説明

製剤用好感度向上剤および該向上剤を含む高好感度製剤

【課題】各種製剤に添加するだけで、製剤の使用上の好感度性を向上させることのできる製剤用好感度向上剤および該向上剤が添加されてなる製剤を提供する。
【解決手段】16−アンドロステンステロイドと粉体とから構成された組成物を製剤好感度向上剤として用いる。使用する16−アンドロステンステロイドとしては、4,16−アンドロスタジエン−3−オンが好ましく、粉体としては吸水性球状粉体が好ましい。また、製剤好感度向上剤により好感度が向上された高好感度製剤は、0.1〜100ppmの16−アンドロステンステロイドと0.01〜25重量%の粉体とを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料を始めとする各種製剤に添加することにより各種製剤の使用上の好感度性を向上させることのできる製剤用好感度向上剤と、この製剤用好感度向上剤を添加した製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料には、消臭、皮膚ケアなどの目的に応じた有効成分が配合され、さらに香料が添加されている。香料は使用者の他者からの印象(好感度)を向上させることを主な目的としているが、同時に使用者本人の使用感(使用に対する好感度)を良好にすることも目的としている。この香料が使用者には好印象であるが、他者からは好ましく感じられなかったり、逆の場合もあり得る。また、アレルギーなどの敏感な使用者に対して提供される身体ケア製品には、香料の使用をできるだけ低減させたり、場合よっては、使用しないことも考慮されている。
【0003】
前述のように、使用感を良好にするための香料が好みに合わなかったり、香料の使用が不適な製品の場合には、必然的にその使用が敬遠されることになる。かかる問題点を回避するために、従来は、例えば、万人に共通的に好まれる香料を開発したり、身体ケアの有効成分としてより純度が高いものを使用するという対処に頼っていた。その場合、開発費、製造コストが高くならざるを得ず、安価な製品を提供することが難しかった。
【0004】
従来、化粧料の好感度を向上させる手段として、前述のように、香料を使用することが行われていたが、鼻神経上皮細胞のレセプター結合ステロイドとして16−アンドロステンステロイドを添加し、それにより香料に対する使用者の感受性を高める非治療的芳香組成物が提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特許第3121016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載の非治療的芳香組成物は、脳の視床下部と連絡している鼻神経上皮細胞を刺激することにより使用者の香料に対する感受性を高める組成物であり、主成分として含有する香料による使用感の向上に依存している。従って、先に検討したように、使用している香料に対する好みがあわない場合には、逆効果となってしまうこと、また、香料を低減もしくは不使用とする必要がある製剤には使用できないという問題点は、依然として解決されていない。
【0007】
製品の使用上の好感度性を向上させる要望は、化粧料に限らず、洗濯用の洗剤、衣類の処理剤、身体洗浄剤、入浴剤、さらに、布製品、革製品、化学繊維製品、プラスティック製品などの、身体被服素材、アクセサリー素材などの他の製剤においても、潜在的にあるものと思われる。しかしながら、そのような各種製剤の好感度性を向上させ得る製剤用好感度向上剤は提供されていないのが、現状である。
【0008】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、各種製剤に添加するだけで、製剤の使用上の好感度性を向上させることのできる製剤用好感度向上剤および該向上剤が添加されてなる製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意、実験、検討を重ねたところ、次のような知見を得るに到った。すなわち、(1)各種製剤に所定量の16−アンドロステンステロイドを添加すると、製剤の使用中および使用後の好感度が向上すること、(2)この好感度向上効果の発現には香料成分の併用は必須ではないこと、(3)吸水性球状粉体を併用することでさらさらとした触覚が付与され、製剤に対する好感度性がさらに向上することの3点を知見するに到った。
【0010】
なお、本発明において、製剤の使用上の好感度とは、使用中、もしくは使用後の気分の良さを意味し、特にサラサラやスベスベといった感覚に加えてホッとする感じやワクワクする感じといった気分の良さを含めた総合的な使用感を意味する。
【0011】
本発明は、前記知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明に係る製剤用好感度向上剤は、16−アンドロステンステロイドと粉体からなることを特徴とする。使用する16−アンドロステンステロイドとしては、4,16−アンドロスタジエン−3−オンが好ましい。また、本発明の製剤用好感度向上剤を各種製剤に添加する場合、各種製剤中の16−アンドロステンステロイドの配合量が0.01〜100ppmとなるように調製することが好ましい。0.01ppm未満の配合量となると、製剤の好感度を向上させる効果が不十分となる。また、100ppmを超えると、製剤の好感度向上効果が頭打ちとなり、不経済になる。また、前記粉体としては、吸水性球状粉体が好ましい。製剤としては、化粧料、洗濯用の洗剤、衣類の処理剤、身体洗浄剤、入浴剤、さらに、布製品、革製品、化学繊維製品、プラスティック製品などの、身体被服素材、アクセサリー素材などが挙げられ、最終製品に応じ、公知の配合成分を添加することができる。前記添加成分としては、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、水等があり、これらは必要に応じて適宜配合することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる製剤用好感度向上剤は、各種製剤に所定量を添加することによって製剤の使用者に好ましい印象の使用感(好感度)を付与することができる。香料成分の併用は必須ではないので、対象とする製剤の選択自由性は大きく、幅広い製剤に対して適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
前述のように、本発明に係る製剤用好感度向上剤は、16−アンドロステンステロイドと粉体からなることを特徴としている。
以下に、本発明に係る製剤用好感度向上剤の有効成分である16−アンドロステンステロイドと、粉体について、個々に説明する。
【0014】
16−アンドロステンステロイドとは、フェロモン様作用を有する化合物であり、具体的には、4,16−アンドロスタジエン−3−オンと、5,16−アンドロスタジエン−3−オールとを挙げることができる。これらには、製剤使用の好感度性を向上させる効果がある。特に、4,16−アンドロスタジエン−3−オンは、高い好感度向上効果を示す。
【0015】
本発明の製剤好感度向上剤を各種製剤に添加する場合、各製剤中の16−アンドロステンステロイドの配合量が0.01〜100ppm(0.01μg/mL〜100μg/mL)となるように添加することが好ましい。配合量が0.01ppm未満であると、所望とする製剤の好感度向上効果を得ることができない。また、100ppmを超えると、好感度向上効果が頭打ちとなり、経済性が悪くなる。本発明の製品好感度向上剤中の16−アンドロステンステロイドの配合量は、添加対象である各製剤中の16−アンドロステンステロイドの存在量が上記範囲になるに好適な範囲にあれば良く、対象とする各製剤の組成に応じて調製すればよい。
【0016】
前記16−アンドロステンステロイドに併用させることによって製剤の好感度向上効果が増大する粉体としては、下記の粉体を挙げることができる。
具体例としては、ケイ酸、無水ケイ酸、マグネシア・シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、アルミナ、ゼオライト、銀担持ゼオライト等の無機粉末、セルロース、麻、シルク等の有機粉末、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のモノマーから誘導されるアクリル系ポリマー、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、スチレン、α―メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、ε―カプロラクタム、シラン等のモノマーから誘導される、アクリル系ポリマー以外のホモポリマーやコポリマー等の高分子化合物粉体である。中でも、無水ケイ酸、マグネシア・シリカ、アクリル系ポリマーが好ましく、特に、無水ケイ酸が好ましく、殊に無水ケイ酸の球状2次粒子が好適に使用される。
【0017】
本発明の粉体は吸水性であることが好ましく、形状としては球状の粉体が好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
このように、本発明においては、無孔質無水ケイ酸、多孔質無水ケイ酸などの無機粉末や有機粉末、アクリル系ポリマー、アクリル系ポリマー以外のホモポリマーやコポリマー等の高分子化合物粉体の少なくとも一種の粉体を16−アンドロステンステロイドに併用させることにより、製剤にさらさらとした触覚を付与し、製剤の好感度をより向上させることができる。本発明の製品好感度向上剤を各種製剤に添加する場合、製剤全量に対して0.01〜25重量%、好ましくは0.1〜15重量%とするのが好ましい。下限値以上とすることにより、吸湿、放湿効果が得られ、上限値以下とすることにより殊に使用感が良好となる。配合量が0.01重量%未満であると、所望とする製剤の好適な触覚を得ることができない。また、10重量%を超えると、好感度向上効果が頭打ちとなり、経済性が悪くなる。本発明の製品好感度向上剤中の吸水性球状粉体の配合量は、添加対象である各製剤中の吸水性球状粉体の存在量が上記範囲になるに好適な範囲にあれば良く、対象とする各製剤の組成に応じて調製すればよい。
【0019】
前記16−アンドロステンステロイドを溶解する溶剤としては、一般的に使用できる溶媒であればいずれのものもでも使用できるが、中でも脂肪酸エステル類が好ましい。
【0020】
前記16−アンドロステンステロイド溶液中に粉体を分散させる分散剤としては、一般的に使用できる分散剤であればいずれのものでも使用できるが、特に好ましい分散剤としては脂肪酸エステル類を挙げることができ、これらの中でも特に脂肪酸鎖調が10〜12のエステルが好ましい。
【0021】
本発明に係る製剤用好感度向上剤の添加対象とする製剤としては、例えば、化粧料、洗濯用の洗剤、衣類の処理剤、身体洗浄剤、入浴剤、さらに、布製品、革製品、化学繊維製品、プラスティック製品などの、身体被服素材、アクセサリー素材に使用することができ、最終製品に応じ、公知の配合成分を添加することができる。前記添加成分としては、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、水等があり、これらは必要に応じて適宜配合することができる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の実施例を示す。以下に示す実施例は、本発明を説明するための好適な例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
【0023】
(実施例1、2および比較例1、2)
以下に示す実施例1、2および比較例1、2では、本発明に係る製剤好感度向上剤を調製し、この製剤好感度向上剤を、下記(表1)に示すように、市販の女性用化粧料2種に所定量添加し、添加前のサンプルと添加後のサンプルを20名の女性パネラーに使用してもらい、その使用上の好感度を下記5段階評価により回答してもらった。市販の女性用化粧料としては、ちふれ社製の女性用化粧料2種(有香性1種、無香性1種)を用いた。
(5段階評価)
5:非常によい
4:良い
3:良くも悪くもない
2:やや悪い
1:悪い
【0024】
(製剤好感度向上剤の調製)
溶剤、分散剤としてミリスチン酸メチルエステルを用い、この溶剤10mLに4,16−アンドロスタジエン−3−オンを500μg溶解した。この溶液に多孔質無水ケイ酸(旭硝子社製、商品名「サンスフェアH−122」)を5g分散させた。
【0025】
前記2種の化粧料に、上記製剤好感度向上剤を成分中の4,16−アンドロスタジエン−3−オンが10ppm配合されるように、添加した。添加後の各化粧料中の吸水性球状粉体の配合量は、100mg/mLであった。女性用の有香性化粧料を比較例1、女性用の無香性化粧料を比較例2とした。そして、それらに本発明に係る製剤好感度向上剤を添加したものをそれぞれ実施例1、2とした。各例の評価結果を下記(表1)に示した。
【0026】
【表1】

【0027】
(実施例3〜10および比較例3〜13)
以下の実施例および比較例では、対象製剤として、下記2種類の組成の噴霧制汗剤(合計100重量%)を調製した。
(制汗剤1の組成)
クロルヒドロキシアルミニウム 25 (重量%)
イソプロピルメチルフェノール 0.1
メチルフェニルポリシロキサン 2
メチルポリシロキサン 3
トリイソステアリン酸POEグリセリル(20) 15
ジプロピレングリコール 1
香料(特開2006−143602号公報に記載のもの) 1
ミリスチン酸イソプロピル 残部
【0028】
(制汗剤2の組成)
前記制汗剤1の組成から香料を削除した組成:
クロルヒドロキシアルミニウム 25 (重量%)
イソプロピルメチルフェノール 0.1
メチルフェニルポリシロキサン 2
メチルポリシロキサン 3
トリイソステアリン酸POEグリセリル(20) 15
ジプロピレングリコール 1
ミリスチン酸イソプロピル 残部
【0029】
次に、本発明に係る製剤好感度向上剤として以下の4種類を調製し、さらに、比較例3〜6に使用する16−アンドロステンステロイドの濃度が適正範囲の上限および下限を逸脱した4種類を調製した。これら8種類の製剤好感度向上剤における有孔質無水ケイ酸(吸水性球状粉体)の配合量は同一とした。
(製剤好感度向上剤1)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 0.05ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(三好化成社製、商品名「サンスフェアSB−300) 5g
(製剤好感度向上剤2)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 500ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(富士シリシア社製、商品名「MB−3A」) 5g
(製剤好感度向上剤3)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 0.025ppm
5,16−アンドロスタジエン−3−オール 0.025ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(三好化成社製、商品名「サンスフェアSB−300」) 5g
(製剤好感度向上剤4)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 250ppm
5,16−アンドロスタジエン−3−オール 250ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(富士シリシア社製、商品名「MB−3A」) 5g
(製剤好感度向上剤5)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 0.04ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(三好化成社製、商品名「サンスフェアSB−300」) 5g
(製剤好感度向上剤6)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 600ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(富士シリシア社製、商品名「MB−3A」) 5g
(製剤好感度向上剤7)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 0.02ppm
5,16−アンドロスタジエン−3−オール 0.02ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(三好化成社製、商品名「サンスフェアSB−300」) 5g
(製剤好感度向上剤8)
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 300ppm
5,16−アンドロスタジエン−3−オール 300ppm
溶剤(ミリスチン酸エチルエステル) 10mL
有孔質無水ケイ酸
(富士シリシア社製、商品名「MB−3A」) 5g
【0030】
前記2種類の噴霧制汗剤のそれぞれに前記8種類の製剤好感度向上剤を組み合わせて16種類の噴霧制汗剤(実施例3〜10および比較例3〜10)を処方した。
【0031】
すなわち、実施例3は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤1との組み合わせ、実施例4は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤2との組み合わせ、実施例5は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤3との組み合わせ、実施例6は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤4との組み合わせである。
【0032】
同様に、実施例7は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤1との組み合わせ、実施例8は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤2との組み合わせ、実施例9は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤3との組み合わせ、実施例10は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤4との組み合わせである。
【0033】
また、比較例3は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤5との組み合わせ、比較例4は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤6との組み合わせ、比較例5は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤7との組み合わせ、比較例6は噴霧制汗剤1と製剤好感度向上剤8との組み合わせである。
【0034】
同様に、比較例7は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤5との組み合わせ、比較例8は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤6との組み合わせ、比較例9は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤7との組み合わせ、比較例10は噴霧制汗剤2と製剤好感度向上剤8との組み合わせである。
【0035】
この他に、比較例11として噴霧制汗剤1に4,16−アンドロスタジエン−3−オンのみを3ppmを添加した処方を調製した。また、比較例12として噴霧制汗剤1に有孔質無水ケイ酸のみを5重量%添加した処方を調製した。さらに比較例13および14としてそれぞれ何も添加しない噴霧制汗剤1および2を用意した。
【0036】
上記実施例3〜10および比較例3〜14の各サンプルを、前記実施例1、2および比較例1、2における評価方法と同様に、20名の女性パネラーにより各製剤サンプルの好感度性を評価した。その結果を下記(表2)〜(表6)に示した。
【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
【表5】

【0041】
【表6】

【0042】
前記実施例1〜10および比較例1〜14から明らかなように、16−アンドロステンステロイドと吸水性球状粉体とを所定量含有する実施例の製剤好感度向上剤は、対象の製剤が香料成分を含んでいてもいなくても、製剤に添加することにより、製剤の好感度を大幅に向上させることができる。それに対して、16−アンドロステンステロイドのみ、あるいは吸水性球状粉体のみを添加した比較例では、十分な好感度の向上を得ることができない。
【0043】
(実施例11,12)
以下に実施例11,12として、化粧料以外の製剤として、クリーム状洗浄剤と、柔軟剤に本発明の製剤好感度向上剤を添加してなる高好感度製剤の2処方例を示す。
【0044】
(実施例11)
クリーム状洗浄剤組成物
4,16−アンドロスタジエン−3−オン 0.001
ラポナイトXLG(日本シリカ社製) 0.3
ポリエチレン末(平均粒径100μm) 0.3
ステアリン酸 8
パルミチン酸 8
ミリスチン酸 18
水酸化カリウム 5.5
POE(16)セチルエーテル
(日本エマルジョン社製、商品名「EMALEX 116」) 2
グリセリン 15
PEG4000 5
ソルビトール 6
精製ラノリン 0.5
オレンジ油 1
高重合ポリエチレングリコール
(ユニオン・カーバイト社製、
商品名「ポリオックスWSR−N750」) 0.5
ダービリアエキス 1
シラカバエキス 1
スメクタイト(クニミネ工業社製、商品名「クニピアF」) 0.3
酸化チタン(平均粒子径0.25μm、ルチル型) 1
グンジョウ(平均粒子径0.3〜2μm) 0.05
ベンガラ(平均粒子径0.03μm) 0.05
ナイロン末(平均粒子径100μm) 0.05
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.3
香料 1
精製水 残部
合計(%) 100.0
【0045】
(実施例12)
この実施例に示す処方は、衣類用の柔軟剤である。処方例を下記(表7)に示す。
【0046】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかる製剤用好感度向上剤は、各種製剤に添加するだけで、製剤の使用上の好感度性を向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
16−アンドロステンステロイドと粉体からなることを特徴とする製剤用好感度向上剤。
【請求項2】
粉体が吸水性球状粉体であることを特徴とする請求項1の製剤用好感度向上剤。
【請求項3】
前記16−アンドロステンステロイドが4,16−アンドロスタジエン−3−オンであることを特徴とする請求項1または2に記載の製剤用好感度向上剤。
【請求項4】
前記製剤が化粧料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤用好感度向上剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤用好感度向上剤が添加され、該好感度向上剤中に含まれる16−アンドロステンステロイドを0.01〜100ppm含有することを特徴とする高好感度製剤。

【公開番号】特開2008−156275(P2008−156275A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346601(P2006−346601)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】