徴とする請求項18乃至20の何れか1つに記載の方法。
【請求項23】
方法は、端部をプレエッチングすることによって端部を形作る工程を含む、ことを特徴とする請求項19乃至22の何れか1つに記載の方法。
【請求項24】
方法は、酸を使用して、端部をプレエッチングする工程を含む、ことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
方法は、45乃至180分の間、端部をプレエッチングする工程を含む、ことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
方法は、端部を露出するために、光ファイバからポリマーコーティングを取り除く工程を含む、ことを特徴とする請求項1乃至25の何れか1つに記載の方法。
【請求項27】
光ファイバは、
a)石英ガラスファイバと、
b)石英ガラスファイバをドープしたフッ化物と、
b)石英ガラスファイバをドープしたゲルマニウムと、の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至26の何れか1つに記載の方法。
【請求項28】
小面の刻まれた表面構造を有している先端を含むことを特徴とする光ファイバ。
【請求項29】
小面は、角を取られた、凹面形状のものであることを特徴とする請求項28記載の光ファイバ。
【請求項30】
各小面は、放射線を分配することができ、多数の角度で入射放射線を集めることができる、ことを特徴とする請求項28または請求項29に記載の光ファイバ。
【請求項31】
小面は、10μm乃至100μmの範囲のサイズを有する、ことを特徴とする請求項28乃至30の何れか1つに記載の光ファイバ。
【請求項32】
光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有する、ことを特徴とする請求項28乃至31の何れか1つに記載の光ファイバ。
【請求項33】
先端は、略円錐形を有する、ことを特徴とする請求項28乃至32の何れか1つに記載の光ファイバ。
【請求項34】
先端は、光ファイバの端部に向けて先細りになっている、ことを特徴とする請求項28乃至33の何れか1つに記載の光ファイバ。
【請求項35】
被験者の一部と相互作用するための器具であって、
a)放射線を生成するまたは検知する少なくとも1の光学系と、
b)第1の終端で光システムに結合されている光ファイバであって、該光ファイバの第2の端部は、先端を有しており、該先端の少なくとも一部分は、円錐形又は小面の刻まれた表面構造を有しており、該表面構造は、放射線が、少なくとも光ファイバの軸に垂直な方向に、少なくとも部分的に先端から放射され、又は先端を介して受け取られる、光ファイバと、を含んでいることを特徴とする器具。
【請求項36】
光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有する、ことを特徴とする請求項35に記載の器具。
【請求項37】
光ファイバの先端は、円錐形を有する、ことを特徴とする請求項35または請求項36に記載の器具。
【請求項38】
先端から放射される放射線を生成するために、光学系は、放射線源を含むことを特徴とする請求項35乃至37の何れか1つに記載の器具。
【請求項39】
先端を介して受け取られた放射線を感知するために、光学系は、センサを含むことを特徴とする請求項35乃至38の何れか1つに記載の器具。
【請求項40】
光学系は、
a)第1の波長の放射線を放射するための第1の放射線源と、
b)第2の波長の放射線を放射するための第2の放射線源と、
c)第1と第2の放射線源を光ファイバの第1の端部に光結合するための光学要素と、を含んでいることを特徴とする請求項35乃至39の何れか1に記載の器具。
【請求項41】
光学要素は、放射線源を光ファイバに選択的に結合するための光スイッチを含む、ことを特徴とする請求項40記載の器具。
【請求項42】
第1の放射線源は、
a)固体レーザと、
b)ガスレーザと、
c)ダイオードレーザと、
d)発光ダイオードと、のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項40又は請求項41に記載の器具。
【請求項43】
第1の放射線源は、650乃至670nmの第1の波長のレーザ放射線を放射する、ことを特徴とする請求項40乃至42の何れか1つに記載の器具。
【請求項44】
第2の放射線源は、
a)固体レーザと、
b)ガスレーザと、
c)高パワーダイオードレーザと、
d)発光ダイオードと、のうちの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項40乃至43の何れか1つに記載の器具。
【請求項45】
第1の放射線を放射するためのローパワーモード、および第2の放射線を発するためのハイパワーモードで動作するダイオードレーザから、第1と第2の放熱線源は形成されていることを特徴とする請求項40乃至44の何れか1つに記載の器具。
【請求項46】
光感受性物質を活性化するために、第2の放射線源は480〜830nmの第2の波長のレーザ放射線を放射することを特徴とする請求項40乃至45の何れか1つに記載の器具。
【請求項47】
放射線源の少なくとも1つは、パルスモードで動作されることを特徴とする請求項40乃至46の何れか1つに記載の器具。
【請求項48】
放射線源は、
a)熱の蓄積を低減する、
b)ファイバの先端が置かれる流体中に空洞現象を生成する、
c)ファイバの先端が置かれる流体中に衝撃波を生成する、
d)歯の硬組織のアブレーションを達成する、
e)光音響効果を生成する、
f)信号対雑音比を改善する、
g)器具から熱放散を低減する、および、
h)消費電力低減する、のうちの少なくとも1つのためにパルスモードで動作されることを特徴とする請求項47記載の器具。
【請求項49】
器具は、
a)光誘発蛍光放射線を受け取り、
b)受け取った放射線を使用して、空洞内の細菌のレベルを測定するために、光学要素に結合された演算処理装置を含む、ことを特徴とする請求項40乃至48の何れか1つに記載の器具。
【請求項50】
器具は、第1と第2の放射線源および光スイッチの少なくとも1つの制御のための演算処理装置を含む、ことを特徴とする請求項40乃至49の何れか1つに記載の器具。
【請求項51】
器具は、
a)光誘発蛍光を使用して、空洞内の細菌のレベルを測定する工程と、
b)光熱変換、光音響学、および光力学処置の少なくとも1つを使用して、空洞内の細菌を消毒する工程と、
c)放射線に空洞と腫瘍の少なくとも1つを曝露する工程と、
d)光蛍光を検知する工程と、
e)歯の空洞内で細菌を確認し、処置する工程と、のうちの少なくとも1つのためのものである、ことを特徴とする請求項40乃至50の何れか1つに記載の器具。
【請求項52】
空洞は、根管を含むことを特徴とする請求項51に記載の器具。
【請求項53】
被験者の一部との相互作用のための方法であって、
a)被験者の少なくとも一部分の隣接位置に光ファイバの先端を位置決めする工程であって、光ファイバの先端は、小面の刻まれた表面構造を有しており、該表面構造は、放射線が、少なくとも光ファイバの軸に垂直な方向に、少なくとも部分的に先端から放射され、又は先端を介して受け取られる、工程と、
b)放射線を生成し、検知することの少なくとも1つを行うために、光ファイバに結合されている光学系を使用する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
歯の空洞の細菌の確認および処置用の器具であって、
a)第1の波長の放射線を放射するための第1の放射線源と、
b)第2の波長の放射線を放射するための第2の放射線源と、
c)i)光誘発蛍光を使用して、空洞内の細菌のレベルを測定するため、および、ii)あるレベルの細菌の存在下で、光熱変換、光音響学、光力学処置の少なくとも1つを使用して、空洞内の細菌を消毒するため、に第1と第2の放射線源を空洞に随意に結合させるための光学要素と、を含んでいることを特徴とする器具。
【請求項55】
歯の空洞の細菌の確認および処置の方法であって、
a)光誘発蛍光を使用して、空洞管内の細菌のレベルを測定する工程と、
b)あるレベルの細菌の存在下で、光熱変換または光力学処置を使用して、空洞内の細菌を消毒する工程と、
c)有効な処置のためのフィードバックを与えるために、光誘発蛍光を使用して、空洞内の細菌のレベルを再測定する工程と、を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項56】
光学的性質を修正するために材料の表面を修正する方法であって、
a)材料の表面を粗面処理する工程と、
b)小面の刻まれた表面構造を有するように、粗面処理された端部表面をエッチング工程と、を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項57】
小面は、角を取られていることを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
各小面は、多数の角度で入射放射線を分散するためのものであることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項59】
光ファイバの先端は、ハニカム表面構造を有することを特徴とする請求項56乃至58の何れか1つに記載の方法。
【請求項60】
方法は、アブレージョンによって表面を粗面処理する工程を含むことを特徴とする請求項56乃至59の何れか1つに記載の方法。
【請求項61】
方法は、粒子線を使用して、表面をすり減らす工程を含むことを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項62】
粒子線は、
a)酸化アルミニウムと、
b)立方晶窒化硼素と、
c)炭化けい素と、
d)二酸化けい素と、
e)酸化ジルコニウムと、
f)二酸化ジルコニウムと、
g)シリコーンカーバイドと、
h)鋼玉と、
i)酸化マグネシウムと、のうちの少なくとも1つの粒子状材料を含むことを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項63】
粒子状材料は、
a)25乃至100μmと、
b)およそ50μmと、のうちの少なくとも1つの平均サイズを有することを特徴とする請求項61又は請求項62に記載の方法。
【請求項64】
粒子線は、圧縮ガスを使用して生成されることを特徴とする請求項61乃至63の何れか1つに記載の方法。
【請求項65】
ガスは、
a)空気と、
b)窒素と、
c)二酸化炭素と、
d)不燃性ガスと、のうちの少なくとも1つのものであることを特徴とする請求項64記載の方法。
【請求項66】
ガスは、およそ2.8バールの圧力を有することを特徴とする請求項64または請求項65に記載の方法。
【請求項67】
方法は、酸を使用して、表面をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項64乃至66の何れか1つに記載の方法。
【請求項68】
酸は、
a)フッ化水素酸と、
b)フッ化水素酸及びオルト燐酸の混合物と、
c)フッ化水素酸、オルト燐酸およびフッ化化合物の混合物と、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項67記載の方法。
【請求項69】
酸は、
a)気相と、
b)液相と、のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項67または請求項68に記載の方法。
【請求項70】
方法は、10乃至15分間、表面をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項67乃至69の何れか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A−10D】
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【図11A−11B】
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【図11C−11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−507738(P2012−507738A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533488(P2011−533488)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/AU2009/001430
【国際公開番号】WO2010/051579
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(505167565)ザ ユニバーシティー オブ クイーンズランド (20)
【Fターム(参考)】