説明

製品供給装置

自動供給装置は医薬投与剤形等の製品をブリスタパックに充填するためによく用いられる。これらの装置は通常特定の形状及び寸法の製品を扱うために設計されている。異なる形状の製品を扱うためには、製品と接触する全ての部品を取替える必要があり、高価になる。本発明は一つの供給装置が多種多様な製品寸法/形状を扱うために迅速に構成されることを可能にする。装置(21)は一連のテーパ状の溝(40)を画定するトレイ(36)と、前記トレイの上方に摺動可能に取付けられたコンテナ(22)とを備える。前記コンテナの壁及び前記溝は共に各溝内に製品が前記コンテナから通過する開口を画定する。前記コンテナの前記平面的なトレイ表面(38)を横切って、前記溝に沿った、かつ該溝を越えた摺動により、前記開口の寸法を、扱われる製品の寸法に従い、同一の部品を用いて調節することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブリスタ型パックのポケット内に製品を搬送するのに適した製品供給装置に関し、特に医薬ブリスタ及び患者パックのポケット内に医薬投与剤形を供給するのに適した装置に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
患者パックは患者用に薬剤を保持するための一連のポケットを画定するトレイであって、被膜で密閉されている。一般的には、様々なタイプの製品を収納するように寸法が決められたポケットは特定の日付又は時間に服用する一回分の薬剤を保持する。例えば、パックは四段七列に配置された一連のポケットを備えることができ、各段は四週間の周期の一週間に相当し、列は各週の日に相当する。一日に複数回、例えば、朝食、昼食、夕食時に、薬剤を服用する必要がある場合、三パックが前記四週間の周期の間、患者に割当てられ、各パックは朝食、昼食、夕食時にそれぞれ投与される薬剤を含んでいる。
【0003】
患者パックは、介護施設や拘置所等の環境において継続的又は反復的な処方で居住区に薬剤を分配するために特に便利である。処方は、錠剤、カプセル、カプレット、又は他の個別の剤形等の形式で、予め薬局において準備され、前記患者パックのポケット内に手で充填し、シールして、患者の詳細を記録し、前記患者の居住区まで送られる。前記薬剤は患者によって前記パック上の指示通りに服用される。このシステムは上述のような施設が薬剤を分配する権利を持つ職員を雇う必要性を取除く。
【0004】
自動供給装置が、特定の製品をブリスタパック内に充填するために一般に用いられている。各製品の製造過程は、個々の製品の寸法や形状を保持し、かつ扱うために特別に設計されたブリスタパック及び供給装置に合わせてよく調整される。異なる形状又は寸法の製品を扱うために装置を修正することは、製品に接触する全ての部品を取替えることを必要とし、高価になる。供給装置が医薬製品の全ての周知の個別の剤形を扱うためには、300組を超える取替え部品が必要であると考えられている。
【0005】
このような事実の結果として、自動供給装置は、多種多様な製品形態を、時には一度に比較的少量が扱われる患者パックを充填する用途には、非実用的であると考えられてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、ブリスタ型パック、他のパッケージ、あるいは容器のポケット内に製品を搬送する一つ以上の出口まで製品を搬送するための製品供給装置が提供され、該製品供給装置は、製品を案内するように配置された一つ以上の溝を画定し、かつ前記溝の幅及び/又は深さが前記溝の出口に向かって増大する表面と、前記表面に近接した壁とを備え、前記壁及び一つ以上の溝は、製品が前記溝の出口へ向かって通過する少なくとも一つの開口を画定するように協働し、前記開口の寸法は前記壁及び/又は表面を相対的に移動させることによって調節可能である。
【0007】
本発明は、高価な多数組の取替え部品を必要とすることなく、一つの供給装置を用いて、様々な寸法や形状の錠剤、カプレット、カプセル、硬質ゲル、及び軟質ゲル等の様々な製品形態を有する製品をブリスタパック等のパッケージに充填可能とする。
【0008】
本発明の望ましい実施形態は個別の製品を保持するための貯蔵部を備える。前記壁は前記貯蔵部に関連付けられ、より望ましくは前記貯蔵部の一部を形成している。理想的には、前記壁は前記表面を横切って横方向に移動するように配置され、これは前記貯蔵部を前記表面の上方に摺動可能に取付けることによって実現される。前記壁が溝の幅又は深さが増減する方向に前記溝に沿って移動する時、前記開口の寸法はそれに応じて、同一組の部品を用いて、増減することができる。
【0009】
前記表面の溝はその長さの少なくとも一部に渡ってテーパ状になっていることが望ましい。前記溝はその長さの少なくとも一部に渡って水平方向から下向きに傾斜していることが望ましい。前記表面は、製品を前記溝に沿って、その出口に向かって振動するように、振動手段によって振とうされることが望ましい。
【0010】
意図された出口点より前における製品の溝から外への移動は前記開口した溝の上方に支持される望ましくは拘束部材の形式である拘束手段によって防止される。前記拘束部材は前記表面に対して所定の角度で傾斜するように支持される。この角度は前記溝の傾斜に対応し、もしくはより急であり、故に前記溝の深さはその出口に向かって減少する。
【0011】
前記装置は前記溝の出口からブリスタパック又は他の容器のポケット内への製品の搬送を制御するために各溝に関連付けられた排出ゲート機構も備えることができる。前記ゲート機構は間に製品搬送区画を画定する少なくとも二つの連続したゲートを備えることが望ましい。前記ゲートの少なくとも一つ、特に前記搬送区画までの入口ゲートは拘束部材に関連付けられることができる。拘束部材に関連付けられたゲートは前記溝内に突出する前記拘束部材上のリップとして形成されることがより望ましい。前記拘束部材を前記溝に対して移動可能とすることによって、前記ゲートは駆動可能である。また、前記ゲートは前記拘束部材から分離することができる。
【0012】
前記二つのゲートの間の前記搬送区画に一度に保持される製品の数を制御するために、各溝の前記連続ゲートのゲート機構は互いに独立して作動可能であり、かつ少なくとも分離した溝の前記搬送区画入口ゲート機構は互いに独立して作動可能であり、かつ前記ゲートの間の間隔は前記区画の寸法を制御するために調節可能であることが望ましい。
【0013】
製品の流れを制限又は制御することを促進するために、前記貯蔵部はさらに邪魔板を備えることができる。前記表面上における製品の蓄積を制限するために、製品掃出し手段が前記溝を有する表面に渡って製品を掃出すように設けることができる。このような掃出し手段は前記少なくとも一つの開口の前、望ましくは前記壁に近接し、かつ前記貯蔵部の内部に設けることができる。
【0014】
前記貯蔵部、拘束手段、及びゲート機構は、摺動して移動可能となるように一つ以上のキャリッジ上に支持されることがより望ましい。前記キャリッジはレールに沿って移動可能であり、前記キャリッジにはクランプ及び位置測定器が設けられ、特定の製品用のキャリッジ位置を再現することが可能である。
【0015】
本発明の他の態様は以下の詳細な記述及び特許請求の範囲において示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
さて、下記の図面を参照して、本発明の二つの実施形態を例として説明する。
【図1】個別の医薬製品を患者パック内に充填する製品供給装置の第一実施形態の等角図。
【図2】図1のホッパ(貯蔵部)及びトレイ(表面)の断面の拡大等角図。
【図3】製品供給装置の側部断面図。
【図4A】開口の寸法を調節するためのホッパのトレイを横切る移動を示す等角図。
【図4B】開口の寸法を調節するためのホッパのトレイを横切る移動を示す等角図。
【図5A】好適な形状の拘束棒と協働するトレイの断面図。
【図5B】好適な形状の拘束棒と協働するトレイの断面図。
【図6】個別の医薬製品を患者パック内に充填する製品供給装置の第二実施形態の等角図。
【図7】上部が部分的に押上げられ、異なる視点から見た図6の製品供給装置の等角図。
【図8】図7の部分拡大図。
【図9】図6に対応する縦断面図。
【図10】図9の部分拡大図。
【図11A】開口の寸法を調節するために貯蔵部が表面を横切って移動することを示す等角図。
【図11B】開口の寸法を調節するために貯蔵部が表面を横切って移動することを示す等角図。
【図12A】拘束部材が搬送トレイの表面に形成された溝と協働することを示す端部正面図。
【図12B】拘束部材が搬送トレイの表面に形成された溝と協働することを示す等角図。
【図13】図12A及び12Bの搬送トレイの底面の出口端側及び下方から見た等角図。
【図14】異なる寸法及び形状の製品用の代わりの搬送トレイを示す図12Aに対応する正面図。
【図15】カバーが除去された状態における、製品供給装置からブリスタパックまでの搬送シュートを示す等角図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から3には、個別の医薬製品の貯蔵部を備えた製品供給装置1が示されており、前記貯蔵部は先を切取った逆ピラミッド形ホッパ2の形状をなしている。前記ホッパ2は開放した底部を有し、その前方壁の下部はクランプ2Bで固定したゴム製ストリップ部材2Aから形成されている。前記ホッパ2はスライドレール3上にキャリッジ7を介して摺動可能に支持されており、前記スライドレール3はフレーム4上に支持されている。
【0018】
製品供給トレイ5は、前記トレイの縁部(排出端)5Bまでトレイ5の長さ方向にほぼ沿って延びる七本の平行で、かつ上部が開口した溝5Aを画定する上面を有する。前記溝5Aは底面が平坦なV字形状を含むV字形状の断面を有する。各溝5Aの幅及び深さは、前記トレイ5の上面のホッパベース領域5Cにおいて零である幅及び深さから最大の幅及び深さまで、その長さ方向に沿って徐々にテーパ状なっており、その後は、使用時に製品が排出される前記トレイの出口端まで一定である。前記溝の長さ全体に渡って、その幅Wはその深さDより大きく、前記溝5Aにおける製品のつまりを最少化する。前記溝の底部は水平方向に対して通常は10度まで、望ましくは4度から8度までの浅い角度で出口端に向かって下向きに傾斜している。
【0019】
前記トレイ5は前記ホッパベース領域5Cが前記ホッパ2の直下に位置するように配置され、前記ホッパ2の基部を形成する。七つの開口2Cを形成する前記ホッパ2の前方壁2Aの下に前記溝5Aが延びるように、前記トレイ5も配向しており、前記開口2Cは前記溝5Aの壁と前記前方壁2Aの下縁との間に画定される。前記トレイ5は、ブリスタパック充填技術において振動手段の一種として知られている電磁加振器6によって支持されている。前記加振器6はフレーム4上に取付けられている。
【0020】
図4A及び4Bから分かるように、前記キャリッジ7は前記ホッパ2がスライドレール3に沿って、前記トレイ5の上面を横切って水平方向に、前記溝5Aと平行に摺動することを可能にする。前記ホッパ2の前記トレイ5の排出端5Bに向かう移動は、溝5Aの幅W及び深さDを拡大し、前記開口2Cの寸法を増大させる。反対に、前記トレイ5の排出端5Bから離間する方向の移動は前記開口2Cの寸法を縮小させる。この種の移動は前記ホッパ2に保持されている製品によって前記開口2Cの寸法を決め、製品の大きさに従って、一度に一つの製品だけを前記ホッパの各開口から排出することを可能にする。
【0021】
壁2Aの前方のキャリッジ7上には、七つの線形ソレノイドアクチュエータ8と、作動ロッド8Aと、拘束棒9とを備えた拘束機構も取付けられている。前記拘束棒9は各溝5Aの中心線の直接上方に支持され、かつ各拘束棒の下面9Aが前記排出端において前記トレイ5に最も接近するような角度で傾斜している。各棒9の自由端には前記溝5A内に突出するリップ9Bが形成されている。前記リップ9Bは製品を各溝5Aに沿って制御するためのゲートとして作用する。各リップ/ゲート9Bは他の六つのゲート9Bと独立して昇降することができる。
【0022】
前記拘束機構及びホッパ2は同一のキャリッジ7に取付けられているため、両者は、前記開口2C及び拘束棒入口9Dの間の水平関係を維持している間、前記トレイ5を横切って移動することが可能である。
【0023】
スライドレール3は前記第一キャリッジ7から独立して移動可能な第二キャリッジ10も支持し、該第二キャリッジ10上には各溝5Aに関連付けられたレーザセンサ11と、排出ゲート12と、線形ソレノイド式アクチュエータ13とが取付けられている。
【0024】
前記ゲート9B及び12の間の製品の存在を検知するためにレーザセンサ11が配置されている。各センサは前記V字形溝の研磨された基部からなる補助的な反射器を備えている。前記センサ11及びソレノイドアクチュエータは図示していないプログラマブル論理制御システムによって制御される。
【0025】
前記排出ゲート12は七つの突起12Aを画定する加工プレートからなり、かつ各突起が前記トレイ5の排出端5Bにおいて溝5A内に位置するように配置されている。前記トレイ5からの製品の排出を制御するために、前記突起12Aは前記ソレノイドアクチュエータ13によって昇降することができる。
【0026】
前記トレイ5の排出端において七本の独立したシュートを含む縦の搬送箱14が前記フレームによって支持されており、前記シュートの入口は前記各溝5Aに整合されている。出口端における各シュートの幅及び深さは患者パックポケット(図示せず)の幅及び深さに等しく、前記患者パックポケットは充填するために前記シュート14Aの出口端に配置されている。
【0027】
前記供給装置1は迅速に解放可能な固定具で前記主なフレームに固定された透明なポリカーボネート製カバー(図示せず)内に囲まれている。
作動前に、ホッパ2及び前記拘束機構を保持する前記キャリッジ7は、前記開口の寸法2Cを製品の寸法/形状に整合させるように、スライドレール3に沿って摺動する。製品が前記溝に沿って列を成している際に互いの上方に載らないよう保証し、かつゲート9Bが効果的に作動することを保証するように、前記溝上方の拘束棒9の高さが調節されることもできる。
【0028】
前記排出ゲート12及びリップ9Bが一つの製品の寸法に対応する距離だけ離間し、それによって搬送区画を形成することを保証するように、前記第二キャリッジ10がレール3に沿って摺動することもできる。
【0029】
使用時には、個別の製品がホッパ2の上部内に供給され、前記ホッパ2の壁及びトレイ5の間に保持される。前記電磁加振器6は前記トレイ5を振とうし、製品を概ね前記トレイの排出端に向かって斜面に沿って下方へ移動させる。ゴム製の壁2Aは、概ね前記ホッパ2からの製品の通過を阻む。しかしながら、前記溝5A内へ降下した製品は一度に一つ開口2Cを通って排出されることができる。
【0030】
製品は前記溝に沿ってリップ9Bに到達するまで移動する。拘束棒9は、製品が互いの上部に載ることを防ぐことによって、ゲート9B及び開口2Cの間の前記溝に沿った製品の列を一列に維持することを保証する。
【0031】
前記制御システムからの指令に従って、前記ソレノイドアクチュエータ8はリップ9Bを上昇させ、製品が前記搬送区画内へ通過することを可能とする。前記排出ゲート12A及びリップ9Bの間の距離は、一度に一つの製品だけが両者の間に存在できるように設定されている。前記ゲート12A及び9Bの間の製品の存在はセンサ11によって検知され、任意のさらなる製品が前記ゲートに進入することを防ぐために前記アクチュエータ8は前記リップ9Bを降下させる。
【0032】
一つの製品が前記各対のゲートの間に含まれると、前記制御システムはアクチュエータ13によって前記排出ゲート12Bを上昇させるよう指示し、前記七つの製品を前記トレイからシュート14Aの下方へ、その排出口に配置された前記患者パック(図示せず)内へ排出させる。
【0033】
前記個々のゲート9Bの互いに独立して開閉できる能力は、前記供給装置1が個々の溝5Aに沿った製品の通過率を変更するように適応することを可能とする。これは一度に二つ以上の製品が前記ゲート9B及び12の間の前記搬送区画に集合する可能性を低減する。
【0034】
前記トレイ5から製品を排出すると、前記排出ゲート12は閉鎖され、前記リップ9Bは再度上昇し、七つのさらなる製品が前記ゲート9B,12の間の前記搬送区画内へ通過することを可能にする。
【0035】
大小の製品に対応可能とするために、前記拘束棒9は前記作動ロッドから脱着可能であり、異なる下面形状を有する棒9Aと交換することができる。二つの好適な形状の例が図5A及び5Bに示されている。図5Aは溝5Aの上部を横切って配置されるよう構成された底部が四角形の棒9を示している。図5Bは、前記溝5Aの形状により厳密に対応するくさび形又はV字形状を示している。前記第一の形状は大きな傾斜した錠剤20の用途により適し、前記第二の形状は小さな製品21により適していると考えられる。
【0036】
図面には示していないが、変形例として、前記ホッパ2は前記前方壁の中点から前記ホッパの後方壁の下縁に向かって対角線上に下向きに延びる邪魔板を備え、製品の前記トレイ上への流れを制限及び/又は制御する漏斗を形成することもできる。これは製品がつまること、及び/又は、複数の製品が同時に開口2Cを通過することを防止する。前記漏斗近傍の製品は、前記制御システムにより制御されるゲート機構、又は以下で説明する第二実施形態において用いられるような掃出し機構によってさらに制御され得る。
【0037】
製品供給装置の第二実施形態が図6から15に示されており、該実施形態は概ね第一実施形態に類似しているが、多くのさらなる変更を有しており、拘束棒と関連付けられているが、別々に形成され、かつ独立に作動する前記ゲートを含まない。ここに変更の示唆がない限り、両実施形態は類似の特徴を含み、同様に作動すると理解できる。
【0038】
まず、特に図6から10を参照すると、上側充填口24を備えたコンテナ22からなる個別の医薬製品の貯蔵部を備えた製品供給装置21が示されている。前記コンテナ22は開口した底部を有し、その前方壁の下部はクランプねじ28で固定されたゴム製ストリップ部材26から形成されている。前記コンテナ22はコンテナ取付けキャリッジ30を介してスライドレール32上に摺動可能に支持されており、前記スライドレール32はフレーム34のヒンジにより連結された上部の上に支持されている。
【0039】
製品供給トレイ36は、前記トレイの排出端までほぼ前記トレイの長さ方向に沿って延びる七本の平行で、かつ上部が開口した溝40を画定する上面38を有する。前記溝40において、前記トレイの表面は底面が平坦なV字形状を含むV字形状の断面を有する。各溝の幅及び深さは、前記トレイ36の上面の平面的なコンテナベース領域における僅かな幅及び深さから、前記トレイが傾斜し、かつ前記表面の平面部が終了する位置42における最大の幅及び深さまで、その長さ方向に沿って徐々にテーパ状になっており、その後は、使用時に製品が排出される前記トレイの出口端まで一定である。前記溝の長さ全体にわたって、その幅はその深さより大きく、前記溝における製品のつまりを最少化する。前記溝の底部は水平方向に対して6度の浅い角度で出口端に向かって下向きに傾斜している。
【0040】
前記トレイ36は前記平面領域が前記コンテナ22の直接下方に位置するように配置され、前記製品貯蔵部の基部を形成する。前記溝40が七つのほぼ三角形状又は台形状の開口44(図11A,11B参照)を形成する前記コンテナの前記前方壁26の下に延びるように、前記トレイ36も配向しており、前記開口44は前記溝表面と前記前方壁26の下縁との間に画定される。前記トレイ36はPTFEブロックからなる後面架台46及び前面架台48上の各端部において支持され、前記架台は前記溝の長手方向に沿った前記トレイの端から端までの制限された移動を可能とし、前記トレイの縦又は横の移動をほぼ防止する。前記トレイは、使用時に、ブリスタパック充填技術において振動手段の一種として知られている電磁加振器50によって振とうされる。前記加振器50はフレーム34上に取付けられている。
【0041】
図11A及び11Bから分かるように、キャリッジ30を取付ける前記コンテナは前記コンテナ22がスライドレール32に沿い、前記トレイ5の上面38を横切って水平方向に、前記溝40が延びる方向に沿って摺動することを可能にする。前記コンテナの前記トレイの排出端に向かう移動は、各溝の幅及び深さを拡大し、各開口44の寸法を増大させる。反対に、前記トレイの排出端から離間する方向の移動は前記開口の寸法を縮小させる。この種の移動は前記貯蔵部内に保持されている製品に従って前記開口の寸法を決め、製品の大きさに従って、一度に一つの製品だけを前記ホッパの各開口から排出することを可能にする。
【0042】
スライドレール32上には、壁26の前方の前記コンテナ22の外側の前記溝に渡って、製品搬送区画の入口ゲート機構も取付けられ、前記製品搬送区画の入口ゲート機構は入口ゲートシリンダ架台52上に七つの空気圧シリンダ(個々に図示せず)を備えている。前記コンテナ22の前方には拘束プレート54が取付けられ、該拘束プレート54の下側は各溝に対応した七本の一体式拘束棒56で形成されている。前記拘束棒56は各溝の中心線の直接上方に、前記傾斜する溝の底部と平行に配置されている。前記プレート54の後端は前記開口の上方のコンテナ壁26に緊密に当接するようにテーパ状になっている。前記コンテナ22から離間したプレート54の前端において、先端に三角形状又は台形状のゲートパッド64を有する回動アーム62を備えた七つの搬送区画入口ゲート60が取付けられ、該搬送区画入口ゲート60は前記溝の形状に整合し、かつ前記ゲートが前記溝内に降下する際に前記溝を閉鎖し、かつ前記ゲートアームが上昇する際に前記溝を開放するように形成される。前記ゲートパッドは前記溝において製品を損傷しない薬学的に許容される材料から製造される。シリコンゴムはその一つの好適な材料である。各ゲート60は他の六つのゲート60とは独立して昇降することができる。
【0043】
前記拘束プレート、入口ゲート、及びコンテナは同一のキャリッジ30上に効果的に取付けられているため、一貫した相互位置関係を保持している間、全て前記トレイ36に沿って移動することができる。しかし、前記溝の底部は前記コンテナの内部から前記トレイの排出端まで一貫して傾斜しているため、トレイ(及び、それによって入口も)の高さ調節は拘束プレートクランプ66の形式でなされる。
【0044】
各排出区画の入口ゲートアーム62は空気配管68も含み、該配管の入口は図8に示されている。各配管は前記アームを通過し、かつ前記アームの前方上を下向きに、前記溝内へ向かって出現する。これらの空気配管は、前記区画排出ゲート70が製品を排出するために開放している際に、前記搬送区画内へ空気ジェットを供給するために配置されている。前記空気ジェットは製品の排出、及び前記溝の製品屑のない状態での維持を促進する。前記トレイ36の排出端の下方には、このような塵埃を収集したり、除去したりするために前記フレーム34内で真空ダクト74に接続される塵埃抽出ダクト72が位置している。
【0045】
前記溝の底部の配列に平行なさらなる対のスライドレール80は、排出ゲートキャリッジ82であって、該排出ゲートキャリッジ82上にはプレート76に取付けられたレーザセンサ(図示せず)がとりつけられており、各レーザセンサは各溝に関連付けられている排出ゲートキャリッジ82と、同時に各溝に進入して閉鎖するように形作られた一つの排出ゲート70と、前記排出ゲート用の空気圧作動シリンダ(図示せず)とを支持している。
【0046】
前記レーザセンサは前記ゲート60及び70の間の製品の存在を検知するために配置されている。各センサは前記V字形溝の研磨された基部78からなる補助的な反射器を備えている。前記研磨部は前記製品排出区画の可能な長さ及び位置を越えて延びている。前記センサ及び空気圧アクチュエータは図示していないプログラマブル論理制御システムによって制御される。
【0047】
入口88が前記各溝40と整合する七本の個々のシュート86を備えた縦方向の搬送箱84が、前記トレイ36の排出端において前記フレームによって支持されている。前記搬送箱の前方の透明なカバープレート90は前記シュートを検査することを可能にする。前記搬送箱の下端は七本全てのシュートの排出口であり、当技術分野において周知であるように、排出された製品を患者用ブリスタパック92(図15)の適切なポケット内に導くために、可撓性ダクトを設けることができる。
【0048】
前記コンテナ22内において、前記前方壁26に近接して、電気モータ102によって駆動される回転式掃出し器100が取付けられている。前記掃出し器は四枚の堅牢なナイロン製羽根104を備え、該羽根は前記出口開口44上方の前記コンテナ内においてトレイ36の上平面を連続的に掃拭し、前記平面から製品を掃出し、それによってこの地点での製品の蓄積を防ぎ、かつ前記開口を通り前記溝に沿った一つの製品の安定な搬送を促進する。
【0049】
作動前に、製品に適合した拘束棒56を備えた適切な拘束プレート54が選択される。六枚の異なるプレート54によって前記装置が他の部品を全く変更せずに120種類もの異なる形状及び寸法の医薬製品を扱うことが可能になることを確認した。このようなプレートは、製品が平面に横たわる望ましい状態を有する平面又は曲面を備えた錠剤やカプレットに対して図12A及び12Bに示す一般形であり(製品106,図12A)、丸い、もしくは横たわるための望ましい面がない丸みを帯びた製品に対して、図14に示す形(図5Bに示す拘束棒9と類似した形状)であり得る。これら二つの一般形の各々は前記溝40において様々な製品寸法を許容したり、拘束したりするために作られることができる。
【0050】
図13は錠剤又はカプレット用のプレート54の拘束棒56を望ましい角度で示す。これらの棒には、開口44のすぐ外側の前記入口端において、進入ガイド108が設けられている。ガイド108は捩じれたガイド面110を有し、該ガイド面110は図12Aに示すように前記溝に横たわる製品と相互には作用しないが、V字の反対の壁に接触する前記溝に沿って前進する製品と係合し、その方向へ偏向する。これは全ての製品が整合されることを保証し、つまりを最少化する。
【0051】
次に、前記キャリッジ30は、前記開口の寸法44を製品の寸法に整合させるように、スライドレール32に沿って移動する。これはリードスクリュ112で実施することができる。前記拘束プレートの高さ及び前記トレイの上方の入口ゲートも調節可能である。前記排出ゲートの位置は正確な寸法の搬送区画を形成するように調節される。
【0052】
使用時に、前記装置は、ほぼ本発明の第一実施形態に関する記載のように作動する。
当業者は本発明から逸脱することなく多くの変形を容易に思いつくことができるであろう。例えば、可能な代替的実施形態において、前記溝はテーパ状になっておらず、むしろ幅及び/又は深さを徐々に縮小することができる。前記開口の寸法は前記貯蔵部に対して前記表面を移動することによって調節することができる。前記開口の寸法は単に水平方向に移動する代わりに垂直方向に移動することによって調節することができる。例えば赤外線センサ等のレーザセンサとは別の任意の適したセンサを用いることができる。電磁加振器とは別の機械振動器を用いることができる。
【0053】
さらに、前記排出ゲートは前記溝内に位置するように配置される必要はなく、また溝形状に応じるように形作られる必要はなく、代わりに前記溝の端部に存在すれば良い。また、製品が前記開口を通って、前記溝に沿って移動するように、機械振動器とは別の手段を用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に搬送するための一つ以上の出口内へ製品を搬送する製品供給装置であって、該製品供給装置は、
製品を案内するように配置された一つ以上の溝を画定し、かつ前記溝の幅及び深さの少なくとも一方が前記溝の出口に向かって増大する表面と、
前記表面に近接した壁とを備え、
前記壁及び前記一つ以上の溝は、製品が前記溝の出口へ向かって通過する少なくとも一つの開口を画定するように協働し、
前記開口の寸法は前記壁及び表面の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させることによって調節可能である、製品供給装置。
【請求項2】
前記壁は前記表面を横切って横方向に移動するように配置されている、請求項1に記載の製品供給装置。
【請求項3】
個別の製品を保持するための貯蔵部を備える、請求項1又は2に記載の製品供給装置。
【請求項4】
前記壁は前記貯蔵部に関連付けられている、請求項3に記載の製品供給装置。
【請求項5】
前記壁は前記貯蔵部の一部を形成している、請求項3又は4に記載の製品供給装置。
【請求項6】
前記貯蔵部は前記表面の上方に摺動可能に取付けられている、請求項3から5のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項7】
前記貯蔵部は前記開口への製品の流れを制限及び制御するために邪魔板を備える、請求項3から6のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項8】
前記溝はテーパ状である、請求項1から7のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項9】
前記溝に沿って製品を振動させるために前記表面を振とうするように配置された振動手段を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項10】
前記開口を通過した製品の前記溝から外への移動を抑止するために拘束手段を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項11】
前記拘束手段は前記溝の上方に支持された拘束部材である、請求項10に記載の製品供給装置。
【請求項12】
前記拘束部材は前記表面に対して所定の角度で傾斜している、請求項11に記載の製品供給装置。
【請求項13】
前記ブリスタのポケット内への製品の搬送を制御するゲート機構を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項14】
前記ゲート機構は少なくとも二つのゲートを備え、選択的に、該ゲートのうち一つは前記拘束部材に関連付けられる、請求項11又は13に記載の製品供給装置。
【請求項15】
前記拘束部材に関連付けられた前記ゲートは前記拘束部材の部分として形成され、かつ前記溝内に突出する、請求項14に記載の製品供給装置。
【請求項16】
前記拘束部材はゲートを駆動するように前記溝に対して移動可能である、請求項14又は15に記載の製品供給装置。
【請求項17】
関連の溝の前記ゲート機構は互いに独立して作動可能である、請求項13から16のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項18】
前記表面を横切って摺動可能となるように一つ以上のキャリッジ上に支持される貯蔵部と、拘束手段と、ゲート機構とを備える、請求項1に記載の製品供給装置。
【請求項19】
前記ゲート機構は二つのゲートを備え、該ゲートは互いに独立して移動可能となるように分離したキャリッジ上に設けられている、請求項18に記載の製品供給装置。
【請求項20】
前記製品は医薬投与剤形である、請求項1から19のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項21】
前記ブリスタパックは医薬投与剤形ブリスタパックである、請求項1から20のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項22】
前記医薬投与剤形は錠剤、カプレット、硬質ゲルカプセル剤、あるいは軟質ゲルカプセル剤である、請求項20又は21に記載の製品供給装置。
【請求項23】
前記ブリスタパックは患者パックである、請求項1から22のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項24】
実質的に明細書又は図面に記載の製品供給装置。
【請求項25】
前記溝は前記貯蔵部から前記出口に向かって下向きに傾斜している、請求項1から24のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項26】
前記表面はほぼ前記溝の長手方向に沿ってのみ製品を振動させるように移動可能である、請求項1から25のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項27】
拘束手段は、それぞれ各溝に進入し、かつその有効寸法及び形状を制限するように構成された複数の棒を備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項28】
各棒は溝進入ガイドを備える、請求項27に記載の製品供給装置。
【請求項29】
各溝進入ガイドは一角度から別の角度へ製品を偏向させる捩じれたガイド表面を備える、請求項28に記載の製品供給装置。
【請求項30】
一対のゲートは、前記各溝が製品搬送区画を形成するように連続して配置される、請求項1から29のいずれか一項に記載の製品供給装置。
【請求項31】
前記ゲートの間隔を調節することによって製品の寸法に合わせて調節可能である、請求項30に記載の製品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−538921(P2010−538921A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524576(P2010−524576)
【出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003133
【国際公開番号】WO2009/034363
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(510259736)サージケム リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SURGICHEM LIMITED
【Fターム(参考)】