説明

被覆工具

【課題】高い熱応力下で高い耐摩耗性を示すと共に、摩耗物体との接触時における摩擦係数が可能な限り低い工具を提供すること。
【解決手段】超硬合金、特殊鋼、サーメットおよび硬質材料からなる群から選択した基材と、2つ以上の層を備える被覆とからなる工具において、少なくとも1つの被覆層が組成Ti−Al−Ta−Nを有し、少なくとも1つの更なる被覆層が組成Ti−Al−Ta−Me−Nを有し、MeがSi、V、Bからなる群から選択される1つ以上の元素である工具。この工具は高い耐摩耗性を持ち、特に高い要求が工具に課される場合に耐用年数が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超硬合金、サーメット、硬質材料、および特殊鋼からなる群から選択されたる基材と、2つ以上の層を備えると共に全被覆厚が0.5〜15μmで且つ1つの被覆層の厚さが0.0003〜5.0μmである被覆とからなる工具に関する。
【背景技術】
【0002】
超硬合金、サーメット、硬質材料および特殊鋼は、高い摩耗応力に晒される工具に使用される。超硬合金なる用語は、硬質材料相と金属結合剤とからなる複合材料を意味する。サーメット群の材料は、1又は複数のセラミック相と1又は複数の金属相とからなる全ての材料を含む。硬質材料は、硬度が1000HVを超える全材料を網羅する。これらは、炭素、窒素、硼素、又は珪素の元素を有する周期系のIVa族〜VIa族元素からなる化合物を含む。この族の材料で最も重要なものは、ダイヤモンド、立方晶系窒化硼素、炭化珪素、サイアロン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムおよび窒化珪素である。DIN17 300に係る特殊鋼は、工具としての用途により規定される鋼である。
【0003】
摩耗耐性を高めるため、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物および酸化物に基づく耐摩耗性硬質材料被覆を基材に付与する。該被覆は、1又は複数の層を備え、通常は1500〜4000HVの範囲の硬度を持つ。例えば窒化チタン、チタンカーボンナイトライド、チタン窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムからなる単層又は多層被覆を挙げ得る。
【0004】
負荷の下では、摩擦システムは、工具に加えて、摩耗および摩擦、介在材料、活性な力、一連の動きおよび環境的な影響を引き起こす対向物体も備える。特に、活性な力および工具と対向物体との間の相対速度が大きい場合には、摩耗部品と対向物体との間の表面境界領域でかなりの温度上昇が生じる。例えば1000℃、ある場合にはそれ以上の温度が加工工具の表面で測定される。この原因は、剪断域における変形・分離作用や、逃げ面でのワークピースの摩擦である。
【0005】
TiAlN系の硬質材料被覆は、工具の摩耗特性を向上させるべく広範に使用されている。Al含有量の違いが耐摩耗・酸化性に及ぼす影響と、更なる元素が特にPVDプロセスを使用して製造した窒化チタン被覆の耐摩耗性に対し及ぼす影響とが研究されてきた。
【0006】
例えば非特許文献1は、450℃のArプラズマ中で形成したTiAlBN層を開示している。しかしドライ機械加工中の耐摩耗性の著しい向上は達成不可能であった。
【0007】
非特許文献2は、陰極アーク蒸発により製造され且つ3.8〜8.2原子%のSiを含むTiAlSiN被覆を開示する。この場合は、35〜45GPaの硬度値が得られた。
【0008】
またTiAlN被覆では、TiをCr、Hf、Zr、又はNbで置換できる。
【0009】
例えば特許文献1は、摩耗特性が向上したAlCrN被覆について記載している。
【0010】
特許文献2は、窒化チタン中のTiを元素Hf、Zr、Cr又はNbで部分的に或いは完全に置換することについて記載している。この種の硬質材料被覆は、Nb又はTaからなる金属中間層により基材に結合される。
【0011】
特許文献3は、耐摩耗性のMeAlCrVCN被覆について記述している。この場合、元素Ti、Nb、W、Ta又はMoの内の少なくとも1つがMeとして使用される。
【0012】
特許文献4は、低合金鋼又は軟鋼の機械加工に使用され且つTiAlTaN又はTiAlTaCNおよびTiAlN又はTiAlCNを含む多層被覆の組み合わせを有する高速度鋼により形成された歯切り工具について論じている。2つの層の組み合わせにより、耐用年数が長くなると共に、チップ固着が生じ難くなる。
【0013】
例えば合金鋼のドライフライス作業等で工具に大きな応力が生じる場合には、例えば主面および逃げ面等の工具接触域で非常に高い表面温度に達する。同様に、例えば形削り工具の入口領域では高い応力も生じる。前述した周知の被覆システムの耐摩耗性は、従来、特に冷却液が使用されない場合には、これらの用途では不十分であった。
【特許文献1】国際公開第2004/059030号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第0 558 061号明細書
【特許文献3】特開平15−034859号公報
【特許文献4】欧州特許第1 201 776号明細書
【非特許文献1】「Thin Solid Films,343(1999)pp.242-145」
【非特許文献2】「Surf.Coat.Technol.,133-134(2000)145-151」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って本発明の目的は、高い熱応力下で高い耐摩耗性を示すと共に、摩耗物体との接触時における摩擦係数が可能な限り低い工具を提供することである。
【0015】
本発明によれば、この目的は請求項1によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る被覆は、少なくとも2つの被覆層を備える。第1の被覆層は(TiaAlbTac)Nの組成を有する。ここで、a+b+c=1、0.3≦b≦0.75、および0.001≦c≦0.30である。以下の本文では、この被覆層をAと称する。
【0017】
第2の被覆層は(TidAleTafg)Nの組成を持つ。ここで、d+e+f+g=1、0.50≦e≦0.70および0≦f≦0.25である。Mは、珪素、バナジウムおよび硼素からなる群から選択した1又は複数の元素を表す。珪素含有量は0.05〜10原子%、バナジウム含有量は0.1〜25原子%、硼素含有量は0.005〜1原子%である。以下の本文では、この被覆層をBと称する。
【0018】
被覆層Aの合金にタンタルを添加すると、熱硬度がかなり高まる。タンタルは面心立方固溶体を約800℃の非常に高い温度迄安定させることが分かった。高温では相分解が生じ、その結果立方晶系窒化アルミニウム領域の析出が生じるが、この析出により、約900℃で硬度が更に約10%高まる。1100℃でさえも、真空中でのアニーリング試験の後、開始状態の被覆硬度範囲の硬度値が依然として測定された。従って、被覆層Aの構成要素としてのタンタルは、特に非冷却形削りプロセスの場合に被覆面と摩耗物体との間の接触域で生じる温度範囲の熱硬度を増大させる。従って、合金にタンタルを添加すると、700〜1100℃の関連する温度範囲で、磨耗から最適に保護される。これは、自己適応形態で達成される。しかしTiAlN中のタンタルにより、700℃以上の温度で摩擦係数が増大してしまう。これは、不活性なアルミニウム酸化物球およびオーステナイト鋼の両方に対し検出される。また、被覆層Aの延性は多くの場合に不十分であり、例えばフライス作業や高速切削等で問題を生じ得る。被覆層Bは、珪素、バナジウムおよび硼素からなる群から選択した少なくとも1つの元素を含む。珪素、バナジウムおよび硼素は高温で摩擦低減効果を示す。また、被覆層Bは、被覆層Aより少量のタンタルを含むとよく、その結果、被覆層Bは被覆層Aより延性が大きい。微小構造の延性は、一連の被覆層AとBを使用して設定できる。この延性は、例えばフライス作業の際に剥離に対する十分な被覆安定性を確保できるような、良い影響を与える。耐摩耗性は、タンタル含有量とTi/Al比率の両方で設定できる。これに関連して、0.1〜30原子%のタンタル含有量に応じ、Al含有量を30〜75原子%に設定できることが分かってきた。被覆層Bにおいても、同様に、請求項1に記載された内容に従い、0〜25原子%の範囲内のタンタル含有量に応じ、広い範囲でTi/Al比率を選択できる。被覆層A中のアルミニウムの好ましい範囲は45〜66原子%である。タンタルの含有量が0.1原子%を下回ると、硬度が十分に増大しない。含有量が30原子%を越えると、被覆層Aの脆化が過度になる。被覆層A中のタンタルの好ましい範囲は1〜25原子%である。それに対応し、更に延性が高い被覆層Bでは更に低いタンタル含有量を選択でき、0〜25原子%、好適には0.2〜10原子%の含有量が使用される。被覆層B中の珪素は、耐酸化性に好影響を及ぼす。この点で十分な効果を得るには、0.1原子%の珪素含有量が適する。珪素含有量が10原子%を越えると、多くの用途で脆化が許容できない程に高くなる。好適な上限は3原子%である。0.1〜3原子%のこれらの有利な珪素含有量は、工具と対向物体との間の摩擦を十分に減少させる。バナジウムにより生じる強度増大は珪素よりもかなり低く、従ってバナジウムは層の破壊靱性をそれ程大きく高めない。そのため、バナジウム含有量は、被覆層B中の珪素含有量よりも高くなるように選択できる。
【0019】
バナジウム含有量は0.1〜25原子%であるとよく、最適には2〜20原子%であることが広範囲の試験で明らかになった。バナジウムは、マグネリ相の形成に起因するかなりの摩擦低減効果を示す。被覆層B中の硼素の好ましい範囲は0.001〜0.5原子%である。硼素は、更なる元素における拡散率を減少させることで被覆の耐酸化性を増大させる。硼素含有量が1原子%を越えると、硬度が減少する。これは、六方晶系相成分の形成に起因している。多層被覆を使用することで、被覆の微小構造を理想的に設定でき、従って破壊靱性も理想的に設定できる。被覆層の数は、約10個から最大で10000個以上の範囲であってよい。必要とされる特性に応じ、個々の被覆層の順序を周期的に交互に配置することが、より容易になる。従って、2つの異なる被覆層の場合には、順序はA、B、A、B・・・となる。第3の被覆層Cが使用する場合には、結果的に、順序はA、B、C、A、B、C・・・となる。
【0020】
相当する順序は、組成が異なる4つ以上の被覆層の場合にも当てはまる。組成が異なる被覆層も異なる核生成率又は異なる核生成成長速度を有する。従って、個々の被覆層も一般に異なる厚さを有する。個々の被覆層が立方構造を持つ場合には、最適な破壊靱性/硬度の比率を設定できる。これは、立方相が六方相よりも大きな耐摩耗構造だからである。例えば立方晶系構成要素間に配置された放射線的に非晶質な微小構造構成要素の比率が小さいと、層の破壊靱性が増大する。被覆結合を高めるためには、基材と接触する被覆層が窒化チタンからなるとよい。
【0021】
被覆と基材の最も有利な組み合わせは、超硬合金を基材として用いた際に得られる。
【0022】
優れた耐用年数は、被覆工具を切削工具として使用した場合に得られる。これに関連して切削工具としての一般的な用途は、ソリッド超硬合金フライス工具および使い捨て可能な切削工具チップである。しかし本発明の利点は、形削り工具においても実現できる。
【0023】
被覆剤を塗布すべく様々な被覆プロセスを使用できる。1つの好適な処理法は、単一成分又は多成分ターゲットを用いたアーク蒸発法又はスパッタリング法によるPVDプロセスである。この際に被覆層Aを形成すべく使用するターゲットは、30〜75原子%のアルミニウム、0.1〜30原子%のタンタルおよび残部のチタンからなる。
【0024】
被覆層Bの形成に使用するターゲットは、50〜70原子%のアルミニウムと、0〜25原子%のタンタルと、珪素、バナジウム、硼素からなる群から選択した少なくとも1つの元素とからなり、残部はチタンである。そして、珪素の場合には含有量が0.05〜10原子%、バナジウムの場合には含有量が0.1〜25原子%、硼素の場合には含有量が0.005〜1原子%である。
【0025】
本発明を実施するためには、PVDプロセスに代わる手段として、様々なCVDプロセスも使用できる。例えば、本発明に係る被覆は、プラズマCVDプロセスや有機金属前駆物質を使用したCVDプロセス(MOCVD)で形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、典型的な実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【0027】
2−Ar雰囲気中で粉末冶金によって形成されたターゲットのアーク蒸発を伴う従来の工業用PVD設備を使用して、超硬合金からなる使い捨て可能な切削工具チップに対して2層TiAlTaN/TiAlTaMeN被覆剤を被着した。このプロセスにおける層中の合金元素含有量は、採用された処理を考慮して、使用されるターゲット中の元素の含有量とよく一致させた。表1〜5は、被覆製造プロセスに使用されたターゲットの組成を示す。4つのソース又はターゲット位置を使用した。各場合に、組成が同じターゲットを含む2つの対向する垂直にオフセットした位置を用いた。比較のため、従来技術に対応する基準試料の製造においても、同一の被覆プログラムを使用した。試料設備およびプロセスチャンバの占有率は、全ての試料において同一になるように設定した。
【0028】
匹敵する耐用年数試験においては、以下のパラメータを使用した。
使い捨て可能な切削工具チップ:S40TからなるSEKN 1203AF SN
機械加工材料:42CrMo4
機械加工条件:ドライ機械加工
機械加工パラメータ:Vc=230m/分、f=0.30mm/rev、ap=2.0mm、ae=96mm。
【実施例1】
【0029】
実施例1では、第1の被覆層(1a、1b)中のAl/Ti比率が一定(Al/Ti=2)で且つ各場合に第2の被覆層中の組成が一定の状態におけるタンタル含有量の変動の影響を示すべく、周期的に順序を交互にする被覆1と2(試料B2a)および被覆1bと2(試料B2b)を備える4層被覆を使用した(表1参照)。
【0030】
【表1】

【0031】
基準試料と比べると、被覆B2aを使用したものの耐用年数の向上は78%である。被覆B2bを使用すると、耐用年数を倍にすることができた。
【実施例2】
【0032】
実施例2は、第1の被覆層中のタンタル含有量が一定で且つ各場合において第2の被覆層中の組成が同じ場合の、Al/Ti比率(Al/Ti=1.5;Al/Ti=2)の影響を示すため、周期的に順序を交互にする被覆1bと2(試料B3a)および被覆1cと2(試料B2b)を備える4層被覆を使用した(表2参照)。
【0033】
【表2】

【0034】
このようにすると、被覆B3aおよびB2bの両方に関し、基準試料と比べ耐用年数の向上を達成できた。この向上は、B3aの場合に84%である。また、これらの試験は、タンタル含有量が一定の場合におけるAl/Ti比率の影響を示している。
【実施例3】
【0035】
実施例3は、耐用年数特性に対する硼素の影響を示す(表3参照)。
【0036】
【表3】

【0037】
基準試料と比べ、被覆B4を使用した耐用年数の向上は42%である。
【実施例4】
【0038】
実施例4は、耐用年数特性に対する珪素の影響を示す(表4参照)。
【0039】
【表4】

【0040】
基準試料と比べ、被覆B5を使用した耐用年数の向上は91%である。
【実施例5】
【0041】
実施例5は、耐用年数特性に対するバナジウムの影響を示す(表5参照)。
【0042】
【表5】

【0043】
基準試料と比べ、被覆B6を使用した耐用年数の向上は250%である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
超硬合金、サーメット、硬質材料、および特殊鋼からなる群から選択される基材と、2つ以上の層を備えると共に全被覆厚が0.5μm〜15μmで且つ1つの被覆層の厚さが0.0003〜5.0μmである被覆とからなる工具であって、
少なくとも1つの被覆層は(TiaAlbTac)Nの組成を有し、ここに
a+b+c=1、
0.3≦b≦0.75、
0.001≦c≦0.30
であり、
かつ少なくとも1つの更なる被覆層は(TidAleTafg)Nの組成を有し、ここに
d+e+f+g=1;
0.50≦e≦0.70;
0≦f≦0.25;
であり、
Mは、Si、V、Bからなる群から選択される1又は複数の元素であり、
Siの場合:0.0005≦g≦0.10;
Vの場合:0.001≦g≦0.25、および
Bの場合:0.00005≦g≦0.01
であることを特徴とする工具。
【請求項2】
f<cであることを特徴とする請求項1記載の工具。
【請求項3】
0.01≦c≦0.25であることを特徴とする請求項1又は2記載の工具。
【請求項4】
0.001≦f≦0.20であることを特徴とする請求項1から3の1つに記載の工具。
【請求項5】
0.002≦f≦0.10であることを特徴とする請求項4記載の工具。
【請求項6】
Mが珪素であり、0.001≦g≦0.03であることを特徴とする請求項1から5の1つに記載の工具。
【請求項7】
Mがバナジウムであり、0.10≦g≦0.20であることを特徴とする請求項1から5の1つに記載の工具。
【請求項8】
Mが硼素であり、0.0001≦g≦0.005であることを特徴とする請求項1から5の1つに記載の工具。
【請求項9】
組成が異なる被覆層が周期的に交互に配置されたことを特徴とする請求項1から8の1つに記載の工具。
【請求項10】
個々の被覆層が異なる厚さを有することを特徴とする請求項1から9の1つに記載の工具。
【請求項11】
個々の被覆層が立方構造を有することを特徴とする請求項1から10の1つに記載の工具。
【請求項12】
放射線的に非晶質な微小構造構成要素が少量存在することを特徴とする請求項11記載の工具。
【請求項13】
基材と接触する被覆層が窒化チタンであることを特徴とする請求項1から12の1つに記載の工具。
【請求項14】
最上層が摩擦低減成分としてCを含むことを特徴とする請求項1から13の1つに記載の工具。
【請求項15】
最上層が金属層であることを特徴とする請求項1から14の1つに記載の工具。
【請求項16】
最上層が酸化物層であることを特徴とする請求項1から14の1つに記載の工具。
【請求項17】
基材が超硬合金であることを特徴とする請求項1から16の1つに記載の工具。
【請求項18】
工具が切削工具であることを特徴とする請求項1から17の1つに記載の工具。
【請求項19】
前記切削工具が使い捨ての切削工具チップであることを特徴とする請求項18記載の工具。
【請求項20】
工具が形削り工具であることを特徴とする請求項1から17の1つに記載の工具。
【請求項21】
被覆がCVDプロセスによリ設けられたことを特徴とする請求項1から20の1つに記載の工具。
【請求項22】
被覆がPVDプロセスで設けられたことを特徴とする請求項1から20の1つに記載の工具。
【請求項23】
30〜75原子%のAlと、0.1〜30原子%のTaと、残りのTiとからなることを特徴とする請求項22記載の工具を製造するためのスパッタリングターゲット。
【請求項24】
50〜70原子%のAlと、0〜25原子%のTaと、Si、V、Bからなる群から選択された少なくとも1つの元素と、残りのTiとからなり、Siの場合に含有量が0.05〜10原子%、Vの場合に含有量が0.1〜25原子%、Bの場合に含有量が0.005〜1原子%であることを特徴とする請求項22に記載の工具を製造するためのスパッタリングターゲット。


【公開番号】特開2006−305721(P2006−305721A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−117814(P2006−117814)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(500005837)セラティチット オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (13)
【Fターム(参考)】