説明

被照明膜への光結合

可撓半透明シートが折り畳まれて、その境界縁部の部分を重なり合い関係に近接して位置付けさせ、これらの重なり合い部分が光源によって照明される。照明はシートの内部を通じてシートのあらゆる隣接する非折畳み地域に伝達され、非折畳み部分は発光地域を支持し得る。発光地域は光がこれらの地域でシートから発するように処理される。本発明の好適版はシートの1つの縁部に切り込まれる一連の脚部を有し、次に、脚部は積重ね関係に束ねられ、光源は束内に光入力を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2007年10月9日に出願された米国仮特許出願第60/978,755号に対する35USC§119(e)の下の優先権を主張し、その全文がここに参照として組み込まれる。
【0002】
この文書は、一般的には、光ファイバケーブル及びエッジ照射膜のような光ガイド、より具体的には、膜のためのエッジ照明を高効率に提供するための装置及び方法に関連する発明に関する。
【背景技術】
【0003】
数多くの形態の光ガイドがある。おそらく最も一般的なものは光ファイバであり、それは、典型的には、1マイクロメートル〜5mmの直径を備える、透明ガラス又はプラスチックシリンダとして形成される。光源が光ファイバの端部に結合され、光源は、典型的には、可能な限り多くの光を光ファイバの反対の端部に供給する目的で、その長さに亘って伝達される。光の一部は、光吸収及び光散乱(即ち、ファイバの表面を通じる光の漏出)の故に、光ファイバの長さに沿って損失される。しかしながら、適切な材料及び製造プロセスの選択で、吸収及び散乱損失を最小限化し得る。例えば、プラスチック(例えば、ポリメタクリル酸メチル又はPMMA)から成る光ファイバは、典型的には、1メートル当たり0.2dBの減衰を有するのに対し、高級溶融石英から成る光ファイバは、典型的には、1メートル当たり0.01dB未満の減衰を有する。プラスチック光ガイドは、より大きな損失を有しがちあり、よって、光が短距離で伝達される必要があるだけの状況においてだけ使用されがちである。コアによって受光される光が内反射を受ける(即ち、光がコアと外層との間の境界から反射し、コアから外層に伝達され、その周囲に伝達されるのではなく、むしろファイバに沿って進行し続ける)ように、より高い屈折率を有するコアとより低い屈折率を有する外層とを備える光ファイバを形成することによっても散乱を減少し得る。最大可能な量の光源からの光がファイバ内に伝達されるよう、もし光源が光ファイバの端部に高効率に結合されるならば、効率的な光移転が強化される。(例えば)可能な限り滑らかで透明であるよう光ファイバの端部を処理し、それによって、光が光ファイバから反射されるのではなく、むしろ光がファイバの端部内に移転されるのを可能にすることによって、並びに、ファイバの屈折率と整合する光結合ジェルを使用して光源から光ファイバに光を伝達することによって、より良好な結合効率を達成し得る。
【0004】
他の形態の光ガイドは、1つの縁部に結合された光源を有する透明板である。この構成は、しばしば、「エッジ照明」と呼ばれ、それは、典型的には、発光ダイオード(LED)、及び、ハロゲンランプ、白熱ランプ、ハロゲン化金属ランプ、又は、キセノンランプのような典型的な光源からの効果的な結合を達成するために、2mmよりも大きい厚さを備える板を必要とする。特定の或いは隣接する地域で板からの発光を引き起こすよう、これらの地域での内反射を減少し或いは阻止するために、表面粗面化、エッチング、又は、光散乱を促進する材料(例えば、白色塗料)の追加によって、これらの地域で板表面を処理し得る。結果的に、処理済み地域は輝くように見える。板は、典型的には、光を効率的に受け取らず或いは送らず、それらの長さに沿ってより高い損失を有するので、もし処理済み地域が均一な照明を有するように見えるべきであるならば、処理済み地域は、多くの場合には、機能的に等級付けされなければならない(即ち、それらは光源付近でより少ない散乱を生成し、光源からより遠くではより大きい散乱を生成しなければならない)。
【0005】
板は、典型的には、剛的であり、極めて限定的な可撓性を有するが、一部の場合には、可撓なプラスチック膜が使用される(典型的には、0.5mmぐらいの厚さを有する)。しかしながら、これらは希にしか使用されない。何故ならば、そのような膜に光を低コストで効率的に結合することは困難だからである。殆どの光源は、ミリメートルよりも大きい寸法を有し、膜は、入力光を受け取るために、一層より小さい厚さを有するので、光源の光出力の大部分を膜の縁部に効率的且つ安価に導くことは困難である。この問題に対する1つの解決策が米国特許第7,237,396号に提示されており、そこでは、光源は、光ファイバの束ねられた束の第一端部に結合され、第二端部は、入力光源の配列を効果的に提供するために、膜の縁部に沿って離間している。このアプローチの欠点は、時間がかかり、効率的な結合を達成するのが困難であり得ることであり、ファイバの第二端部は、膜の縁部と精密に整列されなければならず、散乱を減少するためのファイバ端部及び膜縁部の処理は時間がかかり、同様に、(好ましくは、カリエス性光界面で光結合ジェルを使用する)システムの組立て要求は高い。光源と束との間の界面にも損失がある。何故ならば、束内のファイバの間の空間は、損失を創成するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、より低コスト並びに製造及び組立ての容易さを伴う、膜及び板への光源の高効率の結合のために利用可能な装置及び方法を有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この文書の末尾に示される請求項によって定められる本発明は、上述の問題点を少なくとも部分的に軽減する装置及び方法に向けられている。本発明の以下の簡略な概要の検討から本発明の好適実施態様の機能の一部の基本的な理解を得ることができ、より詳細はこの文書の他の場所において提供されている。読者の理解を助けるために、以下の検討は(この文書のこの概要部分に続く「図面の簡単な説明」部分において簡略に検討される)付属の図面を参照する。
【0008】
本発明の例示的な版の概略図のための図1A乃至1Cを参照すると、少なくとも部分的に半透明な材料の可撓シート100が、境界縁部102によって取り囲まれている(特に図1Aを参照)。境界縁部102の部分102A,102B,102C,102D,102E,102Fが重なり合い、且つ、シート100がそれ自体の上に折り畳まれない場所に非折畳み部分104(「本体」)が残されるよう、シート100は、ここでは二度、一度は図1Bにおいて、もう一度は図1Cにおいて、それ自体の上に折り畳まれる。この実施例では、シート100は、非折畳み部分/本体104から延びる多数の別個の脚部106で形成され、脚部106は、それぞれ、重なり合うべき境界縁部102の部分102A,102B,102C,102D,102E,102Fで終端する。それらの境界縁部102A,102B,102C,102D,102E,102Fが、好ましくは、少なくとも実質的に整列され、さらに、(例えば、研磨によって)少なくとも実質的に滑らかで連続的な表面を定めるように準備された状態で、脚部106の少なくとも一部が積重ね(積層)関係に折り曲げられように、脚部106は、折畳み部108で、それらの境界縁部102A,102B,102C,102D,102E,102Fと本体104との間で折り畳まれる。次に、隣接して位置付けられる積重ね脚部106の境界縁部102A,102B,102C,102D,102E,102Fを照明するために、1つ又はそれよりも多くの光源110を位置付け得る。シート100(積重ね縁部102A,102B,102C,102D,102E,102F)がより多くの量の光を光源110から効率的に受け取るよう、光は重なり合う縁部102A,102B,102C,102D,102E,102Fによって受け取られ、それらはシート100の厚さよりも大きい面積を固有にもたらす。非折畳み部分/本体104が内部的に照明されるよう、受け取られた光は、内反射を介してシート100を通じて伝達される。そのような内反射を増強するために、シート100は、好ましくは、その非照明境界縁部102上で、並びに、1つ又はそれよりも多くのその面112上で、反射性の材料及び/又はより低い屈折率を備える材料の層を支持する。次に、シート100の面112上の地域114で内反射を妨害することによって、例えば、シート100内の光が、周囲地域よりも大きい程度で、これらの地域114で発光する傾向を有するよう、それらの表面を粗面化し、如何なる反射層をも取り除き、着色剤又は他の低反射性材料を追加し、或いは、その他の方法でこれらの地域を準備することによって、これらの地域114に光を発光させ得る。代替的に或いは追加的に、これらの地域114が照明されているように見えるように、シート100に提供される光の波長の一部又は全部に応答して蛍光を発するよう、シート100の地域を処理し得る。
【0009】
本発明のさらなる利点、特徴、及び、目的は、関連する図面と共に、この文書の残部から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】発光地域114に光を発光させるよう1つ又はそれよりも多くの光源110から光を入力し得る入力地域116を定めるために、積み重ねられた/重なり合う組になるよう折り畳まれる脚部106を有する可撓な半透明のシート100を示す概略図である。
【図1B】発光地域114に光を発光させるよう1つ又はそれよりも多くの光源110から光を入力し得る入力地域116を定めるために、積み重ねられた/重なり合う組になるよう折り畳まれる脚部106を有する可撓な半透明のシート100を示す概略図である。
【図1C】発光地域114に光を発光させるよう1つ又はそれよりも多くの光源110から光を入力し得る入力地域116を定めるために、積み重ねられた/重なり合う組になるよう折り畳まれる脚部106を有する可撓な半透明のシート100を示す概略図である。
【図2】図1B及び図1Cの構成に類似する構成を示す可撓な半透明のシート200を示す概略図であり、シート200の脚部206は、光源210のための入力地域216を定めるよう、屈曲部208で折り畳まれている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記概要において与えられた議論を拡張すると、本発明において使用されるシートは、如何なる適切な形態をも有し得る。シートは、好ましくは、少なくとも実質的に均一な厚さを有し、厚さは、多くの場合、0.025mm〜0.5mmの間の厚みであり、好ましくは、1つ又はそれよりも多くの表面上で(最も好ましくは、少なくともそれらの対向する主要面上で)反射性の及び/又はより低い屈折率の材料の前述の層を支持する。もし脚部がシート内に形成されるならば、脚部は、好ましくは、切断縁部での効率的な内反射を促進するよう、可能な限り光学的に滑らかな切断縁部を残す方法を使用して切断される。極めて鋭利な且つ/或いは加熱された刃を用いた打抜き又は切断、或いは、レーザ切断又は他の形態の熱切断を使用することは、許容可能な結果をもたらす。他の形態の切断、例えば、ウォータジェット切断も、許容可能な結果をもたらし得る。滑らかさをさらに促進するために、研磨が切断の後に起こり得る。そのような研磨を(例えば、研磨剤を用いて)機械的に、(例えば、表面溶解によって)熱的に、及び/又は、(例えば、腐食剤の塗布によって)化学的に遂行し得る。
【0012】
例えば、積重ね光入力地域を形成するよう、シートの一端部に襞を付け/折り畳み、且つ、照明されるべき本体を定めるよう、シートの他端部を折り畳まれない状態にすることによって、シート内に脚部を形成せずに本発明を生成し得る。しかしながら、そのような構成は、図面に示されるような構成と比べると、嵩張り得る。人は脚部を備える或いは脚部を備えない構成の中から選択し得るし、手元の用途のための空間要件に最良に適合する構成を達成するために、これらの構成の特徴を組み合わせ得る。取扱いの容易さのために、そして、潜在的には、光入力地域でのより良好な結合効率のために、あらゆる襞付き地域、積み重ねられた脚部、又は、類似の構成を機械的に一体に付勢し、一体に溶解し、且つ/或いは、(好ましくは、反射層として作用するよう、シートと同じ又はより低い屈折率を有する接着剤を用いて)一体に接着し得る。
【0013】
シートが折り畳まれ/屈曲される場合には、折畳み部/屈曲部は、それらがシートの方向に直ぐの180度変化を生成せず、それらがむしろ幾分の曲率半径を有するようであるのが好ましい。これはより効率的な内反射を促進するのを助け、加えて、もし鋭利な屈曲部によって過度に押圧されるならば、幾つかの膜は「ひび割れ」し得る(即ち、白化し或いはその他の方法で散乱曇りを導入し得る)。好ましくは、屈曲/折畳みの曲率半径は、膜の厚さの少なくとも10倍であり、より大きい曲率半径は、光損失の可能性を減少するのに役立つ。膜の厚さの75倍以下の曲率半径は、漸進的な折畳み部/屈曲部を収容するために必要な空間に対する許容可能な光損失を提供するのに有益である。しかしながら、もし空間又は他の考察が鋭利な屈曲部/折畳み部を好適にするならば、(例えば、より可塑的になるようシートを加熱することによって)折畳み部/屈曲部に反射性の並びに/或いは低い屈折率のクラッド層を塗布することによって光損失を減少し得る。シート内に作成される如何なる折畳み部/屈曲部も、図1及び2の実施例に示されるように、脚部をそれらの軸に対して垂直な方向に方向変更する必要はなく、(例えば、脚部をそれらの元々の非折畳み状態に対して45度に向けられる角度に沿って方向変更するために、)折畳み部を代わりに(或いは追加的に)異なる角度に作成し得る。
【0014】
光ガイドとしての可撓シートの使用は、剛性シートの使用に対して多くの利点をもたらす。光結合効率及び費用における本発明の改良は、0.25mmより下のシート厚さで特に著しく、それは、だいたい、エッジ照明用途における使用に適した平均的なLED及びレーザダイオードチップのサイズである。よって、0.25mmのシート厚さより下では、エタンデュ及び製造公差の制約の故に、チップからシート縁部へ光を効率的に結合するための構成を生成するのは特に困難/高価になる。さらに、本発明のシートは可撓であるので、シートは、表面の形状、厚さ、及び/又は、外観を目に見えるほどに変更せずに、シートを表面(例えば、窓表面)に対して成形し得るし、必要に応じて、それらを変形し得る(例えば、使用中を含めて、照明シートは空気中で且つ/或いは貯蔵中に波打ち得るし、例えば、非使用時にはシートを巻き取り或いは折り畳み得る)。そのような可撓シートは、典型的には、より安価であり、より薄く軽量であり、且つ、剛的シートよりも貯蔵及び機械加工し易く、材料、加工、貯蔵、及び、搬送費用の削減を助ける。適切なシート材料のロールは、最大で20フィート(6メートル)の幅及び数千フィート/メートルの長さで入手可能であり、所望であれば(例えば、ビルボード又は他の大きな信号のために)極めて大きなシートの製造を可能にする。可撓膜は多くの産業で使用されるので、シート処理サービス(例えば、切断及び塗工/積重ねサービス)の多くの提供者が利用可能である。加えて、多くの膜製造業者が、2個〜数百の層、及び/又は、膜の塗膜を支持する膜の同時押出しに適合し得るので、異なる層を有するシートを生成するのは比較的容易で安価であり、それは光損失を減少し、且つ/或いは、さもなければ内反射を促進する。
【0015】
光源は、この文書中に記される如何なる適切な光源であってもよく、如何なる他の適切な形態であってもよい。そのような光源を光入力地域(即ち、シートの重なり合う縁部)に直接的に結合し得るし、或いは、光源から光入力地域に光を提供する光ファイバ(又は束)のような中間光ガイドを介して結合し得る。光源は可視光を発光する必要はなく、光源は、シートの発光地域で可視光を発光するために、それらの地域と相互作用し得る。1つよりも多くの光入力地域をシート上に設け得る(し、複数の光源を使用し得る)。例えば、図1乃至2に示される2個又はそれよりも多くの脚部をシートの対向する或いは異なる境界縁部に設け得るし、異なる光源からの(或いは、もし各縁部からの積重ね脚部が同じ光源に経路指定されるよう屈曲され/折り畳まれるならば、同じ光源からの)光を各組に供給し得る。類似の観点から、例えば、同じ光源に1個よりも多くのシートを照明させることによって、複数のシートは同じ光源からの光を備え得る。所望であれば、別個のシートからの脚部を、おそらく編み込み式に、共に積み重なり得る。脚部は、秩序ある方法で折り畳まれ積み重ねられる必要はなく、複数の脚部が単に外向きに延び得るし、次に、それらの境界縁部を無作為的な方法で積み重ねさせるよう、無秩序化された束内に集められ得る。積重ねは全ての縁部を線形配列に位置付けさせる必要はなく、入力地域が脚部端部の二次元配列を示すよう、上から下に積み重ねることに加えて、例えば、脚部を並列的に積み重ね得る。
【0016】
本発明の例示的な構成をより詳細に例証すると、照射シートを構成するために、BPA(ビスフェノールA)ポリカーボネート膜の0.01インチ(0.25mm)厚さ及び48インチ(122cm)幅のロールを使用した。シートは、ATM D1925規格を使用して測定された0.54未満の黄色度指数を有した。(黄色度指数はシート内の光吸収に関連し、好ましくは、吸収損失及び/又は色シフトを減少するために最小限化される)。同様に、シートの曇り度はASTM D1003規格を使用して測定されたとき、0.5%未満であった。(曇り度は、シート表面上の不完全性、並びに、シートの容積粒子内の気泡、又は、他の不完全性の存在に起因する光散乱に関連し、曇り度は、より大きい光透過が望まれる場合には、黄色度と同様に、好ましくは、本発明において最小限化される。)試験中、広帯域キセノン照明源が縁部で入力されたとき、この材料は、有意な色シフトなしに、シート内で約8フィート(2.4m)の間、如何なる有意な劣化又は色シフトなしに、高品質の光移転を可能にすることが分かった。8フィートよりも大きい距離では、より長い又はより短い波長の不均一な吸収の故に、色は白色から赤色にシフトし始めたが、その他の点では、光強度は、曇り(haze)からの最小の光漏出を伴って、シートに沿って約20フィート(6m)の間で実質的に維持された。
【0017】
#11小刀刃を使用して、シートを20インチ×8インチ(51cm×20cm)に切り落とした。バーの上の刃に下のシートを切断させるためにバーが平行移動し得るよう、2つのガイドレール間のバーの上に離間関係に取り付けられた#11小刀刃を使用して、10インチ(25cm)の長さ及び約0.73インチ(1.8cm)の幅を有する11個の脚部を切断した。スロットを切断後、これらの地域で内反射を阻むために、約10インチ×10インチ(25cm×25cm)の本体の部分に表面粗面化及び着色剤を加えた。サンドブラスト、表面スクラッチング、及び、光散乱顔料のインクジェット印刷のような、地域を加えるための異なる方法を使用した。次に、図2に例証される方法と類似する方法で、脚部を折り畳んで積み重ねた。積重ね後、脚部の端部が滑らかで連続的な光入力地域をより良好に定めるよう、加熱された小刀刃を使用して脚部の端部を切断した。そのような切断の間に脚部の境界縁部を一体に部分的に溶解し、円滑性及び連続性を強化した。
【0018】
緑色固体光源、より具体的には、Luminus Devices, Inc.(Billerica, MA, USA)から提供されたPhlatLight PT120を光入力地域に結合した。光は脚部を移動して下り非折畳み本体地域に至り、処理地域で散乱し、それらは輝かせ/照明させた。切断縁部の表面粗さの故に、脚部の縁部及び非折畳み本体地位で幾らかの光損失/散乱も起こった。より光学的に滑らかな縁部を生成するために、塩化メチレン蒸気研磨を使用してシート縁部の表面を研磨することによって、幾らかの光損失/散乱は減少した。入力地域での光源のより良好な結合で、例えば、反射性シュラウド内に光源を配置することによって、並びに、入力地域の研磨(フレーム研磨を使用した)で、照明も向上した。
【0019】
本発明の他の例示的な構成を例証すると、シートコータを使用して、0.01インチ(0.25mm)の厚さを有するBPA(ビスフェノールA)ポリカーボネート膜のロールを、より低い屈折率を有する2〜10マイクロメートルの厚さのクラッド層で塗装した。選択されたクラッド材料は、Sun Process Corporation(Mt. Prospect, IL, USA)からのTC106コーティングであった。次に、クラッド膜を、所定脚部を備えるより小さいシートに打ち抜いた。積重ね状のシートの縁部を同時に研磨するために、シートの積重ねを塩化メチレン蒸気エッチング室内に配置した。光が表面に供給されるときに、シートの地域が後に照明するよう、それらのクラッド層を取り除くために、シートの地域を削り落とした。次に、光入力地域を提供するために、各シートの脚部の境界縁部が積重ね関係に整列されるよう、各シートの脚部を折り畳んだ。シートの光入力地域が上記に議論された方法で照明されると、処理済み地域は明るく輝き、照明が取り除かれると、処理済み地域は殆ど見えない。
【0020】
本発明によって提供される照明シートは数多くの用途を有する。以下は幾つかの実施例である。
【0021】
先ず、数多くの一般照明及び背面照明用途がある。シートを天井又は壁に適用することによって、一般的な家庭用及び事務用照明を提供し得る。シートの可撓性はそれらが非平面的な表面に適用されることを有用に可能にし得る。シートは光の高輝度点源を許容し、光を広い地域に亘って分散し得るので、シートは、一般家庭用/事務用照明には強すぎる場合が多く且つ快適な鑑賞のために拡散を必要とするLED光を、一般照明における使用のために採用する有用な手段を提供する。
【0022】
シートは、照明標識、グラフィックス、及び、他のディスプレイにおける使用のためにも極めて有用である。その外観を有意な変更せずに、シートを壁又はまでの上に据え付けることができ、発光地域は光源が作動されるときに見えるようになるので、本発明は典型的なディスプレイが審美的に許容されない場所(例えば、窓の上)にディスプレイを配置することを可能にする。空間事情が最重要である状況、例えば、(本発明と共に利用し得る他の機能及び用途も記載する米国特許第7,237,396号中で議論されているように)スケートリンクの氷内に照明が望ましいときにおいても、シートを使用し得る。シートの可撓性は、例えば、内部温度をより良好に維持するために食料品店冷蔵庫の正面で時折使用される膜カーテンにおいて、環境格納のためにしばしば使用されるカーテンの代わりにシートを使用することも可能にする。シートの可撓性は、例えば、そよ風で移動し得る旗において、移動するディスプレイ内にそれらを使用することも可能にする。
【0023】
パッシブディスプレイにおける背面照明又は正面照明の目的のために、例えば、照明広告ポスターのためのバックライトとして、並びに、LCDディスプレイのようなアクティブ(変化する)ディスプレイのために、シートを使用し得る。そのような用途は、一般的には、照明地域に亘って一定の輝度及び色のコンパクトで低価格の白色光照明を必要とする。この目的のために、赤色、青色、及び、緑色LEDから光を混合することが費用効果的でありエネルギ効率的であるが、色混合はしばしば問題である。しかしながら、本発明を用いるならば、赤色、青色、及び、緑色光源を全て脚部/入力地域の各積重ね内に入力することができ、光がシートに達するときには、それは十分に混合されるので、それは白色に見える。本体に亘って均一な輝度及び色をより良好に提供するために、光源を地理的に位置付け且つ輝度的に調節し得る。シート内の色が白色光を提供するために混合する積重ねシート(より具体的には、積重ねシート本体)を提供することによって、類似の構成を得ることができる。一部のディスプレイは可撓な基板、例えば、印刷ページの上の「Eインク」薄膜ディスプレイの上に設けられるので、シートはディスプレイの媒体の可撓性を維持しながら背面照明を可能にするための手段を提供する。
【0024】
本発明が「逆に」(“in reverse”)動作されるときに有用性を有する、即ち、シートの発光面を光コレクタとして使用し、シートは光を収集し、脚部を通じて光を感光素子に伝達し得ることも注目に値する。一例として、本発明に従ったシートは、入射光を収集し、太陽エネルギ収集目的のために光を感光装置に向けるよう、光を内反射する。そのような構成は、シートが広い地域に亘って光を検出し且つ収集し、次に、脚部にある検出器は、全地域を表す測定値を提供し得る点で、環境監視/感知目的のためにも有用であり得る。シートは、発光に加えて、この性質の光収集を遂行し得る。例えば、照明用途において、シートは周囲光を監視し、次に、薄明又は暗さが検出されるや否や光を発するよう活性化され得る。有用に、LEDは「逆に作動され」(“run in reverse”)得ること−即ち、LEDは光に晒されるときに出力電流/電圧をもたらし得ること−は既知であるので、シートが発光のために使用されるときに、LEDが照明源として使用されるならば、シートが光収集のために使用されるときに、LEDを検出器としても使用し得る。
【0025】
本発明は上記された本発明の好適版に限定されず、むしろ以下に示される請求項によってのみ限定されることが意図されている。よって、本発明は文字通り或いは均等的にこれらの請求項の範囲内にある全ての異なる版を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも部分的に半透明な材料から成る可撓なシートを含み、該シートは、
(1)境界縁部と、
(2)該境界縁部の部分が重なり合うようにシートがそれ自体の上に折り畳まれる折畳み部分と、
(3)シートがそれ自体の上に折り畳まれない非折畳み部分とを有し、
b.前記境界縁部の前記重なり合う部分に隣接する光源を含む、
膜照明システム。
【請求項2】
前記シートは、前記シートがそれ自体の上に巻かれ得るように十分に可撓であり、前記シートの厚さの50倍未満の曲率半径を備える、請求項1に記載の膜照明システム。
【請求項3】
前記シートは、前記シートがそれ自体の上に巻かれ得るように十分に可撓であり、前記シートの厚さの25倍未満の曲率半径を備える、請求項1に記載の膜照明システム。
【請求項4】
前記シートは、
a.反射性材料、及び、
b.より低い屈折率を有する材料
の少なくとも1つから成る層を支持する
請求項1に記載の膜照明システム。
【請求項5】
前記シートの表面の上の地域は、
前記地域で或いは前記地域に隣接して前記シート内の光の内反射を減少するよう、
a.粗面化され、且つ/或いは、
b.低半透明又は低反射性とされる、
請求項1に記載の膜照明システム。
【請求項6】
a.前記シートの少なくとも一部は、活性波長で光に晒されるときに蛍光を発し、
b.前記光源は、前記活性波長で光を発する、
請求項1に記載の膜照明システム。
【請求項7】
前記境界縁部の前記重なり合う部分は、少なくとも実質的に滑らかで連続的な表面を定めるよう、少なくとも実質的に整列される、請求項1に記載の膜照明システム。
【請求項8】
a.前記可撓なシートは、その中に定められる脚部を有し、重なり合う部分に隣接して位置付けられる前記境界縁部の各部分は、前記別個の脚部の1つに設けられ、
b.前記脚部の少なくとも一部は折り畳まれて、前記境界縁部の部分を重なり合わせる、
請求項1に記載の膜照明システム。
【請求項9】
a.少なくとも部分的に半透明な材料から成る可撓なシートを含み、
(1)該シートは、そこから延びる幾つかの別個の脚部を有し、各脚部は、境界縁部で終端し、
(2)前記脚部は積み重ねられ、それらの境界縁部は、少なくとも実質的に整列され、
b.前記積み重ねられる脚部の前記強化縁部に隣接する光源を含む、
膜照明システム。
【請求項10】
前記脚部の少なくとも一部は、それらの境界縁部と前記シートとの間で折り畳まれる、請求項9に記載の膜照明システム。
【請求項11】
前記シートは、前記シートがそれ自体の上に巻かれ得るように十分に可撓であり、前記シートの厚さの75倍未満の曲率半径を備える、請求項9に記載の膜照明システム。
【請求項12】
前記シートは、前記シートがそれ自体の上に巻かれ得るように十分に可撓であり、前記シートの厚さの35倍未満の曲率半径を備える、請求項9に記載の膜照明システム。
【請求項13】
前記シートは、その対向する面の少なくとも1つの上に、
a.反射性材料、及び、
b.より低い屈折率を有する材料
の少なくとも1つから成る層を支持する、
請求項9に記載の膜照明システム。
【請求項14】
a.前記シートは、前記地域で或いは前記地域に隣接して前記シート内の光の内反射を減少するよう、
(1)粗面化された、且つ/或いは、
(2)低半透明又は低反射性とされた、
1つ又はそれよりも多くの地域を有し、
b.前記地域は、前記脚部を除き、集合的に前記シートの面積の少なくとも1%である、
請求項9に記載の膜照明システム。
【請求項15】
a.シートの少なくとも一部は、活性波長で光に晒されるときに蛍光を発し、
b.前記光源は、前記活性波長で光を発する、
請求項9に記載の膜照明システム。
【請求項16】
a.少なくとも部分的に半透明な材料から成る可撓なシートを含み、該シートは、
(1)本体と、
(2)該本体に接合される幾つかの脚部とを含み、該脚部は、境界縁部を有し、前記脚部は、前記本体を接合するよう、前記強化縁部から延び、前記脚部の少なくとも一部は、それらの境界縁部が隣接して位置付けられるよう屈曲され、
b.前記隣接して位置付けられる前記積み重ねられる脚部の境界縁部を照明するよう向けられる光源を含む、
膜照明システム。
【請求項17】
前記シートは、脚部がその境界縁部からそれ自体の上に巻かれ得るように十分に可撓であり、前記シートの厚さの60倍未満の曲率半径を備える、請求項16に記載の膜照明システム。
【請求項18】
前記シートは、その対向する面の少なくとも1つの上に、前記膜内の内反射を促進する材料の層を支持する、請求項16に記載の膜照明システム。
【請求項19】
a.前記シートは、1つ又はそれよりも多くの別個の地域を有し、該別個の地域は、前記シート内のそれらの周辺地域と比べ、増強された光の発光を有し、
b.前記増強された光の発光を有する地域は、それぞれ、前記シートの厚さよりも少なくとも3倍大きい小さい寸法を有する、
請求項16に記載の膜照明システム。
【請求項20】
a.前記シートの少なくとも一部は、活性波長で光に晒されるときに蛍光を発し、
b.前記光源は、活性波長で光を発する、
請求項16に記載の膜照明システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2011−507004(P2011−507004A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528972(P2010−528972)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/079041
【国際公開番号】WO2009/048863
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510094850)
【Fターム(参考)】